以下、遊技機としてのパチンコ遊技機の一実施形態を説明する。この明細書における上、下、左、右、前(表)、及び後(裏)は、遊技者から見たときの各方向を示すものとする。
図1に示すように、遊技機としてのパチンコ遊技機は、枠体WTを備えている。枠体WTは、遊技店などの島設備に固定される第1枠WT1と、第1枠WT1に対して開閉が可能に軸支された第2枠WT2と、を備えている。装飾枠としての第2枠WT2は、パチンコ遊技機に搭載された遊技部品を保護するための保護ガラス板(図示せず)を備えている。
パチンコ遊技機は、枠体WTの前面側に、発射ハンドルHDを備えている。パチンコ遊技機では、発射ハンドルHDの操作量(回動量)に応じた強度にて、遊技媒体としての遊技球が発射される。なお、遊技者により握持される発射ハンドルHDがパチンコ遊技機の中心から右側に設けられていることから、遊技者がパチンコ遊技機の中心から右側寄りにいる傾向がある。
パチンコ遊技機は、枠体WTの前面側に、発射させる遊技球を保持(貯留)するための上皿を有する上皿部UZを備えている。上皿部UZには、遊技者により操作可能な演出ボタンBTが設けられている。また、パチンコ遊技機は、枠体WTの前面側に、払い出された遊技球を保持(貯留)するための下皿を有する下皿部SZを備えている。下皿部SZは、上皿部UZよりも下方に設けられている。
パチンコ遊技機は、枠体WTの前面側に、装飾ランプLAを備えている。装飾ランプLAは、演出の1つとして、内蔵された発光体を発光、点滅、及び消灯させる演出を行う。
パチンコ遊技機には、第1スピーカSP1、第2スピーカSP2及び第3スピーカSP3を含むスピーカSPが内蔵されている。これら音出力手段としてのスピーカSPは、演出の1つとして、人や動物の声を含む効果音や背景音などの音声を出力する演出を行う。
パチンコ遊技機は、枠体WT(第2枠WT2)の前面側(前面部)に、スピーカSPから出力される音声を放出させるための放音孔が形成された放音部HOを備えている。このため、遊技者からみて正面側に設けられた放音孔を介してスピーカSPからの音が放出されることとなる。なお、放音部HOが第2枠WT2に設けられたが、第1枠WT1に設けられていてもよく、それらの組み合わせであってもよい。つまり、装飾枠として第1枠WT1を採用しても、枠体WTを採用してもよい。
具体的に、放音部HOには、第1放音部HO1と、第2放音部HO2と、第3放音部HO3とがある。第1放音部HO1には、第1スピーカSP1から出力される音声を放出させるための第1放音孔が形成されている。第2放音部HO2には、第2スピーカSP2から出力される音声を放出させるための第2放音孔が形成されている。第3放音部HO3には、第3スピーカSP3から出力される音声を放出させるための第3放音孔が形成されている。
パチンコ遊技機は、略四角板状の部材である遊技盤YBを備えている。遊技盤YBは、第2枠WT2に組み付けられている。遊技盤YBは、前面側に、遊技球が流下(転動)可能な遊技領域YRを備えている。
遊技盤YBには、複数の発光部を有する第1特別図柄表示装置11が設けられている。第1特別図柄表示装置11では、複数種類の特別図柄(第1特別図柄、第1図柄)を変動させて表示する変動ゲーム(図柄変動ゲーム、第1図柄変動ゲーム)が行われる。以下の説明では、単に「第1変動ゲーム」と示す場合、第1特別図柄表示装置11で行われる変動ゲームを指すものとする。
遊技盤YBには、複数の発光部を有する第2特別図柄表示装置12が設けられている。第2特別図柄表示装置12では、複数種類の特別図柄(第2特別図柄、第2図柄)を変動させて表示する変動ゲーム(図柄変動ゲーム、第2図柄変動ゲーム)が行われる。以下の説明では、単に「第2変動ゲーム」と示す場合、第2特別図柄表示装置12で行われる変動ゲームを指すものとする。このように、特別図柄を変動及び確定停止表示させる変動ゲームには、第1変動ゲームと第2変動ゲームとがある。第1変動ゲームと第2変動ゲームとは、同時に実行されない。
各特別図柄表示装置11,12では、複数種類の特別図柄のうち大当り抽選の抽選結果に対応する1つの特別図柄が変動ゲームの終了に伴い確定停止表示(導出)される。特別図柄には、大当りを認識し得る大当り図柄(大当り表示結果)と、はずれを認識し得るはずれ図柄(はずれ表示結果)とがある。大当り図柄が確定停止表示された場合、大当り遊技が付与される。
遊技盤YBには、演出画像を表示する画像表示部GHを有する演出表示装置16が設けられている。演出表示装置16では、変動ゲームに関連する表示演出が行われ、具体的には、複数種類の演出図柄(所謂「飾り図柄」)を複数列(本実施形態では3列)で変動させて表示する演出図柄変動ゲームが行われる。
ゲーム実行部としての演出表示装置16では、変動ゲームが開始すると、予め定めた変動方向(縦スクロール方向)に沿って各列の演出図柄が変動表示(変動)される。演出表示装置16では、演出図柄が確定停止表示される前に、リーチの図柄組み合わせとなり、リーチ状態を形成する場合がある。リーチの図柄組み合わせとしては、演出表示装置16における複数列のうち特定列(本実施形態では左列と右列)の演出図柄が同一種類となって一旦停止表示され、特定列以外の列(本実施形態では中列)の演出図柄が変動表示されている図柄組み合わせが規定されている。
演出表示装置16には、各特別図柄表示装置11,12の表示結果に応じた図柄組み合わせが確定停止表示される。より詳しくは、各特別図柄表示装置11,12に大当り図柄が確定停止表示される場合には、演出表示装置16にも大当りの図柄組み合わせが確定停止表示される。各特別図柄表示装置11,12にはずれ図柄が確定停止表示される場合には、演出表示装置16にもはずれの図柄組み合わせが確定停止表示される。なお、本実施形態において、大当りの図柄組み合わせとしては、全列の演出図柄が同一種類となる図柄組み合わせが、はずれの図柄組み合わせとしては、全列の演出図柄が同一種類とならない図柄組み合わせがそれぞれ規定されている。
なお、本実施形態において、「変動表示」とは、特別図柄や演出図柄の種類が変化している状態であり、「確定停止表示」とは、特別図柄や演出図柄が確定停止している状態である。また、「一旦停止表示」とは、演出図柄が揺れ変動状態で表示されている状態である。
演出表示装置16は、各特別図柄表示装置11,12と比較して大きい表示領域で構成され、演出図柄は、特別図柄に比較して遥かに大きく表示される。このため、演出表示装置16に確定停止表示された図柄組み合わせから大当り又ははずれが遊技者により認識可能となる。
遊技盤YBには、遊技球が入球可能な第1始動入賞口21が設けられている。第1始動入賞口21の奥方には、第1始動入賞口21へ入球した遊技球を検知する第1始動センサSE1(図3参照)が設けられている。第1始動入賞口21に入球した遊技球が第1始動センサSE1により検知されたことを契機に、第1変動ゲームの始動条件が付与され得るとともに、予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件が付与される。
遊技盤YBには、遊技球が入球可能な第2始動入賞口22aが設けられている。第2始動入賞口22aの奥方には、第2始動入賞口22aへ入球した遊技球を検知する第2始動センサSE2(図3参照)が設けられている。第2始動入賞口22aに入球した遊技球が第2始動センサSE2により検知されたことを契機に、第2変動ゲームの始動条件が付与され得るとともに、予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件が付与される。
第2始動入賞口22aには、普通電動役物アクチュエータFDA(図3参照)の作動により第2始動入賞口22aの開閉動作を行う開閉部材22b(普通電動役物)が設けられている。開閉部材22bは、第2始動入賞口22aに遊技球が入球不能な(入球が規制された)閉状態と、遊技球が入球可能な(入球が許容された)開状態とに動作する。開閉部材22bは、予め定めた開放条件が成立すると、所定の開放態様で開状態に動作する。
遊技盤YBには、遊技球が入球可能な大入賞口23aが設けられている。大入賞口23aの奥方には、大入賞口23aへ入球した遊技球を検知するカウントセンサSE3(図3参照)が設けられている。大入賞口23aに入球した遊技球がカウントセンサSE3により検知されたことを契機に、予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件が付与される。
大入賞口23aには、大入賞口アクチュエータDA(図3参照)の作動により大入賞口23aの開閉動作を行う大入賞口扉23b(特別電動役物)が設けられている。大入賞口扉23bは、大入賞口23aに遊技球が入球不能な(入球が規制された)閉状態と、遊技球が入球可能な(入球が許容された)開状態とに動作する。大入賞口扉23bは、予め定めた開放条件が成立すると、所定の開放態様で開状態に動作する。
大当り遊技が付与されると、付与された大当り遊技の種類に応じて大入賞口扉23bが開状態に動作され、大入賞口23aが開状態となり、大入賞口23aへの遊技球の入球が許容される。このため、大当り遊技が付与されると、多数の賞球を獲得できる機会を遊技者に与えることができ、遊技者に有利な状態(遊技)となる。
遊技盤YBには、第1保留表示装置13が設けられている。第1保留表示装置13は、実行が保留されている第1変動ゲームの数を表示するものである。具体的には、第1保留表示装置13は、第1始動入賞口21に遊技球が入球することにより第1変動ゲームの始動条件が成立した一方で、第1変動ゲームの実行条件が未だ成立していないことから実行が保留されている第1変動ゲームの数、所謂、第1始動保留の記憶数(以下、第1保留記憶数)を表示する。
