JP2018090865A - めっき装置、めっき方法およびめっき製品の製造方法 - Google Patents

めっき装置、めっき方法およびめっき製品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】めっき製品の製造コストの増大を抑制することが可能なめっき装置を提供する。【解決手段】めっき装置100は、めっき浴槽1と第1電極2と保持部7と第2電極3とを備える。めっき浴槽1はめっき液6を保持する。第1電極2はめっき浴槽1に保持されるめっき液6に接触する。保持部7は、めっき液6中においてめっき処理対象物20を保持する。第2電極3は、保持部7に保持されためっき処理対象物20に接触する。第2電極3は、基部と絶縁層とを含む。基部は、不溶解性電極材からなり、めっき処理対象物20と接触する接触部を有する。絶縁層は、基部の表面を被覆する。絶縁層には、接触部を露出させる開口部が形成されている。【選択図】図5

Description

この発明は、めっき装置、めっき方法およびめっき製品の製造方法に関する。
従来、プリント配線板やリードフレームなどにめっき処理を行うめっき装置が知られている。たとえば、特開2011−231344号公報では、プリント配線板へのめっき膜形成工程の効率を向上させるため、めっき液浴中においてプリント配線板と接触する第1位置と、プリント配線板と非接触となる第2位置とを移動可能な給電体を設けることが開示されている。上記特開2011―231344号公報では、当該給電体が第2の位置に移動したときに給電体へ正の電位を印加して、給電体の表面に形成されためっき膜を剥離することが開示されている。
特開2011−231344号公報
しかし、上述した特許文献においては、めっき処理対象物であるプリント配線板と接触する給電体の具体的な構成が詳細には開示されていない。
また、リードフレームなどのめっき処理対象物を保持するため治具を用いる場合、当該治具を介してめっき処理対象物へ給電することが考えられる。しかし、この場合には治具においてめっき処理対象物と給電のために接触する部分にめっき膜が形成される。このようなめっき膜が蓄積するとめっき処理に悪影響を与えるため、当該治具については定期的にめっき膜を剥離する処理やメンテナンスを行う必要があり、めっき処理により製造されるめっき製品の製造コストの増大を招いていた。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、めっき製品の製造コストの増大を抑制することが可能なめっき装置、めっき方法およびめっき製品の製造方法を提供することである。
本開示に従っためっき装置は、めっき浴槽と第1電極と保持部と第2電極とを備える。めっき浴槽はめっき液を保持する。第1電極はめっき浴槽に保持されるめっき液に接触する。保持部は、めっき液中においてめっき処理対象物を保持する。第2電極は、保持部に保持されためっき処理対象物に接触する。第2電極は、基部と絶縁層とを含む。基部は、不溶解性電極材からなり、めっき処理対象物と接触する接触部を有する。絶縁層は、基部の表面を被覆する。絶縁層には、接触部を露出させる開口部が形成されている。
本開示に従っためっき方法は、上記めっき装置を用いためっき方法であって、以下の工程を実施する。すなわち、保持部に、めっき液に浸漬した状態でめっき処理対象物を配置する。第2電極を、保持部に保持されためっき処理対象物に接触させる。第1電極と第2電極とに電流を供給することにより、めっき処理対象物の表面にめっき膜を形成する。めっき膜が形成されためっき処理対象物を保持部から取り出す。取り出す工程の後、第1電極および第2電極をめっき液に接触させた状態で、めっき膜を形成する工程とは逆の極性の電流を第1電極および第2電極に供給することにより、第2電極の接触部に形成されていためっき膜を第2電極から除去する。
本開示に従っためっき製品の製造方法では、以下の工程を実施する。すなわち、めっき製品となるべきめっき処理対象物を準備する。めっき処理対象物に、上記めっき方法を用いてめっき膜を形成する。
本開示によれば、保持部にめっき処理対象物を保持して第2電極を接触させることでめっき処理対象物へのめっき処理を実施できる。さらに、第2電極の基部が不溶解性電極材により構成されているので、めっき処理の後に第2電極へめっき処理時とは逆の極性の電流を印加することで、第2電極表面に形成されていためっき膜を剥離することができる。この結果、安定してめっき処理を繰り返すことができ、従来のような治具を用いた場合のようなメンテナンスが不要となるのでめっき製品の製造コストの増大を抑制できる。
