本発明に係る遊技機の実施形態について、遊技機の一種である弾球遊技機の一例としてのパチンコ機100を説明し、その後に変形例や他の種類の遊技機を説明する。まず、パチンコ機100の実施形態について、構造的な構成、電気的な構成、各種の制御処理を順に説明する。
<構造的な構成>
まず、図1から図9を主に参照して、パチンコ機100の構造部分の構成について説明する。図1〜図4は、パチンコ機100の各種状態を示す斜視図であり、図1はパチンコ機100の閉鎖状態を示し、図2は外枠101に対して前ブロック102及び中間ブロック103が一体的に開放されている状態を示し、図3は中間ブロック103に対して前ブロック102が開放されている状態を示し、図4は中間ブロック103に対して後ブロック104が開放されている状態を示している。また、図5は、パチンコ機100の正面図であり、図6は、図5の状態からパチンコ機100の前ブロック102を取り外した状態を示している。なお、各図において各種の配線は省略されており、また、図3及び図6において遊技盤400の構成の一部は省略されている。
パチンコ機100は、例えば、図1〜図4に示すように、外枠101と、前ブロック102と、中間ブロック103と、後ブロック104とを備え、これら各部位を所定の操作により相対的に変位可能に構成されている。
外枠101は、パチンコ機100の本体部分を支持する本体支持手段としての機能を有している。外枠101は、例えば、図2に示すように、天板部111、底板部112、左側板部113及び右側板部114が組み付けられた略四辺形状の枠体であり、パチンコ機100を設置する遊技場に設けられた遊技機設置設備(島設備)に嵌め込まれると共に固定具(図示せず)によって強固に固定される。なお、パチンコ機100において外枠101は必須の構成ではなく、外枠101又は外枠101と同一の内形形状を有し、外枠101を除いたパチンコ機100の構成に相当する本体部分を支持する支持機構や、その本体部分を施錠する施錠機構の一部が島設備に備え付けられた構成としても良い。
外枠101における左右方向の一方側(左側板部113側)には、中間ブロック支持機構121,122が設けられている。この中間ブロック支持機構121,122によって外枠101と中間ブロック103とが接続(連結)され、パチンコ機100の本体部分が、パチンコ機100の正面視における左右方向の一端側(左側)を回動基端側とし、他端側(右側)を回動先端側として前方へ回動可能に構成されている。
中間ブロック支持機構121,122は、例えば、図1に示すように、外枠101の上端部と下端部とに離間して設けられている。中間ブロック支持機構121,122の各々は、例えば、外枠101に設けられる軸支持部によって、中間ブロック103に設けられる軸部が下側より支持され、軸支持部に設けられる軸孔に軸部が差し込まれた状態とされることにより、回動可能に構成されている。なお、中間ブロック103を含むパチンコ機100の本体部分を回動可能とする構成は、上記構成に限らず、中間ブロック103側に軸孔を設け、外枠101側に軸部を形成するなど、他の構成としても良い。
中間ブロック支持機構121,122には、所定の取り外し操作によって外枠101と中間ブロック103との接続状態を解除する機能が設けられ、中間ブロック103を含むパチンコ機100の本体部分が外枠101に対して取り外し可能に取り付けられている。例えば、外枠101に対して中間ブロック103を一定量以上開放し、且つ、上方側へ一定量移動させるという所定の取り外し操作をすることにより、外枠101に対する中間ブロック103の接続状態が解除される。これにより、外枠101に対してパチンコ機100の本体部分が取り外し可能とされている。
中間ブロック103に対して前側には、前ブロック102が重なるようにして配置され、正面視左側に設けられる前ブロック支持機構131,132によって中間ブロック103と前ブロック102とが接続されている。前ブロック支持機構131,132は、中間ブロック支持機構121,122と同様の構成とされ、中間ブロック103に対して前ブロック102を前方へ回動可能に支持し、且つ、所定の取り外し操作により取り外し可能に構成されている。
中間ブロック103に対して後側には、後ブロック104が重なるようにして配置され、正面視左側に設けられる後ブロック支持機構136,137(図8参照)によって中間ブロック103と後ブロック104とが接続されている。後ブロック支持機構136,137には、中間ブロック支持機構121,122及び前ブロック支持機構131,132と同様の構成とされ、中間ブロック103に対して後ブロック104を後方へ回動可能に支持し、且つ、所定の取り外し操作により取り外し可能に支持する構成とされている。
また、パチンコ機100には、外枠101に対する中間ブロック103の開閉を規制する中間ブロック施錠機構と、中間ブロック103に対する前ブロック102の開閉を規制する前ブロック施錠機構と、中間ブロック施錠機構及び前ブロック施錠機構の解錠や施錠を行うために操作される錠操作機構とが設けられている。また、図3に示すように、中間ブロック103には、前ブロック102の開口を通してパチンコ機100の前面側に露出する錠操作機構としてのキーシリンダ141が設けられている。
キーシリンダ141に対する所定の操作として、操作キー(図示せず)による右回転操作をした場合には、中間ブロック103に設けられた中間ブロック施錠機構の可動部143が作動する。これにより、中間ブロック施錠機構の一部として外枠101に設けられた被係合部142と可動部143との係合が解除されて、中間ブロック103は外枠101に対して開閉許容状態となる。
一方、キーシリンダ141に対する所定の操作キーによる左回転操作に応じて、中間ブロック103に設けられた前ブロック施錠機構の可動部144が作動する。これにより、前ブロック施錠機構の一部として前ブロック102に設けられた被係合部145と可動部144との係合が解除されて、前ブロック102は中間ブロック103に対して開閉許容状態となる。
また、パチンコ機100には、中間ブロック103に対する後ブロック104の開閉を規制する後ブロック開閉規制機構が設けられている。この後ブロック開閉規制機構により、中間ブロック103に対して後ブロック104は、開閉が禁止された状態(開閉禁止状態)と開閉が許容された状態(開閉許容状態)とを所定の操作によって切り替え可能とされている。
後ブロック開閉規制機構は、例えば、図4に示すように、中間ブロック103に設けられる2つの開閉規制部150A,150Bと、後ブロック104に設けられる1つの開閉規制部150Cとによって構成されている。これら3つの開閉規制部150A〜150Cには、回転操作が可能な回動片151A〜151Cが設けられている。回動片151A〜151Cは、回転操作により、後ブロック104の閉鎖状態において前後に重なるように配置される開口部分との係合状態が変化し、これにより、開閉禁止状態に対応した開閉禁止姿勢と、開閉許容状態に対応した開閉許容姿勢とを切り替え操作可能とされている。全ての回動片151A〜151Cを開閉許容姿勢にすると各回動片151A〜151Cが開口を通過可能となって、後ブロック104が中間ブロック103に対して開閉許容状態となる。なお、開閉禁止姿勢及び開閉許容姿勢としては、開閉禁止状態と開閉許容状態が回動片151A〜151Cの位置及び向きの少なくともいずれかの変化により切り替えられれば良く、一定位置で回転のみする構成としても良いし、一定方向に移動する構成としても良いし、移動と回転との組合せにより動作する構成としても良い。以下、各装置における構成部材が複数の姿勢の間を移行する場合における姿勢の変化についても同様とする。
3つの回動片151A〜151Cのうち、それらの一部に相当する2つの回動片151A,151Bは、図2に示すように、後ブロック104の開閉禁止状態において後ブロック104に形成された開口を通してパチンコ機100の背面側に露出し、残り部分に相当する1つの回動片151Cは、図6に示すように、中間ブロック103の前側に露出している。このため、パチンコ機100の背面側、又は中間ブロック103の前面側といった一方側からの操作だけでは、全ての回動片151A〜151Cを開閉許容姿勢に切り替えることはできず、これにより、防犯性が高められている。
また、パチンコ機100には、中間ブロック103から前ブロック102への遊技球の移動を規制する遊技球移動規制機構が設けられている。遊技球移動規制機構は、例えば、図3及び図6に示すように、中間ブロック103に設けられた流下規制片161と、前ブロック102に設けられた規制変更部162との組合せにより構成され、前ブロック102が位置する前方側へ流下規制片161がコイルバネ(図示せず)により付勢される構成とされている。
中間ブロック103に対して前ブロック102が閉鎖された状態(前ブロック102の閉鎖状態)においては、流下規制片161は、遊技球の流下を許容する移動許容状態とされ、具体的には、規制変更部162により中間ブロック103の後方側へ押圧されて押し込まれる。流下規制片161は、移動許容状態において中間ブロック103から前ブロック102に遊技球を誘導するための誘導通路(図示せず)に対して後側にずれて配置される。これにより、前ブロック102の閉鎖状態においては、中間ブロック103から前ブロック102への遊技球の移動が許容される。
一方、中間ブロック103に対して前ブロック102が開放された状態(前ブロック102の開放状態)においては、規制変更部162による流下規制片161の押圧が解除され、前ブロック102の閉鎖状態に比べて流下規制片161が前ブロック102側へ突出する移動禁止状態とされる。流下規制片161は、移動禁止状態において誘導通路内に突出し、下流側への遊技球の流下を阻止する。これにより、中間ブロック103から前ブロック102への遊技球の移動が禁止される。
また、パチンコ機100には、図2に示すように、例えば中間ブロック103の後側であって回動先端側(背面視左側)における下端部に、外枠101に対して中間ブロック103が閉鎖されているか否かを検出する開閉検出スイッチ108が設けられ、また、図3に示すように、例えば中間ブロック103の前側であって回動先端側(正面視右側)における下端部に、中間ブロック103に対して前ブロック102が閉鎖されているか否かを検出する開閉検出スイッチ109が設けられている。
次に、前ブロック102、中間ブロック103及び後ブロック104の各構成について順に説明する。
前ブロック102は、図1及び図3に示すように、パチンコ機100の前面の略全体を形成し、前後方向に厚みを有する略長方形状の部材であり、パチンコ機100の前側表面部分を装飾する前面装飾手段としての機能を有している。前ブロック102は、合成樹脂製の基枠201を主体に構成され、基枠201の前後に複数の機能部品を取り付けて構成されている。基枠201の前面側には、パチンコ機100の前面を形成する前面装飾体210が、前ブロック102の正面視中央部分を含んで形成される開口210Aの外縁に沿って開口210Aを囲った状態にして取り付けられている。前ブロック102を構成する基枠201と前面装飾体210とを組み合わせた状態においては、前面装飾体210が取り付けられた外周部を除いた広範囲にわたって開口210Aが前後方向に貫通形成される。この開口210Aを通じて、前ブロック102の後側に位置する遊技盤400を含む中間ブロック103が遊技者から視認可能に構成されている。
また、前ブロック102には、図1及び図3に示すように、開口210Aを塞ぐように基枠201の背面側に設けられた中央パネル220と、遊技球を貯留する主貯留機構230と、遊技球を貯留する補助貯留機構240と、主貯留機構230に貯留されている遊技球を発射するために遊技者によって操作される発射操作装置250とを備えている。
また、前ブロック102には、図1及び図5に示すように、前面装飾体210の一部として、開口210Aの周縁を囲う開口周縁部211と、開口210Aに対して下側において前方に突出する上側突出部217と、上側突出部217に対して下側に位置して前方に突出する下側突出部218と、下側突出部218の右側であって上側突出部217及び下側突出部218より奥側に位置する概ね平坦な領域で構成されて発射操作装置250が配置される平坦部219とが形成されている。上側突出部217には、主貯留機構230が配置され、下側突出部218には、補助貯留機構240が配置される。
中央パネル220は、基枠201と前面装飾体210とを組み合わせた状態において前後方向に貫通形成される開口210Aを塞ぎつつ後方側を視認可能とするカバー体としての機能を有している。中央パネル220は、例えば、図1及び図3に示すように、基枠201の後方側から取着されるパネル枠221(図3参照)と、パネル枠221の前側に嵌め込まれた光透過性の前方板222(図1参照)と、パネル枠221の後側に前方板222と所定の間隙を隔てて略平行に嵌め込まれた光透過性の後方板223(図3参照)とを備えている。
主貯留機構230は、遊技進行に応じて獲得した遊技球や、遊技場から貸し出された遊技球を貯留する機能を有している。主貯留機構230は、例えば、図1に示すように、貯留部231と、球抜き機構(図示せず)と、その球抜き機構を作動させる球抜き操作部材232とを備えている。貯留部231には、パチンコ機100の内部から貯留部231へ遊技球を流入させる流入口231Aと、貯留部231からパチンコ機100の内部へ遊技球を流出させる流出口(図示せず)と、流出口より上流側に形成される放出口(図示せず)とが設けられている。この放出口の開放により貯留部231から遊技球がパチンコ機100の内部に取り込まれることなく遊技者側に放出される。球抜き機構は、遊技球の放出先を、流出口と放出口との間で切り換える機能を有している。
遊技進行に応じて獲得した遊技球や、後述する貸出操作装置292に対する貸出操作に応じて貸し出された遊技球は、主に流入口231Aを通して貯留部231に流入する。また、貯留部231は、上方側に開口形成されており、この開口部分を通じて、遊技者が所有する遊技球が手操作により投入されたり、遊技場において貸し出される遊技球が供給されたりする。
貯留部231に流入した遊技球は一列に整列させられながら流出口及び放出口の形成されている側(図1の右上側)へ順次に案内される。球抜き操作部材232に対する球抜き操作(例えば、押下操作)が行われていない場合には遊技球は流出口を通して後述する発射装置330(図3参照)に誘導される。一方、球抜き操作部材232に対する球抜き操作が行われている場合には、遊技球は放出口を通して補助貯留機構240(図1参照)に誘導される。
補助貯留機構240は、図1及び図5に示すように、遊技球の流入口241A,241C(図5参照)及び放出口241B(図1参照)を有する貯留部241と、放出口241Bを開閉させる球抜き機構243と、その球抜き機構243を作動させる球抜き操作部材242とを備えている。遊技進行に応じて獲得した遊技球等は主に主貯留機構230に流入するが貯留部231が満杯であれば流入口241Aを通して貯留部241に流入する。また、球抜き操作部材232に対する球抜き操作に応じても、遊技球は流入口241Cを通して貯留部231から貯留部241に流入する。
貯留部241の底面は放出口241Bに向けて下降傾斜している。球抜き操作部材242に対する球抜き操作(例えば、押圧操作)によって放出口241Bを開放すると、貯留部241に貯留されている全ての遊技球を順次にパチンコ機100の外部に放出できる。なお、球抜き操作部材242に対する球抜き操作によって放出口241Bが完全に開放された場合には、球抜き操作部材242に対する復帰操作(例えば、再度の押圧操作)がなされるまで、その開放状態に維持される。流入口241Aの奥方には貯留部241に過剰に遊技球が貯留されているか否かを検出する球溢れスイッチ249(図10参照)が設けられている。
発射操作装置250は、図1及び図5に示すように、前面装飾体210の平坦部219から前方に突出する台座251と、台座251の周囲に設けられた回動自在な発射ハンドル252と、発射ハンドル252の回転操作量を検出する可変抵抗器253(図10参照)と、発射ハンドル252に遊技者が接触していることを検出する接触センサ254(図10参照)と、発射ハンドル252の回転操作に伴う遊技球の射出を遊技者の操作によって無効化する発射停止スイッチ255(図5参照)とを含んでいる。遊技者によって発射ハンドル252が回転操作されると、その回転操作量に対応する強度で発射装置330(図3参照)から遊技球が遊技盤400(図3参照)に向けて射出される。なお、接触センサ254によって発射ハンドル252と遊技者との接触が検出されていない場合や、発射停止スイッチ255の操作によって発射操作が無効化されている場合には、発射ハンドル252が回転操作されていても発射装置330から遊技球は射出されない。
また、前ブロック102における前面装飾体210の奥方には、枠発光装置271〜275(図10参照)が設けられている。枠発光装置271〜275は、前面装飾体210の開口周縁部211に対して奥側に重なるようにして配置され、基枠201に取り付けられている。開口周縁部211は、図5に示すように、上側中央縁部211Aと、上側中央縁部211Aに対して左右両側に位置する左上側縁部211B及び右上側縁部211Cと、左上側縁部211Bに対して下側に位置する左側縁部211Dと、右上側縁部211Cに対して下側に位置する右側縁部211Eとを発光部として有し、それぞれの発光部に対応して枠発光装置271〜275が設置されている。
枠発光装置271〜275は、上側中央縁部211Aに対応する上中央枠発光装置271と、左上側縁部211Bに対応する左上枠発光装置272と、右上側縁部211Cに対応する右上枠発光装置273と、左側縁部211Dに対応する左側枠発光装置274と、右側縁部211Eに対応する右側枠発光装置275(図10参照)とにより構成されている。枠発光装置271〜275の各々は、1又は複数の発光手段としての発光ダイオード(LED)と、LEDを制御するための抵抗等の電子部品と、これら電子部品を一体化して電気的に接続するプリント基板とを有している。
また、前ブロック102には、図5に示すように、例えばその開口周縁部211の上部に、左上音響出力口211Fと、右上音響出力口211Gとが設けられ、また、それら左上音響出力口211F及び右上音響出力口211Gのそれぞれに対応して左上音響装置281及び右上音響装置282(図3及び図10参照)が設けられている。左上音響装置281及び右上音響装置282は、前面装飾体210の開口周縁部211の奥方(後方)に位置するようにして基枠201に取り付けられている。
また、前ブロック102には、図1に示すように、例えば上側突出部217の上面右側部分に、遊技球貸出装置290が設けられている。遊技球貸出装置290は、パチンコ機100に並んで配置されるカードユニット(図示せず)に投入された紙幣やカード等の残額に応じた数値を表示する度数表示装置291と、遊技球の貸し出しを受ける際に遊技者によって操作される貸出操作装置292と、カードユニットに投入された紙幣やカード等を返却させる際に遊技者によって操作される返却操作装置293とを含んでいる。カードユニットに紙幣やカード等を投入して、それらの金額に対応する数値が度数表示装置291に表示されている有効状態において、貸出操作装置292に対して貸出操作が行われると、貸出操作に応じて所定の個数の遊技球が後ブロック104の払出装置540(図8参照)から貸し出され、遊技球の貸し出しに伴って度数表示装置291の表示が更新される。一方、有効状態において返却操作装置293に対して返却操作が行われると、返却操作に応じて残額に対応する紙幣の等価物や残額を記録したカードがカードユニットから返却される。
また、前ブロック102には、図1に示すように、遊技者によって発射操作とは別の入力操作が可能な入力操作装置260が設けられている。入力操作装置260は、例えば、押込操作が可能な押圧操作装置261と、回転操作が可能な回転操作装置262と、上下左右の方向操作が可能な選択操作装置263とを備えている。これら操作装置261〜263により、パチンコ機100において実行される演出を選択する演出選択操作や、パチンコ機100の演出を実行する各装置の音量や光量を設定する装置設定操作、或いは、遊技者に関する情報を入力して前回以前の遊技に応じたパチンコ機100の演出を実行可能とする演出設定操作等が実行可能とされ、これら操作を必要に応じて遊技者や遊技場の管理者が実行可能とされている。なお、入力操作装置260において遊技者が接触する入力操作部(例えば、回転操作装置262における円環状の回転操作部)は、モータやソレノイド等の入力操作部駆動手段によって回転、上下動、又は、振動等の動作がパチンコ機100の制御(例えば、副制御基板940(図10参照)の制御)により実行可能に構成されることが好ましく、入力操作の前後、又は、入力操作中のいずれか又は複数のタイミングで入力部分を動作させることにより、入力操作を積極的に促すなど入力操作を伴う演出を多様にすることができる。
次に、中間ブロック103について説明する。中間ブロック103は、前ブロック102と略同一サイズの略長方形状をした部材であり、前ブロック102と後ブロック104とが取り付けられることにより、パチンコ機100の本体部分を一体化した状態にする機能を有している。中間ブロック103は、基枠301に対して遊技盤400を含む複数の機能部品を取り付けて構成されている。
中間ブロック103は、図3及び図4に示すように、開口を有する基枠301と、基枠301の開口を覆いつつ前面側より取着される遊技盤400(図3参照)と、基枠301に対して遊技盤400を回動自在及び着脱自在に支持する遊技盤支持機構と、基枠301に対して遊技盤400の位置を固定する遊技盤固定機構と、遊技盤400に遊技球を射出する発射装置330(図3参照)と、遊技盤400の背面側に装着されて遊技進行を統括的に制御する主制御装置370(図4参照)と、主制御装置370からの命令に基づいて遊技演出や状態報知を制御する副制御装置390(図4参照)とを備えている。
基枠301には、図3に示すように、後述する払出装置540(図8参照)から放出された遊技球を前ブロック102に誘導する誘導通路が内部に形成される誘導通路部301Aと、複数の配線(図示せず)や信号中継装置311が位置する開孔301Bとが設けられている。開孔301Bは、遊技盤400より下側において前後方向に貫通する形状をなし、開孔301Bに挿通される複数の配線は、前ブロック102に設けられる種々の装置(例えば、枠発光装置271〜275、左上音響装置281及び右上音響装置282)と、中間ブロック103の背面側や後ブロック104に設けられる装置(例えば、主制御装置370や副制御装置390)とを電気的に接続するための配線を含み、信号中継装置311は、その配線の一部を中継する中継基板としての機能を有している。
遊技盤400は、図3に示すように、排出口401A等の遊技球が前後に通過可能な貫通孔を有する平板状の基体401と、基体401の左下から右上に亘り滑らかに湾曲する外レール402と、基体401の右下から左上に亘り滑らかに湾曲する内レール403と、内レール403の左上側の先端に取着された戻り球防止機構404と、外レール402の右上側の先端に取着される反跳防止部材405とを備えている。外レール402は、後述する発射装置330から発射された遊技球を遊技領域内へ誘導するものである。戻り球防止機構404は、外レール402及び内レール403が平行に対向する間部分で形成される発射通路401Bから遊技領域内へ一旦放出された遊技球が発射通路401Bに戻ることを防止する。反跳防止部材405は、遊技盤400の上部中央を越えて右側に向かった遊技球が再び上部中央を経由して左側に戻るような遊技球の大幅な反跳を防止する衝撃吸収性を有し、例えば、制振ゴム等の材料により形成されている。
前ブロック102の背面側下部には、図3に示すように、戻り球通路部163が形成されている。発射装置330から発射通路401Bの方向へ遊技球を誘導する誘導部材335と外レール402との間には間隙があり、発射装置330から発射されたが戻り球防止機構404を超えるに至らず発射通路401Bを逆戻りする遊技球は、この間隙の下方に配置される戻り球通路部163を介して流入口241A(図5参照)から補助貯留機構240(図5参照)に返却される。
戻り球防止機構404を超えて進行した遊技球は、遊技領域に到達し、遊技領域内を自重により落下しながら移動(流下)する。遊技領域は、略円形状の外周形状をなし、遊技球の直径より僅かに大きな前後幅を有する領域を大部分とする形状に区画されている。遊技領域は、概ね、外レール402及び内レール403とで外周部分が区画され、前側が中央パネル220の後方板223によって略平面状に区画され、後側が遊技盤400の基体401によって略平面状に区画されている。なお、遊技領域に設けられる各種の構造物については後述する。
発射装置330は、図3に示すように、主貯留機構230に貯留されている遊技球を順次に発射位置に送り出す球送り機構331と、球送り機構331を駆動する球送りソレノイド332(図10参照)と、発射位置に配置された遊技球を射出する発射機構333と、発射機構333を駆動する発射ソレノイド334(図10参照)と、発射機構333から発射された遊技球を遊技盤400の発射通路401Bに誘導する誘導部材335とを備えている。発射装置330は、上述のように発射操作装置250に対する発射操作に応じて作動し、発射操作装置250に対する発射操作に応じて発射ソレノイド334の駆動制御が変化して発射力が調整される。
主制御装置370は、図4に示すように、主制御基板920(図10参照)と、主制御基板920を収容する2つ割り構造の基板ケース371とを備えている。主制御基板920は、痕跡を残さずには開封できないように封止された透光性を有する基板ケース371の内部に収容されている。
また、主制御装置370は、遊技盤400の背面側に回動自在に取り付けられている。具体的には、遊技盤400の基体401に対して背面側に取り付け部372が回動可能に連結固定され、その取り付け部372に主制御装置370が取り付けられている。これにより、主制御装置370の背面側(表面側)だけでなく、取り付け部372を回動操作することで主制御装置370の前面側(裏面側)も、遊技盤400に主制御装置370を取り付けたままで容易に確認可能とされている。取り付け部372に対して主制御装置370は、痕跡を残さずには取り外しできないように連結しても良く、主制御装置370の取り外し状況を管理し易くしても良い。
副制御装置390は、副制御基板940(図10参照)と、副制御基板940を収容する2つ割り構造の基板ケース391とを備えている。副制御基板940は、例えば、主制御基板920と同様に痕跡を残さずには開封できないように封止された透光性を有する基板ケース391の内部に収容された状態にして遊技盤400の背面側に取り付けられている。
ここで、遊技盤400において、遊技領域に配置される各種の構造物について、図7を主に参照して説明する。図7は、遊技盤400の正面図である。
遊技盤400は、図7に示すように、基体401と、遊技球の流下方向や流下速度に変化を与える釘411や風車412等の流下変化部材と、基体401の概ね中央に配置された中央構造体420と、中央構造体420に対して下側に配置された第1特別図柄に係る始動装置(具体的には、上側中始動入賞装置431A及び下側中始動入賞装置431B)と、中央構造体420に対して右下側に配置された第2特別図柄に係る始動装置(具体的には、右始動入賞装置432)と、右始動入賞装置432の下方に配置された大入賞装置433,434(具体的には、下大入賞装置433及び上大入賞装置434)と、右始動入賞装置432の上側(上流側)に配置された普通図柄に係る始動装置436と、遊技盤400の右上側であって上下の大入賞装置433,434に対して上方(上流側)に配置された役連作動装置435と、下側中始動入賞装置431Bの左右両側に配置された一般入賞装置439A,439Bとを備えている。
また、遊技盤400には、上記した上側中始動入賞装置431A等に対応して遊技球の通過を検出する検出手段としてのスイッチが複数設けられており(図10参照)、各スイッチに対応した所定領域への遊技球の進入が検出可能とされている。例えば、上側中始動入賞装置431Aに進入した遊技球を検出する中始動入賞スイッチ(上側中始動入賞スイッチ441A)、下側中始動入賞装置431Bに進入した遊技球を検出する中始動入賞スイッチ(下側中始動入賞スイッチ441B)、右始動入賞装置432に進入した遊技球を検出する右始動入賞スイッチ442、下大入賞装置433に進入した遊技球を検出する下大入賞スイッチ443、上大入賞装置434に進入した遊技球を検出する上大入賞スイッチ444、役連作動装置435に進入した遊技球を検出する役連作動スイッチ445、始動装置436に進入した遊技球を検出する始動スイッチ446、下大入賞装置433の内部に形成された非特定通路(図示せず)に進入した遊技球を検出する非特定通路スイッチ447、下大入賞装置433の内部に形成された特定通路(図示せず)に進入した遊技球を検出する特定通路スイッチ448、一般入賞装置439A,439Bに進入した遊技球を各々検出する一般入賞スイッチ449A,449B等が遊技盤400に設置されている。
また、遊技盤400には、不正防止のために各種センサが設けられており(図10参照)、パチンコ機100に発生した異常を検出可能とされている。例えば、パチンコ機100の正面側から磁石を近づけて遊技領域を流下する遊技球の流下状態を変化させる不正を検出するための磁気センサ491、パチンコ機100へ振動を加えて遊技領域を流下する遊技球の流下状態を変化させる不正を検出するための振動センサ492、遊技球の通過を検出する各スイッチを誤作動させる不正な電波を検出するための電波センサ493、前ブロック102の不正な開放を検出するために所定の開放状態(例えば、中央パネル220と遊技盤400の前面とが設計許容量を超えて僅かに離間した状態)を検出するための開閉センサ494等が遊技盤400に設置されている。磁気センサ491、振動センサ492、電波センサ493のオン、及び、開閉センサ494のオン状態の一定時間の継続等によって異常状態の発生が検出された場合には、その異常状態の発生が主制御基板920によって検出され、その異常状態の発生に対応した出力制御(例えば、異常状態の発生に対応した発光体の点灯、警告音の出力、異常状態信号の外部出力等の制御)が実行される。
中央構造体420及び始動装置436の遊技球の入口部分は入球口を構成し、各入球口に進入した遊技球は遊技領域に放出される。各入賞装置、具体的には、上側中始動入賞装置431A、下側中始動入賞装置431B、右始動入賞装置432、下大入賞装置433、上大入賞装置434及び一般入賞装置439A,439Bの遊技球の入口部分は入球口を構成し、各入球口に進入した遊技球は基体401に形成された貫通孔を通して基体401の背面側に形成された回収排出通路(図示せず)に案内される。また、各入賞装置に進入しなかった遊技球は、遊技領域の最下流側部分に設けられる排出口401Aを通して回収排出通路へ案内される。回収排出通路に案内された遊技球は、パチンコ機100から遊技場に設けられた遊技球循環装置(図示せず)に排出される。いずれかの入賞装置に遊技球が進入した場合には、入賞装置の種類に応じた所定の個数の遊技球が払出装置540(図8及び図9参照)から払い出される。なお、各入賞装置は、他の入賞装置と別々に構成されても良いし、2以上の入賞装置(例えば、上側中始動入賞装置431A及び下側中始動入賞装置431B)が一体化された装置によって入賞装置が構成されても良く、また、上側中始動入賞装置431A等の始動装置については必ずしも遊技球が進入した場合に所定の個数の遊技球が払い出される入球口とする必要はなく、遊技球が払い出されることなく遊技領域に再び放出される入球口としても良い。
第1特別図柄に係る上側中始動入賞装置431A及び下側中始動入賞装置431B、並びに、一般入賞装置439A及び一般入賞装置439Bの各々は、それらへの遊技球の進入確率を変化させず、進入した遊技球を基体401の背面側へ誘導する。また、第2特別図柄に係る右始動入賞装置432は、その内部への遊技球の進入確率を変化させる機構を有している。なお、遊技球の進入確率を変化させる機構は、第2特別図柄に係る始動装置のみに設ける必要はなく、それに代えて、又は、それに加えて、第1特別図柄に係る始動装置、一般入賞装置439A,439Bのいずれか又は複数に設けても良い。また、遊技球の進入確率を変化させる機構は、電気的に駆動されるソレノイド等の駆動手段により構成しても良いし、所定領域へ入球した遊技球の自重により動作する機構に代表される機械的に動作する機構により構成しても良い。
第2特別図柄に係る右始動入賞装置432は、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間の移行によって、その内部への遊技球の進入確率を変化させる右進入規制機構452と、右進入規制機構452を駆動する右進入規制ソレノイド462(図10参照)とを備えている。右進入規制機構452は、右進入規制ソレノイド462によって駆動される2つの可動片を備えており、右進入規制機構452が進入禁止姿勢である場合には、2つの可動片が進入口(入球口)を狭窄する(又は閉鎖する)配置をとることによって遊技球は右始動入賞装置432に進入できないが、右進入規制機構452が進入許容姿勢である場合には、2つの可動片がそれらの先端部の間隔が拡大するような配置をとることによって遊技球は右始動入賞装置432に進入できるようになる。右進入規制機構452は、普通図柄に係る始動装置436へ進入した遊技球が始動スイッチ446で検出されることに基づく抽選(以下において「普通図柄抽選」とも称す)で当選した場合に、右進入規制ソレノイド462による駆動に応じて所定の回数及び所定の時間だけ進入許容姿勢に移行する。
