JP2018088859A - 凍結ペレット製造装置および凍結ペレット製造方法 - Google Patents

凍結ペレット製造装置および凍結ペレット製造方法 Download PDF

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靖雄 黒▲済▼
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【課題】 本発明の課題は、多量の溶媒を必要とすることなく、比較的大きな凍結粒である凍結ペレットを連続的に製造することができる凍結ペレット製造装置を提供することである。【解決手段】 本発明に係る凍結ペレット製造装置100は、冷媒槽140、バケットコンベア120および投下装置130を備える。冷媒槽には、冷媒Rtが貯留される。バケットコンベアは、少なくとも一つのバケット122が冷媒槽の槽内を通過するように配設される。投下装置は、冷媒槽の槽内のバケット通過位置の上方から凍結対象物Lqを投下する。【選択図】図3

Description

本発明は、凍結ペレット製造装置および凍結ペレット製造方法、特に、ヨーグルトスターターや、生理機能を有する乳酸菌、ビフィズス菌等の微生物を生きたまま凍結ペレット化するための装置および方法に関する。
過去に「冷媒収容容器内においてその上部に設けた噴霧ノズルから冷媒液面へと被凍結液を噴霧滴下させることにより、微細な凍結粒を製造するように構成した凍結粒製造装置」が提案されていた(例えば、特開昭62−196575号公報等参照)。しかし、この凍結粒製造装置はバッチ式の製造装置であるため、凍結粒回収時に冷媒収容容器から冷媒ごと凍結粒を取り出す必要があり、多量の冷媒が必要とされることから非経済的であると言わざるを得なかった。
そこで、上記凍結粒製造装置の欠点を改善すべく、「空気、窒素ガス、アルゴンガス等の被冷却ガスを機械式冷凍機を用いて冷却し、その冷却された低温ガスを断熱容器たる凍結粒製造容器内に供給して、その容器内を冷気相雰囲気に保持し、この冷気相雰囲気中に被凍結原料を噴霧して、その噴霧粒子を低温ガスと熱交換させることによって凍結せしめる凍結粒製造装置」が提案された(例えば、特開昭63−099473号公報等参照)。この凍結粒製造装置では、凍結粒を連続製造することができると共に冷媒の使用量も数分の1で済み、極めて経済的である。ところが、冷媒としてガスが用いられるため、被凍結原料の噴霧時に被凍結原料を数百マイクロメートルレベルまで細霧化する必要がある。このため、この凍結粒製造装置はペレットレベルの比較的な大きな凍結粒の製造には向かない。
特開昭62−196575号公報 特開昭63−099473号公報
本発明の課題は、多量の溶媒を必要とすることなく、比較的大きな凍結粒である凍結ペレットを連続的に製造することができる凍結ペレット製造装置および凍結ペレット製造方法を提供することである。
本発明の第1局面に係る凍結ペレット製造装置は、冷媒槽、バケットコンベアおよび投下装置を備える。冷媒槽には、冷媒が貯留される。なお、冷媒は、例えば、気体や液体の流体であることが好ましく、液体としては液体窒素や、液体二酸化炭素、液体フロン等が挙げられる。なお、本発明の凍結ペレット製造装置では、冷媒が気体である場合、バケットコンベアの搬送速度や冷媒槽の長さ等を調整することにより、凍結対象物を完全に凍結させることができる。バケットコンベアは、少なくとも一つのバケットが冷媒槽の槽内を通過するように配設される。なお、このバケットコンベアは、モータ等の駆動源により駆動されてもよいし、動物や人の力により駆動されてもよい。また、冷媒槽には、バケットの内部空間が冷媒で満たされるように、十分な量の冷媒が投入されるのが好ましい。投下装置は、冷媒槽の槽内のバケット通過位置の上方から凍結対象物を投下する。なお、凍結対象物は固体であってもよいし液体であってもよく、液体には純液や、溶液、懸濁液などが含まれ得る。なお、この投下装置は、凍結対象物が液体である場合、滴下装置である。
この凍結ペレット製造装置では、投下装置が冷媒槽の槽内のバケット通過位置の上方から凍結対象物を投下すると共に、少なくとも一つのバケットが冷媒槽の槽内を通過するようにバケットコンベアが配設される。すなわち、この凍結ペレット製造装置では、バケットが冷媒槽中の冷媒を通過している間のある時点(ある地点(位置))において、投下装置から落下してくる凍結対象物の液滴がバケットで受け止められ、バケットがそのまま冷媒を通過していくことになる。そして、バケットが冷媒を通過する際において、凍結対象物の液滴がバケット内部の冷媒と熱交換して凍結ペレット化する。そして、この凍結ペレット製造装置では、バケットコンベアにおいてバケットが周回(循環)される。したがって、この凍結ペレット製造装置では、比較的大きな凍結粒(例えば、直径3.0mmから6.0mm程度)である凍結ペレットを連続的に製造することができる。また、上述の通り、この凍結ペレット製造装置では、バケットコンベアにおいてバケットが周回(循環)されるため、例えば、(i)冷媒槽通過後のバケットを逆さまにして、冷媒槽の上方に設けたパンチングメタル製や金属メッシュ製の受け皿に凍結ペレットを冷媒ごと落とし、凍結ペレットを受け皿で受けると共に冷媒を冷媒槽に戻したり、(ii)バケットをパンチングメタルや金属メッシュ等で形成し、バケットが冷媒槽から出る際にバケットに冷媒を残留させないようにしたり、(iii)冷媒槽通過後のバケットが冷媒槽に戻るまでの間にバケットから掬い網等で凍結ペレットのみを取り出してバケットに冷媒のみが入った状態にし、バケットが冷媒槽に戻った際に冷媒を冷媒槽に戻す等すれば、ほぼ一定の冷媒量で凍結ペレットを製造することができる。このため、この凍結ペレット製造装置では、多量の溶媒を必要とすることがない。よって、この凍結ペレット製造装置では、多量の溶媒を必要とすることなく、比較的大きな凍結粒である凍結ペレットを連続的に製造することができる。
ところで、近年、乳酸菌等の微生物の取り扱い(ハンドリング)の向上や、凍結乾燥菌末の中間原料としての使用を目的として、微生物培養液を凍結ペレット化することが求められている。この微生物培養液の凍結ペレット化のために[背景技術]の欄の2種の凍結粒製造装置を用いることも考えられるが、上述の2種の凍結粒製造装置では、噴霧時にその高圧により培養液中の微生物が死滅したり損傷したりするおそれがある。そこで、各凍結粒製造装置の噴霧ノズルを滴下装置に置き換えることが考えられるが、かかる場合であっても、前者の凍結粒製造装置はバッチ式の製造装置であるため、凍結ペレット回収時に冷媒収容容器から冷媒ごと凍結粒を取り出す必要があり、やはり多量の冷媒が必要とされることに変わりはない。また、後者の凍結粒製造装置では冷媒としてガスが用いられるため、後々の取り扱い(ハンドリング)等のために凍結ペレットを大きくしようとすると、比較的大きな液滴を落下させる必要があるが、その液滴が落下しきるまでの間に十分に凍結しないおそれがある。これに対し、本発明の第1局面に係る凍結ペレット製造装置では、[発明が解決しようとする課題]に記載された課題を克服することができるだけでなく、そのような問題も併せて克服することができる。このため、本発明の第1局面に係る凍結ペレット製造装置は、微生物の培養物を凍結ペレット化することができるという点において、[背景技術]の欄の2種の凍結粒製造装置よりも圧倒的な利点を有している。
本発明の第2局面に係る凍結ペレット製造装置は、第1局面に係る凍結ペレット製造装置であって、回収部をさらに備える。回収部は、冷媒槽の槽内を通過したバケットから落ちる凍結対象物の凍結ペレットを回収する。なお、ここにいう「落ちる」との用語には、「落下する」、「滑り落ちる」との用語が含まれ得る。
このため、この凍結ペレット製造装置では、自動的に凍結ペレットを回収することができる。
