以下、図面を参照して、本発明を適用した好適な実施形態の一例について説明する。但し、本発明を適用可能な実施形態が以下説明する実施形態に限定されるわけではない。
[1.第1実施形態]
最初に、遊技機の一種であるパチンコ遊技機の実施形態について説明する。
パチンコ遊技機において、一般入賞領域への遊技媒体の進入は、遊技媒体が進入することにより特別図柄の可変表示が実行される始動入賞領域への遊技媒体の進入と比較して、遊技への影響が低いものとなっている。また、特別図柄の可変表示の表示結果が特定表示結果となったときには遊技者にとって有利な有利状態に制御されるが、この有利状態において遊技媒体が進入可能となる特定入賞領域への遊技媒体の進入と比較して、遊技者の関心は低く、興趣を高めることが困難なものとなっている。このような事情により、一般入賞領域への遊技媒体の進入が実質的に困難となるように店舗側で遊技釘がメンテナンスされてしまう場合がある。
しかしながら遊技機メーカ側においては、予め定められた頻度で一般入賞領域に遊技媒体が進入するように(試験を通過するように)遊技盤面を設計することが通常である。そのため、本来であれば、店舗側でも予め定められた頻度で一般入賞領域に遊技媒体が進入するような(試験を通過するような)遊技釘のメンテナンス状態とされていることが望ましく、そのためには、一般入賞領域への遊技媒体の進入について遊技者の関心を高め、遊技者に一般入賞領域への遊技媒体の進入頻度を意識させる必要がある。
そこで、このような一般入賞領域を有する遊技機において、一般入賞領域に遊技媒体が進入した場合の興趣をさらに高める余地が存在する。本実施形態に係る遊技機では、一般入賞領域を有する遊技機における遊技の興趣を高めることが可能となっている。以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。
[1−1.パチンコ遊技機の構成]
図1は、本実施形態におけるパチンコ遊技機(以下、「遊技機1」という。)の正面図の一例であり、主要部材の配置レイアウトを示す。また、図2は、遊技機1の機能構成の一例を示すブロック図である。
遊技機1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(メーター盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。また、遊技機1は、遊技機用枠3に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠3aを有する。
遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域10が形成されている。この遊技領域10には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。また、遊技領域10は、左遊技領域10Aと右遊技領域10Bからなる。遊技領域10は、遊技盤2において遊技球が通過可能な領域であり、遊技領域10の中央を基準として、左側が左遊技領域10A、右側が右遊技領域10Bとなっている。
遊技盤2の所定位置(同図に示す例では、遊技領域10の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう。)を、変動可能に表示(可変表示)する。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されない。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにより可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにより可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。なお、特別図柄表示装置は1つであってもよい。
遊技盤2の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数に分割された可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々が識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄を可変表示する。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の変動のいずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲーム、又は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示する。なお、表示結果を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。
画像表示装置5では、各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rとなる表示領域として、3つの領域が接着して、あるいは、分離して、あるいは、接着及び分離が可能に、設けられてもよい。画像表示装置5における表示動作は、図2に示す演出制御基板12に搭載されている演出制御用CPU120によって制御される。演出制御用CPU120は、第1特別図柄表示装置4Aで第1特図の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って画像表示装置5で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示装置4Bで第2特図の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って画像表示装置5で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字「一」〜「八」、英文字「A」〜「H」、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどがある。なお、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい。)で構成される。また、こうした8種類の飾り図柄の他に、「突確大当り」(「2R確変大当り」ともいう。)となることに対応した飾り図柄(「突確」の文字から構成される図柄)や、ブランク図柄(大当り組合せを構成しない図柄)が含まれていてもよい。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
飾り図柄の変動中には、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
画像表示装置5の表示画面における右下部には、飾り図柄と特別図柄および後述する普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示エリア5A,5Bが設けられている。本実施形態では、第1特図の可変表示に同期して第1特図用の第4図柄の可変表示が行われると共に、その可変表示の表示結果の導出表示が行われる第1特図用の第4図柄表示エリア5Aと、第2特図の可変表示に同期して第2特図用の第4図柄の可変表示が行われると共に、その可変表示の表示結果の導出表示が行われる第2特図用の第4図柄表示エリア5Bとが設けられている。
本実施形態では、特別図柄の可変表示に同期して飾り図柄の可変表示が実行されるのであるが(ただし、正確には、飾り図柄の可変表示は、演出制御用CPU120側で変動パターン指定コマンドにもとづいて認識した変動時間を計測することによって行われる。)、画像表示装置5を用いた演出を行う場合、例えば、飾り図柄の可変表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われたり、可動物が画面上の全部または一部を遮蔽するような演出が行われるなど、演出態様が多様化してきている。そのため、画像表示装置5上の表示画面を見ていても、現在可変表示中の状態であるのか否か認識しにくい場合も生じている。そこで、本実施形態では、画像表示装置5の表示画面の一部でさらに第4図柄の可変表示を行うことによって、第4図柄の状態を確認することにより現在可変表示中の状態であるのか否かを確実に認識可能としている。なお、第4図柄は、常に一定の動作で可変表示され、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽することはないため、常に視認することができる。
なお、第1特図用の第4図柄と第2特図用の第4図柄とを、第4図柄と総称することがあり、第1特図用の第4図柄表示エリア5Aと第2特図用の第4図柄表示エリア5Bとを、第4図柄表示エリアと総称することがある。
第4図柄の変動表示(可変表示)は、第4図柄表示エリア5A,5Bを所定の表示色(例えば、第1特図用の第4図柄表示エリア5Aは白色、第2特図用の第4図柄表示エリア5Bは黒色)で所定の時間間隔で点灯(表示)と消灯(非表示)とを繰り返す点滅状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の可変表示と、第1特図用の第4図柄表示エリア5Aにおける第1特図用の第4図柄の可変表示とは同期している。第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の可変表示と、第2特図用の第4図柄表示エリア5Bにおける第2特図用の第4図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。
また、第1特別図柄表示装置4Aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1特図用の第4図柄表示エリア5Aが、大当りを想起させる表示色(例えば赤色)で点灯(表示)されたままになる。なお、大当り種別に応じて表示色を異ならせてもよい。また、第1特別図柄表示装置4Aにおいてはずれ図柄が停止表示されるときには、第1特図用の第4図柄表示エリア5Aが、はずれを想起させる表示色(例えば青色)で点灯(表示)されたままになる。このように、第1特図用の第4図柄の可変表示の表示結果は第4図柄表示エリア5Aに停止表示(導出表示)されることになる。
また、第2特別図柄表示装置4Bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2特図用の第4図柄表示エリア5Bが、大当りを想起させる表示色(例えば赤色)で点灯(表示)されたままになる。なお、大当り種別に応じて表示色を異ならせてもよい。また、第2特別図柄表示装置4Bにおいてはずれ図柄が停止表示されるときには、第2特図用の第4図柄表示エリア5Bが、はずれを想起させる表示色(例えば青色)で点灯(表示)されたままになる。このように、第2特図用の第4図柄の可変表示の表示結果は第4図柄表示エリア5Bに停止表示(導出表示)されることになる。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入(始動入賞)したときに発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることや遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームを開始するための開始条件は成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
一例として、始動入賞記憶表示エリア5Hには、始動入賞の発生に基づき先に始動条件が成立した可変表示ゲームから順に左から右へと、表示色が変更される複数の表示部位が設けられている。そして、第1始動入賞口に遊技球が進入したことに基づき第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときには、非表示態様(透過色)となっている表示部位のうちの1つ(例えば非表示態様となっている表示部位のうち左端の表示部位)を青色表示に変化させる。また、第2始動入賞口に遊技球が進入したことに基づき第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときには、非表示態様となっている表示部位のうちの1つを赤色表示に変化させる。その後、第1特図を用いた特図ゲームの開始条件(第1開始条件)と第2特図を用いた特図ゲームの開始条件(第2開始条件)のいずれかが成立したときには、例えば左端の表示部位における表示を除去するとともに、各表示部位における表示を1つずつ左方向に移動させる。このとき、青色表示や赤色表示に変化していた表示部位のうちの1つ(例えば表示色が変化していた表示部位のうち右端の表示部位)は、非表示態様に戻る。
即ち、始動入賞が発生すると、始動入賞記憶表示エリア5Hには、当該始動入賞に基づいて実行される特図ゲームに対応した保留情報が新たに表示される表示制御が行われる。例えば、保留情報は、その保留情報に対応した特図ゲームの始動条件が成立した順序(上の例では開始条件が成立する順序でもある)に従って、左から順番に表示される。n個の保留情報が表示されているとき(n回分の特図ゲームが保留されているとき)に新たな始動入賞が発生すると、当該新たな始動入賞に対応して左からn+1番目の保留情報が新たに表示されることになる。そして、保留されている特図ゲームの開始条件が成立すると、当該特図ゲームに対応する左端の保留情報が消去されると共に、左からn番目(n≧2)の保留情報が1つずつ左にシフトされて、n−1番目に表示されることになる。
なお、特図ゲームの開始条件が成立する順序は、始動条件が発生した順序に限らず、第2特図に関する特図ゲームの開始条件が、第1特図に関する特図ゲームの開始条件よりも優先して成立する(所謂特図4優先変動とする)ようにしても良い。また、これとは逆に、第1特図に関する特図ゲームの開始条件が、第2特図に関する特図ゲームの開始条件よりも優先して成立する(所謂特図1優先変動とする)ようにしても良い。
なお、始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図保留記憶数を示す数字を表示することなどにより、特図保留記憶数を遊技者等が認識できるようにしてもよい。始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、あるいは始動入賞記憶表示エリア5Hに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。例えば、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に進入した有効始動入賞球数としての第1保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に進入した有効始動入賞球数としての第2保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1保留記憶数と第2保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。また、画像表示装置5の右側には、可動役物150が設けられている。
可動役物150は、星型の部材を動作させるためのモータやランプが内蔵されている。可動役物150は、大当りを予告する演出、例えば、後述する変動結果予告演出や先読み予告演出が実行されるときに動作(回転動作及び点灯)するようになっている。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、普通電動役物用となるソレノイド27によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物、所謂電チュー)を備え、第2始動入賞口を形成する。一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド27がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口に進入しないまたは進入しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド27がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口に進入しやすい拡大開放状態となる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、大入賞口扉用となるソレノイド28によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する大入賞口を形成する。一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド28がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態にする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド28がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態にする。特別可変入賞球装置7に形成された大入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。
こうして、第1始動条件や第2始動条件が成立したものの、先に開始された特図ゲームが実行中であることや、遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、特図ゲームを開始するための開始条件が成立しないときには、可変表示の保留が発生する。例えば、第1始動条件が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動条件が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2保留記憶数が1減算(デクリメント)される。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との加算値は、合計保留記憶数ということもあれば、特図保留記憶数ということもある。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20は、例えば「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の普通図柄を可変表示する。なお、普通図柄表示器20は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等を普通図柄として可変表示するものに限定されず、例えば「○」と「×」とを示す装飾ランプ(又はLED)を交互に点灯させることや、「左」、「中」、「右」といった複数の装飾ランプ(又はLED)を所定順序で点灯させることにより、普通図柄を可変表示するものであってもよい。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41A,41Bを通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる一般入賞口50A〜50Dの4つの一般入賞領域が設けられている。
一般入賞口50A〜50Dは、遊技盤面より前方(遊技者側)に突設された球受部材により構成されている。球受部材は上方から流下してきた遊技球を開口部から受け入れるものであり、球受部材の開口部の水平方向の長さ(横幅)は、遊技球1個分の直径より大きいが遊技球2個分の直径よりは小さい。従って、2個以上の遊技球が水平方向に連なって球受部材の開口部を通過することがないようになっている。また、各一般入賞口50A〜50Dが設けられた各球受部材の間隔は、少なくとも遊技球1個以上が通過可能な間隔となっている。また、一般入賞口50A〜50Dの開口部の開閉を切り替えるための入賞球装置(例えば第2始動入賞口の開閉を切り替えるための普通可変入賞球装置6Bに相当する役物)は設けられておらず、常に開放状態となっている。また、一般入賞口50A〜50Dに遊技球が入賞しても、入賞に基づいて特図ゲームの可変表示の始動条件及び普図ゲームの可変表示の始動条件はいずれも成立しない。
なお、本実施形態では、一般入賞口に遊技球が入賞したことに基づいて予め定められた数の賞球が遊技者に特定価値として付与されるものであるが、これに限らず、一般入賞口に遊技球が入賞したことに伴い、可変入賞球装置、例えば、第2始動入賞口の開閉制御を行うための普通可変入賞球装置6Bや大入賞口の開閉制御を行うための特別可変入賞球装置7を作動させて、第2始動入賞口や大入賞口に遊技球が入賞し易くすることを、一般入賞口に遊技球が入賞したことにより付与される特定価値としても良い。
また、一般入賞口に応じて遊技者に付与される特定価値を異ならせるようにしても良く、例えば、第2一般入賞口50Bや第3一般入賞口50Cに遊技球が入賞した場合には5個の賞球が付与されるが、第1一般入賞口50Aや第4一般入賞口50Dに遊技球が入賞した場合には10個の賞球が付与される(即ち異なる大きさの特定価値が付与される)ようにしても良い。また、第2一般入賞口50Bや第3一般入賞口50Cに遊技球が入賞した場合に付与される特定価値は所定数の賞球であるが、第1一般入賞口50Aや第4一般入賞口50Dに遊技球が入賞した場合には、普通可変入賞球装置6Bや特別可変入賞球装置7を作動させる(即ち異なる種別の特定価値が付与される)ようにしても良い。
また、一般入賞口への遊技球の入賞に応じて付与される特定価値に応じて異なる演出が実行されるようにしても良く、例えば、一般入賞口への遊技球の入賞に応じて賞球が付与される場合と、一般入賞口への遊技球の入賞に応じて可変入賞球装置が動作する場合とで(即ち特定価値の種別が異なる場合に)、異なる演出が実行されるようにしても良い。また、一般入賞口への遊技球の入賞に応じて10個の賞球が付与される場合と、一般入賞口への遊技球の入賞に応じて5個の賞球が付与される場合とで(即ち特定価値の大きさが異なる場合に)、異なる演出が実行されるようにしても良い。
第1一般入賞口50A,第2一般入賞口50B,第3一般入賞口50C,第4一般入賞口50Dへの遊技球の入賞は、図2に示すように、それぞれに対応した第1一般入賞口スイッチ24A,第2一般入賞口スイッチ24B,第3一般入賞口スイッチ24C,第4一般入賞口スイッチ24Dにより検出される。第1一般入賞口スイッチ24A,第2一般入賞口スイッチ24B,第3一般入賞口スイッチ24C,第4一般入賞口スイッチ24Dにより遊技球が検出されると、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。
このように、本実施形態では、4つの一般入賞口50A〜50Dのそれぞれに対応した入賞口スイッチが設けられていることにより、遊技制御用マイクロコンピュータ100において、一般入賞口に遊技球が入賞したことのみならず、いずれの一般入賞口に遊技球が入賞したのかも検出可能となっている。
なお、一般入賞口毎に異なる一般入賞口スイッチが設けられる構成に限らず、複数の一般入賞口に対して共通の一般入賞口スイッチが設けられるようにしても良い。例えば、第1一般入賞口50A及び第2一般入賞口50Bに対して共通の一般入賞口スイッチ(左遊技領域10Aに設けられた一般入賞口に入賞したことを検出するためのスイッチ)が設けられ、第3一般入賞口50C及び第4一般入賞口50Dに対して共通の一般入賞口スイッチ(右遊技領域10Bに設けられた一般入賞口に入賞したことを検出するためのスイッチ)が設けられるようにしても良い。また、第1一般入賞口50A〜第4一般入賞口50Dの全ての一般入賞口に対して共通の一般入賞口スイッチ(いずれかの一般入賞口に入賞したことを検出するためのスイッチ)が設けられるようにしても良い。
遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。アウト口に取り込まれた遊技球は、アウト口に連絡する球回収通路(図示せず)を経由して遊技島に回収される。各入賞口(第1始動入賞口、第2始動入賞口、大入賞口、第1〜第4一般入賞口)に入賞した遊技球は、入賞球集合樋(図示せず)を通じて集められ、球回収通路を経由して遊技島に回収されるようになっている。球回収通路にはアウト球検出器(図示せず)が設けられている。結果として、アウト球検出器では、遊技領域10に打ち込まれた(いずれの入賞口にも入賞せずにアウト口に導かれた遊技球、及び、いずれかの入賞口に入賞して入賞球集合樋に集められた遊技球)すべての遊技球を検出する。アウト球検出器により遊技球が検出される毎に、検出信号が演出制御基板12に入力されることにより、演出制御用CPU120では、遊技領域10に打ち込まれた遊技球数、即ちアウト数を集計可能となっている。なお、アウト球検出器が、遊技球を検出する毎に値が1ずつ増加するカウンタを備える構成となっている場合には、カウンタの値が一定数(例えば10)増加する毎に、演出制御基板12にアウト数増加信号を出力するようにして、演出制御用CPU120側でアウト数を一定数単位(例えば10単位)で集計可能としても良い。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。
ガラス扉枠3aの下部表面には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿60が設けられている。例えば上皿60の上面における手前側の所定位置には、押下操作などにより遊技者が操作可能な操作ボタン30が設置されている。
上皿60の右方には鍵穴61が設けられている。店舗の店員は、この鍵穴61に鍵を挿入して施錠装置(図示せず)を開放状態とすることで、ヒンジ機構を利用して、遊技機用枠3に対してガラス扉枠3aを開閉させることが可能となる。遊技機用枠3に対してガラス扉枠3aを前方に開いた状態とすることで、遊技盤(遊技釘及び入賞口を含むメーター盤)2のメンテナンス(例えば、玉詰まりの解消措置)や、後述するモード切替スイッチ31や表示切替スイッチ32の操作を行うことができる。
上皿60の直下方には、上皿60に収容しきれない遊技球を貯留する下皿62が設けられ、上皿60の右下方には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)63が設けられている。例えば、打球操作ハンドル63は、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
操作ボタン30は、押下可能であるとともに、回動可能なジョグダイアルになっている。なお、操作ボタン30は、押下操作や回動操作が可能なものに限定されず、例えばタッチパネルのように接触操作や押圧操作が可能なものであってもよいし、レバー型スイッチのような傾動操作が可能なものであってもよいし、ジョイスティックのような押下操作及び傾動操作が可能なものであってもよい。また、操作ボタン30に代えて、例えば赤外線センサやCCDセンサ、CMOSセンサのように、遊技者による所定の操作行為を検出できるセンサを用いてもよい。すなわち、操作ボタン30は、遊技者による所定の操作行為を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。操作ボタン30に対してなされた遊技者の操作行為は、操作ボタン30の押下を検出する押下検出スイッチ(図示せず)及び操作ボタン(ジョグダイアル)30の回転方向及び回転量を検出するロータリーエンコーダ(図示せず)によって検出される。
次に、遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
遊技機1では、左遊技領域10Aに設けられた第1通過ゲート41A,右遊技領域10Bに設けられた第2通過ゲート41Bを通過した遊技球が、第1通過ゲート41Aに対応した第1ゲートスイッチ21A,第2通過ゲート41Bに対応した第2ゲートスイッチ21Bによって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームは、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、開始される。第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームは、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、開始される。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、特図変動時間となる所定時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄以外の特別図柄(はずれ図柄)が停止表示されれば「ハズレ」となる。確定特別図柄としての特定の特別図柄(大当り図柄)は、大当りの種別に応じて異なるものであり、例えば、確変大当りと非確変大当りとで確定特別図柄は異なる。特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)を所定回数実行する特定状態としての大当り遊技状態に制御される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示された後に制御される大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7の開閉板が、第1期間となる所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンド遊技が実行される。こうしてラウンド遊技の実行中に大入賞口を開放状態とした開閉板は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態に変化させて、1回のラウンド遊技を終了させる。大当り遊技状態では、大入賞口の開放サイクルであるラウンド遊技の実行回数が、例えば15回となる。なお、ラウンド遊技の実行回数の異なる複数種類の大当り種別を設けてもよい。
大当り遊技状態が終了した後には、遊技者にとって有利な有利状態の1つとして、通常状態に比べて特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)が短縮される時間短縮制御が実行される時短状態や、時間短縮制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる確変状態に制御される。
ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定状態や時短状態、確変状態とは異なる遊技状態としての通常状態であり、遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。これに対して、時短状態は、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。また、確変状態では、各特図ゲームや飾り図柄の可変表示において、可変表示結果が「大当り」となってさらに大当り遊技状態に制御される確率が、通常状態や時短状態よりも高くなるように向上する。このような確変状態は、次に可変表示結果が「大当り」となるまで、あるいは所定回数(例えば8回)の特図ゲームが実行されるまで継続する。
大当り遊技状態が終了した後に確変状態に制御される大当り(種別)は、確変大当りとも称される。大当り遊技状態が終了した後に確変状態に制御されずに時短状態に制御される大当り(種別)は、非確変大当りとも称される。
確変状態や時短状態では、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。なお、確変状態や時短状態では、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、確変状態や時短状態において第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。したがって、確変状態や時短状態では、通常状態に比べて大当り遊技状態となりやすくなる。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、遊技機1における遊技状態が確変状態や時短状態に制御されている期間と同一であればよい。高開放制御が実行されている状態を高ベース状態、高開放制御が実行されていない状態を低ベース状態ともいう。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。ここで、リーチ状態とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部又は一部で飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示画面に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。一例として、本実施形態では、ノーマルリーチ、スーパーリーチといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ態様が出現した場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)が高くなる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを、飾り図柄の可変表示態様などにより遊技者に報知するための可変表示演出が実行されることがある。本実施形態では、「擬似連」や「滑り」といった可変表示演出が実行可能であり、主基板11の側で変動パターンが決定されることなどに対応して、各々の演出動作を実行するか否かが決定される。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出あるいは「擬似連」や「滑り」などの可変表示演出とは異なり、例えば所定のキャラクタ画像やメッセージ画像といった演出画像を表示することなどのように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを、遊技者に報知するための予告演出が実行されることがある。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「リーチ無しハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチ組合せ(リーチハズレ組合せともいう)となる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。なお、非リーチ組合せとなる確定飾り図柄と、リーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄は、まとめてハズレ組合せ(非特定の組合せ)の確定飾り図柄ともいう。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、所定の大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示される。ここで、大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうちのいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。
また、大当り組合せとなる飾り図柄が導出表示された後には、大当り遊技状態におけるラウンドの実行中に、特図表示結果が「大当り」となる保留データが記憶されていることを予告・報知する先読み予告演出が実行されるようにしてもよい。
前述したように、遊技領域10は、左遊技領域10Aと右遊技領域10Bからなり、遊技者は、打球操作ハンドル(操作ノブ)の操作量(回転量)を調整することにより、左遊技領域10Aに向けて遊技球を発射する左打ちと、右遊技領域10Bに向けて遊技球を発射する右打ちと、を切り替えることができる。
遊技機1では、左遊技領域10Aに遊技球を発射した場合(左遊技領域10Aに遊技球が進入した場合)には、図示しない遊技釘又は遊技球誘導部材等の配置によって、右遊技領域10Bに遊技球を発射した場合よりも高い割合で遊技球が第1始動入賞口に入賞するようになっている。また、遊技状態が通常状態のときには、遊技状態が確変状態及び時短状態のときよりも、普通図柄の変動時間(普図変動時間)が長く且つ普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率が低いため、通常状態において左遊技領域10Aに発射された遊技球が第2始動入賞口に入賞する割合は、第1始動入賞口に入賞する割合と比較して極めて低いものとなっている。
一方、遊技機1では、右遊技領域10Bに遊技球を発射した場合(右遊技領域10Bに遊技球が進入した場合)には、図示しない遊技釘又は遊技球誘導部材等の配置によって、左遊技領域10Aに遊技球を発射した場合と比較して、第1始動入賞口に遊技球が入賞する割合が極めて低いか、又は、第1始動入賞口には遊技球が入賞しないようになっている。そのため、通常状態において仮に右打ちを行ったとしても、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口及び第2始動入賞口のいずれか)に入賞する割合は、通常状態において左打ちを行ったときに遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口及び第2始動入賞口のいずれか)に入賞する割合と比較して極めて低い。従って、遊技者は通常状態において左打ちを行うこととなる。
また、右遊技領域10Bに発射された遊技球が第2通過ゲート41Bを通過する割合は、図示しない遊技釘又は遊技球誘導部材等の配置によって、左遊技領域10Aに発射された遊技球が第1通過ゲート41Aを通過する割合よりも高くなっている。そして、右遊技領域10Bに発射された遊技球が開放状態の第2始動入賞口に入賞する割合は、図示しない遊技釘又は遊技球誘導部材等の配置によって、左遊技領域10Aに発射された遊技球が開放状態の第2始動入賞口に入賞する割合よりも高くなっている。
そして、確変状態及び時短状態では、普通図柄の変動時間(普図変動時間)が通常状態よりも短縮され且つ普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率が通常状態よりも高い。従って、確変状態及び時短状態で右打ちを行った場合に遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口及び第2始動入賞口のいずれか)に入賞する割合は、確変状態及び時短状態で左打ちを行った場合に遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口及び第2始動入賞口のいずれか)に入賞する割合よりも高い。従って、遊技者は確変状態及び時短状態において右打ちを行うこととなる。
また、右遊技領域10Bに発射された遊技球が開放状態の大入賞口に入賞する割合は、図示しない遊技釘又は遊技球誘導部材等の配置によって、左遊技領域10Aに発射された遊技球が開放状態の大入賞口に入賞する割合よりも高くなっている。従って、遊技者は大当り遊技状態において右打ちを行うこととなる。このように、遊技者は、通常状態では左打ちを行い、大当り遊技状態の発生に伴い右打ちに切り替え、大当り遊技状態終了後の確変状態又は時短状態において右打ちを継続し、通常状態への移行(例えば大当り遊技状態を伴わない確変状態又は時短状態の終了)に伴い左打ちに戻すことになる。
また、左遊技領域10Aに発射された遊技球が左遊技領域10Aに設けられている第1一般入賞口50A又は第2一般入賞口50Bに入賞する割合は、第1一般入賞口50A及び第2一般入賞口50Bが設けられている位置、並びに、図示しない遊技釘又は遊技球誘導部材等の配置によって、右遊技領域10Bに発射された遊技球が第1一般入賞口50A又は第2一般入賞口50Bに入賞する割合よりも高くなっている。一方、右遊技領域10Bに発射された遊技球が右遊技領域10Bに設けられている第3一般入賞口50C又は第4一般入賞口50Dに入賞する割合は、第3一般入賞口50C及び第4一般入賞口50Dが設けられている位置、並びに、図示しない遊技釘又は遊技球誘導部材等の配置によって、左遊技領域10Aに発射された遊技球が第3一般入賞口50C又は第4一般入賞口50Dに入賞する割合よりも高くなっている。
なお、左遊技領域10Aに設けられている複数の一般入賞口(第1一般入賞口50A及び第2一般入賞口50B)の一部又は全部について、左遊技領域10Aに発射された遊技球のみが入賞可能であり、右遊技領域10Bに発射された遊技球は入賞しない構成としても良く、右遊技領域10Bに設けられている複数の一般入賞口(第3一般入賞口50C及び第4一般入賞口50D)の一部又は全部について、右遊技領域10Bに発射された遊技球のみが入賞可能であり、左遊技領域10Cに発射された遊技球は入賞しない構成としても良い。
このように、通常状態では左打ちが行われるため、4つの一般入賞口のうち、第1一般入賞口50A及び第2一般入賞口50Bに遊技球が入賞する確率が高く、大当り遊技状態、並びに、確変状態及び時短状態では、右打ちが行われるため、4つの一般入賞口のうち、第3一般入賞口50C及び第4一般入賞口50Dに遊技球が入賞する確率が高い。遊技状態等に応じて、遊技球が発射される遊技領域が変化することに伴い、遊技球が入賞し易い一般入賞口も変化する。なお、通常状態において遊技球が進入する左遊技領域10Aには、遊技球が入賞し易い位置に一般入賞口を設け、大当り遊技状態、並びに、確変状態及び時短状態において遊技球が進入する右遊技領域10Bには、遊技球が入賞し難い位置に一般入賞口を設ける(あるいはその逆とする)というように、遊技状態に応じて一般入賞口への入賞頻度が変化するようにしても良い。
遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。払出制御基板は、賞球の払出を制御する基板であり、払出制御用マイクロコンピュータが搭載されている。払出制御基板は、賞球個数を示すデータが設定された賞球個数コマンドの受信(主基板11から制御信号として伝送される。)に応じて、球払出装置(図示せず)などから構成される払出機構(賞球を払い出す機構)を駆動して、賞球の払い出しを実行する。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド27、28に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
また、スイッチ回路110は、異常検出用センサ群26(詳しくは後述する)からの信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。詳しくは後述するが、異常検出用センサ群26は、遊技機1で発生した異常を検出するためのものである。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部又は一部、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部又は一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、第1ゲートスイッチ21A、第2ゲートスイッチ21B、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、第1一般入賞口スイッチ24A、第2一般入賞口スイッチ24B、第3一般入賞口スイッチ24C、第4一般入賞口スイッチ24Dからの検出信号を伝送する配線が接続されている。
なお、第1ゲートスイッチ21A、第2ゲートスイッチ21B、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、第1一般入賞口スイッチ24A〜第4一般入賞口スイッチ24Dは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。また、主基板11には、異常検出用センサ群26からの信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。主基板11には、例えば中継基板15に対応する主基板側コネクタが設けられ、主基板側コネクタと遊技制御用マイクロコンピュータ100との間には、出力バッファ回路が接続されている。出力バッファ回路は、主基板11から中継基板15を介して演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができ、中継基板15から主基板11への信号の入力を阻止する。したがって、演出制御基板12や中継基板15の側から主基板11側に信号が伝わる余地はない。
中継基板15には、例えば主基板11から演出制御基板12に対して制御信号を伝送するための配線毎に、伝送方向規制回路が設けられていればよい。各伝送方向規制回路は、主基板11対応の主基板用コネクタにアノードが接続されるとともに演出制御基板12対応の演出制御基板用コネクタにカソードが接続されたダイオードと、一端がダイオードのカソードに接続されるとともに他端がグランド(GND)接続された抵抗とから構成されている。この構成により、各伝送方向規制回路は、演出制御基板12から中継基板15への信号の入力を阻止して、主基板11から演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができる。したがって、演出制御基板12の側から主基板11側に信号が伝わる余地はない。本実施形態では、中継基板15において制御信号を伝送するための配線毎に伝送方向規制回路を設けるとともに、主基板11にて遊技制御用マイクロコンピュータ100と主基板側コネクタの間に出力バッファ回路を設けることで、外部から主基板11への不正な信号の入力を防止することができる。
中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
そのような演出制御コマンドには、例えば、遊技状態(通常状態、確変状態、又は時短状態)を指定する遊技状態指定コマンド、特図ゲームにおける変動開始を指定する変動開始コマンド、特図ゲームにおける特別図柄の変動時間や画像表示装置5における飾り図柄などの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する可変表示結果通知コマンド、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示の停止を指定する飾り図柄停止コマンド、大当り遊技状態の開始や終了を指定する大当り開始指定コマンド、大当り終了指定コマンド、第1始動入賞口または第2始動入賞口に遊技球が入賞したときに出力される始動入賞コマンド、一般入賞口に遊技球が入賞したときに出力される一般入賞口指定コマンド、大入賞口に遊技球が入賞したときに出力される大入賞口入賞コマンド等が含まれる。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRA(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU10がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
このように、遊技制御用マイクロコンピュータ100ではCPU103がROM101に格納されている遊技制御用のプログラムを実行して遊技制御を行うので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ100(又はCPU103)が実行する(又は処理を行う)ということは、具体的には、CPU103がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板11とは異なる他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線、可動役物150に対して制御信号を伝送するための配線などが接続されている。また、演出制御基板12には、操作ボタン30に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、押下検出スイッチ(図示せず)及びロータリーエンコーダ(図示せず)から伝送するための配線も接続されている。さらに、演出制御基板12には、後述するモード切替スイッチ31における操作部の位置(第1位置又は第2位置)に対応した信号を伝送するための配線、及び、後述する表示切替スイッチ32における操作部の位置(第1位置又は第2位置)に対応した信号を伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12に搭載されたROM121には、画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった発光体、操作ボタン30、可動役物150、さらには、演出用役物が備える可動部材などが含まれる演出装置(演出用の電気部品)を用いた演出動作の制御を行うために、演出制御パターンを構成するパターンデータが予め複数種類記憶されている。
図2に示す演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の画面上に表示させる演出画像の切替タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示やリーチ演出における演出表示といった各種の演出表示を実行させるための制御を行う。表示制御部123は、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などを備えて構成されていればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンド、押下検出スイッチ及びロータリーエンコーダから伝送された操作検出信号、並びに、モード切替スイッチ31の状態を確認可能とする信号及び表示切替スイッチ32の状態を確認可能とする信号等の各種信号を取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)などが出力される、可動役物150へと伝送される指令(駆動信号)などが出力される。
音声制御基板13には、例えば入出力ドライバや音声合成用IC、音声データROM、増幅回路、ボリュームなどが搭載されている。一例として、音声制御基板13では、演出制御基板12から伝送された効果音信号に示される音番号データが入出力ドライバを介して音声合成用ICに入力される。音声合成用ICは、音番号データに応じた音声や効果音を生成し増幅回路に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、ボリュームで設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号を、スピーカ8L、8Rに出力する。音声データROMには、音番号データに応じた制御データが格納されており、音声合成用ICが音番号データに応じた制御データを読み出して、音声や効果音が生成される。音声データROMの記憶データは、所定期間における音声や効果音の出力態様を時系列的に示すデータなどから構成されていればよい。
ランプ制御基板14には、例えば入出力ドライバやランプドライバなどが搭載されている。一例として、ランプ制御基板14では、演出制御基板12から伝送された電飾信号が、入出力ドライバを介してランプドライバに入力される。ランプドライバは、電飾信号を増幅して遊技効果ランプ9などに供給する。
本実施形態では、遊技機1において異常が発生した場合に、当該発生した異常を、音声制御基板13を介してスピーカ8L、8Rを制御して音声により報知したり、ランプ制御基板14を介して遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を制御して光によって報知したり、表示制御部123を介して画像表示装置5の表示領域に異常の報知画像(エラーメッセージ)を表示させたりして報知する。異常としては、磁気異常、振動異常、及び電波異常等があり、異常検出用センサ群26などを用いて検出される。
異常検出用センサ群26は、遊技機1において発生する異常を検出するための1以上のセンサなどから構成される。異常検出用センサ群26は、センサに限らず、異常を検出するための回路、センサには該当しない各種の検出スイッチなどを含んでもよい。異常検出用センサ群26は、異常を検出すためのものから構成されていればよい。異常検出用センサ群26それぞれに含まれるセンサなどは、異常の種類それぞれに応じて、1以上用意される。異常検出用センサ群26が具体的にどのようなものを含むかは、遊技機1の仕様などによって決定されればよい。遊技機1において発生する異常とは、遊技機1において行う通常の遊技では起こらない又は極めて起こりにくい現象(例えば、遊技機1に対する不正行為があったときに生じる磁気異常、振動異常、及び電波異常などの現象)や遊技の進行の妨げになりうる現象などのことをいい、特に、遊技者や遊技ホール(パチンコ店など)の従業員に報知が必要な現象のことをいう。
異常検出用センサ群26に含まれるものとしては、例えば、磁気を検出する磁気センサ、振動を検出する振動センサ、所定の電波(所定波長帯域の電波など)を検出する電波検出センサなどがある。例えば、これらセンサなどが、異常検出用センサ群26に含まれるようにすればよい。なお、異常の検出は、公知の方法を適宜利用することができる。遊技制御用マイクロコンピュータ100が、磁気異常、振動異常、及び電波異常等を異常検出用センサ群26からの出力信号に基づいて検出すると、異常が発生したことを指定する異常検出指定コマンドが主基板11から演出制御基板12に伝送され、画像表示装置5におけるエラーメッセージの表示、スピーカ8L、8Rからの警告音の出力、遊技効果ランプ9における異常発生時の発光態様等により異常が発生したことの報知が行われる。
ここで、画像表示装置5、スピーカ8L、8R、及び遊技効果ランプ9等の報知手段によって、異常が発生したことのみならず、磁気異常、振動異常、電波異常及び前面ドアの開放のいずれの種別の異常が検出されたのかを特定可能に報知するようにしても良い。
磁気異常の報知とは、磁気異常(磁石が遊技機1の近傍にあるという異常、この場合、不正行為がある可能性がある。)を検出したときに行われる異常の報知である。磁石によって遊技媒体を移動させ、入賞口に入賞させたり、遊技媒体を入賞口に誘導するため所定領域を遊技媒体で詰まらせたりする不正行為がある。磁気異常の報知によって、このような行為が行われることを未然に防止する。例えば、異常検出用センサ群26の1つのセンサとして、磁気を検出するための磁気センサを設ける。CPU103は、当該磁気センサからの信号が所定の閾値以上の磁力を示すものであるかを判定することで、磁気異常の有無を判定する(磁力を示す→磁気異常有り)。磁気異常が検出された場合、当該磁気異常が発生したことを指定する異常検出指定コマンドが主基板11から演出制御基板12に伝送され、画像表示装置5等において磁気異常の報知が行われる。例えば、画像表示装置5のエラーメッセージ表示領域に、「磁気エラーが発生しました。」という文字の画像が表示される。
振動異常の報知とは、例えば、特別可変入賞球装置7が設けられたパチンコ遊技機などにおいて実行され得る異常の報知である。故意にパチンコ遊技機を揺らすことにより遊技媒体の流下方向を大入賞口等の入賞口寄りに変化させる不正行為がある。振動異常の報知によって、このような行為が行われることを未然に防止する。例えば、異常検出用センサ群26の1つのセンサとして、振動を検出するための振動センサを設ける。CPU103は、当該振動センサからの信号が所定の閾値以上の強さの振動を示すものであるかを判定することで、振動による異常(振動異常)の有無を判定する(所定の閾値以上の強さの振動を示す→振動異常有り)。振動異常が検出された場合、当該振動異常が発生したことを指定する異常検出指定コマンドが主基板11から演出制御基板12に伝送され、画像表示装置5等において振動異常の報知が行われる。例えば、画像表示装置5のエラーメッセージ表示領域に、「振動エラーが発生しました。」という文字の画像が表示される。
電波異常の報知とは、電波異常(所定の電波が遊技機1に到達する異常、この場合、不正行為がある可能性がある。)を検出したときに行われる異常の報知である。始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23などに電波をあてることで、これらスイッチのオン/オフを切り替えるなどし、入賞を不正に発生させ賞球を得る不正行為がある。電波異常の報知によって、このような行為が行われることを未然に防止する。例えば、異常検出用センサ群26の1つのセンサとして、所定の電波(所定波長帯域の電波など)を検出するための電波検出センサを設ける。CPU103は、当該電波検出センサからの信号が前記所定の電波の受信を示しているかを判定することで、電波異常の有無を判定する(所定の電波の受信を示す→電波異常有り)。電波異常が検出された場合、当該電波異常が発生したことを指定する異常検出指定コマンドが主基板11から演出制御基板12に伝送され、画像表示装置5等において電波異常の報知が行われる。例えば、画像表示装置5のエラーメッセージ表示領域に、「電波エラーが発生しました。」という文字の画像が表示される。
モード切替スイッチ31及び表示切替スイッチ32は、いずれもDIPスイッチ(DualIn-line Package switch)により構成されており、遊技盤2の遊技領域外に設けられている。DIPスイッチにより構成されるモード切替スイッチ31及び表示切替スイッチ32は、操作部を第1位置と第2位置とに切り替えることにより(例えばスライド式の場合には、つまみの位置を一端側と他端側とに切り替えることにより)、演出制御用CPU120により実行される処理(制御プログラム)を切り替え可能とするものである。遊技機用枠3に対してガラス扉枠3aが閉じている状態では、ガラス扉枠3aが遊技盤2の前面を覆っているため、遊技者はモード切替スイッチ31及び表示切替スイッチ32を操作不能となっている。なお、モード切替スイッチ31及び表示切替スイッチ32は、遊技機用枠3に対してガラス扉枠3aが閉じている状態(図1に示される状態)では、ガラス扉枠3aを介して遊技者から視認不能な位置に設置されているため、図1では図示していない。