下大入賞装置433には、図7に示すように、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間の移行によって、その内部への遊技球の進入を規制する下進入規制機構453と、下進入規制機構453の姿勢を変化させる下進入規制ソレノイド463(図10参照)と、非誘導姿勢と誘導姿勢との間の移行によって、下大入賞装置433に進入した遊技球を非特定通路又は特定通路に振り分ける振分機構(図示せず)と、振分機構の姿勢を変化させて遊技球の誘導先を切り換える切換ソレノイド465(図10参照)とが設けられている。下大入賞装置433の下進入規制機構453が進入禁止姿勢である場合には、下進入規制機構453が進入口(入球口)を閉鎖することによって遊技球は下大入賞装置433に進入できないが、下進入規制機構453が進入許容姿勢である場合には、下進入規制機構453が進入口を開放することによって遊技球は下大入賞装置433に進入できるようになる。また、下大入賞装置433に進入した遊技球は、振分機構が前方に突出する非誘導姿勢である場合には非特定通路に案内され、振分機構が後方に没入する誘導姿勢である場合には特定通路に誘導される。特定通路、非特定通路及び振分機構は、遊技状態の移行を多様にするために設けられ、特定通路へ遊技球が進入した場合には、遊技者に特典として有利な遊技状態が付与される。
上大入賞装置434には、図7に示すように、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間の移行によって、その内部への遊技球の進入を規制する上進入規制機構454と、上進入規制機構454の姿勢を変化させる上進入規制ソレノイド464(図10参照)とが設けられている。上進入規制機構454が進入禁止姿勢である場合には、上進入規制機構454が進入口(入球口)を閉鎖することによって遊技球は上大入賞装置434に進入できないが、上進入規制機構454が進入許容姿勢である場合には、上進入規制機構454が進入口を開放することによって遊技球は上大入賞装置434に進入できるようになる。
なお、右進入規制機構452等の内部への遊技球の進入確率を変化させる機構としての進入許容姿勢及び進入禁止姿勢としては、各機構を構成して各装置の入球口(又は入球口)に遊技球が進入可能な特別状態と、遊技球が進入不能な通常状態とを切り替える動作部材の姿勢変化に対応し、各姿勢に応じて動作部材の位置及び向きの少なくともいずれかが異なるものであれば良い。また、右進入規制機構452等の遊技球の進入確率を変化させる機構として、遊技球が進入不能な状態を通常状態とする必要は必ずしもなく、通常状態においても遊技球の進入を許容し、特別状態においては通常状態より遊技球が進入し易い状態に動作部材の姿勢が変化する構成としても良い。
下大入賞装置433及び上大入賞装置434には、大当りの抽選に当選した場合に遊技球が進入可能となる。具体的には、第1特別図柄に係る上側中始動入賞装置431A若しくは下側中始動入賞装置431Bへ進入した遊技球が上側中始動入賞スイッチ441A若しくは下側中始動入賞スイッチ441Bで検出されることに基づく抽選(以下において「第1特別図柄抽選」とも称す)に当選した場合、又は、第2特別図柄に係る右始動入賞装置432へ進入した遊技球が右始動入賞スイッチ442で検出されることに基づく抽選(以下において「第2特別図柄抽選」とも称す)に当選した場合には、下進入規制ソレノイド463又は上進入規制ソレノイド464の少なくとも一方が作動する。この作動によって所定の回数に亘り所定の時間だけ下進入規制機構453又は上進入規制機構454の少なくとも一方が進入許容姿勢をとる。また、振分機構は、下進入規制機構453の進入許容姿勢への移行から所定の時間後に切換ソレノイド465の作動に応じて誘導姿勢に移行し、更に誘導姿勢への移行から所定の時間後に切換ソレノイド465の停止に応じて非誘導姿勢に戻る。
役連作動装置435は、下大入賞装置433及び上大入賞装置434が作動を開始するために必要な条件を設定するための装置である。大当りの抽選に当選した後には、役連作動装置435の遊技球の通過を条件として、下大入賞装置433又は上大入賞装置434のいずれかが作動を開始する。このため、遊技者は、大当りに当選した場合、自らの意図するタイミングで特別遊技状態を開始させることができる。なお、必ずしも役連作動装置435の遊技球の通過を条件として、下大入賞装置433又は上大入賞装置434のいずれかが作動を開始する構成とする必要はなく、それに代えて、又は、それに加えて、予め定めた時間の経過により下大入賞装置433又は上大入賞装置434のいずれかが作動を開始する構成としても良い。
また、遊技盤400には、図7に示すように、図柄の変動表示や抽選結果を表示する表示装置471〜473と、遊技の保留回数を表示する表示装置476〜478とが一体化された複数の発光部を有する表示器が、遊技盤400の一部に相当する左下部分に設けられている。複数の発光部は、各装置に対応する発光領域に予め区画され、各装置の状態が発光状態によって表示される。
具体的には、遊技盤400には、第1特別図柄抽選に伴って、第1特別図柄を変動表示したり、第1特別図柄を抽選結果に応じた停止図柄で確定表示したりする第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471と、第2特別図柄抽選に伴って、第2特別図柄を変動表示したり、第2特別図柄を抽選結果に応じた停止図柄で確定表示したりする第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472と、第1特別図柄に係る単位遊技の保留回数を表示する特別図柄保留表示装置476と、第2特別図柄に係る単位遊技の保留回数を表示する特別図柄保留表示装置477とが設けられている。第1特別図柄に係る単位遊技の権利及び第2特別図柄に係る単位遊技の権利はそれぞれ最大4回まで保留される。ここで、単位遊技とは、1回の始動入賞に基づいて実行される1回分の遊技であり、1回の始動入賞に基づいて実行される抽選の当否判定と、その当否判定に基づいた抽選結果を表示するまでの変動表示の開始から終了までを含む一連の遊技をいう。
第1特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されている場合には、始動入賞装置431に進入した遊技球が上側中始動入賞スイッチ441A(図10参照)又は下側中始動入賞スイッチ441B(図10参照)によって検出されたとしても第1特別図柄に係る単位遊技の権利は追加されない。同様に、第2特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されている場合に、右始動入賞装置432に進入した遊技球が右始動入賞スイッチ442(図10参照)によって検出されたとしても第2特別図柄に係る単位遊技の権利は追加されない。
第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471及び第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472の各々は、複数の発光部で構成されており、主制御基板920(図10参照)によって制御される。第1特別図柄の表示及び第2特別図柄の表示の各々は、複数の発光部の発光パターン(発光色を含む発光状態(消灯、点灯、点滅)の組合せ)によって表現される。第1特別図柄に係る特別図柄保留表示装置476及び第2特別図柄に係る特別図柄保留表示装置477は、2個の単色の発光部の発光状態(消灯、点灯、点滅)の組合せによって保留回数を表示する。
また、遊技盤400には、普通図柄抽選に伴って、普通図柄を変動表示したり、普通図柄を抽選結果に応じた停止図柄で確定表示したりする普通図柄表示装置473と、普通図柄に係る単位遊技の権利の保留回数を表示する普通図柄保留表示装置478とが設けられている。普通図柄に係る単位遊技の権利は最大4回まで保留される。普通図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されている場合には、始動装置436に進入した遊技球が始動スイッチ446によって検出されたとしても普通図柄に係る単位遊技の権利は追加されない。
普通図柄表示装置473は、複数の発光部で構成されており、主制御基板920(図10参照)によって制御される。普通図柄は、複数の発光部の発光パターンによって表現される。また、普通図柄保留表示装置478は、2個の単色の発光部の発光状態(消灯、点灯、点滅)の組合せによって保留回数を表示する。
また、遊技盤400には、中央構造体420の後方に重なるようにして、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る単位遊技において、装飾図柄を変動表示したり、装飾図柄を確定表示したりする装飾図柄表示装置479が設けられている。装飾図柄の変動表示及び確定表示は、副制御基板940により制御され、主制御基板920による第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示及び確定表示と同期している。装飾図柄の変動表示においては、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示よりも複雑かつ多様な演出が実行される。なお、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示及び確定表示と装飾図柄の変動表示及び確定表示とは、必ずしも完全に一致するタイミングで変動開始したり、確定表示として停止表示をしたりする必要はなく、各タイミングに僅かな時間差を設けつつ略同じタイミングで変動を開始し、略同じタイミングで確定表示が行われる設定としても良い。
また、遊技盤400は、各種の構造物の裏側に設けられた盤面発光装置490(図10参照)を備えており、盤面発光装置490は、副制御基板940による制御に基づいて遊技進行に伴う各種の発光演出や発光による状態報知を実行する。
ここで、各種の遊技状態及び遊技状態間の移行について説明する。通常時の遊技状態(以下において「通常遊技状態」とも略記する)は、第1特別図柄、第2特別図柄及び普通図柄の変動表示時間が長い状態(以下において「非時短状態」とも称す)に対応する。
第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選において大当りに当選した場合には、その当選に基づいて移行する特別遊技状態中に遊技球が特定通路(下大入賞装置433の内部通路)へ進入するか否かに対応して、特別遊技状態後に移行する遊技状態が異なる。特別遊技状態中に遊技球が特定通路へ進入しなかった場合には、第1特別図柄抽選、第2特別図柄及び普通図柄の変動表示時間が非時短状態よりも短い状態(以下において「時短状態」とも称す)であって、かつ、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選における大当りの当選確率が通常遊技状態と同一の状態(以下において「低確率状態」とも称す)である遊技状態(以下において「時短遊技状態」とも称す)へ移行する。一方、特別遊技状態中に遊技球が特定通路へ進入した場合には、時短状態であって、かつ、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選における大当りの当選確率が通常遊技状態より高い状態(以下において「高確率状態」とも称す)である遊技状態(以下において「確変遊技状態」とも称す)へ移行する。
時短遊技状態は、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る単位遊技の総数が所定の回数(例えば、50回)となるまで維持されるが、その後は通常遊技状態に戻る。また、確変遊技状態は、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る単位遊技の総数が所定の回数(例えば、100回)となるまで維持されるが、その後は通常遊技状態に戻る。
なお、遊技状態及び遊技状態間の移行について、必ずしも上述した構成とする必要はなく、例えば、高確率状態が次回の大当りの当選まで継続する構成としても良いし、他の内容によって上記遊技状態の少なくとも1つを構成しても良いし、上述した各遊技状態とは別の遊技状態を更に含む構成としても良いし、上述した条件とは異なる条件によって遊技状態間が移行する構成としても良い。
次に、遊技盤400の主要な装置の動作について概ね時系列に沿って説明する。主制御基板920においては、特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄で共通)に係る当選乱数、大当り図柄乱数、停止パターン乱数、各種の変動パターン乱数が生成されており、各種の遊技状態において第1特別図柄に係る始動入賞装置431A,431Bのいずれかに進入した遊技球が中始動入賞スイッチ441A,441B(図10参照)のいずれかによって検出された場合に第1特別図柄の始動入賞となる。第1特別図柄の始動入賞時に、第1特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されていない場合には、特別図柄に係る当選乱数、大当り図柄乱数及び停止パターン乱数が取得されて、主制御基板920のRAMの所定の領域に格納される。
第1特別図柄の始動入賞に基づいて取得された乱数による単位遊技は、特別遊技状態中でなく、第1特別図柄又は第2特別図柄に係る単位遊技中でもなく、第1特別図柄に係る単位遊技の権利が保留されていない場合には、それらの乱数の格納の直後に開始される。また、特別遊技状態中でない場合であっても、第1特別図柄又は第2特別図柄に係る単位遊技中や第1特別図柄又は第2特別図柄に係る単位遊技の権利が保留されている場合には、今回の入賞より前に保留されていた全ての特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)に係る単位遊技の終了後に、今回の始動入賞に基づく単位遊技が開始される。特別遊技状態中に第1特別図柄の始動入賞に基づいて各乱数が取得された場合には、その乱数による単位遊技は、特別遊技状態後において今回の始動入賞より前に保留されていた全ての特別図柄に係る単位遊技の後に開始される。
また、第1特別図柄の始動入賞に基づいて取得された乱数による単位遊技は、第2特別図柄に係る全ての単位遊技の終了後に開始される。すなわち、今回の始動入賞の後に第2特別図柄の始動入賞に基づいて各乱数が取得された場合には、その第2特別図柄の始動入賞に基づく単位遊技が優先して実行される。なお、必ずしも第2特別図柄の始動入賞に基づく単位遊技が第1特別図柄に係る単位遊技に優先して実行される構成とする必要はなく、始動入賞の順に第1特別図柄と第2特別図柄に係る単位優位制御が実行される構成であっても良いし、2つの特別図柄が択一的でなく同時に変動可能な構成であっても良い。
第1特別図柄の始動入賞に基づく第1特別図柄抽選において大当りに当選している場合には、更に、取得された大当り図柄乱数に基づいて第1特別図柄抽選の大当り当選に対応する停止図柄(大当り図柄)の種類が決定される。この停止図柄の種類と大当りの種類とが対応し、例えば、下進入規制機構453又は上進入規制機構454が進入許容姿勢をとる回数に相当するラウンド数(例えば、6ラウンドと16ラウンド)や、特別遊技状態後に移行する遊技状態(確変遊技状態へ移行させるか否か)といった遊技状態の種類に対応して大当りの種類が複数種類設定され、その種類毎に大当り図柄が設定されている。第1特別図柄抽選において大当りに当選しなかった場合には、大当り図柄とは別のハズレ図柄が停止図柄として設定される。
第1特別図柄抽選の後に、現在の遊技状態、抽選結果、停止パターン乱数の値、各種の変動パターン乱数の値、第1特別図柄に係る単位遊技の権利の保留回数に基づいて、第1特別図柄の変動表示時間が決定されると共に、装飾図柄の変動パターンが選択される。その後、第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471における第1特別図柄の変動表示及び装飾図柄表示装置479における装飾図柄の変動表示(変動演出)が開始され、第1特別図柄にあっては変動表示時間に亘って一定のパターンによる変動表示が継続され、装飾図柄にあっては変動表示時間に亘って変動パターンに従った変動表示が継続される。その後、変動表示時間の経過に伴って、第1特別図柄に係る停止図柄が確定表示され、また、装飾図柄として第1特別図柄の停止図柄に対応する図柄が確定表示される。第1特別図柄及び装飾図柄の確定表示は少なくとも所定の一定時間に亘って継続される。
第1特別図柄に係る停止図柄が大当り図柄である場合には、第1特別図柄の確定表示後に、遊技状態は特別遊技状態に移行する。特別遊技状態においては、下大入賞装置433の下進入規制機構453及び上大入賞装置434の上進入規制機構454が、大当りの種類に応じた所定の順序で所定の回数だけ進入許容姿勢となる。下進入規制機構453及び上進入規制機構454における各回の進入許容姿勢中において、所定の個数(例えば、8個)の遊技球が大入賞スイッチ443,444によって検出された場合、又は、所定の最大進入許容時間(例えば、29.5秒)が経過した場合には、下進入規制機構453又は上進入規制機構454は進入禁止姿勢に移行する。その後、所定の進入禁止時間の経過後に、再度、下進入規制機構453又は上進入規制機構454のいずれかが進入許容姿勢に復帰する。この進入規制動作が大当りの種類に対応した所定の順序で所定の回数だけ繰り返される。
下進入規制機構453及び上進入規制機構454は、特別遊技状態中においていずれか一方のみが進入許容姿勢をとる構成とされ、特別遊技状態の開始から所定の待機時間が経過した後(オープニング期間後)に初回の進入許容姿勢に一方が移行する。また、最終回の進入禁止姿勢への復帰から所定の進入禁止時間が経過し、更にその後に所定の待機時間が経過した後(エンディング期間後)に特別遊技状態は終了する。特別遊技状態の終了後には、上述のように、時短遊技状態又は確変遊技状態に移行する。
各種の遊技状態において、第2特別図柄に係る右始動入賞装置432に進入した遊技球が右始動入賞スイッチ442によって検出された場合に第2特別図柄の始動入賞となる。第2特別図柄の始動入賞に基づく単位遊技の制御は、上述した第1特別図柄に係る制御と同様に実行される。すなわち、第2特別図柄の始動入賞時に第2特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されていなければ、特別図柄に係る各乱数が取得されて、この始動入賞に基づく単位遊技が実行される。また、第2特別図柄抽選に応じた停止図柄の決定、装飾図柄の変動パターンの選択、変動表示の実行、及び、遊技状態の移行制御等についても、第1特別図柄に係る制御と同様に実行される。
各種の遊技状態において、始動装置436に進入した遊技球が始動スイッチ446によって検出された場合、普通図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されていなければ、普通図柄に係る当選乱数が取得されて、主制御基板920のRAMの所定の領域に格納される。このとき、普通図柄に係る単位遊技中でなければ、その格納の直後に、その取得された普通図柄に係る単位遊技が開始される。一方、普通図柄に係る単位遊技中であれば、既得の普通図柄に係る単位遊技の権利に基づく単位遊技の終了後に、その取得された普通図柄に係る単位遊技が開始される。
普通図柄に係る単位遊技においては、当選乱数の値に基づいて当選したか否かが判定され、当選した場合には、停止図柄として所定の当り図柄が設定される。一方、普通図柄抽選において当選しなかった場合には、停止図柄として所定のハズレ図柄が設定される。普通図柄抽選後に、普通図柄表示装置473において普通図柄の変動表示が開始され、非時短状態にあっては所定の変動表示時間に亘って一定のパターンによる変動表示が継続され、時短状態にあっては非時短状態よりも短い所定の変動表示時間に亘って一定のパターンによる変動表示が継続される。遊技状態に応じた所定の時間の経過に伴って、普通図柄に係る停止図柄が一定時間に亘って確定表示される。
普通図柄に係る停止図柄が当り図柄である場合には、普通図柄の確定表示後に、右始動入賞装置432の右進入規制機構452が少なくとも1回は進入許容姿勢に移行する。具体的には、非時短状態(通常遊技状態及び特別遊技状態)において当選した場合には、右始動入賞装置432が所定の最大進入許容時間(例えば、略0.1秒)に亘って進入許容状態へ移行し、時短状態(時短遊技状態及び確変遊技状態)における当選の場合には、右始動入賞装置432が非時短状態の場合より長い所定の最大進入許容時間(例えば、略4.8秒)に亘って間欠的に(例えば、3回に分けて)進入許容姿勢に移行する。但し、所定の個数(例えば、10個)の遊技球が右始動入賞スイッチ442によって検出された場合には、右進入規制機構452は最大進入許容時間の経過を待たずに進入禁止姿勢に移行し、また、進入許容姿勢への移行回数が所定の回数に到達していなくても、今回の普通図柄に係る単位遊技における右始動入賞装置432の動作が終了する。
次に、本実施形態のパチンコ機100の遊技性について説明する。第2特別図柄抽選を受けるためには、まず、普通図柄抽選において当選しなければならず、更に、その当選に基づく右始動入賞装置432の進入許容状態において遊技球が右始動入賞装置432へ進入しなければならない。通常遊技状態における普通図柄に係る当りの当選確率は時短遊技状態における当選確率と同一であるが、通常遊技状態における当りの当選に基づく右始動入賞装置432の進入許容状態の滞在時間(例えば、略0.1秒)が時短状態における滞在時間(例えば、略4.8秒)に比べて極めて短く設定されているために、通常遊技状態において、第2特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会は、第1特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会よりも大幅に小さい。逆に、時短遊技状態や確変遊技状態等の時短状態においては、第2特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会は、第1特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会よりも大幅に大きい。
したがって、遊技者は、第1特別図柄抽選において大当りに当選し、その後の特別遊技状態において遊技球を特定通路へ進入させることによる確変遊技状態への移行を目指して遊技する。一方、時短遊技状態及び確変遊技状態においては、各遊技状態が終了する前に第2特別図柄抽選において大当りに当選することを目指して遊技する。
具体的には、遊技盤400には、遊技球が流下する遊技領域の中央部に中央構造体420が設けられ、主に中央構造体420の左側から遊技球を流下させる遊技手法(左打ち遊技手法)と、主に中央構造体420の右側から遊技球を流下させる遊技手法(右打ち遊技手法)とが選択的に行える構成となっている。遊技者は、通常遊技状態においては、左打ち遊技手法によって遊技を行い、時短遊技状態及び確変遊技状態においては、右打ち遊技手法によって遊技を行う。また、下大入賞装置433及び上大入賞装置434が中央構造体420に対して右側に配置されているので、特別遊技状態においても右打ち遊技手法によって遊技を行う。
次に、後ブロック104について説明する。図8及び図9は、それぞれ、パチンコ機100を示す背面側斜視図及び背面図である。なお、図8においては、理解の容易のために、外枠101を省略して示している。
後ブロック104は、図8及び図9に示すように、基体501に他の部材や装置が取着されて構成されている。この基体501と中間ブロック103とが後ブロック支持機構136,137によって接続されることにより、後ブロック104が中間ブロック103に対して開閉可能に支持されている。
後ブロック104は、遊技球を貯留する球貯留部としての遊技球タンク510と、遊技球タンク510の下流側に連続して遊技球を(例えば、1列に)整流させると共に1段に整列させる球整列部としてのタンクレール520と、タンクレール520の下流側においてタンクレール520から流入した遊技球を誘導する球誘導部としてのケースレール530と、ケースレール530の下流側において遊技球の払い出しや遊技球の貸し出しを実行する払出装置540と、払出装置540の下流側において払出装置540から流出した遊技球を基体501に形成された誘導通路(図示せず)に誘導する球誘導部としての誘導部材550と、払出装置540による遊技球の払い出しや遊技球の貸し出しを制御する払出制御装置560と、外部電力を各種の装置等で必要とする所定の電圧の電力に変換して出力する電力供給手段としての機能と発射操作装置250に対する発射操作に基づく遊技球の射出を主制御基板920と協同して制御する発射制御手段としての機能とを有する電源・発射制御装置570と、払出制御装置560及び遊技球貸出装置290(図1参照)とパチンコ機100の側方に配置されるカードユニット(図示せず)との間の信号を中継する中継装置950とを備えている。
基体501は、樹脂(例えば、ABS樹脂)により一体成型されており、前側部分に対応するベース部502と、ベース部502よりも後方に位置した保護カバー部503とを含んでいる。ベース部502は、その上側部分が後ブロック104の外形に沿って略枠状に形成されると共に、下側部分が前後方向に厚みを有する略平坦状に形成されており、他の装置が取り付けられる被取付部としての機能を有している。
保護カバー部503は、前後方向に厚みを有する略板状に形成されている。また、保護カバー部503は、中間ブロック103の背面全域を覆う形状でなく、主制御装置370の一部といった頻繁に検査や確認が必要な中間ブロック103の背面における一部をパチンコ機100の背面に露出するための窓部を形成する大きさに設定されている。保護カバー部503の背面には、主制御装置370及び副制御装置390における発熱の放熱性を向上させる機能を有する多数の通気孔503Aが形成されている。
遊技球タンク510は、上方に開口した横長の箱型容器であり、その長手方向の一端側に、島設備の球循環装置(図示せず)から供給される遊技球が逐次補給される。遊技球タンク510における遊技球の供給される側と異なる長手方向の一端側には開口(図示せず)が形成されている。遊技球タンク510の底面は長手方向に緩やかに傾斜し、遊技球タンク510に供給された遊技球は開口側に自重によって移動する。また、遊技球タンク510の底面は、長手方向に比して、長手方向と直交する方向(前後方向)にも傾斜し、開口が設けられる側(例えば、前側)に優位に遊技球を誘導する。また、遊技球タンク510の底面には、その上に重なるようにして金属製の帯電防止板(図示せず)が取着され、帯電防止板が接地電位に接続されて遊技球タンク510内及びその下流側の遊技球の静電気が除去される。
タンクレール520は、遊技球タンク510の開口が形成される側に取り付けられ、遊技球タンク510の開口を通して遊技球が流入する。タンクレール520は、遊技球が1列に並んで通過する幅を有する略樋状の遊技球の通路を形成する通路形成部材521と、通路形成部材521により形成される通路の上面として次第に高さが低くなる天面部を有してその通路を流下する遊技球を上下に重なった高さから次第に1段の高さに整流する整流部材522とを備えている。タンクレール520により形成される通路は、下流側に向けて緩やかに傾斜しており、遊技球タンク510とは反対側へ遊技球を誘導する。
ケースレール530は、タンクレール520の下側に連続するように縦長に形成されており、タンクレール520からの遊技球が流入する。ケースレール530には、遊技球が勢いよく流れないように左右に湾曲しつつ下方に連続している。また、ケースレール530における球通路の途中部分には、球切れを検出するための球切れ検出部539が設けられている。球切れ検出部539には、貯留球スイッチ591(図10参照)が内蔵され、貯留球スイッチ591によって、ケースレール530又はその上流側で球詰り等が発生してケースレール530内に遊技球が正常に補給されていない球切れ状態を検出する。
払出装置540は、遊技球を送り出す送出機構と、送出機構を駆動する駆動手段としての払出モータ542(図10参照)と、払出計数スイッチ592(図10参照)とを備えている。払出制御装置560による制御に基づく払出モータ542の作動に応じて、球通路に貯留されている遊技球が下流側へ放出される。放出された遊技球の球通路の通過は、払出計数スイッチ592に検出され、これにより、払出制御装置560(払出制御基板930)が遊技球の払い出し数を計数する。
払出制御装置560及び電源・発射制御装置570は、図8及び図9に示すように、後ブロック104の背面側下部に位置するように基体501のベース部502における下部背面に重なるようにして取り付けられている。これら払出制御装置560及び電源・発射制御装置570を含む後ブロック104は、機種変更等において遊技盤400を別の遊技盤に交換した場合にも、継続利用可能とされている。
払出制御装置560は、払出制御基板930(図10参照)と、払出制御基板930を収容する基板ケースとを備え、払出制御基板930は、主制御基板920と同様に、開封の痕跡を残さずに開封できないように封止された基板ケースの内部に収容されている。
電源・発射制御装置570は、電源・発射制御基板900(図10参照)と、電源・発射制御基板900を収容する基板ケースとを備え、電源・発射制御基板900は、主制御基板920と同様に、封止された基板ケースの内部に収容されている。
<電気的な構成>
次に、パチンコ機100の電気的構成について説明する。図10は、パチンコ機100の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機100は、図10に示すように、電源・発射制御基板900、電源監視基板910、主制御基板920、払出制御基板930、副制御基板940等の制御回路装置を備えている。なお、図10において、各種の信号を中継するだけの中継回路装置については省略している。以下に、これらの主要な制御回路装置を個別に詳細に説明する。
電源・発射制御基板900は、パチンコ機100の各部に電源供給路(図中の破線)を介して所定の電圧の電力を供給する電源部901と、発射操作装置250の操作に応じて発射装置330の駆動を制御する発射制御部902と、初期化スイッチ907からの初期化信号や球溢れスイッチ249からの球溢れ信号を中継する信号中継部903とを備えている。
電源部901は、外部より供給される外部電力(例えば、交流24ボルト)を取り込んで内部電力(例えば、直流24ボルト)に変換すると共に、その内部電力から各種の電力を生成する。電源部901により生成される電力は、各種のソレノイドや各種のモータ等の機器を駆動するための駆動用電圧(例えば、直流12ボルト)の電力、各種のスイッチを駆動したり制御処理を実行したりするための制御用電圧(例えば、直流5ボルト)の電力、主制御基板920のRAMの内容を保持させるためのバックアップ用電圧の電力等を含んでいる。
電源部901は、内部電力から生成した各種の電力を、電源監視基板910、主制御基板920、払出制御基板930、副制御基板940等に供給する。具体的には、電源監視基板910に対しては、内部電力、駆動用電圧、制御用電圧及びバックアップ電圧の電力が供給される。主制御基板920に対しては、駆動用電圧、制御用電圧及びバックアップ電圧の電力が供給され、これら電力は、電源監視基板910の電源監視部911を介して供給される。払出制御基板930に対しては、駆動用電圧及び制御用電圧の電力が供給される。副制御基板940に対しては、駆動用電圧及び制御用電圧の電力が供給される。発射制御部902及び信号中継部903に対しては、駆動用電圧及び制御用電圧の電力が供給される。
電源部901には、電源スイッチ909が接続されており、電源スイッチ909がオフ状態である場合には外部電力の取り込みが停止される。なお、電源スイッチ909をオフ状態にしたり、電源スイッチ909を介して電源部901に接続される電源プラグ(図示せず)を外部電力の供給コンセント(図示せず)から抜脱したりすることによってパチンコ機100の内部への電力の供給が停止している状態や、外部電力自体の供給が停止している状態を「停電状態」と総称する。
電源部901は、停電状態への移行後においても所定の期間にわたり制御用電圧の電力を正常に出力するように構成されている。これによって、主制御基板920は、現在の制御状態に復帰できるように状態を保存して制御を終了させることができる。
発射制御部902は、主制御基板920と協同して、発射装置330の球送りソレノイド332及び発射ソレノイド334の駆動を制御する。なお、球送りソレノイド332及び発射ソレノイド334は、所定条件が整っている場合に作動が許可される。具体的には、遊技者が発射ハンドル252(図1参照)に触れていることが接触センサ254からの接触センサ信号に基づいて検知されていること、発射を停止させるための発射停止スイッチ255が操作されていないことを条件に、発射制御部902はオン状態の発射許可信号を主制御基板920に出力する。また、発射許可信号と発射異常信号とに基づいて主制御基板920は発射ソレノイド制御信号及び球送りソレノイド制御信号を発射制御部902に出力する。発射制御部902は、オン状態の球送り制御信号に基づいて球送りソレノイド332を作動させ、オン状態の発射ソレノイド制御信号の受信と可変抵抗器253の抵抗値とに基づいて発射ソレノイド334を作動させる。これによって、発射装置330から可変抵抗器253の抵抗値(発射ハンドル252の回転操作量)に応じた強さで遊技球が順次に発射される。
