JP2018093896A - 圧力容器用の脱着可能なガス残圧警報器 - Google Patents

Abstract

【課題】呼吸器用の圧力容器の圧力が低下したことを警報するガス残圧警報器であって、ガス残圧警報機能を有しない既存の圧力調整器に、簡便に脱着可能な圧力容器用のガス残圧警報器を提供する。
【解決手段】圧力容器の圧力計本体２に脱着可能に取り付けられ、圧力計の指針の位置を検知する検知器１００と、検知器１００の検知結果により残圧警報を発する警報装置１０２と、を備えるガス残圧警報器１０１であって、該ガス残圧警報器１０１は、ガス残圧警報機能を有しない既存の圧力調整器に簡便に取り付けることが可能であり、圧力容器内の圧力が予め定めた値以下に低下したときに警報を発する。
【選択図】図１

Description

本発明は、圧力容器内の圧力が低下したことを警報する、圧力容器用の脱着可能なガス残圧警報器に関するものである。

医療現場において、患者を病院内で移動する際などで、患者が十分な酸素を吸気できるよう、呼吸用酸素が供給される呼吸器が患者に装着される。この呼吸器は、呼吸用酸素が充填される圧力容器、この圧力容器に接続される圧力調整器、呼吸用酸素の流量を調整する流量調整器、および圧力容器内の呼吸用酸素が圧力調整器及び流量調整器を介して供給されるマスクからなる。しかしながら、医療従事者は、使用中の圧力容器内の呼吸用酸素の残量を圧力調整器に取り付けられた圧力計で目視確認する必要があり、医療行為に集中する必要があるにもかかわらず、常に圧力容器内の呼吸器用酸素の残量を目視確認しなければならず、煩雑であり、圧力容器内の圧力が予め定める値以下に低下したときに警報を発する警報器が求められていた。

一方、機器・システムの発達により、自宅で家族と生活しながら在宅酸素療法で呼吸器不全の治療を行う等、家庭で看護や介護を行うケースも増えている。例えば、在宅での酸素療法では、呼吸器用酸素が充填された圧力容器から供給される呼吸器用酸素をマスクに代えてカニューレを介して鼻から酸素を吸入するが、呼吸器等の取扱いに不慣れな患者本人や家族が呼吸器等を取り扱う必要があり、同様に、圧力容器内の圧力が予め定める値以下に低下したときに警報を発する警報器が求められていた。

このような警報器として、例えば特許文献１には、圧力計の圧力を示す指針に小型の磁石が取り付けられ、圧力容器内の圧力が予め定める値以下に低下したときに、近接スイッチが作動し、警報を発する警報器が開示されている。しかしながら、この警報器は、圧力計の製造時に圧力計の指針に小型の磁石が取り付けられたものであり、既存の呼吸器等であって、警報器を有しない呼吸器等に取り付けるためには、圧力計を交換する必要がある。また、特許文献２には、圧力容器内に充填される呼吸用気体が導かれ、圧力容器内の圧力が予め定める値以下に低下したときに、弁孔を開放して呼吸用気体を放出し、警報音を発生する警報器が開示されている。しかしながら、この警報器は、予め圧力容器の圧力調整器に予備の取り付け口が設けられていないと、取り付けることができない問題があった。

実開昭６３−１６７２３２号公報 実用新案登録第３２０６５８５号

本発明は、呼吸器又は各種医療用機器用の圧力容器の圧力が低下したことを警報するガス残圧警報器であって、ガス残圧警報機能を有しない既存の圧力調整器に、簡便に脱着可能な圧力容器用のガス残圧警報器を提供することを課題とする。

本発明に係るガス残圧警報器は、圧力容器内の圧力が予め定める値以下に低下したときに警報を発するガス残圧警報器であって、
圧力容器の圧力計に脱着可能に取り付けられ、圧力計の指針の位置を検知する検知器と、
検知器の検知結果により残圧警報を発する警報装置と、
を備えるガス残圧警報器である。