本発明の実施の形態1に係るめっき装置の模式図である。 図1に示しためっき装置の第2電極の断面模式図である。 図1に示しためっき装置を用いためっき製品の製造方法を説明するためのフローチャートである。 図3に示しためっき製品の製造方法を説明するための模式図である。 図3のめっき工程を説明するための模式図である。 図5における第2電極とめっき処理対象物との拡大断面模式図である。 図3のめっき工程において、めっき処理対象物の表面および第2電極の表面にめっき膜が形成された状態を説明するための模式図である。 図3の第2電極の接触部の部分拡大模式図である。 図3の電極からめっき膜を剥離する工程を説明するための模式図である。 図3の電極からめっき膜を剥離する工程を説明するための模式図である。 図3の電極からめっき膜を剥離する工程を説明するための模式図である。 図3の電極からめっき膜を剥離する工程を説明するための模式図である。 参考例としてのめっき装置における冶具にめっき処理対象物を設置する工程を説明するための模式図である。 参考例としてのめっき装置におけるめっき処理を説明するための模式図である。 参考例としてのめっき装置における冶具の問題点を説明するための模式図である。 本発明の実施の形態2に係るめっき装置の第2電極の断面模式図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。以下では、複数の実施の形態について説明するが、各実施の形態で説明された構成を適宜組合わせることは出願当初から予定されている。なお、図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
実施の形態1.
<めっき装置の構成>
図1は、本発明の実施の形態1に係るめっき装置100の模式図である。図2は、図1に示しためっき装置100の第2電極3の断面模式図である。めっき装置100は、たとえば自動搬送式めっき装置であって、めっき浴槽1と、第1電極2と、保持部7と、第2電極3と、極性切替部4と、電源5と、電極移動部11と、制御部12とを主に備える。めっき浴槽1はめっき液6を保持する。1組の第1電極2はめっき浴槽1に保持されるめっき液6に接触する。1組の第1電極2は、保持部7および第2電極3を挟むように、めっき浴槽1の内部に配置されている。第1電極2は板状の形状を有しているが、他の任意の形状でもよい。保持部7は、めっき液6中においてめっき処理対象物20(図5参照)を保持する。保持部7の構成は、めっき処理対象物20を保持できれば任意の構造を採用できる。めっき処理対象物20は単体で搬送され、保持部7に搭載されてもよい。
第2電極3は、保持部7に保持されためっき処理対象物20に接触する。第2電極3は、基部31と絶縁層32とを含む。基部31は、不溶解性電極材からなり、めっき処理対象物20と接触する接触部3aを有する。不溶解性電極材とは、めっき液6中において、形成されるめっき膜を構成する金属より溶解電圧の高い材料を意味する。たとえば、不溶解性電極材として、チタン(Ti)、白金(Pt)、あるいはチタンを含む合金、白金を含む合金、もしくはこれらの金属の複合材を用いることができる。不溶解性電極材として、たとえばチタン、チタンを基材とする白金コーティング材料などを用いてもよい。絶縁層32は、基部31の表面を被覆する。絶縁層32には、接触部3aを露出させる開口部が形成されている。図2に示した接触部3aは平面であり、その平面形状はたとえば円形状である。接触部3aの平面形状は多角形状など任意の形状でもよい。
電極移動部11は、第2電極3を、図1に示しためっき処理用の第1の位置と、めっき処理対象物20を保持部7に搭載するときあるいは保持部7からめっき処理対象物20を搬出するときに保持部7上から後退した第2の位置との間で移動可能になっている。電極移動部11の構成は、任意の構成を採用できる。たとえば、電極移動部11は第2電極3を移動させるための駆動用モータやアクチュエータを含んでいてもよい。また、電極移動部11を用いることなく、作業者が第2電極3を第1の位置と第2の位置との間で異動させてもよい。