本発明の第3局面に係る凍結ペレット製造装置は、第1局面または第2局面に係る凍結ペレット製造装置であって、バケットコンベアは、バケットおよび周回体を有する。周回体は、水平面に対して傾斜する仮想平面に沿ってバケットを周回走行させる。周回体として、例えば、無端ベルトや無端チェーン等の無端周回体や、無端レールを周回する周回車等を挙げることができる。バケットは、容器部および樋部を有する。容器部は、上側が開口する容器形状を呈すればよい。なお、容器部の形状は特に限定されず、例えば、半球形状、枡形状等であってもよい。樋部は、容器部の口側から上方または斜め上方に向かって延びている。樋部は、樋形状を呈すればよい。なお、樋部の形状は特に限定されず、例えば、筒形状、部分筒形状を呈すればよい。この樋部は、凍結ペレットの滑り台(シューター)として機能し得る。また、樋部は、容器部の樋部側の壁に対向する壁から遠ざかるに従って上方に向かって延びるのが好ましいが、周回体取付時において容器部の口が塞がれないことを条件として、容器部の樋部側の壁に対向する壁に近付くに従って上方に向かって延びていてもよい。そして、このバケットは、その周回軌道のうち下側の軌道において容器部の口が上側を向き、上側の軌道において容器部が樋部よりも上側に位置すると共に樋部が斜め下方に傾く姿勢をとるように周回体に取り付けられている。なお、バケットは直接的に周回体に取り付けられてもよいし、接続金具(アタッチメント)等を介して周回体に取り付けられてもよい。また、上記下側の軌道は冷媒槽の槽内に位置し、上記上側の軌道は冷媒槽の外側に位置する。
このため、この凍結ペレット製造装置では、バケットが冷媒槽を通過する際において、投下装置から投下される凍結対象物を容器部で受け取ると共に、その凍結対象物を容器部内の冷媒と熱交換させて凍結ペレット化することができ、冷媒槽の外部においてその凍結ペレットを容器部から排出させることができる。このため、この凍結ペレット製造装置では、効率的に凍結対象物の凍結ペレット化および凍結ペレットの排出を行うことができる。
本発明の第4局面に係る凍結ペレット製造装置は、第1局面から第3局面のいずれかの局面に係る凍結ペレット製造装置であって、バケットは、壁に開口、孔または隙間を有する部材から形成されている。なお、「壁に開口、孔または隙間を有する部材」とは、例えば、パンチングメタルや金属メッシュ等である。また、ここにいう「壁」は側壁および底壁の少なくとも一方である。
このため、この凍結ペレット製造装置では、バケットが冷媒槽の槽内に進入する際にバケット内に冷媒が流れ込み、バケットが冷媒槽の槽内から離脱する際にバケット内に凍結ペレットを残して冷媒のみが冷媒槽に流れ戻る。したがって、この凍結ペレット製造装置では、冷媒を飛散等させて減量させるおそれを低減することができる。
本発明の第5局面に係る凍結ペレット製造装置は、第4局面に係る凍結ペレット製造装置であって、バケットは、冷媒槽の槽内を通過する際、移動方向下流側に向かうに従って上方に移動する。なお、かかる場合、バケットは、斜め上方に向かって移動してもよいし、円弧軌道を描くように移動してもよい。
このため、この凍結ペレット製造装置では、バケット移動方向下流側に向かうに従ってバケット内の冷媒量を減らすことができる。また、この凍結ペレット製造装置では、冷媒槽の底面をバケット移動方向下流側に向かうに従って上方に傾斜させることができるため、冷媒槽の底面が水平になっている場合に比べて冷媒槽中の冷媒量を少なく済ませることができる。
本発明の第6局面に係る凍結ペレット製造方法は、凍結ペレット形成工程および固液分離工程を備える。凍結ペレット形成工程では、冷媒中を通過するバケットに向かって凍結対象物が投下されて、バケット内に凍結対象物の凍結ペレットが形成される。固液分離工程では、バケットの周回中に凍結ペレットが冷媒から分離される。
このため、この凍結ペレット製造方法では、比較的大きな凍結粒である凍結ペレットを連続的に製造することができる。また、上述の通り、この凍結ペレット製造方法では、バケットが周回(循環)されるため、例えば、(i)冷媒通過後のバケットを逆さまにして、パンチングメタル製や金属メッシュ製の受け皿に凍結ペレットを冷媒ごと落とし、凍結ペレットを受け皿で受けると共に冷媒を冷媒の貯留槽に戻したり、(ii)バケットをパンチングメタルや金属メッシュ等で形成し、バケットが冷媒から出る際にバケットに冷媒を残留されないようにしたり、(iii)冷媒通過後のバケットが冷媒の貯留槽に戻るまでの間にバケットから凍結ペレットのみを取り出してバケットに冷媒のみが入った状態にし、バケットが冷媒の貯留槽に戻った際に冷媒を貯留槽に戻す等すれば、ほぼ一定の冷媒量で凍結ペレットを製造することができる。このため、この凍結ペレット製造方法では、多量の溶媒を必要とすることがない。よって、この凍結ペレット製造方法では、多量の溶媒を必要とすることなく、比較的大きな凍結粒である凍結ペレットを連続的に製造することができる。
本発明の実施の形態に係る凍結ペレット製造充填システムの模式図である。 本発明の実施の形態に係る凍結ペレット製造装置の正面側部分縦断面図である。 本発明の実施の形態に係る凍結ペレット製造装置の側面側縦断面図である。 本発明の実施の形態に係る電磁振動式搬送コンベアの側面図である。 本発明の実施の形態に係る電磁振動式搬送コンベアの常温における振幅曲線と、低温における振幅曲線とを比較するための図である。 実施例5に示される異音発生テストの結果を示すグラフ図である。 比較例1に示される異音発生テストの結果を示すグラフ図である。
本発明の実施の形態に係る凍結ペレット製造充填システムSYは、図1に示されるように、主に、凍結ペレット製造装置100、電磁振動式搬送コンベア200、計量装置300および充填装置400から構成されている。なお、図1に示されるように、これらの装置のうち電磁振動式搬送コンベア200、計量装置300および充填装置400は、アクリル樹脂製の壁によって形成される半密閉空間RMに収容されている。以下、これらの装置それぞれについて詳述した後に、この凍結ペレット製造充填システムSYを用いた凍結ペレットの製造から充填までの流れを説明する。
<凍結ペレット製造充填システムの各構成装置の詳細>
1.凍結ペレット製造装置
凍結ペレット製造装置100は、図2および図3に示されるように、主に、筐体110、バケットコンベア120、滴下装置130、冷媒槽140、排出シュート150、排気フード160、局所排気装置170およびブローノズル180から構成されている。以下、これらの構成要素それぞれについて詳述する。
(1)筐体
筐体110は、図2および図3に示されるように、主に、正面壁Wf、背壁Wb、底壁Wm、左側壁Wl、右側壁Wr、第1天壁Wt1、第2天壁Wt2および第3天壁Wt3から構成されている。正面壁Wfは、図3に示されるように底壁Wmの前側の縁から上方に向かって延びる平壁である。背壁Wbは、図3に示されるように底壁Wmの後側の縁から上方に向かって延びる平壁である。なお、図3に示されるように、この背壁Wbは、正面壁Wfよりも高い位置まで延びている。底壁Wmは、筐体110の底を形成する平壁である。なお、この底壁Wmの四隅には、ストッパー付きのキャスター115が取り付けられている。このため、この凍結ペレット製造装置100は、移動可能である。左側壁Wlは、図2に示されるように、底壁Wmの左側の縁から上方に向かって延びる平壁である。なお、この左側壁Wlは、正面側の上側の角が斜めに切り落とされた形状を呈している(図3参照)。右側壁Wrは、図2に示されるように、底壁Wmの右側の縁から上方に向かって延びる平壁である。なお、この右側壁Wrは、正面側の上側の角が斜めに切り落とされた形状を呈している。第1天壁Wt1は、背壁Wbの上側の縁から前方に向かって延びる平壁である。第3天壁Wt3は、正面壁Wfの上側の縁から後方に向かって延びる平壁である。第2天壁Wt2は、図3に示されるように、第1天壁Wt1の前方の縁から第3天壁Wt3の後方の縁までの延びる傾斜壁であって、第3天壁Wt3の後方の縁から第1天壁Wt1の前方の縁に向かうに従って上方に傾斜している。
(2)バケットコンベア
バケットコンベア120は、図2および図3に示されるように、主に、駆動スプロケット121、従動スプロケット(図示せず)、無端チェーンCh、バケット122、アタッチメントAM、駆動モータ123、回転シャフト124、カップラ125、軸受け126、ガイド支持プレート127およびガイド部材128から構成されている。なお、このバケットコンベア120は、図2および図3に示されるように、二本の支柱Psによって支持されている。以下、これらの構成要素それぞれについて詳述する。
(2−1)駆動スプロケットおよび従動スプロケット
