JP2018090113A - 航空機用のファイアシール構造および航空機 - Google Patents

航空機用のファイアシール構造および航空機 Download PDF

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Abstract

【課題】火炎から遮蔽する部材を付加する必要なく、ファイアシール性能を向上させることができるとともに、整備の負担を軽減することも可能な航空機用のファイアシール構造を提供すること。【解決手段】航空機1の防火区域5の外側へと火炎が出るのを防ぐファイアシール構造20は、防火区域5を区画するアクセスパネル7と、アクセスパネル7に形成された吸気口6に通じ、アクセスパネル7と共に防火区域5を区画する吸気ダクト30との取り合い箇所において、吸気ダクト30のフランジ31に備えられる第1部材21と、吸気口6の周囲で第1部材21に対向し、アクセスパネル7のアクセスパネル7に備えられる第2部材22と、を有する。いずれも耐火材から構成された第1部材21および第2部材22により、吸気ダクト30とアクセスパネル7との間にラビリンス状の間隙23が形成されている。【選択図】図3

Description

本発明は、航空機の防火区域の外側へと火炎が出るのを防ぐファイアシール構造に関する。
航空機のエンジン本体や補助動力装置等、火炎が発生しうる発火源の周りには防火区域が定められており、防火区域の内側で発生した火炎が防火区域の外側へと出るのを防ぐことが要求される。
例えば、エンジンのナセルの内側には、エンジン本体(エンジンコア)から発せられた火炎を留める防火区域が定められている。
エンジン本体から発火した際に、エンジンナセルとパイロンとの間の隙間を火炎が突き抜けて外部へと吹き出すのを防ぐ必要がある。そのため、弾性シールを用いて、エンジンナセルとパイロンとの間の隙間を封止している(特許文献1)。
特開2014−141202
シリコーンゴム等のゴム材料が用いられている弾性シールは、ステンレス鋼等の金属材料と比べれば耐火性に劣るため、火炎の突き抜けを防ぐファイアシール性能には改善の余地がある。火炎に曝されることで弾性シールと相手部材との密着性が低下し、いずれ弾性シールが焼失することでファイアシール性能が失われるまでの時間を遅らせるために、弾性シールを火炎から遮蔽する部材が必要となれば、ファイアシール構造の重量が増加してしまう。
また、弾性シールは、接触する部材との摩擦により摩耗するので、シールの点検や交換が欠かせない。
以上より、本発明は、火炎から遮蔽する部材を付加する必要なく、ファイアシール性能を向上させることができるとともに、整備の負担を軽減することも可能な航空機用のファイアシール構造および航空機を提供することを目的とする。
本発明は、航空機の防火区域の外側へと火炎が出るのを防ぐファイアシール構造であって、防火区域を区画するパネルと、パネルに形成された開口に通じ、パネルと共に防火区域を区画するダクトとの取り合い箇所において、ダクトに備えられる第1部と、開口の周囲で第1部に対向し、パネルに備えられる第2部と、を有し、いずれも耐火材から構成された第1部および第2部により、ダクトとパネルとの間にラビリンス状の間隙が形成されていることを特徴とする。
本発明のファイアシール構造において、第1部および第2部は、開口を全周に亘り囲むように配置され、ラビリンス状の間隙は、第1部および第2部の全周に亘り形成されていることが好ましい。
本発明のファイアシール構造において、パネルは、開口である第1開口が形成され第1開口の周縁に沿って第2部が備えられたアクセスパネルと、アクセスパネルに対応する第2開口が形成された本体パネルと、を備え、アクセスパネルは、第2開口の周縁部に、第2開口を開閉可能に設けられていることが好ましい。
本発明のファイアシール構造において、第2部によって第1開口の周縁部が補強されていることが好ましい。
本発明のファイアシール構造において、パネルは、航空機の補助動力装置を収容するテールコーンを構成し、ダクトは、補助動力装置による開口を通じた吸気に用いられることが好ましい。
本発明のファイアシール構造において、第1部は、ダクトからパネルに向けて突出する第1壁を有し、第2部は、開口の径方向において第1壁とは異なる位置でパネルからダクトに向けて突出する第2壁を有し、第1壁および第2壁により、ダクトおよびパネルの間にラビリンス状の間隙が形成されていることが好ましい。
本発明のファイアシール構造において、第1部は、径方向において対向する一対のフランジと、一対のフランジを連結するウェブとを備えたチャンネル状の部材であり、一対のフランジである一対の第1壁と、一対の第1壁の間に位置する第2壁と、を含む少なくとも3つの壁によってラビリンス状の間隙が形成されていることが好ましい。
