JP2018090618A - デングウイルスに対する免疫原性組成物およびワクチンキット - Google Patents
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Abstract
【課題】対象において、3種以上のデングウイルス血清型に対して中和抗体を迅速に誘導する方法に使用するための免疫原性組成物を提供する。【解決手段】上記方法は、対象の2つ以上の異なるリンパ節に前記免疫原性組成物を到達させるように選択された2箇所以上の異なる解剖学的位置に、デング−デングキメラと3種以上の異なるデングウイルス血清型を提示する弱毒化生デングウイルスとを含むデングウイルスに対する免疫原性組成物の単一製剤を、2用量以上で同日投与して、対象において3種以上のデングウイルス血清型に対して中和抗体を誘導することを含む。【選択図】なし
Description
本発明の実施形態は、対象に全デングウイルス株に対するワクチンを投与するための組成物および方法を報告する。いくつかの実施形態において、ワクチン組成物は皮下、皮内、筋肉内または他の注射法あるいは導入法によって投与されてもよい。ある実施形態において、対象への全デングウイルス種に対するワクチンの注射は0日目の複数の解剖学的位置を含む。他の実施形態は、最初の処置の数日以内から最初の注射後最大12ヵ月までの追加の(follow−on)注射を含む。他の実施形態において、0日目の処置以外に追加の注射は必要ない。ある実施形態では、対象への皮下、皮内、筋肉内または他の導入様式、0日目で投与してDEN−1、DEN−2、DEN−3およびDEN−4のデング血清型の3種以上に対する防御を提供するための、デングウイルスに対するワクチン組成物。
ウイルス感染に対する防御のためのワクチンは、ヒト疾患の発生率を低下させるために効果的に使用されてきた。ウイルスワクチンで最も成功している技術のうちの1つは、動物もしくはヒトを、ウイルスの弱くした、すなわち弱毒化した株(「弱毒化生ウイルス」)で免疫することである。免疫後の複製が制限されているため、弱毒化株は、疾患を引き起こさない。しかし、制限されたウイルス複製でも、ウイルス抗原の完全なレパートリーを発現するのには十分であり、ウイルスに対する強力かつ長期間持続する免疫応答を生じさせ得る。したがって、後にこのウイルスの病原性株に曝露された時、免疫された固体は疾患から防御される。これら弱毒化生ウイルスワクチンは、公衆衛生において最も成功裏に使用されているワクチンの1つである。
本発明の実施形態は概して、対象において、例えば多価デングワクチンを対象に投与することによって、複数のデングウイルスに対する防御を誘導するための方法および組成物に関する。いくつかの実施形態は、皮内(ID)注射を介してワクチン組成物を対象に導入することを含んでもよい。これらの実施形態に従って、ワクチン組成物は対象の皮内に導入されて、例えば、3種以上のデングウイルス血清型に対して中和抗体を誘導することができる。ある実施形態において、ワクチン組成物は、限定するものではないが、対象に投与される所定比率の多価デング血清型ワクチンの1種の製剤の単一用量を含んでもよい。他の実施形態において、ワクチン組成物は、限定するものではないが、デングワクチンの1種の製剤(例えば、DENVax(商標)のような四価製剤)の初回用量を含んでもよく、その後、同じものまたは異なる製剤の1回以上の追加投与(ブースト)が対象に行われてもよい。
本明細書において、他の態様は、例えば対象に皮内経路を介してワクチン組成物を導入することによる、対象における液性または細胞性免疫応答を誘導することに関し、ここで、ワクチン組成物は、限定するものではないが、デングウイルスワクチンを含む。これらの実施形態に従って、開示された組成物は、対象における3種以上のデングウイルス血清型に対する中和抗体産生を調節するために、対象の皮内に投与されてもよい。いくつかの態様は、対象に単一のワクチン組成物を投与した時に、対象における少なくとも3種のデングウイルス血清型に対する交差防御および中和抗体のレベルを高めるための、その単一のワクチン組成物中におけるデングウイルスの種々の血清型、またはそのフラグメント、あるいはその弱毒化組成物の所定の組成比率(例えば、1:1:1、10:1、1:2:2、1:10;10:1、3:4:3:3、1:4:1;5:5:4:5;または3種以上の血清型の任意の比率が考慮される)に関する。
ある実施形態において、デングウイルスに対するワクチンの皮内導入を使用することのいくつかの利点は、限定するものではないが、対象におけるデングウイルス血清型のいくつかまたは全てに対する多数の防御(交差防御)、皮下注射に比べて使用するワクチン投薬量が減少することによるコストの低下、対象において、デングウイルス血清型のいくつかまたは全てに対して産生される抗体の調節、およびデングウイルスに対するワクチンの組成物を投与される対象における投与部位の痛みの減少を含む。
いくつかの実施形態において、デングウイルスに対する単一用量ワクチンは、1種以上のデングウイルス血清型を含んでもよい。さらに、ある実施形態は、複数のデングウイルスを含有するワクチンの少なくとも1回の、最初の注射とは別の部位に、例えば、対象における最初の注射と非常に近接した、または遠い解剖学的位置に投与される追加注射で対象を処置することに関する。さらに、対象への最初の投与後30日未満のうちに少なくとも1回の追加皮内注射が行われてもよく、他の追加皮内注射が最初のワクチン投与後30日から最大12ヵ月の間に行われる。
本明細書に開示される他の実施形態は、例えば、対象に全デングウイルス血清型に対するワクチンを、1箇所または1箇所以上の解剖学的位置に、短い時間間隔で続けて2用量以上投与することにより、対象において全デングウイルス血清型に対する防御を誘導するための方法および組成物に関する。いくつかの実施形態は、1つの位置での皮内(ID)、皮下(SC)、または筋肉内(IM)注射およびそれに続く別の解剖学的位置でのID、SC、IMによって、または第2の異なる解剖学的位置での他の導入方法によって対象にワクチン組成物を導入することを含んでもよい。他の実施形態は、全デングウイルス血清型のデングウイルスワクチンを対象に導入するための任意の投与様式の組合せを用いることを含み、ここで、ワクチンの投与は、対象に対し同日に続けて2つ以上の解剖学的位置に、または2つ以上の異なる経路によって行われる。
いくつかの実施形態は、デングウイルス四価ワクチン接種を必要とする対象を、2つ以上の解剖学的位置で続けて処置することを含む。ある実施形態において、デング感染から防御するのに十分なレベルの中和抗体を誘導するために、対象は1日に2回の連続投与を必要とする場合がある。他の実施形態において、デングウイルス多価ワクチン接種を対象の2つ以上の解剖学的位置に続けて行ってもよく、その後30日以内(例えば約7、約14、約21、または約28日後)に、少なくとも第3のワクチンを、デングウイルス血清型の全種または一部を含む組成物と共に対象に投与してもよい。他の実施形態において、0日目にデングウイルス四価ワクチン接種を対象の2つ以上の解剖学的位置に続けて行ってもよく、その後30日以内(例えば約7、約14、約21、または約28日後)に、少なくとも第3のワクチンを、デングウイルス血清型の全種または一部を含む組成物と共に対象に投与してもよい。本明細書に開示のこれらおよび他の実施形態のワクチン組成物は、最初の二重ワクチン接種を超えた後続の投与のために、2種以上のデングウイルス血清型を所定の比率で含んでもよい。これらの後続のワクチン接種は、二重注射後の個人別に設定された抗体力価、または試験集団の結果などの他の基準に依存してもよい。ある実施形態において、後続のワクチン接種は単一のデング血清型(例えばDEN−4)のみを含んでもよい。
ある実施形態において、対象に導入される組成物は全デングウイルス血清型に対するワクチン、例えば四価DENVax(商標)または別の同様の製剤を含む。DENVaxは、所定比率の四価デングワクチンを含む。このワクチンは、弱毒化DEN−2骨格に基づく構築物から構成されている(例えば、2001年2月16日に出願されたPCT出願番号PCT/US01/05142を参照されたい)。他の組成物において、全デングワクチンウイルス血清型は、組成物中に同じ比率で存在する。さらに他の組成物において、組成物の導入が3種以上のデングウイルス(例えばDEN−1、DEN−2、DEN−3および/またはDEN−4)の感染に対する十分な防御を対象に与えるのに十分なレベルの中和抗体を誘導するように、各デングワクチンウイルス血清型は互いに特定の比率にあってもよい。例えば、対象が2つ以上の組成物を2つ以上の解剖学的位置に続けて受けた後で、その対象が1つ以上の特定のデングウイルス血清型に対して低い防御を有する場合、その対象へのブースターは、対象における全4種のデングウイルスへの免疫応答を向上させるために、複数(2つ以上)のワクチン組成物または単一のワクチン成分を含むことができる。これらの実施形態に従って、当技術分野で既知の標準的手段を用いて、対象からの試料をデング感染に対する抵抗性について分析してもよい。
ある実施形態において、例えば連続投与後に3種以上のデング血清型に対して防御するために、ワクチン組成物は複数の解剖学的部位における任意の経路によって対象に導入されてもよい。ある実施形態において、ワクチン組成物は、限定するものではないが、デングウイルスの全血清型を含有する製剤(例えばDENVax)の、少なくとも3種のデングウイルス血清型に対する防御を提供可能な、対象に投与される単一用量を含んでもよい。他の実施形態において、ワクチン組成物は弱毒化デングウイルス血清型を、他の抗病原体組成物(例えば、日本脳炎、黄熱、西ナイル、インフルエンザ、チクングンヤ熱等)と組み合わせて含んでもよい。本明細書で考慮される組成物は、限定するものではないが、皮内、皮下、筋肉内、鼻腔内、吸入、膣内、静脈内、経口摂取、および他の任意の方法を含む当技術分野で既知の任意の方法によって投与することができる。2箇所以上の解剖学的部位への導入は、2箇所以上の解剖学的部位における同じ様式によるものや、2箇所以上の別個の解剖学的部位を含む2つ以上の異なる様式によるものを含む任意の組合せ投与を含んでもよい。これらの実施形態に従って、2つ以上の解剖学的部位は異なる肢を含んでもよい。他の実施形態において、ワクチン接種は、限定するものではないが、針およびシリンジ、ジェット注入、マイクロニードル注入、パッチ送達(例えば皮膚)、皮内送達デバイス、吸入装置、鼻腔内装置、徐放性マイクロ粒子、および他の任意の許容されるワクチン送達装置を含む、当技術分野で既知の任意の装置を用いて対象に送達されてもよい。
ある実施形態において、デングウイルスワクチンの二重投与のためのワクチン組成物は、単一の組成物中に1つ以上のキメラデングウイルスを含む組成物を含んでもよい。ある組成物において、そのような組成物に用いられるキメラ構築物は、デング−2を骨格とするデング−1、デング−3、および/またはデング−4のようなデング−デング血清型から構成される。これらの実施形態に従って、単一のワクチン組成物は弱毒化生デングウイルスを含んでもよく、少なくとも3種、最大全4種のデングウイルス血清型に対するそのような組成物を受けた対象において免疫応答が誘導される。本明細書において考慮される構築物は、単一の構築物中に、1つ以上の弱毒化生デングウイルス、および、1つ以上のデング−デングキメラウイルスを含む弱毒化生デングウイルスを含み、これは弱毒化デングウイルスのカプシドタンパク質および非構造タンパク質、ならびに少なくとも第2のデングウイルスのプレメンブレンタンパク質およびエンベロープタンパク質をさらに含む。ある実施形態において、カプシドタンパク質および非構造タンパク質は弱毒化デング−1、デング−2、デング−3またはデング−4ウイルスに由来する。他の実施形態において、弱毒化デングウイルスがデング−1の場合、少なくとも第2のデングウイルスのプレメンブレンタンパク質およびエンベロープタンパク質はデング−2、デング−3またはデング−4であり、または、弱毒化デングウイルスがデング−2の場合、デング−1、デング−3またはデング−4であり、または、弱毒化デングウイルスがデング−3の場合、デング−1、デング−2またはデング−4であり、または、弱毒化デングウイルスがデング−4の場合、デング−1、デング−2またはデング−3である。さらに、デング−デングキメラウイルスは、弱毒化デング−2ウイルスのカプシドタンパク質および非構造タンパク質を含んでもよく、プレメンブレンタンパク質およびエンベロープタンパク質はデング−1、デング−3またはデング−4である。
他の実施形態は、弱毒化生ウイルスの骨格がデング−2である弱毒化生ウイルスを含む。さらに、デング−2は任意のデング−2株を含んでよい。ある弱毒化生デング−2ウイルスにおいて、デング−2はPDK−53株を含む。別の実施形態において、キメラは弱毒化デング−2ウイルスに由来する非構造タンパク質をコードする第1のヌクレオチド配列と、第2のフラビウイルスに由来する構造タンパク質をコードする第2のヌクレオチド配列とを含む核酸キメラである。別の実施形態において、構造タンパク質はフラビウイルスのC、prMまたはEタンパク質である。構造タンパク質の選択元となるフラビウイルスの例としては、デング−1ウイルス、デング−2ウイルス、デング−3ウイルス、デング−4ウイルス、西ナイルウイルス、日本脳炎ウイルス、セントルイス脳炎ウイルス、黄熱ウイルスおよびダニ媒介脳炎ウイルスが挙げられるがこれらに限定されない。さらなる実施形態において、構造タンパク質は、C型肝炎ウイルスのような、フラビウイルスと近縁関係にある非フラビウイルス種から選択されてもよい。
ある実施形態において、非構造タンパク質中のアミノ酸置換突然変異および5’非コード領域でのヌクレオチド置換突然変異が存在してもよい。このヌクレオチド置換突然変異は、全4種のデング血清型で保存されているステムループ構造のステムで発生する。特に、NS1−53での単一突然変異、NS1−53および5’NC−57での2つの突然変異、NS1−53およびNS3−250での2つの突然変異、ならびにNS1−53、5’NC−57、およびNS3−250での3つの突然変異が、本明細書に開示の弱毒化DEN−2ウイルスを提供可能である。
これらの遺伝子座に非保存的アミノ酸置換を含む任意のデング−2ウイルスのゲノムが、本明細書に記載される非病原性キメラにおいて骨格として使用されてもよいことが意図される。さらに、同じ遺伝子座に相同の突然変異を含む他のフラビウイルスゲノムも、アミノ酸配列またはヌクレオチド配列アラインメントおよびステム構造解析の後に骨格構造として使用されてよく、本明細書では、これらはデング−2 PKD−53ゲノムの弱毒化突然変異の等価物として定義される。骨格、5’および3’非コード領域および非構造タンパク質をコードする領域を含むキメラの領域は、非病原性表現型の安定性を維持し、非病原性ウイルスやキメラが病原性野生型ウイルスに逆戻りする可能性を低下させる更なる突然変異を含んでもよい。例えば、望ましい場合、5’非コード領域におけるステム/ループ構造のステムにおける第2の突然変異が追加の安定性を提供することができる。
