JP2018086927A - 連結車両の制動力低下判定装置 - Google Patents

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勝也 川崎
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Abstract

【課題】トラクタによって牽引されるトレーラ側のブレーキの制動力が低下しているか否かを判定する。
【解決手段】制動力低下判定装置10は、EBS6が搭載された連結車両1のトラクタ2に設けられ、制動力低下判定装置10のCPUは、車体速度推定部17、スリップ率演算部18、低スリップ率状態判定部19、及び警報判定部22として機能する。車体速度推定部17は、トラクタ2の車体速度を推定する。スリップ率演算部18は、トラクタ側スリップ率とトレーラ側スリップ率とを演算する。低スリップ率状態判定部19は、トレーラ側スリップ率とトラクタ側スリップ率とに基づいて、トレーラ3側の車輪が低スリップ率状態であるか否かを判定する。警報判定部22は、低スリップ率状態判定部19の判定結果に基づいて、トレーラ3側のブレーキ8の制動力が低下しているか否かを判定する。
【選択図】図2

Description

本発明は、トラクタによって牽引されるトレーラ側のブレーキの制動力が低下しているか否かを判定する連結車両の制動力低下判定装置に関する。
特許文献1には、車両のブレーキフェード警報装置が記載されている。このブレーキフェード警報装置は、車両の走行時にブレーキペダルが踏み込まれると、荷重センサからの信号により車両重量Wを演算し、車両重量Wと減速センサからの減速度値G等に基づいて実際に発生した実制動トルクTを演算し、踏力センサからの信号に基づきその時の踏力値に対応する正常制動トルク限界値TLをマップから設定し、実制動トルクTと正常制動トルク限界値TLとを比較し、T<TLの時に警告ランプを点灯させて運転者にフェードの発生を知らせる。
実開平7−19042号公報
しかし、トラクタによって牽引されるトレーラの場合、トレーラ側の正常制動トルク限界値は牽引されるトレーラによって相違するので、上記特許文献1に記載のブレーキフェード警報装置ではトレーラ側でフェード現象が発生しているか否かを判定することが難しく、トレーラ側のブレーキの制動力が低下しているか否かを判定することが難しい。
そこで、本発明は、トラクタによって牽引されるトレーラ側のブレーキの制動力が低下しているか否かを判定することが可能な連結車両の制動力低下判定装置の提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、トラクタがトレーラを牽引する連結車両の制動力低下判定装置であって、トラクタに設けられた車体速度推定手段と判定手段とを備える。連結車両には、連結車両の総重量が増減した場合であってもブレーキペダルの操作量に応じた所定の減速度で連結車両が制動するようにトラクタ側のブレーキ及びトレーラ側のブレーキを制御する電子制御ブレーキシステムが搭載される。電子制御ブレーキシステムは、トレーラの車輪の車輪速度をトレーラ車輪速として検出するトレーラ車輪速検出手段と、トラクタの車輪の車輪速度をトラクタ車輪速として検出するトラクタ車輪速検出手段とを備える。
車体速度推定手段は、トラクタの車体速度を推定する。判定手段は、連結車両の制動時に、車体速度推定手段が推定した車体速度とトラクタ車輪速検出手段が検出したトラクタ車輪速とに基づいてトラクタ側の車輪のスリップ率をトラクタ側スリップ率として算出するとともに、車体速度とトレーラ車輪速検出手段が検出したトレーラ車輪速とに基づいてトレーラ側の車輪のスリップ率をトレーラ側スリップ率として算出し、トラクタ側スリップ率とトレーラ側スリップ率とに基づいて、トレーラ側のブレーキの制動力の低下を判定する。
