JP2018095373A - クレーン - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、施工現場における施工状況に応じた風の状況に関する情報を提供することができるクレーンを提供する。【解決手段】旋回台7に起伏自在の伸縮ブーム8を備えたクレーン1において、伸縮ブーム8に風向風速計21を備え、施工現場の三次元形状に基づいて、前記施工現場における風向と風速とのシミュレーションモデルを生成し、シミュレーションモデルに基づいて、施工現場における気象情報データまたは風向風速計21が検出した風向風速データから施工現場における風向と風速とをシミュレーションするクレーン。【選択図】図4

Description

本発明は、クレーンに関する。詳しくは、クレーンが作業する施工現場における風のシミュレーション技術に関する。
従来、施工現場における風の状況(具体的には、風向と風速)は、施工現場におけるクレーンの吊荷の振れ等に影響するため、風の状況を把握することが望まれている。施工現場における気象環境の影響を施工計画段階で事前に確認することが可能な施工現場の環境シミュレーションシステム、および、施工現場の環境シミュレーション方法が知られている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
特許文献1に記載の施工現場の環境シミュレーションシステム、および、施工現場の環境シミュレーション方法は、構築される建物(建築物)の周辺街区および建物(建築物)の施工過程の各段階における状態を三次元データに基づいてモデル化した三次元モデルデータと、施工期間に対応した気象データと、を各段階の施工時期に基づいて対応づけて、各段階における建物(建築物)および周辺街区に対する気象の影響をシミュレーションする。シミュレーションの結果から、施工時期の各段階における風向と風速とを施工計画段階で事前に確認することができる。
特許文献1に記載の環境シミュレーションシステム、および、環境シミュレーション方法は、建築物が建築される敷地の周辺街区、および、設計した建築物のデータに基づいて施工過程の各段階における気象の影響をシミュレーションするが、実際に建築中の建築物の三次元形状を取得してシミュレーションするものではない。そのため、実際に建築中の建築物の三次元形状が施工計画段階で設計した建築物の三次元形状と違う場合、実際に建築中の建築物の三次元形状に基づいて風向と風速とのシミュレーションができず、風の状況を把握することができなかった。
特開2013−174952号公報
本発明の目的は、施工現場における施工状況に応じた風の状況に関する情報を提供することができるクレーンの提供を目的とする。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、クレーンは、旋回台に起伏自在の伸縮ブームを備えたクレーンにおいて、伸縮ブームに風向風速計を備え、施工現場の三次元形状に基づいて、施工現場における風向と風速とのシミュレーションモデルを生成し、シミュレーションモデルに基づいて、施工現場における気象情報データまたは風向風速計が検出した風向風速データから施工現場における風向と風速とをシミュレーションするものである。
クレーンは、施工現場における風向と風速とをシミュレーションした結果に基づいて、クレーンによる作業を行うか否か判断するための風向と風速との限界値を設定し、風向風速計の検出値が限界値を超えた場合、クレーンが作動しないようにする、または警告を出力するものである。
クレーンは、伸縮ブームの先端に設けられる熱源検出手段を備え、熱源の温度と位置と範囲とを、熱源検出手段の検出値、または入力値から取得し、施工現場における風向と風速とを、風向と風速とをシミュレーションした結果から取得し、施工現場の三次元形状の材質を、入力値から取得し、施工現場の三次元形状と、熱源の温度と位置と範囲と、風向と風速と、施工現場の三次元形状の材質と、に基づいて、施工現場において炎が熱源から燃え広がる状態と、有害煙の有無および有害煙が拡散する状態と、をシミュレーションするものである。
クレーンは、予め特定の三次元形状と特定の材質とが対応付けられ、施工現場の三次元形状の中に、特定の三次元形状が存在するか否かを判定し、特定の三次元形状が存在する場合、特定の三次元形状が存在する部分の材質を対応する特定の材質に設定するものである。
クレーンは、吊荷の荷重を検出する荷重検出手段と、伸縮ブームの先端から吊荷までの距離を検出する距離検出手段と、を備え、吊荷の荷重を、荷重検出手段の検出値、または入力値から取得し、伸縮ブームの先端から吊荷までの距離を、距離検出手段の検出値、または入力値から取得し、施工現場における風向と風速とを、風向と風速とをシミュレーションした結果から取得し、吊荷を吊り上げてから吊り下ろすまでの吊荷の移動経路を入力値から取得し、施工現場の三次元形状と、吊荷の荷重と、伸縮ブームの先端から吊荷までの距離と、風向と風速と、吊荷の移動経路と、に基づいて、吊荷の移動経路における振れをシミュレーションするものである。
本発明は、以下に示すような効果を奏する。
クレーンにおいては、現在の施工現場の形状と伸縮ブームの先端での風の状況に基づいて風向きと風速とが示される。これにより、施工現場における施工状況に応じた風の状況に関する情報を提供することができる。
クレーンにおいては、作業を行うときの伸縮ブーム先端での風の状況に基づいて、作業に対する風の影響が示される。これにより、施工現場における施工状況に応じた風の状況に関する情報を提供することができる。
クレーンにおいては、現在の施工現場の形状と材質とに基づいて熱源に対する風の影響が示される。これにより、施工現場における施工状況に応じた風の状況に関する情報を提供することができる。
クレーンにおいては、現在の施工現場の形状から判別した材質に基づいて熱源に対する風の影響が示される。これにより、施工現場における施工状況に応じた風の状況に関する情報を提供することができる。
