JP6504135B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、弾球遊技機に代表される遊技機に関する。
従来の遊技機においては、直線的に往復動作する槌部によって打球動作を行なう発射ソレノイドを用いて遊技球を発射する発射装置の構成が一般的である。
特開平10−290861号公報
従来の遊技機において、発射装置は、遊技球の流下する遊技領域等の配置に影響が少なくなるようにした構成が望まれるものの、発射装置には一定のスペースが必要となる。このため、発射装置を配置するスペースを優先し過ぎると、遊技領域を構成する部材を含む他の部材の配置が制限されることとなる。すなわち、発射装置の配置と、他の部材とを含む遊技機の設計レイアウトが困難な場合が生じ得る。また、遊技領域のサイズは、上下及び左右に大型化しており、その分、発射装置には、遊技領域における入口から遠い側まで遊技球を到達可能とする高い発射性能(発射力)が望まれ、これにより、発射装置も大型化してしまう可能性がある。
そこで、本発明に係る遊技機では、他の部材の配置を容易にしつつ一定以上の発射力を有する発射装置を備えた遊技機を提供することを目的としている。
本発明に係る遊技機は、上記の課題を解決するために、
遊技球を供給する供給部と、
該供給部から供給された遊技球を斜め上方向側へ誘導する誘導手段と、
該誘導手段が第1面側に設けられると共に貫通孔が設けられた主板部と、
該主板部の貫通孔を貫通する位置に配置されて回動動作可能な部位であって、該主板部における前記第1面側と、該第1面とは反対の第2面側とに連続する回動軸部と、
前記第1面側に配置されて前記回動軸部と共に動作し、前記誘導手段に供給された遊技球に接触して前記誘導手段によって誘導される斜め上方向側へ遊技球を進行させる球作用部と、
前記第2面側に配置されたコイル部材と、
該コイル部材の内部に少なくとも一部が配置された鉄心部材と、
前記第2面側における前記回動軸部の回動中心から離間する位置に配置されて前記回動軸部と共に動作し、前記コイル部材に電流が流れて生じる磁力の作用で前記鉄心部材に近づく方向側に引き寄せられる先端部と、該先端部と前記回動軸部とを接続する腕部とを有する磁力作用部とを備え、
該磁力作用部として、
前記腕部が略水平方向側に連続するように配置され、前記先端部が前記コイル部材の内部に引き寄せられると、前記先端部が下から上へ持ち上がるように前記腕部が回動動作する磁力作用部を有することを特徴とする。
本発明に係る遊技機であれば、他の部材の配置を容易にしつつ一定以上の発射力を有する発射装置を備えた遊技機を提供することができる。
遊技機の一例としてのパチンコ機の正面側斜視図 パチンコ機を開放状態で示す斜視図 パチンコ機を他の開放状態で示す斜視図 パチンコ機を更に他の開放状態で示す斜視図 パチンコ機の正面図 パチンコ機の前ブロックを取り外した状態を示す正面図 遊技盤の正面図 パチンコ機の背面側斜視図 パチンコ機の背面図 パチンコ機の電気的な構成を示すブロック図 主制御メイン処理の一例を示すフローチャート 主制御割込み処理の一例を示すフローチャート 動画像と楽曲の表示及び出力を説明する略線図 第1メイン画像の強調(1)を説明する略線図 第1メイン画像の強調(2)を説明する略線図 第1メイン画像の強調(3)を説明する略線図 第1メイン画像の強調(4)を説明する略線図 第2メイン画像の強調(1)を説明する略線図 第2メイン画像の強調(2)を説明する略線図 第2メイン画像の強調(3)を説明する略線図 第2メイン画像の強調(4)を説明する略線図 大衆曲の構成(1)を説明する略線図 大衆曲の構成(2)を説明する略線図 楽曲の構成を説明する略線図 曲盛賑部の出力開始タイミング(1)を説明する略線図 曲盛賑部の出力開始タイミング(2)を説明する略線図 中断ポイントを説明する略線図 曲静寂部の中断(1)を説明する略線図 曲静寂部の中断(2)を説明する略線図 音楽切替処理の一例を示すフローチャート 発射機構の構成を説明する略線図 発射機構における通常位置から打突位置への遷移を説明する略線図 駆動機構の構成(1)を説明する略線図 駆動機構の構成(2)を説明する略線図 駆動機構における通常位置から打突位置への遷移(1)を説明する略線図 駆動機構の構成(3)を説明する略線図 駆動機構における通常位置から打突位置への遷移(2)を説明する略線図 駆動機構の構成(4)を説明する略線図
本発明に係る遊技機の実施形態について、遊技機の一種である弾球遊技機の一例としてのパチンコ機100を説明し、その後に変形例や他の種類の遊技機を説明する。まず、パチンコ機100の実施形態について、構造的な構成、電気的な構成、各種の制御処理を順に説明する。
<構造的な構成>
まず、図1から図9を主に参照して、パチンコ機100の構造部分の構成について説明する。図1〜図4は、パチンコ機100の各種状態を示す斜視図であり、図1はパチンコ機100の閉鎖状態を示し、図2は外枠101に対して前ブロック102及び中間ブロック103が一体的に開放されている状態を示し、図3は中間ブロック103に対して前ブロック102が開放されている状態を示し、図4は中間ブロック103に対して後ブロック104が開放されている状態を示している。また、図5は、パチンコ機100の正面図であり、図6は、図5の状態からパチンコ機100の前ブロック102を取り外した状態を示している。なお、各図において各種の配線は省略されており、また、図3及び図6において遊技盤400の構成の一部は省略されている。
パチンコ機100は、例えば、図1〜図4に示すように、外枠101と、前ブロック102と、中間ブロック103と、後ブロック104とを備え、これら各部位を所定の操作により相対的に変位可能に構成されている。
外枠101は、パチンコ機100の本体部分を支持する本体支持手段としての機能を有している。外枠101は、例えば、図2に示すように、天板部111、底板部112、左側板部113及び右側板部114が組み付けられた略四辺形状の枠体であり、パチンコ機100を設置する遊技場に設けられた遊技機設置設備(島設備)に嵌め込まれると共に固定具(図示せず)によって強固に固定される。なお、パチンコ機100において外枠101は必須の構成ではなく、外枠101又は外枠101と同一の内形形状を有し、外枠101を除いたパチンコ機100の構成に相当する本体部分を支持する支持機構や、その本体部分を施錠する施錠機構の一部が島設備に備え付けられた構成としても良い。
外枠101における左右方向の一方側(左側板部113側)には、中間ブロック支持機構121,122が設けられている。この中間ブロック支持機構121,122によって外枠101と中間ブロック103とが接続(連結)され、パチンコ機100の本体部分が、パチンコ機100の正面視における左右方向の一端側(左側)を回動基端側とし、他端側(右側)を回動先端側として前方へ回動可能に構成されている。
中間ブロック支持機構121,122は、例えば、図1に示すように、外枠101の上端部と下端部とに離間して設けられている。中間ブロック支持機構121,122の各々は、例えば、外枠101に設けられる軸支持部によって、中間ブロック103に設けられる軸部が下側より支持され、軸支持部に設けられる軸孔に軸部が差し込まれた状態とされることにより、回動可能に構成されている。なお、中間ブロック103を含むパチンコ機100の本体部分を回動可能とする構成は、上記構成に限らず、中間ブロック103側に軸孔を設け、外枠101側に軸部を形成するなど、他の構成としても良い。
中間ブロック支持機構121,122には、所定の取り外し操作によって外枠101と中間ブロック103との接続状態を解除する機能が設けられ、中間ブロック103を含むパチンコ機100の本体部分が外枠101に対して取り外し可能に取り付けられている。例えば、外枠101に対して中間ブロック103を一定量以上開放し、且つ、上方側へ一定量移動させるという所定の取り外し操作をすることにより、外枠101に対する中間ブロック103の接続状態が解除される。これにより、外枠101に対してパチンコ機100の本体部分が取り外し可能とされている。
中間ブロック103に対して前側には、前ブロック102が重なるようにして配置され、正面視左側に設けられる前ブロック支持機構131,132によって中間ブロック103と前ブロック102とが接続されている。前ブロック支持機構131,132は、中間ブロック支持機構121,122と同様の構成とされ、中間ブロック103に対して前ブロック102を前方へ回動可能に支持し、且つ、所定の取り外し操作により取り外し可能に構成されている。
中間ブロック103に対して後側には、後ブロック104が重なるようにして配置され、正面視左側に設けられる後ブロック支持機構136,137(図8参照)によって中間ブロック103と後ブロック104とが接続されている。後ブロック支持機構136,137には、中間ブロック支持機構121,122及び前ブロック支持機構131,132と同様の構成とされ、中間ブロック103に対して後ブロック104を後方へ回動可能に支持し、且つ、所定の取り外し操作により取り外し可能に支持する構成とされている。
また、パチンコ機100には、外枠101に対する中間ブロック103の開閉を規制する中間ブロック施錠機構と、中間ブロック103に対する前ブロック102の開閉を規制する前ブロック施錠機構と、中間ブロック施錠機構及び前ブロック施錠機構の解錠や施錠を行うために操作される錠操作機構とが設けられている。また、図3に示すように、中間ブロック103には、前ブロック102の開口を通してパチンコ機100の前面側に露出する錠操作機構としてのキーシリンダ141が設けられている。
キーシリンダ141に対する所定の操作として、操作キー(図示せず)による右回転操作をした場合には、中間ブロック103に設けられた中間ブロック施錠機構の可動部143が作動する。これにより、中間ブロック施錠機構の一部として外枠101に設けられた被係合部142と可動部143との係合が解除されて、中間ブロック103は外枠101に対して開閉許容状態となる。
一方、キーシリンダ141に対する所定の操作キーによる左回転操作に応じて、中間ブロック103に設けられた前ブロック施錠機構の可動部144が作動する。これにより、前ブロック施錠機構の一部として前ブロック102に設けられた被係合部145と可動部144との係合が解除されて、前ブロック102は中間ブロック103に対して開閉許容状態となる。
また、パチンコ機100には、中間ブロック103に対する後ブロック104の開閉を規制する後ブロック開閉規制機構が設けられている。この後ブロック開閉規制機構により、中間ブロック103に対して後ブロック104は、開閉が禁止された状態(開閉禁止状態)と開閉が許容された状態(開閉許容状態)とを所定の操作によって切り替え可能とされている。
後ブロック開閉規制機構は、例えば、図4に示すように、中間ブロック103に設けられる2つの開閉規制部150A,150Bと、後ブロック104に設けられる1つの開閉規制部150Cとによって構成されている。これら3つの開閉規制部150A〜150Cには、回転操作が可能な回動片151A〜151Cが設けられている。回動片151A〜151Cは、回転操作により、後ブロック104の閉鎖状態において前後に重なるように配置される開口部分との係合状態が変化し、これにより、開閉禁止状態に対応した開閉禁止姿勢と、開閉許容状態に対応した開閉許容姿勢とを切り替え操作可能とされている。全ての回動片151A〜151Cを開閉許容姿勢にすると各回動片151A〜151Cが開口を通過可能となって、後ブロック104が中間ブロック103に対して開閉許容状態となる。なお、開閉禁止姿勢及び開閉許容姿勢としては、開閉禁止状態と開閉許容状態が回動片151A〜151Cの位置及び向きの少なくともいずれかの変化により切り替えられれば良く、一定位置で回転のみする構成としても良いし、一定方向に移動する構成としても良いし、移動と回転との組合せにより動作する構成としても良い。以下、各装置における構成部材が複数の姿勢の間を移行する場合における姿勢の変化についても同様とする。
3つの回動片151A〜151Cのうち、それらの一部に相当する2つの回動片151A,151Bは、図2に示すように、後ブロック104の開閉禁止状態において後ブロック104に形成された開口を通してパチンコ機100の背面側に露出し、残り部分に相当する1つの回動片151Cは、図6に示すように、中間ブロック103の前側に露出している。このため、パチンコ機100の背面側、又は中間ブロック103の前面側といった一方側からの操作だけでは、全ての回動片151A〜151Cを開閉許容姿勢に切り替えることはできず、これにより、防犯性が高められている。
また、パチンコ機100には、中間ブロック103から前ブロック102への遊技球の移動を規制する遊技球移動規制機構が設けられている。遊技球移動規制機構は、例えば、図3及び図6に示すように、中間ブロック103に設けられた流下規制片161と、前ブロック102に設けられた規制変更部162との組合せにより構成され、前ブロック102が位置する前方側へ流下規制片161がコイルバネ(図示せず)により付勢される構成とされている。
中間ブロック103に対して前ブロック102が閉鎖された状態(前ブロック102の閉鎖状態)においては、流下規制片161は、遊技球の流下を許容する移動許容状態とされ、具体的には、規制変更部162により中間ブロック103の後方側へ押圧されて押し込まれる。流下規制片161は、移動許容状態において中間ブロック103から前ブロック102に遊技球を誘導するための誘導通路(図示せず)に対して後側にずれて配置される。これにより、前ブロック102の閉鎖状態においては、中間ブロック103から前ブロック102への遊技球の移動が許容される。
一方、中間ブロック103に対して前ブロック102が開放された状態(前ブロック102の開放状態)においては、規制変更部162による流下規制片161の押圧が解除され、前ブロック102の閉鎖状態に比べて流下規制片161が前ブロック102側へ突出する移動禁止状態とされる。流下規制片161は、移動禁止状態において誘導通路内に突出し、下流側への遊技球の流下を阻止する。これにより、中間ブロック103から前ブロック102への遊技球の移動が禁止される。
また、パチンコ機100には、図2に示すように、例えば中間ブロック103の後側であって回動先端側(背面視左側)における下端部に、外枠101に対して中間ブロック103が閉鎖されているか否かを検出する開閉検出スイッチ108が設けられ、また、図3に示すように、例えば中間ブロック103の前側であって回動先端側(正面視右側)における下端部に、中間ブロック103に対して前ブロック102が閉鎖されているか否かを検出する開閉検出スイッチ109が設けられている。
次に、前ブロック102、中間ブロック103及び後ブロック104の各構成について順に説明する。
前ブロック102は、図1及び図3に示すように、パチンコ機100の前面の略全体を形成し、前後方向に厚みを有する略長方形状の部材であり、パチンコ機100の前側表面部分を装飾する前面装飾手段としての機能を有している。前ブロック102は、合成樹脂製の基枠201を主体に構成され、基枠201の前後に複数の機能部品を取り付けて構成されている。基枠201の前面側には、パチンコ機100の前面を形成する前面装飾体210が、前ブロック102の正面視中央部分を含んで形成される開口210Aの外縁に沿って開口210Aを囲った状態にして取り付けられている。前ブロック102を構成する基枠201と前面装飾体210とを組み合わせた状態においては、前面装飾体210が取り付けられた外周部を除いた広範囲にわたって開口210Aが前後方向に貫通形成される。この開口210Aを通じて、前ブロック102の後側に位置する遊技盤400を含む中間ブロック103が遊技者から視認可能に構成されている。
また、前ブロック102には、図1及び図3に示すように、開口210Aを塞ぐように基枠201の背面側に設けられた中央パネル220と、遊技球を貯留する主貯留機構230と、遊技球を貯留する補助貯留機構240と、主貯留機構230に貯留されている遊技球を発射するために遊技者によって操作される発射操作装置250とを備えている。
また、前ブロック102には、図1及び図5に示すように、前面装飾体210の一部として、開口210Aの周縁を囲う開口周縁部211と、開口210Aに対して下側において前方に突出する上側突出部217と、上側突出部217に対して下側に位置して前方に突出する下側突出部218と、下側突出部218の右側であって上側突出部217及び下側突出部218より奥側に位置する概ね平坦な領域で構成されて発射操作装置250が配置される平坦部219とが形成されている。上側突出部217には、主貯留機構230が配置され、下側突出部218には、補助貯留機構240が配置される。
中央パネル220は、基枠201と前面装飾体210とを組み合わせた状態において前後方向に貫通形成される開口210Aを塞ぎつつ後方側を視認可能とするカバー体としての機能を有している。中央パネル220は、例えば、図1及び図3に示すように、基枠201の後方側から取着されるパネル枠221(図3参照)と、パネル枠221の前側に嵌め込まれた光透過性の前方板222(図1参照)と、パネル枠221の後側に前方板222と所定の間隙を隔てて略平行に嵌め込まれた光透過性の後方板223(図3参照)とを備えている。
主貯留機構230は、遊技進行に応じて獲得した遊技球や、遊技場から貸し出された遊技球を貯留する機能を有している。主貯留機構230は、例えば、図1に示すように、貯留部231と、球抜き機構(図示せず)と、その球抜き機構を作動させる球抜き操作部材232とを備えている。貯留部231には、パチンコ機100の内部から貯留部231へ遊技球を流入させる流入口231Aと、貯留部231からパチンコ機100の内部へ遊技球を流出させる流出口(図示せず)と、流出口より上流側に形成される放出口(図示せず)とが設けられている。この放出口の開放により貯留部231から遊技球がパチンコ機100の内部に取り込まれることなく遊技者側に放出される。球抜き機構は、遊技球の放出先を、流出口と放出口との間で切り換える機能を有している。
遊技進行に応じて獲得した遊技球や、後述する貸出操作装置292に対する貸出操作に応じて貸し出された遊技球は、主に流入口231Aを通して貯留部231に流入する。また、貯留部231は、上方側に開口形成されており、この開口部分を通じて、遊技者が所有する遊技球が手操作により投入されたり、遊技場において貸し出される遊技球が供給されたりする。
貯留部231に流入した遊技球は一列に整列させられながら流出口及び放出口の形成されている側(図1の右上側)へ順次に案内される。球抜き操作部材232に対する球抜き操作(例えば、押下操作)が行われていない場合には遊技球は流出口を通して後述する発射装置330(図3参照)に誘導される。一方、球抜き操作部材232に対する球抜き操作が行われている場合には、遊技球は放出口を通して補助貯留機構240(図1参照)に誘導される。
補助貯留機構240は、図1及び図5に示すように、遊技球の流入口241A,241C(図5参照)及び放出口241B(図1参照)を有する貯留部241と、放出口241Bを開閉させる球抜き機構243と、その球抜き機構243を作動させる球抜き操作部材242とを備えている。遊技進行に応じて獲得した遊技球等は主に主貯留機構230に流入するが貯留部231が満杯であれば流入口241Aを通して貯留部241に流入する。また、球抜き操作部材232に対する球抜き操作に応じても、遊技球は流入口241Cを通して貯留部231から貯留部241に流入する。
貯留部241の底面は放出口241Bに向けて下降傾斜している。球抜き操作部材242に対する球抜き操作(例えば、押圧操作)によって放出口241Bを開放すると、貯留部241に貯留されている全ての遊技球を順次にパチンコ機100の外部に放出できる。なお、球抜き操作部材242に対する球抜き操作によって放出口241Bが完全に開放された場合には、球抜き操作部材242に対する復帰操作(例えば、再度の押圧操作)がなされるまで、その開放状態に維持される。流入口241Aの奥方には貯留部241に過剰に遊技球が貯留されているか否かを検出する球溢れスイッチ249(図10参照)が設けられている。
発射操作装置250は、図1及び図5に示すように、前面装飾体210の平坦部219から前方に突出する台座251と、台座251の周囲に設けられた回動自在な発射ハンドル252と、発射ハンドル252の回転操作量を検出する可変抵抗器253(図10参照)と、発射ハンドル252に遊技者が接触していることを検出する接触センサ254(図10参照)と、発射ハンドル252の回転操作に伴う遊技球の射出を遊技者の操作によって無効化する発射停止スイッチ255(図5参照)とを含んでいる。遊技者によって発射ハンドル252が回転操作されると、その回転操作量に対応する強度で発射装置330(図3参照)から遊技球が遊技盤400(図3参照)に向けて射出される。なお、接触センサ254によって発射ハンドル252と遊技者との接触が検出されていない場合や、発射停止スイッチ255の操作によって発射操作が無効化されている場合には、発射ハンドル252が回転操作されていても発射装置330から遊技球は射出されない。
また、前ブロック102における前面装飾体210の奥方には、枠発光装置271〜275(図10参照)が設けられている。枠発光装置271〜275は、前面装飾体210の開口周縁部211に対して奥側に重なるようにして配置され、基枠201に取り付けられている。開口周縁部211は、図5に示すように、上側中央縁部211Aと、上側中央縁部211Aに対して左右両側に位置する左上側縁部211B及び右上側縁部211Cと、左上側縁部211Bに対して下側に位置する左側縁部211Dと、右上側縁部211Cに対して下側に位置する右側縁部211Eとを発光部として有し、それぞれの発光部に対応して枠発光装置271〜275が設置されている。
枠発光装置271〜275は、上側中央縁部211Aに対応する上中央枠発光装置271と、左上側縁部211Bに対応する左上枠発光装置272と、右上側縁部211Cに対応する右上枠発光装置273と、左側縁部211Dに対応する左側枠発光装置274と、右側縁部211Eに対応する右側枠発光装置275(図10参照)とにより構成されている。枠発光装置271〜275の各々は、1又は複数の発光手段としての発光ダイオード(LED)と、LEDを制御するための抵抗等の電子部品と、これら電子部品を一体化して電気的に接続するプリント基板とを有している。
また、前ブロック102には、図5に示すように、例えばその開口周縁部211の上部に、左上音響出力口211Fと、右上音響出力口211Gとが設けられ、また、それら左上音響出力口211F及び右上音響出力口211Gのそれぞれに対応して左上音響装置281及び右上音響装置282(図3及び図10参照)が設けられている。左上音響装置281及び右上音響装置282は、前面装飾体210の開口周縁部211の奥方(後方)に位置するようにして基枠201に取り付けられている。
また、前ブロック102には、図1に示すように、例えば上側突出部217の上面右側部分に、遊技球貸出装置290が設けられている。遊技球貸出装置290は、パチンコ機100に並んで配置されるカードユニット(図示せず)に投入された紙幣やカード等の残額に応じた数値を表示する度数表示装置291と、遊技球の貸し出しを受ける際に遊技者によって操作される貸出操作装置292と、カードユニットに投入された紙幣やカード等を返却させる際に遊技者によって操作される返却操作装置293とを含んでいる。カードユニットに紙幣やカード等を投入して、それらの金額に対応する数値が度数表示装置291に表示されている有効状態において、貸出操作装置292に対して貸出操作が行われると、貸出操作に応じて所定の個数の遊技球が後ブロック104の払出装置540(図8参照)から貸し出され、遊技球の貸し出しに伴って度数表示装置291の表示が更新される。一方、有効状態において返却操作装置293に対して返却操作が行われると、返却操作に応じて残額に対応する紙幣の等価物や残額を記録したカードがカードユニットから返却される。
また、前ブロック102には、図1に示すように、遊技者によって発射操作とは別の入力操作が可能な入力操作装置260が設けられている。入力操作装置260は、例えば、押込操作が可能な押圧操作装置261と、回転操作が可能な回転操作装置262と、上下左右の方向操作が可能な選択操作装置263とを備えている。これら操作装置261〜263により、パチンコ機100において実行される演出を選択する演出選択操作や、パチンコ機100の演出を実行する各装置の音量や光量を設定する装置設定操作、或いは、遊技者に関する情報を入力して前回以前の遊技に応じたパチンコ機100の演出を実行可能とする演出設定操作等が実行可能とされ、これら操作を必要に応じて遊技者や遊技場の管理者が実行可能とされている。なお、入力操作装置260において遊技者が接触する入力操作部(例えば、回転操作装置262における円環状の回転操作部)は、モータやソレノイド等の入力操作部駆動手段によって回転、上下動、又は、振動等の動作がパチンコ機100の制御(例えば、副制御基板940(図10参照)の制御)により実行可能に構成されることが好ましく、入力操作の前後、又は、入力操作中のいずれか又は複数のタイミングで入力部分を動作させることにより、入力操作を積極的に促すなど入力操作を伴う演出を多様にすることができる。
次に、中間ブロック103について説明する。中間ブロック103は、前ブロック102と略同一サイズの略長方形状をした部材であり、前ブロック102と後ブロック104とが取り付けられることにより、パチンコ機100の本体部分を一体化した状態にする機能を有している。中間ブロック103は、基枠301に対して遊技盤400を含む複数の機能部品を取り付けて構成されている。
中間ブロック103は、図3及び図4に示すように、開口を有する基枠301と、基枠301の開口を覆いつつ前面側より取着される遊技盤400(図3参照)と、基枠301に対して遊技盤400を回動自在及び着脱自在に支持する遊技盤支持機構と、基枠301に対して遊技盤400の位置を固定する遊技盤固定機構と、遊技盤400に遊技球を射出する発射装置330(図3参照)と、遊技盤400の背面側に装着されて遊技進行を統括的に制御する主制御装置370(図4参照)と、主制御装置370からの命令に基づいて遊技演出や状態報知を制御する副制御装置390(図4参照)とを備えている。
基枠301には、図3に示すように、後述する払出装置540(図8参照)から放出された遊技球を前ブロック102に誘導する誘導通路が内部に形成される誘導通路部301Aと、複数の配線(図示せず)や信号中継装置311が位置する開孔301Bとが設けられている。開孔301Bは、遊技盤400より下側において前後方向に貫通する形状をなし、開孔301Bに挿通される複数の配線は、前ブロック102に設けられる種々の装置(例えば、枠発光装置271〜275、左上音響装置281及び右上音響装置282)と、中間ブロック103の背面側や後ブロック104に設けられる装置(例えば、主制御装置370や副制御装置390)とを電気的に接続するための配線を含み、信号中継装置311は、その配線の一部を中継する中継基板としての機能を有している。
遊技盤400は、図3に示すように、排出口401A等の遊技球が前後に通過可能な貫通孔を有する平板状の基体401と、基体401の左下から右上に亘り滑らかに湾曲する外レール402と、基体401の右下から左上に亘り滑らかに湾曲する内レール403と、内レール403の左上側の先端に取着された戻り球防止機構404と、外レール402の右上側の先端に取着される反跳防止部材405とを備えている。外レール402は、後述する発射装置330から発射された遊技球を遊技領域内へ誘導するものである。戻り球防止機構404は、外レール402及び内レール403が平行に対向する間部分で形成される発射通路401Bから遊技領域内へ一旦放出された遊技球が発射通路401Bに戻ることを防止する。反跳防止部材405は、遊技盤400の上部中央を越えて右側に向かった遊技球が再び上部中央を経由して左側に戻るような遊技球の大幅な反跳を防止する衝撃吸収性を有し、例えば、制振ゴム等の材料により形成されている。
前ブロック102の背面側下部には、図3に示すように、戻り球通路部163が形成されている。発射装置330から発射通路401Bの方向へ遊技球を誘導する誘導部材335と外レール402との間には間隙があり、発射装置330から発射されたが戻り球防止機構404を超えるに至らず発射通路401Bを逆戻りする遊技球は、この間隙の下方に配置される戻り球通路部163を介して流入口241A(図5参照)から補助貯留機構240(図5参照)に返却される。
戻り球防止機構404を超えて進行した遊技球は、遊技領域に到達し、遊技領域内を自重により落下しながら移動(流下)する。遊技領域は、略円形状の外周形状をなし、遊技球の直径より僅かに大きな前後幅を有する領域を大部分とする形状に区画されている。遊技領域は、概ね、外レール402及び内レール403とで外周部分が区画され、前側が中央パネル220の後方板223によって略平面状に区画され、後側が遊技盤400の基体401によって略平面状に区画されている。なお、遊技領域に設けられる各種の構造物については後述する。
発射装置330は、図3に示すように、主貯留機構230に貯留されている遊技球を順次に発射位置に送り出す球送り機構331と、球送り機構331を駆動する球送りソレノイド332(図10参照)と、発射位置に配置された遊技球を射出する発射機構333と、発射機構333を駆動する駆動機構745(図10参照)と、発射機構333から発射された遊技球を遊技盤400の発射通路401Bに誘導する誘導部材335とを備えている。発射装置330は、上述のように発射操作装置250に対する発射操作に応じて作動し、発射操作装置250に対する発射操作に応じて駆動機構745の駆動制御が変化して発射力が調整される。なお、発射装置330について、図3及び図6等においては、配置位置や形状等を模式的に示し、構成詳細については、図31以降を参照して後述する。
主制御装置370は、図4に示すように、主制御基板920(図10参照)と、主制御基板920を収容する2つ割り構造の基板ケース371とを備えている。主制御基板920は、痕跡を残さずには開封できないように封止された透光性を有する基板ケース371の内部に収容されている。
また、主制御装置370は、遊技盤400の背面側に回動自在に取り付けられている。具体的には、遊技盤400の基体401に対して背面側に取り付け部372が回動可能に連結固定され、その取り付け部372に主制御装置370が取り付けられている。これにより、主制御装置370の背面側(表面側)だけでなく、取り付け部372を回動操作することで主制御装置370の前面側(裏面側)も、遊技盤400に主制御装置370を取り付けたままで容易に確認可能とされている。取り付け部372に対して主制御装置370は、痕跡を残さずには取り外しできないように連結しても良く、主制御装置370の取り外し状況を管理し易くしても良い。