他の実施形態において、キメラウイルスはその構造タンパク質および非構造タンパク質に、本明細書に具体的に記載されたものに加えて、ヌクレオチドおよびアミノ酸の置換、欠失や挿入を含んでもよい。本明細書に開示の構造タンパク質および非構造タンパク質は、完全なタンパク質、そのタンパク質のエピトープ、または、例えばその2つ以上のアミノ酸残基を含む任意のフラグメントの配列をコードする任意の遺伝子またはこれらの配列を含む任意のタンパク質を含むことが理解されよう。本明細書に開示の実施形態は、組換え技術を用いて、必要とされる置換を適切な骨格ゲノムに挿入することによって、本明細書に記載された実施形態のキメラウイルスを作製する方法を提供する。
他の実施形態において、組成物は薬学的に許容される担体、および、他のデングウイルス血清型、他のフラビウイルス種、または他の近縁種、例えばC型肝炎ウイルスに由来するアミノ酸配列を含む弱毒化キメラウイルスを含んでもよい。他のデングウイルス血清型、他のフラビウイルス種、または他の近縁種に由来するアミノ酸配列を含むタンパク質やポリペプチドは、免疫原として作用することができ、したがって、他のデングウイルス血清型、他のフラビウイルス種、または他の近縁種に対する免疫応答を誘導するのに使用することができる。
一実施形態において、弱毒化デング−2ウイルス由来のヌクレオチド配列および第2のデングウイルス(または他のフラビウイルス)由来のヌクレオチド配列を含み、第2のフラビウイルス由来のヌクレオチド配列がフラビウイルス抗原の合成をもたらすものである核酸キメラが、0日目の二重投与用として考慮される。本発明の別の態様において、3種以上のデングウイルス血清型を含むワクチン用組成物が考慮される。
別の態様において、組換え技術を用いて、必要とされる置換を適切なフラビウイルスゲノムに挿入することによる免疫原性またはワクチン組成物を製造する方法。本発明の別の目的は、異なる解剖学的領域における二重投与を用いて、3種以上のデングウイルス血清型に対する免疫を同時に与え、そのようなレジメンを受ける対象の他のリンパ節を誘発する組成物および方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、本発明の各ワクチンウイルスを診断する任意の数の迅速な遺伝子検査に使用するための核酸プローブおよびプライマーを提供することにある。本発明のこの目的は、ポリメラーゼ連鎖反応アッセイ、ハイブリダイゼーションアッセイ、または当技術分野で既知の他の核酸配列検出技術として具現されてもよい。1つの実施形態は、自動化PCR式核酸検出システムの使用を含む。
他の実施形態において、キメラウイルスをさらに弱毒化するため、または免疫原性を高めるために、様々な突然変異がキメラデングウイルスに導入されてもよい。ある実施形態において、組成物は全4種のデングウイルス血清型に対する免疫応答を誘発可能なキメラデングウイルスを含んでもよく、ここで、単一の組成物が対象の2つの解剖学的位置に導入される。ある実施形態は、デングが流行している国を短期間訪れる人々の集団、例えば旅行者を対象とすることに関する。
以下の図面は、本明細書の一部を形成し、特定の実施形態をさらに実証するために含められる。いくつかの実施形態は、これらの図面のうちの1つ以上を参照することによって、単独で、もしくは提示された特定の実施形態の詳細な説明と組み合わせて、よりよく理解されよう。
(定義)
本明細書で使用される場合、「1つの」、「ある」とは、1つもしくは1つより多くの事項を意味する場合がある。
本明細書で使用される場合、「1つの」、「ある」とは、1つもしくは1つより多くの事項を意味する場合がある。
本明細書で使用される場合、入れ物は、試験管、ミニ遠心チューブもしくはマイクロ遠心チューブ、導管、バイアル、マイクロタイタープレートもしくは容器を含み得るが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、「対象」は、ヒトのような哺乳類や、家畜化または野生の哺乳類(例えば、イヌ、ネコ、他の家庭用ペット(例えば、ハムスター、モルモット、マウス、ラット)、フェレット、ウサギ、ブタ、ウマ、ウシ、プレーリードッグ、または動物園動物)を含み得るが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、「約」、「ほぼ」とは、プラスまたはマイナス10パーセントを意味する場合がある。
本明細書で使用される場合、「弱毒化ウイルス」とは、哺乳類のような対象(例えば、ヒトまたは動物)に投与された場合に、現れる疾患の臨床的徴候が軽減しているかまたは無であるウイルスを意味する場合がある。
本明細書で使用される場合、「弱毒化ウイルス」とは、哺乳類のような対象(例えば、ヒトまたは動物)に投与された場合に、現れる疾患の臨床的徴候が軽減しているかまたは無であるウイルスを意味する場合がある。
本明細書で使用される場合、「連続(的に)」とは、時間的に近いこと、通常、1回の患者の訪問中、および24時間以内を意味する場合がある。
本明細書で使用される場合、「投与」とは、多くの方法のうちの任意の1つによって、例えば、皮内、皮下、筋肉内、鼻腔内、吸入、膣内、静脈内、経口、口腔内、吸入により、鼻腔内に、または当技術分野で既知の任意の他のものによって、ワクチンまたは療法を、動物またはヒト個体に送達することを意味する場合がある。
本明細書で使用される場合、「投与」とは、多くの方法のうちの任意の1つによって、例えば、皮内、皮下、筋肉内、鼻腔内、吸入、膣内、静脈内、経口、口腔内、吸入により、鼻腔内に、または当技術分野で既知の任意の他のものによって、ワクチンまたは療法を、動物またはヒト個体に送達することを意味する場合がある。
(説明)
以下の節では、様々な実施形態を詳述するために、様々な例示的な組成物および方法が説明されている。当業者には、様々な実施形態の実施にあたり、本明細書に概説された詳細の全てを採用することも、あるいはその幾つかさえ採用することも必要なく、むしろ、濃度、時間その他の詳細は通常の実験によって変更可能であることが明らかであろう。いくつかの場合、周知の方法や構成要素はこの説明には含められていない。
以下の節では、様々な実施形態を詳述するために、様々な例示的な組成物および方法が説明されている。当業者には、様々な実施形態の実施にあたり、本明細書に概説された詳細の全てを採用することも、あるいはその幾つかさえ採用することも必要なく、むしろ、濃度、時間その他の詳細は通常の実験によって変更可能であることが明らかであろう。いくつかの場合、周知の方法や構成要素はこの説明には含められていない。
本発明の特定の態様は、限定するものではないが、デングウイルスに対するワクチン組成物の投与を含む。
本発明の実施形態は概して、対象において、3種以上のデングウイルス血清型に対して防御的中和抗体を誘導するための方法および組成物に関する。他の実施形態は、限定するものではないが、皮内、皮下、筋肉内、鼻腔内、吸入、経口、鼻腔内に、膣内、静脈内、経口摂取、および、導入されたワクチン組成物が3種以上のデングウイルス血清型に対して中和抗体を誘導するような任意の他の方法を含む当技術分野で既知の任意の方法を介して、対象にワクチン組成物を導入することを含んでもよい。ある実施形態において、ワクチン組成物は、対象に投与される3種以上のデングウイルス血清型に対するワクチンの用量を含む。他の実施形態において、ワクチン組成物は全4種のデング血清型に対する初期用量、その後対象に投与される1つ以上の他のワクチン組成物を含む。
本発明の実施形態は概して、対象において、3種以上のデングウイルス血清型に対して防御的中和抗体を誘導するための方法および組成物に関する。他の実施形態は、限定するものではないが、皮内、皮下、筋肉内、鼻腔内、吸入、経口、鼻腔内に、膣内、静脈内、経口摂取、および、導入されたワクチン組成物が3種以上のデングウイルス血清型に対して中和抗体を誘導するような任意の他の方法を含む当技術分野で既知の任意の方法を介して、対象にワクチン組成物を導入することを含んでもよい。ある実施形態において、ワクチン組成物は、対象に投与される3種以上のデングウイルス血清型に対するワクチンの用量を含む。他の実施形態において、ワクチン組成物は全4種のデング血清型に対する初期用量、その後対象に投与される1つ以上の他のワクチン組成物を含む。
本発明の他の態様は、対象に皮内投与されたデングウイルスに対するワクチンへの免疫応答を、皮下投与された場合と比べて改変することを含む。デングウイルスに対するワクチンは、所定比率の全4種の弱毒化生デングワクチンウイルス、組換えデングワクチンウイルス、キメラウイルスまたはその突然変異体を含む組成物を含んでもよい。様々なデング血清型の比率は、等しいかまたはほぼ等しく提示されてもよいし、特定の血清型(複数でもよい)が、対象における必要性またはバランスの取れた中和抗体応答を誘導する能力に応じて、他のものよりも高い濃度で提示されてもよい。これらの実施形態に従って、異なるデングワクチンの比率は、任意の2種の血清型の間で(例えばプラーク形成単位として)2〜100,000倍異なっていてよい。これは、例えば製剤中で提示される血清型の数、所定の応答、および所望される効果に依存してよい。任意のデングワクチンウイルス血清型製剤は、それを必要とする対象への連続投与に使用するワクチン(例えば、弱毒化ウイルスなど)を作り出すのに用いられ得ることが考慮され、ここで組成物は、限定するものではないが、3種以上のデングウイルス血清型を含む。
他の実施形態において、デングウイルスワクチン製剤の組成物は、対象によるデングウイルスへの曝露の前、曝露中または曝露後に対象に導入されてもよい。これらの実施形態に従って、対象は1回以上の投与を連続的に受けてもよく、またはデングウイルス製剤を含む1回以上の投与と、その後に任意選択で1回以上の追加の投与を受けてもよい。本明細書に記載の皮内、皮下、筋肉内、鼻内、吸入、膣内、静脈内、経口、および製剤を適用する任意の他の方法は、任意の他の抗ウイルス治療と組み合わせてもよい。いくつかの実施形態において、本明細書で考慮される製剤の皮内、皮下、筋肉内導入は対象の体の任意の適切な領域(例えば、腕、肩、臀部、鼻腔内等)に投与されてもよいことが考慮される。さらに、連続投与において、ワクチン製剤の非経口投与を、鼻腔内、経肺、経口、口腔内、または膣内などの他の投与様式と組み合わせてもよい。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の連続投与後に、初回投与または追加(ブースター)投与が、同日に連続して、連日で、週毎に、月毎に、2ヵ月毎に、または他の適切な処置レジメンで行われてもよいことが意図される。
デングはアジア、コロンビアを含む中央アメリカおよび南アメリカ、カリブ海、太平洋の島、ならびにアフリカやオーストラリアの一部で見られる。デングウイルス伝染(DVI)のリスクのある地域に36億人(世界人口の55%)が住んでいると推定されている。デングウイルスによる感染は、無症状の疾患から、衰弱性であるが一時的なデング熱まで、命に関わるデング出血熱(DHF)またはデングショック症候群(DSS)まで、様々な症状を引き起こす。現在、デング熱に対する治療的処置も予防的ワクチンもない。流行国における人口およびこれらの地域への旅行者へのデングの影響を考慮すると、デングを予防するワクチンが必要である。
デングは蚊媒介ウイルス病であり、最初に蚊(ネッタイシマカ(Aedes aegypti))によって伝染した後、人から人へ伝染する。デングウイルス(DEN)は、約11kbの一本鎖プラスセンスRNAゲノムを持つ。このゲノムは、カプシド(C)、プレメンブレン(prM)、およびエンベロープ(E)の3つの構造タンパク質と、NS1、NS2A、NS2B、NS3、NS4A、NS4B、およびNS5の7つの非構造タンパク質とからなる。デングウイルスには、DEN−1、DEN−2、DEN−3およびDEN−4の4つの異なる血清型がある。所与の血清型の初回感染は生涯続く血清型特異的免疫を誘導する。しかしながら、他の3種のデングウイルス血清型に対する長期にわたる交差防御的免疫はなく、後に代替の血清型に感染すると、DHFやDSSのような更に重い疾患に罹る可能性が高くなる。
2回目のDENV感染に関連した疾患の促進に起因して、1種以上全4種までのDENV血清型に対する免疫を刺激する多価(例えば四価)ワクチンが必要とされている。細胞培養物中での従来の連続継代によって弱毒化されたいくつかのDENVワクチン候補は、安全でないか、免疫原性に乏しいことが判明している。黄熱17D(YF−17D)ワクチンウイルスの弱毒化された遺伝的背景に基づくウイルス、DENV−2 PDK−53ワクチンウイルス、あるいは30ヌクレオチドの3’非コード領域(NCR)を含むDENV−4を含む、キメラ弱毒化生組換えDENVワクチン候補が当技術分野で知られている。
効果的な弱毒化生デングウイルス(DENV)ワクチンの開発における難しい問題は、四価製剤として投与された時の4種のデングワクチンウイルス間の干渉である。干渉は、多価混合物の1つ以上の成分が、個々の一価ワクチンの各々によって誘発されるよりも低い免疫応答を誘導する時の兆候である。干渉は、複数の病原性血清型を伴う疾患、例えばポリオ、デング等のためのワクチンで観察されてきた。少なくともこの干渉のために、ポリオの3種の重要な血清型に対する十分な免疫応答を誘導するには経口ポリオワクチンの3用量レジメンが必要であることが、以前に発見された。過去には、弱毒化生四価デングワクチンを用いた研究により、単独で投与された時に最も強力な中和抗体応答を誘発するDENV血清型は、他の血清型を含む多価製剤として投与されると、免疫応答を支配する傾向にあることが示されている。一例として、4種の異なる弱毒化生デングワクチンの四価混合物は、DEN−3成分に対する優勢な応答、ならびにDEN−1、−2、および−4に対する低下した免疫応答を示した(例えば、Sabchareonら、2002、Kitchenerら、2006を参照されたい)。この優位性の結果、四価混合物の臨床開発は保留されている。干渉は組換え弱毒化生ウイルスでも見られた。干渉はデング/黄熱キメラの四価混合物で実証された(Guyら、2009、サルモデルにおけるデングワクチン血清型間の干渉の評価(Evaluation of Interferences between Dengue Vaccine Serotypes in a Monkey Model)Am.J.Trop Med.Hyg.80:3012−311)。これらの研究では、ChimeriVaxワクチン株の四価製剤において2種の血清型が応答を支配することが発見された。干渉は、2つの二価ワクチン製剤を別個の解剖学的位置に、または時間的に連続して投与するか、あるいは1年後に3回目の四価製剤の投与を行うことにより解消され得る。同様に、四価組換えワクチン株(この場合、DENVまたは3’非コード領域に欠失を有するキメラDENVを含む製剤)での改善された多価応答が、初回投与と2回目の投与の間の期間を4ヵ月に延長するだけで得られることが実証された。(Blaneyら、2005、組換え弱毒化生四価デングウイルスワクチン製剤は、アカゲザルにおいて、4種の血清型各々に対するバランスの取れた広範な防御的中和抗体応答を誘導する。(Recombinant, Live-Attenuated Tetravalent Dengue Virus Vaccine Formulations Induce a Balanced, Broad, and Protective Neutralizing Antibody Response against Each of the Four Serotypes in Rhesus Monkeys.)J.Virology 79:5516−5528)。