信号中継部903は、初期化スイッチ907が押下された場合に、主制御基板920へオン状態の初期化信号を出力する。主制御基板920においては、オン状態の初期化信号の受信に応じて主制御基板920のRAMに保存された保存情報を初期化する。なお、初期化スイッチ907は、必ずしも信号中継部903を介して主制御基板920に信号を出力する構成とする必要はなく、例えば、初期化スイッチ907を主制御基板920に直接搭載する等して基板ケース371内に初期化スイッチ907が収容される構成としても良く、これにより信号が伝送される区間を狙った不正な信号入力を抑止することができる。
また、信号中継部903は、球溢れスイッチ249が遊技球を検出した場合に、主制御基板920へオン状態の球溢れ信号を出力する。主制御基板920においては、オン状態の球溢れ信号の検知に基づいて払出制御基板930に低速払出信号を出力し、低速払出信号を受信した払出制御基板930は、払出モータ542の回転速度(払出装置540からの遊技球の払出速度)を低速化させる。また、主制御基板920は、オフ状態の球溢れ信号の検知に基づいて払出制御基板930に高速払出信号を出力し、高速払出信号を受信した払出制御基板930は、払出モータ542の回転速度を高速化させる。
電源監視基板910は、電源・発射制御基板900からの電力供給状態を監視する電源監視部911と、電源・発射制御基板900と主制御基板920との間の電力供給及び各種の信号の伝達を中継する信号中継部912とを含んでいる。電源監視部911は、停電状態への移行に応じて主制御基板920へ停電信号を出力するものでもあり、電源部901から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満である状態が所定の時間だけ継続した場合に停電状態であると判断して、オン状態の停電信号を主制御基板920へ出力する。主制御基板920は、オン状態の停電信号の受信によって停電状態への移行を認識する。
主制御基板920は、パチンコ機100の動作を統括的に制御する。主制御基板920には、1チップマイコンとしてのMPU(図示せず)が搭載されている。MPUは、演算処理装置としてのCPU(図示せず)と、CPUにより実行される各種の制御プログラムや固定データを記憶したROM(図示せず)と、制御プログラムの実行に際して一時的に各種のデータ等を記憶するRAM(図示せず)とを含んでいる。主制御基板920には、その他、タイマ回路(図示せず)、カウンタ回路(図示せず)、クロック発生回路(図示せず)、信号送受信回路(図示せず)等の各種回路が搭載されている。主制御基板920のRAMは、停電状態への移行後においても電源・発射制御基板900からのバックアップ電圧の電力供給によって内部データを維持(バックアップ)できる構成となっている。
払出制御基板930は、主制御基板920からの指示に応じた払出装置540による遊技球の払い出し動作や遊技球貸出装置290の操作に応じた払出装置540による遊技球の貸し出し動作を制御する。払出制御基板930は、主制御基板920と同様に、CPU(図示せず)、ROM(図示せず)及びRAM(図示せず)を含む1チップマイコンとしてのMPU(図示せず)、タイマ回路(図示せず)、カウンタ回路(図示せず)、クロック発生回路(図示せず)、信号送受信回路(図示せず)等の各種回路が搭載されている。払出制御基板930は、他の装置と情報通信可能に接続する接続手段としての入出力ポートが搭載されており、例えば、主制御基板920及び中継装置950とは双方向の情報入出力通信が可能に接続され、開閉検出スイッチ108,109、貯留球スイッチ591、及び、払出計数スイッチ592とは、一方向のみの情報入力通信のみが可能に接続され、払出モータ542とは、一方向のみの情報出力通信のみが可能に接続されている。なお、払出制御基板930のRAMは、主制御基板920のRAMと同様に、停電状態において一定の期間にわたって内部データを維持可能とするバックアップ機能を有する構成としても良いし、主制御基板920のRAMとは異なり、停電状態において内部データを維持しない構成としても良い。
副制御基板940は、主制御基板920からの指示に基づいて、各種の演出装置や各種の発光装置や各種の音響装置等の動作を制御する。副制御基板940は、他の装置と情報通信可能に接続する接続手段としての入出力ポートが搭載されており、例えば、主制御基板920とは一方向のみの情報入力通信のみが可能に接続され、入力操作装置260とは双方向に情報通信可能に接続され、装飾図柄表示装置479等とは一方向の情報出力通信のみが可能に接続されている。
また、副制御基板940には、動画装置駆動手段630が接続されている。動画装置駆動手段630は、装飾図柄表示装置479を移動させるための駆動力を発生するものであり、例えば、モータやソレノイドにより構成されている。遊技盤400に取り付けられた装飾図柄表示装置479は、移動動作不能に固定的に配置されてもよいが、前後方向、上下方向、左右方向、或いは、斜め方向に移動可能に構成されても、前後方向、左右方向、上下方向、或いは、斜め方向を中心に回動可能に構成されてもよく、この場合には、装飾図柄表示装置479を、移動又は回動のいずれかの変位動作を含むように変位可能に支持する支持機構が遊技盤400に設けられる。
<各種の制御処理>
次に、主制御基板920によって実行される各種の制御処理について説明する。主制御基板920における制御処理は、大別すると、停電状態からの復帰に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本形態では2ms(ミリ秒)周期で)メイン処理に割込みをかけて実行されるタイマ割込み処理とで構成されている。
まず、図11を参照して、主制御基板920によって実行されるメイン処理について説明する。図11は、主制御基板920のメイン処理(図11においては「主制御メイン処理」と略記)を示すフローチャートである。
主制御基板920のメイン処理において、まず、主制御基板920の立ち上げや各種の情報を初期設定するための一連の制御開始処理(プログラム開始処理S1001〜乱数初期設定処理S1019)が一度だけ実行され、その後は、割込みを禁止する割込み禁止処理S1020と、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタ(RAMの一部の領域)及び大当り図柄乱数初期値カウンタ(RAMの一部の領域)並びに普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタ(RAMの一部の領域)の値を更新する乱数初期値更新処理S1021と、変動時間や変動パターン等を決定するための第1の変動種別カウンタ〜第4の変動種別カウンタ(RAMの一部の領域)の値を更新する変動用カウンタ更新処理S1022と、割込みを許可する割込み許可処理S1023とが繰り返し実行される。なお、割込み許可処理S1023の前にタイマ割込みの要求が発生した場合には、割込み許可処理S1023の直後にタイマ割込み処理が実行される。
一連の制御開始処理において、プログラムの実行を制御するスタックポインタ(RAMの一部の領域)に初期値を設定するプログラム開始処理S1001と、割込みモードを設定する割込みモード設定処理S1002と、払出制御基板930及び副制御基板940等が立ち上がるまで所定の時間だけ待機する立上待機処理S1003とが実行される。
立上待機処理S1003の後に、電源・発射制御基板900の初期化スイッチ907からの初期化信号の出力状態の判定処理S1004、停電情報(RAMの一部の領域)の値の判定処理S1005、保存情報の記憶状態の判定処理S1007が行われ、これらの判定結果に基づいてRAMの保存情報を消去するか否かが判定される。ここで、保存情報とは、停電前の遊技の状態に復帰させるために必要な情報であって、停電前に遊技の進行に応じて更新されていたRAMの一部の領域に対応し、実行中の単位遊技に関するカウンタの値や、始動入賞によって格納されたカウンタの値等が例示される。
保存情報の記憶状態は、次のように判定される。まず、RAMの所定の範囲の記憶領域に対するチェックサム値を算出して(チェックサム算出処理S1006)、その現在のチェックサム値と前回の停電状態への移行に伴い停電監視処理S1202(図12参照)において算出されたチェックサム値の2の補数であるRAM判定値との排他的論理和が「0」であるか否か(判定処理S1007)が判定され、これにより、現在のチェックサム値と停電状態への移行時のチェックサム値とが同一であるか否かが判定される。
初期化信号がオン状態である場合(S1004:Y)、停電情報が停電状態への移行時に保存情報を保存して終了したことを示す所定の停電値でない場合(S1005:N)、又は、保存情報が正常に保持されていない場合(S1007:N)には、RAMの保存情報を消去するRAMクリア処理S1008が実行される。保存情報が正常に保持されていると判断された後(S1007:Y)、又は、RAMクリア処理S1008が実行された後には、主制御基板920に接続されている各種の装置を初期化するハードウェア初期化処理S1009が実行される。
ハードウェア初期化処理S1009の後には、停電情報が停電値であるか否かの判定処理S1010が実行される。停電情報が停電値である場合(S1010:N)には、保持情報の復帰を含め各種の情報を初期設定するRAM復帰設定処理S1011と、その設定完了を示す復帰コマンドが設定される(復帰コマンド出力処理S1012)。RAM復帰設定処理S1011における保持情報の復帰によって、前回の停電状態への移行直前の制御状態に主制御基板920の制御状態が復帰する。
一方、停電情報が停電値でない場合(S1010:Y)には、保持情報の復帰は行わずに各種の情報が初期設定され(RAM初期設定処理S1013)、その設定完了を示す初期化コマンドが出力される(初期化コマンド出力処理S1014)。
なお、RAM復帰設定処理S1011及びRAM初期設定処理S1013において、停電情報は停電値と異なる所定の通電値に設定され、また、前回の停電状態への移行直前において不正検知エラー等の各種のエラー状態が発生していてもそれらのエラー状態は全て解除される。また、主制御基板920から払出制御基板930及び副制御基板940の双方に復帰コマンドか初期化コマンドのいずれかが出力され、復帰コマンド又は初期化コマンドを受信した払出制御基板930及び副制御基板940の各々においても所定の初期化処理が実行される。
立上時の状況に応じたRAMの初期設定(判定処理S1004〜初期化コマンド出力処理S1014)の後に、前回の停電状態への移行時に条件装置が作動していた場合には、特別遊技状態に復帰させるための準備が行われる(特別遊技状態復帰準備処理S1015)。具体的には、特別遊技状態復帰準備処理S1015においては、条件装置と役物連続作動装置の作動状態が判定され、停電状態時における遊技の状況に対応した処理が、副制御基板940において実行される。
特別遊技状態復帰準備処理S1015の後には、時短状態フラグが設定されているか否かを判定することにより時短状態であるか非時短状態であるかが判定され(判定処理S1016)、時短状態である場合(S1016:Y)には、時短コマンドが出力される(時短コマンド出力処理S1017)。一方、非時短状態である場合(S1016:N)には、非時短コマンドが出力される(非時短コマンド出力処理S1018)。その後、特別図柄に係る当選乱数カウンタ(RAMの一部の領域)の値が初期化される(乱数初期設定処理S1019)。
次に、図12を参照して、主制御基板920によって実行されるタイマ割込み処理について説明する。図12は、主制御基板920によって実行されるタイマ割込み処理(図中では「主制御割込み処理」と略記)を示したフローチャートである。
主制御基板920のタイマ割込み処理では、まず、タイマ割込みを開始させるための割込み開始処理S1201が実行される。具体的には、割込み制御レジスタに所定の値が設定される。これにより、本タイマ割込み以外の割込みが禁止される。その後に、パチンコ機100の遊技の進行制御や各種センサの監視等といった実質的な制御に係る停電監視処理S1202〜外部情報出力処理S1221が順次に実行される。但し、各種の不正の検知に基づいて遊技進行が停止されている場合(S1207:Y)には、制御信号出力処理S1208〜外部情報出力処理S1221は実行されない。最後に、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理S1222が実行されて、今回のタイマ割込み処理が終了する。以下において、各種の主要な処理について個別に説明する。
停電監視処理S1202においては、電源監視基板910の電源監視部911から出力されている停電信号の出力状態に基づいて停電情報(RAMの一部の領域)の値が更新される。具体的には停電信号の出力状態が3度に亘り確認され、3度ともオン状態が検出された場合に停電状態であると判定される。この判定において停電状態であると判定されなかった場合には、停電情報は通電値に維持される。
一方、停電監視処理S1202において停電状態であると判定された場合には、以下の処理が実行される。まず、停電情報の値がRAM復帰設定処理S1011又はRAM初期設定処理S1013(図11参照)において設定された通電値から所定の停電値に変更される。また、RAMの所定の範囲の記憶領域に対するチェックサム値を算出し、そのチェックサム値の2の補数をRAM判定値として設定する。これにより、パチンコ機100は、遊技の進行や各種センサの監視等といった実質的な制御を行わない無限ループに入り、RAM判定値が設定された後のRAMの状態がバックアップ電力に基づいて保持される。なお、停電信号の出力状態が3度に亘り確認されるために、停電信号の受信を初めて検知してから、タイマ割込みの各処理は2回に亘り実行される。
乱数更新処理S1203においては、特別図柄に係る当選乱数カウンタ、大当り図柄乱数カウンタ、停止パターン選択カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数カウンタが更新される。具体的には、特別図柄に係る当選乱数カウンタの値が、規定最大値(例えば、「576」)と異なる値である場合には、現在値より「1」だけ大きい値に変更され、特別図柄に係る当選乱数カウンタの値が規定最大値である場合には、規定最小値(「0」)に変更される。但し、変更後の値が特別図柄に係る当選乱数カウンタに対する循環初期値と同一の値となる場合には、特別図柄に係る当選乱数カウンタの値が、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタと同一の値に設定され、また、循環初期値も当選乱数初期値カウンタと同一の値に設定される。
大当り図柄乱数カウンタ、停止パターン選択カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数カウンタについても、特別図柄に係る当選乱数カウンタの場合と同様にして更新される。ただし、各カウンタの規定最大値と規定最小値とにより定められる更新範囲としては各カウンタに固有の値が設定され、複数のカウンタが非同期で更新される構成とされ、各カウンタの循環初期値には各カウンタに固有の初期値カウンタが参照される。例えば、特別図柄に係る当選乱数カウンタと特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタとは値の範囲が同一であり、大当り図柄乱数カウンタと大当り図柄乱数初期値カウンタとは値の範囲が同一であり、普通図柄に係る当選乱数カウンタと普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタとは値の範囲が同一である。
乱数初期値更新処理S1204においては、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタ、大当り図柄乱数初期値カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタが更新される。具体的には、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタの値が規定最大値(例えば、「576」)と異なる値である場合には、現在値より「1」だけ大きい値に変更され、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタの値が規定最大値である場合には、規定最小値(「0」)に変更される。特別図柄に係る図柄乱数初期値カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタについても、規定最大値や規定最小値がそれらのカウンタに固有の値であること以外は、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタの場合と同様にして更新される。
変動用カウンタ更新処理S1205においては、変動時間や変動パターン等を決定するための第1の変動種別カウンタ〜第4の変動種別カウンタの値が更新される。具体的には、第1の変動種別カウンタの値が規定最大値(例えば、「187」)と異なる値である場合には、現在値より「1」だけ大きい値に変更され、第1の変動種別カウンタの値が規定最大値である場合には、規定最小値(「0」)に変更される。第2の変動種別カウンタ〜第4の変動種別カウンタについても、規定最大値や規定最小値がそれらのカウンタに固有の値であること以外は、第1の変動種別カウンタの場合と同様にして更新される。
なお、特別図柄及び普通図柄に係る各当選乱数カウンタ、大当り図柄乱数カウンタ、停止パターン選択カウンタ並びに各変動種別カウンタは、必ずしも上記構成とする必要はなく、上記カウンタの少なくとも一部を他の構成としても良く、例えば、初期値カウンタを利用しないで一定の初期値から更新する構成としても良いし、プログラムを利用しないで乱数生成用ICにより構成して必要に応じて値を参照する構成としても良い。
遊技停止判定処理S1206においては、不正検知情報が不正検知値である場合には、遊技停止値に更新されると共に、遊技進行を停止させるための各種の情報が設定される。一方、不正検知情報が不正検知値でない場合や既に遊技停止値である場合には、遊技進行を停止させるための各処理は実行されずに遊技停止判定処理S1206は終了する。なお、不正検知情報は、不正検知処理S1211において各種の不正の発生が検知された場合に不正検知値に設定される。また、判定処理S1207においては、不正検知情報が遊技停止値であるか否かによって遊技停止中であるか否かが判定される。
制御信号出力処理S1208においては、出力バッファに格納された制御データに基づいて、第1の特別図柄に係る特別図柄表示装置471、第2の特別図柄に係る特別図柄表示装置472及び普通図柄に係る普通図柄表示装置473等の各種の報知装置を制御する信号が出力される。また、出力バッファに格納された制御データに基づいて、球送りソレノイド332、発射ソレノイド334、右進入規制ソレノイド462、下進入規制ソレノイド463、上進入規制ソレノイド464、切換ソレノイド465等の各種のアクチュエータを制御する信号が出力される。
スイッチ読込処理S1209においては、中始動入賞スイッチ441A,441B、右始動入賞スイッチ442、下大入賞スイッチ443、上大入賞スイッチ444、役連作動スイッチ445、始動スイッチ446、非特定通路スイッチ447、特定通路スイッチ448、及び、一般入賞スイッチ449A,449Bの各々からの信号状態が読み込まれて、各種のスイッチによる遊技球の検出状態の変化が検知される。
具体的には、スイッチ読込処理S1209において、各種のスイッチからの信号状態が所定の時間間隔を隔てて2度に亘り入力バッファ(RAMの一部の領域)に読み込まれ、各種のスイッチからの信号ごとに、1回目に読み込まれた信号状態(以下において「第1の信号状態」と略記する)と、2回目に読み込まれた信号状態(以下において「第2の信号状態」と略記する)と、前回のタイマ割込みで検知された検出状態(以下において「前回の検出状態」と略記する)とに基づいて、各種のスイッチの検出状態の変化が検知される。そして、各スイッチに対して、前回の検出状態がオフ状態である場合において、第1の信号状態がオン状態であり、第2の信号状態がオン状態である場合には、オン状態移行と判断されて、スイッチの種類に応じた検出フラグ(RAMの一部の領域)が設定される。なお、停電監視処理S1202で説明したように、電源供給が停止したとしても、タイマ割込みの各処理が2回に亘り実行されるために、電源供給が停止した直後に各種のスイッチのオン状態が開始された場合であっても各種のスイッチの検出フラグを正確に設定することができる。
タイマ更新処理S1210においては、特別図柄及び普通図柄の変動表示、各遊技状態の制御、及び、不正監視等に使用される各種のタイマ(RAMの所定の領域)が更新される。
不正検知処理S1211においては、各種の入賞装置に強制的に遊技球を進入させたり、各種の入賞装置を強制的に作動させたりするような不正行為が検知される。具体的には、右始動入賞装置432、下大入賞装置433及び上大入賞装置434の強制的な進入許容姿勢への移動、加振による下大入賞装置433の特定通路への遊技球の誘導、電波による右始動入賞装置432、下大入賞装置433及び上大入賞装置434の強制的な誤作動の誘発、磁気吸着による各種の入賞装置への遊技球の誘導、上側中始動入賞装置431A、下側中始動入賞装置431B、右始動入賞装置432、下大入賞装置433及び上大入賞装置434への異常なタイミングでの遊技球の誘導等の不正行為が行われた可能性の高い状況の発生を検知する。
入賞検知応答処理S1212においては、遊技盤400に設けられた各種のスイッチによる遊技球の検出に基づく制御が実行される。具体的には、上側中始動入賞スイッチ441A(図10参照)及び下側中始動入賞スイッチ441B(図10参照)による遊技球の検出に基づいて、中始動入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合には、中始動入賞カウンタ(RAMの所定の領域)及び第1払出カウンタ(RAMの所定の領域)が更新される。また、右始動入賞スイッチ442(図10参照)による遊技球の検出に基づいて右始動入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合には、第1払出カウンタが更新される。また、下大入賞スイッチ443(図10参照)による遊技球の検出に基づいて下大入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合や、上大入賞スイッチ444(図10参照)による遊技球の検出に基づいて上大入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合には、大入賞カウンタ(RAMの所定の領域)及び第2払出カウンタ(RAMの所定の領域)が更新される。
発射制御処理S1213においては、発射装置330による遊技球の発射を制御するための発射関連情報が更新される。具体的には、球送り機構331を駆動する球送りソレノイド332の作動フラグ及び発射機構333を駆動する発射ソレノイド334の作動フラグが更新される。
入力信号監視処理S1214においては、払出制御基板930を介した開閉検出スイッチ108(図10参照)からの信号の出力状態に基づいて、外枠101(図1及び図2参照)に対して中間ブロック103(図1及び図2参照)が閉鎖されているか否かが検知される。また、払出制御基板930(図10参照)を介した開閉検出スイッチ109からの信号の出力状態に基づいて、中間ブロック103(図2及び図3参照)に対して前ブロック102(図2及び図3参照)が閉鎖されているか否かが検知される。
払出状態監視処理S1215においては、払出制御基板930から出力される払出制御状態を示す情報が監視され、必要に応じて、払出制御状態に応じた各種の払出状態コマンドが設定される。なお、払出状態コマンドを受信した副制御基板940は、払出状態コマンドの種類に応じた報知を装飾図柄表示装置479、左上音響装置281及び右上音響装置282等に実行させる。
払出信号出力処理S1216においては、必要に応じて、第1払出カウンタ及び第2払出カウンタの値に基づいて各種の賞球コマンドを設定し、払出制御基板930に出力する。なお、第1払出カウンタ及び第2払出カウンタは、賞球コマンドの設定に応じて更新される。例えば、第1払出カウンタは、1回の入賞に相当する遊技球が検出される毎に1ずつ加算され、その入賞に基づく賞球コマンドが設定される毎に1ずつ減算される。払出制御基板930では、その入賞に対応する数(例えば、3個)の遊技球を払い出す制御を実行する毎に(詳細には、払い出しが完了する少し前に)、主制御基板920に賞球コマンドを要求し、賞球の払い出しが継続している状況においては、主制御基板920から更なる賞球コマンドが出力される。第2払出カウンタは、第1払出カウンタとは賞球数が異なる入賞(例えば、13個)に対応して更新されるカウンタであり、第2払出カウンタの値に基づく賞球コマンドを払出制御基板930が受信した場合には、払出制御基板930は、その賞球コマンドに対応した数分の遊技球を払い出す制御を実行する。
特別図柄関連処理S1217においては、第1特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御及び第1特別図柄に係る単位遊技の制御が実行される。具体的には、第1特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御において、第1特別図柄に係る特別図柄保留表示装置476の動作制御が実行される。また、第1特別図柄に係る単位遊技の制御において、第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471の動作制御が実行され、第1特別図柄抽選において大当りに当選した場合には、下大入賞装置433及び上大入賞装置434の動作制御が更に実行される。
また、特別図柄関連処理S1217においては、第2特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御及び第2特別図柄に係る単位遊技の制御が実行される。具体的には、第2特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御において、第2特別図柄に係る特別図柄保留表示装置477の動作制御が実行される。また、第2特別図柄に係る単位遊技の制御において、第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472の動作制御が実行され、第2特別図柄抽選において大当りに当選した場合には、下大入賞装置433及び上大入賞装置434の動作制御が更に実行される。
普通図柄関連処理S1218においては、普通図柄に係る単位遊技の権利の保留制御並びに普通図柄に係る単位遊技の制御が実行される。具体的には、普通図柄に係る単位遊技の権利の保留制御において、普通図柄保留表示装置478の動作制御が実行される。また、普通図柄に係る単位遊技の制御において、普通図柄に係る普通図柄表示装置473の動作制御が実行され、普通図柄抽選に当選した場合には更に右始動入賞装置432の動作制御が実行される。
表示制御処理S1219においては、特別図柄関連処理S1217における第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471、第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472、第1特別図柄に係る特別図柄保留表示装置476及び第2特別図柄に係る特別図柄保留表示装置477等の動作を制御するために更新される各種の情報に基づいて、それらの装置を具体的に作動させるための出力データが合成される。合成された出力データは、次回のタイマ割込みに基づく制御信号出力処理S1208において各装置に出力される。
モータ制御処理S1220においては、各種のモータの動作制御が実行される。外部情報出力処理S1221においては、パチンコ機100に電気的に接続されるデータ表示装置(図示せず)や管理装置(図示せず)等の外部装置に出力する出力データが設定される。
<リーチ状態における動画表示及び音楽出力>
次に、図13以降を参照して、装飾図柄表示装置479に表示される動画像D及び音響装置281,282から出力される楽曲MCについて説明する。なお、以下においては、動画像D及び楽曲MCの出力を、大当りが発生した場合に実行される変動表示中に出力される場合を例示して説明するが、必ずしも大当りが発生した場合に出力する必要はなく、これに代えて、又は、これに加えて、大当り抽選に非当選だった場合の一部において出力することで大当りの発生を期待させる演出の一部としてもよいし、大当りに当選した後の特別遊技状態中に出力して特別遊技状態中に再生される演出の一部としてもよいし、特別遊技状態後の遊技状態を示唆する演出(例えば、確変遊技状態が発生するか否かを示唆する演出)として出力してもよいし、特別遊技状態後の遊技者にとって有利な遊技状態(例えば、時短遊技状態)における演出として出力してもよい。また、以下においては、動画像D及び楽曲MCの出力を、変動表示の実行中であって、変動表示中の図柄の一部が停止または停留(一定の範囲内でわずかに動作している状態)し、残りの変動中の図柄の停止結果次第では大当りとなる図柄の組合せとなり得る「リーチ(リーチ状態ともいう)」となった後に実行される演出(リーチ演出)として動画像D及び楽曲MCが出力される場合について説明するが、他の場合に出力してもよく、例えば、リーチ状態となる前に動画像D及び楽曲MCが出力されてリーチ状態の発生を期待させる演出として出力してもよいし、大当りの抽選結果が得られた対象となる変動表示の実行が待機(留保)された状態中で当該変動表示の開始より前に実行される演出として出力し、大当りの抽選結果が得られた変動表示が待機されていることを期待させる演出としてもよい。
また、遊技者は、遊技を開始する際、複数の対象物から、1の対象物を選択する場合について説明するが、これに限らず、対象物の選択が無くてもよいし、一定時間の経過毎に選択される対象物が切り替わる構成であってもよいし、3以上の対象物から1又は複数の対象物を選択する構成としてもよい。この対象物の選択は、例えば、変動表示が実行されていない状態(例えば、遊技の実行を待機している客待ち中の状態)において、遊技者が入力操作装置261(図1参照)を操作することにより行われ、遊技者が応援する対象物を選択する。遊技者の意図した選択対象は、副制御基板940によって検出され、副制御基板940は、その選択操作に対応した演出を実行し、この選択に応じて、大当りの際に表示又は出力される動画像D及び楽曲MCが変化する。
また、以下においては、2つの対象物としてのDOGとCATとが戦闘するという設定のパチンコ機100について説明するが、その対象物及び表示される内容は、他の内容でもよく、例えば、対象物が、戦闘員やロボット、又は複数の対象物の集合によって構成される軍隊等の他の対象物を含むものであってもよいし、表示される内容が、キャラクタの紹介、恋愛物語、競走、ダンス等の他の内容を含むものであってもよい。
また、以下においては、遊技者が選択する対象物に対応して、全体として見た場合に異なる動画像Dが表示される場合について説明する。具体的には、遊技者がDOGを選択した場合には、大当りの際にDOGが勝つ動画像Dが表示される。一方、遊技者がCATを選択した場合には、大当りの際にCATが勝つ動画像Dが表示される。
ここで、遊技者の選択に応じて2種類の動画像の全体を予め別々に制作すると、制作コストが増大する可能性がある。一方、同一の動画像を単純に表示するだけでは、遊技者が選択操作をしても、一部分のみが異なる動画像が表示されるだけであって、他が共通の演出が実行されていると認識してしまって、対象物の選択による遊技性を十分に楽しませることが難しい可能性がある。
これに対して、パチンコ機100においては、同一の動画像を表示しつつ複数種類の楽曲を選択して出力し、更に、同一の動画像の一部(例えば、背景)と楽曲との組み合わせにより、強調したい対象物(以下、これを強調対象物と呼ぶ)を強調可能とすることによって、同一の動画像(共通動画像ともいう)にも拘わらずあたかも別の動画像を表示させているかのような印象を遊技者に与えることが可能な構成とされている。
また、共通動画像に加えて一部のみ別の動画像を繋げ、当該別の動画像の雰囲気及び楽曲を互いに相違させることにより、動画像全体が相違するような印象を遊技者に与える構成とされ、動画像の制作コストを抑えつつ、多様な演出を実行可能としている。
パチンコ機100には、動画像D及び楽曲MCの出力を制御する副制御基板940が設けられている(図10参照)。副制御基板940には、再生制御部601と、動画記憶部602と、音楽記憶部603とが設けられている。