本発明のファイアシール構造において、第2部は、径方向において対向する一対のフランジと、一対のフランジを連結するウェブとを備えたチャンネル状の部材であり、一対のフランジである一対の第2壁と、一対の第2壁の間に位置する第1壁と、を含む少なくとも3つの壁によってラビリンス状の間隙が形成されていることが好ましい。
本発明のファイアシール構造において、第1部および第2部はいずれも、径方向において対向する一対のフランジと、一対のフランジを連結するウェブとを備えたチャンネル状の部材であり、第1部の一対のフランジである一対の第1壁と、第2部の一対のフランジである一対の第2壁とは、互い違いに配置されていることが好ましい。
本発明のファイアシール構造において、ラビリンス状の間隙は、第1部および第2部のいずれか一方に設けられた閉塞部材により、開口の径方向内側で塞がれていることが好ましい。
本発明の航空機は、上述のファイアシール構造を備えることを特徴とする。
本発明におけるファイアシール構造によれば、防火区域を共に区画するダクトとパネルとの取り合い箇所に、第1部および第2部によるラビリンス状の間隙が介在することにより、防火区域内の火炎が防火区域の外側へと出るのを防ぐことができる。曲がりくねっているラビリンス状(迷路状)の間隙に、迷路の入口から火炎が入り込んだとしても、火炎の直進性に基づいて、火炎の進行が、ラビリンス状の間隙を形成する壁によって阻止される。
ここで、第1部および第2部はいずれも、ゴム材料と比べて火炎に対する耐久性に優れた金属等の耐火材から構成されており、火炎に曝される状況下、所定時間に亘り、第1部と第2部との間にラビリンス状の間隙が維持される。そのため、防火区域内で発生した火炎が防火区域の外側に出るのを所定時間に亘って防ぐことができる。
本発明のファイアシール構造によれば、第1部および第2部のそれ自体が所定時間に亘り火炎に耐え、ラビリンス状の間隙が維持されている限りファイアシール性能が十分に確保されるため、火炎から第1部および第2部を遮蔽する部材を付加することなく、ファイアシール性能を向上させることができる。第1部および第2部を遮蔽する部材が必要ないため、航空機において重要な、機体重量の低減にも寄与することができる。
なお、充填された部材間をシールするシーラント材料は、ゴム材料と耐火特性が近似しているため、ゴムシールと同様、耐火要求への適合が単体では困難であり、火炎から遮蔽する部材の付加が必要となって重量増に繋がる。つまり、ゴムシールの他、シーラントの充填に対しても、本発明の耐火材ラビリンスシールは優位な耐火性能を有する。
さらに、本発明のファイアシール構造においては、第1部と第2部とがラビリンス状の間隙をなして非接触であるため、弾性シールを用いる場合とは違って摩耗によるファイアシール性能の低下が生じず、寿命が長い。したがって、ファイアシールに要する整備の負担を軽減することができる。
ところで、金属材料から構成された弾性シールを用いるならば、所定時間に亘り焼失を免れるとは言え、ゴム材料よりも弾性率が大きい金属材料の弾性シールを十分に弾性変形させることで、火炎に曝される状況下にあっても封止に必要な反発力を安定して得るためには、構造補強等が必要となるため、重量の増加に繋がる。
しかも、火炎の突き抜けを防ぐために弾性シールを用いる場合には、弾性変形時の形状や反発力、表面との密着性等に関し、火炎に曝される状況を想定した十分な検証が求められる。
本発明のファイアシール構造は、火炎の突き抜けを防ぐために、吸気や排気等に用いられるダクトとパネルとの間を閉塞することなく、第1部および第2部によってラビリンス状の間隙を形成するものであり、航空法規の規定する耐火材によりラビリンス状の間隙が形成されている限り、ダクトとパネルとの間が確実に閉塞されることを検証するための膨大な試験等を必要としない。
第1実施形態に係る航空機のテールコーンの内部構造および防火区域を示す模式図である。 図1に示すテールコーンを下方から示す斜視図である。 アクセスパネルの開口と、その開口を通じて吸気するAPUの吸気ダクトと、ファイアシール構造とを示す斜視図である。 吸気ダクトとアクセスパネルとの取り合い箇所を模式的に示す断面図である。一点鎖線は、締結位置の例を示す。 (a)および(b)はそれぞれ、第1実施形態の変形例を模式的に示す断面図である。 (a)および(b)はそれぞれ、第1実施形態の変形例を模式的に示す断面図である。 第1実施形態の他の変形例を模式的に示す断面図である。 吸気口の径方向内側でラビリンス状の間隙の端部を封止するシール部材を備えたファイアシール構造を模式的に示す断面図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
以下に示す実施形態では、発火源として補助動力装置(APU:Auxiliary Power Unit)を想定して定められた防火区域の外側へと火炎が出るのを防ぐファイアシール構造について説明する。
〔第1実施形態〕
図1に示す航空機1の後端部には、補助動力装置3(以下、APU)が備えられている。