ワクチン接種の成功には、天然の感染を良く模倣するワクチン送達がしばしば必要とされる。今日まで、デング候補ワクチンの全ての臨床試験が針とシリンジを使うSC経路を利用してきた。デング感染の自然な経路は蚊による真皮の伝染を介するものである。皮膚は、感染に対する免疫バリアとして機能する免疫応答性器官であると考えられている。特殊化された抗原提示細胞(APC、例えばランゲルハンス細胞や樹状細胞)の非常に緊密なネットワークが表皮に存在し、効率的な抗原の取込みおよび所属リンパ節への提示を介して宿主を感染性病原体から防御する役割をする。これらのAPCのサブセットは両方とも、在住マクロファージと共に、デングウイルス感染の天然の標的であることが示されている。表皮が免疫応答性細胞に富むという事実を考慮すると、本明細書では、デングウイルスワクチン送達のための皮内経路の使用が、全4種のデングウイルス血清型に対する、より強力かつバランスの取れた免疫応答の誘導に有利であると考えられる。具体的には、皮膚に存在するウイルス増幅に関する天然宿主細胞の数が増加すると、干渉が低減され、四価製剤の中でも優位性の高くないウイルスの増幅が許容され得る。ある実施形態において、多価弱毒化生デングワクチンによる皮内免疫は、対象においてデングウイルス曝露に対する、よりバランスの取れた免疫応答を誘導するために使用することができる。
本明細書に開示の特定の実施形態はDENVax(商標)に関する。DENVax(商標)は、4種のデング血清型(DEN−1、DEN−2、DEN−3およびDEN−4)に対する免疫応答を生じさせるように設計された4つの組換えデングウイルス株の混合物からなるデングワクチンである。特定の四価混合物へのいかなる限定によっても拘束されるものではないが、DENVax(商標)、デング血清型2ワクチン成分(DENVax−2)は弱毒化DEN−2 PDK−53株に相当する。この構築物は既に多くの臨床試験で調査されている。その他のデングワクチン株(DENVax−1、DENVax−3およびDENVax−4)は、DEN−2 PDK−53非構造遺伝子骨格にクローニングされたDEN−1、DEN−3またはDEN−4構造的プレメンブレン(prM)およびエンベロープ(E)タンパク質遺伝子からなるキメラである。これらの組換えウイルスは、DEN−1、DEN−3、またはDEN−4の表面抗原を発現し、DEN−2 PDK−53株の弱毒化に関わる遺伝子変化を保持する。ある実施形態において、DENVax(商標)は、1つのワクチン組成物中に様々な比率で提示される全4種のデングウイルス血清型を有する多価弱毒化生デングワクチンの一例として使用することができる。他の実施形態は四価ワクチン投与の最適化に関する。さらに他の実施形態はDENVax(商標)免疫方法に関する。
多価デングワクチンの皮内送達の調査の期間中、少なくとも2箇所の別個の解剖学的部位に1用量を超える多価ワクチンを投与すると、時間間隔をおいて多用量を投与した時とほぼ等しいか、それよりも優れる中和抗体応答を誘導することが発見された。さらに、複数部位の投与の利益が免疫付与の経路とは無関係であることが発見された。
この発見は予想外であった。以前に開示された情報は、欠失、弱毒化および/または組換えウイルスに基づく四価ワクチンの複数回の皮下投与に関するものであった。最初の投与から30日後の四価投与の2回目の投与は中和抗体力価を増加させなかったことが報告された。対照的に、最初の投与から120日後の2回目の投与は、全4種のデング血清型に対する中和抗体力価を向上させた。同様の情報が、黄熱/デング組換えワクチンの臨床試験でも報告された(Pooら、2011、Ped.Inf.Dis J.30:1−9)。投与間の3ヵ月の時間間隔が、複数のデングウイルスに対する中和抗体応答を生じさせるために準最適であることも示唆された。(Capedingら、2011、Vaccine 29:3863−3872)。2つの臨床試験に関するこれらの報告は、より良好な多価免疫応答を生じるには6〜9ヵ月等のより長い時間間隔が必要であることを示唆した。最後に、初期のヒト攻撃試験では、野生型デングウイルスが、初回感染後最大6ヵ月持続する広範な交差反応抗体を誘発することが報告された。これらのデータは、短期免疫レジメンが弱毒化生ワクチンにとって準最適であるという概念を裏付けている。以前に観察された一過性の交差反応抗体は、多価製剤中の弱毒化生ワクチン成分のうち任意のものを効果的に中和し得る。ここに開示されるまで、短縮された時間間隔での2箇所以上の解剖学的部位における多価弱毒化生ワクチンを用いた免疫レジメンは、そのような治療を必要とする対象を治療するための実行可能な選択肢とされていなかった。本明細書では、より多くの抗原提示細胞および/または2つ以上の流入領域リンパ節に到達することによる複数の部位への投与が、多価弱毒化生ワクチンの優位性の高くない成分に対する免疫応答を許容し、ワクチン干渉を効果的に低減することが考慮される。
ある実施形態において、対象に導入される組成物は、全デングウイルス血清型(DEN−1、DEN−2、DEN−3、DEN−4)に対するワクチンを含む。他の実施形態において、本明細書で考慮される組成物はDENVax(商標)または他の類似製剤を含んでもよい。いくつかの組成物において、全デング血清型に対するワクチンウイルスは組成物中に等しい比率で存在する。さらに他の組成物において、各デングワクチンウイルス血清型は互いに、組成物の導入が対象に全デングウイルス(例えばDEN−1、DEN−2、DEN−3、DEN−4)に対して十分なレベルの中和抗体を提供するような特定の比率にあってもよい。
ある実施形態において、デングウイルスワクチンの二重投与のためのワクチン組成物は、単一の組成物中に2つ以上のキメラデングウイルスを含む組成物を含んでもよい。ある組成物において、そのような組成物に用いられるキメラ構築物は、デング−2を骨格とするデング−1、デング−3、および/またはデング−4のようなデング−デング血清型から構成される。これらの実施形態に従って、単一のワクチン組成物は弱毒化生デングウイルスを含んでもよく、そのような組成物を受ける対象において、少なくとも3種、最大全4種のデングウイルス血清型に対する免疫応答が誘導される。本明細書で考慮される構築物は、単一構築物中に、1種以上の弱毒化生ウイルスと、1種以上のデング−デングキメラウイルスとを含み、さらにその弱毒化デングウイルスのカプシドタンパク質および非構造タンパク質、ならびに少なくとも第2のデングウイルスのプレメンブレンタンパク質およびエンベロープタンパク質を含む弱毒化生デングウイルスを含む。ある実施形態において、カプシドタンパク質および非構造タンパク質は弱毒化デング−1、デング−2、デング−3またはデング−4ウイルスに由来する。他の実施形態において、少なくとも第2のデングウイルスのプレメンブレンタンパク質およびエンベロープタンパク質は、弱毒化デングウイルスがデング−1の場合はデング−2、デング−3またはデング−4であり、または、弱毒化デングウイルスがデング−2の場合はデング−1、デング−3またはデング−4であり、または、弱毒化デングウイルスがデング−3の場合はデング−1、デング−2またはデング−4であり、または、弱毒化デングウイルスがデング−4の場合はデング−1、デング−2またはデング−3である。さらに、デング−デングキメラウイルスは、弱毒化デング−2ウイルスのカプシドタンパク質および非構造タンパク質、ならびにデング−1、デング−3またはデング−4のプレメンブレンタンパク質およびエンベロープタンパク質を含んでもよい。
他の実施形態は、弱毒化生ウイルスの骨格がデング−2である弱毒化生ウイルスを含む。さらに、デング−2は任意のデング−2株を含んでよい。ある弱毒化生デング−2ウイルスにおいて、デング−2はPDK−53株を含む。別の実施形態において、キメラは、弱毒化デング−2ウイルス由来の非構造タンパク質をコードする第1の核酸配列と、第2のフラビウイルス由来の構造タンパク質をコードする第2の核酸配列とを含む核酸キメラである。別の実施形態において、構造タンパク質はフラビウイルスのC、prMまたはEタンパク質であってもよい。構造タンパク質の選択元となるフラビウイルスの例としては、デング−1ウイルス、デング−2ウイルス、デング−3ウイルス、デング−4ウイルス、西ナイルウイルス、日本脳炎ウイルス、セントルイス脳炎ウイルス、黄熱ウイルスおよびダニ媒介脳炎ウイルスが挙げられるがこれらに限定されない。さらなる実施形態において、構造タンパク質は、C型肝炎ウイルスのような、フラビウイルスと近縁関係にある非フラビウイルス種から選択されてもよい。
ある実施形態において、非構造タンパク質中のアミノ酸置換突然変異および5’非コード領域でのヌクレオチド置換突然変異が存在してもよい。このヌクレオチド置換突然変異は、全4種のデング血清型で保存されているステムループ構造のステムで発生する。特に、NS1−53での単一突然変異、NS1−53および5’NC−57での2つの突然変異、NS1−53およびNS3−250での2つの突然変異、ならびにNS1−53、5’NC−57、およびNS3−250での3つの突然変異が、本明細書に開示の弱毒化DEN−2ウイルスを提供可能である。
これらの遺伝子座に非保存的アミノ酸置換を含む任意のデング−2ウイルスのゲノムが、本明細書に記載される非病原性キメラにおいて骨格として使用されてもよいことが意図される。さらに、同じ遺伝子座に相同の突然変異を含む他のフラビウイルスゲノムも、アミノ酸配列またはヌクレオチド配列アラインメントおよびステム構造解析の後に骨格構造として使用されてよく、本明細書では、これらはデング−2 PKD−53ゲノムの弱毒化突然変異の等価物として定義される。骨格、5’および3’非コード領域および非構造タンパク質をコードする領域を含むキメラの領域は、非病原性表現型の安定性を維持し、非病原性ウイルスやキメラが病原性野生型ウイルスに逆戻りする可能性を低下させる更なる突然変異を含んでもよい。例えば、望ましい場合、5’非コード領域におけるステム/ループ構造のステムにおける第2の突然変異が追加の安定性を提供することができる。
他の実施形態において、キメラウイルスはその構造タンパク質および非構造タンパク質に、本明細書に具体的に記載されたものに加えて、ヌクレオチドおよびアミノ酸の置換、欠失や挿入を含んでもよい。本明細書に開示の構造タンパク質および非構造タンパク質は、完全なタンパク質、そのタンパク質のエピトープ、または、例えばその2つ以上のアミノ酸残基を含む任意のフラグメントの配列をコードする任意の遺伝子またはこれらの配列を含む任意のタンパク質を含むことが理解されよう。本明細書に開示の実施形態は、組換え技術を用いて、必要とされる置換を適切な骨格ゲノムに挿入することによって、本明細書に記載された実施形態のキメラウイルスを作製する方法を提供する。
他の実施形態において、組成物は薬学的に許容される担体、および、他のデングウイルス血清型、他のフラビウイルス種、または他の近縁種、例えばC型肝炎ウイルスに由来するアミノ酸配列を含む弱毒化キメラウイルスを含んでもよい。他のデングウイルス血清型、他のフラビウイルス種、または他の近縁種に由来するアミノ酸配列を含むタンパク質やポリペプチドは、免疫原として作用することができ、したがって、他のデングウイルス血清型、他のフラビウイルス種、または他の近縁種に対する免疫応答を誘導するのに使用することができる。
一実施形態において、弱毒化デング−2ウイルス由来のヌクレオチド配列および第2のデングウイルス(または他のフラビウイルス)由来のヌクレオチド配列を含み、第2のフラビウイルス由来のヌクレオチド配列がフラビウイルス抗原の合成をもたらすものである核酸キメラが、0日目の二重投与用として考慮される。本発明の別の態様において、3種以上のデングウイルス血清型を含むワクチン用組成物が考慮される。
別の態様において、組換え技術を用いて、必要とされる置換を適切なフラビウイルスゲノムに挿入することによる免疫原性またはワクチン組成物を製造する方法。本発明の別の目的は、異なる解剖学的領域における二重投与を用いて、3種以上のデングウイルス血清型に対する免疫を同時に与え、そのようなレジメンを受ける対象の他のリンパ節を誘発する組成物および方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、本発明の各ワクチンウイルスを診断する任意の数の迅速な遺伝子検査に使用するための核酸プローブおよびプライマーを提供することにある。本発明のこの目的は、ポリメラーゼ連鎖反応アッセイ、ハイブリダイゼーションアッセイ、または当技術分野で既知の他の核酸配列検出技術として具現されてもよい。1つの実施形態は、自動化PCR式核酸検出システムの使用を含む。
他の実施形態において、キメラウイルスをさらに弱毒化するため、または免疫原性を高めるために、様々な突然変異がキメラデングウイルスに導入されてもよい。ある実施形態において、組成物は全4種のデングウイルス血清型に対する免疫応答を誘発可能なキメラデングウイルスを含んでもよく、ここで、単一の組成物が対象の2つの解剖学的位置に導入される。ある実施形態は、デングが流行している国を短期間訪れる人々の集団、例えば旅行者を対象とすることに関する。
本明細書に開示の特定の実施形態は、例えば全デングウイルス血清型に対するワクチンを対象の2箇所以上の解剖学的位置に同日に連続的に投与することにより、対象において全デングウイルス血清型に対する防御を迅速に誘導するための方法および組成物に関する。いくつかの実施形態は、対象に皮内(ID)または皮下(SC)注入あるいは他の投与様式を介して、1つの解剖学的位置にワクチン組成物を導入し、続いて少なくとも第2のワクチン組成物を別の解剖学的位置にID、SCまたは他の投与様式により導入することを含んでよい。いくつかの実施形態は、全デングウイルス血清型のデングウイルスワクチンを対象に導入するための任意の投与様式の組合せを含み、ここで、ワクチンの投与は2箇所以上の解剖学的部位で、または0日目に2つ以上の異なる経路で患者に行われる。いくつかの実施形態は、異なる解剖学的位置で同じ投与様式を使用する。
本明細書に記載のいくつかのデングウイルスワクチン組成物の用量の範囲は、組成物中の各血清型について102〜5×106PFUに及ぶ。本明細書で考慮される他の組成物(追加ワクチン接種)は、初回の免疫後の対象における免疫応答に基づいて、この範囲よりも少ないかまたは多い用量を含む組成物を含む。ある実施形態において、対象における必要性および免疫応答に応じて、様々なデングワクチンウイルス血清型に関して比率は変動し得る。
ある実施形態において、最初のワクチン接種または本明細書で考慮される任意の追加ワクチン接種で導入される組成物は、1つの四価デングウイルス組成物を含んでもよい。これらの実施形態に従って、組成物はDENVax(商標)または、等量の、または等比率の、あるいは所定の血清型比率の他の類似の四価製剤を含んでもよい。他の実施形態は、初回ワクチン接種または任意の追加ワクチン接種(例えば30日後未満に)で投与される各ワクチン組成物について異なる製剤(例えば血清型比)の使用を含んでもよい。
本明細書におけるいくつかの実施形態は、そのようなワクチンを必要とする対象を、0日目に2箇所以上の解剖学的位置で処置し、その後30日以内に、例えば約7、約14、約21、または約28日後に、少なくとも第2のワクチンを、デングウイルス血清型の全種または一部を含む組成物と共に投与することを含む。ある実施形態において、各ワクチン接種はワクチン製剤において提示される全デングウイルス血清型を有する。本明細書に開示の追加投与のワクチン組成物は、2種以上のデングウイルス血清型を後続の投与用に所定の比率で含んでもよい。