前述したように、店舗の店員は、鍵穴61に鍵を挿入して施錠装置(図示せず)を開放状態として、遊技機用枠3に対してガラス扉枠3aを前方に開くことで、遊技盤2に設けられているモード切替スイッチ31及び表示切替スイッチ32の操作(DIPスイッチの切り替え)が可能となる。そして、モード切替スイッチ31及び表示切替スイッチ32の操作が完了すると、遊技機用枠3に対してガラス扉枠3aが閉じている状態に戻し、鍵穴61に鍵を挿入して施錠装置(図示せず)を閉鎖状態とする。
モード切替スイッチ31の操作部が第1位置の場合には、演出制御用CPU120のモード切替端子の電圧がLowの状態となり、モード切替スイッチ31の操作部が第2位置の場合には、演出制御用CPU120のモード切替端子の電圧がHighの状態となる。演出制御用CPU120は、モード切替端子の電圧がLowの場合には、モード切替スイッチ31の操作部が第1位置となっていること、即ち、画像表示装置5に遊技者向けの情報(例えばデモ画面等)を表示する遊技モードであることを特定して、後述する入賞数管理テーブルの情報を画像表示装置5に表示しない。一方、演出制御用CPU120は、モード切替端子の電圧がHighの場合には、モード切替スイッチ31の操作部が第2位置となっていること、即ち、画像表示装置5に店員向けの情報(例えば各入賞口への入賞数等)を表示するメンテナンスモードであることを特定して、後述する入賞数管理テーブルの情報を画像表示装置5に表示する。
表示切替スイッチ32の操作部が第1位置の場合には、演出制御用CPU120の表示切替端子の電圧がLowの状態となり、表示切替スイッチ32の操作部が第2位置の場合には、演出制御用CPU120の表示切替端子の電圧がHighの状態となる。演出制御用CPU120は、表示切替端子の電圧がLowの場合には、表示切替スイッチ32の操作部が第1位置となっていること、即ち、画像表示装置5に一般入賞口への入賞数を表示する許可が行われていないことを特定して、後述する表示制御用テーブルに基づく情報(一般入賞口への入賞数を特定可能な情報)を画像表示装置5に表示することを禁止する。一方、演出制御用CPU120は、表示切替端子の電圧がHighの場合には、表示切替スイッチ32の操作部が第2位置となっていること、即ち、画像表示装置5に一般入賞口への入賞数を表示する許可が行われていることを特定して、後述する表示制御用テーブルに基づく情報(一般入賞口への入賞数を特定可能な情報)を画像表示装置5に表示することを許可する。
本実施形態では、モード切替スイッチ31及び表示切替スイッチ32が、遊技盤2の前面側(遊技者と相対する面)に設けられているが、モード切替スイッチ31及び/又は表示切替スイッチ32を、遊技盤2の裏面側(遊技島側)に設けるようにしても良い。このような構成とする場合には、遊技機用枠3のヒンジ機構を利用して、遊技機用枠3に対して遊技盤2を前方に回動させることで、遊技盤2の裏面側に設けられたモード切替スイッチ31及び/又は表示切替スイッチ32を操作可能となる。
主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドとして、前述したように始動入賞コマンドがある。始動入賞コマンドとしては、第1始動入賞口又は第2始動入賞口のいずれに対して始動入賞が発生したかを示す始動入賞口指定コマンドや、第1始動入賞口又は第2始動入賞口への遊技球の入賞時における大当り判定結果及び大当り種別判定結果を示す始動入賞時判定結果指定コマンド等が存在する。
CPU103は、第1始動入賞口への遊技球の有効始動入賞、即ち、第1始動入賞口に対応した第1保留記憶数が上限値未満の状態での第1始動入賞口への遊技球の入賞、を検出すると、乱数回路104から大当り判定用乱数及び大当り種別判定用乱数を抽出し、抽出した大当り判定用乱数及び大当り種別判定用乱数を、第1特図用の乱数格納領域における第1保留記憶数(当該有効始動入賞を含む加算後の第1保留記憶数)に対応した格納領域に格納すると共に、始動入賞口指定コマンドとして「第1始動入賞口」を指定するコマンドをセットする。また、CPU103は、抽出した(格納した)大当り判定用乱数が、現在の遊技状態(通常状態若しくは時短状態、又は確変状態)に応じた大当り判定用テーブルに記憶している大当り判定値に合致するか否かを判定する始動入賞時判定を実行する。
この始動入賞時判定において、大当り判定用乱数が大当り判定用テーブルの大当り判定値と合致しない場合には、「はずれ」を指定する始動入賞時判定結果指定コマンドをセットする。大当り判定用乱数が大当り判定用テーブルの大当り判定値と合致する場合には、さらに、抽出した(格納した)大当り種別判定用乱数が、第1特図用の大当り種別判定用テーブルに大当り種別毎に記憶されている判定値のいずれに合致するかを判定する。そして、合致した判定値に対応する大当り種別の「大当り」を指定する始動入賞時判定結果指定コマンドをセットする。例えば、始動入賞時判定結果指定コマンドとして、「非確変大当り」を指定するコマンド、又は「確変大当り」を指定するコマンドをセットする。そして、セットした始動入賞口指定コマンド(「第1始動入賞口」指定)及び始動入賞時判定結果指定コマンドを演出制御基板12に出力する。
なお、CPU103は、第1始動入賞口に対応した第1保留記憶数が上限値に達している状態での第1始動入賞口への遊技球の始動入賞(すなわち第1始動入賞口に応じた賞球は払い出されるものの特図ゲームの対象とはならない無効始動入賞)を検出すると、始動入賞口指定コマンドとして「第1始動入賞口」を指定するコマンドをセットすると共に、始動入賞時判定結果指定コマンドとして、有効始動入賞ではないことを指定するブランクデータをセットする。そして、セットした始動入賞口指定コマンド(「第1始動入賞口」指定)及び始動入賞時判定結果指定コマンド(ブランクデータ)を演出制御基板12に出力する。
CPU103は、第2始動入賞口への遊技球の有効始動入賞、即ち、第2始動入賞口に対応した第2保留記憶数が上限値未満の状態での第2始動入賞口への遊技球の入賞、を検出すると、乱数回路104から大当り判定用乱数及び大当り種別判定用乱数を抽出し、抽出した大当り判定用乱数及び大当り種別判定用乱数を、第2特図用の乱数格納領域における第2保留記憶数(当該有効始動入賞を含む加算後の第2保留記憶数)に対応した格納領域に格納すると共に、始動入賞口指定コマンドとして「第2始動入賞口」を指定するコマンドをセットする。また、CPU103は、抽出した(格納した)大当り判定用乱数が、現在の遊技状態(通常状態若しくは時短状態、又は確変状態)に応じた大当り判定用テーブルに記憶している大当り判定値に合致するか否かを判定する始動入賞時判定を実行する。
この始動入賞時判定において、大当り判定用乱数が大当り判定用テーブルの大当り判定値と合致しない場合には、「はずれ」を指定する始動入賞時判定結果指定コマンドをセットする。大当り判定用乱数が大当り判定用テーブルの大当り判定値と合致する場合には、さらに、抽出した(格納した)大当り種別判定用乱数が、第2特図用の大当り種別判定用テーブルに大当り種別毎に記憶されている判定値のいずれに合致するかを判定する。そして、合致した判定値に対応する大当り種別の「大当り」を指定する始動入賞時判定結果指定コマンドをセットする。例えば、始動入賞時判定結果指定コマンドとして、「非確変大当り」を指定するコマンド、又は「確変大当り」を指定するコマンドをセットする。そして、セットした始動入賞口指定コマンド(「第2始動入賞口」指定)及び始動入賞時判定結果指定コマンドを演出制御基板12に出力する。
なお、CPU103は、第2始動入賞口に対応した第2保留記憶数が上限値に達している状態での第2始動入賞口への遊技球の始動入賞(すなわち第2始動入賞口に応じた賞球は払い出されるものの特図ゲームの対象とはならない無効始動入賞)を検出すると、始動入賞口指定コマンドとして「第2始動入賞口」を指定するコマンドをセットすると共に、始動入賞時判定結果指定コマンドとして、有効始動入賞ではないことを指定するブランクデータをセットする。そして、セットした始動入賞口指定コマンド(「第2始動入賞口」指定)及び始動入賞時判定結果指定コマンド(ブランクデータ)を演出制御基板12に出力する。
なお、本実施形態では、始動入賞時に抽出された大当り判定用乱数及び大当り種別判定用乱数に基づいて、当該始動入賞に対応した特図の可変表示結果を判定し、その判定結果に基づいて先読み予告演出を実行するようにしているが、このような形態に限らず、始動入賞時に抽出された変動パターン判定用乱数に基づいて、当該始動入賞に対応した可変表示の変動パターンを判定し、その判定結果に基づいて先読み予告演出を実行するようにしても良い。例えば、始動入賞時の判定結果がスーパーリーチの変動パターンである場合には、始動入賞時の判定結果が非リーチの変動パターンである場合と比較して高い割合で先読み予告演出を実行するようにすると良い。
具体的には、CPU103は、第1始動入賞口への遊技球の有効始動入賞を検出すると、乱数回路104から変動パターン判定用乱数を抽出し、抽出した変動パターン判定用乱数を、大当り判定用乱数及び大当り種別判定用乱数と共に、第1特図用の乱数格納領域における第1保留記憶数(当該有効始動入賞を含む加算後の第1保留記憶数)に対応した格納領域に格納する。また、CPU103は、第2始動入賞口への遊技球の有効始動入賞を検出すると、乱数回路104から変動パターン判定用乱数を抽出し、抽出した変動パターン判定用乱数を、大当り判定用乱数及び大当り種別判定用乱数と共に、第2特図用の乱数格納領域における第2保留記憶数(当該有効始動入賞を含む加算後の第2保留記憶数)に対応した格納領域に格納する。
[1−2.連比、役比の表示]
遊技機1では、主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100において、各入賞口(大入賞口、第2始動入賞口、第1始動入賞口、第1〜第4一般入賞口、以下、「進入領域」ともいう)への遊技球の進入数の集計を行っている。さらに、遊技機1では、主基板11に設けられた表示モニタ29に連比、役比などの情報が表示可能とされている。
なお、本実施形態では、表示モニタ29を主基板11に設けることとして説明するが、これに限らず、演出制御基板12や中継基板15、払出制御基板等の他の基板に表示モニタ29を設けるようにしてもよい。
遊技機メーカ側においては、予め定められた頻度で一般入賞領域に遊技媒体が進入するように(試験を通過するように)遊技盤面を設計することが通常である。また、試験を行う際には、あらかじめ定められた頻度で一般入賞領域に遊技媒体が進入しているかが確認される。さらに、遊技機を設置した後においても、どのような整備が行われているか、その整備の結果、設計どおりの頻度で一般入賞領域に遊技媒体が進入しているかが確認される。そこで、本実施形態における遊技機1では、一般入賞領域を有する遊技機において、どのような整備を加えられたかを認識できるようになっている。以下、役物比率等の表示について説明する。以下、主基板11における遊技球の集計及び役物比率等の表示について説明する。
図2に示す主基板11は、遊技に関する制御を行う基板である。主基板11は、図4に示すように基板ケース201に封入されており、図4(A)に示すように、主基板11の中央には表示モニタ29(例えば、7セグメント)が配置されている。表示モニタ29は、主基板11を視認する際の正面に配置されている。主基板11は、ガラス扉枠3aを開放していない状態では視認できないので、主基板11を視認する際の正面とは、ガラス扉枠3aを開放した状態における遊技盤2の裏面側を視認する際の正面であり、遊技機1の正面とは異なる。ただし、主基板11を視認する際の正面と遊技機1の正面とが共通するようにしてもよい。
主基板11には、遊技の入賞に関する情報、例えば、第1始動入賞口(ヘソ)への入賞による賞球数、第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数、大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数、賞球合計数が入力、集計され、表示モニタ29は、賞球合計数のうち大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数が占める割合である連続役物比率(「連比」という。)(%)、賞球合計数のうち第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数と大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数が占める割合である役物比率(「役比」という。)(%)を表示するようになっている。
連比とは、賞球合計数のうち大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数(下記の連続役物獲得球数)が占める割合である。役比とは、賞球合計数のうち第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数と大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数(下記の役物獲得球数)が占める割合である。賞球合計数(下記の総獲得球数)は、大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数と、第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数と、大入賞口(アタッカー)及び第2始動入賞口(電チュー)以外の入賞口(第1始動入賞口、一般入賞口)への入賞による賞球数と、の総和である。なお、大入賞口(アタッカー)及び第2始動入賞口(電チュー)は、可変役物であり、遊技球の通過可能幅が変動することで、遊技球の入賞想定割合が変動する役物である。また、大入賞口(アタッカー)及び第2始動入賞口(電チュー)以外の入賞口(第1始動入賞口、一般入賞口)は、固定役物であり、遊技球の通過可能幅が固定されており、遊技球の入賞想定割合は一定の役物である。
遊技の入賞に関する情報の集計、計算方法としては、6000個の賞球数における第1始動口(ヘソ)及び一般入賞口(ソデ)への入賞による賞球数(一般賞球数)、第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数である普通電役賞球数(電チュー賞球数)、大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数である特別電役賞球数(アタッカー賞球数)を集計する。その集計を1セットとし、10セット分、すなわち60000個分の連比(%)、役比(%)を算出する。なお、集計する第1始動口(ヘソ)及び一般入賞口(ソデ)への入賞による賞球数(一般賞球数)、普通電役賞球数(電チュー賞球数)、特別電役賞球数(アタッカー賞球数)は、リングバッファに記録されるようになっており、少なくとも11セット分の記録容量があり、1セット毎に更新するようになっている。さらに、6000個の11セット分の記憶を相当数量(例えば、数バイト分)記憶しており、それらの累計の連比(%)、役比(%)を算出することができる。
表示モニタ29は、6000個分の連比(%)、役比(%)、及び累計の連比(%)、役比(%)を所定時間(例えば、30秒)毎に切り替えて表示することができる。すなわち、一つの表示手段で4つの表示を切り替えて表示するようになっている。この場合、全て表示を行うのに2分要するが、遊技が進行することで集計される第1始動口(ヘソ)への入賞による賞球数、第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数、大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数が変化することになる。とすると、例えば、6000個分の連比(%)を表示した後に入賞した賞球数を、その後に表示される6000個分の役比(%)に反映してしまうと、6000個分の連比(%)と6000個分の役比(%)とで食い違いが生じてしまうおそれがある。そこで、第1始動口(ヘソ)への入賞による賞球数、第2始動入賞口(電チュー)の入賞による賞球数、大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数、賞球合計数が入力、集計は、切替表示における所定のタイミング(例えば、60000個分の連比(%)の表示タイミングなど)で行うようにすれば、このような食い違いを防ぐことができる。
以下に計算方法の一例として、賞球合計数が6000個であり、第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数と大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数との合計である役物獲得球数が4200個である場合の役物比率(役比(%))の計算方法を説明する。なお、以下の説明において、総獲得球数とは、遊技機から払い出された遊技媒体(賞球)の総累計数をいう。また、役物獲得球数とは、アタッカー及び電チューに遊技媒体が入賞することによって払い出された遊技媒体の累計数をいう。また、連続役物獲得球数とは、アタッカーに遊技媒体が入賞することによって払い出された遊技媒体の累計数をいう。このため、連比は、下記(1)式で求めることができる。また、役比は、下記(2)式で求めることができる。
連比=[連続役物獲得球数/総獲得球数]×100 ・・・(1)
役比=[(連続役物獲得球数+役物獲得球数)/総獲得球数]×100 ・・・(2)
賞球合計数が6000個であり、役物獲得球数が4200個である場合の役物比率は、4200を6000で除算することにより0.70(小数点以下3桁切り捨て)として求められる。
しかしながら、遊技機に用いられるマイクロコンピュータは小数点以下の演算を行うことができないため、以下の手法での演算が必要となる。
まず、第1の演算方法を説明する。第1の演算方法において、まず、役物獲得球数を100倍して420000とする。そしてこの420000を6000で除算する。これにより商として70が求められる。ここで求められた70より役物比率が70%として求められる。つまり、被除数を100倍することにより、小数点以下2桁までの演算結果を求められるようにしている。ここで、小数点以下3桁までの演算結果を求める場合1000倍すればよい。
次に、第2の演算方法を説明する。第2の演算方法において、まず、賞球合計数を100で除算して60とする。そしてこの60で4200を除算する。これにより商として70が求められる。ここで求められた70より役物比率が70%として求められる。つまり、除数を100で除算することにより、小数点以下2桁までの演算結果を求められるようにしている。ここで、小数点以下3桁までの演算結果を求める場合1000で除算すればよい。
本例で賞球合計数は6000個であるが、長い期間の役物比率を算出するために、賞球合計数を格納するための領域として3バイトの領域が設けられている。つまり本例では3バイトの格納領域に00EA60hとして格納される。また、同様に役物獲得球数も3バイトの格納領域に00A410hが格納される。
ここで、遊技機に用いられるマイクロコンピュータは最大2バイトの値同士の演算しか行うことができない。従って、演算を容易にするために、下位1バイトについて切り捨てを行ってもよい。
ここで上記第2の演算方法を簡略化して行う第3の演算方法を説明する。第3の演算方法では遊技機に用いられるマイクロコンピュータでの演算が容易になるように、賞球合計数の00EA60hに対し、下位1バイトの60hを切り捨て、賞球合計数を00EAh、つまり10進数表記で234を算出する。同じく、役物獲得球数の00A410hに対し、下位1バイトの10hを切り捨て、役物獲得球数を00A4h、つまり10進数表記で164を算出する。
そして、上記第2の演算方法と同様に、賞球合計数を100で除算(273/100)して2を算出する。そして、この2で156を除算して、商として78が求められる。ここで求められた78より役物比率が78%として求められる。
第3の演算方法では遊技機で用いられるマイクロコンピュータでの演算が容易になる一方、+12%の誤差が生じる。ただし、賞球合計数および役物獲得球数がともに10倍の場合の誤差は+1%となる。つまり、役物比率を算出するための期間が長くなることにより誤差は縮小され、本来の数値に近似する。
また、基板ケース201は、透光性を有する材質で形成されており、主基板11、及び表示モニタ29が視認可能になっている。基板ケース201には主基板11に接続される配線コネクタが挿通する図示しない孔部と、主基板11の電気部品の熱を放出するための放熱孔とが形成されている。主基板11に設けられた表示モニタ29は、放熱孔が真正面にはない位置に配置されている。このため放熱孔によって表示モニタ29の視認性が遮られないようにされている。なお、ここでの「真正面」とは、主基板11を視点としての真正面を意味し、主基板11を視認しようとする従業員等と主基板11との間を意味する。
また、基板ケース201には主基板11の種類、機種、スペックなどを表示するためのシールが設けられている。これらの孔部、放熱孔、シールは、表示モニタ29の表示を遮らないように配置されている。具体的には、図3に示すように、主基板11の第1部(例えば、主基板11の中央部)に表示モニタ29を配置した場合に、主基板11における第1部と異なる第2部(例えば、主基板11の周囲部)に他の電気部品などを配置し、主基板11の第2部に対応する基板ケースの部位に孔部、放熱孔、シールを配置するようにしてもよい。特に、放熱孔は、表示モニタ29が発する熱を放出するためには、表示モニタ29の近傍に設けることが好適である。この場合でも、放熱孔は、表示モニタ29の真正面にはない位置に配置されるのが好適である。これによれば、表示モニタ29に視認性を妨げることがないので、入賞に関する情報の確認がし易い。
また、主基板11の第2部に対応する基板ケース201の部位に配線が重ならないようにすることが好ましい。具体的には、配線の一のコネクタが接続される孔部と、その配線の他のコネクタが接続される接続先に主基板11の第2部に対応する基板ケース201の部位が重ならないようにする。これによれば、配線により表示モニタ29の視認性が妨げられることを防止することができる。
また、主基板11には、遊技機のエラーを表示するための7セグメント表示器が設けられているが、表示モニタ29の7セグメントとの誤認を避けるため、所定距離離すか、他の電子部品を挟んで配置するようにすることが好ましい。ここでいう他の電子部品は、例えば、CPUなどの大型の制御部品であると望ましい。
また、遊技の入賞に関する情報が記憶される記憶領域(リングバッファ、10セット合計バッファ(最大2バイトのカウンタを10個備えるリングバッファに記憶された遊技の入賞に関する情報を合計したもの)、賞球合計数バッファ)はリセットボタンが操作された場合に初期化は行われず、継続して記憶されてもよい。リングバッファについては後にさらに説明する。なお、記憶された値のチェックサムを算出し、異常が検出された場合に初期化を行ったり、記憶された賞球合計数の値よりも役物獲得球数の値が大きかったり、役物獲得球数の値よりも連続役物獲得球数の値が大きかったりした場合など、状況として起こりえない事象が検知された場合などには遊技の入賞に関する情報が記憶される記憶領域の初期化処理を行ってもよい。また、初期化処理を行うことなく、エラー表示や警告表示などを行ってもよいし、エラー表示や警告表示を行うとともに、あるいは行った後に初期化処理を行ってもよい。エラー表示や警告表示については後にさらに説明する。
役比(%)の計算は、例として総獲得球数を34321個、役物獲得球数を19876個とすると、19876個に対して34321個を除数として除算し、割合を計算する。19876/34321=0.57912・・・となり約57.9%の役比(%)であることが算出される。遊技制御用マイクロコンピュータ100において演算を行う場合には小数点での計算を避けなければならないため、以下のような計算式に置き換える。19876/34321の除算において分母の34321を100で除算し、小数点を切り捨て、19876/343=57.9475・・・となる。小数点以下は切り捨てられるため57%の役比(%)であることが算出され、表示モニタ29に表示されることとなり、この例の場合には正確な計算によって算出した値とは表示上では誤差がないものとなる。
16ビットにおける最小値は32768(最上位ビットの値以外が0)で誤差が最大となる値は総獲得球数および役物獲得球数がそれぞれ32799であるときである。これを上記の方法で計算すると、32799/32799=100%、遊技制御用マイクロコンピュータ100での計算に置き換えると32799/327=100.3%で+0.3%の誤差となる。小数点を切り捨てて計算を行った場合に、例えば、正確な値が69.9%、遊技制御用マイクロコンピュータの計算による値が70.1%となった場合に69%→70%で表示上1%の誤差が表示されることが考えられるが、1%の誤差という表示上においても非常に小さい誤差で役比(%)(又は連比(%))が表示できる。
また、上記の計算方法を用いる場合に、総獲得球数を100で除算するため、総獲得球数が100未満の場合には計算を行うことができない。さらに、32768未満である場合にも徐々に誤差が大きくなる。10000未満である場合には誤差が1%を超え、さらに大きな誤差となる場合がある。つまり、総獲得球数が少ないほど誤差が大きくなってしまう。このため特定の数以上の総獲得球数(例えば16ビットの最小値である32768)をカウンタによって集計するまでは、表示モニタに役比(%)、連比(%)の表示を行わなかったり、表示を行ったとしても誤差が大きい可能性があることを専用のランプの発光や、報知音を出力したり、表示された値を点滅表示させるなどして報知してもよい。
また、表示モニタ29は役比(%)と、連比(%)とを7セグメント上に表示するものであり、それぞれの値を所定期間毎(例えば30秒毎)に切り替えて表示する。この場合に、例えば役比(%)を30秒間表示している間に、電チューやアタッカーへ新たに遊技媒体が入賞するという事象が発生し、それに従い計算した値を30秒後に連比(%)の値として表示してしまうと、役比(%)と連役(%)との値が乖離してしまう虞がある。このため、役比(%)と連比(%)は同一割込み内で計算し算出された値を順次表示していくことが好ましい。
また、7セグメントに表示可能な数値を2ケタとした場合(例えば7セグメントが2つ設けられている場合)に100%を100として表示ができなくなる。この場合には100の代わりに99を表示するようにしてもよい。図4に示す表示モニタ29では、下位2桁に数値を表示可能としているが、この場合でも、上位2桁を使用することなく、数値を表示してもよい。あるいは、特定の条件の下で、上位2桁の一部に数値を表示してもよい。
また、上記の計算方法においては総獲得球数、役物獲得球数、連続役物獲得球数をカウンタに集計していく例を示したが、集計方法としては、アタッカーと電チューのそれぞれに設けられたセンサによって遊技媒体が入賞したことを検出し、その検出結果に基づいてそれぞれの賞球数を個別に集計したうえで、役物獲得球数のカウンタ、連続役物獲得球数のカウンタへ集計する値を算出してもよい。また、アタッカーに個別に設けられたセンサと、アタッカーに入賞した遊技媒体と電チューに入賞した遊技媒体とが排出される排出通路が合流した後に設けられたセンサとを使い、その検出結果に基づいて役物獲得球数のカ
ウンタ、連続役物獲得球数のカウンタへ集計する値を算出してもよい。以下、連比役比の表示について、具体的に説明する。以下の具体例では、アタッカーと電チューのそれぞれに設けられたセンサによって遊技媒体が入賞したことを検出し、その検出結果に基づいてそれぞれの賞球数を個別に集計する例を説明する。
遊技機1における主基板11には、図2に示すように、表示モニタ29が接続されている。主基板11は、遊技機1において、図3に示すように、遊技機用枠3に設けられた遊技盤2の裏面側に設けられている。遊技盤2の裏面側には、主基板11以外の他、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、電源基板、払出制御基板、発射制御基板などの各周辺基板も設けられている。主基板11は、主基板11以外の各周辺基板とは重ならない位置に配置されている。なお、主基板11は、これらの各周辺基板と重なっていてもよい。特に、主基板11は、各周辺基板の上側となるように重なっていてもよい。
主基板11におけるRAM102には、第1ゲート通過数カウンタ、第2ゲート通過数カウンタ、第1始動入賞数カウンタ、第2始動入賞数カウンタ、第1一般入賞数カウンタ,第2一般入賞数カウンタ,第3一般入賞数カウンタ,第4一般入賞数カウンタ、大入賞数カウンタが設けられている。
第1ゲート通過数カウンタは、第1ゲートスイッチ21Aが遊技球を検出した数を計数するカウンタである。第2ゲート通過数カウンタは、第2ゲートスイッチ21Bが遊技球を検出した数を計数するカウンタである。第1始動入賞数カウンタは、第1始動口スイッチ22Aが遊技球を検出した数を計数するカウンタである。第2始動入賞数カウンタは、第2始動口スイッチ22Bが遊技球を検出した数を計数するカウンタである。
第1一般入賞数カウンタは、第1一般入賞口スイッチ24Aが遊技球を検出した数を計数するカウンタである。第2一般入賞数カウンタは、第2一般入賞口スイッチ24Bが遊技球を検出した数を計数するカウンタである。第3一般入賞数カウンタは、第3一般入賞口スイッチ24Cが遊技球を検出した数を計数するカウンタである。第4一般入賞数カウンタは、第4一般入賞口スイッチ24Dが遊技球を検出した数を計数するカウンタである。大入賞数カウンタが、カウントスイッチ23が遊技球を検出した数を計数するカウンタである。
また、主基板11には、クリアスイッチが接続されている。クリアスイッチは、遊技盤2の裏側面において、従業員等が容易に操作できない位置に配置されている。クリアスイッチを操作することにより、後に説明するRAM102に記憶された連比や役比に用いるデータがクリアされる。クリアスイッチは、連比や役比の算出などに障害が生じた場合など、連比や役比の算出をやり直さざるを得ない状態に陥った時に操作されるスイッチである。このため、通常の連比や役比の算出を行うためのデータの収集を行っている際には、操作する必要がないスイッチである。また、クリアスイッチを操作すると、データのクリアのほかにクリアスイッチ操作信号が主基板11に送信される。
また、主基板11には、RTC106が設けられている。主基板11は、RTC106によって現在時刻を検出できる。RTC106は、初期設定を行うことで所定の時刻や経過時間などを測定できるが、本実施形態では、RTC106は、店舗の営業可能時間を計測可能とされている。
主基板11は、図4(A)に示すように、基板ケース201に収容されている。基板ケース201には、かしめピン11Bが取り付けられている。このかしめピン11Bが設けられていることにより、主基板11が基板ケース201に完全に封入された状態となり、主基板11に対する不正行為を防止するようになっている。基板ケース201は、かしめられた基板ケース(以下「かしめ基板ケース」ともいう)である。
また、表示モニタ29は、主基板11上に設けられている。また、基板ケース201には、主基板11が封入されたことを証明するための封印シール11Sが貼られている。封印シール11Sは例えば基板ケース201における取り外し部分をまたいで貼られている。封印シール11Sは、主基板11からは離れた位置に配置されており、表示モニタ29の真正面など、表示モニタ29の視認性が遮られる位置とは異なる位置に配置されている。このように、表示モニタ29は、封印シール11Sによって隠されない位置に配置されている。
表示モニタ29は、液晶表示部29A、第2表示部29B、第3表示部29C、及び第4表示部29Dを備えている。液晶表示部29A〜第4表示部29Dは、いずれも「8」の字を描く7つのセグメントによって構成される7セグメントと、7セグメントの右側方下部に配置されたドットによって構成されている。これらの液晶表示部29A〜第4表示部29Dは、それぞれ種々の色、例えば赤色、青色、緑色、黄色、白色等で点灯、点滅可能とされている。また、これらの色を極短周期で変化させながら異なる色やいわゆるレインボーで表示させることもできる。
表示モニタ29には、図4(B)に示す表示No1〜4の各項目が表示される。上位2桁の液晶表示部29A及び第2表示部29Bには集計期間が表示され、下位2桁の第3表示部29C及び第4表示部29Dには、数値が百分率で表示される。表示No1では、短期の連比が表示され、表示No2では、短期の役比が表示される。表示No3では、総累計の連比が表示され、表示No2では、総累計の役比が表示される。
ここでの短期とは、払い出された賞球数(獲得球数)が6000個であった期間を意味する。総累計を求める期間は、連比、役比の算出を開始してからの通算、又は連比、役比の計算を一旦リセットしてからの通算の期間を意味する。
なお、上記の例では、連比や役比は、遊技状態によらずに算出するが、遊技状態を考慮して算出してもよい。例えば、連比は、賞球合計数のうち、大当り遊技状態中の大入賞口への入賞による賞球数が占める割合としてもよい。また、役比は、賞球合計数のうち、高ベース状態中の第2始動入賞口への入賞による賞球数と大当り遊技状態中の大入賞口への入賞による賞球数が占める割合としてもよい。
表示No1の短期連比が表示される場合には、液晶表示部29A及び第2表示部29Bに「y6.」が表示され、表示No2の短期役比が表示される場合には、液晶表示部29A及び第2表示部29Bに「y7.」が表示される。また、表示No1の短期連比が表示される場合には、液晶表示部29A及び第2表示部29Bには、短期連比が百分率表示(%表示)され、表示No2の短期役比が表示される場合には、液晶表示部29A及び第2表示部29Bには、短期役比が百分率表示(%表示)される。
表示No3の総累計連比が表示される場合には、液晶表示部29A及び第2表示部29Bに「A6.」が表示され、表示No4の総累計役比が表示される場合には、液晶表示部29A及び第2表示部29Bに「A7.」が表示される。また、表示No3の総累計連比が表示される場合には、第3表示部29C及び第4表示部29Dには、総累計連比が百分率表示(%表示)され、表示No4の総累計役比が表示される場合には、第3表示部29C及び第4表示部29Dには、総累計役比が百分率表示(%表示)される。
主基板11は、連比及び役比を算出するにあたり、アタッカー、第1始動入賞口、第2始動入賞口、及び第1一般入賞口から第4一般入賞口に進入した遊技球の進入数の集計を行っている。CPU103は、メイン処理において、第1ゲートスイッチ21A及び第2ゲートスイッチ21B、第1始動口スイッチ22A及び第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、並びに、第1一般入賞口スイッチ24A〜第4一般入賞口スイッチ24Dの各スイッチの状態(検出信号の有無)を確認する状態確認処理を行っている。
この各スイッチの状態確認処理において、各スイッチから出力される検出信号に基づいて、いずれの進入領域に遊技球が進入したのかを特定する。そして、第1ゲートスイッチ21A,第2ゲートスイッチ21Bから検出信号が出力された場合には、第1ゲート通過数カウンタ,第2ゲート通過数カウンタの値を加算し、第1始動口スイッチ22A,第2始動口スイッチ22Bから検出信号が出力された場合には、第1始動入賞数カウンタ,第2始動入賞数カウンタの値を加算し、カウントスイッチ23から検出信号が出力された場合には、大入賞数カウンタの値を加算し、第1一般入賞口スイッチ24A,第2一般入賞口スイッチ24B,第3一般入賞口スイッチ24C,第4一般入賞口スイッチ24Dから検出信号が出力された場合には、第1一般入賞数カウンタ,第2一般入賞数カウンタ,第3一般入賞数カウンタ,第4一般入賞数カウンタの値を加算することで、各進入領域への遊技球の進入数(各入賞口への遊技球の入賞数)を集計する。なお、各カウンタの値はRAM102に記憶されている。
このように、各進入領域への遊技球の進入数を集計するためのステップを、各進入領域に対応したスイッチの状態を確認する一連の処理において併せて実行する(スイッチの状態確認処理に含める)ことにより、別途の集計プログラムを実行させることなく、即ち、実行プログラムが増加することによる容量不足という問題を生じさせることなく、各進入領域への遊技球の進入数を集計可能となっている。
主基板11のCPU103は、集計した各入賞口への遊技球の入賞数に基づいて、各入賞口への入賞による賞球数を算出し、算出した賞球数を入賞口ごとにRAM102に記憶させる。遊技球の入賞による賞球数は、入賞口に対する1回の入賞で払い出される遊技球数と、当該入賞口への入賞回数を乗じた数で算出される。遊技球の入賞による賞球数は、入賞口毎にあらかじめ定められている。
ここで区分される入賞口ごとの賞球数は、図5に示すように、一般入賞口賞球(第1一般入賞口〜第4一般入賞口(ソデ)への入賞による賞球)、第1始動入賞口賞球(第1始動入賞口(ヘソ)への入賞による賞球)、普通電役賞球(電チューへの入賞による賞球)、特別電役賞球(アタッカーへの入賞による賞球)の賞球数である。また、RAM102は、総賞球数も記憶している。なお、CPU103では、一般入賞口への遊技球の入賞数及び第1始動口への遊技球入賞数を個別に集計しているが、一般入賞口への遊技球の入賞数及び第1始動口への遊技球入賞数をまとめて集計してもよい。また、一般入賞口賞球の賞球数と、第1始動口賞球の賞球数とを個別に算出しているが、一般入賞口賞球の賞球数と、第1始動口賞球の賞球数とをまとめて算出してもよい。
RAM102は、これらの賞球数を記憶するためのリングバッファとアクティブバッファを備えている。リングバッファは、6000個の賞球数ごとの各入賞口への入賞による賞球数を記憶する最大2バイトのカウンタからなる10個の第1記憶領域〜第10記憶領域を備えている。このように、リングバッファでは、所定単位(最大2バイト)の記憶領域を備えている。また、アクティブバッファは、6000個の賞球数ごとの各入賞口への入賞による賞球数を記憶する最大2バイトのカウンタからなる第0記憶領域を備えている。第0記憶領域には、遊技の進行によって増加する入賞口毎の賞球数が加算される。第0記憶領域〜第10記憶領域の11個の記憶領域は、256×256=65536のデータを記憶可能であり、6000個までのデータは余裕をもって記憶できる。
また、RAM102には、入賞口毎に、第1記憶領域〜第10記憶領域に記憶された賞球数(10セット分)の総和と、総累計との記憶領域が設けられている。10セット分の総和及び総累計の記憶領域は、最大3バイトのカウンタで構成されている、このため、256×256×256=16777216のデータを記憶可能であり、60000個までのデータは余裕をもって記憶できる。
また、RAM102には、10セット分及び総累計の役比及び連比を記憶する連比役比記憶領域を備えている。主基板11のCPU103では、10セット分及び総累計の各入賞口への遊技球の入賞数に基づく賞球数によって、10セット分及び総累計の役比及び連比を算出し、10セット分及び総累計の役比及び連比を記憶する連比役比記憶領域に記憶させる。10セット分及び総累計の役比及び連比を記憶する連比役比記憶領域は、いずれも最大1バイトのカウンタで構成されている。10セット分及び総累計の役比及び連比は、例えば整数で記憶させる場合には、最大1バイトのカウンタで余裕をもって記憶できる。
ここで、主基板11のCPU103のメモリ空間について説明する。
図6は主基板におけるCPUのメモリマップを示した図である。CPU103は、上述の内蔵レジスタ、ROM101、RAM102などにアクセスするためのメモリ空間を有している。具体的には、図6のメモリマップに示すように、ROM101のアドレス/データ信号線は、メモリ空間のROM領域(本実施形態では、0000H〜2FFFH(Hは16進数を示す。以下、同じ)のうち、0000H〜2FBFH。2FC0H〜2FFFHはプログラム管理エリア)に割り当てられ、CPU103は、このROM領域を指定してROM101からのデータの読み出しを行う。また、本実施形態では、ROM領域を第一領域〜第八領域の8つの領域に分けて管理を行っており、第一領域は0000Hから始まる領域としている。
また、内蔵レジスタのアドレス/データ信号線は、メモリ空間のレジスタエリア(本実施形態では、FE00H〜FEBFH)に割り当てられ、CPU103は、このレジスタエリアを介して内蔵レジスタからのデータの読み出しやレジスタへのデータの書き込みを行う。
また、RAM102のアドレス/データ信号線は、メモリ空間のRWM領域(本実施形態では、F000H〜F3FFH)に割り当てられ、CPU103は、このRWM領域を指定してRAM102からのデータの読み出しやRAM102へのデータの書き込みを行う。なお、メモリ空間の他の領域(本実施形態では、3000H〜EFFFH、F400H〜FDFFH、FEC0H〜FFFFH)は非使用領域とされている。
また、RAM102の記憶領域に対応するRAM領域(本実施形態では、0000H〜2FFFHの16Kバイト領域)は、図7に示すように、RAM制御領域、非使用領域、RAMデータ領域及びその他領域で構成されている。このRAM制御領域に対応するRAM102の記憶領域には、CPU103が実行する複数種類の命令それぞれに対応する命令データ(オペコード)やCPU103がそれぞれの命令を実行するために必要な補足データ(オペランド)によって構成される制御プログラム用のデータ(単に、制御プログラムデータと称する場合がある)が一時的に記憶され、RAMデータ領域に対応するRAM102の記憶領域には、上記の制御プログラムによって参照される参照データ(例えば、上述の各種抽選データ)が一時的に記憶される。
また、非使用領域に対応するRAM102の記憶領域及びその他領域に対応するRAM102の記憶領域には、連比や役比の表示に用いるデータが一時的記憶される。例えば、非使用領域に対応するRAM102の記憶領域には、入賞口毎の賞球数の総累計を記憶する記憶領域及び総累計の連比役比記憶領域が設けられている。またその他領域に対応するRAM102の記憶領域には、入賞口毎の第0記憶領域を備えるアクティブバッファ、第1記憶領域〜第10記憶領域を備えるリングバッファ、入賞口毎の賞球数(10セット分)の総和の記憶領域、及び10セット分の連比役比記憶領域が設けられている。なお、非使用領域に対応するRAM102の記憶領域と、その他領域に対応するRAM102の記憶領域とには、サブルーチンの先頭アドレスが互いに異なるデータがそれぞれ記憶されている。
なお、本実施形態では、RAM領域の各々のアドレスに対応するRAM102の記憶領域には、1バイト(8ビット)のデータが記憶可能であり、上述の各データ(命令データ、補足データ、参照データ、管理データ)が1バイトを超えるバイト数(例えば、2バイト)のデータである場合には、RAM制御領域の連続する複数のアドレスに対応するRAM102の記憶領域に1バイト毎に分割して記憶している。
また、主基板11は、表示モニタ29に対して、連比及び役比を表示する制御を行う。ここで、主基板11は、複数の項目を順次表示する制御を行う。
図8(A)は、役物比率表示装置に表示される項目の表示時間を示すタイムチャートである。図8(A)に示すように、表示モニタ29に対する表示を開始すると、まず表示No1の短期連比が表示される。表示No1の短期連比の表示は、緑字で表示される。表示No1の短期連比の表示では、図8(B−1)に示すように、液晶表示部29Aに「y」の文字が表示され、第2表示部29Bに「6.」の文字が表示される。また、第3表示部29C及び第4表示部29Dには、短期連比が表示される。例えば、短期連比が41%の場合、第3表示部29Cに「4.」の文字が表示され、第4表示部29Dに「1.」の文字が表示される。
表示No1の表示が30秒間継続すると、表示No2の短期役比が表示される。表示No2の短期連比の表示は、赤字で表示される。表示No2の短期役比の表示では、図8(B−2)に示すように、液晶表示部29Aに「y」の文字が表示され、第2表示部29Bに「7.」の文字が表示される。また、第3表示部29C及び第4表示部29Dには、短期役比が表示される。例えば、短期役比が63%の場合、第3表示部29Cに「4.」の文字が表示され、第4表示部29Dに「3.」の文字が表示される。
表示No2の表示が30秒間継続すると、表示No3の総累計連比が表示される。表示No3の総累計連比の表示は、赤字で表示される。表示No3の総累計連比の表示では、図8(B−3)に示すように、液晶表示部29Aに「A」の文字が表示され、第2表示部29Bに「6.」の文字が表示される。また、第3表示部29C及び第4表示部29Dには、総累計連比が表示される。例えば、総累計連比が58%の場合、第3表示部29Cに「5.」の文字が表示され、第4表示部29Dに「8.」の文字が表示される。
表示No3の表示が30秒間継続すると、表示No4の総累計役比が表示される。表示No4の総累計役比の表示は、赤字で表示される。表示No4の総累計役比の表示では、図8(B−4)に示すように、液晶表示部29Aに「A」の文字が表示され、第2表示部29Bに「7.」の文字が表示される。また、第3表示部29C及び第4表示部29Dには、総累計役比が表示される。例えば、総累計役比が68%の場合、第3表示部29Cに「6.」の文字が表示され、第4表示部29Dに「8.」の文字が表示される。
表示No4の表示が30秒間継続すると、図8(B−5)に示すように、表示No1の短期連比が表示される。以後、表示No1の短期連比〜表示No4の総累計役比の表示が30秒毎に順次表示される。また、その表示の色は、表示No1の短期連比のみが緑色とされ、表示No2の短期役比〜表示No4の総累計役比は赤色とされる。このように、表示モニタ29は、短期連比、短期役比、総累計連比、総累計役比を30秒ごとに切り替えて表示する。
また、主基板11では、アクティブバッファにおける第0記憶領域の賞球合計が所定の容量である6000個に到達すると、リングバッファにおける第0記憶領域〜第10記憶領域の記憶を更新する。さらには、10セット分の総和及び総累計の記憶領域、10セット分及び総累計の役比及び連比を記憶する連比役比記憶領域の記憶をそれぞれ更新する。
アクティブバッファ及びリングバッファにおける更新では、アクティブバッファの第0記憶領域に記憶されている数値をリングバッファの第1記憶領域に移動させる。また、リングバッファの第1記憶領域〜第9記憶領域に記憶されている数値をそれぞれ第2記憶領域〜第10記憶領域に移動させる。例えば、図9に示すように、第0記憶領域〜第9記憶領域における一般入賞口賞球の賞球数がそれぞれ「27」「81」「120」「36」「225」「87」「66」「117」「45」「21」であったとする。このときに、アクティブバッファの第0記憶領域における賞球合計が6000個に到達すると、第1憶領域〜第10記憶領域における一般入賞口賞球の賞球数をそれぞれ「27」「81」「120」「36」「225」「87」「66」「117」「45」「21」に更新する。また、第0記憶領域の賞球数を「0」とし、第10記憶領域の賞球数を消去する。
第0記憶領域〜第10記憶領域に記憶される賞球数を更新する際には、記憶している賞球数を一旦消去してから新たな賞球数を記憶させてもよい。あるいは、記憶されている賞球数に上書きする形で新たな賞球数を記憶させてもよい。
また、図2に示す異常検出用センサ群26には、ガラス扉枠3aの開放を検出するドア開放センサが含まれている。ガラス扉枠3aの開放は、従業員が行う際には異常には相当しないが、従業員以外の者が行うときには、異常に相当することが多い。このため、本実施形態では、ガラス扉枠3aの開放を検出するドア開放センサを異常検出用センサ群26に含めている。ドア開放センサは、ガラス扉枠3aの開放を検出したときに、開放信号を主基板11に送信する。
ドア開放は、従業員による場合の正常なガラス扉枠3aの開放と、従業員以外の者等による異常なガラス扉枠3aの開放とがある。ここでは、異常なガラス扉枠3aの開放を想定してドア開放の検出が行われる。また、従業員がガラス扉枠3aを開放した正常なガラス扉枠3aの開放であっても、ドア開放は検出されるが、ガラス扉枠3aの開放を従業員等が認識していることが多いので、特段の問題は生じないようにすることができる。
[1−3.処理]
続いて、主基板11で実行される連比役比の表示に関する制御について説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えば、RAM102におけるRAM制御領域及びRAMデータ領域がクリアされる。このため、電源基板からの電力供給が開始されたときには、RAM102の非使用領域及びその他領域に記憶される連比や役比の表示に用いるデータは、クリアされることなく維持される。RAM102の非使用領域及びその他領域に記憶される連比や役比の表示に用いるデータは、クリアスイッチが操作されることでクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTCのレジスタ設定を行う。初期設定を行った後、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。連比・役比関連処理は、このタイマ割込み処理で実行される。
図10は、連比・役比関連処理の流れの一例を示すフローチャートである。主基板11では、図10に示すように、連比・役比関連処理において、異常操作が検出されたか否か判断する(ステップS101)。異常操作が検出されたか否かは、クリアスイッチからクリアスイッチ操作信号が送信されたか否かで判断する。
その結果、クリアスイッチ操作信号が送信されており、異常操作が検出された場合(ステップS101;YES)には、警告表示準備を行い(ステップS102)、ステップS103に進む。また、クリアスイッチ操作信号が送信されておらず、異常操作が検出されない場合(ステップS101;NO)には、入賞情報を取得する(ステップS103)。入賞情報は、第1始動口スイッチ22A及び第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、並びに、第1一般入賞口スイッチ24A〜第4一般入賞口スイッチ24Dのいずれかによって遊技球が検出されることによって取得される。
続いて、現在の時刻が営業時間内であるか否かを判断する(ステップS104)。現在の時刻が営業時間内であるか否かは、RTC106によって計測されて判断される。その結果、現在の時刻が営業時間内である場合には(ステップS104;YES)、ガラス扉枠3aが閉鎖されているか否かを判断する(ステップS105)。ガラス扉枠3aが閉鎖されているか否かは、ドア開放センサから開放信号が送信されたか否かによって判断される。
その結果、ドア開放センサから開放信号が出力されておらず、ガラス扉枠3aが閉鎖されている場合には(ステップS105;YES)、単位時間当たりにアタッカーに遊技球が所定球数以上入賞しているか否かを判断する(ステップS106)。ここでの単位時間及び所定球数は、通常の遊技では入賞し得ない状態を想定した数値が設定される。具体的には、遊技球の発射は、最大1分間100発であるため、例えば、1分間に100個を上限として適宜決定できる。より具体的には、単位時間が1秒間である場合に所定球数が5個、又は、単位時間が10秒である場合に所定個数が30個などである。単位時間は、RTC106によって計測される。また、アタッカーへの遊技球の入賞個数は、カウントスイッチ23による遊技球の検出個数によって計測される。
その結果、単位時間当たりにアタッカーに遊技球が所定球数以上入賞していない場合(ステップS106;NO)には、ステップS103で取得した入賞情報に応じた賞球数を加算する賞球数加算処理を行う(ステップS107)。なお、賞球数加算処理は、警告表示準備が行われていない場合に行う。ここで、警告表示準備が行われている場合には、そのまま連比・役比関連処理を終了する。賞球数加算処理では、第0記憶領域における一般入賞口(ソデ)、一般入賞口(ヘソ)、普通電役賞球(電チュー)、特別電役賞球(アタッカー)の各賞球数を加算する。
また、賞球数加算処理では、アクティブバッファにおける第0記憶領域における一般入賞口(ソデ)、一般入賞口(ヘソ)、普通電役賞球(電チュー)、特別電役賞球(アタッカー)の各賞球数の賞球合計を算出する。ここで、アクティブバッファにおける第0記憶領域の賞球合計が所定の容量である6000となった場合には、アクティブバッファの第0記憶領域に記憶されている数値をリングバッファの第1記憶領域に移動させる。また、リングバッファの第1記憶領域〜第9記憶領域に記憶されている数値をそれぞれ第2記憶領域〜第10記憶領域に移動させる。また、リングバッファにおける第10記憶領域に記憶されていた数値を消去する。
続いて、算出タイマがタイムアップした(算出タイマ=0)か否かを判断する(ステップS108)。その結果、算出タイマがタイムアップしていない場合(ステップS108;NO)には、そのまま連比・役比関連処理を終了する。また、算出タイマがタイムアップしている場合(ステップS108;YES)には、算出タイマをセット(算出タイマ=2000ms)する(ステップS109)。
それから、ステップS107で加算して得られた賞球数(賞球合計)が算出実行数となっているか否かを判断する(ステップS110)。算出実行数は、適宜の数とすることができるが、例えばリングバッファにおける第0記憶領域〜第9記憶領域に記憶されている数値をそれぞれ第1記憶領域〜第10記憶領域に移動させる基準となる賞球合計の6000個よりもわずかに少ない数、例えば5900個とすることができる。また、算出実行数は、6000個から最大払出し球数を減じた数よりもわずかに小さい数とすることが好適である。
その結果、賞球数(賞球合計)が算出実行数となっていない場合には(ステップS110;NO)、そのまま連比・役比関連処理を終了する。また、賞球数が算出実行数となっている場合には(ステップS110;YES)、連比及び役比を算出する(ステップS111)。ここでは、短期連比、短期役比、累計連比(総累計連比)、累計役比(総累計役比)をそれぞれ算出する。このため、短期連比、短期役比、累計連比、累計役比は、いずれも同一割込み内で算出される。その後、連比・役比表示処理を行って(ステップS112)、連比・役比関連処理を終了する。
また、ステップS104で営業時間内でないと判断した場合(ステップS104;NO)、ステップS105で扉枠が閉鎖していないと判断した場合(ステップS105;NO)、ステップS106で単位時間当たりにアタッカーに遊技球が所定球数以上入賞していると判断した場合(ステップS106;YES)には、エラー表示準備を行う(ステップS113)。その後、連比・役比関連処理を終了する。
次に、連比・役比表示制御処理について説明する。
図11は、連比・役比表示制御処理の処理の流れの一例を示すフローチャートである。図11に示すように、連比・役比表示制御処理では、連比・役比表示準備が済んでいるか否かを判断する(ステップS201)。連比・役比表示準備処理が済んでいないと判断した場合(ステップS201;NO)には、エラー表示準備が済んでいるか否かを判断する(ステップS202)。
その結果、エラー表示準備が済んでいると判断した場合(ステップS202;YES)には、エラー表示を行う(ステップS203)。エラー表示は、適宜行うことができる。例えば、表示モニタ29の上位2桁に「E」「R」を表示し、下位2桁に「0」「1」を表示することができる。また、エラー表示を行う際に、他の表示装置、例えば画像表示装置5、第1特別図柄表示装置4Aに、第2特別図柄表示装置4B等に所定のエラー表示を行ってもよいし、遊技効果ランプ9を適宜のパターンで点灯、点滅などさせてもよい。あるいは、スピーカ8L,8Rから所定の警報音を発生させてもよい。あるいは、主基板11に設けられた遊技機のエラーを表示するための7セグメント表示器に適宜の表示を行ってもよい。また、これらを組み合わせて行ってもよい。
エラー表示を行ったら、警告表示準備が済んでいるか否かを判断する(ステップS204)。また、ステップS202において、エラー表示準備が済んでいるか否かを判断いないと判断した場合(ステップS202;NO)にも、警告表示準備が済んでいるか否かを判断する(ステップS204)。
その結果、警告表示準備が済んでいると判断した場合(ステップS204;YES)には、警告表示を行う(ステップS205)。警告表示は、警告表示以外の表示とは異なるように、適宜行うことができる。例えば、表示モニタ29の上位2桁に「E」「R」を表示し、下位2桁に「0」「6」を表示することができる。このとき、警告がなされる状態であることを示すために、表示モニタ29を点滅させてもよいし、表示モニタ29の表示の色を変化させながら表示させてもよい。あるいは、表示モニタ29の表示の明度を高くして表示を行ってもよい。このように、警告表示は、他の表示よりも目立つようにして行うのが好適である。
また、警告表示を行う際に、他の表示装置、例えば画像表示装置5、第1特別図柄表示装置4Aに、第2特別図柄表示装置4B等に所定の警告表示を行ってもよいし、遊技効果ランプ9を適宜のパターンで点灯、点滅などさせてもよい。あるいは、スピーカ8L,8Rから所定の警告音を発生させてもよい。あるいは、主基板11に設けられた遊技機のエラーを表示するための7セグメント表示器に適宜の表示を行ってもよい。また、これらを組み合わせて行ってもよい。
警告表示を行ったら、連比・役比制御処理を終了する。また、ステップS204で警告表示準備が済んでいないと判断した場合(ステップS204;NO)にも、連比・役比制御処理を終了する。