上記構成では、判定手段は、連結車両の制動時に、トラクタ車輪速と車体速度とに基づいてトラクタ側スリップ率を算出するとともに、トレーラ車輪速と車体速度とに基づいてトレーラ側スリップ率を算出し、トラクタ側スリップ率とトレーラ側スリップ率とに基づいて、トレーラ側のブレーキの制動力の低下を判定する。一般に、車両の制動時には、車輪は路面に対してスリップしている。スリップ率は、車体速度に対するスリップ速度(車体速度と車輪速度との差)の割合で表され、制動時のスリップ率は、ブレーキの効きが強く(大きく)車輪がフルロックして車輪速度がゼロのときに最大となる。例えば、トレーラ側のブレーキにフェード現象が発生してトレーラ側のブレーキの制動力が低下しているときには、トラクタ側スリップ率よりもトレーラ側スリップ率が低くなるので、トラクタ側スリップ率とトレーラ側スリップ率とに基づいて、トレーラ側のブレーキの制動力が低下しているか否かを判定することができる。
このように、トレーラ車輪速を用いてトレーラ側スリップ率を算出し、トレーラ側スリップ率とトラクタ側スリップ率とに基づいてトレーラ側のブレーキの制動力の低下を判定するので、トラクタが牽引するトレーラが代わっても、そのトレーラのトレーラ車輪速を用いてトレーラ側スリップ率を算出してトレーラ側のブレーキの制動力の低下を判定することができる。
また、上記判定手段は、連結車両の制動時に、トレーラ側スリップ率がトラクタ側スリップ率よりも低い状態が継続し、所定の条件を満たした場合に、トレーラ側のブレーキの制動力が低下していると判定してもよい。
上記構成では、判定手段は、連結車両の制動時にトレーラ側スリップ率がトラクタ側スリップ率よりも低い状態が継続して所定の条件を満たした場合に、トレーラのブレーキの制動力が低下していると判定する。例えば、トレーラ側スリップ率がトラクタ側スリップ率よりも低い状態が所定時間(上記所定の条件)継続した場合に、トレーラ側のブレーキの制動力が低下していると判定する。このように、トレーラ側スリップ率がトラクタ側スリップ率よりも低い状態が継続して所定の条件を満たした場合に、トレーラ側のブレーキの制動力が低下していると判定するので、制動力低下判定の正確性を高めることができる。
本発明によれば、トラクタによって牽引されるトレーラ側のブレーキの制動力が低下しているか否かを判定することができる。
本発明の一実施形態に係る制動力低下判定装置を備えた車両の概略図である。 図1の車両のブロック構成図である。 制動力低下警報処理のフローチャートである。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、図1において、FRは車両の前方を、UPは上方をそれぞれ示す。また、以下の説明において、左右方向は車両前方を向いた状態での左右方向を意味する。
図1に示すように、本実施形態に係る制動力低下判定装置10は、トレーラ3を牽引するトラクタ2に設けられる。トラクタ2とトレーラ3とは、互いに連結されて連結車両1を構成する。トラクタ2は、左右の前輪(車輪)12fl,12fr及び左右の後輪(車輪)12rl,12rrを有し、トレーラ3は、左右の前輪(車輪)13fl,13fr及び左右の後輪(車輪)13rl,13rrを有している。連結車両1(以下、単に車両1という。)の各車輪12fl,12fr,12rl,12rr,13fl,13fr,13rl,13rrには、それぞれブレーキ8が設けられ、各ブレーキ8のブレーキ圧は、車両1に搭載される後述する電子制御ブレーキシステム(Electronic Braking System(EBS))6によってそれぞれ制御される。なお、図1では、右側の車輪12fr,12rr,13fr,13rrを省略している。
トラクタ2は、トラクタ2内での情報通信、及び後述するトラクタ2とトレーラ3間での情報通信を行うCAN(Controller Area Network)9を構成するケーブル25を有する。また、トレーラ3も、トラクタ2側のケーブル25と接続することによってCAN9を構成するケーブル26を有する。トラクタ2のケーブル25とトレーラ3のケーブル26とは、トラクタ2とトレーラ3とを連結する際に、コネクタ27を介して接続されてCAN9を構成し、トラクタ2とトレーラ3間の情報通信を可能とする。また、トラクタ2とトレーラ3とは、エアホース(図示省略)をそれぞれ有し、トラクタ2とトレーラ3とを連結する際に、それぞれのエアホースを互いに接続し、このエアホースの接続によって制動系統が繋がれている。なお、本実施形態では、トラクタ2内での情報通信やトラクタ2とトレーラ3間での情報通信を、ケーブル25,26を介して行ったが、これに限定されるものではなく、無線通信によって行ってもよい。
