JP2018087230A - 外用ジェル剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】アルコール系成分および/又は次亜塩素酸系成分を必須とすることなく、且つジェル状態形成後に一定時間にわたって該ジェル状態を保持することが可能な外用ジェル剤を提供する。【解決手段】水、水酸化物および増粘剤を少なくとも含む外用ジェル剤。該外用ジェル剤のジェル化後に常温(25℃)密閉容器内で静置した際に、24時間以上ジェル状態を保持可能である。【選択図】なし

Description

本発明は、アルコール系成分および/又は次亜塩素酸系成分を必須とすることなく、且つジェル状態形成後に一定時間にわたって該ジェル状態を保持することが可能な外用ジェル剤に関する。
本発明において、「外用」とは、「内服および注射」以外の手段で、本発明のジェル剤を適用することを言う(廣川 薬科学大辞典、第5版、第268頁、平成25年、廣川書店を参照)。「内服および注射」以外の手段で適用する限り、本発明のジェル剤を適用する対象、方法および手段は、特に制限されない。本発明のジェル剤は、例えば、消毒、洗浄等の目的で、塗布、含嗽(うがい)、散布、噴霧等の手段により、皮膚の表面や粘膜等に好適に適用することができる。
近年の消費者動向(清潔指向)に伴って、手指、腕、脚を始めとする全身の皮膚外用面に対する、皮膚外用の除菌・抗菌剤へのニーズは高まる一方である。特に、病原性大腸菌(腸管出血性大腸菌)O−157が猛威をふるった1996年夏から、除菌商品の種類も数も増加している。
民間調査会社のデータではあるが、消臭・脱臭・除菌市場の規模は、2005年度に1,000億円(売上金額ベース)を突破し、その後2008年度は1,139億円と景気悪化の影響を受け伸び率が鈍化したものの堅調で推移し、新型インフルエンザ騒動のあった2009年に数字を伸ばし、その後のマーケットも上向きに推移している。更に、特許庁の調査によれば、「無機系抗菌剤と天然有機系抗菌剤の伸びが期待され、無機系抗菌剤を応用した抗菌製品になると、約8,000億円市場の膨大なマーケットである」とのことである。
上記に加えて、最近は、O−157、鳥インフルエンザといった新しい感染症のニュースも多く、原因となる細菌やウイルスは「眼に見えない」ことから、消費者は過度の不安を抱いていると考えられ、このため「除菌」や「抗菌」商品のニーズがより一層高くなっている傾向にある。
更に、近年の天然系思考などの後押しにより、抗菌・防カビ剤は、合成有機抗菌・防カビ剤よりは、安全性が高く、低毒性で、抗菌成分を徐々に放出し抗菌性を長期に維持する耐久性を持たせた無機系抗菌・防カビ剤、および安全性の高い天然系の除菌、抗菌剤のニーズが高まっている。
現在市場に流通している除菌商品は、当然ながら、非常に数多い。例えば、特許文献1(特開平11−302146号公報)には、アルコール成分を含有する外用ジェル剤が記載されている。また、特許文献2(特開2014−114291号公報)には、次亜塩素酸系の成分を含有する外用ジェル剤が記載されている。このように、一部には「非アルコール性」の商品も存在はしているが、「アルコール」または「次亜塩素酸ナトリウム」を主な成分とする外用ジェル剤が大半である。「アルコール」または「次亜塩素酸ナトリウム」のいずれも、優れた消毒効果を有しているが、それぞれに「使用上注意」すべき点が存在する。
(アルコールについて)
従来より、「アルコール」としては、エタノール(エチルアルコール)、メタノール(メチルアルコール)、イソパノール(イソプロピルアルコール)等の総称である。従来、消毒用に使われるアルコールは、ヒトへの毒性が相対的に低いとされる、エタノールとイソプロパノールであった。従来の外用ジェル剤の中には、純粋なエタノールは、酒税法による課税でコストが上がってしまうため、税金軽減目的でエタノールに第二級アルコールの一種である2−プロパノールを添加したものや、2−プロパノールやベンザルコニウム塩化物等との合剤にした製品もあった。
ここに、アルコールの使用は、以下のメリットおよびデメリットを有する。メリットとしては、速乾性と速効性に優れ、安全性が高い上、様々な菌(芽胞を除く)に対する抗菌効果を有することである。他方、デメリットとしては、以下が挙げられる。
・芽胞を形成する細菌やノロウイルスに効果がない。
・皮膚、皮や人工皮革への刺激が強く、手荒れや皮革表面の劣化を引き起こす原因となる。
・すぐに蒸発してしまうため、持続的な殺菌効果がない。
・濡れている状態(すなわち、アルコール濃度が低下した状態)で使用すると、効果が薄れる。
・揮発性が高い(気化しやすい)ため引火しやすい。
・アルコール臭の強い臭いがある。
(次亜塩素酸ナトリウム)
次亜塩素酸ナトリウムは、の使用は、以下のメリットおよびデメリットを有する。メリットとしては、速効性に優れ、様々な菌に対する抗菌効果がある(芽胞やノロウイルスにも効果が期待できる)ことである。他方、デメリットとしては、以下が挙げられる。
・対象物による希釈濃度等、取扱いの専門性要素が高い。
皮膚、皮や人工皮革への刺激が強く、手荒れや皮革表面の劣化を引き起こす原因となる。
・プラスチックやゴム製品の劣化と金属の腐食、漂白作用(色・柄物のリネン類へ使用注意)等、使用の対象に制限がある。
・塩素臭があり、酸性の物質が混入すると塩素ガスが発生する。
(非アルコール系除菌剤)
非アルコール系除菌剤(例えば、除菌ジェル)のニーズに関しては、以下の可能性がある。
(1)「アルコール」アレルギーについて
日本人の約半数の44%はALDH2(アルデヒド脱水酵素)を持っていないか、その働きが弱く、アルコールアレルギーになる可能性があるといわれている。アルコールが体内に吸収される方法は、飲酒に限らない。例えば、アルコールで拭いた物や、混入された物(除菌シート、ウェットティッシュ、消毒液、洗剤、化粧等)に気が付かず触れてしまう事で、肌から摂取してしまう場合がある。
(2)拡大するハラルマーケット(ハラルとムスリムの規律)について
イスラム教の規範「イスラム法」では、アルコールは精神を乱すとされ、口にすることが禁止され、お酒を使う料理、アルコール成分が含まれる調味料等も避けなければならない。ハラルの厳格なルールは食品だけでなく、肌に触れる化粧品や医薬品の製造工程についても定められている。
「ハラル」マーケットに関しては、以下のことが挙げられる。
・アセアン諸国の人口は6億人であり、そのうち40%がイスラム教徒(ムスリム)である。
・人口と経済が急成長しているアセアンの人口のうち4割がムスリムであり、その大半はインドネシア(人口2億5000万人のうち88%、マレーシア2800万人はイスラム教が国教)に集中している。
・南アジアには5億人のムスリムがおり、インドには1.8億人、パキスタンには1.7億人、バングラディッシュには1.4億人と、合計5億人のムスリムが居住している。中東等の西アジアには3億人が居る。アジア全体では10億人以上がムスリムで、これはアジア人口の4割にあたる。
・ハラル市場は60兆円。そのうちアジアは35兆円である。
・世界中のムスリムの食市場(ハラル市場)は5800億ドル(60兆円)。アジアの合計では3450億ドル(35兆円)で、全世界の6割にあたる。
・在日ムスリムは10万人、在日ハラル市場は540億円である。
・在日ムスリムは約10万人。そのうち最多はインドネシアで約2万人である。
・日本人のムスリムは約5万人。計15万人が居住している(ハラル市場は約540億円)。
・訪日ムスリムは35万人。訪日ハラル食市場は約25億円、宿泊・土産は100億円(合わせて、125億円)である。
・オリンピックや国際会議の増加で、訪日ムスリムは1,2年で倍増が期待される。
(出典:ブランド総合研究所資料より)
特開平11−302146号公報 特開2014−114291号公報