航空機1の胴体の後端に連続するテールコーン4は、APU3の排気口3Aが位置する末端に向かうにつれて次第に縮径しており、内側に、APU3の本体3Bと、排気ノズル3Cと、吸気ダクト30と、APU3の補機や計器、配管等とを収容する。テールコーン4の内部と、それよりも前方の胴体内部とは、隔壁4Aによって仕切られている。さらに、テールコーン4の内部が、壁4Bによって前側と後側とに仕切られている。
APU3から発火した場合に備えて、APU3の周りには防火区域5が定められており、防火区域5の外側へと火炎が出るのを防ぐことが要求される。
防火区域5は、図1に二点鎖線で示すように、隔壁4Aと壁4Bとの間であって、APU本体3Bおよび吸気ダクト30の周りの空間に相当する。
本実施形態では、テールコーン4が、APU本体3Bを包囲する本体部コーン41と、排気ノズル3Cを包囲するノズル部コーン42とに分割されており、防火区域5は本体部コーン41により包囲されている。
本体部コーン41は、金属材料や繊維強化樹脂等の適宜な材料を用いて形成されている。
テールコーン4が、コーン41,42に分割されることなく一体に形成されていてもよい。
本体部コーン41の下部には、図2に示すように、APU3に外気を吸入するための吸気口6(第1開口)が、本体部コーン41を板厚方向に貫通して形成されている。この吸気口6に通じる吸気ダクト30(図3)が、本体部コーン41の内側に配置されている。
なお、吸気口6は、本体部コーン41の下部以外の箇所、例えば左右いずれかの側壁に形成されている場合もあり、その場合は吸気ダクト30が横向きに配置される。
本実施形態の吸気口6は、略矩形状に形成されているが、吸気口6の形状は、これに限らず、円形や楕円形であってもよい。
本体部コーン41には、外部からの異物等が吸気口6に入るのを防ぐメッシュ6Aが取り付けられている。異物侵入防止のためのメッシュが取り付けられる部材は、本体部コーン41には限らず、同様のメッシュを例えば吸気ダクト30に取り付けることもできる。
以下では、吸気口6の中心および吸気口6の周縁部601を結ぶ方向のことを径方向D1と言うものとする。
テールコーン4内の整備のため、本体部コーン41において、吸気口6と、その周囲を含む所定の領域は、取り外し可能なアクセスパネル7(図2、図4)として構成されている。
本実施形態では、アクセスパネル7よりも前側の領域も、取り外し可能なアクセスパネル8として構成されている。アクセスパネル7,8は、テールコーン4の形状に倣って湾曲している。
本体部コーン41の本体パネル411には、アクセスパネル7に対応するパネル開口9(第2開口)が形成されている。アクセスパネル7が取り外されると、アクセスパネル8の後端とノズル部コーン42の前端との間にパネル開口9が開放される。
アクセスパネル7は、パネル開口9の周縁部に、パネル開口9を開閉可能に設けられている。
パネル開口9の周縁部は、図2および図4に示すように、補強材10,11により補強されている。補強材10(図2、図4)は、本体パネル411に締結されている。補強材11(図2)は、アクセスパネル7とアクセスパネル8とに跨るようにアクセスパネル7,8に締結されている。
図3および図4に示すように、アクセスパネル7に形成されている吸気口6の周縁部601に沿って補強枠板12が配置されている。補強枠板12が、メッシュ6Aを取り囲むフレーム6Bと共にアクセスパネル7にリベットまたはファスナで締結されることにより、吸気口6の周縁部601が補強されるとともに、アクセスパネル7にメッシュ6Aが取り付けられる。
テールコーン4の内部を整備する作業に必要なスペースや、テールコーン4内の装備品の位置等を考慮し、アクセスパネル7,8により開閉される領域を適宜に設定することができる。アクセスパネル7とアクセスパネル8とを一体に構成することもできる。
さて、吸気ダクト30とアクセスパネル7との取り合い箇所において、防火区域5の外側へと火炎が出るのを防ぐため、本体部コーン41にはファイアシール構造20が備えられている。吸気ダクト30は、アクセスパネル7と共に防火区域5を区画している。
「ファイアシール」は、防火区域5の内側で発生した火炎が防火区域5の外側に出るのを防ぐことを意味するものとする。
図3に示すように、ファイアシール構造20は、吸気ダクト30の吸気口6側の端部(下端部)に形成されたフランジ31と、アクセスパネル7との間に介在している。
まず、吸気ダクト30の構成を説明する。
吸気ダクト30は、APU本体3B(図1)へと外気を吸入する経路をなす周壁32と、周壁32の下端で径方向外側に突出するフランジ31とを備えており、APU3本体3Bに設けられている。周壁32の内部の図示および説明は省略する。
周壁32の下端により囲まれたダクト開口33は、アクセスパネル7を貫通する吸気口6と同様の形状で同等の大きさに形成されることが好ましい。外気をスムーズに吸入するため、周壁32は、下端よりも上端が後方に位置するように傾斜していることが好ましい。