クレーンにおいては、現在の施工現場の形状と伸縮ブームの先端での風の状況に基づいて搬送中における吊荷に対する風の影響が示される。これにより、施工現場における施工状況に応じた風の状況に関する情報を提供することができる。
本発明の第一実施形態から第四実施形態に係るクレーンの全体構成を示す側面図。 本発明の第一実施形態から第四実施形態に係るクレーンのシミュレーション装置の構成を示す図。 (a)本発明の第一実施形態から第四実施形態に係る、クレーンが旋回するとき施工現場の三次元形状を検出することを示す図、(b)本発明の第一実施形態から第四実施形態に係る、クレーンが起伏するとき施工現場の三次元形状を検出することを示す図。 本発明の第一実施形態から第四実施形態に係る風向と風速とのシミュレーションモデルを示す斜視図。 本発明の第一実施形態から第四実施形態に係るクレーンにおいて風向と風速とのシミュレーションの処理を表すフローチャートを示す図。 (a)本発明の第二実施形態に係る風向と風速とをシミュレーションした結果を示す斜視図、(b)本発明の第二実施形態に係る風向風速計の検出値を示す斜視図。 本発明の二実施形態に係るクレーンにおいて作業開始時および作業中の風向と風速とに関する安全制御の処理を表すフローチャートを示す図。 (a)本発明の第三実施形態に係る炎が熱源から燃え広がる状態と有害煙の有無および有害煙が拡散する状態とのシミュレーションにおいて、シミュレーションの入力値を示す斜視図、(b)本発明の第三実施形態に係る炎が熱源から燃え広がる状態と害煙の発生の有無および有害煙が拡散する状態とのシミュレーションにおいて、シミュレーションした結果を示す斜視図。 本発明の三実施形態に係るクレーンにおいて、赤外線カメラの検出値から熱源の温度と位置と範囲とを取得した場合の、炎が熱源から燃え広がる状態と有害煙の有無および前記有害煙が拡散する状態とのシミュレーションの処理を表すフローチャートを示す図。 本発明の三実施形態に係るクレーンにおいて、操縦者の入力値から熱源の温度と位置と範囲とを取得した場合の、炎が熱源から燃え広がる状態と有害煙の有無および前記有害煙が拡散する状態とのシミュレーションの処理を表すフローチャートを示す図。 (a)本発明の第四実施形態に係る吊荷を吊り上げている状態を示す側面図、(b)本発明の第四実施形態に係る吊荷の振れのシミュレーションを示す側面図、(c)同じく吊荷の振れのシミュレーションを示す平面図。 本発明の四実施形態に係るクレーンにおいて吊荷の振れのシミュレーションの処理を表すフローチャートを示す図。
以下に、図1から図5を用いて、クレーンの一実施形態に係るクレーン1について説明する。なお、本実施形態においては、クレーン1として移動式クレーンについて説明を行うが、アクチュエータによって起伏される伸縮ブーム8と旋回台7とウインチとを具備するクレーン1であればよい。
図1に示すように、クレーン1は、不特定の場所に移動可能な移動式クレーンである。クレーン1は、車両2、クレーン装置6を有する。
車両2は、クレーン装置6を搬送するものである。車両2は、複数の車輪3を有し、エンジン(図示しない)を動力源として走行する。車両2には、アウトリガ5が設けられている。アウトリガ5は、車両2の幅方向両側に油圧によって延伸可能な張り出しビームと地面に垂直な方向に延伸可能な油圧式のジャッキシリンダとから構成されている。車両2は、アウトリガ5を車両2の幅方向に延伸させるとともにジャッキシリンダを接地させることにより、クレーン1の作業可能範囲を広げることができる。
クレーン装置6は、吊荷Wをワイヤロープによって吊り上げるものである。クレーン装置6は、旋回台7、伸縮ブーム8、ジブ9、メインフックブロック10、サブフックブロック11、起伏シリンダ12、メインウインチ13、メインワイヤロープ14、サブウインチ15、サブワイヤロープ16、三次元形状取得手段を構成する三次元スキャナ20、キャビン22、シミュレーション装置23(図2参照)等を具備する。
旋回台7は、クレーン装置6を旋回可能に構成するものである。旋回台7は、円環状の軸受を介して車両2のフレーム上に設けられる。円環状の軸受は、その回転中心が車両2の設置面に対して垂直になるように配置されている。旋回台7は、円環状の軸受の中心を回転中心として一方向と他方向とに回転自在に構成されている。旋回台7は、その旋回位置を検出する旋回位置検出センサ17(図2参照)が設けられている。
伸縮ブーム8は、吊荷Wを吊り上げ可能な状態にワイヤロープを支持するものである。伸縮ブーム8は、複数のブーム部材であるベースブーム部材8a、セカンドブーム部材8b、サードブーム部材8c、フォースブーム部材8d、フィフスブーム部材8e、トップブーム部材8fから構成されている。各ブーム部材は、断面積の大きさの順に入れ子式に挿入されている。伸縮ブーム8は、各ブーム部材を図示しない伸縮シリンダで移動させることで軸方向に伸縮自在に構成されている。伸縮ブーム8は、ベースブーム部材8aの基端が旋回台7上に搖動可能に設けられている。これにより、伸縮ブーム8は、車両2のフレーム上で水平回転可能かつ揺動自在に構成されている。伸縮ブーム8には、その伸縮ブーム長さを検出する伸縮ブーム長さ検出センサ18と起伏角度を検出する起伏角度検出センサ19(図2参照)とが設けられている。
ジブ9は、クレーン装置6の揚程や作業半径を拡大するものである。ジブ9は、伸縮ブーム8に沿った姿勢で保持されている。ジブ9は、トップブーム部材8fに連結可能に構成されている。
メインフックブロック10は、吊荷Wを吊るものである。メインフックブロック10には、メインワイヤロープ14が巻き掛けられる複数のフックシーブと、吊荷Wを吊るメインフックとが設けられている。サブフックブロック11は、吊荷Wを吊るものである。サブフックブロック11には、吊荷Wを吊るサブフックが設けられている。
起伏シリンダ12は、伸縮ブーム8を起立および倒伏させ、伸縮ブーム8の姿勢を保持するものである。起伏シリンダ12はシリンダ部とロッド部とからなる油圧シリンダから構成されている。起伏シリンダ12は、シリンダ部の端部が旋回台7に搖動自在に連結され、ロッド部の端部が伸縮ブーム8のベースブーム部材8aに搖動自在に連結されている。起伏シリンダ12は、ロッド部がシリンダ部から押し出されるように作動油が供給されることでベースブーム部材8aを起立させ、ロッド部がシリンダ部に押し戻されるように作動油が供給されることでベースブーム部材8aを倒伏させるように構成されている。