また、連比・役比表示準備が済んでいると判断した場合(ステップS201;YES)には、短期連比表示を行う(ステップS206)。続いて、短期連比表示を開始して所定時間(30秒)が経過したか否かを判断する(ステップS207)。ここで、所定時間が経過していないと判断した場合(ステップS207;NO)には、ステップS206に戻り、短期連比表示を継続する。また、所定時間が経過したと判断した場合(ステップS207;YES)には、ステップS208に進む。こうして、短期連比表示は、30秒(30000ms)間継続して行われる。
続いて、短期役比表示を行い(ステップS208)、短期役比表示を開始して所定時間(30秒)が経過したか否かを判断する(ステップS209)。ここで、所定時間が経過していないと判断した場合(ステップS209;NO)には、ステップS208に戻り、短期役比表示を継続する。また、所定時間が経過したと判断した場合(ステップS209;YES)には、ステップS210に進む。こうして、短期役比表示は、30秒間継続して行われる。
続いて、累積連比表示を行い(ステップS210)、累積連比表示を開始して所定時間(30秒)が経過したか否かを判断する(ステップS211)。ここで、所定時間が経過していないと判断した場合(ステップS211;NO)には、ステップS210に戻り、累積連比表示を継続する。また、所定時間が経過したと判断した場合(ステップS211;YES)には、ステップS212に進む。こうして、累積連比表示は、30秒間継続して行われる。
続いて、累積役比表示を行い(ステップS212)、累積役比表示を開始して所定時間(30秒)が経過したか否かを判断する(ステップS213)。ここで、所定時間が経過していないと判断した場合(ステップS213;NO)には、ステップS212に戻り、累積役比表示を継続する。こうして、短期役比表示は、30秒間継続して行われる。また、所定時間が経過したと判断した場合(ステップS213;YES)には、連比・役比制御処理を終了する。
このように、上記の遊技機1では、主基板11に設けられた表示モニタ29によって短期連比、短期役比、累積連比、累積役比を表示している。また、表示モニタ29は、視認性を妨げられないように、遊技を制御する主基板11上に設けられている。このため、遊技盤に設けられた遊技釘(障害釘)や風車などについてどのような整備が加えられたかを認識できる。
また、表示モニタ29は、主基板11を視認する際の正面に配置されている。このため、表示モニタ29に対する視認性が妨げられることを防止できる。また、主基板11は、基板ケース201に設けられた放熱孔が真正面にはない位置に配置されている。このため、主基板11上に設けられた表示モニタ29が放熱孔によって見にくくならないようにすることができる。したがって、主基板11上に設けられた表示モニタ29に対する視認性が妨げられることを防止できる。
また、主基板11は、主基板11以外の各周辺基板とは重ならない位置に配置されている。このため、主基板11上に設けられた表示モニタ29が演出制御基板12などの周辺基板によって見にくくならないようにすることができる。したがって、主基板11上に設けられた表示モニタ29に対する視認性が妨げられることを防止できる。
また、表示モニタ29には、電チューやアタッカーの通過によって払い出された賞球と、一般入賞口の通過によって払い出された賞球との関係に関する連比や役比を表示することができる。また、表示モニタ29は、短期連比と累計連比など、所定情報を所定期間ごとに切り替えて表示可能である。このため、複数の期間についての情報を表示するための表示器を設ける必要がないので、部品点数の削減に寄与することができる。
また、表示モニタ29には、賞球数が6000個となるごとの連比(短期連比)や役比(短期役比)が表示されるので、総賞球数が6000個となるなど、一定の単位に対応した期間の数値を容易に認識することができる。所定単位に対応した期間は、賞球数が6000個となる以外の期間であってもよい。例えば、賞球数が1000個、10000個となる期間でもよい。あるいは、賞球数ではなく時間を単位としてもよい。例えば、所定単位に対応した期間を1時間、3時間、10時間などの適宜の時間としてもよい。
また、表示モニタ29は、賞球数が6000個となるごとの連比(短期連比)や役比(短期役比)のほか、累計連比及び累計役比を切り替えて表示している。このため、所定単位ごとの短期連比や短期役比と累計連比や累計役比などを容易に比較することができる。また、表示モニタ29は、かしめられた基板ケース内に収容された主基板11に設けられている。このため、表示モニタ29における表示を改ざんするなどの不正の防止に寄与することができる。
また、遊技機1は、適正な所定情報が表示できなくなる不正を検知検出する検出手段を備えている。ここでの不正とは、例えば遊技上の営業時間外における賞球数の計数、扉枠の開放中における賞球数の計数、許容入賞数を超えた遊技球の入賞などがある。遊技機1は、店舗の営業時間内で稼働するものであり、営業時間以外の時間における賞球の計数は、不正行為である蓋然性が高い。また、遊技機1は、扉枠を閉じて遊技を行うものであり、扉枠の開放中の賞球の計数は、不正行為である蓋然性が高い。
また、遊技機1の遊技中、遊技球は、一定の速度を超えて発射させることができない。例えば、遊技球の発射は、最大1分間100発である。このため、1分間での遊技球の入賞の上限数はほぼ100個となる。したがって、例えば1分間に100個、あるいは12秒間に20個を超える遊技球の入賞が検出された場合には、不正行為があった蓋然性が極めて高くなる。
遊技機1では、不正を検知するために、営業時間内でない場合、ガラス扉枠3aが閉鎖されていない場合、単位時間当たりにアタッカーに遊技球が所定球数以上入賞している場合の賞球数の加算を排除している。したがって、これらの不正による連比、役比の情報などの改ざんを抑制することができる。なお、単位時間当たりにアタッカーに遊技球が所定球数以上入賞している場合の賞球数に代えて、単位時間あたりの払出球数に基づいて不正を検出してもよい。
また、上記の遊技機1では、RAM102が備えるアクティブバッファの第0記憶領域が所定の容量である6000個となった場合に、リングバッファにおける第10記憶領域に記憶されていた数値を消去する。このため、リングバッファが容量不足となることを防ぐことができる。
また、リングバッファでは、第1記憶領域〜第10記憶領域が設けられており、アクティブバッファの第0記憶領域のデータがリングバッファの第1記憶領域に移動する場合、第10記憶領域のデータが消去される。このため、消去されるデータが所定単位ごととされるので、リングバッファの容量不足を防ぐことができる。また、消去されずに残るデータを多くしておくことができる。
なお、アクティブバッファの第0記憶領域のデータをリングバッファの第1記憶領域に移動させる際、リングバッファにおける第9記憶領域のデータを第10記憶領域に移動させる。このとき、第10記憶領域のデータを消去して、第9記憶領域のデータを移動させてもよいし、第10記憶領域のデータに第9記憶領域のデータを上書きしてもよい。この場合でも、リングバッファの容量不足を防ぐことができる。
アクティブバッファの第0記憶領域のデータをリングバッファの第1記憶領域に移動させる際、リングバッファでは、その一部の記憶領域である第10記憶領域のデータが消去される。このため、消去されるデータを少なくすることができるので、リングバッファの容量不足を防ぐことができるとともに、多くのデータで連比や役比を算出できる。
なお、リングバッファのデータを消去する際には、その一部第10記憶領域のデータを消去するのみではなく、第1記憶領域〜第10記憶領域のデータの全てを消去するようにしてもよい。この場合、リングバッファの容量不足をより好適に防ぐことができる。また、所定の条件に応じてリングバッファの一部又は全部のデータを消去するようにしてもよい。例えば、営業時間開始時最初には、リングバッファの全部のデータを消去し、以後はリングバッファの一部のデータを消去するようにしてもよい。
また、上記の例では、リングバッファにおけるデータの移動について説明しているが、リングバッファ以外のデータ、例えば総累計を記憶する記憶領域についても、同様に一部や全部のデータを消去するようにしてもよい。
また、上記の遊技機1では、短期連比、短期役比、累計連比、累計役比の各データを30秒の周期ごとに表示している。このため、各データを容易に比較することができる。なお、各データを表示する周期は30秒ではなく、適宜の周期としてもよい。例えば、10秒毎としてもよいし、1分毎としてもよい。または、1時間ごととしてもよい。また、表示されるデータは、短期連比、短期役比、累計連比、累計役比のデータ以外のデータとしてもよいし、これらのデータの一部のみとしてもよい。
また、短期連比、短期役比、累計連比、累計役比の各データを30秒の周期ごとに表示するにあたり、短期連比については、他のデータと異なる表示を行っている。具体的には、短期連比については赤字で表示し、他のデータは緑字で表示している。このため、短期連比から新たなデータを表示することを認識させることができる。
また、上記の遊技機1では、異常操作が行われたときに、警告表示を行うようにしている。具体的に、クリアスイッチが操作された場合に異常操作として警告を表示する。クリアスイッチは、連比や役比の算出などに障害が生じた場合に操作されるいわば非常用のスイッチである。このスイッチが操作されると、連比や役比のデータの改ざんを行うことができるので、クリアスイッチの操作を異常操作として検出する。遊技機1では、この異常操作を警告表示によって警告できるので、データの改ざんなどの不正を抑制することができる。
また、上記の遊技機1では、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、第1一般入賞口スイッチ24A、第2一般入賞口スイッチ24B、第3一般入賞口スイッチ24C、第4一般入賞口スイッチ24Dからの検出信号に基づいて得られる賞球数に基づいて、連比や役比を算出している。例えば、アタッカーに個別に設けられたセンサ(カウントスイッチ23)と、アタッカーに入賞した遊技媒体と電チューに入賞した遊技媒体とが排出される排出通路が合流した後に設けられたセンサとを使い、その検出結果に基づいて役物獲得球数のカウンタ、連続役物獲得球数のカウンタへ集計して連比や役比を算出した場合、どの入賞口からの払い出しなのかを特定しづらく、役比、連比の算出が複雑になってしまう虞がある。この点、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、第1一般入賞口スイッチ24A、第2一般入賞口スイッチ24B、第3一般入賞口スイッチ24C、第4一般入賞口スイッチ24Dによって遊技媒体が入賞したことを検出して、その検出結果から得られる賞球数に基づいて、連比や役比を算出ことにより、各入賞口への入賞に基づいて賞球数判断できる。したがって、連比や役比を簡単に算出することができるとともに、精度よく算出することができる。
[1−4.変形例]
この発明は、上記実施形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。なお、
上記の各演出形態に示された遊技機の制御及び構成を任意に組み合わせるようにしても良く、上記の各演出形態に示された遊技機の制御及び構成と、以下の変形例に示された遊技機の制御及び構成を任意に組み合わせるようにしても良い。
上記の実施形態では、遊技の入賞に関する情報が記憶される記憶領域を最大2バイトのカウンタが10個設けられたリングバッファを用いたが、最大3バイトのカウンタや最大4バイトのカウンタを設けることもできる。このとき、遊技機から払い出された遊技媒体(賞球)の総獲得球数から前述の役比(%)および連比(%)の2種類を上述した表示モニタ29に表示するにあたっての計算方法は前述した方法に限られず以下のようにしてもよい。図12に示すように最大4バイトで構成されたカウンタによって、総獲得球数、役物獲得球数、連続役物獲得球数のそれぞれを集計する場合、その上位16ビットを使用して計算を行ってもよい。ちなみに4バイトのカウンタによって、獲得球数が1日30000個であると仮定した場合に、4294836225(4バイト)/30000(1日あたりの獲得球数)=143161.2075、143161.2075/365日=約392、となり、392年分の集計を賄える計算となる。
また、上記の実施形態では、図4(A)に示すように、基板ケース201に収容された主基板11上の中央部に表示モニタ29が設けられた例を説明したが、表示モニタ29は、他の位置に設けられていてもよい。
例えば、図13(A)に示すように、表示モニタが設けられていない主基板11Cと、主基板11Cとは別に表示基板11Dを設け、主基板11Cと表示基板11Dとをハーネス11Eで接続して、表示基板11Dに表示モニタ29を設けてもよい。この場合、表示モニタ29に表示する連比や役比の算出やこれらの算出に用いるためのデータの受信は、主基板11Cで行われる。主基板11Cは、算出した連比や役比、さらにはこれらを表示するための制御に関する情報を表示基板11Dに対してハーネス11Eを介して送信する。表示基板11Dでは、主基板11Cから送信されたデータに基づいて、表示モニタ29に連比や役比を表示すればよい。
また、主基板11C及び表示基板11Dは、かしめ基板ケースである基板ケース201Aに収納されている。基板ケース201Aには、図4(A)に示す基板ケース201と同様、かしめピン11Bが取り付けられている。このかしめピン11Bが設けられていることにより、主基板11C及び表示基板11Dが基板ケース201Aに完全に封入された状態となり、主基板11Cに対する不正行為を防止するようになっている。また、基板ケース201Aにおいても、図4(A)に示す基板ケース201と同様、孔部や放熱孔が設けられ、所定のシールが設けられている。これらの孔部、放熱孔、シールは、表示モニタ29の表示を遮らないように配置されている。
また、図13(B)に示すように、表示基板11Dについては、かしめ基板ケースである基板ケース201Bの外側に設け、主基板11Cを基板ケース201Bに封入するようにしてもよい。この例において、表示基板11Dには、ハーネス11Eで主基板11Cに接続されている。
また、図13(C)に示すように、表示基板11Dを基板ケース201Cに封入し、主基板11Cを基板ケース201Bに封入するようにしてもよい。この例において、表示基板11Dには、ハーネス11Eで主基板11Cに接続されている。また、基板ケース201Cにおいても、図4(A)に示す基板ケース201と同様、孔部や放熱孔が設けられ、所定のシールが設けられている。これらの孔部、放熱孔、シールは、表示モニタ29の表示を遮らないように配置されている。なお、表示基板11Dを封入する基板ケース201Cは、かしめ基板ケースでなくてもよいし、かしめ基板ケースであってもよい。
また、図13(D)に示すように、図4(A)に示す基板ケース201の表面にラベルが貼り付けられており、ラベル11Rには、かしめ使用記録が記載されるようになっていてもよい。ここで、ラベル11Rは、表示モニタ29の一部を隠す位置に配置されていてもよい。このように、ラベル11Rによって表示モニタ29の一部が隠されていることにより、例えばガラス扉枠3aを開放した際に、遊技者が簡単に連比や役比を視認できないようにできる。また、ラベル11Rを貼り付ける場合でも、表示モニタ29を隠さない位置に貼り付けてもよい。
また、上記の実施形態では、可動役物として、ソレノイドによって開閉する大入賞口(アタッカー)や第2始動入賞口(電チュー)といった電動役物が用いられているが、これらの電動役物に代えて、遊技球の自重によって開閉を行ういわゆる機械式役物を可動役物としてもよい。また、表示モニタ29としては、7セグメントのLEDを用いているが、7セグメントに代えてドット表示、表示画面などとしてもよい。また、LEDに代えて、液晶表示装置や、有機EL、蛍光表示管などとしてもよい。
また、上記の実施形態では、表示モニタ29に表示する内容、例えば連比や役比の表示等とは無関係にガラス扉枠3aを開放させてエラー解除などの対応をすることがある。例えば、遊技球の払出しを行うために、遊技盤3の裏側には、遊技球(補給球)を補給する補給機構が設けられていることがある。この補給機構において、球詰まりが生じた場合などには、ガラス扉枠3aを開放させて球詰まりを解消させてエラー解除を行うことがある。このような表示モニタ29に表示する内容とは無関係にガラス扉枠3aを開放させてエラー解除を行う場合などには、表示モニタ29に対する連比や役比等の表示を行わないようにしてもよい。
また、このときに表示モニタ29に対する連比や役比等の表示を行わないようにするために、連比や役比等の表示に対するエラーが発生していないことを条件としてもよい。ここでの連比や役比等の表示に対するエラーとは、例えば、図10に示すステップS101で判断される異常操作の検出やステップ104で判断される営業時間内の入賞情報の取得、ステップS106で判断される単位時間当たりにおけるアタッカーに対する所定数以上の入賞の検出としてもよい。このような連比や役比等の表示に対するエラーが発生していないことを条件とすることにより、遊技者に連比や役比等の情報が見られてしまう事態を抑制できる。
また、表示モニタ29に表示する内容とは無関係にガラス扉枠3aを開放させてエラー解除を行い、エラー解除が完了した後は、表示モニタ29に対する連比や役比等を表示するまで所定期間例えば1分間待機し、所定時間が経過した後に表示するようにしてもよい。エラーの発生の解除後は、エラー発生の原因を完全に取り除くことができずに、同様のエラーが続いて発生することが少なくない。表示モニタ29に対する連比や役比等の表示を所定時間が経過した後に行うことにより、このようなエラー発生時にも遊技者に連比や役比等の情報が見られてしまう事態を抑制できる。ここでの所定期間は任意に設定することができ、5分や10分等の1分より長い時間としてもよいし、30秒等の1分よりも短い時間としてもよい。また、エラーの原因に応じて所定時間を設定するようにしてもよい。例えば、補給機構における球詰まりの場合と、画像表示装置5の故障の場合では、補給機構の球詰まりの方の所定期間を長く設定してもよい。
また、主基板11には、表示モニタ29以外の表示装置、例えばエラーを表示するための7セグメント表示器(以下「エラー表示器」という)が設けられている。このエラー表示器は、表示モニタ29から離れた位置に配置されていることが好適である。具体的には、表示モニタ29が主基板11の右側1/3の位置に配置され、エラー表示器が主基板11の左側1/3の位置に配置されていてもよい。また、表示モニタ29を分かりやすくするために、表示モニタ29が主基板11のどこにあるかを基板ケース201上に文字で印刷しておいてもよいし、基板ケース201にシールを貼り付けたりしておいてもよい。
また、パチンコ遊技機を例として役比(%)や連比(%)を算出し、表示モニタにおいて表示することを説明したが、スロットマシンにおいてパチンコ遊技機における役比(%)や連比(%)に相当する値を算出し表示するようにしてもよい。
以下にスロットマシンにおける連比(%)の算出方法について説明する。スロットマシンは、賭数を設定することにより図柄の変動が開始可能となり、図柄の変動の結果に応じて入賞が発生する。スロットマシンにおける入賞には、遊技用価値の付与を伴う付与入賞、賭数を設定することなく図柄の変動が開始可能となる再遊技入賞、付与入賞の発生確率が向上する特別遊技状態に移行させるボーナス入賞がある。ここで、スロットマシンにおける連比(%)は、図柄の変動が所定回数行なわれる期間のうち、図柄の変動の結果による付与入賞が発生して得られた遊技用価値の累計(前述のパチンコ遊技機における総獲得球数に相当)に対して、特別遊技状態に移行している期間において図柄の変動の結果による付与入賞が発生して得られた遊技用価値の累計(前述のパチンコ遊技機における連続役物獲得球数に相当)の比率で表される。例えば、6000回の図柄の変動が行なわれる期間において、該期間に得られた遊技用価値の一例であるメダルの数が16000枚である場合に、特別遊技状態に移行している期間において付与入賞により得られたメダルの数が9000枚である場合、9000を16000で除算して得られる0.56が連比(%)となる。
なお、算出した役比(%)や連比(%)を主基板の中央に設けられた表示モニタ(例えば、7セグメント)において表示する例を示したが、これに限らず、払出制御基板などの他の基板や、遊技盤面、遊技機用枠(台枠)等に表示モニタを設けるようにしてもよい。また、役比(%)や連比(%)を表示するための専用の表示モニタを設けるものに限らず、既存の表示装置(例えば、画像表示装置5、エラーを表示するための7セグメント表示器、スロットマシンにおけるクレジット表示器や払出数表示器など)を用いて役比(%)や連比(%)を表示するようにしてもよい。
上記実施の形態においては、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御基板(サブ側)に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御基板に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、主基板(メイン側)は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様(例えば前変動パターン)を示すコマンド(例えば前変動パターン指定コマンド)を送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様(例えば後変動パターン)を示すコマンド(例えば後変動パターン指定コマンド)を送信する様にしてもよい。
この場合、演出制御基板は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、主基板の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御基板の方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターン指定コマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
特別図柄の可変表示中に表示されるものは1種類の外れ図柄(例えば、「−」を示す記号)だけで、当該図柄の表示と消灯とを繰り返すことによって可変表示を行うようにしてもよい。さらに可変表示中に当該図柄が表示されるものも、可変表示の停止時には、当該図柄が表示されなくてもよい(表示結果としては「−」を示す記号が表示されなくてもよい)。
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、などを実行するための画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作さらには遊技効果ランプや装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更および修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、例えば遊技機1といった、遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラムおよびデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
[2.第2実施形態]
次に、第1実施形態で説明した遊技機1を含む遊技用システムの実施形態について説明する。前述したように、遊技釘などの整備により、遊技球の払出率の設計などを行うことがある。しかし、遊技釘などに対してどのような整備を行ったかを外部から確認することができないため、設計値通りの払出率となるか否かの判断が難しいという問題がある。そこで、遊技機において設計値通りの払出率となっているか否かを判断することが可能な遊技用装置(情報表示装置)を含む遊技用システムの実施形態について説明する。
[2−1.システム構成]
図14は、本実施形態における第1遊技用システム1000Aのシステム構成の一例を表す図である。
第1遊技用システム1000Aは、遊技島に設置される複数の遊技機1と、各遊技機1に対応して設けられる遊技用装置及び情報表示装置の一種であるデータ表示装置1200と、各遊技機1に対応して設けられる遊技用装置、計数装置及び記録媒体処理装置の一種である台間計数ユニット500と、管理装置の一種であるホールコンピュータ600と、遊技客の貯玉数や持玉数を管理するための管理装置の一種である玉管理コンピュータ800と、を備えて構成される。なお、本実施形態では、遊技機を第1実施形態で説明した遊技機1とし、遊技機1についての再度の説明を省略する。
各遊技機1の上方所定位置には、カラーの液晶画面によって遊技機1での遊技に係る遊技情報や店舗の営業に係る店舗情報等の各種の情報を表示するデータ表示装置1200が設置されている。データ表示装置1200は、遊技者や遊技客に対して情報を公開する端末であるため、情報公開端末と言い換えることもできる。
本実施形態において、データ表示装置1200は、ホールコンピュータ600により提供されるデータ表示装置1200用の設定用情報である表示装置設定用データ691に基づいて、自装置が備える表示部1230の表示設定や、自装置が備える発光部1250(左枠LED1251及び右枠LED1252)の発光設定等を行う。
ここで、設定とは、特定の動作を行うように、自装置の動作を定めることを言う。また、本実施形態では、データ表示装置1200に対応して設けられる遊技機1のことを「対応遊技機1」と称し、データ表示装置1200に対応して設けられる台間計数ユニット500のことを「対応ユニット500」と称する。
なお、本実施形態では、データ表示装置1200の設定用データを管理装置の一種であるホールコンピュータ600が提供することとして説明するが、ホールコンピュータ600ではなく、他の管理装置の一種である玉管理コンピュータ800が設定用データを提供するようにしてもよい。また、会員登録している遊技者の会員情報を管理する会員管理コンピュータや、遊技者が所持する遊技用カードのカード情報を管理するカード管理コンピュータ等の管理装置を店舗に設置するようにし、これらの管理装置が設定用データを提供するようにしてもよい。
データ表示装置1200は、対応遊技機1に関する情報を表示可能な表示手段である表示部1230と、当該表示部1230を表示制御する表示制御手段である処理部1210と、を備える。また、データ表示装置1200は、操作手段である呼出ボタン1221やタッチパネル1222を有する操作部1220を備える。
表示部1230は、遊技機1において、非有利状態中である非大当り遊技状態中に遊技者が使用した遊技球数であるアウト数に対する遊技者が非大当り遊技状態中に獲得した遊技球数である払出数の割合である払出率の基準に関する情報である払出率基準情報と、対応する遊技機1での払出率の実測値である払出率実測値と、に基づく特定情報と、対応する遊技機1での遊技履歴に関する情報(遊技履歴情報)とを表示可能である。
ここで、特定情報には、払出率基準情報と払出率実測値とに基づく演算結果に関する情報や、払出率基準範囲と払出率実測値とに基づき判定される払出率実測値の適否に関する情報(以下、「払出率適否情報」という。)が含まれる。払出率基準情報と払出率実測値とに基づく演算結果に関する情報には、例えば、払出率基準情報と払出率実測値とに基づき演算される払出率基準値に対する払出率実測値の誤差(以下、「払出率誤差」という。)が含まれる。また、払出率適否情報には、例えば、払出率実測値の適否を後述する各種の表示モードで示す情報(色変化モードにおける色変化アイコン、メーターモードにおけるメーター、誤差モードにおける払出率誤差)が含まれる。
また、データ表示装置1200は、遊技情報の表示とは別に、特別表示を表示部1230に表示可能に構成されている。特別表示とは、各種の遊技情報を表示している際に、予め定められた特別表示の実行条件の成立に応じて特別に実行する表示である。本実施形態では、対応遊技機1で発生したエラーを報知するための遊技機エラー表示、自装置で発生したエラーを報知するための表示装置エラー表示、遊技機1で大当りが発生したことを報知するための大当り演出表示、複数のデータ表示装置1200でランニング演出等の一斉演出を行うための一斉演出表示、遊技機1で遊技する遊技者に遊技へののめり込みを注意喚起するためののめり込み防止表示、台間計数ユニット500からの遊技用カードの取り忘れを注意喚起するためのカード取り忘れ表示、遊技機1での遊技球の貸与レートを報知するための貸与レート表示等の表示が特別表示に含まれる。
台間計数ユニット500は、各遊技機1の左方(或いは右方)に併設して設けられ、遊技者が所有する遊技用の記録媒体であって遊技用カードの一種である持玉カードを受け付けて、遊技者が対応する遊技機1での遊技を可能とするための処理(遊技可能化処理)を実行する。台間計数ユニット500は、遊技者が獲得した玉数をローカル計数玉数として計数するとともに、玉払出操作に応じて遊技球を払い出す計数払出ユニットを備える。計数払出ユニットは、例えば、後述するカードユニット300が備える計数払出ユニット380と同様の構成とすることができる。台間計数ユニット500は、台間機(サンド)とも呼ばれるものである。
ホールコンピュータ600は、店舗に設置された各遊技機1を統括的に管理する。また、ホールコンピュータ600は、各遊技機1に対応して設けられたデータ表示装置1200や台間計数ユニット500を統括的に管理する。
玉管理コンピュータ800は、遊技者が再度の遊技に使用可能に所有する持玉カードに記録された持玉数の管理等を行う。
各遊技機1は、台番号によって個々に識別可能に構成されており、遊技機1、データ表示装置1200及び台間計数ユニット500は、台端末900を介してホールコンピュータ600や玉管理コンピュータ800に接続されている。なお、この図では、簡明化のために、遊技島に設置される遊技機1を4台として図示している。
[2−2.信号及び情報の流れ]
図15は、第1遊技用システム1000Aの各装置間における信号及び情報の流れの一例を示す図である。なお、この図では、説明の簡明化のために、台端末900については図示を省略している。
遊技機1からは、遊技機信号がデータ表示装置1200及びホールコンピュータ600に出力される。また、遊技機1の背面に設けられたアウト球検出器200からは、アウト信号がデータ表示装置1200及びホールコンピュータ600に出力される。これらの信号については後述する。
台間計数ユニット500からは、カード挿入信号、カード排出信号、入金信号、消費信号、玉払出信号、玉計数信号及びユニットエラー信号を含むユニット信号が、データ表示装置1200及びホールコンピュータ600に出力される。
カード挿入信号は、遊技用カードを受け付けた場合に出力状態とされる信号であり、受け付けた持玉カードのカードID等を含む信号が出力される。
カード排出信号は、受け付けた持玉カードが排出された場合に出力状態とされる信号である。
入金信号は、遊技者により入金がなされた場合に出力状態とされる信号である。入金信号は、特定金額(例えば100円)単位で出力される信号とすることができる。
消費信号は、残額が消費された場合に出力状態とされる信号である。消費信号も、特定金額(例えば100円)単位で出力される信号とすることができる。
玉払出信号は、遊技球を払い出した場合に出力状態とされる信号であり、遊技球が払い出される毎に出力される。遊技球の1回の払い出しは、例えば25球単位とすることができる。
玉計数信号は、遊技球を計数した場合に出力状態とされる信号であり、遊技球を計数する毎に出力される。遊技球の計数は、例えば1球単位とすることができる。
ユニットエラー信号は、台間計数ユニット500に何らかの不正や異常が生じた場合に出力状態とされる信号である。
ホールコンピュータ600からは、データ表示装置1200が各種の設定を行うための表示装置設定用データ691がデータ表示装置1200に出力される。また、ホールコンピュータ600からは、データ表示装置1200に一斉演出を行わせるための一斉演出信号や定期告知を行わせるための定期告知信号等を含む管理装置信号が、データ表示装置1200に出力される。
台間計数ユニット500からは、自装置に挿入された持玉カードの認証を要求するための認証要求信号が玉管理コンピュータ800に出力される。認証要求信号には、自装置のIDであるユニットIDと、持玉カードに記録されたカードIDとが含まれる。
玉管理コンピュータ800は、台間計数ユニット500から出力される認証要求信号に従って認証処理を実行し、認証信号を台間計数ユニット500に送信する。認証信号には、認証結果(OK/NG)が含まれる。
[2−3.遊技機の外端出力]
図16は、本実施形態において遊技機1が備える外部出力基板から外部装置に出力される遊技機信号の一例を示す図である。ここで言う外部装置とは、遊技機1と通信可能に接続された外部装置のことを意味し、本実施形態ではデータ表示装置1200とホールコンピュータ600とがこれに含まれる。
外部出力基板からは、遊技機信号として、大当り信号と、確変中信号と、時短中信号と、始動信号と、賞球信号と、セキュリティ信号とが外部出力される。なお、セキュリティ信号の他にも、自装置に異常が発生したことを示すエラー信号や、自装置のガラス扉が開放されたことを示すドア開放信号等の信号を外部出力するようにしてもよい。
大当り信号は、遊技機1が大当り遊技状態に制御された場合に出力状態とされる信号である。
確変中信号は、遊技機1が高確率状態である確変状態に制御された場合に出力状態とされる信号である。
時短中信号は、遊技機1が高ベース状態である時短状態に制御された場合に出力状態とされる信号である。
始動信号は、遊技機1において特図可変表示部の表示結果が導出表示されたときに出力状態とされる所定幅のパルス信号である。
賞球信号は、遊技機1において第1規定球数が払い出される毎に出力状態とされる所定幅のパルス信号である。第1規定球数は、例えば「10球」とすることができる。
セキュリティ信号は、遊技機1に何らかの不正や異常が生じた場合に出力状態とされる信号である。
また、前述したように、遊技機1の背面に設けられるアウト球検出器200からは、アウト信号がデータ表示装置1200及びホールコンピュータ600に出力される。
アウト信号は、第2規定球数(例えば10球)がアウト球検出器200により計数される毎に出力状態とされる所定幅のパルス信号である。第2規定球数は、例えば「10球」とすることができる。
[2−4.台間計数ユニットの構成]
図17は、台間計数ユニット500の機能構成の一例を示すブロック図である。
台間計数ユニット500の前面板は、長手方向を上下方向とする矩形状に構成されており、台間計数ユニット500の前面中央部に、発券ボタン551、払出ボタン552及び離席ボタン553を含む操作ボタン550と、遊技者が持玉カードを挿入/取り出すためのカード挿入口560とが設けられている。
遊技者が発券ボタン551を押下すると、その時点における遊技者の所持球数(持玉数)を記録した持玉カードがカード挿入口560から発券される。また、遊技者が払出ボタン552を押下すると、所持球数のうちの所定の単位球数(例えば25玉の倍数:125玉等)が遊技機1に払い戻され、この払い戻されたパチンコ玉を用いて遊技者は遊技を行うことが可能となる。また、遊技者が離席ボタン553を押下すると、台間計数ユニット500からの持玉カードの発券/返却が規制され、受付中の持玉カードによる玉貸しや玉払出しが規制される。
なお、遊技機1では、遊技球が払い出される玉払出皿の近傍位置に遊技球を貸与するための玉貸ボタンと、台間操作ユニット500から持玉カードを返却するための返却ボタンとが設けられるのが通常である。このため、遊技機1に設けられた返却ボタンの押下操作に応じて、台間計数ユニット500がカード挿入口560から持玉カードを発券するようにしてもよい。
カード挿入口560は、該カード挿入口560に対応する位置に内蔵される持玉カードリーダライタ(R/W)570に連接しており、持玉カードR/W570により、カード挿入口560から挿入される持玉カードに記録されているカードIDや持玉数等の記録情報の読み出し及び書き込みが行われる。
また、台間計数ユニット500の略中央部位置には、該台間計数ユニット500を構成する各部と接続しやすいように該台間計数ユニット500の動作を制御する制御ユニット505が設けられており、該制御ユニット505によって該台間計数ユニット500の各種の動作が制御される。
台間計数ユニット500と遊技機1とは、貸出単位として予め定められた玉数のパチンコ玉の貸し出しに伴う貸出関連信号や、払出単位として予め定められた玉数のパチンコ玉の払い出しに伴う払出関連信号を送受可能に構成されている。貸出関連信号には、台間計数ユニット500から遊技機1に遊技球の貸し出しを行わせるための貸出要求信号や、遊技機1から出力される台端末貸出完了信号や台READY信号、台間計数ユニットREADY信号、台端末貸出要求完了確認信号等の信号が含まれる。また、遊技機1からは、大当中信号、確変中信号、時短中信号、賞球信号、始動信号等の遊技信号や、該遊技機1に対応して設けられるアウト球検出器200から出力されるアウト信号を受信可能に構成されている。
台間計数ユニット500は、制御ユニット505と、操作ボタン550と、音出力部560と、持玉カード挿入/排出部565と、持玉カードR/W570と、第1通信部571と、第2通信部572とを備えて構成される。
制御ユニット505は、CPUやDSP等のプロセッサやASIC等の集積回路を有して構成される処理部510と、ROMやRAM等の記憶装置を有して構成される記憶部520と、時刻情報やカレンダ情報等を出力可能な時計部530とを備えて構成される。
記憶部520には、処理部510により読み出され、台間計数ユニット処理として実行される台間計数ユニット処理プログラム521が記憶されている。また、記憶部520には、受付中の持玉カードのカードIDや個人カスタマイズデータ等の情報が記録された受付カードデータ523が記憶される。
第1通信部571は、データ表示装置1200との間でデータの授受や信号の送受を行うための通信装置であり、例えば有線ケーブルを介して通信を行う有線通信モジュールを有して構成される。
第2通信部572は、玉管理コンピュータ800との間でデータの授受や信号の送受を行うための通信装置であり、例えば有線ケーブルを介して通信を行う有線通信モジュールを有して構成される。第2通信部572は、処理部510の制御に従って、受付カードデータ523を玉管理コンピュータ800に送信する。
なお、上記では、便宜的に、第1通信部571と第2通信部572との2つの通信部として分離して図示・説明しているが、第1通信部571と第2通信部572とを1つの通信部として構成してもよい。他の各種の装置における通信部についても同様である。
[2−5.ホールコンピュータの機能構成]
図18は、ホールコンピュータ600の機能構成の一例を示す図である。
ホールコンピュータ600は、処理部610と、入力部620と、表示部625と、音出力部630と、時計部635と、第1通信部640と、第2通信部650と、ROM670と、ハードディスク680と、RAM690とを備えて構成され、各部がバスを介して接続されるコンピューターシステムである。
処理部610は、ROM670に記憶されているシステムプログラム等の各種プログラムに従って、ホールコンピュータ600の各部を統括的に制御するCPUやDSP等のプロセッサやASIC等の集積回路を有して構成される制御装置及び演算装置である。本実施形態において、処理部610は、主要な機能部として、設定用データ生成部611と、遊技情報集計部613と、売上集計部615とを有する。
設定用データ生成部611は、ROM670に記憶されている設定用データ生成プログラム671aに従って動作する機能部であり、後述する表示装置設定用データ691を生成し、生成した表示装置設定用データ691をRAM690に格納する。
遊技情報集計部613は、各遊技機1の遊技情報を集計する機能部であり、集計した遊技情報を、遊技集計データとしてハードディスク680の遊技集計データベース688に格納する。
売上集計部615は、各遊技機1の売上情報を集計する機能部であり、集計した売上情報を、売上管理データとしてハードディスク680の売上管理データベース689に格納する。
入力部620は、例えばキーボードやマウスを有して構成される入力手段であり、押下されたキーやボタンの信号(操作信号)を処理部610に出力する。この入力部620からの操作入力により、ハードディスク680に格納された各種データベースのデータの編集等の指示操作がなされる。
表示部625は、処理部610から出力される表示制御信号に基づいて各種の表示を行う表示装置であり、LCD等を有して構成される。表示部625には、ハードディスク680に格納された各種データベースのデータの内容等が表示される。
音出力部630は、処理部610から出力される音出力制御信号に基づく各種の音出力を行うスピーカなどの音出力装置である。音出力部630からは、例えば、注意を促す場合や、異常が発生した場合に、それを管理者に報知する警告音等が音出力される。
時計部635は、ホールコンピュータ600が備える内部時計であり、例えば、水晶振動子及び発振回路を含む水晶発振器を有して構成される。時計部635の計時時刻(日付を含む。)は処理部610に出力される。
第1通信部640は、遊技機1との間で通信を行うための通信装置であり、例えば有線ケーブルを介して通信を行う有線通信モジュールを有して構成される。第1通信部640は、遊技機1から前述した遊技機信号を受信するとともに、アウト球検出器200から前述したアウト信号を受信する。
第2通信部650は、データ表示装置1200との間で通信を行うための通信装置であり、例えば有線ケーブルを介して通信を行う有線通信モジュールを有して構成される。第2通信部650は、処理部610の制御に従って、表示装置設定用データ691をデータ表示装置1200に送信(配信)する。
ROM670は、読み出し専用の不揮発性の記憶装置であり、ホールコンピュータ600のシステムプログラム等の各種のプログラムを記憶している。本実施形態において、ROM670には、処理部610によって読み出され、管理処理として実行される管理プログラム671が記憶されている。管理プログラム671は、設定用データ生成処理として実行される設定用データ生成プログラム671aをサブルーチンとして含む。
なお、ホールコンピュータ600が記憶装置としてROM670を備えないような構成とすることも可能であり、この場合は、上記の各種プログラムを、例えばハードディスク680に記憶させるようにすればよい。
ハードディスク680は、読み書き可能な不揮発性の記憶装置であり、データ表示装置1200の表示設定に係る各種のデータや、遊技機1での遊技に係る各種のデータベースを記憶する。具体的には、表示内容設定用テーブル681と、表示態様設定用テーブル682と、特別表示設定用テーブル683と、払出率適否情報表示設定用テーブル684と、機種情報設定用テーブル685と、装置対応関係テーブル686と、遊技集計データベース688と、売上管理データベース689とが記憶される。
表示内容設定用テーブル681は、データ表示装置1200の表示内容の設定用のテーブルであり、そのテーブル構成の一例を図19に示す。
表示内容設定用テーブル681には、遊技機IDと、機種名と、表示画面と、特別表示とが対応付けて記憶されている。
遊技機IDは、各遊技機1をユニークに識別するための識別情報(ID)であり、各遊技機1に個別に割り当てられるものである。
機種名は、該遊技機IDの遊技機1の機種名である。
表示画面は、データ表示装置1200の表示部1230に表示させる画面の種類である。
特別表示は、データ表示装置1200の表示部1230に表示させる特別表示の内容である。
具体的に説明する。
遊技機IDがP1〜P20の遊技機1は、その機種名が「パチンコXXX」である。そして、表示画面として、(1)総合遊技履歴画面、(2)個人遊技履歴画面、(3)メニュー画面、が定められている。
(1)総合遊技履歴画面は、当該遊技機1における総合的な遊技履歴情報を表示するための画面である。この総合遊技履歴画面には、総合遊技履歴情報として、総合大当り回数、総合確変大当り回数、総合通常大当り回数、総合スタート回数、総合出玉グラフ及び総合大当り履歴グラフ、払出率適否情報、を表示することが定められている。
総合大当り回数は、当該遊技機1で発生した大当り(確変大当り、通常大当り)の全ての合計回数である。
総合確変大当り回数は、当該遊技機1で発生した確変大当りの合計回数である。
総合通常大当り回数は、当該遊技機1で発生した通常大当りの合計回数である。
総合スタート回数は、当該遊技機1での通算のスタート回数である。
総合出玉グラフは、当該遊技機1の総合的な出玉の推移を示すグラフである。
総合大当り履歴グラフは、当該遊技機1で発生した過去所定期間(例えば過去1週間分)における大当り回数をグラフ化したものである。
払出率適否情報は、遊技機1において実測された払出率の適否を遊技者や店舗の従業員が確認できるようにするための情報である。
(2)個人遊技履歴画面は、当該遊技機1における個人の遊技履歴情報を表示するための表示画面である。この個人遊技履歴画面には、個人遊技履歴情報として、個人大当り回数、個人確変大当り回数、個人通常大当り回数、個人スタート回数、個人出玉グラフ及び個人持玉画像、払出率適否情報、を表示することが定められている。
個人大当り回数は、当該遊技機1で発生した遊技者個人の大当り(確変大当り、通常大当り)の全ての合計回数である。
個人確変大当り回数は、当該遊技機1で発生した遊技者個人の確変大当りの合計回数である。
個人通常大当り回数は、当該遊技機1で発生した遊技者個人の通常大当りの合計回数である。
個人スタート回数は、当該遊技機1での遊技者個人の通算のスタート回数である。
個人出玉グラフは、当該遊技機1の遊技者個人の出玉の推移を示すグラフである。
個人持玉画像は、当該遊技機1における遊技者個人の持玉を画像で示したものである。個人持玉画像は、例えば、持玉数の1000発をドル箱1つ、10000発を特箱1つに対応させ、持玉数の増減に応じて、ドル箱及び特箱を増減させて表示させるようにすることができる。
(3)メニュー画面は、当該遊技機1で遊技する遊技者がメニュー選択を行うための表示画面である。メニュー画面には、メニュー情報として、データ表示装置1200の音量や光量を遊技者が調整することを可能にするための音量・光量調整と、データ表示装置1200の使用方法を遊技者に説明するための使用方法説明と、データ表示装置1200に各種の情報を表示させる位置や大きさ、色等を遊技者が自由にカスタマイズすることを可能にするための表示カスタマイズと、が定められている。
また、特別表示には、(1)大当り演出表示、(2)一斉演出表示、(3)定期告知表示、(4)のめり込み防止表示、(5)カード取り忘れ表示、(6)遊技機エラー表示、(7)表示装置エラー表示、(8)貸与レート表示、が定められている。
(1)大当り演出表示は、当該遊技機1で大当りが発生した場合に、大当りの発生を祝福する演出に係る表示である。この大当り演出表示には、大当り演出映像や大当り演出画像等の表示が含まれる。一の遊技機1での大当りの発生を祝福することを目的として、大当り演出表示を特別表示として実行する。
(2)一斉演出表示は、複数のデータ表示装置1200間で一斉に行う一斉演出に係る表示である。この一斉演出表示には、一斉演出映像や一斉演出画像等の表示が含まれる。複数のデータ表示装置1200で連動して一斉演出を行って遊技者の遊技意欲を高めることを目的として、一斉演出表示を特別表示として実行する。
一斉演出を実現するための手法としては、主として、以下の2つの手法が考えられる。
(1)管理装置から各データ表示装置1200に対して一斉演出の実行を指示する。
(2)各データ表示装置1200が自立的に一斉演出を行う。
(1)の手法では、例えば、管理装置であるホールコンピュータ600が、各データ表示装置1200に対して一斉演出の実行を指示する一斉演出信号を出力する。各データ表示装置1200は、ホールコンピュータ600から一斉演出信号を入力したタイミングで一斉演出を実行する。この場合、一斉演出のタイミングにずれが生じないように、ホールコンピュータ600から各データ表示装置1200に対して同時に一斉演出信号を出力することが望ましい。
(2)の手法では、各データ表示装置1200が、内部で計時している時刻や電源投入時からの経過時間に基づいて一斉演出を実行する。具体的には、時刻が予め定められた時刻となったタイミングや、電源投入時からの経過時間が予め定められた時間に達したタイミングで、一斉演出を実行する。この場合、一斉演出のタイミングにずれが生じないように、データ表示装置1200の電源投入を全台一斉に行うことが望ましい。
この場合、上記の(1)、(2)のいずれの手法も適用することができるように、一斉演出に係る処理を、データ表示装置1200に予めプログラムしておけばよい。
また、上記の(1)、(2)のいずれの手法を適用して一斉演出を実行するかを、ホールコンピュータ600側で設定するようにしてもよい。この場合、ホールコンピュータ600からデータ表示装置1200に対して、いずれの処理を適用して一斉演出を実現するかを定めた設定用データを、後述する表示装置設定用データ691に含めて各データ表示装置1200に配信するようにすればよい。
また、本実施形態において、上記の一斉演出表示には、大当りランニング演出表示が含まれる。大当りランニング演出は、同機種や同遊技島の遊技機1の中に大当りした遊技機1が存在する場合に、これらの遊技機1に対応して設けられたデータ表示装置1200に大当りを祝福する特別映像を表示させる演出である。同機種や同遊技島の遊技機1の中に大当りした遊技機1が存在するか否かは、同機種や同遊技島の遊技機1から大当り信号を入力したか否かによって判定することができる。
なお、同機種や同遊技島の複数の遊技機1で大当りが発生し、複数の遊技機1から時間差で大当中信号を入力した場合において、一の遊技機1について大当りランニング演出の実行中であれば、実行中の大当りランニング演出中に、新たに大当りランニング演出を実行してもよいし、実行中の大当りランニング演出が終了した後に、新たに大当りランニング演出を実行することとしてもよい。また、大当りランニング演出中に他の遊技機1で大当りが発生した場合には、新たな大当りランニング演出の実行を省略してもよい。
上記の大当りランニング演出は、遊技島の端から端までデータ表示装置1200に一定の時間差で大当り映像を表示させることにより実現することができる。大当りランニング演出は、一定の時間差で演出を行うものであるが、複数のデータ表示装置1200で一斉に行う演出であることに変わりはないため、本実施形態では、大当りランニング演出を一斉演出の1つとして説明する。大当りランニング演出や後述する各種の演出の内容は、遊技機1の機種毎や遊技島毎に定めておくことが可能である。
なお、大当りランニング演出とは異なり、個別のデータ表示装置1200において、該データ表示装置1200に対応して設けられる遊技機1において大当りが発生した場合に、大当りを祝福するファンファーレ音を、該データ表示装置1200から特定音として出力させてもよい。
また、大当りの発生に伴い、遊技者の所持球数が1000発、2000発、3000発、・・・、と増加していく場合に、1000発突破、2000発突破、3000発突破、といった、所持球数の突破表示を表示部1230に表示したり、所持球数の突破報知音を音出力部450から特定音として音出力する突破演出を実行するようにしてもよい。なお、突破演出を実行する場合の所持球数は、1000発単位や5000発単位、10000発単位としてもよい。
(3)定期告知表示は、データ表示装置1200に定期的に行わせる告知に係る表示である。この定期告知表示には、各種のCM映像やCM画像等の表示が含まれる。各種の製品やサービスの宣伝を目的として、定期告知表示を特別表示として実行する。
(4)のめり込み防止表示は、当該遊技機1で遊技する遊技者に遊技へののめり込みを注意喚起する表示である。こののめり込み防止表示には、のめり込みを注意喚起するメッセージや映像、画像等の表示が含まれる。遊技者が遊技にのめり込んで多大な投資を行ってしまうのを防止することを目的として、のめり込み防止表示を特別表示として実行する。
(5)カード取り忘れ表示は、当該遊技機1で遊技する遊技者に台間計数ユニット500からの持玉カードの取り忘れを注意喚起する表示である。このカード取り忘れ表示には、持玉カードの取り忘れを注意喚起するメッセージや映像、画像等の表示が含まれる。遊技者が持玉カードを取り忘れて盗難に合うのを防止することを目的として、カード取り忘れ表示を特別表示として実行する。
(6)遊技機エラー表示は、当該遊技機1において異常や不正を含むエラーが発生したことを示す表示である。遊技機の異常には、遊技機の故障やドアの開放、玉詰まり等が含まれ、遊技機の不正には、いわゆるゴト行為等が含まれる。遊技機に異常や不正が生じた場合に速やかに店員を呼んで対処ができるようにすることを目的として、遊技機エラー表示を特別表示として実行する。
(7)表示装置エラー表示は、当該データ表示装置1200において異常や不正を含むエラーが発生したことを示す表示である。表示装置の異常には、表示装置の故障や表示装置への不正な操作の検知等が含まれる。表示装置に異常や不正が生じた場合に速やかに店員を呼んで対処ができるようにすることを目的として、表示装置エラー表示を特別表示として実行する。
(8)貸与レート表示は、当該遊技機1の遊技球を貸与するレートであり、4円パチンコや2円パチンコ、1円パチンコの貸与レートの表示がこれに含まれる。遊技を行う遊技機の貸与レートを遊技者が知ることができるようにすることを目的として、貸与レート表示を特別表示として実行する。
同機種の遊技機1に対応して設けられるデータ表示装置1200については、例えば、デフォルトとして表示させる表示画面を、総合遊技履歴画面やメニュー画面として定めておくことができる。このようにすることで、同機種の遊技機1に対応して設けられるデータ表示装置1200については全台共通画面を表示させることができ、見栄えを良くすることができる。
また、上記の特別表示は、遊技機1の機種や遊技島に関わらず同じ表示内容を定めておくこととしてもよいし、機種毎や遊技島毎に異なる表示内容を定めておくこととしてもよい。また、特別表示として同じ表示内容を定めておく場合であっても、機種毎や遊技島毎に、それぞれ異なる態様で表示を行うように特別表示の表示態様を定めておいてもよい。
また、好適には機種毎や遊技島毎であるが、この他にも、例えば、遊技機1における遊技球の貸与レート(4円、2円、1円等)毎や遊技機1のタイプ(マックスタイプやミドルタイプ、甘デジ等)毎、遊技機の種類(パチンコ遊技機、スロットマシン等)毎に、異なる特別表示の表示内容や表示態様を定めておくこととしてもよい。
また、上記の特別表示は、メッセージによって遊技者に内容を報知するものとしてもよいし、画像や映像によって遊技者に内容を報知するものとしてもよいし、これらの組み合わせによって遊技者に内容を報知するものとしてもよい。
図20は、本実施形態における払出率の基準情報(設計情報)に関する各種の指標値の説明図であり、テーブル形式で指標値を示したものである。
このテーブルには、指標値と、当該指標値の名称と、当該指標値の詳細内容とが対応付けて定められている。
ここで、本実施形態において問題とする払出率は、「非大当り中かつ低ベース状態」と「非大当り中かつ高ベース状態」における払出率である。つまり、大当り遊技状態において大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球によって払い出された遊技球についての払出率は問題としておらず、始動入賞口や一般入賞口への入賞による賞球によって払い出された遊技球の払出率を問題としている。
指標値「R1」は、その名称が「低ベース払出数」であり、その詳細内容は「非大当り中かつ低ベース状態における賞球による払出数」である。つまり、低ベース払出数R1は、非大当り中の低ベース状態において、遊技機1を構成する一般入賞口及び始動入賞口への入賞による賞球によって遊技者に払い出された球数である。但し、遊技機1において、低ベース状態では、基本的に第2始動入賞口(電チュー)に入賞することはないため、ここで言う始動入賞口は、第1始動入賞口(ヘソ)のことを指す。
指標値「S1」は、その名称が「低ベース払出率実測値」であり、その詳細内容は「非大当り中かつ低ベース状態におけるアウト数に対するR1の割合」である。つまり、低ベース払出率実測値S1は、非大当り中の低ベース状態においてアウト数に対して賞球によって遊技者に払い出された払出数の割合である。
指標値「R2」は、その名称が「高ベース払出数」であり、その詳細内容は「非大当り中かつ高ベース状態における賞球による払出数」である。つまり、高ベース払出数R2は、非大当り中の高ベース状態において、遊技機1を構成する一般入賞口及び始動入賞口への入賞による賞球によって遊技者に払い出された球数である。但し、遊技機1では、高ベース状態において、第2始動入賞口(電チュー)ばかりでなく、第1始動入賞口(ヘソ)への入賞も可能であるため、ここで言う始動入賞口は、第1始動入賞口(ヘソ)及び第2始動入賞口(電チュー)のことを指す。
指標値「S2」は、その名称が「高ベース払出率実測値」であり、その詳細内容は「非大当り中かつ高ベース状態におけるアウト数に対するR2の割合」である。つまり、高ベース払出率実測値S2は、非大当り中の高ベース状態においてアウト数に対して賞球によって遊技者に払い出された払出数の割合である。
指標値「E1」は、その名称が「低ベース払出率誤差」であり、その詳細内容は「低ベース状態での払出率基準値と払出率実測値との差」である。つまり、低ベース払出率誤差Uは、低ベース状態における払出率実測値が、低ベース状態について定められた払出率基準値からどの程度ずれているかのずれ量を示すものである。
指標値「E2」は、その名称が「高ベース払出率誤差」であり、その詳細内容は「高ベース状態での払出率基準値と払出率実測値との差」である。つまり、高ベース払出率誤差Vは、高ベース状態における払出率実測値が、高ベース状態について定められた払出率基準値からどの程度ずれているかのずれ量を示すものである。