フランジ31は、アクセスパネル7の裏面との間に所定の間隔をおいて、アクセスパネル7に沿って延在している。
ファイアシール構造20は、吸気ダクト30に備えられた第1部材21(第1部)と、アクセスパネル7に備えられた第2部材22(第2部)とを有している。
第1部材21および第2部材22は、いずれも耐火材から構成されており、これら第1部材21および第2部材22により、吸気ダクト30とアクセスパネル7との間にラビリンス状の間隙であるラビリンス間隙23が形成されている。
「耐火材」は、法規等に基づいて要求される所定の耐火時間に亘り継続して火炎に曝されたとしても、過度な変形や、焼失および滅失を免れるのに足りる十分な耐火性を有するものをいうものとする。
例えば、耐腐食鋼(ステンレス鋼、CRES)、アルミニウム合金、チタン合金、強化繊維としてガラス繊維や炭素繊維を含む繊維強化樹脂(Fiber Reinforced Plastics)、無機物の焼結体、石膏ボード、ハニカムサンドイッチパネル等である耐火材、その他、航空法規が規定する耐火試験に適合した材料から第1部材21および第2部材22を構成することができる。こうした耐火材から、必要な耐火時間に亘り火炎に耐えるのに足りる肉厚で第1部材21および第2部材22を形成すればよい。
上記に例示した他にも、強度確保に必要な剛性を備えた適宜な耐火材から第1部材21および第2部材22を構成することができる。
ファイアシール構造20は、少なくとも所定の耐火時間に亘りラビリンス間隙23を維持することで、防火区域5内の火炎が、第1部材21と第2部との間を突き抜けて防火区域5の外側へと吹き出すのを防ぐ。
図3および図4に示すように、第1部材21は、吸気ダクト30のフランジ31の下側の面に配置されている。第2部材22は、吸気口6の周囲で第1部材21に対向している。
これら第1部材21および第2部材22は、補強枠板12よりも外周に位置し、第1部材21はフランジ31に締結され、第2部材22はアクセスパネル7に締結されている。
第1部材21および第2部材22のいずれも、吸気口6の周縁部601に沿って、吸気口6を全周に亘り囲むように配置されている。これら第1部材21および第2部材22の間に、全周に亘りラビリンス間隙23が形成されている。
図3および図4を参照し、ラビリンス間隙23について具体的に説明する。
第1部材21は、吸気口6の径方向D1において対向する一対のフランジ211,212と、一対のフランジ211,212を連結するウェブ213とを備えたチャンネル状(断面略C字状)の部材である。第1部材21は、吸気口6の周縁部601に沿って環状に形成されている。
フランジ211,212は、吸気ダクト30のフランジ31からアクセスパネル7に向けて突出している。これらフランジ211,212のことを以下では「第1壁」と称する。
第2部材22は、アクセスパネル7からフランジ31に向けて突出した第2壁221を含んで断面略I字状に形成されており、吸気口6の周縁部601に沿って環状に形成されている。
第2壁221は、径方向D1において第1壁211,212とは異なる位置、具体的には、第1壁211,212の間に位置している。
なお、チャンネル形状の第1部材21に代えて、断面略I字状あるいは断面L字状に形成された2つの第1部材を用いることもできる。
本実施形態の第1壁211,212および第2壁221はそれぞれ、フランジ31またはアクセスパネル7に対してほぼ垂直に起立しているが、これらが、フランジ31およびアクセスパネル7に対して傾斜するように起立していてもよい。
第1壁211,212の各々の先端とアクセスパネル7との間、そして第2壁221の先端と第1部材21のウェブ213との間にはそれぞれ、隙間C(クリアランス)が存在している。つまり、第1部材21と第2部材22とは接触していない。
図4に示すように、アクセスパネル7が本体パネル411から取り外されると、吸気ダクト30に残される第1部材21に対して、アクセスパネル7に備えられた第2部材22が分離される。
なお、着脱可能なファスナによりメッシュ6Aのフレーム6Bがアクセスパネル7に締結されている場合には、アクセスパネル7の全体ではなく、吸気口6に対応するメッシュ6Aおよびフレーム6Bを取り外して吸気口6を開放させることもできる。この場合は、第2部材22が第1部材21と共にアクセスパネル7に残される。
空力荷重や振動等の外力による吸気ダクト30とアクセスパネル7との相対的な変位や、アクセスパネル7を本体パネル411から取り外す際の第1部材21に対する第2部材22の軌跡等に基づいて、第1部材21と第2部材22との干渉を避ける必要がある。第1部材21と第2部材22とが干渉しないように、さらに、火炎の突き抜けをより確実に防ぐように、隙間Cの寸法や、第1壁211,212と第2壁221とが上下方向にオーバーラップする寸法、第1壁211、第2壁221、および第1壁212の隣り合うもの同士の間隔等について適宜に定めることができる。
図4を参照し、ファイアシール構造20によるファイアシールの作用について説明する。