駆動スプロケット121および従動スプロケットは、円盤体の外周縁に複数の歯が設けられた歯車体であって、互いの回転軸が平行になると共に回転面が同一面になるように離間配置されている(ここで、回転軸は回転面と直交する。)。なお、本発明の実施の形態に係る凍結ペレット製造装置100では、これらの回転面は水平面に対して45°〜60°程度、傾斜している(図3参照)。そして、この駆動スプロケット121と従動スプロケットとには、無端チェーンChが架け渡されている。このとき、無端チェーンChは、長円形状または角丸長方形状(長方形の二対の対向辺のうち一対の対向辺が外側に膨らむ半円形状に置き換えられた形状)となっている。なお、この無端チェーンChの周回面は、図3に示されるように、水平面に対して傾斜しており、駆動スプロケット121および従動スプロケットの回転面と同一面上にある。また、この凍結ペレット製造装置100では、駆動スプロケット121が従動スプロケットよりも僅かに高い位置に配設されている。このため、この凍結ペレット製造装置100では、図2に示されるように、無端チェーンChは滴下装置配設側から排出シュート配設側に向かうに従って(図1の左側から右側に向かうに従って)上方に傾斜している。なお、この傾斜角度は3°〜5°程度とされている。駆動スプロケット121は、図3に示されるように、その回転軸に沿って延びる回転シャフト124およびカップラ125を介して駆動モータ123に連結されており、駆動モータ123によって回転駆動される。一方、従動スプロケットは、その回転軸に沿って延びる回転シャフト(図示せず)に連結されており、その回転シャフトは軸受け(図示せず)によって回転自在に支持されている。そして、この従動スプロケットは、駆動スプロケット121が駆動モータ123により回転駆動されると、その回転駆動力によって周回させられる無端チェーンChによって回転駆動される。
(2−2)無端チェーン
無端チェーンChは、通常の環状チェーンである。この無端チェーンChは、上述の通り、駆動スプロケット121および従動スプロケットに架け渡され、駆動モータ123によって回転駆動される駆動スプロケット121によって周回運動させられる(本実施の形態に係る凍結ペレット製造装置100では、無端チェーンChは正面側からみたとき反時計回りに周回する。)。また、この無端チェーンChの外周側の部位には、無端チェーンChにバケット122を取り付けるためのアタッチメントAmが取り付けられている。
(2−3)バケット
バケット122は、パンチングメタルや金属メッシュ等により形成されるシュート付き容器体であって、図3に示されるように、主に、容器部122aおよび樋部122bから形成されており、上述の通り、アタッチメントAmを介して無端チェーンChに固定的に連結されている。ここで、樋部122bは、容器部122aの樋部側の壁に対向する壁から遠ざかるに従って上方に向かって延びている(図3の左下のバケット122を参照。)。なお、本実施の形態に係る凍結ペレット製造装置100では、複数のバケット122が用意され、バケット122は密に配列されている。また、パンチングメタルや金属メッシュの孔は、凍結ペレットRmが通過しない程度の大きさとされている。本実施の形態に係る凍結ペレット製造装置100では、駆動スプロケット121の回転軸に沿って見たとき、容器部122aが樋部122bよりも外側に位置し、且つ、容器部122aが無端チェーンChの外側に位置するようにバケット122が無端チェーンChに取り付けられている。この結果、この凍結ペレット製造装置100では、図2および図3に示されるように、バケット122の周回軌道のうち下側の直線傾斜軌道(以下「下側直線傾斜軌道」と称する。)においてバケット122の容器部122aの口が上側を向き、上側の直線傾斜軌道(以下「上側直線傾斜軌道」と称する。)において容器部122aが樋部122bよりも上側に位置すると共に樋部122bが斜め下方に傾く姿勢をとる。なお、ここで、バケット122の下側直線傾斜軌道は冷媒槽140の槽内に位置しており、上側直線傾斜軌道は排出シュート150よりも上方に位置している。また、ここで、バケット122の下側直線傾斜軌道のバケット移動方向最上流地点付近では、バケット122の容器部122aの口が液体状の冷媒(以下「液冷媒」と称する)Rtの液面よりも下方に位置しているが(図2参照)、バケット122がバケット移動方向下流側に移動するに従って、バケット122の容器部122aの口が液冷媒Rtの液面に近づいていき、下側直線傾斜軌道のほぼ中間点でバケット122の容器部122aの口が液冷媒Rtの液面よりも上側に位置するようになる(すなわち、液冷媒Rtの液面は、バケット122の下側直線傾斜軌道の中間点よりも上流側に位置するバケット122の容器部122aの口が液冷媒Rtに完全に浸漬するように設定されている。)。そして、それからさらにバケット122がバケット移動方向下流側に向かって移動すると、バケット122の容器部122aの口が液冷媒Rtの液面から次第に遠ざかっていく。そして、上述した通り、バケット122はパンチングメタルや金属メッシュ等の孔付き部材により形成されているため、バケット122がバケット移動方向下流側に移動するに従い、バケット122の容器部内の液冷媒量は徐々に減少する。
なお、以下、下側直線傾斜軌道のバケット移動方向下流側から上側直線傾斜軌道のバケット移動方向上流側までのバケット122の軌道を「右側半円弧軌道」と称し、上側直線傾斜軌道のバケット移動方向下流側から下側直線傾斜軌道のバケット移動方向上流側までのバケット122の軌道を「左側半円弧軌道」と称して、これらの軌道を説明する。本実施の形態に係る凍結ペレット製造装置100では、図2に示されるように、バケット122の右側半円弧軌道のバケット移動方向上流側においてバケット122の容器部122aが液冷媒Rtから抜け出る。上述の通り、バケット122はパンチングメタルや金属メッシュ等の孔付き部材により形成されているため、このとき、バケット122の容器部122aには、凍結ペレットRmと、凍結ペレットRmの内部に残留する微量の液冷媒Rtとが残存することになる。また、本実施の形態に係る凍結ペレット製造装置100は、バケット122の左側半円弧軌道および右側半円弧軌道それぞれの中間点においてバケット122の容器部122aと樋部122bの上下位置関係が反転するように設計されている。すなわち、バケット122の右側半円弧軌道のバケット移動方向上流側ではバケット122の容器部122aは樋部122bよりも低位になる状態を維持するが、中間点でこれが反転し、バケット移動方向下流側では容器部122aが樋部122bよりも高位になる状態となる。このため、この凍結ペレット製造装置100では、右側半円弧軌道のバケット移動方向下流側において、バケット122の容器部内の凍結ペレットRmが樋部122bを滑り落ちる。一方、バケット122の左側半円弧軌道の中間点では逆の現象が起きる。すなわち、バケット122の左側半円弧軌道のバケット移動方向上流側ではバケット122の容器部122aは樋部122bよりも高位になる状態を維持するが、バケット移動下流側ではこれが反転し、バケット移動方向下流側では容器部122aが樋部122bよりも低位になり、バケット122の容器部122aの口が上側を向く状態となる。このため、この凍結ペレット製造装置100では、左側半円弧軌道のバケット移動方向下流側において、バケット122の容器部122aに凍結対象液の液滴を収容することができる状態となることができる。
(2−4)アタッチメント
アタッチメントAMは、図3に示されるように、断面が略L字の屈曲板であって、上述の通り、無端チェーンChとバケット122との接合を媒介する部材である。なお、このアタッチメントAMは、複数のバケット122に対して各々1つ用意されている。そして、図3に示されるように、アタッチメントAMの一方の平板部位にバケット122の樋部122bの先端部位が接合され、他方の平板部位に無端チェーンChが接合されている。また、このアタッチメントAMの無端チェーン取付側の平板部位の下端部にガイド片Gbが取り付けられている。なお、このガイド片Gbの機能については後述する。
(2−5)駆動モータ
駆動モータ123は、通常の直流モータであって、主に、モータ本体123aおよびモータシャフト123bから構成されている。モータシャフト123bは、モータ本体123aの回転軸に沿って延びている。そして、このモータシャフト123bは、カップラ125によって回転シャフト124に連結されている。