極性切替部4は、第1〜第5端子41〜45を有する。極性切替部4は、第1状態と第2状態とを切替え可能になっている。第1状態では、第1端子41が第3端子43および第5端子45と接続され、また、第2端子42が第4端子44と接続されている。第2状態では、第1端子41が第4端子44と接続され、第2端子42が第3端子43および第5端子45に接続されている。第3端子43および第5端子45はそれぞれ配線8、10を介して第1電極と接続されている。第4端子44は配線9を介して第2電極3と接続されている。
電源5は正極端子51と負極端子52とを有する。正極端子51は極性切替部4の第1端子41と配線を介して接続されている。負極端子52は極性切替部4の第2端子42と配線を介して接続されている。電源5は、極性切替部4を介して第1電極2および第2電極3へ電力を供給する。
制御部12は、電源5、極性切替部4、電極移動部11にそれぞれ接続されている。制御部12は、電源5のON/OFF制御、極性切替部4における第1状態と第2状態との切替制御、また第2電極3を第1の位置と第2の位置との間で移動させるように電極移動部11の駆動制御などを行う。制御部12は、極性切替部4を制御することにより、第1電極2に供給される電流と第2電極3に供給される電流との極性を反転させることが可能である。また、制御部12は、第2電極3へ供給する電流の電圧の値を、基部31を構成する不溶解性電極材の溶解電圧より低い値に制御可能である。
<めっき装置の作用効果>
図1および図2に示しためっき装置100は、上記のような構成を備えているので、めっき処理対象物20(図5参照)に第2電極3の接触部3aを接触させて第1電極2と第2電極3とに所定の電流を流すことで、めっき処理対象物20の表面にめっき膜21(図7参照)を形成することができる。たとえば、制御部12により極性切替部4を第1状態に設定することにより、第1電極2を正極とし、第2電極3を負極とすることができる。この結果、第2電極3が接触して給電するめっき処理対象物20の表面に金属のめっき膜21を形成することができる。このとき、後述するように第2電極3の接触部3a表面にもめっき膜21が形成される。
ここで、第2電極3の基部31が不溶解性電極材により構成されているので、第2電極3をめっき液6に接触させた状態で、めっき処理の後に第2電極3へめっき処理時とは逆の極性の電流を印加してもよい。このようにすれば、第2電極3表面に形成されていためっき膜21(図7参照)を第2電極3から剥離することができる。たとえば、制御部12により極性切替部4を制御して、第1電極2を負極とし、第2電極3を正極として、第2電極3の表面からめっき膜21を剥離させることができる。この結果、第2電極3の表面にめっき膜21が蓄積することを避けることができるので、安定してめっき処理を繰り返すことができる。したがって、従来の治具を用いた場合のようなメンテナンスが不要となるので、めっき製品の製造コストの増大を抑制できる。
また、上記のように制御部12は、極性切替部4を制御することで第1電極2に供給される電流と第2電極3に供給される電流との極性を反転させることが可能である。このため、めっき処理後に上述のように第2電極3からめっき膜21を剥離させる処理を容易に行うことができる。
また、上記のように、制御部12が電源5を制御することで、第2電極3へ供給する電流の電圧の値を不溶解性電極材の溶解電圧より低い値に制御可能である。この場合、第2電極3からめっき膜21を剥離するために第2電極3へ電流を印加するときに、当該電流の電圧を基部31の材料である不溶解性電極材の溶解電圧より低くしておくことができる。このため、めっき膜21を第2電極3から剥離するときに第2電極3の基部31がめっき液6へ電界溶出することを抑制できる。この結果、第2電極3を長期間安定して使用することができる。
<めっき方法およびめっき製品の製造方法>
図3は、図1に示しためっき装置100を用いためっき製品の製造方法を説明するためのフローチャートである。図4は、図3に示しためっき製品の製造方法を説明するための模式図である。図5は、図3のめっき工程(S20)を説明するための模式図である。図6は、図5における第2電極3とめっき処理対象物20との拡大断面模式図である。図7は、図3のめっき工程(S20)において、めっき処理対象物20の表面および第2電極3の表面にめっき膜21が形成された状態を説明するための模式図である。図8は、図3の第2電極3の接触部の部分拡大模式図である。図9〜図12は、図3の電極からめっき膜を剥離する工程(S30)を説明するための模式図である。図10は、工程(S30)の初期状態を説明するための模式図である。図11は、工程(S30)の途中段階の状態を説明するための模式図である。図12は、工程(S30)の終了時点での状態を説明するための模式図である。