火炎は、防火区域5の内側から外側に向けて、フランジ31とアクセスパネル7との間を通過しようとする。ここで、第1壁211、第2壁221、および第1壁212は、フランジ31とアクセスパネル7との間を径方向D1にほぼ沿って火炎が進行する方向に対して直交する向きに、互い違いに突出している。これらの3つの壁211,221,212により、火炎が進行する方向に対して蛇行するラビリンス間隙23が形成されている。そのため、曲がりくねったラビリンス(迷路)状の間隙23に、迷路の入口、つまり、径方向D1外側に位置する第1壁211の先端とアクセスパネル7との間から火炎Fが入り込んだとしても、火炎Fの直進する性質に基づいて火炎Fは曲がらないので、火炎Fの進行が、第2壁221や第1壁212によって阻止される。
つまり、ラビリンス間隙23により、フランジ31とアクセスパネル7との間を通じて防火区域5の内側から外側へと火炎Fが進行するのを防ぐことができる。
第1部材21および第2部材22はいずれも耐火材から構成されており、火炎に曝される状況下、必要な耐火時間に亘り、第1部材21と第2部材22との間にラビリンス間隙23を維持する。そのため、ファイアシール構造20によれば、防火区域5内で発生した火炎が防火区域5の外側に出るのを耐火時間に亘って防ぐことができる。
ファイアシール構造20によれば、第1部材21および第2部材22自体が、ゴム材料から構成された弾性シールと比べて長時間に亘り火炎に耐え、ラビリンス間隙23が維持されている限りファイアシール性能が十分に確保されるため、火炎から第1部材21および第2部材22を遮蔽する部材を付加することなく、ファイアシール性能を向上させることができる。そのため、機体重量の低減にも寄与することができる。
ここで、金属材料から構成されていて第1部材21および第2部材22と同等の耐火性を有する金属弾性シールによりフランジ31とアクセスパネル7との間の隙間を閉塞することで火炎の突き抜けを防ぐとすれば、ゴム材料から構成された弾性シールを用いる場合と比べて、火炎に曝された際に弾性シールが溶融、焼失するまでの時間を遅らせることができる。
しかしながら、ゴム材料から構成された弾性シールよりも弾性率の高い金属弾性シールをフランジ31とアクセスパネル7との間に十分に加圧し、火炎に曝される状況下にあっても封止に必要な反発力を安定して得ることは、重量増加に繋がるゴムシール周辺の構造補強なくしては実現が難しい。
しかも、火炎の突き抜けを防ぐために弾性シールを用いる場合には、弾性変形時の弾性シールの形状や反発力、フランジ31およびアクセスパネル7のそれぞれの表面との密着性等に関し、火炎に曝される状況を想定した十分な検証が必要となる。
ファイアシール構造20によれば、弾性シールにより火炎の突き抜けを防ぐ場合と比べて、フランジ31とアクセスパネル7との間が確実に閉塞されることを検証するための膨大な試験等の負担を大幅に軽減できる。航空法規の規定する耐火材によりラビリンス間隙23が形成されている限り、所定の耐火時間に亘り、放射される火炎に曝される状況にファイアシール構造20を置く試験によって、ファイアシール性能が保持されていることを実証するだけで足りる。そのため、ファイアシール性能が確保されているファイアシール構造20を短い開発期間により供給することができる。
さらに、第1部材21と第2部材22とが非接触であるため、ファイアシール構造20は、弾性シールが用いられる場合とは違って摩耗によるファイアシール性能の低下が生じず、寿命が長い。したがって、ファイアシール性能の確保に必要な点検や交換等の負担を軽減することができる。ファイアシール構造20によれば、航空機のライフサイクルに相当する期間に亘るメンテナンスフリーの実現も可能となる。
ファイアシール構造20は、吸気ダクト30とアクセスパネル7との取り合い箇所を火炎が突き抜けて防火区域5の外側へと吹き出すのを防ぐために、フランジ31とアクセスパネル7との間を閉塞することなく、第1部材21および第2部材22によってラビリンス間隙23を形成する。第1部材21と第2部材22とは非接触であり、分離可能であるため、第1部材21が備えられた吸気ダクト30に対して、第2部材22が備えられたアクセスパネル7を取り外すことができる。つまり、ファイアシール構造20は、取り外し可能なアクセスパネル7にも適合する。
なお、本実施形態では、ファスナを取り外すことにより全周に亘り本体パネル411から取り外しが可能なアクセスパネルを例示するが、本体パネル411に対してヒンジ部を中心に回動されることでパネル開口9を開閉可能なアクセスパネル(アクセス扉)にもファイアシール構造20を適用することができる。
〔第1実施形態の変形例〕
第1実施形態では、図4に示すように、2つの壁211,212を有する第1部材21と、1つの壁221を有する第2部材22とによってラビリンス間隙23が形成されているが、これに限らず、適宜な形態の第1部材および第2部材によってラビリンス間隙23を構成することができる。