ここで、払出率基準値とは、遊技機メーカが想定している払出率の設計値であり、それぞれの機種の遊技機について、遊技機メーカから店舗に取扱説明書として提供される値である。また、払出率実測値とは、遊技機1で遊技が行われることで実測される払出率の値である。
本明細書では、低ベース払出数R1と高ベース払出数R2とを包括的に「払出数R」と表記し、低ベース払出率実測値S1と高ベース払出率実測値S2とを包括的に「払出率実測値S」と表記する。また、低ベース払出率誤差E1と高ベース払出率誤差E2とを包括的に「払出率誤差E」と表記する。
図21は、本実施形態における基準相対情報の説明図であり、テーブル形式で基準相対状態を示したものである。
このテーブルには、基準指標値と、当該基準指標値の名称と、当該基準指標値の詳細内容とが対応付けて定められている。
基準指標値「α1」は、その名称が「低ベース払出率基準下限値」であり、その詳細内容は「非大当り中かつ低ベース状態における払出率基準範囲の下限値」である。
基準指標値「β1」は、その名称が「低ベース払出率基準上限値」であり、その詳細内容は「非大当り中かつ低ベース状態における払出率基準範囲の上限値」である。
基準指標値「γ1」は、その名称が「低ベース払出率基準値」であり、その詳細内容は「非大当り中かつ低ベース状態における払出率の基準値」である。
低ベース払出率基準下限値α1及び低ベース払出率基準上限値β1によって、非大当り中かつ低ベース状態における払出率の基準範囲である低ベース払出率基準範囲α1〜β1が規定される。
基準指標値「α2」は、その名称が「高ベース払出率基準下限値」であり、その詳細内容は「非大当り中かつ高ベース状態における払出率基準範囲の下限値」である。
基準指標値「β2」は、その名称が「高ベース払出率基準上限値」であり、その詳細内容は「非大当り中かつ高ベース状態における払出率基準範囲の上限値」である。
基準指標値「γ2」は、その名称が「高ベース払出率基準値」であり、その詳細内容は「非大当り中かつ高ベース状態における払出率の基準値」である。
高ベース払出率基準下限値α2及び高ベース払出率基準上限値β2によって、高ベース状態における払出率の基準範囲である高ベース払出率基準範囲α2〜β2が規定される。
ここで、払出率基準範囲は、前述した払出率基準値と同様に、遊技機メーカが想定している払出率の設計範囲であり、それぞれの機種の遊技機について、遊技機メーカから店舗に取扱説明書として提供される数値範囲である。
払出率基準値及び払出率基準範囲は、本発明に係る基準相対情報の一例であり、払出率実測値は、本発明に係る実測相対値の一例である。
ここで、上記の払出率基準値や払出率基準範囲を含む払出率基準情報は、例えば店舗の管理者が、遊技機メーカから提供される各機種の遊技機1それぞれについての取扱説明書を参照してホールコンピュータ600に入力する作業を行うことで、ホールコンピュータ600に記憶させるようにすることができる。そして、各機種それぞれの遊技機1に対応して設けられるデータ表示装置1200に対して、ホールコンピュータ600から払出率基準情報を含む表示装置設定用データ691を送信することで、データ表示装置1200において払出率誤差の演算や払出率実測値の適否判定等を行うことを可能とすることができる。
なお、上記とは異なるが、例えば店舗の従業員が取扱説明書を参照して、遊技機1の機種に応じた払出率基準情報を、対応するデータ表示装置1200に直接的に入力する作業を行うことで、データ表示装置1200の記憶部1290に払出率基準情報を記憶させるようにしてもよい。
表示態様設定用テーブル682は、データ表示装置1200の表示部1230に表示内容をどのような態様で表示させるかの表示態様を設定するためのテーブルであり、そのテーブル構成の一例を図22に示す。
表示態様設定用テーブル682には、遊技機ID及び機種名毎に、表示画面別データと、特別表示別データとが記憶されている。
表示画面別データは、表示内容設定用テーブル681に定められた表示画面毎に定められるデータであり、そのデータ構成の一例を図23に示す。
表示画面別データには、表示画面に対応して、表示内容と、表示態様とが対応付けて定められている。
表示画面には、表示内容設定用テーブル681に定められた表示画面の種類が定められている。これらの表示画面は、データ表示装置1200の表示部1230に表示される画面切替アイコンがタップされることで順次に切り替えて表示される表示画面である。
表示内容には、当該表示画面について当該モードで表示される表示内容が定められている。
表示態様には、当該表示内容の当該表示画面における表示の位置、大きさ(サイズ)、色等が定められている。
具体的に説明する。
図23に示す表示画面別データは、表示画面「総合遊技履歴画面」についてのデータであり、モード「通常モード」には、表示内容として「総合大当り回数」、「総合確変大当り回数」、「総合通常大当り回数」、「総合スタート回数」、「総合出玉グラフ」、「総合大当り履歴グラフ」、「サービスアイコン」、「画面切替アイコン」、が定められている。総合遊技履歴画面は、例えば、初期表示画面(デフォルト表示画面)としてデータ表示装置1200に表示されるように設定される。
「総合大当り回数」〜「総合大当り履歴グラフ」は、表示内容設定用テーブル681のモード「通常モード」に定められた総合遊技履歴情報であり、「サービスアイコン」及び「画面切替アイコン」は、タッチパネル1222に対するタップ操作を行うことで、遊技者がサービスの提供や画面切替を行うために用いられるアイコンであり、表示部1230に常時表示されるアイコンである。これらのアイコンは、遊技者が各種の操作を行うための操作情報の一種である。
表示態様には、各々の表示内容を総合遊技履歴画面に表示させる際の位置、大きさ、色等がそれぞれ個別に定められている、簡明化のため、図面では全て「****」として図示している。
特別表示別データは、表示内容設定用テーブル681に定められた特別表示毎に定められるデータであり、そのデータ構成の一例を図24に示す。
この図に示す特別表示別データは、特別表示のうちの一斉演出に係るデータであり、特別表示と、種別と、演出Noと、演出映像とが対応付けて定められている。
特別表示には、表示内容設定用テーブル681に定められた特別表示のうちの一斉演出が定められている。
種別には、一斉演出が定められている。
演出Noには、当該種別の一斉演出の番号が定められている。
演出映像には、当該種別の一斉演出で用いられる映像のデータが定められている。
具体的に説明する。
種別には、例えば、「大当りランニング演出」、「ライブ演出」、・・・といった複数の演出が定められている。
大当りランニング演出のうちの演出No「1」には、演出映像として「Movie_R1」が定められている。ライブ演出のうちの演出No「1」には、演出映像として「Movie_L1」が定められている。
特別表示設定用テーブル683は、データ表示装置1200の表示部1230に表示させる特別表示の設定用のテーブルであり、そのテーブル構成の一例を図25に示す。
特別表示設定用テーブル683には、遊技機ID及び機種名毎に、特別表示設定用データが記憶される。
特別表示設定用データには、遊技機ID及び機種名について、優先度と、特別表示とが対応付けて記憶される。
優先度には、「1」〜「8」までの数値が記憶されている。数値が小さいほど、表示の優先度が高いことを示す。
また、特別表示には、優先度が高い順に、「遊技機エラー表示」、「表示装置エラー表示」、「のめり込み防止表示」、「カード取り忘れ表示」、「大当り演出表示」、「一斉演出表示」、「定期告知表示」、「貸与レート表示」が記憶されている。
本実施形態において、データ表示装置1200は、各特別表示それぞれについて定められた実行条件である特別表示実行条件の成立に応じて特別表示を表示部1230に表示させる制御を行う。そして、特別表示の実行を開始してから一定時間が経過した場合に、特別表示を終了する。
また、データ表示装置1200は、特別表示実行条件が成立した場合に、当該特別表示実行条件に対応する特別表示よりも優先度の高い特別表示を実行中であるか否かを判定する。そして、実行中である場合には、当該特別表示実行条件に対応する特別表示の実行を制限する。逆に、当該特別表示実行条件に対応する特別表示よりも優先度の低い特別表示を実行中である場合には、実行中の特別表示を終了して、当該特別表示実行条件に対応する特別表示を表示させる。
なお、本実施形態とは異なるが、成立した特別表示実行条件に対応する特別表示よりも優先度の高い特別表示を実行中である場合には、実行中の特別表示が終了するまで待機し、実行中の特別表示が終了した後に、当該特別表示実行条件に対応する特別表示を表示させるようにしてもよい。また、成立した特別表示実行条件に対応する特別表示よりも優先度の低い特別表示を実行中である場合には、実行中の特別表示を中断し、当該特別表示実行条件に対応する特別表示を実行した後に、中断した特別表示の実行を再開するようにしてもよい。
払出率適否情報表示設定用テーブル684は、データ表示装置1200の払出率適否情報表示の設定用のテーブルであり、そのテーブル構成の一例を図26に示す。
払出率設定用テーブル684には、表示条件設定用データと、表示モード設定用データと、詳細表示設定用データとが含まれる、
表示条件設定用データには、表示条件の設定の番号である表示設定Noと、当該表示設定Noにおける表示条件とが対応づけて定められている。
表示設定No「a1」には、表示条件として「常時」が定められている。これは、払出率適否情報を常時表示させるように設定することを意味する。
表示設定No「a2」には、表示条件として「−(常時非表示)」が定められている。これは、払出率適否情報表示を常時非表示とさせるように設定することを意味する。
表示設定No「a3」には、表示条件として「払出率実測値が払出率基準範囲外」が定められている。これは、払出率実測値Sが払出率基準範囲外である場合に、払出率適否情報を表示させるように設定することを意味する。払出率実測値Sが払出率基準範囲内である場合には、払出率適否情報表示を非表示とする。
表示設定No「a4」には、表示条件として「払出率実測値が払出率基準範囲内」が定められている。これは、払出率実測値Sが払出率基準範囲内である場合に、払出率適否情報を表示させるように設定することを意味する。払出率実測値Sが払出率基準範囲外である場合には、払出率適否情報表示を非表示とする。
表示設定No「a5」には、表示条件として「設定用リモコンによる表示操作」が定められている。これは、店舗の店員が所持する設定用リモコン700から払出率適否情報の表示を指示する信号を受信した場合に、払出率適否情報を表示させるように設定することを意味する。
表示モード設定用データには、表示モードの設定の番号である表示設定Noと、当該表示設定Noにおける表示モードとが対応づけて定められている。
表示設定No「b1」には、表示モードとして「色変化モード」が定められている。これは、払出率適否情報表示を色変化モードで表示させるように設定することを意味する。色変化モードとは、後述する色変化アイコンの色の変化によって払出率実測値の適否を表示するモードである。
表示設定No「b2」には、表示モードとして「メーターモード」が定められている。これは、払出率適否情報表示をメーターモードで表示させるように設定することを意味する。メーターモードとは、後述するメーターの増減によって払出率実測値の適否を表示するモードである。
表示設定No「b3」には、表示モードとして「誤差モード」が定められている。これは、払出率適否情報表示を誤差モードで表示させるように設定することを意味する。誤差モードは、払出率誤差の表示によって払出率実測値の適否を表示するモードである。
詳細表示設定用テーブルは、上記の表示モード設定用データに定められた表示モードにおける詳細な表示設定用のテーブルであり、表示モード別に表示条件や表示態様が定められている。
図26において最上位に図示した詳細表示設定用データは、色変化モードについてのデータであり、種別の番号である種別Noと、条件と、表示色とが対応づけて定められている。
種別No「1」には、条件として「α<S<β」、表示色として「緑色」が定められている。これは、払出率実測値Sが払出率基準下限値αよりも大きく、払出率基準上限値よりも小さい場合には、色変化モードにおいて色変化アイコンを緑色で表示するように設定することを意味する。つまり、払出率実測値Sが払出率基準範囲内である場合には、緑色の表示によって払出率実測値Sが安全域の値(適正な値)であることを報知する。
種別No「2」には、条件として「S=α又はβ=S」、表示色として「黄色」が定められている。これは、払出率実測値Sが払出率基準下限値αと払出率基準上下値βとのいずれかと同値である場合には、色変化モードにおいて色変化アイコンを黄色で表示するように設定することを意味する。つまり、払出率実測値Sが払出率基準範囲の境界値である場合には、黄色の表示によって払出率実測値Sが境界域の値(適正と不適正の境界の値)であることを報知する。
種別No「3」には、条件として「S<α又はβ<S」、表示色として「赤色」が定められている。これは、払出率実測値Sが払出率基準下限値αよりも小さいか、払出率基準上限値βよりも大きい場合には、色変化モードにおいて色変化アイコンを赤色で表示するように設定することを意味する。つまり、払出率実測値Sが払出率基準範囲外の値となっている場合には、赤色の表示によって払出実測値Sが危険域の値(不適正な値)であることを報知する。
また、図示は省略するが、色変化モード以外の表示モード(メーターモードや誤差モード)についても、どのような位置や色、大きさで払出率適否情報表示を行うかといった表示条件がそれぞれ定められている。
なお、上記の表示条件設定用データは、表示モードの種類に関係なく払出率適否情報の表示条件を共通に設定するためのテーブルであるが、表示モード設定用データに定められた表示モード別に表示条件を個別に設定するようにしてもよい。
機種情報設定用テーブル685は、データ表示装置1200における遊技機1の機種情報の設定用のテーブルであり、そのテーブル構成の一例を図27に示す。
機種情報設定用テーブル685には、遊技機1のID及び機種毎に、機種情報設定用データが記憶される。
各機種情報設定用データには、当該遊技機1の識別情報である遊技機IDと、当該遊技機1の機種名と、当該遊技機1の外端出力データと、当該遊技機1の払出率基準情報データとが記憶される。
外端出力データには、当該遊技機1から外部装置への外部出力端子(コネクタCN)の用途及び出力される信号の種類が定められている。
払出率基準情報データには、当該遊技機1の低ベース及び高ベースのそれぞれの種別について、払出率基準下限値と、払出率基準上限値と、払出率基準値とを対応づけた払出率基準情報が定められている。
具体的に説明する。
図27の最上位に図示したデータは、遊技機1のIDが「P1〜P20」、機種名が「パチンコXXX」に係るデータである。そして、外端出力データには、CN1からは大当り信号が、CN2からは確変中信号が、CN3からは時短中信号が、CN4からは始動信号が、CN5からは賞球信号が、CN6からはセキュリティ信号がそれぞれ出力されることが定められている。
また、払出率基準情報データには、種別「低ベース」について、払出率基準下限値として「α1」が、払出率基準上限値として「β1」が、払出率基準値として「γ1」がそれぞれ定められ、種別「高ベース」について、払出率基準下限値として「α2」が、払出率基準上限値として「β2」が、払出率基準値として「γ2」がそれぞれ定められている。
装置対応関係テーブル686は、遊技機1とデータ表示装置1200と台間計数ユニット500との対応関係を定めたテーブルであり、そのテーブル構成の一例を図28に示す。
装置対応関係テーブル686には、遊技機IDと、機種名と、当該遊技機IDの遊技機1に対応するデータ表示装置1200の識別情報である対応表示装置IDと、当該遊技機IDの遊技機1に対応する台間計数ユニット500の識別情報である対応ユニットIDとが対応付けて定められている。
図29は、表示装置設定用データ691のデータ構成の一例を示す図である。
表示装置設定用データ691には、当該データ表示装置1200のIDであるデータ表示装置ID6911と、当該データ表示装置1200に対応する遊技機1のIDである対応遊技機ID6912と、当該データ表示装置1200に対応する台間計数ユニット500のIDである対応ユニットID6913と、表示内容設定用データ6914と、表示態様設定用データ6915と、特別表示設定用データ6916と、払出率適否情報表示設定用データ6917と、機種情報設定用データ6918とが含まれる。
表示内容設定用データ6914は、当該データ表示装置IDのデータ表示装置1200の表示内容の設定用のデータである。具体的には、表示内容設定用テーブル681(図19参照)に定められたデータのレコードの中から、装置対応関係テーブル686に基づいて、当該データ表示装置IDに対応する遊技機IDについて定められたデータのレコードが抽出されて、表示内容設定用データ6914とされる。
表示態様設定用データ6915は、当該データ表示装置IDのデータ表示装置1200の表示態様の設定用のデータである。具体的には、表示態様設定用テーブル682(図22参照)に定められた表示態様設定用データの中から、装置対応関係テーブル686に基づいて、当該データ表示装置IDに対応する遊技機IDについて定められたデータが抽出されて、表示態様設定用データ6915とされる。
特別表示設定用データ6916は、当該データ表示装置IDのデータ表示装置1200の特別表示の設定用のデータである。具体的には、特別表示設定用テーブル683(図25参照)に定められた特別表示設定用データの中から、装置対応関係テーブル686に基づいて、当該データ表示装置IDに対応する表示装置IDについて定められたデータが抽出されて、特別表示設定用データ6916とされる。
払出率適否情報表示設定用データ6917は、当該データ表示装置IDのデータ表示装置1200の払出率適否情報の表示に係る設定用データである。具体的には、払出率適否情報表示設定用テーブル684(図26参照)に定められた払出率適否情報表示設定用データの中から、装置対応関係テーブル686に基づいて、当該データ表示装置IDに対応する表示装置IDについて定められたデータが抽出されて、払出率適否情報表示設定用データ6917とされる。
機種情報設定用データ6918は、当該データ表示装置IDのデータ表示装置1200の遊技機種の設定用のデータである。具体的には、機種情報設定用テーブル685(図27参照)に定められた機種情報設定用データの中から、装置対応関係テーブル686に基づいて、当該データ表示装置IDに対応する表示装置IDについて定められたデータが抽出されて、機種情報設定用データ6918とされる。
遊技集計データベース688は、遊技情報集計部613が集計した各遊技機1に関する遊技集計データが記憶されるデータベースである。
売上集計データベース689は、店舗に設置される遊技機1における売上に関連する集計データが記憶されるデータベースである。売上集計データベース689には、店舗の売り上げに関する情報を集計した売上集計データが記憶され、例えば、割数(機械割数や景品割数)や出玉率、客滞率、売上玉、景品玉、景品金額、玉粗利といったデータが、売上集計部615によって集計されて記憶される。
[2−6.玉管理コンピュータの機能構成]
図30は、玉管理コンピュータ800の機能構成の一例を示す図である。
玉管理コンピュータ800は、処理部810と、入力部820と、表示部830と、通信部840と、時計部850と、記憶部860とを備えて構成される。
処理部810は、記憶部860に記憶されているシステムプログラム等の各種プログラムに従って、玉管理コンピュータ800の各部を統括的に制御する制御装置及び演算装置であり、CPUやDSP等のプロセッサやASIC等の集積回路を有して構成される。
入力部820は、例えばキーボードやマウスを有して構成される入力手段であり、押下されたキーやボタンの信号(操作信号)を処理部810に出力する。
表示部830は、処理部810から出力される表示制御信号に基づいて各種の表示を行う表示装置であり、LCD等を有して構成される。表示部830には、記憶部860に記憶された各種データベースのデータの内容等が表示される。
通信部840は、台間計数ユニット500との間で通信を行うための通信装置であり、例えば有線ケーブルを介して通信を行う有線通信モジュールを有して構成される。通信部840は、台間計数ユニット500から認証要求信号を受信する。
時計部850は、玉管理コンピュータ800が備える内部時計であり、例えば、水晶振動子及び発振回路を含む水晶発振器を有して構成される。時計部850の計時時刻(日付を含む。)は処理部810に随時出力される。
記憶部860には、処理部810により玉管理処理として実行される玉管理プログラム861と、持玉カード管理データ865と、ユニット管理データ867とが記憶される。
持玉カード管理データ865は、持玉カードの管理データであり、例えば、遊技者が所持する持玉カードに付与される持玉カードIDと、当該持玉カードが発行された日時である発行日時と、遊技者が所持する持玉数とが対応付けて記憶される。
ユニット管理データ867は、台間計数ユニット500の管理データであり、例えば、台間計数ユニット500のユニットIDが対応する遊技機1や対応するデータ表示装置1200のIDと対応付けて記憶される。
[2−7.データ表示装置の構成]
[2−7−1.外観構成]
図31は、データ表示装置1200の外観構成の一例を示す図である。
データ表示装置1200は、遊技島の側面上部位置に開閉可能に設けられているランプ板に取付けられるものであり、各遊技機1に対応して、各遊技機1の上方に設置される。
データ表示装置1200は、液晶ディスプレイを有して構成される表示手段である表示部1230を中央部に備えて構成される。また、データ表示装置1200は、遊技者から見て(遊技機と対向する側から見て)左側及び右側に発光手段である左枠LED1251及び右枠LED1252をそれぞれ備えている。具体的には、表示部1230に隣接する左部に左枠LED1251、表示部1230に隣接する右部に右枠LED1252が設けられている。つまり、左枠LED1251及び右枠LED1252は、表示部1230の周囲に設けられている。
左枠LED1251及び右枠LED1252は、いずれも多数のLEDが透明樹脂材にて形成されたランプカバー部によって覆われて構成されたLEDモジュールである。左枠LED1251及び右枠LED1252の発光体は、後述する処理部1210及びLEDドライバ1252の制御により指定された発光色で発光する。左枠LED1251と右枠LED1252に挟まれた中央部には、液晶表示装置(LCD)で構成された表示部1230を備え、下枠部に遊技者が操作可能な呼出ボタン1221を備える。
呼出ボタン1221は、対応遊技機1で遊技中の遊技者が店員を呼び出すために押下するボタンである。呼出ボタン1221は、データ表示装置1200が通常モードと省エネモードのいずれのモードに制御されている場合であっても、押下操作によって店員を呼び出すことが可能に構成されている。
左枠LED1251及び右枠LED1252は、通常表示において前述した共通発光パターンで発光し、特別表示が表示された場合に前述した個別発光パターンで発光する。また、表示部1230は、遊技機1での遊技情報を表示可能に構成されているとともに、特別表示実行条件の成立に応じて、特別表示を表示可能に構成されている。
データ表示装置1200には、自装置における各種信号の入力状況を確認して遊技情報の集計や大当りランニング演出を実行するための制御を行う制御部が搭載されている。ここで、大当りランニング演出は、ホールコンピュータ600から大当りランニング演出信号が入力されることで実行される。大当りランニング演出を実行する場合には、左枠LED1251及び右枠LED1252を発光させる発光演出を実行した後に表示部1230にキャラクタを表示する画像演出を実行する。
なお、ホールコンピュータ600から送信される大当りランニング演出信号に基づいて大当りランニング演出を行うのに限らず、例えば、対応遊技機1から送信される大当り信号に基づいて、大当りランニング演出を行うようにしてもよい。また、隣接するデータ表示装置1200間で大当りランニング演出信号を順次に伝搬させることで、大当りランニング演出を実現してもよい。
また、本実施形態のデータ表示装置1200は、発光手段であるLEDを表示部1230の左側及び右側に備える構成であるが、発光手段の設置位置はこれに限られるわけではない。例えば、表示部1230の上側や下側にLEDを設置してもよいし、表示部1230の左側、右側、上側及び下側の4か所にLEDを設置してもよい。
[2−7−2.機能構成]
図32は、データ表示装置1200の機能構成の一例を示すブロック図である。
データ表示装置1200は、処理部1210と、操作部1220と、表示部1230と、音出力部1240と、発光部1250と、第1通信部1261と、第2通信部1262と、第3通信部1263と、近距離無線通信部1265と、時計部1275と、電源部1280と、記憶部1290とを備えて構成される。
処理部1210は、データ表示装置1200が備える各機能部を統括的に制御する制御装置及び演算装置であり、CPUやDSP等のプロセッサやASIC等の集積回路を有して構成される。
操作部1220は、遊技者が自装置に対する各種の操作を行うための操作装置であり、呼出ボタン1221と、タッチパネル1222とを有して構成される。
表示部1230は、LCD等のディスプレイを有して構成される表示装置であり、処理部1210の制御に従って、各種の情報を表示する。タッチパネル1222が表示部1230と一体的に構成されることでタッチスクリーンを形成している。
音出力部1240は、スピーカ等を有して構成される音出力装置であり、処理部1210の制御に従って、各種の音を出力する。
発光部1250は、LED等を有して構成される発光装置であり、表示部1230の左側の筐体枠に設けられた左枠LED1251と、表示部1230の右側の筐体枠に設けられた右枠LED1252とを有して構成される。
第1通信部1261は、有線通信モジュール等を有して構成され、対応遊技機1との間で通信を行うための通信装置である。第1通信部1261は、対応遊技機1から遊技機信号を受信するとともに、アウト球検出器200からアウト信号を受信する。
第2通信部1262は、有線通信モジュール等を有して構成され、対応ユニット500との間で通信を行うための通信装置である。第2通信部1262は、対応ユニット500からユニット信号を受信する。
第3通信部1263は、有線通信モジュール等を有して構成され、ホールコンピュータ600との間で通信を行うための通信装置である。第3通信部1263は、ホールコンピュータ600から管理装置信号や表示装置設定用データ691を受信する。
近距離無線通信部1265は、無線通信モジュール等を有して構成され、店舗の店員が所持する設定用リモコン700との間で近距離無線通信を行うための通信装置である。近距離無線通信部1265は、設定用リモコン700から払出率適否情報表示を含む各種の表示設定を行ったり、表示有無の選択や表示モードの切り替え等を行うための表示関連信号を受信する。
時計部1275は、データ表示装置1200の内部時計であり、計時した時刻(計時時刻)を処理部1210に出力する。
電源部1280は、データ表示装置1200が備える各機能部に接続された電源装置であり、電源制御部1212の制御に従って、データ表示装置1200の各機能部に電力を供給する。
記憶部1290は、ROMやEEPROM、RAM等のメモリを有して構成される記憶装置である。記憶部1290には、処理部1210により読み出され、表示装置処理として実行されるデータ表示装置処理プログラム1291が記憶されている。データ表示装置処理プログラム1291は、例えば、払出率指標値算出処理として実行される払出率指標値算出プログラム1291aと、表示処理として実行される表示処理プログラム1291bとをサブルーチンとして含む。
また、記憶部1290には、データ表示装置1200が各種の演出を行うための演出用データ1293と、払出率集計データ1295と、遊技履歴集計データ1297と、ホールコンピュータ600から受信した表示装置設定用データ691とが記憶される。
払出率集計データ1295は、対応遊技機1における払出率に係る集計値を記憶したデータであり、そのデータ構成の一例を図33に示す。
払出率集計データ1295には、ベースと、入賞口と、規定賞球数と、払出数と、アウト数と、払出率実測値と、払出率誤差とが対応付けて記憶される。
ベースには、「低ベース」と「高ベース」とが含まれる。但し、前述したように、この低ベース及び高ベースは、厳密には、それぞれ「非大当り中かつ低ベース状態」及び「非大当り中かつ高ベース状態」のことを意味する。
規定賞球数には、各入賞口それぞれについて、当該入賞口への入賞による賞球数の規定値が定められている。
払出数には、各入賞口への入賞によって実際に遊技者に払い出された遊技球の球数の総数が記憶される。払出数は、第1実施形態における賞球数と同義である。
アウト数には、アウト球検出器200から送信されるアウト信号に基づいて算出されるアウト数の総数が記憶される。
払出率実測値には、払出数をアウト数で除算して“100”を乗算した値(%)が記憶される。
払出率誤差には、払出率実測値から払出率基準値を減算した値(%)が記憶される。
遊技履歴集計データ1297は、対応遊技機1における遊技履歴情報の集計値を記憶したデータである。
[2−8.処理]
[2−8−1.ホールコンピュータの処理]
図34は、ホールコンピュータ600の処理部610が、ROM670に記憶された管理プログラム671に従って実行する管理処理の流れの一例を示すフローチャートである。
最初に、処理部610は、各データ表示装置1200それぞれについて、ループAの処理を実行する(A1〜A7)。ループAの処理は、各データ表示装置1200について順番に実行される処理である。
ループAの処理では、処理部610は、ROM670に記憶されている設定用データ生成プログラム671aに従って、設定用データ生成処理を行う(A1)。
具体的には、設定用データ生成部611が、ハードディスク670に記憶されている表示内容設定用テーブル681、表示態様設定用テーブル682、特別表示設定用テーブル683、払出率適否情報表示設定用テーブル684、機種情報設定用テーブル685及び装置対応関係テーブル686に基づいて、前述した方法を用いて当該データ表示装置1200用の表示装置設定用データ691を生成する。そして、処理部610は、生成した表示装置設定用データ691をRAM690に記憶させる(A3)。
次いで、処理部610は、生成した表示装置設定用データ691を当該データ表示装置1200に送信する(A5)。そして、処理部610は、次のデータ表示装置1200へと処理を移す。
ループAの処理を終了したならば、遊技情報集計部613が、各遊技機1の遊技データを集計し、遊技集計データとしてハードディスク680の遊技集計データベース688に記憶させる(A7)。
次いで、処理部610は、大当りランニング演出の実行条件が成立したか否かを判定する(A11)。大当りランニング演出の実行条件は、何れかの機種の遊技機1から大当り信号を入力することである。そして、実行条件が成立したと判定したならば(A11;Yes)、大当りランニング演出信号を、当該遊技機1の機種に対応するデータ表示装置1200に送信する(A13)。
一方、大当りランニング演出の実行条件が成立しなかったと判定したならば(A11;No)、処理部610は、他の種類の一斉演出の実行条件が成立したか否かを判定し(A15)、成立したと判定したならば(A15;Yes)、成立した実行条件に対応する一斉演出信号をデータ表示装置1200に送信する(A17)。
なお、本実施形態とは異なるが、データ表示装置1200が一斉演出を行う場合に、ホールコンピュータ600から送信される一斉演出信号に基づいて一斉演出を行うのではなく、データ表示装置1200が備える時計部1275の出力結果に基づいて、一斉演出を行うようにしてもよい。例えば、データ表示装置1200の電源投入時からの経過時間が一定時間に達する毎に、一斉演出を行うようにしてもよい。
A13又はA17の後、処理部610は、定期告知タイミングであるか否かを判定する(A19)。定期告知タイミングは、例えば、一定時間間隔毎(例えば3時間毎や6時間毎)のタイミングとして定めておくことができる。なお、定期告知する内容が複数種類存在する場合には、それぞれ異なる時間間隔毎のタイミングを定期告知タイミングとして定めておけばよい。
定期告知タイミングであると判定したならば(A19;Yes)、処理部610は、定期告知信号を対応するデータ表示装置1200に送信する(A21)。
次いで、処理部610は、処理を終了するか否かを判定する(A23)。例えば、店舗の営業終了時にホールコンピュータ600の電源を切断する場合に、処理を終了すると判定する。処理を継続すると判定したならば(A23;No)、処理部610は、A9に処理を戻す。また、処理を終了すると判定したならば(A23;Yes)、処理部610は、管理処理を終了する。
[2−8−2.データ表示装置の処理]
図35は、データ表示装置1200の処理部1210が、記憶部1290に記憶されているデータ表示装置処理プログラム1291に従って実行するデータ表示装置処理の流れの一例を示すフローチャートである。
最初に、処理部1210は、自装置の設定タイミングであるか否かを判定する(C1)。設定タイミングは、例えば、自装置の電源投入時のタイミングとすることができる。この場合における設定タイミングは、自装置の表示内容や操作内容が設定されたことを示す設定済みフラグが「ON」にセットされているか否かを確認することで判定すればよい。なお、設定済みフラグは、後述する設定処理が実行された後に「ON」にセットされ、店舗の営業終了時等に当該データ表示装置1200の電源を切断する時に「OFF」にクリアされればよい。
設定タイミングであると判定した(設定済みフラグが「OFF」であると判定した)場合(C1;Yes)、処理部1210は、ホールコンピュータ600に表示装置設定用データ691を要求し、ホールコンピュータ600から表示装置設定用データ691を取得する(C3)。
なお、この場合、データ表示装置1200がホールコンピュータ600との通信を確立して表示装置設定用データ691を要求するようにしてもよいし、データ表示装置1200とホールコンピュータ600とを常時通信可能な状態としておき、ホールコンピュータ600からデータ表示装置1200に表示装置設定用データ691を自動的に配信するようにしてもよい。
次いで、処理部1210は、設定処理を実行する(C5)。具体的には、表示装置設定用データ691を参照し、表示内容設定用データ6914に基づいて表示部1230に表示させる表示内容を判定し、表示態様設定用データ6915に基づいて表示部1230に表示させる表示態様を判定し、特別表示設定用データ6916に基づいて表示部1230に表示させる特別表示の優先順位を判定する。また、払出率適否情報表示設定用データ6917に基づいて表示部1230に払出率適否情報表示に係る表示有無や表示モードを判定する。そして、判定した内容に基づく表示を表示部1230に行わせることを可能な状態とする。また、処理部1210は、機種情報設定用データ6918に基づいて対応遊技機1の機種情報を判定し、払出率実測値や払出率誤差等の各種の指標値を算出可能な状態とする。
次いで、処理部1210は、遊技履歴集計データ更新処理の実行を開始する(C7)。具体的には、対応遊技機1から送信される遊技機信号に基づいて遊技履歴を集計し、記憶部1290の遊技履歴集計データ1297を更新する処理を開始する。より具体的には、始動信号を受信した場合には、スタート回数に“1”を加算して更新し、大当り信号を受信した場合には、大当り回数に“1”を加算して更新し、確変中信号及び時短中信号を受信した場合には、確変大当り回数に“1”を加算して更新し、確変中信号を受信せずに時短中信号を受信した場合には、通常大当り回数に“1”を加算して更新する。
また、処理部1210は、払出率集計データ更新処理の実行を開始する(C9)。具体的には、対応遊技機1から送信される遊技機信号に基づいて払出率実測値を算出するために必要な指標値を算出し、記憶部1290の払出率集計データ1295を更新する処理を開始する。
詳細には、処理部1210は、現在のベース状態を判定する。具体的には、対応遊技機1から時短中信号を受信していない場合には、低ベース状態と判定する。また、対応遊技機1から時短中信号を受信している場合には、高ベース状態と判定する。
対応遊技機1から大当り信号を受信しておらず、かつ、低ベース状態である場合には、対応遊技機1から賞球信号を受信する毎に、払出率集計データ1295の低ベース状態に対応する払出数に第1規定球数(10球)を加算して更新する。また、アウト球検出器200からアウト信号を受信した場合には、払出率集計データ1295の低ベース状態に対応するアウト数に第2規定球数(10球)を加算して更新する。
一方、対応遊技機1から大当り信号を受信しておらず、かつ、高ベース状態である場合には、対応遊技機1から賞球信号を受信する毎に、払出率集計データ1295の高ベース状態に対応する払出数に第1規定球数(10球)を加算して更新する。また、アウト球検出器200からアウト信号を受信した場合には、払出率集計データ1295の高ベース状態に対応するアウト数に第2規定球数(10球)を加算して更新する。
次いで、処理部1210は、記憶部1290に記憶されている払出率指標値算出プログラム1291aに従って、払出率指標値算出処理を実行する(C11)。
図36は、払出率指標値算出処理の流れの一例を示すフローチャートである。
最初に、処理部1210は、対応遊技機1が非大当り中であるか否かを判定する(E1)。具体的には、対応遊技機1から大当り信号を受信していない場合には、対応遊技機1が非大当り中であると判定する。非大当り中ではない(大当り中である)と判定した場合には(E1;No)、処理部1210は、払出率指標値算出処理を終了する。
対応遊技機1が非大当り中であると判定したならば(E1;Yes)、処理部1210は、対応遊技機1のベース状態を判定する(E2)。具体的には、対応遊技機1から時短中信号を受信している場合には、対応遊技機1は高ベース状態と判定し、対応遊技機1から時短中信号を受信していない場合には、対応遊技機1は低ベース状態と判定する。
低ベース状態と判定したならば(E2;低ベース状態)、処理部1210は、低ベース払出率実測値算出タイミングであるか否かを判定する(E3)。ここで、低ベース払出率実測値算出タイミングとしては、種々のタイミングを定めておくことができる。例えば、一定時間毎(例えば1時間毎)のタイミングとしてもよいし、払出率集計データ1295に記憶されたアウト数が一定数(例えば100球)に達する毎のタイミングとしてもよい。また、この他にも、店舗の管理者によって払出率実測値の算出がホールコンピュータ600等を介してデータ表示装置1200に指示されたタイミングとしてもよい。
低ベース払出率実測値算出タイミングであると判定したならば(E3;Yes)、処理部1210は、低ベース払出率実測値算出処理を実行する(E5)。具体的には、払出率集計データ1295を参照し、低ベース状態に対応づけて記憶されている払出数をアウト数で除算して100を乗算することで低ベース払出率実測値(%)を算出し、払出率集計データ1295の低ベース状態に対応する払出率実測値を更新する。
次いで、処理部1210は、低ベース払出率誤差算出処理を実行する(E7)。具体的には、E5で算出した低ベース払出率実測値から、表示装置設定用データ691の機種情報設定用データ6918に記憶されている対応遊技機1の低ベース払出率基準値を減算することで低ベース払出率誤差(%)を算出し、払出率集計データ1295の低ベース状態に対応する払出率誤差を更新する。
次いで、処理部1210は、低ベース払出率適否情報表示更新フラグを「ON」に設定する(E9)。低ベース払出率適否情報表示更新フラグは、表示部1230における低ベース払出率適否情報の表示を更新することを示すフラグであり、初期設定では「OFF」とされる。そして、処理部1210は、払出率指標値算出処理を終了する。
一方、高ベース状態と判定したならば(E2;高ベース状態)、処理部1210は、高ベース払出率実測値算出タイミングであるか否かを判定する(E11)。高ベース払出率実測値算出タイミングも、低ベース払出率実測値算出タイミングと同様に、種々のタイミングを定めておくことができる。
高ベース払出率実測値算出タイミングであると判定したならば(E11;Yes)、処理部1210は、高ベース払出率実測値算出処理を実行する(E13)。具体的には、払出率集計データ1295を参照し、高ベース状態に対応づけて記憶されている払出数をアウト数で除算して100を乗算することで高ベース払出率実測値(%)を算出し、払出率集計データ1295の高ベース状態に対応する払出率実測値を更新する。
次いで、処理部1210は、高ベース払出率誤差算出処理を実行する(E15)。具体的には、E13で算出した高ベース払出率実測値から、表示装置設定用データ691の機種情報設定用データ6918に記憶されている対応遊技機1の高ベース払出率基準値を減算することで高ベース払出率誤差(%)を算出し、払出率集計データ1295の高ベースに対応する払出率誤差を更新する。
次いで、処理部1210は、高ベース払出率適否情報表示更新フラグを「ON」に設定する(E17)。高ベース払出率適否情報表示更新フラグは、表示部1230における高ベース払出率適否情報の表示を更新することを示すフラグであり、初期設定では「OFF」とされる。そして、処理部1210は、払出率指標値算出処理を終了する。
図35のデータ表示装置処理に戻り、払出率指標値算出処理を実行したならば、処理部1210は、払出率適否判定処理を実行する(C13)。具体的には、払出率指標値算出処理で算出された払出率実測値が、表示装置設定用データ691の機種情報設定用データ6918に記憶されている対応遊技機1の払出率基準下限値α及び払出率基準上限値βに基づき規定される払出率基準範囲内、つまり「α≦S≦β」であれば「適正」、払出率基準範囲外、つまり「S<α又はβ<S」であれば「不適正」と判定する。
次いで、処理部1210は、払出率の適否判定結果が適正であったか否かを判定し(C15)、不適正であったと判定したならば(C15;No)、対応遊技機1の遊技機IDをホールコンピュータ600に出力する(C17)。このようにすることで、店舗の管理者は、払出率が不適正である可能性のある遊技機1を把握することができ、店舗の店員に当該遊技機1のガラス扉枠3aを開放して表示モニタ26を確認するように指示を与えることができる。
C17の後、又は、払出率の適否判定結果が適正であったならば(C15;Yes)、処理部1210は、記憶部1290に記憶されている表示処理プログラム1291bに従って表示処理を実行する(C19)。
図37は、表示処理の流れの一例を示すフローチャートである。
最初に、処理部1210は、画面表示制御処理を実行する(G1)。具体的には、遊技者による表示中の表示画面を切り替える操作(以下、「画面切替操作」という。)に応じて表示画面を切り替える制御を実行する。
その後、処理部1210は、特別表示制御処理を実行する(G3)。具体的には、特別表示の実行条件が成立したか否かを判定し、成立したと判定したならば、特別表示を表示部1230に表示させる。
ここで、特別表示実行条件は、例えば、以下のように定めておくことができる。
(1)大当り演出表示
「対応パチンコ遊技機からの大当り信号ON」
(2)一斉演出表示
「ホールコンピュータからの一斉演出信号ON」
(3)定期告知表示
「ホールコンピュータからの定期告知信号ON」
(4)のめり込み防止表示
(A)「対応パチンコ遊技機からの大当り信号OFF&変動回数が規定回数に達した」
(B)「対応パチンコ遊技機からの確変中信号ON→OFF」
(A)は、いわゆるハマリが生じた場合である。規定回数は、例えば「1000回」といった回数を定めておくことができる。ハマリが生ずると遊技者はむきになって遊技を継続して過度の投資を行うおそれがあるため、のめり込み防止表示を実行する。
(B)は、確変状態が終了した場合である。確変状態が終了すると通常状態に戻り、そのまま遊技を継続すると、せっかく獲得した出玉を消費して遊技者が損をしてしまうおそれがあるため、のめり込み防止表示を実行する。
(5)カード取り忘れ表示
(A)「対応パチンコ遊技機からの打込信号ON→OFF&規定時間経過」、
(B)「対応パチンコ遊技機からの確変中信号ON→OFF&所持球数が規定球数に達した」
(A)は、遊技者による遊技球の打ち込みが停止してから一定時間が経過した場合である。この場合、遊技者は、トイレ休憩等により遊技を一時的に休止している可能性がある。そこで、遊技者が遊技用カードを取り忘れて離席したことによって遊技用カードが盗難されることを防止するため、カード取り忘れ表示を実行する。規定時間には、例えば1分といった時間を設定しておくことができる。
(B)は、確変状態が終了した状態で所持球数が一定以上の球数となっている場合である。確変状態によって遊技者が多くの出玉を獲得し、確変状態が終了した場合に、遊技用カードが盗難されて遊技者が損失を被ることを防止するため、カード取り忘れ報知を実行する。規定球数には、「10000発」といった球数を設定しておくことができる。
(6)遊技機エラー表示
「対応パチンコ遊技機からのセキュリティ信号ON」
(7)表示装置エラー表示
「自装置の異常検知又は不正検知」
(8)貸与レート表示
「貸与レートの表示操作を検出」
次いで、処理部1210は、払出率適否情報表示制御処理を実行する(G5)。
図38は、払出率適否情報表示制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。
最初に、処理部1210は、表示装置設定用データ691の払出率適否情報表示設定用データ6917に記憶されている払出率適否情報表示の設定が「表示」であるか否かを判定し(H1)、「表示」であると判定したならば(H1;Yes)、払出率適否情報表示更新フラグが「ON」であるか否かを判定する(H3)。
払出率適否情報表示更新フラグが「ON」であると判定したならば(H3;Yes)、処理部1210は、その払出率適否情報表示更新フラグの種類を判定する(H5)。種類が「低ベース」であると判定したならば(H5;低ベース)、処理部1210は、低ベース払出率適否情報表示更新処理を実行する(H7)。具体的には、表示装置設定用データ691の払出率適否情報表示設定用データ6917に記憶されている表示モード及びその詳細表示設定用データに基づいて、当該表示モードで低ベース状態における払出率の適否情報の表示を更新する。そして、処理部1210は、低ベース払出率適否情報表示更新フラグを「OFF」に設定して(H9)、払出率適否情報表示制御処理を終了する。
払出率適否情報表示更新フラグの種類が「高ベース」であると判定したならば(H5;高ベース)、処理部1210は、高ベース払出率適否情報表示更新処理を実行する(H11)。具体的には、表示装置設定用データ691の払出率適否情報表示設定用データ6917に記憶されている表示モード及びその詳細表示設定用データに基づいて、当該表示モードで高ベース状態における払出率の適否情報の表示を更新する。そして、処理部1210は、高ベース払出率適否情報表示更新フラグを「OFF」に設定して(H13)、払出率適否情報表示制御処理を終了する。
図37の表示処理に戻り、払出率適否情報表示制御処理を実行したならば、処理部1210は、遊技履歴情報の表示を更新するか否かを判定し(G7)、更新すると判定したならば(G7;Yes)、現在表示中の遊技履歴の表示を更新する遊技履歴表示更新処理を実行する(G9)。そして、処理部1210は、表示処理を終了する。
図35のデータ表示装置処理に戻り、表示処理を実行したならば、処理部1210は、発光処理を実行する(C21)。具体的には、予め定められた発光パターンで発光部1250(左枠LED1251及び右枠LED1252)をそれぞれ発光させる制御を行う。
次いで、処理部1210は、特別演出実行条件が成立したか否かを判定する(C23)。特別演出実行条件は、例えば以下のいずれかの条件として定めておくことができる。
(1)ホールコンピュータ600から特別演出の実行を指示する信号(大当りランニング演出信号、他の種類の一斉演出信号、定期告知信号)を受信したこと。
(2)隣接するデータ表示装置1200から一斉演出信号を受信したこと。
特別演出実行条件が成立したと判定したならば(C23;Yes)、処理部1210は、特別演出処理を実行する(C25)。具体的には、成立した特別演出実行条件に対応する特別演出(大当りランニング演出、他の種類の一斉演出、定期告知演出)を実行する。
次いで、処理部1210は、処理を終了するか否かを判定し(C27)、処理を継続すると判定したならば(C27;No)、C1に処理を戻す。また、処理を終了すると判定したならば(C27;Yes)、処理部1210は、データ表示装置処理を終了する。
[2−9.表示画面]
図39〜図42は、データ表示装置1200の表示部1230に表示される表示画面の一例を示す図である。
図39(1)は、総合遊技履歴画面の一例を示す図である。
この総合遊技履歴画面は、機種「パチンコXXX」の遊技機1に対応するデータ表示装置1200の表示部1230に表示される表示画面である。この総合遊技履歴画面には、総合遊技履歴情報として、「総合大当り回数」と、「総合確変大当り回数」と、「総合通常大当り回数」と、「総合スタート回数」と、「総合出玉グラフ」と、「総合大当り履歴グラフ」とが表示されている。
また、この総合遊技履歴画面の左下部には、遊技者がサービス選択をするためのサービスアイコンと、画面切替を行うための画面切替アイコンとが表示されている。サービスアイコンをタップすると、不図示のサービス選択画面に表示画面が切り替わり、遊技者はこのサービス選択画面からサービスを選択することができる。また、画面切替アイコンをタップすると、表示中の画面を他の画面に順次に切り替えることができる。
また、この総合遊技履歴画面の右下部には、色変化モードによる払出率適否情報表示1230Aが表示されている。この払出率適否情報表示1230Aは、低ベース状態であることを示す低ベースアイコン及び高ベース状態であることを示す高ベースアイコンの2種類のベースアイコンが含まれ、それぞれのベースアイコンについて、色変化によって払出率の適否を表示する個別の色変化アイコンが表示されている。低ベース状態では、低ベースアイコンが反転表示され(高ベースアイコンは非反転)、その下に表示された個別の色変化アイコンの色が変化することで、低ベース払出率実測値の適否が報知される。一方、高ベース状態では、高ベースアイコンが反転表示され(低ベースアイコンは非反転)、その下に表示された個別の色変化アイコンの色が変化することで、高ベース払出率実測値の適否が報知される。
ここで、色変化アイコンは、例えば図25の詳細表示設定用テーブルに示したように、「α<S<β」の条件を満たす場合には「緑色」、「S=α又はβ=S」の条件を満たす場合には「黄色」、「S<α又はβ<S」の条件を満たす場合には「赤色」に変化するように設定されている。
図39(2)は、総合遊技履歴画面における払出率適否情報表示の別例を示す図である。
この総合遊技履歴画面の右下部には、メーターモードによる払出率適否情報表示1230Bが表示されている。この払出率適否情報表示1230Bは、低ベースアイコン及び高ベースアイコンの2種類のベースアイコンそれぞれに対応して、払出率の適否を表示するための個別のメーターが表示されている。低ベース状態では、低ベースアイコンが反転表示され(高ベースアイコンは非反転)、その下に表示された個別のメーターが増減することで、低ベース払出率実測値の適否が報知される。一方、高ベース状態では、高ベースアイコンが反転表示され(低ベースアイコンは非反転)、その下に表示された個別のメーターが増減することで、高ベース払出率実測値の適否が報知される。
メーターの表示は、例えば、払出率を示す横方向に形成された矩形の枠を、払出率基準下限値及び払出率基準上限値それぞれに対応する縦線で区切ることにより払出率基準範囲を明確化したメーターとして構成される。なお、図中ではメーター表示を横方向のメーター表示としているが、縦方向のメーター表示としてもよい。
図39(3)は、総合遊技履歴画面における払出率適否情報表示の別例を示す図である。
この総合遊技履歴画面の右下部には、誤差モードによる払出率適否情報表示1230Cが表示されている。この払出率適否情報表示1230Cは、低ベースアイコン及び高ベースアイコンの2種類のベースアイコンそれぞれに対応して、払出率誤差が個別に表示されている。低ベース状態では、低ベースアイコンが反転表示され(高ベースアイコンは非反転)、その下に払出率誤差が表示されることで、低ベース払出率実測値の適否が報知される。一方、高ベース状態では、高ベースアイコンが反転表示され(低ベースアイコンは非反転)、その下に払出率誤差が表示されることで、高ベース払出率実測値の適否が報知される。
図40(1)は、総合遊技履歴画面における払出率適否情報表示の別例を示す図である。
この総合遊技履歴画面の右下部には、色変化モードによる払出率適否情報表示1230Dが表示されている。この払出率適否情報表示1230Dは、図39(1)の払出率適否情報表示1230Aと同様に色変化アイコンによって払出率の適否を表示するものであるが、払出率適否情報表示1230Aとは異なり、低ベースアイコン及び高ベースアイコンの2種類のベースアイコンについて、共通の色変化アイコンが表示されている。低ベース状態では、低ベースアイコンが点灯表示され(高ベースアイコンは非点灯)、共通の色変化アイコンの色が変化することで、低ベース払出率実測値の適否が報知される。一方、高ベース状態では、高ベースアイコンが点灯表示され(低ベースアイコンは非点灯)、共通の色変化アイコンの色が変化することで、高ベース払出率実測値の適否が報知される。
図40(2)は、総合遊技履歴画面における払出率適否情報表示の別例を示す図である。
この総合遊技履歴画面の右下部には、メーターモードによる払出率適否情報表示1230Eが表示されている。この払出率適否情報表示1230Eは、図39(2)の払出率適否情報表示1230Bと同様にメーターによって払出率の適否を表示するものであるが、払出率適否情報表示1230Bとは異なり、低ベースアイコン及び高ベースアイコンの2種類のベースアイコンについて、共通のメーターが表示されている。低ベース状態では、低ベースアイコンが点灯表示され(高ベースアイコンは非点灯)、共通のメーターが増減することで、低ベース払出率実測値の適否が報知される。一方、高ベース状態では、高ベースアイコンが点灯表示され(低ベースアイコンは非点灯)、共通のメーターが増減することで、高ベース払出率実測値の適否が報知される。
図40(3)は、総合遊技履歴画面における払出率適否情報表示の別例を示す図である。
この総合遊技履歴画面の右下部には、誤差モードによる払出率適否情報表示1230Fが表示されている。この払出率適否情報表示1230Eは、図39(3)の払出率適否情報表示1230Cと同様に払出率誤差を表示するものであるが、払出率適否情報表示1230Cとは異なり、低ベースアイコン及び高ベースアイコンの2種類のベースアイコンについて、払出率誤差が共通に表示されている。低ベース状態では、低ベースアイコンが点灯表示され(高ベースアイコンは非点灯)、低ベース払出率誤差が表示される。一方、高ベース状態では、高ベースアイコンが点灯表示され(低ベースアイコンは非点灯)、高ベース払出率誤差が表示される。
図41(1)は、特別表示の一例を示す図である。
図41(1)は、総合遊技履歴画面の表示中に大当り演出表示の実行条件が成立した場合に表示される表示画面であり、画面中央部に、「大当り♪」のメッセージ及びキャラクタの画像でなる大当り演出表示が表示されている。
図41(2)は、特別表示の別例を示す図である。
図41(2)は、総合遊技履歴画面の表示中に遊技機エラー表示の実行条件が成立した場合に表示される表示画面であり、画面中央部に、「パチンコ遊技機に異常が発生しています。店員を呼んでください。」のメッセージでなる遊技機エラー表示が表示されている。
図41(3)は、特別表示の別例を示す図である。
図41(3)は、総合遊技履歴画面の表示中に表示装置エラーの実行条件が成立した場合に表示される表示画面であり、画面中央部に、「表示装置に異常が発生しています。店員を呼んでください。」のメッセージでなる表示装置エラー表示が表示されている。
図42(1)は、特別表示の別例を示す図である。
図42(1)は、総合遊技履歴画面の表示中にのめり込み防止表示の実行条件が成立した場合に表示される表示画面であり、画面中央部に、「遊技に熱中しすぎないように注意してください。」のメッセージでなるのめり込み防止表示が表示されている。
図42(2)は、特別表示の別例を示す図である。
図42(2)は、総合遊技履歴画面の表示中にカード取り忘れ表示の実行条件が成立した場合に表示される表示画面であり、画面中央部に、「カードの取り忘れに注意してください。」のメッセージでなるカード取り忘れ表示が表示されている。
図42(3)は、特別表示の別例を示す図である。
図42(3)は、総合遊技履歴画面の表示中に貸与レート表示の実行条件が成立した場合に表示される表示画面であり、画面中央部に、「玉貸しは540円→125玉です。」のメッセージでなる貸与レート表示が表示されている。
[2−10.用途]
図39及び図40に示したデータ表示装置1200の表示部1230に表示される払出比率適否判定用表示1230A〜1230Fによって、遊技者や店舗の従業員は、対応する遊技機1の払出率が適正であるか否かを確認することができる。
遊技機1で遊技を行っている遊技者は、表示を確認して払出率が不適正であると判断したならば、呼出ボタンを押下して店舗の店員を呼び出して、払出率が不適正である可能性があることを指摘することができる。この際、店舗の店員は、表示部1230に表示された払出率適否情報表示を確認し、遊技者の指摘が妥当であると判断したならば、遊技機1のガラス扉枠3aを開放し、主基板11の中央に設けられた表示モニタ29(図4参照)を確認する。