本発明の目的は、上記した従来技術の欠点を解消し、アルコール系成分および/又は次亜塩素酸系成分を必須とすることなく、且つジェル状態形成後に一定時間にわたって該ジェル状態を保持することが可能な外用ジェル剤を提供することにある。
本発明者は鋭意研究の結果、従来技術におけるようにアルコール系成分および/又は次亜塩素酸系成分を使用としない場合であっても、水、水酸化物および増粘剤を少なくとも含む外用ジェル剤であって;且つ、該外用ジェル剤のジェル状態が一定時間持続する(具体的には、該外用ジェル剤をジェル状態とした後に、密閉容器内に25℃で静置した際に、24時間以上ジェル状を保持可能である)ようにすることが、上記目的の達成のために極めて効果的なことを見出した。
本発明の外用ジェル剤は上記知見に基づくものであり、より詳しくは、水、水酸化物および増粘剤を少なくとも含む外用ジェル剤であって;且つ、該外用ジェル剤のジェル化後に常温(25℃)密閉容器内で静置した際に、24時間以上ジェル状態を保持可能であることを特徴とするものである。
本発明は、例えば、以下の態様を含むことができる。
[1] 水、水酸化物および増粘剤を少なくとも含む外用ジェル剤であって;且つ、該外用ジェル剤のジェル化後に常温(25℃)、密閉容器内で静置した際に、24時間以上ジェル状態を保持可能であり、
前記水酸化物が、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物、およびテトラアルキルアンモニウムの水酸化物から選ばれることを特徴とする外用ジェル剤。
[2] 前記水酸化物が、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)水酸化リチウム(LiOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化ルビジウム(RbOH)、および水酸化セシウム(CsOH)から選ばれる[1]に記載の外用ジェル剤。
[3] 前記アルカリ土類金属の水酸化物が、水酸化ストロンチウム(Sr(OH))、水酸化バリウム(Ba(OH))、水酸化ユウロピウム(II)(Eu(OH))、および水酸化タリウム(I)(TlOH)から選ばれる[1]に記載の外用ジェル剤。
[4] 前記テトラアルキルアンモニウムの水酸化物が、水酸化テトラメチルアンモニウム(N(CHOH)、および水酸化テトラエチルアンモニウム(N(CH5)OH)から選ばれる[1]に記載の外用ジェル剤。
[5] 前記水酸化カルシウムが、貝殻やサンゴ、卵の殻、石灰岩(例えば、大理石、鍾乳石、チョーク)などから生成された水酸化カルシウムである[1]〜[4]のいずれか1項に記載の外用ジェル剤。
上述したように本発明によれば、アルコール系成分および/又は次亜塩素酸系成分を必須とすることなく、且つジェル状態形成後に一定時間にわたって該ジェル状態を保持することが可能な外用ジェル剤を得ることができる。
本発明によれば、更に、適度な粘性を有し、皮膚上に均一に塗布でき、かつ乾燥時のべたつきが実質的にない外用ジェル剤を得ることができる。
本発明によれば、更に、ジェル塗布後の「洗流し」動作を必須としないタイプの外用ジェル剤を得ることができる。
本発明の外用ジェル剤の粘弾性測定結果の一例を示すグラフである。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ本発明を更に具体的に説明する。以下の記載において量比を表す「部」および「%」は、特に断らない限り質量基準とする。
(外用ジェル剤)
本発明の外用ジェル剤は、アルコール系成分および/又は次亜塩素酸系成分を必須とすることなく、且つジェル状態形成後に一定時間にわたって該ジェル状態を保持することが可能なものである。ここに、本発明において「アルコール系成分を必須とすることなく」とは、該「アルコール系成分」を必須とすることなく(すなわち、アルコール系成分を含有しない態様においても)、本発明の外用ジェル剤本来の効果(すなわち、適度な抗菌性を有し、且つジェル状態形成後に一定時間にわたって該ジェル状態を保持することが可能であること)を発揮可能であることを言う。
(アルコール系成分)
本発明において、「アルコール成分」とは、炭素数が1〜10個で、且つ「OH基」の数が1〜4のアルコール化合物を言う。このようなアルコール成分の含有量は、例えば、ガスクロマトグラフ質量分析法、GC/MS(SIM)法の分析法によって測定することができる。該アルコール成分分析の詳細に関しては、必要に応じて、例えば、下記URLを参照することができる。
http://www.ube-ind.co.jp/usal/documents/f074_142.htm
http://www.an.shimadzu.co.jp/gcms/support/faq/fundamentals/index.htm
該アルコール分析の詳細に関しては、必要に応じて、例えば、下記URLにおける「トリメチルシリル化→GC−MS分析の方法」を好適に使用することができる。
http://www.jsac.or.jp/bunseki/pdf/bunseki2008/200807nyumon.pdf(GC/MS、LC/MSのための誘導体化)
(次亜塩素酸系成分)
本発明の外用ジェル剤は、次亜塩素酸系成分を必須とすることなく、且つジェル状態形成後に一定時間にわたって該ジェル状態を保持することが可能なものである。ここに、本発明において「次亜塩素酸系成分を必須とすることなく」とは、該「次亜塩素酸」を必須とすることなく(すなわち、次亜塩素酸系成分を含有しない態様においても)、本発明の外用ジェル剤本来の効果(すなわち、適度な抗菌性を有し、且つジェル状態形成後に一定時間にわたって該ジェル状態を保持することが可能であること)を発揮可能であることを言う。
本発明において、「次亜塩素酸系成分」とは、水酸化ナトリウムの水溶液に塩素を通じて得られる次亜塩素酸ナトリウム(化学式は NaClO)または、塩化ナトリウム水溶液もしくは塩酸を電解して得られる水溶液である次亜塩素酸水を言う。このような次亜塩素酸系成分の含有量は、例えば、微量の場合は、ガスクロマトグラフ質量分析法、多い場合は、シリンガルダジン法などによって測定することができる。また他には、イオンクロマトグラフィ−、「次亜塩素酸ナトリウム試液,アンモニウム試験用」の定量法の分析法によって測定することができる。該次亜塩素酸系分析の詳細に関しては、必要に応じて、例えば、下記URLを参照することができる。
http://www.an.shimadzu.co.jp/hplc/ic/ic.htm
http://www.jaima.or.jp/jp/basic/chromatograph/ion-chromatography.html
文献「第十一改正 日本薬局方解説書」(廣川書店,1986)の「次亜塩素酸」の項目
GC−MS法を用いる次亜塩素酸系成分の微量分析に関しては、例えば、以下のURL(GC−MSによる食品中の次亜塩素酸の定量)の方法を好適に使用することができる。
http://www.pref.okinawa.jp/site/hoken/eiken/syoho/documents/s34_12gc-ms.pdf
(ジェル状態の変化)
本発明の外用ジェル剤においては、(所定濃度の水酸化カルシウム水溶液+増粘剤)により該ジェル化状態を形成した後に、密閉容器内で放置した場合に、長時間ジェル化状態を保持することができる(具体的な条件は、後述する実施例4を参照することができる)。
本発明の外用ジェル剤は、上記のように密閉容器内で放置した場合に、該ジェル状態を24時間以上保持可能であることが好ましい。この「ジェル状態」保持時間は、更には30時間以上が好ましく、更には48時間以上が好ましく、更には72時間以上が好ましく、更には96時間以上が好ましく、更には120時間以上が好ましく、特に144時間分以上であることが好ましい。