図5(a)に示すファイアシール構造50は、吸気ダクト30のフランジ31に備えられる第1部材51と、アクセスパネル7に備えられるチャンネル状(断面略C字状)の第2部材52とを有している。
第2部材52のフランジである一対の第2壁521,522の間に、第1部材51の第1壁511が位置するように、第1部材51をフランジ31に設置し、第2部材52をアクセスパネル7に設置することにより、第1部材51と第2部材52との間にラビリンス間隙23を形成している。
防火区域5に臨んでいるラビリンス間隙23の入口231に火炎Fが入ったとしても、直進する火炎Fの進行方向の前方に位置する第1壁511と第2壁522とによって火炎Fの進行を妨げることができる。
図6(a)に示す例では、いずれもチャンネル状の第1部材21および第2部材52を用いて、第1部材21と第2部材52との間にラビリンス状の間隙23を形成している。
第1部材21の一対の第1壁211,212と、第2部材52の一対の第2壁521,522とは、互い違いに配置されている。なお、第2壁521,522の間に第1壁212が位置するように、第1部材21と第2部材52とが配置されていてもよい。
図6(a)に示す構成によれば、フランジ31とアクセスパネル7との間に4つの壁521,211,522,212が存在するので、放射される火炎Fの突き抜けを抑止する効果が高い。
もっとも、本発明のファイアシール構造は、図6(b)に示すように、ラビリンス間隙23の入口231を形成する壁62(第2部)と、入口231から入り込んだ火炎Fが突き当たる壁61(第1部)との少なくとも2つを備えていれば足りる。壁61よりも径方向D1内側に壁62を配置することもできる。
隙間Cの寸法や、壁61と壁62とがオーバーラップする寸法や、火炎の進行方向における壁61と壁62との間隔等を適切に設定することで、壁の数を減らして軽量化を図りつつ、火炎Fの突き抜けを十分に防ぐことができる。
図5(b)に、アクセスパネル7に備えられた第2部材52が、その付近に位置する補強材を兼ねることで、機体重量の低減に寄与可能な変形例を示す。
この変形例では、第2部材52によって吸気口6の周縁部601が補強されている。第2部材52のウェブ523が、メッシュ6Aのフレーム6Bと共にアクセスパネル7に締結されることで、吸気口6の周縁部601を補強するとともに、アクセスパネル7にメッシュ6Aを取り付ける役割を担う。ウェブ523をアクセスパネル7に重ねて締結することにより、補強枠板12と同等あるいはそれ以上に周縁部601の強度を確保できる。
つまり、第2部材52が、図5(a)の補強枠板12を兼ねており、第2部材52により吸気口6の周縁部601の強度を確保できるので、補強枠板12が必要ない。さらに、補強枠板12の位置に第2部材52を配置することができるため、図5(a)の構成と比べて第2部材52を径方向D1内側に配置することができる。
以上より、補強枠板12、および補強枠板12をアクセスパネル7およびフレーム6Bに締結する部材が必要なく、しかも、第2部材52を小径に形成することができるので、機体の重量を低減することもできる。
チャンネル状の第2部材52(図5(b))の代わりに、断面L字状や断面I字状の第2部材を用いて周縁部601を補強することもできる。そうした第2部材によってアクセスパネル7が裏側から支持されることで周縁部601が補強されることとなる。
上述した実施形態および変形例では、第1部材(21,51,61)が吸気ダクト30に設置され、第2部材(22,52,62)がアクセスパネル7に設置されているが、重量低減を図る観点より、第1部材を吸気ダクト30に一体成形し、第2部材をアクセスパネル7に一体成形することができる。
本発明のファイアシール構造において、第1部材が吸気ダクト30に「備えられる」ことは、吸気ダクト30に第1部材21等が締結部材により設置されることの他に、吸気ダクト30に第1部材21等が一体成形されることも包含する。
同様に、第2部材がアクセスパネル7に「備えられる」ことは、アクセスパネル7に第2部材22等が締結部材により設置されることの他に、アクセスパネル7に第2部材22等が一体成形されることも包含する。
例えば、図5(a)に示されているように、アクセスパネル7の裏面に締結されている第2部材52をアクセスパネル7に一体成形するものとすると、図7に示すように、アクセスパネル7から起立する壁521,522を有するように、第2部材52がアクセスパネル7に一体成形される。例えば、繊維強化樹脂や金属材料を用いたアクセスパネル7の成形時に、第2部材52を成形可能である。こうすると、ウェブ523(図5(a))や、締結部材が必要ない分、重量を低減することができる。
図4、図5(b)、図6(a)、および図6(b)にそれぞれ示す第2部材(22,52,62)も、アクセスパネル7に一体成形することができる。
また、第1部材21,41,51も、吸気ダクト30のフランジ31に一体成形することができる。