第1実施形態で説明したように、役比(%)は、賞球合計数(全賞球数)のうち第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数と大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数が占める割合として算出される。本実施形態では、前述したように、低ベース払出率実測値の算出において、一般入賞口及び第1始動入賞口(ヘソ)への入賞による賞球を対象としている。このため、低ベース払出率実測値は「100(%)−役比(%)」として概算することができ、逆に、役比は「100(%)−低ベース払出率実測値(%)」として概算することができる。つまり、本実施形態における非大当り中かつ低ベース状態における払出率と第1実施形態で説明した役比とは、実質的に相関関係があると言える。
一方で、第1実施形態で説明したように、連比(%)は、賞球合計数(全賞球数)のうち大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数が占める割合として算出される。つまり、賞球合計数に対する大当り遊技状態中の賞球数の割合が連比として算出することができる。
ここで、上記の役比・連比の算出を、データ表示装置1200において実現することも可能である。この場合には、対応する遊技機1の各遊技状態(大当り遊技状態、低ベース状態、高ベース状態等)それぞれに対応する賞球カウンタ(遊技状態対応カウンタ)をデータ表示装置1200に構成し、対応する遊技機1から賞球信号を受信したときの遊技機1の遊技状態に対応する賞球カウンタに賞球数を加算することで、各遊技状態それぞれにおける賞球数を個別にカウントする。そして、賞球カウンタのカウント値に基づいて、役比・連比算出処理を実行して、役比・連比を算出するようにすればよい。
この場合、店舗の店員は、対応する遊技機1の表示モニタ29に表示されている役比や連比を参照することで、実際に払出率に影響する不具合が生じているか否かを判断することができる。そして、不具合が生じていると判断したならば、当該遊技機1を稼働停止させた上で、当該遊技機1の再整備(例えば遊技釘の再整備)を行うことができる。
[2−11.作用効果]
第1遊技用システム1000Aでは、遊技機1に対応してデータ表示装置1200が設けられる。データ表示装置1200は、対応して設けられた遊技機1での遊技情報を表示可能な表示手段である表示部1230を備える。表示部1230は、遊技機1において非大当り中(非有利状態中)に遊技者が使用した遊技価値であるアウト数(使用遊技価値)に対する遊技者が非大当り中(非有利状態中)に獲得した遊技価値である払出数(獲得遊技価値)の割合である払出率(相対値)の基準に関する情報である払出率基準情報(基準相対情報)と、対応する遊技機1での払出率の実測値である払出率実測値(実測相対値)と、に基づく払出率適否情報(特定情報)と、対応する遊技機1での遊技履歴情報と、を表示可能である。
これによれば、対応する遊技機1の非大当り中における払出率の基準に関する払出率基準情報と払出率実測値とに基づく払出率適否情報を表示によって確認することが可能となる。その結果、遊技機1において設計値通りの払出率となっているか否かを判断することが可能となる。
[3.第3実施形態]
次に、本実施形態における第2遊技用システム1000Bについて説明する。
[3−1.システム構成]
図43は、第2遊技用システム1000Bのシステム構成の一例を示す図である。
第2遊技用システム1000B、遊技島に設置される複数の遊技機1と、利用者が所有する端末装置である携帯端末250と、各遊技機1に対応して設けられる遊技用装置及び情報表示装置の一種であるデータ表示装置400と、各遊技機1に対応して設けられる遊技用装置、計数装置及び記録媒体処理装置の一種である台間計数ユニット500と、管理装置の一種であるホールコンピュータ600と、遊技客の貯玉数や持玉数を管理するための管理装置の一種である玉管理コンピュータ800と、遊技客の個人遊技履歴情報を管理するための管理装置の一種であるサーバ980と、を備えて構成される。
携帯端末250は、店舗に来店した利用者が所有する端末装置であり、例えば、利用者が携行する携帯電話機(スマートフォンを含む。)がこれに含まれる。本実施形態において、携帯端末250は、非接触式通信用のICチップ(例えばFelica(登録商標)チップ)を搭載し、このICチップを利用して、データ表示装置400との間で非接触式通信を行うことが可能に構成されている。また、携帯端末250は、インターネット等の通信網Nを利用してサーバ980と通信を行うことが可能に構成されるとともに、二次元コード(例えばQRコード(登録商標))を読み取るためのコードリーダを備え、データ表示装置400に表示される二次元コードを読み取ることが可能に構成されている。
[3−2.信号及び情報の流れ]
図44は、第2遊技用システム1000Bの各装置間における信号及び情報の流れの一例を示す図である。なお、この図では、説明の簡明化のために、台端末900及びサーバ980については図示を省略している。
遊技機1からは、遊技機信号がデータ表示装置400及びホールコンピュータ600に出力される。また、遊技機1の背面に設けられたアウト球検出器200からは、アウト信号がデータ表示装置400及びホールコンピュータ600に出力される。これらの信号については後述する。
台間計数ユニット500からは、カード挿入信号、カード排出信号、入金信号、消費信号、玉払出信号、玉計数信号及びユニットエラー信号を含むユニット信号が、データ表示装置400及びホールコンピュータ600に出力される。これらの信号は、第1遊技用システム1000Aと同様である。
ホールコンピュータ600からは、データ表示装置400が各種の設定を行うための表示装置設定用データ691がデータ表示装置400に出力される。また、ホールコンピュータ600からは、管理装置信号がデータ表示装置400に出力される。管理装置信号には、例えば、データ表示装置400に後述するランニング動作演出の実行を指示するランニング動作演出信号等の信号が含まれる。
台間計数ユニット500からは、自装置に挿入された持玉カードの認証を要求するための認証要求信号が玉管理コンピュータ800に出力される。認証要求信号には、自装置のIDであるユニットIDと、持玉カードに記録されたカードIDとが含まれる。
玉管理コンピュータ800は、台間計数ユニット500から出力される認証要求信号に従って認証処理を実行し、認証信号を台間計数ユニット500に送信する。認証信号には、認証結果(OK/NG)が含まれる。
データ表示装置400は、操作部420への操作や非接触式通信を利用して、携帯端末250から個人遊技履歴情報の記録を開始させる情報記録開始操作や個人遊技履歴情報の記録を終了させる情報記録終了操作を受付可能に構成されている。そして、データ表示装置400は、サーバ980にアクセスするためのURL等のアクセス情報をエンコードした二次元コード(例えばQRコード(登録商標))を液晶表示部430に表示させることによって、個人遊技履歴情報を特定可能な情報を出力可能に構成されている。また、データ表示装置400は、記憶・更新した個人遊技履歴情報を、携帯端末250の携帯IDと対応付けてホールコンピュータ600に出力する。個人遊技履歴情報は、遊技者個人の遊技情報である個人遊技情報の一例である。
サーバ980は、店舗が設置する管理装置であり、店舗に会員登録された遊技客について、例えば、会員IDと、遊技客が所有する携帯端末250のIDである携帯IDと、個人遊技履歴情報とを対応付けたデータを管理する。サーバ980は、データ表示装置400によって記憶・更新された遊技客の個人遊技履歴情報を、ホールコンピュータ600を介して取得し、取得した個人遊技履歴情報を、遊技客の会員ID及び携帯IDと対応付けて記憶する。そして、携帯端末250からのアクセスに応じて、個人遊技履歴情報を携帯端末250にダウンロードさせる。
[3−3.データ表示装置]
[3−3−1.外観構成]
図45は、データ表示装置400の外観構成の一例を示す図であり、データ表示装置400の正面図を図45(1)に、データ表示装置400の右側面図を図45(2)にそれぞれ示している。
データ表示装置400は、主として対応する遊技機1で遊技する遊技者に向けて当該遊技機1の遊技に関する情報を表示可能な液晶表示部430と、遊技者及びそれ以外の遊技客に向けて当該遊技機1の遊技に関する情報を表示可能なセグ表示部440とを備えて構成される。
液晶表示部430は、データ表示装置400の筐体前面の基体部に形成される液晶表示器で構成される表示部であり、単純マトリクス方式やアクティブマトリクス方式といった従来公知の駆動方式に基づき、液晶パネルのサブ画素の電圧を印加して液晶を駆動することで、対応する遊技機1の遊技に関する情報を液晶表示方式によって表示させることが可能に構成されている。液晶表示部430は、第1表示部に相当する。
セグ表示部440は、データ表示装置400の筐体側部の扉部に形成される7セグメント表示器(いわゆる7セグ)で構成される表示部であり、ダイナミック駆動方式やスタティック駆動方式といった従来公知の駆動方式に基づきセグLEDを点灯させることで、対応する遊技機1の遊技に関する情報をセグ表示方式によって表示可能に構成されている。具体的には、セグ表示部440は、3桁の大型の7セグメント表示器を有して構成され、これらの7セグメント表示器を点灯させることで、対応する遊技機1の遊技に関する情報を表示する。
セグ表示部440は、データ表示装置400側から見て右側に設けられる右扉部403Aに形成される右セグ表示部440Aと、データ表示装置400側から見て左側に設けられる左扉部403Bに形成される左セグ表示部440Bとの2つの表示部を有して構成される。紙面向かって左側に設けられるのが右扉部403A及び右セグ表示部440Aとなり、紙面向かって右側に設けられるのが左扉部403B及び左セグ表示部440Bとなる。これら2つのセグ表示部440(右セグ表示部440A、左セグ表示部440B)は、第2表示部及び第3表示部に相当する。
液晶表示部430とセグ表示部440(右セグ表示部440A、左セグ表示部440B)とは、処理部410の制御に従って、相互に連係した表示を行う表示パターン(以下、「液晶セグ連係表示パターン」という。)と、相互に独立した表示を行う表示パターン(以下、「液晶セグ独立表示パターン」という。)とにより、対応する遊技機1の遊技に関する情報を表示可能に構成されている。液晶セグ連係表示パターンは第1表示パターンに相当し、液晶セグ独立表示パターンは第2表示パターンに相当する。
また、上記の表示パターンの他に、左右のセグ表示部440(右セグ表示部440A、左セグ表示部440B)は、相互に連係した表示を行う表示パターン(以下、「セグ連係表示パターン」という。)と、相当に独立した表示を行う表示パターン(以下、「セグ独立表示パターン」という。)とにより、対応する遊技機1の遊技に関する情報を表示可能に構成されている。
また、データ表示装置400は、対応する遊技機1が大当り遊技状態の制御を開始した際に、当該遊技機1の前方領域に向けて光を照射する演出(以下、「照射演出」という。)を実行可能に構成されている。照射演出は、発光演出と言い換えることもできる。
ここで、遊技機1の前方領域とは、対応する遊技機1の設置場所の手前側の領域であって、当該遊技機1の筐体の一部分又は全体を覆う領域のことを意味する。遊技者は着座した遊技を行うため、着座した遊技者も、この前方領域に含まれる。
具体的には、データ表示装置400は、照射演出に係る処理を実行するための処理部410と、照射演出において光を発光する発光部480とを備え、発光部480を発光させることで、照射演出を実現する。
発光部480は、後述するように、データ表示装置400の前面の基体部401Aに形成された第1スポットLED480a〜第3スポットLED480cと、データ表示装置400の扉部403に形成された第1アピールLED480d及び第2アピールLED480eとを備えて構成される。これらの発光部480は、指向性の強い発光体(例えば砲弾型LED)が封入された球状の枠体が基体部401及び扉部403にそれぞれ嵌め込むように設置され、不図示のモータによって枠体を自在に回動させることで、発光体(LED)による光の照射方向を変更することが可能な可動体として構成される。光の照射方向が変われば光の照射領域も変わるため、発光部480は、光の照射方向や照射領域を変更可能である。なお、発光部480を構成する発光体は、砲弾型LED以外の発光体としてもよい。また、発光体を封入した枠体を嵌め込む構造とは異なる構造を適用してもよい。
また、データ表示装置400の前面の本体基板の右下部には、音出力部450としてのスピーカが、その音出力口が前面を向くように設置されている。なお、音出力部450の設置位置は適宜設計変更可能であり、例えば、筐体上面のいずれかの位置や、データ表示装置400の筐体の側面に設置することとしてもよい。
ここで、データ表示装置400を基準とする前方向及び後方向を前後方向、データ表示装置400を基準とする右方向及び左方向を左右方向、データ表示装置400を基準とする上方向及び下方向を上下方向とそれぞれ定義する。
[3−3−2.開閉態様]
図46及び図47は、データ表示装置400の構成及び扉部の開閉態様を説明するための図であり、データ表示装置400の斜視図を示したものである。
データ表示装置400の筐体は、正面視で左右方向に横長の矩形形状を有する基体部401と、基体部401の右端部及び左端部からそれぞれ遊技者側に突出するように構成された右扉部403A及び左扉部403Bとを有して構成される。左右の扉部403は、その幅が基体部401の幅の半分となるようにそれぞれ設計されている。
基体部401の前面には、正面視で左右方向に横長の矩形形状を有する液晶表示部430が形成されている。液晶表示部430は、遊技者に対向する向きに形成されており、遊技機1で遊技する遊技者は、遊技位置から液晶表示部430を視認することができる。つまり、液晶表示部430は、遊技者が遊技する遊技位置から該遊技者が視認可能な方向に向けて形成されている。
扉部403の左右の面のうちの片面には、遊技機1で遊技する遊技者及び周囲の遊技客向けの情報を表示するセグ表示部440が形成されている。セグ表示部440は、右セグ表示部440Aは右扉部403Aの外側の面に、左セグ表示部440Bは左扉部403Bの外側の面にそれぞれ形成されており、扉部403を閉じた状態では遊技者が遊技位置から視認可能となる一方、扉部403を開いた状態では遊技者は遊技位置からは視認することができないが、周囲の遊技客(例えば遊技島の端からその遊技島の遊技機1を見渡して遊技を開始する遊技機1を選んでいるような遊技客)には視認可能となるように構成されている。
セグ表示部440は、大型の3桁のセグを点灯させることによって対応する遊技機1の遊技に関する情報可能である。このため、扉部403を閉じた状態では、対応する遊技機1で遊技する遊技者がセグ表示部440に表示される情報を容易に視認可能となる他、対応する遊技機1の後ろを通行する通行人としての遊技客もセグ表示部440に表示される情報を容易に視認可能となり、通行人に対するアピール効果が期待できる。また、扉部403を開いた状態では、自装置から離れた位置(例えば店舗内の数メートル〜10メートル程度離れた位置)にいる遊技客もセグ表示部440に表示される情報を容易に視認可能となる。このため、セグ表示部440は、遠方からの視認性が液晶表示部430よりも高くなるように構成されていると言える。
基体部401の前面に形成された液晶表示部430の上側には、中央部に2つの第1スポットLED480aが並べて配置され、液晶表示部430の下側には、中央部に2つの第2スポットLED480bが並べて配置されている。また、液晶表示部430の上側及び下側の端部には、それぞれ1つずつ第3スポットLED480cが配置されている。基体部401の前面を第1表示領域と称し、第1表示領域に構成されたスポットLEDでなるLED部を第1表示領域LED部481と称する。
スポットLEDは、対応する遊技機1で遊技する遊技者にスポットを当てた照射演出を実現するために設けられた発光体であり、スポットLEDから発光される光のことをスポットライトと称する。つまり、スポットLEDは、対応する遊技機1にスポットを当てるために、対応する遊技機1の前方領域に光を照射することが可能に構成されている。
また、扉部403の前面に形成されたセグ表示部440の上側には、2つの第1アピールLED480dが並べて配置され、セグ表示部440の下側には、2つの第2アピールLED480eが並べて配置されている。扉部400Aの前面を第2表示領域と称し、第2表示領域に構成されたアピールLEDでなるLED部を第2表示領域LED部482と称する。
アピールLEDは、周囲の遊技機1で遊技する遊技者や遊技を観覧している遊技客等に対応する遊技機1での遊技状態をアピールする照射演出を実現するために設けられた発光体であり、アピールLEDから発光される光のことをアピールライトと称する。つまり、アピールLEDは、対応する遊技機1の遊技状態を周囲の遊技客にアピールするために、対応する遊技機1の周辺領域に光を照射することが可能に構成されている。
また、第1表示領域LED部481及び第2表示領域LED部482は、LEDドライブユニット483a及びモータ駆動ユニット483bを有するドライブユニット部483にそれぞれ接続され、処理部410からの発光制御信号によるLEDドライブユニット483aの発光制御に応じてLEDを発光させるとともに、処理部410からの駆動制御信号によるモータ駆動ユニット483bのモータ制御に応じて枠体を回動させることが可能に構成されている。
左右の扉部403は、内側に向けて折り畳み収納可能に構成されている。具体的には、左右の扉部403(右扉部403A、左扉部403B)は、それぞれ左右のヒンジ部405(右ヒンジ部405A、左ヒンジ部405B)を軸として、前後両方向に回動可能に構成されている。扉部403を回動させるとセグ表示部440も一体的に回動するため、扉部403を回動させることは、セグ表示部440を回動させることを意味する。本実施形態において、データ表示装置400は、セグ表示部440を回動させることによる動作演出を実行する。
なお、セグ表示部440は回動可能に構成されているが、これはセグ表示部440が可動であることを意味する。また、セグ表示部440を回動させることにより、セグ表示部440の相対的な位置が変化するため、セグ表示部440は変位可能であることを意味する。このため、上記の動作演出は、可動演出や回動演出、変位演出と言い換えることもできる。
左右の扉部403は、その幅がいずれもヒンジ部405を除いた基体部401の幅の半分となるように設計されており、左右の扉部403を閉じると基体部401とちょうど重なり合った状態となり、このとき左右の扉部403は基体部401と平行になり、液晶表示部430は左右の扉部403で覆われる。このように、左右の扉部403を内側に折り畳むことが可能となっているため、データ表示装置400を遊技島に設置する際や遊技島から取り外す際は、左右の扉部403を折り畳んだ状態で設置作業や取り外し作業を容易に行うことができる。その一方で、扉部403は、左右の扉部403を閉じた状態で液晶表示部430のみが覆われるように高さが設計されており、左右の扉部403を閉じた状態であっても、アピールLEDは覆われない。
左右の扉部403は、例えば、ヒンジ部405に構成されたステッピングモータ等を有して構成される駆動装置の駆動によって、それぞれ自動的に開閉可能(片開き、両開き)に構成されている。具体的には、処理部410の制御に従ってステッピングモータに接続されたパルス発振器にパルス信号を出力させ、このパルス信号によってステッピングモータの回転角度を制御することにより、左右の扉部403を任意の角度に回動させることが可能に構成されている。なお、左右の扉部403の開閉を実現するための手法(構造や機構、制御)は、上記の手法に限らず、従来公知の種々の手法を適用可能である。
また、セグ表示部440は、扉部403を開いた状態では側面に向けられるため遊技者から視認できないが、扉部403を閉じた状態では正面に向けられるため遊技者から視認可能となる。このように、データ表示装置400は、液晶表示部430を遊技者が視認可能であるがセグ表示部440を遊技者が視認不能(一方で遊技者以外の遊技客は視認可能)な第1状態(セグ表示部440が液晶表示部430と垂直になった状態)とすることが可能であるとともに、液晶表示部430を遊技者が視認不能であるがセグ表示部440を遊技者が視認可能な第2状態(セグ表示部440が液晶表示部430と平行になった状態)にすることも可能である。
以下の説明では、左右の扉部403それぞれについて、当該扉部403が液晶表示部430を覆い隠すように閉じた状態を開閉角度「0度」の状態とし、この0度の状態から扉部403を外側に開いていくにつれて開閉角度が正の方向に増加し、扉部403が手前側(遊技者側)に垂直に開いた状態を開閉角度「90度」の状態として説明する。
図46(1)は、開閉態様Aを示す図である。開閉態様Aは、左右の扉部403がそれぞれ開閉角度「90度」とされた状態である。
図46(2)は、開閉態様Bを示す図である。開閉態様Bは、左右の扉部403がそれぞれ開閉角度「0度」とされた状態である。
図47(1)は、開閉態様Cを示す図である。開閉態様Cは、右扉部403Aが「0度」とされ、左扉部403Bが「90度」とされた状態である。
図47(2)は、開閉態様Dを示す図である。開閉態様Dは、右扉部403Aが「90度」とされ、左扉部403Bが「0度」とされた状態である。
図48は、上記の各開閉態様それぞれに対応するデータ表示装置400の表示部の表示態様の一例を示す図である。
図48(1)は、開閉態様Aに対応する表示態様の一例を示す図である。
開閉態様Aは、左右の扉部403がそれぞれ開閉角度「90度」とされた状態であるため、液晶表示部430の全体が遊技者に視認可能な状態となる。この場合、液晶表示部430には、対応する遊技機1の遊技に関する情報であって、遊技者に優先的に報知すべき情報(遊技者にとって重要性の高い情報)を表示させるようにすると好適である。一方、左右のセグ表示部440は遊技者からは視認できないが、周囲の遊技客は視認可能であるため、対応する遊技機1の遊技に関する情報であって、液晶表示部430に表示させる情報とは異なる情報(遊技者にとって重要性の低い情報)や宣伝効果・アピール効果を高める情報を表示させるようにすると好適である。
図48(1)では、液晶表示部430に、対応する遊技機1における大当り回数(総合大当り回数や確変大当り回数、通常大当り回数)や遊技者の持玉数、大当り履歴グラフ、出玉グラフ等の情報を含む遊技履歴情報が表示された例を示している。この場合における表示パターンは、液晶表示部430とセグ表示部440とで独立した表示を行う独立表示パターンに相当する。
図48(2)は、開閉態様Bに対応する表示態様の一例を示す図である。
開閉態様Bは、左右の扉部403がそれぞれ開閉角度「0度」とされた状態であるため、液晶表示部430の全体が扉部403によって覆い隠され、セグ表示部440が遊技者に視認可能な状態となる。この場合、左右のセグ表示部440には、対応する遊技機1の遊技に関する情報であって、遊技者に優先的に報知すべき情報(遊技者にとって重要性の高い情報)を表示させるようにすると好適である。一方、液晶表示部430は覆い隠されて視認できない状態であるため、液晶表示部430に情報を表示させる必要はない。
図48(2)には、対応する遊技機1で遊技する遊技者が所有する持玉数に対応する数値情報が左右のセグ表示部440に表示された例を示している。具体的には、持玉数の下位3桁の数値が左セグ表示部440Bに表示され、持玉数の上位2桁の数値が右セグ表示部440Aに表示された例を示している。この表示パターンは、左右のセグ表示部440で連係した表示を行うセグ連係表示パターンである。但し、液晶表示部430とセグ表示部440とでは表示が独立しているため、液晶表示部430とセグ表示部440との関係では、液晶セグ独立表示パターンである。
図48(3)は、開閉態様Cに対応する表示態様の一例を示す図である。
開閉態様Cは、右扉部403Aが「0度」とされ、左扉部403Bが「90度」とされた状態であるため、液晶表示部430のうち、正面向かって左半分の領域が右扉部403Aによって覆い隠され、正面向かって右半分の領域が露呈された状態となる。この場合、右セグ表示部440A及び液晶表示部430の露呈された領域には、対応する遊技機1の遊技に関する情報であって、遊技者に優先的に報知すべき情報(遊技者にとって重要性の高い情報)を表示させるようにすると好適である。一方、左セグ表示部440Bは遊技者からは視認できないが、周囲の遊技客は視認可能であるため、対応する遊技機1の遊技に関する情報であって、右セグ表示部440A及び液晶表示部430に表示させる情報とは異なる情報(遊技者にとって重要性の低い情報)や宣伝効果・アピール効果を高める情報を表示させるようにすると好適である。
図48(3)には、対応する遊技機1で遊技する遊技者が所有する持玉数に対応する数値情報が右セグ表示部440A及び液晶表示部430に表示された例を示している。具体的には、持玉数の下位2桁の数値が液晶表示部430に表示され、持玉数の上位3桁の数値が右セグ表示部440Aに表示された例を示している。この表示パターンは、液晶表示部430と右セグ表示部440Aとで連係した表示を行う液晶セグ連係表示パターンである。
図48(4)は、開閉態様Dに対応する表示態様の一例を示す図である。
開閉態様Dは、右扉部403Aが「90度」とされ、左扉部403Bが「0度」とされた状態であるため、液晶表示部430のうち、正面向かって右半分の領域が左扉部403Bによって覆い隠され、正面向かって左半分の領域が露呈された状態となる。この場合、左セグ表示部440B及び液晶表示部430の露呈された領域には、対応する遊技機1の遊技に関する情報であって、遊技者に優先的に報知すべき情報(遊技者にとって重要性の高い情報)を表示させるようにすると好適である。一方、右セグ表示部440Aは遊技者からは視認できないが、周囲の遊技客は視認可能であるため、対応する遊技機1の遊技に関する情報であって、左セグ表示部440B及び液晶表示部430に表示させる情報とは異なる情報(遊技者にとって重要性の低い情報)や宣伝効果・アピール効果を高める情報を表示させるようにすると好適である。
図48(4)には、対応する遊技機1で遊技する遊技者が所有する持玉数に対応する数値情報が左セグ表示部440B及び液晶表示部430に表示された例を示している。具体的には、持玉数の下位3桁の数値が左セグ表示部440Bに表示され、持玉数の上位2桁の数値が液晶表示部430に表示された例を示している。この表示パターンは、液晶表示部430と左セグ表示部440Bとで連係した表示を行う液晶セグ連係表示パターンである。
図49は、セグ表示部440に着脱可能に構成された覆体の一例を示す図である。
セグ表示部440は、該セグ表示部440の全体を覆う透明なプラスチック蓋447を着脱可能に構成されている。セグ表示部440の表示面は、扉部403を開いた状態でその筐体面よりも突出する(右側の扉部403であれば右側に突出し、左側の扉部403であれば左側に突出する)ように設けられており、セグ表示部440の筐体面とセグ表示部440の表示面との間の段差を形成する外向き嵌合段部441が設けられている。
この図に示すプラスチック蓋447は、底板442の外周端縁に周壁443を突設した蓋部材であり、透光性を有するプラスチック材料によって底板442と周壁443とが一体に成形されたトレイ形状を有している。この底板442の周壁443が突設された側の表面と周壁443の端面(トレイ形状の縁面)との間の段差を形成する内向き嵌合段部444が設けられており、内向き嵌合段部444が外向き嵌合段部441と嵌合されることによって、内向き嵌合段部444の内面が外向き嵌合段部441の外面に係合した状態となり、プラスチック蓋447とセグ表示部440とが一体化される構成となっている。
また、プラスチック蓋447の底板442と周壁443によって形成される凹部には、各種の情報を遊技客に報知するためのPOP広告445を入れ込むことが可能に構成されている。POP広告445には、例えば、遊技機1が設置された店舗の営業に関する情報や、店舗で行われるイベントに関する情報を掲載することができる。
この図では、POP広告445の一例として、当日がイベントデーの1つであるレディースデーであることを示すPOP広告445を示している。プラスチック蓋447の凹部にこのPOP広告445を入れ込んだ状態で、その内向き嵌合段部444を扉部403の外向き嵌合段部441と嵌合させると、POP広告445は底板442とセグ表示部440の表示面との間に挟まれることにより支持され、セグ表示部440の表示画面を覆い隠すようになる。
また、プラスチック蓋447は透光性を有するため、入れ込まれたPOP広告445は、底板442を介して外部から遊技客が視認可能である。対応するデータ表示装置400にレディースデーのPOP広告445が掲げられた遊技機1は女性専用台となり、女性のみが遊技をすることができる。
なお、POP広告は上記のイベントデーを告知するものに限らず、例えば、データ表示装置400が対応して設置された遊技機1が新台であることを示す新台情報や、該遊技機1が4円パチンコや2円パチンコ、1円パチンコであることを示す情報、該遊技機1の機種名を示す情報といった各種の情報を掲載することが可能である。
このようにセグ表示部440にプラスチック蓋447を取り付け可能とすることで、遊技者以外の遊技客向けの情報を遊技者が視認してしまうことを防止できる。また、POP広告を介在させてプラスチック蓋447を取り付けることで、周囲の遊技客は、店舗や遊技機1に関する情報を確認することができる。また、このようにPOP広告等によってセグ表示部440を覆うことにより、セグ表示部440に潜伏確変状態であることが表示されるような場合など、その表示を遊技者にも遊技者以外の遊技客にも見せたくないような場合に、セグ表示部440の表示自体を視認できないようにすることができる。
ここで、仮にセグ表示部440に潜伏確変状態であることを表示させないように設定するためには、ホールコンピュータ600あるいは各データ表示装置400側で、セグ表示部440に潜伏確変状態であることを表示させないようにするための設定処理を行うことが必要となる。これに対して、セグ表示部440をPOP広告等の覆体により覆うことにより、このような設定処理を要せず、仮にセグ表示部440に潜伏確変状態であることが表示される場合であっても、これを遊技者及び遊技者以外の遊技客に視認させないようにすることができる。
また、例えばレディースデー等のイベント日において、イベントの対象となる遊技者(例えば女性客)に対してのみ、POP広告等を外してセグ表示部440を視認可能とする運用を行うようにしてもよい。さらに、このようなイベントの対象となる遊技者(例えば女性客)が遊技を行う場合には、POP広告等を外した上で扉部403を内側に折り畳んだ状態(前述した第2状態)としてセグ表示部440を遊技者から視認可能とした上で、そのセグ表示部440には、潜伏確変状態の表示を行うようにしてもよい。これによれば、イベント対象者等の特定の遊技者のみが、セグ表示部440の表示内容を視認することができるようになる。
なお、図49ではデータ表示装置400のセグ表示部440を覆う覆体としてプラスチック蓋447を例示したが、覆体はこれに限られるわけではない。覆体を蓋とするのであれば、プラスチック蓋447に限らず、ガラスの蓋や木製の蓋としてもよい。また、蓋以外の覆体として、セグ表示部440を囲う庇体を本発明に係る覆体としてもよい。庇体は、例えば、付色されたプラスチック製やビニール製、木製の庇体とすることができる。
図50は、この場合における庇体の一例を示す図である。
セグ表示部440が形成された扉部403には、その全体を囲うように庇体448が着脱可能に構成されている。具体的には、扉部403のうちヒンジ部405の接着面以外の面を囲うように正面視コの字型に成形された庇体448が扉部403に取り付け可能に構成されている。このような庇体448を扉部403に取り付けることで、遊技機で遊技している遊技者からセグ表示部440がより一層視認できない状態を作り出すことができる。
なお、庇体448は、扉部403の内側の面を囲う底部を備えた底有り構造としてもよいし、底部を備えない底無し構造としてもよい。底有り構造を採用した場合は、庇体448によって扉部403の内側の面も囲われた状態となるため、遊技者からは扉部403の内側の面さえも視認できない状態となり、あたかも遊技者が隔離されたかのような状態を作り出すことができる。
また、上記の覆体は、必ずしもセグ表示部440の全体を覆う覆体である必要はなく、セグ表示部440の一部を覆う覆体してもよい。例えば、セグ表示部440のうちの中央部のみが覆われるような覆体としてもよいし、セグ表示部440の右半分や左半分、上半分、下半分を覆う覆体としてもよい。また、セグ表示部440の周囲を覆う覆体としてもよい。
この場合は、上記の実施形態のデータ表示装置1200の表示部1230に表示させた内容を、データ表示装置400の液晶表示部430に表示させるようにすればよい。また、データ表示装置400のセグ表示部440には、他の情報を表示させるようにすればよい。
[3−3−3.機能構成]
図51は、データ表示装置400の機能構成の一例を示す図である。
データ表示装置400は、処理部410と、操作部420と、液晶表示部430と、セグ表示部440と、扉回動制御部445と、音出力部450と、第1通信部461と、第2通信部462と、第3通信部463と、非接触式通信部464と、近距離無線通信部465と、時計部470と、発光部480と、記憶部490と、電源部495とを備えて構成される。
処理部410は、データ表示装置400が備える各機能部を統括的に制御する制御装置及び演算装置であり、CPUやDSP等のプロセッサやASIC等の集積回路を有して構成される。
操作部420は、遊技者が自装置に対する各種の操作を行うための操作装置であり、例えば、店員を呼び出すための呼出ボタン421と、動作演出を停止させるための動作停止ボタン422と、照射演出を停止させるための発光停止ボタン423と、タッチパネル425とを有して構成される。動作停止ボタン422及び発光停止ボタン423は、遊技者が動作演出や照射演出が煩わしいと感じた場合に、それぞれの演出を停止させるためのボタンである。
なお、上記の他にも、例えば、液晶表示部430に表示されるメニュー画面等において、遊技者が動作演出や照射演出に関する各種の設定変更(演出の実行の有無、演出の態様の調整等)を行うことを可能としてもよい。
液晶表示部430は、液晶ディスプレイを有して構成される表示装置であり、処理部410の制御に従って、各種の情報を液晶表示する。タッチパネル425が液晶表示部430と一体的に構成されることでタッチスクリーンを形成している。
セグ表示部440は、7セグメント表示器等を有して構成される表示装置であり、処理部410の制御に従って、各種の情報をセグ表示する。セグ表示部440は、右セグ表示部440Aと左セグ表示部440Bとを有する。
扉回動制御部445は、セグ表示部440が形成された扉部403を回動させるための制御装置であり、右扉部403Aに接続された駆動装置(ステッピングモータ等)を制御して右扉部403Aを回動させる制御を行う右扉回動制御部445Aと、左扉部403Bに接続された駆動装置(ステッピングモータ等)を制御して左扉部403Bを回動させる制御を行う左扉回動制御部445Bとを有する。
音出力部450は、スピーカ等を有して構成される音出力装置であり、処理部410の制御に従って、各種の音を出力する。音出力部450からは、後述する動作演出において、実行される動作演出の種別に応じた音声や効果音等が音出力される。
第1通信部461は、有線通信モジュール等を有して構成され、対応遊技機1との間で通信を行うための通信装置である。第1通信部461は、対応遊技機1から遊技機信号を受信するとともに、アウト球検出器200からアウト信号を受信する。
第2通信部462は、有線通信モジュール等を有して構成され、対応ユニット500との間で通信を行うための通信装置である。第2通信部462は、対応ユニット500からユニット信号を受信する。
第3通信部463は、有線通信モジュール等を有して構成され、ホールコンピュータ600との間で通信を行うための通信装置である。第3通信部463は、ホールコンピュータ600から管理装置信号や表示装置設定用データ691を受信する。
非接触式通信部464は、利用者が所有する携帯端末250との間で非接触式通信を行うための通信装置である。非接触式通信部464は、データ表示装置400の前面の所定位置(例えば基体部401の下部)に設けられるICリーダ・ライタ(不図示)を有し、
このICリーダ・ライタに携帯端末250が翳されたことを検知することにより、個人遊技履歴情報の記録を開始する情報記録開始操作及び個人遊技履歴情報の記録を終了する情報記録終了操作を受付可能に構成されている。
なお、情報記録開始操作及び情報記録終了操作を非接触式通信によって受け付けるようにするのではなく、これらの操作を受け付けるための受付ボタンを操作部420に構成し、この受付ボタンの押下操作によって、情報記録開始操作及び情報記録終了操作を受け付けるようにしてもよい。また、タッチパネル425と一体的に構成された液晶表示部430に操作を受け付けるための受付アイコンを表示させ、この受付アイコンのタッチ操作によって、情報記録開始操作及び情報記録終了操作を受け付けるようにしてもよい。
近距離無線通信部465は、無線通信モジュール等を有して構成され、店舗の店員が所持する設定用リモコン700との間で近距離無線通信を行うための通信装置である。近距離無線通信部465は、設定用リモコン700から送信される設定信号に基づいて、各種の設定を行うことが可能に構成されている。
時計部470は、RTC(リアルタイムクロック)や電源投入時タイマ等を有して構成されるデータ表示装置400の内部時計であり、計時情報を処理部410に出力する。計時情報には、計時した時間である計時時間と計時した時刻である計時時刻とが含まれる。
発光部480は、LED等を有して構成される発光装置であり、第1表示領域LED部481と、第2表示領域LED部482と、ドライブユニット部483とを有して構成される。
前述したように、第1表示領域LED部481には、第1スポットLED480aと、第2スポットLED480bと、第3スポットLED480cとが含まれる。また、第2表示領域LED部482には、第1アピールLED480dと、第2アピールLED480eとが含まれる。
また、前述したように、ドライブユニット部483には、LEDドライブユニット483aと、モータ駆動ユニット483bとが含まれる。
電源部495は、データ表示装置400が備える各機能部に接続された電源装置であり
データ表示装置400の各機能部に電力を供給する。
記憶部490は、ROMやEEPROM、RAM等のメモリを有して構成される記憶装置であり、処理部410が実行する各種のプログラムや各種のデータを記憶する。記憶部490には、プログラムとして、処理部410によって読み出され、データ表示装置処理として実行されるデータ表示装置処理プログラム491が記憶される。
データ表示装置処理プログラム491は、払出率指標値算出処理として実行される払出率指標値算出プログラム491aと、表示処理として実行される表示処理プログラム491bと、動作演出処理として実行される動作演出プログラム491cと、照射演出処理として実行される照射演出プログラム491dと、個人遊技履歴情報記録処理として実行される個人遊技履歴情報記録プログラム491eとをサブルーチンとして含む。
また、記憶部490には、データとして、演出用データ493と、払出率集計データ495と、個人遊技履歴情報記録用テーブル496と、個人遊技履歴情報記録データ497と、持玉数データ498と、表示装置設定用データ691とが記憶される。
演出用データ493は、データ表示装置400が各種の演出(大当りランニング演出、一斉演出、定期告知演出、動作演出、照射演出等)を実行するための画像(静止画像、動画像等)や音(音声、音楽等)のデータである。
払出率集計データ495は、対応遊技機1における払出率に係る集計値を記憶したデータであり、そのデータ構成は、払出率集計データ1295と同様である。
個人遊技履歴情報記録用テーブル496は、個人遊技履歴情報の記録を行うための条件等が設定されたテーブルであり、そのテーブル構成の一例を図52に示す。
個人遊技履歴情報記録用テーブル496には、記録フラグと、条件と、処理とが対応付けて記憶される。
記録フラグは、条件に対応付けて設定されるフラグであり、「0」〜「6」の値が設定される。
条件は、対応する記録フラグを設定するための条件である。
処理は、対応する記録フラグが設定されている場合に実行する処理である。
具体的に説明する。
記録フラグ「0」には、条件として「記録フラグ1〜6の条件以外」が、処理として「−(無し)」が定められている。
記録フラグ「1」には、条件として「情報記録開始操作あり」が、処理として「個人遊技履歴情報の読み出し&記録フラグ2をセット」が定められている。
記録フラグ「2」には、条件として「情報記録開始準備処理中」が、処理として「準備中画面を表示&記録フラグ3をセット」が定められている。情報記録開始準備処理は、個人遊技履歴の記録を開始するための準備を行う処理であり、データ表示装置400にログインするためのログイン処理がこれに含まれる。情報記録開始準備処理は、完了するまでに一定の時間(例えば10秒程度)を要することとして説明する。
記録フラグ「3」には、条件として「情報記録中」が、処理として「個人遊技履歴情報を更新」が定められている。
記録フラグ「4」には、条件として「情報記録終了操作あり」が、処理として「個人遊技履歴情報の更新を中止&記録フラグ5をセット」が定められている。
記録フラグ「5」には、条件として「情報記録終了準備処理中」が、処理として「準備中画面を表示&記録フラグ6をセット」が定められている。情報記録終了準備処理は、個人遊技履歴の記録を終了するための準備を行う処理であり、データ表示装置400からログアウトするためのログアウト処理がこれに含まれる。情報記録開始準備処理と同様に、情報記録終了準備処理も、完了するまでに一定の時間(例えば10秒程度)を要することとして説明する。
記録フラグ「6」には、条件として「情報記録終了時」が、処理として「個人遊技履歴情報を特定可能な情報を出力&記録フラグ0をセット」が定められている。個人遊技履歴情報を特定可能な情報とは、例えば、携帯端末250からサーバ980にアクセスするためのURL等のアクセス情報のことである。
個人遊技履歴情報データ497は、対応する遊技機1における個人遊技履歴情報を記録したデータであり、個人遊技履歴情報記録プログラム491eに従って実行される個人遊技履歴情報記録処理において処理部410によって随時更新される。
持玉数データ498は、対応する遊技機1で遊技する遊技者が所有する持玉数のデータであり、台間計数ユニット500から出力される玉払出信号及び玉計数信号に基づいて更新される。
表示装置設定用データ691は、ホールコンピュータ600から取得される自装置の設定を行うためのデータである。
[3−4.ホールコンピュータ]
図53は、第2遊技用システム1000Bにおけるホールコンピュータ600のハードディスク680の構成を示す図である。
ハードディスク680には、前述したデータやテーブルの他に、演出設定用テーブル687が記憶される。
演出設定用テーブル687は、データ表示装置400が実行する演出の設定用のテーブルであり、開閉設定用テーブル6871と、動作演出設定用テーブル6872と、照射演出設定用テーブル6873とがこれに含まれる。
図54は、開閉設定用テーブル6871のテーブル構成の一例を示す図である。
開閉設定用テーブル6871には、開閉態様と、右セグ表示部440Aの開閉と、左セグ表示部440Bの開閉とが対応付けて記憶される。開閉態様には、前述した開閉態様A〜Dが記憶され、それぞれの開閉態様に対応する右セグ表示部440A及び左セグ表示部440Bの開閉が記憶される。この開閉設定用テーブル6871は、データ表示装置400の開閉状態の初期設定を行ったり、開閉状態の設定変更を行うために使用される。
図55は、動作演出設定用テーブル6872のテーブル構成の一例を示す図である。
動作演出設定用テーブル6872には、遊技機1のIDである遊技機ID及びその機種名毎に、動作演出設定用データが記憶される。各動作演出設定用データには、遊技機ID及び機種名と紐づけて、演出種別設定用データが記憶される。
演出種別設定用データは、当該遊技機ID及び当該機種名の遊技機1に対応して設けられるデータ表示装置400に実行させる動作演出の種別の設定用データであり、演出種別の番号である演出種別Noと、複数の種別の動作演出について設定された実行条件が同時に成立し、実行対象とする動作演出が競合した場合に、いずれの動作演出を優先的に実行するかの指標値である優先度と、対応する演出種別の内容である演出種別内容と、対応する演出種別を実行する条件である実行条件と、が対応付けて記憶される。図55の一番上の動作演出設定用データでは、演出種別Noとして「0」〜「5」の番号が記憶されている。
具体的に説明する。
演出種別No「0」には、優先度として「−(なし)」が、演出種別内容として「−(なし)」が、実行条件として「−(なし)」がそれぞれ定められている。これは、データ表示装置400に動作演出を実行させない設定であることを意味する。
演出種別No「1」には、優先度として「5」が、演出種別内容として「持玉数動作演出」が、実行条件として「対応する遊技機から確変中信号を受信したこと」がそれぞれ定められている。持玉数動作演出は、対応する遊技機1で遊技する遊技者が所有する持玉数に基づき実行される動作演出であり、対応する遊技機1が確変遊技状態に制御されたことを契機として、データ表示装置400が持玉数動作演出を実行することを意味する。
演出種別No「2」には、優先度として「4」が、演出種別内容として「大当り動作演出」が、実行条件として「対応する遊技機から大当り信号を受信したこと」がそれぞれ定められている。大当り動作演出は、対応する遊技機1における大当りの発生に基づき実行される動作演出であり、対応する遊技機1が大当り遊技状態に制御されたことを契機として、データ表示装置400が大当り動作演出を実行することを意味する。
演出種別No「3」には、優先度として「3」が、演出種別内容として「カウントダウン動作演出」が、実行条件として「計時時刻がカウントダウン開始時刻となったこと」がそれぞれ定められている。カウントダウン動作演出は、特定事象が発生するまでの時間をカウントダウンによって遊技者に報知する動作演出である。
ここで、カウントダウン動作演出の対象とする特定事象としては、例えば、一斉動作演出の開始や店舗の閉店といった事象として定めておくことができる。具体的には、次に一斉動作演出が開始されるまでの時間や店舗の閉店時刻までの残り時間をカウントダウンによって遊技者に報知するようにすることができる。
また、店舗によっては、いわゆる定量制を適用して遊技を行わせる店舗が存在する。定量制とは、遊技者が遊技機で遊技を行うことで獲得した遊技価値(パチンコ遊技機では獲得玉数、スロットマシンでは獲得メダル数)が定量上限値に達した場合に、継続した遊技を制限する運用のことを意味する。また、この場合における遊技を制限する運用とは、遊技機の遊技状態が遊技者にとって有利な有利状態であってもそれらの状態をリセットし、打ち止めとする運用のことを意味する。そこで、本実施形態の遊技機1での遊技に定量制を適用することとし、打ち止めの発生を特定事象として、対応する遊技機1での遊技において打ち止めとなるまでの残り玉数(打ち止めまでに遊技者が獲得可能な玉数)をカウントダウン動作演出によって遊技者に報知するようにしてもよい。
また、上記の定量制を適用する店舗においては、定量制の運用方法として、定量制を開放する時間帯を設定して遊技者に遊技を行わせる運用を適用することが考えられる。そこで、定量制の開放や定量制の解除を特定事象とし、定量制が開放されるまでの残り時間や定量制が解除されるまでの残り時間をカウントダウン動作演出によって遊技者に報知するようにしてもよい。
演出種別No「4」には、優先度として「2」が、演出種別内容として「ランニング動作演出」が、実行条件として「ホールコンピュータからランニング演出信号を受信したこと」がそれぞれ定められている。ランニング動作演出は、同じ機種名の遊技機1のうちのいずれかの遊技機1において「777」の図柄で大当りに当選することや連荘数が規定数(10連、20連、30連等)となる大当りに当選したことといった特定の大当りに当選したことに基づき実行される動作演出であり、ホールコンピュータ600からランニング動作演出の実行が指示されたことを契機として、データ表示装置400がランニング動作演出を実行することを意味する。
演出種別No「5」には、優先度として「1」が、演出種別内容として「一斉動作演出」が、実行条件として「計時時刻が一斉演出開始時刻となったこと」がそれぞれ定められている。一斉動作演出は、同じ機種名の遊技機1に対応するデータ表示装置400において一斉に実行される動作演出であり、時計部470の計時時刻が一斉演出開始時刻となったことを契機として、データ表示装置400が一斉動作演出を実行することを意味する。
また、動作演出設定用データには、上記の演出種別設定用データに定められた各演出種別の動作演出に対応するデータが記憶される。図55の一番上の動作演出設定用データでは、演出種別設定用データの演出種別No「1」〜「5」の演出種別の動作演出それぞれに対応するデータとして、持玉数動作演出設定用データと、大当り動作演出設定用データと、カウンダウン動作演出設定用データと、ランニング動作演出設定用データと、一斉動作演出設定用データとが記憶される。
図56は、上記の各動作演出設定用データの一例を示す図である。
図56(1)は、持玉数動作演出設定用データの一例を示す図であり、開閉順序と、連荘数と、開閉態様と、各表示部(右セグ表示部、液晶表示部、左セグ表示部)の表示態様とが対応付けて定められている。
開閉順序は、データ表示装置400の左右の扉部403を開閉させる順序である。
連荘数は、遊技機1において通常状態から確変遊技状態に移行する契機となる確変大当りを1回目として、その後に移行される確変遊技状態において確変大当りに当選した回数の合計数(連続して確変大当りに当選した回数)である。
開閉態様は、開閉態様設定用テーブル6871に定められたデータ表示装置400の扉部403の開閉態様A〜Dである。
各表示部の表示態様は、データ表示装置右セグ表示部、液晶表示部、左セグ表示部それぞれに持玉数を表示させる際の態様である。
具体的に説明する。
開閉順序には「1」〜「5」の5番目までの順序が定められている。
開閉順序「1」には、連荘数「1連〜3連」が、開閉態様「A」が、右セグ表示部「持玉数全桁」が、液晶表示部「持玉数全桁」が、左セグ表示部「持玉数全桁」がそれぞれ定められている。
開閉順序「2」には、連荘数「4連〜6連」が、開閉態様「B」が、右セグ表示部「持玉数残り桁」が、液晶表示部「−(なし)」が、左セグ表示部「持玉数下3桁まで」がそれぞれ定められている。
開閉順序「3」には、連荘数「7連〜9連」が、開閉態様「C」が、右セグ表示部「持玉数残り桁」が、液晶表示部「持玉数下2桁まで」が、左セグ表示部「持玉数全桁」がそれぞれ定められている。
開閉順序「4」には、連荘数「10連〜19連」が、開閉態様「D」が、右セグ表示部「持玉数全桁」が、液晶表示部「持玉数残り桁」が、左セグ表示部「持玉数下3桁まで」がそれぞれ定められている。
開閉順序「5」には、連荘数「20連以上」が、開閉態様「A」が、右セグ表示部「持玉数全桁」が、液晶表示部「持玉数全桁」が、左セグ表示部「持玉数全桁」がそれぞれ定められている。
上記の持玉数動作演出設定用データには、対応する遊技機1における連荘数に応じて、データ表示装置400が扉部403の開閉態様を5段階に変化させる動作演出を実行することが定められている。連荘数は、対応する遊技機1から出力される大当り信号及び確変中信号に基づいて判定することができる。
図56(2)は、大当り動作演出設定用データの一例を示す図であり、開閉順序と、大当りラウンドと、開閉態様と、各表示部(右セグ表示部、液晶表示部、左セグ表示部)の表示態様とが対応付けて定められている。大当りラウンドは、対応する遊技機1の大当り遊技状態におけるラウンド(R)である。
具体的に説明する。
開閉順序には「1」〜「5」の5番目までの順序が定められている。
開閉順序「1」には、大当りラウンド「1R〜3R」が、開閉態様「A」が、右セグ表示部「確変大当り回数全桁」が、液晶表示部「大当り回数(総合、確変、通常)全桁」が、左セグ表示部「通常大当り回数全桁」がそれぞれ定められている。
開閉順序「2」には、大当りラウンド「4R〜6R」が、開閉態様「D」が、右セグ表示部「確変大当り回数全桁」が、液晶表示部「総合大当り回数残り桁」が、左セグ表示部「総合大当り回数下1桁まで」がそれぞれ定められている。
開閉順序「3」には、大当りラウンド「7R〜9R」が、開閉態様「B」が、右セグ表示部「確変大当り回数全桁」が、液晶表示部「−(なし)」が、左セグ表示部「通常大当り回数全桁」がそれぞれ定められている。
開閉順序「4」には、大当りラウンド「10R〜12R」が、開閉態様「C」が、右セグ表示部「総合大当り回数残り桁」が、液晶表示部「総合大当り回数下1桁まで」が、左セグ表示部「通常大当り回数全桁」がそれぞれ定められている。
開閉順序「5」には、大当りラウンド「13R〜15R」が、開閉態様「A」が、右セグ表示部「確変大当り回数全桁」が、液晶表示部「大当り回数(総合、確変、通常)全桁」が、左セグ表示部「通常大当り回数全桁」がそれぞれ定められている。
上記の大当り動作演出設定用データには、対応する遊技機1の大当り遊技状態における大当りラウンドに応じて、データ表示装置400が扉部403の開閉態様を5段階に変化させる動作演出を実行することが定められている。大当りラウンドは、対応する遊技機1から出力される大当り信号及び賞球信号に基づいて判定することができる。例えば、大当り遊技状態の1ラウンド当たり、大入賞口が10回開放され、大入賞口1回の開放につき、入賞により15球の遊技球が賞球されるとする。この場合、1ラウンド当たりの合計賞球数は150球となるため、遊技機1から賞球信号が10球につき1パルスの信号が出力されるとすると、大当り信号を受信している間に賞球信号を10回受信すると、1ラウンドが終了したと判定することができる。
図56(3)は、カウントダウン動作演出設定用データの一例を示す図であり、開閉順序と、残りカウント数と、開閉態様と、各表示部(右セグ表示部、液晶表示部、左セグ表示部)の表示態様とが対応付けて定められている。残りカウント数は、特定事象が発生するまでの残り時間(例えば秒)である。
具体的に説明する。
開閉順序には「1」〜「5」の5番目までの順序が定められている。
開閉順序「1」には、残りカウント数「999〜800」が、開閉態様「A」が、右セグ表示部「カウント数全桁」が、液晶表示部「カウント数全桁」が、左セグ表示部「カウント数全桁」がそれぞれ定められている。
開閉順序「2」には、残りカウント数「799〜600」が、開閉態様「B」が、右セグ表示部「カウント数全桁」が、液晶表示部「−(なし)」が、左セグ表示部「カウント数全桁」がそれぞれ定められている。
開閉順序「3」には、残りカウント数「599〜400」が、開閉態様「C」が、右セグ表示部「カウント数残り桁」が、液晶表示部「カウント数下2桁」が、左セグ表示部「カウント数全桁」がそれぞれ定められている。
開閉順序「4」には、残りカウント数「399〜200」が、開閉態様「D」が、右セグ表示部「カウント数全桁」が、液晶表示部「−(なし)」が、左セグ表示部「カウント数全桁」がそれぞれ定められている。
開閉順序「5」には、残りカウント数「199〜0」が、開閉態様「A」が、右セグ表示部「カウント数全桁」が、液晶表示部「カウント数全桁」が、左セグ表示部「カウント数全桁」がそれぞれ定められている。
上記のカウントダウン動作演出設定用データには、イベント発生までの残りカウント数に応じて、データ表示装置400が扉部403の開閉態様を5段階に変化させる動作演出を実行することが定められている。残りカウント数は、データ表示装置400が備える時計部470から出力される計時時間に基づいて判定することができる。
図56(4)は、ランニング動作演出設定用データの一例を示す図であり、基準/伝播と、基準時刻からの伝播オフセットと、符号(自台番号−基準台番号)と、|自台番号−基準台番号|と、開閉態様とが対応付けて定められている。
基準/伝播は、当該データ表示装置400の基準/伝播の種別である。種別「基準」は、ランニング動作演出を実行する契機とされる遊技機1(大当りが発生した遊技機1)に対応するデータ表示装置400であり、種別「伝播」は、基準となるデータ表示装置400から伝播してランニング動作演出を実行することとなるデータ表示装置400である。
基準時刻からの伝播オフセットは、種別「基準」のデータ表示装置400がランニング動作演出の実行を開始した時刻を基準時刻として、種別「伝播」のデータ表示装置400がランニング動作演出の実行を開始するまでの時間である。
符号(自台番号−基準台番号)は、自データ表示装置400が設置された台番号である自台番号から基準となるデータ表示装置400が設置された台番号である基準台番号を減算した値の正負の符号である。
|自台番号−基準台番号|は、自台番号から基準台番号を減算した値の絶対値である。
開閉態様は、データ表示装置400における扉部403の開閉態様である。
具体的に説明する。
基準/伝播「基準」には、基準時刻からの伝播オフセット「0秒」が、正負「−(なし)」が、自台番号−基準台番号「−(なし)」が、開閉遷移「(設定A)」がそれぞれ定められている。
基準/伝播「伝播」には、基準時刻からの伝播オフセット「|自台番号−基準台番号|×3秒」が定められ、符号には「正」、「負」がそれぞれ定められている。符号「正」、「負」には、|自台番号−基準台番号|の値に応じた開閉遷移の設定((設定B)・・・)がそれぞれ定められている。