遊技盤YBには、第2保留表示装置14が設けられている。第2保留表示装置14は、実行が保留されている第2変動ゲームの数を表示するものである。具体的には、第2保留表示装置14は、第2始動入賞口22aに遊技球が入球することにより第2変動ゲームの始動条件が成立した一方で、第2変動ゲームの実行条件が未だ成立していないことから実行が保留されている第2変動ゲームの数、所謂、第2始動保留の記憶数(以下、第2保留記憶数)を表示する。
遊技盤YBには、普通図柄表示装置15が設けられている。普通図柄表示装置15では、複数種類の普通図柄を変動させて表示する普通図柄変動ゲームが行われる。以下の説明では、単に「普図」と示す場合、普通図柄を指すものとし、単に「普図ゲーム」と示す場合、普通図柄変動ゲームを指すものとする。普図ゲームと変動ゲームとは、同時に実行できる。
普通図柄表示装置15では、複数種類の普図のうち普通当り抽選の抽選結果に対応する1つの普図が普図ゲームの終了に伴い確定停止表示される。普図には、普通当りを認識し得る普通当り図柄と、普通はずれを認識し得る普通はずれ図柄とがある。普通当り図柄が確定停止表示された場合、普通当り遊技が付与される。
遊技盤YBには、遊技球が入球(通過)可能な作動ゲート25が設けられている。作動ゲート25には、入球した遊技球を検知するゲートセンサSE4(図3参照)が設けられている。作動ゲート25を通過した遊技球がゲートセンサSE4により検知されたことを契機に、普図ゲームの始動条件が付与され得る。
普通当り遊技が付与されると、開閉部材22bが開状態に動作され、第2始動入賞口22aが開状態となり、第2始動入賞口22aへの遊技球の入球が許容される。このため、普通当り遊技が付与されると、第2始動入賞口22aに遊技球を入球させやすくなり、第2変動ゲームの始動条件と賞球を容易に獲得できる機会を遊技者に与えることができる。
本実施形態のパチンコ遊技機は、遊技者に有利な遊技状態として、大当り抽選の確率変動状態を備えている。大当り抽選の確率変動状態(高確率状態)は、大当り抽選の確率変動状態ではない遊技状態(低確率状態)に比して、大当り抽選で大当りに当選する大当り確率が高確率に変動する遊技状態である。本実施形態において大当り抽選の確率変動状態は、予め決められた確率変動終了条件が成立するまで付与される。以下の説明では、単に「確率変動状態」又はこれを略して「確変状態」と示す場合、大当り抽選の確率変動状態を指すものとし、「非確率変動状態」又はこれを略して「非確変状態」と示す場合、大当り抽選の確率変動状態ではない遊技状態を指すものとする。
本実施形態のパチンコ遊技機は、遊技者に有利な遊技状態として、高ベース状態を備えている。高ベース状態は、高ベース状態ではない低ベース状態に比して、第2始動入賞口22aへ遊技球が入球し易い遊技状態である。高ベース状態は、所謂「電サポ状態」である。
例えば、高ベース状態は、次に示す3つの制御のうち任意に選択された1の制御を実行することにより、又は複数の制御を組み合わせて実行することにより実現できる。第1の制御は、普図ゲームの変動時間を、低ベース状態のときよりも短くする普図ゲームの変動時間短縮制御である。第2の制御は、普通当り抽選に当選する確率(普通当り確率)を、低ベース状態のときよりも高確率に変動させる普通当り抽選の確率変動制御である。第3の制御は、普通当り抽選に当選したことに基づく開閉部材22bの合計開放時間を、低ベース状態のときよりも長くする開放時間延長制御である。なお、開放時間延長制御としては、普通当り抽選に当選したことに基づく開閉部材22bの開放回数を低ベース状態のときよりも多くする制御、及び普通当り抽選に当選したことに基づく開閉部材22bの1回の開放時間を低ベース状態のときよりも長くする制御のうち、少なくとも一方の制御を実行するとよい。また、本実施形態において、高ベース状態では、第4の制御が実行される。第4の制御は、変動ゲームの変動時間(例えば平均の変動時間)を低ベース状態のときよりも短くなり易くする変動ゲームの変動時間短縮制御である。変動ゲームの変動時間短縮制御を実行する場合、高ベース状態は、所謂「変動時間短縮状態」となる。本実施形態において高ベース状態は、予め決められた高ベース終了条件が成立するまで付与される。なお、高ベース状態は、確変状態中にも付与される場合がある。つまり、確変状態と高ベース状態とは重複して付与可能な遊技状態である。
本実施形態では、演出表示装置16の下方に第1始動入賞口21が設けられており、遊技盤YBの左側の第1流路Xを流下させたほうが、遊技盤YBの右側の第2流路Yを流下させるよりも遊技球が入球し易くなる。このため、第2始動入賞口22aに遊技球が入球し難い低ベース状態では、第1始動入賞口21に遊技球を入球させるべく、第1流路Xを流下させるように遊技球を発射させる傾向がある。
一方、演出表示装置16の右側方には、上方から順に、作動ゲート25、第2始動入賞口22a、大入賞口23aが設けられており、第2流路Yを流下させたほうが、第1流路Xを流下させるよりも、作動ゲート25、第2始動入賞口22a、大入賞口23aへ遊技球が入球し易くなる。このため、第2始動入賞口22aに遊技球が入球し易い高ベース状態においては第2始動入賞口22aに遊技球を入球させるべく、第2流路Yを流下させるように遊技球を発射させる傾向がある。大当り遊技においても大入賞口23aに遊技球を入球させるべく、第2流路Yを流下させるように遊技球を発射させる傾向がある。
次に、本実施形態における大当り遊技について説明する。
大当り遊技は、大当り図柄が確定停止表示された変動ゲームの終了後に開始される。大当り遊技が開始すると、オープニング時間が開始される。オープニング時間が終了すると、大入賞口23aが開状態となるラウンド遊技が、予め定めた規定ラウンド数を上限として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、入球上限個数の遊技球が大入賞口23aに入賞するまでの間、又は規定の時間が経過するまでの間で継続して行われる。全てのラウンド遊技が終了すると、エンディング時間が設定される。エンディング時間が終了すると、大当り遊技は終了する。
本実施形態において、大当り抽選に当選した場合、決定される特別図柄(大当り図柄)の種類に応じて複数種類の大当りのうち1つの大当りが決定され、その決定された大当りに対応する大当り遊技が付与されるようになっている。
ここで、大当り確率や大当り遊技の内容などの所謂パチンコ遊技機のスペックについて説明する。
本実施形態において、大当り確率としては、非確変状態では、410/65536(約1/160)が、確変状態では、1850/65536(約1/36)がそれぞれ規定されている。第1始動センサSE1又は第2始動センサSE2が遊技球を検知したときにおける払出し賞球数としては「3個」が、カウントセンサSE3が遊技球を検知したときにおける払出し賞球数としては「14個」がそれぞれ規定されている。
本実施形態のパチンコ遊技機では、大当り抽選に当選した場合、2種類の大当りの中から1つの大当りが決定され、その決定された大当りに対応する大当り遊技が付与されるようになっている。そして、2種類の大当りのうち、何れの大当りが付与されるかは、大当り抽選に当選した場合に決定する特別図柄(大当り図柄)に応じて決定されるようになっている。
本実施形態において各特別図柄表示装置11,12に確定停止表示される100種類の大当り図柄は、大当りの種類毎に分類される。
第1特別図柄表示装置11に確定停止表示される大当り図柄のうち、図柄ZAには65種類の大当り図柄が、図柄ZBには35種類の大当り図柄が、それぞれ振分けられている。また、同じように、第2特別図柄表示装置12に確定停止表示される大当り図柄のうち、図柄Zaには65種類の大当り図柄が、図柄Zbには35種類の大当り図柄が、それぞれ振分けられている。
以下、図柄ZAに分類される大当り図柄が第1特別図柄表示装置11に確定停止表示される大当りを図柄ZAに基づく大当り、図柄Zaに分類される大当り図柄が第2特別図柄表示装置12に確定停止表示される大当りを図柄Zaに基づく大当りとそれぞれ示す。同じように、図柄ZBに分類される大当り図柄が第1特別図柄表示装置11に確定停止表示される大当りを図柄ZBに基づく大当り、図柄Zbに分類される大当り図柄が第2特別図柄表示装置12に確定停止表示される大当りを図柄Zbに基づく大当りとそれぞれ示す。
これら全ての大当り遊技において、規定ラウンド数として「15回」が、各ラウンド遊技の最大時間として「25s」がそれぞれ規定されている。また、1回のラウンド遊技において大入賞口23aに入球させることができる遊技球の入球上限個数としては「9個」が規定されている。また、各大当り遊技において、オープニング時間、各ラウンド間のインターバル時間(ラウンド間インターバル)、エンディング時間が、それぞれ一定の時間として規定されている。
図柄ZA,Zaに基づく大当りに当選したときに付与される大当り遊技の終了後には、次回の大当り遊技が付与されるまで、確変状態が付与される。その一方で、図柄ZB,Zbに基づく大当りに当選したときに付与される大当り遊技の終了後には、確変状態が付与されない。なお、大当り遊技の終了後に確変状態が付与される図柄ZA,Zaに基づく大当りを確変大当りと示し、大当り遊技の終了後に確変状態が付与されない図柄ZB,Zbに基づく大当りを非確変大当りと示す。
図柄ZA,Zaに基づく大当りに当選したときに付与される大当り遊技の終了後には、次回の大当り遊技が付与されるまで、高ベース状態が付与される。その一方で、図柄ZB,Zbに基づく大当りに当選したときに付与される大当り遊技の終了後には、予め定めた回数(本実施形態では100回)の変動ゲームを上限として高ベース状態が付与される。
ここで、第1〜第3スピーカSP1〜SP3や第1〜第3放音部HO1〜HO3が配置される位置関係について説明する。