EBS6は、複数のトラクタ側車輪速センサ(トラクタ車輪速検出手段)14と、トラクタ側のECU(Electronic Control Unit)16(以下、トラクタECU16と称する)と、複数のトレーラ側車輪速センサ(トレーラ車輪速検出手段)15と、トレーラ側のECU20(以下、トレーラECU20と称する)とを有し、CAN9を介してトラクタECU16とトレーラECU20との間で情報通信を行っている。EBS6は、車両1が空車状態であるか積車状態であるかに拘わらず、運転者が同じ感覚でブレーキペダル7を操作することができるように、各車輪12fl,12fr,12rl,12rr,13fl,13fr,13rl,13rrのブレーキ圧を最適に制御する。EBS6は、ケーブル25,26(CAN9)及びエアホースを介してトレーラ3側のブレーキ8を制御する。
トラクタ側車輪速センサ14は、トラクタ2側の車輪12fl,12fr,12rl,12rrのそれぞれに設けられ、各車輪12fl,12fr,12rl,12rrの回転速度を逐次検出してトラクタECU16へ出力する。トラクタECU16は、車輪速演算部21を有し、トラクタ側車輪速センサ14から入力するトラクタ2の各車輪12fl,12fr,12rl,12rrの回転速度のそれぞれに対して、予め設定された各車輪12fl,12fr,12rl,12rrの円周長を乗じ、各車輪12fl,12fr,12rl,12rrの車輪速度であるトラクタ車輪速V1fl,V1fr,V1rl,V1rrを演算する。すなわち、トラクタ側車輪速センサ14とトラクタECU16の車輪速演算部21とは、トラクタ2の車輪12fl,12fr,12rl,12rrの車輪速度V1fl,V1fr,V1rl,V1rrを検出するトラクタ車輪速検出手段として機能する。
トレーラ側車輪速センサ15は、トレーラ3側の車輪13fl,13fr,13rl,13rrのそれぞれに設けられ、各車輪13fl,13fr,13rl,13rrの回転速度を逐次検出してトレーラECU20へ出力する。トレーラECU20は、車輪速演算部23を有し、トレーラ側車輪速センサ15から入力するトレーラ3の各車輪13fl,13fr,13rl,13rrの回転速度のそれぞれに対して、予め設定された各車輪13fl,13fr,13rl,13rrの円周長を乗じ、各車輪13fl,13fr,13rl,13rrの車輪速度であるトレーラ車輪速V2fl,V2fr,V2rl,V2rrを演算する。すなわち、トレーラ側車輪速センサ15とトレーラECU20の車輪速演算部23とは、トレーラ3の車輪13fl,13fr,13rl,13rrの車輪速度V2fl,V2fr,V2rl,V2rrを検出するトレーラ車輪速検出手段として機能する。
EBS6では、ブレーキペダル7の操作量と減速度との対応関係が予め設定されており、ブレーキペダル7の操作時に、ブレーキペダル7の操作量に対応する所定の減速度で車両1が制動するように、車輪12fl,12fr,12rl,12rr,13fl,13fr,13rl,13rrのブレーキ圧を、車両1の総重量に応じた理想制動力配分に基づいてトラクタECU16側で算出する。例えば、トラクタECU16は、トレーラ3に荷物を積載していない空載時のように車両1の総重量が軽いときには、トラクタ2側の後輪12rl,12rr、及びトレーラ3側の車輪13fl,13fr,13rl,13rrの制動力を、トラクタ2側の前輪12fl,12frの制動力よりも低くした状態で、車両1が上記所定の減速度で減速するようにブレーキ圧を算出し、一方、トレーラ3に荷物を積載している積載時のように車両1の総重量が重いときには、トラクタ2側の後輪12rl,12rr、及びトレーラ3側の車輪13fl,13fr,13rl,13rrの制動力を、空載時よりも高くした(トラクタ2側の前輪12fl,12frの制動力に近付けた)状態で、車両1が上記所定の減速度で減速するようにブレーキ圧を算出する。