ある実施形態において、対象に導入される組成物は全デングウイルス血清型を含む。いくつかの実施形態において、ワクチン組成物は様々なDENVax(商標)の製剤または他の類似製剤を含む。あるワクチン組成物において、DEN−1:DEN−2:DEN−3:DEN−4の比率は、単一の組成物において、3:3:3:3、4:3:4:5、5:4:5:5、5:5:5:5、5:5:5:10、10:1:10:100、または、2種の血清型間で約2〜約100,000倍の差となるような他の比率(例えば、DENVax4:3:4:5(商標)など)であってもよい。ある実施形態において、デング血清型比率はDEN−1が2×104:DEN−2が5×104:DEN−3が1×105:DEN−4が3×105PFUであるか、またはDEN−1が8×103:DEN−2が5×103:DEN−3が1×104:DEN−4が2×105PFUである。いくつかの組成物において、全デングワクチンウイルス血清型は組成物中で等しい比率にある。さらに他の組成物において、組成物の導入が対象に、全デングウイルス(例えばデング1、2、3および4)に対する防御を付与するのに十分なレベルの、または十分なレベルを超える中和抗体を提供するように、各デングワクチンウイルス血清型は別の血清型に対して特定の比率にあってもよい。例えば、0日目に2箇所以上の解剖学的位置に2回以上の連続的なワクチン接種を受けた後の対象において、1種以上の特定のデングウイルス血清型に対する防御がより低い場合、全デングウイルス種に対するより良好な防御を提供するために、その対象へのブースターに含まれるその(より低い中和抗体を示す)1種以上のデングワクチンウイルス血清型の濃度を増加させてもよい。これらの実施形態に従って、当技術分野で既知の標準的手段を用いて、対象からの試料を、デング血清型感染(例えばデング−1、−2、−3、−4)に対する免疫応答について分析してもよい。
ある実施形態において、例えば全デング血清型に対して防御するために(例えば交差防御)、ワクチン組成物は同時にまたは連続的に、対象の複数の解剖学的位置の皮内に導入されてもよい。ある実施形態において、ワクチン組成物は、限定されるものではないが、全デングウイルス血清型による感染に対し完全な防御を提供可能な、対象に投与される全デングワクチンウイルス血清型の単一製剤(例えばDENVax(商標))を含むことができる。他の実施形態において、ワクチン組成物は、弱毒化デングウイルス血清型を、他の抗病原体組成物(例えば、日本脳炎、西ナイル、インフルエンザ等)と組み合わせて含んでもよい。本明細書で考慮される組成物は、限定するものではないが、皮内、皮下、筋肉内、鼻腔内、吸入、膣内、静脈内、経口摂取、および他の任意の方法を含む当技術分野で既知の任意の方法によって投与することができる。2箇所以上の解剖学的部位への導入は、2箇所以上の解剖学的位置における同じ様式によるものや、2箇所以上の別個の解剖学的部位を含む2つ以上の異なる様式によるものを含む任意の組合せ投与を含んでもよい。これらの実施形態に従って、2箇所以上の解剖学的部位は異なる肢を含んでもよい。
例えば、対象が0日目に、2か所以上の解剖学的位置に2回以上の連続的ワクチン接種を受けた後に、対象が1種以上の特定のデングウイルス血清型に対して低いレベルの中和抗体を誘導しない場合、全デングウイルス種による感染に対する完全な防御を提供するために、その対象への追加免疫接種に含まれるその(より低いレベルの中和抗体を示す)1種以上のデングワクチンウイルス血清型の濃度を増加させてもよい。これらの実施形態に従って、当技術分野で既知の標準的手段を用いて、対象からの試料をデング感染に対する抵抗性について分析してもよい。
ある実施形態において、例えば全デング血清型に対して防御(例えば交差防御)するために、ワクチン組成物の用量は0日目に対象の複数の解剖学的位置に連続的に導入されてもよい。ある実施形態において、ワクチン組成物は、限定するものではないが、全デングウイルス血清型による感染に対する完全な防御を提供し得るレベルまで中和抗体を誘導可能な3種または4種のデングウイルス血清型の、対象に投与される単一組成物(例えばDENVax(商標))を含んでもよい。したがって、特定の対象は、デングウイルスのいる地域を所定の期間(例えば30日間)訪れるか滞在するための十分な防御を受けるために、診療所を一度訪れるだけでよい場合がある。他の実施形態において、ワクチン組成物は弱毒化デングウイルス血清型を、他の病原体(例えば日本脳炎、西ナイルのようなフラビウイルス、またはインフルエンザのような他のウイルス等)に対するワクチン組成物と組み合わせて含んでもよい。本明細書で考慮される組成物は、限定するものではないが、皮内、皮下、筋肉内、鼻腔内、吸入、膣内、静脈内、経口摂取、および他の任意の方法を含む当技術分野で既知の任意の方法で投与することができる。2箇所以上の解剖学的部位への導入は、2箇所以上の解剖学的部位における同じ様式によるものや、2箇所以上の別個の解剖学的部位を含む2つ以上の異なる様式によるものを含む任意の組合せ投与を含んでもよい。これらの実施形態に従って、2箇所以上の解剖学的部位は、異なる肢、異なる組織、鼻腔内、(例えば眼用の)液滴として、2箇所以上の位置にある筋肉内を含んでもよい。
ある実施形態において、本明細書に開示のワクチン組成物は少なくとも3種のデング血清型から構成された構築物の混合物をワクチン組成物中に含み得る、対象に投与するためのキメラ構築物であってもよい。他の実施形態において、デングウイルスワクチンは、様々なデング血清型で置換された弱毒化フラビウイルス骨格を有する、4種の血清型の各々を提示する構築物を含んでもよく、ここで、構築物はワクチンとしての投与用の組成物中に混合されてもよい。
本明細書で考慮され説明されるキメラは、フラビウイルスの1つ以上の、それに対する免疫が望まれる構造タンパク質遺伝子を、デングウイルス遺伝子骨格(例えばPDK−53)または上述したようなその等価物に、対応する構造遺伝子を除去して所望の構造遺伝子と置換する、当業者に周知の組換え操作技術を用いてスプライシングすることにより作製することができる。あるいは、配列表に示される配列を用いて、フラビウイルスタンパク質をコードする核酸分子を、既知の核酸合成技術を用いて合成し、適切なベクターに挿入してもよい。したがって、非病原性の免疫原性ウイルスは、当業者に既知の組換え操作技術を用いて作製される。
上述したように、骨格に挿入される遺伝子はフラビウイルス(例えば他のデングウイルス血清型)構造タンパク質をコードしている。好ましくは、挿入されるフラビウイルス遺伝子は、Cタンパク質、PrMタンパク質および/またはEタンパク質をコードする遺伝子である。デング−2骨格に挿入される配列はPrMおよびE構造タンパク質の両方をコードしていてもよい。デング−2骨格に挿入される配列は、C、PrMおよびE構造タンパク質をコードしていてもよい。デングウイルス骨格は、PDK−53デング−2ウイルスゲノムであり、デング−1のC、PrMおよび/またはE構造タンパク質をコードするスプライシングされた遺伝子を含むか(DEN−2/1)、デング−3のPrMおよび/またはE構造タンパク質をコードするスプライシングされた遺伝子を含むか(DEN−2/3)、デング−4のPrMおよび/またはE構造タンパク質をコードするスプライシングされた遺伝子を含むか(DEN−2/4)のいずれかである。一実施形態において、デング−3ウイルスの構造タンパク質をコードするスプライシングされた遺伝子は、345位のアミノ酸としてロイシンを含むEタンパク質の合成をもたらす。
別の実施形態において、キメラはデング−2ウイルスのC構造タンパク質をコードし、100位のアミノ酸としてセリンを含むCタンパク質の合成をもたらし、447位のアミノ酸としてロイシンを含むEタンパク質の合成をもたらすデング−4の構造タンパク質をコードするスプライシングされた遺伝子を含む。
さらに他の実施形態において、キメラはデング−2ウイルスのC構造タンパク質をコードしていてもよく、100位のアミノ酸としてセリンを含むCタンパク質の合成をもたらし、447位のアミノ酸としてロイシンおよび364位のアミノ酸としてバリンを含むEタンパク質の合成をもたらすデング−4の構造タンパク質をコードするスプライシングされた遺伝子を含む。本明細書に記載の構造タンパク質は、本発明のウイルスキメラにおいて、唯一のフラビウイルス構造タンパク質またはフラビウイルス構造タンパク質の任意の組合せとして存在してもよい。
キメラは、PDK−53デング−2ウイルス変異株のうちのいずれかと、DEN−2 16681野生型ウイルスとの両方から得られた完全ゲノム長cDNAクローンの組換えによって操作されてもよい。クローニングされていないPDK−53ワクチンは、本明細書ではPDK53−EおよびPDK53−Vとして表される2つの遺伝子型変異株の混合物を含む。PDK53−V変異株は、アミノ酸位置NS3−250におけるGluからValへの突然変異を含む9つのPDK−53ワクチン特異的ヌクレオチド突然変異を全て含む。PDK53−E変異株は、PDK−53ワクチンの9つの突然変異のうちの8つ、および親である16681ウイルスのNS3−250−Gluを含む。感染性cDNAクローンは両方の変異株用に構築され、両方のクローンから得られたウイルスはマウス内で弱毒化される。DEN−2 PDK−53ウイルスの弱毒化の表現型マーカーは、小さいプラークサイズ、温度感受性(特にLLC−MK2細胞中での)、限定された増幅(特にC6/36細胞中での)、新生マウスに対する弱毒化(特に哺乳期のマウスに対する神経毒性の欠如)、およびサルにおけるウイルス血症発症率の低下を含む。ワクチン候補として有用なキメラは、2つのDEN−2 PDK−53変異株の遺伝的背景で構築され、これらは全て、5’NC−57 C→T(16681→PDK−53)を含むゲノムの非構造領域における突然変異、ならびに、例えばNS1−53 Gly→AspおよびNS3−250 Glu→Valのような非構造タンパク質のアミノ酸配列における突然変異を含む。
適切なキメラウイルス、または他のフラビウイルスまたはデングウイルス血清型の構造タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む核酸キメラは、これらを上述の非病原性を示す弱毒化の表現型マーカーに関してスクリーニングすることによって、およびこれらを免疫原性についてスクリーニングすることによって、ワクチンとしての有用性について評価することができる。抗原性および免疫原性は、フラビウイルス抗体または免疫反応性血清とのin vitroまたはin vivo反応性を用いて、当業者に既知の通常のスクリーニング手順によって評価することができる。
(フラビウイルスワクチン)
ある実施形態において、キメラウイルスおよび核酸キメラは、免疫原又はワクチンとして有用な弱毒化生ウイルスを提供する。これらのキメラは高い免疫原性を呈しつつ、同時に、危険な病原性や致命的効果をもたらさない。
ある実施形態において、キメラウイルスおよび核酸キメラは、免疫原又はワクチンとして有用な弱毒化生ウイルスを提供する。これらのキメラは高い免疫原性を呈しつつ、同時に、危険な病原性や致命的効果をもたらさない。
全デングウイルス株に対する効果的なワクチン接種は困難であった。デングウイルスの1種の血清型のみに対してワクチン接種された患者において発生し得るDHF/DSSを予防するため、このウイルスの全4種の血清型に対する同時の免疫を提供するのに三価または四価のデングウイルスワクチンを用いた迅速な免疫が必要である。1つの四価ワクチンは、デング−2 PDK−53と上述のデング−2/1、デング−2/3、およびデング−2/4キメラとを、多価ワクチンとしての投与に適切な薬学的担体中で組み合わせることにより製造される。
キメラウイルスまたは核酸キメラは、病原性または弱毒化DEN−2ウイルス骨格中に野生型ウイルスまたは弱毒化ウイルスの構造遺伝子を含んでもよい。例えば、キメラはDEN−2 PDK−53バックグラウンドのうちのいずれかにおいて、野生型DEN−1
16007ウイルスまたはその候補PDK−13ワクチン誘導体の構造タンパク質遺伝子を発現してもよい。
16007ウイルスまたはその候補PDK−13ワクチン誘導体の構造タンパク質遺伝子を発現してもよい。
四価製剤、例えばDENVax(商標)は、各一価ワクチン成分またはキメラ構築物を所定量混合することにより調製することができる。各ワクチン成分のインプット力価に基づいて、一価ワクチンの規定量を、0.1mL(例えば皮内用)または0.5mL(例えば皮下用)である最終量のワクチン製剤に添加してもよい。四価DENVax(商標)ワクチンの残りの量は、弱毒化生ワクチン製剤を安定化させるために、生理食塩水バッファー中にトレハロース(15%)、F127(1%)およびヒト血清アルブミン(0.1%)を含む希釈剤から構成されていてもよい。ある実施形態において、少なくとも3種のデングウイルス血清型の所定比率は単一組成物中で提示されてもよい。例えば、デング−1からデング−4の構築物は単一組成物中で、弱毒化生ウイルスの1種の血清型がその他の血清型よりも多く存在してもよい。例えば、デング−4は示される応答が低いため、デング−4が他のデングウイルスよりもpfuで数倍高くてもよい。
[方法]
(核酸増幅)
核酸は、本明細書で考慮されるあらゆる製剤で使用することができるか、またはあらゆる製剤を製造するために使用することができる。増幅用のテンプレートとして使用される核酸配列は、標準的方法に従って、単離ウイルス(例えばデングウイルス)であってもよい。核酸配列はゲノムDNAあるいは断片化RNAまたは全細胞RNAであってもよい。RNAを使用する場合、RNAを相補的cDNAに変換することが望ましい場合がある。いくつかの実施形態において、RNAは全細胞RNAであり、増幅用のテンプレートとして直接使用される。当技術分野で既知の任意の核酸分子増幅方法が考慮される(例えば、PCR、LCR、Qβレプリカーゼ等)。(発現タンパク質またはペプチド)
遺伝子は、任意の数の異なる組換えDNA発現系において発現されて、そのポリペプチド産物を大量に生成することができ、そのポリペプチド産物はその後精製されて、本明細書で報告される方法および組成物に使用され得る。構築物を生成および使用するための当技術分野で既知の任意の方法が考慮される。ある実施形態において、1つ以上のポリペプチドをコードする遺伝子もしくは遺伝子フラグメントは、当技術分野で既知の標準的なクローニング技術もしくはサブクローニング技術によって発現ベクターに挿入されてもよい。
(核酸増幅)
核酸は、本明細書で考慮されるあらゆる製剤で使用することができるか、またはあらゆる製剤を製造するために使用することができる。増幅用のテンプレートとして使用される核酸配列は、標準的方法に従って、単離ウイルス(例えばデングウイルス)であってもよい。核酸配列はゲノムDNAあるいは断片化RNAまたは全細胞RNAであってもよい。RNAを使用する場合、RNAを相補的cDNAに変換することが望ましい場合がある。いくつかの実施形態において、RNAは全細胞RNAであり、増幅用のテンプレートとして直接使用される。当技術分野で既知の任意の核酸分子増幅方法が考慮される(例えば、PCR、LCR、Qβレプリカーゼ等)。(発現タンパク質またはペプチド)