第1放音部HO1(第1放音孔)は、演出表示装置16の画像表示部GHや上皿部UZの下方に設けられている。第1放音部HO1は、発射ハンドルHDと下皿部SZとの間であって、パチンコ遊技機の中心から右側に設けられているが、これに限らず、例えば、下皿部SZよりも下方に設けられてもよく、パチンコ遊技機の中心や中心から左側に設けられてもよい。第1放音部HO1の背面側に第1スピーカSP1が配置されている。
第2放音部HO2及び第3放音部HO3(第2放音孔及び第3放音孔)は、演出表示装置16の画像表示部GHの上方に設けられているが、これに限らず、例えば、第2放音部HO2及び第3放音部HO3が遊技盤YBの側方に設けられてもよい。第2放音部HO2と第3放音部HO3のそれぞれは、側方に設けられており、第2放音部HO2は、パチンコ遊技機の中心から左側に、第3放音部HO3は、パチンコ遊技機の中心から右側にそれぞれ対称となるように設けられているが、これに限らず、例えば、左右対称でなくてもよい。第2放音部HO2の背面側に第2スピーカSP2が、第3放音部HO3の背面側に第3スピーカSP3がそれぞれ配置されている。
このように、第1放音部HO1は、第2放音部HO2及び第3放音部HO3よりも下方に設けられている。また、演出表示装置16の画像表示部GHの高さ方向の中心を基準として、第1放音部HO1は、第2放音部HO2及び第3放音部HO3よりも遠い位置に設けられている。具体的に、演出表示装置16の画像表示部GHの高さ方向の中心を符号H0、第1放音部HO1の高さ方向の中心を符号H1、第2放音部HO2及び第3放音部HO3の高さ方向の中心を符号H2とし、符号H0から符号H1までの距離D1のほうが、符号H0から符号H2までの距離D2よりも長くなる。なお、一般的な遊技者が椅子に座って遊技を行う場合、演出表示装置16の画像表示部GHの高さ方向の中心に顔が対面するようにパチンコ遊技機が設置される。このため、遊技者の耳を基準として、第1放音部HO1は、第2放音部HO2及び第3放音部HO3よりも遠い位置に設けられていることとなる。
次に、図2を参照して、第1〜第3スピーカSP1〜SP3が配置される方向について説明する。なお、図2において、パチンコ遊技機の枠体WTが設置される設置面と並行する面を一点鎖線Z−Zにより示す。また、図2において、第1〜第3スピーカSP1〜SP3、第1〜第3放音部HO1〜HO3から遊技者YSへの距離は、同じような距離として説明しているが、任意の距離であってもよい。また、各スピーカSP1〜SP3が配置される方向としては、スピーカSPの振動板が向かう方向とし、各放音部HO1〜HO3の向きとしては、放音孔が形成される面が向かう方向とする。
本実施形態において、図2(a)に示すように、パチンコ遊技機を右側方から見たとき、第1スピーカSP1は、遊技者YS側(枠体WTの前面側)に対して水平方向に向かうように配置されており、第1放音部HO1(第1放音孔)も、遊技者YS側に対して水平方向に向かうように設けられている。一方、第2スピーカSP2及び第3スピーカSP3は、遊技者YS側に対して水平方向の内角側に向かうように配置されており、第2放音部HO2(第2放音孔)及び第3放音部HO3(第3放音孔)も、遊技者YS側に対して水平方向の内角側に向かうように設けられている。
なお、図2(b)に示すように、第1スピーカSP1は、遊技者YS側に対して水平方向の内角方向に向かうように配置されてもよく、第1放音部HO1(第1放音孔)も、遊技者YS側に対して水平方向の内角方向に向かうように設けられてもよい。また、第2スピーカSP2及び第3スピーカSP3は、遊技者YS側に対して水平方向に向かうように配置されてもよく、第2放音部HO2(第2放音孔)及び第3放音部HO3(第3放音孔)も、遊技者YS側に対して水平方向に向かうように設けられてもよい。
また、本実施形態において、図2(c)に示すように、パチンコ遊技機を上方から見たとき、第1スピーカSP1は、遊技者YS側に対して正面を向くように配置されており、第1放音部HO1(第1放音孔)も、遊技者YS側に対して正面を向くように設けられている。一方、第2スピーカSP2及び第3スピーカSP3は、遊技者YS側に対して正面の内角側に向かうように配置されており、第2放音部HO2(第2放音孔)及び第3放音部HO3(第3放音孔)も、遊技者YS側に対して正面の内角側に向かうように設けられている。
なお、図2(d)に示すように、第1スピーカSP1は、遊技者YS側に対して正面の内角側を向くように配置されてもよく、第1放音部HO1(第1放音孔)も、遊技者YS側に対して正面の内角側を向くように設けられてもよい。また、第2放音部HO2(第2放音孔)及び第3放音部HO3(第3放音孔)は、遊技者YS側に対して正面に向かうように配置されてもよく、第2放音孔及び第3放音孔も、遊技者YS側に対して正面に向かうように設けられてもよい。
このように、第1〜第3スピーカSP1〜SP3から出力される音声が放出される第1〜第3放音孔(第1〜第3放音孔HO1〜HO3)は、枠体WTの前面側に設けられていれば、任意の方向に向かっていればよい。例えば、第1〜第3スピーカSP1〜SP3や第1〜第3放音部HO1〜HO3(第1〜第3放音孔)の方向については、上記のような組み合わせというように、遊技者からみて正面方向又は正面内角方向に向かうように設けられることが好ましく、それ以外の正面外角方向であっても問題ない。
次に、図3を参照して、パチンコ遊技機の制御構成について説明する。
パチンコ遊技機の機裏側には、主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、パチンコ遊技機に関する各種処理を実行し、それら各種処理の結果に応じて遊技を制御するための各種の制御信号(制御コマンド)を出力する。
パチンコ遊技機の機裏側には、副制御基板31が装着されている。副制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示装置16の表示態様(演出図柄、背景、文字などの表示画像など)の決定に関する処理などを実行し、処理結果に応じて表示内容を制御する。副制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号に基づき、装飾ランプLAの発光態様、スピーカSP(第1〜第3スピーカSP1〜SP3)の音声出力態様を制御する。
主制御基板30には、主制御用CPU30a、主制御用ROM30b及び主制御用RAM30cが設けられている。主制御用CPU30aと、主制御用ROM30b及び主制御用RAM30cとは接続されている。主制御基板30と、第1始動センサSE1、第2始動センサSE2、カウントセンサSE3、及びゲートセンサSE4とは接続されている。第1始動センサSE1、第2始動センサSE2、カウントセンサSE3、及びゲートセンサSE4は、主制御用CPU30aへの検知信号を出力する。主制御基板30と、各特別図柄表示装置11,12、各保留表示装置13,14、及び普通図柄表示装置15とは接続されている。主制御用CPU30aは、各特別図柄表示装置11,12、各保留表示装置13,14、及び普通図柄表示装置15の表示内容を制御する。主制御基板30と、大入賞口アクチュエータDA及び普通電動役物アクチュエータFDAとは接続されている。主制御用CPU30aは、大入賞口アクチュエータDA及び普通電動役物アクチュエータFDAを制御する。
主制御用ROM30bには、パチンコ遊技機に関する各種処理を実行するためのメイン制御プログラムが記憶されている。主制御用ROM30bには、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、変動ゲームが開始してから終了するまでの時間(変動時間)を特定可能とするパターンである。本実施形態における変動パターンでは、変動ゲームが開始してから終了するまでの間の遊技演出のベースとなるパターンを示すこともでき、大当り抽選の当否、リーチ演出の有無など、変動ゲームの演出内容も特定することができる。
変動パターンには、大当り変動演出を特定する大当り変動パターンと、はずれリーチ変動演出を特定するはずれリーチ変動パターンと、はずれ変動演出を特定するはずれ変動パターンとがある。大当り変動パターン、はずれリーチ変動パターン、及びはずれ変動パターンとして、それぞれ複数種類の変動パターンが規定されている。大当り変動演出は、リーチ演出を経て大当りの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。はずれリーチ変動演出は、リーチ演出を経てはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。はずれ変動演出は、リーチ演出を経ることなくはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。リーチ演出は、演出表示装置16の演出図柄変動ゲームにおいて、リーチの図柄組み合わせが形成されてから、大当りの図柄組み合わせ又ははずれの図柄組み合わせが導出される迄の間に行われる演出である。
主制御用ROM30bには、各種の判定値が記憶されている。例えば、主制御用ROM30bには、大当り抽選で用いられる大当り判定値が記憶されている。確変状態が付与されているときの大当り判定値の個数は、確変状態が付与されていないときの大当り判定値の個数よりも多くなっている。主制御用ROM30bには、リーチ演出を実行するか否かを決定するリーチ抽選で用いられるリーチ判定値が記憶されている。
主制御用RAM30cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグ等)が記憶される。例えば、主制御用RAM30cには、確変状態が付与されているか否かを示す主確変フラグが記憶される。主制御用RAM30cには、高ベース状態が付与されているか否かを示す主作動フラグが記憶される。