油圧ウインチであるメインウインチ13は、メインワイヤロープ14の繰り入れ(巻き上げ)および繰り出し(巻き下げ)を行うものである。メインウインチ13は、メインワイヤロープ14が巻きつけられるメインドラムがメイン用油圧モータによって回転されるように構成されている。メインウインチ13は、メイン用油圧モータが一方向へ回転するように作動油が供給されることでメインドラムに巻きつけられているメインワイヤロープ14を繰り出し、メイン用油圧モータが他方向へ回転するように作動油が供給されることでメインワイヤロープ14をメインドラムに巻きつけて繰り入れるように構成されている。
油圧ウインチであるサブウインチ15は、サブワイヤロープ16の繰り入れおよび繰り出しを行うものである。サブウインチ15は、サブワイヤロープ16が巻きつけられるサブドラムがサブ用油圧モータによって回転されるように構成されている。サブウインチ15は、サブ用油圧モータが一方向へ回転するように作動油が供給されることでサブドラムに巻きつけられているサブワイヤロープ16を繰り出し、サブ用油圧モータが他方向へ回転するように作動油が供給されることでサブワイヤロープ16をサブドラムに巻きつけて繰り入れるように構成されている。
三次元形状取得手段である三次元スキャナ20は、施工現場の三次元形状を検出するものである。三次元スキャナ20は、伸縮ブーム8のトップブーム部材8fの先端に設けられている。三次元スキャナ20は、その姿勢を変更するためのアクチュエータ20aを介してトップブーム部材8fに配置されている。
風向風速計21は、クレーンにおける風向と風速とを検出するものである。風向風速計21は、伸縮ブーム8のトップブーム部材8fの先端に設けられている。なお、クレーン1が建築物に囲まれて風が遮られている場合、風向風速計21を施工現場において風が遮られていない場所に設けてもよい。
キャビン22は、操縦席を覆うものである。キャビン22は、旋回台7における伸縮ブーム8の側方に設けられている。キャビン22の内部には、操縦席が設けられている。操縦席には、メインウインチ13を操作するためのメイン用操作具、サブウインチ15を操作するためのサブ用操作具、伸縮ブーム8を操作するための起伏用操作具、クレーン1を移動させるためのハンドル等が設けられている。
GPSセンサ24は、複数のGPS衛星から送られる情報に基づいてGPSセンサ24の絶対位置を検出するものである。GPSセンサ24は、キャビン22の上面に設けられている。
このように構成されるクレーン1は、車両2を走行させることで任意の位置にクレーン装置6を移動させることができる。また、クレーン1は、起伏シリンダ12で伸縮ブーム8を任意の起伏角度に起立させて、伸縮ブーム8を任意の伸縮ブーム長さに延伸させたりジブ9を連結させたりすることでクレーン装置6の揚程や作業半径を拡大することができる。
以下に、図2を用いて、クレーン1が具備するシミュレーション装置23について説明する。
図2に示すように、シミュレーション装置23は、風向と風速とのシミュレーションを行うものである。シミュレーション装置23は、三次元スキャナ20から取得した三次元形状に基づいて、施工現場における風向と風速とのシミュレーションモデルを生成する。シミュレーション装置23は、実体的には、CPU、ROM、RAM、HDD等がバスで接続される構成であってもよく、あるいはワンチップのLSI等からなる構成であってもよい。シミュレーション装置23は、シミュレーションするために種々のプログラムやデータが格納されている。シミュレーション装置23は、車両2に設けられている。
シミュレーション装置23は、旋回台7の旋回位置検出センサ17に接続され、旋回位置検出センサ17が検出した旋回台7の旋回方向および旋回角度を取得することができる。
シミュレーション装置23は、伸縮ブーム8の伸縮ブーム長さ検出センサ18と起伏角度検出センサ19とに接続され、伸縮ブーム長さ検出センサ18が検出した伸縮ブーム8の伸縮ブーム長さおよび起伏角度検出センサ19が検出した伸縮ブーム8の起伏角度を取得することができる。
シミュレーション装置23は、ネットワークに接続され、気象情報データを取得することができる。なお、シミュレーション装置23は、施工現場の三次元形状を三次元スキャナ20からではなくネットワークから取得するように構成してもよい。
シミュレーション装置23は、風向風速計21に接続され、風向風速計21が検出した風向と風速とを取得することができる。
シミュレーション装置23は、GPSセンサ24に接続され、GPSセンサ24が検出した車両2の位置データを取得することができる。
シミュレーション装置23は、液晶パネル等を用いたディスプレイである表示装置25に接続され、表示装置25にシミュレーションした結果を表示できる。
次に、図3から図5を用いて、風向と風速とのシミュレーションの処理ついて説明する。
図3に示すように、クレーン1は、伸縮ブーム8を起伏しているとき、または伸縮ブーム8を旋回しているとき、伸縮ブーム8の先端に設けられた三次元スキャナ20により建築物の上方から施工現場の三次元形状を検出する。このとき、クレーン1は、アクチュエータ20aにより三次元スキャナ20の姿勢を変えることで、広範囲の施工現場の三次元形状を検出する。
シミュレーション装置23は、旋回位置検出センサ17、起伏角度検出センサ19、および伸縮ブーム長さ検出センサ18が検出するデータを用いて、GPSセンサ24に対する三次元スキャナ20の相対位置を算出し、その相対位置に基づいて三次元スキャナ20の絶対位置を算出する。そして、シミュレーション装置23は、三次元スキャナ20の絶対位置に基づいて、検出された三次元形状をマッピングする。シミュレーション装置23は、マッピングされた三次元形状に基づいて施工現場における風向と風速とのシミュレーションモデルを生成する(図4参照)。