(2−6)回転シャフト
回転シャフト124は、上述の通り、カップラ125によって駆動モータ123のモータシャフト123bに連結されると共に、駆動スプロケット121に連結されている。このため、駆動モータ123が運転しだすと、この回転シャフト124により駆動スプロケット121にその回転動力が伝達され、駆動スプロケット121が回転しだす。
(2−7)カップラ
カップラ125は、上述の通り、駆動モータ123のモータシャフト123bと回転シャフト124とを連結する部材である。
(2−8)軸受け
軸受け126は、図3に示されるように、回転シャフト124を回転自在に支持している。
(2−9)ガイド支持プレート
ガイド支持プレート127は、図3に示されるように、ガイド部材128を支持するための板状部材であって、駆動スプロケット121および従動スプロケットの上方に配設されている。
(2−10)ガイド部材
ガイド部材128は、上述の通り、ガイド支持プレート127の下面から駆動スプロケット121の回転軸に平行な方向に沿って下方に延びており、先端にガイド片受部Mrが配設されている。このガイド片受部Mrは、図3に示されるように、アタッチメントAMに取り付けられているガイド片Gbを規定方向に案内するものである。このガイド片Gbおよびガイド片受部Mrによって、バケット122の周回運動が安定化されている。
(3)滴下装置
滴下装置130は、例えば、自重滴下装置や振動滴下装置等の滴下装置であって、図2および図3に示されるように、主に、貯留筒131および滴下ノズル132から構成されており、筐体110の第3天壁Wt3の開口の上に設置されている。貯留筒131は、滴下ノズル132の直上に配設されており、滴下ノズル132によって下方に滴下する凍結対象液を加圧する共に一時的に貯留する役目を担っている。滴下ノズル132は、第3天壁Wt3の開口の上方に配設されており、貯留筒131に貯留されている凍結対象液を、適度な径のオリフィスを備えたディスペンサーにより液滴化して下方に落下させる役目を担っている。なお、ディスペンサーは、液滴Lqをつくる際、滴下量を制御して一定の大きさの液滴を作り出すように構成されている。ところで、このディスペンサーでは、凍結対象液の物性に応じたオリフィス径を選択する必要がある。例えば、凍結対象液が粘度4〜30mPa・sの乳酸菌培養物である場合は、オリフィス径をφ0.6mm〜φ1.2mmとするのが好ましい。なお、かかる場合、液滴Lqの直径は1.0mm〜6.0mmとなる。また、真下に位置する液冷媒Rtの冷気によって形成中の液滴Lqが凍結してオリフィスが閉塞されないように、ディスペンサーには、蒸気または加温窒素ガス等の凍結防止ガスを常時通気しておくのが好ましい。かかる場合、凍結防止ガスの温度は、凍結対象液の品質を損ねない範囲の温度とする必要がある。例えば、凍結対象液が乳酸菌培養液である場合は、乳酸菌の菌数ならびに発酵活力や生理機能を低下させない温度とする必要がある。また、本実施の形態に係る凍結ペレット製造装置100では、第3天壁Wt3の開口の下方が、バケット122の下側直線傾斜軌道のバケット移動方向最上流地点近傍となるように設計されている。そして、本実施の形態に係る凍結ペレット製造装置100では、滴下装置130から落ちてくる液滴Lqがバケット122の容器部122aで受け止められるように、滴下装置130の滴下タイミングおよびバケット122の移動速度等が調整されている。
(4)冷媒槽
冷媒槽140は、液冷媒Rtを貯留するための略直方体状の槽であって、図2および図3に示されるようにバケット122の下側直線傾斜軌道を含む位置に設置されている。なお、液冷媒Rtとしては、液体窒素や、液体二酸化炭素、液体フロン等が挙げられる。また、本実施の形態に係る凍結ペレット製造装置100では、冷媒槽140には、バケット122の下側直線傾斜軌道の中間点よりも上流側に位置するバケット122の容器部122aの口が液冷媒Rtに完全に浸漬する量の液冷媒Rtが貯留されている。すなわち、バケット122の下側直線傾斜軌道の中間点よりも上流側では、バケット122の容器部122aの口は液冷媒Rtの液面よりも下方に位置することになる(図2参照)。なお、この冷媒槽140は、液面計(図示せず)を備えると共に冷媒供給装置(図示せず)に接続されており、その液面が一定となるように液冷媒供給装置から液冷媒Rtが供給されている。また、図2に示されるように、この冷媒槽140の底壁には排出口Ehが設けられており、その排出口Ehには開閉バルブVeが接続されている。なお、この開閉バルブVeは、凍結ペレット製造装置100の運転開始前に製造環境を整える目的で、筐体110の底壁Wmに液冷媒Rtを散布してガス化させる際に開状態とされる。また、この冷媒槽140の底面は、図2に示されるように排出口Ehから排出シュート配設側に向かうに従って(図1の排出口Ehから右側に向かうに従って)上方に傾斜すると共に、排出口Ehから左側壁Wlに向かうに従って(図1の排出口Ehから左側に向かうに従って)上方に傾斜している(すなわち、排出口Ehは冷媒槽140の最も低い位置に配設されている。)。
なお、本実施の形態に係る凍結ペレット製造装置100では、安全衛生面を考慮して、冷媒槽140の上方に駆動スプロケット121や、従動スプロケット、無端チェーンCh等の被駆動部品が位置しないように設計されている。
(5)排出シュート
排出シュート150は、図2に示されるように、正面視において、バケット122の下側直線傾斜軌道のバケット移動方向最下流地点近傍と、バケット122の上側直線傾斜軌道のバケット移動方向最上流地点近傍との間の高さ位置に設置されている。上述したように、この凍結ペレット製造装置100では、右側半円弧軌道のバケット移動方向下流側において、バケット122の容器部内の凍結ペレットRmが樋部122bを滑り落ちる。排出シュート150は、この滑り落ちた凍結ペレットRmを受け止めた後、その凍結ペレットRmを電磁振動式搬送コンベア200へ滑り落とす。
(6)排気フード
排気フード160は、凍結ペレット製造装置100の運転開始前に筐体110の中の気体の露点を−60℃以上0℃以下の範囲内に収まるように調整するために、筐体110の内部の水蒸気等を筐体110の外に排出する役目を担う。また、この排気フード160は、凍結ペレット製造装置100の稼働中に発生するガス冷媒(例えば、窒素ガスや二酸化炭素ガス、フロンガス等)を筐体110の外部に排出する役割も担っている。
(7)局所排気装置
局所排気装置170は、凍結ペレット製造装置100の稼働中において、凍結対象液を液冷媒Rtに滴下する際に発生する霧(水蒸気が凝縮してできた微小な水滴群)を筐体110の外部に排出する役目を担っている。
(8)ブローノズル
ブローノズル180は、凍結ペレットRmを排出シュート150に投下した後のバケット122、すなわち、バケット122の上側直線傾斜軌道のバケット移動方向最上流地点近傍に位置するバケット122に窒素ガス等のガスを吹き付けて、そのバケット122の内部から凍結ペレットの断片や破片等を排出して、凍結ペレットの塊等ができないようにする役目を担う。また、このブローノズル180は、筐体内に窒素ガスや希ガス等のガスを導入して筐体内の露点を−60℃から0℃の範囲内まで下げると共に、筐体内の圧力を筐体外の圧力より高める役目も担っている。
2.電磁振動式搬送コンベア
電磁振動式搬送コンベア200は、通常の電磁振動式搬送コンベアであって、凍結ペレット製造装置100の排出シュート150から滑り落ちてくる凍結ペレットRmを計量装置300に搬送する役目を担っている。なお、本発明の実施の形態に係る凍結ペレット製造充填システムSYにおいて、この電磁振動式搬送コンベア200は、図4に示されるように、半密閉空間RMを形成するカバーCVによって覆われている。
この電磁振動式搬送コンベア200は、図4に示されるように、主に、電磁振動装置210、トラフ221および連結皿222から構成されている。以下、これらの構成要素について詳述する。