副制御装置390は、副制御基板940(図10参照)と、副制御基板940を収容する2つ割り構造の基板ケース391とを備えている。副制御基板940は、例えば、主制御基板920と同様に痕跡を残さずには開封できないように封止された透光性を有する基板ケース391の内部に収容された状態にして遊技盤400の背面側に取り付けられている。
ここで、遊技盤400において、遊技領域に配置される各種の構造物について、図7を主に参照して説明する。図7は、遊技盤400の正面図である。
遊技盤400は、図7に示すように、基体401と、遊技球の流下方向や流下速度に変化を与える釘411や風車412等の流下変化部材と、基体401の概ね中央に配置された中央構造体420と、中央構造体420に対して下側に配置された第1特別図柄に係る始動装置(具体的には、上側中始動入賞装置431A及び下側中始動入賞装置431B)と、中央構造体420に対して右下側に配置された第2特別図柄に係る始動装置(具体的には、右始動入賞装置432)と、右始動入賞装置432の下方に配置された大入賞装置433,434(具体的には、下大入賞装置433及び上大入賞装置434)と、右始動入賞装置432の上側(上流側)に配置された普通図柄に係る始動装置436と、遊技盤400の右上側であって上下の大入賞装置433,434に対して上方(上流側)に配置された役連作動装置435と、下側中始動入賞装置431Bの左右両側に配置された一般入賞装置439A,439Bとを備えている。
また、遊技盤400には、上記した上側中始動入賞装置431A等に対応して遊技球の通過を検出する検出手段としてのスイッチが複数設けられており(図10参照)、各スイッチに対応した所定領域への遊技球の進入が検出可能とされている。例えば、上側中始動入賞装置431Aに進入した遊技球を検出する中始動入賞スイッチ(上側中始動入賞スイッチ441A)、下側中始動入賞装置431Bに進入した遊技球を検出する中始動入賞スイッチ(下側中始動入賞スイッチ441B)、右始動入賞装置432に進入した遊技球を検出する右始動入賞スイッチ442、下大入賞装置433に進入した遊技球を検出する下大入賞スイッチ443、上大入賞装置434に進入した遊技球を検出する上大入賞スイッチ444、役連作動装置435に進入した遊技球を検出する役連作動スイッチ445、始動装置436に進入した遊技球を検出する始動スイッチ446、下大入賞装置433の内部に形成された非特定通路(図示せず)に進入した遊技球を検出する非特定通路スイッチ447、下大入賞装置433の内部に形成された特定通路(図示せず)に進入した遊技球を検出する特定通路スイッチ448、一般入賞装置439A,439Bに進入した遊技球を各々検出する一般入賞スイッチ449A,449B等が遊技盤400に設置されている。
また、遊技盤400には、不正防止のために各種センサが設けられており(図10参照)、パチンコ機100に発生した異常を検出可能とされている。例えば、パチンコ機100の正面側から磁石を近づけて遊技領域を流下する遊技球の流下状態を変化させる不正を検出するための磁気センサ491、パチンコ機100へ振動を加えて遊技領域を流下する遊技球の流下状態を変化させる不正を検出するための振動センサ492、遊技球の通過を検出する各スイッチを誤作動させる不正な電波を検出するための電波センサ493、前ブロック102の不正な開放を検出するために所定の開放状態(例えば、中央パネル220と遊技盤400の前面とが設計許容量を超えて僅かに離間した状態)を検出するための開閉センサ494等が遊技盤400に設置されている。磁気センサ491、振動センサ492、電波センサ493のオン、及び、開閉センサ494のオン状態の一定時間の継続等によって異常状態の発生が検出された場合には、その異常状態の発生が主制御基板920によって検出され、その異常状態の発生に対応した出力制御(例えば、異常状態の発生に対応した発光体の点灯、警告音の出力、異常状態信号の外部出力等の制御)が実行される。
中央構造体420及び始動装置436の遊技球の入口部分は入球口を構成し、各入球口に進入した遊技球は遊技領域に放出される。各入賞装置、具体的には、上側中始動入賞装置431A、下側中始動入賞装置431B、右始動入賞装置432、下大入賞装置433、上大入賞装置434及び一般入賞装置439A,439Bの遊技球の入口部分は入賞口を構成し、各入賞口に進入した遊技球は基体401に形成された貫通孔を通して基体401の背面側に形成された回収排出通路(図示せず)に案内される。また、各入賞装置に進入しなかった遊技球は、遊技領域の最下流側部分に設けられる排出口401Aを通して回収排出通路へ案内される。回収排出通路に案内された遊技球は、パチンコ機100から遊技場に設けられた遊技球循環装置(図示せず)に排出される。いずれかの入賞装置に遊技球が進入した場合には、入賞装置の種類に応じた所定の個数の遊技球が払出装置540(図8及び図9参照)から払い出される。なお、各入賞装置は、他の入賞装置と別々に構成されても良いし、2以上の入賞装置(例えば、上側中始動入賞装置431A及び下側中始動入賞装置431B)が一体化された装置によって入賞装置が構成されても良く、また、上側中始動入賞装置431A等の始動装置については必ずしも遊技球が進入した場合に所定の個数の遊技球が払い出される入賞口とする必要はなく、遊技球が払い出されることなく遊技領域に再び放出される入球口としても良い。
第1特別図柄に係る上側中始動入賞装置431A及び下側中始動入賞装置431B、並びに、一般入賞装置439A及び一般入賞装置439Bの各々は、それらへの遊技球の進入確率を変化させず、進入した遊技球を基体401の背面側へ誘導する。また、第2特別図柄に係る右始動入賞装置432は、その内部への遊技球の進入確率を変化させる機構を有している。なお、遊技球の進入確率を変化させる機構は、第2特別図柄に係る始動装置のみに設ける必要はなく、それに代えて、又は、それに加えて、第1特別図柄に係る始動装置、一般入賞装置439A,439Bのいずれか又は複数に設けても良い。また、遊技球の進入確率を変化させる機構は、電気的に駆動されるソレノイド等の駆動手段により構成しても良いし、所定領域へ入球した遊技球の自重により動作する機構に代表される機械的に動作する機構により構成しても良い。
第2特別図柄に係る右始動入賞装置432は、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間の移行によって、その内部への遊技球の進入確率を変化させる右進入規制機構452と、右進入規制機構452を駆動する右進入規制ソレノイド462(図10参照)とを備えている。右進入規制機構452は、右進入規制ソレノイド462によって駆動される2つの可動片を備えており、右進入規制機構452が進入禁止姿勢である場合には、2つの可動片が進入口(入賞口)を狭窄する(又は閉鎖する)配置をとることによって遊技球は右始動入賞装置432に進入できないが、右進入規制機構452が進入許容姿勢である場合には、2つの可動片がそれらの先端部の間隔が拡大するような配置をとることによって遊技球は右始動入賞装置432に進入できるようになる。右進入規制機構452は、普通図柄に係る始動装置436へ進入した遊技球が始動スイッチ446で検出されることに基づく抽選(以下において「普通図柄抽選」とも称す)で当選した場合に、右進入規制ソレノイド462による駆動に応じて所定の回数及び所定の時間だけ進入許容姿勢に移行する。
下大入賞装置433には、図7に示すように、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間の移行によって、その内部への遊技球の進入を規制する下進入規制機構453と、下進入規制機構453の姿勢を変化させる下進入規制ソレノイド463(図10参照)と、非誘導姿勢と誘導姿勢との間の移行によって、下大入賞装置433に進入した遊技球を非特定通路又は特定通路に振り分ける振分機構(図示せず)と、振分機構の姿勢を変化させて遊技球の誘導先を切り換える切換ソレノイド465(図10参照)とが設けられている。下大入賞装置433の下進入規制機構453が進入禁止姿勢である場合には、下進入規制機構453が進入口(入賞口)を閉鎖することによって遊技球は下大入賞装置433に進入できないが、下進入規制機構453が進入許容姿勢である場合には、下進入規制機構453が進入口を開放することによって遊技球は下大入賞装置433に進入できるようになる。また、下大入賞装置433に進入した遊技球は、振分機構が前方に突出する非誘導姿勢である場合には非特定通路に案内され、振分機構が後方に没入する誘導姿勢である場合には特定通路に誘導される。特定通路、非特定通路及び振分機構は、遊技状態の移行を多様にするために設けられ、特定通路へ遊技球が進入した場合には、遊技者に特典として有利な遊技状態が付与される。
上大入賞装置434には、図7に示すように、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間の移行によって、その内部への遊技球の進入を規制する上進入規制機構454と、上進入規制機構454の姿勢を変化させる上進入規制ソレノイド464(図10参照)とが設けられている。上進入規制機構454が進入禁止姿勢である場合には、上進入規制機構454が進入口(入賞口)を閉鎖することによって遊技球は上大入賞装置434に進入できないが、上進入規制機構454が進入許容姿勢である場合には、上進入規制機構454が進入口を開放することによって遊技球は上大入賞装置434に進入できるようになる。
なお、右進入規制機構452等の内部への遊技球の進入確率を変化させる機構としての進入許容姿勢及び進入禁止姿勢としては、各機構を構成して各装置の入賞口(又は入球口)に遊技球が進入可能な特別状態と、遊技球が進入不能な通常状態とを切り替える動作部材の姿勢変化に対応し、各姿勢に応じて動作部材の位置及び向きの少なくともいずれかが異なるものであれば良い。また、右進入規制機構452等の遊技球の進入確率を変化させる機構として、遊技球が進入不能な状態を通常状態とする必要は必ずしもなく、通常状態においても遊技球の進入を許容し、特別状態においては通常状態より遊技球が進入し易い状態に動作部材の姿勢が変化する構成としても良い。
下大入賞装置433及び上大入賞装置434には、大当りの抽選に当選した場合に遊技球が進入可能となる。具体的には、第1特別図柄に係る上側中始動入賞装置431A若しくは下側中始動入賞装置431Bへ進入した遊技球が上側中始動入賞スイッチ441A若しくは下側中始動入賞スイッチ441Bで検出されることに基づく抽選(以下において「第1特別図柄抽選」とも称す)に当選した場合、又は、第2特別図柄に係る右始動入賞装置432へ進入した遊技球が右始動入賞スイッチ442で検出されることに基づく抽選(以下において「第2特別図柄抽選」とも称す)に当選した場合には、下進入規制ソレノイド463又は上進入規制ソレノイド464の少なくとも一方が作動する。この作動によって所定の回数に亘り所定の時間だけ下進入規制機構453又は上進入規制機構454の少なくとも一方が進入許容姿勢をとる。また、振分機構は、下進入規制機構453の進入許容姿勢への移行から所定の時間後に切換ソレノイド465の作動に応じて誘導姿勢に移行し、更に誘導姿勢への移行から所定の時間後に切換ソレノイド465の停止に応じて非誘導姿勢に戻る。
役連作動装置435は、下大入賞装置433及び上大入賞装置434が作動を開始するために必要な条件を設定するための装置である。大当りの抽選に当選した後には、役連作動装置435の遊技球の通過を条件として、下大入賞装置433又は上大入賞装置434のいずれかが作動を開始する。このため、遊技者は、大当りに当選した場合、自らの意図するタイミングで特別遊技状態を開始させることができる。なお、必ずしも役連作動装置435の遊技球の通過を条件として、下大入賞装置433又は上大入賞装置434のいずれかが作動を開始する構成とする必要はなく、それに代えて、又は、それに加えて、予め定めた時間の経過により下大入賞装置433又は上大入賞装置434のいずれかが作動を開始する構成としても良い。
また、遊技盤400には、図7に示すように、図柄の変動表示や抽選結果を表示する表示装置471〜473と、遊技の保留回数を表示する表示装置476〜478とが一体化された複数の発光部を有する表示器が、遊技盤400の一部に相当する左下部分に設けられている。複数の発光部は、各装置に対応する発光領域に予め区画され、各装置の状態が発光状態によって表示される。
具体的には、遊技盤400には、第1特別図柄抽選に伴って、第1特別図柄を変動表示したり、第1特別図柄を抽選結果に応じた停止図柄で確定表示したりする第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471と、第2特別図柄抽選に伴って、第2特別図柄を変動表示したり、第2特別図柄を抽選結果に応じた停止図柄で確定表示したりする第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472と、第1特別図柄に係る単位遊技の保留回数を表示する特別図柄保留表示装置476と、第2特別図柄に係る単位遊技の保留回数を表示する特別図柄保留表示装置477とが設けられている。第1特別図柄に係る単位遊技の権利及び第2特別図柄に係る単位遊技の権利はそれぞれ最大4回まで保留される。ここで、単位遊技とは、1回の始動入賞に基づいて実行される1回分の遊技であり、1回の始動入賞に基づいて実行される抽選の当否判定と、その当否判定に基づいた抽選結果を表示するまでの変動表示の開始から終了までを含む一連の遊技をいう。
第1特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されている場合には、始動入賞装置431に進入した遊技球が上側中始動入賞スイッチ441A(図10参照)又は下側中始動入賞スイッチ441B(図10参照)によって検出されたとしても第1特別図柄に係る単位遊技の権利は追加されない。同様に、第2特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されている場合に、右始動入賞装置432に進入した遊技球が右始動入賞スイッチ442(図10参照)によって検出されたとしても第2特別図柄に係る単位遊技の権利は追加されない。
第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471及び第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472の各々は、複数の発光部で構成されており、主制御基板920(図10参照)によって制御される。第1特別図柄の表示及び第2特別図柄の表示の各々は、複数の発光部の発光パターン(発光色を含む発光状態(消灯、点灯、点滅)の組合せ)によって表現される。第1特別図柄に係る特別図柄保留表示装置476及び第2特別図柄に係る特別図柄保留表示装置477は、2個の単色の発光部の発光状態(消灯、点灯、点滅)の組合せによって保留回数を表示する。
また、遊技盤400には、普通図柄抽選に伴って、普通図柄を変動表示したり、普通図柄を抽選結果に応じた停止図柄で確定表示したりする普通図柄表示装置473と、普通図柄に係る単位遊技の権利の保留回数を表示する普通図柄保留表示装置478とが設けられている。普通図柄に係る単位遊技の権利は最大4回まで保留される。普通図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されている場合には、始動装置436に進入した遊技球が始動スイッチ446によって検出されたとしても普通図柄に係る単位遊技の権利は追加されない。
普通図柄表示装置473は、複数の発光部で構成されており、主制御基板920(図10参照)によって制御される。普通図柄は、複数の発光部の発光パターンによって表現される。また、普通図柄保留表示装置478は、2個の単色の発光部の発光状態(消灯、点灯、点滅)の組合せによって保留回数を表示する。
また、遊技盤400には、中央構造体420の後方に重なるようにして、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る単位遊技において、装飾図柄を変動表示したり、装飾図柄を確定表示したりする装飾図柄表示装置479が設けられている。装飾図柄の変動表示及び確定表示は、副制御基板940により制御され、主制御基板920による第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示及び確定表示と同期している。装飾図柄の変動表示においては、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示よりも複雑かつ多様な演出が実行される。なお、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示及び確定表示と装飾図柄の変動表示及び確定表示とは、必ずしも完全に一致するタイミングで変動開始したり、確定表示として停止表示をしたりする必要はなく、各タイミングに僅かな時間差を設けつつ略同じタイミングで変動を開始し、略同じタイミングで確定表示が行われる設定としても良い。
また、遊技盤400は、各種の構造物の裏側に設けられた盤面発光装置490(図10参照)を備えており、盤面発光装置490は、副制御基板940による制御に基づいて遊技進行に伴う各種の発光演出や発光による状態報知を実行する。
ここで、各種の遊技状態及び遊技状態間の移行について説明する。通常時の遊技状態(以下において「通常遊技状態」とも略記する)は、第1特別図柄、第2特別図柄及び普通図柄の変動表示時間が長い状態(以下において「非時短状態」とも称す)に対応する。
第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選において大当りに当選した場合には、その当選に基づいて移行する特別遊技状態中に遊技球が特定通路(下大入賞装置433の内部通路)へ進入するか否かに対応して、特別遊技状態後に移行する遊技状態が異なる。特別遊技状態中に遊技球が特定通路へ進入しなかった場合には、第1特別図柄抽選、第2特別図柄及び普通図柄の変動表示時間が非時短状態よりも短い状態(以下において「時短状態」とも称す)であって、かつ、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選における大当りの当選確率が通常遊技状態と同一の状態(以下において「低確率状態」とも称す)である遊技状態(以下において「時短遊技状態」とも称す)へ移行する。一方、特別遊技状態中に遊技球が特定通路へ進入した場合には、時短状態であって、かつ、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選における大当りの当選確率が通常遊技状態より高い状態(以下において「高確率状態」とも称す)である遊技状態(以下において「確変遊技状態」とも称す)へ移行する。
時短遊技状態は、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る単位遊技の総数が所定の回数(例えば、50回)となるまで維持されるが、その後は通常遊技状態に戻る。また、確変遊技状態は、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る単位遊技の総数が所定の回数(例えば、100回)となるまで維持されるが、その後は通常遊技状態に戻る。
なお、遊技状態及び遊技状態間の移行について、必ずしも上述した構成とする必要はなく、例えば、高確率状態が次回の大当りの当選まで継続する構成としても良いし、他の内容によって上記遊技状態の少なくとも1つを構成しても良いし、上述した各遊技状態とは別の遊技状態を更に含む構成としても良いし、上述した条件とは異なる条件によって遊技状態間が移行する構成としても良い。
次に、遊技盤400の主要な装置の動作について概ね時系列に沿って説明する。主制御基板920においては、特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄で共通)に係る当選乱数、大当り図柄乱数、停止パターン乱数、各種の変動パターン乱数が生成されており、各種の遊技状態において第1特別図柄に係る始動入賞装置431A,431Bのいずれかに進入した遊技球が中始動入賞スイッチ441A,441B(図10参照)のいずれかによって検出された場合に第1特別図柄の始動入賞となる。第1特別図柄の始動入賞時に、第1特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されていない場合には、特別図柄に係る当選乱数、大当り図柄乱数及び停止パターン乱数が取得されて、主制御基板920のRAMの所定の領域に格納される。
第1特別図柄の始動入賞に基づいて取得された乱数による単位遊技は、特別遊技状態中でなく、第1特別図柄又は第2特別図柄に係る単位遊技中でもなく、第1特別図柄に係る単位遊技の権利が保留されていない場合には、それらの乱数の格納の直後に開始される。また、特別遊技状態中でない場合であっても、第1特別図柄又は第2特別図柄に係る単位遊技中や第1特別図柄又は第2特別図柄に係る単位遊技の権利が保留されている場合には、今回の入賞より前に保留されていた全ての特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)に係る単位遊技の終了後に、今回の始動入賞に基づく単位遊技が開始される。特別遊技状態中に第1特別図柄の始動入賞に基づいて各乱数が取得された場合には、その乱数による単位遊技は、特別遊技状態後において今回の始動入賞より前に保留されていた全ての特別図柄に係る単位遊技の後に開始される。
また、第1特別図柄の始動入賞に基づいて取得された乱数による単位遊技は、第2特別図柄に係る全ての単位遊技の終了後に開始される。すなわち、今回の始動入賞の後に第2特別図柄の始動入賞に基づいて各乱数が取得された場合には、その第2特別図柄の始動入賞に基づく単位遊技が優先して実行される。なお、必ずしも第2特別図柄の始動入賞に基づく単位遊技が第1特別図柄に係る単位遊技に優先して実行される構成とする必要はなく、始動入賞の順に第1特別図柄と第2特別図柄に係る単位優位制御が実行される構成であっても良いし、2つの特別図柄が択一的でなく同時に変動可能な構成であっても良い。
第1特別図柄の始動入賞に基づく第1特別図柄抽選において大当りに当選している場合には、更に、取得された大当り図柄乱数に基づいて第1特別図柄抽選の大当り当選に対応する停止図柄(大当り図柄)の種類が決定される。この停止図柄の種類と大当りの種類とが対応し、例えば、下進入規制機構453又は上進入規制機構454が進入許容姿勢をとる回数に相当するラウンド数(例えば、6ラウンドと16ラウンド)や、特別遊技状態後に移行する遊技状態(確変遊技状態へ移行させるか否か)といった遊技状態の種類に対応して大当りの種類が複数種類設定され、その種類毎に大当り図柄が設定されている。第1特別図柄抽選において大当りに当選しなかった場合には、大当り図柄とは別のハズレ図柄が停止図柄として設定される。
第1特別図柄抽選の後に、現在の遊技状態、抽選結果、停止パターン乱数の値、各種の変動パターン乱数の値、第1特別図柄に係る単位遊技の権利の保留回数に基づいて、第1特別図柄の変動表示時間が決定されると共に、装飾図柄の変動パターンが選択される。その後、第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471における第1特別図柄の変動表示及び装飾図柄表示装置479における装飾図柄の変動表示(変動演出)が開始され、第1特別図柄にあっては変動表示時間に亘って一定のパターンによる変動表示が継続され、装飾図柄にあっては変動表示時間に亘って変動パターンに従った変動表示が継続される。その後、変動表示時間の経過に伴って、第1特別図柄に係る停止図柄が確定表示され、また、装飾図柄として第1特別図柄の停止図柄に対応する図柄が確定表示される。第1特別図柄及び装飾図柄の確定表示は少なくとも所定の一定時間に亘って継続される。
第1特別図柄に係る停止図柄が大当り図柄である場合には、第1特別図柄の確定表示後に、遊技状態は特別遊技状態に移行する。特別遊技状態においては、下大入賞装置433の下進入規制機構453及び上大入賞装置434の上進入規制機構454が、大当りの種類に応じた所定の順序で所定の回数だけ進入許容姿勢となる。下進入規制機構453及び上進入規制機構454における各回の進入許容姿勢中において、所定の個数(例えば、8個)の遊技球が大入賞スイッチ443,444によって検出された場合、又は、所定の最大進入許容時間(例えば、29.5秒)が経過した場合には、下進入規制機構453又は上進入規制機構454は進入禁止姿勢に移行する。その後、所定の進入禁止時間の経過後に、再度、下進入規制機構453又は上進入規制機構454のいずれかが進入許容姿勢に復帰する。この進入規制動作が大当りの種類に対応した所定の順序で所定の回数だけ繰り返される。
下進入規制機構453及び上進入規制機構454は、特別遊技状態中においていずれか一方のみが進入許容姿勢をとる構成とされ、特別遊技状態の開始から所定の待機時間が経過した後(オープニング期間後)に初回の進入許容姿勢に一方が移行する。また、最終回の進入禁止姿勢への復帰から所定の進入禁止時間が経過し、更にその後に所定の待機時間が経過した後(エンディング期間後)に特別遊技状態は終了する。特別遊技状態の終了後には、上述のように、時短遊技状態又は確変遊技状態に移行する。
各種の遊技状態において、第2特別図柄に係る右始動入賞装置432に進入した遊技球が右始動入賞スイッチ442によって検出された場合に第2特別図柄の始動入賞となる。第2特別図柄の始動入賞に基づく単位遊技の制御は、上述した第1特別図柄に係る制御と同様に実行される。すなわち、第2特別図柄の始動入賞時に第2特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されていなければ、特別図柄に係る各乱数が取得されて、この始動入賞に基づく単位遊技が実行される。また、第2特別図柄抽選に応じた停止図柄の決定、装飾図柄の変動パターンの選択、変動表示の実行、及び、遊技状態の移行制御等についても、第1特別図柄に係る制御と同様に実行される。
各種の遊技状態において、始動装置436に進入した遊技球が始動スイッチ446によって検出された場合、普通図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されていなければ、普通図柄に係る当選乱数が取得されて、主制御基板920のRAMの所定の領域に格納される。このとき、普通図柄に係る単位遊技中でなければ、その格納の直後に、その取得された普通図柄に係る単位遊技が開始される。一方、普通図柄に係る単位遊技中であれば、既得の普通図柄に係る単位遊技の権利に基づく単位遊技の終了後に、その取得された普通図柄に係る単位遊技が開始される。
普通図柄に係る単位遊技においては、当選乱数の値に基づいて当選したか否かが判定され、当選した場合には、停止図柄として所定の当り図柄が設定される。一方、普通図柄抽選において当選しなかった場合には、停止図柄として所定のハズレ図柄が設定される。普通図柄抽選後に、普通図柄表示装置473において普通図柄の変動表示が開始され、非時短状態にあっては所定の変動表示時間に亘って一定のパターンによる変動表示が継続され、時短状態にあっては非時短状態よりも短い所定の変動表示時間に亘って一定のパターンによる変動表示が継続される。遊技状態に応じた所定の時間の経過に伴って、普通図柄に係る停止図柄が一定時間に亘って確定表示される。
普通図柄に係る停止図柄が当り図柄である場合には、普通図柄の確定表示後に、右始動入賞装置432の右進入規制機構452が少なくとも1回は進入許容姿勢に移行する。具体的には、非時短状態(通常遊技状態及び特別遊技状態)において当選した場合には、右始動入賞装置432が所定の最大進入許容時間(例えば、略0.1秒)に亘って進入許容状態へ移行し、時短状態(時短遊技状態及び確変遊技状態)における当選の場合には、右始動入賞装置432が非時短状態の場合より長い所定の最大進入許容時間(例えば、略4.8秒)に亘って間欠的に(例えば、3回に分けて)進入許容姿勢に移行する。但し、所定の個数(例えば、10個)の遊技球が右始動入賞スイッチ442によって検出された場合には、右進入規制機構452は最大進入許容時間の経過を待たずに進入禁止姿勢に移行し、また、進入許容姿勢への移行回数が所定の回数に到達していなくても、今回の普通図柄に係る単位遊技における右始動入賞装置432の動作が終了する。
次に、本実施形態のパチンコ機100の遊技性について説明する。第2特別図柄抽選を受けるためには、まず、普通図柄抽選において当選しなければならず、更に、その当選に基づく右始動入賞装置432の進入許容状態において遊技球が右始動入賞装置432へ進入しなければならない。通常遊技状態における普通図柄に係る当りの当選確率は時短遊技状態における当選確率と同一であるが、通常遊技状態における当りの当選に基づく右始動入賞装置432の進入許容状態の滞在時間(例えば、略0.1秒)が時短状態における滞在時間(例えば、略4.8秒)に比べて極めて短く設定されているために、通常遊技状態において、第2特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会は、第1特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会よりも大幅に小さい。逆に、時短遊技状態や確変遊技状態等の時短状態においては、第2特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会は、第1特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会よりも大幅に大きい。
したがって、遊技者は、第1特別図柄抽選において大当りに当選し、その後の特別遊技状態において遊技球を特定通路へ進入させることによる確変遊技状態への移行を目指して遊技する。一方、時短遊技状態及び確変遊技状態においては、各遊技状態が終了する前に第2特別図柄抽選において大当りに当選することを目指して遊技する。
具体的には、遊技盤400には、遊技球が流下する遊技領域の中央部に中央構造体420が設けられ、主に中央構造体420の左側から遊技球を流下させる遊技手法(左打ち遊技手法)と、主に中央構造体420の右側から遊技球を流下させる遊技手法(右打ち遊技手法)とが選択的に行える構成となっている。遊技者は、通常遊技状態においては、左打ち遊技手法によって遊技を行い、時短遊技状態及び確変遊技状態においては、右打ち遊技手法によって遊技を行う。また、下大入賞装置433及び上大入賞装置434が中央構造体420に対して右側に配置されているので、特別遊技状態においても右打ち遊技手法によって遊技を行う。
次に、後ブロック104について説明する。図8及び図9は、それぞれ、パチンコ機100を示す背面側斜視図及び背面図である。なお、図8においては、理解の容易のために、外枠101を省略して示している。
後ブロック104は、図8及び図9に示すように、基体501に他の部材や装置が取着されて構成されている。この基体501と中間ブロック103とが後ブロック支持機構136,137によって接続されることにより、後ブロック104が中間ブロック103に対して開閉可能に支持されている。