再生制御部601は、演算処理装置としてのCPUと、制御用のRAMにより構成されている。また、動画記憶部602(図10)及び音楽記憶部603は、各種の制御プログラムや固定データを記憶したROMの一部によって構成されている。再生制御部601は、動画記憶部602及び音楽記憶部603に記憶された動画データ及び音楽データに基づいて動画像データに対応した動画像の出力を制御し、音楽データに対応した音楽の出力を制御する。この結果、動画像データに基づく動画像Dが装飾図柄表示装置479に表示されると共に、音楽データに基づく楽曲MCが音響装置281,282から出力される。
装飾図柄表示装置479には、例えば、図13(A),(B)に示すように、2種類の異なる画像を含む態様(パターン)で設定された動画像Dが表示され、音響装置281,282からは、2種類の異なる楽曲により構成された楽曲MCが出力される。動画像Dとしては、DOGがメインとなる第1メイン画像に対して第1の象徴色(例えば薄青色)が割り当てられる一方、CATがメインとなる第2メイン画像に対して第2の象徴色(例えばピンク色)が割り当てられ、各象徴色が背景の少なくとも一部として使用される場合を例示している。なお、象徴色としては、一つの固定された色である必要はなく、例えばブルー系(薄青色〜紺色)や、赤系(ピンク〜ワインレッド)というように、色の系統であっても良い。また、DOG(第1の対象物)がメインで登場する第1メイン画像は、遊技者から見てDOGが目立つように表示される設定とすればよく、DOGがCAT(第2の対象物)に比べて大きく表示されたり、DOGの周辺部分がCATの周辺部分に比べて明るく(例えば、赤色又は黄色でハイライト)表示されたり、DOGとCATとのうちDOGのみが表示された態様の少なくともいずれかを含む画像としてもよい。また、CATがメインで登場する第2メイン画像についても、第1メイン画像と同様に、遊技者から見て第2対象物が目立つように表示される設定とすればよい。
強調対象物としてDOGが選択されていた場合において大当り抽選に当選した場合には、特別図柄の変動表示中であってリーチ状態となった後、抽選結果が表示されるまでに、図13(A)に示すように、共通動画像DM(DM1〜DM16)の後に第1サブ動画像DA(DA1〜DA8)が表示される。ここで、特別図柄の変動表示中には、装飾図柄が表示される構成であり、例えば、リーチ状態中においては、その装飾図柄は、リーチ状態の前に比べて表示領域の端部に縮小して表示され、変動停止のタイミングで、元の大きさに拡大表示される構成とされており、図13〜図21においては、装飾図柄の表示を省略している。
一方、強調対象物としてCATが選択されていた場合において大当り抽選に当選した場合には、特別図柄の変動表示中であって抽選結果が表示されるまでに、図13(B)に示すように、強調対象物としてCATが選択された場合、共通動画像DM(DM1〜DM16)の後に第2サブ動画像DB(DB1〜DB7)が表示される。なお、図面中における動画像D(DM1〜DM16,DA1〜DA8,DB1〜DB7)は、象徴的な画像を抽出したものであり、実際に表示される動画像Dのごく一部分である。
共通動画像DMは、第1メイン画像と、第2メイン画像と、非メイン画像とを含む構成とされ、第1メイン画像と第2メイン画像とDOG及びCATが複数回に亘って交互に登場すると共に、DOG及びCATのいずれもがメインとならない非メイン画像も1回に限らず複数回登場する。共通動画像DMは、第1メイン画像と第2メイン画像とを含む動画像のうち第1メイン画像と第2メイン画像のいずれの割合も50%未満に設定され、いずれかのメイン画像が強調されない構成とされている。なお、共通動画像DMを構成する第1メイン画像と第2メイン画像の各々の割合は、40%未満に設定されることが好ましく、30%未満に設定されることが好適である。
第1サブ動画像DAは、第1メイン画像を主とする動画像であって、第1メイン画像と第2メイン画像とを含む動画像のうち第1メイン画像の割合が第2メイン画像の割合よりも高く設定されている。第1サブ動画像DAについて、第1メイン画像と第2メイン画像との表示割合を比較した場合には、第1メイン画像が表示される時間の割合が少なくとも50%より多く、好ましくは70%以上、更に好適には80%以上を占める動画像により構成され、また、動画像全体のうちで第1メイン画像が表示される時間の割合が少なくとも50%より多く、好ましくは70%以上、更に好適には80%以上を占める動画像により構成される。
第2サブ動画像DBは、第2メイン画像を主とする動画像であって、第1メイン画像と第2メイン画像とを含む動画像のうち第2メイン画像の割合が第1メイン画像の割合よりも高く設定され、第1メイン画像と第2メイン画像との表示割合を比較した場合に、第1メイン画像が表示される時間の割合が少なくとも50%より多く、好ましくは70%以上、更に好適には80%以上を占める動画像により構成され、また、動画像全体のうちで第2メイン画像が表示される時間の割合が少なくとも50%より多く、好ましくは70%以上、更に好適には80%以上を占める動画像により構成される。
また、共通動画像DMと、第1サブ動画像DA(又は第2サブ画像DB)とを、時間長さで比較した場合には、共通動画像DMに比べて第1サブ動画像DA(又は第2サブ画像DB)が短い時間に設定され、共通動画像DMに対しての第1サブ動画像DA(又は第2サブ画像DB)の長さの割合は、少なくとも30%以下に設定されることとしてもよく、20%以下に設定されることが好ましく、10%以下に設定されることが好適であり、0%、すなわち、完全に、共通動画像DMのみによって構成してもよい。
音響装置281,282からは、動画像Dの表示に合わせて、2種類の異なる楽曲MCa,MCbのうち選択された対象物に対応した楽曲MCが出力される。図13(A)に示すように、共通動画像DM及び第1サブ動画像DAが出力される場合には、楽曲MCaが出力される。楽曲MCaは、共通動画像DM及び第1サブ動画像DAの各画像が表示されるタイミングに合わせて制作された音楽であり、再生制御部601の制御により、動画像Dの表示タイミングと楽曲MCaの出力タイミングが予め定められたタイミングにきっちりと合致するように動画像データに基づく動画像Dと、音楽データに基づく楽曲MCaが出力される。具体的には、再生制御部601は、動画像データ及び音楽データを読み出し、動画像データ及び音楽データに基づく動画像D及び楽曲MCを、開始フラグがついたデータから同一時刻から定められた速度で出力を行う。なお、再生制御部601は、一定間隔で附されているタイミングフラグに基づいて算出された出力時刻に該当データの出力タイミングが一致するようにエラー補正を行いながら動画像D及び楽曲MCを出力しても良い。
共通動画像DM及び第2サブ動画像DBが出力される場合には、図13(B)に示すように、楽曲MCbが出力される。楽曲MCbは、共通動画像DM及び第2サブ動画像DBの各画像が表示されるタイミングに合わせて制作された音楽であり、再生制御部601の制御により、動画像Dの表示タイミングと楽曲MCbの出力タイミングが予め定められたタイミングになるようきっちりと合致して出力される。
楽曲MCaと楽曲MCbは、少なくとも遊技者が選択した対象物が強調されるように構成された音楽であり、異なる音楽により構成されている。この音楽としては、テンポやリズム、拍子、使用する楽器などが相違するものが使用されてもよく、例えば、ジャズ、クラシック、POPS、ワルツ、といったように、音楽のジャンルを相違させることにより構成することで遊技者に与える印象を大きく相違させてもよい。すなわち、2つのパターンで異なる楽曲MCが出力されることにより、共通動画像DMによって大部分が構成された動画像Dを表示しても、動画像Dの表示と楽曲MCの出力とによって構成された演出が実行されたときに遊技者の印象を変化させることが可能である。
なお、共通動画像DM及びサブ動画像DA,DBがそれぞれ別個に記憶されている場合、再生制御部601は、楽曲MCを最後まで続けて再生すると共に、共通動画像DMの再生終了後、サブ動画像DA,DBの一方を繋げて再生する。また、共通動画像DM及び第1サブ動画像DAと、共通動画像DM及び第2サブ動画像DBとがそれぞれ一つの動画像データとして記憶されている場合、再生制御部601は、楽曲MCを最後まで続けて再生すると共に、対応する一の動画像データを最後まで続けて再生する。
ここで、共通動画像DMを構成する一部の動画像としての共通動画像DM1,DM6では、図14に示すように、一つの画面内の背景を2つに分け、それぞれDOGとCATに割り当てられた象徴色を表示することにより、遊技者に各対象物に割り当てられた象徴色を印象づけている。また、図15に示すように、対象物が登場しない共通動画像DM7,DM8については、別の色(例えば緑色)が背景色のメインとなる象徴色として割り当てられている。これら共通動画像DM1,DM6〜DM8は、いずれの対象物をも強調しない非メイン画像に相当する。一方、共通動画像DM2,DM4は、DOGを強調する第1メイン画像を構成し、共通動画像DM3,DM5は、CATを強調する第2メイン画像に相当する。
かかる共通動画像DM1〜DM8が表示される場合において、パチンコ機100では、強調対象物としてのDOG及びCATの登場に併せて、これら強調対象物のいずれかを強調するように設定された複数種類の楽曲MCa,MCbが選択して出力される構成とされている。
まず、遊技者がDOGを選択した場合、すなわち、強調対象物が「DOG」の場合について説明する。強調対象物としてDOGが選択された場合には、楽曲MCaが出力される。この楽曲MCaには、図14に示すように、DOGをメインとする第1メイン画像である共通動画像DM2,DM4が表示されるタイミングにおける、音量が大きくなったり、音が高くなったり、テンポが速くなることなどによって、共通動画像DM2,DM4を強調する強調部FAが形成(設定)されている。すなわち、楽曲MCaにおいて強調部FAが形成されているタイミングに合わせて第1メイン画像を構成する共通動画像DM2,DM4が表示されるように、共通動画像DMが構成されている。
さらに、楽曲MCaでは、共通動画像DM2,DM4が表示されるタイミングにおいて、一定のリズムで大きく短い打楽器などの短発音SAを組み込むことにより、共通動画像DM2,DM4を強調する。一方、非メイン画像である共通動画像DM1,DM6や、第2メイン画像である共通動画像DM3,DM5の際には、かかる強調部FAは形成されない。すなわち、楽曲MCaにおいて、強調部FAが形成されていないタイミングに合わせて非メイン画像である共通動画像DM1,DM6や、第2メイン画像である共通動画像DM3,DM5が表示されるように、共通動画像DMが構成されている。
同様にして、図15及び図16に示すように、第1メイン画像である共通動画像DM10,DM12,DM15については、強調部FAが形成され、非メイン画像である共通動画像DM7,DM8,DM9,DM13,DM16D及び第2メイン画像である共通動画像DM11,DM14については強調部FAが形成されない構成とされている。
そして図16に示すように、共通動画像DMの表示が終了すると、第1サブ動画像DAが続けて表示される。第1サブ動画像DAが表示される場合に、第1メイン画像である第1サブ動画像DA1,DA2が表示されるタイミングにおいて、共通動画像DMと同様に、強調部FAが形成される構成とされている。これにより、共通動画像DMとサブ動画像DAとの切り替わりを遊技者に意識させずに済む。
第1サブ動画像DA3〜DA7は、図17に示すように、複数の異なる画像により構成され、具体的には、複数の静止画像を組み合わせて構造されて短時間でシーンが切り替わると共に、切り替わりの分だけ元(メイン)のシーンにおける時間が経過している、いわゆるフラッシュバック技法を用いて表示される。すなわち、DOGの攻撃に対し、観客席を撮影したシーンである第1サブ動画像DA4,DA6が差し込まれ、切り替わったときにはDOGがCATに近づいている。このシーン切替は例えば0.1〜2秒の時間間隔毎に実行され、通常よりも短い間隔で行われる。このフラッシュバックのシーン切替時に合わせて、すなわち、第1メイン画像の出現に合わせて短発音SAが出力される。
また、シーンの切替タイミングが短いため、短発音SA以外の強調は非メイン画像である第1サブ動画像DA4,DA6の表示時にも継続して行われる。言い換えると、フラッシュバック技法を用いたシーンでは、使用される画像全てに対して、強調対象物の登場に合わせて出力される短発音SAが出力されることにより、音声と画像の両方で強調対象物を強調している。なお、短発音SAは、非メイン画像である第1サブ動画像DA4,DA6の表示時には出力されない構成としてもよい。
一方、「CAT」が強調して表示される第2メイン画像については短発音SAに合わせて表示されない構成とされ、遊技者が選択した対象物が判り易い構成とされている。その後、第1サブ動画像DA8が表示されるタイミングにおいては、共通動画像DMのときと同様にして短発音SAが出力され、短発音SAによる強調効果により、強調対象物としての「DOG」が強調される。
なお、強調部FAにおける第1メイン画像の表示として、他の技法による表示を含む構成としてもよい。例えば、短発音SAの出力に合わせてシーンを切り替える場合を含む構成としてもよいし、短発音SAの出力に合わせて全体を光らせるフラッシュを含む構成としてもよいし、短発音SAの出力に合わせてフルカラーで表示している色を白黒にするなど全体の色味を変化させる場合を含む構成としてもよいし、短発音SAの出力に合わせて一瞬だけDOGを拡大した画像を表示する構成としてもよいし、短発音SAの出力に合わせて状況が別の状況に変化する画面転換を含む構成としてもよいし、タイトルや対象物の名称などの文字を動画像として表示しつつ短発音SAの出力に合わせて、その文字をぼかすなど態様を変化させる場合を含む構成としてもよい。
次に、強調対象物が「CAT」の場合について説明する。なお、強調対象物が「DOG」のときと同一部分については説明を一部省略する。
CATをメインとする第2メイン画像である共通動画像DM3,DM5が表示されるタイミングにおいては、図18に示すように、楽曲MCbの効果により共通動画像DM3,DM5が強調される。このとき、使用される短発音SAのリズムは、強調対象物が「DOG」のときと相違させることが好ましく、これにより、表示される画像に対する遊技者の印象を変えることができる。また、非メイン画像である共通動画像DM1,DM6や、第2メイン画像である共通動画像DM3,DM5の際には、かかる強調は実行されない構成とされている。
同様にして、図19及び図20に示すように、第2メイン画像である共通動画像DM11,DM14については強調部FAが形成され、非メイン画像である共通動画像DM7,DM8,DM9,DM13,DM16及び第1メイン画像である共通動画像DM10,DM12、DM15については強調部FAが形成されない。共通動画像DMの表示が終了すると、図20及び図21に示すように、第2サブ動画像DBが続けて表示される。第2メイン画像である第2サブ動画像DB1,DB2,DB4〜DB7では、共通動画像DMにおける場合と同様にして楽曲MCbによる強調が実行される。
また、第2サブ動画像DBでは、上述したフラッシュバック技法は使用されず、代わりに別の技法が使用される。具体的には、第2サブ動画像DB4〜DB6にあるCATの攻撃がスローモーション画像として表示されると共に、同一手法による強調が最後まで続く。このように、強調対象物に応じて相違する第2サブ動画像DBでは、第1サブ動画像DAと相違する表現を用いることにより、動画像Dの全体が相違しているかのような印象を遊技者に与えることが可能である。なお、第1サブ動画像DAと第2動画像DBとは、必ずしも別々の技法を使用した表示をする必要はなく、共通の技法を使用した表示としてもよいし、また、必ずしも上記した技法による表示に限らず、他の技法による表示を含む構成としてもよい。
ここで、強調対象物としてDOGとCATとのいずれかが選択されている場合において、大当り抽選に当選した場合において上記した態様とは別の動画像D及び楽曲MCの出力例について説明する。例えば、強調対象物としてDOGとCATとのいずれかが選択されている場合において、大当り抽選に当選した場合に、共通動画像DM(DM1〜DM16)を表示し、その後に、第1サブ動画像DA(DA1〜DA8)及び第2サブ動画像DB(DB1〜DB7)とは別に設定されたサブ動画像として、戦闘で決着が着かず、両方の対象物が仲良くなって表示されるなど、いずれかの対象物を強調することのない別画像を含むように構成した動画像を表示することで、共通動画像DMより長く設定した共通動画像(共通動画像DMとサブ動画像との組合せ)を表示し、この共通動画像に対して、選択された対象物に対応した楽曲MCa、楽曲MCbのいずれかが出力されるようにしてもよい。この場合には、始まりから最後までが完全に同一の動画像を表示していても、遊技者が選択した対象物を強調した楽曲が出力されることになるので、同一の動画像を表示しているにも拘わらず、遊技者が選択している対象物を遊技者に印象付け易くすることができる。よって、特別遊技状態中においても、遊技者に与える印象を異ならせて、自らが選択している対象物を注目し易くすることができる。よって、遊技者の高揚感を高め易くするなど、飽き難い遊技性を提供することができる。
また、強調対象物としてDOGとCATとのいずれかが選択されている場合において、大当り抽選に当選した場合に、共通動画像DM(DM1〜DM16)を表示する共に、その後に、第1サブ動画像DA(DA1〜DA8)及び第2サブ動画像DB(DB1〜DB7)とは別に設定されたサブ動画像として、例えば、戦闘をやめて、両方の対象物が仲良くなって表示されるなど、いずれかの対象物を強調することのない別画像を含むように構成した動画像を表示することで、共通動画像DMより長く設定した共通動画像(共通動画像DMとサブ動画像との組合せ)を表示し、この共通動画像に対して、選択された対象物に対応した楽曲MCa、楽曲MCbのいずれかが出力されるようにする一方、特別遊技状態中には、この共通動画像のうちの最初から一定期間、又は、途中部分の少なくとも一方を削除した動画像を表示してもよい。すなわち、戦闘中をイメージさせる動画像(例えば、図14のDM1〜DM3に示す動画像)を削除し、対象物の得意技を紹介する動画像(DM4,DM5)と、共通の内容に設定したサブ動画像とを組み合わせた動画像を表示してもよい。これにより、変動表示の演出用に設定した動画像の途中部分から、特別遊技状態中に動画像が始まることとなり、同一の動画像を表示しているにも拘わらず、遊技者に対して異なる印象を付け易くしたり、最初の部分で注目される内容を異ならせることで、あたかも別の動画像を表示している印象を抱かせて飽き難い遊技性を提供することができる。特別遊技状態として、ラウンド数が異なることで時間長さが長短する場合における特別遊技状態中の演出としても、長い特別遊技状態に対して設定した共通動画像の一部を削除した動画像を用いて、短い特別遊技状態に対応した動画像を構成してもよい。この場合に、共通動画像の最初から一定期間を削除する長さとしては、時間として、少なくとも10秒以上に設定することとしてもよく、20秒以上に設定することが好ましく、30秒以上に設定することが好適である。また、共通動画像DMの長さに対して一部を削除する長さの比率としては、少なくとも10%以上に設定することとしてもよく、20%以上に設定することが好ましく、30%以上に設定することが好適である。
また、強調対象物としてDOGとCATとのいずれかが選択されている場合において、大当り抽選に非当選となった場合において実行される変動表示の演出(ハズレリーチの演出)として、共通動画像DM(DM1〜DM16)を表示する共に、その後に、第1サブ動画像DA(DA1〜DA8)及び第2サブ動画像DB(DB1〜DB7)とは別に設定されたサブ動画像として、例えば、戦闘で決着が着かず、「次回に続く」といった、いずれかの対象物を強調することのない別画像を含むように構成した動画像を表示することで、共通動画像DMより長く設定した共通動画像(共通動画像DMとサブ動画像との組合せ)を表示し、この共通動画像に対して、選択された対象物に対応した楽曲MCa、楽曲MCbのいずれかが出力されるようにしてもよく、この場合にも、同一の動画像を表示しているにも拘わらず、遊技者が選択している対象物を遊技者に印象付け易くすることができる。
また、強調対象物としてDOGとCATとのいずれも選択されていない場合において大当り抽選に当選した場合には、特別図柄の変動表示中であって抽選結果が表示されるまでに、共通動画像DM(DM1〜DM16)の後に、第1サブ動画像DA(DA1〜DA8)及び第2サブ動画像DB(DB1〜DB7)とは別に設定されたサブ動画像を含む、共通動画像(共通動画像DMとサブ動画像との組合せ)を表示してもよい。この場合には、いずれの強調対象物の登場に対しても、強調対象物を強調することがない、又は、いずれの強調対象物に対しても、略同一の割合で強調されるように設定された楽曲MCを、音楽データとして音楽記憶部603に記憶し、当該楽曲MCを、共通動画像DMとサブ動画像出力することが好ましい。
このように、パチンコ機100は、始動入賞装置431へ遊技球が進入した場合に予め定めた抽選確率(例えば、315分の1)で成立する特別図柄に係る抽選を実行する主制御基板920(具体的には、大当り抽選を実行するCPUと、大当り抽選を実行するための制御プログラムと、大当り抽選の実行に用いられる当選乱数カウンタ)と、第1の対象物としてのDOGがメインで登場する第1メイン画像と、第2の対象物としてのCATがメインで登場する第2メイン画像とが、複数回に亘って交互に、出現する共通動画像DMを表示可能な動画像データを記憶する動画記憶部602と、動画記憶部602に記憶された動画像データに基づいて共通動画像DMを表示する装飾図柄表示装置479と、装飾図柄表示装置479によって表示される共通動画像DMに合わせて出力される音楽として、共通動画像DMにおいて表示される第1メイン画像及び第2メイン画像のそれぞれに対応し、第1メイン画像及び第2メイン画像のそれぞれが強調されるように構成された複数種類の楽曲MCa,MCbを再生可能な音楽データを記憶する音楽記憶部603と、音楽記憶部603に記憶された音楽データに基づいて複数種類の楽曲MCa,MCbを出力する音響装置281,282と、主制御基板920による大当り抽選に当選した場合に、装飾図柄表示装置479に共通動画像DMを表示させると共に、音響装置281,282に複数種類の楽曲MCa,MCbのいずれかを出力させる制御を行う再生制御部601とを備えている。
このため、第1メイン画像及び第2メイン画像を含む共通動画像DMに対し、各メイン画像のそれぞれが強調されるように構成された複数種類の楽曲MCa,MCbが出力されるので、視覚と聴覚との組合せを用いて共通動画像DMの中で異なるメイン画像を強調することができる。よって、同一の共通動画像DMを表示しているにも拘わらず、共通動画像DMに対する遊技者の印象を変えることができ、あたかも相違する動画のように認識させることができる。また、遊技者に対して異なるメイン画像に含まれた対象物を、別々の楽曲MCa,MCbによって各々注目させることができるので、同一の共通動画像DMを表示しているにも拘わらず、遊技者が選択している対象物を遊技者に印象付け易くすることができるなど、遊技者に与える印象を異ならせることができる。よって、遊技者の高揚感を高め易くするなど、飽き難い遊技性を提供することができる。
また、メイン画像が強調されるように構成された楽曲MCa,MCbは、強調される第1メイン画像又は第2メイン画像が表示されたタイミングに合わせて、遊技者に対して特定の効果音が出力される音楽であればよく、「ドン」、「ドン」といった短時間で大音量又は低音の少なくともいずれかを含んで構成された特定の効果音が出力される場合に限らず、「バン」や「パーン」といった物が破裂したような高音に構成された特定の効果音が出力されたり、「ダ・ダ・ダ・ダ」や「パ・パ・パ・パ」といった短い周期で連続した特定の効果音が出力されたり、又は、複数の効果音を組み合わせた効果音が出力されてもよいし、共通動画像DMが表示される期間中の複数回のタイミングにおいて、いずれか又は複数種類の特定の効果音が出力されるように楽曲MCa,MCbを構成してもよい。
この場合において、短時間で短発音を発生させるとは、音楽を構成する拍子として、1つのアクセントに、1つ以上の非アクセントを加えた構成とされている状況において、前後で連続するアクセントと非アクセントとの間、2つの非アクセントの間、又は、非アクセントとアクセントとの間に相当する短時間に短発音を発生させる場合が例示され、又は、その短時間に略同一間隔で複数回の音が連続発生する短発音を発生させる場合が例示される。
また、大音量の短発音を発生させるとは、音楽を構成する拍子として、1つのアクセントに、1つ以上の非アクセントを加えた構成とされている状況において、短発音を発生させる1拍子の間で最も音圧レベルが高い音を発生させる場合が例示され、又は、短発音を発生させる拍子と、その前の1拍子又は2以上の複数の拍子との中で最も音圧レベルが高い音を発生させる場合が例示される。
また、楽曲MCa,MCbは、第1メイン画像及び第2メイン画像のうち、一方のメイン画像が出現するときに出力される音楽のテンポを、他方のメイン画像よりも速くした部分を含む音楽によって構成されていることが好ましい。この場合には、音楽のテンポによってメイン画像を強調することができ、強調対象物をより強く遊技者に印象づけることができる。ここで、音楽のテンポを速くするとは、特定の短発音が複数回出力されることにより構成される音楽における短発音が出力される時間の間隔を短くして出力する場合が例示される。
また、パチンコ機100の再生制御部601は、装飾図柄表示装置479に共通動画像DMと第1サブ動画像DAとの組合せを表示させると共に、音響装置281,282に複数種類の楽曲MCを出力させる制御を行い、また、共通動画像DMと第1サブ動画像DAとの組合せとは別の動画像として、共通動画像DMと第2サブ動画像DBとの組合せを表示させるか、又は、共通動画像DMとサブ動画像との組合せに対して最初から途中までの初期部分が削除された動画像を表示させる制御を行う。このため、遊技者に対して、共通の動画像データに基づいて複数種類の動画像を提供することができ、動画像データを少なくしつつ、多様な演出を実行可能とすることができる。特に、共通動画像DMの最初からの一定期間を除いた動画像を表示した場合、遊技者にとっては、開始時点での表示が異なるものとなるので、第1の動画像としての共通動画像DMとサブ動画像との組合せと、その動画像の組合せに対して最初から途中までの初期部分を削除した第2の動画像とに対する遊技者の印象を大きく異ならせることができ、あたかも相違する動画のように認識させることができる。
<遊技中の音楽の切替>
次に、図22〜図26を用いて、遊技中における音楽の出力について説明する。一般的な遊技機として、遊技が行われている通常状態において、始動入賞装置431に遊技球が進入すると、通常時用の楽曲を繰り返し出力し続け、数字盤の数字があと一つで大当りを示す配置になる、いわゆるリーチ演出を伴う変動表示が実行される場合に、通常時用とは別のリーチ演出用の楽曲を出力するものが知られている。
しかしながら、この方法だと、通常時用の楽曲が中途半端に終了してしまう状態でリーチ演出用の楽曲が出力されることになって、つなぎが悪くなる可能性があった。またサビなどの楽曲中で盛り上がる部分(以下、これを曲盛賑部と呼ぶ)が出力されているときにリーチ演出を伴わないハズレの変動表示が繰り返されることもあり、楽曲における「静」から「動」の流れに合わせて変動表示の内容を変化させることができず、リーチ演出を伴う変動表示が実行された場合の盛り上げ効果が低下してしまう可能性があった。
これに対して、本実施形態のパチンコ機100では、通常状態においては常に楽曲中で比較的静かな部分(ブロック)である曲静寂部を繰り返し出力し、リーチ演出を伴う変動表示が開始されると、曲静寂部よりも盛り上がるように構成された部分(ブロック)である曲盛賑部を出力する。また、曲静寂部及び曲盛賑部間のつなぎをよくするため、長さの異なる複数のサビ前間奏MSMから、適する長さのサビ前間奏MSMを出力し、大当り用の動画像データが表示されるタイミングに極力合わせて曲盛賑部を出力する。
以下においては、パチンコ機100において出力される楽曲として、図22に示すように構成された、POPS(ポップス)などに代表される楽曲としての大衆曲MCpを例示して説明する。また、以下においては、大衆曲MCpの出力を、リーチ演出を伴う変動表示が実行される場合に、リーチ状態となる前に大衆曲MCpの曲盛賑部の出力が開始される場合について説明するが、リーチ状態となった後に大当りの抽選結果が得られたことを期待させる演出として大衆曲MCpの曲盛賑部の出力が開始されるようにしてもよい。また、大当りに当選した後の特別遊技状態中に、曲静寂部を繰り返し出力する場合があり、特別遊技状態後の遊技状態を示唆する(又は期待させる)演出として、例えば、確変遊技状態が発生するか否かを期待させる演出として、確変遊技状態が発生する場合に限って、又は確変遊技状態が発生する場合には発生しない場合より高確率で、曲静寂部が出力された後に大衆曲MCpの曲盛賑部の出力が開始されるようにしてもよい。また、特別遊技状態後の遊技者にとって有利な遊技状態中の演出(例えば、時短遊技状態)中の演出として曲静寂部を繰り返し出力する場合があり、時短遊技状態の継続を期待させる演出として時短遊技状態が長く継続する場合には短い期間で終了する場合より高確率で、又は時短遊技状態が長く継続する場合に限って、曲静寂部が出力された後に曲盛賑部の出力が開始されるようにしてもよい。
大衆曲MCpでは、前奏MSA1の後に2種類の曲静寂部MA,MB(Aメロディ及びBメロディ)に相当するブロックが入り、サビと呼ばれる曲盛賑部MMに相当するブロックが続く。間奏MSA2に相当するブロックの後、再び曲静寂部MA,MB、曲盛賑部MMが繰り返される。そしてサビ前間奏MSMに相当するブロックの後、曲盛賑部MMを2回繰り返し、後奏MSEに相当するブロックで終了する。つまり、図23に示すように、大衆曲MCpは、曲静寂部MA,MBと、曲盛賑部MMと、前奏MSA1及び後奏MSE、そして曲静寂部MAの前段用の間奏MSA2と、曲盛賑部MMの前段用のサビ前間奏MSMとに相当する複数種類のブロックからなる。この大衆曲MCpは、例えば、「リーチ」を伴う変動表示より長い時間(例えば、240秒)の楽曲により構成され、特別遊技状態中や、客待ち中の状態において複数のパチンコ機100が一斉に演出を開始する場合等において、最初から最後まで出力される場合がある。なお、大衆曲MCpにおける曲静寂部MA,MB、曲盛賑部MMの各ブロックは、1曲の中で複数回出力される場合に必ずしも完全に一致するものでなく、旋律は同一であって歌詞が異なるなど、一部が異なるものであってもよい。
更に、本実施形態のパチンコ機100では、通常状態において曲静寂部のみを繰り返し出力すると共に、リーチ状態において曲盛賑部を長さの相違するサビ前間奏MSMを複数準備しておき、曲静寂部及び曲盛賑部間の時間調整を行うように構成されている。
パチンコ機100において、始動入賞装置431に遊技球が進入したことを主制御基板920が検知すると、速やかに大当り抽選が実行される。このとき、抽選結果が「リーチ」を伴わない「ハズレ」であった場合には、遊技者に抽選結果を知らせるために、比較的短時間(例えば3〜20秒程度)の変動表示(リーチなしハズレの変動表示)が実行された後に、ハズレに対応した抽選結果としての図柄の組合せを表示するハズレ動画像が装飾図柄表示装置479に表示される。一方、抽選結果が非当選であっても、「リーチ」を伴う図柄の変動表示(ハズレリーチ)の実行であった場合や、大当り抽選に当選した変動表示(当りリーチ)の実行であった場合には、比較的長時間(例えば20〜90秒)の変動表示の中で、「リーチ」に対応する図柄の組合せが表示された後に、上記したDOGやCAT等の対象物の表示を伴うリーチ演出(スーパーリーチやスペシャルリーチ)の動画像(以下において、リーチ動画像ともいう)が装飾図柄表示装置479に表示される。この変動表示が実行されている間に始動入賞装置431に遊技球がさらに進入した場合には、最大4回まで変動表示の実行及び抽選結果の表示が留保される。本実施形態のパチンコ機100には、変動表示の実行が留保される時間を活用して、曲静寂部MA,MBから曲盛賑部MMへの切替をスムースに実行する機能も設けられている。
具体的には、図24に示すように、音楽記憶部603には、曲静寂部MA,MBと、曲盛賑部MMと、前奏MSA1及び後奏MSE、間奏MSA2と、サビ前間奏MSMが記憶され、サビ前間奏MSMとしては、長さの相違するものが4つのサビ前間奏MSM1〜MSM4が記憶されている。また、音楽記憶部603には、補助間奏MSMxが記憶されている。
遊技が行われる通常状態において、副制御基板940の再生制御部601(図10参照)は、音楽記憶部603に記憶された曲静寂部MA,MBを再生し、繰り返し出力し、曲盛賑部MMは、再生しないように制御する。詳細には、副制御基板940の再生制御部601は、音楽記憶部603に記憶された前奏MSA1を再生した後に、曲静寂部MA,MBと、間奏MSA2とを、順に再生し、間奏MSA2の後に曲静寂部MA,MBを再び再生する制御を繰り返し行って、大衆曲MCpの一部を繰り返し出力する。