(ジェル状態の変化)
本発明の外用ジェル剤においては、上記のジェル化状態の変化は、より具体的には、粘弾性測定によって確認することができる(粘弾性測定に関しては、後述する実施例2を参照することができる)。ジェル化の初期(例えば、ジェル化から24時間経過時)の粘弾性をV1(mPa・S)とし、ジェル化からt時間(hr)経過後の粘弾性をV2(mPa・S)とした場合に、t=48時間の際に、その粘弾性の減少率Rv=100×(V1−V2)/V1(%)が、50%以下であることが好ましい。このRvの値は、更には45%以下であることが好ましく、更には40%以下であることが好ましく、更には35%以下であることが好ましく、更には25%以下であることが好ましく、更には20%以下であることが好ましく、更には18%以下であることが好ましく、更には16%以下であることが好ましく、更には14%以下であることが好ましく、更には12%以下であることが好ましく、特に10%以下であることが好ましい。なお、V2≧V1(すなわち、ジェル化後に粘度が増大した場合)の場合には、これらの数値は、(Rv=ゼロと見なして)上記の減少率Rvの条件を満たすものとする。
(pHの変化)
本発明の外用ジェル剤においては、ジェル化直後のpHをP1とし、ジェル化からt時間(hr)経過後のpHをP2とした場合に、t=48時間の際に、そのpHの減少率Pv=100×(P1−P2)/P1(%)が、20%以下であることが好ましい。このRvの値は、更には18%以下であることが好ましく、更には16%以下であることが好ましく、更には14%以下であることが好ましく、更には12%以下であることが好ましく、更には10%以下であることが好ましく、更には8%以下であることが好ましく、更には7%以下であることが好ましく、更には6%以下であることが好ましく、特に5%以下であることが好ましい。なお、P2≧P1の場合には、これらの数値は、(Pv=ゼロと見なして)上記の減少率Pvの条件を満たすものとする。
(増粘剤)
本発明において、増粘剤は特に制限されない。すなわち、本発明の外用ジェル剤の必須成分たる(水+水酸化物)との組合せにおいて好適なジェル化状態を与える限り、本発明において使用可能な増粘剤は特に制限されない。また、本発明においては、必要に応じて、2種以上の増粘剤を、混合等により組み合わせて使用することも可能である。このように、「(水+水酸化)との組合せにおいて好適なジェル化状態を与えるか否か」は、後述する実施例4のスクリーニングによって、簡便に確認することができる。
(好ましい増粘剤)
(水溶性セルロース系の増粘剤)
本発明においては、(水+水酸化物)との組合せにおける適合性の点からは、水溶性セルロース系の増粘剤が好適に使用可能である。このような水溶性セルロース系の増粘剤としては、例えば、以下のものが挙げられる。
CMC(カルボキシメチルセルロース)、HEC(ヒドロキシエチルセルロース)、HPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、CVP(カルボキシビニルポリマー/カルボマー)、デシルテトラデセス−20/HDIコポリマー
本発明においては、更には、非イオン系の水溶性セルロースエーテル系の増粘剤が好適に使用可能である。このような非イオン系水溶性セルロースエーテル系の増粘剤としては、例えば、以下のものが挙げられる。
HEC(ヒドロキシエチルセルロース)、HEMC(ヒドロキシエチルメチルセルロース)、HPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、MC(メチルセルロース)
本発明においては、上記のように(水+水酸化物)との組合せにおける適合性の点からは、水溶性セルロース系の増粘剤が好適に使用可能であるが、このような水溶性セルロース系の増粘剤(例えば、水溶性セルロースエーテル系の増粘剤)としては、例えば、以下のものが挙げられる。
CMC(カルボキシメチルセルロース)、HEC(ヒドロキシエチルセルロース)、HPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、CVP(カルボキシビニルポリマー/カルボマー)、デシルテトラデセス−20/HDIコポリマー、HEMC(ヒドロキシエチルメチルセルロース)、重複HPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、MC(メチルセルロース)重複HPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)。
(特に好ましい増粘剤)
本発明においては、上記「非イオン性水溶性セルロースエーテル系の増粘剤」として、特に、天然または合成のセルロースをアルカリ(例えば、水酸化ナトリウム)で処理した後に、各種のエーテル化剤(例えば、塩化メチル、酸化エチレン、酸化プロピレン等)と反応させることにより得られる「メチルセルロース系」(MCEタイプ)および「ヒドロキシプロピルメチルセルロース系」(HPMCタイプ)の増粘剤が好適に使用可能である。
MCEタイプとしては、例えば、メトキシ(−OCH)基=25〜33%程度のもの(例えば、CAS No.=9004−67−5の化合物)、等が好適に使用可能である。他方、HPMCタイプとしては、例えば、下記のものが好適に使用可能である。
<メトキシ基> <ヒドロキシプロポキシ基>
(−OCHCHOHCH
27〜30% 4〜7.5%
(例えば、CAS No.=9004−65−3の化合物)
27〜30% 7〜12%
19〜24% 4〜12%
本発明においては、以下の条件の1個以上を満たす増粘剤を用いることが好ましい。該増粘剤は、更には以下の条件の2個以上を満たすことが好ましく、更には以下の条件の3個を満たすことが好ましい。
(a)セルロースの水酸基を水素結合の低下を促す疎水性を与えるメチル基(−CH3)やメトキシ基(−OCH3)、および/又はヒドロキシプロポキシ基に置き換えた基を有すること。
(b)塩や金属イオンの影響を受けにくいノニオン性であること。
(c)粘度規格値(例えば、該製品の「カタログ」に記載の粘度規格値)が3,500〜15,000mPa・sであること。
上記の条件を満たす増粘剤としては、例えば、信越化学社製、SH65−4000、SH65−15000,SH90−15000が挙げられる。
(好ましい増粘剤)
本発明においては、メトキシ(−OCH)基と、ヒドロキシプロポキシ基(−OCHCHOHCH)とを有するセルロース系の増粘剤であることが好ましい。ここに、該増粘剤におけるメトキシ基の含有量は、15〜40%であることが好ましく、更には18〜35%であることが好ましく、更には19〜33%であることが好ましく、特に19〜31%であることが好ましい(このようなメトキシ基の含有量の詳細に関しては、例えば、後述する「メトローズ」(商品名)の表を参照することができる)。他方、ヒドロキシプロポキシ基の含有量は、3〜18%であることが好ましく、更には3.5〜16%であることが好ましく、更には4〜15%であることが好ましく、特に4〜13%であることが好ましい(このようなヒドロキシプロポキシ基の含有量の詳細に関しては、例えば、後述する「メトローズ」の表を参照することができる)。
(水酸化物)