本発明に係るガス残圧警報器であれば、ガス残圧警報機能を有しない既存の圧力調整器に、簡便に脱着可能に取り付け、呼吸器又は各種医療用機器用の圧力容器の圧力が低下したことを警報することができる。

本発明に係るガス残圧警報器の検知器は、圧力計に向けてプローブ光を発し、圧力計からの反射光を検知する光センサを有し、
警報装置は、検知器の検知結果により圧力計の指針の位置を判別する残圧判別回路 と、残圧判別回路により発せられた残圧警報により点灯する残圧警告灯及び警報を発する残圧警報ブザーとを有する、ガス残圧警報器である。

本発明に係るガス残圧警報器であれば、確実に警報を発信することができる。

本発明に係るガス残圧警報器の光センサは、前記指針からの反射光を検知し、該指針の後方の目盛板からの反射光を検知しない、距離設定型の光センサであり、ＢＧＳ（Ｂａｃｋｇｒｏｕｎｄ Ｓｕｐｐｒｅｓｓｉｏｎ）機能 を有する、ガス残圧警報器である。

本発明に係るガス残圧警報器でれば、確実に圧力計の指針の位置を検知することができる。

本発明に係るガス残圧警報器のプローブ光は、狭光芒である、ガス残圧警報器である。

本発明に係るガス残圧警報器の光センサであれば、より確実に圧力計の指針の位置を検知出することができる。

本発明に係るガス残圧警報器の光センサは、圧力計の外面から１０ｍｍ以上離間する、ガス残圧警報器である。

本発明に係るガス残圧警報器であれば、圧力計の指針の視認が妨げられない。

本発明に係るガス残圧警報器の光センサは、圧力計の指針の回動経路上の予め定める値に対応する位置にプローブ光を発し、
残圧判別回路は、検知部による反射光の検知により電源がオンされる電源投入回路を含む、ガス残圧警報器である。

本発明に係るガス残圧警報器でれば、ガス残圧警報器の電源を自動的にオンすることができるので、圧力容器の使用開始時又はガス残圧警報器を圧力調整器に取り付けた際に、電源の投入操作を行うことが不要であり、ガス残圧警報器の電源の投入操作を忘失する恐れがない。

本発明に係るガス残圧警報器の残圧判別回路は、
圧力計の指針の位置を間欠検知するインターバルタイマと、
圧力計の指針の位置を検知する検知時間を短縮するオフディレイタイマとを、有する電力消費抑制回路を含む、ガス残圧警報器である 。

本発明に係るガス残圧警報器の残圧警報判別回路であれば、確実に電力消費量を抑制することができる。

本発明に係るガス残圧警報器であれば、ガス残圧警報機能を有しない既存の圧力調整器に、簡便に脱着可能な圧力容器用のガス残圧警報器を取り付け、呼吸器用の圧力容器の圧力が低下したことを警報することができる。

図１は、本発明に係るガス残圧警報器が圧力計に取り付けられた状態を示す、正面図（ａ）と側面図（ｂ）である。 図２は、本発明に係るガス残圧警報器が圧力計の指針の位置を検知する状態を示す、模式断面図である。 図３は、本発明に係るガス残圧警報器の距離設定型光センサのＢＧＳ機能の模式原理図である。 図４は、本発明に係るガス残圧警報器の光／電気変換回路、残圧警報判別回路及び警報機用電源回路を示す電気回路図である。 図５は、本発明に係るガス残圧警報器の残圧警報動作のタイムチャートである。

以下、本発明の一実施形態を、説明する。

図１に、本実施形態に係るガス残量警報器１０１が圧力計本体２に取り付けられた状態の構成を示す。（ａ）は、正面図であり、（ｂ）は、側面図である。圧力計本体２は、圧力容器（不図示）に接続される圧力調整器（不図示）の配管接続口（不図示）に圧力計本体２の下部に有する連結管１を介して取り付けられている。