主制御基板30では、当り判定用乱数や、特別図柄振分用乱数、リーチ演出判定用乱数、変動パターン振分用乱数として使用される各種乱数が生成される。当り判定用乱数は、大当り抽選に用いる乱数である。リーチ判定用乱数は、リーチ抽選に用いる乱数である。特別図柄振分用乱数は、特別図柄(大当りの種類)を決定する場合に用いる乱数である。変動パターン振分用乱数は、変動パターンを決定する場合に用いる乱数である。変動パターン振分用乱数の取り得る値は、はずれ変動パターン、はずれリーチ変動パターン及び大当り変動パターンの分類毎に、振り分けを異ならせている。なお、各種乱数として使用される乱数は、ハードウェア乱数であってもよいし、ソフトウェア乱数であってもよい。
副制御基板31には、副制御用CPU31a、副制御用ROM31b及び副制御用RAM31cが設けられている。副制御用CPU31aと、副制御用ROM31b及び副制御用RAM31cとは接続されている。副制御用RAM31cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグ等)が記憶される。例えば、副制御用RAM31cには、確変状態が付与されているか否かを示す副確変フラグが記憶される。副制御用RAM31cには、高ベース状態が付与されているか否かを示す副作動フラグが記憶される。副制御用CPU31aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を副制御用RAM31cの記憶領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。
副制御用ROM31bには、遊技演出を実行させるための演出制御プログラムが記憶されている。副制御用CPU31aは、各種制御コマンドを入力すると、演出制御プログラムに基づき各種制御を実行する。副制御用ROM31bには、各種の画像データ(演出図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データ)や、各種の発光データ、各種の音声データ(背景音(所謂「BGM」)や効果音(所謂「SE」)などの音声データ)が記憶されている。副制御基板31と、演出表示装置16、装飾ランプLA及びスピーカSP(第1〜第3スピーカSP1〜SP3)とは接続されている。副制御用CPU31aは、各種制御コマンドを入力すると、演出制御プログラムに基づき、演出表示装置16の表示内容、装飾ランプLAの発光内容、及びスピーカSPからの出力内容を制御する。このように、本実施形態において、演出表示装置16における画像の表示や、スピーカSPからの音声の出力、及び装飾ランプLAの発光を含む演出の制御を行う副制御用CPU31aが演出制御部に相当する。また、言い換えると、遊技に関する音をスピーカSPから出力させる制御を行う副制御用CPU31aが音出力制御部に相当する。また、所定の音声データ(音データ)が記憶されている副制御用ROM31bが音データ記憶部に相当する。
副制御基板31と、演出ボタンBTとは接続されている。副制御用CPU31aは、演出ボタンBTからの操作信号を入力すると、操作信号に応じた各種制御を実行する。
次に、主制御用CPU30aが、メイン制御プログラムに基づき実行する特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理について説明する。最初に、特別図柄入力処理について説明する。特別図柄入力処理は、主制御用CPU30aにより所定周期毎に実行されるようになっている。
主制御用CPU30aは、第1始動センサSE1からの検知信号を入力したか否かに基づいて、第1始動入賞口21に遊技球が入球したか否かを判定する第1保留判定を実行する。
第1保留判定の判定結果が肯定の場合(第1始動入賞口21に遊技球が入球した場合)、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数が上限数(本実施形態では「4」)よりも小さいか否かを判定する第1保留記憶数判定を実行する。
第1保留記憶数判定の判定結果が肯定の場合(上限数に達していない場合)、主制御用CPU30aは、第1保留制御処理を実行する。第1保留制御処理において、主制御用CPU30aは、以下のような処理を実行する。主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶される第1保留記憶数に「1」加算する。主制御用CPU30aは、更新後の第1保留記憶数を表示させるように第1保留表示装置13を制御する。主制御用CPU30aは、更新後の第1保留記憶数を指定する保留指定コマンドを副制御基板31(副制御用CPU31a)に出力する。主制御用CPU30aは、第1変動ゲームに係わる各種乱数の値を取得し、主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶する。なお、第1変動ゲームに係わる各種乱数の値は、第1始動入賞口21への遊技球の入球に応じて取得された取得順序が特定可能なように記憶される。このように、本実施形態では、第1保留記憶数が上限数に達していない場合において、第1始動入賞口21に遊技球が入球したときに、第1変動ゲームの始動条件が成立する。
一方、第1保留判定の判定結果が否定の場合(第1始動入賞口21に遊技球が入球しなかった場合)、又は、第1保留記憶数判定の判定結果が否定の場合(第1保留記憶数の上限数に達していた場合)、主制御用CPU30aは、第1保留制御処理を実行しない。
次に、主制御用CPU30aは、第2始動センサSE2からの検知信号を入力したか否かに基づいて、第2始動入賞口22aに遊技球が入球したか否かを判定する第2保留判定を実行する。
第2保留判定の判定結果が肯定の場合(第2始動入賞口22aに遊技球が入球した場合)、主制御用CPU30aは、第2保留記憶数が上限数(本実施形態では「4」)よりも小さいか否かを判定する第2保留記憶数判定を実行する。
第2保留記憶数判定の判定結果が肯定の場合(上限数に達していない場合)、主制御用CPU30aは、第2保留制御処理を実行する。第2保留制御処理において、主制御用CPU30aは、以下のような処理を実行する。主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶される第2保留記憶数に「1」加算する。主制御用CPU30aは、更新後の第2保留記憶数を表示させるように第2保留表示装置14を制御する。主制御用CPU30aは、更新後の第2保留記憶数を指定する保留指定コマンドを副制御基板31に出力する。主制御用CPU30aは、第2変動ゲームに係わる各種乱数の値を取得し、主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶する。なお、第2変動ゲームに係わる各種乱数の値は、第2始動入賞口22aへの遊技球の入球に応じて取得された取得順序が特定可能なように記憶される。このように、本実施形態では、第2保留記憶数が上限数に達していない場合において、第2始動入賞口22aに遊技球が入球したときに、第2変動ゲームの始動条件が成立する。
一方、第2保留判定の判定結果が否定の場合(第2始動入賞口22aに遊技球が入球しなかった場合)、又は、第2保留記憶数判定の判定結果が否定の場合(第2保留記憶数の上限数に達していた場合)、主制御用CPU30aは、第2保留制御処理を実行しない。
次に、特別図柄開始処理について説明する。主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を所定周期毎に実行するようになっている。
主制御用CPU30aは、大当り遊技中及び変動ゲームの実行中でない場合、第2保留記憶数を特定し、第2保留記憶数が「0」よりも大きいか否か判定する。第2保留記憶数が「0」の場合、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数を特定し、第1保留記憶数が「0」よりも大きいか否か判定する。そして、第1保留記憶数が「0」の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
なお、本実施形態では、大当り遊技中及び変動ゲームの実行中でない場合であって、第2保留記憶数が「0」よりも大きいとき(すなわち、実行が保留されている第2変動ゲームが存在するとき)に、第2変動ゲームの実行条件が成立する。一方、大当り遊技中及び変動ゲームの実行中でない場合であって、第2変動ゲームの実行条件が成立しておらず、第1保留記憶数が「0」よりも大きいとき(すなわち、実行が保留されている第1変動ゲームが存在するとき)に、第1変動ゲームの実行条件が成立する。このように、第1変動ゲームの始動条件と第2変動ゲームの始動条件とが何れも成立しているときには、第2変動ゲームの実行条件が成立することとなり、主制御用CPU30aは、第2変動ゲームを優先的に実行する。
第1変動ゲームの実行条件が成立した場合、主制御用CPU30aは、第1変動ゲームに係わる乱数の値(当り判定用乱数の値、変動パターン振分用乱数の値、特別図柄振分用乱数の値及びリーチ判定用乱数の値)のうち、取得順序に従って最先に実行される第1変動ゲームに係わる乱数の値を主制御用RAM30cから読み出す。主制御用CPU30aは、特定した第1保留記憶数を1減算し、減算した第1保留記憶数を表示するように第1保留表示装置13の表示内容を変更させる。主制御用CPU30aは、更新後の第1保留記憶数を示す保留指定コマンドを副制御基板31に出力する。