本発明において使用可能な水酸化物は、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属土類金属の水酸化物、およびテトラアルキルアンモニウムの水酸化物から選ばれるものである限り、特に制限されない。すなわち、本発明の外用ジェル剤の必須成分たる(水+増粘剤)との組合せにおいて好適なジェル化状態を与える限り、本発明において使用可能な「アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属土類金属の水酸化物、およびテトラアルキルアンモニウムの水酸化物から選ばれる水酸化物」は特に制限されない。なお、水中で強アルカリ性を呈するグアニジンは、分子性のものとしてプロトン化された陽イオンが共鳴安定化されるため、上記した「アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属土類金属の水酸化物、およびテトラアルキルアンモニウムの水酸化物」と同様に、本発明において使用可能である。
本発明において、上記水酸化物としては、必要に応じて2種以上の水酸化物を、混合等により組み合わせて使用することも可能である。
上記のように、「(水+増粘剤)との組合せにおいて好適なジェル化状態を与える水酸化物であるか否か」は、後述する実施例4のスクリーニングと同様の方法によって、簡便に確認することができる。すなわち、「実施例4のスクリーニング」において、増粘剤を「実施例1」で用いた「具体的な増粘剤」に固定し、「水酸化物」を可変としたスクリーニングを行えば良い。
前記アルカリ金属の水酸化物としては、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)、水酸化リチウム(LiOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化ルビジウム(RbOH)、および水酸化セシウム(CsOH)から選ばれる1種以上が好適に使用可能である。また、前記アルカリ土類金属の水酸化物としては、水酸化ストロンチウム(Sr(OH)2)、水酸化バリウム(Ba(OH)2)、水酸化ユウロピウム(II)(Eu(OH)2)、および水酸化タリウム(I)(TlOH)から選ばれる1種以上が好適に使用可能である。更に、アルカリ金属の水酸化物としては、アルカリ金属土類金属の水酸化物、およびテトラアルキルアンモニウムの水酸化物から選ばれる1種以上が好適に使用可能である。
(水酸化カルシウム)
前記水酸化カルシウムは、酸化カルシウム(CaO)の形(例えば、焼成カルシウムの形)で、本発明のジェル剤に加えても良い。この酸化カルシウムは、粉体では中性で、水酸基を帯び、水酸化カルシウムとなり強いアルカリ性を示すからである。天然由来系の焼成カルシウムは、貝殻焼成カルシウム、サンゴ、または鶏卵から精製した酸化カルシウム、ライムと呼ばれる石灰石から生成する酸化カルシウム等をも使用することができる。
(水酸化カルシウムの含有量)
本発明においては、「CaO」(酸化カルシウム;分子量=56)を外用ジェル剤に加える場合であっても、その含有量は「Ca(OH)」(水酸化カルシウム;分子量=74)として計算するものとする。これは、本発明の外用ジェル剤におけるような水を含有する系においては、CaOは、通常はCa(OH)の状態で存在するからである。「CaO」の1モルは、「Ca(OH)」の1モルに対応する。よって、例えば、本発明の外用ジェル剤に「CaO」の1モル(56g)を加えた場合においては、その含有量は「Ca(OH)」の1モル(74g)を加えたものとして計算する。
(任意成分)
本発明の外用ジェル剤は上述した水、水酸化物および増粘剤を必須成分とするが、必要に応じて、その他の任意成分をも含有して良い。このような「任意成分」としては、以下のものを挙げることができる。
・甘味料(例えば、グリセリン)、ヒアルロン酸、キトサン、香料抽出物などの食品添加物
このような「食品添加物」の詳細に関しては、例えば、以下のURL(厚生労働省ホームページ)で確認できる。
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuten/
・カミツレエキスなどの医薬部外品添加物
このような「医薬部外品添加物」の詳細に関しては、例えば、以下のURL(独立行政法人医薬品医療機器総合機構ホームページ)で確認できる。
http://www.pmda.go.jp/index.html
ただし、本発明の外用ジェル剤の効果を好適に発揮させる点からは、上記必須成分(すなわち、水+水酸化カルシウム+増粘剤)の合計を100質量部とした場合に、上記「任意成分」(ただし、下記の「抗菌剤」、および上述した「アルコール系成分」および「次亜塩素酸系成分」を除く)の合計は、100質量部以下であることが好ましい。この「任意成分」の合計は、必須成分の合計100質量部に対して、更には80質量部以下であることが好ましく、更には60質量部以下であることが好ましく、更には40質量部以下であることが好ましく、更には30質量部以下であることが好ましく、更には20質量部以下であることが好ましく、特に10質量部以下であることが好ましい。
(抗菌剤)
本発明の外用ジェル剤は、抗菌剤を必須としない。すなわち、本発明においては、抗菌剤を必ずしも必要としない。しかしながら、必要に応じて、抗菌剤を配合しても良い。このような「抗菌剤」としては、以下のものを挙げることができる。
1.低水準消毒薬
1)第四級アンモニウム塩
(1)ベンザルコニウム塩化物(2)ベンゼトニウム塩化物
2)クロルヘキシジン
(1)クロルヘキシジングルコン酸塩
3)両性界面活性剤
(1)アルキルジアミノエチルグリシン塩酸塩
2.中水準消毒薬
1)アルコール系
(1)エタノール(2)イソプロパノール(3)イソプロパノール添加エタノール液
(4)アルコールを基剤とする消毒薬
2)ヨードホール・ヨード系
(1)ポビドンヨード(2)ヨードチンキ
3)次亜塩素酸系
(1)次亜塩素酸ナトリウム(2)その他の次亜塩素酸系消毒薬
4)フェノール系
(1)クレゾール(2)フェノール
3.高水準消毒薬
1)アルデヒド系
(1)グルタラール(2)フタラール
2)その他の高水準消毒薬
(1)過酢酸(2)過酸化水素(3)二酸化塩素
4.その他の消毒薬
1)アクリノール水和物
2)オキシドール
3)トリクロサン
4)ホルマリン
など
上記「抗菌剤」の詳細に関しては、例えば以下のURL(吉田製薬ホームページ;消毒薬テキスト第4版「エビデンスに基づいた感染対策の立場から」)で確認できる。
http://www.yoshida-pharm.com/category/countermeasure/texts/
ただし、本発明の外用ジェル剤の効果を好適に発揮させる点からは、上記必須成分(すなわち、水+水酸化カルシウム+増粘剤)の合計を100質量部とした場合に、上記「抗菌剤」の量は、82質量部以下であることが好ましい。この「抗菌剤」の量は、更には70質量部以下であることが好ましく、更には60質量部以下であることが好ましく、更には50質量部以下であることが好ましく、更には40質量部以下であることが好ましく、更には30質量部以下であることが好ましく、更には20質量部以下であることが好ましく、更には15質量部以下であることが好ましく、更には10質量部以下であることが好ましく、更には8質量部以下であることが好ましく、更には6質量部以下であることが好ましく、特に5質量部以下であることが好ましい。
(セルロースナノファイバー)
本発明においては、本発明の趣旨に反しない範囲で、セルロースナノファイバーを、上記した「増粘剤」として、必要に応じて使用することができる。このセルロースは、上述した「増粘剤」の全部として使用することができ、または「増粘剤」の一部として(すなわち、セルロースナノファイバーと、前述した他の「ナノファイバーでない」増粘剤とを組み合わせて)使用することができる。また、必要に応じて、2種以上のセルロースナノファイバーを、混合等により組み合わせて、増粘剤として使用することも可能である。このセルロースナノファイバーに関しては、必要に応じて、例えば、近藤哲男著「ナノファイバーが拓く新しい世界」、化学、2016年2月号、第33〜38頁、(化学同人)を参照することができる。ここに、「本発明の趣旨に反しない範囲」とは、本発明の外用ジェル剤の必須成分たる(水+水酸化物)との組合せにおいて好適なジェル化状態を与える限り、必要に応じて使用することができる、という意味である。