後ブロック104は、遊技球を貯留する球貯留部としての遊技球タンク510と、遊技球タンク510の下流側に連続して遊技球を(例えば、1列に)整流させると共に1段に整列させる球整列部としてのタンクレール520と、タンクレール520の下流側においてタンクレール520から流入した遊技球を誘導する球誘導部としてのケースレール530と、ケースレール530の下流側において遊技球の払い出しや遊技球の貸し出しを実行する払出装置540と、払出装置540の下流側において払出装置540から流出した遊技球を基体501に形成された誘導通路(図示せず)に誘導する球誘導部としての誘導部材550と、払出装置540による遊技球の払い出しや遊技球の貸し出しを制御する払出制御装置560と、外部電力を各種の装置等で必要とする所定の電圧の電力に変換して出力する電力供給手段としての機能と発射操作装置250に対する発射操作に基づく遊技球の射出を主制御基板920と協同して制御する発射制御手段としての機能とを有する電源・発射制御装置570と、払出制御装置560及び遊技球貸出装置290(図1参照)とパチンコ機100の側方に配置されるカードユニット(図示せず)との間の信号を中継する中継装置950とを備えている。
基体501は、樹脂(例えば、ABS樹脂)により一体成型されており、前側部分に対応するベース部502と、ベース部502よりも後方に位置した保護カバー部503とを含んでいる。ベース部502は、その上側部分が後ブロック104の外形に沿って略枠状に形成されると共に、下側部分が前後方向に厚みを有する略平坦状に形成されており、他の装置が取り付けられる被取付部としての機能を有している。
保護カバー部503は、前後方向に厚みを有する略板状に形成されている。また、保護カバー部503は、中間ブロック103の背面全域を覆う形状でなく、主制御装置370の一部といった頻繁に検査や確認が必要な中間ブロック103の背面における一部をパチンコ機100の背面に露出するための窓部を形成する大きさに設定されている。保護カバー部503の背面には、主制御装置370及び副制御装置390における発熱の放熱性を向上させる機能を有する多数の通気孔503Aが形成されている。
遊技球タンク510は、上方に開口した横長の箱型容器であり、その長手方向の一端側に、島設備の球循環装置(図示せず)から供給される遊技球が逐次補給される。遊技球タンク510における遊技球の供給される側と異なる長手方向の一端側には開口(図示せず)が形成されている。遊技球タンク510の底面は長手方向に緩やかに傾斜し、遊技球タンク510に供給された遊技球は開口側に自重によって移動する。また、遊技球タンク510の底面は、長手方向に比して、長手方向と直交する方向(前後方向)にも傾斜し、開口が設けられる側(例えば、前側)に優位に遊技球を誘導する。また、遊技球タンク510の底面には、その上に重なるようにして金属製の帯電防止板(図示せず)が取着され、帯電防止板が接地電位に接続されて遊技球タンク510内及びその下流側の遊技球の静電気が除去される。
タンクレール520は、遊技球タンク510の開口が形成される側に取り付けられ、遊技球タンク510の開口を通して遊技球が流入する。タンクレール520は、遊技球が1列に並んで通過する幅を有する略樋状の遊技球の通路を形成する通路形成部材521と、通路形成部材521により形成される通路の上面として次第に高さが低くなる天面部を有してその通路を流下する遊技球を上下に重なった高さから次第に1段の高さに整流する整流部材522とを備えている。タンクレール520により形成される通路は、下流側に向けて緩やかに傾斜しており、遊技球タンク510とは反対側へ遊技球を誘導する。
ケースレール530は、タンクレール520の下側に連続するように縦長に形成されており、タンクレール520からの遊技球が流入する。ケースレール530には、遊技球が勢いよく流れないように左右に湾曲しつつ下方に連続している。また、ケースレール530における球通路の途中部分には、球切れを検出するための球切れ検出部539が設けられている。球切れ検出部539には、貯留球スイッチ591(図10参照)が内蔵され、貯留球スイッチ591によって、ケースレール530又はその上流側で球詰り等が発生してケースレール530内に遊技球が正常に補給されていない球切れ状態を検出する。
払出装置540は、遊技球を送り出す送出機構と、送出機構を駆動する駆動手段としての払出モータ542(図10参照)と、払出計数スイッチ592(図10参照)とを備えている。払出制御装置560による制御に基づく払出モータ542の作動に応じて、球通路に貯留されている遊技球が下流側へ放出される。放出された遊技球の球通路の通過は、払出計数スイッチ592に検出され、これにより、払出制御装置560(払出制御基板930)が遊技球の払い出し数を計数する。
払出制御装置560及び電源・発射制御装置570は、図8及び図9に示すように、後ブロック104の背面側下部に位置するように基体501のベース部502における下部背面に重なるようにして取り付けられている。これら払出制御装置560及び電源・発射制御装置570を含む後ブロック104は、機種変更等において遊技盤400を別の遊技盤に交換した場合にも、継続利用可能とされている。
払出制御装置560は、払出制御基板930(図10参照)と、払出制御基板930を収容する基板ケースとを備え、払出制御基板930は、主制御基板920と同様に、開封の痕跡を残さずに開封できないように封止された基板ケースの内部に収容されている。
電源・発射制御装置570は、電源・発射制御基板900(図10参照)と、電源・発射制御基板900を収容する基板ケースとを備え、電源・発射制御基板900は、主制御基板920と同様に、封止された基板ケースの内部に収容されている。
<電気的な構成>
次に、パチンコ機100の電気的構成について説明する。図10は、パチンコ機100の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機100は、図10に示すように、電源・発射制御基板900、電源監視基板910、主制御基板920、払出制御基板930、副制御基板940等の制御回路装置を備えている。なお、図10において、各種の信号を中継するだけの中継回路装置については省略している。以下に、これらの主要な制御回路装置を個別に詳細に説明する。
電源・発射制御基板900は、パチンコ機100の各部に電源供給路(図中の破線)を介して所定の電圧の電力を供給する電源部901と、発射操作装置250の操作に応じて発射装置330の駆動を制御する発射制御部902と、初期化スイッチ907からの初期化信号や球溢れスイッチ249からの球溢れ信号を中継する信号中継部903とを備えている。
電源部901は、外部より供給される外部電力(例えば、交流24ボルト)を取り込んで内部電力(例えば、直流24ボルト)に変換すると共に、その内部電力から各種の電力を生成する。電源部901により生成される電力は、各種のソレノイドや各種のモータ等の機器を駆動するための駆動用電圧(例えば、直流12ボルト)の電力、各種のスイッチを駆動したり制御処理を実行したりするための制御用電圧(例えば、直流5ボルト)の電力、主制御基板920のRAMの内容を保持させるためのバックアップ用電圧の電力等を含んでいる。
電源部901は、内部電力から生成した各種の電力を、電源監視基板910、主制御基板920、払出制御基板930、副制御基板940等に供給する。具体的には、電源監視基板910に対しては、内部電力、駆動用電圧、制御用電圧及びバックアップ電圧の電力が供給される。主制御基板920に対しては、駆動用電圧、制御用電圧及びバックアップ電圧の電力が供給され、これら電力は、電源監視基板910の電源監視部911を介して供給される。払出制御基板930に対しては、駆動用電圧及び制御用電圧の電力が供給される。副制御基板940に対しては、駆動用電圧及び制御用電圧の電力が供給される。発射制御部902及び信号中継部903に対しては、駆動用電圧及び制御用電圧の電力が供給される。
電源部901には、電源スイッチ909が接続されており、電源スイッチ909がオフ状態である場合には外部電力の取り込みが停止される。なお、電源スイッチ909をオフ状態にしたり、電源スイッチ909を介して電源部901に接続される電源プラグ(図示せず)を外部電力の供給コンセント(図示せず)から抜脱したりすることによってパチンコ機100の内部への電力の供給が停止している状態や、外部電力自体の供給が停止している状態を「停電状態」と総称する。
電源部901は、停電状態への移行後においても所定の期間にわたり制御用電圧の電力を正常に出力するように構成されている。これによって、主制御基板920は、現在の制御状態に復帰できるように状態を保存して制御を終了させることができる。
発射制御部902は、主制御基板920と協同して、発射装置330の球送りソレノイド332及び駆動機構745の駆動を制御する。なお、球送りソレノイド332及び駆動機構745は、所定条件が整っている場合に作動が許可される。具体的には、遊技者が発射ハンドル252(図1参照)に触れていることが接触センサ254からの接触センサ信号に基づいて検知されていること、発射を停止させるための発射停止スイッチ255が操作されていないことを条件に、発射制御部902はオン状態の発射許可信号を主制御基板920に出力する。また、発射許可信号と発射異常信号とに基づいて主制御基板920は発射装置制御信号及び球送りソレノイド制御信号を発射制御部902に出力する。発射制御部902は、オン状態の球送り制御信号に基づいて球送りソレノイド332を作動させ、オン状態の発射装置制御信号の受信と可変抵抗器253の抵抗値とに基づいて駆動機構745を作動させる。これによって、発射装置330から可変抵抗器253の抵抗値(発射ハンドル252の回転操作量)に応じた強さで遊技球が順次に発射される。
信号中継部903は、初期化スイッチ907が押下された場合に、主制御基板920へオン状態の初期化信号を出力する。主制御基板920においては、オン状態の初期化信号の受信に応じて主制御基板920のRAMに保存された保存情報を初期化する。なお、初期化スイッチ907は、必ずしも信号中継部903を介して主制御基板920に信号を出力する構成とする必要はなく、例えば、初期化スイッチ907を主制御基板920に直接搭載する等して基板ケース371内に初期化スイッチ907が収容される構成としても良く、これにより信号が伝送される区間を狙った不正な信号入力を抑止することができる。
また、信号中継部903は、球溢れスイッチ249が遊技球を検出した場合に、主制御基板920へオン状態の球溢れ信号を出力する。主制御基板920においては、オン状態の球溢れ信号の検知に基づいて払出制御基板930に低速払出信号を出力し、低速払出信号を受信した払出制御基板930は、払出モータ542の回転速度(払出装置540からの遊技球の払出速度)を低速化させる。また、主制御基板920は、オフ状態の球溢れ信号の検知に基づいて払出制御基板930に高速払出信号を出力し、高速払出信号を受信した払出制御基板930は、払出モータ542の回転速度を高速化させる。
電源監視基板910は、電源・発射制御基板900からの電力供給状態を監視する電源監視部911と、電源・発射制御基板900と主制御基板920との間の電力供給及び各種の信号の伝達を中継する信号中継部912とを含んでいる。電源監視部911は、停電状態への移行に応じて主制御基板920へ停電信号を出力するものでもあり、電源部901から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満である状態が所定の時間だけ継続した場合に停電状態であると判断して、オン状態の停電信号を主制御基板920へ出力する。主制御基板920は、オン状態の停電信号の受信によって停電状態への移行を認識する。
主制御基板920は、パチンコ機100の動作を統括的に制御する。主制御基板920には、1チップマイコンとしてのMPU(図示せず)が搭載されている。MPUは、演算処理装置としてのCPU(図示せず)と、CPUにより実行される各種の制御プログラムや固定データを記憶したROM(図示せず)と、制御プログラムの実行に際して一時的に各種のデータ等を記憶するRAM(図示せず)とを含んでいる。主制御基板920には、その他、タイマ回路(図示せず)、カウンタ回路(図示せず)、クロック発生回路(図示せず)、信号送受信回路(図示せず)等の各種回路が搭載されている。主制御基板920のRAMは、停電状態への移行後においても電源・発射制御基板900からのバックアップ電圧の電力供給によって内部データを維持(バックアップ)できる構成となっている。
払出制御基板930は、主制御基板920からの指示に応じた払出装置540による遊技球の払い出し動作や遊技球貸出装置290の操作に応じた払出装置540による遊技球の貸し出し動作を制御する。払出制御基板930は、主制御基板920と同様に、CPU(図示せず)、ROM(図示せず)及びRAM(図示せず)を含む1チップマイコンとしてのMPU(図示せず)、タイマ回路(図示せず)、カウンタ回路(図示せず)、クロック発生回路(図示せず)、信号送受信回路(図示せず)等の各種回路が搭載されている。払出制御基板930は、他の装置と情報通信可能に接続する接続手段としての入出力ポートが搭載されており、例えば、主制御基板920及び中継装置950とは双方向の情報入出力通信が可能に接続され、開閉検出スイッチ108,109、貯留球スイッチ591、及び、払出計数スイッチ592とは、一方向のみの情報入力通信のみが可能に接続され、払出モータ542とは、一方向のみの情報出力通信のみが可能に接続されている。なお、払出制御基板930のRAMは、主制御基板920のRAMと同様に、停電状態において一定の期間にわたって内部データを維持可能とするバックアップ機能を有する構成としても良いし、主制御基板920のRAMとは異なり、停電状態において内部データを維持しない構成としても良い。
副制御基板940は、主制御基板920からの指示に基づいて、各種の演出装置や各種の発光装置や各種の音響装置等の動作を制御する。副制御基板940は、他の装置と情報通信可能に接続する接続手段としての入出力ポートが搭載されており、例えば、主制御基板920とは一方向のみの情報入力通信のみが可能に接続され、入力操作装置260とは双方向に情報通信可能に接続され、装飾図柄表示装置479等とは一方向の情報出力通信のみが可能に接続されている。
<各種の制御処理>
次に、主制御基板920によって実行される各種の制御処理について説明する。主制御基板920における制御処理は、大別すると、停電状態からの復帰に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本形態では2ms(ミリ秒)周期で)メイン処理に割込みをかけて実行されるタイマ割込み処理とで構成されている。
まず、図11を参照して、主制御基板920によって実行されるメイン処理について説明する。図11は、主制御基板920のメイン処理(図11においては「主制御メイン処理」と略記)を示すフローチャートである。
主制御基板920のメイン処理において、まず、主制御基板920の立ち上げや各種の情報を初期設定するための一連の制御開始処理(プログラム開始処理S1001〜乱数初期設定処理S1019)が一度だけ実行され、その後は、割込みを禁止する割込み禁止処理S1020と、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタ(RAMの一部の領域)及び大当り図柄乱数初期値カウンタ(RAMの一部の領域)並びに普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタ(RAMの一部の領域)の値を更新する乱数初期値更新処理S1021と、変動時間や変動パターン等を決定するための第1の変動種別カウンタ〜第4の変動種別カウンタ(RAMの一部の領域)の値を更新する変動用カウンタ更新処理S1022と、割込みを許可する割込み許可処理S1023とが繰り返し実行される。なお、割込み許可処理S1023の前にタイマ割込みの要求が発生した場合には、割込み許可処理S1023の直後にタイマ割込み処理が実行される。
一連の制御開始処理において、プログラムの実行を制御するスタックポインタ(RAMの一部の領域)に初期値を設定するプログラム開始処理S1001と、割込みモードを設定する割込みモード設定処理S1002と、払出制御基板930及び副制御基板940等が立ち上がるまで所定の時間だけ待機する立上待機処理S1003とが実行される。
立上待機処理S1003の後に、電源・発射制御基板900の初期化スイッチ907からの初期化信号の出力状態の判定処理S1004、停電情報(RAMの一部の領域)の値の判定処理S1005、保存情報の記憶状態の判定処理S1007が行われ、これらの判定結果に基づいてRAMの保存情報を消去するか否かが判定される。ここで、保存情報とは、停電前の遊技の状態に復帰させるために必要な情報であって、停電前に遊技の進行に応じて更新されていたRAMの一部の領域に対応し、実行中の単位遊技に関するカウンタの値や、始動入賞によって格納されたカウンタの値等が例示される。
保存情報の記憶状態は、次のように判定される。まず、RAMの所定の範囲の記憶領域に対するチェックサム値を算出して(チェックサム算出処理S1006)、その現在のチェックサム値と前回の停電状態への移行に伴い停電監視処理S1202(図12参照)において算出されたチェックサム値の2の補数であるRAM判定値との排他的論理和が「0」であるか否か(判定処理S1007)が判定され、これにより、現在のチェックサム値と停電状態への移行時のチェックサム値とが同一であるか否かが判定される。
初期化信号がオン状態である場合(S1004:Y)、停電情報が停電状態への移行時に保存情報を保存して終了したことを示す所定の停電値でない場合(S1005:N)、又は、保存情報が正常に保持されていない場合(S1007:N)には、RAMの保存情報を消去するRAMクリア処理S1008が実行される。保存情報が正常に保持されていると判断された後(S1007:Y)、又は、RAMクリア処理S1008が実行された後には、主制御基板920に接続されている各種の装置を初期化するハードウェア初期化処理S1009が実行される。
ハードウェア初期化処理S1009の後には、停電情報が停電値であるか否かの判定処理S1010が実行される。停電情報が停電値である場合(S1010:N)には、保持情報の復帰を含め各種の情報を初期設定するRAM復帰設定処理S1011と、その設定完了を示す復帰コマンドが設定される(復帰コマンド出力処理S1012)。RAM復帰設定処理S1011における保持情報の復帰によって、前回の停電状態への移行直前の制御状態に主制御基板920の制御状態が復帰する。
一方、停電情報が停電値でない場合(S1010:Y)には、保持情報の復帰は行わずに各種の情報が初期設定され(RAM初期設定処理S1013)、その設定完了を示す初期化コマンドが出力される(初期化コマンド出力処理S1014)。
なお、RAM復帰設定処理S1011及びRAM初期設定処理S1013において、停電情報は停電値と異なる所定の通電値に設定され、また、前回の停電状態への移行直前において不正検知エラー等の各種のエラー状態が発生していてもそれらのエラー状態は全て解除される。また、主制御基板920から払出制御基板930及び副制御基板940の双方に復帰コマンドか初期化コマンドのいずれかが出力され、復帰コマンド又は初期化コマンドを受信した払出制御基板930及び副制御基板940の各々においても所定の初期化処理が実行される。
立上時の状況に応じたRAMの初期設定(判定処理S1004〜初期化コマンド出力処理S1014)の後に、前回の停電状態への移行時に条件装置が作動していた場合には、特別遊技状態に復帰させるための準備が行われる(特別遊技状態復帰準備処理S1015)。具体的には、特別遊技状態復帰準備処理S1015においては、条件装置と役物連続作動装置の作動状態が判定され、停電状態時における遊技の状況に対応した処理が、副制御基板940において実行される。
特別遊技状態復帰準備処理S1015の後には、時短状態フラグが設定されているか否かを判定することにより時短状態であるか非時短状態であるかが判定され(判定処理S1016)、時短状態である場合(S1016:Y)には、時短コマンドが出力される(時短コマンド出力処理S1017)。一方、非時短状態である場合(S1016:N)には、非時短コマンドが出力される(非時短コマンド出力処理S1018)。その後、特別図柄に係る当選乱数カウンタ(RAMの一部の領域)の値が初期化される(乱数初期設定処理S1019)。
次に、図12を参照して、主制御基板920によって実行されるタイマ割込み処理について説明する。図12は、主制御基板920によって実行されるタイマ割込み処理(図中では「主制御割込み処理」と略記)を示したフローチャートである。
主制御基板920のタイマ割込み処理では、まず、タイマ割込みを開始させるための割込み開始処理S1201が実行される。具体的には、割込み制御レジスタに所定の値が設定される。これにより、本タイマ割込み以外の割込みが禁止される。その後に、パチンコ機100の遊技の進行制御や各種センサの監視等といった実質的な制御に係る停電監視処理S1202〜外部情報出力処理S1221が順次に実行される。但し、各種の不正の検知に基づいて遊技進行が停止されている場合(S1207:Y)には、制御信号出力処理S1208〜外部情報出力処理S1221は実行されない。最後に、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理S1222が実行されて、今回のタイマ割込み処理が終了する。以下において、各種の主要な処理について個別に説明する。
停電監視処理S1202においては、電源監視基板910の電源監視部911から出力されている停電信号の出力状態に基づいて停電情報(RAMの一部の領域)の値が更新される。具体的には停電信号の出力状態が3度に亘り確認され、3度ともオン状態が検出された場合に停電状態であると判定される。この判定において停電状態であると判定されなかった場合には、停電情報は通電値に維持される。
一方、停電監視処理S1202において停電状態であると判定された場合には、以下の処理が実行される。まず、停電情報の値がRAM復帰設定処理S1011又はRAM初期設定処理S1013(図11参照)において設定された通電値から所定の停電値に変更される。また、RAMの所定の範囲の記憶領域に対するチェックサム値を算出し、そのチェックサム値の2の補数をRAM判定値として設定する。これにより、パチンコ機100は、遊技の進行や各種センサの監視等といった実質的な制御を行わない無限ループに入り、RAM判定値が設定された後のRAMの状態がバックアップ電力に基づいて保持される。なお、停電信号の出力状態が3度に亘り確認されるために、停電信号の受信を初めて検知してから、タイマ割込みの各処理は2回に亘り実行される。
乱数更新処理S1203においては、特別図柄に係る当選乱数カウンタ、大当り図柄乱数カウンタ、停止パターン選択カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数カウンタが更新される。具体的には、特別図柄に係る当選乱数カウンタの値が、規定最大値(例えば、「576」)と異なる値である場合には、現在値より「1」だけ大きい値に変更され、特別図柄に係る当選乱数カウンタの値が規定最大値である場合には、規定最小値(「0」)に変更される。但し、変更後の値が特別図柄に係る当選乱数カウンタに対する循環初期値と同一の値となる場合には、特別図柄に係る当選乱数カウンタの値が、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタと同一の値に設定され、また、循環初期値も当選乱数初期値カウンタと同一の値に設定される。
大当り図柄乱数カウンタ、停止パターン選択カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数カウンタについても、特別図柄に係る当選乱数カウンタの場合と同様にして更新される。ただし、各カウンタの規定最大値と規定最小値とにより定められる更新範囲としては各カウンタに固有の値が設定され、複数のカウンタが非同期で更新される構成とされ、各カウンタの循環初期値には各カウンタに固有の初期値カウンタが参照される。例えば、特別図柄に係る当選乱数カウンタと特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタとは値の範囲が同一であり、大当り図柄乱数カウンタと大当り図柄乱数初期値カウンタとは値の範囲が同一であり、普通図柄に係る当選乱数カウンタと普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタとは値の範囲が同一である。
乱数初期値更新処理S1204においては、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタ、大当り図柄乱数初期値カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタが更新される。具体的には、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタの値が規定最大値(例えば、「576」)と異なる値である場合には、現在値より「1」だけ大きい値に変更され、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタの値が規定最大値である場合には、規定最小値(「0」)に変更される。特別図柄に係る図柄乱数初期値カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタについても、規定最大値や規定最小値がそれらのカウンタに固有の値であること以外は、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタの場合と同様にして更新される。
変動用カウンタ更新処理S1205においては、変動時間や変動パターン等を決定するための第1の変動種別カウンタ〜第4の変動種別カウンタの値が更新される。具体的には、第1の変動種別カウンタの値が規定最大値(例えば、「187」)と異なる値である場合には、現在値より「1」だけ大きい値に変更され、第1の変動種別カウンタの値が規定最大値である場合には、規定最小値(「0」)に変更される。第2の変動種別カウンタ〜第4の変動種別カウンタについても、規定最大値や規定最小値がそれらのカウンタに固有の値であること以外は、第1の変動種別カウンタの場合と同様にして更新される。
なお、特別図柄及び普通図柄に係る各当選乱数カウンタ、大当り図柄乱数カウンタ、停止パターン選択カウンタ並びに各変動種別カウンタは、必ずしも上記構成とする必要はなく、上記カウンタの少なくとも一部を他の構成としても良く、例えば、初期値カウンタを利用しないで一定の初期値から更新する構成としても良いし、プログラムを利用しないで乱数生成用ICにより構成して必要に応じて値を参照する構成としても良い。
遊技停止判定処理S1206においては、不正検知情報が不正検知値である場合には、遊技停止値に更新されると共に、遊技進行を停止させるための各種の情報が設定される。一方、不正検知情報が不正検知値でない場合や既に遊技停止値である場合には、遊技進行を停止させるための各処理は実行されずに遊技停止判定処理S1206は終了する。なお、不正検知情報は、不正検知処理S1211において各種の不正の発生が検知された場合に不正検知値に設定される。また、判定処理S1207においては、不正検知情報が遊技停止値であるか否かによって遊技停止中であるか否かが判定される。
制御信号出力処理S1208においては、出力バッファに格納された制御データに基づいて、第1の特別図柄に係る特別図柄表示装置471、第2の特別図柄に係る特別図柄表示装置472及び普通図柄に係る普通図柄表示装置473等の各種の報知装置を制御する信号が出力される。また、出力バッファに格納された制御データに基づいて、球送りソレノイド332、右進入規制ソレノイド462、下進入規制ソレノイド463、上進入規制ソレノイド464、切換ソレノイド465、駆動機構745等の各種のアクチュエータを制御する信号が出力される。
スイッチ読込処理S1209においては、中始動入賞スイッチ441A,441B、右始動入賞スイッチ442、下大入賞スイッチ443、上大入賞スイッチ444、役連作動スイッチ445、始動スイッチ446、非特定通路スイッチ447、特定通路スイッチ448、及び、一般入賞スイッチ449A,449Bの各々からの信号状態が読み込まれて、各種のスイッチによる遊技球の検出状態の変化が検知される。
具体的には、スイッチ読込処理S1209において、各種のスイッチからの信号状態が所定の時間間隔を隔てて2度に亘り入力バッファ(RAMの一部の領域)に読み込まれ、各種のスイッチからの信号ごとに、1回目に読み込まれた信号状態(以下において「第1の信号状態」と略記する)と、2回目に読み込まれた信号状態(以下において「第2の信号状態」と略記する)と、前回のタイマ割込みで検知された検出状態(以下において「前回の検出状態」と略記する)とに基づいて、各種のスイッチの検出状態の変化が検知される。そして、各スイッチに対して、前回の検出状態がオフ状態である場合において、第1の信号状態がオン状態であり、第2の信号状態がオン状態である場合には、オン状態移行と判断されて、スイッチの種類に応じた検出フラグ(RAMの一部の領域)が設定される。なお、停電監視処理S1202で説明したように、電源供給が停止したとしても、タイマ割込みの各処理が2回に亘り実行されるために、電源供給が停止した直後に各種のスイッチのオン状態が開始された場合であっても各種のスイッチの検出フラグを正確に設定することができる。
タイマ更新処理S1210においては、特別図柄及び普通図柄の変動表示、各遊技状態の制御、及び、不正監視等に使用される各種のタイマ(RAMの所定の領域)が更新される。
不正検知処理S1211においては、各種の入賞装置に強制的に遊技球を進入させたり、各種の入賞装置を強制的に作動させたりするような不正行為が検知される。具体的には、右始動入賞装置432、下大入賞装置433及び上大入賞装置434の強制的な進入許容姿勢への移動、加振による下大入賞装置433の特定通路への遊技球の誘導、電波による右始動入賞装置432、下大入賞装置433及び上大入賞装置434の強制的な誤作動の誘発、磁気吸着による各種の入賞装置への遊技球の誘導、上側中始動入賞装置431A、下側中始動入賞装置431B、右始動入賞装置432、下大入賞装置433及び上大入賞装置434への異常なタイミングでの遊技球の誘導等の不正行為が行われた可能性の高い状況の発生を検知する。