図3〜図12を参照しながら、本実施形態に従っためっき製品の製造方法およびめっき方法を説明する。まず、図3に示すように準備工程(S10)を実施する。この工程(S10)では、めっき製品となるべきめっき処理対象物20(図4参照)を準備する。そして、図4に示すように、当該めっき処理対象物20をめっき装置100の保持部7上に配置する。このとき、めっき処理対象物20はめっき液6に浸漬された状態となっている。保持部7の構成としては、任意の構成を採用できるが、たとえば図4に示すように保持部7がめっき処理対象物20を支持するガイド部材71と、当該ガイド部材71が接続されめっき処理対象物20を搭載するベース部とを含んでいてもよい。ガイド部材71は、図4に示すように少なくとも表面が絶縁層により構成された棒状の部材であってもよい。複数のガイド部材71が互いに間隔を隔てて上方に延びるようにベース部に接続され、当該ベース部の上方に開口した空間を形成していてもよい。また、ベース部およびガイド部材71を構成する材料は、絶縁材料であってもよく、たとえば塩化ビニルやフッ素樹脂などの樹脂材料であってもよい。このような絶縁材料を用いることで、保持部7にはめっき膜が形成されず、後述する参考例の冶具170(図13参照)のようなメンテナンスの必要性が低い。
めっき処理対象物20はたとえばリードフレームなどの電子機器部品であってもよい。めっき処理対象物20はロボットアームなど任意の構成の搬送装置により保持部7上に搬送される。そして、保持部7上に搭載されためっき処理対象物20に対して、図5および図6に示すように第2電極3の接触部3aを接触させる。これは、制御部12により電極移動部11を制御して第2電極3の位置を変更することにより実現できる。
次に、図3のめっき工程(S20)を実施する。この工程(S20)では、制御部12により極性切替部4が第1状態となっている。そのため、図5に示すように第1電極2が正極となり、第2電極3が負極となる。この結果、図7および図8に示すように、めっき処理対象物20の表面にめっき膜21が形成される。このとき、図7に示すように第2電極3の接触部3aの表面上にも、めっき膜21が形成される。このとき、図8に示すように、接触部3aの表面近傍では、不溶解性電極材からなる基部31の表面に不導体膜31aが形成されている。そして、めっき膜21は当該不導体膜31a上に形成されている。このようにめっき処理対象物20の表面に所定の厚さのめっき膜21が形成された後、電源5からの電力供給を停止してめっき膜21の形成を終了する。その後、制御部12が電極移動部11を制御して第2電極3を第2の位置に移動させる。この状態で、保持部7上からめっき膜21が形成されためっき処理対象物20を取り出す。
次に、図3の電極からめっき膜を剥離する工程(S30)を実施する。この工程(S30)では、制御部12により極性切替部4が第2状態に切替えられている。また、制御部12が電極移動部11を制御して第2電極3を第1の位置に移動させる。この結果、図9に示すように第2電極3が正極となり、第1電極2が負極となる。この状態で電源5から第1電極2および第2電極3へ電力を供給する。なお、工程(S30)は工程(S20)を実施した後必ず行ってもよいし、工程(S20)を複数回実施してから工程(S30)を実施するようにしてもよい。
この結果、第2電極3に形成されていためっき膜21を構成する金属は、プラス電解により電解液であるめっき液6へ溶解し、金属イオンとなる。一方、第2電極3の基部31はチタンや白金などの不溶解性電極材により構成されているので、上述したようにその表面に大気中で薄く安定した不導体膜31aが形成されている。この不導体膜31aについては、プラス電解による溶解が起こりにくく、めっき膜21を構成する金属の溶解電圧より高い電圧でなければ電解はほとんど起こらない。また、基部31を構成する不溶解性電極材は空気に触れると不導体膜31aを形成するので、基部31の接触部3aにおいてキズや摩耗が生じても不導体膜31aが再生する。