主制御用CPU30aは、読み出した当り判定用乱数の値が主制御用ROM30bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定して大当り判定(大当り抽選)を行う。大当り判定の判定結果が肯定の場合(大当りの場合)、主制御用CPU30aは、読み出した特別図柄振分用乱数の値に基づき、特別図柄による大当り図柄の中から第1特別図柄表示装置11にて確定停止表示される最終停止図柄を決定する。これによって、主制御用CPU30aは、確定停止表示される最終停止図柄に対応する大当りの種類を決定する。その後、主制御用CPU30aは、読み出した変動パターン振分用乱数の値に基づき、大当り変動パターンの中から変動パターンを決定する。
変動パターン及び最終停止図柄を決定した主制御用CPU30aは、副制御基板31に、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する等、第1変動ゲームに関する各種処理を実行する。
具体的に言えば、主制御用CPU30aは、変動パターンを指定すると共に変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを最初に出力する。なお、変動パターン指定コマンドは、第1変動ゲームと第2変動ゲームとの何れが実行されるかについて特定できるコマンドである。主制御用CPU30aは、特別図柄の変動表示を開始させるように第1特別図柄表示装置11の表示内容を制御する。主制御用CPU30aは、第1変動ゲームの変動時間の計測を開始する。主制御用CPU30aは、最終停止図柄及び大当りの種類を指定するための特別図柄指定コマンドを出力する。そして、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
その後、特別図柄開始処理とは別の処理で、主制御用CPU30aは、指定した変動パターンに定められている変動時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように第1特別図柄表示装置11の表示内容を制御する。主制御用CPU30aは、指定した変動パターンに定められている変動時間に基づいて、変動ゲームの終了を指示し、演出図柄を確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。
一方、大当り判定の判定結果が否定の場合(大当りでない場合)、主制御用CPU30aは、リーチ演出を実行させるか否かを判定するリーチ判定を行う。本実施形態では、主制御用CPU30aは、読み出したリーチ判定用乱数の値がリーチ判定値に一致するか否かにより当選判定を行う。
リーチ判定の判定結果が肯定の場合(リーチ演出を行う場合)、主制御用CPU30aは、はずれ図柄を第1特別図柄表示装置11にて確定停止表示される最終停止図柄として決定する。次に、主制御用CPU30aは、読み出した変動パターン振分用乱数の値に基づき、はずれリーチ変動パターンの中から変動パターンを決定する。
変動パターン及び最終停止図柄を決定した主制御用CPU30aは、大当りの場合と同じように、副制御基板31に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する等、変動ゲームに関する各種処理を実行する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
一方、リーチ判定の判定結果が否定の場合(リーチ演出を行わない場合)、主制御用CPU30aは、はずれ図柄を第1特別図柄表示装置11にて確定停止表示される最終停止図柄として決定する。次に、主制御用CPU30aは、読み出した変動パターン振分用乱数の値に基づき、はずれ変動パターンの中から変動パターンを決定する。
変動パターン及び最終停止図柄を決定した主制御用CPU30aは、大当りの場合と同じように、副制御基板31に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する等、変動ゲームに関する各種処理を実行する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
一方、第2変動ゲームの実行条件が成立した場合、主制御用CPU30aは、第2変動ゲームに係わる乱数の値(当り判定用乱数の値、変動パターン振分用乱数の値、特別図柄振分用乱数の値及びリーチ判定用乱数の値)のうち、取得順序に従って最先に実行される第2変動ゲームに係わる乱数の値を主制御用RAM30cから読み出す。主制御用CPU30aは、特定した第2保留記憶数を1減算し、減算した第2保留記憶数を表示するように第2保留表示装置14の表示内容を変更させる。主制御用CPU30aは、更新後の第2保留記憶数を示す保留指定コマンドを副制御基板31に出力する。
以下、読み出した乱数の値に基づき、第2変動ゲームに係わる処理を実行するが、第1変動ゲームにおける処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。第2変動ゲームに係わる処理では、上記「第1変動ゲーム」を対象とした制御を「第2変動ゲーム」を対象とした制御として読み替え、上記「第1特別図柄表示装置11」を対象とした制御を「第2特別図柄表示装置12」を対象とした制御として読み替える。
主制御用CPU30aは、大当りとなる変動ゲームの終了後、最終停止図柄に基づき特定された種類の大当り遊技の制御を開始し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで副制御基板31に出力する。
具体的に、主制御用CPU30aは、大当り遊技の開始を契機としてオープニング時間を開始させ、オープニング時間が開始したことを指示するオープニングコマンドを副制御基板31に出力する。
次に、主制御用CPU30aは、オープニング時間の終了後、各ラウンド遊技を制御し、各ラウンド遊技の開始を契機にラウンド遊技の開始を指示するラウンドコマンドを副制御基板31に出力する。主制御用CPU30aは、ラウンド遊技毎に、大入賞口23aを開状態及び閉状態に制御する。すなわち、主制御用CPU30aは、入球上限個数の遊技球が入賞するまでの間、又はラウンド遊技毎に予め決められた規定時間が経過するまでの間、大入賞口23aを所定の開放態様で開状態に制御する。
主制御用CPU30aは、ラウンド遊技が終了した場合には、大入賞口23aを閉状態に制御し、ラウンド遊技毎に予め決められたラウンドインターバル時間を経過するまで、大入賞口23aを閉状態に維持する。これらの一連の制御を、規定ラウンド数に達するまで実行する。
規定ラウンド数のラウンド遊技が終了すると、主制御用CPU30aは、エンディング時間を開始させ、エンディング時間が開始したことを指示するエンディングコマンドを副制御基板31に出力する。エンディング時間が経過すると、主制御用CPU30aは、大当り遊技を終了させる。
大当り遊技を終了する場合、主制御用CPU30aは、決定された大当りの種類(特別図柄の種類)に基づいて、確変状態を付与する場合には、主確変フラグに確変状態が付与されていることを示す値を設定する。一方、主制御用CPU30aは、確変状態を付与しない場合には、主確変フラグに確変状態が付与されていないことを示す値を設定する。なお、主制御用CPU30aは、大当り遊技が付与された場合、主確変フラグの値を一旦リセットする。
大当り遊技を終了する場合、主制御用CPU30aは、主作動フラグに高ベース状態が付与されていることを示す値を設定する。主制御用CPU30aは、大当りの種類に基づいて、予め定めた回数(本実施形態では100回)の変動ゲームを上限として高ベース状態が付与される場合、高ベース状態を付与する回数を示す値を主作動回数フラグに設定する。主制御用CPU30aは、変動ゲームが実行される毎に主作動回数フラグを「1」減算し、「0」となった場合に、主作動フラグの値をリセットする。主制御用CPU30aは、主作動回数フラグに設定された値を指定する作動回数指定コマンドを生成し、主制御用RAM30cの所定領域に記憶する。作動回数指定コマンドは、本処理とは別のコマンド出力処理において、副制御基板31に出力される。なお、主制御用CPU30aは、大当り遊技が付与された場合、主作動フラグ及び主作動回数フラグの値を一旦リセットする。
次に、副制御基板31の副制御用CPU31aが演出制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。主制御用CPU30aから所定の制御コマンドを所定のタイミングで入力すると、副制御用CPU31aは、それに応じて各種処理を実行する。
例えば、副制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンド及び特別図柄指定コマンドを入力すると、その変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターン及び特別図柄指定コマンドにより指定された最終停止図柄に基づき、確定停止表示させる演出図柄による図柄組み合わせを決定する。
すなわち、副制御用CPU31aは、特別図柄指定コマンドにより指定された最終停止図柄が大当り図柄である場合には、大当りの図柄組み合わせを決定する。副制御用CPU31aは、指定された最終停止図柄がはずれ図柄である場合において、はずれリーチ変動パターンが指定されたときには、はずれリーチの図柄組み合わせを決定する。副制御用CPU31aは、指定された最終停止図柄がはずれ図柄である場合において、はずれ変動パターンが指定されたときには、はずれの図柄組み合わせを決定する。