入賞検知応答処理S1212においては、遊技盤400に設けられた各種のスイッチによる遊技球の検出に基づく制御が実行される。具体的には、上側中始動入賞スイッチ441A(図10参照)及び下側中始動入賞スイッチ441B(図10参照)による遊技球の検出に基づいて、中始動入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合には、中始動入賞カウンタ(RAMの所定の領域)及び第1払出カウンタ(RAMの所定の領域)が更新される。また、右始動入賞スイッチ442(図10参照)による遊技球の検出に基づいて右始動入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合には、第1払出カウンタが更新される。また、下大入賞スイッチ443(図10参照)による遊技球の検出に基づいて下大入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合や、上大入賞スイッチ444(図10参照)による遊技球の検出に基づいて上大入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合には、大入賞カウンタ(RAMの所定の領域)及び第2払出カウンタ(RAMの所定の領域)が更新される。
発射制御処理S1213においては、発射装置330による遊技球の発射を制御するための発射関連情報が更新される。具体的には、球送り機構331を駆動する球送りソレノイド332の作動フラグ及び発射機構333を駆動する駆動機構745の作動フラグが更新される。
入力信号監視処理S1214においては、払出制御基板930を介した開閉検出スイッチ108(図10参照)からの信号の出力状態に基づいて、外枠101(図1及び図2参照)に対して中間ブロック103(図1及び図2参照)が閉鎖されているか否かが検知される。また、払出制御基板930(図10参照)を介した開閉検出スイッチ109からの信号の出力状態に基づいて、中間ブロック103(図2及び図3参照)に対して前ブロック102(図2及び図3参照)が閉鎖されているか否かが検知される。
払出状態監視処理S1215においては、払出制御基板930から出力される払出制御状態を示す情報が監視され、必要に応じて、払出制御状態に応じた各種の払出状態コマンドが設定される。なお、払出状態コマンドを受信した副制御基板940は、払出状態コマンドの種類に応じた報知を装飾図柄表示装置479、左上音響装置281及び右上音響装置282等に実行させる。
払出信号出力処理S1216においては、必要に応じて、第1払出カウンタ及び第2払出カウンタの値に基づいて各種の賞球コマンドを設定し、払出制御基板930に出力する。なお、第1払出カウンタ及び第2払出カウンタは、賞球コマンドの設定に応じて更新される。例えば、第1払出カウンタは、1回の入賞に相当する遊技球が検出される毎に1ずつ加算され、その入賞に基づく賞球コマンドが設定される毎に1ずつ減算される。払出制御基板930では、その入賞に対応する数(例えば、3個)の遊技球を払い出す制御を実行する毎に(詳細には、払い出しが完了する少し前に)、主制御基板920に賞球コマンドを要求し、賞球の払い出しが継続している状況においては、主制御基板920から更なる賞球コマンドが出力される。第2払出カウンタは、第1払出カウンタとは賞球数が異なる入賞(例えば、13個)に対応して更新されるカウンタであり、第2払出カウンタの値に基づく賞球コマンドを払出制御基板930が受信した場合には、払出制御基板930は、その賞球コマンドに対応した数分の遊技球を払い出す制御を実行する。
特別図柄関連処理S1217においては、第1特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御及び第1特別図柄に係る単位遊技の制御が実行される。具体的には、第1特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御において、第1特別図柄に係る特別図柄保留表示装置476の動作制御が実行される。また、第1特別図柄に係る単位遊技の制御において、第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471の動作制御が実行され、第1特別図柄抽選において大当りに当選した場合には、下大入賞装置433及び上大入賞装置434の動作制御が更に実行される。
また、特別図柄関連処理S1217においては、第2特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御及び第2特別図柄に係る単位遊技の制御が実行される。具体的には、第2特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御において、第2特別図柄に係る特別図柄保留表示装置477の動作制御が実行される。また、第2特別図柄に係る単位遊技の制御において、第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472の動作制御が実行され、第2特別図柄抽選において大当りに当選した場合には、下大入賞装置433及び上大入賞装置434の動作制御が更に実行される。
普通図柄関連処理S1218においては、普通図柄に係る単位遊技の権利の保留制御並びに普通図柄に係る単位遊技の制御が実行される。具体的には、普通図柄に係る単位遊技の権利の保留制御において、普通図柄保留表示装置478の動作制御が実行される。また、普通図柄に係る単位遊技の制御において、普通図柄に係る普通図柄表示装置473の動作制御が実行され、普通図柄抽選に当選した場合には更に右始動入賞装置432の動作制御が実行される。
表示制御処理S1219においては、特別図柄関連処理S1217における第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471、第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472、第1特別図柄に係る特別図柄保留表示装置476及び第2特別図柄に係る特別図柄保留表示装置477等の動作を制御するために更新される各種の情報に基づいて、それらの装置を具体的に作動させるための出力データが合成される。合成された出力データは、次回のタイマ割込みに基づく制御信号出力処理S1208において各装置に出力される。
モータ制御処理S1220においては、各種のモータの動作制御が実行される。外部情報出力処理S1221においては、パチンコ機100に電気的に接続されるデータ表示装置(図示せず)や管理装置(図示せず)等の外部装置に出力する出力データが設定される。
<リーチ状態における動画表示及び音楽出力>
次に、図13以降を参照して、装飾図柄表示装置479に表示される動画像D及び音響装置281,282から出力される楽曲MCについて説明する。なお、以下においては、動画像D及び楽曲MCの出力を、大当りが発生した場合に実行される変動表示中に出力される場合を例示して説明するが、必ずしも大当りが発生した場合に出力する必要はなく、これに代えて、又は、これに加えて、大当り抽選に非当選だった場合の一部において出力することで大当りの発生を期待させる演出の一部としてもよいし、大当りに当選した後の特別遊技状態中に出力して特別遊技状態中に再生される演出の一部としてもよいし、特別遊技状態後の遊技状態を示唆する演出(例えば、確変遊技状態が発生するか否かを示唆する演出)として出力してもよいし、特別遊技状態後の遊技者にとって有利な遊技状態(例えば、時短遊技状態)における演出として出力してもよい。また、以下においては、動画像D及び楽曲MCの出力を、変動表示の実行中であって、変動表示中の図柄の一部が停止または停留(一定の範囲内でわずかに動作している状態)し、残りの変動中の図柄の停止結果次第では大当りとなる図柄の組合せとなり得る「リーチ(リーチ状態ともいう)」となった後に実行される演出(リーチ演出)として動画像D及び楽曲MCが出力される場合について説明するが、他の場合に出力してもよく、例えば、リーチ状態となる前に動画像D及び楽曲MCが出力されてリーチ状態の発生を期待させる演出として出力してもよいし、大当りの抽選結果が得られた対象となる変動表示の実行が待機(留保)された状態中で当該変動表示の開始より前に実行される演出として出力し、大当りの抽選結果が得られた変動表示が待機されていることを期待させる演出としてもよい。
また、遊技者は、遊技を開始する際、複数の対象物から、1の対象物を選択する場合について説明するが、これに限らず、対象物の選択が無くてもよいし、一定時間の経過毎に選択される対象物が切り替わる構成であってもよいし、3以上の対象物から1又は複数の対象物を選択する構成としてもよい。この対象物の選択は、例えば、変動表示が実行されていない状態(例えば、遊技の実行を待機している客待ち中の状態)において、遊技者が入力操作装置261(図1参照)を操作することにより行われ、遊技者が応援する対象物を選択する。遊技者の意図した選択対象は、副制御基板940によって検出され、副制御基板940は、その選択操作に対応した演出を実行し、この選択に応じて、大当りの際に表示又は出力される動画像D及び楽曲MCが変化する。
また、以下においては、2つの対象物としてのDOGとCATとが戦闘するという設定のパチンコ機100について説明するが、その対象物及び表示される内容は、他の内容でもよく、例えば、対象物が、戦闘員やロボット、又は複数の対象物の集合によって構成される軍隊等の他の対象物を含むものであってもよいし、表示される内容が、キャラクタの紹介、恋愛物語、競走、ダンス等の他の内容を含むものであってもよい。
また、以下においては、遊技者が選択する対象物に対応して、全体として見た場合に異なる動画像Dが表示される場合について説明する。具体的には、遊技者がDOGを選択した場合には、大当りの際にDOGが勝つ動画像Dが表示される。一方、遊技者がCATを選択した場合には、大当りの際にCATが勝つ動画像Dが表示される。
ここで、遊技者の選択に応じて2種類の動画像の全体を予め別々に制作すると、制作コストが増大する可能性がある。一方、同一の動画像を単純に表示するだけでは、遊技者が選択操作をしても、一部分のみが異なる動画像が表示されるだけであって、他が共通の演出が実行されていると認識してしまって、対象物の選択による遊技性を十分に楽しませることが難しい可能性がある。
これに対して、パチンコ機100においては、同一の動画像を表示しつつ複数種類の楽曲を選択して出力し、更に、同一の動画像の一部(例えば、背景)と楽曲との組み合わせにより、強調したい対象物(以下、これを強調対象物と呼ぶ)を強調可能とすることによって、同一の動画像(共通動画像ともいう)にも拘わらずあたかも別の動画像を表示させているかのような印象を遊技者に与えることが可能な構成とされている。
また、共通動画像に加えて一部のみ別の動画像を繋げ、当該別の動画像の雰囲気及び楽曲を互いに相違させることにより、動画像全体が相違するような印象を遊技者に与える構成とされ、動画像の制作コストを抑えつつ、多様な演出を実行可能としている。
パチンコ機100には、動画像D及び楽曲MCの出力を制御する副制御基板940が設けられている(図10参照)。副制御基板940には、再生制御部601と、動画記憶部602と、音楽記憶部603とが設けられている。
再生制御部601は、演算処理装置としてのCPUと、制御用のRAMにより構成されている。また、動画記憶部602(図10)及び音楽記憶部603は、各種の制御プログラムや固定データを記憶したROMの一部によって構成されている。再生制御部601は、動画記憶部602及び音楽記憶部603に記憶された動画データ及び音楽データに基づいて動画像データに対応した動画像の出力を制御し、音楽データに対応した音楽の出力を制御する。この結果、動画像データに基づく動画像Dが装飾図柄表示装置479に表示されると共に、音楽データに基づく楽曲MCが音響装置281,282から出力される。
装飾図柄表示装置479には、例えば、図13(A),(B)に示すように、2種類の異なる画像を含む態様(パターン)で設定された動画像Dが表示され、音響装置281,282からは、2種類の異なる楽曲により構成された楽曲MCが出力される。動画像Dとしては、DOGがメインとなる第1メイン画像に対して第1の象徴色(例えば薄青色)が割り当てられる一方、CATがメインとなる第2メイン画像に対して第2の象徴色(例えばピンク色)が割り当てられ、各象徴色が背景の少なくとも一部として使用される場合を例示している。なお、象徴色としては、一つの固定された色である必要はなく、例えばブルー系(薄青色〜紺色)や、赤系(ピンク〜ワインレッド)というように、色の系統であっても良い。また、DOG(第1の対象物)がメインで登場する第1メイン画像は、遊技者から見てDOGが目立つように表示される設定とすればよく、DOGがCAT(第2の対象物)に比べて大きく表示されたり、DOGの周辺部分がCATの周辺部分に比べて明るく(例えば、赤色又は黄色でハイライト)表示されたり、DOGとCATとのうちDOGのみが表示された態様の少なくともいずれかを含む画像としてもよい。また、CATがメインで登場する第2メイン画像についても、第1メイン画像と同様に、遊技者から見て第2対象物が目立つように表示される設定とすればよい。
強調対象物としてDOGが選択されていた場合において大当り抽選に当選した場合には、特別図柄の変動表示中であってリーチ状態となった後、抽選結果が表示されるまでに、図13(A)に示すように、共通動画像DM(DM1〜DM16)の後に第1サブ動画像DA(DA1〜DA8)が表示される。ここで、特別図柄の変動表示中には、装飾図柄が表示される構成であり、例えば、リーチ状態中においては、その装飾図柄は、リーチ状態の前に比べて表示領域の端部に縮小して表示され、変動停止のタイミングで、元の大きさに拡大表示される構成とされており、図13〜図21においては、装飾図柄の表示を省略している。
一方、強調対象物としてCATが選択されていた場合において大当り抽選に当選した場合には、特別図柄の変動表示中であって抽選結果が表示されるまでに、図13(B)に示すように、強調対象物としてCATが選択された場合、共通動画像DM(DM1〜DM16)の後に第2サブ動画像DB(DB1〜DB7)が表示される。なお、図面中における動画像D(DM1〜DM16,DA1〜DA8,DB1〜DB7)は、象徴的な画像を抽出したものであり、実際に表示される動画像Dのごく一部分である。
共通動画像DMは、第1メイン画像と、第2メイン画像と、非メイン画像とを含む構成とされ、第1メイン画像と第2メイン画像とDOG及びCATが複数回に亘って交互に登場すると共に、DOG及びCATのいずれもがメインとならない非メイン画像も1回に限らず複数回登場する。共通動画像DMは、第1メイン画像と第2メイン画像とを含む動画像のうち第1メイン画像と第2メイン画像のいずれの割合も50%未満に設定され、いずれかのメイン画像が強調されない構成とされている。なお、共通動画像DMを構成する第1メイン画像と第2メイン画像の各々の割合は、40%未満に設定されることが好ましく、30%未満に設定されることが好適である。
第1サブ動画像DAは、第1メイン画像を主とする動画像であって、第1メイン画像と第2メイン画像とを含む動画像のうち第1メイン画像の割合が第2メイン画像の割合よりも高く設定されている。第1サブ動画像DAについて、第1メイン画像と第2メイン画像との表示割合を比較した場合には、第1メイン画像が表示される時間の割合が少なくとも50%より多く、好ましくは70%以上、更に好適には80%以上を占める動画像により構成され、また、動画像全体のうちで第1メイン画像が表示される時間の割合が少なくとも50%より多く、好ましくは70%以上、更に好適には80%以上を占める動画像により構成される。
第2サブ動画像DBは、第2メイン画像を主とする動画像であって、第1メイン画像と第2メイン画像とを含む動画像のうち第2メイン画像の割合が第1メイン画像の割合よりも高く設定され、第1メイン画像と第2メイン画像との表示割合を比較した場合に、第1メイン画像が表示される時間の割合が少なくとも50%より多く、好ましくは70%以上、更に好適には80%以上を占める動画像により構成され、また、動画像全体のうちで第2メイン画像が表示される時間の割合が少なくとも50%より多く、好ましくは70%以上、更に好適には80%以上を占める動画像により構成される。
また、共通動画像DMと、第1サブ動画像DA(又は第2サブ画像DB)とを、時間長さで比較した場合には、共通動画像DMに比べて第1サブ動画像DA(又は第2サブ画像DB)が短い時間に設定され、共通動画像DMに対しての第1サブ動画像DA(又は第2サブ画像DB)の長さの割合は、少なくとも30%以下に設定されることとしてもよく、20%以下に設定されることが好ましく、10%以下に設定されることが好適であり、0%、すなわち、完全に、共通動画像DMのみによって構成してもよい。
音響装置281,282からは、動画像Dの表示に合わせて、2種類の異なる楽曲MCa,MCbのうち選択された対象物に対応した楽曲MCが出力される。図13(A)に示すように、共通動画像DM及び第1サブ動画像DAが出力される場合には、楽曲MCaが出力される。楽曲MCaは、共通動画像DM及び第1サブ動画像DAの各画像が表示されるタイミングに合わせて制作された音楽であり、再生制御部601の制御により、動画像Dの表示タイミングと楽曲MCaの出力タイミングが予め定められたタイミングにきっちりと合致するように動画像データに基づく動画像Dと、音楽データに基づく楽曲MCaが出力される。具体的には、再生制御部601は、動画像データ及び音楽データを読み出し、動画像データ及び音楽データに基づく動画像D及び楽曲MCを、開始フラグがついたデータから同一時刻から定められた速度で出力を行う。なお、再生制御部601は、一定間隔で附されているタイミングフラグに基づいて算出された出力時刻に該当データの出力タイミングが一致するようにエラー補正を行いながら動画像D及び楽曲MCを出力しても良い。
共通動画像DM及び第2サブ動画像DBが出力される場合には、図13(B)に示すように、楽曲MCbが出力される。楽曲MCbは、共通動画像DM及び第2サブ動画像DBの各画像が表示されるタイミングに合わせて制作された音楽であり、再生制御部601の制御により、動画像Dの表示タイミングと楽曲MCbの出力タイミングが予め定められたタイミングになるようきっちりと合致して出力される。
楽曲MCaと楽曲MCbは、少なくとも遊技者が選択した対象物が強調されるように構成された音楽であり、異なる音楽により構成されている。この音楽としては、テンポやリズム、拍子、使用する楽器などが相違するものが使用されてもよく、例えば、ジャズ、クラシック、POPS、ワルツ、といったように、音楽のジャンルを相違させることにより構成することで遊技者に与える印象を大きく相違させてもよい。すなわち、2つのパターンで異なる楽曲MCが出力されることにより、共通動画像DMによって大部分が構成された動画像Dを表示しても、動画像Dの表示と楽曲MCの出力とによって構成された演出が実行されたときに遊技者の印象を変化させることが可能である。
なお、共通動画像DM及びサブ動画像DA,DBがそれぞれ別個に記憶されている場合、再生制御部601は、楽曲MCを最後まで続けて再生すると共に、共通動画像DMの再生終了後、サブ動画像DA,DBの一方を繋げて再生する。また、共通動画像DM及び第1サブ動画像DAと、共通動画像DM及び第2サブ動画像DBとがそれぞれ一つの動画像データとして記憶されている場合、再生制御部601は、楽曲MCを最後まで続けて再生すると共に、対応する一の動画像データを最後まで続けて再生する。
ここで、共通動画像DMを構成する一部の動画像としての共通動画像DM1,DM6では、図14に示すように、一つの画面内の背景を2つに分け、それぞれDOGとCATに割り当てられた象徴色を表示することにより、遊技者に各対象物に割り当てられた象徴色を印象づけている。また、図15に示すように、対象物が登場しない共通動画像DM7,DM8については、別の色(例えば緑色)が背景色のメインとなる象徴色として割り当てられている。これら共通動画像DM1,DM6〜DM8は、いずれの対象物をも強調しない非メイン画像に相当する。一方、共通動画像DM2,DM4は、DOGを強調する第1メイン画像を構成し、共通動画像DM3,DM5は、CATを強調する第2メイン画像に相当する。
かかる共通動画像DM1〜DM8が表示される場合において、パチンコ機100では、強調対象物としてのDOG及びCATの登場に併せて、これら強調対象物のいずれかを強調するように設定された複数種類の楽曲MCa,MCbが選択して出力される構成とされている。
まず、遊技者がDOGを選択した場合、すなわち、強調対象物が「DOG」の場合について説明する。強調対象物としてDOGが選択された場合には、楽曲MCaが出力される。この楽曲MCaには、図14に示すように、DOGをメインとする第1メイン画像である共通動画像DM2,DM4が表示されるタイミングにおける、音量が大きくなったり、音が高くなったり、テンポが速くなることなどによって、共通動画像DM2,DM4を強調する強調部FAが形成(設定)されている。すなわち、楽曲MCaにおいて強調部FAが形成されているタイミングに合わせて第1メイン画像を構成する共通動画像DM2,DM4が表示されるように、共通動画像DMが構成されている。
さらに、楽曲MCaでは、共通動画像DM2,DM4が表示されるタイミングにおいて、一定のリズムで大きく短い打楽器などの短発音SAを組み込むことにより、共通動画像DM2,DM4を強調する。一方、非メイン画像である共通動画像DM1,DM6や、第2メイン画像である共通動画像DM3,DM5の際には、かかる強調部FAは形成されない。すなわち、楽曲MCaにおいて、強調部FAが形成されていないタイミングに合わせて非メイン画像である共通動画像DM1,DM6や、第2メイン画像である共通動画像DM3,DM5が表示されるように、共通動画像DMが構成されている。
同様にして、図15及び図16に示すように、第1メイン画像である共通動画像DM10,DM12,DM15については、強調部FAが形成され、非メイン画像である共通動画像DM7,DM8,DM9,DM13,DM16D及び第2メイン画像である共通動画像DM11,DM14については強調部FAが形成されない構成とされている。
そして図16に示すように、共通動画像DMの表示が終了すると、第1サブ動画像DAが続けて表示される。第1サブ動画像DAが表示される場合に、第1メイン画像である第1サブ動画像DA1,DA2が表示されるタイミングにおいて、共通動画像DMと同様に、強調部FAが形成される構成とされている。これにより、共通動画像DMとサブ動画像DAとの切り替わりを遊技者に意識させずに済む。
第1サブ動画像DA3〜DA7は、図17に示すように、複数の異なる画像により構成され、具体的には、複数の静止画像を組み合わせて構造されて短時間でシーンが切り替わると共に、切り替わりの分だけ元(メイン)のシーンにおける時間が経過している、いわゆるフラッシュバック技法を用いて表示される。すなわち、DOGの攻撃に対し、観客席を撮影したシーンである第1サブ動画像DA4,DA6が差し込まれ、切り替わったときにはDOGがCATに近づいている。このシーン切替は例えば0.1〜2秒の時間間隔毎に実行され、通常よりも短い間隔で行われる。このフラッシュバックのシーン切替時に合わせて、すなわち、第1メイン画像の出現に合わせて短発音SAが出力される。
また、シーンの切替タイミングが短いため、短発音SA以外の強調は非メイン画像である第1サブ動画像DA4,DA6の表示時にも継続して行われる。言い換えると、フラッシュバック技法を用いたシーンでは、使用される画像全てに対して、強調対象物の登場に合わせて出力される短発音SAが出力されることにより、音声と画像の両方で強調対象物を強調している。なお、短発音SAは、非メイン画像である第1サブ動画像DA4,DA6の表示時には出力されない構成としてもよい。
一方、「CAT」が強調して表示される第2メイン画像については短発音SAに合わせて表示されない構成とされ、遊技者が選択した対象物が判り易い構成とされている。その後、第1サブ動画像DA8が表示されるタイミングにおいては、共通動画像DMのときと同様にして短発音SAが出力され、短発音SAによる強調効果により、強調対象物としての「DOG」が強調される。
なお、強調部FAにおける第1メイン画像の表示として、他の技法による表示を含む構成としてもよい。例えば、短発音SAの出力に合わせてシーンを切り替える場合を含む構成としてもよいし、短発音SAの出力に合わせて全体を光らせるフラッシュを含む構成としてもよいし、短発音SAの出力に合わせてフルカラーで表示している色を白黒にするなど全体の色味を変化させる場合を含む構成としてもよいし、短発音SAの出力に合わせて一瞬だけDOGを拡大した画像を表示する構成としてもよいし、短発音SAの出力に合わせて状況が別の状況に変化する画面転換を含む構成としてもよいし、タイトルや対象物の名称などの文字を動画像として表示しつつ短発音SAの出力に合わせて、その文字をぼかすなど態様を変化させる場合を含む構成としてもよい。
次に、強調対象物が「CAT」の場合について説明する。なお、強調対象物が「DOG」のときと同一部分については説明を一部省略する。
CATをメインとする第2メイン画像である共通動画像DM3,DM5が表示されるタイミングにおいては、図18に示すように、楽曲MCbの効果により共通動画像DM3,DM5が強調される。このとき、使用される短発音SAのリズムは、強調対象物が「DOG」のときと相違させることが好ましく、これにより、表示される画像に対する遊技者の印象を変えることができる。また、非メイン画像である共通動画像DM1,DM6や、第2メイン画像である共通動画像DM3,DM5の際には、かかる強調は実行されない構成とされている。
同様にして、図19及び図20に示すように、第2メイン画像である共通動画像DM11,DM14については強調部FAが形成され、非メイン画像である共通動画像DM7,DM8,DM9,DM13,DM16及び第1メイン画像である共通動画像DM10,DM12、DM15については強調部FAが形成されない。共通動画像DMの表示が終了すると、図20及び図21に示すように、第2サブ動画像DBが続けて表示される。第2メイン画像である第2サブ動画像DB1,DB2,DB4〜DB7では、共通動画像DMにおける場合と同様にして楽曲MCbによる強調が実行される。
また、第2サブ動画像DBでは、上述したフラッシュバック技法は使用されず、代わりに別の技法が使用される。具体的には、第2サブ動画像DB4〜DB6にあるCATの攻撃がスローモーション画像として表示されると共に、同一手法による強調が最後まで続く。このように、強調対象物に応じて相違する第2サブ動画像DBでは、第1サブ動画像DAと相違する表現を用いることにより、動画像Dの全体が相違しているかのような印象を遊技者に与えることが可能である。なお、第1サブ動画像DAと第2動画像DBとは、必ずしも別々の技法を使用した表示をする必要はなく、共通の技法を使用した表示としてもよいし、また、必ずしも上記した技法による表示に限らず、他の技法による表示を含む構成としてもよい。
ここで、強調対象物としてDOGとCATとのいずれかが選択されている場合において、大当り抽選に当選した場合において上記した態様とは別の動画像D及び楽曲MCの出力例について説明する。例えば、強調対象物としてDOGとCATとのいずれかが選択されている場合において、大当り抽選に当選した場合に、共通動画像DM(DM1〜DM16)を表示し、その後に、第1サブ動画像DA(DA1〜DA8)及び第2サブ動画像DB(DB1〜DB7)とは別に設定されたサブ動画像として、戦闘で決着が着かず、両方の対象物が仲良くなって表示されるなど、いずれかの対象物を強調することのない別画像を含むように構成した動画像を表示することで、共通動画像DMより長く設定した共通動画像(共通動画像DMとサブ動画像との組合せ)を表示し、この共通動画像に対して、選択された対象物に対応した楽曲MCa、楽曲MCbのいずれかが出力されるようにしてもよい。この場合には、始まりから最後までが完全に同一の動画像を表示していても、遊技者が選択した対象物を強調した楽曲が出力されることになるので、同一の動画像を表示しているにも拘わらず、遊技者が選択している対象物を遊技者に印象付け易くすることができる。よって、特別遊技状態中においても、遊技者に与える印象を異ならせて、自らが選択している対象物を注目し易くすることができる。よって、遊技者の高揚感を高め易くするなど、飽き難い遊技性を提供することができる。
また、強調対象物としてDOGとCATとのいずれかが選択されている場合において、大当り抽選に当選した場合に、共通動画像DM(DM1〜DM16)を表示する共に、その後に、第1サブ動画像DA(DA1〜DA8)及び第2サブ動画像DB(DB1〜DB7)とは別に設定されたサブ動画像として、例えば、戦闘をやめて、両方の対象物が仲良くなって表示されるなど、いずれかの対象物を強調することのない別画像を含むように構成した動画像を表示することで、共通動画像DMより長く設定した共通動画像(共通動画像DMとサブ動画像との組合せ)を表示し、この共通動画像に対して、選択された対象物に対応した楽曲MCa、楽曲MCbのいずれかが出力されるようにする一方、特別遊技状態中には、この共通動画像のうちの最初から一定期間、又は、途中部分の少なくとも一方を削除した動画像を表示してもよい。すなわち、戦闘中をイメージさせる動画像(例えば、図14のDM1〜DM3に示す動画像)を削除し、対象物の得意技を紹介する動画像(DM4,DM5)と、共通の内容に設定したサブ動画像とを組み合わせた動画像を表示してもよい。これにより、変動表示の演出用に設定した動画像の途中部分から、特別遊技状態中に動画像が始まることとなり、同一の動画像を表示しているにも拘わらず、遊技者に対して異なる印象を付け易くしたり、最初の部分で注目される内容を異ならせることで、あたかも別の動画像を表示している印象を抱かせて飽き難い遊技性を提供することができる。特別遊技状態として、ラウンド数が異なることで時間長さが長短する場合における特別遊技状態中の演出としても、長い特別遊技状態に対して設定した共通動画像の一部を削除した動画像を用いて、短い特別遊技状態に対応した動画像を構成してもよい。この場合に、共通動画像の最初から一定期間を削除する長さとしては、時間として、少なくとも10秒以上に設定することとしてもよく、20秒以上に設定することが好ましく、30秒以上に設定することが好適である。また、共通動画像DMの長さに対して一部を削除する長さの比率としては、少なくとも10%以上に設定することとしてもよく、20%以上に設定することが好ましく、30%以上に設定することが好適である。
また、強調対象物としてDOGとCATとのいずれかが選択されている場合において、大当り抽選に非当選となった場合において実行される変動表示の演出(ハズレリーチの演出)として、共通動画像DM(DM1〜DM16)を表示する共に、その後に、第1サブ動画像DA(DA1〜DA8)及び第2サブ動画像DB(DB1〜DB7)とは別に設定されたサブ動画像として、例えば、戦闘で決着が着かず、「次回に続く」といった、いずれかの対象物を強調することのない別画像を含むように構成した動画像を表示することで、共通動画像DMより長く設定した共通動画像(共通動画像DMとサブ動画像との組合せ)を表示し、この共通動画像に対して、選択された対象物に対応した楽曲MCa、楽曲MCbのいずれかが出力されるようにしてもよく、この場合にも、同一の動画像を表示しているにも拘わらず、遊技者が選択している対象物を遊技者に印象付け易くすることができる。