ガス残圧警報器１０１は、検知器１００と、警報装置１０２、とを備え、検知器１００は、光センサ本体９、光センサ取付プレート１８、及び取付プレート用クランプ１９からなる。

光センサ本体９は光センサ取付プレート１８に組み付けられ、圧力計本体２と相対して固定されている。一方、光センサ取付プレート１８は、取付プレート用クランプ１９にて、連結管１に固定されている。

また、光センサ本体９は、プローブ光２１を発する発光素子１０ａ及び反射してくる反射光を受光する受光素子１０ｂからなる光センサ１０、プローブ光２１が透過する発光素子側ガラス窓１１、反射光が透過する受光側ガラス窓１４、反射光を受光素子１０ｂ上で結像させる受光レンズ１３、光センサ１０で検知した光信号を電気信号に変換する光／電気変換回路（不図示）、及び電気信号により圧力計の指針４の位置を判別し、警報発信を判断する残圧警報判別回路（不図示）とを、内蔵する。光センサ本体９の下部に配置されたケーブル１５を介して、電源（不図示）に接続されている。なお、電源としては、例えば、乾電池などの一次電池、リチウムイオン電池などの二次電池、又は外部電源を用いることができる。また、光センサ１０は、距離設定型の光センサであり、指針４からの指針反射光２３を検知し、指針４の後方の目盛板３からの目盛板反射光２２を検知しない、ＢＧＳ（Ｂａｃｋｇｒｏｕｎｄ Ｓｕｐｐｒｅｓｓｉｏｎ）機能が選択されている。例えば、光センサ本体９から検出対象物までが１８ｍｍ以上の離間距離があると検出しない設定の光センサであれば、圧力計本体２の外面から光センサ本体９までの離間距離は、１０〜１５ｍｍとなり、光センサ本体９から指針４までの距離が検出範囲内となる指針４からの指針反射光２３は検知し、光センサ本体９から目盛板３までの距離が検出範囲外となる目盛板３からの目盛板反射光２２は検知しない。一方、離間距離が１０ｍｍ未満であれば、目盛板反射光２２も検知し、離間距離が２０ｍｍを超えていれば、指針反射光２３も検知せず、指針４が所定の位置に達したときに、確実に指針４を検知することができず、好ましくない。また、圧力計本体２の外面から光センサ本体９までの離間距離が１０〜２０ｍｍであれば、光圧力計本体２に示されるガス残圧値の視認が妨げられず、光センサ本体９が圧力計本体２から大きく突き出して医療行為等の妨げにはならず、好ましい。なお、圧力計本体２の外面から光センサ本体９までの離間距離は、１０〜２０ｍｍに限定されることなく、圧力計の形状又は型式及び光センサ１０の仕様に基づき、設定すれば良い。また、確実に指針４の位置を検知できる光センサであれば、他の形式の光センサであっても構わない。一方、発光素子１０ａから発光されるプローブ光は、狭光芒であると、検知対象物である指針４の受光面の色、幅又は長さの制約を受けにくく、好ましい。

警報装置１０２は、残圧警告灯１６、残圧警報ブザー１７、及び警報リセットボタン２０からなり、警報装置１０２は、光センサ本体９の下方の位置に光センサ取付プレート１８に配置されている。

次に、本実施形態に係るガス残圧警報器の動作について、説明する。

圧力計本体２の筐体の前面部には、目盛板３、指針軸５に取り付けられた指針４及び目盛板カバー３ｂが配置されている。また、圧力計本体２の筐体には、機械式圧力エレメント（不図示）が内蔵され、印加圧力に応じて指針軸５に固定された指針４が目盛板３上で回動するように設けられている。指針４により指示された圧力容器中のガスの圧力値を目視することができる。