ここで、この工程(S30)では、基部31を構成する不溶解性電極材の溶解電圧より低い一定電圧で第2電極3への通電を行うことにより、選択的にめっき膜21を構成するめっき金属のみを電解除去する事が可能である。以下、図10〜図12を参照しながら具体的に説明する。なお、図10〜図12では、第2電極3へ供給される電流の電流値と電圧値とを模式的に示すため、それぞれ第2電極に供給される電流の電流値を示す電流計62と電圧値を示す電圧計61とが模式的に表示されている。
まず、工程(S30)のスタート時には、図10に示すように第2電極3へ供給する電流は一定電圧となるように制御される。通電開始時には、電流値も所定の値を示す。このように第2電極3を正極となるように電流を流すことで、めっき膜21を構成する金属がめっき液6中に電解溶解していく。このとき、設定される電圧値は、不溶解性電極材料の溶解電圧以下となるように設定される。
次に、図11に示すように、時間が経つにつれて、第2電極3の表面からめっき膜21のめっき金属が除去されていく。この結果、第2電極3に供給される電流の電流値が徐々に下がっていく。なお、当該電流の電圧値は一定となるように制御されている(定電圧制御)。
次に、図12に示すように、第2電極3の表面からめっき膜21のめっき金属が電解溶解して消失すると、電解剥離工程は完了する。また、このとき第2電極3に流れる電流の電圧値は、上述のように基部31を構成する不溶解性電極材の溶解電圧以下、より好ましくは不溶解性電極材の溶解電圧より低い値であるため、第2電極3へ流れる電流は0Aとなり、めっき膜21の電解反応は自動的に停止する。なお、このように電解反応が自動的に停止したことを条件として、電極移動部11により第2電極3を第2の位置に移動させてもよい。
上述しためっき方法を異なる観点から言えば、本実施形態に係るめっき方法は、上記めっき装置100を用いためっき方法であって、以下の工程を実施する。すなわち、保持部7に、めっき液6に浸漬した状態でめっき処理対象物20を配置する(S10)。第2電極3を、保持部7に保持されためっき処理対象物20に接触させる(S10)。第1電極2と第2電極3とに電流を供給することにより、めっき処理対象物20の表面にめっき膜21を形成する(S20)。めっき膜21が形成されためっき処理対象物20を保持部から取り出す(S20)。取り出す工程の後、第1電極2および第2電極3をめっき液6に接触させた状態で、めっき膜21を形成する工程とは逆の極性の電流を第1電極2および第2電極3に供給することにより、第2電極3の接触部3aに形成されていためっき膜21を第2電極3から除去する(S30)。
また、異なる観点から言えば、図3に示した本開示に従っためっき製品の製造方法では、以下の工程を実施する。すなわち、めっき製品となるべきめっき処理対象物20を準備する(S10)。めっき処理対象物20に、上記めっき方法を用いてめっき膜21を形成する(S20〜S30)。
<めっき方法およびめっき製品の製造方法の作用効果>
このようにすれば、めっき処理対象物20の表面にめっき膜21を形成するめっき処理後に、第2電極3からめっき膜21を除去できるので、第2電極3表面にめっき膜21が蓄積することを避けることができる。つまり、めっき膜21をめっき処理対象物20に形成する工程と、第2電極3からめっき膜21を除去する工程とを交互に行えば、第2電極3にめっき膜21が堆積することを防止できる。また、上記方法で用いるめっき装置100では、めっき処理対象物20へ電流を供給する第2電極3と、めっき処理対象物20を保持する保持部7とが別部材とされている。この点で、以下に説明する参考例のように保持具と電流を供給するための電極とを兼ねた冶具を用いる場合とは異なる。
以下、図13〜図15を用いて参考例に係るめっき装置およびめっき方法について説明する。なお、図13は、参考例としてのめっき装置200における冶具170にめっき処理対象物20を設置する工程を説明するための模式図である。図14は、参考例としてのめっき装置200におけるめっき処理を説明するための模式図である。図15は、参考例としてのめっき装置200における冶具170の問題点を説明するための模式図である。