また、強調対象物としてDOGとCATとのいずれも選択されていない場合において大当り抽選に当選した場合には、特別図柄の変動表示中であって抽選結果が表示されるまでに、共通動画像DM(DM1〜DM16)の後に、第1サブ動画像DA(DA1〜DA8)及び第2サブ動画像DB(DB1〜DB7)とは別に設定されたサブ動画像を含む、共通動画像(共通動画像DMとサブ動画像との組合せ)を表示してもよい。この場合には、いずれの強調対象物の登場に対しても、強調対象物を強調することがない、又は、いずれの強調対象物に対しても、略同一の割合で強調されるように設定された楽曲MCを、音楽データとして音楽記憶部603に記憶し、当該楽曲MCを、共通動画像DMとサブ動画像出力することが好ましい。
このように、パチンコ機100は、始動入賞装置431へ遊技球が進入した場合に予め定めた抽選確率(例えば、315分の1)で成立する特別図柄に係る抽選を実行する主制御基板920(具体的には、大当り抽選を実行するCPUと、大当り抽選を実行するための制御プログラムと、大当り抽選の実行に用いられる当選乱数カウンタ)と、第1の対象物としてのDOGがメインで登場する第1メイン画像と、第2の対象物としてのCATがメインで登場する第2メイン画像とが、複数回に亘って交互に、出現する共通動画像DMを表示可能な動画像データを記憶する動画記憶部602と、動画記憶部602に記憶された動画像データに基づいて共通動画像DMを表示する装飾図柄表示装置479と、装飾図柄表示装置479によって表示される共通動画像DMに合わせて出力される音楽として、共通動画像DMにおいて表示される第1メイン画像及び第2メイン画像のそれぞれに対応し、第1メイン画像及び第2メイン画像のそれぞれが強調されるように構成された複数種類の楽曲MCa,MCbを再生可能な音楽データを記憶する音楽記憶部603と、音楽記憶部603に記憶された音楽データに基づいて複数種類の楽曲MCa,MCbを出力する音響装置281,282と、主制御基板920による大当り抽選に当選した場合に、装飾図柄表示装置479に共通動画像DMを表示させると共に、音響装置281,282に複数種類の楽曲MCa,MCbのいずれかを出力させる制御を行う再生制御部601とを備えている。
このため、第1メイン画像及び第2メイン画像を含む共通動画像DMに対し、各メイン画像のそれぞれが強調されるように構成された複数種類の楽曲MCa,MCbが出力されるので、視覚と聴覚との組合せを用いて共通動画像DMの中で異なるメイン画像を強調することができる。よって、同一の共通動画像DMを表示しているにも拘わらず、共通動画像DMに対する遊技者の印象を変えることができ、あたかも相違する動画のように認識させることができる。また、遊技者に対して異なるメイン画像に含まれた対象物を、別々の楽曲MCa,MCbによって各々注目させることができるので、同一の共通動画像DMを表示しているにも拘わらず、遊技者が選択している対象物を遊技者に印象付け易くすることができるなど、遊技者に与える印象を異ならせることができる。よって、遊技者の高揚感を高め易くするなど、飽き難い遊技性を提供することができる。
また、メイン画像が強調されるように構成された楽曲MCa,MCbは、強調される第1メイン画像又は第2メイン画像が表示されたタイミングに合わせて、遊技者に対して特定の効果音が出力される音楽であればよく、「ドン」、「ドン」といった短時間で大音量又は低音の少なくともいずれかを含んで構成された特定の効果音が出力される場合に限らず、「バン」や「パーン」といった物が破裂したような高音に構成された特定の効果音が出力されたり、「ダ・ダ・ダ・ダ」や「パ・パ・パ・パ」といった短い周期で連続した特定の効果音が出力されたり、又は、複数の効果音を組み合わせた効果音が出力されてもよいし、共通動画像DMが表示される期間中の複数回のタイミングにおいて、いずれか又は複数種類の特定の効果音が出力されるように楽曲MCa,MCbを構成してもよい。
この場合において、短時間で短発音を発生させるとは、音楽を構成する拍子として、1つのアクセントに、1つ以上の非アクセントを加えた構成とされている状況において、前後で連続するアクセントと非アクセントとの間、2つの非アクセントの間、又は、非アクセントとアクセントとの間に相当する短時間に短発音を発生させる場合が例示され、又は、その短時間に略同一間隔で複数回の音が連続発生する短発音を発生させる場合が例示される。
また、大音量の短発音を発生させるとは、音楽を構成する拍子として、1つのアクセントに、1つ以上の非アクセントを加えた構成とされている状況において、短発音を発生させる1拍子の間で最も音圧レベルが高い音を発生させる場合が例示され、又は、短発音を発生させる拍子と、その前の1拍子又は2以上の複数の拍子との中で最も音圧レベルが高い音を発生させる場合が例示される。
また、楽曲MCa,MCbは、第1メイン画像及び第2メイン画像のうち、一方のメイン画像が出現するときに出力される音楽のテンポを、他方のメイン画像よりも速くした部分を含む音楽によって構成されていることが好ましい。この場合には、音楽のテンポによってメイン画像を強調することができ、強調対象物をより強く遊技者に印象づけることができる。ここで、音楽のテンポを速くするとは、特定の短発音が複数回出力されることにより構成される音楽における短発音が出力される時間の間隔を短くして出力する場合が例示される。
また、パチンコ機100の再生制御部601は、装飾図柄表示装置479に共通動画像DMと第1サブ動画像DAとの組合せを表示させると共に、音響装置281,282に複数種類の楽曲MCを出力させる制御を行い、また、共通動画像DMと第1サブ動画像DAとの組合せとは別の動画像として、共通動画像DMと第2サブ動画像DBとの組合せを表示させるか、又は、共通動画像DMとサブ動画像との組合せに対して最初から途中までの初期部分が削除された動画像を表示させる制御を行う。このため、遊技者に対して、共通の動画像データに基づいて複数種類の動画像を提供することができ、動画像データを少なくしつつ、多様な演出を実行可能とすることができる。特に、共通動画像DMの最初からの一定期間を除いた動画像を表示した場合、遊技者にとっては、開始時点での表示が異なるものとなるので、第1の動画像としての共通動画像DMとサブ動画像との組合せと、その動画像の組合せに対して最初から途中までの初期部分を削除した第2の動画像とに対する遊技者の印象を大きく異ならせることができ、あたかも相違する動画のように認識させることができる。
<遊技中の音楽の切替>
次に、図22〜図26を用いて、遊技中における音楽の出力について説明する。一般的な遊技機として、遊技が行われている通常状態において、始動入賞装置431に遊技球が進入すると、通常時用の楽曲を繰り返し出力し続け、数字盤の数字があと一つで大当りを示す配置になる、いわゆるリーチ演出を伴う変動表示が実行される場合に、通常時用とは別のリーチ演出用の楽曲を出力するものが知られている。
しかしながら、この方法だと、通常時用の楽曲が中途半端に終了してしまう状態でリーチ演出用の楽曲が出力されることになって、つなぎが悪くなる可能性があった。またサビなどの楽曲中で盛り上がる部分(以下、これを曲盛賑部と呼ぶ)が出力されているときにリーチ演出を伴わないハズレの変動表示が繰り返されることもあり、楽曲における「静」から「動」の流れに合わせて変動表示の内容を変化させることができず、リーチ演出を伴う変動表示が実行された場合の盛り上げ効果が低下してしまう可能性があった。
これに対して、本実施形態のパチンコ機100では、通常状態においては常に楽曲中で比較的静かな部分(ブロック)である曲静寂部を繰り返し出力し、リーチ演出を伴う変動表示が開始されると、曲静寂部よりも盛り上がるように構成された部分(ブロック)である曲盛賑部を出力する。また、曲静寂部及び曲盛賑部間のつなぎをよくするため、長さの異なる複数のサビ前間奏MSMから、適する長さのサビ前間奏MSMを出力し、大当り用の動画像データが表示されるタイミングに極力合わせて曲盛賑部を出力する。
以下においては、パチンコ機100において出力される楽曲として、図22に示すように構成された、POPS(ポップス)などに代表される楽曲としての大衆曲MCpを例示して説明する。また、以下においては、大衆曲MCpの出力を、リーチ演出を伴う変動表示が実行される場合に、リーチ状態となる前に大衆曲MCpの曲盛賑部の出力が開始される場合について説明するが、リーチ状態となった後に大当りの抽選結果が得られたことを期待させる演出として大衆曲MCpの曲盛賑部の出力が開始されるようにしてもよい。また、大当りに当選した後の特別遊技状態中に、曲静寂部を繰り返し出力する場合があり、特別遊技状態後の遊技状態を示唆する(又は期待させる)演出として、例えば、確変遊技状態が発生するか否かを期待させる演出として、確変遊技状態が発生する場合に限って、又は確変遊技状態が発生する場合には発生しない場合より高確率で、曲静寂部が出力された後に大衆曲MCpの曲盛賑部の出力が開始されるようにしてもよい。また、特別遊技状態後の遊技者にとって有利な遊技状態中の演出(例えば、時短遊技状態)中の演出として曲静寂部を繰り返し出力する場合があり、時短遊技状態の継続を期待させる演出として時短遊技状態が長く継続する場合には短い期間で終了する場合より高確率で、又は時短遊技状態が長く継続する場合に限って、曲静寂部が出力された後に曲盛賑部の出力が開始されるようにしてもよい。
大衆曲MCpでは、前奏MSA1の後に2種類の曲静寂部MA,MB(Aメロディ及びBメロディ)に相当するブロックが入り、サビと呼ばれる曲盛賑部MMに相当するブロックが続く。間奏MSA2に相当するブロックの後、再び曲静寂部MA,MB、曲盛賑部MMが繰り返される。そしてサビ前間奏MSMに相当するブロックの後、曲盛賑部MMを2回繰り返し、後奏MSEに相当するブロックで終了する。つまり、図23に示すように、大衆曲MCpは、曲静寂部MA,MBと、曲盛賑部MMと、前奏MSA1及び後奏MSE、そして曲静寂部MAの前段用の間奏MSA2と、曲盛賑部MMの前段用のサビ前間奏MSMとに相当する複数種類のブロックからなる。この大衆曲MCpは、例えば、「リーチ」を伴う変動表示より長い時間(例えば、240秒)の楽曲により構成され、特別遊技状態中や、客待ち中の状態において複数のパチンコ機100が一斉に演出を開始する場合等において、最初から最後まで出力される場合がある。なお、大衆曲MCpにおける曲静寂部MA,MB、曲盛賑部MMの各ブロックは、1曲の中で複数回出力される場合に必ずしも完全に一致するものでなく、旋律は同一であって歌詞が異なるなど、一部が異なるものであってもよい。
更に、本実施形態のパチンコ機100では、通常状態において曲静寂部のみを繰り返し出力すると共に、リーチ状態において曲盛賑部を長さの相違するサビ前間奏MSMを複数準備しておき、曲静寂部及び曲盛賑部間の時間調整を行うように構成されている。
パチンコ機100において、始動入賞装置431に遊技球が進入したことを主制御基板920が検知すると、速やかに大当り抽選が実行される。このとき、抽選結果が「リーチ」を伴わない「ハズレ」であった場合には、遊技者に抽選結果を知らせるために、比較的短時間(例えば3〜20秒程度)の変動表示(リーチなしハズレの変動表示)が実行された後に、ハズレに対応した抽選結果としての図柄の組合せを表示するハズレ動画像が装飾図柄表示装置479に表示される。一方、抽選結果が非当選であっても、「リーチ」を伴う図柄の変動表示(ハズレリーチ)の実行であった場合や、大当り抽選に当選した変動表示(当りリーチ)の実行であった場合には、比較的長時間(例えば20〜90秒)の変動表示の中で、「リーチ」に対応する図柄の組合せが表示された後に、上記したDOGやCAT等の対象物の表示を伴うリーチ演出(スーパーリーチやスペシャルリーチ)の動画像(以下において、リーチ動画像ともいう)が装飾図柄表示装置479に表示される。この変動表示が実行されている間に始動入賞装置431に遊技球がさらに進入した場合には、最大4回まで変動表示の実行及び抽選結果の表示が留保される。本実施形態のパチンコ機100には、変動表示の実行が留保される時間を活用して、曲静寂部MA,MBから曲盛賑部MMへの切替をスムースに実行する機能も設けられている。
具体的には、図24に示すように、音楽記憶部603には、曲静寂部MA,MBと、曲盛賑部MMと、前奏MSA1及び後奏MSE、間奏MSA2と、サビ前間奏MSMが記憶され、サビ前間奏MSMとしては、長さの相違するものが4つのサビ前間奏MSM1〜MSM4が記憶されている。また、音楽記憶部603には、補助間奏MSMxが記憶されている。
遊技が行われる通常状態において、副制御基板940の再生制御部601(図10参照)は、音楽記憶部603に記憶された曲静寂部MA,MBを再生し、繰り返し出力し、曲盛賑部MMは、再生しないように制御する。詳細には、副制御基板940の再生制御部601は、音楽記憶部603に記憶された前奏MSA1を再生した後に、曲静寂部MA,MBと、間奏MSA2とを、順に再生し、間奏MSA2の後に曲静寂部MA,MBを再び再生する制御を繰り返し行って、大衆曲MCpの一部を繰り返し出力する。
変動表示としてリーチ演出を伴う変動表示を実行することが主制御基板920の抽選によって決定され、リーチ演出を伴う変動表示の実行を副制御基板940が認識すると、副制御基板940の再生制御部601は、曲盛賑部MMを出力する。詳細には、副制御基板940の再生制御部601は、現在からリーチ動画像が表示される変動表示が開始されるまでのリーチ留保時間と、現在出力中の曲静寂部MA,MBの出力が終了するまでの出力終了時間を算出し、リーチ留保時間から出力終了時間を引いた差分を、リーチ動画像が表示される変動表示が開始される開始タイミングまでの調整時間として算出する。そして、再生制御部601は、調整時間に近い出力時間を有する一のサビ前間奏MSMがあれば、出力中の曲静寂部MA,MBに続けてサビ前間奏MSMを出力し、その後、曲盛賑部MMを出力する。ここで、リーチ動画像としては、図14〜図16に示す共通動画像DMと第1サブ動画像DA又は第2サブ動画像DBとの組合せが例示される。
例えば、図25に示すように、曲静寂部MAの出力中に、その後2回の、5秒で構成されたリーチなしハズレの変動表示の後、「リーチ」を伴う変動表示の実行となる抽選結果が得られた場合、曲静寂部MAの後に7秒の出力時間を有するサビ前間奏MSM4を挟んでから曲盛賑部MMを出力する。また、図26に示すように、曲静寂部MBの出力中に、その後1回の、5秒で構成された「ハズレ」の後、「リーチ」を伴う変動表示の実行となる抽選結果が得られた場合、曲静寂部MBの後に2秒の出力時間を有するサビ前間奏MSM1を挟んでから曲盛賑部MMを出力する。
これにより、リーチ動画像が表示される変動表示の開始とほぼ同一タイミングで曲盛賑部MMを出力開始することができ、リーチ動画像が表示される変動表示の開始に合わせて音楽が賑やかになる静から動の流れを自然にかつ確実に作り出すことができる。
また、曲静寂部MA,MBの終了と比べてリーチ留保時間が十分でない状態において、抽選により「リーチ」を伴う変動表示の実行となる抽選結果が得られた場合、再生制御部601は、曲静寂部MA,MBの出力を途中で中断し、曲盛賑部MMを出力する。音楽記憶部603には、図27に示すように、曲静寂部MAにおいて、途中で出力を中断しても違和感のない箇所として中断ポイントCLmが記憶され、また、中断ポイントCLmと比べると途中で出力を中断すると多少の違和感を生じるが、間奏によって違和感がなくなる箇所として中断ポイントCLsが記憶されている。また、図示しないが、曲静寂部MBに対しても同様に、中断ポイントCLm,CLsが音楽記憶部603に記憶されている。これにより、例えば、図28に示すように、曲静寂部MAを出力しており、リーチ留保時間が不足する状態において、抽選結果が「リーチ」だった場合、このまま曲静寂部MAの出力を最後まで続けると、曲盛賑部MMの出力開始前に「リーチ」を伴う変動表示が開始されてしまう。このため、再生制御部601は、このような場合には、曲静寂部MA,MBの出力を中断し、曲盛賑部MMの出力を開始する。
具体的に、再生制御部601は、抽選結果が「リーチ」だったことを認識すると、リーチ留保時間と出力終了時間を算出する。このとき、再生制御部601は、リーチ留保時間と出力中の曲静寂部MA,MBの出力終了時間とを比較し、出力終了時間がリーチ留保時間よりも大きい場合には、次の中断ポイントCLで曲静寂部MA,MBの出力を中断し、曲盛賑部MMの出力を開始する。再生制御部601は、中断ポイントCLsで出力を中断する場合、短い出力時間(例えば1〜2秒程度)の補助間奏MSMxを続けて出力してから、曲盛賑部MMを出力する。また、図29に示すように、再生制御部601は、中断ポイントCLmで曲静寂部MA,MBの出力を中断する場合には、続けて曲盛賑部MMを出力する。これにより、いずれの場合であっても、速やかに曲静寂部MA,MBを中断して違和感なく曲盛賑部MMに繋ぐことができる。
また、リーチ留保時間がない状態として、大衆曲MCpが出力されていない状態において、抽選により「リーチ」を伴う変動表示の実行となる抽選結果が得られた場合には、再生制御部601は、変動表示の開始に合わせて曲盛賑部MMを出力する。再生制御部601は、変動表示の実行が終わって変動表示が停止した状況においては、変動表示が実行されている場合と比べて音量を小さくして大衆曲MCpを一定時間(例えば、20秒)出力し、一定時間より長く変動表示の停止状態が継続した場合には大衆曲MCpの再生が停止される。そして、大衆曲MCpが出力されていない状態で「リーチ」を伴う変動表示の実行となる抽選結果が得られた場合には、いきなり曲盛賑部MMが出力されることとなる。
図30は、副制御基板940によって実行される音楽切替処理S100を示したフローチャートである。この音楽切替処理S100は、パチンコ機100において、主制御基板920によって実行されるタイマ割込み処理と並行し、また、副制御基板940によって装飾図柄表示装置479の表示内容の制御に並行して実行される。副制御基板940は、「リーチ」を伴う変動表示の実行抽選に当選したしたことを主制御基板920から送信されるコマンドにより認識すると、副制御基板940の再生制御部601は、音楽切替処理S100を実行する。
音楽切替処理S100では、まず、ステップS101において、「リーチ」を伴う変動表示が開始されるまでのリーチ留保時間が算出される。また、ステップS102においては、現在出力中の曲静寂部MA,MBの出力が終了するまでの出力終了時間が算出される。
ステップS103においては、リーチ留保時間が出力終了時間より大きいか否かが判別され、大きいと判別された場合には、次のステップS104へ移る。一方、ステップS103において否定結果が得られた場合には、曲静寂部MA,MBを出力し終える前に「リーチ」を伴う変動表示が開始されてしまうため、曲静寂部MA,MBから曲盛賑部MMへの切替をスムースに実行するために、ステップS111へ移る。
ステップS111においては、リーチ留保時間が、曲静寂部MA,MBにおいて一番最初に迎える中断ポイントCLm、CLsまでの中断時間よりも大きいか否かが判別される。大きいと判別された場合、次のステップS112においてリーチ留保時間より中断時間が小さい中で最も大きい中断時間を有する中断ポイントCLm、CLsを選択し、次のステップS104へ移る。
ステップS104においては、曲静寂部MA,MBの出力が終了してから開始タイミングまでの間を埋めるのに最適な一のサビ前間奏MSMが選択され、選択されたサビ前間奏MSMが出力されるように、ステップS105において、大衆曲MCpを構成するブロックの再生順序が設定される。
一方、ステップS111においてリーチ留保時間が、曲静寂部MA,MBにおいて一番最初に迎える中断ポイントCLm、CLsまでの中断時間よりも小さいと判別された場合には、ステップS113へ移る。ステップS113においては、一番最初に迎える中断ポイントが中断ポイントCLsであるか否かが判別され、中断ポイントCLsであった場合には、ステップS114において補助間奏MSMxが出力されるように再生順序が設定され、次のステップS106へ移る。ステップS113において、一番最初に迎える中断ポイントが中断ポイントCLsでなく中断ポイントCLmと判別された場合には、補助艦荘の出力を設定しないで、次のステップS106へ移る。
ステップS106においては、中断ポイントCLmまで出力された曲静寂部MA,MB、サビ前間奏MSM、補助間奏MSMxのいずれかに続いて、曲盛賑部MMが出力される。
このように、パチンコ機100は、始動入賞装置431へ遊技球が進入した場合に特別図柄に係る大当り抽選を実行する主制御基板920と、始動入賞装置431へ遊技球が進入した場合に識別情報としての図柄の変動表示を行い、主制御基板920による抽選結果に応じた停止結果を表示する装飾図柄表示装置479と、装飾図柄表示装置479によって変動表示が行われる場合に出力される音楽として、繰り返し出力される第1ブロックとしての曲静寂部MA,MBと、曲静寂部MA,MBより盛り上がるように構成された曲盛賑部MMとを少なくとも有する大衆曲MCpに対応する音楽データを記憶する音楽記憶部603と、音楽記憶部603に記憶された音楽データに基づいて大衆曲MCpを出力する音響装置281,282と、音響装置281,282の出力を制御する再生制御部601とを備え、再生制御部601は、主制御基板920による抽選結果として大当り抽選に非当選であってリーチなしハズレの変動表示が複数回連続して実行される場合に、複数回の変動表示に跨がって曲静寂部MA,MBを繰り返し出力させる機能(第1ブロック出力手段)と、大当り抽選に当選した当選結果が得られた場合であって当該当選に係る変動表示の前に実行された変動表示において曲静寂部MA,MBが出力されている場合に、曲静寂部MA,MBの後に、又は、曲静寂部MA,MBに続けてサビ前間奏MSM、若しくは、補助間奏MSMxのいずれかを出力させた後に、曲盛賑部MMを出力させる機能(第2ブロック出力手段)と、を有する。
このため、大当り抽選に非当選である場合には、複数回の変動表示に跨がって曲静寂部MA,MBが繰り返し出力され、大当り抽選に当選した場合であって当該当選に係る変動表示の前に実行された変動表示において曲静寂部MA,MBが出力されている場合に、曲静寂部MA,MBの後に、又は、曲静寂部MA,MBに続けてサビ前間奏MSM、若しくは、補助間奏MSMxのいずれかが出力された後に、曲盛賑部MMが出力される場合が生じ得る。これにより、大当り抽選に当選していない状況においては曲静寂部MA,MBが繰り返し出力されることによって遊技者には大衆曲MCpの盛り上がりが少ない部分のみを繰り返し楽しませることができる一方、大当り抽選に当選した場合には、曲静寂部MA,MBより盛り上がるように構成された曲盛賑部MMが出力されて遊技者に当選を期待させることができる。よって、静と動の流れを確実に形成することができ、遊技者に遊技を一層楽しませることができるし、大衆曲MCpと、変動表示との関連性を深めて、遊技者に違和感を与えることなく遊技の進行状況に調和した大衆曲MCpを出力可能とすることができる。
なお、前奏MSA1、及び、間奏MSA2は、曲静寂部MA,MBと同様、曲盛賑部MMと比較して曲静寂部を構成するものであり、曲静寂部MA,MBより短い長さで構成されるものであるため説明を省略したが、音楽切替処理S100と同様の処理によって曲盛賑部MMに違和感なく繋ぐことができるものであり、前奏MSA1、及び、間奏MSA2の少なくともいずれかに対して、中断ポイント、サビ前間奏、補助間奏の少なくともいずれかを設定してもよい。
ここで、主制御基板920の制御によって変動表示の時間が設定される構成において、リーチなし変動表示における1回の変動表示の実行時間として設定され得る時間としては、大衆曲MCpを構成する各ブロック(曲静寂部MA,MB、曲盛賑部MM、前奏MSA1、間奏MSA2、サビ前間奏MSM、後奏MSE等)の少なくともいずれかに一致した所定時間、大衆曲MCpを構成する各ブロックの少なくともいずれかの時間に対する2以上の整数倍の所定時間、又は、大衆曲MCpを構成する各ブロックの少なくともいずれかの時間に対する2以上の整数分の1の時間に設定された所定時間を含む構成とすることが好ましく、これにより、変動表示の実行時間と、曲静寂部MA,MBの実行時間とに関連性を持たせて、変動表示の終了時間に合わせてスムースに曲静寂部MA,MBが終了し易くすることができる。また、主制御基板920の制御によって変動表示の時間が設定される構成において、リーチを伴う変動表示における1回の変動表示の実行時間として設定され得る時間としては、曲盛賑部MMより長い時間となる変動表示を含む設定とすることが好ましい。なお、大衆曲MCpを構成する各ブロックのいずれかに一致した所定時間、曲静寂部MA,MBのいずれかの時間に対する2以上の整数倍の所定時間、又は、曲静寂部MA,MBのいずれかの時間に対する2以上の整数分の1の所定時間とは、各時間に対して遊技者が違和感を大きく感じることのない程度にずれた時間の範囲内に設定されるものであればよく、略0.8秒以内の時間のずれ内に設定されるとしてもよく、略0.5秒以内の時間のずれ内に設定されることが好ましく、略0.3秒以内の時間のずれ内に設定されることが好適である。
<発射装置の構成(1)>
次に、発射装置330の構成について、図31〜図35を用いて説明する。本実施形態における発射装置330は、発射装置330の表面である第1面701Aに発射機構333が設けられ、発射装置330の裏面である第2面701Bに発射機構333を駆動する駆動手段としての駆動機構745が設けられている。なお、必ずしも遊技球を発射させるための機構を発射装置330の表裏両面に配置する必要はなく、片面側に配置する構成としてもよい。
図31及び図32は、発射装置330の表面である第1面701Aの構成を表しており、図33〜図35は、発射装置330の裏面である第2面701Bの構成を表している。図31に示すように、発射装置330は、本体板701と、本体板701の第1面701A側に配置されて打突により遊技球を発射させる発射機構333と、本体板701の第1面701A側に配置されて上下方向において傾斜を有して遊技球を誘導する誘導部材335とを有している。
誘導部材335は、上面形状として略M字形状の断面を有しており、中央側が深く凹んだ部分に遊技球を下側から2点で支持し、誘導部材335の連続する斜め上方向側に向かって小さな摩擦力で遊技球を移動(誘導)させることができる。誘導部材335は、正面視で右下がりの傾斜を有する配置とされ、球送り機構331の供給口331Aから遊技球が誘導部材335の上に供給されると、供給された遊技球は右下方向に進行し、誘導部材335の右下側の端部である下端部335Aの近傍へ移動する。下端部335Aの近傍には、誘導部材335の下端部335Aで下側が支持された遊技球の上側に当接可能なゴム製の球止め709が設けられており、遊技球の上部を係止して下端部335Aの近傍に相当する遊技球の待機位置で遊技球を保持可能に構成されている。
発射装置330は、回転軸702を有している。回転軸702は、本体板701を貫通した穴により構成される貫通孔内に一部が配置されて本体板701の表裏面に相当する第1面701A側と第2面701B側とに突出する棒軸状に構成され、本体板701に対しては、前後方向(図31の紙面垂直方向)を回動中心として回転動作可能(回動可能)に支持(保持)されている。ここで、本体板701は、金属の鋳造によって主として板状に形成され、貫通孔における表面(第1面701A)側と裏面(第2面701B)側とにおいて一定距離離間した位置にて、それぞれ球軸受け(ベアリング)が本体板701に取り付けられ、ベアリングを介して、回転軸702が本体板701に対してスムースに回動可能に支持されることが好ましい。
発射機構333は、発射装置330において本体板701の表面(第1面701A)側に設けられた遊技球を発射するための部材によって構成され、回転軸702に固定されて遊技球を打突して発射させる打突回転部材710を有している。打突回転部材710は、回転軸702の回転に応じて連動し、その全体が一定の動作範囲内で回動動作する。打突回転部材710は、全体として平坦な板状に形成され、遊技球を打突する槌部711と、回転角度を制御する先端部712と、腕部としての回転主軸部713と、根元部分の第1固定回転部714とを有している。なお、打突回転部材710と回転軸702とは、一部品で一体的に構成してもよいし、別部材で構成した複数の部材を連結固定して構成してもよく、以下においては、複数の部材を連結固定した場合について説明する。
第1固定回転部714は、固定手段として先端部にネジ部が螺設されたボルト状の固定具718を用いて回転軸702の第1面701A側の端面に固定されており、回転軸702の回転に応じて、回転軸702の回動する中心(回動中心)から離間する方向(先端方向)に接続されている槌部711及び先端部712を回動動作させる。
槌部711は、遊技球が発射されるように遊技球を打突する部位であり、誘導部材335側へ向けて、当該誘導部材335と略平行に突出する略矩形状に形成される。図32に示す正面視にて打突回転部材710が左回りに回動すると、誘導部材335と球止め709との間に槌部711が進入し、下端部335Aの近傍に配置された遊技球のほぼ中心部分を槌部711が打突する。
先端部712は、打突回転部材710の回動動作範囲を制御するための部位であり、回転軸702の回動中心に対して回転主軸部713と同一方向に延びて延長された部分であり、槌部711よりも回転軸702の回動中心から離間した外側(図31の右上方向側)に設けられている。発射機構333は、後述する駆動機構745の駆動力によって動作する機構であり、回転軸702が回動することによって駆動機構745の駆動力が発射機構333を構成する打突回転部材710に伝達される。
打突回転部材710の上部には、先端部712に当接することで打突回転部材710の動作範囲を制御するレバーストッパ719が設けられている。レバーストッパ719は、全体として下側が開口したコの字形状を有しており、誘導部材335に略平行な中央部719Aと、当該中央部719Aに対して略垂直方向に、斜め下へ向けて延びる上部ストッパ719B及び下部ストッパ719Cを有している。
下部ストッパ719Cは、遊技球の発射を待機した通常位置(待機位置)における打突回転部材710の先端部712の先端外側712Aに対して、回転軸702の回動中心を中心とした周方向に重なる位置に配置される。下部ストッパ719Cは、打突回転部材710の先端外側712Aに当接することにより打突回転部材710の回動を止め、打突回転部材710の位置(図31の右回りに回動可能な位置)を通常位置に固定(保持)する。下部ストッパ719Cの内側面は、通常位置における先端外側712Aとほぼ平行に形成されており、面接触により先端外側712Aを係止することにより、打突回転部材710に加わる衝撃を1箇所に集中させず分散する。