図２に本発明に係るガス残圧警報器１０１が圧力計の指針の位置を検知する状態を示す、模式断面図を示す。図２（ａ）は、残圧検知警報１０１がＯＦＦの状態、（ｂ）は、残圧検知警報１０１がＯＮの状態である。また、図３に、本発明に係るガス残圧警報器１０１のＢＧＳ方式光センサの模式原理図を示す。圧力容器の残圧警報検知以上の圧力であれば、光センサ本体９の発光素子１０ａから発光されたプローブ光２１が目盛板３に投射されると、目盛板３によって反射された目盛板反射光２２は、受光素子１０ｂの目盛板反射光受光位置２６の位置で結像する。このとき、光センサ１０は、残圧警報がＯＦＦの状態として検知する。また、この残圧警報がＯＦＦの信号を電源回路の投入（ＯＮ）指令として利用することから、自動的に電源回路が通電し、外部通電スイッチを設ける必要がなく、警報装置を圧力計本体２に装着したときや、圧力容器を交換したときに、電源を入れる煩雑さがない。

一方、圧力容器内のガスが減り、圧力容器内のガス圧力がガス残圧警報範囲に到達すれば、発光素子１０ａから発光されたプローブ光２２は、指針４の幅広部７（指針４の圧力値を指示する指針端６の指針軸５の反対側）に投射され、幅広部７から反射された指針反射光２３は、受光素子１０ｂの指針反射光受光位置２５の位置で結像する。このとき、光センサ１０は、残圧警報がＯＮの状態として検知する。

図４に、本発明に係るガス残圧警報器の光／電気変換回路、残圧警報判別回路及び警報機用電源回路を示す電気回路図の一例を示す。圧力容器の残圧警報検知以上の圧力のとき（以下、「通常時」ともいう。）光センサ９はＯＦＦ状態もあり、制御リレーＲ３は、非励磁状態となっている。制御電力投入条件を作る制御リレーＲ１は、光センサ残圧検知以外の電源投入解除（b接点）r3-2(b)により励磁状態となる。制御電源投入回路自己保持（a接点）r1-1(a)により自己保持され、制御電源は、ON状態を保持する。なお、制御リレーR1の補助接点r1-2(a)は、間欠（インターバル）残圧検知周期タイマTIの起動条件設定のためのものであり、残圧検知の測定間隔を長くすることで、電源消費を抑えられる。

一方、間欠（インターバル）残圧検知周期タイマTIがタイムアップすると、残圧検知測定時間タイマTOが起動し、一定時間分の残圧検知を行い、光センサ９の制御リレーR3の励磁（残圧警報状態）、非励磁状態（残圧警報以外の通常状態）のチェックを行う。r2-1(a)は、 残圧検知測定時間タイマの自己保持接点である。また、r2-2(b)は、制御リレーR1の自己保持回路の解除接点である。

光センサ９が残圧警報を検知すると、制御リレーR3の励磁状態になり、制御リレーR4が励磁され、r4-1(a)の補助接点で自己保持される。同時に残圧警告灯RL、残圧警報ブザーBZが点灯、鳴動する。これにより、圧力容器内のガス残量が少なくなったことを知ることができ、ガスがなくなる前に圧力容器を交換することができる。残圧警告灯１６・残圧警報ブザー１７の点灯・鳴動の停止は、リセット（停止）ボタンPBを押すことにより、制御リレーR3の励磁状態を解除することにより行う。

図５に、本発明に係るガス残圧警報器の残圧警報動作のタイムチャートの一例を示す。インターバルタイマTI（間欠残圧検知周期タイマ）ごとに、オフディレイタイマTO（残圧検知測定時間帯）内に残圧警報信号を受信した場合のみ、残圧警告灯１６が点灯、残圧警報ブザー１７が鳴動する。これにより、待機電力を節電し、電力消費量を抑制可能としている。

本発明に係るガス残圧警報器であれば、ガス残圧警報機能を有しない既存の圧力調整器に、簡便に脱着可能な圧力容器用のガス残圧警報器を取り付け、呼吸器用の圧力容器の圧力が低下したことを警報することができ、ガス残圧警報機能を有しない既存の圧力調整器用のガス残圧警報器として、好適である。