副制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、その変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに基づき、演出図柄変動ゲームを実行させるように演出表示装置16、装飾ランプLA及びスピーカSP(第1〜第3スピーカSP1〜SP3)を制御する。その後、副制御用CPU31aは、全図柄停止コマンドを入力すると、変動ゲームに伴う演出を終了させると共に、決定した図柄組み合わせを確定停止表示させる。
最終停止図柄として大当り図柄が指定された場合、副制御用CPU31aは、大当り遊技の終了後、大当り図柄に基づいて、確変状態が付与されるときには、確変状態が付与されていることを示す値を副確変フラグに設定する。
最終停止図柄として大当り図柄が指定された場合、副制御用CPU31aは、大当り遊技の終了後、大当り図柄に基づいて、高ベース状態が付与されるときには、高ベース状態が付与されていることを示す値を副作動フラグに設定する。また、副制御用CPU31aは、高ベース状態が付与されるときには、高ベース状態を付与する変動ゲームの回数を示す値を副作動回数カウンタに設定する。副制御用CPU31aは、作動回数指定コマンドによって指定される値に基づいて、副作動回数カウンタの値を更新する。なお、副作動回数カウンタの値が「0」となった場合、副制御用CPU31aは、高ベース状態が付与されていないことを示す値を副作動フラグに設定する。
ここで、図4を参照して、変動パターンについて詳しく説明する。
図4に示すように、本実施形態の変動パターンは、大当りとなるか、はずれとなる場合にはずれリーチ演出を実行させるか否かによって選択される。具体的には、変動パターンHP15,HP16が大当り変動パターンとして規定されている。変動パターンHP13,HP14がはずれリーチ変動パターンとして規定されている。変動パターンHP11,HP12がはずれ変動パターンとして規定されている。
変動パターンHP12は、変動パターンHP11の変動時間を短縮させる変動パターンである。変動パターンHP12は、低ベース状態よりも高ベース状態のほうが選択され易い変動パターンである。このため、高ベース状態である場合には、低ベース状態である場合よりも、変動時間が短縮される変動パターンが決定され易くなる。
変動パターンHP13,HP15は、ノーマルリーチ(以降、「NR」と示す場合がある)演出が実行される変動パターンである。変動パターンHP14,HP16は、NR演出が実行された後に、スーパーリーチ(以降、「SR」と示す場合がある)演出が実行される変動パターンである。
このように、大当り変動パターンが決定されたときとはずれリーチ変動パターンが決定されたときとの両方で、NR演出及びSR演出が実行されることにより、大当り期待度が示唆される。特に、本実施形態において、NR演出が実行された後にSR演出が実行される場合のほうが、NR演出が実行されてSR演出が実行されない場合よりも大当り期待度が高くなるように変動パターンが決定される。なお、本実施形態において、大当り期待度としては、必ず大当りとならない場合(大当り期待度0%)や、必ず大当りとなる場合(大当り期待度100%)が含まれている。
また、本実施形態では、SR演出が実行される所定期間中において、第1〜第3スピーカSP1〜SP3から出力させる音声の出力態様を変更させることによって、出力させる音声の臨場感を高める制御が行われる。
ここで、図5〜図7を参照して、変動ゲームの実行中における演出態様について説明する。
図5に示すように、符号T11に示すタイミングで変動ゲームが開始された場合、演出図柄の変動表示(通常変動)が開始され、符号T12に示すタイミングで特定列の演出図柄がリーチの図柄組み合わせとして一旦停止表示され、NR演出が実行される。そして、符号T13に示すタイミングで、NR演出からSR1演出に発展し、SR1演出が実行され、符号T14に示すタイミングで、演出図柄が大当りの図柄組み合わせとして確定停止表示され、変動ゲームが終了する。なお、符号T11に示すタイミングから符号T13に示すタイミングまでの期間が第1期間となり、符号T13に示すタイミングから符号T14に示すタイミングまでの期間が第2期間(特定期間)となる。
そして、第1期間においては、第1〜第3スピーカSP1〜SP3から第1出力態様で音声が出力される一方で、第2期間においては、第1〜第3スピーカSP1〜SP3から第2出力態様で音声が出力される。
図6に示すように、第1出力態様においては、第1〜第3スピーカSP1〜SP3から同じタイミング及び音量で正位相の音声が出力される。その一方で、第2出力態様においては、第1スピーカSP1から出力される音声を基準として、第2スピーカSP2と第3スピーカSP3とから出力される音声が所定時間遅れるように出力される。第2出力態様においては、第1スピーカSP1と第2スピーカSP2とから出力される音声が正位相で、第3スピーカSP3から出力される音声が逆位相でそれぞれ出力される。第2出力態様においては、第1スピーカSP1から出力される音声が大きい音量で、第2スピーカSP2と第3スピーカSP3とから出力される音声が小さい音量でそれぞれ出力される。
このように、第1出力態様、第2出力態様などの所定の出力態様で、第1〜第3スピーカSP1〜SP3から音声が出力される。特に、第1出力態様は、第1〜第3スピーカSP1〜SP3から同じタイミングで音声が出力させる出力態様である。第2出力態様は、第1スピーカSP1よりも第2スピーカSP2及び第3スピーカSP3のほうが遅れるように音声が出力させる出力態様であり、第1出力態様と比較して、臨場感のある音声が出力される出力態様となっている。
具体的な一例をあげると、図7(a)に示すように、第1出力態様で音声が出力される場合、第1〜第3スピーカSP1〜SP3から、同じタイミング、位相及び音量で音が出力される。
一方、図7(b)に示すように、第2出力態様で音声が出力される場合、第1スピーカSP1と比べて、第2スピーカSP2及び第3スピーカSP3からの音声は、時間t1だけ遅れて出力される。本実施形態において、時間t1としては、約50msが採用されているが、任意の時間でよく、約20〜75msが好ましい。なお、図7においては、発明の理解を容易とするために、同じような音声データに基づく低周波数の音声の波形を例示しているが、これに限るものではない。
また、第2出力態様で音声が出力される場合、第1スピーカSP1及び第2スピーカSP2と比べて、第3スピーカSP3からの音声は、逆位相で出力される。また、第2出力態様で音声が出力される場合、第1スピーカSP1と比べて、第2スピーカSP2及び第3スピーカSP3からの音声は、小さい音量で出力される。特に、第2出力態様で音声が出力される場合、第1出力態様で音声が出力される場合と比べて、第1スピーカSP1からの音声は、大きい音量で出力される。一方、第2出力態様で音声が出力される場合、第1出力態様で音声が出力される場合と比べて、第2スピーカSP2及び第3スピーカSP3からの音声は、小さい音量で出力される。
具体的な一例をあげると、第1出力態様で音声が出力される場合に出力される音声の波形は、正方向への振幅が最大値A0となる。その一方で、第2出力態様で音声が出力される場合、第1の音声データに基づく音声の波形は、正方向への振幅が最大値A1となる。第1の音声データに基づく音声の波形の最大値A1は、第1出力態様による音声の波形の最大値A0よりも大きくなる。
また、第2出力態様で音声が出力される場合、第2の音声データに基づく音声の波形は、正方向への振幅が最大値A2となり、第3の音声データに基づく音声の波形は、負方向への振幅が最大値A2となる。第2の音声データ及び第3の音声データに基づく音声の波形の最大値A2は、第1の音声データに基づく音声の波形の最大値A1及び第1出力態様による音声の波形の最大値A0よりも小さくなる。
このように、スピーカSPから所定の出力態様で音声を出力させるために、副制御用ROM31bには、複数種類の音声データが記憶されている。特に、副制御用ROM31bに記憶されている複数種類の音声データには、第1出力態様で音声を出力させるための音声データや、第2出力態様で音声を出力させるための音声データなどがある。
図8(a)に示すように、第1出力態様で音声を出力させるための音声データとしては、第1〜第3スピーカSP1〜SP3で共通して用いられる音声データが副制御用ROM31bに記憶されている。
一方、図8(b)に示すように、第2出力態様で音声を出力させるための音声データとしては、第1スピーカSP1から音声を出力させるための第1の音声データと、第2スピーカSP2から音声を出力させるための第2の音声データと、第3スピーカSP3から音声を出力させるための第3の音声データとが副制御用ROM31bに記憶されている。
第2の音声データ及び第3の音声データは、出力開始から所定時間(時間t1)が経過するまで無音であり(図中では「無」と示す)、その所定時間が経過した後に、第1の音声データの出力開始時からの出力内容と類似する音声データである。つまり、第2の音声データ及び第3の音声データは、第1の音声データに対応する音声を所定時間だけ遅らせた音声を出力するための音声データである。
第1の音声データは、第1出力態様で音声を出力させるための音声データと比較して大きい音量で音声が出力する音声データである。その一方で、第2の音声データ及び第3の音声データは、第1出力態様で音声を出力させるための音声データと比較して小さい音量で音声が出力する音声データであり、第1の音声データと比較して大きい音量で音声が出力する音声データである。
第1の音声データ及び第2の音声データは、正位相の音声を出力させるための音声データであり、第3の音声データは、逆位相の音声を出力させるための音声データである。