変動表示としてリーチ演出を伴う変動表示を実行することが主制御基板920の抽選によって決定され、リーチ演出を伴う変動表示の実行を副制御基板940が認識すると、副制御基板940の再生制御部601は、曲盛賑部MMを出力する。詳細には、副制御基板940の再生制御部601は、現在からリーチ動画像が表示される変動表示が開始されるまでのリーチ留保時間と、現在出力中の曲静寂部MA,MBの出力が終了するまでの出力終了時間を算出し、リーチ留保時間から出力終了時間を引いた差分を、リーチ動画像が表示される変動表示が開始される開始タイミングまでの調整時間として算出する。そして、再生制御部601は、調整時間に近い出力時間を有する一のサビ前間奏MSMがあれば、出力中の曲静寂部MA,MBに続けてサビ前間奏MSMを出力し、その後、曲盛賑部MMを出力する。ここで、リーチ動画像としては、図14〜図16に示す共通動画像DMと第1サブ動画像DA又は第2サブ動画像DBとの組合せが例示される。
例えば、図25に示すように、曲静寂部MAの出力中に、その後2回の、5秒で構成されたリーチなしハズレの変動表示の後、「リーチ」を伴う変動表示の実行となる抽選結果が得られた場合、曲静寂部MAの後に7秒の出力時間を有するサビ前間奏MSM4を挟んでから曲盛賑部MMを出力する。また、図26に示すように、曲静寂部MBの出力中に、その後1回の、5秒で構成された「ハズレ」の後、「リーチ」を伴う変動表示の実行となる抽選結果が得られた場合、曲静寂部MBの後に2秒の出力時間を有するサビ前間奏MSM1を挟んでから曲盛賑部MMを出力する。
これにより、リーチ動画像が表示される変動表示の開始とほぼ同一タイミングで曲盛賑部MMを出力開始することができ、リーチ動画像が表示される変動表示の開始に合わせて音楽が賑やかになる静から動の流れを自然にかつ確実に作り出すことができる。
また、曲静寂部MA,MBの終了と比べてリーチ留保時間が十分でない状態において、抽選により「リーチ」を伴う変動表示の実行となる抽選結果が得られた場合、再生制御部601は、曲静寂部MA,MBの出力を途中で中断し、曲盛賑部MMを出力する。音楽記憶部603には、図27に示すように、曲静寂部MAにおいて、途中で出力を中断しても違和感のない箇所として中断ポイントCLmが記憶され、また、中断ポイントCLmと比べると途中で出力を中断すると多少の違和感を生じるが、間奏によって違和感がなくなる箇所として中断ポイントCLsが記憶されている。また、図示しないが、曲静寂部MBに対しても同様に、中断ポイントCLm,CLsが音楽記憶部603に記憶されている。これにより、例えば、図28に示すように、曲静寂部MAを出力しており、リーチ留保時間が不足する状態において、抽選結果が「リーチ」だった場合、このまま曲静寂部MAの出力を最後まで続けると、曲盛賑部MMの出力開始前に「リーチ」を伴う変動表示が開始されてしまう。このため、再生制御部601は、このような場合には、曲静寂部MA,MBの出力を中断し、曲盛賑部MMの出力を開始する。
具体的に、再生制御部601は、抽選結果が「リーチ」だったことを認識すると、リーチ留保時間と出力終了時間を算出する。このとき、再生制御部601は、リーチ留保時間と出力中の曲静寂部MA,MBの出力終了時間とを比較し、出力終了時間がリーチ留保時間よりも大きい場合には、次の中断ポイントCLで曲静寂部MA,MBの出力を中断し、曲盛賑部MMの出力を開始する。再生制御部601は、中断ポイントCLsで出力を中断する場合、短い出力時間(例えば1〜2秒程度)の補助間奏MSMxを続けて出力してから、曲盛賑部MMを出力する。また、図29に示すように、再生制御部601は、中断ポイントCLmで曲静寂部MA,MBの出力を中断する場合には、続けて曲盛賑部MMを出力する。これにより、いずれの場合であっても、速やかに曲静寂部MA,MBを中断して違和感なく曲盛賑部MMに繋ぐことができる。
また、リーチ留保時間がない状態として、大衆曲MCpが出力されていない状態において、抽選により「リーチ」を伴う変動表示の実行となる抽選結果が得られた場合には、再生制御部601は、変動表示の開始に合わせて曲盛賑部MMを出力する。再生制御部601は、変動表示の実行が終わって変動表示が停止した状況においては、変動表示が実行されている場合と比べて音量を小さくして大衆曲MCpを一定時間(例えば、20秒)出力し、一定時間より長く変動表示の停止状態が継続した場合には大衆曲MCpの再生が停止される。そして、大衆曲MCpが出力されていない状態で「リーチ」を伴う変動表示の実行となる抽選結果が得られた場合には、いきなり曲盛賑部MMが出力されることとなる。
図30は、副制御基板940によって実行される音楽切替処理S100を示したフローチャートである。この音楽切替処理S100は、パチンコ機100において、主制御基板920によって実行されるタイマ割込み処理と並行し、また、副制御基板940によって装飾図柄表示装置479の表示内容の制御に並行して実行される。副制御基板940は、「リーチ」を伴う変動表示の実行抽選に当選したしたことを主制御基板920から送信されるコマンドにより認識すると、副制御基板940の再生制御部601は、音楽切替処理S100を実行する。
音楽切替処理S100では、まず、ステップS101において、「リーチ」を伴う変動表示が開始されるまでのリーチ留保時間が算出される。また、ステップS102においては、現在出力中の曲静寂部MA,MBの出力が終了するまでの出力終了時間が算出される。
ステップS103においては、リーチ留保時間が出力終了時間より大きいか否かが判別され、大きいと判別された場合には、次のステップS104へ移る。一方、ステップS103において否定結果が得られた場合には、曲静寂部MA,MBを出力し終える前に「リーチ」を伴う変動表示が開始されてしまうため、曲静寂部MA,MBから曲盛賑部MMへの切替をスムースに実行するために、ステップS111へ移る。
ステップS111においては、リーチ留保時間が、曲静寂部MA,MBにおいて一番最初に迎える中断ポイントCLm、CLsまでの中断時間よりも大きいか否かが判別される。大きいと判別された場合、次のステップS112においてリーチ留保時間より中断時間が小さい中で最も大きい中断時間を有する中断ポイントCLm、CLsを選択し、次のステップS104へ移る。
ステップS104においては、曲静寂部MA,MBの出力が終了してから開始タイミングまでの間を埋めるのに最適な一のサビ前間奏MSMが選択され、選択されたサビ前間奏MSMが出力されるように、ステップS105において、大衆曲MCpを構成するブロックの再生順序が設定される。
一方、ステップS111においてリーチ留保時間が、曲静寂部MA,MBにおいて一番最初に迎える中断ポイントCLm、CLsまでの中断時間よりも小さいと判別された場合には、ステップS113へ移る。ステップS113においては、一番最初に迎える中断ポイントが中断ポイントCLsであるか否かが判別され、中断ポイントCLsであった場合には、ステップS114において補助間奏MSMxが出力されるように再生順序が設定され、次のステップS106へ移る。ステップS113において、一番最初に迎える中断ポイントが中断ポイントCLsでなく中断ポイントCLmと判別された場合には、補助艦荘の出力を設定しないで、次のステップS106へ移る。
ステップS106においては、中断ポイントCLmまで出力された曲静寂部MA,MB、サビ前間奏MSM、補助間奏MSMxのいずれかに続いて、曲盛賑部MMが出力される。
このように、パチンコ機100は、始動入賞装置431へ遊技球が進入した場合に特別図柄に係る大当り抽選を実行する主制御基板920と、始動入賞装置431へ遊技球が進入した場合に識別情報としての図柄の変動表示を行い、主制御基板920による抽選結果に応じた停止結果を表示する装飾図柄表示装置479と、装飾図柄表示装置479によって変動表示が行われる場合に出力される音楽として、繰り返し出力される第1ブロックとしての曲静寂部MA,MBと、曲静寂部MA,MBより盛り上がるように構成された曲盛賑部MMとを少なくとも有する大衆曲MCpに対応する音楽データを記憶する音楽記憶部603と、音楽記憶部603に記憶された音楽データに基づいて大衆曲MCpを出力する音響装置281,282と、音響装置281,282の出力を制御する再生制御部601とを備え、再生制御部601は、主制御基板920による抽選結果として大当り抽選に非当選であってリーチなしハズレの変動表示が複数回連続して実行される場合に、複数回の変動表示に跨がって曲静寂部MA,MBを繰り返し出力させる機能(第1ブロック出力手段)と、大当り抽選に当選した当選結果が得られた場合であって当該当選に係る変動表示の前に実行された変動表示において曲静寂部MA,MBが出力されている場合に、曲静寂部MA,MBの後に、又は、曲静寂部MA,MBに続けてサビ前間奏MSM、若しくは、補助間奏MSMxのいずれかを出力させた後に、曲盛賑部MMを出力させる機能(第2ブロック出力手段)と、を有する。
このため、大当り抽選に非当選である場合には、複数回の変動表示に跨がって曲静寂部MA,MBが繰り返し出力され、大当り抽選に当選した場合であって当該当選に係る変動表示の前に実行された変動表示において曲静寂部MA,MBが出力されている場合に、曲静寂部MA,MBの後に、又は、曲静寂部MA,MBに続けてサビ前間奏MSM、若しくは、補助間奏MSMxのいずれかが出力された後に、曲盛賑部MMが出力される場合が生じ得る。これにより、大当り抽選に当選していない状況においては曲静寂部MA,MBが繰り返し出力されることによって遊技者には大衆曲MCpの盛り上がりが少ない部分のみを繰り返し楽しませることができる一方、大当り抽選に当選した場合には、曲静寂部MA,MBより盛り上がるように構成された曲盛賑部MMが出力されて遊技者に当選を期待させることができる。よって、静と動の流れを確実に形成することができ、遊技者に遊技を一層楽しませることができるし、大衆曲MCpと、変動表示との関連性を深めて、遊技者に違和感を与えることなく遊技の進行状況に調和した大衆曲MCpを出力可能とすることができる。
なお、前奏MSA1、及び、間奏MSA2は、曲静寂部MA,MBと同様、曲盛賑部MMと比較して曲静寂部を構成するものであり、曲静寂部MA,MBより短い長さで構成されるものであるため説明を省略したが、音楽切替処理S100と同様の処理によって曲盛賑部MMに違和感なく繋ぐことができるものであり、前奏MSA1、及び、間奏MSA2の少なくともいずれかに対して、中断ポイント、サビ前間奏、補助間奏の少なくともいずれかを設定してもよい。
ここで、主制御基板920の制御によって変動表示の時間が設定される構成において、リーチなし変動表示における1回の変動表示の実行時間として設定され得る時間としては、大衆曲MCpを構成する各ブロック(曲静寂部MA,MB、曲盛賑部MM、前奏MSA1、間奏MSA2、サビ前間奏MSM、後奏MSE等)の少なくともいずれかに一致した所定時間、大衆曲MCpを構成する各ブロックの少なくともいずれかの時間に対する2以上の整数倍の所定時間、又は、大衆曲MCpを構成する各ブロックの少なくともいずれかの時間に対する2以上の整数分の1の時間に設定された所定時間を含む構成とすることが好ましく、これにより、変動表示の実行時間と、曲静寂部MA,MBの実行時間とに関連性を持たせて、変動表示の終了時間に合わせてスムースに曲静寂部MA,MBが終了し易くすることができる。また、主制御基板920の制御によって変動表示の時間が設定される構成において、リーチを伴う変動表示における1回の変動表示の実行時間として設定され得る時間としては、曲盛賑部MMより長い時間となる変動表示を含む設定とすることが好ましい。なお、大衆曲MCpを構成する各ブロックのいずれかに一致した所定時間、曲静寂部MA,MBのいずれかの時間に対する2以上の整数倍の所定時間、又は、曲静寂部MA,MBのいずれかの時間に対する2以上の整数分の1の所定時間とは、各時間に対して遊技者が違和感を大きく感じることのない程度にずれた時間の範囲内に設定されるものであればよく、略0.8秒以内の時間のずれ内に設定されるとしてもよく、略0.5秒以内の時間のずれ内に設定されることが好ましく、略0.3秒以内の時間のずれ内に設定されることが好適である。
<可動式の装飾図柄表示装置の構成>
次に、図31〜図40を用いて、上記実施形態とは異なる構成の遊技盤600を備えたパチンコ機について説明する。本実施形態に係るパチンコ機は、上記実施形態に係る遊技盤400を備えたパチンコ機100に対して、装飾図柄表示装置479及び入球口の配置を含む一部の構成が異なるものである。以下、上記実施形態に係るパチンコ機100と同一の構成については、説明を省略し、異なる部分のみについて説明する。
図31は、装飾図柄表示装置479の構成を説明するための図である。図31においては、透明基体610の前面側に設けられた大部分の部材を省略し、透明基体610によって透視される裏側の装飾図柄表示装置479を図示し、装飾図柄表示装置479の変位方向を白抜きの矢印によって示している。また、図32は、遊技盤600を説明するための図であり、図32においては、装飾図柄表示装置479等の透明基体610の後側に配置される部品を透視しないように省略すると共に、上記実施形態と同様に遊技盤600に設けられる図柄表示装置471〜473と保留表示装置476〜478を省略して示している。また、図37及び図38には、図32に示した透明基体610の前側に取り付けられる部材のうち主要な部材のみを示している。
図31及び図32に示すように、遊技盤600は、変位可能に設置された可動式の装飾図柄表示装置479を含む表示装置ユニット640と、上記した基体401とは異なる位置に釘411や風車412等の流下変化部材と各種の入賞装置が取り付けられ、全体として透過性を有する材質で形成された透明基体610とを備えており、透明基体610が装飾図柄表示装置479の前側に重なる位置に配置される。装飾図柄表示装置479は、上下方向にスライド移動する変位動作が可能な表示装置ユニット640の一部として構成され、副制御基板940が動画装置駆動手段630(図10)を駆動制御することによって表示装置ユニット640の全体を変位させ、これにより、装飾図柄表示装置479が変位可能に構成されている。
図31に矢印を付して示したように、装飾図柄表示装置479は、上下に変位駆動される。具体的には、装飾図柄表示装置479は、液晶表示装置等の画像を表示可能な装置によって構成され、動画像が表示される表示領域を構成する画像表示部479Aを備えている。表示装置ユニット640は、装飾図柄表示装置479の画像表示部479Aと、画像表示部479Aの上部に設けられて表面が発光可能に奥側に発光体が配置された樹脂製の装飾部479Bと、遊技の保留回数を表示する保留表示部479Cとを有し、これらを一体化した状態にして上下に変位駆動される。
保留表示部479Cは、上側始動入賞装置631及び下側始動入賞装置632のいずれかに遊技球が進入したことに伴う変動表示が実行されている間に始動入賞装置631及び下側始動入賞装置632のいずれかに遊技球がさらに進入した場合に、変動表示の実行及び抽選結果の表示が保留されるが、このときの保留の回数を発光部の点灯個数により表示する。保留表示部479Cは、上側始動入賞装置631への遊技球の進入によって実行される第1特別図柄の変動表示に対する保留の回数を最大4個の点灯個数によって表示するために一方側(左側)に設けられた4つの発光体と、下側始動入賞装置632への遊技球の進入によって実行される第2特別図柄の変動表示に対する保留の回数を最大4個の点灯個数によって表示するために他方側(右側)に設けられた4つの発光体とによって構成され、副制御基板940の制御によって点灯制御が行われる。
図32に示したように、透明基体610は、一部に猫や犬などのキャラクタの図柄が印刷により付されているものの、正面視において装飾図柄表示装置479が変位する範囲内においては、ほとんど無色透明な部材として構成されている。このため、当該透明基体610を介して装飾図柄表示装置479を遊技者に視認させることが可能である。なお、図32以外の図面においては便宜上、透明基体610に印刷された図柄を省略している。
透明基体610には、盤面全体に釘411が設置されており、その合間を縫うように風車412、可動釘役物611、ステージ612、固定釘役物613、誘導部材614,615が設けられている。また、透明基体610には、上記実施形態における上側中始動入賞装置431、右始動入賞装置432、大入賞装置433,434、役連作動装置435、始動装置436、一般入賞装置439A〜439Dと同様に構成されて機能し、外形や配置位置が異なる構成とされた装置として、上側始動入賞装置631、下側始動入賞装置632、大入賞装置633、役連作動装置635、始動装置636、一般入賞装置639639A〜639Dが設けられている。以下において、各入賞装置等の構成として、上記実施形態と異なる部分についてのみ説明し、同一の構成については説明を省略する。
透明基体610の左右及び上下における中央近傍には、上側始動入賞装置631が配置され、下端中央近傍には、下側始動入賞装置632と大入賞装置633が配置されている。また、上下方向において上側始動入賞装置631と大入賞装置633の間、かつ上側始動入賞装置631及び大入賞装置633よりも右側と左側とに、一般入賞装置639A,639Bが配置されている。本実施形態における大入賞装置633は、上記実施形態において2つ設けられた大入賞装置433,434が1つのみ設置され、特別遊技状態において1つの大入賞装置633が動作する。ここで、上側始動入賞装置631、下側始動入賞装置632、一般入賞装置639A,639Bに進入した遊技球の排出通路は、装飾図柄表示装置479と透明基体610との間に設けてもよく、この場合には、遊技球の画像表示部479Aの前側に重なる経路の長さが他の方向側より短い側に排出通路を設けることが好ましく、例えば、左側の一般入賞装置639Aは、一般入賞装置639Aの入口に進入した後に正面視左側へ連続して画像表示部479Aの前側に重ならない位置へ誘導される経路とすることが好ましく、右側の一般入賞装置639Bは、一般入賞装置639Bの入口に進入した後に正面視右側へ連続して画像表示部479Aの前側に重ならない位置へ誘導される経路とすることが好ましい。
可動釘役物611と固定釘役物613は、それぞれ透明基体610の前面から釘411と同様に前側に突出し遊技球に接触することにより流下方向を変化させることが可能な棒軸状の方向変換部を複数備えると共に、正面視が略円形の板状に構成されて複数の方向変換部の前側にて方向変換部を一体化する前側一体化部とを備えている。図33には、可動釘役物611と固定釘役物613の前側一体化部の外形のみを図示し、方向変換部の配置位置を例示しており、遊技球が上側から進入し、斜め下側の左右に分散して流下可能な方向を矢印で示し、また、可動釘役物611の移動する水平方向を矢印で示している。
可動釘役物611及び固定釘役物613の前側一体化部の前面には、正面視網形の突出部が設けられ、あたかも釘がハンマによって殴打される頭部のような外観をなし、遊技者が視認した場合に、多数打ち込まれた釘411よりも大型の釘が設置されているかの印象を抱かせる構成とされている。また、可動釘役物611と固定釘役物613は、透光性を有する樹脂材料によって形成され、裏側を通過する遊技球が視認可能に構成されている。
図33に示すように、遊技者によって遊技領域の左右方向における中央上部を狙った発射操作が行われた場合には、発射機構333(図6)から発射された遊技球は、透明基体610の中央上端近傍に設けられた固定釘役物613に衝突する。このとき、固定釘役物613は、遊技球の進行方向を、速度及び位置に応じた方向(例えば、右下方向と左下方向)に、遊技球が分散するように流下させる。なお、遊技者の発射操作によっては、固定釘役物613に衝突することなく、固定釘役物613の右側又は左側を流下する場合もある。
固定釘役物613の下側には、可動釘役物611が左右に並んで2つ設けられている。2つの可動釘役物611に対しては、それらの間部分に遊技球が進入可能な開口部を形成可能に、左右に移動動作させるための進入規制機構を有しており、数秒に1回の割合で開状態(例えば、図33の状態)へと移行する。最大の開状態を維持する時間は短く、例えば0.2秒に設定されており、一定の時間(例えば、2秒間)をかけて開状態へ移行した後、可動釘役物611は、一定の時間(例えば、2秒間)をかけて閉状態(例えば、図32の状態)に戻る。可動釘役物611を動作させる進入規制機構は、例えば、主制御基板920に接続されたモータ等の駆動手段と、可動釘役物611を移動可能に支持する支持機構とによって構成され、主制御基板920によって制御されて一定の動作を行う。
なお、可動釘役物611と固定釘役物613とは、同一の形状により遊技球の接触部分を構成して同一の方向側に遊技球が流下可能に構成してもよく、これにより、遊技者が、釘役物611,613によって遊技球が動作する挙動を予測し易くすることができる。
可動釘役物611の鉛直下方向には、ステージ612が設けられている。ステージ612は、中央より左側に設けられて右へ下り傾斜する右傾斜曲線部612a,612cと、右傾斜曲線部612a,612cより右側に設けられて左へ下り傾斜する左傾斜曲線部612bと、最下に位置し中央部分が最も凹んだ形状を有する中央曲線部612dが組み合わされて構成されている。各曲線部612a〜612dは、遊技球の下側を支持して左右方向に遊技球を転動させることが可能に構成されている。また、各曲線部612a〜612dの最下端部には、減速して左右に移動しなくなった遊技球が落下可能なように上下方向に貫通する開口(図示せず)が形成され、各曲線部612a〜612dの上面は、開口側に向けて下り傾斜している。そして、開口の前側又は後側において遊技球の下側を支持して左右方向に転動していた遊技球の勢いがなくなると、曲線部612a〜612dから遊技球が下方に落下可能とされている。
開状態の可動釘役物611の間を通過した遊技球の多くは、ステージ612が設けられた中央上部の領域に進入する。そして、左右の傾斜曲線部612a〜612cに接触しながら中央曲線部612dが設けられる位置まで落下し、その後に中央曲線部612dの中央近傍から、ステージ612の下に位置する上側始動入賞装置631側へと流下する。中央曲線部612dから遊技球が排出される開口は、上側始動入賞装置631の入口(入賞口)の鉛直上方に設けられ、ステージ612に進入した遊技球は、上側始動入賞装置631側の近くまで誘導されて、上側始動入賞装置631へ高確率で進入可能となっている。言い換えると、可動釘役物611の間を通過した遊技球は、可動釘役物611の間に入らずに左右のいずれかに逸れて流下する遊技球より高確率で上側始動入賞装置631へ進入することができる。
また、閉状態の可動釘役物611に衝突したり、2つの可動釘役物611の右側又は左側を流下した遊技球は、ステージ612の左右両側の通路を経由し、釘411などに誘導されて流下することとなり、ステージ612に側方から進入する場合があるものの、その大部分は、ステージ612に進入することなく流下する。
上側始動入賞装置631の近くまで流下した遊技球は、上側始動入賞装置631に進入する場合の他、上側始動入賞装置631の下流側(下側)に設けられた一般入賞装置639A,639Bへ進入可能なように、遊技球の通路が構成されている。
このように、パチンコ機100では、透明基体610及び遊技領域の、上下方向及び左右方向におけるほぼ中央に上側始動入賞装置631を設けており、遊技者が中央(固定釘役物613)近傍を狙って遊技球を発射することにより、上側始動入賞装置631へ遊技球が進入可能に構成されている。また、上側始動入賞装置631より下流側であって上側始動入賞装置631の近くに一般入賞装置639A,639Bが設けられ、遊技球が上側始動入賞装置631に進入できなくても一般入賞装置639A,639Bへ進入する可能性があり、しかも、遊技者が一般入賞装置639A,639Bへの遊技球の進入を視認し易い構成とされて、上側始動入賞装置631へ進入しない状況が継続しても遊技者の落胆を抑制することができる。
ここで、一般的に、通常遊技状態における遊技者の興味は、上側始動入賞装置631への遊技球の進入及びそれに伴う抽選結果であり、遊技者の視線は上側始動入賞装置631及び画像表示部479Aに注がれることが多い。このため、一般入賞装置639A,639Bに遊技球が進入しても遊技者が気づかない場合がある。本実施形態に係るパチンコ機では、一般入賞装置639A,639Bに遊技球が進入するのに合わせて、画像表示部479Aに、一般入賞装置639A,639Bに遊技球が進入したことを表す画像(ジャンプ画像620b)を表示する。これにより、遊技者は、一般入賞装置639A,639Bへの遊技球の進入を気付き易く、また、複数配置された一般入賞装置639A〜639Dのうち、遊技球が進入した位置を認識し易くする構成としている。
図34に示すように、通常遊技状態において、装飾図柄表示装置479の画像表示部479Aは、一般入賞装置639A,639Bの後側に重なる位置に配置されている。詳細には、一般入賞装置639A,639Bの後側として、一般入賞装置639A,639Bの入口(入球口)と重複する位置に画像を表示可能に、一般入賞装置639A,639Bの入口の近傍(入口の僅かに上流側)に画像を表示可能に配置されている。
また、副制御基板940は、上側始動入賞装置631へ遊技球が進入した場合に実行される装飾図柄の変動表示と、変動表示の停止結果によって表示される抽選結果とを、上下方向において上側始動入賞装置631と一般入賞装置639A,639Bの間に位置するようにして画像表示部479Aに表示する。
また、副制御基板940は、装飾図柄の変動表示と抽選結果を表す画像の前側に重なるように表示されるキャラクタの画像として、一般入賞装置639A,639Bの入口部分に待機画像としての潜り画像620aを表示する。潜り画像620aは、例えば、キャラクタとしてのハートの画像によって構成され、入口から、ハートの上側の一部分が突出しているように表示される。なお、副制御基板940は、一般入賞装置639Bの入口部分と重複する位置に潜り画像620aを表示せず、重複しない位置(入口より上部)に、かつ入口に隣接させて潜り画像620aを表示してもよいし、重なる部分にも表示してもよい。
また、副制御基板940は、一般入賞装置639A,639Bに遊技球が進入すると、潜り画像620aが上方に一旦移動した後に下降する動画像により構成されたジャンプ画像620bを一般進入画像として表示する。ジャンプ画像620bは、潜り画像620aが飛び出してジャンプするような動画像として表示され、輝くハート画像が表示されると共に、入賞によって獲得される賞球数(例えば、3球)に対応した数値「3」を含む「3ポイント」の情報によって賞球を獲得した数量を含めて表す「3pt」という文字が一時的に表示される。その後、ハート画像は下降するように移動して、潜り画像620aの状態に復帰する。
一般入賞装置639A,639Bの前側の壁部分には、賞球として獲得できる遊技球数が印刷により固定的に記載され、他の一般入賞装置639C,639Dにも、賞球として獲得できる遊技球数が固定的に記載されている。なお、獲得できる遊技球数は、画像表示部479Aに表示してもよく、一般入賞装置639A,639Bの近傍に記載されていてもよい。また、獲得できる遊技球数は、入賞のない状況でも固定的に又は一定時間以上継続して表示されるものであってもよいし、入賞が発生した場合にのみ表示されるものとしてもよく、例えば、一般入賞装置639A〜639Dの前側に固定的に記載される表示を省略してもよい。
このように、遊技盤600を備えたパチンコ機は、遊技球が流下する遊技領域に設けられ、遊技球が進入した場合に所定数の遊技球が付与される一般入賞装置639A,639Bの入口と、一般入賞装置639A,639Bの入口部分及び入口部分から上方側に僅かに離間した部分に対して前後方向に重なる位置に配置される画像表示部479Aに動画像を表示可能な装飾図柄表示装置479と、一般入賞装置639A,639Bの入口へ遊技球が進入した場合に装飾図柄表示装置479を制御して所定の動画像として入口からハートの画像が飛び出すジャンプ画像620bを表示する副制御基板940とを備えている。
この遊技盤600を備えたパチンコ機によれば、装飾図柄表示装置479によって一般入賞装置639A,639Bのそれぞれの入口部分及び入口部分から上方側に僅かに離間した部分に対して前後方向に重なる位置に、ジャンプ画像620bが表示される。ジャンプ画像620bは、一般入賞装置639A,639Bの各々に遊技球が進入した場合に、各入口部分及び入口部分から上方側に僅かに離間した部分に表示されるので、一般入賞装置639A,639Bの入口への遊技球の進入を、遊技機メーカーと機種とに対応した固有の動画像として強調して遊技者に提示することができる。よって、遊技者に、複数の一般入賞装置639A,639Bの入口のうちいずれの入口に遊技球が進入したかを判り易く認識させ易くすることができるし、遊技者に与える印象を、動画像に用いるキャラクタや動作を機種毎に異ならせることで多様化させることができる。
また、上側始動入賞装置631の下流側である下方向の僅かに外側の位置であって、上側始動入賞装置631に近い位置に一般入賞装置639A,639Bが配置されている。このため、上側始動入賞装置631に近づいた遊技球が上側始動入賞装置631に進入できなかった場合であっても、一般入賞装置639A,639Bへの入球口への進入が可能であって、遊技球が進入した場合には遊技者に判り易く状況が提示されるので、遊技者に2重の楽しみを持たせることができる。
また、上側始動入賞装置631と、一般入賞装置639A,639Bとの間に相当する高さ位置に、上側始動入賞装置631に遊技球が進入した場合に行われる装飾図柄の変動表示と、抽選結果と、一般進入画像とを表示可能な装飾図柄表示装置479を備えている。このため、通常遊技状態において、上側始動入賞装置631と、一般入賞装置639A,639Bとの両方を確認し易く、特別遊技状態となった場合には、大入賞装置633に注目することで上側始動入賞装置631より一般入賞装置639A,639Bを確認し易くすることができる。よって、遊技者に対して、一般入賞装置639A,639Bへの遊技球の進入を認識させ易くし、一般入賞装置639A,639Bへ数多くの遊技球の進入を狙った遊技を行い易いパチンコ機を提供することができる。
また、装飾図柄表示装置479は、図34に示すように、副制御基板940の制御によって、上下方向における、上側始動入賞装置631と、一般入賞装置639A,639Bとの間に相当する高さ位置であって、略高さ方向におけるそれらの間の略中心に、装飾図柄の変動表示と抽選結果の上下方向における中心が位置する高さを通常遊技状態における通常位置として、装飾図柄の変動表示と抽選結果を表示する。このため、上側始動入賞装置631と、一般入賞装置639A,639Bと、抽選結果と、装飾図柄の変動表示とを、遊技者が一層認識し易いパチンコ機とすることができる。また、上側始動入賞装置631と、それぞれの一般入賞装置639A,639Bとを直線的に結ぶ仮想直線の後側に重なる位置を通常位置として、装飾図柄の変動表示と抽選結果を表示する構成となっている。このため、上側始動入賞装置631と、一般入賞装置639A,639Bと、抽選結果と、装飾図柄の変動表示とを、遊技者が一層認識し易いパチンコ機とすることができる。
なお、上下方向における、上側始動入賞装置631と、一般入賞装置639A,639Bとの間に相当する高さ位置に、装飾図柄の変動表示と抽選結果の上下方向における中心が位置する高さを通常位置として、装飾図柄の変動表示と抽選結果を表示してもよいし、上下方向における、上側始動入賞装置631と、一般入賞装置639A,639Bとの間に相当する高さを通常位置として、装飾図柄の変動表示と抽選結果の一部が表示されるようにしてもよく、この場合であっても、各入賞と変動表示と抽選結果とを遊技者に認識し易くすることができて好ましい。
また、大入賞装置633の両脇に相当する左右の両側には、一般入賞装置639C,639Dが設けられ、その位置は一般入賞装置639A,639Bよりも外側に配置されている。一般入賞装置639A,639Bの下であって下流側には、左右の両外側へ向かって下がる屋根状の傾斜を有する誘導部材614が設けられ、一般入賞装置639A,639Bの内側を通過した遊技球は、誘導部材614によって左右の両外側へ誘導される。これにより、一旦内側を通過した遊技球も外側に誘導されるため、遊技領域を左右方向に幅広く使用することができ、一般入賞装置639C,639Dへの進入の可能性を、入口に近い方向側への遊技球の移動によって大きく期待させることができる。
また、主制御基板920と副制御基板940は、上側始動入賞装置631への遊技球の進入に伴って、装飾図柄表示装置479の画像表示部479Aにて行われる変動表示の演出の種類を抽選して決定する。変動表示演出の抽選結果が、大当りの発生を期待させる所定のリーチ演出(複数の停止図柄の組合せによって抽選結果が表示される場合に、先行して停止又は停留する一部の停止図柄が抽選結果の当選に対応する停止図柄を構成している状態であり、抽選結果がはずれであるハズレリーチと、抽選結果が当りである当りリーチが例示される)を実行する結果であった場合、リーチ演出として、装飾図柄表示装置479を上下に揺動させるようにして小刻みに移動させつつ情報へ移動するリーチ移動を行いながら、最後に停止する装飾図柄の変動表示を遊技者に注目させるようにし、その後に、画像表示部479Aに抽選結果を表示する。