遺伝子は、任意の数の異なる組換えDNA発現系において発現されて、そのポリペプチド産物を大量に生成することができ、そのポリペプチド産物はその後精製されて、本明細書で報告される方法および組成物に使用され得る。構築物を生成および使用するための当技術分野で既知の任意の方法が考慮される。ある実施形態において、1つ以上のポリペプチドをコードする遺伝子もしくは遺伝子フラグメントは、当技術分野で既知の標準的なクローニング技術もしくはサブクローニング技術によって発現ベクターに挿入されてもよい。
タンパク質、ペプチドおよび/または抗体、あるいはこれらのフラグメントは、当技術分野で既知の任意の手段によって検出もしくは分析されてもよい。ある実施形態において、ゲル電気泳動やカラムクロマトグラフィー法のような、分子を分離および分析するための方法が使用されてもよい。(電気泳動)
電気泳動は、分子(例えば、タンパク質や核酸のような大分子)をそれらのサイズおよび電荷に基づいて分離するために使用され得る。当技術分野で既知の電気泳動には、多くのバリエーションがある。分子を移動させる溶液は自由流動性でもよく(通常は、キャピラリーチューブ中にある)、当技術分野で既知の基材もしくは他の材料中に埋め込まれていてもよい。一般的な基材としては、限定するものではないが、ポリアクリルアミドゲル、アガロースゲル、質量分析、ブロッティングおよび濾紙が挙げられる。
電気泳動は、分子(例えば、タンパク質や核酸のような大分子)をそれらのサイズおよび電荷に基づいて分離するために使用され得る。当技術分野で既知の電気泳動には、多くのバリエーションがある。分子を移動させる溶液は自由流動性でもよく(通常は、キャピラリーチューブ中にある)、当技術分野で既知の基材もしくは他の材料中に埋め込まれていてもよい。一般的な基材としては、限定するものではないが、ポリアクリルアミドゲル、アガロースゲル、質量分析、ブロッティングおよび濾紙が挙げられる。
ポリペプチドをコードする遺伝子もしくは遺伝子フラグメントを使用するいくつかの実施形態は、標準的なサブクローニング技術によって発現ベクターに挿入されてもよい。融合タンパク質として組換えポリペプチドを産生する発現ベクターを使用してもよく、このことは、ペプチドもしくはタンパク質の迅速なアフィニティー精製を可能にする。このような融合タンパク質発現系の例は、グルタチオンS−トランスフェラーゼ系(ファルマシア、ニュージャージー州ピスカタウェイ)、マルトース結合タンパク質系(NEB、マサチューセッツ州ビバリー)、FLAG系(IBI、コネチカット州ニューヘブン)、および6xHis系(キアゲン、カリフォルニア州チャッツワース)である。(医薬製剤)
ワクチンに関する当技術分野で既知のあらゆる医薬製剤が、本明細書で考慮される。ある実施形態において、製剤は、単一のワクチン中に1種以上のデングウイルス血清型を様々な比率で含むことができる。製剤は、限定するものではないが、他の活性成分または不活性成分、あるいは当業者に既知の組成物を含む、対象のワクチン接種に使用される他の作用剤を含んでもよいことが考慮される。
ワクチンに関する当技術分野で既知のあらゆる医薬製剤が、本明細書で考慮される。ある実施形態において、製剤は、単一のワクチン中に1種以上のデングウイルス血清型を様々な比率で含むことができる。製剤は、限定するものではないが、他の活性成分または不活性成分、あるいは当業者に既知の組成物を含む、対象のワクチン接種に使用される他の作用剤を含んでもよいことが考慮される。
本明細書で考慮される全てのワクチンウイルスは、当業者に既知の任意の方法で調製可能なワクチン組成物の形態で投与することができる。ある実施形態において、ウイルス組成物は凍結乾燥され、薬学的に許容される賦形剤(例えば、水、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、湿潤剤など)と混合される。他の実施形態において、ワクチン組成物は製剤の分解を低減し組成物の保存期間を延長することが知られている安定剤を含んでもよい。
他の実施形態において、細胞性または液性免疫応答を誘導、増強、刺激または強化するためのアジュバントを、本明細書に記載のワクチン接種の投与のための組成物に添加してもよい。本明細書に開示の組成物と親和性である当技術分野で既知の任意のアジュバントが考慮される。
本明細書におけるいくつかの実施形態は、四価デングウイルス組成物の投与の量または用量に関し、その量または用量は投与経路、およびワクチンを受ける対象(年齢、健康状態、体重など)といった他の特性に依存する。
本明細書では、記載された組成物は、デングウイルスのいる地域に住む対象、デングウイルスのいる地域を旅行する対象、あるいはデング熱または他のデングウイルス症状に罹り得る任意のヒトまたは動物のような他の対象に投与されてもよいことが考慮される。ある実施形態において、デングウイルスのいる地域を旅行する対象は、デングウイルス曝露の約1〜約3ヵ月前に、1つ以上のワクチン組成物を投与されること(例えば0日目に2つ以上)が推奨される。本明細書におけるワクチンは、大人や子供の感染を予防するための予防的処置として投与されてもよい。対象は、デングウイルスへの曝露および本明細書に開示のワクチンレジメンに関してナイーブな対象でも非ナイーブな対象でもよい。(キット)
他の実施形態は、本明細書に記載の方法(例えば、ワクチンを適用または投与する方法)および組成物と共に使用するキットに関する。いくつかの実施形態は、1種以上のデングウイルスに曝されたか、曝されたことが疑われる対象を予防もしくは治療するために使用するワクチン組成物を有するキットに関する。ある実施形態において、キットは、所定の比率にあるデングウイルス血清型の1つ以上の製剤(例えば、弱毒化ワクチン、三価または四価製剤、DENVax(商標))を含んでもよい。キットは、携帯式であってもよく、例えば、輸送可能であり、デング流行地域にある軍事施設や辺鄙な村落のような遠い地域において使用できる。他のキットは、1種以上のデングウイルスに曝されたか、もしくはデングウイルスに曝される危険があると疑われる対象を処置するために、保健施設において使用されるものであってもよい。
他の実施形態は、本明細書に記載の方法(例えば、ワクチンを適用または投与する方法)および組成物と共に使用するキットに関する。いくつかの実施形態は、1種以上のデングウイルスに曝されたか、曝されたことが疑われる対象を予防もしくは治療するために使用するワクチン組成物を有するキットに関する。ある実施形態において、キットは、所定の比率にあるデングウイルス血清型の1つ以上の製剤(例えば、弱毒化ワクチン、三価または四価製剤、DENVax(商標))を含んでもよい。キットは、携帯式であってもよく、例えば、輸送可能であり、デング流行地域にある軍事施設や辺鄙な村落のような遠い地域において使用できる。他のキットは、1種以上のデングウイルスに曝されたか、もしくはデングウイルスに曝される危険があると疑われる対象を処置するために、保健施設において使用されるものであってもよい。
キットはまた、適切な容器、例えば、入れ物、バイアル、チューブ、ミニ遠心チューブもしくはマイクロ遠心チューブ、試験管、フラスコ、ボトル、シリンジまたは他の容器を含んでもよい。追加の成分や作用剤が提供される場合、キットはその作用剤や成分を入れるための1つ以上の追加の容器を含んでよい。本明細書中のキットはまた、典型的には、作用剤を収容するための手段(例えば入れ物)、組成物および任意の他の作用剤の容器を、商業的販売のために一緒にパッキングした状態で含む。このような容器は、射出成形プラスチック容器もしくは吹き込み成形プラスチック容器を含んでもよく、その中に、所望のバイアルが保持される。任意選択で、免疫原性因子や他の抗ウイルス剤、抗真菌剤または抗菌剤のような1種以上のさらなる作用剤が、記載される組成物のために、例えば、1種以上のさらなる微生物に対するワクチンとして使用する組成物のために、必要とされてもよい。
他の実施形態において、キットは、対象に1つ以上のワクチン接種を行うための装置、例えばID、SQ、IM、吸入器、鼻腔内塗布器、または本明細書に開示のワクチン組成物を投与するための他の装置を含んでもよい。
他の実施形態では、対象において少なくとも3種のデングウイルス血清型に対する免疫応答を迅速な誘導に使用するための、弱毒化生デングウイルスまたはそのフラグメントの少なくとも3種の血清型の単一のワクチン組成物において、その単一のワクチン組成物の少なくとも2用量が、それを必要とする対象の2箇所以上の解剖学的位置に同日に投与されて、対象において少なくとも3種のデングウイルス血清型に対して中和抗体を誘導する。ある実施形態において、単一のワクチン組成物は、上記の同時投与から1〜180日後に投与するための、少なくとも1つの追加のブースター投与用の弱毒化生デングワクチンの製剤を含んでもよい。他の実施形態において、単一のワクチン組成物は、3種以上のデングウイルス血清型に対する所定比率の複数の一価ワクチンを、その単一のワクチン組成物中に含んでもよい。単一のワクチン組成物において、その単一のワクチン組成物は、3種以上のデングウイルス血清型に対する等比率にある複数の一価ワクチンを含む。
単一のワクチン組成物は、少なくとも1回の追加のブースター投与のための、第1の製剤と同じでも異なっていてもよい弱毒化生デングワクチンの製剤を含むことができる。第1の製剤と異なる場合、ワクチン組成物は複数のデングウイルス血清型に対する所定濃度の1つ以上の一価ワクチンを含んでもよい。さらに、デングウイルス血清型の濃度は、1種以上のデングウイルス血清型の濃度が同日投与に用いられる製剤よりも高い場合を含んでもよく、その濃度の高さは、最初に投与される単一製剤で用いられる濃度の2〜100,000倍である。これらの実施形態に従って、2箇所以上の解剖学的位置は、同じ投与様式を用いる異なる解剖学的位置を含む。2箇所以上の解剖学的部位は、異なる投与様式を用いる異なる解剖学的位置を含んでもよい。組成物は、全4種のデングウイルス血清型を提示する四価の単一ワクチン組成物を含んでもよい。これらの実施形態に従って、単一のワクチン組成物は全4種のデングウイルス血清型を所定の比率で含むことができる。弱毒化生デングウイルスは、その弱毒化デングウイルスのカプシドタンパク質および非構造タンパク質と、少なくとも第2のデングウイルスのプレメンブレンタンパク質およびエンベロープタンパク質とをさらに含む1つ以上のデング−デングキメラウイルスを含んでもよい。カプシドタンパク質および非構造タンパク質は、弱毒化デング−1、デング−2、デング−3またはデング−4ウイルスに由来する。
いくつかの実施形態は、上記で参照した組成物のうちの1つ以上、および、本明細書で考慮される任意の様式による投与のための1つ以上の装置のキットを含む。
以下の実施例は、本明細書に示される特定の実施形態を実証するために含められる。以下の実施例において開示された技術が、本明細書に開示される実施において十分に機能することが見出されている代表的な技術に従うことは、当業者には理解されるはずである。しかしながら、当業者は本開示に鑑みれば、開示されるある種の実施形態では、本明細書中の趣旨および範囲から逸脱することなく、多くの変更が可能であり、依然として同様のまたは類似の結果を得られることを理解するはずである。
以下の実施例は、本明細書に示される特定の実施形態を実証するために含められる。以下の実施例において開示された技術が、本明細書に開示される実施において十分に機能することが見出されている代表的な技術に従うことは、当業者には理解されるはずである。しかしながら、当業者は本開示に鑑みれば、開示されるある種の実施形態では、本明細書中の趣旨および範囲から逸脱することなく、多くの変更が可能であり、依然として同様のまたは類似の結果を得られることを理解するはずである。
[実施例]
(実施例1)
以前の研究から、各DENV(デングウイルス)血清型による天然の感染が、同種血清型によって引き起こされるデング熱に対する長時間持続する防御をもたらすことが明らかになった。ある実施形態において、有効なデングワクチンの投与は、天然の感染を良く模倣し、デングウイルスに対するワクチンを投与するための一様式として働く。本明細書で報告される実施形態は、運搬宿主である蚊が刺すことによる皮内送達に類似した、デングウイルス(DENV)感染の天然の感染経路に関し得る。特定の実施形態において、ワクチンウイルスを同じ組織に沈着させるための皮内注入が使用され得る。皮膚は、非常にアクセスしやすい器官であり、表皮に存在するランゲルハンス細胞(LC)の存在に主に帰する効果的な免疫バリアを呈する。皮膚免疫は、液性免疫、細胞性免疫、および粘膜免疫を含む広範な免疫応答を誘発し、投与されたワクチンの免疫原性に対する既存の免疫の効果を回避(bypass)する可能性を有する。
(実施例1)
以前の研究から、各DENV(デングウイルス)血清型による天然の感染が、同種血清型によって引き起こされるデング熱に対する長時間持続する防御をもたらすことが明らかになった。ある実施形態において、有効なデングワクチンの投与は、天然の感染を良く模倣し、デングウイルスに対するワクチンを投与するための一様式として働く。本明細書で報告される実施形態は、運搬宿主である蚊が刺すことによる皮内送達に類似した、デングウイルス(DENV)感染の天然の感染経路に関し得る。特定の実施形態において、ワクチンウイルスを同じ組織に沈着させるための皮内注入が使用され得る。皮膚は、非常にアクセスしやすい器官であり、表皮に存在するランゲルハンス細胞(LC)の存在に主に帰する効果的な免疫バリアを呈する。皮膚免疫は、液性免疫、細胞性免疫、および粘膜免疫を含む広範な免疫応答を誘発し、投与されたワクチンの免疫原性に対する既存の免疫の効果を回避(bypass)する可能性を有する。
四価デングワクチンの皮内(ID)投与に関する、そのような処置を必要とする対象におけるいくつかの実施形態が報告される。皮内投与の1つの例示的な方法が、DENVax(商標)((DENVax−1:1×105PFU、DENVax−2;1×105PFU、DENVax3:1×105PFU、DENVax4:1×105PFU)デングウイルスワクチン)を皮内投与される4匹のカニクイザルで実施された。ウイルスの等用量を達成するために、無針ジェット式注入器を用いて3箇所の密接した部位に0.15mlのワクチンをID沈着させた(図1および2を参照)。図1は、皮内接種のための皮内注入(例えばファーマジェット(PharmaJet)(商標)または他の皮内デバイス)装置を示す。
図2は、ファーマジェットデバイスでのワクチン接種後のカニクイザルの接種部位を示す。動物に、同じ製剤を同じ経路で60日後にブーストした。所定の間隔(15、30、58、74、および91日目)で血清試料を回収し、4種のデング血清型に対する中和抗体の存在について試験した。PRNT(プラーク減少中和試験、当技術分野では抗DEN中和抗体のレベルの定量化に関して既知である)を、上記血清試料に対して行った。
中和抗体力価は、SC投与後よりもID投与後で有意に高くなることが(DENV−1およびDENV−2でp<0.05)、初回投与後(図3参照)または2回目の投与後(全DENV血清型でp<0.05)(図4参照)について実証された。部位は同じ領域で密接しており、各接種物は全4種のウイルスからなるので、ワクチン送達のこの様式は、DENVax(商標)の単回投与と非常に似ている。図3は、58日目(初回投与の58日後)の50%PRNT(プラーク減少中和力価)幾何平均力価を示す。図4は74日目(60日目の2回目の投与から14日後)の50%PRNT幾何平均力価を示す。図から分かるように、全4種のデングウイルスに対する中和抗体力価は、皮下投与に対して皮内投与後に高くなった。さらに、中和抗体応答を示した動物の数(“セロコンバージョン”はPRNT>10と定義される)はワクチンの最初の投薬後で多かった(表1を参照。初回免疫後と2回目の免疫後の、4種のデング血清型それぞれに対してセロコンバージョンに至った動物の割合が示されている)。