図4に示すように、施工現場における風向と風速とのシミュレーションモデルは、施工現場の周辺から所定の風向と風速との風が吹いた場合の施工現場における風向と風速とを示す。矢印の向きは風向を示し、矢印の大きさは風速の大小を示している。本実施形態において、シミュレーションモデルは、施工現場に風A、風B、風C、風D、風Eが吹いた場合、建築物27によって風F、風Gおよび風Hが生じ、建築物27に沿って流れていく状態を示している。同様に、建築物28によって風I、風Jおよび風Kが生じ、建築物28に沿って流れていく状態を示している。また、建築物27と建築物28との周りに風L、風M、風N、風O、風P、風Qおよび風Rが生じ、建築物27と建築物28とを囲むように流れていく状態を示している。一方、建物27と建築物28とから離間している位置に風Sと風Tとが生じ、建築物27と建築物28とに干渉されることなく流れ抜ける状態を示している。
気象庁から取得した気象情報データ、または風向風速計21が検出する風向風速データを入力値として、シミュレーションモデルから施工現場における風向と風速とをシミュレーションする。
本シミュレーション結果から、施工現場における飛来物の飛来防止対策ができる。例えば、施工現場において飛来物の風下になると予想される場所に飛散防止ネットを設けて、飛来物の飛散を防止することができる。また、強風によりクレーンの転倒等が予測される場合は、クレーンの作業を中止するか否かの判断が事前にできる。
次に、図5を用いて、風のシミュレーションについての処理のフローについて説明する。
ステップS110において、シミュレーション装置23は、GPSセンサ24から車両2の絶対位置を取得し、ステップS120に移行させる。
ステップS120において、シミュレーション装置23は、旋回位置検出センサ17から旋回台7の旋回位置を取得する。また、起伏角度検出センサ19から伸縮ブーム8の起伏角度を取得し、伸縮ブーム長さ検出センサ18から伸縮ブーム8の伸縮ブーム長さを取得して、ステップS130に移行させる。
ステップS130において、シミュレーション装置23は、ステップS120で取得した伸縮ブーム8の旋回位置、伸縮ブーム8の起伏角度、および伸縮ブーム長さに基づいて車両2と三次元スキャナ20との相対位置を算出し、その相対位置に基づいて三次元スキャナ20の絶対位置を算出する。また、シミュレーション装置23は、三次元スキャナ20の絶対位置の算出と同様に、風向風速計21の絶対位置を車両2と風向風速計21との相対位置に基づいて算出し、ステップS140に移行させる。
ステップS140において、シミュレーション装置23は、三次元スキャナ20から施工現場の三次元形状を取得し、ステップS150に移行させる。
ステップS150において、シミュレーション装置23は、ステップS130の三次元スキャナ20の絶対位置に基づいてステップS130の三次元形状をマッピングする。シミュレーション装置23は、マッピングされた三次元形状に基づいて施工現場における風向と風速とのシミュレーションモデルを生成し、ステップをステップS160に移行させる。
ステップS160において、シミュレーション装置23は、ネットワークを介して気象情報データ、または風向風速計21から風向風速データを取得し、ステップをステップS170に移行させる。
ステップS170において、シミュレーション装置23は、ステップS160の気象象情報データ、または風向風速計21の風向風速データを入力値として、ステップS150のシミュレーションモデルから施工現場における風向と風速とをシミュレーションし、クレーン1のシミュレーションの処理を終了させる。
このように構成することでクレーン1は、現在の施工状況に基づいてシミュレーションされた風向と風速とが確認できる。これにより、施工現場における施工状況に応じた風の状況に関する情報を提供することができる。
次に、図1、図2、図6、および図7を用いて、クレーンの第二実施形態であるクレーン26について説明する。なお、以下の実施形態に係るクレーン26は、図1から図5に示すクレーン1において説明で用いた名称、図番、記号を用いることで、同じものを指すこととし、以下の実施形態において、既に説明した実施形態と同様の点に関してはその具体的説明を省略し、相違する部分を中心に説明する。
図2に示すように、シミュレーション装置23は、クレーン26による作業開始時および作業中の風向と風速とに関する安全制御を行うものである。
シミュレーション装置23は、制御装置38に接続されている。制御装置38は、クレーン26の動作を制御するものであり、シミュレーション装置23からの信号によりクレーン26が作動しないようにすることができる。
図6および図7を用いて、クレーン26による作業開始時および作業中の風向と風速とに関する安全制御の処理について説明する。
本実施形態において、シミュレーション装置23は、第一実施形態の風向と風速とのシミュレーションを行った結果、作業に対する風の影響がないと判断された後に、作業を開始するときの安全制御を行う。
図6(a)に示すように、シミュレーション装置23は、風向と風速とをシミュレーションし、風向と風速とは第一実施形態のシミュレーションと同様の結果になっている。施工管理者は、シミュレーション結果から、作業に対する風の影響がないと判断している。本実施形態において、施工管理者は、クレーン等安全規則や施工管理者の経験に基づいて、作業を行うか否かを判断するための施工現場における最大風速の基準値を設定する。シミュレーション装置23は、第一実施形態の施工現場における風向と風速とのシミュレーションモデルに基づいてシミュレーションを行う。最大風速の基準値が10m/sに設定されている場合、シミュレーション装置23は、風Q(黒塗矢印参照)が風速5m/sを超えるときに、施工現場における最大風速が10m/sを超えると算出すると、クレーン26による作業を行うか否かを判断するための風向と風速との限界値を、風Qの風速5m/sとして設定する。