また、副制御基板940は、抽選結果が大当りであって特別遊技状態へ移行する場合に、装飾図柄表示装置479の可動範囲を最大限活用し、大当りの当選に対応する演出画像を遊技者が注目し易いように判り易い位置に表示して遊技者を祝福する演出の実行を制御する。例えば、図35に示すように、副制御基板940は、通常遊技状態において基本的に装飾図柄表示装置479が配置される通常位置(図34の位置)から装飾図柄表示装置479を上方向へ大きく、上側始動入賞装置631より上側に画像表示部479Aを移動し、画像表示部479Aの前側にステージ612が重なる位置(上昇位置)まで移動させる。そして、その後、一旦停止して大当りの表示結果として同一の数字図柄が3つ並んだ大当りの抽選結果を表示し、また、大当りの種類を判別可能な文字情報(例えば、確変遊技状態への移行に対応する文字としての「にゃおーんボーナス」の文字や3つの同一奇数図柄の組合せ、時短遊技状態への移行に対応する「のーまるボーナス」の文字や3つの同一偶数図柄の組合せ)を含む動画像を表示した後、装飾図柄表示装置479を下方向へ大きく移動し、透明基体610の下部に設けられた大入賞装置633及び一般入賞装置639C,639Dの後側に重なる高さ位置(下降位置)まで装飾図柄表示装置479を下降させ、その位置で停止させ、特別遊技状態中に対応する当選画像を表示する。その後、主制御基板920は、大入賞装置633を開状態にして特別遊技状態を開始する。
すなわち、副制御基板940は、通常遊技状態において、一般入賞装置639A,639Bの入口部分又は該入口部分から上方側に僅かに離間した部分に一般進入画像を表示可能な第1位置に装飾図柄表示装置479を配置し、特別遊技状態が発生する場合に、第1位置に対して少なくとも上下方向に沿った下方側に移動した位置であって、一般進入画像が表示される位置より大入賞装置633の入口に近い位置であって大入賞装置633の入口の後側に重なる位置に、特別遊技状態に対応した演出画像を表示可能な第2位置に装飾図柄表示装置479を配置する。このため、特別遊技状態のときに限って、装飾図柄表示装置479を大入賞装置633の入口に近づけて配置することができるため、小型で低価格の装飾図柄表示装置479をパチンコ機に設けても、特別遊技状態の発生に応じて遊技者の幸運を祝う画像(祝福画像)を大入賞装置633の近傍に表示することができる。よって、パチンコ機を低価格で製造可能としつつ、特別遊技状態において遊技球が進入し易くなる大入賞装置633の入口を遊技者が認識し易くすることができる。
また、ステージ612は、遊技球の下側を板状の部材によって支持する構成であるので、ステージ612が設けられる領域の後側を視覚的に塞ぐことを少なくすることができる。このため、装飾図柄表示装置479が上側に移動した場合に装飾図柄表示装置479により表示される演出画像を見難くする部位を排除し易くすることができ、ほとんどそのままの態様で遊技者に演出画像を視認させることができる。このため、ステージ612が設けられる領域の後側において装飾図柄表示装置479が画像を表示しつつ移動した場合に、演出画像の画質低下を少なくし、装飾図柄表示装置479及び演出画像が移動する演出を遊技者が視認して楽しみ易くすることができる。
また、誘導部材614は、遊技球の下側を板状の部材によって支持する構成であり、誘導部材614が設けられる領域の後側を視覚的に塞ぐことを少なくすることができ、また、誘導部材614の下側の領域への遊技球の進入を少なくすることができる。このため、装飾図柄表示装置479が通常遊技状態と比較して下側に移動した場合に、装飾図柄表示装置479により表示される演出画像を見難くする部位を排除し易くすることができ、ほとんどそのままの態様で遊技者に演出画像を視認させることができる。よって、誘導部材614が設けられる領域と、その下側の領域とにおいて装飾図柄表示装置479が画像を表示する特別遊技状態中における演出画像の画質低下を少なくし、装飾図柄表示装置479によって表示される演出画像を遊技者が視認して楽しみ易くすることができる。
なお、ステージ612および誘導部材614,615は、いずれも透明基体610と一体成形により形成してもよいし、透明基体610の前面に重なる取付面と一体成形されて透明基体610に取り付けられる別部材により構成してもよい。
ここで、副制御基板940による装飾図柄表示装置479の変位動作の制御として、大当りに対応する所定のリーチ演出が実行されてから特別遊技状態へ移行する場合に、特別遊技状態の開始の契機となる役連作動装置635(図38参照)への遊技球の進入を契機として、装飾図柄表示装置479を上昇位置から下降位置への移動を開始させるものとしてもよく、この場合に、上昇位置で役連作動装置635への遊技球の進入を待機している状況において装飾図柄表示装置479の画像表示部479Aに「右打ちして、大当り開始ゲートを狙ってね」という表示と、役連作動装置635の方向を向いた矢印とを表示するなどし、遊技を進行させるための説明をする表示をしてもよい。この場合に、通常位置より役連作動装置635に近い高さ位置に相当する上昇位置に装飾図柄表示装置479が配置されることは好ましく、これにより、特別遊技状態の開始の条件となっている役連作動装置635の配置位置を遊技者に判り易く示すことができるし、上方の遊技領域への遊技球の入口近くで発射操作の変更を促すことができて、遊技者に発射操作の変更が実行されたことも認識し易く提示することができる。
また、副制御基板940による装飾図柄表示装置479の変位動作の制御として、遊技者の発射操作を待機している状況においては、通行人などにパチンコ機の機種名などを表示する宣伝画像を、通常遊技状態における配置位置(通常位置)より高い位置にて表示するように、発射操作が一定時間実行されていない場合に通常位置から上昇位置へ装飾図柄表示装置479(表示装置ユニット640)を移動させ、発射操作が開始された場合に、再び、通常位置へ復帰するようにしてもよい。
また、副制御基板940による装飾図柄表示装置479の変位動作の制御として、通常位置にて大当りの発生を示す画像を表示し、上昇することなく、下降位置へ移動する制御を行ってもよい。また、不正な入賞(例えば、主制御基板920による開放制御が実行されていない状況における大入賞装置633への異常入賞)が発生した場合や、通常遊技状態中に右打ち遊技手法によって遊技が行われて始動入賞の機会が減少している異常な操作を役連作動装置635への遊技球の進入によって検出した場合に、その不正な入賞や異常な操作を検出した装置に近い側へ装飾図柄表示装置479を通常位置から移動して、遊技者に異常事態が発生していることを示す文字情報(「エラー中」や「左打ちに戻してください」の文字)を画像表示部479Aに表示してもよく、これにより、異常事態の発生を検出した箇所を遊技者や遊技場の店員などに判り易く提示することができる。
また、風車412や固定釘役物613、可動釘役物611は透光性の材料で構成することで発光可能に構成され、各部材の後側に設置された発光体の点灯状態を特別遊技状態中に制御して特別遊技状態の発生を遊技者に対して強調する演出を含む構成とすることが好ましい。
図36に示すように、透明基体610の中央よりわずかに下部における左右両側の端部には、誘導部材615が設けられている。誘導部材615は、中央へ向けて下り傾斜する上面を有しており、遊技領域の左右の端部において下方向に進行する遊技球を、中央側に誘導し、その下流側にて直線的に中央側に連続する通路を構成する複数の釘411との関係により、遊技球の一部を、透明基体610の左右方向における中央の下部に設けられた下側始動入賞装置632及び大入賞装置633の入口へ誘導する。特別遊技状態においては、左右の両側端部に誘導された遊技球が誘導部材615によって中央側へ誘導されるので、遊技領域の右側又は左側のいずれを狙って遊技球を発射しても、大入賞装置633の入口へ遊技球を進入させることが可能に構成されている。
ここで、右打ち遊技手法によって遊技球を強く発射させて反跳防止部材405に衝突させることにより、遊技球の経路を安定させることが可能となるので、この位置を遊技球が流下する場合に特別遊技状態において獲得可能な賞球数が最大となるようにしてもよい。これにより、特別遊技状態において、設計意図に近い賞球数を遊技者が獲得し易い遊技性を付加した遊技機を提供することができる。
始動装置636は、上下方向に遊技球が通過可能な貫通孔を有するように、コの字の門形状が遊技領域内に配置される構成とされている。始動装置636には、特別遊技状態の後の時短状態において通常遊技状態より遊技球を多く進入させる必要がある部位であり、反跳防止部材405に遊技球を衝突させた場合に遊技球が数多く通過する構成としてもよく、これにより、特別遊技状態の後の時短状態においても、右打ち遊技手法を継続することで遊技者に有利な状態で遊技を進行させることができ、判り易い遊技性を付加することができて好ましい。
ここで、図36に示すように、特別遊技状態中においては、大入賞装置633の入口に対して後側に重なる位置に、装飾図柄表示装置479が配置されている。このため、副制御基板940は、大入賞装置633に遊技球が進入すると、例えば、その遊技球の進入に同期して、キャラクタとしてのコインが舞うような動画像によって遊技球の進入を祝福する特別進入画像や、大当りであることを示す画像を特別遊技状態中の演出画像として画像表示部479Aに表示する。
また、装飾図柄表示装置479の下方向への移動に伴い、ステージ612の後側に大当り表示部625が出現する。この大当り表示部625は、装飾図柄表示装置479よりも後側に描かれた(印刷された)画像によって構成されており、装飾図柄表示装置479が移動したことにより透明基体610を介して露出する。ハズレリーチの場合には、装飾図柄表示装置479が一旦上方へ移動した後に、通常遊技状態に対応する通常位置に戻る場合があり、装飾図柄表示装置479の上方への移動量は、大当り表示部625の下側部分が遊技者側から視認できない量に設定されている。
次に、透明基体610に設けられる釘411等の流下変化部材によって構成されて遊技球を流下させる通路について説明する。
遊技領域には、遊技領域を高さ方向における上部、中部、下部に、別々の機能を有する装置431〜439が配置され、流下変化部材によって各装置431〜439に好適に遊技球を流下可能な構成とされている。遊技領域の中部には、遊技球が進入した場合に大当り抽選が行われる上側始動入賞装置631の入口が設けられ、遊技領域の下部には、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間を移行する進入規制機構によって遊技球の進入確率が変化する大入賞装置633の入口が設けられている。
図37に示すように、遊技領域の上部を含む第1側方誘導領域641には、遊技領域の左右方向における中央部から右端部及び左端部に向かって斜め下側に連続する通路を構成する釘411が設けられている。遊技領域の上部から流下する遊技球の少なくとも一部は、第1側方誘導領域641の釘411によって、遊技領域の左右方向における中央部から右端部及び左端部のいずれかに誘導される。
第1側方誘導領域641の釘411より低く上側始動入賞装置631より高い第1中央誘導領域642には、左右両側の端部から中央側に向かって斜め下側に連続する通路を構成する釘411が設けられている。第1側方誘導領域641の釘411によって左右いずれかの端部へ導かれた遊技球の一部は、第1中央誘導領域642の釘411によって左右いずれかの端部から上側始動入賞装置631の近くに誘導される。
上側始動入賞装置631より低く下側始動入賞装置632及び大入賞装置633より高い第2側方誘導領域643には、上側始動入賞装置631の近くから左右両側の端部に向かって斜め下側に連続する通路を構成する釘411が設けられている。上側始動入賞装置631に進入しなかった遊技球の一部は、第2側方誘導領域643の釘411によって、上側始動入賞装置631の近くから左右いずれかの端部へ再び誘導される。
第2側方誘導領域643より低く大入賞装置633より高い第2中央誘導領域644には、左右両側の端部から中央側に向かって斜め下側に連続する通路を構成する釘411が設けられている。第2側方誘導領域643の釘411によって左右いずれかの端部へ導かれた遊技球の一部は、第2中央誘導領域644の釘411によって左右いずれかの端部から下側始動入賞装置632及び大入賞装置633の近くに誘導される。
ここで、4つの誘導領域641〜644に設けられた釘411によって形成される通路は、下方に分岐する分岐路が1又は複数設けられるようにして、釘411が断続的に配置されている。各誘導領域641〜644の釘411によって構成される直線状の通路において、各通路に進入した遊技球のうち断続部分へ進入して下流端まで到達しない遊技球の割合としては、半分以下とするのがよく、略3分の1又は略5分の1以下とするのが好ましく、略7分の1又は略10分の1以下とするのが好適である。なお、図31、図37及び図38においては、断続部分を模式的に表示している。
遊技領域の上部中央より右側であって、遊技領域の右端を構成する壁部分に沿った右側誘導領域645には、図38に示すように、遊技領域の右端に設けられる通路を構成する釘411が配置されている。この右側誘導領域645の釘411によって形成される通路は、左側に分岐する分岐路が複数設けられるようにして、釘411が断続的に配置されているが、遊技領域の右端の通路に進入した遊技球のうち断続部分へ進入する遊技球の割合としては、略3分の1又は略5分の1以下として少なく設定するのが好ましく、略7分の1又は略10分の1以下として更に少量にするのが好適である。なお、図31、図37及び図38においては、断続部分を模式的に表示している。
5つの誘導領域641〜645に設けられた釘411によって、遊技球は、各装置431〜439に向かって以下のように流下する。まず、遊技領域の上部中央に向かって発射された遊技球は、2度にわたって左右方向に広がって流下する構成とされ、図37に示すように、高さ方向の中央部に相当する上側始動入賞装置631の配置される位置と、高さ方向の下部に相当する下側始動入賞装置632及び大入賞装置433の配置される下部の位置とにおいて、左右方向の中央部に集められる。遊技領域の上部中央より左側から流下を開始した遊技球の多くは、遊技領域の左側にて遊技領域の中央部と左側の端部とを往来しつつ、下側に流下する。また、遊技領域の右側であって一番右端の通路を除く位置から流下を開始した遊技球の多くは、遊技領域の右側にて遊技領域の中央部と右側の端に近い部分とを往来しつつ、下側に流下する。
発射力を一定以上に高くして反跳防止部材405に接触してから流下を開始するように発射された遊技球は、図38に示すように、遊技領域の一番右端の通路から流下を開始する。そして、高さ方向の中央部では左右方向の中央側へ誘導されることなく下方へ流下し易く、その後、遊技領域の下部にて中央部に向かうことが可能なように下側に流下する。この結果、遊技領域を流下する遊技球は、いずれの位置から流下を開始するように発射操作がなされても、少なくとも一部の遊技球が大入賞装置633に進入可能に構成されている。
このように、第1側方誘導領域641の釘411によって、遊技領域の上部において左右方向の中央から端部に一旦導かれた遊技球の一部は、第1中央誘導領域642の釘411によって上側始動入賞装置631が設けられる中央側に戻される。そして、上側始動入賞装置631に進入しなかった遊技球の一部は、遊技領域の中部において、第2側方誘導領域643の釘411によって左右方向の中央側から端部に再び導かれた後、更に、第2中央誘導領域644の釘411によって大入賞装置433が設けられる中央側に再び戻すことができる。この結果、大入賞装置433に遊技球を進入させ得る誘導路として、上側始動入賞装置631へ進入する機会を与えつつ、左右方向に大きく遊技球が移動する経路を設定することができる。この結果、上側始動入賞装置631に進入しなかった遊技球が上側始動入賞装置631のすぐ下に配置された大入賞装置433に向かって落下して入るような単調なルートとは異なり、左右に大きく蛇行するルートを設定することができる。よって、大入賞装置433に遊技球が進入するまでの遊技球の流下を視認する遊技者に与える印象を、従来とは大きく異ならせることができ、遊技領域を流下する遊技球の態様を多様化させることができる。
次に、一般入賞装置639C,639Dと大入賞装置633とに関する構成について、更に詳しく説明する。
大入賞装置633よりわずかに高い位置に相当する上側であって、左右の両外側には、一般入賞装置639C,639Dが設けられている。一般入賞装置639C,639Dは、誘導部材615によって中央側に誘導され、その後に、第2中央誘導領域644の釘411によって形成される通路を経由した遊技球の一部が進入可能に構成されている。
図39に示すように、透明基体610の右側を狙って遊技球を発射させた場合、多くの遊技球は、大入賞装置633に向かって進行し、遊技球の一部は、図40に示すように、一般入賞装置639Dの入口に進入する。
副制御基板940は、一般入賞装置639C,639Dに遊技球が進入した場合には、装飾図柄表示装置479を制御して、一般入賞装置639C,639Dの入口のうち遊技球が進入した入口の上側であって入口部分の後側に重なる位置に、遊技球の進入に対応するキャラクタの画像を一般進入画像として表示する。一般入賞装置639Dに遊技球が進入した場合には、副制御基板940が装飾図柄表示装置479を制御して、図40に示すように、一般入賞装置639Dの上側であって入口部分の後側に重なる位置に、遊技球の進入に対応するキャラクタの画像として、星形のキャラクタを含む一般進入画像を表示する。
ここで、副制御基板940は、一般入賞装置639C,639Dへの遊技球の進入に対しての一般進入画像を、大入賞装置633への遊技球の進入に対しての特別進入画像の前側に重なるようにして、画像表示部479Aに表示する。また、一般進入画像には、一般入賞装置639Dへの遊技球の進入によって獲得できる遊技球の数と一致する「7」の文字が付加されており、遊技者に、一般入賞装置639Dへ遊技球が進入したことと、獲得できる遊技球の数とを認識させることができる。また、大入賞装置633の左側に設けられる一般入賞装置639Cに遊技球が進入した場合にも、その入口部分に一般進入画像が表示され、これにより、賞球の獲得の契機となった入賞が発生した位置も遊技者に判り易く認識させることができる。
なお、一般進入画像や特別進入画像など、遊技者に特典を付与することとなる入球口へ遊技球が進入した場合に表示される画像は、静止画像を所定時間に亘って表示してもよく、動きを伴う動画像として表示させてもよい。また、図40には、一般入賞装置639C,639Dにも獲得できる遊技球の数が印刷によって固定的に記載されている場合を例示しているが、この遊技球の数は、一般入賞装置639C,639Dの近傍に固定的に表示されていてもよいし、又は、一般進入画像として遊技球の数は遊技者が認識可能であるので、遊技球の数は必ずしも固定的に表示されなくてもよい。また、特別進入画像に代えて、特別遊技状態の発生に対応した当選画像を装飾図柄表示装置479に動画像として、表示し、この当選画像の前側に重なる位置に、一般進入画像を表示してもよい。
ここで、主制御基板920は、所定回数のラウンドの終了契機として遊技球が大入賞装置633に進入したことを認識すると、遊技状態を他の遊技状態へ移行する制御を行う。このため、大入賞装置633へ遊技球を誘導する誘導路の途中に、一般入賞装置639C,639Dへ遊技球が誘導される通路を設け、遊技球の一部を一般入賞装置639C,639Dに進入させることにより、特別遊技状態において遊技者が獲得できる遊技球の数を増大させることが好ましい。そして、この遊技状態が移行するまでの特別遊技状態中においては、一般入賞装置639C,639Dへの遊技球の進入に対応した一般進入画像を画像表示部479Aに表示することが好ましく、これにより、遊技者が特別遊技状態に抱く楽しみを一層増大することができるし、その進入個数分に相当する特典を付加した形で遊技者に1回の特別遊技状態によって獲得可能な賞球を提供することができる。
このように、透明基体610では、中央近傍に上側始動入賞装置631を設け、その下流側に一般入賞装置639A,639Bを設けることにより、遊技者に対し、通常遊技状態において中央を狙って遊技球を発射させると共に、上側始動入賞装置631に遊技球が進入しない場合であっても一般入賞装置639A,639Bに遊技球が進入する場合を設けて遊技者の楽しみを増大させる。また、大入賞装置633の上流側に一般入賞装置639C,639Dへ向かう分岐点を設けることにより、特別遊技状態において、遊技者に通常遊技状態とは別ルート(右側又は左側)を狙わせて遊技球を発射させる遊技性を付加することができる。この結果、上側始動入賞装置631を狙った場合とは遊技球が進入する数を大きく異なる設定とされた一般入賞装置639C,639Dのいずれかに、多数の遊技球を進入させる遊技性を付加することができ、大当りが発生した場合に発射操作の変更によって多数の遊技球を獲得する楽しみを増大させることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限られることはなく、例えば、以下に記載するように変形して実施しても良い。この場合に、以下に記載する各構成を上記実施形態に対して適用しても良く、以下に記載する複数の構成を組み合わせて上記実施形態に対して適用しても良い。
(1)上記実施形態において、リーチ演出が実行される際に、一つの画像を使用する場合を例示したが、2種類以上の画像を抽選によって又は順番に代わるようにして使用してもよい。また、共通動画像DMを用いると共に、音楽や装飾図柄表示装置379の位置及び動作のいずれか一方を含む態様を、リーチ演出によって表示される画像に対応して変化させるようにしてもよく、これにより、あたかも2種類の画像を表示させているかのような印象を遊技者により強く与えることも可能である。
また、釘411、風車412、可動釘役物611、ステージ612,誘導部材614、615、大当り表示部625はいずれも必須ではなく、その構成や配置として、他の構成や配置を適用してもよい。一般入賞装置639A〜639D、上側始動入賞装置631、下側始動入賞装置632、大入賞装置633の構成や配置として他の構成や配置を適用してもよい。
また、上述実施形態においては、装飾図柄表示装置479(画像表示部479A)が上下方向に変位するようにしたが、前後方向、左右方向、斜め方向を少なくとも一部として含むように変位する構成としても良く、曲線状、折れ線に変位する区間を少なくとも一部として含むようにしてもよく、又は、装飾図柄表示装置479が、前後方向や、遊技領域に沿った上下方向及び左右方向を含む平面を軸とする方向を中心に回動する区間を少なくとも一部として含むようにしてもよく、又は、変位不能な装飾図柄表示装置であって上記実施形態において変位することにより表示可能となる領域を全て含む表示領域の広い表示装置により構成してもよい。また、装飾図柄表示装置479として、装飾図柄の変動表示と、抽選結果とは、図柄が付された帯状の周回体(リール)を回動させた後に停止させて表示する構成とし、かかる表示装置を、として、他の構成や配置を適用してもよい。と、一般入賞装置639A,639Bとの間に相当する高さ位置に配置し、当該表示装置に重なる位置に透光性を有する画像表示装置を重ねて配置し、一般進入画像や特別進入画像を表示してもよく、装飾図柄の変動表示に同期して実行される演出画像を表示してもよい。
また、上述実施形態においては、装飾図柄表示装置479(画像表示部479A)が遊技球の流下する遊技領域の後側に重なるように配置する構成について説明したが、透過型の液晶表示装置やアクリル製の導光板にキャラクタ等の画像を付加した表示装置を遊技領域の前側に重なるように配置して、入賞装置への遊技球の進入に対応した画像を表示してもよい。
また、上述実施形態においては、一般入賞装置639A〜639Dと、大入賞装置633との入賞に対し、各入口部分及び入口部分から上方側に僅かに離間した部分に対して前後方向に重なる位置に動画像としての一般進入画像を表示する構成について説明したが、これに代えて、又は、これに加えて、上下の始動入賞装置631,632、役連作動装置435、始動装置436の少なくともいずれか又は複数に対しての遊技球の進入についても、各装置の入口部分及び入口部分から上方側に僅かに離間した部分に対して前後方向に重なる位置に動画像を表示可能に構成して動画像を表示してもよく、他の実施形態に係る入賞装置431〜439の少なくともいずれかに対して、遊技球の進入に対して、各入賞装置の入口部分等に動画像を表示してもよい。この場合に、各入賞装置の入口部分でなく、各入賞装置への遊技球の進入が確定することとなる通路の分岐部分に対して前後方向に重なる位置に動画像を表示してもよく、また、各入口部分から上方側に僅かに離間した部分としては、各入口から一定の範囲内において上方側又は斜め上方側に離間した部分とすることが好ましく、この範囲内は、略15cm以内としてもよく、略10cm以内とすることが好ましく、略5cm以内とすることが好適である。
また、上記実施形態においては、装飾図柄の変動表示としての数字の図柄が表示される表示領域の前側に重なる位置に、一般進入画像を表示する構成について説明したが、装飾図柄の変動表示に重なる位置に限らず、始動入賞によって実行されて抽選結果に応じて結果表示が複数種類設定されたキャラクタの動作等による表示(動的表示)に重なる位置に一般進入画像を表示してもよく、例えば、上下の始動入賞装置631,632のいずれかへの遊技球の進入に基づいて表示されるキャラクタの動作による演出画像に重なる位置に一般進入画像を表示する構成としてもよい。
また、上記実施形態においては、一般進入画像として、獲得できる遊技球数に対応した情報(球数情報)を文字や数字によって表示する場合について説明したが、これに代えて、又は、これに加えて、付与される遊技球の数が多いほど数量が多くなる表示対象の数(例えば、ハートの数)によって表示される情報としてもよく、付与される遊技球の数が多いほど表示対象の外形を変化させる(例えば、ハートの大きさを拡大する)ことによって表示される情報としてもよいし、付与される遊技球の数が多いほど上方へ移動する移動量を大きくすることによって表示される情報としてもよい。
また、上記実施形態においては、4つの誘導領域641〜644に設けられた釘411によって遊技領域の左右方向における中央を基準に左右両側において2回ずつ端側に誘導される構成について説明したが、左右における一方側のみにおいて2回、端側に遊技球が誘導されるように釘411を配置し、反対側の釘411は1回のみ端側に遊技球が誘導可能となる構成としてもよい。また、上下の始動入賞装置631,632と、大入賞装置633の少なくともいずれかを左右方向における中央に対して、右側または左側にずれた位置に設けてもよく、例えば、上側始動入賞装置631を中央よりも正面視右側にずれた位置に配置し、そのずれた位置を遊技球が経由するように4つの誘導領域641〜644を適用してもよく、この場合には、ずれた位置側に始動入賞装置631に進入した遊技球の排出通路を設けて、装飾図柄表示装置479と透明基体610との間に排出通路を設けることが、画像表示部479Aに表示される画像の前を通過する遊技球の経路を短くし易くすることができて好ましい。
(2)上記実施形態においては、強調対象物が相違していても共通で使用される共通動画像DMと、強調対象物に応じて使用されるサブ動画像DA,DBとを表示する構成を例示したが、サブ動画像DA,DBは必須でない。例えば、共通動画像DMのみを使用し、背景象徴色と音楽による強調によって印象を変えることができる。
上記実施形態においては、動画像Dと楽曲MCとの表示及び出力タイミングを合わせることにより、強調対象物を強調する構成としたが、これに限られない。例えば、前記動画像データに附された第1メイン画像又は第2メイン画像であることを示すメイン画像情報に基づいて、前記強調メイン画像の出現を認識し、それに合わせて音声を大きくするなどしてメイン画像を強調しても良い。また、表示される動画像データを解析することにより上記強調メイン画像を判別しても良い。
上記実施形態においては、メイン画像に合わせた強調部分を予め楽曲に形成しておき、タイミングを合わせて再生する構成としたが、これに限られない。例えば、メイン画像の出現に合わせて音を大きくしたり、音声を重畳することにより、音楽の強調部分を形成することができる。また、音楽による強調だけではなく、メイン画像に合わせて装飾手段(盤面発光装置490や枠発光装置271〜275)を点灯させたり、点滅させたりすることにより、メイン画像を強調することができる。
上述実施形態においては、強調対象物に対して背景象徴色を対応付ける構成にしたが、この構成は必ずしも必要でない。例えば、服装や所持品などの色とそれらの画像内における配置などによって同様の効果を得ることが可能である。
上述実施形態においては、共通動画像DMの後にサブ動画像DA,DBが表示される構成にしたが、共通動画像DMの前又は途中にサブ動画像DA,DBが表示されても良い。特に、2以上の箇所にサブ動画像DA,DBが表示されることにより、相違する動画像を視認しているという遊技者への錯覚効果を高めることができる。
上記実施形態においては、複数種類の強調対象物が表示される動画像Dと、動画像Dに合わせて出力される楽曲MCとが、遊技者によって遊技が行われている期間中に出力される構成について説明したが、遊技者による遊技が行われていない客待ちの状態においても、遊技中に表示されるものと同一の動画像Dを、又は、その一部分を表示する制御を付加してもよく、この場合における楽曲MCとしては、強調対象物が表示されるメイン画像に合わせて遊技中に出力される強調部FAを除去した楽曲MCを出力するようにしてもよい。この場合において、客待ちの状態において出力される楽曲MCの音楽データは、強調部FAを含む楽曲MCの音楽データの少なくとも一部を利用して出力することが好ましく、例えば、強調部FAの出力に対応した音楽データと、強調部FA以外の音楽の旋律や音声に対応した音楽データとを音楽記憶部603が記憶し、遊技中と、客待ちの状態中とにおいて、強調部FAの出力有無を異ならせることにより、少ない音楽データによって2種類の音楽を出力可能とすることができる。そして、客待ちの状態中に、動画像Dを視認しつつ、楽曲MCを聴いたことのある遊技者であっても、遊技中においては強調部FAを含む音楽によって遊技者の期待感を増大させやすくすることができ、遊技中に実行された演出に特別感を付加し易くすることができる。
上記実施形態においては、複数種類の強調対象物のうち遊技者が選択した対象物が強調される複数種類の楽曲MCが選択して出力される場合について説明したが、必ずしも遊技者が選択した対象物が強調される楽曲MCを出力する必要はない。例えば、リーチ状態中における演出として、複数種類の対象物のうち、戦闘等による勝敗や、優劣の結果によって、その後の有利な遊技状態を期待させたり、抽選に当選したことを示唆する場合に、初めて遊技者が対象物を視認した場合などでは、いずれの結果になれば遊技者にとって有利な状態となるのか認識できない可能性がある。かかる場合において、メイン画像の表示と、強調部FAとの組合せによって、勝負に勝つことを期待した方が遊技者に有利となる対象物を遊技者に感覚的に示唆することができるので、わざわざ文字表示を付加する必要もなくなって表示領域を拡大し易くしたり、説明文が付加されることによって折角設定した表示演出を見入る気持ちを減退させてしまうことも少なくすることができて好ましい。
(3)上述実施形態においては、サビ前間奏MSMを複数準備し、一を選択する構成にしたが、この構成は必ずしも必要ではない。例えば、中断ポイントを複数有するサビ前間奏MSMを準備したり、どこで中断しても違和感のないような曲調のサビ前間奏MSMを記憶しておき、必要に応じた長さでサビ前間奏MSMを出力し、続いて曲盛賑部MMを出力することもできるし、サビ前間奏MSMを省略してもよい。また、補助間奏MSMxについても、2以上の補助間奏MSMxを準備してもよいし、省略してもよい。
上記実施形態においては、2種類の曲静寂部MA,MBと、1つの曲盛賑部MMとを含む大衆曲MCpが出力される構成について説明したが、曲静寂部を1つ有する曲であってもよいし、3以上有する曲であってもよく、曲盛賑部についても、2以上有する曲であってもよい。また、2以上の曲盛賑部がある場合には、所定の抽選結果が得られた場合に盛り上がる部分のある一方の曲盛賑部を限定して出力してもよいし、所定の抽選結果が得られた場合に2以上の曲盛賑部の1つを選択して出力してもよい。2以上の曲盛賑部の1つを選択して出力する場合には、出力中の曲静寂部に対してその後に続きやすい曲盛賑部を選択して出力してもよく、その後に続きやすい曲盛賑部としては、出力中の曲静寂部の歌詞に関連のある歌詞が続く曲盛賑部や、大衆曲MCpにおいて出力されるタイミングが近い曲盛賑部とすることなどが例示される。
上記実施形態においては、曲静寂部MA,MBと、曲盛賑部MMとを含む大衆曲MCpが1曲設定される場合について説明したが、2曲以上の音楽(楽曲)が選択して出力される設定としてもよく、この場合には、各音楽(楽曲)に対して繰り返し出力可能な第1ブロック(曲静寂部)と、所定の抽選結果が得られた場合に出力される第2ブロック(曲盛賑部)とを設定し、所定の抽選結果が得られた場合には第1ブロックとして出力中の音楽(楽曲)に対しての第2ブロックを選択して出力する構成としてもよい。