免疫した動物を、野生型デングウイルスでの攻撃に対する防御について試験した。カニクイザルにおいて、野生型デングウイルス感染は、ウイルス複製およびウイルス血症をもたらすが、臨床的徴候はもたらさない。91日目に、2匹のサルをDENV−1(デングウイルス血清型1)で攻撃し、2匹のサルをDEN−2(デングウイルス血清型2)で攻撃した。攻撃後、血清試料を11日間毎日回収した。デングウイルスRNAのレベルを、定量的リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応技術(q−rtPCR)によって上記試料中で測定し、生存ウイルスの力価を、ウイルス単離およびVero細胞上でのプラーク形成によって測定した。結果を表2および表3に示す。91日目の攻撃直前(「攻撃前」)および105日目、すなわち攻撃の14日後(「後」)のDEN−1に対する中和抗体。ウイルス血症は、生存DEN−1ウイルスを血液試料から単離できた日数(「持続期間」)および各動物から単離されたピーク力価のlog10として示されている。ウイルスRNAは、ウイルスRNAを血清試料中で検出できた日数(「持続期間」)および各サルにおけるピークウイルスRNAレベル(検出されたウイルスRNAゲノムの数のlog10として表される)として示されている。
攻撃後、SC免疫した動物およびID免疫した動物は、DEN−1もしくはDEN−2誘導性のウイルス血症から完全に防御された(長い持続期間の顕著なウイルス血症を示した対照動物と比較して)。また、ID免疫した動物の全てにおいて、ウイルスRNA複製がなく、攻撃後の抗体力価が増加しなかったが、SC免疫した動物では必ずしも全てがそうではなかった(ID動物と、SC注射したCY0181、CY0172もしくは対照動物とを比較されたい)。これらデータは、防御が「滅菌的」であり、攻撃後のいかなるウイルス複製をも妨げることを示唆する。
(実施例2)
別の例では、異なる位置および異なるタイミングで送達される最適化DENVax(商標)製剤を、非ヒト霊長類において試験する。DENVAx(商標)−1、DENVax(商標)−2、DENVax(商標)−3およびDENVax(商標)−4をそれぞれ1×105プラーク形成単位(pfu)、1×104pfu、1×105pfuおよび1×105pfu含む(5:4:5:5と略する)DENVax(商標)製剤で8匹のカニクイザルの群を免疫する。2用量を、0.1ml IDで投与する。群を、0日目に各腕に1用量ずつか、0日目に一方の腕に1用量および7日目に他方の腕に1用量か、または0日目に一方の腕に1用量および60日目に他方の腕に1用量かのいずれかで免疫する。これらの群を、同じ用量(5:4:5:5)を0日目に同じ腕の3箇所の部位に、および60日目に他方の腕の3箇所の部位に受けた群と、ならびに0日目に一方の腕に、そして60日目に他方の腕に、同じ用量の単回の0.5ml SC免疫を受けた群と比較する。対照群は、ワクチン賦形剤のみ(ワクチンウイルスなし)で免疫する。免疫後、血液試料を0日目、7日目(ピークウイルス血症のため)、15日目、30日目、60日目、および90日目に回収して、4種のデングウイルス血清型に対する中和抗体をPRNT50によって試験する。また、30日目、60日目、90日目に回収したPBMCを、ELISPOTアッセイによってIFN−γ分泌に関してモニタリングする。90日目に、各群からの2匹の動物を、野生型DEN−1、DEN−2、DEN−3、またはDEN−4ウイルスで攻撃する。攻撃した動物を、臨床的徴候および温度(1日に2回)、飼料消費の変化(1日に1回)および体重(毎週)についてモニタリングする。さらに、全ての動物から攻撃後11日間にわたって毎日採血して、ウイルス血症および血液学的パラメーターをモニタリングする。ここでも、4種全てのDENウイルスに対するPRNT応答の速度および持続期間、ならびに90日目の攻撃後の防御を評価する。複数部位でのおよび別個の解剖学的位置での皮内投与は、単一ボーラスとしての皮下投与よりも有効であり得ると考えられる。複数部位は、より多くの抗原提示細胞へのワクチンの曝露を提供し得る。別個の解剖学的位置は、ワクチンが複数のリンパ節へ到達するのを可能にし得る。さらに、デングワクチンの追加免疫は、マウス、霊長類およびヒト臨床試験において抗体応答の発生後に投与したのみである。この時、中和抗体は、生ウイルスワクチンへの応答を阻害する。初回免疫の1ヵ月後に霊長類をブーストすると、初回免疫の4ヵ月後に投与するよりも有効性が低くなることが以前に示された。初回免疫後に循環する高レベルの同種抗体および異種抗体が、2回目の投薬においてウイルス複製を阻害すると推測された。長期化した(2ヵ月以上の)免疫付与は、この阻害を回避し得るが、強力な中和抗体応答の発生前の、より短い免疫付与間隔での加速免疫レジメンが有利であるか否かは試験されていない。このようなより短期間のレジメンは、流行国や、免疫付与の間のデングウイルスへの曝露により疾患に罹る危険がある旅行者にとって有利となり得る。
別の例では、異なる位置および異なるタイミングで送達される最適化DENVax(商標)製剤を、非ヒト霊長類において試験する。DENVAx(商標)−1、DENVax(商標)−2、DENVax(商標)−3およびDENVax(商標)−4をそれぞれ1×105プラーク形成単位(pfu)、1×104pfu、1×105pfuおよび1×105pfu含む(5:4:5:5と略する)DENVax(商標)製剤で8匹のカニクイザルの群を免疫する。2用量を、0.1ml IDで投与する。群を、0日目に各腕に1用量ずつか、0日目に一方の腕に1用量および7日目に他方の腕に1用量か、または0日目に一方の腕に1用量および60日目に他方の腕に1用量かのいずれかで免疫する。これらの群を、同じ用量(5:4:5:5)を0日目に同じ腕の3箇所の部位に、および60日目に他方の腕の3箇所の部位に受けた群と、ならびに0日目に一方の腕に、そして60日目に他方の腕に、同じ用量の単回の0.5ml SC免疫を受けた群と比較する。対照群は、ワクチン賦形剤のみ(ワクチンウイルスなし)で免疫する。免疫後、血液試料を0日目、7日目(ピークウイルス血症のため)、15日目、30日目、60日目、および90日目に回収して、4種のデングウイルス血清型に対する中和抗体をPRNT50によって試験する。また、30日目、60日目、90日目に回収したPBMCを、ELISPOTアッセイによってIFN−γ分泌に関してモニタリングする。90日目に、各群からの2匹の動物を、野生型DEN−1、DEN−2、DEN−3、またはDEN−4ウイルスで攻撃する。攻撃した動物を、臨床的徴候および温度(1日に2回)、飼料消費の変化(1日に1回)および体重(毎週)についてモニタリングする。さらに、全ての動物から攻撃後11日間にわたって毎日採血して、ウイルス血症および血液学的パラメーターをモニタリングする。ここでも、4種全てのDENウイルスに対するPRNT応答の速度および持続期間、ならびに90日目の攻撃後の防御を評価する。複数部位でのおよび別個の解剖学的位置での皮内投与は、単一ボーラスとしての皮下投与よりも有効であり得ると考えられる。複数部位は、より多くの抗原提示細胞へのワクチンの曝露を提供し得る。別個の解剖学的位置は、ワクチンが複数のリンパ節へ到達するのを可能にし得る。さらに、デングワクチンの追加免疫は、マウス、霊長類およびヒト臨床試験において抗体応答の発生後に投与したのみである。この時、中和抗体は、生ウイルスワクチンへの応答を阻害する。初回免疫の1ヵ月後に霊長類をブーストすると、初回免疫の4ヵ月後に投与するよりも有効性が低くなることが以前に示された。初回免疫後に循環する高レベルの同種抗体および異種抗体が、2回目の投薬においてウイルス複製を阻害すると推測された。長期化した(2ヵ月以上の)免疫付与は、この阻害を回避し得るが、強力な中和抗体応答の発生前の、より短い免疫付与間隔での加速免疫レジメンが有利であるか否かは試験されていない。このようなより短期間のレジメンは、流行国や、免疫付与の間のデングウイルスへの曝露により疾患に罹る危険がある旅行者にとって有利となり得る。
(実施例3)
別の例では、2つのDENVax(商標)製剤の安全性および免疫原性を研究するヒト臨床試験を開始し、ID注射またはSC注射のいずれかによって、0.1mlを投与した。12個体の群を、0日目および90日目に、例えば、低用量DENVax(商標)製剤(それぞれ、8×103pfu、5×103pfu、1×104pfuおよび2×105pfuのDENVax(商標)−1、−2、−3および−4)または高用量(それぞれ、2×104pfu、5×104pfu、1×105pfuおよび3×105pfuのDENVax(商標)−1、−2、−3および−4)のDENVax(商標)のIDもしくはSCで免疫する。2つの対照群には、リン酸緩衝生理食塩水をSC注射またはID注射する。患者を任意の有害な事象について、および血液学的もしくは血液化学的パラメーターの任意の有意な変化についてモニタリングする。血清試料を回収して、周期的間隔でワクチンウイルス複製および中和抗体応答を測定する。
別の例では、2つのDENVax(商標)製剤の安全性および免疫原性を研究するヒト臨床試験を開始し、ID注射またはSC注射のいずれかによって、0.1mlを投与した。12個体の群を、0日目および90日目に、例えば、低用量DENVax(商標)製剤(それぞれ、8×103pfu、5×103pfu、1×104pfuおよび2×105pfuのDENVax(商標)−1、−2、−3および−4)または高用量(それぞれ、2×104pfu、5×104pfu、1×105pfuおよび3×105pfuのDENVax(商標)−1、−2、−3および−4)のDENVax(商標)のIDもしくはSCで免疫する。2つの対照群には、リン酸緩衝生理食塩水をSC注射またはID注射する。患者を任意の有害な事象について、および血液学的もしくは血液化学的パラメーターの任意の有意な変化についてモニタリングする。血清試料を回収して、周期的間隔でワクチンウイルス複製および中和抗体応答を測定する。
(実施例4)
AG129マウスにおいて皮内投与したDENVax(商標)の免疫原性および有効性。別の例において、AG129マウスにおけるDENVax(商標)の免疫原性および有効性に対する投与経路の効果を比較する2つの研究を行った。一つの例において、一価DENVax−4(例えば、1種のデングウイルス血清型に対するワクチン)の免疫原性を、AG129マウスにおいて、針およびシリンジを使用した背中の皮膚の下へのSC注射または足蹠へのID注射の後の中和抗体応答を測定することによって比較した。8匹のAG129マウスの群に、105PFU/用量のキメラDENVax(商標)−4ワクチンを、それぞれ50μlおよび100μlの最終体積でID注射もしくはSC注射した。プライミングの6週間後に、各処置群の動物を、対応するID経路もしくはSC経路を介して、105PFUのDENVax(商標)−4もしくはTFAでブーストした。31日目および58日目にマウスから採血し、回収した血清をプールして、中和抗体応答を測定した。
AG129マウスにおいて皮内投与したDENVax(商標)の免疫原性および有効性。別の例において、AG129マウスにおけるDENVax(商標)の免疫原性および有効性に対する投与経路の効果を比較する2つの研究を行った。一つの例において、一価DENVax−4(例えば、1種のデングウイルス血清型に対するワクチン)の免疫原性を、AG129マウスにおいて、針およびシリンジを使用した背中の皮膚の下へのSC注射または足蹠へのID注射の後の中和抗体応答を測定することによって比較した。8匹のAG129マウスの群に、105PFU/用量のキメラDENVax(商標)−4ワクチンを、それぞれ50μlおよび100μlの最終体積でID注射もしくはSC注射した。プライミングの6週間後に、各処置群の動物を、対応するID経路もしくはSC経路を介して、105PFUのDENVax(商標)−4もしくはTFAでブーストした。31日目および58日目にマウスから採血し、回収した血清をプールして、中和抗体応答を測定した。
ID経路を介したDENVax(商標)−4の免疫は、SC経路を介して誘導された応答と比較して、ブースト後のDEN−4に対する5倍高い中和抗体応答を誘発した(例えば、図4を参照されたい)。いずれの免疫経路によって誘発された抗DEN−4応答も、DEN−3に対する顕著な交差中和活性を示したが、DEN−1もしくはDEN−2の血清型に対しては示さなかった。図4は、キメラDENVax(商標)−4でのAG129マウスの初回免疫および2回目の免疫後の中和抗体応答を示す。31日目および58日目にマウスから採血し、回収した血清をプールして、プラーク低下アッセイ(PRNT50)を用いて中和抗体応答を測定した。
ブーストから2週間後に、各群の動物を2つの群に分け、106PFUのDEN−1(Mochizukiウイルス株)またはDEN−2(ニューギニアC株)ウイルスで攻撃した。攻撃した動物を、疾患の臨床的徴候についてモニタリングし、5週間にわたって生存率を記録した。ID経路を介して免疫したマウスは、DEN−1攻撃後に疾患の徴候を示さなかった(図5A)。SC免疫した群では、1匹のマウスのみが感染により死んだが、残りの動物は感染の明らかな徴候を何ら示さなかった(図5B)。対照的に、全ての対照動物は、DEN−1攻撃後13日目までに感染により死んだ(図5A)。DENVax(商標)−4のみでSC経路を介して免疫した全ての動物は、DEN−2攻撃の後25日目までに感染により死に、平均生存期間(MST)は19.5日であったのに対し、対照(TFA)マウスは攻撃後17日目までに全てが死んだ(MST=12.5日)(図5B)。対照的に、ID DENVax(商標)−4免疫したマウスのうちの50%は、5週間のモニタリング期間の最後まで感染から生き延びた(図5B)。図5Aおよび図5Bは、DEN−1(a)もしくはDEN−2(b)ウイルスでの攻撃後のDENVax(商標)−4免疫AG129マウスの生存を示す。攻撃した動物を、疾患の臨床的徴候についてモニタリングし、5週間にわたって生存率を記録した。
2つ目の研究において、マウス(例えば、AG129)にSC投与もしくはID投与した四価DENVax(商標)ワクチンの免疫原性を試験した。AG129マウスの群(6匹/群)に、DENVax(商標)を、100μlもしくは50μlの最終体積でそれぞれSC注射もしくはID注射した。マウスを、複合キメラワクチンの5:4:5:5(105PFUのDENVax(商標)−1、−3および−4、ならびに104PFUのDENVax(商標)−2)用量レベルのDENVax(商標)で免疫した。免疫した全ての動物に、初回接種の42日後、5:4:5:5 DENVax(商標)(105PFUのDENVax(商標)−1、−3および−4、ならびに104PFUのDENVax(商標)−2)のブースター注射を行った。42日目および56日目に血液試料を回収して、各DENウイルス血清型に対する中和抗体応答を測定した。