そして、トラクタ車輪速V1fl,V1fr,V1rl,V1rrやトレーラ車輪速V2fl,V2fr,V2rl,V2rrから車両1の現実の減速度を検出し、上記所定の減速度に一致させるようにブレーキ圧を制御する。すなわち、EBS6は、各車輪12fl,12fr,12rl,12rr,13fl,13fr,13rl,13rrのブレーキ圧を最適に制御することによって、車両1の総重量が増減した場合であっても、その総重量に拘わらずブレーキペダル7の操作量に応じた所定の減速度で車両1を制動する。なお、EBS6による車輪12fl,12fr,12rl,12rr,13fl,13fr,13rl,13rrのブレーキ8のブレーキ圧の算出は、上記に限定されるものではなく、例えば、トラクタECU16が、トラクタ2側の車輪12fl,12fr,12rl,12rrのブレーキ圧を算出して、算出したブレーキ圧と略同じブレーキ圧をトレーラECU20に指示し、トレーラECU20が、指示されたブレーキ圧をトレーラ3の重量に応じて補正(空載時には、指示されたブレーキ圧よりも低く、積載時には空載時よりも高く)してもよい。
図2に示すように、制動力低下判定装置10は、EBS6のトラクタ側車輪速センサ14、EBS6のトレーラ側車輪速センサ15、ブレーキセンサ4、及び警報出力装置5とともに制動力低下警報システム11を構成する。なお、図2では、CAN9を省略している。
ブレーキセンサ4は、ブレーキペダル7(図1参照)の状態(ON/OFF)を逐次検出し、ブレーキペダル7が操作されている(踏まれている)ときにブレーキペダル7の状態をONとし、ブレーキペダル7が操作されていない(踏まれていない)ときにブレーキペダル7の状態をOFFとして制動力低下判定装置10へ出力する。
制動力低下判定装置10は、CPU(Central Processing Unit)と記憶部(RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)など)とによって構成される。CPUは、記憶部が記憶する各種プログラム(制動力低下警報処理プログラムを含む)を実行することにより、車体速度推定部(車体速度推定手段)17、スリップ率演算部(判定手段)18、低スリップ率状態判定部(判定手段)19、及び警報判定部(判定手段)22として機能する。記憶部(RAM)は、受信した各種情報の一時記憶領域やフラグ設定領域(後述する計時フラグfの設定領域)や継続時間記憶領域(後述する低スリップ率状態の継続時間を記憶する領域)を有する。
車体速度推定部17は、トラクタECU16の車輪速演算部21が演算したトラクタ車輪速V1fl,V1fr,V1rl,V1rrのうち最も大きな(速い)トラクタ車輪速からトラクタ2の車体速度を推定し、推定したトラクタ2の車体速度をスリップ率演算部18へ出力する。なお、車体速度推定部17は、トラクタ車輪速V1fl,V1fr,V1rl,V1rrの平均の値からトラクタ2の車体速度を推定してもよい。或いは、トラクタ2に加速度センサを設け、トラクタ2の加速度を積分することによってトラクタ2の車体速度を推定してもよいし、プロペラシャフトの回転速度からトラクタ2の車体速度を推定してもよい。
スリップ率演算部18は、車体速度推定部17が推定したトラクタ2の車体速度と、トラクタECU16の車輪速演算部21が演算したトラクタ車輪速V1fl,V1fr,V1rl,V1rrとから、トラクタ2側の各車輪12fl,12fr,12rl,12rrのスリップ率をそれぞれ演算し、各車輪12fl,12fr,12rl,12rrのスリップ率の平均値をトラクタ側スリップ率として低スリップ率状態判定部19へ出力する。また、スリップ率演算部18は、トレーラECU20の車輪速演算部23が演算したトレーラ車輪速V2fl,V2fr,V2rl,V2rrをCAN9を介して受信し、受信したトレーラ車輪速V2fl,V2fr,V2rl,V2rrと、車体速度推定部17が推定したトラクタ2の車体速度とから、トレーラ3側の各車輪13fl,13fr,13rl,13rrのスリップ率(トレーラ側スリップ率)をそれぞれ演算し、各車輪13fl,13fr,13rl,13rrのそれぞれのトレーラ側スリップ率を低スリップ率状態判定部19へ出力する。なお、制動時のスリップ率(S)は、以下の式(1)で算出できる。