このように、副制御用ROM31bには、第1の音声データと、その第1の音声データを時間t1だけ遅らせた第2の音声データ及び第3の音声データとが記憶されている。また、第2の音声データ及び第3の音声データは、第1の音声データよりも音量が小さい音声データである。また、第3の音声データは、第2の音声データの逆位相となる音声データである。本実施形態において、第1の音声データが第1の音データに、第2の音声データ及び第3の音声データが第2の音データ及び変換音データにそれぞれ相当する。
そして、副制御用CPU31aは、複数種類の音声データのうち何れかの音声データに対応する音声を第1〜第3スピーカSP1〜SP3から出力させる制御を行うこととなる。特に、変動ゲームの実行中にSR演出の実行が開始されてからその変動ゲームの実行が終了するまでの第2期間において、副制御用CPU31aは、第2出力態様で音声を出力させるための音声データに対応する音声を第1〜第3スピーカSP1〜SP3から出力させる制御を行う。具体的に、第2期間において第2出力態様で出力させる場合、副制御用CPU31aは、第1の音声データに対応する音声を第1スピーカSP1から出力させる制御と、第2の音声データに対応する音声を第2スピーカSP2から出力させる制御と、第3の音声データに対応する音声を第3スピーカSP3から出力させる制御とを同じタイミングで行う。なお、ここでいう同じタイミングとは、同じ制御周期で行うことを示す。その一方で、第2期間以外の期間において、副制御用CPU31aは、第1出力態様で音声を出力させるための音声データに対応する音声を第1〜第3スピーカSP1〜SP3から出力させる制御を行う。
なお、本実施形態において、副制御用CPU31aは、SR演出が実行される変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドを入力した場合に、予め定められた時間が経過したときに、第2期間が開始したことを特定し、その変動ゲームが終了したときに、第2期間が終了したことを特定することとなる。
このように、副制御用CPU31aは、所定の音声データに基づく音声を所定の出力態様で第1〜第3スピーカSP1〜SP3から出力させることができる。特に、第1出力態様で出力させる場合、副制御用CPU31aは、所定の音声データに対応する同じ音声を第1〜第3スピーカSP1〜SP3から出力させる制御を同じタイミング(制御周期)で行うこととなる。
その一方、第2出力態様で出力させる場合、副制御用CPU31aは、所定の音声データに基づく音声を第1スピーカSP1から出力させるとともに、所定の音声データに基づく音声を第1スピーカSP1よりも遅らせて、第2スピーカSP2及び第3スピーカSP3から出力させる制御を行うこととなる。
また、言い換えると、第2出力態様で出力させる場合、副制御用CPU31aは、所定の音声データに対応する音声を第1スピーカSP1から出力させる制御と、所定の音声データについて音量や位相が変換された音声データに対応する音声を第2スピーカSP2及び第3スピーカSP3から出力させる制御とを行うこととなる。
なお、本実施形態において、第1スピーカSP1が特定スピーカに、第2スピーカSP2と第3スピーカSP3とが複数の非特定スピーカにそれぞれ相当する。また、第1スピーカSP1から出力される音声が放出される第1放音孔が特定放音孔に、第2スピーカSP2から出力される音声が放出される第2放音孔と、第3スピーカSP3から出力される音声が放出される第3放音孔とが複数の非特定放音孔にそれぞれ相当する。また、第1放音孔が形成された第1放音部HO1が特定放音部に、第2放音孔が形成された第2放音部HO2と、第3放音孔が形成された第3放音部HO3とが複数の非特定放音部にそれぞれ相当する。
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)遊技に関する音声をスピーカSPから出力させる制御が行われ、遊技者からみて正面側に設けられた放音孔を介してスピーカSPからの音声が放出される。所定の音声データに基づく音声を所定の出力態様で第1〜第3スピーカSP1〜SP3から出力させることができる。所定の出力態様には、所定の音声データに基づく音声を第1〜第3スピーカSP1〜SP3から同じタイミングで出力させる第1出力態様と、所定の音声データに基づく音声を第1スピーカSP1よりも第2スピーカSP2及び第3スピーカSP3のほうが遅れるように出力させる第2出力態様とがある。このため、所定の音声データに基づく音声が遊技者に到達するまでの時間差を生じさせるとともに、第2スピーカSP2及び第3スピーカSP3というように、複数のスピーカからの音声を遅らせて遊技者に到達させることができる。したがって、立体感のある音声として遊技者に聴覚させることができ、演出効果を高めることができ、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
(2)また、所定の音声データに基づく音声が遊技者に同じようなタイミングで到達する第1出力態様と、所定の音声データに基づく音声が遊技者に到達するまでの時間差を生じさせる第2出力態様とで、所定の音声データに基づく音声が出力させることができ、出力態様に対して注意させることができ、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
(3)また、第1スピーカSP1からの音声が放出される第1放音孔は、第2スピーカSP2からの音声が放出される第2放音孔及び第3スピーカSP3からの音声が放出される第3放音孔よりも下方に設けられている。このため、例えば遊技場において天井よりも床のほうが近くなるように遊技機が設置されることや隣に設置される遊技機などからの音声の影響を受け難いことからすると、下方からの音声を先に出力させることによって、演出効果を更に高めることができ、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
(4)第1スピーカSP1からは、所定の音声データに対応する音声が出力される一方で、第2スピーカSP2及び第3スピーカSP3からは、所定の音声データが所定条件で変換された変換音声データに対応する音声が出力される。このため、所定の音声データに対応する音声と、所定の音声データが所定条件で変換された変換音声データに対応する音声とが出力可能となる。
尚、上記実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
・上記実施形態において、第2出力態様で音声を出力させるための音声データとして、第1〜第3の音声データというように複数種類の音声データが副制御用ROM31bに記憶されたが、これに限らない。例えば、第2出力態様で音声を出力させるための音声データとして、1種類の音声データが副制御用ROM31bに記憶されてもよい。1種類の音声データとしては、出力するタイミング、音量及び位相が同じデータであり、出力内容が完全に一致するデータである。この場合、副制御用CPU31aは、副制御用ROM31bに記憶されている1種類の音声データを読み出して、第1〜第3スピーカSP1〜SP3から出力させる音声データとして変換し、変換された音声データに基づいて第1〜第3スピーカSP1〜SP3から音声を出力させる制御を行う。また、例えば、副制御用CPU31aは、副制御用ROM31bに記憶されている1種類の音声データを読み出して、その音声データを変換することなく、その音声データに基づいて、第1〜第3スピーカSP1〜SP3の何れかから音声を出力させる制御を行ってもよい。つまり、第2出力態様で出力させる場合、副制御用CPU31aは、所定の音声データに対応する音声を第1スピーカSP1から出力させるとともに、所定の音声データに対応する音声を第1スピーカSP1よりも遅らせて第2スピーカSP2及び第3スピーカSP3から出力させてもよい。このように、副制御用CPU31aは、所定の音声データを所定条件で変換する音声変換手段に相当する。
・上記実施形態において、所定の音声データに対応する音声が位相や音量について変換された音声が第2スピーカSP2や第3スピーカSP3から出力されたが、これに限らない。例えば、所定の音声データに対応する音声の周波数特性について変換された音声(例えば所定の周波数成分を増減させた音声など)が第2スピーカSP2や第3スピーカSP3から出力されてもよい。また、これらの組み合わせであってもよい。つまり、所定の音声データが、位相や音量、周波数特性などについて所定条件で変換された音声が第2スピーカSP2や第3スピーカSP3から出力されてもよい。もちろん、音量、位相及び周波数特性の少なくとも何れか一つが同じであってもよく、音量、位相及び周波数特性の全てが同じであってもよい。
・上記実施形態において、背景音、効果音などの音声要素のうち、背景音と効果音との両方を第1出力態様や第2出力態様で出力させたが、これに限らず、例えば、背景音と効果音とのうち何れかを第2出力態様で出力させなくてもよい。つまり、スピーカSPから出力される音声を構成する音声要素の一部又は全部を第2出力態様で出力させてもよい。具体的な一例をあげると、背景音が第1出力態様で出力されるが、効果音が第2出力態様で出力されてもよい。また、例えば、効果音が第1出力態様で出力されるが、背景音が第2出力態様で出力されてもよく、もちろん、背景音と効果音との両方が第2出力態様で出力されてもよい。また、例えば、第2出力態様で音声を出力させる場合、効果音が出力される期間において、背景音を小さい音量で出力させるように音声を出力させてもよい。