表4に示されるように、全4種のDEN血清型に対する初回および2回目の中和抗体応答がともに誘導された。ブーストの後、抗DEN−1、DEN−3およびDEN−4中和抗体の力価は、SC免疫した動物と比較して、ID注射したマウスの群においてそれぞれ2倍、5倍および2倍増大した。DEN−2ウイルスに対する中和応答は、両方の群で同程度であった。SC経路を介した免疫は、DEN−1>DEN−2>DEN−3>DEN−4に対して優勢な中和抗体応答のプロフィールを生じ、それぞれ、中和力価は5120、1280、640および80であった。ID投与後の中和抗体応答の優位性は、以下のようにシフトした;DEN−1>DEN−3>DEN−2>DEN−4(中和抗体力価は、それぞれ、10240、3840、1280および160)。
表4:マウスのSCもしくはID免疫後の、比率5:4:5:5PFUの各複合キメラウイルス(105PFUのDENVax(商標)−1、−3および−4、ならびに104PFUのDENVax(商標)−2)を有する四価DENVax(商標)の免疫原性の比較。42日目および56日目に血液試料を回収して、各DENウイルス血清型に対する中和抗体応答を測定した。
[材料および方法]
マウス:AG129マウスは、「無傷の(intact)」免疫系を有するが、インターフェロン(IFN)−α/βおよび−γ受容体を欠損している。このモデルのデング感染については既に説明されている。
マウス:AG129マウスは、「無傷の(intact)」免疫系を有するが、インターフェロン(IFN)−α/βおよび−γ受容体を欠損している。このモデルのデング感染については既に説明されている。
他の研究:病原性、細胞指向性、およびADEも既に試験されている。このモデルは、DEN−1およびDEN−2での攻撃が可能である。
非ヒト霊長類:カニクイザル、アカゲザルはウイルス(ウイルス血症)を有するが、病気の兆候は発現しない。
非ヒト霊長類:カニクイザル、アカゲザルはウイルス(ウイルス血症)を有するが、病気の兆候は発現しない。
[迅速投薬研究]
(実施例5)
1つの例示的な研究において、非ヒト霊長類モデルで、四価のデングワクチンに対する免疫応答を異なる投与経路および投薬レジメンについて評価し、従来の針注射によるワクチン送達と無針投与とを比較した。非ヒト霊長類研究のための定量可能なエンドポイントは、i)非ヒト霊長類において4種のデング血清型の各々に対する幾何平均中和抗体力価が最大となる経路、およびii)デング血清型のうちの2種での攻撃からの防御である。
(実施例5)
1つの例示的な研究において、非ヒト霊長類モデルで、四価のデングワクチンに対する免疫応答を異なる投与経路および投薬レジメンについて評価し、従来の針注射によるワクチン送達と無針投与とを比較した。非ヒト霊長類研究のための定量可能なエンドポイントは、i)非ヒト霊長類において4種のデング血清型の各々に対する幾何平均中和抗体力価が最大となる経路、およびii)デング血清型のうちの2種での攻撃からの防御である。
この研究では、2つの投薬スケジュールを評価した。0日目の2回の連続投薬(異なる解剖学的部位に)と、60日間空けて行った2回の投与(0.60)とを比較した。この研究では、四価製剤(例えばDENVax(商標))の高用量製剤を免疫付与に使用した。このワクチンロットは、実施中の2つの第一相研究で使用したものと同じ材料である。高用量四価製剤ワクチンは、2×104pfuのDEN−1、5×104pfuのDEN−2、1×105pfuのDEN−3および3×105pfuのDEN−4からなる。非ヒト霊長類研究の研究計画を表5に示す。
各ワクチン接種後と、0、3、5、7、10、12、14、53、64、67、88、91、93、95、97、99、101、102および104日目の野生型デングウイルス攻撃後に血清試料を回収し、試料をデングウイルス血症について分析した。また、0、30、53、75、88および104日目に血清試料を回収し、針/シリンジまたはIDインジェクターによって投与された四価製剤によって誘導された中和抗体のレベルを決定した。
研究中、所定の時間間隔で血清試料を回収した。0日目、30日目および88日目(ブースト前)に回収した血清は、デング−1、デング−2、デング−3およびデング−4に対する中和抗体についてのアッセイにかけられた。GMT抗体力価を下の表6に示す。
この研究では、42匹の動物全てが研究の開始時に血清反応陰性であり、0日目に4種のデング血清型のいずれに対しても中和抗体力価を提示しなかった。動物をDENVax(商標)でプライミングした後の30日目の結果は、0日目に、IDまたはSCの投与経路のいずれかでDENVax(商標)の2用量(各腕に1用量ずつ)を受けた動物が、デング−1、デング−2およびデング−4に対して高い中和抗体力価を提示することを示した(群1および4)。両群では、群2および3に対し、30日目までのセロコンバージョン率が100%であった。両群は、ウイルス攻撃の直前の88日目まで高い中和抗体応答レベルを維持した。
弱毒化生ワクチンについて、免疫後のワクチンウイルス複製は、ワクチン取り込みおよびワクチンの安全性の重要な評価基準である。非ヒト霊長類におけるワクチンウイルス複製を、弱毒化生四価製剤ワクチン(DENVax(商標))での1回目および2回目の免疫後に評価した。1回目の免疫後0、3、5、7、10、12、14日後に回収した血清試料を、ワクチン株に由来するウイルスRNAの存在について、qRT−PCRアッセイを用いて試験した(表7参照)。
ウイルスRNAは0日目(ワクチン接種前)および3日目(免疫後)には検出されなかった。全ての群で、最初の免疫後5日目から14日目まで、ウイルスRNAはデング−2血清型についてのみ検出された。群1、3、5および6では、エンドポイント力価は免疫後14日目まで観察されなかった。ピーク力価は、群1および4では10日目に、群5および6では7日目および10日目に観察された(表7)。64日目および67日目に評価された2回目の免疫後(投薬2の4日後および7日後)、ウイルスRNAはいずれの群でも検出されなかった。
90日目、四価製剤での免疫の有効性を実証するため、各群から3匹の動物を、野生型デング−2またはデング−4のいずれかで攻撃した。防御された動物は、野生型デングウイルス感染および複製の欠如を示すはずである。91、93、95、97、99、101、102および104日目の106PFU野生型デング−2(ニューギニアC株)およびデング−4(814669株)ウイルスでの攻撃後に、野生型攻撃ウイルス(デング−2およびデング−4)複製を全ての群で分析した(表8)。
デングワクチン(例えばDENVax(商標)。
野生型攻撃ウイルスのウイルスRNAは、PBSを投与された群7でのみ検出された。デング−2について、ウイルスRNAは3匹の動物中3匹で93〜97日目に検出された。デング−4について、ウイルスRNAは3匹の動物中1匹のみで95日目に検出された。四価製剤で免疫された群の重要な1つの観察結果は、デング−2攻撃ウイルスについてもデング−4攻撃ウイルスについても、ウイルスRNAが観察されなかったということである。これらの結果は、試験したいずれの投薬スケジュールでの四価製剤による免疫も、デング−2野生型ウイルスおよびデング−4野生型の両方のウイルス攻撃に対する免疫防御を与えたことを示唆している。
総合すると、この非ヒト霊長類研究は、2用量の四価製剤を0日目に2箇所の別個の部位(例えば異なる腕)に投与する新規な投薬スケジュールが、中和抗体のレベルを、初回免疫および追加免疫を2〜3ヵ月空けて送達する従来の投薬スケジュールで観察されたのと同程度またはそれ以上に増進することを明確に示した。免疫応答の開始は、0日目に2用量を投与された群でより迅速であり、かつ長期間持続した。無針IDまたはSC注入器の適用は免疫応答を促進し、より高い力価が観察された。
(実施例6)
迅速な免疫付与に関するAG129マウス研究
別の例示的研究において、単一の機会に2箇所の別個の部位での2用量のワクチン投与、または、ワクチン接種された対象の2回目の免疫のための来院に対するコンプライアンスを高め得る、より短い投薬間隔での2用量のワクチン投与のいずれかを調査する新規な投薬スケジュールを設計した。以前に開発された標準的なデングワクチンは、強い多価デング免疫応答を達成するのに典型的には1年間にわたって3用量を必要とする。本明細書に提示のワクチン接種スケジュールに関し、少なくとも2箇所の解剖学的2部位で生じ、そしてある実施形態では、各部位の皮内に全用量を投与(表9参照)して生じる免疫について応答を評価した。このプロトコールは、一部では、2つの異なるリンパ節にある免疫細胞および抗原提示細胞を0日目に活性化させ、皮内に2用量を7、14または42日空けて投与した場合よりも高いレベルかつより強いデング特異的免疫応答を誘導するために実施された。1つの研究では、従来の42日のワクチン接種間隔を用いたSC経路およびID経路の2つの投与経路を比較した。それぞれ103PFUのデング−1、−2、−3、および−4(例えばDENVax(商標)−1、−2、−3および−4)からなる0.05mL体積の四価製剤(DENVax(商標);各血清型比率3:3:3:3)の低用量製剤の(足蹠の)皮内経路を介した投与によりマウスを免疫した。この研究の生きている部分はこの契約の開始前に実施した。研究計画を下の表9に示す。
迅速な免疫付与に関するAG129マウス研究
別の例示的研究において、単一の機会に2箇所の別個の部位での2用量のワクチン投与、または、ワクチン接種された対象の2回目の免疫のための来院に対するコンプライアンスを高め得る、より短い投薬間隔での2用量のワクチン投与のいずれかを調査する新規な投薬スケジュールを設計した。以前に開発された標準的なデングワクチンは、強い多価デング免疫応答を達成するのに典型的には1年間にわたって3用量を必要とする。本明細書に提示のワクチン接種スケジュールに関し、少なくとも2箇所の解剖学的2部位で生じ、そしてある実施形態では、各部位の皮内に全用量を投与(表9参照)して生じる免疫について応答を評価した。このプロトコールは、一部では、2つの異なるリンパ節にある免疫細胞および抗原提示細胞を0日目に活性化させ、皮内に2用量を7、14または42日空けて投与した場合よりも高いレベルかつより強いデング特異的免疫応答を誘導するために実施された。1つの研究では、従来の42日のワクチン接種間隔を用いたSC経路およびID経路の2つの投与経路を比較した。それぞれ103PFUのデング−1、−2、−3、および−4(例えばDENVax(商標)−1、−2、−3および−4)からなる0.05mL体積の四価製剤(DENVax(商標);各血清型比率3:3:3:3)の低用量製剤の(足蹠の)皮内経路を介した投与によりマウスを免疫した。この研究の生きている部分はこの契約の開始前に実施した。研究計画を下の表9に示す。
回収したマウス血清に存在するデング1〜4に対する中和抗体力価は、マイクロ中和アッセイにより決定した。血清は、研究の期間中所定の時点で回収し、調査群を160日目(研究開始から5ヵ月よりも長く)まで維持することにより免疫応答の持続期間を調査した。免疫後28日目および56日目に回収した血清から得た結果を表10に示す。
以前の研究で、動物をプライミングする従来の投薬スケジュールを0日目に使用し、その後42日目にブースターワクチン接種を実施して、四価デングワクチンに対する免疫応答を評価した。初回ワクチン接種および追加ワクチン接種を皮下(SC)経路で行った。この投薬スケジュールは、新規の投薬スケジュールとの比較研究に含められた。最初に、1つの研究(表10に示す)は、42日空けて2用量の投与を行う従来の投与間隔を用いたSC経路投与およびID経路投与を比較した。結果は、マウスモデルで誘導された中和抗体に関して、SC経路とID経路との間に有意差がないことを示す。この研究はさらに、0日目に2箇所の解剖学的部位に投与された2用量(2つの足蹠それぞれに1用量ずつ)が、上述の標準的投薬スケジュール(42日空けて2用量)と同様の中和抗体レベルを誘導できるか否かを調査した。結果は、0日目に2部位でのID経路を介した全用量のDENVax(商標)の四価製剤による免疫付与が、それぞれ、全4種のデング血清型に対する中和抗体レベルを、従来の投薬スケジュールと等しい量まで誘導したことを示す。ID経路を介して投与された単一ワクチン用量の効果も調査した(群1)。0日目のDENVax(商標)の単一用量の投与は、0日目の2用量と比較して僅かに下回る傾向にある抗体応答をもたらした(群AとBとを比較されたい)。2用量の間の時間間隔を7日から42日に延長すると、観察されたレベルを超えて抗体応答が増大した。デング免疫応答の持続期間の評価により、全4種のデング血清型に対する中和抗体力価が、投与経路および投薬スケジュールによらず、免疫後160日目に高いレベルを維持することが判明した(データは示されていない)。
総合すると、結果は、皮内投与経路が、皮下経路で観察されたのと同程度の中和抗体レベルを誘導することを示唆する。さらに、0日目の2箇所の異なる部位におけるID経路による2用量の投与は、従来の投薬スケジュールと同程度の強い中和抗体応答を誘導した。誘導された抗体応答は長期間持続し、僅かに減少したのみであった。動物は疾病率および死亡率の上昇を示さなかった。この研究は、2箇所の別個の部位での2用量のワクチン投与によりもたらされる抗体力価および免疫応答の持続期間が、42日空けて投与される2用量で得られるものと同程度であるため、2箇所の別個の部位での2用量のワクチン投与が免疫付与の実行可能な選択肢であることを実証した。これらの投薬レジメンは、デング流行地域への旅行者、およびデングウイルス曝露からの迅速な防御を必要とする者にとって有益であり得る。
(実施例7)
AG129マウスにおける別の迅速免疫付与研究
この研究の目的は、0日目に2部位への2用量のID投与が、42日空けて2用量をID投与するよりも高いレベルかつより強いデング特異的免疫応答を誘導するか否かを決定することである。検証する仮説は、2部位それぞれへの全ワクチン用量の皮内投与が、2つの異なるリンパ節を出入りする免疫細胞および抗原提示細胞を活性化し、それによって4つのDENVax(商標)ワクチン成分の間の干渉が低減するか否かである。このAG129マウス研究の計画を下の表11に示す。
AG129マウスにおける別の迅速免疫付与研究
この研究の目的は、0日目に2部位への2用量のID投与が、42日空けて2用量をID投与するよりも高いレベルかつより強いデング特異的免疫応答を誘導するか否かを決定することである。検証する仮説は、2部位それぞれへの全ワクチン用量の皮内投与が、2つの異なるリンパ節を出入りする免疫細胞および抗原提示細胞を活性化し、それによって4つのDENVax(商標)ワクチン成分の間の干渉が低減するか否かである。このAG129マウス研究の計画を下の表11に示す。
この例示的方法において、2つの異なるワクチン用量レベル(低用量および中用量)を、0日目に2用量を投与する新規な投薬スケジュールを用いた免疫に使用し、42日空けた2用量と比較した。マウスに、(足蹠の)皮内経路を介して投与されるそれぞれ103PFUのDENVax(商標)−1、−2、−3、および4からなるDENVax(商標)(3:3:3:3)の0.05mL体積の低用量製剤、または、104PFUのDENVax(商標)−1、103PFUのDENVax(商標)−2、104PFUのDENVax(商標)−3、および105PFUのDENVax(商標)−4からなるDENVax(商標)(4:3:4:5)の0.05mL体積の中用量製剤のいずれかを投与した。0日目に全てのマウスを免疫し、群2および4を42日目にブーストした。抗体分析のため、初回ワクチン接種後に14、41および56日目に血清を回収し、プラーク減少マイクロ中和アッセイを用いて解析して、全4種のデング血清型に対する中和抗体レベルを決定した。プールしたマウス血清試料から得られた免疫原性結果を表12に示す。