また、図32に示すように、回転軸702の回動により打突回転部材710が左回りに回動することにより、打突回転部材710は、遊技球を打突し、その後に打突位置(作動位置、図32の実線で示した位置)に配置される。このとき、打突回転部材710の槌部711は、回動の勢いにより下端部335Aの近傍に位置する遊技球を打突し、誘導部材335に沿って左上方向側に遊技球を進行させる。この遊技球に対する打突の後、打突回転部材710の先端部712の先端内側712Bが上部ストッパ719Bに当接し、上部ストッパ719Bが打突回転部材710の回転を止めて打突回転部材710の位置を固定させる。上部ストッパ719Bの内側面は、打突時における先端内側712Bとほぼ平行に形成されており、面接触により先端内側712Bを係止することにより、打突回転部材710に加わる衝撃を1箇所に集中させず分散する。
なお、上部ストッパ719B及び下部ストッパ719Cの内側面には、衝撃を緩衝する緩衝材が設けられていても良い。これにより、打突回転部材710の耐久性を向上させ得る。また、打突回転部材710の回転を止めるストッパは、必ずしも上部ストッパ719B及び下部ストッパ719Cにより構成する必要はなく、打突回転部材710の回転主軸部713や第1固定回転部714などの別位置に当接するストッパにより構成してもよいし、打突回転部材710とは別の部材(例えば、回転軸702の一部)に当接して回転を制限するストッパにより構成してもよい。
遊技球が打突回転部材710によって打突された後には、駆動機構745と打突回転部材710の自重とによって回転軸702が右回りに回動する。これにより、打突回転部材710は、通常位置(図32の一点鎖線で示した位置)に再び配置される。
発射装置330は、発射機構333を駆動する駆動機構745を有し、図33〜図35に示すように、発射装置330の裏面側に相当する本体板701の第2面701B側に、駆動機構745が設けられている。なお、図33〜図35では、位置関係を示すため、第1面701Aの誘導部材335を破線で示し、誘導部材335を示す上側の点線に重なる高さ位置に、誘導部材335によって遊技球の誘導経路が形成される。
駆動機構745は、図34に示すように、第2面701B側に配置された、磁力回転部材720と、コイル730と、鉄心731とを有しており、コイル730に一定量以上の電流を流したときに大きな磁力が発生する、いわゆる電磁石を用いて磁力回転部材720を回動させるソレノイドによって構成されている。磁力回転部材720は、全体として平坦な板状部材でなり、腕部としての主軸部721と、台形状の突起部722と、当該突起部722より先端側に位置し、当該突起部722から主軸部721をわずかに延長するように設けられた先端部723と、根元部分の第2固定回転部725とを有している。言い換えると、延長線上に存在する主軸部721と先端部723から台形状の突起部722が突出している。
磁力回転部材720における第2固定回転部725は、固定手段として先端部にネジ部が螺設されたボルト状の固定具728を用いて回転軸702の第2面701B側の端面に固定されている。回転軸702は、上述したように本体板701を貫通する位置に配置され、本体板701に対して回動可能に保持されており、磁力回転部材720の回動動作に応じて回転軸702も一緒に回動する。磁力回転部材720は、例えば鉄などの強磁性体を用いて形成されており、磁石に吸い寄せられる性質を有している。磁力回転部材720の主軸部721は、通常位置において水平方向に略平行な方向側に連続している。なお、磁力回転部材720と回転軸702とは、一部品で一体的に成形して構成してもよい。
鉄心731は、コイル730の内部に位置する内鉄心733(破線で示す)と、コイル730の外部に位置する外鉄心732とを有している。コイル730は、内鉄心733の外側を囲う樹脂製のベース体と、ベース体に巻き回した導電線により構成され、図33以降においてはコイル730の外形のみを模式的に図示している。
コイル730は、内鉄心733が内側に位置するようにし、内鉄心733が外鉄心732へ連続する方向を中心軸とした外側に導電線を多数回巻き回した状態にして配置される。コイル730の導電線は、発射制御部902を介してパチンコ機100の電源に接続され、主制御基板920の制御によって通電状態と非通電状態とが切り替え可能に構成されている。なお、非通電状態として、通電状態に比べて少量の電流がコイルに流れることで通常位置に打突回転部材710を配置可能であれば、完全に非通電の状態でなく少量の電流が流れる状態を非通電状態としてもよく、少量の電流が流れる非通電状態と通電状態とを切り替えて駆動機構745を動作させてもよい。
内鉄心733は、突起部722よりわずかに大きい台形状の凹み部733Aを有している。外鉄心732は、コイル730から延設された延設部732Aと、延設部732Aから折れ曲がって先に延びた平行部732Bとを有している。平行部732Bは、誘導部材335との距離が次第に近づいたり、遠ざかったりすることがなく、また本体板701の第1面701Aと第2面701Bとが重なる背面視(図33の紙面垂直方向視)にて交差せず(重ならず)に、なるべく離隔するよう、誘導部材335と略平行に配置されている。なお、外鉄心732及び平行部732Bは必ずしも設ける必要はないが、鉄心731を長く構成する場合には、外鉄心732を設けることが好ましく、外鉄心732には平行部732Bを設けることが好ましい。
通電状態に対応する電流がコイル730に流れると、コイル730内に発生した磁界により鉄心731が磁石となり、図35に示すように、磁力回転部材720の突起部722が内鉄心733の凹み部733Aに嵌まるようにして引き寄せられる。打突回転部材710は、打突位置に対応する位置まで移動し、これに伴い、回転軸702が右回りに回動する。なお、磁力回転部材720の先端部723は、凹み部733Aを囲むコイル730の周縁部733B(ベース体の一部)に当接することにより、突起部722が凹み部733Aに入り込んでしまうことを防止している。発射装置330の表面側に相当する第1面701A側では、回転軸702が左回りに回動し、打突回転部材710が打突位置に移動して遊技球を打突する(図32参照)。
遊技球が打突された後には、コイル730(図34)に流れる電流が非通電状態とされ、コイル730から発生する磁力が消失する。磁力回転部材720は、自重によって左回りに回転し、通常位置に戻る。また同時に打突回転部材710は、自重によって右回りに回転し、下部ストッパ719Cに当接して回転を止めて通常位置に戻る。すなわち、磁力回転部材720は、自重によって打突回転部材710を通常位置に戻すことができる重量を有する構成とされ、打突回転部材710及び磁力回転部材720は、双方の重力を利用して打突位置から通常位置へと自然に戻ることができる。なお、本体板701、打突回転部材710及び誘導部材335は、第2面701Bの磁力の影響を受けないよう、磁性を殆ど示さない材質が用いられることが好ましい。
このように、発射装置330を備えたパチンコ機100によれば、打突回転部材710の槌部711を含む発射機構333が、本体板701の第1面701A側に設けられ、その反対の第2面701B側に磁力回転部材720とコイル730と鉄心731とを含む駆動機構745が設けられている。このため、誘導部材335によって誘導される遊技球の斜め上方向側の誘導方向に応じて配置が定まる打突回転部材710の槌部711の設計レイアウトの制限が少ない状態で、磁力回転部材720とコイル730と鉄心731とを配置することができる。また、本体板701の第1面701A側と第2面701B側とのスペースを有効に活用することができ、斜め上方向側へ遊技球を進行させる発射力は、磁力回転部材720の突起部722を回転軸702の回動中心から十分に離間させることで高く設定し易くすることができる。
また、磁力回転部材720は、主軸部721が略水平方向側に連続するように配置され、突起部722がコイル730の内部に引き寄せられると、磁力回転部材720の突起部722と主軸部721とが下から上へ持ち上がるように磁力回転部材720(主軸部721)が回動動作する。このため、磁力回転部材720の自重を大きく作用させて、磁力回転部材720と打突回転部材710とを通常位置に戻すことができる構成とすることができるので、バネなどにより通常位置に戻す他の構成を不要にして小型化し易く、他の部材の配置が容易で、且つ、遊技球を十分な発射力で発射し易く構成した発射装置330とすることができる。
ここで、発射装置330が必ずしもバネなどにより通常位置に戻す他の構成を有しないものとする必要はなく、かかる構成を有するものとしてもよく、例えば、打突回転部材710を通常位置に戻すねじりコイルバネを本体板701の第1面701A側に設けてもよく、この場合でも、磁力回転部材720の自重を大きく作用させることが可能な分、ねじりコイルバネのバネ力は少なく抑えることができるので、ねじりコイルバネを小型化し易く、ひいては発射装置を小型化することができる。
また、発射装置330では、回転軸702の回動中心から打突回転部材710における槌部711の中心(詳細には、回転軸702の回動中心から離間する方向に相当する径方向における槌部711の長さに相当する幅の中心)までの距離R1以上に、回転軸702の回動中心から磁力回転部材720における突起部722の中心(詳細には、回転軸702の回動中心から離間する方向に相当する径方向における突起部722の長さに相当する幅の中心)までの距離R2が長く構成されている。これにより、発射装置330では、磁力回転部材720の大きな回転半径により回転軸702のトルクを大きくし、当該大きなトルクを用いてより回転半径の小さい打突回転部材710(詳細には、打突回転部材710の槌部711)を勢い良く安定的に回動させて遊技球を打突することができる。よって、遊技球に作用する球作用部を重く構成しても素早い動作を可能にして球作用部が遊技球に接触して遊技球を発射する発射力を必要十分に確保し易くし、且つ、打突回転部材710の槌部711は、回転軸702の回動中心に近い位置に配置し易くして、その分、遊技領域を大型化し易くする等、他の部材を配置し易くすることができる。なお、十分な発射力を出力可能であれば、回転軸702の回動中心から打突回転部材710における槌部711の中心までの距離R1は、回転軸702の回動中心から磁力回転部材720における突起部722の中心までの距離R2より長く構成してもよい。
また、コイル730の外部に配置されている外鉄心732の平行部732Bが、誘導部材335による遊技球の誘導経路に相当する斜め方向と略平行に連続するように配置されている。このため、誘導部材335による遊技球の誘導経路と外鉄心732との相対位置が変化する区間を短く構成することができ、コイル730が通電状態とされて鉄心731が所定量以上の磁力を帯びた作動状態で、外鉄心732が誘導部材335によって誘導される遊技球の進行に与える影響を低減できる。また、誘導部材335に沿った方向側に外鉄心732が連続する構成とされているので、外鉄心732と、誘導部材335とをそれぞれ大きく形成しても、本体板701の両面に効率よくコンパクトに配置することができ、発射装置330を小型化し易くて他の部材を配置し易くすることができる。
さらに、駆動機構745では、コイル730に電流が流れたときの磁力を利用して磁力回転部材720を回動させるが、このとき鉄心731全体が磁石化する。仮に、鉄心731が誘導部材335と交差して重なったり、次第に近接する配置とされた場合、打突された遊技球が磁石化した鉄心731に次第に引き寄せられて速度を低下させたり、進行をストップさせてしまう可能性があり、遊技球の発射精度が不安定になる可能性がある。一方、鉄心731が一定以上に長く構成した方が、磁力が大きくなり易く、回転力を増大させ易くすることができるため好ましい。このため、鉄心731は、延設部732Aが誘導部材335の連続する方向に対して大きく傾斜した方向側(略50度)に連続する配置とし、誘導部材335から一定の距離を置いた位置で折れ曲がった先にて連続する平行部732Bが誘導部材335と略平行に連続する配置とされている。これにより、鉄心731は、誘導部材335から一定の距離を確保した状態を維持し易くすることができる。
なお、鉄心731の延設部732Aが誘導部材335の連続する方向に対して大きく傾斜した方向側としては、垂直に近い方向側に設定することがよく、略50度から略130度の範囲内に設定することが好ましく、略70度から略110度の範囲内に設定することが好適である。
<発射機構の構成(2)>
次に、パチンコ機100に対して、上記した発射装置330とは別の実施形態としての発射装置330xを備えた構成について、図36及び図37を用いて説明する。図36及び図37に示す発射装置330xでは、図31〜図35にて示した発射装置330を構成する各部材及び各部位に対応する符号(数)に対し、「30」の数を加えた数字を符号として附し、発射装置330と同一の外形形状等の構成の説明は省略する。また、図31〜図35を用いて説明した発射機構333に相当する発射装置330の表面に設けられる発射機構333等の構成は、以下に説明する発射装置330xにおいても同一の構成とされているため、以下においては、発射装置330xの表面側の説明を省略し、発射装置330xの裏面側の構成である駆動機構775の構成について詳細に説明する。
発射装置330xは、図36に示すように、本体板701の第2面701B側に、駆動機構775を有している。駆動機構775は、回転軸702の回動中心に対して誘導部材335が位置する背面視右上方向側に主に配置され、また、磁力回転部材750は、通常位置において主軸部751が回転軸702の回動中心に対して鉛直上方側(詳しくは、鉛直上方よりコイル760が位置する側に略15度傾斜した側)に連続する向きに配置されている。このため、コイル760に電流が流れると、磁力だけでなく磁力回転部材750の自重をも利用してコイル760に引き寄せられ、磁力回転部材750が次第に傾斜するように回動し、内鉄心763の凹み部763Aに対して、突起部752が近づいて、はめ込まれる構成とされている。
コイル760に対して内鉄心763の凹み部763Aは斜め上方向側に開口し、凹み部763Aが開口する側に誘導部材335が位置している。外鉄心762は、誘導部材335から遠ざかるように斜め下側に連続するように延設され、磁力回転部材750の根元部分である第2固定回転部755に接続されている。この接続方法に制限はないが、例えば外鉄心762の第2固定回転部755側における接続部分には、円形の貫通孔が内側に開口した周縁部により構成されるリング部が形成されており、当該リング部に回転軸702を貫通させた後に磁力回転部材750が固定具758を用いて摺動可能に接触するようにして固定される。このように、外鉄心762と磁力回転部材750の一部を接触させることにより、磁力回転部材750を鉄心の一部として機能させ、磁力を高めて発射力を高めることができる。
内鉄心763における凹み部763Aの近傍には、凹み部763Aよりも小さい穴部がコイル760の一部(ベース体)に形成されており、当該穴部からはみ出すように弾性部材763Cが固着されている。弾性部材763Cとして制限はなく、例えば、ゴムや、スポンジ状の部材、又は、バネなどにより構成される。この弾性部材763Cは、図37に示す打突位置から図36に示す通常位置へ戻るときに、磁力回転部材750を押し戻し、磁力回転部材750が左回りに回動するのを助力する。なお、磁力回転部材750を押し戻す弾性部材763cは、コイル760側でなく磁力回転部材750の突起部752の近傍に設けるなど他の部位に設けてもよく、また、上記した磁力回転部材720などの他の実施形態に係る磁力回転部材に対して押し戻し力を作用させる弾性部材を設けてもよく、また、弾性部材は、必ずしも設ける必要はない。
磁力回転部材750は、外側面751Aが誘導部材335と先端に向かって徐々に厚さが薄く構成され、通常位置(図36)において磁力回転部材750は、誘導部材335と前後方向において交差する(重なる)ものの、打突位置(図37)において誘導部材335と交差せず(重ならず)、誘導部材335に打突位置においてのみ発生する磁力の影響を与えにくいように構成されている。なお、必ずしも磁力回転部材750が誘導部材335と打突位置において重ならないようにする必要はないが、通常位置と比較して打突位置において重なる面積が少なくなる配置とすることが、誘導部材335に打突位置においてのみ発生する磁力の影響を与えにくくすることができて好ましい。
磁力回転部材750は、打突回転部材710より軽量に構成されており、打突位置から通常位置へ戻る際に必要な力(自重)を低減し、打突回転部材710の自重を使ってスムーズに通常位置へ戻るように構成されている。また、磁力回転部材750は、上記した磁力回転部材720(図33)と同様、回転軸702の中心から打突回転部材710における槌部711の中心までの距離R1(図31)が、回転軸702の中心から磁力回転部材750における突起部722の中心までの距離R2(図示せず)よりも小さく構成されている。
このように、発射装置330xを有するパチンコ機100によれば、発射機構333が本体板701の第1面701A側に設けられ、その反対の第2面701B側に駆動機構775が設けられているので、誘導部材335によって誘導される遊技球の誘導方向に応じて配置が定まる打突回転部材710の槌部711の設計レイアウトの制限が少ない状態で、磁力回転部材750を配置することができ、磁力回転部材750の主軸部751が誘導部材335の配置される位置に前後方向において重なる略鉛直上方側に連続するように配置されている。通電状態となって突起部752がコイル760の内部に引き寄せられると、突起部752の高さ位置が下がるように主軸部751が下側に傾斜して回動動作する。これにより、コイル760に電流が流れて突起部752が鉄心761に近づいた通電状態と、コイル760に流れる電流が非通電の状態とされた非通電状態との移行の際に、磁力回転部材750の自重を効率よく利用して発射装置330xを低コストにし、且つ、小型化することができる。すなわち、磁力回転部材750の自重を遊技球の発射力に対しての助力として利用しつつ、打突位置から通常位置への遷移においては磁力回転部材750が回転軸702に下側を支持され易くして自重による影響を少なくし、打突回転部材710の自重で通常位置へ回動可能とするなど、通常位置への復帰に際して必要な力を少なくすることができる。なお、磁力回転部材750の主軸部751は、非通電状態で鉛直方向に連続するように配置されてもよいし、鉛直方向に対して僅かに傾斜していてもよく、非通電状態で略20度以下で傾斜した方向側に連続することがよく、略15度以下で傾斜した方向側に連続することが好ましく、略10度以下で傾斜した方向側に連続する構成としてもよい。
また、磁力回転部材750は、背面視(図37の紙面垂直方向視)にて、非通電状態とに対応した通常位置において誘導部材335と重なる形状とされ、コイル760が通電状態とされて鉄心761が所定量以上の磁力を帯びた作動状態に対応した作動位置においては誘導部材335と重ならない形状とされている。このため、非通電状態においては磁力回転部材750を誘導部材335と近接して配置することができるので、磁力回転部材750と誘導部材335とを含む発射装置330xをコンパクトに配置可能とし、且つ、通電状態においては誘導部材335によって誘導される遊技球の誘導経路から磁力回転部材750を下側にずらして配置することができるので、誘導部材335によって誘導される遊技球に対しての磁力の影響を抑制することができる。なお、通電状態に対応した作動位置においては、非作動状態と比べて磁力回転部材750が誘導部材335と重なる面積が少なければ、一部が重なってもよく、この場合にも、誘導部材335によって誘導される遊技球に対しての磁力の影響を抑制しつつ、発射装置をコンパクトに構成することができる。
また、磁力回転部材750の主軸部751は、非通電状態では誘導部材335に対して傾斜した向きに配置されて交差し、通電状態において、誘導部材335が連続する斜め上方向側と略平行に近い斜め上方向側に連続する。このため、通電状態への移行の際に磁力回転部材750の自重を活用可能としつつ、通電状態において磁力回転部材750が磁気を帯びた状態で、誘導部材335によって誘導される遊技球への磁力の影響は、誘導部材335から磁力回転部材750の全体を離隔し易くすることで最小限にできる。
また、通電状態において、鉄心761の一端側に磁力回転部材750の回動中心から離間した一部としての突起部722が近づき、鉄心761の他端側に磁力回転部材750の回動中心に近い一部が接触して、ループを形成する。このため、コンパクトな形状で磁力回転部材750を磁石化することができ、発射力を高め易くすることができる。
<発射機構の構成(3)>
次に、パチンコ機100に対して、上記した発射装置330xとは別の実施形態としての発射装置330yを備えた構成について、図38を用いて説明する。発射装置330yは、上記した発射装置330xに対して鉄心761の形状に関する構成のみが異なるものであり、その他の構成については、上記した発射装置330,330xと同一の構成であるため、同一の構成についての説明は省略する。
上記した発射装置330xにおいては、コイル760から出た外鉄心762が回転軸702へ向けて延設されていた。これに対して、発射装置330yは、コイル760から出た外鉄心762yが回転軸702の回動中心から離隔する方向へ延びる鉄心761yを有する駆動機構775yを備えている。外鉄心762yは、コイル760及び内鉄心763の外側を囲うように連続し、コイル760を大きく迂回させて、誘導部材335の上側に離間した位置まで連続している。
外鉄心762yは、前後方向において誘導部材335に重なる部位を有し、その部位においては誘導部材335に対して大きな角度(詳細には、略70度)で交差する形状とされている。これにより、外鉄心762yが誘導部材335によって誘導される遊技球の誘導経路に近い位置に配置される区間を少なくし、遊技球が外鉄心762yと誘導部材335との交差地点を通過するときにおける外鉄心762yの磁力の影響を少なくし易く構成されている。この外鉄心762yと誘導部材335の誘導経路とが交差する角度としては、略50度から略130度の範囲内に設定することが好ましく、略70度から略110度の範囲内に設定することが好適である。
外鉄心762yの一部は、誘導部材335に対して上側に位置する部位が誘導部材335と略平行となるように連続し、遊技球が誘導部材335によって誘導される誘導経路に対して、外鉄心762yとの距離が近づいたり遠ざかったりしないよう配置とされている。これにより、誘導部材335によって誘導される遊技球の進行に磁力の影響を与えにくくすることができ、発射精度を向上し易くすることができる。なお、外鉄心762yの一部は、誘導部材335の誘導経路に対して必ずしも完全に平行となる必要はないが、略平行な向きとして背面視における相対的な傾きが略20度以下の向きに連続することが好ましく、略10度以下の向きに連続することが好適である。
外鉄心762yにおける内鉄心763とは逆側の端部形状は、誘導部材335に対して上側に位置する部位を端面とした形状(図38の実線の形状)とされている。なお、外鉄心762yにおける内鉄心763とは逆側の端部形状は、磁力回転部材750の第2固定回転部755に接触する位置まで連続する形状(図38の一点鎖線の形状)としてもよく、この場合には、前後方向において誘導部材335に一部又は全部が重ならない位置まで外鉄心762yの一部が延長され、その位置から誘導部材335に対して大きな角度(例えば、略90度)で傾斜する向きに連続する部位を有する形状とすることが、遊技球が打突による発射を待機する誘導部材335の下端部335A近傍に対して外鉄心762yによる磁力の影響を少なくすることができて好ましい。また、外鉄心762yの一部に、誘導部材335に対して上方側にて誘導部材335と略平行に連続する平行部を有する構成とすることが、鉄心761yを、誘導部材335から一定の距離を確保した状態を維持し易くすることができて好ましい。
このように、発射装置330yを備えたパチンコ機100によれば、外鉄心762yは、回転軸702の回動中心に対して内鉄心763より離間した外側に延びて連続する形状とされ、回転軸702を基準とした場合に内鉄心763に対して外側を経由して内鉄心763に連続する形状とされ、コイル760の外形に沿った外側を外鉄心762yが連続する形状とされている。このため、回転軸702の回動中心に対して内鉄心763及びコイル760の外側を経由して外鉄心762yが延びることにより、外鉄心762yを十分に長く形成しつつ、内鉄心763と外鉄心762yとを含む鉄心761yと、コイル760と、磁力回転部材750とを回動中心に近い側にまとめてコンパクトに配置することができる。
また、発射装置330yは、背面視(図38の紙面垂直方向視)にて、誘導部材335と、外鉄心762yとが重なる配置とされているので、鉄心761yと、磁力回転部材750と、誘導部材335とを回転軸702の回動中心に対して誘導部材335が位置する一方側にまとめて配置することができ、一層コンパクトに発射装置を構成することができる。
<他の実施の形態>
なお、本発明は、上記実施形態に限られることはなく、例えば、以下に記載するように変形して実施しても良い。この場合に、以下に記載する各構成を上記実施形態に対して適用しても良く、以下に記載する複数の構成を組み合わせて上記実施形態に対して適用しても良い。
(1)上記実施形態においては、1つの駆動機構745,775,775yとして1箇所にコイル及び内鉄心の組合せを有する構成について説明したが、1つの駆動機構が2箇所以上にコイル及び内鉄心の組合せを有する構成としてもよい。すなわち、上記実施形態においては、各駆動機構745,775,775yとして、磁力回転部材720,750をそれぞれ有するようにしたが、例えば複数の磁力回転部材720,750を組み合わせて回転中心から2つの方向に連続する主軸部(腕部)を有する磁力回転部材により回転軸702を回動させてもよく、この場合においては、2つの磁力回転部材720,750を引き寄せる鉄心は共通化してもよいし、別々で構成してもよく、また、2つの磁力回転部材720,750を一体で形成してもよいし、別々の部材で構成して回転軸702に固定する構成としてもよい。
例えば、上記した2つの駆動機構745,775yを組み合わせた構成としてもよく、上記した2種類の鉄心731,761yが連続して一体化した鉄心の形状とし、当該鉄心の一端側に一方の磁力回転部材720を引き寄せるコイル730及び内鉄心733を配置し、他端側に他方の磁力回転部材750を引き寄せるコイル760及び内鉄心763を配置し、回転軸702の周方向において、一方の鉄心761yに対応するコイル760及び内鉄心763の組合せと磁力回転部材750の突起部752及び主軸部751とを並べて配置し、更に、他方の鉄心731に対応するコイル730及び内鉄心733の組合せと磁力回転部材720の突起部722及び主軸部721とを順に並べて配置する構成としてもよい。これにより、打突回転部材710と、2つの磁力回転部材720,750とが、本体板701の表面側と、その反対の裏面側とに別々に設けられた構成において、誘導部材335によって誘導される遊技球の誘導方向に応じて配置が定まる打突回転部材710の槌部711の設計レイアウトの制限が少ない状態で、高い回動動作力による発射力を出力可能な磁力回転部材720,750を好適に配置することができる。なお、回転軸702の回動中心に対して打突回転部材710が設けられる一方側(例えば、上側)のみに磁力回転部材の主軸部(腕部)が連続し、その一方側にコイル及び内鉄心の組合せも位置するように配置されることが、発射装置をコンパクトに構成することができて好ましく、複数の磁力回転部材の主軸部が回転軸702の回動中心に対して連続する方向が略120度以下の範囲内に設定されることが好ましく、略90度以下の範囲内に設定されることが好適である。
また、上記実施形態においては、本体板701の片面に相当する裏面側に磁力回転部材720,750を含む駆動機構745,775,775yを配置する構成について説明したが、必ずしも本体板701の裏面側のみに磁力回転部材720,750を配置する必要はなく、本体板701の裏面側でなく表面側に1以上の磁力回転部材を含む駆動機構を配置してもよく、この場合でも、回転軸702の回動中心から打突回転部材710における槌部711の中心までの距離R1は、回転軸702の回動中心から磁力回転部材720における突起部722の中心までの距離R2より長く構成することが好ましい。また、本体板701の表裏両面側にそれぞれ1又は複数の磁力回転部材を含む駆動機構を配置することで複数の磁力回転部材により回転軸702を回動させてもよいし、打突回転部材710についても本体板701の表面側でなく裏面側に配置してもよいし、2以上の打突回転部材を本体板701の表裏面のいずれか又は両面に配置して複数の位置から遊技球を発射可能にしてもよい。
また、上記実施形態においては、打突回転部材710の打突により遊技球に作用して遊技球が発射される構成について説明したが、必ずしも打突により遊技球を発射する必要はなく、発射前に遊技球が槌部711の先端に接触した状態とされ、遊技球が槌部711に接触した状態から槌部711が誘導部材335によって遊技球が誘導される方向側へ移動することで遊技球を押して進行させることにより遊技球に作用して遊技球を発射する構成としてもよい。
また、上記実施形態においては、回転軸702の回動中心に対して上方側に打突回転部材710が連続する構成について説明したが、回転軸702の回動中心に対して下方側に打突回転部材が連続する構成にしてもよく、この場合には、回転軸702の回動中心に対して下方側に、1又は複数の磁力回転部材の主軸部(腕部)が連続し、1又は複数のコイル及び内鉄心の組合せが位置するように配置されることが好ましい。
また、上記実施形態においては、発射装置330,330x,330yが1の本体板701によって一体化された装置によって構成されていたが、必ずしも一体化された装置とする必要はなく、複数の本体板によって一体化された装置を組み合わせて発射装置を構成してもよい。
(2)上記実施形態においては、強調対象物が相違していても共通で使用される共通動画像DMと、強調対象物に応じて使用されるサブ動画像DA,DBとを表示する構成を例示したが、サブ動画像DA,DBは必須でない。例えば、共通動画像DMのみを使用し、背景象徴色と音楽による強調によって印象を変えることができる。
上記実施形態においては、動画像Dと楽曲MCとの表示及び出力タイミングを合わせることにより、強調対象物を強調する構成としたが、これに限られない。例えば、前記動画像データに附された第1メイン画像又は第2メイン画像であることを示すメイン画像情報に基づいて、前記強調メイン画像の出現を認識し、それに合わせて音声を大きくするなどしてメイン画像を強調しても良い。また、表示される動画像データを解析することにより上記強調メイン画像を判別しても良い。
上記実施形態においては、メイン画像に合わせた強調部分を予め楽曲に形成しておき、タイミングを合わせて再生する構成としたが、これに限られない。例えば、メイン画像の出現に合わせて音を大きくしたり、音声を重畳することにより、音楽の強調部分を形成することができる。また、音楽による強調だけではなく、メイン画像に合わせて装飾手段(盤面発光装置490や枠発光装置271〜275)を点灯させたり、点滅させたりすることにより、メイン画像を強調することができる。