S=(Vv−Vw)/Vv ・・・(1)
ここで、Sはスリップ率、Vvは車体速度、Vwは車輪速度をそれぞれ示す。また、上記式(1)の右辺に100を乗算することによって、スリップ率をパーセントで表記する場合もある。
低スリップ率状態判定部19は、トレーラ3側の各車輪13fl,13fr,13rl,13rrごとにトラクタ側スリップ率とトレーラ側スリップ率とを比較し、トレーラ側スリップ率がトラクタ側スリップ率よりも低く、且つその差が予め設定された所定の閾値αよりも大きい低スリップ率状態であるか否かを判定する。低スリップ率状態判定部19は、各車輪13fl,13fr,13rl,13rrのうちの所定の車輪について低スリップ率状態であると判定し、他の車輪について低スリップ率状態ではないと判定した場合、上記所定の車輪については計時開始信号を警報判定部22に出力し、上記他の車輪については計時停止信号を警報判定部22に出力する。
警報判定部22は、各車輪13fl,13fr,13rl,13rrごとの低スリップ率状態の継続時間を計時する。具体的には、警報判定部22は、各車輪13fl,13fr,13rl,13rrのうちの上記所定の車輪に計時開始信号が発せられた際に、上記所定の車輪の低スリップ率状態の継続時間の計時が開始されていない場合には(計時フラグf=OFF)、上記車輪の低スリップ率状態の継続時間の計時を開始して上記所定の車輪の計時フラグ(f)をONにし、上記所定の車輪の低スリップ率状態の継続時間の計時が開始されているときには(計時フラグf=ON)、計時フラグfがONになってからの上記所定の車輪の低スリップ率状態の継続時間の計時を継続する。一方、警報判定部22は、各車輪13fl,13fr,13rl,13rrのうちの上記他の車輪に計時停止信号が発せられた際に、上記他の車輪の低スリップ率状態の継続時間の計時が開始されているときには(計時フラグf=ON)、上記他の車輪の低スリップ率状態の継続時間の計時を停止し、計時していた継続時間をリセットして上記他の車輪の計時フラグ(f)をOFFにする。警報判定部22は、所定の車輪の低スリップ率状態が継続して、その継続時間が予め設定された閾値Tを越えたとき(所定の条件を満たしたとき)に、前記車輪のブレーキ8の制動力が低下していると判定し、警報出力装置5に警報指示信号を送信する。なお、警報判定部22は、低スリップ率状態の継続時間を計時する際に、CAN9に接続された他の装置(図示省略)の計時手段(例えば、時計等)から時間を取得して経過時間を計時してもよいし、或いは、制動力低下判定装置10に計時手段を設けて該計時手段から時間を取得して経過時間を計時してもよい。
次に、制動力低下判定装置10が実行する制動力低下警報処理について、図3のフローチャートを参照して説明する。制動力低下判定装置10は、車両1の始動によって本処理を開始し、車両1を停止するまで所定時間毎に繰り返して本処理を実行する。
図3に示すように、本処理を開始すると、制動力低下判定装置10は、ブレーキペダル7が操作されている(ブレーキペダル7:ON)場合(ステップS1:YES)、ステップS2へ移行し、ブレーキペダル7が操作されていない(ブレーキペダル7:OFF)場合(ステップS1:NO)、ステップS5へ移行する。ステップS5では、トレーラ3側の全車輪13fl,13fr,13rl,13rrについて計時停止信号を警報判定部22に出力する。
ステップS2では、車体速度推定部17がトラクタ2の車体速度を推定し、スリップ率演算部18がトラクタ側スリップ率及びトレーラ側スリップ率を演算し、ステップS3へ移行する。