図6(b)に示すように、本実施形態において、作業を開始するときに、シミュレーション装置23は、風向風速計21から風速6m/sの風(風Q)を検出している。シミュレーション装置23は、風向風速計21の検出値が限界値を超えていると判定し、制御装置38に信号を出力してクレーン26が作動しないようにする、または警告を出力する。なお、風向風速計21の検出値が限界値を超えているか否かの判定は、作業を開始するときに限定されず、作業中に行ってもよい。シミュレーション装置23は、作業中においても、風向風速計21の検出値が限界値を超えていると判定した場合、制御装置38に信号を出力してクレーン26が作動しないようにする、または警告を出力する。
次に、図7を用いて、クレーン26による作業時の風向と風速とに関する安全制御の処理のフローについて説明する。
ステップS100において、シミュレーション装置23は、シミュレーション制御Aを開始し、ステップをステップS110に移行させる(図5参照)。そして、シミュレーション制御Aが終了するとステップをステップS210に移行させる(図7参照)。
ステップS210において、シミュレーション装置23は、作業を行うか否かを判断するための風向と風速との限界値を設定し、ステップをステップS220に移行させる。
ステップS220において、シミュレーション装置23は、風向風速計21から風向風速データを取得し、ステップをステップS230に移行させる。
ステップS230において、シミュレーション装置23は、ステップS220の風向風速計21の風向風速データがステップS210の限界値よりも大きいか否か判断する。
その結果、ステップS230の風向風速計21の風向風速データがステップS210の限界値よりも大きいと判定された場合、シミュレーション装置23はステップをステップS240に移行させる。
一方、ステップS230の風向風速計21の風向風速データがステップS210の限界値よりも大きくないと判定された場合、シミュレーション装置23はステップをステップS220に移行させる。
ステップS240において、シミュレーション装置23は、制御装置38に信号を出力してクレーン26が作動しないようにする、または表示装置25に風向風速計21の検出値が限界値より大きい旨の警告を表示し、クレーン26の安全制御の処理を終了させる。
このように構成することでクレーン26は、作業を行うときの伸縮ブーム8先端での風の状況に基づいて、作業に対する風の影響が確認できる。これにより、施工現場における施工状況に応じた風の状況に関する情報を提供することができる。
次に、図1、図2、図8および図9を用いて、クレーンの第三実施形態であるクレーン34について説明する。
図1に示すように、熱源検出手段を構成する赤外線カメラ29は、施工現場の熱源を検出するものである。赤外線カメラ29は、伸縮ブーム8のトップブーム部材8fの先端、またはジブ9の先端に設けられている。
図2に示すように、シミュレーション装置23は、施工現場における炎が熱源から燃え広がる状態と有害煙の有無および有害煙が拡散する状態とのシミュレーションするものである。
図2に示すように、シミュレーション装置23は、赤外線カメラ29に接続され、赤外線カメラ29が検出した熱源の温度と位置と範囲とを取得することができる。
図2に示すように、シミュレーション装置23は、入力装置30に接続されている。入力装置30には、キーボードやマウスが含まれており、シミュレーションの入力値の入力に用いられる。
図8を用いて、施工現場における炎が熱源から燃え広がる状態と有害煙の有無および有害煙が拡散する状態とのシミュレーションの処理ついて説明する。
図8(a)に示すように、施工現場における建築物28は、燃焼場所31において火災が発生している。また、建築物28の屋上では風I(黒塗矢印参照)が吹いているものとする。そして、燃焼場所31の周りに資材32と100Lのドラム缶33が置かれており、ドラム缶33には消防法上の危険物に該当するポリウレタン塗料が100L充填されているものとする。
予め特定の三次元形状と特定の材質とが対応付けられデータベース化されており、本実施形態において、円柱状の三次元形状とポリウレタン塗料とが対応付けられている。建築物28の屋上に円柱状の三次元形状があるため、シミュレーション装置23は、円柱状の三次元形状が存在する部分の材質がポリウレタン塗料であると判定し、その部分の材質をポリウレタン塗料に設定する。なお、特定の材質と対応付けられる三次元形状は、円柱状の三次元形状に限定されず、他の三次元形状でもよい。例えば、H鋼の三次元形状と鋼とが対応づけられる。
シミュレーション装置23は、操縦者が入力装置30に入力した入力値から施工現場の三次元形状の材質を取得する。本実施形態において、シミュレーション装置23には、建築物28の材質は、鉄筋コンクリートとして予め入力されている。また、資材32の材質は、木材として予め入力されている。このようにシミュレーション装置23は、特定の三次元形状から材質の判別ができ、また、操縦者の入力装置30への入力値から材質を取得できる。
シミュレーション装置23は、熱源のリアルタイムの情報である赤外線カメラ29の検出値、または熱源の任意の入力情報、および過去情報である操縦者の入力装置30への入力値から、熱源の温度と位置と範囲とを取得する。シミュレーション装置23は、赤外線カメラ29の検出値から取得した熱源の温度が基準値(例えば70℃)を超えている場合、熱源において構造物が燃焼していると判定し、赤外線カメラ29の検出値から取得した熱源の温度が基準値を超えていない場合、熱源において構造物が燃焼していないと判定する。本実施形態において、シミュレーション装置23は、建築物28の屋上の燃焼場所31が燃焼していると判定している。