上記のランニング動作演出設定用データには、大当りが発生した台番号のデータ表示装置400を基準として、隣接する台番号のデータ表示装置400に時間差(オフセット)を設けて、動作演出を順次に伝播させていくことが定められている。大当りが発生した場合には、ホールコンピュータ600から基準台番号のデータ表示装置400に対してはランニング動作演出の実行を指示する基準ランニング動作演出信号を出力し、基準台番号以外(伝播台番号)のデータ表示装置400に対しては基準台番号及び基準時刻を含む伝播ランニング動作演出信号を出力するようにすることで、基準台番号以外(伝播台番号)のデータ表示装置400は、大当りが発生した遊技機1の台番号及び大当りの発生時刻を把握することができる。
そして、データ表示装置400は、自装置に対応する基準時刻からの伝播オフセットを算出し、時計部470から出力される計時時間に基づいて、基準時刻から伝播オフセット分の時間が経過したと判定した場合に、ランニング動作演出の実行を開始する。なお、括弧書きで示した設定(設定A、設定B、・・・)には、どのような開閉遷移でランニング動作演出を伝播させるかに応じて、各台番号のデータ表示装置400に対して任意の開閉態様を設定することができる。
図56(5)は、一斉動作演出設定用データの一例を示す図であり、開閉順序と、開閉オフセットと、開閉態様と、各表示部(右セグ表示部、液晶表示部、左セグ表示部)の表示態様とが対応付けて定められている。開閉オフセットは、次の開閉順序の開閉態様で扉部403を開閉させるまでの時間(例えば秒)である。
具体的に説明する。
開閉順序には「1」〜「5」の5番目までの順序が定められている。
開閉順序「1」には、開閉オフセット「0秒」が、開閉態様「A」が、右セグ表示部「−(なし)」が、液晶表示部「(設定a)」が、左セグ表示部「−(なし)」がそれぞれ定められている。
開閉順序「2」には、開閉オフセット「10秒」が、開閉態様「B」が、右セグ表示部「(設定b)」が、液晶表示部「−(なし)」が、左セグ表示部「(設定c)」がそれぞれ定められている。
開閉順序「3」には、開閉オフセット「20秒」が、開閉態様「C」が、右セグ表示部「(設定d)」が、液晶表示部「(設定e)」が、左セグ表示部「(設定f)」がそれぞれ定められている。
開閉順序「4」には、開閉オフセット「30秒」が、開閉態様「D」が、右セグ表示部「(設定g)」が、液晶表示部「(設定h)」が、左セグ表示部「(設定i)」がそれぞれ定められている。
開閉順序「5」には、開閉オフセット「40秒」が、開閉態様「A」が、右セグ表示部「−(なし)」が、液晶表示部「(設定j)」が、左セグ表示部「−(なし)」がそれぞれ定められている。
上記の一斉動作演出設定用データには、一斉動作演出の実行条件に応じて、データ表示装置400が扉部403の開閉態様を5段階に変化させる動作演出を実行することが定められている。開閉オフセットは、データ表示装置400が備える時計部470から出力される計時時間に基づいて判定することができる。なお、括弧書きで示した設定(設定a、設定b、・・・)には、実行する一斉動作演出の種類に応じた任意の表示態様を設定することができる。
上記の各種の設定用データに定められた動作演出では、データ表示装置400の扉部403を開閉させて液晶表示部430やセグ表示部440に対応する情報を表示させる他に、音出力部450から音声や効果音を音出力させるように設定することができる。例えば、持玉数動作演出や大当り動作演出では、連荘数や大当りラウンドが増加するほど、より大きな効果音を出力させるようにしたり、カウントダウン動作演出では、残りカウント数が少なくなるほど、特定事象の発生までの時間がより近づいていることを報知する音声を出力させるなどする設定を行うようにすればよい。
上記の動作演出に関する設定を、対応する遊技機の機種単位や遊技島単位で行うことで、同じ機種や同じ遊技島の遊技機に対応するデータ表示装置400間で統一感・一体感のある動作演出を実現させることが可能となり、演出による盛り上げの効果を生じさせることができる。この効果は、特に上記のランニング動作演出や一斉動作演出において顕著となる。
また、動作演出の実行の有無を店舗側で設定可能とすることで、遊技機の機種や特性に応じた動作演出をデータ表示装置400に実行させることができる。例えば、通常の確変機とST機とで、対応するデータ表示装置400に実行させる動作演出の種別を異ならせたり、マックスタイプとミドルタイプと甘デジタイプの遊技機とで、対応するデータ表示装置400に実行させる動作演出の種別を異ならせるなどの設定を行うことができる。また、一斉演出が実行される機種の遊技機に対応するデータ表示装置400については、演出が競合することを防止するため、ランニング動作演出や一斉動作演出を実行しないようにするなどの設定を行うことができる。
遊技機をスロットマシンとする場合も同様である。
なお、上記の各種の動作演出設定用データは、あくまでも動作演出に関する設定用データのいくつかの例に過ぎず、これらの動作演出設定用データの他にも、種々の動作演出設定用データを定めておくことが可能である。例えば、上記の他にも、大当りが発生した遊技機1に対応するデータ表示装置400の液晶表示部430及びセグ表示部440に、大当り図柄(333、777等)を表示させて動作演出を実行させるための動作演出設定用データを定めておくなどしてもよい。
図57は、照射演出設定用テーブル6873のテーブル構成の一例を示す図である。
照射演出設定用テーブル6873には、遊技機1のIDである遊技機ID及びその機種名と対応付けて、当該遊技機1に対応して設けられるデータ表示装置400の発光部480の発光態様を設定するための発光態様設定用データと、当該データ表示装置400の発光部480のモータの駆動態様を設定するモータ駆動設定用データとが記憶される。
発光態様設定用データには、ホールコンピュータ600等を介して指示される照射演出の「モード」と、対応する遊技機1の大当りの種別である「大当り種別」と、遊技機1が高確率状態(確率変動状態)であるか否かを示す「確変」と、遊技機1が高ベース状態であるか否かを示す「高ベース」と、遊技機1が潜伏確変状態であるか否かを示す「潜伏」と、データ表示装置400が備える発光部480の発光態様と、発光フラグとが対応付けて記憶されている。
モータ駆動設定用データには、ホールコンピュータ600等を介して指示される「モード」と、遊技機1の高確率状態における大当りの連続回数(連荘数)を示す「大当り連荘数」と、データ表示装置400が備える発光部480に含まれるモータの駆動態様と、駆動フラグとが対応付けて記憶されている。
ここで、大当り連荘数は、データ表示装置400が、対応する遊技機1から時短中信号や確変中信号が出力されている状態で、大当り信号を受信した回数に基づいて判定することができる。
なお、本実施形態とは異なるが、遊技機1から出力させる信号に大当り連荘中であることを示す連荘中信号を含めることとし、この連荘中信号を受信している間に大当りが発生した回数に基づいて、大当り連荘数を判定するようにしてもよい。
発光態様設定用データについて具体的に説明する。
「モード」には、通常時であることを示す「通常モード」と、照射演出を目的とした「演出モード」と、防犯を目的とした「防犯モード」と、装置のメンテナンスを目的とした「メンテナンスモード」とが含まれ、ホールコンピュータ600から出力されるモード指示信号や、設定用リモコン700から送信されるモード指示信号に応じて、データ表示装置400がこれらのモードを変更可能に構成されている。
「大当り種別」には、対応する遊技機1の遊技状態が通常状態であることを示す「−(なし)」と、対応する遊技機1の遊技状態が非有利状態中であることを示す「非大当り」と、対応する遊技機1の遊技状態が突確大当り(「2R確変大当り」ともいう。)であることを示す「突確」と、対応する遊技機1の遊技状態が大入賞口の開放サイクルであるラウンド遊技の実行回数が5回となる大当りであることを示す「5R」と、対応する遊技機1の遊技状態が大入賞口の開放サイクルであるラウンド遊技の実行回数が15回となる大当りであることを示す「15R」とが含まれる。
ここで、大当り種別は、データ表示装置400が、対応する遊技機1から出力される遊技機信号に基づいて判定することができる。この場合、対応する遊技機1からは、突確大当り(2R確変大当り)や5R大当り、15R大当りといった大当り種別を特定可能な信号を遊技機信号に含めて外部出力するように構成し、これらの遊技機信号に基づいて、データ表示装置400が大当り種別を判定するようにすればよい。
具体的には、データ表示装置400は、対応する遊技機1から大当り信号、確変中信号及び時短中信号のいずれも入力していなければ、大当り種別「−」(つまり通常状態)と判定することができ、大当り信号を入力しておらず、確変中信号及び時短中信号のうちの少なくともいずれかの信号を入力した場合には、大当り種別「非当り」と判定することができる。また、突確大当り(2R確変大当り)を示す大当り信号を入力した場合には、大当り種別「突確」と判定することができ、5R大当りを示す大当り信号を入力した場合には、大当り種別「5R」と判定することができ、15R大当りを示す大当り信号を入力した場合には、大当り種別「15R」と判定することができる。
「確変」は、対応する遊技機1が確率変動状態であるか否かを示すフラグである。「○」は確率変動状態を示し、「×」は非確率変動状態を示す。この発光態様設定用データの「確変」では、突確と潜確とは、非確率変動状態を示す「×」としている。データ表示装置400は、対応する遊技機1から確変中信号及び時短中信号を入力した場合に「確変」と判定することができる。
「高ベース」は、対応する遊技機1が高ベース状態であるか否かを示すフラグである。「○」は高ベース状態を示し、「×」は低ベース状態を示している。データ表示装置400は、対応する遊技機1から時短中信号は入力したが確変中信号を入力しなかった場合に「高ベース」と判定することができる。
「潜伏」は、対応する遊技機1が潜伏確変状態であるか否かを示す。「○」は潜伏確変状態を示し、「×」は非潜伏確変状態を示している。潜伏確変状態とは、確変に当選した場合でも、高確率状態であることを遊技者に明確に告知せず、高確率状態においては第2始動入賞口(電チュー)といった電動役物によるサポートも行わない確変であるという点で、突確とは異なる確変である。本実施形態の発光態様設定用データの「潜伏」では、潜伏確変状態の場合に限り「○」とする。データ表示装置400は、対応する遊技機1から確変中信号は入力したが時短中信号を入力しなかった場合に「潜伏」と判定することができる。
「第1表示領域」には、第1スポットLED480aと、第2スポットLED480bと、第3スポットLED480cとが含まれ、これらのスポットLEDの発光態様がそれぞれ設定される。発光態様には、「点灯(大)」と、「点灯(小)」と「消灯」とがあり、前述した「モード」、「大当り種別」、「確変」、「高ベース」、「潜伏」とに対応付けて設定される。
点灯は、LEDがON状態となっていることを示し、消灯は、LEDがOFF状態となっていることを示す。点灯(大)は、例えば、1000ルーメン(lm)程の光量を示し、点灯(小)は、例えば、300ルーメン(lm)程の光量を示す。つまり、点灯(大)の場合は、点灯(小)と比較して、照射される光が明るいということとなる。この場合の光量とは、例えば、光度(単位:カンデラ)、照度(単位:ルクス)、輝度(単位:カンデラ毎平方メートル)、消費電力(単位:ワット)などに置き換えることが可能である。
「第2表示領域」には、第1アピールLED480dと、第2アピールLED480eとが含まれ、これらのスポットLEDの発光態様がそれぞれ設定される。発光態様には、「第1表示領域」と同様に、「点灯(大)」と、「点灯(小)」と「消灯」とがあり、前述した「モード」、「大当り種別」、「確変」、「高ベース」、「潜伏」とに対応付けて設定される。
「発光フラグ」には、前述した「第1表示領域」における第1〜第3スポットLED480a〜480cの発光態様と、「第2表示領域」における第1、第2アピールLED480d、480eとを対応付けてフラグが設定される。本実施形態の発光態様設定データの発光フラグには、「1」〜「11」の値が設定される。
発光態様設定用データの発光フラグの対応付けの一例について説明する。ただし、以下説明する発光フラグの対応付けはあくまでも一例に過ぎず、適宜設定変更可能であることは勿論である。
(1)通常状態
モードが「通常モード」、大当り種別が「−(なし)」、確変が「×」、高ベースが「×」、潜伏が「×」である場合は、第1スポットLED480aが点灯(小)となり、その他のスポットLED及び各アピールLEDは消灯となり、発光フラグとして「1」が設定される。これにより、遊技者は、煩わしさを抱くことなく遊技を行うことができる。
(2)確変状態
モードが「演出モード」、大当り種別が「非当り」、確変が「○」、高ベースが「×」、潜伏が「×」である場合は、第1スポットLED480aと第2スポットLED480bとが点灯(小)となり、第3スポットLED480cが消灯となる。また、第1アピールLED480dは点灯(小)となり、第2アピールLED480eは消灯となり、発光フラグとして「2」が設定される。つまり、遊技者は、煩わしさを抱くことなく遊技を行うことができるが、第1スポットライトと第2スポットライトとが点灯(小)となることで、通常状態とは異なる演出となるため、遊技者は優越感を抱くことができる。さらに、第1アピールライトが点灯(小)となることで、対応する遊技機1の周囲の遊技客にも、通常状態とは異なることをアピールすることができるため、対応する遊技機1で遊技する遊技者に注目させることができる。
(3)確変状態及び高ベース状態
モードが「演出モード」、大当り種別が「非当り」、確変が「○」、高ベースが「○」、潜伏が「×」である場合は、第1スポットLED480aと第2スポットLED480bとが点灯(小)となり、第3スポットLED480cが消灯となる。また、第1アピールLED480dと第2アピールLED480eとは点灯(小)となり、発光フラグとして「3」が設定される。つまり、遊技者は、煩わしさを抱くことなく遊技を行うことができるが、第1スポットライトと第2スポットライトとが点灯(小)となることで、通常状態とは異なる演出となるため、優越感を抱くことができる。さらに、第1アピールライトと第2アピールライトとが点灯(小)となることで、対応する遊技機1の周囲の遊技客にも、通常状態とは異なることをアピールすることができるため、対応する遊技機1で遊技する遊技者に注目させることができる。
(4)高ベース状態
モードが「演出モード」、大当り種別が「非当り」、確変が「×」、高ベースが「○」、潜伏が「×」である場合は、第1スポットLED480aと第2スポットLED480bとが点灯(小)となり、第3スポットLED480cが消灯となる。また、第1アピールLED480dと第2アピールLED480eとは消灯となり、発光フラグとして「4」が設定される。つまり、遊技者は、煩わしさを抱くことなく遊技を行うことができるが、第1スポットライトと第2スポットライトとが点灯(小)となることで、通常状態とは異なる演出となるため、優越感を抱くことができる。
なお、本実施形態では、高ベース状態のみの場合には、アピールLEDを点灯しないものとする。これにより、対応する遊技機1の近くで遊技している遊技者は、当該遊技機1を気にせず遊技を行うことができる。
(5)高ベース状態及び潜伏確変状態
モードが「演出モード」、大当り種別が「非当り」、確変が「×」、高ベースが「○」、潜伏が「○」である場合は、第1スポットLED480aと第2スポットLED480bとが点灯(小)となり、第3スポットLED480cが消灯となる。また、第1アピールLED480dと第2アピールLED480eとは点灯(小)となり、発光フラグとして「3」が設定される。つまり、遊技者は、煩わしさを抱くことなく遊技を行うことができるが、第1スポットライトと第2スポットライトとが点灯(小)となることで、通常状態とは異なる演出となるため、優越感を抱くことができる。さらに、第1アピールLED480dと第アピールLEDとが点灯(小)となるため、発光態様は、「確変状態及び高ベース状態」と同一である。つまり、対応する遊技機1で遊技を行っている遊技者は、遊技状態が高ベース状態であることを把握することはできるが、潜伏確変状態について遊技者に明確に告知しないため把握することができない。しかし、対応する遊技機1の周囲の遊技客は、アピールライトの存在により、当該遊技機1が潜伏確変状態であることを知ることができる。
(6)潜伏確変状態
モードが「演出モード」、大当り種別が「非当り」、確変が「×」、高ベースが「×」、潜伏が「○」である場合は、第1スポットLED480aが点灯(小)となり、第2スポットLED480bと第3スポットLED480cとは消灯となる。また、第1アピールLED480dと第2アピールLED480eとは点灯(小)となり、発光フラグとして「5」が設定される。つまり、遊技者は、煩わしさを抱くことなく遊技を行うことができる。さらに、第1アピールライトと第2アピールライトとが点灯(小)となることで、対応する遊技機1の周囲の遊技客に、通常状態とは異なることをアピールすることができる。つまり、対応する遊技機1で遊技を行っている遊技者は、「通常状態」と同様に遊技を行っていることに対して、周りの遊技者等は、対応する遊技機1の遊技状態が通常状態とは異なることを把握することができる。
(7)突確大当り
モードが「演出モード」、大当り種別が「突確」で有る場合は、第1スポットLED480aと第2スポットLED480bとが点灯(大)となり、第3スポットLED480cが消灯となる、また、第1アピールLED480dと第2アピールLED480eとは点灯(小)となり、発光フラグとして「6」が設定される。つまり、遊技者は、第1スポットLED480aと第2スポットLED480bとが点灯(大)となることから、高揚感を抱きながら遊技を行うことができる。さらに、第1アピールLED480dと第2アピールLED480eとが点灯(小)となることで、対応する遊技機1の周囲の遊技客に対して、通常状態とは異なることをアピールすることとなる。対応する遊技機1の周囲の遊技者等は、通常状態と異なることを把握することができるため、当該遊技機1に注目することができる。
(8)5R大当り(非確変)
モードが「演出モード」、大当り種別が「5R」、確変が「×」で有る場合は、第1スポットLED480aと第2スポットLED480bとが点灯(大)となり、第3スポットLED480cが消灯となる。また、第1アピールLED480dと第2アピールLED480eとは点灯(小)となり、発光フラグとして「6」が設定される。つまり、遊技者は、第1スポットライトと第2スポットライトとが点灯(大)となることから、高揚感を抱きながら遊技を行うことができる。さらに、第1アピールライトと第2アピールライトとが点灯(小)となることで、対応する遊技機1の周囲の遊技客に対して、通常状態とは異なることをアピールすることができる。対応する遊技機1の周囲の遊技者等は、通常状態と異なることを把握することができるため、当該遊技機1に注目することができる。
(9)5R大当り(確変)
モードが「演出モード」、大当り種別が「5R」、確変が「○」で有る場合は、第1スポットLED480aと第2スポットLED480bとが点灯(大)となり、第3スポットLED480cが点灯(小)となる。また、第1アピールLED480dと第2アピールLED480eとは点灯(小)となり、発光フラグとして「7」が設定される。つまり、遊技者は、第1スポットライトと第2スポットライトとが点灯(大)となることから、高揚感を抱きながら遊技を行うことができる。さらに、第3スポットライトが点灯(小)となることから、「5R大当り(非確変)」より増して高揚感を抱くことができる。さらに、第1アピールライトと第2アピールライトとが点灯(小)となることで、対応する遊技機1の周囲の遊技客に対して、通常状態とは異なることをアピールすることができる。当該遊技機1の周囲の遊技者等は、通常状態と異なることを把握することができるため、当該遊技機に注目することができる。
(10)15R大当り(非確変)
モードが「演出モード」、大当り種別が「15R」、確変が「×」で有る場合は、第1スポットLED480aと第2スポットLED480bとが点灯(大)となり、第3スポットLEDが点灯(大)となる。また、第1アピールLED480dと第2アピールLED480eは点灯(小)となり、発光フラグとして「8」が設定される。つまり、遊技者は、第1スポットライトと第2スポットライトとが点灯(大)となることから、高揚感を抱きながら遊技を行うことができる。さらに、第3スポットライトが点灯(大)となることから、「5R大当り」より増して高揚感を抱くことができる。さらに、第1アピールライトと第2アピールライトとが点灯(小)となることで、対応する遊技機1の周囲の遊技客に対して、通常状態とは異なることをアピールすることができる。当該遊技機1の周囲の遊技者等は、通常状態と異なることを把握することができるため、当該遊技機1に注目することができる。
(11)15R大当り(確変)
モードが「演出モード」、大当り種別が「15R」、確変が「○」で有る場合は、第1スポットLED480aと第2スポットLED480bとが点灯(大)となり、第3スポットLEDが点灯(大)となる。また、第1アピールLED480dと第2アピールLED480eは点灯(大)となり、発光フラグとして「9」が設定される。つまり、遊技者は、第1スポットライトと第2スポットライトと第3スポットライトとが点灯(大)なることから、高揚感を抱きながら遊技を行うことができる。さらに、第1アピールライトと第2アピールライトとが点灯(大)となることで、対応する遊技機1の周囲の遊技客に対して、遊技状態が「15R大当たり(確変)」状態であることをアピールすることとなる。当該遊技機1の周囲の遊技者等は、通常状態と異なることを把握することができるため、当該遊技機に注目することができる。
(12)防犯モード
モードが「防犯モード」である場合は、遊技状態の種別(大当り種別、確変、高ベース、潜伏)に関わらず、第1スポットLED480aと第2スポットLED480bとが点灯(大)となり、その他のLEDは消灯となり、発光フラグとして「10」が設定される。第1スポットライトと第2スポットライトの向きは「モータ駆動設定用データ」で説明するが、第1スポットライトと第2スポットライトとの向きは、演出モードとは異なり、対応する遊技機1で遊技を行っている遊技者の顔が把握し易い向きに変更される。後述するように、これは防犯を目的とするものである。
(13)メンテナンスモード
モードが「メンテナンスモード」で有る場合は、各々のLEDが消灯となり、発光フラグとして「11」が設定される。つまりメンテナンスモードでは、例えば、対応する遊技機1の点検時に設定されるモードであるため、作業場の安全性を考慮して、各々のLEDを消灯させる。
次に、モータ駆動設定用データについて具体的に説明する。
「モード」には、発光態様設定用データと同様に、「演出モード」と、「防犯モード」と、「メンテナンスモード」とが含まれる。
「大当り連荘数」には、15R大当り以外を示す「15R大当り以外」と、15R大当りが1回目の状態を示す「1回目」と、15R大当りの連荘数が2回目以上を示す「2回目以降」とがある。
「第1表示領域」には、第1スポットLED480aと第2スポットLED480bと第3スポットLED480cとが含まれ、第1〜第3スポットLEDのモータ駆動の態様がそれぞれ設定される。モータの駆動態様には、例えば、「−70deg(下向き)」と、「−65deg(下向き)」と「−50deg(下向き)」と、「−45deg(下向き)」と、「回転」と、「(各部設定)」とがあり、前述した「モード」と、「大当り連荘数」とに対応付けて設定される。
「第2表示領域」には、第1アピールLED480dと第2アピールLED480eとが含まれ、第1、第2スポットLEDのモータ駆動の態様がそれぞれ設定される。モータ駆動の態様には、例えば、「15deg(上向き)」と、「0deg」と、「回転」とがあり、第1表示領域と同様に、前述した「モード」と、「大当り連荘数」とに対応付けて設定される。
モータ駆動設定用データの駆動フラグの対応付けの一例について説明する。ただし、以下説明する駆動フラグの対応付けはあくまでも一例に過ぎず、適宜設定変更可能であることは勿論である。
(1)駆動フラグ「1」
モードが「演出モード」、大当り連荘数が「15R大当り以外」である場合は、第1スポットLEDモータの駆動態様が「−70deg(下向き)」となり、第2スポットLEDモータの駆動態様が「−65deg(下向き)」となり、第3スポットLEDモータの駆動態様が「(各部設定)」となる。また、第1アピールLEDモータの駆動態様が「+15deg(上向き)」となり、第2アピールLEDモータの駆動態様が「−15deg(下向き)」となり、駆動フラグとして「1」が設定される。つまり、第1スポットライトが下向き70degに照射され、第2スポットライトが下向き65degに照射されることで、概ね対応する遊技機1で遊技する遊技者の体の部分に向けてスポットライトが照射される。また、第1アピールライトが上向き15degに向けて照射され、第2アピールライドが下向き15degに向けて照射されることで、データ表示装置400のやや斜上方向及び斜下方向に向けてアピールライトが照射される。
(2)駆動フラグ「2」
モードが「演出モード」、大当り連荘数が「1回目」である場合は、第1スポットLEDモータの駆動態様が「−70deg(下向き)」となり、第2スポットLEDモータの駆動態様が「−65deg(下向き)」となり、第3スポットLEDモータの駆動態様が「回転」となる。また、第1アピールLEDモータの駆動態様が「+15deg(上向き)」となり、第2アピールLEDモータの駆動態様が「−15deg(下向き)」となり、駆動フラグとして「2」が設定される。つまり、第1スポットライトが下向き70degに照射され、第2スポットライトが下向き65degに照射され、第3スポットライトが回転しながら照射される。他は、駆動フラグ「1」と同様である。
(3)駆動フラグ「3」
モードが「演出モード」、大当り連荘数が「2回目以降」である場合は、第1スポットLEDモータの駆動態様が「−70deg(下向き)」となり、第2スポットLEDモータの駆動態様が「−65deg(下向き)」となり、第3スポットLEDモータの駆動態様が「回転」となる。また、第1アピールLEDモータの駆動態様が「回転」となり、第2アピールLEDモータの駆動態様が「回転」となり、駆動フラグとして「3」が設定される。つまり、第1スポットライトが下向き70degに照射され、第2スポットライトが下向き65degに照射され、第3スポットライトが回転しながら照射される。また、第1アピールライト及び第2アピールライトがそれぞれ回転しながら照射される。
(4)駆動フラグ「4」
モードが「防犯モード」である場合は、第1スポットLEDモータの駆動態様が「−50deg(下向き)」となり、第2スポットLEDモータの駆動態様が「−45deg(下向き)」となり、第3スポットLEDモータの駆動態様が「(各部設定)」となる。また、第1アピールLEDモータの駆動態様が「+15deg(上向き)」となり、第2アピールLEDモータの駆動態様が「−15deg(下向き)」となり、駆動フラグとして「4」が設定される。つまり、第1スポットライトが下向き50degに照射され、第2スポットライトが下向き45degに照射されることで、概ね対応する遊技機1で遊技する遊技者の顔の部分に向けてスポットライトが照射される。アピールライトは、駆動フラグ「1」と同様である。
(5)駆動フラグ「5」
モードが「メンテナンスモード」である場合は、各モータの駆動態様は「(各部設定)」とされる。これは、メンテナンスでは発光部480の点検を行う必要があるため、店舗側で各々のLEDの向きを個別に設定できるようにするためである。
上記の照射態様設定用データは、データ表示装置400について、装置毎や、対応する遊技機1の機種毎、遊技機1が設置される遊技島毎といった各種の単位で自由に内容を定めておくことができる。
なお、第1表示領域LED部481を構成する第1スポットLED480a〜第3スポットLED480cについては、これらのスポットLEDによる照射領域の少なくとも一部が重なるように、発光態様設定用データにおける発光態様(LEDの発光パターン等)や、モータ駆動設定用データにおける駆動態様(LEDを駆動させる角度等)を定めておくことが望ましい。このようにすることで、複数のスポットLEDで遊技者を同時に照射することができるため、演出効果を高めることが可能となる。
また、上記の照射態様設定用データに示した発光態様設定用データの内容やモータ駆動設定用データの内容はあくまでも一例であり、これらの内容は適宜変更することが可能である。例えば、対応する遊技機1で遊技する遊技者が所有する持玉数や貯玉数といった遊技者の遊技価値の獲得状況に応じて、発光態様設定用データにおける発光態様や、モータ駆動設定用データにおける駆動態様を定めておくようにしてもよい。このようにすることで、遊技者により一層の特別感を与えることが可能となる。
図58及び図59は、本実施形態における照射演出の原理の説明図である。
以下の説明では、遊技機1及びデータ表示装置400を基準とする前後方向を「X軸」、遊技機1及びデータ表示装置400を基準とする左右方向を「Y軸」、遊技機1及びデータ表示装置400を基準とする上下方向を「Z軸」として説明する。
図58(1)、(2)は、遊技機1及びデータ表示装置400の左側面図である。
第1表示領域LED部481を構成する第1スポットLED480a及び第2スポットLED480bがそれぞれの基準となる照射方向のイメージ(照射イメージ)を点線で示している。例えば、Y軸回りの角度を第1配光角「α」と定義し、紙面向かって下向きの方向を負の角度(−deg)と定義する。また、上下の第1スポットLED480a及び第2スポットLED480bによる照射方向の基準軸を第1配光軸として図示する。
このとき、図58(1)では、第1配光角が「α=α1」となるようにスポットLEDモータが制御された状態を示しており、この状態では、第1スポットLED480a及び第2スポットLED480bによって、遊技機1で遊技する遊技者の体の部分に向けて光が照射されている。この状態は、図57に示したモータ駆動設定用データにおいて、モードが「演出モード」、第1スポットLEDモータが「−70deg」、第2スポットLEDモータが「−65deg」に対応する状態である。
また、図58(2)では、第1配光角が「α=α2」となるようにスポットLEDモータが制御された状態を示しており、この状態では、第1スポットLED480a及び第2スポットLED480bによって、遊技機1で遊技する遊技者の顔に向けて光が照射されている。この状態は、図57に示したモータ駆動設定用データにおいて、モードが「防犯モード」、第1スポットLEDモータが「−50deg」、第2スポットLEDモータが「−45deg」に対応する状態である。
このようにすることで、遊技者によってゴト行為や窃盗行為等の違法行為が行われるおそれがある場合に、発光部480の照度が低い等の理由により遊技者の顔が不鮮明な場合であっても、店舗の天井に設置される防犯カメラ950によって遊技者の顔を鮮明に映し出すことが可能となるため、照明の役割を担い、ゴト行為や窃盗行為等の違法行為を行った遊技者を店舗側で特定することが容易となる。また、防犯モードでは、遊技者の顔にライトが当てられるため、遊技者は通常時とは異なる違和感を抱くことが想定され、違法行為を抑止する効果も期待できる。
なお、防犯モードにおいて、違法行為が行われる場面を鮮明に映し出すために、遊技者の手元を把握し易い向きに光を照射するようにしてもよい。また、複数のスポットLEDによって、遊技者の顔と手元のそれぞれを把握し易い向きに光を照射するようにしてもよい。
図59(1)は、遊技機1及びデータ表示装置400の上面図である。
例えば、Z軸回りの角度を第2配光角「β」と定義する。また、左右それぞれの第3スポットLED480cによる照射方向の基準軸を第2配光軸として図示する。
このとき、図59(1)では、正面向かって第1表示領域の左部に設けられた第3スポットLED480cに対応する第2配光角が「β=β1」となり、正面向かって第1表示領域の右部に設けられた第3スポットLED480cに対応する第2配光角が「β=β2」となるようにスポットLEDモータが制御された状態を示している。この状態で第3スポットLED480cをY軸回りに下向きの方向に回転させると、遊技者に向けて光が照射される。この状態は、図57に示したモータ駆動設定用データにおいて、例えば、モードが「演出モード」、第3スポットLEDモータが「(各部設定)」や「回転」に対応する状態である。
図59(2)は、遊技機1及びデータ表示装置400の正面図である。
第2表示領域LED部482を構成する第1アピールLED480d及び第2アピールLED480dによる照射方向のイメージ(照射イメージ)を点線で示している。例えば、X軸回りの角度を第3配光角「γ」と定義し、紙面向かって上方向を正の角度(+deg)と定義する。また、上下の第1アピールLED480d及び第2アピールLED480eによる照射方向の基準軸を第3配光軸として図示する。
このとき、図59(2)では、正面向かって右側の第2表示領域に設けられたアピールLEDに対応する第3配光角が「γ=γ1」となり、正面向かって左側の第2表示領域に設けられたアピールLEDに対応する第3配光角が「γ=γ2」となるようにアピールLEDモータが制御された状態を示しており、この状態では、第1アピールLED480d及び第2アピールLED480eによって、やや斜上方向及び斜下方向に向けて光が照射されている。この状態は、図57に示したモータ駆動設定用データにおいて、例えば、モードが「演出モード」、第1アピールLEDモータが「+15deg」、第2アピールLEDモータが「−15deg」に対応する状態である。
なお、ここでは簡易的な説明としたが、スポットLED及びアピールLEDは、それぞれの軸回りの回転によって、対応する方向に光を照射することが可能に構成されている。
また、上記の動作演出において、スポットLEDやアピールLEDを発光させることによる発光演出(照射演出)を実行するようにしてもよい。つまり、前述した各種の動作演出それぞれについて、上記の照射演出設定用データに倣って、スポットLED及びアピールLEDの発光態様及びモータの駆動態様を定めた動作演出設定用データを定めておき、この動作演出設定用データに基づいて、データ表示装置400が動作演出において発光演出(照射演出)を併せて実行するようにしてもよい。この場合におけるLEDの発光態様やモータの駆動態様は、動作演出の種別に応じて、店舗側で適宜設定することができる。
図60は、本実施形態においてホールコンピュータ600がデータ表示装置400に送信する表示装置設定用データ691のデータ構成の一例を示す図である。
この表示装置設定用データ691には、前述したデータに加えて、演出設定用データ6919が含まれる。この演出設定用データ6919は、上記の演出設定用テーブル687に含まれる各種の演出設定用テーブル(開閉設定用テーブル6871、動作演出設定用テーブル6872、照射演出設定用テーブル6873)に基づいて生成されるデータである。具体的には、開閉設定用テーブル6871に定められた開閉態様のデータと、動作演出設定用テーブル6872に定められた動作演出設定用データのうちの装置対応関係テーブル686に基づき判定される当該データ表示装置IDに対応する遊技機IDについて定められたデータと、照射演出設定用テーブル6873に定められた照射演出設定用データのうちの装置対応関係テーブル686に基づき判定される当該データ表示装置IDに対応する遊技機IDについて定められたデータとを含むデータが、演出設定用データ6919とされる。
また、ホールコンピュータ600からデータ表示装置400に対しては、上記の照射演出のモード(演出モード、防犯モード、メンテナンスモード)を指示するためのモード指示信号、照射演出の実行の開始を指示するための照射演出開始指示信号、照射演出の実行の終了を指示するための照射演出終了指示信号、照射演出の実行の停止を指示するための照射演出停止指示信号、照射態様の変更の解除を指示するためのリセット信号等を含む信号が管理装置信号として出力される。
[3−5.処理]
図61は、本実施形態において、データ表示装置400の処理部410が、記憶部490に記憶されている動作演出プログラム491cに従って実行する動作演出処理の流れの一例を示すフローチャートである。
最初に、処理部410は、対応する遊技機1から出力される遊技機信号、対応するユニットから出力されるユニット信号、ホールコンピュータ600から出力される管理装置信号等、設定用リモコン700から送信される信号等を含む外部信号を判定する(K1)。
次いで、処理部410は、動作演出の停止設定がなされているか否かを判定し(K3)、なされていると判定したならば(K3;Yes)、K31へと処理を移す。一方、動作演出の停止設定がなされていないと判定したならば(K3;No)、処理部410は、動作演出実行条件が成立したか否かを判定する(K5)。具体的には、表示装置設定用データ691の演出設定用データ6919に記憶されている動作演出設定用データに定められた実行条件(図55の動作演出設定用データの実行条件)のうちの1以上の実行条件が成立したか否かを判定する。
動作演出実行条件が成立しなかったと判定したならば(K5;No)、処理部410は、K21へと処理を移す。一方、実行条件が成立したと判定したならば(K5;Yes)、処理部410は、成立した実行条件に対応する動作演出の種別を判定する(K7)。
次いで、処理部410は、実行する動作演出が競合しているか否かを判定する(K9)。具体的には、K7において、成立した実行条件に対応する動作演出の種別が複数存在するか否か(つまり、複数の種別の動作演出に対応する実行条件が同時に成立したか否か)を判定する。
競合していないと判定したならば(K9;No)、処理部410は、K13へと処理を移す。競合していると判定したならば(K9;Yes)、処理部410は、実行対象とする動作演出の種別を決定する(K11)。具体的には、表示装置設定用データ691の演出設定用データ6919に含まれる動作演出設定用データに記憶されている優先度に基づいて、競合した動作演出の種別のうち優先度が一番高い動作演出の種別を、実行対象とする動作演出の種別として決定する。
その後、処理部410は、表示装置設定用データ691の演出設定用データ6919に含まれる動作演出設定用データを参照して、扉部403の開閉態様(演出態様)を判定する(L13)。そして、処理部410は、動作演出の実行を開始する(K15)。
次いで、処理部410は、動作演出を実行中であるか否かを判定し(K17)、実行中ではないと判定したならば(K17;No)、K31へと処理を移す。一方、実行中であると判定したならば(K17;Yes)、処理部410は、扉部403の開閉態様変更条件が成立したか否かを判定する(K19)。具体的には、表示装置設定用データ691の演出設定用データ6919に含まれる動作演出設定用データのうちの実行中の動作演出に対応する設定用データにおいて、現在の開閉順序の次の開閉順序に対応する条件が成立したか否かを判定する。成立しなかったと判定したならば(K19;No)、処理部410は、K23へと処理を移す。
一方、開閉態様変更条件が成立したと判定したならば(K19;Yes)、処理部410は、扉部403の開閉態様を変更させる(K21)。その後、処理部410は、動作演出終了条件が成立したか否かを判定する(K23)。具体的には、表示装置設定用データ691の演出設定用データ6919に含まれる動作演出設定用データのうちの実行中の動作演出に対応する設定用データにおいて、最後の開閉順序に対応する条件が成立したか否かを判定する。成立しなかったと判定したならば(K23;No)、K27へと処理を移す。
一方、動作演出終了条件が成立したと判定したならば(K23;Yes)、処理部410は、実行中の動作演出を終了させる(K25)。その後、処理部410は、動作演出停止条件が成立したか否かを判定する(K27)。具体的には、動作停止ボタン422の押下操作を検知した場合や、ホールコンピュータ600や設定用リモコン700から動作演出を停止させる停止指示信号を受信したか否かを判定する。成立しなかったと判定したならば(K27;No)、処理部410は、K31へと処理を移す。
一方、動作演出停止条件が成立したと判定したならば(K27;Yes)、処理部410は、実行中の動作演出を停止させる(K29)。次いで、処理部410は、処理を終了するか否かを判定し(K31)、処理を継続すると判定したならば(K31;No)、K1に処理を戻す。一方、処理を終了すると判定したならば(K31;Yes)、処理部410は、動作演出処理を終了する。
図62は、データ表示装置400の処理部410が、記憶部490に記憶されている照射演出プログラム491cに従って実行する照射演出処理の流れの一例を示すフローチャートである。この処理は、処理部410が記憶部490に記憶されていうデータ表示装置処理プログラム491に従って実行するデータ表示装置処理においてサブルーチンの処理として実行される処理である。
なお、照射演出処理以外の処理(払出率関連の処理や特別演出処理、表示処理等)については、第2実施形態で説明したデータ表示装置1200が実行する処理と略同一の処理として実現可能であるため、説明を省略する。
最初に、処理部410は、対応する遊技機1から出力される遊技機信号、対応するユニットから出力されるユニット信号、ホールコンピュータ600から出力される管理装置信号等、設定用リモコン700から送信される信号等を含む外部信号を判定する(L1)。
次いで、処理部410は、照射演出の停止設定がなされているか否かを判定し(L3)、なされていると判定したならば(L3;Yes)、L31へと処理を移す。一方、照射演出の停止設定がなされていないと判定したならば(L3;No)、処理部410は、照射演出開始条件が成立したか否かを判定する(L5)。
ここで、照射演出開始条件は、例えば、以下のいずれかの条件が成立することとして定めておくことができる。
(A−1)対応する遊技機1から有利状態を特定可能な信号(大当り信号(突確、5R、15R等)、確変中信号、時短中信号等)を新たに受信したこと。
(A−2)ホールコンピュータ600から照射演出開始指示信号を受信したこと。
(A−3)設定用リモコン700から照射演出開始指示信号を受信したこと。
(A−4)対応する遊技機1からセキュリティ信号を受信したこと。
(A−1)の条件は、対応する遊技機1が有利状態(大当り遊技状態(突確、5R、15R等)、確変状態、高ベース状態、潜伏確変状態等)への制御を開始した際に、照射演出の実行を開始することを意味する。
(A−2)の条件は、店舗の管理者等によってホールコンピュータ600を介して照射演出を実行する指示がなされた場合に、照射演出の実行を開始することを意味する。
(A−3)の条件は、店舗の店員等によって設定用リモコン700を介して照射演出を実行する指示がなされた場合に、照射演出の実行を開始することを意味する。
(A−4)の条件は、対応する遊技機1において何らかの異常が発生したことを検知した場合に、それを遊技者や店舗の店員等に放置することを目的として、照射演出の実行を開始することを意味する。
照射演出開始条件が成立しなかったと判定したならば(L5;No)、処理部410は、L13へと処理を移す。一方、照射演出開始条件が成立したと判定したならば(L5;Yes)、処理部410は、L1の外部信号の判定結果に基づき、照射演出設定用データ6919に含まれる発光設定用データ及びモータ駆動設定用データを参照して、発光フラグ及び駆動フラグを判定する(L7)。そして、処理部410は、判定した発光フラグ及び駆動フラグをセットする(L9)。
次いで、処理部410は、L9のセット内容に基づいて、LEDドライブユニット483a及びモータ駆動ユニット483bに制御命令を行う(L11)。これにより、第1表示領域LED部481及び第2表示領域LED部482による発光が行われ、照射演出の実行が開始される。
その後、処理部410は、照射演出を実行中であるか否かを判定し(L13)、実行中ではないと判定したならば(L13;No)、L31へと処理を移す。一方、照射演出を実行中であると判定したならば(L13;Yes)、処理部410は、照射演出終了条件が成立したか否かを判定する(L15)。
ここで、照射演出終了条件は、例えば、上記の照射演出開始条件それぞれに対応した以下の条件として定めておくことができる。
(B−1)(A−1)に対応する信号の受信を終了したこと。
(B−2)ホールコンピュータ600から照射演出終了指示信号を受信したこと。
(B−3)設定用リモコン700から照射演出終了指示信号を受信したこと。
(B−4)対応する遊技機1からセキュリティ信号を受信しなくなったこと。
照射演出終了条件が成立しなかったと判定したならば(L15;No)、処理部410は、L21へと処理を移す。一方、照射演出終了条件が成立したと判定したならば(L15;Yes)、処理部410は、LEDドライブユニット483a及びモータ駆動ユニット483bへの制御命令を停止する(L17)。これにより、照射演出の実行が終了する。そして、処理部410は、フラグ(発光フラグ及び駆動フラグ)をリセットする(L19)。
次いで、処理部410は、照射態様変更解除条件が成立したか否かを判定する(L21)。
ここで、照射態様変更解除条件は、例えば、以下のいずれかの条件が成立することとして定めておくことができる。
(C−1)ホールコンピュータ600からリセット信号を受信したこと。
(C−2)操作部420に対するリセット操作を検知したこと。
(C−3)設定用リモコン700からリセット操作を検知したこと。
(C−4)自装置の電源の切断を検知したこと。
(C−1)の条件は、店舗の管理者等によってホールコンピュータ600を介して照射態様の変更を解除する指示がなされた場合に、照射態様の変更を解除することを意味する。
(C−2)の条件は、店舗の店員等によって操作部420を介して照射態様の変更を解除する指示がなされた場合に、照射態様の変更を解除することを意味する。
(C−3)の条件は、店舗の店員等によって設定用リモコン700を介して照射態様の変更を解除する指示がなされた場合に、照射態様の変更を解除することを意味する。
(C−4)の条件は、自装置の電源が切断された場合に、照射態様の変更を解除することを意味する。
照射態様変更解除条件が成立しなかったと判定したならば(L21;No)、処理部410は、L25へと処理を移す。一方、照射態様変更解除条件が成立したと判定したならば(L21;Yes)、処理部410は、フラグ(発光フラグ及び駆動フラグ)をリセットする(L23)。これにより、照射演出における照射態様が初期化される。
次いで、処理部410は、照射演出停止条件が成立したか否かを判定する(L25)。
ここで、照射演出停止条件は、例えば、以下のいずれかの条件が成立することとして定めておくことができる。
(D−1)発光停止ボタン423の押下を検知したこと。
(D−2)ホールコンピュータ600から照射演出停止指示信号を受信したこと。
(D−3)設定用リモコン700から照射演出停止指示信号を受信したこと。
(D−1)の条件は、対応する遊技機1で遊技する遊技者が照射演出を煩わしいと感じた場合に、停止操作に応じて照射演出の実行を停止することを意味する。
(D−2)の条件は、店舗の管理者等によってホールコンピュータ600を介して照射演出を停止する指示がなされた場合に、照射演出の実行を停止することを意味する。
(D−3)の条件は、店舗の店員等によって設定用リモコン700を介して照射演出を停止する指示がなされた場合に、照射演出の実行を停止することを意味する。
照射演出停止条件が成立しなかったと判定したならば(L25;No)、処理部410は、L31へと処理を移す。一方、照射演出停止条件が成立したと判定したならば(L25;Yes)、処理部410は、LEDドライブユニット483a及びモータ駆動ユニット483bへの制御命令を停止する(L27)。これにより、照射演出の実行が停止される。そして、処理部410は、照射演出停止設定を行う(L29)。
なお、L29において照射演出停止設定がなされた後、上記の照射演出停止条件それぞれに対応する照射演出再開条件が成立した場合には、照射演出の実行を停止した際にセットされていたフラグ(発光フラグ及び駆動フラグ)に基づいて、照射演出の実行を再開するようにすればよい。
次いで、処理部410は、処理を終了するか否かを判定し(L31)、処理を継続すると判定したならば(L31;No)、L1に処理を戻す。一方、処理を終了すると判定したならば(L31;Yes)、処理部410は、照射演出処理を終了する。
図63は、データ表示装置400の処理部410が、記憶部490に記憶されている個人遊技履歴情報記録プログラム491eに従って実行する個人遊技履歴情報記録処理の流れの一例を示すフローチャートである。
最初に、処理部410は、現在の記録フラグの値を読み出す(M1)。次いで、処理部410は、記録フラグが「1」にセットされたか否かを判定する(M3)。個人遊技履歴情報記録用テーブル496(図52参照)から分かるように、記録フラグに「1」がセットされるのは、情報記録開始操作を受け付けた場合である。このため、非接触式通信部464を介して携帯端末250から情報記録開始操作を受け付けた場合に、処理部410は、記録フラグに「1」をセットする。
記録フラグに「1」がセットされたと判定したならば(M3;Yes)、処理部410は、個人遊技履歴情報の読み出しを開始する(M5)。そして、処理部410は、記録フラグに「2」をセットする(M7)。個人遊技履歴情報記録用テーブル496(図52参照)から分かるように、記録フラグに「2」がセットされている間は、情報記録開始準備処理が実行される。このため、処理部410は、記録フラグに「2」をセットすると、情報記録開始準備処理の実行を開始する。
記録フラグに「1」がセットされていない場合(M3;No)、又は、M7の後、処理部410は、記録フラグに「2」がセットされているか否かを判定する(M9)。そして、セットされていると判定したならば(M9;Yes)、処理部410は、実行中の情報記録開始準備処理が完了したか否かを判定し(M11)、完了したと判定したならば(M9;Yes)、液晶表示部430に準備完了画面を表示させた後、記録フラグに「3」をセットする(M13)。個人遊技履歴情報記録用テーブル496(図52参照)から分かるように、記録フラグに「3」がセットされている間は、個人遊技履歴情報が記録・更新される。
記録フラグに「2」がセットされていない場合(M9;No)、又は、M13の後、処理部410は、記録フラグに「3」がセットされているか否かを判定する(M15)。そして、セットされていないと判定したならば(M15;No)、処理部410は、記録フラグに「4」がセットされているか否かを判定する(M17)。個人遊技履歴情報記録用テーブル496(図52参照)から分かるように、記録フラグに「4」がセットされるのは、情報記録終了操作を受け付けた場合である。このため、非接触式通信部464を介して携帯端末250から情報記録開始操作を受け付けた場合に、処理部410は、記録フラグに「4」をセットする。
記録フラグに「4」がセットされたと判定したならば(M17;Yes)、処理部410は、個人遊技履歴情報の更新を中止する設定を行う(M19)。そして、処理部410は、記録フラグに「5」をセットする(M21)。個人遊技履歴情報記録用テーブル496(図52参照)から分かるように、記録フラグに「5」がセットされている間は、情報記録終了準備処理が実行される。このため、処理部410は、記録フラグに「5」をセットすると、情報記録終了準備処理の実行を開始する。
記録フラグに「4」がセットされていない場合(M17;No)、又は、M21の後、処理部410は、記録フラグに「5」がセットされているか否かを判定する(M23)。そして、セットされていると判定したならば(M23;Yes)、処理部410は、実行中の情報記録終了準備処理が完了したか否かを判定し(M27)、完了したと判定したならば(M27;Yes)、液晶表示部430に準備完了画面を表示させた後、記録フラグに「6」をセットする(M13)。個人遊技履歴情報記録用テーブル496(図52参照)から分かるように、記録フラグに「6」がセットされるのは、情報記録処理が完了した場合である。
記録フラグに「5」がセットされていない場合(M23;No)、又は、M27の後、処理部410は、記録フラグに「6」がセットされているか否かを判定する(M29)。そして、セットされていると判定したならば(M29;Yes)、処理部410は、個人遊技履歴情報を特定可能な情報を出力させるように制御する(M31)。具体的には、例えば、携帯端末250からサーバ980にアクセスするためのURL等のアクセス情報を含む二次元コードを液晶表示部430に表示させるように制御する。
記録フラグに「6」がセットされていない場合(M29;No)、又は、M33の後、処理部410は、個人遊技履歴情報記録処理を終了する。
一方、M11において情報記録開始準備処理が完了していないと判定した場合(M11;No)、M15において記録フラグに「3」がセットされていると判定した場合(M15;Yes)、又は、M25において情報記録終了準備処理が完了していないと判定した場合(M25;No)、処理部410は、更新中処理を実行する(M35)。そして、処理部410は、個人遊技履歴情報記録処理を終了する。
図64は、処理部410が実行する更新中処理の一例である第1更新中処理の流れの一例を示すフローチャートである。
最初に、処理部410は、個人遊技履歴情報更新条件が成立したか否かを判定する(N1)。具体的には、対応する遊技機1から出力される遊技機信号に基づき遊技情報を取得して、個人遊技履歴情報を更新する必要が生じたか否かを判定する。
個人遊技履歴情報更新条件が成立したと判定したならば(N1;Yes)、処理部410は、記録フラグに「3」がセットされているか否かを判定する(N3)。そして、セットされていると判定したならば(N3;Yes)、対応する遊技機1から出力される遊技機信号に基づき取得した遊技情報で記憶部490の個人遊技履歴情報データ497を更新する(N5)。そして、処理部410は、第1更新中処理を終了する。
一方、記録フラグに「3」がセットされていないと判定したならば(N3;No)、処理部410は、準備中である旨を利用者に報知する準備中画面を液晶表示部430に表示させるように制御する(N7)。具体的には、記録フラグが「2」であれば情報記録開始準備処理を、記録フラグが「5」であれば情報記録終了準備処理をそれぞれ実行中である旨を遊技者に報知する。そして、処理部410は、第1更新中処理を終了する。また、個人遊技履歴情報更新条件が成立しなかったと判定したならば(N1;No)、処理部410は、第1更新中処理を終了する。
ここで、第1更新中処理が実行されたにも関わらず、記録フラグに「3」がセットされていない場合とは、個人遊技履歴情報記録処理において、記録フラグが「2」であって情報記録開始準備処理が完了していない場合(図63のM9;Yes→M11;No)、つまり情報記録開始準備処理を実行中である場合と、記録フラグが「5」であって情報記録終了準備処理が完了していない場合(図63のM23;Yes→M25;No)、つまり情報記録終了準備処理を実行中である場合と、のいずれかの場合である。この場合に個人遊技履歴情報更新条件が成立したということは(N1;Yes)、情報記録開始準備処理と情報記録終了準備処理とのうちのいずれか一方の処理の実行中に、対応する遊技機1で遊技が行われたことを意味する。
準備処理の実行中に遊技機1で遊技が行われてしまうと、個人遊技履歴情報の更新を適切に行うことができなくなり、場合によってはデータ化けによって正常ではない情報が個人遊技履歴情報として利用者に提供されてしまう可能性がある。そこで、第1更新中処理では、情報記録開始準備処理と情報記録終了準備処理とのうちのいずれか一方の処理の実行中に個人遊技履歴情報更新条件が成立した場合には、禁則として、個人遊技履歴情報の更新を制限する。
ここで、個人遊技履歴情報の更新を制限するとは、情報記録開始準備処理と情報記録終了準備処理とのうちのいずれか一方の処理の実行中に個人遊技履歴情報更新条件が成立した場合に、実行中の処理が終了するまでの間、個人遊技履歴情報を更新しないようにすることを意味する。つまり、情報記録開始準備処理の実行中に更新を制限した場合には、情報記録開始準備処理が完了して記録フラグに「3」がセットされるまでの間(図63のM11;Yes→M13)、個人遊技履歴情報を更新しないようにする。言い換えると、情報記録開始準備処理が完了して記録フラグに「3」がセットされたことをもって(図63のM11;Yes→M13)、個人遊技履歴情報の更新の制限を解除する。この場合には、第1更新中処理で記録フラグが「3」と判定されるため(N3;Yes)、個人遊技履歴情報が更新される(N5)。
情報記録終了準備処理の実行中に更新を制限した場合についても同様である。
ここで、遊技者によっては、遊技機1の状態を確認するために試し打ちを行ってから個人遊技履歴情報を記録させて本格的な遊技に移行する遊技者や、個人遊技履歴情報を記録させることを忘れて遊技を開始したが、忘れたことに気付いて後から個人遊技履歴情報を記録させて遊技を継続する遊技者がいるものと考えられる。このような事情を想定すると、情報記録開始準備処理の実行を開始した時点よりも前の遊技情報は個人遊技履歴情報の記録の対象に含めず、情報記録開始準備処理の実行を開始した時点から個人遊技履歴情報を記録させるようにすることが望ましい。
そこで、N5の個人遊技履歴情報の更新では、情報記録開始準備処理の実行を開始した時点における対応する遊技機1の遊技情報を基準情報として、個人遊技履歴情報を更新するようにするとよい。また、上記のように情報記録開始準備処理の実行中に更新条件が成立して個人遊技履歴情報の更新を制限した場合には、情報記録開始準備処理を開始した時点における対応する遊技機1の遊技情報を基準情報とし、更新の制限が解除された後に個人遊技履歴情報を更新するようにすればよい。