(好適な製造方法)
本発明の外用ジェル剤の製造方法は特に制限されない。**簡便性および効率性**の点からは、例えば、以下の「製造方法A」および/又は「製造方法B」が好適に使用可能である。なお、カルボキシ基を含む増粘剤を使用した場合、該増粘剤の溶液に塩類(水酸化物)を加えた場合(製造方法A)と、該塩類の溶液に増粘剤を加えた場合(製造方法B)とでは、それらの増粘効果に差が出る傾向がある。通常は、前者(製造方法A)の方法が、より粘度が高いジェル剤を与える傾向がある。
(製造方法A;塩類溶液に増粘剤を配合)
(1)精製水を用いて、0.1%の水酸化物(例えば、シェリール=貝殻焼成カルシウム)パウダーの溶液を調製する。
(2)上記で得られた0.1%の水酸化物溶液をベースに、1%増粘剤配合の水酸化物ジェルを作製する。すなわち、0.1%水酸化物水溶液中に増粘剤を少しずつ溶解させながら、「ダマ」が出来ないように注意しつつ、ブレンダー機で1分程度撹絆する。この際に「泡立ち」が観察されるが、生成した「泡+混合物」を、直ちに密閉容器に入れる。この際(密閉容器に入れる直前)に、該混合物のpH=12以上であることを確認する。
(製造方法B;増粘剤分散溶液に塩類を配合)
(1)精製水に増粘剤を配合することにより、1%増粘剤水溶液を調製する。
(2)上記で得られた1%増粘剤水溶液をベースに0.1%水酸化カルシム含有ジェルを調製する。すなわち、1%増粘剤水溶液中に、水酸化カルシム(例えば、シェリール=貝殻焼成カルシウム)パウダーを少しずつ溶解させながら、「ダマ」が出来ないように注意しつつ、ブレンダー機で1分程度撹絆する。この際に「泡立ち」が観察されるが、生成した「泡+混合物」を、直ちに密閉容器に入れる。この際(密閉容器に入れる直前)に、該混合物のpH=12以上であることを確認する。
(抗菌性の測定)
本発明の外用ジェル剤は、適度な抗菌効果を示すことができる。より具体的には、後述する「実施例5」の条件(すなわち、生菌数1×10exp(8)個/mL)に調整した生菌液を使用)で測定した場合に、その混釈平板培養後の状態において、本発明の外用ジェル剤を試料として使用した場合における、測定開始後15分後の生菌数(N15)」の好ましい範囲は、以下のように定義することができる。
(測定開始後15分後の生菌数)
すなわち、N=当初の生菌数、N15=15分後の生菌数としたとき、本発明においては、比Nn=N/N15=100以上(すなわち、1×10exp(2)以上)であることが好ましい。この比Nnは、更には3×10exp(2)以上であることが好ましく、更には6×10exp(2)以上であることが好ましく、更には8×10exp(2)以上であることが好ましく、更には1×10exp(3)以上であることが好ましく、更には3×10exp(3)以上であることが好ましく、更には6×10exp(3)以上であることが好ましく、更には8×10exp(3)以上であることが好ましく、更には1×10exp(4)以上であることが好ましく、更には3×10exp(4)以上であることが好ましく、更には6×10exp(4)以上であることが好ましく、更には8×10exp(4)以上であることが好ましく、更には1×10exp(5)以上であることが好ましく、更には3×10exp(5)以上であることが好ましく、更には6×10exp(5)以上であることが好ましく、更には8×10exp(5)以上であることが好ましく、特に1×10exp(6)以上であることが好ましい。
(測定開始後30分後の生菌数)
すなわち、N=当初の生菌数、N15=30分後の生菌数としたとき、本発明においては、比Nn=N/N30=100以上(すなわち、1×10exp(2)以上)であることが好ましい。この比Nnは、更には3×10exp(2)以上であることが好ましく、更には6×10exp(2)以上であることが好ましく、更には8×10exp(2)以上であることが好ましく、更には1×10exp(3)以上であることが好ましく、更には3×10exp(3)以上であることが好ましく、更には6×10exp(3)以上であることが好ましく、更には8×10exp(3)以上であることが好ましく、更には1×10exp(4)以上であることが好ましく、更には3×10exp(4)以上であることが好ましく、更には6×10exp(4)以上であることが好ましく、更には8×10exp(4)以上であることが好ましく、更には1×10exp(5)以上であることが好ましく、更には3×10exp(5)以上であることが好ましく、更には6×10exp(5)以上であることが好ましく、更には8×10exp(5)以上であることが好ましく、特に1×10exp(6)以上であることが好ましい。
(測定開始後15分後の抗菌性)
上記の抗菌効果に関して、後述する「実施例5」の条件(すなわち、生菌数1×10exp(8)個/mL)に調整した生菌液を使用)において、本発明における「シェリール水溶液」試料として使用した場合における、測定開始後15分後の「生菌数」=Naqと、本発明の外用ジェル剤を試料として使用した場合における「生菌数」=Ngとの比Nr(Nr15=Naq/Ng)は、測定開始後15分後に1.5以上であることが好ましい。このNr15は、更には1.6以上であることが好ましく、更には1.7以上であることが好ましく、更には1.8以上であることが好ましく、更には1.9以上であることが好ましく、更には2以上であることが好ましく、更には2.1以上であることが好ましく、更には2.2以上であることが好ましく、更には2.3以上であることが好ましく、更には2.4以上であることが好ましく、更には2.5以上であることが好ましく、更には2.6以上であることが好ましく、更には2.7以上であることが好ましく、更には2.8以上であることが好ましく、更には2.9以上であることが好ましく、更には3以上であることが好ましく、更には3.1以上であることが好ましく、更には3.2上であることが好ましく、更には3.3以上であることが好ましく、更には3.4以上であることが好ましく、特に3.5以上であることが好ましい。この比Nrが大きくなる程、本発明において「ジェル化」した抗菌効果が大きいということとなる。
(測定開始後30分後の抗菌性)
測定開始後30分後の抗菌性について、上記の比Nr15と同様に定義された「比Nr30」は、測定開始後30分後に1.5以上であることが好ましい。このNrは、このNrは、更には1.6以上であることが好ましく、更には1.7以上であることが好ましく、更には1.8以上であることが好ましく、更には1.9以上であることが好ましく、更には2以上であることが好ましく、更には2.1以上であることが好ましく、更には2.2以上であることが好ましく、更には2.3以上であることが好ましく、更には2.4以上であることが好ましく、更には2.5以上であることが好ましく、更には2.6以上であることが好ましく、更には2.7以上であることが好ましく、更には2.8以上であることが好ましく、更には2.9以上であることが好ましく、更には3以上であることが好ましく、更には3.1以上であることが好ましく、更には3.2上であることが好ましく、更には3.3以上であることが好ましく、更には3.4以上であることが好ましく、特に3.5以上であることが好ましい。