電磁振動装置210は、図4に示されるように、主に、本体211、板バネ212、アーマチュア213およびコイルスプリング214から構成されている。本体211は、図4に示されるように、主に、筐体211a、電磁コイル211b、制御回路(図示せず)、電源回路(図示せず)および操作パネル(図示せず)から構成されている。筐体211aには、図4に示されるように、電磁コイル211b、制御回路および電源回路等が収容されると共に、筐体211aの外面に操作パネルが露出するようにして配設されている。なお、電磁コイル211bは、図4に示されるように、筐体211aの内部においてアーマチュア213と対向するように配設されている。なお、この電磁コイル211bには、間欠的に電圧が印加される。このため、電磁コイル211bが間欠的に励磁されることになり、強磁性体であるアーマチュア213が電磁コイル211bに対して接近・離間を短時間で繰り返す。この結果、アーマチュア213が振動する。そして、このとき、板バネ212もアーマチュア213に連動して振動するため、連結皿222を介して板バネ212に接合されているトラフ221も振動することになる。なお、かかる場合の(固有)振動数は、トラフ221の質量および板バネ212のバネ定数等の因子によって定まる。アーマチュア213は、上述の原理で振動する振動子であって、上述の通り、本体211に収容される電磁コイル211bと僅かな隙間を介して対向している。コイルスプリング214は、図4に示されるように、本体211の脚として用いられており、載置台TBの突起部PRに嵌め込まれている。なお、このコイルスプリング214は、電磁振動装置210で生じる振動を吸収し、その振動を載置台TBに伝達しないようにする役目を担っている。
ところで、電磁振動装置210の振幅曲線は、図5に示される通り、電磁振動装置210の運転温度が低温になる従って高波長側にシフトする。このため、この電磁振動装置220では、駆動周波数が、25℃における運転時のトラフ231の固有振動数から4Hzだけ差し引いた振動数に設定されており、電磁コイル211bはその設定振動数に適合する出力をアーマチュア213に供給してアーマチュア213を振動させる。そして、アーマチュア213および板バネ212の振動が連結皿222を介してトラフ221と伝達され、その結果、トラフ221が振動して凍結ペレットRmが凍結ペレット搬送方向下流側へと搬送される(凍結ペレット搬送方向は、図4の左側から右側に向かう方向である。)。
トラフ221は、凍結ペレットRmの搬送路となる部材であって、図4に示されているように、連結皿222を介して電磁振動装置210の板バネ212に連結されている。
連結皿222は、図4に示されているように、電磁振動装置210の板バネ212に取り付けられており、トラフ221の電磁振動装置210への接合を媒介する。
3.計量装置
計量装置300は、振動フィーダ式計量装置やコンピュータースケール式計量装置等の通常の計量装置であって、一定量の凍結ペレットRmを量り取って、これを充填装置400に送る。
4.充填装置
充填装置400は、縦ピロー包装装置や、横ピロー包装装置、給袋式包装装置等の通常の充填装置であって、計量装置300から送られてきた一定量の凍結ペレットRmを容器に充填して封をする役目を担っている。
<凍結ペレットの製造から充填までの流れ>
1.準備工程
準備工程では、以下の操作が行われる。
先ず、凍結ペレット製造装置100の運転開始に先立って、凍結ペレット製造装置100においてブローノズル180から常温の乾燥窒素ガスや、乾燥空気(除湿空気)、乾燥希ガスを放出させながら、排気フード160から筐体110の内部の水蒸気等を筐体110の外に排出して筐体内の露点を−60℃から0℃の範囲内まで下げる。次に、この冷媒槽140の開閉バルブVeを開状態にして、筐体110の底壁Wmに液冷媒Rtを散布してガス化させ、筐体110の内部の雰囲気をガス冷媒で置換すると共に筐体内の圧力を筐体外の圧力より高める(この内外圧力差は排気フード160のファンの回転速度等によって調整される)。なお、このとき、補足的に乾燥冷媒ガスを筐体110の内部に追加供給してもよい。ただし、このとき、駆動モータ123の周囲温度を0℃未満としないように留意する。
また、電磁振動式搬送コンベア200、計量装置300および充填装置400の運転開始に先立って、半密閉空間RMの内部を凍結ペレット製造装置100の筐体110の内部と同じ環境に調整する。なお、この調整は、凍結ペレット製造装置100に備わっている排気フード160およびブローノズル180等を同半密閉空間RMに設置することによって実施される。また、電磁振動式搬送コンベア200、計量装置300および充填装置400については、凍結ペレットRmの通過路および装置の底部に液冷媒Rtを散布して、凍結ペレットRmの通過路の温度を0℃以下に低下させておく。なお、この操作は、電磁振動式搬送コンベア200、計量装置300および充填装置400が一時停止された際に半密閉空間RMの温度や湿度が上昇した場合にも実行される。ただし、そのときの温度や湿度によっては、乾燥ガスの導入操作を省略して液冷媒Rtの散布から始めてもよい。
2.凍結ペレット製造工程
凍結ペレット製造工程では、先ず、滴下装置130において、滴下ノズル132が貯留筒内の凍結対象液を液滴化する。液滴化された凍結対象液すなわち液滴Lqはそのまま自然落下し、バケット122の下側直線傾斜軌道のバケット移動方向最上流地点近傍の液冷媒Rtの液面に接触してそのまま液冷媒Rtに沈んでいき、バケット122の容器部122aに収容される。そして、バケット122の容器部内の液滴Lqは、そのバケット122が下側直線傾斜軌道に沿って移動する最中に次第に冷却されて完全に凍結ペレット化する。このようにして生成された凍結ペレットRmは、バケット122が右側半円弧軌道のバケット移動方向下流側まで移動したときにバケット122の樋部122bを滑り落ちて、排出シュート150に落下する。排出シュート150に落下した凍結ペレットRmは、そのまま排出シュート150を滑り落ち、電磁振動式搬送コンベア200へと導かれる。なお、この凍結ペレット製造工程では、上述の凍結ペレット製造装置100によって上述の操作が繰り返され、連続的に凍結ペレットRmが製造される。
なお、この凍結ペレット製造工程では、常時、ブローノズル180からガスが吹き出されると共に、定期的に冷媒槽140の開閉バルブVeが開閉操作されて筐体110の底壁Wmに液冷媒Rtが散布されてガス化される。また、それと同時に排気フード160および局所排気装置170が作動されて、凍結ペレット製造装置100の筐体110の内部圧力が外部圧力よりも高くなる状態を保ちつつ、筐体内の水蒸気等が外部へ排出される。
3.凍結ペレット搬送工程
凍結ペレット搬送工程では、凍結ペレット製造工程で製造された凍結ペレットRmが電磁振動式搬送コンベア200によって計量装置300に搬送される。
4.凍結ペレット計量工程
凍結ペレット計量工程では、計量装置300が、電磁振動式搬送コンベア200によって搬送されてきた凍結ペレットRmを一定量量り取って、一定量の凍結ペレットRmを順次、充填装置400に送る。
5.凍結ペレット充填工程
凍結ペレット充填工程では、充填装置400が、計量装置300から搬送されてきた一定量の凍結ペレットRmを容器に充填した後にその容器に封をする。
<本発明の実施の形態に係る凍結ペレット製造充填システムの特徴>
(1)
本発明の実施の形態に係る凍結ペレット製造充填システムSYでは、凍結ペレット製造装置100の稼働開始前に、筐体110の内部のガスの露点が−60℃〜0℃に下げられると共に筐体110の内圧が外圧よりも高く調整される。このため、この凍結ペレット製造充填システムSYでは、凍結ペレット製造装置100においてバケット122表面に霜や氷塊を付着させることなく、凍結ペレットRmを連続的に安定して製造することができる。
(2)
本発明の実施の形態に係る凍結ペレット製造充填システムSYでは、電磁振動式搬送コンベア200、計量装置300および充填装置400が半密閉空間RMに収容されており、これらの装置の稼働開始前に、半密閉空間RMの内部のガスの露点が−60℃〜0℃に下げられると共に半密閉空間RMの内圧が外圧よりも高く調整され、さらに、凍結ペレットRmの通過路の温度が0℃以下に低下させられる。このため、この凍結ペレット製造充填システムSYでは、凍結ペレットRmの通過路において凍結ペレットRmの融解・再凍結を防ぐと共に、凍結ペレットRmの通過路への霜の付着を防ぐことができ、延いてはトラブルなく凍結ペレットの搬送、計量および充填を実施することができる。