また、個人遊技履歴情報の更新を制限した場合であっても、データ表示装置400における表示上は、正しい情報を遊技者や他の遊技客に報知するのが店舗の運営上適切であると考えられる。そこで、個人遊技履歴情報の更新を制限した場合であっても、処理部410は、記録する個人遊技履歴情報とは別に、表示用の個人遊技履歴情報をRAMなどに記憶させて更新し、この記憶・更新された表示用の個人遊技履歴情報を、液晶表示部430やセグ表示部440に表示させるようにするとよい。
図65は、処理部410が実行する更新中処理の別例である第2更新中処理の流れの一例を示すフローチャートである。
最初に、処理部410は、個人遊技履歴情報更新条件が成立したか否かを判定し(O1)、成立したと判定したならば(O1;Yes)、記録フラグに「3」がセットされているか否かを判定する(O3)。そして、セットされていると判定したならば(O3;Yes)、対応する遊技機1から出力される遊技機信号に基づき取得した遊技情報で記憶部490の個人遊技履歴情報データ497を更新する(O5)。そして、処理部410は、第2更新中処理を終了する。
記録フラグに「3」がセットされていないと判定した場合(O3;No)、処理部410は、セットされている記録フラグを判定し(O7)、記録フラグが「2」であると判定したならば(O7;2)、記録フラグに「0」をセットする(O9)。この場合、記録フラグが「2」から「0」に変更されるため、処理部410は、情報記録開始準備処理を終了する。そして、処理部410は、情報記録開始の再操作を促す再操作画面(開始操作)を液晶表示部430に表示させるように制御した後(O11)、第2更新中処理を終了する。
一方、セットされている記録フラグが「5」であると判定したならば(O7;5)、処理部410は、記録フラグに「3」をセットする(O13)。この場合、記録フラグが「5」から「3」に変更されるため、処理部410は、情報記録終了準備処理を終了する。そして、処理部410は、情報記録終了の再操作を促す再操作画面(終了操作)を液晶表示部430に表示させるように制御した後(O15)、第2更新中処理を終了する。また、個人遊技履歴情報更新条件が成立しなかったと判定したならば(O1;No)、処理部410は、第2更新中処理を終了する。
ここで、第2更新中処理が実行されたにも関わらず、記録フラグに「3」がセットされていない場合とは、第1更新中処理と同様に、情報記録開始準備処理を実行中である場合と、情報記録終了準備処理を実行中である場合と、のいずれかの場合である。また、この場合に個人遊技履歴情報更新条件が成立したということは(N1;Yes)、情報記録開始準備処理と情報記録終了準備処理とのうちのいずれか一方の処理の実行中に、対応する遊技機1で遊技が行われたことを意味する。
前述したように、準備処理の実行中に遊技機1で遊技が行われてしまうと、個人遊技履歴情報の更新を適切に行うことができなくなり、場合によってはデータ化けによって正常ではない情報が個人遊技履歴情報として利用者に提供されてしまう可能性がある。そこで、第2更新中処理では、情報記録開始準備処理と情報記録終了準備処理とのうちのいずれか一方の処理の実行中に個人遊技履歴情報更新条件が成立した場合には、禁則として、実行中の処理を制限する。
ここで、実行中の処理を制限するとは、情報記録開始準備処理と情報記録終了準備処理とのうちのいずれか一方の処理の実行中に個人遊技履歴情報更新条件が成立した場合に、実行中の処理を強制終了し、当該処理に対応する操作を再度受け付けたことをもって、対応する処理を再度実行することを意味する。つまり、情報記録開始準備処理の実行中に更新を制限した場合には、情報記録開始準備処理を強制終了し(O9)、再操作画面(開始操作)の表示に応じて(O11)、記録開始操作を再度受け付けた場合に、情報記録開始準備処理を再度実行する。
情報記録終了準備処理の実行を制限した場合についても同様である。
なお、処理の制限として、上記のように実行中の処理を強制終了するのではなく、実行中の処理を停止するようにしてもよい。この場合には、再操作がなされたことをもって、停止した処理を再開するようにすればよい。
また、ここでは、制限された処理に対応する操作(情報記録開始操作又は情報記録終了操作)の再度の受け付けを利用者に促すための再操作画面を液晶表示部430に表示させることとしたが、これに代えて、再度の受け付けを利用者に促すための音声を音出力部450に音出力させるなどしてもよい。
また、対応する遊技機1から遊技機信号が出力されなくなってから一定時間(例えば10分)が経過した場合であって、情報記録終了操作を受け付けていない場合には、遊技者が操作を忘れて立ち去ってしまった可能性がある。そこで、このような終了操作忘れに対応可能とするために、処理部410が、記憶している最新の個人遊技履歴情報を会員ID及び携帯IDと対応付けてホールコンピュータ600に出力する外部出力処理を実行するようにしてもよい。この場合、ホールコンピュータ600は、データ表示装置400から取得した情報をサーバ980に送信し、サーバ980側で最新の個人遊技履歴情報を会員ID及び携帯IDと対応付けて管理するようにすることで、利用者は、後からサーバ980から個人遊技履歴情報を取得することが可能となる。
また、本実施形態では、情報記録開始操作や情報記録終了操作は、携帯端末250とデータ表示装置400との間の非接触式通信によって実現するが、携帯端末250がICリーダ・ライタに適切に翳されなかったり、通信エラーが生じたなどの理由により、操作を適切に受け付けることができない場合も想定される。そこで、携帯端末250との間の通信に異常が生じ、操作を適切に受け付けることができなかったと判定した場合には、操作の受け付けに失敗した旨をホールコンピュータ600に通知する通知処理を実行するようにしてもよい。
情報記録開始操作の受け付けに失敗した旨の通知を受けた場合には、ホールコンピュータ600は、通知を受けたデータ表示装置400に対応する遊技機1から出力される遊技機信号に基づいて、当該遊技機1の遊技情報を記憶・更新する。そして、当該データ表示装置400から情報記録終了操作を受け付けた旨の通知を受けた場合に、記憶している最新の遊技情報を個人遊技履歴情報として当該データ表示装置400に出力するようにすればよい。
また、情報記録終了操作の受け付けに失敗した旨の通知を受けた場合には、ホールコンピュータ600は、当該データ表示装置400に最新の個人遊技履歴情報の送信を要求し、最新の個人遊技履歴情報を会員ID及び携帯IDと対応付けてデータ表示装置400から取得する。そして、ホールコンピュータ600は、データ表示装置400から取得した情報をサーバ980に送信し、サーバ980側で最新の個人遊技履歴情報を会員ID及び携帯IDと対応付けて管理するようにすることで、利用者は、後からサーバ980から個人遊技履歴情報を取得することが可能となる。
[3−6.表示画面]
図66は、データ表示装置400の液晶表示部430に表示される表示画面の一例を示す図であり、個人遊技履歴情報が表示される個人遊技履歴画面の一例を示している。
この個人遊技履歴画面には、対応する遊技機1での個人遊技履歴情報として、総合大当り回数と、確変大当り回数と、通常大当り回数と、スタート回数と、大当り履歴グラフと、出玉グラフとが表示されている。
図66(1)は、準備中画面の一例を示す図である。
この表示画面には、上記の個人遊技履歴記録処理で記録フラグが「2」又は「5」にセットされている場合に表示される準備中画面の表示例を示している(図64のN7)。この例では、個人遊技履歴画面の中央部に「準備中。・・・しばらくお待ちください・・・」のメッセージと砂時計の画像とを含むポップアップが表示中画面として表示されている。
図66(2)は、準備完了画面の一例を示す図である。
この表示画面には、上記の個人遊技履歴記録処理において、情報記録開始準備処理又は情報記録終了準備処理が完了した場合に表示される準備完了画面の表示例を示している(図63のM13又はM27)。この例では、個人遊技履歴画面の中央部に「準備が完了しました。」というメッセージを含むポップアップが表示されている。
図66(3)は、再操作画面の一例を示す図である。
この表示画面には、上記の個人遊技履歴記録処理において表示される再操作画面の表示例を示している(図65のO11又はO15)。この例では、個人遊技履歴画面の中央部に「申し訳ありませんがもう一度操作してください。」というメッセージを含むポップアップが表示されている。
なお、上記のデータ表示装置400において、データ表示装置1200と同様に、液晶表示部430の左枠や右枠に発光手段としてLED(左枠LEDや右枠LED)を設け、データ表示装置1200と同様に、これらのLEDを発光させて照射演出を実行するようにしてもよい。
[3−7.作用効果]
第2遊技用システム1000Bでは、遊技機1(パチンコ遊技機1)に対応してデータ表示装置400が設けられる。
データ表示装置400は、対応する遊技機の遊技に関する情報を表示可能である。データ表示装置400は、液晶表示方式による液晶表示部430と、液晶表示方式とは異なるセグ表示方式によるセグ表示部440と、液晶表示部430及びセグ表示部440のそれぞれの表示を制御する処理部とを備える。そして、処理部は、液晶表示部430とセグ表示部440とで連係した表示を行う液晶セグ連係表示パターンと、液晶表示部430とセグ表示部440とで独立した表示を行う液晶セグ独立表示パターンとにより、対応する遊技機の遊技に関する情報を表示させる制御を実行可能である。
これによれば、異なる表示方式による液晶表示部430及びセグ表示部440の2つの表示部について、液晶セグ連係表示パターンと液晶セグ独立表示パターンとにより、対応する遊技機1の遊技に関する情報を表示させることで、遊技に関する情報を報知する際の演出効果を高めることができる。
また、データ表示装置400は、対応する遊技機1の遊技に関する情報を表示可能であり、情報記録開始操作及び情報記録終了操作を受付可能であり、情報記録開始操作を受け付けた後の遊技に関する情報を個人遊技履歴情報として特定可能に記憶可能であり、遊技に応じた更新条件の成立に応じて個人遊技履歴情報を更新可能であり、情報記録終了操作を受け付けたことに基づいて、個人遊技履歴情報を特定可能な情報を出力可能である。そして、処理部410は、情報記録開始操作に基づく情報記録開始準備処理と情報記録終了操作に基づく情報記録終了準備処理とを実行可能であり、情報記録開始準備処理と情報記録終了準備処理とのうちのいずれか一方の処理の実行中に更新条件が成立した場合に、個人遊技履歴情報の更新を制限可能であり、情報記録開始準備処理と情報記録終了準備処理とのうちのいずれか一方の処理の実行中に更新条件が成立した場合に、実行中の処理を制限可能である。
これらによれば、個人遊技履歴情報を適切に更新することが可能となる。
また、処理部410は、時計部470から取得される計時情報に基づいて、可動部として構成されるセグ表示部440を動作させることによる動作演出を実行可能である。
これによれば、演出効果を一層向上させることができる。
[3−8.変形例]
[3−8−1.数値情報の表示]
上記の実施形態で説明したデータ表示装置400において、処理部410が、対応する遊技機1の遊技に関する数値情報を液晶表示部430やセグ表示部440に表示させる制御を実行するようにしてもよい。
図67は、この場合にデータ表示装置400の処理部410が実行する処理の一例である数値情報表示処理の流れの一例を示すフローチャートである。
最初に、処理部410は、対象とする数値情報の最新の数値を判定する(T1)。ここで、対象とする数値情報は、例えば、遊技機がパチンコ遊技機である場合には、遊技者の差玉数や持玉数等、遊技機がスロットマシンである場合には遊技者の差メダル数や持メダル数等とすることができる。
次いで、処理部410は、数値の表示を更新する更新表示条件が成立したか否かを判定する(T3)。具体的には、T1で判定した対象とする数値情報の最新値が、記憶部490に記憶されている現在の数値から変化した場合に、数値の表示を更新すると判定する。更新表示条件が成立しなかったと判定したならば(T3;No)、処理部410は、T37へと処理を移す。一方、更新表示条件が成立したと判定したならば(T3;Yes)、処理部410は、T1で判定した最新の数値を更新先数値として記憶部490に一時記憶させる(T5)。
次いで、処理部410は、記憶部490に記憶されている現在の数値と更新先数値とに基づき、加算と減算のいずれの方向に数値の表示を変化させるかを判定し(T7)、加算する方向に数値を変化させると判定したならば(T7;加算)、更新表示中フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(T9)。更新表示中フラグは、数値の表示を更新中であることを示すフラグであり、加算する方向に表示を更新中であることを示す加算更新表示中フラグと、減算する方向に表示を更新中であることを示す減算更新表示中フラグと、がこれに含まれる。
上記のいずれの更新表示中フラグも「ON」ではないと判定したならば(T9;No)、処理部410は、加算更新表示制御の実行を開始する(T11)。具体的には、現在表示中の数値を、例えば縦スクロールによって更新先数値まで順次に表示変化させるように制御する。そして、処理部410は、加算更新表示中フラグを「ON」に設定する(T13)。また、上記のいずれかの更新表示中フラグが「ON」であると判定したならば(T9;Yes)、処理部410は、待機中フラグを「ON」に設定する(T15)。待機中フラグは、更新表示制御の待機状態であることを示すフラグである。
一方、減算する方向に数値を変化させると判定したならば(T7;減算)、処理部410は、更新表示中フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(T17)。上記のいずれの更新表示中フラグも「ON」ではないと判定したならば(T17;No)、処理部410は、減算更新表示制御の実行を開始する(T19)。具体的には、現在表示中の数値を、例えば横スクロールによって更新先数値まで順次に表示変化させるように制御する。そして、処理部410は、減算更新表示中フラグを「ON」に設定する(T21)。また、上記のいずれかの更新表示中フラグが「ON」であると判定したならば(T17;Yes)、処理部410は、待機中フラグを「ON」に設定する(T23)。
T13、T15、T21又はT23の後、処理部410は、更新表示中フラグが「ON」であるか否かを判定し(T25)、「ON」であると判定したならば(T25;Yes)、実行中の更新表示制御が完了したか否かを判定する(T27)。そして、完了したと判定したならば(T27;Yes)、完了した更新表示制御に対応する更新表示中フラグを「OFF」に設定する(T29)。
次いで、処理部410は、待機中フラグが「ON」に設定されているか否かを判定し(T31)、「ON」に設定されていると判定したならば(T31;Yes)、当該待機中フラグに対応する更新表示制御の実行を開始する(T33)。そして、処理部410は、当該待機中フラグを「OFF」に設定する(T35)。
その後、処理部410は、処理を終了するか否かを判定し(T37)、処理を継続すると判定したならば(T37;No)、T1に処理を戻す。また、処理を終了すると判定したならば(T37;Yes)、処理部410は、数値情報表示処理を終了する。
図68は、上記の数値情報表示処理における数値情報の更新表示制御の原理の説明図である。ここでは、数値情報を、遊技者が遊技に使用した使用遊技価値であるアウト(打込数)と遊技者に賞球によって付与された付与遊技価値であるセーフ(払出数)との差数としてデータ表示装置400の液晶表示部430に表示させる場合を例に挙げて説明する。但し、遊技者の視点で考え、セーフ−アウトとして算出される差数を差玉数として表示させることとする。
一例として、遊技機1が前述した高ベース状態に制御された状態で、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップ型役物(電チュー)によるサポート(いわゆる電サポ)を受けながら、遊技者が遊技球を打ち込んで、遊技球を第2始動入賞口に入賞させる場合を考える。この場合、データ表示装置400は、対応する遊技機1から時短中信号を受信している場合に、算出した差玉数に基づいて、上記の加算更新表示制御及び減算更新表示制御を実行する。
具体的には、データ表示装置400は、対応する遊技機1から出力される賞球信号及びアウト球検出器200から出力されるアウト信号に基づいて、セーフ及びアウトをそれぞれ算出する。賞球信号は、遊技機1において第1規定球数が払い出される毎に出力され、アウト信号は、第2規定球数がアウト球検出器200により計数される毎に出力される。例えば、第1規定球数及び第2規定球数をそれぞれ「10球」とすると、データ表示装置400は、10球単位で算出したセーフ及びアウトを用いて、差玉数を算出することができる。
高ベース状態では、遊技者が遊技球を打ち込み、第2始動入賞口への入賞を狙う。このとき、第2始動入賞口に遊技球が入賞することで規定球数(例えば3球)の遊技球が賞球されるため、遊技球を打ち込むことによるアウトの増加と賞球によるセーフの増加とが繰り返されることになる。しかし、第2始動入賞口に入賞せずにこぼれ落ちる遊技球の存在により、差玉数は次第に減少していくのが通常である。
この場合、差玉数の減少は、遊技者にとって不利益となる数値情報の更新であり、減算表示更新制御を実行する。この減算表示更新制御では、液晶表示部430に表示されている差玉数を減算する方向に更新表示させる。この際、差玉数の更新の途中経過を液晶表示部430に表示させないように制御する。
差玉数が「1000」から漸次減少していく場合を考える。具体的には、差玉数が「1000」の状態から「990」の状態まで減少するとした場合、減算更新制御では、差玉数の「1000」の表示を、例えば横スクロールによって「990」に一括更新する。
具体的には、「1000」の数値を一括的に左スクロールして「0990」とする。つまり、千の位の「1」の数値を左にシフトさせて非表示とし、百の位〜一の位の「000」の数値を左にシフトさせて千の位〜百の位とし、非表示の「9」の数値を左にシフトさせて一の位とすることで「0009」とする。次に、千の位の「0」の数値を左にシフトさせて非表示とし、百の位〜一の位の「009」の数値を左にシフトさせて千の位〜百の位とし、非表示の「9」の数値を左にシフトさせて一の位とすることで「0099」とする。次に、千の位の「0」の数値を左にシフトさせて非表示とし、百の位〜一の位の「099」の数値を左にシフトさせて千の位〜百の位とし、非表示の「0」の数値を左にシフトさせて一の位とすることで「0990」とする。
次に、高ベース状態において大当りに当選し、対応する遊技機1が大当り遊技状態に制御されたとする。大当り遊技状態に制御されると、大入賞口が開放され、大入賞口への遊技球の入賞により賞球が行われる。大入賞口への1回の入賞による賞球数(例えば15球)は、第2始動入賞口への1回の入賞による賞球数(例えば3球)よりも多く、複数のラウンドにわたって大入賞口を開放させる制御が行われるため、アウトに対してセーフが大幅に増加し、これに伴い差玉数も急激に増加する。
この場合、差玉数の増加は、遊技者にとって利益となる数値情報の更新であり、加算表示更新制御を実行する。この加算表示更新制御では、液晶表示部430に表示されている差玉数を増加する方向に更新表示させる。この際、差玉数の更新の途中経過を液晶表示部430に表示させるように制御する。
例えば、大当り遊技状態において、上記の遊技者の差玉数が「990」から増加する場合を考える。例えば、差玉数が「990」の状態から「1000」の状態まで増加するとした場合、例えば縦スクロールによって、差玉数の「0990」の表示を「1000」まで順次に更新する。
具体的には、最初に、表示中の数値「0900」の一の位の「0」の数値を下方向にスクロールさせて非表示にするとともに「1」の数値をリールのように下方向にスクロールさせて一の位に表示させる。次いで、数値「0901」の一の位の「1」の数値を下方向にスクロールさせて非表示にするとともに「2」の数値をリールのように下方向にスクロールさせて一の位に表示させる。以下、同様の処理を繰り返し、数値「0999」の千の位〜一の位の「0999」の数値を下方向にスクロールさせて非表示にするとともに「1000」の数値をリールのように下方向にスクロールさせて千の位〜一の位にそれぞれ表示させる。
本実施形態における更新表示制御では、更新先の数値情報が同一の数値に対応する数値情報であっても、加算更新表示制御を実行する場合と減算更新表示制御を実行する場合とで、更新の態様(更新における動作の態様)が異なることが特徴である。つまり、更新先の数値が同じ数値(例えば1000)であったとしても、加算更新表示制御を実行する場合と減算更新表示制御を実行する場合とでスクロールの態様が異なるため、更新の態様が異なることになる。
なお、上記の例において、遊技機1及びアウト球検出器200から、それぞれ1球単位で賞球信号及びアウト信号が出力されるように構成し、データ表示装置400が、1球単位でセーフ及びアウトをそれぞれ算出して、差玉数を算出するようにしてもよい。
また、上記の例において、時短中信号の代わりに、例えば、連荘中(連チャン中)であることを示す連荘中信号を遊技機1から出力させるように構成し、データ表示装置400が、対応する遊技機1から連荘中信号を受信している場合に、上記の処理を実行するようにしてもよい。また、上記の例では高ベース状態を例に挙げて説明したが、低ベース状態の場合についても同様の処理を行うことができる。
また、上記において、遊技機をスロットマシンとし、遊技者が遊技に使用した使用遊技価値であるIN(使用メダル数)と遊技者に付与された付与遊技価値であるOUT(付与メダル数)との差数(差メダル数)を数値情報としてもよい。また、遊技者が手元に所有している持玉数(パチンコ遊技機の場合)や持メダル数(スロットマシン)を数値情報としてもよい。
例えば、持玉数を数値情報として表示させるのであれば、データ表示装置400は、台間計数ユニット500から出力される玉払出信号及び玉計数信号に基づいて持玉数を算出すればよい。この場合、持玉数が計数によって増加する場合と払い出しによって減少する場合とのいずれの場合にも、任意の球数単位で上記の更新表示制御を実行することができる。例えば、台間計数ユニット500によって1球単位で遊技球が計数されるのであれば、台間計数ユニット500の計数時に玉計数信号に基づいて1球単位で持玉数の加算更新表示制御を実行すればよい。また、台間計数ユニット500の払い出しによって25球単位で遊技球が払い出されるのであれば、台間計数ユニット500の払出時に玉払出信号に基づいて25球単位で持玉数の減算更新表示制御を実行すればよい。
加算更新表示制御を実行する場合とで減算更新表示制御を実行する場合とで更新の態様を異ならせる方法としては、上記のようにして説明したスクロールの態様を異ならせたり(縦スクロールと横スクロール)、途中経過の表示を異ならせる(途中経過の表示の有無)他にも、数値情報の更新の周期や更新を完了させるまでの時間を異ならせるなどの手法を適用することができる。
また、上記の例では、数値情報をデータ表示装置400の液晶表示部430に表示させたが、数値情報をセグ表示部440に表示させるようにしてもよい。セグ表示部440は、3桁の7セグメント表示器で構成されているため、セグ表示部440単体では、3桁までの数値を表示させることができる。また、上記の実施形態で説明したように、液晶表示部430とセグ表示部440とで連係した表示パターン(液晶セグ表示パターン)で数値情報を表示させることも可能であり、この場合には、4桁以上の数値を連係によって表示させることができる。また、セグ表示部440に数値情報を表示させる場合において、加算更新表示制御を実行する場合と減算更新表示制御を実行する場合とで、7セグを点灯させる順番を異ならせるなどして、加算更新表示制御と減算更新表示制御とを区別するようにしてもよい。
また、上記の数値情報表示処理において、更新表示中フラグ及び待機中フラグを用いずに、リアルタイムに更新表示制御を実行するようにしてもよい。つまり、更新表示制御の実行中に新たに更新表示条件が成立した場合に、実行中の更新表示制御の完了を待たずに、新たに成立した更新表示条件に対応する更新表示制御を開始するようにしてもよい。
[3−8−2.個人遊技履歴情報の記録]
上記の実施形態における個人遊技履歴情報の記録において、個人遊技履歴情報の更新が制限された場合に、個人遊技履歴情報の更新を制限してから解除するまでの期間における対応する遊技機1の遊技に関する情報に基づいて、個人遊技履歴情報を補正するようにしてもよい。
具体的には、図63の個人遊技履歴情報記録処理において、情報記録開始準備処理の実行が開始され、記録フラグに「2」がセットされた場合(M9;Yes→M11;No)、又は、情報記録終了準備処理の実行が開始され、記録フラグに「5」がセットされた場合(M23;Yes→M25;No)には、その後に実行される図64の第1更新中処理において、記憶フラグに「3」がセットされていないと判定される(N3;No)。
この際に、準備中画面を表示させる制御を実行するとともに、対応する遊技機1から出力される遊技機信号に基づいて、個人遊技履歴情報を補正するための情報(以下、「補正用情報」という。)を取得して記憶・更新する補正用情報取得処理の実行を開始する。そして、記録フラグに「3」がセットされるまでの期間(以下、「更新制限期間という。」)、補正用情報取得処理の実行を継続し、記録フラグに「3」がセットされたと判定した時点で(N3;Yes)、補正用情報取得処理の実行を終了する。そして、補正用情報取得処理で得られた補正用情報を用いて、更新制限期間における個人遊技履歴情報を補完することで補正する。つまり、更新制限期間分の個人遊技履歴情報の差分を用いて、個人遊技履歴情報を補正するようにしてもよい。
また、ホールコンピュータ600では、それぞれの遊技機1に関する遊技情報の取得・集計を行っている。このため、更新制限期間における対応する遊技機1での遊技情報をホールコンピュータ600に要求し、ホールコンピュータ600から提供される更新制限期間における遊技情報を補正用情報として用いて、個人遊技履歴情報を補正するようにしてもよい。
また、前述したように、データ表示装置400が操作の受付時に携帯端末250との間の通信が適切に行われなかった場合や、記録した個人遊技履歴情報にデータ化けが生じた場合など、正しい個人遊技履歴情報を遊技者に提供することができなくなるおそれがある場合に、上記と同様に補正用情報を取得して、個人遊技履歴情報を補正するようにしてもよい。
また、上記の個人遊技履歴情報の補正を、データ表示装置400ではなくホールコンピュータ600が行うようにしてもよい。
また、上記の実施形態において、ホールコンピュータ600側で、データ表示装置400における準備処理の実行中に個人遊技履歴情報を変更する条件が成立したか否かを判定し、その判定結果に基づいて、自装置で集計した個人遊技履歴情報をデータ表示装置400に提供するようにしてもよい。
図69は、この場合における個人遊技履歴情報の記憶に関する処理の説明図であり、遊技用装置から管理装置に送信される要求と、当該要求が送信されるための条件と、管理装置側の処理とを対応付けたテーブルを図示している。
要求には、要求A〜Dと要求Mと要求Rとが含まれる。
要求Aには、条件「情報記録開始操作あり(記録フラグ1)」が、管理装置側の処理として「個人遊技履歴情報A(情報記録開始操作時)を記憶」がそれぞれ定められている。これは、情報記録開始操作がなされた場合に、データ表示装置400からホールコンピュータ600に対して、情報記録開始操作時における個人遊技履歴情報を記録することを求める要求(要求A)を行うことを意味する。
要求Bには、条件「情報記録開始準備処理完了(記録フラグ2かつ情報記録開始準備処理中ではない)」が、管理装置側の処理として「個人遊技履歴情報B(情報記録開始準備処理完了時)を記憶」がそれぞれ定められている。これは、情報記録開始準備処理が完了した場合に、データ表示装置400からホールコンピュータ600に対して、情報記録開始準備処理完了時における個人遊技履歴情報を記録することを求める要求(要求B)を行うことを意味する。
要求Cには、条件「情報記録終了操作あり(記録フラグ4)」が、管理装置側の処理として「個人遊技履歴情報C(情報記録終了操作時)を記憶」がそれぞれ定められている。これは、情報記録終了操作がなされた場合に、データ表示装置400からホールコンピュータ600に対して、情報記録終了操作時における個人遊技履歴情報を記録することを求める要求(要求C)を行うことを意味する。
要求Dには、条件「情報記録終了準備処理完了(記録フラグ5かつ情報記録終了準備処理中ではない)」が、管理装置側の処理として「個人遊技履歴情報D(情報記録終了準備処理完了時)を記憶」がそれぞれ定められている。これは、情報記録終了準備処理が完了した場合に、データ表示装置400からホールコンピュータ600に対して、情報記録終了準備処理完了時における個人遊技履歴情報を記録することを求める要求(要求D)を行うことを意味する。
要求Mには、条件「(1)データ表示装置側で個人遊技履歴情報記録中(記録フラグ3)、(2)情報記録開始準備処理中(記録フラグ2かつ情報記録開始準備処理中)、(3)情報記録終了準備処理中(記録フラグ5かつ情報記録終了準備処理中)」が、管理装置側の処理として「個人遊技履歴情報Mを更新」がそれぞれ定められている。これは、データ表示装置400側で個人遊技履歴情報を更新している場合、情報記録開始準備処理を実行している場合、情報記録終了準備処理を実行している場合には、データ表示装置400からホールコンピュータ600に対して、個人遊技履歴情報を更新することを求める要求(要求M)を行うことを意味する。
要求Rには、条件「情報記録終了時(記録フラグ6)」が、管理装置側の処理として「個人遊技履歴情報A≠B又は個人遊技履歴情報C≠Dの場合、個人遊技履歴情報Mをデータ表示装置に出力」がそれぞれ定められている。これは、データ表示装置400側で情報記録処理を完了する際に、データ表示装置400からホールコンピュータ600に対して、ホールコンピュータ600側で集計された個人遊技履歴情報を提供するように要求することを意味する。
個人遊技履歴情報A≠Bとなるのは、情報記録開始操作を受け付けた時点における個人遊技履歴情報と情報記録開始準備処理を完了した時点における個人遊技履歴情報とが異なる場合であり、情報記録開始準備処理中に遊技機1で遊技が行われたことを意味する。また、個人遊技履歴情報C≠Dとなるのは、情報記録終了操作を受け付けた時点における個人遊技履歴情報と情報記録終了準備処理を完了した時点における個人遊技履歴情報とが異なる場合であり、情報記録終了準備処理中に遊技機1で遊技が行われたことを意味する。そこで、個人遊技履歴情報A≠Bと個人遊技履歴情報C≠Dとのいずれかの条件が成立した場合には、ホールコンピュータ600側で集計した個人遊技履歴情報Mをデータ表示装置400に出力するようにすることで、正しい個人遊技履歴情報をデータ表示装置400が取得することを可能とする。
データ表示装置400及びホールコンピュータ600は、上記のテーブルを適用した処理を実行する。具体的には、データ表示装置400の処理部410は、上記のテーブルに定められた条件が成立した場合に、当該条件に対応付けられた要求をホールコンピュータ600に対して行う。ホールコンピュータ600の処理部610は、データ表示装置400からの要求を受けて、当該要求に対応付けられた管理装置側の処理を実行する。要求Rがなされた場合に、処理部610は、個人遊技履歴情報A≠B、又は、個人遊技履歴情報C≠Dの条件が成立したか否かを判定する。そして、条件が成立したと判定したならば、個人遊技履歴情報Mをデータ表示装置400に出力する。データ表示装置400の処理部410は、ホールコンピュータ600から個人遊技履歴情報Mを取得すると、この個人遊技履歴情報Mを特定可能な情報(サーバ980へのアクセス情報等)を液晶表示部430に表示させる。
また、上記の実施形態において、データ表示装置400が、記録している個人遊技履歴情報のうちの少なくとも一部の情報を液晶表示部430に表示させるようにしてもよい。例えば、個人遊技履歴情報のうち、遊技者にとって必要性の高い情報(大当り回数や出玉、差玉等)は液晶表示部430に表示させるが、遊技者にとって必要性の低い情報(上記以外の情報)は液晶表示部430に表示させないようにしてもよい。また、遊技者に提供する個人遊技履歴情報は、全ての個人遊技履歴情報としてもよいが、液晶表示部430に表示させる情報のみとしてもよい。この場合には、液晶表示部430に表示させない情報は、遊技者に提供する個人遊技履歴情報から除外し、液晶表示部430に表示させる情報のみで構成される個人遊技履歴情報を記録対象として、上記の実施形態と同様の処理を行うようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、個人遊技履歴情報を特定可能な情報として、サーバ980へのアクセス情報をエンコードした二次元コードを液晶表示部430に表示させることとしたが、個人遊技履歴情報を特定可能な情報を出力する方法はこれに限られるわけではない。例えば、非接触式通信を利用し、データ表示装置400のICライタから携帯端末250のICチップに個人遊技履歴情報そのもの(圧縮した情報を含む。)を書き込むようにすることで、携帯端末250に個人遊技履歴情報を提供するようにしてもよい。
[4.第4実施形態]
[4−1.システム構成]
図70は、本実施形態における第3遊技用システム1000Cのシステム構成の一例を示す図である。なお、前述した実施形態の遊技用システムと同一の構成要素については同一の符号を付して、再度の説明を省略する。
第3遊技用システム1000Cは、遊技島に設置される複数の遊技機1と、各遊技機1に対応して設けられる遊技用装置、情報表示装置、記録媒体処理装置及び貸出装置の一種であるカードユニット300と、各遊技機1に対応して設けられる遊技用装置及び情報表示装置の一種であるデータ表示装置400と、ホールコンピュータ600と、玉管理コンピュータ800と、台端末900と、を備えて構成される。
カードユニット300は、遊技機1の所定側の側方位置に該遊技機1に対して1対1に対応設置され、店舗に会員登録をしていないビジター遊技者に対して発行されるビジターカードと、店舗に会員登録をした会員遊技者に対して発行される会員カードとを含む記録媒体である遊技用カードを受付可能に構成され、受け付けた遊技用カードから特定される所有遊技価値を、遊技機1で使用可能とするための処理を実行する。
具体的には、カードユニット300は、遊技用カードから特定される所有有価価値である残額を消費して、遊技機1での遊技に使用される遊技媒体である遊技球を貸し出したり、遊技用カードから特定される所有遊技媒体数である貯玉数や持玉数に基づいて、遊技機1での遊技に使用される遊技媒体である遊技球を払い出す処理、遊技者が獲得した遊技球を計数する処理等の各種の処理を実行する。
本実施形態において、カードユニット300は、前述した遊技用システムと同様に、ホールコンピュータ600から出力される設定用データであるユニット設定用データ693に基づいて、払出率指標値の算出や表示に係る各種の設定を行う。そして、カードユニット300は、データ表示装置1200と同様の手法で、払出率の算出やその適否を判定し、これらの結果に基づく特定情報を液晶表示器313に表示する。また、カードユニット300は、対応する遊技機1で遊技する遊技者が所有する遊技価値に関する情報として、遊技者が獲得した遊技球の数である獲得球数を計数して、液晶表示器313に表示する。なお、カードユニット300における各種の設定や払出率の算出、表示等については第2実施形態と略同一の手法によって実現可能であるため、詳細な説明は省略する。
[4−2.信号及び情報の流れ]
図71は、第3遊技用システム1000Cの各装置間における信号及び情報の流れの一例を示す図である。なお、この図では、説明の簡明化のために、台端末900については図示を省略している。
遊技機1からは、遊技機信号が、カードユニット300、データ表示装置400及びホールコンピュータ600に出力される。
また、遊技機1に付設されるアウト球検出器200からは、アウト信号が、カードユニット300、データ表示装置400及びホールコンピュータ600に出力される。
カードユニット300からは、カード挿入信号、カード排出信号、入金信号、消費信号、玉払出信号、玉計数信号及びユニットエラー信号を含むユニット信号が、データ表示装置400、ホールコンピュータ600及び玉管理コンピュータ800に出力される。
また、カードユニット300からは、自装置に挿入された遊技用カードの認証を要求するための認証要求信号が玉管理コンピュータ800に出力される。認証要求信号には、自装置のIDであるユニットIDと、遊技用カードに記録されたカードID(会員カード:会員カードID,ビジターカード:ビジターカードID)とが含まれる。
また、カードユニット300からは、撮像部390によって撮像された撮像画像のデータである撮像画像データが玉管理コンピュータ800に出力される。玉管理コンピュータ800とホールコンピュータ600とは通信接続されており、玉管理コンピュータ800は、カードユニット300から取得した撮像画像データを、ホールコンピュータ600と共有して管理することが可能に構成されている。
ホールコンピュータ600からは、上記の実施形態と同様に、表示装置設定用データ691がデータ表示装置400に出力される。また、ホールコンピュータ600からは、上記の実施形態と同様に、大当りランニング演出信号や定期告知信号を含む管理装置信号がデータ表示装置400に出力される。
また、上記に加えて、ホールコンピュータ600からは、データ表示装置400が実行する照射演出におけるモードを指示するためのモード指示信号が管理装置に含めて、データ表示装置400に出力される。データ表示装置400は、ホールコンピュータ600から出力されるモード指示信号に応じたモードで照射演出を実行する。
ホールコンピュータ600からは、カードユニット300が各種の設定を行うための設定用データであるユニット設定用データ693が、カードユニット300に出力される。
玉管理コンピュータ800は、カードユニット300から出力される認証要求信号に従って認証処理を実行し、認証信号をカードユニット300に送信する。認証信号には、認証結果(OK/NG)が含まれる。認証結果がOKである場合には、認証要求信号に含まれるカードIDに対応付けられたカード情報がカードユニット300に出力される。
[4−3.カードユニットの構成]
図72は、カードユニット300の外観構成の一例を示す図である。
カードユニット300の前面には、フルカラーLEDにより構成されて複数の色に点灯することでカードユニット300の状態等を報知可能とされた多機能ランプ301と、紙幣を挿入するための紙幣挿入口302と、計数済玉数を払出すための計数払出操作を受付けるための払出ボタン311と、会員カードやビジターカードを挿入するためのカード挿入口309と、装置前面より装置前方側に突出するように形成された表示部355と、カメラを有する撮像部390とが設けられている。
表示部355は、タッチパネル314が一体的に構成された液晶表示器313を有し、液晶表示器313に表示された各表示項目をタッチパネル314に対する指触により入力可能に構成されている。また、表示部355には、店舗の係員が所持する設定用リモコンからの赤外線信号を受信して電気信号に変換して出力するIR受光ユニット315が設けられている。
カードユニット300の前面に設けられたカード挿入口309は、該カード挿入口309に対応する位置に内蔵されるカードリーダライタ327のカードスロット392に連設されており、このカード挿入口309を介して遊技用カード(ビジターカード、会員カード)をカードスロット392に挿入可能とされている。
遊技用カードには、種々のデータを記憶するための不揮発性メモリと、これら記録情報の書き換えや読み出しを実施するとともに、外部のリーダライタ装置との非接触通信を実施する制御部とを有するICチップが搭載されたICカードを使用しており、これら遊技用カードには、個々のカードを識別可能な会員カードID/ビジターカードIDが予め書き換え不能に記憶されている。そして、その種別がカードIDから識別可能とされているとともに、プリペイド残額を特定可能なプリペイド残額データ等が記憶される。
なお、会員カードは、店舗に会員登録を実施した会員遊技者に対して発行されるものであり、該会員に対して付与される会員IDが書き換え不能に記憶されている。また、該会員カードを使用して会員遊技者は、後述するように、一度獲得して計数した遊技球を、その翌日以降においても再度遊技に使用したり、景品交換に使用できる貯玉を行うことができるようになっているが、該会員カードには、該貯玉が行われた遊技球数である貯玉数は直接記録されておらず、該貯玉数は、後述するように、玉管理コンピュータ8において、会員カードIDと対応付けて記憶されることで、該会員カードIDから特定されるようになっている。
また、会員カードには、計数払出ユニット380によって計数されたローカル計数玉数に基づく持玉数も直接記録されておらず、該持玉数も、後述するように、会員カードIDと対応付けて記憶されることで、該会員カードIDや会員IDから特定されるようになっており、該持玉数をその当日においてのみ、店舗内の各カードユニット300において遊技に使用でき、また、不図示の景品交換POS端末において景品交換に使用できるようになっている。
また、本実施形態では、ビジターカードにも、計数払出ユニット380によって計数されたローカル計数玉数に基づく持玉数が直接記録されておらず、後述するように、玉管理コンピュータ8においてビジターカードIDと対応付けて記憶して管理されることで、ビジターカードIDから特定されるようになっており、不図示の景品交換POS端末において景品交換に使用できるようになっている。
なお、本実施形態では、タッチパネル314に対する操作により遊技者がカードユニット300に対する各種の操作を行うこととして説明するが、例えば表示部355に、メニュー選択を行うためのメニューボタンや台データを表示させるための台データボタン、会員カードを受付けた場合において、該会員カードに記録された会員カードID並びに会員IDにより特定される貯玉数を用いた再プレイ遊技を実施するための再プレイボタン等の操作ボタンを設けることとしてもよい。
また、表示部355の内部には、後述する液晶表示器313や操作ボタンに対応するスイッチが設けられており、これらが表示部355に対応する装置内位置に設けられた表示制御基板329に接続されることで、液晶表示器313の表示制御や、タッチパネル314による入力位置検出等が該表示制御基板329によって実施される。
カードユニット300内の上部位置には、紙幣挿入口302に連設され、該紙幣挿入口302に投入された紙幣を取り込んでその真贋や紙幣種別の識別を実施し、その識別結果を装置略中央部に設けられている後述する制御ユニット305に出力する紙幣識別ユニット302aが設けられており、該紙幣識別ユニット302aにおいて各種紙幣(1万円、5千円、2千円、千円の各紙幣)の受付が可能とされている。
また、カードユニット300の略中央部位置には、該カードユニット300を構成する各部と接続しやすいように該カードユニット300の動作を制御する制御ユニット305が設けられており、後述するように、該制御ユニット305によって該カードユニット300の各種の動作が制御されている。
また、カードユニット300と遊技機1とは、払出単位として予め定められた複数個の遊技球の貸出に伴う貸出関連信号や遊技球の払い出しに伴う払出関連信号を送受可能に構成されている。例えば、貸出関連信号には、カードユニット300から遊技機1に遊技球の貸出しを行わせるための貸出要求信号や、遊技機1から出力される台端末貸出完了信号や台READY信号、ユニットREADY信号、台端末貸出要求完了確認信号等の信号が含まれる。
カードユニット300からは、ユニット不正信号が出力される。カードユニット300は、遊技者の不正を検出する機能として、例えば、不正電波検知機能や振動検出機能、偽造カードや偽造紙幣の判別機能を有し、これらの機能により不正電波、振動を検出した場合や、偽造カードや偽造紙幣が使用されたと判別した場合に、外部出力基板を介してユニット不正信号が外部出力されるように構成されている。
また、カードユニット300からは、ユニット異常信号が出力される。カードユニット300は、異常を検出する機能として、遊技用カードの挿入/排出不全検出機能や計数払出ユニット380による計数払出不全検出機能を有し、これらの機能により遊技用カードの挿入/排出不全が検出された場合や、計数払出ユニット380による計数払出不全が検出されたような場合に、外部出力基板を介してユニット異常信号が外部出力されるように構成されている。
プリペイド残額は、「カード残額÷単位額」の式で演算される商の整数部分であり、カード残額は、遊技用カードに記録される円単位の残額である。例えば、単位額は100円とすることができ、カード残額が10000円である場合は、プリペイド残額は100となる。
上記の残額は、遊技用カードに直接記録する運用としてもよいし、遊技用カードには記録せずに、玉管理コンピュータ800等の管理装置で管理する運用としてもよい。遊技用カードに残額を記録する場合には、カードユニット300が、受け付けた遊技用カードから残額を読み取ることで、遊技者が所有する残額を特定するようにすればよい。また、遊技用カードに残額を記録しない場合には、カードユニット300が、受け付けた遊技用カードのカードIDを管理装置に出力し、管理装置から該カードIDに対応付けられた残額データを取得することで、遊技者が所有する残額を特定するようにすればよい。
カードユニット300は、上記のようにして特定した残額を、プリペイド残額データやカード残額データとして記憶部320に記憶させる。また、カードユニット300は、遊技用カードの受付中は、遊技のための残額の消費や入金による残額の追加によって残額のデータを更新する。そして、遊技用カードに残額を記録する運用では、カードユニット300は、遊技用カードの返却時に、遊技用カードに残額を記録させる。また、管理装置で残額を管理する運用では、遊技用カードの返却時や返却後に、残額のデータを管理装置に出力する。
本実施形態では、残額と言った場合、遊技用カードに対応付けられている残額のことを意味することとして説明する。つまり、入金によって遊技用カードに直接的に記録される残額や、入金によって遊技用カードのカードIDや会員IDと対応付けて上位の管理装置で管理される残額を意味するものとする。
また、本明細書では、遊技者がパチンコ機での遊技で獲得した玉であって、ホールに預けている玉のことを「貯玉」と称する。また、ホールに預けている貯玉の数を「貯玉数」と称する。貯玉数は、管理装置で管理される。原則的に、貯玉数は会員カードに記録させることはできず、記録媒体処理装置が会員カードを受け付けたことに応じて、管理装置で管理されている貯玉数が記録媒体処理装置に送信される。また、当営業日に遊技者が獲得した玉のことを「当日貯玉」と称し、当営業日以前に会員遊技者によって獲得されて貯蓄された玉のことを「過去貯玉」と称する。なお、原則には反するが、貯玉数を会員カードに記録させるようにしてもよい。
当日に遊技者が獲得した貯玉数は、所定条件の成立に応じて、当日貯玉数はその当日に遊技者が貯蓄した貯玉数として確定され、翌営業日以降における過去貯玉数として管理される。所定条件は、例えば、当日の店舗の営業終了後、締め処理が行われることとして定めておくことができる。締め処理は、時刻が所定の締め時刻(例えば深夜10時や深夜0時、深夜2時)となったことや、店舗の管理者によって締め処理の実行操作がなされたこと、店舗の営業終了により管理装置の電源が一旦切断され、次の営業日の営業のために管理装置の電源が立ち上げられたこと、等の条件の成立に応じて実行される。この締め処理が実行されることにより、当日貯玉数は過去貯玉数に加算されてリセットされ、次の営業日以降の過去貯玉として管理されることになる。
また、本明細書では、遊技者がパチンコ機で遊技を行った結果、遊技者の所有となった遊技玉数のことを「持玉」と称する。また、会員カードに対応付けられる当日貯玉と区別するために、ビジターカードに記録されている玉数のことを「持玉数」と称する。
また、本明細書では、遊技機1で発射可能なパチンコ玉であり、残額や持玉、貯玉を引き落とすことと引き換えにして生成されるパチンコ玉のことを「遊技球」と称する。
撮像部390は、対応する遊技機1で遊技する遊技者が当該遊技機1の手前側に設置された遊技椅子に着座した状態で遊技者の顔を撮像することができる位置、具体的には、カードユニット300の前面板の中央部に設けられている。撮像部390は、処理部310の制御に従って、遊技者を撮像可能に構成されている。
図73は、カードユニット300の機能構成の一例を示すブロック図である。
カードユニット300は、紙幣識別ユニット302aと、カードリーダライタ327と、表示制御基板329と、カードユニット300の各部の制御を制御プログラムにより実施して該カードユニット300の各種の機能を提供する制御ユニット305とから構成されており、紙幣識別ユニット302a、カードリーダライタ327及び表示制御基板329は制御ユニット305と接続されて各種データの送受が可能とされている。
カードリーダライタ327は、カード挿入口309から挿入される会員カード並びにビジターカードに記録されている(会員)カードIDや、会員ID(会員カードのみ)、プリペイド残額データ等の記録情報の読み出し及び書き込みを行う。
制御ユニット305は、処理部310と、記憶部320と、時計部335とを備えて構成される。
処理部310は、カードユニット300を統括的に制御するCPUやDSP等のプロセッサやASIC等の集積回路を有して構成される制御装置及び演算装置である。
記憶部320は、ROMやフラッシュROM、EEPROM、RAM等のメモリを有して構成される記憶装置である。本実施形態において、記憶部320には、処理部310により読み出され、カードユニット処理として実行されるカードユニット処理プログラム321と、ローカル計数玉数のデータであるローカル計数玉数データ323と、払出率集計データ325と、受け付けた遊技用カードのデータである受付カードデータ327と、撮像部390によって撮像された撮像画像のデータである撮像画像データ329と、ホールコンピュータ600から出力されるユニット設定用データ693と、が記憶される。
払出率集計データ325は、対応遊技機1における払出率に係る集計値を記憶したデータであり、第2実施形態で説明した払出率集計データ1295と同様のデータである。
また、カードユニット処理プログラム321は、払出率指標値算出処理として実行される払出率指標値算出プログラム321aと、表示処理として実行される表示処理プログラム321bと、をサブルーチンとして含む。
制御ユニット305は、遊技球の貸出に伴う各種の信号の授受を、対応遊技機1に設けられている不図示の賞球制御基板との間において実施可能に接続されているとともに、前述のように、信号ケーブルを介して、遊技機1の情報出力基板と接続されることで、遊技機信号が入力可能とされている。
また、制御ユニット305は、対応遊技機1の下方位置に設けられているアウト球検出器200に接続されて該アウト球検出器200によるアウト信号が入力可能とされており、これらアウト球検出器200からのアウト信号の入力に応じて、払出率集計データ325を更新する。
また、制御ユニット305は、タッチパネル314に対する操作の有無を把握できるようになっている。タッチパネル314に対する操作を検知すると、制御ユニット305は、当該操作に応じた処理を実行する。
また、制御ユニット305には、前述したように、対応遊技機1の操作部に設けられた残額表示器や、貸出ボタンの操作を検知する貸出ボタンスイッチや、受付中の会員カードやビジターカードを返却させる際に操作される返却ボタンの操作を検知する返却ボタンスイッチが接続されており、貸出ボタンの操作や返却ボタンの操作を検知できるとともに、これら残額表示器の表示制御を実施する。
制御ユニット305は、リモコンからの送信に応じたIR受光ユニット315からの出力や表示部355に設けられている各種ボタンの操作やタッチパネルの操作に応じて表示制御基板329から入力される各種情報や、紙幣識別ユニット302aによる貨幣識別情報、並びにカードリーダライタ327からのカード挿入情報やビジターカードの貯留状態情報等を受けて、制御ユニット305に接続されている前記多機能ランプ内に設けられたフルカラーLED301a等の各LEDの点灯制御、カードリーダライタ327、表示制御基板329の制御、残額表示器の表示制御等、全体の動作制御を行う。
また、制御ユニット305は、カード挿入口309に挿入された会員カードやビジターカードの利用の可/不可を判別するカード受付処理や、受付中の遊技用カードから特定した残額を使用した玉貸を行う貸与処理、貨幣の受付に応じて、受付中の遊技用カードに残存する残額への入金、或いは、新たな遊技用カードにプリペイド残額を書き込んで発行する発行・入金処理、返却ボタンによる返却操作により受付中の会員カードやビジターカードの返却する返却処理、払出ボタン311の操作の受付によって所有遊技媒体数(ローカル計数玉数に貯蓄済みの貯玉数や持玉数を加算した玉数)のうちの所定の単位球数の遊技球の払い出しを行う払出処理等の処理を実行する。
また、制御ユニット305は、HUBを介して、ローカルエリアネットワーク(LAN)に接続されているホールコンピュータ600や玉管理コンピュータ800等の外部装置とデータ通信可能に接続されており、これらの各コンピュータと各種データの送受が可能とされている。
また、制御ユニット305に接続された表示制御基板329は、表示部355を構成する液晶表示器313やタッチパネル314、各種の操作ボタン316に対応するスイッチ、IR受光ユニット315、前述した再プレイ表示部内に設けられたLED320a等の電子部品が接続されており、これらタッチパネル314の操作情報や、各種スイッチ類の操作情報、IR受光ユニット315から出力された出力信号に基づく情報が、表示制御基板329を介して制御ユニット305に出力される。
本実施形態の表示制御基板329には、液晶表示器313の表示駆動を行う表示駆動回路(図示略)や、タッチパネル314からの出力信号に基づいて押圧操作された位置を特定して該特定した入力位置情報を出力する入力位置検出回路(図示略)や、表示部355に表示する表示映像に関する処理を行うVDP(図示略)や、メニュー表示等に使用する画像データ等を記憶するVROM(図示略)や、表示部355に表示する表示データを一時記憶するVRAM(図示略)や、制御ユニット305から独立して、各種スイッチ類やタッチパネル等の入力に伴う判断や処理を処理プログラムに基づいて実施する表示制御マイコン等が実装されており、制御ユニット305から出力される表示データ(ページデータ)等に基づいて、各種の表示画面を、表示部355を構成する液晶表示器313に表示可能とされている。
カードユニット300は、遊技用カードを受付可能に構成され、遊技用カードを受け付けたカードユニット300は、遊技用カードから特定されるプリペイド残額に応じて、上記の玉貸処理を実行する。また、遊技用カードから特定される貯玉数や持玉数に応じて、上記の払出処理を実行する。
カードユニット300の前面には、紙幣を挿入するための紙幣挿入口、会員カードやビジターカードを挿入するためのカード挿入口309が設けられている。このカード挿入口309に挿入された会員カードやビジターカードがカードリーダライタに受け付けられ、そのカードに記録されている情報が読取られる。紙幣挿入口に挿入された紙幣は、貨幣識別器(図示省略)により取込まれてその真贋や紙幣種別の識別がなされる。
遊技者が遊技を終えてカードユニット300からカードの返却を受けたときには、カードユニット300に記憶していた持玉が一旦貯玉として玉管理コンピュータ8に記憶されるようにし、その遊技者がカードの返却を受けた日と同じ日に再び同じ又は別のカードユニット300にカードを挿入したときには、一旦貯玉として記憶された当日分の持玉のみが再びそのカードユニット300に記憶され、その持玉の範囲で遊技玉を加算し、遊技できるようにしてもよい。
また、制御ユニット305には、音出力制御基板319が接続されている。音出力制御基板319は、音出力部350に接続され、制御ユニット305の制御に従って、音出力部350から各種の音を出力させるように制御する。
また、カードユニット300の最下方位置には、遊技球を計数して取り込み、該計数した遊技球を最大端数分、つまり、対応する遊技機1における払出単位個数未満の単位未満端数の最大値だけ貯留するとともに、該単位未満端数の遊技球を計数する計数払出ユニット380が設けられている。以下、「単位未満端数」を「端数」と称する。
なお、カードユニット300の計数払出ユニット380で遊技球を貯留して払い出すようにするのではなく、遊技島に従来公知の遊技球貯留循環装置を構成し、この遊技球貯留循環装置から遊技球を払い出すようにしてもよい。
計数払出ユニット380には、遊技機1の下皿24と、遊技島の繕板との間に配置される横長の箱状とされた連結ボックス340が連結されるようになっている。
この連結ボックス340は、連結ボックス340の終端側に形成された、高さ方向の厚みが比較的大きな終端ボックス(不図示)と、高さ方向の厚みが比較的小さく、終端ボックスと計数払出ユニットとの連結部とを繋ぐように形成された経路ボックス(不図示)とから構成されている。
連結ボックス340は、計数払出ユニット380に連結することで、終端ボックスが下皿24の下方に位置するようになっており、該終端ボックスの上面には、下皿24から排出される遊技球が投入されるホッパ形状とされた投入部345が形成されている。また、終端ボックスの前面下部位置には、遊技者が開閉自在とされ、通常において閉状態となるように付勢されている開閉シャッタを有し、計数払出ユニット380から払い戻し(返却)される端数の遊技球が排出される返却口342が設けられている。
また、経路ボックス内の上部位置には、計数払出ユニット380に向けて傾斜するように設けられ、該投入部345に投入された遊技球を自然流下において計数払出ユニット380に導く2条の流路から成る計数通路343が設けられている。また、該計数通路343の下方位置に返却口342に向けて傾斜するように設けられ、計数払出ユニット380から払出された遊技球を自然流下において返却口342に導く返却通路344が設けられている。