・上記実施形態において、第1スピーカSP1より遅らせて第2スピーカSP2及び第3スピーカSP3から音声が出力されたが、これに限らない。例えば、第1スピーカSP1と第2スピーカSP2とから同じタイミングで音声が出力されるとともに、第1スピーカSP1及び第2スピーカSP2より遅らせて第3スピーカSP3から音声が出力されてもよい。例えば、第1スピーカSP1と第3スピーカSP3とから同じタイミングで音声が出力されるとともに、第1スピーカSP1及び第3スピーカSP3より遅らせて第2スピーカSP2から音声が出力されてもよい。また、例えば、第2スピーカSP2と第3スピーカSP3とから同じタイミングで音声が出力されるとともに、第2スピーカSP2及び第3スピーカSP3より遅らせて第1スピーカSP1から音声が出力されてもよい。また、例えば、これらのうち実現可能な組み合わせであってもよい。
・上記実施形態において、第2出力態様で音声が出力される場合、第1〜第3スピーカSP1〜SP3から、類似する出力内容の音声が出力されるが、これに限らず、例えば、全く異なる出力内容の音声が出力されてもよい。具体的な一例としては、第2スピーカSP2と第3スピーカSP3とでステレオ音声が出力されてもよく、第1スピーカSP1よりも遅れて第2スピーカSP2と第3スピーカSP3とから音声が出力されてもよい。
・上記実施形態において、第1出力態様で音声が出力される場合と、第2出力態様で音声が出力される場合とで、異なる音声データに基づく音声が出力されたが、これに限らず、例えば、同じ音声データに基づく音声が出力されてもよい。つまり、同じ音声データに基づく音声を、第1出力態様で出力しても第2出力態様で出力してもよい。
・上記実施形態において、第1〜第3スピーカSP1〜SP3というように3個のスピーカが設けられたが、これに限らず、例えば、複数のスピーカが設けられていれば、4個以上のスピーカが設けられてもよく、2個のスピーカが設けられていてもよい。
・上記実施形態において、音声パターンなど「音声」を用いて表現したが、人等の声による音に限るものではない。このため、「音声」ではなく単に「音」と表すこともできる。
・上記実施形態において、変動ゲームの実行中のうち、大当り期待度が高いSR演出が実行された後の第2期間で、第2出力態様で音声が出力されたが、これに限らない。例えば、変動ゲームの実行中のうち、リーチ演出が実行されていない通常変動において、大当り期待度が高い特定演出の実行が実行されているときに、第2出力態様で音声が出力されてもよい。また、例えば、1回の変動ゲームの実行中ではなく、複数回の変動ゲームの実行中に亘って、第2出力態様で音声が出力されてもよい。具体的な一例をあげると、確変状態ではないときには特定の背景画像が表示されないが確変状態であるときに特定の背景画像が表示される特定演出が複数回の変動ゲームに亘って実行されているときに、第2出力態様で音声が出力されてもよい。また、例えば、低ベース状態であるときには特定の背景画像が表示されないが高ベース状態であるときには特定の背景画像が表示される特定演出が複数回の変動ゲームに亘って実行されているときに、第2出力態様で音声が出力されてもよい。また、例えば、変動ゲームの実行中ではなく、大当り遊技の実行中や待機状態中に第2出力態様で音声が出力されてもよい。具体的な一例をあげると、大入賞口23aが開状態となる合計開放時間や終了後の遊技状態などについて、遊技者に有利な大当り遊技が付与されている場合に、第2出力態様で音声が出力されてもよい。また、例えば、第2出力態様で音声を出力させるか否かが抽選により決定されてもよい。また、例えば、SR演出が実行された後であっても、第2出力態様で音声が出力された後に、第1出力態様で音声が出力される場合があってもよく、更には、その後に、第2出力態様で音声が出力されてもよい。具体的な一例としては、SR演出が実行された後であっても、背景音が第1出力態様で出力されているが、効果音が第2出力態様で出力される期間が複数あってもよい。つまり、第2期間(所定期間)のうち少なくとも一部の期間で第2出力態様で音声が出力されればよい。また、例えば、第2期間のうち少なくとも一部の期間で、音量、位相、周波数特性などが所定の条件で変換された音声が出力されてもよい。
・上記実施形態において、大当り期待度が高い特定演出が実行される期間において、第2実行態様で音声が出力されたが、これに限らず、例えば、確変大当りとなる期待度が高い特定演出が実行される期間において、第2実行態様で音声が出力されてもよい。また、例えば、高ベース状態が付与される大当りと、高ベース状態が付与されない大当りとがある場合、高ベース状態が付与される大当りとなる期待度が高い特定演出が実行される期間において、第2実行態様で音声が出力されてもよい。つまり、遊技者に有利となる有利状態となる期待度が高い特定演出が実行される期間において、第2実行態様で音声が出力されてもよい。また、例えば、第1出力態様で音声が出力されなくてもよい。
・上記実施形態において、主制御基板30と副制御基板31とが配設され、各種機能が搭載されたが、これに限らず、例えば、一方の基板における機能が他方の基板における機能として搭載されてもよい。また、演出表示装置16の制御を行う手段が別々に備えられてもよい。また、このような2種類の基板に限らず、例えば、一体的な基板として構成されてもよく、3種類以上の基板として構成されてもよい。具体的な一例としては、副制御基板31の機能を、演出に関する制御を統括的に行う統括制御基板と、画像の表示に関する制御を行う表示制御基板とに分けてもよい。この場合、統括制御基板における記憶媒体に音声データが、表示制御基板における記憶媒体に画像データがそれぞれ記憶されてもよく、統括制御基板からの制御コマンドに基づいて、表示制御基板における画像の表示に関する制御が行われてもよい。また、例えば、副制御基板31の機能を、演出に関する制御を統括的に行う統括制御基板と、画像の表示に関する制御を行う表示制御基板と、音声の出力に関する制御を行う音声制御基板とに分けてもよい。この場合、音声制御基板における記憶媒体に音声データが、表示制御基板における記憶媒体に画像データがそれぞれ記憶されてもよく、統括制御基板からの制御コマンドに基づいて、音声制御基板における音声の出力に関する制御が行われてもよく、表示制御基板における画像の表示に関する制御が行われてもよい。
・上記実施形態において、特別図柄指定コマンドにより、大当り遊技の種類を指定していたが、変動パターン指定コマンドや、その他専用の制御コマンドにより、大当り遊技の種類を指定するようにしてもよい。
・上記実施形態において、変動ゲームに係わる各種乱数値は、保留記憶数に応じて設けられた記憶領域に記憶するようにしてもよい。この場合、変動ゲームが実行される毎に、乱数値がシフト処理され、保留記憶数が1減算された記憶領域に記憶する。
・上記実施形態において、副制御基板31にて変動ゲームの変動時間が管理されていれば、図柄停止コマンドを出力しなくてもよい。
・上記実施形態において、例えば、低ベース状態において、普図当り抽選に当選しない場合があってもよく、高ベース状態において、低ベース状態よりも普図ゲームの変動時間が短くならなくてもよい。
・上記実施形態において、例えば、所定の抽選により大入賞口扉23bが開状態に動作し、大入賞口23aに入球した遊技球が特定通路を通過したことにより大当り遊技が付与される遊技機(所謂、「2種の遊技機」)であってもよい。また、例えば、変動ゲームにおける大当り抽選に当選することにより大入賞口扉23bが開状態に動作する遊技機(所謂、「1種2種混合の遊技機」)であってもよい。また、所定の入球口への遊技球の入球を契機として大当り遊技が開始される遊技機(所謂、3種の遊技機)であってもよい。また、遊技盤の遊技領域に配設された入球口などへの遊技球の入球に基づく変動ゲームが実行されるパチンコ遊技機に限らず、例えば、開始操作に基づいて変動ゲームが開始されるスロットマシンに採用してもよい。また、この場合、停止操作に基づいて変動ゲームにおける図柄を停止させるスロットマシンか、所定時間の経過により変動ゲームにおける図柄を停止させるスロットマシンかも問わない。また、スロットマシンにおいて、開始操作を契機として当選役(例えば、ベル役、再遊技役等)が決定され、その当選役と停止操作の操作態様とに基づいて図柄が停止表示される。そして、停止表示される図柄が有利な組み合わせとなり易い状態(停止表示される図柄が有利な組み合わせとなる確率が高い状態や、停止表示される図柄が有利な組み合わせとなる停止操作態様が報知される確率が高い状態)が有利状態に相当する。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記特定スピーカ(第1スピーカ)からの音が放出される特定放音孔(第1放音孔)が形成された特定放音部(第1放音部)は、発射させる遊技球を保持するための球皿よりも下方に設けられていることを特徴とする。
(ロ)演出図柄の変動を行う演出図柄変動ゲームを行うゲーム実行部を備え、前記特定スピーカ(第1スピーカ)からの音が放出される特定放音孔(第1放音孔)が形成された特定放音部(第1放音部)は、前記ゲーム実行部よりも下方に設けられていることを特徴とする。
(ハ)前記複数の非特定スピーカ(第2スピーカ)からの音が放出される複数の非特定放音孔(第2放音孔)が形成された複数の非特定放音部(第2放音部)は、前記ゲーム実行部よりも上方に設けられており、前記ゲーム実行部の高さ方向の中心を基準として、前記複数の非特定放音部(第2放音部)よりも遠い位置に前記特定放音孔が設けられていることを特徴とする。
(ニ)前記複数の非特定放音孔(第2放音孔及び第3放音孔)が形成された複数の非特定放音部(第2放音部及び第3放音部)のそれぞれは側方に設けられていることを特徴とする。
(ホ)前記音出力制御部は、前記所定の音データに対応する音を前記特定スピーカ(第1スピーカ)から出力させる制御と、前記所定の音データが所定条件で変換された変換音データに対応する音を前記複数の非特定スピーカ(第2スピーカ)から出力させる制御とを行うことができることを特徴とする。