(3)本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当りすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当り状態が発生するまで、大当り期待値が高められるようなパチンコ機として実施しても良い。また、大当り図柄が表示された後に、所定の領域に球が入賞することを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施しても良い。また、球が循環する封入式のパチンコ機に実施しても良い。さらに、パチンコ機以外にも、アレンジボール型パチンコ、雀球等の各種遊技機として実施するようにしても良い。また、パチンコ機に限定されることはなく、メダルを使用するスロットマシン等の回胴式遊技機に適用しても良く、遊技媒体として遊技球を使用する回胴式遊技機に相当するパチンコ機とスロットマシンとを融合した形式のパロット等の遊技機に適用しても良い。
<上記実施形態から抽出される発明>
以下、上記した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて課題及び効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。また、各特徴に記載した用語の意味や例示等は、同一の文言にて記載した他の特徴に記載した用語の意味や例示として適用しても良い。
従来の遊技機においては、例えば液晶パネルからなる装飾図柄表示装置を備えており、当該装飾図柄表示装置に様々な動画像を表示することが一般的である。
従来の遊技機において、準備する動画像が少なければ低コストになるものの遊技者を楽しませるために表示する動画像が限定されてしまう。一方、準備する動画像の数が増えると、動画像を制作するためのコストが増大してしまう。
そこで、動画像の制作コストを抑えつつ、遊技者に与える印象を多様にすることが可能な遊技機を提供するという観点から、特徴10〜26に係る発明を抽出することができる。
また、従来の遊技機において、始動条件の成立として遊技球が始動入球口に進入した場合に当否抽選が行われ、その当否抽選の結果を、図柄の変動表示が実行された後の停止結果を表示して遊技者に示唆するものが知られている。そして、図柄の変動表示が実行される場合に特定の楽曲を出力することで、変動表示の演出に対して音楽による演出を付加することが知られている。
しかしながら、従来の遊技機において、変動表示の演出に対して音楽を付加した演出について、未だ改良の余地がある可能性がある。
そこで、遊技者に違和感を与えることなく抽選結果に対応した長時間の楽曲を出力可能な遊技機を提供するという観点から、特徴30〜特徴36に係る発明を抽出することができる。
<特徴10>
所定の入球口(始動入賞装置431の入口)へ遊技球が進入した場合に所定の抽選を実行するための抽選手段(主制御基板920)と、
第1の対象物がメインで登場する第1メイン画像と、第2の対象物がメインで登場する第2メイン画像とが出現する共通動画像を表示可能な動画像データを記憶する動画記憶手段(動画記憶部602)と、
該動画記憶手段に記憶された動画像データに基づいて前記共通動画像を表示する動画表示手段(装飾図柄表示装置479)と、
該動画表示手段によって表示される共通動画像に合わせて出力される音楽として、該共通動画像において表示される前記第1メイン画像及び前記第2メイン画像のそれぞれに対応し、前記第1メイン画像及び前記第2メイン画像のそれぞれが強調されるように構成された複数種類の音楽を再生可能な音楽データを記憶する音楽記憶手段(音楽記憶部603)と、
該音楽記憶手段に記憶された音楽データに基づいて前記複数種類の音楽を出力する音楽出力手段(音響装置281,282)と、
前記抽選手段による抽選結果に応じて、前記動画表示手段に前記共通動画像を表示させると共に、前記音楽出力手段に前記複数種類の音楽のいずれかを出力させる制御を行う出力制御手段(再生制御部601)とを備えることを特徴とする遊技機。
特徴10に記載の遊技機によれば、動画像の制作コストを抑えつつ、遊技者に与える印象を多様にすることが可能な遊技機を提供することができる。すなわち、第1メイン画像及び第2メイン画像を含む共通動画像に対し、各メイン画像のそれぞれが強調されるように構成された複数種類の音楽が出力されるので、視覚と聴覚との組合せを用いて共通動画像の中で異なるメイン画像を強調することができる。このため、同一の動画像を表示しているにも拘わらず、当該動画像に対する遊技者の印象を変えることができ、あたかも相違する動画のように認識させることができる。
また、遊技者に対して異なるメイン画像に含まれた対象物を、別々の音楽によって各々注目させることができるので、同一の動画像を表示しているにも拘わらず、遊技者が選択している対象物を遊技者に印象付け易くすることができるなど、遊技者に与える印象を異ならせることができる。よって、遊技者の高揚感を高め易くするなど、飽き難い遊技性を提供することができる。
なお、特徴10に記載の遊技機において、第1の対象物がメインで登場する第1メイン画像とは、遊技者から見て第1の対象物が目立つように表示された画像であり、第1の対象物が第2の対象物に比べて大きく表示されたり、第1の対象物の周辺部分が第2の対象物の周辺部分に比べて明るく(例えば、赤色又は黄色でハイライト)表示されたり、第1の対象物と第2の対象物とのうち第1の対象物のみが表示されたり、第1の対象物が登場すると共に第1の象徴色を少なくとも背景の一部とした背景象徴色が表示された画像などが例示される。また、第2の対象物がメインで登場する第2メイン画像についても、第1メイン画像と同様、遊技者から見て第2の対象物が目立つように表示された画像であり、第2の対象物が第1の対象物に比べて大きく表示されたり、第2の対象物の周辺部分が第1の対象物の周辺部分に比べて明るく(例えば、赤色又は黄色でハイライト)表示されたり、第1の対象物と第2の対象物とのうち第2の対象物のみが表示されたり、第2の対象物が登場すると共に上記した第1の象徴色とは別の第2の象徴色を少なくとも背景の一部とした背景象徴色が表示された画像などが例示される。
また、メイン画像が強調されるように構成された音楽は、強調される第1メイン画像又は第2メイン画像が表示されたタイミングに合わせて、遊技者に対して特定の効果音が出力される音楽としてもよい。
また、抽選手段による抽選結果に応じて、共通動画像を表示させると共に、複数種類の音楽のいずれかを出力させるとは、抽選手段による抽選結果が表示される対象となった始動入賞が発生してから当該抽選結果に対応して変動表示が停止表示されるまでの演出期間中の少なくとも一部において、共通動画像を表示させ、複数種類の音楽のいずれかを出力させる場合が例示され、また、抽選結果が停止表示された後の特別遊技状態中や、その特別遊技状態の後に遷移する遊技者にとって有利な遊技状態(例えば、確変遊技状態や時短遊技状態)中において、共通動画像を表示させ、複数種類の音楽のいずれかを出力させる場合が例示される。
<特徴11>
特徴10に記載の遊技機において、
前記音楽記憶手段は、前記複数種類の音楽として、前記第1メイン画像を強調するように構成された第1の音楽と、前記第2メイン画像を強調するように構成された第2の音楽とを記憶し、
前記出力制御手段は、前記第1メイン画像を強調するときには前記第1の音楽を出力させ、前記第2メイン画像を強調するときには前記第2の音楽を出力させることを特徴とする遊技機。
特徴11に記載の遊技機によれば、動画像と音楽の表示及び出力タイミングを合わせるだけで、異なるメイン画像を適切に強調することができる。
<特徴12>
特徴11に記載の遊技機において、
前記第1の音楽は、前記第1メイン画像が出現開始するタイミングに合わせて短時間及び大音量の短発音を発生させることを特徴とする遊技機。
特徴12に記載の遊技機によれば、短発音により、シーンの切り替わりを強調することができ、強調対象物をより強く遊技者に印象づけることができる。
なお、特徴12に記載の遊技機において、短時間で短発音を発生させるとは、音楽を構成する拍子として、1つのアクセントに、1つ以上の非アクセントを加えた構成とされている状況において、前後で連続するアクセントと非アクセントとの間、2つの非アクセントの間、又は、非アクセントとアクセントとの間に相当する短時間に短発音を発生させるとしてもよく、その短時間に略同一間隔で複数回の音が連続発生する短発音を発生させるとしてもよい。
また、大音量の短発音を発生させるとは、音楽を構成する拍子として、1つのアクセントに、1つ以上の非アクセントを加えた構成とされている状況において、短発音を発生させる1拍子の間で最も音圧レベルが高い音を発生させるとしてもよく、短発音を発生させる拍子と、その前の1拍子又は2以上の複数の拍子との中で最も音圧レベルが高い音を発生させるとしてもよい。
<特徴13>
特徴10〜特徴12のいずれかに記載の遊技機において、
前記第1の音楽及び第2の音楽は、前記第1メイン画像及び前記第2メイン画像のうち、一方のメイン画像が出現するときに出力される音楽のテンポを、他方のメイン画像よりも速くした部分を含む音楽によって構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴13に記載の遊技機によれば、音楽のテンポによってメイン画像を強調することができ、強調対象物をより強く遊技者に印象づけることができる。
なお、特徴13に記載の遊技機における音楽のテンポを速くするとは、特定の短発音が複数回出力されることにより構成される音楽における短発音が出力される時間の間隔を短くして出力するとしてもよい。
<特徴14>
特徴10〜特徴13のいずれかに記載の遊技機において、
前記強調メイン画像が出現するときに出力される音楽における音を、非強調メイン画像よりも高くすることを特徴とする遊技機。
特徴14に記載の遊技機によれば、音楽の音の高さによってメイン画像を強調することができ、強調対象物をより強く遊技者に印象づけることができる。
<特徴15>
特徴10〜特徴14のいずれかに記載の遊技機において、
前記強調メイン画像が出現するときに出力される音楽における音を、非強調メイン画像よりも大きくすることを特徴とする遊技機。
特徴15に記載の遊技機によれば、音楽の音の大きさによってメイン画像を強調することができ、強調したい対象物をより強く遊技者に印象づけることができる。
<特徴16>
特徴10〜特徴15のいずれかに記載の遊技機において、
第1の音楽及び第2の音楽の種類を互いに相違させることを特徴とする遊技機。
特徴16に記載の遊技機によれば、テンポやリズム感の相違する音楽を使用することにより、同時に表示される共通動画像の印象を大きく相違させ、遊技者に異なる印象を抱かせ易くすることができる。
<特徴17>
特徴10〜特徴16のいずれかに記載の遊技機において、
前記第1の対象物及び前記第2の対象物を含む複数の対象物のうち、遊技者が対象物を選択可能な選択入力手段を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴17に記載の遊技機によれば、ユーザによって選択された対象物を強調する対象物としてメイン画像を強調することができ、強調する対象物をより強く遊技者に印象づけることができる。
<特徴18>
特徴10〜特徴17のいずれかに記載の遊技機において、
複数種類の色にて光を点滅表示可能な装飾手段を有し、
前記出力制御手段は、前記強調メイン画像の出現に合わせて、当該強調メイン画像の少なくとも一部を構成する色と同一又は略同一の色にて前記装飾手段の光を点灯又は点滅させる制御を行うことを特徴とする遊技機。
特徴18に記載の遊技機によれば、強調メイン画像と音楽に加えて、光によってもメイン画像であることを判り易く強調することができるので、強調したい対象物をより強く遊技者に印象づけることができる。
<特徴19>
特徴10〜特徴18のいずれかに記載の遊技機において、
前記出力制御手段は、前記動画像データに附された第1メイン画像又は第2メイン画像であることを示すメイン画像情報に基づいて、前記強調メイン画像の出現を認識することを特徴とする遊技機。
特徴19に記載の遊技機によれば、メイン画像情報によって表示されるメイン画像の種類と、その出願するタイミングを判断することができるので、第1メイン画像及び前記第2メイン画像のそれぞれが強調メイン画像として強調されるように構成された複数種類の音楽として、別々に音楽の全体を記憶しなくても、複数種類の音楽を再生可能とすることができるので、音楽データに使用する記憶領域を少なくしつつ、高質な音楽を出力可能とすることができる。
<特徴1A>
特徴10〜特徴19に記載の遊技機において、
前記出力制御手段は、表示される動画像データを解析することにより前記強調メイン画像を判別し、当該強調メイン画像の出現に合わせて、前記音楽記憶手段に記憶された音楽データに対して強調用音楽を重畳した音楽を前記音楽出力手段に出力させることを特徴とする遊技機。
特徴1Aに記載の遊技機によれば、データの解析により強調したい対象物を強調可能な音楽を出力することができるので、音楽データに使用する記憶領域を少なくしつつ、高質な音楽を出力可能とすることができる。
<特徴20>
所定の入球口(始動入賞装置431の入口)へ遊技球が進入した場合に所定の抽選を実行するための抽選手段(主制御基板920)と、
第1の対象物がメインで登場する第1メイン画像と、第2の対象物がメインで登場する第2メイン画像とが出現する第1の動画像を表示可能な動画像データを記憶する動画記憶手段(動画記憶部602)と、
該動画記憶手段に記憶された動画像データに基づいて前記第1の動画像を表示する動画表示手段(装飾図柄表示装置479)と、
該動画表示手段によって表示される前記第1の動画像に合わせて出力される所定の音楽に対応する音楽データを記憶する音楽記憶手段(音楽記憶部603)と、
該音楽記憶手段に記憶された音楽データに基づいて前記所定の音楽を出力する音楽出力手段(音響装置281,282)と、
前記抽選手段による抽選結果に応じて、前記動画表示手段に前記第1の動画像を表示させると共に、前記音楽出力手段に前記所定の音楽を出力させる制御を行う出力制御手段(再生制御部601)とを備え、
該出力制御手段は、前記第1の動画像とは別の動画像であって、前記第1の動画像の最初から途中までの初期部分または途中部分の動画像が、削除された又は他の動画像に変更された第2の動画像を表示させる制御を行うことを特徴とする遊技機。
特徴20に記載の遊技機によれば、出力制御手段によって、第1の動画像だけでなく、第1の動画像の最初からの一定期間又は途中部分が異なる第2の動画像が表示されるので、遊技者に対して、共通の動画像データに基づいて複数種類の動画像を提供することができ、動画像データを少なくしつつ、多様な演出を実行可能とすることができる。特に、第1の動画像の最初からの一定期間を除いた動画像を表示した場合、遊技者にとっては、開始時点での表示が異なるものとなるので、第1の動画像と第2の動画像とに対する遊技者の印象を大きく異ならせることができ、あたかも相違する動画のように認識させることができる。
なお、特徴20に記載の遊技機において、第1の動画像は、第2の動画像と比較して、第1のメイン画像が表示される割合が多く、第2の動画像は、第1の動画像と比較して、第2のメイン画像が表示される割合が多い動画像としてもよい。
また、動画記憶手段は、動画像データとして、第1の対象物がメインで登場する第1メイン画像に対応する第1動画像データと、第2の対象物がメインで登場する第2メイン画像に対応する第2動画像データと、第1メイン画像及び第2メイン画像とは別の画像に対応する別画像データとを記憶し、出力制御手段は、第1の動画像と比較して、第2メイン画像データに基づいて第2メイン画像を表示する割合が多い第2の動画像を表示する制御を行うこととしてもよい。
<特徴21>
特徴20に記載の遊技機において、
前記動画記憶手段は、前記第1メイン画像と、前記第2メイン画像とが出現する共通動画像に対応した共通動画像データと、前記共通動画像の前、途中部分又は後の少なくともいずれかに付加可能な動画像であって前記第1メイン画像の割合が高い第1サブ動画像に対応する第1サブ動画像データと、前記共通動画像の前、途中部分又は後の少なくともいずれかに付加可能な動画像であって前記第2メイン画像の割合が高い第2サブ動画像に対応する第2サブ動画像データとを記憶し、
前記出力制御手段は、前記第1の動画像として、前記共通動画像データと前記第1サブ動画像データとに基づいた動画像を表示させ、前記第2の動画像として、前記共通動画像データと前記第2サブ動画像データとに基づいた動画像を表示させることを特徴とする遊技機。
特徴21に記載の遊技機によれば、相違する一部の動画のイメージを大きく変化させることにより、遊技者に対して、動画像の全体が相違しているかのような錯覚を生じさせることができる。
なお、特徴21に記載の遊技機において、第1サブ動画像と第2サブ動画像とは、動画像の表現を相違させることが好ましく、表現の相違としては、一方では、フラッシュバック技法を用いた動画像とし、他方ではスローモーション技法を用いた動画像とする場合が例示される。
<特徴22>
特徴21に記載の遊技機において、
前記音楽記憶手段は、前記所定の音楽として、前記第1メイン画像及び前記第2メイン画像のそれぞれに対応し、前記第1メイン画像及び前記第2メイン画像のそれぞれが強調されるように構成された複数種類の音楽を再生可能な音楽データを記憶し、
前記出力制御手段は、前記音楽出力手段を制御して、前記複数種類の音楽のうち、前記第1の動画像と、前記第2の動画像とに対してそれぞれ設定された異なる音楽を出力させることを特徴とする遊技機23。
特徴22に記載の遊技機によれば、音楽データを用いていずれかの対象物をメインとするメイン画像を強調すると共に、一部相違する画像を用いることにより生じる錯覚効果により、同一の動画像を用いているにも拘わらず、当該動画像に対する遊技者の印象を大きく異ならせることができ、あたかも相違する動画のように認識させることもできる。
<特徴23>
特徴22に記載の遊技機において、
前記音楽記憶手段は、前記複数種類の音楽として、種類を相違させた音楽を再生可能な音楽データを記憶することを特徴とする遊技機。
特徴23に記載の遊技機によれば、音楽のイメージを大きく変化させることにより、動画像も大きく相違しているかのような錯覚を生じさせることができる。
<特徴24>
特徴21〜特徴23のいずれかに記載の遊技機において、
前記出力制御手段は、前記第1サブ動画像及び第2サブ動画像を、それぞれ前記共通動画像の後と、前記共通動画像の前、又は途中部分の少なくともいずれかとに付加して表示する制御を行うことを特徴とする遊技機。
特徴24に記載の遊技機によれば、人間の記憶に残りやすい最後において相違する画像が表示されるだけでなく、その前段階においても相違する画像が表示されることとなるので、動画像の全体が相違しているという錯覚効果を強めることができる。
<特徴25>
特徴21〜特徴24のいずれかに記載の遊技機において、
前記第1メイン画像は、第1の象徴色を背景象徴色とし、前記第2メイン画像は、第2の象徴色を背景象徴色とし、
前記出力制御手段は、前記第1メイン画像及び前記第2メイン画像のうち、いずれか一方が強調されるように構成された音楽を出力させる制御を行うことを特徴とする遊技機。
特徴25に記載の遊技機によれば、背景象徴色と音楽データによる視覚及び聴覚の2つの効果を用いて強調メイン画像を強調することにより、強調の効果を高めることができる。
<特徴26>
特徴21〜特徴25のいずれかに記載の遊技機において、
前記音楽データによって再生可能な前記複数種類の音楽は、共通動画像と、第1サブ動画像又は第2サブ動画像とにおいて表示されるメイン画像に対しての強調方法が同一の方法により構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴26に記載の遊技機によれば、聴覚効果により共通動画像と第1サブ動画像又は第2サブ動画像の一体感を高めることができるため、遊技者に対して、動画像の全体が相違しているかのような錯覚効果を高めることができる。
<特徴30>
所定の入球口(始動入賞装置431の入口)へ遊技球が進入した場合に所定の抽選を実行するための抽選手段(主制御基板920)と、
前記所定の入球口へ遊技球が進入した場合に識別情報の変動表示を行い、前記抽選手段による抽選結果に応じた停止結果を表示する表示手段(装飾図柄表示装置479)と、
該表示手段によって変動表示が行われる場合に出力される音楽として、繰り返し出力される第1ブロック(曲静寂部)と、該第1ブロックより盛り上がるように構成された第2ブロック(曲盛賑部)とを少なくとも有する所定の楽曲に対応する音楽データを記憶する音楽記憶手段(音楽記憶部603)と、
該音楽記憶手段に記憶された音楽データに基づいて前記所定の楽曲を出力する音楽出力手段(音響装置281,282)と、
該音楽出力手段の出力を制御する出力制御手段(再生制御部601)とを備え、
該出力制御手段は、
前記抽選手段による抽選結果として所定の抽選に非当選である場合に、複数回の変動表示に跨がって前記第1ブロックを繰り返し出力させる第1ブロック出力手段と、
前記抽選手段によって所定の抽選に当選した当選結果が得られた場合であって当該当選に係る変動表示の前に実行された変動表示において前記第1ブロックが出力されている場合に、当該第1ブロックの後に、又は、当該第1ブロックに続けて所定の第3ブロックを出力させた後に、前記第2ブロックを出力させる制御を行う第2ブロック出力手段と、を有することを特徴とする遊技機。
従来の遊技機において、変動表示が1回実行される毎に、歌謡曲音楽を最初から再生して出力する演出をした場合、複数回の変動表示にわたる遊技性とはならないために、単調な遊技が多数回繰り返されることになり易く、長時間にわたって遊技者にとって飽き難い遊技性を提供することが難しい。
また、当否抽選に非当選である状況が繰り返される通常の遊技状態の大部分において、特定の楽曲の出力を最初から最後まで繰り返し、当否抽選に当選した場合や、当否抽選に非当選である場合であって演出実行抽選に当選した場合などの一部において、出力中の音楽を中断して別の楽曲を出力することもできる。しかしながら、出力中の楽曲を中断して別の楽曲を出力してしまうと、音楽のつなぎが悪く、遊技者に違和感を与えてしまう可能性がある。また、楽曲の中で、盛り上がり感のあるブロック(サビ)が出力されると、遊技者の高揚感は高められるものの、そのサビは当否抽選とは全く関連のないタイミングで出力される。このため、複数回の変動表示にわたって出力される楽曲と、当否抽選の結果との関連性が希薄となり、遊技者にとっては変動表示とは無関係に楽曲を楽しませることしかできない。
すなわち、抽選に当選した1回の変動表示に対しては、遊技者に変動表示と音楽とを組み合せた演出を楽しませることは可能でも、複数回の変動表示に跨がる長時間の楽曲によって、変動表示に関連性のある音楽を遊技者に提供して遊技を楽しませることが難しいという問題点があった。また、複数回の始動入賞が発生し、実行待機中の変動表示において当選が確定している場合や、非当選であっても特定の演出実行抽選に当選した場合等において、実行待機中の変動表示を含む複数回の変動表示にわたって特定の楽曲を出力し、当選の回に相当する変動表示等において、サビの部分を出力させることができる可能性はあるものの、当選が確定する前に楽曲の出力を開始させることは、サビの部分を出力するタイミングが一定時間の後に到達してしまうこととなるので、楽曲の出力を開始するタイミングの設定が難しい。
特徴30に記載の遊技機によれば、遊技者に違和感を与えることなく抽選結果に対応した長時間の楽曲を出力可能な遊技機を提供することができる。
すなわち、抽選手段による抽選結果として所定の抽選に非当選である場合には、複数回の変動表示に跨がって第1ブロックが繰り返し出力され、所定の抽選に当選した場合であって当該当選に係る変動表示の前に実行された変動表示において第1ブロックが出力されている場合に、当該第1ブロックの後に、又は、当該第1ブロックに続けて所定の第3ブロックを出力させた後に、第1ブロックより盛り上がるように構成された第2ブロックが出力される。このため、所定の抽選に当選していない状況においては第1ブロックが繰り返し出力されることによって遊技者には所定の楽曲を楽しませることができる一方、所定の抽選に当選した場合には、第1ブロックより盛り上がるように構成された第2ブロックが出力されて遊技者に当選を期待させることができる。よって、静と動の流れを確実に形成することができ、遊技者に遊技を一層楽しませることができるし、所定の楽曲と、変動表示との関連性を深めて、遊技者に違和感を与えることなく遊技の進行状況に調和した所定の楽曲を出力可能とすることができる。
ここで、所定の楽曲とは、続けて演奏されるひとまとまりの曲により構成される楽曲としてもよく、ロック、ポップ等の歌を伴う曲において名前がつけられた1の楽曲(ナンバー)としてもよく、クラシック音楽や伝統音楽等の芸術音楽であってもよい。また、所定の楽曲は、2以上の楽曲を組み合わせて構成してもよく、これら複数の楽曲の一部を第2ブロックとして構成してもよく、2以上の楽曲の各々において第2ブロックとしての部位を設定することが好ましい。
なお、特徴30に記載の遊技機において、抽選手段による抽選結果に応じて表示される所定の動画像に対応した動画像データを記憶する動画記憶手段(動画記憶部602)と、該動画記憶手段に記憶された動画像データに基づいて所定の動画像を表示する動画表示手段(装飾図柄表示装置479)とを備えるものとしてもよい。
<特徴31>
特徴30に記載の遊技機において、
前記音楽記憶手段は、前記第3ブロックとして、前記第1ブロックと前記第2ブロックとを繋ぐ音楽により構成され、長さの相違する複数の第3ブロックを記憶し、
前記出力制御手段は、
前記所定の抽選に当選した当選結果が得られた場合、当該当選に係る変動表示の実行に合わせて前記第2ブロックを出力するように、前記複数の第3ブロックから1又は2以上の第3ブロックを選択して出力した後、前記第2ブロックを出力させる制御を行うことを特徴とする遊技機。
特徴31に記載の遊技機によれば、所定の抽選の当選に係る変動表示の実行に合わせて第2ブロックを出力できるため、所定の楽曲の中で第2ブロックを構成する音楽と変動表示の実行とがずれることによる違和感を遊技者に感じさせずに済み、遊技者に遊技を一層楽しませることができる。
<特徴32>
特徴30又は特徴31に記載の遊技機において、
前記音楽記憶手段は、前記第1ブロックとして、前記第2ブロック又は前記第3ブロックに繋がる複数の第1ブロックの終了時期を含む所定の楽曲に対応した音楽データ記憶することを特徴とする遊技機。
特徴32に記載の遊技機によれば、第1ブロックの終端部が複数あることにより、第2ブロック又は第3ブロックに繋がる箇所を増やすことができるので、変動表示の設定時間を多様にし易くすることができる。すなわち、第1ブロックの最後に必ずしも変動表示の終了タイミングを一致させなくても済むので、所定の当選があった場合に第2ブロックにスムースに繋がり易い構成とすることができる。よって、遊技者が飽きることなく遊技を楽しむことが可能な変動表示と所定の楽曲とを組み合わせた演出を実現し易くすることができる。
<特徴33>
特徴31に記載の構成を少なくとも含む特徴30〜32のいずれかに記載の遊技機において、
前記出力制御手段は、前記所定の抽選に当選した当選結果が得られた場合であって当該当選に係る変動表示の前に他の変動表示が実行されている場合には、当該当選に係る変動表示を開始する開始タイミングよりも前に、当該開始タイミングとの時間のずれが短くなる長さの音楽に対応するブロックとして、前記複数の第3ブロックから1又は2以上の第3ブロックを選択して出力することを特徴とする遊技機。
特徴33に記載の遊技機によれば、複数の第3ブロックから適切な長さの第3ブロックを選択して出力することができるため、当選に係る変動表示の開始タイミングと第2ブロックの出力開始とのタイミングを適切に合わせることができる。
<特徴34>
特徴33に記載の遊技機において、
前記出力制御手段は、前記選択された第3ブロックの出力が終了すると、前記開始タイミングを待たずに前記第2ブロックの出力を開始することを特徴とする遊技機。
特徴34に記載の遊技機によれば、間がなく自然な形で第2ブロックの出力を開始することができる。このため、例えば、遊技に注目していなかった遊技者に対して所定の楽曲のうちで盛り上がる第2ブロックを違和感なく自然な形で提供して当選に係る変動表示に対しての注目を促すことができる。
<特徴35>
特徴34に記載の遊技機において、
前記出力制御手段は、前記選択された第3ブロックの出力が終了すると、前記開始タイミングになるまで音楽が出力されない無音期間を経由し、前記開始タイミングに合わせて前記第2ブロックの出力を開始することを特徴とする遊技機。
特徴35に記載の遊技機によれば、当選に係る変動表示の開始タイミングと第2ブロックの出力開始のタイミングとを完全に一致させることができる。このため、所定の楽曲と、変動表示との関連性を深めることができるし、所定の楽曲が途切れた無音期間によって、遊技に注目していなかった遊技者に遊技の状況が変化したタイミングであることを示唆して、当選に係る変動表示に対しての注目を促すことができる。
<特徴36>
特徴30〜35のいずれかに記載の遊技機において、
前記音楽記憶手段は、前記第1ブロックのうち、中断可能な中断ポイントの位置を記憶し、
前記出力制御手段は、前記所定の抽選に当選した当選結果が得られた場合であって、前記所定の抽選の当選に係る変動表示の開始タイミングまでの時間が前記第1ブロックの終了時期までの時間よりも小さい場合には、前記中断ポイントで前記第1ブロックの出力を中断し、当該抽選の後に、前記第2ブロックを出力することを特徴とする遊技機。
特徴36に記載の遊技機によれば、第1ブロックの終了時期と、所定の抽選の当選に係る変動表示の開始タイミングとが大きくずれた場合であっても、短時間で第2ブロックの出力を開始可能としつつ、違和感の少ない楽曲の繋がりとすることができるため、変動表示と所定の楽曲における第2ブロックとを組み合わせた演出を実現し易くすることができる。
<特徴37>
特徴36に記載の遊技機において、
前記音楽記憶手段は、前記中断ポイントとして、出力を中断しても違和感の少ない第1中断ポイントと、途中で出力を中断すると前記第1中断ポイントより違和感の大きい第2中断ポイントとを記憶し、
前記出力制御手段は、前記第1中断ポイントで前記第1ブロックの出力を中断した場合には、その後に前記第2ブロックを出力し、前記第2中断ポイントで前記第1ブロック
出力を中断した場合には当該第1ブロックの中断の後に所定の間奏ブロックを出力してから前記第2ブロックを出力することを特徴とする遊技機。
特徴37に記載の遊技機によれば、中断ポイントをたくさん設定できると共に、違和感なく曲静寂部を中断し、かつできるだけ早く曲盛賑部の出力を開始できるため、曲盛賑部の出力を逃すことなく適切に行うことができる。
<特徴40>
遊技球が流下する遊技領域に設けられ、遊技球が進入した場合に所定数の遊技球が付与される球付与入球口(一般入賞装置639A,639Bの入口)と、
前記球付与入球口の入口部分又は該入口部分から上方側に僅かに離間した部分に対して前後方向に重なる位置に動画像を表示可能な動画表示手段(装飾図柄表示装置479)と、
前記球付与入球口へ遊技球が進入した場合に前記動画表示手段を制御して所定の動画像(ジャンプ画像620b)を表示する動画表示制御手段(副制御基板940)とを備えていることを特徴とする遊技機。
遊技機の代表例としてパチンコ機がある。従来の典型的なパチンコ機においては、大入賞口への遊技球の進入を許容する進入許容状態と遊技球の進入を禁止する進入禁止状態とを切り替え可能な可変入賞装置を備えており、始動口への入賞に基づく始動条件の成立によって行われる抽選において大当りに当選した場合に、大入賞口を進入許容状態に切り替えることで特別遊技状態を発生する構成が知られている。また、始動口および大入賞口とは別に、常に開口した状態とされる一般入賞口が複数の箇所に設けられ、各一般入賞口に遊技球が進入した場合に所定数の遊技球が賞球として払い出される構成が知られている。
従来の遊技機において、複数の箇所に設けられた入賞口への遊技球の進入を遊技者に認識させるための構成について、改良の余地がある可能性がある。
特徴40に記載の遊技機によれば、球付与入球口への遊技球の進入を遊技者に好適に認識させることが可能な遊技機を提供することができる。すなわち、動画表示手段によって球付与入球口の入口部分又は入口部分から上方側に僅かに離間した部分に対して前後方向に重なる位置に所定の動画像が表示される。この所定の動画像は、球付与入球口へ遊技球が進入した場合に、動画表示制御手段の制御によって表示されるので、球付与入球口への遊技球の進入を、遊技機メーカーや機種に対応した所定の動画像によって強調して遊技者に提示することができる。よって、遊技者に球付与入球口への遊技球の進入を認識させ易くすることができ、また、遊技者に与える印象を多様化させることができる。
なお、特徴40に記載の遊技機において、球付与入球口は、当否抽選が行われることなく所定数の遊技球が付与されるものとしてもよい。この場合には、当否抽選が行われることとなる入球口に注意を向け易い遊技者の意識を球付与入球口に向け易いものとすることができる。よって、球付与入球口へ遊技球が数多く進入した場合に、その進入を遊技者に判り易く示すことができ、また、球付与入球口へ遊技球が少量しか進入しない場合に、遊技領域内で遊技球や異物が引っ掛かっているなどの不具合を遊技者が気付き易く、遊技場の店員に連絡し易くすることができる。従って、遊技者にとっても、遊技場にとっても好ましい構成の遊技機を提供することができる。
また、特徴40に記載の遊技機において、球付与入球口の入口部分の記載に代えて、球付与入球口への遊技球の進入が確定することとなる通路の分岐部分としてもよく、また、該入口部分から上方側に僅かに離間した部分は、球付与入球口から所定の範囲内において上方側又は斜め上方側に離間した部分としてもよく、所定の範囲内は、略15cm以内としてもよく、略10cm以内とすることが好ましく、略5cm以内とすることが好適である。