なお、終端ボックス340aの前面上部位置には、遊技者がスライド操作可能とされた計数レバー341が設けられており、該計数レバー341を、付勢に抗してスライドさせることで、投入部345から計数通路343への侵入口に設けられた開閉シャッタ346が開放されるようになっている。
連結ボックス340が連結される計数払出ユニット380の内部には、計数通路343と連結され、カードユニット300の前面側からカードユニット300の内方側に向けて傾斜するように設けられた流入路を有し、該流入路の終端位置には、該流入路を流下する遊技球を検出して計数する計数センサ(不図示)が各条の流路毎に設けられており、計数通路343を通じて計数払出ユニット380に流入した遊技球が、該計数センサにより検出されて計数されるようになっている。計数センサによって計数された場合には、1球の遊技球の検出に応じて所定パルスの検出信号が計数払出ユニット380から制御ユニット305に対して出力される。制御ユニット305は、その検出信号が入力される毎に、記憶している所持球数を1加算する。
カードユニット300は、計数払出ユニット380によって計数された玉数をローカル計数玉数データ323として記憶部320に記憶させる。カードユニット300は、遊技用カードの返却時に、ユニットID、カードID及びローカル計数玉数データ323を玉管理コンピュータ8に送信する。受付中の遊技用カードがビジターカードである場合には、ローカル計数玉数データ323に記憶されたローカル計数玉数を持玉数としてビジターカードに記録させる。
玉管理コンピュータ800は、カードユニット300から送信されたユニットID、カードID及びローカル計数玉数データ323に基づいて、ローカル計数玉数を当日貯玉数/持玉数に加算して更新する。
具体的には、玉管理コンピュータ800は、カードIDの種別が会員カードIDである場合には、当該会員カードIDに対応する会員カード管理データの貯玉管理データの当日貯玉数に、ローカル計数玉数データ323から特定されるローカル計数玉数を加算して更新する。
また、玉管理コンピュータ800は、カードIDの種別がビジターカードIDである場合には、当該ビジターカードIDに対応するビジターカード管理データの持玉管理データの持玉数に、ローカル計数玉数データ323から特定されるローカル計数玉数を加算して更新する。
[4−4.処理]
図74は、カードユニット300の処理部310が、記憶部320に記憶されているカードユニット処理プログラム321に従って実行するカードユニット処理の流れの一例を示すフローチャートである。
最初に、処理部310は、自装置の設定タイミングであるか否かを判定する(R1)。設定タイミングは、例えば、自装置の電源投入時のタイミングとすることができる。この場合における設定タイミングは、自装置の表示内容や操作内容が設定されたことを示す設定済みフラグが「ON」にセットされているか否かを確認することで判定すればよい。なお、設定済みフラグは、設定処理が実行された後に「ON」にセットされ、店舗の営業終了時等に当該カードユニット300の電源を切断する時に「OFF」にクリアされればよい。
設定タイミングであると判定した(設定済みフラグが「OFF」であると判定した)場合(R1;Yes)、処理部310は、ホールコンピュータ600にユニット設定用データ693を要求し、ホールコンピュータ600からユニット設定用データ693を取得する(R3)。
次いで、処理部310は、設定処理を実行する(R5)。なお、この設定処理における設定方法は、第2実施形態で説明したデータ表示装置1200おける設定方法と略同一であるため、説明を省略する。
次いで、処理部310は、ローカル計数玉数データ更新処理の実行を開始する(R7)。具体的には、計数払出ユニット380の計数結果に基づいて、ローカル計数玉数に計数された玉数を加算することで、記憶部320のローカル計数玉数データ327を更新する処理を開始する。
また、処理部31は、払出率集計データ更新処理の実行を開始する(R9)。具体的には、対応遊技機1から送信される遊技機信号に基づいて払出率実測値を算出するために必要な指標値を算出し、記憶部320の払出率集計データ325を更新する処理を開始する。
次いで、処理部310は、遊技可能化処理を実行する(R10)。具体的には、自装置に対する遊技者の操作に基づいて、玉貸処理や玉払出処理等の遊技者が対応遊技機1での遊技を可能とするための処理を実行する。
その後、処理部310は、記憶部320に記憶されている払出率指標値算出プログラム321aに従って、払出率指標値算出処理を実行する(R11)。なお、この払出率指標値算出処理については、第2実施形態で説明した処理と同様の処理によって実現可能であるため、再度の説明を省略する。
次いで、処理部310は、払出率適否判定処理を実行する(R13)。なお、この払出率適否判定処理についても、第2実施形態で説明した処理と同様の処理によって実現可能であるため、再度の説明を省略する。
次いで、処理部310は、払出率の適否判定結果が適正であったか否かを判定し(R15)、不適正であったと判定したならば(R15;No)、対応遊技機1の遊技機IDをホールコンピュータ600に出力する(R17)。このようにすることで、店舗の管理者は、払出率が不適正である可能性のある遊技機1を把握することができ、店舗の店員に当該遊技機1のガラス扉枠3aを開放して表示モニタ26を確認するように指示を与えることができる。
R17の後、又は、払出率の適否判定結果が適正であった場合(R15;Yes)、処理部310は、記憶部320に記憶されている表示処理プログラム321bに従って、表示処理を実行する(R19)。なお、この表示処理についても、第2実施形態で説明した処理と同様の処理によって実現可能であるため、再度の説明を省略する。
次いで、処理部310は、撮像部390に撮像を実行させ、撮像された画像のデータを撮像画像データ329として記憶部320に記憶させる撮像処理を実行する(R21)。そして、処理部310は、撮像画像データ329を玉管理コンピュータ800に送信させる制御を行う(R23)。
次いで、処理部310は、処理を終了するか否かを判定し(R25)、処理を継続すると判定したならば(R25;No)、R1に処理を戻す。また、処理を終了すると判定したならば(R25;Yes)、カードユニット処理を終了する。
[4−5.表示画面]
図75は、カードユニット300の表示部355を構成する液晶表示器313に表示される表示画面の一例を示す図である。
図75(1)は、遊技者に遊技用カードの取り忘れを注意喚起するためのカード取り忘れ報知画面の一例であり、画面中央部に「カードの取り忘れに注意してください。」というメッセージが表示されている。
また、画面右下部には、払出率適否情報表示313Aが表示されている。この払出率適否情報表示313Aは、図39(1)のデータ表示装置1200の表示部1230に表示される払出率適否情報表示1230Aと同様であり、色変化モードによって払出率の適否を表示するものである。
また、カード取り忘れ放置画面の下には、遊技者が対応遊技機1での遊技によって獲得した遊技球数である獲得遊技球数が表示されている。この表示によって、遊技者は、自身が遊技によって獲得した球数を知ることができる。
図75(2)は、カード取り忘れ報知画面の別例を示す図である。
このカード取り忘れ報知画面では、画面右下部に、払出率適否情報表示313Bが表示されている。この払出率適否情報表示313Bは、図39(2)のデータ表示装置1200の表示部1230に表示される払出率適否情報表示1230Bと同様であり、メーターモードによって払出率の適否を表示するものである。
図75(3)は、カード取り忘れ報知画面の別例を示す図である。
このカード取り忘れ報知画面では、画面右下部に、払出率適否情報表示313Cが表示されている。この払出率適否情報表示313Bは、図39(3)のデータ表示装置1200の表示部1230に表示される払出率適否情報表示1230Cと同様であり、誤差モードによって払出率の適否を表示するものである。
なお、ここでは、図39で説明した払出率適否情報表示1230A〜1230Cと同様の表示態様で液晶表示器313に払出率適否情報を表示させる場合を例示したが、図40で説明した払出率適否情報表示1230D〜1230Fと同様の表示態様で液晶表示器313に払出率適否情報を表示させるようにしてもよいことは勿論である。
[4−6.データ表示装置の処理]
第3遊技用システム1000Cにおいてデータ表示装置400が実行する処理は、第2遊技用システム1000Bにおけるデータ表示装置400の処理と同様である。特に、データ表示装置400は、前述したように、動作演出や照射演出を実行可能に構成されている。
防犯モードでは、前述したように、第1スポットLED480aと第2スポットLED480bとの向きが、当該遊技機で遊技を行っている遊技者の顔が把握し易い向きに変更される。本実施形態では、カードユニット300の撮像部390によって撮像された撮像画像のデータである撮像画像データ329が、玉管理コンピュータ800に送信されるように構成されている。
これにより、防犯モードでは、発光部480の照度が低い等の理由により遊技者の顔が不鮮明な場合であっても、撮像部390によって遊技者の顔を鮮明に映し出すことが可能となるため、照明の役割を担い、ゴト行為や窃盗行為等の違法行為を行った遊技者を店舗側で特定することが容易となる。また、防犯モードでは、遊技者の顔に光が当てられるため、遊技者は通常時とは異なる違和感を抱くことが想定され、違法行為を抑止する効果も期待できる。
[4−7.作用効果]
第3遊技用システム1000Cでは、遊技者にとって有利な大当り遊技状態に制御可能な遊技機1(パチンコ遊技機1)に対応して、カードユニット300及びデータ表示装置400が設けられる。
カードユニット300は、表示手段である液晶表示器313を備える。液晶表示器313は、遊技機1において非大当り中(非有利状態中)に遊技者が使用した遊技価値であるアウト数(使用遊技価値)に対する遊技者が非大当り中(非有利状態中)に獲得した遊技価値である払出数(獲得遊技価値)の割合である払出率(相対値)の基準に関する情報である払出率基準情報(基準相対情報)と、対応する遊技機1での払出率の実測値である払出率実測値(実測相対値)と、に基づく払出率適否情報(特定情報)と、対応する遊技機1で遊技する遊技者が遊技によって獲得した遊技球数である獲得遊技球数と、を表示可能である。
これによれば、対応する遊技機1の非大当り中における払出率の基準に関する払出率基準情報と払出率実測値とに基づく払出率適否情報を表示によって確認することが可能となる。その結果、遊技機1において設計値通りの払出率となっているか否かを判断することが可能となる。
また、データ表示装置400は、対応する遊技機1が大当り遊技状態の制御を開始した際に、当該遊技機1の前方領域に向けて光を照射する照射演出を実行可能な処理部410及び発光部480を備える。
これによれば、照射演出により、遊技者に十分な特別感を与えることが可能となる。
なお、データ表示装置400と同様に、カードユニット300に照射演出を実行させるようにすることも可能である。この場合、ホールコンピュータ600や設定用リモコン700等を介して、カードユニット300とデータ表示装置400とのいずれの遊技用装置に照射演出を実行させるかを店舗側で設定可能としてもよい。
[5.他の実施形態]
本発明を適用可能な実施形態は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。以下、他の実施形態について説明する。なお、上記の各実施形態と同一の構成については同一の符号を付して再度の説明を省略する。
[5−1.遊技機]
上記の実施形態では、本発明に係る遊技機をパチンコ遊技機1として説明したが、遊技機はこれに限られるわけではない。
例えば、本発明に係る遊技機として、右打ち機と呼ばれるパチンコ遊技機を適用してもよい。右打ち機では、通常状態では左打ちによって、主として第1始動入賞口(ヘソ)への入賞を狙い、大当り当選によって大当り遊技状態に制御された場合には、右打ちによって大入賞口(アタッカー)への入賞を狙い、その後に制御される高確率/高ベース状態、又は、低確率/高ベース状態では、主として第2始動入賞口(電チュー)への入賞を狙う。
この場合には、低ベース状態における払出率の算出対象を、第1始動入賞口及び左打ち領域に設けられた一般入賞口への入賞による賞球によって払い出された払出数とし、高ベース状態における払出率の算出対象を、第2始動入賞口及び右打ち領域に設けられた一般入賞口への入賞による賞球によって払い出された払出数とすればよい。一般入賞口が存在しない遊技機であれば、低ベース状態における払出率の算出対象を第1始動入賞口のみとし、高ベース状態における払出率の算出対象を第2始動入賞口のみとすればよい。
また、遊技メダルを用いて遊技可能なスロットマシンを本発明に係る遊技機としてもよい。この場合には、遊技者にとって有利な有利状態を、各種のチャレンジタイム(アシストタイム(AT)、アシストリプレイタイム(ART)等)状態やボーナス(レギュラーボーナス(RB)、ビッグボーナス(BB)等)状態として、上記の実施形態と同様の処理を行うようにしてもよい。
また、本発明に係る遊技機は、従来型のパチンコ遊技機やスロットマシンに限らず、遊技球を内部に封入して循環させる封入方式パチンコ遊技機や、遊技点(持点)によって遊技を行う遊技点方式スロットマシンとしてもよい。
図76は、本発明に係る遊技機をスロットマシンとする場合の外部出力基板から出力させる遊技機信号の一例を示す図である。ここでは、ボーナス状態及びアシストリプレイタイム(ART)状態に制御可能であって、ART状態に制御されることが確定したことを発光によって報知可能なARTランプ(発光手段)を備えるスロットマシン1´を例に挙げて説明する。
スロットマシンの外部出力基板からは、例えば、BB信号と、RB信号と、スタート信号と、IN信号と、OUT信号と、ランプ発光信号と、セキュリティ信号とが遊技機信号として出力されるように構成されている。
BB信号は、スロットマシンがビッグボーナス(BB)状態に制御された場合に出力状態とされる信号である。
RB信号は、スロットマシンがレギュラーボーナス(RB)状態に制御された場合に出力状態とされる信号である。
スタート信号は、スロットマシンにおいて1ゲームが終了した場合に出力状態とされる信号である。
IN信号は、スロットマシンへのメダルの投入数を外部装置において特定可能とするための信号であり、第1規定枚数(例えば3枚)のメダルが投入される毎に出力される。メダル投入信号と言い換えることもできる。
OUT信号は、スロットマシンからのメダルの払出数を外部装置において特定可能とするための信号であり、第2規定枚数(例えば10枚)のメダルが入賞によって払い出される毎に出力される。メダル払出信号と言い換えることもできる。
ランプ発光信号は、ARTランプが発光された場合に出力状態とされる信号である。
このようなスロットマシン1´に対応して設けられるデータ表示装置400においては、上記の実施形態と同様に、スロットマシン1´から出力される遊技機信号に基づいて、動作演出や照射演出を実行するようにすることができる。例えば、上記の実施形態では、対応する遊技機1から出力される大当り信号に基づいて大当りに当選したことを報知する大当り動作演出を実行したが、この例では、対応するスロットマシン1´から出力されるBB信号やRB信号に基づいて、ボーナスに当選したことを報知するボーナス動作演出を実行するようにすることができる。
また、対応するスロットマシン1´からランプ発光信号を受信した場合には、データ表示装置400は、対応するスロットマシン1´においてARTが確定したことを特定することができる。そこで、対応するスロットマシン1´から出力されるランプ発光信号に基づいて、ARTが確定したことを報知するART動作演出を実行するようにしてもよい。
また、この例では、スロットマシン1´からランプ発光信号が外部出力されることとしたが、スロットマシン1´からランプ発光信号を外部出力しないようにしてもよい。この場合には、例えば、対応するスロットマシン1´のARTランプの発光を検知する光検知部(光センサ)をデータ表示装置400に設け、この光検知部によってARTランプの発光が検知された場合に、対応するスロットマシン1´においてARTが確定したことを特定して、上記のART動作演出を実行するようにしてもよい。
[5−2.遊技用装置]
上記の実施形態では、本発明に係る遊技用装置(情報表示装置)を、基体部401に形成された液晶表示部430と扉部403に形成されたセグ表示部440とを備えるデータ表示装置400として説明したが、遊技用装置はこれに限られるわけではない。
具体的には、上記の実施形態では、データ表示装置400において、セグ表示部440が回動可能に構成され、このセグ表示部440を回動させることによる動作演出を実行可能として説明した。しかし、表示部は必ずしも回動可能に構成しなければならないわけではなく、回動しないが可動な表示部を構成してもよい。例えば、筐体の前面に形成された液晶表示部と、当該液晶表示部の手前側で上下左右方向にスライド可能に構成されたセグ表示部とを備えるデータ表示装置を構成し、このようなデータ表示装置を本発明に係る遊技用装置としてもよい。
また、位置は変化しないが(変位しないが)、同じ位置で回転可能に構成された表示部を備えるデータ表示装置を構成し、このようなデータ表示装置において、表示部を回転させることによる動作演出を実行可能としてもよい。
また、表示部以外の外装の一部が可動や回動可能に構成された遊技用装置を構成してもよい。例えば、帽子形状の可動役物を備える遊技用装置を構成し、この可動役物を動作させることによる動作演出を実行するようにしてもよい。また、この他にも、ギミック(仕掛け)として動作可能な立体形状の可動役物を備える遊技用装置を構成し、この可動役物を動作させることによる動作演出を実行するようにしてもよい。
さらに、上記のギミックとして動作可能な可動役物を、遊技用装置に着脱自在に構成してもよい。この場合、例えば、遊技機の機種毎に固有の可動役物を設計しておき、店舗内の遊技機の機種に対応する可動役物を、対応する遊技用装置に装着して動作させるようにしてもよい。また、同じ遊技島については同じ種類の可動役物を遊技用装置に装着して動作させるようにしてもよい。このようにすることで、一体感のある動作演出を実現することが可能になるとともに、島全体の見栄えを良くすることができる。
また、上記の実施形態のデータ表示装置400において、左右の扉部403が90度開いた状態で固定され、扉部403が非可動に構成されたデータ表示装置を構成してもよい。この場合には、左右のセグ表示部440が対応する遊技機の側方(左右方向)に向けた状態で固定されているため、店舗内の離れた位置にいる遊技客からもセグ表示部440に表示される情報を容易に視認することが可能となり、遊技客の台選びを容易にすることが可能となり、遊技機の稼働率を高める効果も期待できる。
また、2つの異なる表示方式による非可動の表示部を備えたデータ表示装置を構成してもよい。例えば、筐体の前面にセグ表示部(3桁)と液晶表示部とが並べて配置されたデータ表示装置を構成してもよい。
[5−3.管理装置]
上記の実施形態では、本発明に係る管理装置をホールコンピュータ600として説明したが、ホールコンピュータ600に代えて、玉管理コンピュータ800やメダル管理コンピュータ16を、本発明に係る管理装置としてもよい。
また、会員情報を管理する会員管理コンピュータや、カード情報を管理するカード管理コンピュータを、本発明に係る管理装置としてもよい。また、これらの管理コンピュータのうちの2以上の機能を有するコンピュータを、本発明に係る管理装置としてもよい。
具体的には、上記の実施形態において、ホールコンピュータ600が実行する管理処理における表示装置設定用データ691やユニット設定用データ693を生成して配信する処理を、ホールコンピュータ600ではなく、玉管理コンピュータ800や会員管理コンピュータ、カード管理コンピュータ等の管理装置が実行するようにしてもよい。
[5−4.遊技用システム]
上記の実施形態で説明した遊技用システムは、本発明を実現するための遊技用システムの一例に過ぎず、適宜設計変更することが可能であることは勿論である。
例えば、上記の実施形態では、遊技機から出力される信号が遊技用装置に直接的に入力される遊技用システムを構成したが、これに限らず、遊技機から出力される信号が管理装置に入力され、これらの信号が管理装置を介して間接的に遊技用装置に入力される遊技用システムを構成してもよい。
また、上記の実施形態では、カードユニット300が計数手段である計数払出ユニット380を備えることとして説明したが、遊技用装置に計数手段を備えないようにすることも可能である。例えば、ホールコンピュータ600が、各遊技機1から出力される遊技機信号に基づいて、出玉数や差玉数を演算するようにしてもよい。
具体的には、例えば、ホールコンピュータ600が、各遊技機1それぞれについて、当該遊技機1から出力される賞球信号及びアウト球検出器200から出力されるアウト信号に基づいて差玉数を演算するようにし、計数玉数や差玉数等の情報を、遊技用装置に出力するようにしてもよい。
また、上記の実施形態とは異なるが、遊技機1において算出された役比や連比が不適正な値である場合に、その旨を示す信号(例えば払出率異常信号)を遊技用装置に出力するように構成し、遊技用装置は、遊技機1から出力される払出率異常信号に基づいて、所定報知を実行するようにしてもよい。
例えば、遊技用装置をデータ表示装置400、1200とする場合には、データ表示装置400、1200が対応遊技機1から払出率異常信号を受信した場合に、払出率が不適正である旨を示すメッセージを表示部に表示させたり、同様の音声メッセージや警告音を音出力部から音出力させたり、発光部を赤色で発光させるなどして、払出率が不適正である旨を遊技者や店舗の店員に報知するようにしてもよい。遊技用装置をカードユニット300とする場合についても同様である。
また、上記の実施形態において、遊技用装置が払出率実測値を算出するようにするのではなく、ホールコンピュータ600等の管理装置が、遊技機1から出力される遊技機信号及びアウト球検出器200から出力されるアウト信号に基づいて払出率実測値を算出し、算出した払出率を遊技用装置に出力するようにしてもよい。この場合、遊技用装置は、管理装置から入力した払出率実測値と、予め設定しておいた払出率基準範囲又は払出率基準値とに基づいて払出率実測値の適否を判定して、上記の実施形態と同様の払出率適否情報表示を行うようにすればよい。
また、この場合において、ホールコンピュータ600等の管理装置が払出率実測値を算出した上で、算出した払出率実測値と、予め記憶しておいた対応する遊技機1の払出率基準範囲又は払出率基準値とに基づいて払出率実測値の適否を判定し、その判定結果を遊技用装置に出力するようにしてもよい。この場合、遊技用装置は、管理装置から払出率実測値が不適正である旨の判定結果を入力した場合には、払出率が不適正である旨を示すメッセージを表示部に表示させたり、同様の音声メッセージや警告音を音出力部から音出力させたり、発光部を赤色で発光させるなどして、払出率が不適正である旨を遊技者や店舗の店員に報知するようにすればよい。
また、上記の実施形態では、遊技用装置の表示部に払出率適否情報を表示させることとして説明したが、これをホールコンピュータ600の表示部625に表示させるようにしてもよい。このようにすることで、店舗の管理者は、払出率が不適正である可能性のある遊技機を把握することができ、店舗の店員に当該遊技機1のガラス扉枠3aを開放して表示モニタ26を確認するように指示を与えることができる。
また、ホールコンピュータ600が各遊技機1での遊技履歴を集計し、その集計データを表示部625に表示させるようにしてもよいし、データ表示装置400、1200から遊技履歴の集計データを取得し、その集計データを表示部625に表示させるようにしてもよい。このようにすることで、店舗の管理者は、各遊技機における遊技履歴を把握することが可能となる。
また、玉管理コンピュータ800が各遊技機1での遊技によって遊技者が獲得した獲得玉数を集計し、その集計データを表示部830に表示させるようにしてもよいし、カードユニット300から獲得玉数の集計データを取得し、その集計データを表示部830に表示させるようにしてもよい。このようにすることで、店舗の管理者は、各遊技機での遊技において遊技者が獲得した獲得玉数を把握することが可能となる。
また、本発明に係る遊技用システムは、前述した封入方式パチンコ遊技機や遊技点方式スロットマシン等の遊技機と、これらの遊技機の遊技情報を管理する管理装置とを備える遊技用システムについても同様に適用可能である。
[5−5.表示方式]
上記の実施形態では、データ表示装置400が備える表示部として、液晶表示方式(第1表示方式)による液晶表示部430とセグ表示方式(第2表示方式)によるセグ表示部440とを例に挙げて説明したが、表示部の表示方式はこれらに限られるわけではない。例えば、EL(エレクトロルミネッセンス)を適用したEL表示方式やドットを適用したドット表示方式を適用してもよい。これらの表示方式をどのような組み合わせで適用するかは自由である。
また、データ表示装置400では、セグ表示部440を3桁の大型の7セグメント表示器で構成することで、店舗内で自装置から離れた場所にいる遊技客からもセグ表示部440が容易に視認できるように構成した。しかし、これはあくまでも一例であり、第2表示方式による表示部が第1表示方式と比べて遠方からの視認性が高い方式で情報を表示可能とすればよい。例えば、第2表示部に情報を表示させる輝度を第1表示部に情報を表示させる輝度よりも高くしてもよい。また、第2表示部の視野角(表示部を斜めから見た場合に情報を正常に視認することができる角度)が第1表示部の視野角よりも広くなるように第2表示部を構成してもよい。
[5−6.表示態様]
上記の実施形態で説明した遊技用装置における表示態様は、あくまでも一例に過ぎず、適宜設定変更することが可能である。例えば、上記の実施形態で説明したデータ表示装置400のセグ表示部440には、大当り回数や持玉数、カウント数、大当り図柄といった対応する遊技機1の遊技に関する各種の情報を表示させることが可能であるが、これらの情報をセグ表示部440に表示させる際の表示態様を変更してもよい。一例として、大当り回数を表示させる場合について説明する。
前述したように、セグ表示部440は、3桁の7セグメント表示器(セグ)で構成される。例えば、大当り回数が0回である場合には、全てのセグを虹色(レインボー)で点灯させる。つまり、3桁のセグ「000」のそれぞれの桁に対応する0の数値を表すセグを、虹を構成する色で順次に変化させながら点灯させる。セグを点灯させる色の順序や配色は、それぞれの桁について同じとしてもよいし、異ならせてもよい。
次いで、大当り回数が変化したならば、大当り回数の表示に不要な桁のセグは消灯させ、大当り回数の表示に必要な桁のセグを単色で点灯させる。例えば、大当り回数が0回の状態で、対応する遊技機において大当りが発生した場合には、虹色で点灯させていた3桁のセグのうちの上位2桁(千の位及び百の位)のセグを消灯させ、一の位のセグのみを単色で点灯させる。つまり、セグの表示を一の位のみの「1」として、この1の数値を表すセグを単色(例えば黄色)で点灯させる。セグを点灯させる色は、単色であれば何色であってもよい。なお、大当り回数が2桁となった場合には、十の位及び一の位のセグを単色で点灯させ、大当り回数が3桁となった場合には、全ての位のセグを単色で点灯させればよい。
上記のようにすることで、大当り回数が0回である場合には、虹色での3桁のセグの点灯により、あたかもイルミネーションのような華やかさを醸し出すことができ、遊技用装置の装飾性を高めることができる。また、大当り回数が変化した場合には、必要な桁のみの単色でのセグの点灯により、大当り回数を明確化し、遊技客が大当り回数を容易に確認可能とすることができる。
また、上記の例において、大当り回数に応じて、単色でセグを点灯させる色を変化させるようにしてもよい。例えば、大当り回数が1回〜9回である場合には黄色で、10回〜19回である場合には緑色で、20回以上である場合には赤色で、それぞれセグを点灯させるようにしてもよい。また、この場合において、確変状態中における連荘数に応じて、単色でセグを点灯させる色を変化させてもよい。このようにすることで、遊技客に対するアピール効果を高めることができる。
なお、上記の例では、大当り回数が0回の場合に、3桁全ての0のセグを点灯させることとしたが、一の位の0のセグのみを点灯させるようにしてもよい。また、大当り回数が変化した場合に、不要な桁のセグは消灯させることとしたが、不要な桁のセグも点灯させるようにしてもよい。
なお、ここでは大当り回数をセグ表示させる場合を例に挙げて説明したが、大当り回数以外の遊技に関する情報(持玉数、カウント数、大当り図柄等)をセグ表示させる場合についても同様であるため、説明は省略する。
また、上記の例は、セグ表示が可能な表示部を備えた遊技用装置であれば、任意の遊技用装置に対しても同様に適用できる。例えば、前述したように、筐体の前面にセグ表示部(3桁)と液晶表示部とが並べて配置されるようなデータ表示装置に対しても、上記の表示態様を同様に適用することが可能である。
[5−7.待機状態]
遊技機において一定時間以上遊技が行われていない場合には、遊技者は休憩等によって離席している可能性が高いと考えられる。そこで、上記の実施形態において、データ表示装置400が、対応する遊技機1において遊技が行われているか否かを判定する遊技判定処理を実行し、遊技が行われていないと判定した場合に、待機状態(スタンバイ状態)に設定するようにしてもよい。遊技判定処理では、例えば、対応する遊技機から一定時間(例えば5分)以上遊技機信号を受信していないか否かを判定し、受信していないと判定した場合に、遊技が行われていないと判定することができる。
この場合、データ表示装置400は、液晶表示部430やセグ表示部440に情報を表示させる際の輝度を低下させたり、表示させている情報のうちの一部の情報を非表示とするなどして、自装置を待機状態に制御する。そして、対応する遊技機1で遊技が開始されたと判定したならば、待機状態を解除して通常状態に制御する。これにより、対応する遊技機で遊技が行われていない間は、周囲の遊技客等に対するアピール効果を低下させることができるとともに、消費電力を削減することが可能となる。
なお、上記の設定を、店舗の店員が、設定用リモコンを用いた設定操作やデータ表示装置の操作部に対する設定操作等によって手動で行うようにしてもよい。
[5−8.計時情報]
上記の実施形態では、データ表示装置400が時計部470を備え、時計部470から出力される計時情報に基づいて、処理部410が動作演出を実行することとして説明した。しかし、このようにするのではなく、データ表示装置400が、ホールコンピュータ600等の上位装置からの指令(一種の計時情報)に基づいて、動作演出を実行するようにしてもよい。
[5−9.遊技用装置の設定]
上記の実施形態では、データ表示装置400等の遊技用装置が、ホールコンピュータ600等の管理装置から提供される設定用データに基づいて、各種の設定を行うこととして説明した。この場合、店舗に設置された全ての遊技用装置について一括設定を行うようにしてもよいし、対応する遊技機の機種単位でグループ設定を行うようにしてもよいし、遊技島単位でグループ設定を行うようにしてもよいし、1台ずつ個別設定を行うようにしてもよい。同じ機種単位や遊技島単位でのグループ設定を行うことで、同じ機種や同じ遊技島に設置された遊技用装置の動作を共通化することができ、見栄えを良くすることができる。
また、上記の他にも、店舗の管理者や従業員の操作により、設定用リモコン700から受信した設定信号に基づいて遊技用装置が設定を行うようにしてもよいし、操作部に対する設定操作を受け付けたことに基づいて遊技用装置が設定を行うようにしてもよい。また、遊技用装置の記憶部に設定用データを予め記憶させておき、店舗の従業員が操作部から設定操作を行うことで、遊技用装置が設定を行うことを可能としてもよい。
さらに、インターネット等の通信網Nを利用して店舗外に設置される外部装置(例えばカード会社に設置されるサーバ)から設定用情報をダウンロードすることを可能とし、ダウンロードした設定用情報を用いて遊技用装置が設定を行うことを可能としてもよい。
上記の遊技用装置の設定は、基本的には、店舗の営業終了後や営業開始前といった非営業中に店舗の従業員が行うようにすることが望ましい。つまり、遊技用装置の設定に関するモードとして、非営業中モードを装置のプログラムに規定しておき、この非営業中モードに遊技用装置の設定を行うようにすればよい。
[5−10.開閉タイミング]
上記の実施形態では、ホールコンピュータ600側で、データ表示装置400における動作演出の実行の有無の動作演出の実行のタイミング、動作演出の態様等の設定を行うことを可能とした。このようなホールコンピュータ600側での設定の別例として、データ表示装置400の扉部403を開閉させる開閉タイミングを設定可能としてもよい。
図77は、この場合における開閉タイミング設定用テーブルの一例を示す図である。
開閉タイミング設定用テーブルには、開閉タイミングと開閉態様とが対応付けて記憶されている。
この例では、開閉タイミング「開店時」には開閉態様「A」が、開閉タイミング「13:00」には開閉態様「C」が、開閉タイミング「17:00」には開閉態様「D」が、開閉タイミング「閉店時」には開閉態様「B」がそれぞれ定められている。データ表示装置400に対応して設けられる遊技機1の機種単位や遊技島単位でこのような設定を行うことで、同じ機種や同じ遊技島に対応するデータ表示装置400の扉部403を開閉させるタイミングを揃えることが可能となり、見栄えを良くすることができる。
[5−11.照射演出]
上記の実施形態において、遊技用装置が、払出率が不適正と判定された場合に、その旨を遊技者や店舗の店員に報知するために、照射演出を実行するようにしてもよい。また、逆に、払出率が適正と判定されている間は、通常通りの照射演出を実行するが、払出率が不適正と判定された場合に、実行中の照射演出を停止するようにしてもよい。
また、この場合において、払出率誤差に基づいて、照射演出における照射態様を変更するようにしてもよい。具体的には、例えば、払出率誤差に応じて照度や発光色を変化させるようにし、払出率誤差が大きくなるほど、照射演出における照度を高くしたり、照射演出における発光色を「緑色→黄色→赤色」に変化させるなどしてもよい。光の照射方向や照射領域を変化させてもよい。
[5−12.モード]
上記の実施形態で説明した照射演出のモードはあくまでも一例に過ぎず、適宜設定変更可能であることは勿論である。上記の実施形態で説明した演出モードや防犯モード、メンテナンスモードの他にも、大当りランニング演出等の特別演出が実行された場合の「特別演出モード」や、対応する遊技機や遊技用装置に故障等の異常が発生した場合の「異常モード」、上記のように払出率に応じた「払出率モード」等の他の種類のモードを設けるようにしてもよい。
また、演出モードとして、照射態様が異なる複数の演出モードを設けるようにしてもようにしてもよいし、防犯モードとして、照射する遊技者の体の部位(顔、手元等)が異なる複数の防犯モードを設けるようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、データ表示装置400、1200等の遊技用装置が、ホールコンピュータ600等の管理装置から出力されるモード指示信号や、対応する遊技機1から出力される遊技機信号に基づいて、照射態様を変更することとして説明した。この場合において、これら外部装置から信号を受信した回数に基づいて、遊技用装置が照射態様を変更するようにしてもよい。
具体的には、例えば、管理装置から遊技用装置に対して、モードを切り替えるためのモード切替信号を出力するように構成する。モード切替信号は、例えば、「ON/OFF」のみの簡易的な信号とし、遊技用装置は、管理装置からモード切替信号を受信した回数に応じて、照射演出のモードを切り替えるようにする。例えば、初期設定として演出モードが設定されている場合、モード切替信号を1回受信した場合には、モードを演出モードから防犯モードに切り替え、モード切替信号を2回受信した場合には、モードを演出モードからメンテナンスモードに切り替えるなどしてもよい。
また、遊技用装置が、管理装置からモード切替信号を受信する毎に、照射演出のモードを順次に切り替えるようにしてもよい。例えば、初期設定として演出モードが設定されている場合、モード切替信号を1回目に受信した場合には、モードを演出モードから防犯モードに切り替え、モード切替信号を2回目に受信した場合には、モードを防犯モードからメンテナンスモードに切り替え、モード切替信号を3回目に受信した場合には、モードをメンテナンスモードから演出モードに切り替えるなどしてもよい。
また、対応する遊技機1から出力されるセキュリティ信号やエラー信号、ドア開放信号等の異常を示す信号に基づいて、遊技用装置がモードを切り替えるようにしてもよい。例えば、対応する遊技機1からセキュリティ信号を受信した場合に、モードを演出モードから防犯モードに切り替えるなどしてもよい。
また、これらの他にも、店舗の店員等による操作部へのモード切替操作や、設定用リモコン700から送信されるモード切替信号の受信等に応じて、遊技用装置がモードを切り替えるようにしてもよい。
[5−13.発光部の構成]
上記の実施形態では、発光体が封入された枠体が回動する発光部を例に挙げて説明したが、あくまでもこれは一例であり、発光部の構成は適宜設計変更可能であることは勿論である。例えば、枠体を回動させるのではなく、枠体に封入された発光体を回動させることが可能な発光部を構成してもよい。また、この他にも、可動体としての発光部の構成は、従来公知の任意の構成を適用可能である。
また、上記の実施形態のように、発光部は必ずしも可動体として構成しなければならないわけではない。例えば、指向性を有する不可動の(固定された)複数の発光体で構成される発光部をデータ表示装置400に配置し、これら複数の発光体の発光態様を変更させて、照射演出を実現するようにしてもよい。
なお、この場合、演出効果を高めるために、上記の実施形態と同様に、複数の発光体による照射領域の少なくとも一部が重なるようにすることが望ましい。具体的には、例えば、遊技用装置の設計段階において、複数の発光体のうち、少なくとも2以上の発光体について照射領域が互いに重なり合うようにそれぞれの発光体を位置決めしたり、それぞれの発光体の照射方向を定めておく。そして、遊技用装置を店舗に設置した後は、ホールコンピュータ600や設定用リモコン700等を介した設定や、遊技用装置の操作部を介した設定に応じて、遊技用装置の処理部が、複数の発光体の中から発光させる発光体を選択して発光させるように制御すればよい。
また、上記の実施形態で説明した遊技用装置が備える発光部の構成、より具体的には、照射演出用のLEDの設置位置や設置個数等については、適宜設計変更可能であることは勿論である。
[5−14.照射対象]
上記の実施形態では、データ表示装置400、1200等の遊技用装置が、対応する遊技機の前方領域に向けて光を照射する照射演出を実行することとして説明した。しかし、この他にも、遊技用装置が、対応する遊技機自体に向けて光を照射する照射演出を実行するようにしてもよい。この場合における遊技機自体とは、遊技機の盤面が形成された筐体前面部分は勿論のこと、各種の情報を遊技者に報知するために遊技機の一部として構成される看板部分等をも含む概念である。
図78は、この場合における照射演出の一例を示す図である。
この図には、上記の実施形態で説明した遊技機1と、それに対応して設けられるデータ表示装置400とを例示している。この図では、遊技機1の筐体の右側部分に、手前側に突出するように看板部が筐体の一部として形成されている。看板部には、その内側の面(遊技者側の面)に機種情報や店舗情報等の情報が掲げられている。
また、この図では、データ表示装置400の正面向かって右側に設けられた扉部403がヒンジ部405を介して垂直状態よりも内側に開かれ、第2表示領域の下部に設けられたアピールLED480eによって、看板部の内側の面に向けて光が照射されている。扉部403の角度の調整は、店舗の店員等が手動で行うようにしてもよいし、データ表示装置400が自動で行うようにしてもよい。このようにすることで、当該遊技機1で遊技している遊技者に、各種の情報を報知することが可能となる。
また、上記は遊技機自体に光を照射する例であるが、これ以外にも、例えば、遊技島の末端の遊技機に隣接して設置される広告等の宣伝部分に光を照射する照射演出を実行するようにしてもよい。
図79は、この場合における照射演出の一例を示す図である。
この図にも、上記の実施形態で説明した遊技機1と、それに対応して設けられるデータ表示装置400とを例示している。この図では、遊技島の末端の遊技機1の右側に、当該遊技島に設置される機種の機種名やスペック、当該機種に登場するキャラクタの画像等で構成される広告が掲げられた宣伝板が設置されている。
また、データ表示装置400の構成が上記の実施形態とは少し異なっており、このデータ表示装置400では、扉部403の前面(外側の面)のアピールLED480d、480eに加えて、背面(内側の面)の上部及び下部に、それぞれアピールLED480f及びアピールLED480gが2つずつ形成されている。そして、この図では、データ表示装置400の正面向かって右側に設けられた扉部403がヒンジ部405を介して垂直状態よりも外側に開かれ、下部に形成されたアピールLED480gによって、宣伝板に向けて光が照射されている。このようにすることで、来店した遊技客に各種の情報を宣伝することが可能となる。
なお、上記において、アピールLED480fやアピールLED480gによって、対応する遊技機自体(例えば盤面)に向けて光を照射するようにしてもよい。このようにすることで、演出効果をより高めることが可能となる。
また、扉部403の内側の面の全体にLED等の発光体を形成して、対応する遊技機自体(看板部を含む。)や宣伝板に向けて光を照射するようにしてもよい。
また、上記のように、扉部403の内側の面に構成されたLEDによって光を照射する例に限らず、遊技機に対応して設けられる任意の遊技用装置において、遊技機自体(看板部を含む。)を照射可能な位置にLED等の発光体を形成して光を照射したり、宣伝板を照射可能な位置にLED等の発光体を形成して光を照射するようにしてもよい。
さらに、扉部403に構成されたLEDによって、対応する遊技機のみならず、周囲の遊技機等に向けて光を照射するようにしてもよい。
[5−15.照射態様]
上記の実施形態で説明した照射演出における照射態様はあくまでも一例に過ぎず、適宜設計変更可能であることは勿論である。発光部の照射方向や照射領域に限らず、発光部の発光色、発光部の点灯/点滅のパターン、発光部の振動のパターンといった種々の態様を照射態様として、これらの照射態様に基づく照射演出を実行するようにしてもよい。
[5−16.更新表示制御]
上記の実施形態において数値情報として更新表示制御可能な情報は、上記の実施形態で説明した他にも、例えば、遊技者が貯蓄している貯蓄遊技価値である貯玉数(パチンコ遊技機の場合)や貯メダル数(スロットマシンの場合)としてもよい。また、遊技者が遊技機での遊技を行うために遊技用カードに所有している有価価値である残額(プリペイド残額やカード残額)としてもよい。
また、遊技機での遊技に伴う回転数(スタート回数)を数値情報としてもよい。この場合には、遊技に伴い回転数を1つずつ増加させる加算更新表示制御を実行するが、大当りやボーナスに当選した場合には、スタート回数を「0」にリセットするために、表示中の回転数を0に減算させる減算更新表示制御を実行するようにすればよい。
また、スロットマシンの中には、前述したように、ART状態に制御可能なものが存在し、このようなスロットマシンの中には、上乗せ抽選を行い、当選した回数分のゲーム数をART状態における残りゲーム数に上乗せすることが可能な遊技機が存在する。そこで、このようなゲーム数の上乗せを実行可能なスロットマシンであって、上乗せされたゲーム数を特定可能な信号(例えば、上乗せされたゲーム数を示す信号)を外部出力可能なスロットマシンにおいて、遊技用装置が、対応するスロットマシンから出力される信号に基づいて上乗せされたゲーム数を特定して、残りゲーム数を更新表示制御するようにしてもよい。
[5−17.画像投影演出]
上記の実施形態で説明した照射演出と併せて、遊技用装置が画像投影演出を実行可能としてもよい。具体的には、例えば、遊技用装置にプロジェクタを内蔵しておき、このプロジェクタによって、対応する遊技機1の機種に登場するキャラクタやリーチ場面等の画像を投影するようにしてもよい。
この場合、遊技機の前方領域に向けて画像を投影してもよいが、遊技者の遊技の妨げとならないように、例えば、店舗の天井方向の所定位置にスクリーンを形成して画像を投影したり、前述した看板部や遊技機同士を仕切る仕切り板にスクリーンを形成して画像を投影するなどしてもよい。
なお、投影する画像は、静止画像としてもよいし、動画像(映像)としてもよい。照射演出と画像投影演出とを併用することで、演出効果をより一層高めることが可能となる。
[5−18.相対値]
上記の実施形態では、本発明に係る相対値を、アウト数に対する払出数の割合として算出される払出率として説明したが、本発明に係る相対値はこれに限られるわけではない。
具体的には、データ表示装置400、1200やカードユニット300等の遊技用装置(情報表示装置)が、アウト数と払出数との差数として算出される差玉数を相対値として算出して表示するようにしてもよい。この場合、本発明に係る基準相対情報は、差玉数の基準値(設計値)や差玉数の基準範囲(設計範囲)とすればよい。
また、遊技用装置が、上記の実施形態で説明したパチンコ遊技機1と同様に、連比や役比を相対値として算出して表示するようにしてもよい。
また、遊技用装置が上記の各種の相対値を算出する際に、上記の実施形態で説明したパチンコ遊技機1と同様に、短期の相対値や累積の相対値を算出するようにしてもよい。例えば、払出率を算出する際に、短期の払出率(短期払出率)や累計の払出率(累計払出率)を算出するようにしてもよい。
[5−19.特定情報]
上記の実施形態では、特定情報を払出率誤差や払出率適否情報等の情報として説明したが、特定情報はこれらに限られるわけではなく、基準相対情報と実測相対値とに基づく情報であれば任意の情報を特定情報とすることができる。上記の実施形態のように相対値を払出率とするのであれば、払出率基準情報と払出率実測値とを対比可能な態様(例えば払出率基準値と払出率実測値とを並べて表示するもの)で示す情報や、払出率実測値が払出率基準下限値や払出率基準上限値からどの程度ずれているかを数値的に示す情報等を、特定情報として表示するようにしてもよい。
[5−20.払出情報の算出・表示]
上記の実施形態では、遊技用装置が、遊技機1の非大当り中且つ低ベース状態と非大当り中且つ高ベース状態との2つの遊技状態の両方を対象として、払出率の算出や払出率情報の表示を行うこととして説明した。しかし、これに限らず、いずれか一方の遊技状態については、遊技用装置が払出率の算出や払出率情報の表示を行う対象から除外するようにしてもよい。
高ベース状態とは異なり、低ベース状態は、いわば遊技者にとって不利な遊技状態であるため、非大当り中且つ低ベース状態における払出率は、遊技者にとって注目すべき情報であると言える。そこで、例えば、非大当り中且つ高ベース状態を対象から除外し、遊技用装置が非大当り中且つ低ベース状態のみについて、払出率の算出や払出率情報の表示を行うようにしてもよい。
[5−21.遊技機が出力する信号の種類]
上記の実施形態では、遊技機1から遊技機信号が外部装置に出力され、遊技機1の背面に設けられるアウト球検出器200からアウト信号が外部装置に出力されることとして説明した。しかし、必ずしもこのようにしなければならないわけではなく、各入賞口又はアウト口を通過した遊技球を検知するためのアウトスイッチを備える遊技機を構成し、アウトスイッチが検知した遊技球の個数が規定球数(例えば10球)に達する毎に、1パルスのアウト信号を遊技機から直接的に外部装置に出力するようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、遊技機1から賞球信号を出力する際の第1規定球数を「10球」として説明したが、必ずしもこのように構成しなければならないわけではなく、第1規定球数を「1球」としてもよい。同様に、アウト信号についても、第2規定球数を「1球」としてもよい。
また、上記の実施形態で説明した信号の種類の他にも、遊技機から外部装置に出力させる信号の種類は、適宜設計変更することが可能である。
図80は、遊技機が外部装置に出力する信号の別例を示す図である。
この遊技機からは、試験信号と情報出力信号との2種類の信号が外部出力基板から出力されるように構成されている。
試験信号は、遊技機の性能確認のために用いられる信号であって、試験機関における外部試験装置が遊技機の動作や状態の検査(確認)を行うことを可能とする信号である。
一方、情報出力信号は、外部装置に遊技機に関する情報を通知するための信号である。
この場合、試験信号には、例えば、役物連続作動装置作動中信号と、第2始動口作動中信号と、大入賞口作動中信号と、を含めることができる。また、情報出力信号には、始動信号と、賞球信号と、セキュリティ信号と、を含めることができる。
役物連続作動装置は、遊技機において確変状態に移行する契機となる特定図柄で当選した場合に作動する装置である。役物連続作動装置の作動によって大入賞口が開放状態とされる場合には、遊技機は大当り遊技状態に制御され、その後に確変状態に制御される。なお、役物連続作動装置の作動によらずに大入賞口が開放状態とされる場合には、いわゆる小当りとなり、小当り遊技状態に制御される。
役物連続作動装置作動中信号は、上記の役物連続作動装置が作動状態となったときにON状態となる信号である。
第2始動口作動中信号は、普通可変入賞球装置が作動して第2始動入賞口が開放状態となるときにON状態となる信号である。
大入賞口作動中信号は、特別可変入賞球装置が作動して大入賞口が開放状態であるときにON状態となる信号である。
上記の試験信号に基づくことで、大当り遊技状態、小当り遊技状態、確変状態、時短状態等の遊技機の遊技状態の判定を共通化し、遊技状態の簡易な判定を実現することが可能となる。つまり、連続作動装置作動中信号を受信している間は、遊技機は大当り遊技状態であると判定することができ、連続作動装置作動中信号の受信が終了した後は、遊技機は確変状態であると判定することができる。一方、連続作動装置作動中信号を受信せずに大入賞口作動中信号を受信すれば、遊技機は小当り遊技状態であると判定することができる。また、第2始動口信号を受信している間は、遊技機は時短状態であると判定することができる。
上記の試験信号を前述した実施形態に適用する場合には、遊技用装置は、試験信号に基づいて、遊技機が「非大当り中かつ低ベース状態」及び「非大当り中かつ高ベース状態」のいずれの遊技状態であるかを判定し、「非大当り中かつ低ベース状態」と判定した場合には低ベース払出率実測値を算出し、「非大当り中かつ高ベース状態」と判定した場合には高ベース払出率実測値を算出するようにすればよい。
[5−22.役比・連比の表示]
上記の実施形態において、遊技機1からデータ表示装置400、1200やカードユニット300等の遊技用装置(情報表示装置)に対して、遊技機1が内部的に算出した役比や連比等に関する情報を外部出力するように構成し、遊技用装置が、遊技機1から入力したこれらの情報を表示部に表示させるようにしてもよい。
[5−23.払出率に異常が生じた遊技機の表示]
上記の実施形態では、払出率が不適正と判定された遊技機のID(遊技機ID)を遊技用装置がホールコンピュータ600に出力することで、ホールコンピュータ600は異常が生じている可能性のある遊技機1を特定することができる。そこで、ホールコンピュータ600の処理部610は、店舗内の全ての遊技機の配置が示された店舗レイアウト画面において、遊技用装置から遊技機IDを受信した遊技機を色分けして表示部625に表示させるなどしてもよい。このようにすることで、店舗の管理者は、異常が生じている可能性のある遊技機1を店舗の管理者が一見して把握することが可能となる。
[5−24.管理装置における設定]
上記の実施形態では、管理装置であるホールコンピュータ600に遊技機1の機種情報が予め記憶されており、この機種情報に基づいて、払出率基準情報(払出率基準範囲や払出率基準値)を遊技用装置に提供することとして説明した。しかし、このようにするのではなく、例えば、ホールコンピュータ600が、遊技機1の製造メーカに設置されるサーバから機種情報をダウンロードすることを可能とすることで、新台となる遊技機1が店舗に導入される際に、この新台の払出率基準情報を製造メーカのサーバからダウンロードするようにしてもよい。また、この際、払出率基準情報ばかりでなく、遊技機1が備える外部出力端子や出力される遊技機信号の種類の情報等を含む設計情報を、製造メーカのサーバからダウンロードするようにしてもよい。
このようにすることで、ホールコンピュータ600は、払出率の算出方法や払出率の適否の判定方法を遊技機の機種毎に管理することが可能となる。
[5−25.遊技履歴や所有遊技価値の表示]
上記の第2実施形態では、遊技用装置の一種であるデータ表示装置400、1200が、対応する遊技機1での遊技履歴情報を集計して表示部に表示させることとして説明したが、これをカードユニット300が行うようにしてもよい。つまり、遊技用装置の一種であるカードユニット300が、対応する遊技機1から出力される遊技機信号に基づいて遊技履歴情報を集計して、液晶表示器313に表示させるようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、遊技用装置の一種であるカードユニット300が、対応する遊技機1での遊技によって遊技者が獲得した獲得球数を集計して液晶表示器313に表示させることとして説明したが、これをデータ表示装置400、1200が行うようにしてもよい。つまり、遊技用装置の一種であるデータ表示装置400、1200が、対応する遊技機1から出力される遊技機信号に基づいて獲得球数を算出して、表示部に表示させるようにしてもよい。
また、各遊技機1の遊技履歴情報を、管理装置の一種であるホールコンピュータ600の表示部625や玉管理コンピュータ800の表示部830に表示させるようにしてもよい。この場合、ホールコンピュータ600は、データ表示装置400、1200から遊技履歴情報を取得するようにしてもよいし、各遊技機1から出力される遊技機信号に基づいて処理部610が遊技履歴情報を集計するようにしてもよい。また、玉管理コンピュータ800は、ホールコンピュータ600から遊技履歴情報を取得するなどすればよい。
また、各遊技機1での遊技によって遊技者が獲得した獲得球数を、管理装置の一種であるホールコンピュータ600の表示部625や玉管理コンピュータ800の表示部830に表示させるようにしてもよい。この場合、ホールコンピュータ600は、カードユニット300から獲得球数を取得するようにしてもよいし、各遊技機1から出力される遊技機信号に基づいて処理部610が獲得球数を集計するようにしてもよい。また、玉管理コンピュータ800は、カードユニット300やホールコンピュータ600から獲得球数の情報を取得するなどすればよい。
[5−26.遊技情報]
上記の実施形態では、遊技用装置が、遊技情報として、遊技履歴情報(総合遊技履歴情報、個人遊技履歴情報等)や獲得球数等の情報を表示することとして説明したが、遊技情報として表示可能な情報はこれらの情報に限られるわけではない。
遊技機が設置される店舗によっては、貸与レートの異なる遊技機の間での乗り入れを許可する店舗が存在する。パチンコ遊技機を例に挙げると、4円パチンコから1円パチンコへの乗り入れや、1円パチンコから4円パチンコへの乗り入れがこれに含まれる。そこで、例えば、貸与レートの異なる遊技機1での貯玉(又は持玉)の払い出しに関する情報を、遊技情報として表示するようにしてもよい。
具体的には、乗り入れで貯玉が払い出された回数や時間、払い出された玉数等の情報を、遊技情報として表示するようにしてもよい。これらの情報は、例えば、玉管理コンピュータ800等の管理装置が集計するようにし、集計した情報を、管理装置からユニット(カードユニットや台間計数ユニット)を介して間接的に遊技用装置に出力したり、管理装置から直接的に遊技用装置に出力するようにすればよい。
また、上記の実施形態では、遊技用装置が、遊技履歴情報として、総合遊技履歴情報と個人遊技履歴情報との2種類の遊技履歴情報を表示させることが可能であることとして説明した。しかし、この他にも、一の遊技履歴情報のより詳細な情報である詳細遊技履歴情報を遊技履歴情報として表示させるようにしてもよい。
具体的には、遊技履歴情報に含まれる大当り回数(総合、確変、通常)について、当日の大当り回数ばかりでなく、過去所定期間分(例えば過去3日分)の大当り回数を詳細遊技履歴情報として表示させるようにしてもよいし、出玉グラフについて、当日の出玉グラフばかりでなく、日別の出玉グラフや台別の出玉グラフを詳細遊技履歴情報として表示させるようにしてもよい。
[5−27.記録媒体]
遊技者が所持し、遊技機での遊技に使用可能な記録媒体は、上記の実施形態で説明した持玉カード等の遊技用カードに限られるわけではない。例えば、遊技者が所持するスマートフォン等の携帯電話機や、タブレット端末、PDA等の遊技者端末を記録媒体としてもよい。
具体的には、例えば、IC対応の遊技者端末であるスマートフォンが遊技用装置に設けられたICリーダに翳されたことを記録媒体の受付とし、遊技者が電子マネーによる入金を行って遊技機で遊技することを可能としてもよい。また、カード返却ボタンが押下された場合に受付解除待機状態とし、この受付解除待機状態において受付中のスマートフォンと同一のスマートフォンがICリーダに翳された場合に、記録媒体の受付を解除するようにしてもよい。