図13および図14に示すめっき装置200は、めっき浴槽201と、第1電極202と、冶具170と、電源205とを主に備える。めっき浴槽201はめっき液を保持する。1組の第1電極202はめっき浴槽201に保持されるめっき液に接触する。1組の第1電極202は、めっき処理対象物20を保持する冶具170を挟むように、めっき浴槽1の内部に配置されている。第1電極202は板状の形状を有している。冶具170は、めっき液6中においてめっき処理対象物20を保持する。冶具170は、図13に示すように四角形状のベース部171と、当該ベース部171に接続されめっき処理対象物20を挟んで保持するための4つの保持部172と、当該保持部172の先端部においてめっき処理対象物20と電気的に接触する通電部173とを含む。通電部173以外の冶具170の表面は絶縁コーティングにより覆われている。冶具170では、対向配置された通電部173の間に挟まれるようにめっき処理対象物20が保持される。
図13に示すように、冶具170に保持されためっき処理対象物20は、図14に示すようにめっき装置200のめっき浴槽201内部に配置される。冶具170は電源205の負極252に電気的に接続される。第1電極202は電源205の正極251に接続される。この結果、電源205から第1電極202および冶具170に電力を供給することにより、めっき処理対象物20の表面にめっき膜を形成できる。
その後、電源205からの電力供給を停止して、冶具170ごとめっき処理対象物20をめっき浴槽201から取り出す。そして、冶具170からめっき処理対象物20を取り外す。そして、冶具170は次の新たなめっき処理対象物20を取り付けられ、再度めっき装置200でのめっき処理に利用される。
ここで、上記参考例における冶具170では、特に通電部173などにめっき膜が堆積する。このようなめっき膜の堆積はめっき処理工程の品質にも影響を与える可能性がある。したがって、めっき装置200とは別の装置を準備し、冶具170に付着しているめっき膜を定期的に除去することが必要である。
また、上記のように冶具170は繰り返し利用されるため、図15に示すようにベース部171の絶縁被膜が劣化または剥離した部分175が発生する恐れがある。また、保持部172の先端部に位置する通電部173は、複数のめっき処理対象物20を処理するために繰り返し応力を受けたり、上記の付着めっき膜の除去工程を繰り返し実施しるため、図15に示すように折損するといった可能性もある。この場合、冶具170について定期的なメンテナンスや交換が必要である。
つまり、上記参考例に係るめっき装置およびめっき方法では、めっき処理対象物20を搬送する役割と、当該めっき処理対象物20に通電するための電極の役割との両方を冶具170が有している。このため、別の装置を用いて当該冶具170からめっき膜を除去したり、当該冶具170のメンテナンスが必要となり、冶具管理のためのコストや手間がかかる。
一方、本実施の形態に係るめっき方法またはめっき製品の製造方法ではそのような別の装置などは不要である。このため、上述した参考例のような冶具170を用いた場合よりも、本実施の形態に係る方法ではプロセスコストを低減できる。
また、上述した参考例のめっき装置200におけるめっき方法のプロセスより、本実施形態に係るめっき方法でのプロセスは簡略化できる。たとえば、参考例のめっき方法では、1)めっき処理対象物を準備する製品投入、2)冶具への製品設置、3)前処理、4)めっき処理、5)後処理、6)乾燥、7)冶具から製品の取外し、8)製品搬出、9)冶具からのめっき膜剥離、10)冶具の乾燥、といった10段階のプロセスが必要である。また、参考例のめっき方法では、冶具170の交換やメンテナンスも必要になる。
一方、本実施の形態に係るめっき方法では、1)製品投入、2)前処理、3)めっき処理+第2電極3からのめっき膜剥離処理、4)後処理、5)乾燥、6)製品搬出、といった6段階のプロセスとなる。また、本実施の形態に係るめっき方法では、冶具を利用しないので参考例のような冶具のメンテナンスの必要性は無い。
本実施の形態に係るめっき方法において、めっき膜21を第2電極3から除去する工程(S30)では、第2電極3に供給される電流の電圧の値が、不溶解性電極材の溶解電圧より低い値に設定されている。このため、めっき膜21の除去処理時に第2電極3の基部31がめっき液6へ電解溶出することを抑制できる。この結果、第2電極3を長期間安定して使用することができる。
また、本実施の形態に従っためっき製品の製造方法では、めっき処理対象物20に、上記めっき方法を用いてめっき膜21を形成している。このため、参考例に示した冶具170を用いた場合のように冶具170の管理コストなどが不要になるので、より低コストでめっき製品を製造できる。
実施の形態2.