なお、上記した「実施例5」における「抗菌効果」に関しては、測定開始後15分後と、測定開始後30分後との値に言及しているが、本発明の外用ジェル剤の「抗菌効果」は、測定開始後、5分以上〜15分未満の範囲の時点であっても、該願「実施例5」における測定と同様に、測定することが可能である。換言すれば、これらの範囲の時点であっても、上記した「Nn」および「Nr」と同様の値(例えば、測定開始後5分の時点における比Nn=N/N、およびNr=Naq/Ng)を算出することが可能であり、且つ、上記したものと同様の「好ましい範囲」の数値を与えることができる。
(「ハラル」対応の態様)
「ハラル」に対応にすべき態様においては、本発明の外用ジェル剤における「アルコール成分」(例えば、エタノール)の含有量を可能な限り低減することが重要である。言うまでも無く、イスラム教においては、「アルコール」の使用が厳しく制限されているから、である。
(使用時に調製する態様)
本発明の外用ジェル剤は、いわゆる「用時調製」の態様で用いることも可能である。医療機関、美容室、理容室等の「除菌」が重要な施設・機関において、本発明の外用ジェル剤を、その使用の直前に「その場」(in situ)で調製し、使用することが、例えば、保存方法・条件に起因する製品の劣化防止の確率を可能な限り低くする点から好ましい場合があるから、である。
このような本発明の外用ジェル剤「用時調製」の態様においては、5分以上「ジェル状態」を保持可能であることが好ましい。この「ジェル状態」保持時間は、更には20分以上が好ましく、更には25分以上が好ましく、更には30分以上が好ましく、更には40分以上が好ましく、更には50分以上が好ましく、特に60分以上であることが好ましい。
(口腔ケアに使用する態様)
本発明の外用ジェル剤は、「外用」(すなわち、内服および注射以外の手段で、適用可能)であるから、ヒトおよび動物(例えば、犬、猫等のペット)の口腔ケアにおいても使用することができる。このような態様においても、例えば、口腔への適用を容易とする点からは、ヒトの手指に使用する態様よりも、必要に応じて(例えば、増粘剤の種類や使用量を変化・低減させる等の手段で)粘度をやや低めにすることができる。
(動物に使用する態様)
本発明の外用ジェル剤は、ヒト以外の動物(例えば、犬、猫等のペット)の口腔ケア等の種々のケアにも、好適に使用することができる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。
実施例1
(製造方法Aによるジェル剤の調製)
容量3000ミリリットルのパイレックス(登録商標)製ビーカーに、日本薬局方の基準に従う「精製水」(トラスコ中山株式会社社製、商品名:トラスコ精製水)の999gを入れた。次いで、該精製水に、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)粉体たる、貝殻焼成カルシウム粉体;新機能科学株式会社製、商品名:シェリールパウダー)の1gを入れ、攪拌器(ポータブル式のブレンダー機:株式会社テスコム社製、型式:THM320、商品名:スティックブレンダー;回転数=9,000〜15,000rpm)で、約1分間かけて攪拌し、その後、12時間静置した。
上記静置後、沈殿部分の上澄みを採取して、本発明のジェル調製用の0.1%水酸化カルシウム水溶液を得た。
次いで、上記で得られた0.1%の水酸化カルシウム溶液をベースに、1%増粘剤配合の水酸化カルシウムジェルを作製した。すなわち、容量3000ミリリットルのパイレックス製容器中で、上記で得られた0.1%の水酸化カルシウム水溶液(1000g)中に、攪拌下(ポータブル式のブレンダー機:株式会社テスコム社製、型式:THM320、商品名:スティックブレンダー;回転数=9,000〜15,000rpm)で、増粘剤たる「非イオン性水溶性セルロースエーテル」(信越化学工業(株)製、商品名:メトローズ 65SH−4000)の101gを、上記0.1%水酸化カルシウム水溶液中に増粘剤を少しずつ溶解させながら、「ダマ」が出来ないように注意しつつ、約5分間かけて徐々に加えた。更に、同条件下で、上記ブレンダー機による攪拌を、3分程度継続し、その後、24時間静置した。
この際に、ジェル調製用の混合物において、「泡立ち」が観察されるが、この生成した「泡+混合物」を、直ちに密閉容器(パイレックスガラス製:容量=約1000mL(ミリリットル)、日本ジェネティクス社製、商品名:広口メジュームびん)に入れた。この操作により、得られた0.1%の水酸化カルシウム水溶液−増粘剤の混合物はジェル化し、本発明のジェル状組成物(外用ジェル剤)が得られた。
上記したように「泡+混合物」を密閉容器に入れる直前に、該混合物のpH=12以上であることを確認した。この際pH測定に使用した測定条件は、以下の通りである。
pH測定機器:ハンナ インスツルメンツ・ジャパン株式会社社製、型式:HI 98128、商品名:pHep5(ペップ 5)
実施例1a
(時間経過による粘度変化の確認)
上記実施例1で得たジェル状組成物において、その時間経過による粘度変化の有無を確認した。
<保存条件>
実施例1において得た密閉容器内のジェル状組成物を、25℃、常圧の条件下で保存した。
<粘度変化の確認方法>
確認方法:各時間経過後のジェル状組成物の粘度を、目視の方法により確認した。
確認した経過時間:ジェル状組成物調製後、24時間、48時間、ないし1週間程度まで観察した。
<粘度変化の確認結果>
ジェル状組成物調製後、24時間〜48時間の期間で、粘度の変化は観察されなかった。なお、上記「メトローズ」以外の増粘剤を使用した場合には、粘度が上昇する現象も観察された。なお、このように粘度が上昇した場合であっても、本発明のジェル剤の使用・効果に実質的な悪影響は無かった。
実施例1b
上記実施例1において使用した増粘剤たる「メトローズ 65SH−4000」に代えて、以下の「表1」に示すジェル状組成物調製用の増粘剤を用いた以外は、実施例1と同様にして、合計11種類のジェル状組成物を得た。
(表1)
<ジェル状組成物調製用の増粘剤>
Figure 2018087230

*1:20℃、2%水溶液,
*2:25℃、1%水溶液30rpm,
*3:25℃、1%水溶液60rpm,
*4:乾量1%
*5:1%未中和分散液
上記表1に記載した各種増粘剤の詳細な規格を、以下の表2〜表6に示す。なお、以下の表2〜表6の「結果」の項において、「確定方法」とあるのは「製造方法A」の意味であり、「増粘剤分散後」とあるのは「製造方法B」の意味である。
<メトローズの官能基>
・65SH−4000:メトキシ基=28.1(27〜30)
ヒドロキシ*プロポキシ基*=6.1(4.0〜7.5)
粘度(mPa・S):3500〜5600
・65SH−1500:メトキシ基=28.2(27〜30)
ヒドロキシ*プロポキシ基*=6.14.0〜7.5
粘度(mPa・S):1200〜1800
・65SH−15000:メトキシ基=28.1(27〜30)
ヒドロキシ*プロポキシ基*=6.0(4.0〜7.5)
粘度(mPa・S):12000〜18000
・90SH−15000:メトキシ基=23.0(19〜24)
ヒドロキシ*プロポキシ基*=9.6(4.0〜12)
粘度(mPa・S):12000〜18000
<HECダイセルの官能基>
・(品名不明):ヒドロキシエチル基=1.0〜1.3
粘度(mPa・S):100〜300
・SP900:ヒドロキシエチル基=不明
粘度(mPa・S):4000〜5500
<CMCダイセルの官能基>
・CMC2260:カルボキシメチルキ基
粘度(mPa・S):4000〜6000
エーテル化度:0.89(0.8〜1.0)
<キコレートの官能基>
・F−120:カルボキシメチルキ基
粘度(mPa・S):150〜200
置換度:0.56(0〜3)
<ハイビスワコーの官能基>
・ハイビスワコー103:カルボキシ基=59.9(57.7〜63.4%)
粘度(mPa・S):17800(13000〜27000)
(1%未中和400)