〔第2実施形態〕
次に、図8を参照し、本発明の第2実施形態について説明する。
第2実施形態のファイアシール構造80は、ラビリンス間隙23を吸気口6の径方向D1内側で塞ぐシール部材81を備えている。
図8に示すように、第2部材52の第2壁521,522のうち、径方向D1内側に位置する第2壁522に、ゴム材料を用いて形成されたシール部材81が締結されている。このシール部材81は、第2壁522の先端とフランジ31との間の隙間(ラビリンス間隙23の出口232)を塞いでいる。シール部材81は、ラビリンス間隙23の出口232を第1部材51および第2部材52の全周に亘り塞いでいる。
シール部材81としては、図8に示すような板ばね状のもの、あるいは、中空のバルブシール等、ラビリンス出口232をなす部材同士の間で圧縮されて弾性変形する適宜な部材を用いることができる。
シール部材81によりラビリンス出口232が閉塞されているため、吸気口6からの外気の吸入に伴って、ラビリンス間隙23へと外気が入ったり、防火区域5内の空気(可燃性ガスを含む)がラビリンス間隙23から出たりといった空気の出入りが生じるのを防ぐことができる。そのため、必要な吸気流量に対して適切に定められた吸気口6および吸気ダクト30の圧力損失に基づいて、所定量の外気をAPU3へと吸入することができる。
防火区域5の内側から外側に向かう火炎Fの進行は、ラビリンス間隙23をなす第1壁511および第2壁522により妨げられるため、シール部材81は、火炎を防火区域5の外に出さないようにラビリンス出口232を閉塞している必要がない。
シール部材81は火炎に直接曝されないため、シール部材81には、第1部材51および第2部材52が備えている程の耐火性が必要ない。航空法規の防火要求の観点上、火炎の熱によるシール部材81の変形や溶融は許容される。
したがって、シール部材81は、ゴム材料の中では比較的耐火性が高いシリコーンゴム等よりも安価な、一般的なゴム材料を用いて形成することができる。
シール部材81は、ラビリンス間隙23を径方向D1内側で塞いで、ラビリンス間隙23を通じた空気の出入りを抑えるものであれば十分であるため、火炎に耐える肉厚は必要ない。機体重量の低減を考慮し、第2壁522の先端とフランジ31との間を塞ぐ目的に足りる厚みや幅のシール部材81を用いることが好ましい。
シール部材81に代えて、ブラシのように、ラビリンス間隙23を通じた空気の出入りに対して大きな抵抗を与える部材を用いることもできる。第2壁522とフランジ31との間に介在し、空気の流れに抵抗を与えるブラシのような部材も、ラビリンス出口232を塞ぐ本発明の閉塞部材に含まれるものとする。
シール部材81は、第1部材51および第2部材52のいずれか一方に設けることができる。第1実施形態(図4)や変形例(図5(a)、図6(a)、図6(b)、図7)のいずれの構成においても、シール部材81を適用することができる。
仮に、ダクト30が排気ダクトである場合にも、所定の排気量を実現するため、ラビリンス出口232をシール部材81により塞ぐことが有効である。
上記以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
APU3の位置は、機体の後端部には限定されない。例えば、主翼の基端部付近に設置されるAPUの周りの防火区域についても、本発明のファイアシール構造を適用することができる。
また、本発明のファイアシール構造は、APU3の周りに設定された防火区域5に限らず、航空機の他の防火区域にも適用することができる。
例えば、航空機のメインのエンジンの本体の周りに設定された、図示しない防火区域を区画するエンジンナセル(パネル)に形成された開口に通じる任意のダクト(吸気ダクトや排気ダクト等)と、エンジンナセルとの取り合い箇所に、本発明のファイアシール構造を適用することができる。「エンジンナセル」には、逆推力装置(スラストリバーサー)として構成されているものが含まれる。ターボファンエンジンの場合、ファンにより吸い込まれて後方へと噴出する空気の流路よりも内周側にダクトが位置し、そのダクトに通じる開口が当該流路に臨むように構成することができる。
エンジン本体の周りの防火区域に用いられるファイアシール構造にも、上述した変形例(図5〜図8)の構成を適用することができる。
1 航空機
3 補助動力装置(APU)
3A 排気口
3B APU本体
3C 排気ノズル
4 テールコーン
4A 隔壁
4B 壁
5 防火区域
6 吸気口(開口、第1開口)
6A メッシュ
6B フレーム
7 アクセスパネル
8 アクセスパネル
9 パネル開口(第2開口)
10,11 補強材
12 補強枠板
20 ファイアシール構造
21 第1部材(第1部)
22 第2部材(第2部)
23 ラビリンス間隙
30 吸気ダクト
31 フランジ
32 周壁
33 ダクト開口
41 本体部コーン
42 ノズル部コーン
50 ファイアシール構造
51 第1部材(第1部)