シミュレーション装置23は、第一実施形態で取得した施工現場の三次元形状と、燃焼場所31の温度と位置と範囲と、第一実施形態でシミュレーションした結果の施工現場における風向と風速と、施工現場の三次元形状の材質と、に基づいて一定時間後の炎が熱源から燃え広がる状態と有害ガスである一酸化炭素やシアン化水素等を含む有害煙の有無および有害煙が拡散する状態とをシミュレーションする。なお、シミュレーション装置23は、燃焼している場所の風速が速く風下方向で、燃焼している場所の周囲が燃えやすい材質の場合、燃え広がる速度が速いものとしてシミュレーションする。また、シミュレーション装置23は、危険物に引火した場合、危険物の三次元形状から推定される容量に応じて爆発的に燃焼する等、燃焼の規模が大きくなるようにシミュレーションする。このようにシミュレーション装置23は、熱源が燃え広がる方向と燃焼の規模とをシミュレーションする。そして、シミュレーション装置23は、第一実施形態で取得した施工現場の三次元形状と、燃焼場所31の温度と位置と範囲と、第一実施形態でシミュレーションした結果の施工現場における風向と風速と、施工現場の三次元形状の材質と、に基づいて有害煙の発生の有無をシミュレーションし、第一実施形態で取得した施工現場の三次元形状と第一実施形態でシミュレーションした結果の施工現場における風向と風速とに基づいて、有害煙が拡散する方向をシミュレーションする。
図8(b)に示すように、炎が熱源から燃え広がる状態と有害煙の有無および有害煙が拡散する状態とをシミュレーションした結果、図8(a)から一定時間後(例えば20分後)において、燃焼場所31から風下の場所と建築物28より燃えやすい材質の資材32がある場所とに、炎が燃え広がっており燃焼の規模が大きくなっている。また、ドラム缶33がある場所は、爆発的に燃焼し、燃焼の規模が大きくなっている。そして、ドラム缶33がある場所は、シアン化水素を含む有害煙が発生し、ドラム缶33から風下方向に有害煙が拡散している。
シミュレーション装置23は、赤外線カメラ29の検出値から熱源の温度と位置と範囲とを取得した場合、熱源の温度が基準値より小さくなるまで、熱源の温度と位置と範囲との取得と、施工現場における炎が熱源から燃え広がる状態と有害煙の有無および有害煙が拡散する状態とのシミュレーションと、を繰り返す。これにより、シミュレーション装置23は、炎が消えるまでシミュレーションを継続する。
防火対策のための本シミュレーションの使用例として、シミュレーション装置23は、夜間の施工現場において赤外線カメラ29の検出値から熱源の温度と位置と範囲とを取得し、熱源において構造物が燃焼していると判定した場合、現場担当者に通報できるように構成してもよい。この際、出火の可能性がある建築物等の位置情報も併せて通報できるように構成してもよい。
防火対策のための本シミュレーションの別の使用例として、炎が燃え広がりやすいとシミュレーションされた場所に消火器等の消火設備を設けることができる。また、施工現場の風下に燃えやすい材質の資材や危険物等を設置しないようにすることで、炎の燃え広がりを小さくすることができる。そして、施工現場の三次元形状に基づいて危険物を判別することで、危険物が消防法で定められた保管場所に保管されておらず、施工現場に放置されていないか確認することができる。
消火活動のための本シミュレーションの使用例として、シミュレーション装置23が赤外線カメラ29の検出値から熱源の温度と位置と範囲とを取得することで、消防は、シミュレーションされた炎が熱源から燃え広がる状態と有害煙の有無および有害煙が拡散する状態とを確認して、消火活動を行うことができる。また、シミュレーション装置23が赤外線カメラ29の検出値から熱源を取得するときに人の熱源を併せて取得することで、消防は、人が存在する位置を確認して人の救助を行うこともできる。
次に、図9を用いて、赤外線カメラ29から熱源の温度と位置と範囲とを取得した場合の、炎が熱源から燃え広がる状態と有害煙の有無および有害煙が拡散する状態とのシミュレーションにおけるクレーン34の処理のフローについて説明する。
ステップS100において、シミュレーション装置23は、シミュレーション制御Aを開始し、ステップをステップS110に移行させる(図5参照)。そして、シミュレーション制御Aが終了するとステップをステップS310に移行させる(図9参照)。
ステップS310において、シミュレーション装置23は、ステップS140の三次元形状の中に、特定の材質と対応付けられた特定の三次元形状が存在するか否かを判別し、存在する場合、特定の三次元形状が存在する部分の材質を対応する特定の材質に設定しステップをステップS320に移行させる。
ステップS320において、シミュレーション装置23は、操縦者が入力装置30に入力した入力値から施工現場の三次元形状の材質を取得し、ステップをステップS330に移行させる。
ステップS330において、シミュレーション装置23は、赤外線カメラ29の検出値から熱源の温度と位置と範囲とを取得し、ステップS340に移行させる。
ステップS340において、シミュレーション装置23は、取得した熱源の温度に基づいて、熱源の熱源において構造物が燃焼しているか否か判断する。
その結果、熱源において構造物が燃焼していると判定された場合、シミュレーション装置23はステップをステップS350に移行させる。
一方、熱源において構造物が燃焼していないと判定された場合、シミュレーション装置23はクレーン34のシミュレーションの処理を終了させる。
ステップS350において、シミュレーション装置23は、第一実施形態で取得した施工現場の三次元形状と、熱源の温度と位置と範囲と、第一実施形態でシミュレーションした結果の施工現場における風向と風速と、施工現場の三次元形状の材質と、に基づいて炎が熱源から燃え広がる状態と有害煙の有無および有害煙が拡散する状態とをシミュレーションし、シミュレーション装置23はステップをステップS330に移行させる。
次に、図10を用いて、操縦者の入力値から熱源の温度と位置と範囲とを取得した場合の、炎が熱源から燃え広がる状態と有害煙の有無および有害煙が拡散する状態とのシミュレーションにおけるクレーン34の処理のフローについて説明する。なお、ステップS320までは、赤外線カメラ29から熱源の温度と位置と範囲とを取得した場合と同様である。
ステップS331において、シミュレーション装置23は、操縦者の入力値から熱源の温度と位置と範囲とを取得し、ステップS350に移行させる。