・ハイビスワコー104:カルボキシ基=59.9(57.7〜63.4%)
粘度(mPa・S):25800(22000〜40000)
(1%未中和2500)
・ハイビスワコー105:カルボキシ基=59.9(57.7〜63.4%)
粘度(mPa・S):10200(7000〜14000)
(1%未中和5000)
<EMALEXの官能基>
・EMALEX2420:ヒドロキシル基=47.97%
HLB値:12
(表2)
Figure 2018087230
(表3)
Figure 2018087230
(表4)
Figure 2018087230
(表5)
Figure 2018087230
(表6)
Figure 2018087230
なお、上記「規格増粘値(mPa・s)」に示した値は、各メーカーのWebサイトから入手したものである。
信越化学工業(株):http://www.metolose.jp/industrial/index.shtml ;等
ダイセルファインケム(株):**http://www.daicelfinechem.jp/products/chemical.html **
ニチリン化学工業(株) :**http://www.nichirin-chem.co.jp/31seihin.html **
和光純薬工業(株)::** http://www.wako-chem.co.jp/kaseihin/hiviswako/index.htm **
日本エマルジョン(株)::**https://www.nihon-emulsion.co.jp/products/emalex **
上記した各種の増粘剤に関しては、以下の結果が得られた。
<メトローズ>
・(全般)酸及び塩基の影響を比較的受けにくく、pH3.0〜11.0の範囲では所定の粘度を発現した。なお、メトローズ使用の場合、1年以上保存した場合でも、粘度の低下は見られなかった。
・メトローズ65SH−4000:粘度関連データは、全般的に良好であった。
・メトローズ65SH−1500:
(製造方法A)粘度関連データは、ほぼ「メトローズ65SH−4000」に近い値を示した。
(製造方法B)粘度関連データは、ほぼ「メトローズ65SH−4000」に近い値を示した。
・メトローズ65SH−15000:
(製造方法A)粘度関連データは、「はちみつ状⇒24時間後良好」であった。
(製造方法B)粘度関連データは、「はちみつ状⇒24時間後良好」であった。
・メトローズ90SH−15000:
(製造方法A)粘度関連データは、「はちみつ状⇒24時間後良好」であった。
(製造方法B)粘度関連データは、「はちみつ状⇒24時間後良好」であった。
<HECダイセル>
(全般)塩や金属イオンの影響を受けにくく、塩類や他の薬剤との相溶性に優れていた。
・品名不明(ヒドロキシエチル基:1.0〜1.3):
(製造方法A)粘度関連データは、「粘度緩め」であった。
(製造方法B)粘度関連データは、「粘度緩め白濁⇒48時間後透明」であった。
・SP900:
(製造方法A)粘度関連データは、「粘度強め」であった。
(製造方法B)粘度関連データは、「粘度強め白濁」であった。
<CMCダイセル>
・CMC2260:
(製造方法A)粘度関連データは、「ゼリー状」であった。
(製造方法B)粘度関連データは、「ゼリー状と硬めジェル分離」であった。
<キコレート>
(全般)金属イオンや塩の混入に対して影響を受け易い傾向があった。二価塩金属類とは相性が良いものと悪いものがある。PH10以上で粘度は低下する。
・F120:
(製造方法A)粘度関連データは、「水状」であった。
(製造方法B)粘度関連データは、「水状」であった。
<ハイビスワコー>
(全般)有効pH範囲(1%増粘液):
ハイビスワコー103:5.5〜10,
ハイビスワコー104:5〜10.5,
ハイビスワコー105:4〜11
金属イオンに対する安定性:
ハイビスワコー103:やや不安定
ハイビスワコー104:やや不安定
ハイビスワコー105:安定
・ハイビスワコー103
(製造方法A)粘度関連データは、「ゼリー状/ダマ有・pH低下」であった。
(製造方法B)粘度関連データは、「粘度なし/白濁ダマ分離硫黄臭有pH低下」であった。
・ハイビスワコー104
(製造方法A)粘度関連データは、「ゼリー状/ダマ有・pH低下」であった。
(製造方法B)粘度関連データは、「粘度なし/白濁ダマ分離硫黄臭有pH低下」であった。
・ハイビスワコー105
(製造方法A)粘度関連データは、「ゼリー状/ダマ有・pH低下」であった。
(製造方法B)粘度関連データは、「粘度なし/白濁ダマ分離硫黄臭有pH低下」であった。
<EMALEX>
(全般)イソ分岐高級アルコールに酸化エチレンを付加重合して得られるエーテル化物。アルキル基にイソ分岐を持っているので直鎖型より融点が低い。
・EMALEX2420:"成分:ポリオキシエチレンデシルテトラデシルエーテル
(製造方法A)粘度が非常に弱い。
(製造方法B)薄白濁で粘度が非常に弱い
実施例1c
(製造方法Bによるジェル剤の調製;増粘剤分散溶液に塩類を配合)
容量3000ミリリットルのパイレックス製ビーカーに、日本薬局方の基準に従う「精製水」(トラスコ中山株式会社社製、商品名:トラスコ精製水)の1000gを入れた。次いで攪拌下(ポータブル式のブレンダー機:株式会社テスコム社製、型式:THM320、商品名:スティックブレンダー;回転数=9,000〜15,000rpm)で、該精製水に、増粘剤たる「非イオン性水溶性セルロースエーテル」(信越化学工業(株)製、商品名:メトローズ 65SH−4000)の101gを、上記精製水中に増粘剤を少しずつ溶解させながら、「ダマ」が出来ないように注意しつつ、約5分間かけて徐々に加えた。更に、同条件下で、上記ブレンダー機による攪拌を、3分程度続けた後、12時間静置した。
上記操作により、1%増粘剤水溶液を調製した。
次いで、上記で得られた1%増粘剤水溶液をベースに、0.1%水酸化カルシム含有ジェルを調製した。すなわち、容量3000ミリリットルのパイレックス製容器中で、上記で得られた1%増粘剤水溶液(1000g)[精製水1000gに増粘剤101gで1101g]中に、攪拌下(ポータブル式のブレンダー機:株式会社テスコム社製、型式:THM320、商品名:スティックブレンダー;回転数=9,000〜15,000rpm)で、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)粉体たる、貝殻焼成カルシウム粉体;新機能科学株式会社製、商品名:シェリールパウダー)の1gを、約5分間かけて徐々に加え、次いで同条件で攪拌を約3分間継続し、その後、24時間静置した。
この水酸化カルシウム粉体を混合する際に、ジェル調製用の混合物において、「泡立ち」が観察されるが、この生成した「泡+混合物」を、直ちに密閉容器(パイレックスガラス製;容量=約1000mL、日本ジェネティクス社製、商品名:広口メジュームびん)に入れた。この操作により、1%増粘剤水溶液−0.1%の水酸化カルシウムの混合物はジェル化し、本発明のジェル状組成物(外用ジェル剤)が得られた。
上記したように「泡+混合物」を密閉容器に入れる直前に、該混合物のpH=12以上であることを確認した。この際pH測定に使用した測定条件は、以下の通りである。
pH測定機器:ハンナ インスツルメンツ・ジャパン株式会社社製、型式:HI 98128、商品名:pHep5(ペップ 5)
上記の操作で使用した増粘剤たる「非イオン性水溶性セルロースエーテル」(信越化学工業(株)製、商品名:メトローズ 65SH−4000)に代えて、上記表1で示した各「増粘剤」を用いた以外は、上記操作と同様にして、表1で示した各「増粘剤」を用いたジェル組成物(外用ジェル剤)を得た。
上記で得られた各種ジェル剤の評価結果等を、上記の表2〜6、および以下の表7〜8に示した。