<めっき装置の構成および作用効果>
図16は、本発明の実施の形態2に係るめっき装置の第2電極3の断面模式図である。図16に示す第2電極3を備えるめっき装置は、第2電極3の構成以外の構成は図1に示しためっき装置100と同様の構成を備える。本実施形態に係るめっき装置では、第2電極3の接触部3aが外側に凸の曲面状の形状を有する点で、図1に示しためっき装置100と異なっている。
本実施形態に係るめっき装置は、基本的に図1に示しためっき装置と同様の効果を得られるとともに、第2電極3の接触部3aが外側に凸の曲面状となっているので、当該接触部3aが摩耗した場合であっても、めっき処理対象物20と確実に接触部3aが接触することができる。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明は、リードフレームなどのめっき製品のめっき処理に特に有利に適用できる。
1,201 めっき浴槽、2,202 第1電極、3 第2電極、3a 接触部、4 極性切替部、5,205 電源、6 めっき液、7,172 保持部、8,9 配線、11 電極移動部、12 制御部、20 めっき処理対象物、21 めっき膜、31 基部、31a 不導体膜、32 絶縁層、41 第1端子、42 第2端子、43 第3端子、44 第4端子、45 第5端子、51 正極端子、52 負極端子、61 電圧計、62 電流計、71 ガイド部材、100,200 めっき装置、170 冶具、171 ベース部、173 通電部、175 部分、251 正極、252 負極。

Claims (7)

  1. めっき液を保持するめっき浴槽と、
    前記めっき浴槽に保持される前記めっき液に接触する第1電極と、
    前記めっき液中においてめっき処理対象物を保持する保持部と、
    前記保持部に保持された前記めっき処理対象物に接触する第2電極とを備え、
    前記第2電極は、
    不溶解性電極材からなり、前記めっき処理対象物と接触する接触部を有する基部と、
    前記基部の表面を被覆する絶縁層とを含み、
    前記絶縁層には、前記接触部を露出させる開口部が形成されている、めっき装置。
  2. 前記第1電極に供給される電流と前記第2電極に供給される電流との極性を反転させることが可能な制御部をさらに備える、請求項1に記載のめっき装置。
  3. 前記制御部は、前記第2電極へ供給する電流の電圧の値を前記不溶解性電極材の溶解電圧より低い値に制御可能である、請求項2に記載のめっき装置。
  4. 前記不溶解性電極材は、チタンまたは白金を含む、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のめっき装置。
  5. 請求項1に記載のめっき装置を用いためっき方法であって、
    前記保持部に、前記めっき液に浸漬した状態で前記めっき処理対象物を配置する工程と、
    前記第2電極を、前記保持部に保持された前記めっき処理対象物に接触させる工程と、
    前記第1電極と前記第2電極とに電流を供給することにより、前記めっき処理対象物の表面にめっき膜を形成する工程と、
    前記めっき膜が形成された前記めっき処理対象物を前記保持部から取り出す工程と、
    前記取り出す工程の後、前記第1電極および前記第2電極を前記めっき液に接触させた状態で、前記めっき膜を形成する工程とは逆の極性の電流を前記第1電極および前記第2電極に供給することにより、前記第2電極の前記接触部に形成されていためっき膜を前記第2電極から除去する工程とを備える、めっき方法。
  6. 前記めっき膜を前記第2電極から除去する工程では、前記第2電極に供給される電流の電圧の値が、前記不溶解性電極材の溶解電圧より低い値に設定されている、請求項5に記載のめっき方法。
  7. めっき製品となるべきめっき処理対象物を準備する工程と、
    前記めっき処理対象物に、請求項5に記載のめっき方法を用いてめっき膜を形成する工程とを備える、めっき製品の製造方法。
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