(3)
本発明の実施の形態に係る凍結ペレット製造充填システムSYでは、凍結ペレット製造装置100で製造された凍結ペレットRmを計量装置300まで搬送する搬送コンベアとして電磁振動式搬送コンベア200が採用されている。このため、この凍結ペレット製造充填システムSYでは、電磁振動式搬送コンベア200において、密着した凍結ペレットRmが分散化されると共に、その内部に密閉されている液冷媒Rtを短時間でほぼ完全に気化させることができる。このため、この凍結ペレット製造充填システムSYでは、充填装置400において凍結ペレットRmが高機密性容器に充填されて封をされる場合であっても、その保存中に液冷媒Rtが気化して容器が膨張したり、破裂したりすることがない。
<本発明の実施の形態に係る凍結ペレット製造装置の特徴>
(1)
本発明の実施の形態に係る凍結ペレット製造装置100では、滴下装置130において、滴下ノズル132が貯留筒内の凍結対象液を液滴化する。そして、液滴化された凍結対象液すなわち液滴Lqはそのまま自然落下し、バケット122の下側直線傾斜軌道のバケット移動方向最上流地点近傍の液冷媒Rtの液面に接触してそのまま液冷媒Rtに沈んでいき、バケット122の容器部122aに収容される。そして、バケット122の容器部内の液滴Lqは、そのバケット122が下側直線傾斜軌道に沿って移動する最中に次第に冷却されて完全に凍結ペレット化する。このようにして生成された凍結ペレットRmは、バケット122が右側半円弧軌道のバケット移動方向下流側まで移動したときにバケット122の樋部122bを滑り落ちて、排出シュート150に落下する。このため、この凍結ペレット製造装置100では、従前のバッチ式の凍結ペレット製造装置に比べて多量の溶媒を必要とすることなく、比較的大きな凍結ペレットRmを連続的に製造することができる。
(2)
本発明の実施の形態に係る凍結ペレット製造装置100では、バケット122はパンチングメタルや金属メッシュ等の孔付き部材により形成されている。このため、バケット122の右側半円弧軌道のバケット移動方向上流側においてバケット122の容器部122aが液冷媒Rtから抜け出る際、バケット122の容器部122aには、凍結ペレットRmと、凍結ペレットRmの内部に残留する微量の液冷媒Rtとしか残存しない。したがって、この凍結ペレット製造装置100では、液冷媒Rtを飛散等させて減量させるおそれを低減することができる。
(3)
本発明の実施の形態に係る凍結ペレット製造装置100では、バケット122は、パンチングメタルや金属メッシュ等の孔付き部材により形成されていると共に、バケット移動方向下流側に移動するに従って、バケット122の容器部122aの口が液冷媒Rtの液面に近づいていき、下側直線傾斜軌道のほぼ中間点でバケット122の容器部122aの口が液冷媒Rtの液面よりも上側に位置するようになる。そして、それからさらにバケット122が、バケット移動方向下流側に向かって移動すると、バケット122の容器部122aの口が液冷媒Rtの液面から次第に遠ざかっていく。このため、この凍結ペレット製造装置100では、バケット122がバケット移動方向下流側に移動するに従って、バケット122の容器部内の液冷媒量を徐々に減少させることができる。
(4)
本発明の実施の形態に係る凍結ペレット製造装置100では、冷媒槽140の底面が排出口Ehから排出シュート配設側に向かうに従って上方に傾斜すると共に、排出口Ehから左側壁Wlに向かうに従って上方に傾斜している。このため、この凍結ペレット製造装置100では、冷媒槽140に貯留すべき液冷媒Rtの量を少なくすることができる。
(5)
本発明の実施の形態に係る凍結ペレット製造装置100では、駆動系である駆動スプロケット121、従動スプロケット、無端チェーンCh等と、冷媒槽140とが離間配置されており、駆動系が液冷媒Rtに接触することがない。このため、この凍結ペレット製造装置100では、駆動系と冷媒槽140との間にシール材を設けることが不要となり、従前の凍結ペレット製造装置に比べ安定的な稼働を実現することができる。
<本発明の実施の形態に係る電磁振動式搬送コンベアの特徴>
本発明の実施の形態に係る電磁振動式搬送コンベア200では、駆動周波数が、25℃における運転時のトラフ221の固有振動数から4Hzだけ差し引いた振動数に設定されており、電磁コイル211bはその設定振動数に適合する出力をアーマチュア213に供給してアーマチュア213を振動させる。このため、この電磁振動式搬送コンベア200は、超低温下でも、アーマチュア213が電磁コイル211bに当接することなく、延いては異音の発生を防止することができる。
<変形例>
(A)
先の実施の形態に係る凍結ペレット製造装置100にはバケット122を周回運動させるための動力源として駆動モータ123が設けられたが、動力源として人や動物の力を用いてもよい(すなわち、凍結ペレット製造装置100は手動式であってもよい。)。
(B)
先の実施の形態に係る凍結ペレット製造装置100では無端チェーンChの周回面が水平面に対して45°〜60°傾斜するように設計されていたが、無端チェーンChの周回面は、水平面に平行であってもよいし、水平面に対して直交していてもよい。なお、前者の場合は、バケット122に樋部122bを設ける必要はなく、掬い網等でバケット122の中の凍結ペレットRmを掬いだす機構を設ける必要があると共に、冷媒槽140の上方に駆動スプロケット121や、従動スプロケット、無端チェーンChの駆動系を設置し、バケット122が常に冷媒槽140の内部を周回する状態にする必要がある。なお、かかる場合、駆動系と冷媒槽140との間に遮蔽板等を設けることが好ましい。一方、後者の場合は、樋部122bの滑面がバケット周回方向の下流側を向くようにしてバケット122を無端チェーンChに取り付けることが好ましい。
(C)
先の実施の形態に係る凍結ペレット製造装置100ではバケット122を周回運動させる手段として無端チェーンChが用いられたが、無端チェーンChに代えて複数のモータ搭載自己駆動式周回車を有する円環レールが用いられてもよい。かかる場合、各周回車にバケット122が取り付けられる。
(D)
先の実施の形態に係る凍結ペレット製造装置100では凍結対象液の凍結媒体として液冷媒Rtが用いられたが、凍結対象液の凍結媒体としてガス冷媒が用いられてもかまわない。ただし、かかる場合、駆動モータ123の回転速度等を調節しなければならないことが想定される。
(E)
先の実施の形態に係る凍結ペレット製造装置100では筐体内をガスパージするためのパージガス源として冷媒槽140の液冷媒Rtが用いられたが、外部の液冷媒タンク等に貯留されている液冷媒をパージガス源としてもかまわない。
(F)
先の実施の形態に係る凍結ペレット製造装置100ではバケット122の下側直線傾斜軌道の中間点よりも上流側に位置するバケット122の容器部122aの口が液冷媒Rtに完全に浸漬するように液冷媒Rtの液面が設定されていたが、凍結対象液の比重や液滴Lqの大きさ(径)に応じて、液冷媒Rtの液面位置を変更してもよい。なお、液面位置を変更する方法としては、例えば、冷媒槽140の設置高さや、バケットコンベア120の設置高さを変える方法や、液冷媒Rtの貯留量を変える方法が挙げられる。