ステップS350において、シミュレーション装置23は、第一実施形態で取得した施工現場の三次元形状と、熱源の温度と位置と範囲と、第一実施形態でシミュレーションした結果の施工現場における風向と風速と、施工現場の三次元形状の材質と、に基づいて炎が熱源から燃え広がる状態と有害煙の有無および有害煙が拡散する状態とをシミュレーションし、シミュレーション装置23はクレーン34のシミュレーションの処理を終了させる。
このように構成することでクレーン34は、現在の施工現場の三次元形状と材質とに基づいて熱源に対する風の影響が示される。これにより、施工現場における施工状況に応じた風の状況に関する情報を提供することができる。
次に、図1、図2、図11および図12を用いて、クレーンの第四実施形態であるクレーン37について説明する。
図1に示すように、荷重検出器35は、吊荷Wの荷重を検出するものである。荷重検出器35は、起伏シリンダ12に設けられている。
ワイヤ繰出量検出器36はメインウインチ13とサブウインチ15とから繰り出されるワイヤの長さを検出するものである。具体的には、メインワイヤロープ14の場合、メインドラム、またはメインドラムを駆動するメイン用油圧モータの回転数を検出する。サブワイヤロープ16の場合、サブドラム、またはサブドラムを駆動するサブ用油圧モータの回転数を検出する。ワイヤ繰出量検出器36は、検出した回転数から繰り出されるメインワイヤロープ14、またはサブワイヤロープ16のワイヤ長さを算出する。ワイヤ繰出量検出器36は、メインウインチ13とサブウインチ15とに設けられている。
図2に示すように、シミュレーション装置23は、吊荷Wの振れをシミュレーションするものである。
シミュレーション装置23は、荷重検出器35に接続され、荷重検出器35が検出した吊荷Wの荷重を取得することができる。
シミュレーション装置23は、ワイヤ繰出量検出器36に接続され、ワイヤ繰出量検出器36が検出した、メインウインチ13とサブウインチ15とから繰り出されるワイヤの長さを取得することができる。
シミュレーション装置23は、第三実施形態に係るクレーン34と同様に入力装置30に接続されている。入力装置30には、キーボードやマウスが含まれており、シミュレーションの入力値の入力に用いられる。
図11を用いて、吊荷Wの振れのシミュレーションの処理ついて説明する。
シミュレーション装置23は、第一実施形態で取得した施工現場の三次元形状から吊荷Wの三次元形状を取得する。
操縦者が吊荷Wを吊り上げてから吊り下ろすまでの搬送経路(移動経路)を入力装置30に入力し、シミュレーション装置23は、操縦者が入力装置30に入力した入力値から吊荷Wの搬送経路を取得する。なお、吊荷Wの吊り上げ開始位置のデータは、吊荷Wの三次元形状のデータから取得してもよい。
操縦者は、吊荷Wの吊り上げを開始する。
シミュレーション装置23は、荷重検出器35の検出値、または操縦者が入力装置30に入力した入力値から吊荷Wの荷重を取得する。
シミュレーション装置23は、ワイヤ繰出量検出器36の検出値、または操縦者が入力装置30に入力した入力値から伸縮ブーム8の先端から吊荷Wまでの距離L(図11(a)参照)を取得する。
シミュレーション装置23は、吊荷Wの三次元形状(第一実施形態で取得した施工現場の三次元形状)と、吊荷Wの荷重と、伸縮ブーム8の先端から吊荷Wまでの距離Lと、第一実施形態でシミュレーションした結果の施工現場における風向と風速と、吊荷Wの搬送経路と、に基づいて吊荷Wの振れ幅D、振動数、水平面の回転角度θ、回転方向、および回転数をシミュレーションする。
図11(b)に示すように、W1からW6の搬送経路を吊荷Wの振れのシミュレーションの入力値としている。クレーン37は、W1のときに吊荷Wの巻き上げを開始し、W2のときに吊荷Wの巻き上げを完了する。クレーン37は、W2のときから所定の速度で旋回し、W5のときまで吊荷Wを水平方向に移動させる。クレーン37は、W5のときに吊荷Wの巻き下げを開始し、W6のときに吊荷Wの巻き下げを完了する。
図11(b)と図11(c)とに示すように、吊荷Wの振れがシミュレーションされる。搬送中(移動中)の吊荷Wに一定の風向と風速とで風Uが吹いており、風Uを吊荷Wの振れのシミュレーションの入力値としている。W1からW2で吊荷Wが巻き上げられる過程において、風Uの影響で振れ幅DはゼロからD2になり、水平面の回転角度θはゼロからθ2になる。W2からW3で吊荷Wが水平方向に移動する過程において、風Uの影響で振れ幅DはD2からD3になり、水平面の回転角度θはθ2からθ3になる。W3までの吊荷Wの姿勢の変化により、吊荷Wが風Uから受ける力が徐々に変化し、W3のときに吊荷Wの振れの方向と水平面の回転方向とがW3までと逆になる。W3からW4で吊荷Wが水平方向に移動する過程において、振れ幅DはD3からD4になり、水平面の回転角度θはθ3からθ4になる。W4からW5で吊荷Wが水平方向に移動する過程において、振れ幅DはD4からD5になり、水平面の回転角度θはθ4からθ5になる。W5からW6で吊荷Wが巻き下げられる過程において、振れ幅DはD5からD6になり、水平面の回転角度θはθ5からθ6になる。シミュレーションした結果、吊荷Wの最大の振れ幅DはW3においてD3で、水平面の最大の回転角度θはθ3であることがわかる。
シミュレーション装置23は、吊荷Wの振れをシミュレーションした結果、吊荷Wが建築物等に衝突する可能性がある場合、表示装置25に建築物等に衝突の可能性がある旨の警告を出力する。
吊荷Wの振れをシミュレーションした結果、強風により吊荷Wの振れ幅Dや吊荷Wの回転数が安全基準値や任意の基準値等より大きいことが予測される場合、操縦者は作業を中止するか否かの判断ができる。また、吊荷Wの振れをシミュレーションした結果、吊荷Wが建築物等に衝突する可能性がある場合、操縦者は、入力値である搬送経路を変更し、再度シミュレーションを実行することで建築物に衝突する可能性が少ない搬送経路を得られる。また、作業者は、吊荷Wの振れのシミュレーション例において示した吊荷Wの最大の振れ幅D、水平面の最大の回転角度θを確認することができる。
次に、図12を用いて、吊荷Wの振れのシミュレーションの処理のフローについて説明する。