この例では、低用量または中用量の四価ワクチン(例えばDENVax(商標))製剤での免疫は、0日目の1用量投与か2用量投与かとは無関係に、ワクチン接種後14日目の初期の検査で全4種のデング血清型に対して中和抗体を誘導した。中用量DENVax(商標)製剤は、0日目に2用量を投与された群1および3で、特にDEN−1およびDEN−3に対し、28日目までに、0日目に単一用量のみを投与された群(群2および4)よりも僅かに高い中和抗体力価を誘導した。56日目に回収した血清から得られた抗体力価は、中和抗体応答が持続し、動物が42日目にブーストされたか0日目にのみワクチンを接種されたかにかかわらず、衰えなかったことを示す。この研究で得られた結果は、0日目に2箇所の(例えば免疫学的に)別個の部位に2用量を投与する新規な投薬スケジュールの適用をさらに支持する。
(実施例8)
図9A〜9Dは、非ヒト霊長類において、DENVax−1(1×105pfu);DENVax−2(1×104pfu);DENVax−3(1×105pfu);DENVax−4(1×106pfu)を含有する四価DENVaxでの免疫後に達成された中和抗体力価を比較したグラフを示す。2つの群に、皮下経路を介して無針ファーマジェット(PharmaJet)デバイスで同日に2回(0,0)か、または0日目に1回と60日目に再度(0,60)のいずれかでワクチン接種した。0、30、53、75および88日目に、血清を抗体の存在について分析し、4種のデング血清型に対する抗体の検出を分析した(DEN−1、DEN−2、DEN−3、DEN−4)。
図9A〜9Dは、非ヒト霊長類において、DENVax−1(1×105pfu);DENVax−2(1×104pfu);DENVax−3(1×105pfu);DENVax−4(1×106pfu)を含有する四価DENVaxでの免疫後に達成された中和抗体力価を比較したグラフを示す。2つの群に、皮下経路を介して無針ファーマジェット(PharmaJet)デバイスで同日に2回(0,0)か、または0日目に1回と60日目に再度(0,60)のいずれかでワクチン接種した。0、30、53、75および88日目に、血清を抗体の存在について分析し、4種のデング血清型に対する抗体の検出を分析した(DEN−1、DEN−2、DEN−3、DEN−4)。
別の例において、DENVax−1(1×104pfu);DENVax−22(1×103pfu);DENVax3(1×104pfu);DENVax−4(1×105pfu)を含有するDENVaxの2用量の四価製剤で血清反応陰性のヒト対象を免疫した。投与経路は皮下または皮内であり、ワクチン接種は90日空けて行われた。0、30、60、90および120日目に各デング血清型に対する抗体レベルを分析した。ワクチンは、全4種の血清型に対して中和抗体を誘導した。しかしながら、セロコンバージョンのレベルは、投与経路を比較した場合では異なった。総合すると、この研究では、皮内経路での免疫付与は明らかに、皮下経路に比べて各抗体のレベルがより等しい、より「バランスの取れた」免疫応答を生じさせた。
図10はコロンビアでのヒト臨床試験から得られたデータを示す。血清反応陰性のヒトに、DENVax−1(1×104pfu);DENVax−2(1×103pfu);DENVax−3(1×104pfu);DENVax−4(1×105pfu)を含有するDENVaxの2用量の四価製剤を皮下投与または皮内投与した。各デング血清型に対する抗体レベルを0、30、60、90および120日目に分析した。
この例示的方法において、非ヒト霊長類を2用量の四価ワクチン(例えば、DENVax(商標)DENVax−1:2×104pfu、DENVax−2:5×104pfu、DENVax−3:1×105pfu、DENVax−4:3×106pfu)で、0日目に同時に、または0日目および60日目に2つに分けた用量で免疫した。ワクチンは、全4種のデング血清型に対して中和抗体を誘導した。ワクチン接種後90日目までに、これら2つの群の中和抗体力価は比較的同等になった(図11)。しかしながら、免疫応答の動態は、0日目に2回の接種を受けた群で、より迅速であった。この研究で得られた結果は、0日目に2箇所の免疫学的に別個の部位に2用量を投与する新規な投薬スケジュールの適用をさらに支持する。
図11は、DENVax−1(1×105pfu);DENVax−2(1×104pfu);DENVax−3(1×105pfu);DENVax−4(1×106pfu)を含有する四価DENVaxの皮下投与後に、非ヒト霊長類で達成された中和抗体力価を比較したグラフを示す。2つの群に、同日に2回(0,0)か、または0日目に1回と60日目に再度(0,60)のいずれかでワクチン接種した。0、28、58、73および90日目に、血清を抗体の存在について分析し、4種のデング血清型に対する抗体の検出を分析した(DEN−1、DEN−2、DEN−3、DEN−4)。
(実施例9)
図12は、デングウイルスワクチンの単一用量投与と、別個の解剖学的位置への二重投与とを対比した分析を示す。このデータは、0,0後または単回注入後の対象において、二重投与(2倍用量)で遺伝子発現の変化量が大きくなった様々な遺伝子転写産物のレベルの変化を示す。クラスター2中に示される、クラスター分析に含めた遺伝子は、自然免疫の誘導に関連して変化するいくつかの遺伝子を含む。したがって、自然免疫およびそれに関連する遺伝子の誘導は、本明細書に開示の組成物を別個の解剖学的位置に二重投与された対象で増大し得る。この組成物は複数の解剖学的領域(例えばリンパ節など)で応答を誘導し、干渉を低減し、自然免疫応答に関与する複数の遺伝子に影響を与えると考えられる。
図12は、デングウイルスワクチンの単一用量投与と、別個の解剖学的位置への二重投与とを対比した分析を示す。このデータは、0,0後または単回注入後の対象において、二重投与(2倍用量)で遺伝子発現の変化量が大きくなった様々な遺伝子転写産物のレベルの変化を示す。クラスター2中に示される、クラスター分析に含めた遺伝子は、自然免疫の誘導に関連して変化するいくつかの遺伝子を含む。したがって、自然免疫およびそれに関連する遺伝子の誘導は、本明細書に開示の組成物を別個の解剖学的位置に二重投与された対象で増大し得る。この組成物は複数の解剖学的領域(例えばリンパ節など)で応答を誘導し、干渉を低減し、自然免疫応答に関与する複数の遺伝子に影響を与えると考えられる。
4種のデングウイルス血清型(DENV−1〜4)は、世界中のヒトにおいて最も流行している蚊媒介性ウイルス疾患の原因となる。四価ワクチンは現在開発中であるが、本願以前は、6ヵ月間から1年間にわたり多数回の免疫付与が必要とされていた。全4種のDENV血清型に対して免疫応答を誘発し、医療提供者への必要な訪問回数を減らし、したがってワクチンコンプライアンスを高め、迅速なセロコンバージョンをもたらす迅速な免疫付与戦略(rapid immunization strategy:RIS)は、流行国にいる人々の安全性を高め、また、旅行者や軍関係者をデングから防御する。初回の接種のための訪問時(0日目)に、2箇所の解剖学的に異なる位置に2つの全ワクチン用量を投与することからなるRISを、様々な所定比率の四価製剤を用いて調査した。このワクチン接種戦略は、従来のプライミングおよびその数週間または数ヵ月後の2回目の投与(ブースト)に比べ、全4種のデングウイルス血清型に対する効果的なプライミングおよび持続期間の長い(3ヵ月)強力な中和抗体応答の誘導をもたらした。さらに、初回免疫後の自然免疫応答の分析は、RISによりもたらされるプライミング効率は、この免疫プロトコールが単一用量での免疫に比べ、より規模の大きい免疫シグネシャーを刺激することの結果であるという所見を支持する。
本明細書に開示の組成物は、1種のデングウイルス骨格が他のデングウイルス成分のうちの1つ以上に適応可能なキメラデングウイルス組成物を含む。これらのキメラ組成物の混合物を、本明細書に開示の方法に使用するための三価または四価の製剤の製造に用いることができる。
図13A〜13Fは、デングウイルスワクチンの単回または二重投与に対する、様々な自然免疫関連遺伝子の経時的な発現レベルを示す。このデータは、特定の遺伝子の発現が、本明細書に開示のワクチン組成物(例えば四価デングウイルス組成物)の単回投与と比べて、(各腕のような別個の解剖学的位置への)二重投与に応答して増大することを示す。実証された様々な遺伝子には、A.固有の一次アミノ酸配列の15kDaのタンパク質である、インターフェロン誘導性17kDaタンパク質(ISG15);B.IF144(インターフェロン誘導性タンパク質44);C.XAF1、XAF1はXAP1の抗カスパーゼ活性に拮抗する;D.OASL(インターフェロン誘導性56kDaタンパク質をコードするヒト2’,5’−オリゴアデニル酸合成酵素様遺伝子(OASL));E.MX1はインターフェロン誘導性GTP結合タンパク質であるMx1はヒトではMX1遺伝子にコードされたタンパク質であるおよびF.IFIT1、テトラトリコペプチドリピート1を有するIFN誘導性タンパク質が含まれる。したがって、この投与方法は、それを必要とする対象、例えばデング流行国を訪れる旅行者において、自然免疫応答を迅速に誘導するために使用することができる。
本明細書に開示され、特許請求される組成物および方法の全ては、本開示を考慮することにより、過度の実験を伴うことなく製造および実施することができる。上記組成物および方法は、好ましい実施形態の観点で説明されているが、上記組成物および方法に対し、ならびに本明細書に記載される方法の工程もしくは工程の順序において、本明細書における概念、趣旨および範囲から逸脱することなく変更を加えることができることは、当業者に明らかである。より具体的には、化学的にも生理学的にも関連性のある特定の作用剤を、本明細書に記載された作用剤の代わりに使用しても、恐らくは同じもしくは類似の結果が達成される。当業者に明らかなこのような類似の置換および改変は全て、添付の特許請求の範囲によって規定されるような、趣旨、範囲および概念の範囲内であるとみなされる。
Claims (22)
- 対象において、3種以上のデングウイルス血清型に対して中和抗体を迅速に誘導する方法に使用するためのデングウイルスに対する免疫原性組成物であって、前記方法は、対象の2つ以上の異なるリンパ節に前記免疫原性組成物を到達させるように選択された2箇所以上の異なる解剖学的位置に、デング−デングキメラと3種以上の異なるデングウイルス血清型を提示する弱毒化生デングウイルスとを含むデングウイルスに対する免疫原性組成物の単一製剤を、2用量以上で同日投与して、対象において3種以上のデングウイルス血清型に対して中和抗体を誘導することを含む、デングウイルスに対する免疫原性組成物。
- 前記免疫原性組成物の単一製剤の2用量は対象に同時に投与される、請求項1に記載のデングウイルスに対する免疫原性組成物。
- 前記方法は、前記同日投与から1〜180日後に、デングウイルスに対する免疫原性組成物の製剤の少なくとも1回の追加のブースター投与を行うことをさらに含む、請求項1に記載のデングウイルスに対する免疫原性組成物。
- 前記方法は、前記同日投与から1〜180日後に、デングウイルスに対する請求項1に記載の免疫原性組成物の2回の追加のブースターを対象に投与することをさらに含む、請求項3に記載のデングウイルスに対する免疫原性組成物。
- 前記デングウイルスに対する免疫原性組成物の単一製剤は、3種または全4種のデングウイルス血清型に対する複数の一価の免疫原性組成物を単一組成物中に所定の比率で有する多価組成物を含む、請求項1に記載のデングウイルスに対する免疫原性組成物。
- 前記デングウイルスに対する免疫原性組成物の単一製剤において、前記3種以上の異なるデングウイルス血清型は等しい比率で存在する、請求項1に記載のデングウイルスに対する免疫原性組成物。
- 少なくとも1回の追加のブースター投与に用いられる前記デングウイルスに対する免疫原性組成物の製剤は、前記同日投与に用いられる製剤と同一である、請求項3に記載のデングウイルスに対する免疫原性組成物。
- 少なくとも1回の追加のブースター投与に用いられる前記デングウイルスに対する免疫原性組成物の製剤は、前記同日投与に用いられる製剤とは異なり、かつ、複数のデングウイルス血清型に対する所定濃度の1つ以上の一価の免疫原性組成物を含む、請求項3に記載のデングウイルスに対する免疫原性組成物。
- 前記少なくとも1回の追加のブースターにおけるデングウイルス血清型の濃度は、前記同日投与で用いられる製剤よりも、前記ブースターにおける1種以上のデングウイルス血清型が高い濃度であることを含む、請求項8に記載のデングウイルスに対する免疫原性組成物。
- 前記高い濃度が、請求項1に従う単一製剤で用いられるよりも2〜100,000倍高い濃度である、請求項9に記載のデングウイルスに対する免疫原性組成物。
- 前記2箇所以上の異なる解剖学的部位が、異なる解剖学的位置および同じ投与様式を含む、請求項1に記載のデングウイルスに対する免疫原性組成物。
- 前記2箇所以上の異なる解剖学的部位が、異なる解剖学的位置および異なる投与様式を含む、請求項1に記載のデングウイルスに対する免疫原性組成物。
- 投与様式が、皮下(SC)投与、皮内(ID)投与、筋肉内(IM)投与、またはそれらの組合せを含む、請求項1に記載のデングウイルスに対する免疫原性組成物。
- 前記同日投与後180日未満、90日未満、60日未満、または30日未満に、対象に少なくとも1回の追加のブースターが投与される、請求項3に記載のデングウイルスに対する免疫原性組成物。
- 前記方法は、対象におけるデングウイルス感染を抑制するための方法である、請求項1に記載のデングウイルスに対する免疫原性組成物。
- 前記方法は、自然免疫応答を誘導するための方法である、請求項1に記載のデングウイルスに対する免疫原性組成物。
- 対象の2つ以上の異なるリンパ節に免疫原性組成物を到達させるように選択された2箇所以上の異なる解剖学的位置に、前記免疫原性組成物を2用量以上で同日投与することにより、対象において、3種以上のデングウイルス血清型に対して中和抗体を迅速に誘導する方法に用いるためのワクチンキットであって、
3種以上のデングウイルス血清型を含む、デングウイルスに対する少なくとも2つの免疫原性組成物、および
対象の2箇所の異なる解剖学的位置に組成物を投与するのに使用可能な少なくとも1つの装置
を含む、ワクチンキット。 - 前記少なくとも2つの免疫原性組成物において、3種または4種の異なるデングウイルス血清型は等しい比率で存在する、請求項17に記載のキット。
- 前記少なくとも2つの免疫原性組成物は、所定比率の3種または4種のデングウイルス血清型を含む、請求項17に記載のキット。
- 前記少なくとも2つの免疫原性組成物は、4種全てのデングウイルス血清型を等しい比率で含む少なくとも1つの免疫原性組成物と、所定比率の4種全てのデングウイルス血清型を含む少なくとも第2の免疫原性組成物とを含む、請求項17に記載のキット。
- 前記少なくとも2つの免疫原性組成物が、それぞれ異なる所定のデング血清型比率を有する少なくとも2つの免疫原性組成物からなる、請求項17に記載のキット。
- 皮内注入器、皮下注入器、および筋肉内デバイスから選択される少なくとも2つの装置が存在する、請求項17に記載のキット。
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