(表7)
Figure 2018087230
(表8)
Figure 2018087230
実施例1d
(時間経過による粘度変化の確認)
上記表2〜8に示した各種ジェル組成物(外用ジェル剤)のうち、以下の「増粘剤」を使用したものは、ジェル形成直後(例えば、ジェル形成後5分の時点)において良好なジェル状態を示し、且つ、密閉容器内における24時間保存後においても、良好なジェル状態を示した。
<製造方法Aによるもの>
メトローズ:ヒドロキシプロピルメチルセルロース
65SH−15000、65SH−15000、90SH−15000
<製造方法Bによるもの>
メトローズ:ヒドロキシプロピルメチルセルロース
65SH−15000、65SH−15000、90SH−15000
実施例2
(粘弾性測定)
実施例1により得られた「本発明に従うジェル状組成物」の8検体(製造年月日が異なる;保存は常温)について、以下の条件で粘弾性を測定した(測定日時:2016年1月28日(木)13:00〜16:00)。
・試験場所:栃木県産業技術センター(宇都宮市ゆいの杜1丁目5−20)
・測定機メーカー:HAAKE(ハーケ)[ドイツ国];型式:レオストレスRS600
・<測定サンプル>
・検体1:サンプル番号20150218 1年経過後サンプル (製造日:2015年2月18日)
・検体2:サンプル番号20150720 6か月経過後サンプル(製造日:2015年7月20日) ・
・検体3:サンプル番号20151209 2か月経過後サンプル(製造日:2015年12月9日) ・
・検体4:サンプル番号20160115 2週間経過後サンプル(製造日:2016年1月15日) ・
・検体5:サンプル番号20160121 1週間経過後サンプル(製造日:2016年1月21日) ・
・検体6:サンプル番号20160126 1日経過後サンプル (製造日:2016年1月26日夕刻)
・検体7:サンプル番号20160128 製造直後サンプル (製造日:2016年1月28日当日)
・検体8:サンプル番号tepika_4C10 市販アルコール性ジェルサンプル(健栄製薬株式会社製)
・粘弾性測定装置レオストレスRS600に下記測定条件を設定、測定器具を装着し、検体1〜8を測定した。
センサー:C35/1°CE(サンプル量0.200cm3;測定範囲100〜106Pa・S)
*粘度目安を参考に、粘度をサラダオイル(60〜80)からシャンプー(2,000〜3,000)までの間と想定し、測定範囲内のセンサーを選定した。
測定温度:25℃
常温保存を想定し決定した(特開2011−185950号公報における「化粧品の評価方法」を参考にした)。
せん断速度:60秒間で、0から200(1/S)まで連続的に増加させた後、続いて200(1/S)から0まで連続的に減少させる。
dγ/dt[1/s]:特開2011−185950号公報における「化粧品の評価方法」を参考にした。
得られた結果を、表9に示す。
(表9)
Figure 2018087230
実施例3
(pH測定)
1. 実施日時 2016年1月28日(木)10:00〜11:30
2. 場所 栃木県産業技術センター(宇都宮市ゆいの杜1丁目5−20 )
3. 測定機 メーカー: HORIBA 型式:6366C
4.<サンプル>
検体1: サンプル番号20150218 1年経過後サンプル (製造日:2015年2月18日)
検体2: サンプル番号20150720 6か月経過後サンプル(製造日:2015年7月20日)
検体3: サンプル番号20151209 2か月経過後サンプル(製造日:2015年12月9日)
検体4: サンプル番号20160115 2週間経過後サンプル(製造日:2016年1月15日)
検体5: サンプル番号20160121 1週間経過後サンプル(製造日:2016年1月21日)
検体6: サンプル番号20160126 1日経過後サンプル (製造日:2016年1月26日夕刻)
検体7: サンプル番号20160128 製造直後サンプル (製造日:2016年1月28日当日)
検体8: シェリールパウダー水溶液(増粘剤配合前)
5.方法
・堀場製作所製「pH標準液 100−9」(Ph:9)で、サンプル計測前に電極を洗浄し補正する。
・補正後、検体1〜8を測定。各検体計測前に「pH標準液 100−9」で電極を洗浄する。
・計測時間は電極挿入後、3分間とした。
得られた結果を、表10に示す。
(表10)
Figure 2018087230
実施例4
(増粘剤スクリーニング)
本発明においては、以下の方法により、本発明のジェル状組成物の調製に適した「増粘剤」を簡便にスクリーニングすることができる。以下の手順から明らかなように、相当数(例えば、異なる増粘剤の10〜50検体程度)は、並列的にスクリーニングすることが可能である。
具体的には、以下の手順で行う。
(1)実施例1におけるものと同様に、「0.1%」濃度のCa(OH)2水溶液を調製する。
(2)実施例1におけるものと同様に、スクリーニング対象たる「増粘剤」を、上記Ca(OH)2水溶液に添加して、得られた混合物のゲル化状態を目視でチェックする(例えば、「増粘剤」の種類によって、溶液状態となることがある)。
(3)更に、長時間(例えば、24時間後)に、ゲル化状態の持続性を目視でチェックする。
(4)更に長時間(例えば、1週間程度)で、ゲル化状態をチェックする。
実施例5
(ジェル状組成物の抗菌効果の測定)
以下の方法により、本発明のジェル状組成物の抗菌効果を測定した。
・試験場所:一般財団法人 カケンテストセンター(大阪事業所;大阪市西区)
・微生物:大腸菌 Escherichia coli NBRC 3972
・試験方法: 生菌数108個/mL(すなわち、1×10exp(8)個/mL)に調整した菌液0.1mLを、試料溶液10mLに添加し、指定時間(すなわち、15分間、30分間)静置した。その後、試験液1mLをSCDLPブイヨン培地9mLで不活性化させ、混釈平板培養にて生菌数を測定した。また、対象として、蒸留水で同様の処理を行った。
上記で得られた結果を、表11に示す。すなわち、蒸留水(対照)を試料として用いた場合には、初期の生菌数が8.3×10exp(4)個、15分後の生菌数が1.1×10exp(5)個、30分後の生菌数が1.0×10exp(5)個であった。
これに対して、シェリー(シェリー⇒シェリール)水溶液(すなわち「水+水酸化物」の水溶液)を試料として用いた場合には、15分後の生菌数が6.0個、30分後の生菌数が3.5個であった。
更に、シェリージェル(すなわち、実施例1で得た「水+水酸化物+増粘剤」のジェル)を試料として用いた場合には、15分後の生菌数が1.0個未満、30分後の生菌数も1.0個未満であった。
(表11)
Figure 2018087230

Claims (3)

  1. 水、水酸化物、および増粘剤を少なくとも含む外用ジェル剤であって;且つ、該外用ジェル剤のジェル化後に常温(25℃)、密閉容器内で静置した際に、24時間以上ジェル状態を保持可能であり、
    前記増粘剤が、3,500〜18,000mPa・sの粘度規格値を有するヒドロキシプロピルメチルセルロースであり、
    前記水酸化物が、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)であり、且つ、
    アニオン性界面活性剤を含まないことを特徴とする外用ジェル剤。
  2. 前記水酸化カルシウムが、貝殻、サンゴ、卵の殻、または石灰石から生成された水酸化カルシウムである請求項1に記載の外用ジェル剤。
  3. 前記石灰石が、大理石、鍾乳石、またはチョークである請求項2に記載の外用ジェル剤。
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