上述実施形態においては、強調対象物に対して背景象徴色を対応付ける構成にしたが、この構成は必ずしも必要でない。例えば、服装や所持品などの色とそれらの画像内における配置などによって同様の効果を得ることが可能である。
上述実施形態においては、共通動画像DMの後にサブ動画像DA,DBが表示される構成にしたが、共通動画像DMの前又は途中にサブ動画像DA,DBが表示されても良い。特に、2以上の箇所にサブ動画像DA,DBが表示されることにより、相違する動画像を視認しているという遊技者への錯覚効果を高めることができる。
上記実施形態においては、複数種類の強調対象物が表示される動画像Dと、動画像Dに合わせて出力される楽曲MCとが、遊技者によって遊技が行われている期間中に出力される構成について説明したが、遊技者による遊技が行われていない客待ちの状態においても、遊技中に表示されるものと同一の動画像Dを、又は、その一部分を表示する制御を付加してもよく、この場合における楽曲MCとしては、強調対象物が表示されるメイン画像に合わせて遊技中に出力される強調部FAを除去した楽曲MCを出力するようにしてもよい。この場合において、客待ちの状態において出力される楽曲MCの音楽データは、強調部FAを含む楽曲MCの音楽データの少なくとも一部を利用して出力することが好ましく、例えば、強調部FAの出力に対応した音楽データと、強調部FA以外の音楽の旋律や音声に対応した音楽データとを音楽記憶部603が記憶し、遊技中と、客待ちの状態中とにおいて、強調部FAの出力有無を異ならせることにより、少ない音楽データによって2種類の音楽を出力可能とすることができる。そして、客待ちの状態中に、動画像Dを視認しつつ、楽曲MCを聴いたことのある遊技者であっても、遊技中においては強調部FAを含む音楽によって遊技者の期待感を増大させやすくすることができ、遊技中に実行された演出に特別感を付加し易くすることができる。
上記実施形態においては、複数種類の強調対象物のうち遊技者が選択した対象物が強調される複数種類の楽曲MCが選択して出力される場合について説明したが、必ずしも遊技者が選択した対象物が強調される楽曲MCを出力する必要はない。例えば、リーチ状態中における演出として、複数種類の対象物のうち、戦闘等による勝敗や、優劣の結果によって、その後の有利な遊技状態を期待させたり、抽選に当選したことを示唆する場合に、初めて遊技者が対象物を視認した場合などでは、いずれの結果になれば遊技者にとって有利な状態となるのか認識できない可能性がある。かかる場合において、メイン画像の表示と、強調部FAとの組合せによって、勝負に勝つことを期待した方が遊技者に有利となる対象物を遊技者に感覚的に示唆することができるので、わざわざ文字表示を付加する必要もなくなって表示領域を拡大し易くしたり、説明文が付加されることによって折角設定した表示演出を見入る気持ちを減退させてしまうことも少なくすることができて好ましい。
(3)上述実施形態においては、サビ前間奏MSMを複数準備し、一を選択する構成にしたが、この構成は必ずしも必要ではない。例えば、中断ポイントを複数有するサビ前間奏MSMを準備したり、どこで中断しても違和感のないような曲調のサビ前間奏MSMを記憶しておき、必要に応じた長さでサビ前間奏MSMを出力し、続いて曲盛賑部MMを出力することもできるし、サビ前間奏MSMを省略してもよい。また、補助間奏MSMxについても、2以上の補助間奏MSMxを準備してもよいし、省略してもよい。
上記実施形態においては、2種類の曲静寂部MA,MBと、1つの曲盛賑部MMとを含む大衆曲MCpが出力される構成について説明したが、曲静寂部を1つ有する曲であってもよいし、3以上有する曲であってもよく、曲盛賑部についても、2以上有する曲であってもよい。また、2以上の曲盛賑部がある場合には、所定の抽選結果が得られた場合に盛り上がる部分のある一方の曲盛賑部を限定して出力してもよいし、所定の抽選結果が得られた場合に2以上の曲盛賑部の1つを選択して出力してもよい。2以上の曲盛賑部の1つを選択して出力する場合には、出力中の曲静寂部に対してその後に続きやすい曲盛賑部を選択して出力してもよく、その後に続きやすい曲盛賑部としては、出力中の曲静寂部の歌詞に関連のある歌詞が続く曲盛賑部や、大衆曲MCpにおいて出力されるタイミングが近い曲盛賑部とすることなどが例示される。
上記実施形態においては、曲静寂部MA,MBと、曲盛賑部MMとを含む大衆曲MCpが1曲設定される場合について説明したが、2曲以上の音楽(楽曲)が選択して出力される設定としてもよく、この場合には、各音楽(楽曲)に対して繰り返し出力可能な第1ブロック(曲静寂部)と、所定の抽選結果が得られた場合に出力される第2ブロック(曲盛賑部)とを設定し、所定の抽選結果が得られた場合には第1ブロックとして出力中の音楽(楽曲)に対しての第2ブロックを選択して出力する構成としてもよい。
(4)本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当りすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当り状態が発生するまで、大当り期待値が高められるようなパチンコ機として実施しても良い。また、大当り図柄が表示された後に、所定の領域に球が入賞することを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施しても良い。また、球が循環する封入式のパチンコ機に実施しても良い。さらに、パチンコ機以外にも、アレンジボール型パチンコ、雀球等の各種遊技機として実施するようにしても良い。また、パチンコ機に限定されることはなく、メダルを使用するスロットマシンに代表される回胴式遊技機に適用しても良く、遊技媒体として遊技球を使用する回胴式遊技機に相当するパチンコ機とスロットマシンとを融合した形式のパロット等の回胴式遊技機に適用しても良い。
パチンコ機とスロットマシンとが融合した回胴式遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の遊技球の投入後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に有利な大当たり状態が発生させられ、遊技者には、下部の受け皿に多量の球が払い出されるものである。
なお、回胴式遊技機に発射装置を設けてもよく、例えば、所定の入賞口が配置された遊技球の流下領域に発射装置330,330x,330yのいずれかによって遊技球を発射し、その入賞口に遊技球が進入するか否かに応じた抽選の結果によって、複数のストップボタンに対して遊技者に有利な特典が付与され易い停止順序を示唆するか否かを切り替える抽選装置を付加してもよく、この場合においても回胴式遊技機において遊技球の発射装置を付加する領域を小型化し易くすることができ、回胴式遊技機において抽選結果を表現する演出を多様化し易くすることができる。
<上記実施形態から抽出される発明>
以下、上記した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて課題及び効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。また、各特徴に記載した用語の意味や例示等は、同一の文言にて記載した他の特徴に記載した用語の意味や例示として適用しても良い。
従来の遊技機においては、例えば液晶パネルからなる装飾図柄表示装置を備えており、当該装飾図柄表示装置に様々な動画像を表示することが一般的である(例えば、特開2007−312950号公報参照)。
従来の遊技機において、準備する動画像が少なければ低コストになるものの遊技者を楽しませるために表示する動画像が限定されてしまう。一方、準備する動画像の数が増えると、動画像を制作するためのコストが増大してしまう。
そこで、動画像の制作コストを抑えつつ、遊技者に与える印象を多様にすることが可能な遊技機を提供するという観点から、特徴10〜特徴26に記載の遊技機に係る発明を抽出することができる。
また、従来の遊技機において、始動条件の成立として遊技球が始動入賞口に進入した場合に当否抽選が行われ、その当否抽選の結果を、図柄の変動表示が実行された後の停止結果を表示して遊技者に示唆するものが知られている。そして、図柄の変動表示が実行される場合に特定の楽曲を出力することで、変動表示の演出に対して音楽による演出を付加することが知られている(例えば、特開2002−200275号公報参照)。
しかしながら、従来の遊技機において、変動表示の演出に対して音楽を付加した演出について、未だ改良の余地がある可能性がある。
そこで、遊技者に違和感を与えることなく抽選結果に対応した長時間の楽曲を出力可能な遊技機を提供するという観点から、特徴30〜特徴37に記載の遊技機に係る発明を抽出することができる。
また、従来の遊技機においては、直線的に往復動作する槌部によって打球動作を行なう発射ソレノイドを用いて遊技球を発射する発射装置の構成が一般的である(例えば、特開平10−290861号公報参照)。
従来の遊技機において、発射装置は、遊技球の流下する遊技領域等の配置に影響が少なくなるようにした構成が望まれるものの、発射装置には一定のスペースが必要となる。このため、発射装置を配置するスペースを優先し過ぎると、遊技領域を構成する部材を含む他の部材の配置が制限されることとなる。すなわち、発射装置の配置と、他の部材とを含む遊技機の設計レイアウトが困難な場合が生じ得る。また、遊技領域のサイズは、上下及び左右に大型化しており、その分、発射装置には、遊技領域における入口から遠い側まで遊技球を到達可能とする高い発射性能(発射力)が望まれ、これにより、発射装置も大型化してしまう可能性がある。
そこで、他の部材の配置を容易にしつつ一定以上の発射力を有する発射装置を備えた遊技機を提供するという観点から、特徴40〜特徴65に記載の遊技機に係る発明を抽出することができる。
<特徴10>
所定の入球口(始動入賞装置431の入口)へ遊技球が進入した場合に所定の抽選を実行するための抽選手段(主制御基板920)と、
第1の対象物がメインで登場する第1メイン画像と、第2の対象物がメインで登場する第2メイン画像とが出現する共通動画像を表示可能な動画像データを記憶する動画記憶手段(動画記憶部602)と、
該動画記憶手段に記憶された動画像データに基づいて前記共通動画像を表示する動画表示手段(装飾図柄表示装置479)と、
該動画表示手段によって表示される共通動画像に合わせて出力される音楽として、該共通動画像において表示される前記第1メイン画像及び前記第2メイン画像のそれぞれに対応し、前記第1メイン画像及び前記第2メイン画像のそれぞれが強調されるように構成された複数種類の音楽を再生可能な音楽データを記憶する音楽記憶手段(音楽記憶部603)と、
該音楽記憶手段に記憶された音楽データに基づいて前記複数種類の音楽を出力する音楽出力手段(音響装置281,282)と、
前記抽選手段による抽選結果に応じて、前記動画表示手段に前記共通動画像を表示させると共に、前記音楽出力手段に前記複数種類の音楽のいずれかを出力させる制御を行う出力制御手段(再生制御部601)とを備えることを特徴とする遊技機。
特徴10に記載の遊技機によれば、動画像の制作コストを抑えつつ、遊技者に与える印象を多様にすることが可能な遊技機を提供することができる。すなわち、第1メイン画像及び第2メイン画像を含む共通動画像に対し、各メイン画像のそれぞれが強調されるように構成された複数種類の音楽が出力されるので、視覚と聴覚との組合せを用いて共通動画像の中で異なるメイン画像を強調することができる。このため、同一の動画像を表示しているにも拘わらず、当該動画像に対する遊技者の印象を変えることができ、あたかも相違する動画のように認識させることができる。
また、遊技者に対して異なるメイン画像に含まれた対象物を、別々の音楽によって各々注目させることができるので、同一の動画像を表示しているにも拘わらず、遊技者が選択している対象物を遊技者に印象付け易くすることができるなど、遊技者に与える印象を異ならせることができる。よって、遊技者の高揚感を高め易くするなど、飽き難い遊技性を提供することができる。
なお、特徴10に記載の遊技機において、第1の対象物がメインで登場する第1メイン画像とは、遊技者から見て第1の対象物が目立つように表示された画像であり、第1の対象物が第2の対象物に比べて大きく表示されたり、第1の対象物の周辺部分が第2の対象物の周辺部分に比べて明るく(例えば、赤色又は黄色でハイライト)表示されたり、第1の対象物と第2の対象物とのうち第1の対象物のみが表示されたり、第1の対象物が登場すると共に第1の象徴色を少なくとも背景の一部とした背景象徴色が表示された画像などが例示される。また、第2の対象物がメインで登場する第2メイン画像についても、第1メイン画像と同様、遊技者から見て第2の対象物が目立つように表示された画像であり、第2の対象物が第1の対象物に比べて大きく表示されたり、第2の対象物の周辺部分が第1の対象物の周辺部分に比べて明るく(例えば、赤色又は黄色でハイライト)表示されたり、第1の対象物と第2の対象物とのうち第2の対象物のみが表示されたり、第2の対象物が登場すると共に上記した第1の象徴色とは別の第2の象徴色を少なくとも背景の一部とした背景象徴色が表示された画像などが例示される。
また、メイン画像が強調されるように構成された音楽は、強調される第1メイン画像又は第2メイン画像が表示されたタイミングに合わせて、遊技者に対して特定の効果音が出力される音楽としてもよい。
また、抽選手段による抽選結果に応じて、共通動画像を表示させると共に、複数種類の音楽のいずれかを出力させるとは、抽選手段による抽選結果が表示される対象となった始動入賞が発生してから当該抽選結果に対応して変動表示が停止表示されるまでの演出期間中の少なくとも一部において、共通動画像を表示させ、複数種類の音楽のいずれかを出力させる場合が例示され、また、抽選結果が停止表示された後の特別遊技状態中や、その特別遊技状態の後に遷移する遊技者にとって有利な遊技状態(例えば、確変遊技状態や時短遊技状態)中において、共通動画像を表示させ、複数種類の音楽のいずれかを出力させる場合が例示される。
<特徴11>
特徴10に記載の遊技機において、
前記音楽記憶手段は、前記複数種類の音楽として、前記第1メイン画像を強調するように構成された第1の音楽と、前記第2メイン画像を強調するように構成された第2の音楽とを記憶し、
前記出力制御手段は、前記第1メイン画像を強調するときには前記第1の音楽を出力させ、前記第2メイン画像を強調するときには前記第2の音楽を出力させることを特徴とする遊技機。
特徴11に記載の遊技機によれば、動画像と音楽の表示及び出力タイミングを合わせるだけで、異なるメイン画像を適切に強調することができる。
<特徴12>
特徴11に記載の遊技機において、
前記第1の音楽は、前記第1メイン画像が出現開始するタイミングに合わせて短時間及び大音量の短発音を発生させることを特徴とする遊技機。
特徴12に記載の遊技機によれば、短発音により、シーンの切り替わりを強調することができ、強調対象物をより強く遊技者に印象づけることができる。
なお、特徴12に記載の遊技機において、短時間で短発音を発生させるとは、音楽を構成する拍子として、1つのアクセントに、1つ以上の非アクセントを加えた構成とされている状況において、前後で連続するアクセントと非アクセントとの間、2つの非アクセントの間、又は、非アクセントとアクセントとの間に相当する短時間に短発音を発生させるとしてもよく、その短時間に略同一間隔で複数回の音が連続発生する短発音を発生させるとしてもよい。
また、大音量の短発音を発生させるとは、音楽を構成する拍子として、1つのアクセントに、1つ以上の非アクセントを加えた構成とされている状況において、短発音を発生させる1拍子の間で最も音圧レベルが高い音を発生させるとしてもよく、短発音を発生させる拍子と、その前の1拍子又は2以上の複数の拍子との中で最も音圧レベルが高い音を発生させるとしてもよい。
<特徴13>
特徴10〜特徴12のいずれかに記載の遊技機において、
前記第1の音楽及び第2の音楽は、前記第1メイン画像及び前記第2メイン画像のうち、一方のメイン画像が出現するときに出力される音楽のテンポを、他方のメイン画像よりも速くした部分を含む音楽によって構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴13に記載の遊技機によれば、音楽のテンポによってメイン画像を強調することができ、強調対象物をより強く遊技者に印象づけることができる。
なお、特徴13に記載の遊技機における音楽のテンポを速くするとは、特定の短発音が複数回出力されることにより構成される音楽における短発音が出力される時間の間隔を短くして出力するとしてもよい。
<特徴14>
特徴10〜特徴13のいずれかに記載の遊技機において、
前記強調メイン画像が出現するときに出力される音楽における音を、非強調メイン画像よりも高くすることを特徴とする遊技機。
特徴14に記載の遊技機によれば、音楽の音の高さによってメイン画像を強調することができ、強調対象物をより強く遊技者に印象づけることができる。
<特徴15>
特徴10〜特徴14のいずれかに記載の遊技機において、
前記強調メイン画像が出現するときに出力される音楽における音を、非強調メイン画像よりも大きくすることを特徴とする遊技機。
特徴15に記載の遊技機によれば、音楽の音の大きさによってメイン画像を強調することができ、強調したい対象物をより強く遊技者に印象づけることができる。
<特徴16>
特徴10〜特徴15のいずれかに記載の遊技機において、
第1の音楽及び第2の音楽の種類を互いに相違させることを特徴とする遊技機。
特徴16に記載の遊技機によれば、テンポやリズム感の相違する音楽を使用することにより、同時に表示される共通動画像の印象を大きく相違させ、遊技者に異なる印象を抱かせ易くすることができる。
<特徴17>
特徴10〜特徴16のいずれかに記載の遊技機において、
前記第1の対象物及び前記第2の対象物を含む複数の対象物のうち、遊技者が対象物を選択可能な選択入力手段を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴17に記載の遊技機によれば、ユーザによって選択された対象物を強調する対象物としてメイン画像を強調することができ、強調する対象物をより強く遊技者に印象づけることができる。
<特徴18>
特徴10〜特徴17のいずれかに記載の遊技機において、
複数種類の色にて光を点滅表示可能な装飾手段を有し、
前記出力制御手段は、前記強調メイン画像の出現に合わせて、当該強調メイン画像の少なくとも一部を構成する色と同一又は略同一の色にて前記装飾手段の光を点灯又は点滅させる制御を行うことを特徴とする遊技機。
特徴18に記載の遊技機によれば、強調メイン画像と音楽に加えて、光によってもメイン画像であることを判り易く強調することができるので、強調したい対象物をより強く遊技者に印象づけることができる。
<特徴19>
特徴10〜特徴18のいずれかに記載の遊技機において、
前記出力制御手段は、前記動画像データに附された第1メイン画像又は第2メイン画像であることを示すメイン画像情報に基づいて、前記強調メイン画像の出現を認識することを特徴とする遊技機。
特徴19に記載の遊技機によれば、メイン画像情報によって表示されるメイン画像の種類と、その出願するタイミングを判断することができるので、第1メイン画像及び前記第2メイン画像のそれぞれが強調メイン画像として強調されるように構成された複数種類の音楽として、別々に音楽の全体を記憶しなくても、複数種類の音楽を再生可能とすることができるので、音楽データに使用する記憶領域を少なくしつつ、高質な音楽を出力可能とすることができる。
<特徴1A>
特徴10〜特徴19に記載の遊技機において、
前記出力制御手段は、表示される動画像データを解析することにより前記強調メイン画像を判別し、当該強調メイン画像の出現に合わせて、前記音楽記憶手段に記憶された音楽データに対して強調用音楽を重畳した音楽を前記音楽出力手段に出力させることを特徴とする遊技機。
特徴1Aに記載の遊技機によれば、データの解析により強調したい対象物を強調可能な音楽を出力することができるので、音楽データに使用する記憶領域を少なくしつつ、高質な音楽を出力可能とすることができる。
<特徴20>
所定の入球口(始動入賞装置431の入口)へ遊技球が進入した場合に所定の抽選を実行するための抽選手段(主制御基板920)と、
第1の対象物がメインで登場する第1メイン画像と、第2の対象物がメインで登場する第2メイン画像とが出現する第1の動画像を表示可能な動画像データを記憶する動画記憶手段(動画記憶部602)と、
該動画記憶手段に記憶された動画像データに基づいて前記第1の動画像を表示する動画表示手段(装飾図柄表示装置479)と、
該動画表示手段によって表示される前記第1の動画像に合わせて出力される所定の音楽に対応する音楽データを記憶する音楽記憶手段(音楽記憶部603)と、
該音楽記憶手段に記憶された音楽データに基づいて前記所定の音楽を出力する音楽出力手段(音響装置281,282)と、
前記抽選手段による抽選結果に応じて、前記動画表示手段に前記第1の動画像を表示させると共に、前記音楽出力手段に前記所定の音楽を出力させる制御を行う出力制御手段(再生制御部601)とを備え、
該出力制御手段は、前記第1の動画像とは別の動画像であって、前記第1の動画像の最初から途中までの初期部分または途中部分の動画像が、削除された又は他の動画像に変更された第2の動画像を表示させる制御を行うことを特徴とする遊技機。
特徴20に記載の遊技機によれば、出力制御手段によって、第1の動画像だけでなく、第1の動画像の最初からの一定期間又は途中部分が異なる第2の動画像が表示されるので、遊技者に対して、共通の動画像データに基づいて複数種類の動画像を提供することができ、動画像データを少なくしつつ、多様な演出を実行可能とすることができる。特に、第1の動画像の最初からの一定期間を除いた動画像を表示した場合、遊技者にとっては、開始時点での表示が異なるものとなるので、第1の動画像と第2の動画像とに対する遊技者の印象を大きく異ならせることができ、あたかも相違する動画のように認識させることができる。
なお、特徴20に記載の遊技機において、第1の動画像は、第2の動画像と比較して、第1のメイン画像が表示される割合が多く、第2の動画像は、第1の動画像と比較して、第2のメイン画像が表示される割合が多い動画像としてもよい。
また、動画記憶手段は、動画像データとして、第1の対象物がメインで登場する第1メイン画像に対応する第1動画像データと、第2の対象物がメインで登場する第2メイン画像に対応する第2動画像データと、第1メイン画像及び第2メイン画像とは別の画像に対応する別画像データとを記憶し、出力制御手段は、第1の動画像と比較して、第2メイン画像データに基づいて第2メイン画像を表示する割合が多い第2の動画像を表示する制御を行うこととしてもよい。
<特徴21>
特徴20に記載の遊技機において、
前記動画記憶手段は、前記第1メイン画像と、前記第2メイン画像とが出現する共通動画像に対応した共通動画像データと、前記共通動画像の前、途中部分又は後の少なくともいずれかに付加可能な動画像であって前記第1メイン画像の割合が高い第1サブ動画像に対応する第1サブ動画像データと、前記共通動画像の前、途中部分又は後の少なくともいずれかに付加可能な動画像であって前記第2メイン画像の割合が高い第2サブ動画像に対応する第2サブ動画像データとを記憶し、
前記出力制御手段は、前記第1の動画像として、前記共通動画像データと前記第1サブ動画像データとに基づいた動画像を表示させ、前記第2の動画像として、前記共通動画像データと前記第2サブ動画像データとに基づいた動画像を表示させることを特徴とする遊技機。
特徴21に記載の遊技機によれば、相違する一部の動画のイメージを大きく変化させることにより、遊技者に対して、動画像の全体が相違しているかのような錯覚を生じさせることができる。
なお、特徴21に記載の遊技機において、第1サブ動画像と第2サブ動画像とは、動画像の表現を相違させることが好ましく、表現の相違としては、一方では、フラッシュバック技法を用いた動画像とし、他方ではスローモーション技法を用いた動画像とする場合が例示される。
<特徴22>
特徴21に記載の遊技機において、
前記音楽記憶手段は、前記所定の音楽として、前記第1メイン画像及び前記第2メイン画像のそれぞれに対応し、前記第1メイン画像及び前記第2メイン画像のそれぞれが強調されるように構成された複数種類の音楽を再生可能な音楽データを記憶し、
前記出力制御手段は、前記音楽出力手段を制御して、前記複数種類の音楽のうち、前記第1の動画像と、前記第2の動画像とに対してそれぞれ設定された異なる音楽を出力させることを特徴とする遊技機23。
特徴22に記載の遊技機によれば、音楽データを用いていずれかの対象物をメインとするメイン画像を強調すると共に、一部相違する画像を用いることにより生じる錯覚効果により、同一の動画像を用いているにも拘わらず、当該動画像に対する遊技者の印象を大きく異ならせることができ、あたかも相違する動画のように認識させることもできる。
<特徴23>
特徴22に記載の遊技機において、
前記音楽記憶手段は、前記複数種類の音楽として、種類を相違させた音楽を再生可能な音楽データを記憶することを特徴とする遊技機。
特徴23に記載の遊技機によれば、音楽のイメージを大きく変化させることにより、動画像も大きく相違しているかのような錯覚を生じさせることができる。
<特徴24>
特徴21〜特徴23のいずれかに記載の遊技機において、
前記出力制御手段は、前記第1サブ動画像及び第2サブ動画像を、それぞれ前記共通動画像の後と、前記共通動画像の前、又は途中部分の少なくともいずれかとに付加して表示する制御を行うことを特徴とする遊技機。
特徴24に記載の遊技機によれば、人間の記憶に残りやすい最後において相違する画像が表示されるだけでなく、その前段階においても相違する画像が表示されることとなるので、動画像の全体が相違しているという錯覚効果を強めることができる。
<特徴25>
特徴21〜特徴24のいずれかに記載の遊技機において、
前記第1メイン画像は、第1の象徴色を背景象徴色とし、前記第2メイン画像は、第2の象徴色を背景象徴色とし、
前記出力制御手段は、前記第1メイン画像及び前記第2メイン画像のうち、いずれか一方が強調されるように構成された音楽を出力させる制御を行うことを特徴とする遊技機。
特徴25に記載の遊技機によれば、背景象徴色と音楽データによる視覚及び聴覚の2つの効果を用いて強調メイン画像を強調することにより、強調の効果を高めることができる。
<特徴26>
特徴21〜特徴25のいずれかに記載の遊技機において、
前記音楽データによって再生可能な前記複数種類の音楽は、共通動画像と、第1サブ動画像又は第2サブ動画像とにおいて表示されるメイン画像に対しての強調方法が同一の方法により構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴26に記載の遊技機によれば、聴覚効果により共通動画像と第1サブ動画像又は第2サブ動画像の一体感を高めることができるため、遊技者に対して、動画像の全体が相違しているかのような錯覚効果を高めることができる。
<特徴30>
所定の入球口(始動入賞装置431の入口)へ遊技球が進入した場合に所定の抽選を実行するための抽選手段(主制御基板920)と、
前記所定の入球口へ遊技球が進入した場合に識別情報の変動表示を行い、前記抽選手段による抽選結果に応じた停止結果を表示する表示手段(装飾図柄表示装置479)と、
該表示手段によって変動表示が行われる場合に出力される音楽として、繰り返し出力される第1ブロック(曲静寂部)と、該第1ブロックより盛り上がるように構成された第2ブロック(曲盛賑部)とを少なくとも有する所定の楽曲に対応する音楽データを記憶する音楽記憶手段(音楽記憶部603)と、
該音楽記憶手段に記憶された音楽データに基づいて前記所定の楽曲を出力する音楽出力手段(音響装置281,282)と、
該音楽出力手段の出力を制御する出力制御手段(再生制御部601)とを備え、
該出力制御手段は、
前記抽選手段による抽選結果として所定の抽選に非当選である場合に、複数回の変動表示に跨がって前記第1ブロックを繰り返し出力させる第1ブロック出力手段と、
前記抽選手段によって所定の抽選に当選した当選結果が得られた場合であって当該当選に係る変動表示の前に実行された変動表示において前記第1ブロックが出力されている場合に、当該第1ブロックの後に、又は、当該第1ブロックに続けて所定の第3ブロックを出力させた後に、前記第2ブロックを出力させる制御を行う第2ブロック出力手段と、を有することを特徴とする遊技機。
従来の遊技機において、変動表示が1回実行される毎に、歌謡曲音楽を最初から再生して出力する演出をした場合、複数回の変動表示にわたる遊技性とはならないために、単調な遊技が多数回繰り返されることになり易く、長時間にわたって遊技者にとって飽き難い遊技性を提供することが難しい。
また、当否抽選に非当選である状況が繰り返される通常の遊技状態の大部分において、特定の楽曲の出力を最初から最後まで繰り返し、当否抽選に当選した場合や、当否抽選に非当選である場合であって演出実行抽選に当選した場合などの一部において、出力中の音楽を中断して別の楽曲を出力することもできる。しかしながら、出力中の楽曲を中断して別の楽曲を出力してしまうと、音楽のつなぎが悪く、遊技者に違和感を与えてしまう可能性がある。また、楽曲の中で、盛り上がり感のあるブロック(サビ)が出力されると、遊技者の高揚感は高められるものの、そのサビは当否抽選とは全く関連のないタイミングで出力される。このため、複数回の変動表示にわたって出力される楽曲と、当否抽選の結果との関連性が希薄となり、遊技者にとっては変動表示とは無関係に楽曲を楽しませることしかできない。
すなわち、抽選に当選した1回の変動表示に対しては、遊技者に変動表示と音楽とを組み合せた演出を楽しませることは可能でも、複数回の変動表示に跨がる長時間の楽曲によって、変動表示に関連性のある音楽を遊技者に提供して遊技を楽しませることが難しいという問題点があった。また、複数回の始動入賞が発生し、実行待機中の変動表示において当選が確定している場合や、非当選であっても特定の演出実行抽選に当選した場合等において、実行待機中の変動表示を含む複数回の変動表示にわたって特定の楽曲を出力し、当選の回に相当する変動表示等において、サビの部分を出力させることができる可能性はあるものの、当選が確定する前に楽曲の出力を開始させることは、サビの部分を出力するタイミングが一定時間の後に到達してしまうこととなるので、楽曲の出力を開始するタイミングの設定が難しい。
特徴30に記載の遊技機によれば、遊技者に違和感を与えることなく抽選結果に対応した長時間の楽曲を出力可能な遊技機を提供することができる。