ステップS100において、シミュレーション装置23は、シミュレーション制御Aを開始し、ステップをステップS110に移行させる(図5参照)。そして、シミュレーション制御Aが終了するとステップをステップS410に移行させる(図12参照)。
ステップS410において、シミュレーション装置23は、施工現場の三次元形状から吊荷Wの三次元形状を取得し、ステップをステップS420に移行させる。
ステップS420において、シミュレーション装置23は、操縦者が入力装置30に入力した入力値から吊荷Wの搬送経路を取得し、ステップS430に移行させる。
ステップS430において、シミュレーション装置23は、荷重検出器35の検出値、または操縦者が入力装置30に入力した入力値から吊荷Wの荷重を取得し、ステップをステップS440に移行させる。
ステップS440において、シミュレーション装置23は、ワイヤ繰出量検出器3の検出値、または操縦者が入力装置30に入力した入力値から伸縮ブーム8の先端から吊荷Wまでの距離Lを取得し、ステップをステップS450に移行させる。
ステップS450において、シミュレーション装置23は、吊荷Wの三次元形状(第一実施形態で取得した施工現場の三次元形状)と、吊荷Wの荷重と、伸縮ブーム8の先端から吊荷Wまでの距離Lと、第一実施形態でシミュレーションした結果の施工現場における風向と風速と、吊荷Wの搬送経路と、に基づいて吊荷Wの振れをシミュレーションし、ステップをステップS460に移行させる。
ステップS460において、シミュレーション装置23は、吊荷Wの振れのシミュレーションの結果、吊荷Wが搬送経路において施工現場の建築物等に衝突の可能性があるか否か判断する。
その結果、吊荷Wが搬送経路において施工現場の建築物等に衝突の可能性があると判定された場合、シミュレーション装置23はステップをステップS470に移行させる。
一方、吊荷Wが搬送経路において施工現場の建築物等に衝突の可能性がないと判定された場合、シミュレーション装置23はクレーン37のシミュレーションの処理を終了させる。
ステップS470において、シミュレーション装置23は、表示装置25に建築物等に衝突の可能性がある旨の警告を表示し、シミュレーション装置23はクレーン37のシミュレーションの処理を終了させる。
このように構成することでクレーン37は、現在の施工現場の三次元形状に基づいて搬送中の吊荷Wに対する風の影響を確認できる。これにより、施工現場における施工状況に応じた風の状況に関する情報を提供することができる。
以上、クレーン1、クレーン26、クレーン34、およびクレーン37は、シミュレーション装置23がクレーン1、クレーン26、クレーン34、およびクレーン37に具備される構成について説明したがこれに限定されるものではなく、シミュレーションの入力値をデータセンターに送り、データセンターに用意されたサーバによってシミュレーションして、シミュレーション結果をクレーン1、クレーン26、クレーン34、およびクレーン37に送る構成であってもよい。
上述の実施形態は、代表的な形態を示したに過ぎず、一実施形態の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
1 クレーン
7 旋回台
8 伸縮ブーム
21 風向風速計

Claims (5)

  1. 旋回台に起伏自在の伸縮ブームを備えたクレーンにおいて、
    前記伸縮ブームに風向風速計を備え、
    施工現場の三次元形状に基づいて、前記施工現場における風向と風速とのシミュレーションモデルを生成し、
    前記シミュレーションモデルに基づいて、前記施工現場における気象情報データまたは前記風向風速計が検出した風向風速データから前記施工現場における風向と風速とをシミュレーションするクレーン。
  2. 前記施工現場における風向と風速とをシミュレーションした結果に基づいて、クレーンによる作業を行うか否か判断するための風向と風速との限界値を設定し、
    前記風向風速計の検出値が前記限界値を超えた場合、クレーンが作動しないようにする、または警告を出力する請求項1に記載のクレーン。
  3. 前記伸縮ブームの先端に設けられる熱源検出手段を備え、
    熱源の温度と位置と範囲とを、前記熱源検出手段の検出値、または入力値から取得し、
    前記施工現場における風向と風速とを、前記風向と風速とをシミュレーションした結果から取得し、
    前記施工現場の三次元形状の材質を、入力値から取得し、
    前記施工現場の三次元形状と、前記熱源の温度と位置と範囲と、前記風向と風速と、前記施工現場の三次元形状の材質と、に基づいて、前記施工現場において炎が熱源から燃え広がる状態と、有害煙の有無および前記有害煙が拡散する状態と、をシミュレーションする請求項1に記載のクレーン。
  4. 予め特定の三次元形状と特定の材質とが対応付けられ、
    前記施工現場の三次元形状の中に、前記特定の三次元形状が存在するか否かを判定し、
    前記特定の三次元形状が存在する場合、前記特定の三次元形状が存在する部分の材質を前記対応する特定の材質に設定する請求項3に記載のクレーン。
  5. 吊荷の荷重を検出する荷重検出手段と、
    前記伸縮ブーム8の先端から前記吊荷までの距離を検出する距離検出手段と、を備え、
    前記吊荷の荷重を、荷重検出手段の検出値、または入力値から取得し、
    前記伸縮ブーム8の先端から前記吊荷までの距離を、前記距離検出手段の検出値、または入力値から取得し、
    前記施工現場における風向と風速とを、前記風向と風速とをシミュレーションした結果から取得し、
    前記吊荷を吊り上げてから吊り下ろすまでの前記吊荷の移動経路を入力値から取得し、
    前記施工現場の三次元形状と、前記吊荷の荷重と、前記伸縮ブーム8の先端から前記吊荷までの距離と、前記風向と風速と、前記吊荷の移動経路と、に基づいて、前記吊荷の移動経路における振れをシミュレーションする請求項1または請求項2に記載のクレーン。
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