ところで、本願発明者らが様々な種類の凍結対象液を用いて液滴Lqが液冷媒Rtに落下した後の液滴Lqまたは凍結ペレットRmの挙動を観察したところ、その挙動には少なくとも4つのパターンが存在することが明らかとなった。その4つのパターンとは、液滴Lqまたは凍結ペレットRmが液冷媒Rtの液面に浮き続けるパターン(以下、このパターンを「パターン1」と称する。)、凍結過程の大部分で液冷媒Rtの液面に浮いているが、最後に沈降するパターン(以下、このパターンを「パターン2」と称する。)、落下当初から凍結過程の中盤まで液冷媒Rtに沈降しているが、中盤になって液冷媒Rtの液面に浮上し、最後にまた沈降するパターン(以下、このパターンを「パターン3」と称する。)、落下後に直ちに沈降しその後も沈降し続けるパターン(以下、このパターンを「パターン4」と称する。)である。先の実施の形態に係る凍結ペレット製造装置100において設定された液冷媒Rtの液面位置であると、パターン1およびパターン2では、凍結ペレットRmが液冷媒Rtの液面上で拡散してしまい、バケット122による凍結ペレットRmの回収率が落ちてしまう。このため、かかる場合は、バケット122の下側直線傾斜軌道のバケット移動方向最上流地点付近から最下流地点付近までバケット122の容器部122aの口が液冷媒Rtの液面よりも上方に位置するように冷媒槽140の液冷媒Rtの液面位置を設定するのが好ましい。パターン3については、先の実施の形態に係る凍結ペレット製造装置100において設定された液冷媒Rtの液面位置とすることが好ましい。パターン4については、液冷媒Rtの液面位置を、先の実施の形態に係る凍結ペレット製造装置100において設定された液冷媒Rtの液面位置に設定してもよいが、バケット122の下側直線傾斜軌道のバケット移動方向最上流地点付近から最下流地点付近までバケット122の容器部122aの口が液冷媒Rtの液面よりも下方に位置するように冷媒槽140の液冷媒Rtの液面位置を設定してもよい。また、凍結対象液の性状により凍結速度が異なる場合がある。その際は、バケット122の走行速度を適宜調整すればよい。もちろん、凍結対象液の凍結速度が低い場合はバケット122を低速で走行させ、凍結対象液の凍結速度が高い場合はバケット122を高速で走行させればよい。
(G)
先の実施の形態に係る凍結ペレット製造装置100ではバケット122がパンチングメタルや金属メッシュ等の孔付き部材で形成されたが、バケット122は通常の金属板(壁に孔や隙間がないもの)で形成されてもよい。かかる場合、排出シュート150をパンチングメタルや金属メッシュ等の孔付き部材で形成し、その排出シュート150を冷媒槽140の上方に配設するのが好ましい。このようにすれば、バケット122から落ちてくる凍結ペレットRmを排出シュート150で受け止めると共に、その凍結ペレットRmと同時に落ちてくる液冷媒Rtをそのまま冷媒槽140に戻すことができるからである。
(H)
先の実施の形態に係る凍結ペレット製造装置100では設けられていなかったが、排出シュート150の上方に位置するバケット122に対して振動を加えることができる振動装置を設けてもよい。このようにすれば、バケット122から凍結ペレットRmを効率的に回収することができるからである。
(I)
先の実施の形態に係る凍結ペレット製造装置100ではバケット122の周回軌道のうち下側の軌道が直線傾斜軌道とされていたが、この下側の軌道は円弧軌道とされてもよい。ただし、バケット122が、バケット122の移動方向下流側に向かうに従って、上方に移動することを前提とする。
(J)
先の実施の形態に係る凍結ペレット製造装置100では凍結対象物として液体が採用されたが、凍結対象物としてゴムやゲル体等の固体物が採用されてもかまわない。かかる場合、滴下装置に代えて粒子投下装置等の固体物投下装置を設置する必要がある。
(K)
先の実施の形態に係る凍結ペレット製造充填システムSYでは凍結ペレット製造装置100で製造された凍結ペレットRmを計量装置300に搬送する搬送装置として電磁振動式搬送コンベア200が採用されたが、この電磁振動式搬送コンベアの代わりにステンレスベルトコンベアやスクリューコンベアが採用されてもよい。かかる場合、包装体への充填後に包装体が膨張したり破裂したりしないようにするために、ステンレスベルトコンベアやスクリューコンベアに対して振動を加えるのが好ましい。ただし、計量装置300の電磁フィーダ等で凍結ペレットRmに対して振動を加える場合は、ステンレスベルトコンベアやスクリューコンベアに対して振動を加えなくてもかまわない。
(L)
先の実施の形態に係る凍結ペレット製造充填システムSYでは電磁振動式搬送コンベア200、計量装置300および充填装置400のみが半密閉空間RMに収容されていたが、凍結ペレット製造装置100も併せて半密閉空間RMに収容されてもよい。なお、かかる場合、凍結ペレット製造装置100の筐体110は設けられなくてもよい。
(M)
先の実施の形態に係る凍結ペレット製造充填システムSYでは設けられていなかったが、凍結ペレット製造装置100と充填装置400との間に真空乾燥装置を設置してもかまわない(すなわち、凍結ペレット製造工程後、凍結ペレット充填工程前に真空乾燥工程を挿し込んでもかまわない。)。このようにすれば、凍結ペレットRmの凍結乾燥物を得ることができる。
(N)
先の実施の形態に係る準備工程では実施されていなかったが、筐体内の露点を−60℃から0℃の範囲内まで下げた後に、滴下装置130に凍結対象液を供給することなく、バケットコンベア120を稼働させてバケット122を冷媒槽140の液冷媒Rtに通して凍結ペレットRmの製造開始前にバケット122を十分に冷却させてもよい。このようにすれば、凍結ペレット製造装置100の稼働初期においてバケット122の壁に接触した凍結ペレットRmが融解してしまうことを防ぐことができる。
(O)
先の実施の形態では特に特定されていなかったが、例えば、牛乳類(牛乳、低脂肪牛乳、加工乳、乳飲料等)、発酵乳、乳酸菌飲料、アイスクリーム類(アイスクリーム、ラクトアイス、アイスミルク、氷菓)、バター類等の乳製品や、菓子類等、乳酸菌の培養液以外のものが凍結対象液とされてもかまわない。
(P)
先の実施の形態に係る電磁振動装置210には搭載されていなかったが、例えば、操作パネルに運転環境温度入力部を設け、その運転環境温度入力部により入力された運転環境温度に基づいて駆動周波数を自動的に変動させるような機能を搭載してもよい。かかる場合、運転環境温度と駆動周波数とを紐付ける関連テーブル、または、運転環境温度と周波数の低下値とを紐付ける関連テーブル等を用意する必要がある。なお、後者の場合、基準駆動周波数から周波数の低下値を差し引いて実際の駆動周波数を導出するロジックも必要となる。
以下、実施例を示して本願発明の内容をより詳細に説明する。ただし、本願発明は実施例に限定されることはない。
(実施例1)
1.滴下ノズルの作製
φ91mmのSUS304製ディスペンサーのベースプレートにφ0.8mmのオリフィスを形成し、底面側(滴下側)を錘でφ3.0mm削りとって先端角度を30°にカットして滴下ノズルを作製した。
2.凍結ペレット製造
図2および図3を用いて[発明を実施するための形態]の欄で説明した凍結ペレット製造装置100の滴下装置130の滴下ノズルとして、先に作製した滴下ノズルを搭載して、凍結ペレットの製造を行った。なお、この際、筐体内に乾燥空気を導入して筐体内の絶対湿度を2.1610g/cmに低下させた後、冷媒槽140の開閉バルブVeを開状態として筐体110の底壁Wmに液体窒素を1分間散布した。次いで、排気フード160を開状態にし、気化した窒素ガスにより筐体内に残存する水蒸気を外部に追い出し(窒素ガス交換)、冷媒槽140に液体窒素を供給した。続いて、駆動モータ123を稼働させて空のバケット122を数回周回させて、バケット122を十分に冷やした後に、チューブポンプにより乳酸菌の乳培地培養液を滴下装置130の貯留筒131に送液して凍結ペレットRmの製造を開始した。なお、凍結ペレットRmの製造中、凍結ペレットRmの回収を補助するためにブローノズル180から窒素ガスを間欠的に噴射した。凍結ペレットRmの製造開始から1時間連続運転したところ、球状の乳酸菌凍結ペレットRmを7.2kg製造することができた。
(実施例2)
図2および図3を用いて[発明を実施するための形態]の欄で説明した凍結ペレット製造装置100の筐体110の左側壁Wlにキッツマイクロフィルター社製の中空糸膜式ドライヤを8本取り付け、凍結ペレット製造装置100の稼働前に筐体110の内部に圧縮乾燥空気を5分間送り込んだ。その結果、温度27.0℃での相対湿度が50%(露点:15.69℃,絶対湿度:12.8600g/m)から8.4%(露点:−9.40℃,絶対湿度2.1610g/m)に低下した(表1参照)。次に、冷媒槽140の開閉バルブVeを開状態として筐体110の底壁Wmに液体窒素を散布し、しばらく放置した。次いで、排気フード160を開状態にし、気化した窒素ガスにより筐体内に残存する水蒸気を外部に追い出した(窒素ガス交換)。このときの露点は−54.27℃であり、絶対湿度は0.0295g/mであった(表1参照)。その後、冷媒槽140に液体窒素を供給した。このときの露点は−69.85℃であり、絶対湿度は0.0039g/mであった(表1参照)。