１ 連結管
２ 圧力計本体（首部）
３ 目盛板
３ｂ 目盛板カバー
４ 指針
５ 指針軸
６ 指針端
７ 幅広部
９ 光センサ本体
１０ 光センサ
１０ａ 発光素子
１０ｂ 受光素子
１１ 発光素子側ガラス窓
１３ 受光レンズ
１４ 受光素子側ガラス窓
１５ ケーブル
１６ 残圧警告灯
１７ 残圧警報ブザー
１８ 光センサ取付プレート
１９ 取り付けプレート用クランプ
２０ 残圧警告灯・残圧警報ブザーリセット（停止）ボタン
２１ プローブ光
２２ 目盛板反射光
２３ 指針反射光
２５ 指針反射光受光位置
２６ 目盛板反射光受光位置
１００ 検知器
１０１ ガス残圧警報器
１０２ 警報装置
Ｒ1〜Ｒ４ 制御リレー
TI インターバルタイマTI（間欠残圧検知周期タイマ）
TO オフディレイタイマTO（残圧検知測定時間帯タイマ）
RL 残圧警告灯
BZ 残圧警報ブザー
PB 残圧警告灯・残圧警報ブザーリセット（停止）ボタン
r1-1(a) 制御電源投入回路自己保持（a接点）
r1-2(a) インターバルタイマ動作中条件
r2-1(a) 残圧検知時間タイマ自己保持接点
r2-2(b) 制御電源投入回路電源リセット（b接点）
r3-1(a) 光センサ残圧検知以外の電源投入自己保持（a接点）
r3-2(b) 光センサ残圧検知以外の電源投入解除（b接点）
r3-3(a) 光センサ残圧検知時の警告灯・警報ブザー用自己保持（a接点）
r4-1(a) 警告灯・警報ブザー用自己保持（a接点）
ti(a) インターバルタイマ（a接点）
to(b) オフディレイタイマ（b接点）

Claims (7)

1. 圧力容器内の圧力が予め定める値以下に低下したときに警報を発するガス残圧警報器であって、
   前記圧力容器の圧力計に脱着可能に取り付けられ、前記圧力計の指針の位置を検知する検知器と、
   前記検知器の検知結果により残圧警報を発する警報装置と、
   を備えるガス残圧警報器。
2. 前記検知器は、前記圧力計に向けてプローブ光を発し、前記圧力計からの反射光を検知する光センサを有し、
   前記警報装置は、前記検知器の検知結果により前記圧力計の指針の位置を判別する残圧判別回路と、前記残圧判別回路により発せられた残圧警報により点灯する残圧警告灯及び警報を発する残圧警報ブザーとを有する、請求項１に記載のガス残圧警報器。
3. 前記光センサは、前記指針からの反射光を検知し、該指針の後方の目盛板からの反射光を検知しない距離設定型の光センサであり、ＢＧＳ（Ｂａｃｋｇｒｏｕｎｄ Ｓｕｐｐｒｅｓｓｉｏｎ）機能を有する、請求項２に記載のガス残圧警報器。
4. 前記プローブ光は、狭光芒である、請求項２又は３に記載のガス残圧警報器。
5. 前記光センサは、前記圧力計の外面から１０ｍｍ以上離間する、請求項２〜４のいずれか一項に記載のガス残圧警報器。
6. 前記光センサは、前記圧力計の指針の回動経路上の前記予め定める値に対応する位置に前記プローブ光を発し、
   前記残圧判別回路は、前記検知部による前記反射光の検知により電源がオンされる電源投入回路を含む、請求項２〜５のいずれか一項に記載のガス残圧警報器。
7. 前記残圧判別回路は、
   前記圧力計の指針の位置を間欠検知するインターバルタイマと、
   前記圧力計の指針の位置を検知する検知時間を短縮するオフディレイタイマとを、有する電力消費抑制回路を含む、請求項２〜６のいずれか一項に記載のガス残圧警報器。
   
   

Images