すなわち、抽選手段による抽選結果として所定の抽選に非当選である場合には、複数回の変動表示に跨がって第1ブロックが繰り返し出力され、所定の抽選に当選した場合であって当該当選に係る変動表示の前に実行された変動表示において第1ブロックが出力されている場合に、当該第1ブロックの後に、又は、当該第1ブロックに続けて所定の第3ブロックを出力させた後に、第1ブロックより盛り上がるように構成された第2ブロックが出力される。このため、所定の抽選に当選していない状況においては第1ブロックが繰り返し出力されることによって遊技者には所定の楽曲を楽しませることができる一方、所定の抽選に当選した場合には、第1ブロックより盛り上がるように構成された第2ブロックが出力されて遊技者に当選を期待させることができる。よって、静と動の流れを確実に形成することができ、遊技者に遊技を一層楽しませることができるし、所定の楽曲と、変動表示との関連性を深めて、遊技者に違和感を与えることなく遊技の進行状況に調和した所定の楽曲を出力可能とすることができる。
ここで、所定の楽曲とは、続けて演奏されるひとまとまりの曲により構成される楽曲としてもよく、ロック、ポップ等の歌を伴う曲において名前がつけられた1の楽曲(ナンバー)としてもよく、クラシック音楽や伝統音楽等の芸術音楽であってもよい。また、所定の楽曲は、2以上の楽曲を組み合わせて構成してもよく、これら複数の楽曲の一部を第2ブロックとして構成してもよく、2以上の楽曲の各々において第2ブロックとしての部位を設定することが好ましい。
なお、特徴30に記載の遊技機において、抽選手段による抽選結果に応じて表示される所定の動画像に対応した動画像データを記憶する動画記憶手段(動画記憶部602)と、該動画記憶手段に記憶された動画像データに基づいて所定の動画像を表示する動画表示手段(装飾図柄表示装置479)とを備えるものとしてもよい。
<特徴31>
特徴30に記載の遊技機において、
前記音楽記憶手段は、前記第3ブロックとして、前記第1ブロックと前記第2ブロックとを繋ぐ音楽により構成され、長さの相違する複数の第3ブロックを記憶し、
前記出力制御手段は、
前記所定の抽選に当選した当選結果が得られた場合、当該当選に係る変動表示の実行に合わせて前記第2ブロックを出力するように、前記複数の第3ブロックから1又は2以上の第3ブロックを選択して出力した後、前記第2ブロックを出力させる制御を行うことを特徴とする遊技機。
特徴31に記載の遊技機によれば、所定の抽選の当選に係る変動表示の実行に合わせて第2ブロックを出力できるため、所定の楽曲の中で第2ブロックを構成する音楽と変動表示の実行とがずれることによる違和感を遊技者に感じさせずに済み、遊技者に遊技を一層楽しませることができる。
<特徴32>
特徴30又は特徴31に記載の遊技機において、
前記音楽記憶手段は、前記第1ブロックとして、前記第2ブロック又は前記第3ブロックに繋がる複数の第1ブロックの終了時期を含む所定の楽曲に対応した音楽データ記憶することを特徴とする遊技機。
特徴32に記載の遊技機によれば、第1ブロックの終端部が複数あることにより、第2ブロック又は第3ブロックに繋がる箇所を増やすことができるので、変動表示の設定時間を多様にし易くすることができる。すなわち、第1ブロックの最後に必ずしも変動表示の終了タイミングを一致させなくても済むので、所定の当選があった場合に第2ブロックにスムースに繋がり易い構成とすることができる。よって、遊技者が飽きることなく遊技を楽しむことが可能な変動表示と所定の楽曲とを組み合わせた演出を実現し易くすることができる。
<特徴33>
特徴31に記載の構成を少なくとも含む特徴30〜32のいずれかに記載の遊技機において、
前記出力制御手段は、前記所定の抽選に当選した当選結果が得られた場合であって当該当選に係る変動表示の前に他の変動表示が実行されている場合には、当該当選に係る変動表示を開始する開始タイミングよりも前に、当該開始タイミングとの時間のずれが短くなる長さの音楽に対応するブロックとして、前記複数の第3ブロックから1又は2以上の第3ブロックを選択して出力することを特徴とする遊技機。
特徴33に記載の遊技機によれば、複数の第3ブロックから適切な長さの第3ブロックを選択して出力することができるため、当選に係る変動表示の開始タイミングと第2ブロックの出力開始とのタイミングを適切に合わせることができる。
<特徴34>
特徴33に記載の遊技機において、
前記出力制御手段は、前記選択された第3ブロックの出力が終了すると、前記開始タイミングを待たずに前記第2ブロックの出力を開始することを特徴とする遊技機。
特徴34に記載の遊技機によれば、間がなく自然な形で第2ブロックの出力を開始することができる。このため、例えば、遊技に注目していなかった遊技者に対して所定の楽曲のうちで盛り上がる第2ブロックを違和感なく自然な形で提供して当選に係る変動表示に対しての注目を促すことができる。
<特徴35>
特徴34に記載の遊技機において、
前記出力制御手段は、前記選択された第3ブロックの出力が終了すると、前記開始タイミングになるまで音楽が出力されない無音期間を経由し、前記開始タイミングに合わせて前記第2ブロックの出力を開始することを特徴とする遊技機。
特徴35に記載の遊技機によれば、当選に係る変動表示の開始タイミングと第2ブロックの出力開始のタイミングとを完全に一致させることができる。このため、所定の楽曲と、変動表示との関連性を深めることができるし、所定の楽曲が途切れた無音期間によって、遊技に注目していなかった遊技者に遊技の状況が変化したタイミングであることを示唆して、当選に係る変動表示に対しての注目を促すことができる。
<特徴36>
特徴30〜35のいずれかに記載の遊技機において、
前記音楽記憶手段は、前記第1ブロックのうち、中断可能な中断ポイントの位置を記憶し、
前記出力制御手段は、前記所定の抽選に当選した当選結果が得られた場合であって、前記所定の抽選の当選に係る変動表示の開始タイミングまでの時間が前記第1ブロックの終了時期までの時間よりも小さい場合には、前記中断ポイントで前記第1ブロックの出力を中断し、当該抽選の後に、前記第2ブロックを出力することを特徴とする遊技機。
特徴36に記載の遊技機によれば、第1ブロックの終了時期と、所定の抽選の当選に係る変動表示の開始タイミングとが大きくずれた場合であっても、短時間で第2ブロックの出力を開始可能としつつ、違和感の少ない楽曲の繋がりとすることができるため、変動表示と所定の楽曲における第2ブロックとを組み合わせた演出を実現し易くすることができる。
<特徴37>
特徴36に記載の遊技機において、
前記音楽記憶手段は、前記中断ポイントとして、出力を中断しても違和感の少ない第1中断ポイントと、途中で出力を中断すると前記第1中断ポイントより違和感の大きい第2中断ポイントとを記憶し、
前記出力制御手段は、前記第1中断ポイントで前記第1ブロックの出力を中断した場合には、その後に前記第2ブロックを出力し、前記第2中断ポイントで前記第1ブロックの出力を中断した場合には当該第1ブロックの中断の後に所定の間奏ブロックを出力してから前記第2ブロックを出力することを特徴とする遊技機。
特徴37に記載の遊技機によれば、中断ポイントをたくさん設定できると共に、違和感なく曲静寂部を中断し、かつできるだけ早く曲盛賑部の出力を開始できるため、曲盛賑部の出力を逃すことなく適切に行うことができる。
<特徴40>
遊技球を供給する供給部(供給口331A)と、
該供給部から供給された遊技球を斜め上方向側へ誘導する誘導手段(誘導部材335)と、
該誘導手段が第1面(第1面701A)側に設けられると共に貫通孔が設けられた主板部(本体板701)と、
該主板部の貫通孔を貫通する位置に配置されて回動動作可能な部位であって、該主板部における前記第1面側と、該第1面とは反対の第2面(第2面701B)側とに連続する回動軸部(回転軸702)と、
前記第1面側に配置されて前記回動軸部と共に動作し、前記誘導手段に供給された遊技球に接触して前記誘導手段によって誘導される斜め上方向側へ遊技球を進行させる球作用部(打突回転部材710の槌部711)と、
前記第2面側に配置されたコイル部材(コイル730)と、
該コイル部材の内部に少なくとも一部が配置された鉄心部材(鉄心731)と、
前記第2面側に配置されて前記回動軸部と共に動作し、前記コイル部材に電流が流れて生じる磁力の作用で前記鉄心部材に近づく方向側に引き寄せられる先端部(突起部752)と、該先端部と前記回動軸部とを接続する腕部(主軸部751)とを有する磁力作用部(磁力回転部材720)とを備えていることを特徴とする遊技機。
特徴40に記載の遊技機によれば、球作用部と、磁力作用部とが、主板部の第1面側と、その反対の第2面側とに別々に設けられているので、誘導手段によって誘導される遊技球の誘導方向に応じて配置が定まる球作用部の設計レイアウトの制限が少ない状態で、磁力作用部を配置することができる。すなわち、主板部の第1面側に回動軸部の回転によって遊技球に作用して斜め上方向側へ進行させる球作用部を、第2面側に電磁石の原理を利用して球作用部を回転動作させる駆動機構を別々に設けることができるため、主板部の第1面側と第2面側とのスペースを有効に活用し、他の部材の配置が容易で、且つ、遊技球を斜め上方向側へ進行させる発射力を高く設定し易くした遊技機とすることができる。
なお、球作用部は、遊技球から離間した位置から球作用部が遊技球に近づく方向側に進行し、遊技球に一時的に接触する打突(打撃)により遊技球に作用して遊技球を発射する構成としてもよいし、遊技球が球作用部に接触した状態から球作用部が誘導手段によって遊技球が誘導される方向側へ移動することで遊技球を押して進行させることにより遊技球に作用して遊技球を発射する構成としてもよい。
また、誘導手段は、遊技球が流下する遊技領域へ向けて水平方向に対して所定の角度で傾斜した斜め上方向側へ、供給部から供給された遊技球を誘導するものとしてもよい。
また、球作用部と誘導手段との少なくとも一方は、回動軸部に対して磁力作用部と鉄心部材との少なくとも一方が配置される方向と同方向側に配置されることが好ましく、球作用部と誘導手段との少なくとも一方が磁力作用部と鉄心部材との少なくとも一方と、主板部の第1面と第2面とが重なる方向視(例えば、正面視)において重なるように配置することが好適である。これにより、主板部の第1面と第2面とが重なる所定の方向視(例えば、正面視)における球作用部と誘導手段との配置される領域内に磁力作用部と鉄心部材との少なくとも一部が配置されることとなるので、発射機構を小型化し易くすることができる。
<特徴41>
遊技球を供給する供給部(供給口331A)と、
該供給部から供給された遊技球を斜め上方向側へ誘導する誘導手段(誘導部材335)と、
該誘導手段が第1面(第1面701A)側に設けられると共に貫通孔が設けられた主板部(本体板701)と、
該主板部の貫通孔を貫通する位置に配置されて回動動作可能な部位であって、該主板部における前記第1面側と、該第1面とは反対の第2面(第2面701B)側とに連続する回動軸部(回転軸702)と、
前記第1面側に配置されて前記回動軸部と共に動作し、前記誘導手段に供給された遊技球に接触して前記誘導手段によって誘導される斜め上方向側へ遊技球を進行させる球作用部(打突回転部材710の槌部711)と、
前記第2面側に配置されたコイル部材(コイル730)と、
該コイル部材の内部に少なくとも一部が配置された鉄心部材(鉄心731)と、
前記第2面側における前記回動軸部の回動中心から離間する位置に配置されて前記回動軸部と共に動作し、前記コイル部材に電流が流れて生じる磁力の作用で前記鉄心部材に近づく方向側に引き寄せられる先端部と、該先端部と前記回動軸部とを接続する腕部とを有する磁力作用部(磁力回転部材720)とを備え、
前記球作用部が前記回動軸部の回動中心から離間する距離を第1距離(距離R1)とし、前記磁力作用部の先端部が前記回動軸部の回動中心から離間する距離を第2距離(距離R2)とした場合に、前記第1距離が前記第2距離以上となる位置に、前記球作用部と前記磁力作用部の先端部とが設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴41に記載の遊技機によれば、球作用部と、磁力作用部とが、主板部の第1面側と、その反対の第2面側とに別々に設けられているので、誘導手段によって誘導される遊技球の誘導方向に応じて配置が定まる球作用部の設計レイアウトの制限が少ない状態で、磁力作用部を配置することができる。
また、第2距離が第1距離以上に大きく設定されているので、磁力作用部の回動動作に応じた回動トルクを増大させることができるため、球作用部を含む回動動作する部位全体を回動し易くすることができる。このため、遊技球に作用する球作用部を重く構成しても素早い動作を可能にして球作用部が遊技球に接触して遊技球を発射する発射力を必要十分に確保し易くし、且つ、球作用部は回動軸部の回動中心に近い位置に配置し易くして、その分、遊技領域を大型化し易くする等、他の部材を配置し易くすることができる。
なお、特徴41に記載の遊技機におけるコイル部材と鉄心部材と磁力作用部とを、主板部の第2面側でなく第1面側に配置する構成としてもよく、この場合でも、遊技球を発射する発射力を必要十分に確保し易く、且つ、他の部材を配置し易くすることができる。
<特徴42>
特徴40又は特徴41に記載の遊技機において、
前記鉄心部材は、
前記コイル部材の外部に配置されている外鉄心部を有し、該外鉄心部の少なくとも一部が、前記誘導手段による遊技球の誘導経路と略平行に連続するように配置されていることを特徴とする遊技機。
特徴42に記載の遊技機によれば、誘導手段による遊技球の誘導経路と外鉄心部との相対位置が変化する区間を短く構成することができるため、コイル部材が所定の通電状態とされて鉄心部材が所定量以上の磁力を帯びた作動状態で、外鉄心部が誘導手段によって誘導される遊技球の進行に与える影響を低減できる。また、誘導経路に沿った方向側に外鉄心部が連続する構成となるので、外鉄心部と、誘導手段とを大きく形成しても、主板部の両面に効率よくコンパクトに配置することができ、発射装置を小型化して他の部材を配置し易くすることができる。
<特徴43>
特徴40〜特徴42のいずれかに記載の遊技機において、
前記磁力作用部は、
前記先端部に前記コイル部材が位置する側へ向かって突出する台形状の突出部を有し、
前記鉄心部材の一部として前記コイル部材の内部に設けられる内鉄心部には、前記突出部よりもわずかに大きい台形状の凹部が形成されていることを特徴とする遊技機。
特徴43に記載の遊技機によれば、突出部及び凹部がない場合と比較して、通常位置における台形状の突出部の先端と凹部の周囲部分との距離を近く設定することができ、コイル部材及び内鉄心部から磁力作用部に与える磁力の影響を大きくでき、迅速に磁力作用部の先端部をコイル部材側へ引き寄せることができる。
<特徴44>
特徴40〜特徴43のいずれかに記載の遊技機において、
前記球作用部に対して該球作用部より前記回動部材の回動中心から離間した側に連続して設けられた球作用部側先端部と、
該球作用部側先端部が当接可能に設けられ、該球作用部側先端部が当接することにより前記球作用部の回動動作を留めるストッパ部とが設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴44に記載の遊技機によれば、球作用部より回動中心から離間した側に設けられたストッパ部によって球作用部の回動動作を少ない接触力で留めることができるので、球作用部と球作用部側先端部とを簡単に作動位置(打突位置)に停留させる制御を実現することができ、且つ、小型化し易くすることができる。
<特徴50>
遊技球を供給する供給部(供給口331A)と、
該供給部から供給された遊技球を斜め上方向側へ誘導する誘導手段(誘導部材335)と、
該誘導手段が第1面(第1面701A)側に設けられると共に貫通孔が設けられた主板部(本体板701)と、
該主板部の貫通孔を貫通する位置に配置されて回動動作可能な部位であって、該主板部における前記第1面側と、該第1面とは反対の第2面(第2面701B)側とに連続する回動軸部(回転軸702)と、
前記第1面側に配置されて前記回動軸部と共に動作し、前記誘導手段に供給された遊技球に接触して前記誘導手段によって誘導される斜め上方向側へ遊技球を進行させる球作用部(打突回転部材710の槌部711)と、
前記第2面側に配置されたコイル部材(コイル760)と、
該コイル部材の内部に配置された内鉄心部と、前記コイル部材の外部に配置された外鉄心部とを有する鉄心部材(鉄心761)と、
前記第2面側に配置されて前記回動軸部と共に動作し、前記コイル部材に電流が流れて生じる磁力の作用で前記鉄心部材に近づく方向側に引き寄せられる先端部(突起部752)と、該先端部と前記回動軸部とを接続する腕部(主軸部751)とを有する磁力作用部(磁力回転部材750)とを備え、
前記鉄心部材の外鉄心部は、
前記回動軸部の回動中心に対して前記内鉄心部より離間した外側に延びて連続する形状とされ、前記内鉄心部に対しては当該外側を経由して前記内鉄心部に連続する形状とされていることを特徴とする遊技機。
特徴50に記載の遊技機によれば、前記回動軸部の回動中心に対して内鉄心部の外側を経由して外鉄心部が延びることにより、外鉄心部を十分に長く形成しつつ、内鉄心部と外鉄心部とを含む鉄心部材と、磁力作用部とを回動中心に対して一方側にまとめてコンパクトに配置することができる。
なお、特徴50に記載の遊技機においては、前記主板部の第1面と第2面とが重なる所定の方向視にて誘導手段又は誘導手段による遊技球の誘導経路と、外鉄心部とが重なる配置とすることが好ましく、これにより、鉄心部材と、磁力作用部と、誘導手段とを回動軸部の回動中心に対して誘導手段が位置する一方側にまとめて配置することができ、一層コンパクトに発射装置を構成することができる。
<特徴51>
特徴50に記載の遊技機において、
前記鉄心部材の外鉄心部は、前記内鉄心部に一端側が連続し、他端側が前記回動軸部へ接続されていることを特徴とする遊技機。
特徴51に記載の遊技機によれば、磁力作用部の全体を磁石化し易くすることができるため、磁力によって球作用部を動作させるための力を増大させて、高い発射力を出力し易くすることができる。
<特徴52>
特徴50又は特徴51に記載の遊技機において、
前記磁力作用部は、
前記主板部の第1面と第2面とが重なる所定の方向視にて、前記コイル部材に流れる電流が所定の通電状態に比べて少量か又は非通電の状態とされた非作動状態に対応した通常位置において前記誘導手段と重なる形状とされ、前記コイル部材が前記所定の通電状態とされて前記鉄心部材が所定量以上の磁力を帯びた作動状態に対応した作動位置においては前記非作動状態と比べて前記誘導手段と重ならない形状とされていることを特徴とする遊技機。
特徴52に記載の遊技機によれば、非作動状態においては磁力作用部を誘導手段と近接して配置することができるので、磁力作用部と誘導手段とをコンパクトに配置可能とし、且つ、作動位置(打突位置)においては誘導手段に誘導される遊技球に対しての磁力の影響を少なく抑えて発射された遊技球に与える磁力の影響を抑制することができる。
<特徴53>
特徴50〜特徴52のいずれかに記載の遊技機において、
前記磁力作用部は、前記回動中心から離間した外側端部が先細り形状とされ、前記主板部の第1面と第2面とが重なる所定の方向視にて、前記コイル部材が所定の通電状態とされて前記鉄心部材が所定量以上の磁力を帯びた作動状態に対応した作動位置において前記誘導手段と重ならない構成とされていることを特徴とする遊技機。
特徴53に記載の遊技機によれば、磁力作用部の外側端部が先細り形状とされているので、作動位置(打突位置)における磁力作用部の外側端部を誘導手段から離隔し易くすることができ、作動位置(打突位置)における誘導手段に対しての磁力の影響を一層少なく抑えることができる。
<特徴54>
特徴50〜特徴53のいずれかに記載の遊技機において、
前記外鉄心部は、前記主板部の第1面と第2面とが重なる所定の方向視にて、前記誘導手段における前記遊技領域に近い側において当該誘導手段と重なることを特徴とする遊技機。
特徴54に記載の遊技機によれば、球作用部によって斜め上方向側に進行させられた遊技球が一定以上の進行をする間に外鉄心部が磁力を失うようにすることができるので、誘導手段に対しての磁力の影響を少なく抑えて遊技球に与える磁力の影響を一層抑制することができる。
<特徴60>
遊技球を供給する供給部(供給口331A)と、
該供給部から供給された遊技球を斜め上方向側へ誘導する誘導手段(誘導部材335)と、
該誘導手段が第1面(第1面701A)側に設けられると共に貫通孔が設けられた主板部(本体板701)と、
該主板部の貫通孔を貫通する位置に配置されて回動動作可能な部位であって、該主板部における前記第1面側と、該第1面とは反対の第2面(第2面701B)側とに連続する回動軸部(回転軸702)と、
前記第1面側に配置されて前記回動軸部と共に動作し、前記誘導手段に供給された遊技球に接触して前記誘導手段によって誘導される斜め上方向側へ遊技球を進行させる球作用部(打突回転部材710の槌部711)と、
前記第2面側に配置されたコイル部材(コイル730)と、
該コイル部材の内部に少なくとも一部が配置された鉄心部材(鉄心731)と、
前記第2面側における前記回動軸部の回動中心から離間する位置に配置されて前記回動軸部と共に動作し、前記コイル部材に電流が流れて生じる磁力の作用で前記鉄心部材に近づく方向側に引き寄せられる先端部(突起部722)と、該先端部と前記回動軸部とを接続する腕部とを有する磁力作用部(磁力回転部材720)とを備え、
該磁力作用部として、
前記腕部が略水平方向側に連続するように配置され、前記先端部が前記コイル部材の内部に引き寄せられると、前記先端部が下から上へ持ち上がるように前記腕部が回動動作する磁力作用部を有することを特徴とする遊技機。
特徴60に記載の遊技機によれば、球作用部と、磁力作用部とが、主板部の第1面側と、その反対の第2面側とに別々に設けられているので、誘導手段によって誘導される遊技球の誘導方向に応じて配置が定まる球作用部の設計レイアウトの制限が少ない状態で、磁力作用部を配置することができる。また、コイル部材に電流が流れて鉄心部材が所定量以上の磁力を帯び、先端部が鉄心部材に近づいた作動状態と、コイル部材に流れる電流が作動状態に比べて少量か又は非通電の状態とされた非作動状態との移行の際に、磁力作用部の自重を効率よく利用して発射装置としての性能に利用することができる。
すなわち、略水平方向側に連続するように配置した磁力作用部の自重を利用して球作用部及び回動軸部に回動力を効率よく発生させることができる。このため、球作用部を通常位置(待機位置)へ移動させるための弾性部材などの助力を不要にしたり、又は、その助力を少量にし易くしたりして、簡易な構成で作動状態によって形成した作動位置(打突位置)から通常位置へとスムーズにかつ確実に球作用部を移動させることができる。
<特徴61>
遊技球を供給する供給部(供給口331A)と、
該供給部から供給された遊技球を斜め上方向側へ誘導する誘導手段(誘導部材335)と、
該誘導手段が第1面(第1面701A)側に設けられると共に貫通孔が設けられた主板部(本体板701)と、
該主板部の貫通孔を貫通する位置に配置されて回動動作可能な部位であって、該主板部における前記第1面側と、該第1面とは反対の第2面(第2面701B)側とに連続する回動軸部(回転軸702)と、
前記第1面側に配置されて前記回動軸部と共に動作し、前記誘導手段に供給された遊技球に接触して前記誘導手段によって誘導される斜め上方向側へ遊技球を進行させる球作用部(打突回転部材710の槌部711)と、
前記第2面側に配置されたコイル部材(コイル730)と、
該コイル部材の内部に少なくとも一部が配置された鉄心部材(鉄心731)と、
前記第2面側における前記回動軸部の回動中心から離間する位置に配置されて前記回動軸部と共に動作し、前記コイル部材に電流が流れて生じる磁力の作用で前記鉄心部材に近づく方向側に引き寄せられる先端部(突起部752)と、該先端部と前記回動軸部とを接続する腕部とを有する磁力作用部(磁力回転部材750)とを備え、
該磁力作用部として、
前記腕部が略鉛直方向側に連続するように配置され、前記先端部が前記コイル部材の内部に引き寄せられると、前記先端部が下がるように前記腕部が回動動作する磁力作用部を有することを特徴とする遊技機。
特徴61に記載の発明によれば、球作用部と、磁力作用部とが、主板部の第1面側と、その反対の第2面側とに別々に設けられているので、誘導手段によって誘導される遊技球の誘導方向に応じて配置が定まる球作用部の設計レイアウトの制限が少ない状態で、磁力作用部を配置することができる。また、コイル部材に電流が流れて先端部が鉄心部材に近づいた作動状態と、コイル部材に流れる電流が作動状態に比べて少量か又は非通電の状態とされた非通電状態との移行の際に、磁力作用部の自重を効率よく利用して発射装置を低コストにしたり、小型化したりし易くすることができる。
すなわち、磁力作用部の自重を発射力に対しての助力として利用し、且つ、作動位置から通常位置への遷移においては磁力作用部の自重による影響を少なくして、球作用部を含む第1面側に設けられる部材の自重で通常位置へ回動可能とするなど、通常位置への復帰に際して必要な力を少なくすることができる。
なお、腕部が略鉛直方向側に連続するように配置されるとは、鉛直方向に連続するように配置される場合の他、鉛直方向に対して僅かに、例えば、略15度以下で傾斜した方向側に連続する場合を含み、略10度以下で傾斜した方向側に連続する場合が好ましい。
<特徴62>
特徴60又は特徴61に記載の遊技機において、
前記磁力作用部として、
前記コイル部材に流れる電流が作動状態に比べて少量か又は非通電の状態とされた非作動状態において鉛直方向に略平行な磁力作用部を備え、
該磁力作用部は、前記作動状態において前記非作動状態より水平方向に近い側に傾いて配置されることを特徴とする遊技機。
特徴62に記載の遊技機によれば、非作動状態から作動状態への移行の際には、磁力作用部の自重を助力として回転力を高めることができると共に、作動状態から非作動状態への移行において磁力作用部の自重による影響を少なくして非作動状態への移行(復帰)に必要な力を少なくすることができ、例えば、弾性部材を設けずに、球作用部を含む第1面側に設けられる部材の自重で非作動状態へ移行させることができる。
なお、非作動状態において鉛直方向に略平行な磁力作用部とは、鉛直方向に平行な場合の他、鉛直方向に対して僅かに、例えば、略15度以下で傾斜する場合を含み、略10度以下で傾斜することが好ましい。
<特徴63>
特徴60〜特徴62に記載の遊技機において、
前記コイル部材から一部が突出するように固定された弾性部を有することを特徴とする遊技機。
特徴63に記載の遊技機によれば、作動状態から非作動状態への移行する場合において静摩擦係数により最も大きな力が必要な動き始めのときに弾性部による助力を使うことができるため、通常位置への遷移を確実且つ迅速に行うことができる。
<特徴64>
特徴60〜特徴63のいずれかに記載の遊技機において、
前記磁力作用部の腕部は、
前記コイル部材に流れる電流が作動状態に比べて少量か又は非通電の状態とされた非作動状態に比べて、前記作動状態において、前記誘導手段と略平行に近い方向側に連続することを特徴とする遊技機。
特徴64に記載の遊技機によれば、作動状態への遷移の際に磁力作用部の自重を活用しつつ、作動状態において磁力作用部が磁気を帯びることによって誘導手段によって誘導される遊技球への磁力の影響を抑制することができる。
<特徴65>
特徴60〜特徴64のいずれかに記載の遊技機において、
前記作動状態において、前記鉄心部材の一端側に前記磁力作用部の回動中心から離間した一部が近づくか又は接触し、前記鉄心部材の他端側に前記磁力作用部の回動中心に近い一部が近接又は接触して、ループを形成することを特徴とする遊技機。
特徴65に記載の遊技機によれば、極力コンパクトな形状で磁力回転部材を磁石化することができ、発射力を高め易くすることができる。
なお、特徴10〜65に記載の少なくとも1つの特徴を他のいずれか又は複数の特徴に組み合わせて適用しても良い。以下には、上記した各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ機:遊技者が操作する発射操作手段と、その発射操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を
の遊技領域に導く通路部と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:始動操作手段の操作に基づき周回体の回転を開始させ、停止操作手段の操作に基づき周回体の回転を停止させ、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
以上のように、この発明は、弾球遊技機等の遊技機に適している。
100 :パチンコ機
330,330x,330y:発射装置
331 :球送り機構
331A :供給口
332 :球送りソレノイド
333 :発射機構
335 :誘導部材
335A :下端部
701 :本体板
701A :第1面
701B :第2面
702 :回転軸
709 :球止め
710 :打突回転部材
711 :槌部
712 :先端部
712A :先端外側
712B :先端内側
713 :回転主軸部
714 :第1固定回転部
718,748:固定具
719 :レバーストッパ
719A :中央部
719B :上部ストッパ
719C :下部ストッパ
720,750:磁力回転部材
721,751:主軸部
722,752:突起部
723,753:先端部
725,755:第2固定回転部
730,760:コイル
731,761,761y:鉄心
732,762,762y:外鉄心
732A :延設部
732B :平行部
733,763:内鉄心
733A :凹み
733B :周縁部
745,775,775y:駆動機構
751A :外側面

Claims (2)

  1. 遊技球を供給する供給部と、
    該供給部から供給された遊技球を斜め上方向側へ誘導する誘導手段と、
    該誘導手段が第1面側に設けられると共に貫通孔が設けられた主板部と、
    該主板部の貫通孔を貫通する位置に配置されて回動動作可能な部位であって、該主板部における前記第1面側と、該第1面とは反対の第2面側とに連続する回動軸部と、
    前記第1面側に配置されて前記回動軸部と共に動作し、前記誘導手段に供給された遊技球に接触して前記誘導手段によって誘導される斜め上方向側へ遊技球を進行させる球作用部と、
    前記第2面側に配置されたコイル部材と、
    該コイル部材の内部に少なくとも一部が配置された鉄心部材と、
    前記第2面側における前記回動軸部の回動中心から離間する位置に配置されて前記回動軸部と共に動作し、前記コイル部材に電流が流れて生じる磁力の作用で前記鉄心部材に近づく方向側に引き寄せられる先端部と、該先端部と前記回動軸部とを接続する腕部とを有する磁力作用部とを備え、
    該磁力作用部として、
    前記腕部が略水平方向側に連続するように配置され、前記先端部が前記コイル部材の内部に引き寄せられると、前記先端部が下から上へ持ち上がるように前記腕部が回動動作する磁力作用部を有することを特徴とする遊技機。
  2. 前記遊技機は、パチンコ機あることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
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