その後、駆動モータ123を稼働させて空のバケット122を数回周回させて、バケット122を十分に冷やした後に、チューブポンプにより乳酸菌の乳培地培養液を滴下装置130の貯留筒131に送液して凍結ペレットRmの製造を開始した。凍結ペレットRmの製造開始から1時間連続運転を行ったが筐体内に結露が生じることなく球状の乳酸菌凍結ペレットRmを製造することができた。
(実施例3)
株式会社イシダ製の振動フィーダ式自動計量機にキッツマイクロフィルター社製の中空糸膜式ドライヤを5本取り付け、振動フィーダ式自動計量機の稼働前に圧縮乾燥空気をチャンバー内に5分間送り込んだ。その結果、振動フィーダ式自動計量機の内部の温度19.0℃での相対湿度が44.0%(露点:6.48%,絶対湿度:7.168g/m)から16.0(露点:−7.35%,絶対湿度:2.606g/m)に低下した(表2参照)。次に、振動フィーダ式自動計量機の設置床面に液体窒素を散布し、しばらく放置した。次いで、液体窒素をチャンバーホッパーからトラフ、計量ホッパー、排出シュートに向けて流し込み、凍結ペレットRmの通過路全体を冷却した。続いて、−20℃で保管していた乳酸菌凍結ペレットRmを液体窒素に浸漬して、その温度を−196℃付近まで低下させた後、その乳酸菌凍結ペレットRmをザルで掬い取った。そして、その乳酸菌凍結ペレットRmに付着した液体窒素を液切りした後、その乳酸菌凍結ペレットRmを運転中の振動フィーダ式自動計量機のチャンバーホッパーから20分間連続で投入した。その結果、運転開始10分後、15分後および20分後のチャンバー内の温度および湿度は表2の通りとなった。そして、振動フィーダ式自動計量機を観察したところ、機内に結露や霜の付着は認められなかった。また、このときの振動フィーダ式自動計量機の計量精度は±5.0gであった。したがって、本方法により、超低温の乳酸菌凍結ペレットRmを振動フィーダ式自動計量機で高精度に計量することができることが明らかとなった。
(実施例4)
バレル式凍結ペレット製造装置で製造した乳酸菌凍結ペレットを、同装置の排出口で採取し、それをシンフォニアテクノロジー社製の防水性小型振動フィーダWCF−2(トラフ寸法:120mm×550mm×60mm,設定駆動周波数:60Hz)のトラフ入口に約400g投入して乳酸菌凍結ペレットの振動搬送を行った。トラフ出口で排出された乳酸菌凍結ペレットをザルで受け止め、それを再度トラフ入口に投入する反復操作を最大10回行った。振動搬送回数毎に乳酸菌凍結ペレットを低温耐性袋容器(ポリエチレンおよびナイロン(登録商標)から構成される袋容器)に詰め、その袋口をインパルスシーラーで熱接着し、その袋容器を−20℃の冷凍庫で保管した。
冷凍保管2時間後の袋容器を確認したところ、振動搬送4回以上の乳酸菌凍結ペレットの袋容器が膨張していないことが確認された。したがって、防水性小型振動フィーダWCF−2を4基以上連結することにより、乳酸菌凍結ペレットに残存する液体窒素を十分に除去することができることが明らかとなった。
(実施例5)
シンフォニアテクノロジー社製の耐水形小型電磁フィーダWCR−3のトラフに、固有振動数モードに設定したシンフォニアテクノロジー社製の携帯形デジタル振動計Vチェッカーを取り付けて、25℃温度環境下のトラフの固有振動数を測定したところその固有振動数は64Hzであった。
そこで、耐水形小型電磁フィーダWCR−3の駆動周波数を、先の固有振動数よりも4Hz低い60Hzに設定すると共に、ストロークを70%に設定した。そして、電磁振動装置(本体駆動部)の下の空間、および、電磁振動装置(本体駆動部)とトラフとの間の空間にキーエンス社製のハイブリッドレコーダおよび熱電対ならびにSENSIRION社製の湿度センサSHT75を設置すると共に、トラフに携帯形デジタル振動計Vチェッカーを取り付けた。その後、耐水形小型電磁フィーダWCR−3の正面、背面、左側面、右側面および天面をアクリル板で囲って、耐水形小型電磁フィーダWCR−3を完全に密閉した後、密閉空間の温度および湿度を制御することができるように、側面のアクリル板にキッツマイクロフィルター社製の中空糸膜式ドライヤを8本取り付けると共に、電磁振動装置(本体駆動部)の下の空間に吹出口φ3mm×3の液体窒素噴射用パイプを設置した。そして、中空糸膜式ドライヤを介して密閉空間に乾燥空気を供給して密閉空間内の相対湿度を9.0%まで低下させた後に、液体窒素噴射用パイプから液体窒素を5分間隔で5秒間噴射しながら、1時間15分の間、別設の投入ホッパーから凍結ペレットを200g〜400g/1ショットでトラフの搬送開始点に供給して、異音の発生を確認したところ、図6に示される通り、異音の発生は確認されなかった。
なお、25℃温度環境下のトラフの振幅は0.77mmであったが、超低温環境下での運転中に0.44mmまで減少した。また、超低温環境下でのトラフの固有振動数は0.5Hz上昇して64.5Hzになった。すなわち、図5に示される「超低温環境下におけるトラフの固有振動数の上昇」を確認することができた。
(比較例1)
シンフォニアテクノロジー社製の耐水形小型電磁フィーダWCR−2のトラフに、固有振動数モードに設定したシンフォニアテクノロジー社製の携帯形デジタル振動計Vチェッカーを取り付けて、25℃温度環境下のトラフの固有振動数を測定したところその固有振動数は58〜59Hzであった。
その後、耐水形小型電磁フィーダWCR−2の駆動周波数を、先の固有振動数よりも1〜2Hz高い60Hzに設定すると共に、ストロークを35〜50%に設定した。そして、実施例5に示される方法と同様の方法で耐水形小型電磁フィーダWCR−2の運転環境を形成し、凍結ペレットの搬送を行ったところ、図7に示される通り、熱電対温度が−20℃を下回ったときに顕著に異音が生じることが明らかとなった。
(比較例2)
耐水形小型電磁フィーダWCR−3の駆動周波数を、先の固有振動数よりも3.5Hz低い60.5Hzに設定した以外は実施例5と同様にして異音の発生を確認したところ、異音の発生が確認された。
100 凍結ペレット製造装置
120 バケットコンベア
122 バケット
122a 容器部
122b 樋部
130 滴下装置
140 冷媒槽
150 排出シュート(回収部)
Ch 無端チェーン(周回体)
Lq 液滴(凍結対象物)
Rm 凍結ペレット

Claims (6)

  1. 冷媒槽と、
    少なくとも一つのバケットが前記冷媒槽の槽内を通過するように配設されるバケットコンベアと、
    前記冷媒槽の槽内のバケット通過位置の上方から凍結対象物を投下する投下装置と、
    を備える、凍結ペレット製造装置。
  2. 前記冷媒槽の槽内を通過した前記バケットから落ちる前記凍結対象物の凍結ペレットを回収する回収部をさらに備える、請求項1に記載の凍結ペレット製造装置。
  3. 前記バケットコンベアは、前記バケットと、水平面に対して傾斜する仮想平面に沿って前記バケットを周回走行させる周回体とを有し、
    前記バケットは、容器部と、前記容器部の口側から上方または斜め上方に向かって延びる樋部とを有し、前記バケットの周回軌道のうち下側の軌道において前記容器部の口が上側を向き、上側の軌道において前記容器部が前記樋部よりも上側に位置すると共に前記樋部が斜め下方に傾く姿勢をとるように前記周回体に取り付けられ、
    前記下側の軌道は前記冷媒槽の槽内に位置し、前記上側の軌道は前記冷媒槽の外側に位置する
    請求項1または2に記載の凍結ペレット製造装置。
  4. 前記バケットは、壁に開口、孔または隙間を有する部材から形成されている
    請求項1から3のいずれか1項に記載の凍結ペレット製造装置。
  5. 前記バケットは、前記冷媒槽の槽内を通過する際、移動方向下流側に向かうに従って上方に移動する
    請求項4に記載の凍結ペレット製造装置。
  6. 冷媒中を通過するバケットに向かって凍結対象物を投下して前記バケット内に前記凍結対象物の凍結ペレットを形成する凍結ペレット形成工程と、
    前記バケットの周回中に前記凍結ペレットを前記冷媒から分離する固液分離工程と
    を備える、凍結ペレット製造方法。
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