また、特徴40に記載の遊技機において、所定の動画像は、遊技球が進入した場合に所定数の遊技球が付与される遊技球の進入に対応した通常入球画像(一般進入画像)として表示される動画像としてもよく、球付与入球口に遊技球が進入した場合に球付与入球口への進入を報知する動画像としてもよい。
また、特徴40に記載の遊技機において、動画表示手段は、球付与入球口の入口部分又は該入口部分から上方側に僅かに離間した部分に対して前後方向に重なる位置に所定の動画像を表示可能であればよく、その前後方向に重なる位置に常に動画像を表示可能な表示装置を有する構成であってもよいし、その前後方向に重なる位置に一時的に動画像を表示可能に変位する表示装置を有する構成であってもよい。
<特徴41>
特徴40に記載の遊技機において、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が進入した場合に所定の抽選が行われる始動入球口(上側始動入賞装置631の入口)と、
該始動入球口に遊技球が進入した場合に所定の抽選を実行するための抽選手段(主制御基板920)とを備え、
前記動画表示制御手段は、
前記始動入球口に遊技球が進入した場合に前記動画表示手段を制御して、識別情報の変動表示を表示した後に、前記抽選手段による抽選結果に応じた抽選結果画像を表示するものであって、該抽選結果画像又は前記識別情報の変動表示の少なくとも一方が表示される表示位置(又は表示領域)に重複して前記所定の動画像を表示することを特徴とする遊技機。
特徴41に記載の遊技機によれば、遊技者が注視する抽選結果画像又は識別情報の変動表示が表示される表示領域に所定の動画像を表示できるため、遊技者に所定の動画像を視認させやすくすることができ、遊技者に球付与入球口への遊技球の進入を認識させ易くすることができる。
ここで、識別情報の変動表示は、識別情報の動的表示としてもよく、始動入球口への遊技球の進入に基づいて表示されるキャラクタの動作による演出画像を含むものとしてもよい。また、抽選結果画像は、予め定めた識別情報の組合せとしてもよいし、変動表示の表示結果若しくは停止結果としてもよい。
<特徴42>
特徴40又は特徴41に記載の遊技機において、
前記動画表示制御手段は、
前記所定の動画像として、所定位置から所定の表示対象が上方側に移動して表示される動画像(所定のオブジェクトが飛び出すジャンプ画像620b)を表示することを特徴とする遊技機。
特徴42に記載の遊技機によれば、球付与入球口との位置関係によって所定の動画像を通じて遊技球が進入して所定数の遊技球が付与される契機となった球付与入球口の位置を遊技者に判り易く提示することができる。
<特徴43>
特徴42に記載の遊技機において、
前記動画表示制御手段は、
前記球付与入球口への遊技球の進入が可能な所定の待機状態において、前記所定位置に前記所定の表示対象の少なくとも一部が表示される待機画像(所定のオブジェクトの一部が球付与入球口の入口部分からはみ出している潜り画像620a)を表示することを特徴とする遊技機。
特徴43に記載の遊技機によれば、所定の表示対象の少なくとも一部が、球付与入球口への遊技球の進入を待機している状態においても表示されるので、遊技者に、球付与入球口への遊技球の進入によって移動して表示される所定の表示対象の存在に予め注意を向けさせることができる。
<特徴44>
特徴40〜特徴43のいずれかに記載の遊技機において、
前記動画表示手段は、
前記所定の動画像を表示する場合に、前記球付与入球口に遊技球が進入したことによって付与される遊技球の数に対応した球数情報を表示することを特徴とする遊技機。
特徴44に記載の遊技機によれば、付与される遊技球の数を遊技者に意識させることにより、球付与入球口への遊技球の進入の効果を遊技者に意識させることができ、球付与入球口への遊技球の進入を遊技者に強調できる。
なお、球数情報は、文字や数字によって表示される情報であってもよいし、付与される遊技球の数が多いほど数量が多くなる表示対象によって表示される情報としてもよく、付与される遊技球の数が多いほど所定の表示対象の大きさを拡大することによって表示される情報としてもよいし、上方へ移動する移動量を大きくすることによって表示される情報としてもよい。
<特徴45>
特徴40〜特徴44のいずれかに記載の遊技機において、
遊技球が流下する遊技領域に設けられ、遊技球が進入した場合に所定の抽選が行われる始動入球口と、
該始動入球口に遊技球が進入した場合に所定の抽選を実行するための抽選手段(主制御基板920の一部)と、
進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間を移行する進入規制機構によって遊技球の進入確率が変化する可変入球口(大入賞装置633の入口)と、
前記抽選手段による前記所定の抽選に当選した場合に前記進入規制機構を制御して通常遊技状態より前記可変入球口へ遊技球が進入し易い特別遊技状態を発生させる遊技状態制御手段(主制御基板920の一部)と、
前記動画表示手段を変位させる動画表示変位手段(動画装置駆動手段630)とを備え、
前記球付与入球口は、
所定の方向において前記始動入球口と前記可変入球口との間に位置し、
前記動画表示変位手段は、
前記通常遊技状態において、前記球付与入球口の入口部分又は該入口部分から上方側に僅かに離間した部分に動画像を表示可能な第1位置に前記動画表示手段を配置し、
前記特別遊技状態が発生する場合に、前記第1位置に対して少なくとも前記所定の方向に沿った方向側に移動した位置であって、前記所定の動画像が表示される位置より前記可変入球口に近い位置、又は前記可変入球口の後側に重なる位置に動画像を表示可能な第2位置に前記動画表示手段を配置することを特徴とする遊技機。
特徴45に記載の遊技機によれば、特別遊技状態のとき、動画表示手段を可変入球口に近づけて配置することができるため、小型で低価格の動画表示手段を遊技機に設けても、特別遊技状態の発生に応じて遊技者の幸運を祝う画像(祝福画像)を可変入球口の近傍に表示することができる。このため、遊技機を低価格で製造可能としつつ、特別遊技状態において遊技球が進入し易くなる可変入球口を遊技者が認識し易くすることができる。
なお、特別遊技状態とは、進入許容姿勢の時間的割合が通常遊技状態より大きく設定されていればよく、進入許容姿勢が連続する構成に限らず、進入禁止姿勢と進入許容姿勢とを交互に移行して、間欠的に進入許容姿勢を取る構成であってもよい。
また、第2位置として、第1位置に対して少なくとも所定の方向に沿った方向側に移動した位置としては、所定の方向に沿った方向側に一致した方向側に移動した位置でもよいし、所定の方向に沿った方向側に対して傾斜した方向側であっても所定の方向に沿った方向側に少なくとも移動することとなる位置でもよい。また、所定の方向に沿った方向側に移動した位置であれば、第2位置は、第1位置に対して必ずしも所定の方向に直線的に移動して配置される位置である必要はなく、複数の方向を組み合わせて折れ線状に移動する区間を含む場合や、曲線状、又は円弧状に移動する区間を含む移動によって配置される位置であってもよい。また、所定の方向は、下方向、斜め下方向などの一方向であってもよいし、上下方向(高さ方向)、横方向、或いは、斜め方向などの正方向と逆方向とによる2つの方向を含む方向でもよく、所定の方向に沿った方向側は、所定の方向として2つの方向を含む場合におけるいずれか一方の方向側が例示される。
<特徴46>
特徴45に記載の遊技機において、
前記始動入球口は、上下方向において前記可変入球口と異なる位置に設けられ、
前記動画表示変位手段は、
少なくとも上下方向に前記動画表示手段を変位させることを特徴とする遊技機。
特徴46に記載の遊技機によれば、小型の動画表示手段によって遊技機を低価格で製造可能としつつ、上下方向に長く遊技領域が設定されて広範囲に入球口が配置されても、動画表示手段をダイナミックに大きく移動させることによって各入球口への遊技球の進入や遊技状態に対応した画像を遊技者に判り易く表示することができる。
<特徴47>
特徴45又は特徴46に記載の遊技機において、
前記第1位置に配置された前記動画表示手段の後側に、前記特別遊技状態の発生に対応した所定の特別遊技状態装飾部が設けられ、
前記動画表示変位手段は、前記特別遊技状態が発生する場合に、前記第1位置としての前記特別遊技装飾部の前側に重なる位置から、前記第2位置としての前記特別遊技装飾部の前側に重ならない位置へ前記動画表示手段を移動することを特徴とする遊技機。
特徴47の遊技機によれば、特別遊技状態のときに特別遊技装飾部を露出させることができ、動画表示手段の表示領域に加えて特別遊技装飾部を表示して遊技者に特別遊技状態であることを強調することができる。
なお、特別遊技装飾部は、印刷や樹脂成形によって構成された装飾部によって構成されてもよく、動画像や複数の画像を表示可能な表示装置によって構成されてもよく、又はこれらの組合せによって構成されてもよい。
<特徴48>
特徴45〜特徴47のいずれかに記載の遊技機において、
前記特別遊技状態において、
第1の発射操作によって遊技球を発射した場合には、遊技領域(透明基体610によって背面側が構成された遊技球の流下領域)の左右方向における中心を含む左右幅に設定された所定の中心領域を通って遊技球が流下して前記可変入球口に進入可能であって、
前記第1の発射操作より遊技球の発射力が大きい第2の発射操作によって遊技球を発射した場合には、遊技領域のうち前記中心領域に対して右側に配置される右側領域を通って遊技球が流下した後、中央側へ戻る中央戻り誘導路を通って前記可変入球口に進入可能に構成され、
前記球付与入球口の少なくとも1つ(一般入賞装置639D)は、前記中央戻り誘導路から分岐した位置(又は中央戻り誘導路を経由した遊技球が進入可能な位置)に設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴48に記載の遊技機によれば、特別遊技状態において遊技者にとって有利となり得る遊技球の流下領域として右側領域を設定することができ、これにより、特別遊技状態において遊技者が獲得できる遊技球の数を、遊技者の発射操作に応じて変動し易くし、遊技者の技量に応じて遊技球を獲得できる楽しみを増大させることができる。
また、球付与入球口に遊技球が進入することによって所定の動画像が表示されるので、特別遊技状態における球付与入球口への遊技球の進入が遊技者に判り易く提示できる。遊技者は、球付与入球口への遊技球の進入自体に注意を向けなくても、所定の動画像の表示をもって適切な発射操作を判断する判断材料を得ることができる。よって、遊技者には、特別遊技状態中において遊技機に表示される演出画像を観賞したり、可変入球口に注意を向けさせるなど、他の対象に注意を向け易くすることができるので、特別遊技状態の遊技を多様に楽しむことのできる遊技機とすることができる。
なお、第1の発射操作は、遊技領域の上端中央近傍で遊技球が下方向に流下する、又は上端中央近傍に設けられた釘役物(固定釘役物613)に衝突する程度の強さで遊技球を発射する発射操作としてもよく、第2の発射操作は、遊技領域の中央より入口から遠い側(右側)まで遊技領域の上部に沿って遊技球が進行する(上記実施形態では、反跳防止部材405に遊技球が衝突する)程度の強さで遊技球を発射する発射操作としてもよい。
<特徴49>
特徴40〜48のいずれかに記載の遊技機において、
始動入球口(上側始動入賞装置631の入口)へ遊技球が進入した場合に所定の抽選を実行するための抽選手段(主制御基板920)と、
第1の対象物がメインで登場する第1メイン画像と、第2の対象物がメインで登場する第2メイン画像とが出現する共通動画像を表示可能な動画像データを記憶する動画記憶手段(動画記憶部602)と、
該動画記憶手段に記憶された動画像データに基づいて前記共通動画像を表示する動画表示手段(装飾図柄表示装置479)と、
該動画表示手段によって表示される共通動画像に合わせて出力される音楽として、該共通動画像において表示される前記第1メイン画像及び前記第2メイン画像のそれぞれに対応し、前記第1メイン画像及び前記第2メイン画像のそれぞれが強調されるように構成された複数種類の音楽を再生可能な音楽データを記憶する音楽記憶手段(音楽記憶部603)と、
該音楽記憶手段に記憶された音楽データに基づいて前記複数種類の音楽を出力する音楽出力手段(音響装置281,282)と、
前記動画表示手段を変位させる動画表示変位手段と、
前記抽選手段による抽選結果に応じて、前記動画表示手段に前記共通動画像を表示させると共に、前記音楽出力手段に前記複数種類の音楽のいずれかを出力させる制御を行う出力制御手段(再生制御部601)と、を備え、
前記動画表示変位手段は、前記第1メイン画像に応じた第1の状態と、前記第2メイン画像に応じた第2の状態とに、前記動画表示手段を変位させることを特徴とする遊技機。
特徴49に記載の遊技機によれば、音楽だけでなく、動画表示手段の状態を変化させることにより、一つの画像をあたかも2種類の画像のように見せる効果を増大させることができる。
なお、第2の状態は、第1の状態に対して、位置が異なる状態であってもよく、動きが異なる状態であってもよく、位置と動きの両方が異なる状態であってもよい。
<特徴50>
遊技球が流下する遊技領域に設けられ、遊技球が進入した場合に所定の抽選が行われる始動入球口(上側始動入賞装置631の入口)と、
該始動入球口に遊技球が進入した場合に所定の抽選を実行するための抽選手段(主制御基板920の一部)と、
進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間を移行する進入規制機構によって遊技球の進入確率が変化する可変入球口(大入賞装置633の入口)と、
前記抽選手段による前記所定の抽選に当選した場合に前記進入規制機構を制御して通常遊技状態より前記可変入球口へ遊技球が進入し易い特別遊技状態を発生させる遊技状態制御手段(主制御基板920の一部)と、
前記始動入球口より下側(又は低い位置)であって前記可変入球口より上側(又は高い位置)に設けられ、遊技球が進入した場合に所定数の遊技球が付与される球付与入球口(一般入賞装置639A,639Bの入口)と、
前記始動入球口と前記球付与入球口との間に相当する所定の高さ位置に、前記始動入球口に遊技球が進入した場合に行われる識別情報(装飾図柄)の変動表示(動的表示)、前記抽選手段による抽選結果に応じた結果情報、及び、所定の動画像のうち少なくとも1つを含む所定の遊技情報を表示可能な表示手段を備えていることを特徴とする遊技機。
遊技機の代表例としてパチンコ機がある。従来の典型的なパチンコ機においては、大入賞口への遊技球の進入を許容する進入許容状態と遊技球の進入を禁止する進入禁止状態とを切り替え可能な可変入賞装置を備えており、始動口への入賞に基づく始動条件の成立によって行われる抽選において大当りに当選した場合に、大入賞口を進入許容状態に切り替えることで特別遊技状態を発生する構成が知られている。また、始動口および大入賞口とは別に、常に開口した状態とされる一般入賞口が複数の箇所に設けられ、各一般入賞口に遊技球が進入した場合に所定数の遊技球が賞球として払い出される構成が知られている。
従来の遊技機において、複数の箇所に設けられた入賞口への遊技球の進入を遊技者に認識させるための構成について、改良の余地がある可能性がある。
特徴50に記載の遊技機によれば、球付与入球口への遊技球の進入を遊技者に好適に認識させることが可能な遊技機を提供することができる。始動入球口より下方向に球付与入球口が設けられているため、始動入球口に進入できなかった遊技球の一部を球付与入球口に導くことができ、遊技の楽しみを増大させ得る。この結果、遊技者に与える印象を多様化させることができる。また、始動入球口より下方向であって可変入球口より上方向に球付与入球口が設けられているので、通常遊技状態においては、始動入球口と球付与入球口との両方を確認し易く、特別遊技状態となった場合には、可変入球口に注目することで始動入球口より球付与入球口を確認し易くすることができる。よって、遊技者に対して、球付与入球口への遊技球の進入を認識させ易くし、球付与入球口へ数多くの遊技球の進入を狙った遊技を行い易い遊技機を提供することができる。
なお、特徴50に記載の遊技機において、表示手段は、上下方向における、始動入球口と球付与入球口との間に、抽選結果情報又は識別情報の変動表示の少なくとも一方の上下方向における中心が位置する高さ位置に、抽選結果情報又は識別情報の変動表示の少なくとも一方を表示可能に配置されているとしてもよく、これにより、始動入球口と球付与入球口と抽選結果情報又は識別情報の変動表示とを、遊技者が一層認識し易い遊技機とすることができる。
また、特徴50に記載の遊技機において、表示手段は、識別情報の変動表示と、抽選手段による抽選結果に応じた結果情報とを、記憶媒体に記憶された情報によって生成する画像により表示するものであってもよいし、識別情報が付された帯状の周回体(リール)を回動させた後に停止させて表示するものであってもよい。
また、特徴50に記載の遊技機において、表示手段は、識別情報の変動表示と、抽選手段による抽選結果に応じた結果情報とを、記憶媒体に記憶された情報によって生成する画像により表示するものであってもよいし、識別情報が付された帯状の周回体(リール)を回動させた後に停止させて表示するものであってもよい。
また、特徴50に記載の遊技機において、表示手段は、識別情報の変動表示、結果情報、及び、所定の動画像のうち少なくとも1つを含む所定の遊技情報を、所定の高さ位置に、表示可能であればよく、所定の高さ位置に常に所定の遊技情報を表示可能な構成であってもよいし、所定の高さ位置に一時的に所定の遊技情報を表示可能に変位する構成であってもよい。
<特徴51>
特徴50に記載の遊技機において、
前記表示手段は、前後方向において、前記始動入球口と前記球付与入球口とを少なくとも含む範囲を表示領域とする位置に、配置可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴51に記載の遊技機によれば、表示手段の表示領域の範囲内に、始動入球口と球付与入球口とが位置するので、表示手段によって表示される所定の遊技情報を注目する遊技者に、始動入球口と球付与入球口との遊技球の進入を、認識させ易くすることができる。
<特徴52>
特徴50又は51に記載の遊技機において、
前記始動入球口より上側(又は前記始動入球口に対して上流側)に、遊技球が下側を支持されて左右方向において転動した後に落下するステージ領域を備え、
前記表示手段は、前記ステージ領域の後側に重なる位置に、所定の画像を表示可能に配置されることを特徴とする遊技機。
特徴52に記載の遊技機によれば、遊技球が流下するのに時間を要するステージ領域を始動入球口の上側に設けるため、識別情報の変動表示又は抽選結果画像を注目する遊技者に対して、球付与入球口を、ステージ領域と同等以上に注目し易くすることができ、遊技者の興味を球付与入球口に惹き付け易くすることができる。
また、ステージ領域は、透明又は半透明な樹脂により構成されることが多く、ステージ領域の後側に重なる位置に表示手段によって所定の画像が表示された場合に、釘などの金属部品が多く配置される場合と比較して、表示画像を遊技者から認識し易い高品質なものとすることができる。
<特徴53>
特徴52に記載の遊技機において、
前記表示手段として動画像を表示可能な動画表示手段と、
該動画表示手段を変位させる動画表示変位手段とを備え、
該動画表示変位手段によって前記ステージ領域の後側に重なる位置と重ならない位置とに前記動画表示手段が移動可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴53に記載の遊技機によれば、ステージ領域を、遊技領域の中に上下に複数段とするなど大きく設定し、かつ、遊技球の下側を板状の部材によって支持する構成にして水平方向に長く設定した場合に、ステージ領域の後側を視覚的に塞ぐことを少なくすることができ、動画表示手段により表示される動画像を見難くする部位を排除し易くすることができ、ほとんどそのままの態様で視認させることができる。このため、ステージ領域の後側において動画表示手段が所定の画像を表示しつつ移動した場合でも、所定の画像の画質低下を少なくし、動画表示手段及び所定の画像が移動する演出を遊技者が視認して楽しみ易くすることができる。
<特徴54>
特徴53に記載の遊技機において、
前記動画表示変位手段は、
前記特別遊技状態が発生する場合には、前記通常遊技状態において配置される第1位置に対して下側に移動した位置であって、前記第1位置より前記可変入球口に近い位置、又は前記可変入球口の後側に重なる位置に動画像を表示可能な第2位置に前記動画表示手段を配置することを特徴とする遊技機。
特徴54に記載の遊技機によれば、遊技者が注視する箇所に動画表示手段を移動させることができるため、小型で低価格の動画表示手段を遊技機に設けても、通常遊技状態と特別遊技状態とにおいて動画表示手段を注視させて活用すると共に、遊技者の視線をまとめることができ、動画像を見たり、始動入球口と球付与入球口と可変入球口とを見たりするために視線を大きく移動する必要がなく、遊技者の負荷を軽減できる。よって、遊技機を低価格で製造可能としつつ、各遊技状態において入球口への遊技球の進入を遊技者が認識し易くすることができる。
<特徴55>
特徴52〜特徴54のいずれかに記載の遊技機において、
前記ステージ領域の上側(又は前記ステージ領域に対して上流側)にて遊技球に接触可能であって動作可能に設けられ、前記ステージ領域への遊技球の進入確率を変動する動作が可能な進入確率変動手段(可動釘役物611)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴55に記載の遊技機によれば、ステージ領域に進入する遊技球の進入確率の変動によって始動入球口への遊技球の進入確率を変化させることができるので、ステージ領域の後側にて表示手段(又は動画表示手段)によって表示される情報(又は動画像)が、遊技球によって遮られることが少ない期間を設定し易くすることができる。よって、表示手段によって表示される情報を遊技者が認識し易い期間を設定しつつ、ステージ領域にも一定以上の遊技球を進入可能な遊技機とすることができる。
<特徴60>
遊技球が流下する遊技領域を、高さ方向において上部、中部、下部に三分割した場合における中部に設けられ、遊技球が進入した場合に所定の抽選が行われる始動入球口(上側始動入賞装置631の入口)と、
該始動入球口に遊技球が進入した場合に所定の抽選を実行するための抽選手段(主制御基板920の一部)と、
前記遊技領域の下部に設けられ、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間を移行する進入規制機構によって遊技球の進入確率が変化する可変入球口(大入賞装置633の入口)と、
前記抽選手段による前記所定の抽選に当選した場合に前記進入規制機構を制御して通常遊技状態より前記可変入球口へ遊技球が進入し易い特別遊技状態を発生させる遊技状態制御手段(主制御基板920の一部)と、
前記遊技領域の上部を少なくとも含む位置に設けられ、前記遊技領域の左右方向における中央部から右端部及び左端部のうち少なくとも一方の端部に連続する通路を構成し、前記遊技領域の上部を流下する遊技球を前記一方の端部へ誘導可能な第1側方誘導手段(第1側方誘導領域641の釘411)と、
該第1側方誘導手段より低く前記始動入球口より高い位置に設けられ、前記遊技領域の前記一方の端部から前記遊技領域の左右方向における中央側であって前記始動入球口に連続する通路を構成し、前記第1側方誘導手段によって前記一方の端部へ導かれた遊技球を前記始動入球口へ誘導可能な第1中央誘導手段(第1中央誘導領域642の釘411)と、
前記始動入球口より低く前記可変入球口より高い位置に設けられ、前記始動入球口に近い位置から前記一方の端部に連続する通路を構成し、前記始動入球口に進入しなかった遊技球を前記一方の端部へ誘導可能な第2側方誘導手段(第2側方誘導領域643の釘411)と、
該第2側方誘導手段より低く前記可変入球口より高い位置に設けられ、前記遊技領域の前記一方の端部から前記遊技領域の左右方向における中央側であって前記可変入球口に連続する通路を構成し、前記第2側方誘導手段によって前記一方の端部へ導かれた遊技球を前記可変入球口へ誘導可能な第2中央誘導手段(第2中央誘導領域644の釘411)とを備えていることを特徴とする遊技機。
特徴60に記載の遊技機によれば、第1側方誘導手段によって、遊技領域の上部において左右方向の中央から端部に一旦導かれた遊技球の一部を、第1中央誘導手段によって始動入球口が設けられる中央側に戻すことができる。そして、始動入球口に進入しなかった遊技球の一部を、遊技領域の中部において、第2側方誘導手段によって左右方向の中央側から端部に再び導いた後、更に、第2中央誘導手段によって可変入球口が設けられる中央側に再び戻すことができる。この結果、可変入球口に遊技球を進入させ得る誘導路として、始動入球口へ進入する機会を与えつつ、左右方向に大きく遊技球が移動する経路を設定することができる。この結果、始動入球口に進入しなかった遊技球が始動入球口のすぐ下に配置された可変入球口に向かって落下して入るような単調なルートとは異なり、左右に大きく蛇行するルートを設定することができる。よって、可変入球口に遊技球が進入するまでの遊技球の流下を視認する遊技者に与える印象を、従来とは大きく異ならせることができ、遊技領域を流下する遊技球の態様を多様化させることができる。
なお、特徴60に記載の遊技機において、遊技領域の上部、中部、下部とは、遊技領域の最上部と最下部とを基準にして、上下方向に高さ(長さ)を均等に三分割した場合において、上から上部、中部、下部としてもよく、または、上下方向に高さを四分割した場合において、一番上を上部、上から二番目と三番目とを中部、一番下を下部としてもよい。
また、特徴60に記載の遊技機において、遊技領域の左右方向における中央部は、遊技領域の各高さ位置における左端と右端とを基準にして、中心を含んだ所定の左右幅の領域であって、所定の左右幅としては各高さ位置における遊技領域の横幅の略3分の1以上であってもよく、略2分の1以上としてもよく、略3分の2以上としてもよい。また、遊技領域の左端部及び右端部は、各高さ位置における遊技領域の横幅を基準に端から略3分の1以下の範囲に相当する部分であってもよく、略4分の1以下の範囲に相当する部分としてもよく、略5分の1以下の範囲に相当する部分としてもよい。
<特徴61>
特徴60の遊技機において、
前記始動入球口と前記可変入球口とは、前記遊技領域の上下方向における長さが最大に設定される、左右方向における中央部近傍に設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴61に記載の遊技機によれば、始動入球口と可変入球口とを、大きく離間させて配置し、始動入球口の上側、及び、始動入球口と可変入球口との間には、遊技球の一部のみが進入するか、又は全く進入しない領域を設定することができ、その領域には、遊技機を装飾する装飾部品や、画像を表示する表示領域、或いは、遊技球を転動させるステージ等といった、遊技機メーカー及び機種固有の部品を配置することができ、その領域を広く設定することができる。よって、遊技機メーカー及び機種に固有の特徴を付加し易くして遊技性を向上させ得る。
<特徴62>
特徴60又は特徴61に記載の遊技機において、
前記第2中央誘導手段によって中央側に導かれる端部ルートを流下し始めた遊技球の一部が途中の分岐部分にて前記端部ルートから外れて下方に流下する領域に、遊技球が進入した場合に所定数の遊技球が付与される第1の球付与入球口(一般入賞装置639C,639Dの入口)が設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴62に記載の遊技機によれば、始動入球口から大きく外れて端部を通過する遊技球が進入可能であって可変入球口への進入が期待できなくなった位置に球付与入球口が配置されている。このため、可変入球口へ向かった遊技球の一部が球付与入球口に進入する機会を設けることができ、特別遊技状態において端部ルートを狙うことにより、可変入球口と球付与入球口との両方へ遊技球が分散して進入する遊技性を付加することができる。また、特別遊技状態においては、始動入球口を狙う必要がないため、第1中央誘導手段を経由しないルートを狙って遊技球を発射するなど、多様なルートを経由して可変入球口へ遊技球を入球させる遊技性を付加することができる。よって、可変入球口と球付与入球口との遊技球の進入比率を考慮し、遊技者の技量に応じた最大数の遊技球が遊技者に付与される発射操作を実行可能な技術介入性の高い遊技機を提供することが可能となり、特別遊技状態が発生した場合の楽しみを増大させ得る。
<特徴63>
特徴60〜特徴62に記載の遊技機において、
少なくとも前記特別遊技状態において、前記可変入球口と重複する位置又は前記可変入球口の近傍に動画像を表示可能に配置された動画表示手段を有し、
前記第1の球付与入球口は、
前記可変入球口に対して、左右方向において外側に、かつ上下方向においてほぼ同じ高さ位置に配置されており、
前記動画表示手段は、
前記特別遊技状態が発生した場合に所定の当選画像を表示すると共に、前記特別遊技状態中に前記第1の球付与入球口へ遊技球が進入した場合には、当該進入に対応した所定の球付与画像が前記所定の当選画像に対して前側に重なるように構成された動画像を表示することを特徴とする遊技機。
特徴63に記載の遊技機によれば、可変入球口と始動入球口とが上下方向にほぼ同じ位置に位置することを利用して、1つの動画表示手段によって特別遊技状態の発生と球付与入球口への遊技球の進入との両方を、遊技者に判り易く報知する機能を持たせることができる。
<特徴64>
特徴61〜特徴63のいずれかに記載の遊技機において、
前記可変入球口に対して、左右方向において外側に、かつ上下方向においてほぼ同じ高さ位置に設けられ、遊技球が進入した場合に所定数の遊技球が付与される第1の球付与入球口(一般入賞装置639C,639Dの入口)と、
前記始動入球口より下側(又は低い位置)であって前記可変入球口より上側(又は高い位置)に設けられ、遊技球が進入した場合に所定数の遊技球が付与される第2の球付与入球口(一般入賞装置639A,639Bの入口)と、
前記第2の球付与入球口より下側に配置され、前記第2側方誘導手段と略同一の方向側に遊技球を誘導する通路を構成する第2側方誘導手段(誘導部材615)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴64に記載の遊技機によれば、始動入球口及び第2の球付与入球口に進入できなかった遊技球を、一旦外側に誘導し、その後に、第2側方誘導手段によって端部に誘導されてから中央側に戻る遊技球と同様に、蛇行させることができる。このため、第2の球付与入球口に進入できなかった遊技球が可変入球口に向かって単調に進行する状況を少なくすることができ、左右に大きく蛇行するルートを経由して可変入球口などへの進入機会を付与する遊技性を強調することができる。
なお、第1の通常入球口に遊技球が進入した場合に付与される所定数と、第2の通常入球口に遊技球が進入した場合に付与される所定数は、同一の数に設定されてもよいし、異なる数に設定されてもよい。
<特徴65>
特徴61〜特徴64のいずれかに記載の遊技機において、
前記可変入球口の上側における前記第2中央誘導手段によって導かれた遊技球が進入可能な位置に設けられ、遊技球が進入した場合に所定の抽選が行われる始動入球口であって、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間を移行する進入規制機構によって遊技球の進入確率が変化する可変始動入球口(下側始動入賞装置632の入口)と、
前記第1側方誘導手段および第2側方誘導手段によって遊技球が導かれる前記一方の端部に設けられ、遊技球が進入することによって前記可変始動入球口の進入規制機構を動作させ、前記進入許容姿勢をとらせて前記可変始動入球口への遊技球の進入確率を高める作動条件の一部を構成する可変作動入球口(始動装置636)とを備えていることを特徴とする遊技機。
特徴65に記載の遊技機によれば、可変作動入球口が第1側方誘導手段および第2側方誘導手段によって遊技球が導かれる一方の端部に設けられるので、左右方向において始動入球口と可変入球口とが配置された位置から大きく横に外れた箇所にも、遊技球の付与に大きく関与する機能を持たせた部位を配置することができる。よって、遊技者の技量に応じた最大数の遊技球が遊技者に付与される発射操作を実行するためには、遊技領域の広範囲を意識して遊技を行う必要性を付加し、技術介入性を一層高めた遊技機を提供することが可能となる。
なお、特徴10〜特徴65に記載の少なくとも1つの特徴を他のいずれか又は複数の特徴に組み合わせて適用しても良い。以下には、上記した各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ機:遊技者が操作する発射操作手段と、その発射操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く通路部と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:始動操作手段の操作に基づき周回体の回転を開始させ、停止操作手段の操作に基づき周回体の回転を停止させ、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。