52 第2部材(第2部)
61 壁(第1部)
62 壁(第2部)
80 ファイアシール構造
81 シール部材(閉塞部材)
211,212 第1壁
213 ウェブ
221 第2壁
231 入口
232 出口
411 本体パネル
511 第1壁
521,522 第2壁
523 ウェブ
601 周縁部
C 隙間
D1 径方向
F 火炎

Claims (11)

  1. 航空機の防火区域の外側へと火炎が出るのを防ぐファイアシール構造であって、
    前記防火区域を区画するパネルと、前記パネルに形成された開口に通じ、前記パネルと共に前記防火区域を区画するダクトとの取り合い箇所において、前記ダクトに備えられる第1部と、
    前記開口の周囲で前記第1部に対向し、前記パネルに備えられる第2部と、を有し、
    いずれも耐火材から構成された前記第1部および前記第2部により、前記ダクトと前記パネルとの間にラビリンス状の間隙が形成されている、
    ことを特徴とする航空機用のファイアシール構造。
  2. 前記第1部および前記第2部は、
    前記開口を全周に亘り囲むように配置され、
    前記ラビリンス状の間隙は、
    前記第1部および前記第2部の全周に亘り形成されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の航空機用のファイアシール構造。
  3. 前記パネルは、
    前記開口である第1開口が形成され前記第1開口の周縁に沿って前記第2部が備えられたアクセスパネルと、
    前記アクセスパネルに対応する第2開口が形成された本体パネルと、を備え、
    前記アクセスパネルは、前記第2開口の周縁部に、前記第2開口を開閉可能に設けられている、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の航空機用のファイアシール構造。
  4. 前記第2部によって前記開口の周縁部が補強されている、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の航空機用のファイアシール構造。
  5. 前記パネルは、航空機の補助動力装置を収容するテールコーンを構成し、
    前記ダクトは、前記補助動力装置による前記開口を通じた吸気に用いられる、
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の航空機用のファイアシール構造。
  6. 前記第1部は、前記ダクトから前記パネルに向けて突出する第1壁を有し、
    前記第2部は、前記開口の径方向において前記第1壁とは異なる位置で前記パネルから前記ダクトに向けて突出する第2壁を有し、
    前記第1壁および前記第2壁により、前記ダクトおよび前記パネルの間に前記ラビリンス状の間隙が形成されている、
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の航空機用のファイアシール構造。
  7. 前記第1部は、
    前記径方向において対向する一対のフランジと、前記一対のフランジを連結するウェブとを備えたチャンネル状の部材であり、
    前記一対のフランジである一対の前記第1壁と、前記一対の第1壁の間に位置する前記第2壁と、を含む少なくとも3つの壁によって前記ラビリンス状の間隙が形成されている、
    ことを特徴とする請求項6に記載の航空機用のファイアシール構造。
  8. 前記第2部は、
    前記径方向において対向する一対のフランジと、前記一対のフランジを連結するウェブとを備えたチャンネル状の部材であり、
    前記一対のフランジである一対の前記第2壁と、前記一対の第2壁の間に位置する前記第1壁と、を含む少なくとも3つの壁によって前記ラビリンス状の間隙が形成されている、
    ことを特徴とする請求項6に記載の航空機用のファイアシール構造。
  9. 前記第1部および前記第2部はいずれも、
    前記径方向において対向する一対のフランジと、前記一対のフランジを連結するウェブとを備えたチャンネル状の部材であり、
    前記第1部の前記一対のフランジである一対の前記第1壁と、前記第2部の前記一対のフランジである一対の前記第2壁とは、互い違いに配置されている、
    ことを特徴とする請求項6に記載の航空機用のファイアシール構造。
  10. 前記ラビリンス状の間隙は、
    前記第1部および前記第2部のいずれか一方に設けられた閉塞部材により、前記開口の径方向内側で塞がれている、
    ことを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の航空機用のファイアシール構造。
  11. 請求項1から10のいずれか一項に記載のファイアシール構造を備える、
    ことを特徴とする航空機。
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