ステップS3では、低スリップ率状態判定部19が、トレーラ3側の各車輪13fl,13fr,13rl,13rrのそれぞれについて低スリップ率状態であるか否かを判定する。低スリップ率状態判定部19は、所定の車輪について低スリップ率状態であると判定し(ステップS3:YES)、他の車輪について低スリップ率状態ではないと判定した場合(ステップS3:NO)、上記所定の車輪について計時開始信号を警報判定部22に出力し(ステップS4)、上記他の車輪について計時停止信号を警報判定部22に出力する(ステップS5)。
警報判定部22は、計時開始信号を受信した際に、計時開始信号が発せられた車輪の計時フラグfがONの場合(ステップS6:YES)、ステップS8へ移行し、計時開始信号が発せられた車輪の計時フラグfがOFFの場合(ステップS6:NO)、前記車輪の低スリップ率状態の継続時間の計時を開始するとともに、計時フラグfをONにして(ステップS7)、ステップS8へ移行する。
ステップS8では、警報判定部22は、計時開始信号が発せられた車輪の低スリップ率状態の継続時間と予め設定された閾値Tとを比較し、低スリップ率状態の継続時間が閾値T以上である場合(ステップS8:YES)、前記車輪のブレーキ8の制動力が低下していると判定し、警報出力装置5に警報指示信号を送信して(ステップS9)、本処理を終了する。一方、警報判定部22は、低スリップ率状態の継続時間が閾値Tよりも短い場合(ステップS8:NO)、本処理を終了する。
警報判定部22は、計時停止信号を受信した際に、計時停止信号が発せられた車輪の計時フラグfがONの場合(ステップS10:YES)、前記車輪の低スリップ率状態の継続時間の計時を停止するとともに、計時していた継続時間をリセットして前記車輪の計時フラグ(f)をOFFにして(ステップS11)、本処理を終了する。一方、警報判定部22は、計時停止信号を受信した際に、計時停止信号が発せられた車輪の計時フラグfがOFFの場合(ステップS10:NO)、本処理を終了する。
警報出力装置5は、トラクタ2の車室内に向けて警報音を出力する出力部(スピーカ)を備え、制動力低下判定装置10の警報判定部22からの警報指示信号の受信に応じて警報音を出力して、トレーラ3側の車輪13fl,13fr,13rl,13rrの少なくとも1つの車輪のブレーキ8の制動力が低下していることを運転者に報知する。なお、警報音は、連続して出力されてもよく、間歇的に出力されてもよい。また、警報音の出力に代えて又は加えて、音声や画像表示等によってトレーラ3側のブレーキ8の制動力の低下を運転者に報知してもよい。
上記のように構成された制動力低下判定装置10では、車両1の制動時に、トラクタ2の車体速度とトラクタ車輪速V1fl,V1fr,V1rl,V1rrとに基づいてトラクタ側スリップ率を算出するとともに、トラクタ2の車体速度とトレーラ車輪速V2fl,V2fr,V2rl,V2rrとに基づいてトレーラ3側の各車輪13fl,13fr,13rl,13rrのトレーラ側スリップ率をそれぞれ算出し、トラクタ側スリップ率とトレーラ側スリップ率とに基づいて、トレーラ3側のブレーキ8の制動力の低下を判定する。例えば、トレーラ3側のブレーキ8にフェード現象が発生してトレーラ3側のブレーキ8の制動力が低下しているときには、トラクタ側スリップ率よりもトレーラ側スリップ率が低くなるので、トラクタ側スリップ率とトレーラ側スリップ率とに基づいて、トレーラ3側のブレーキ8の制動力が低下しているか否かを判定することができる。
このように、トレーラ車輪速V2fl,V2fr,V2rl,V2rrを用いてトレーラ側スリップ率を算出し、トレーラ側スリップ率とトラクタ側スリップ率とに基づいてトレーラ3側のブレーキ8の制動力の低下を判定するので、トラクタ2が牽引するトレーラ3が代わっても、そのトレーラ3のトレーラ車輪速を用いてトレーラ側スリップ率を算出してトレーラ3側のブレーキ8の制動力の低下を判定することができる。
また、警報判定部22は、車両1の制動時に、トレーラ3側の所定の車輪の低スリップ率状態が継続して、その継続時間が予め設定された閾値Tを越えたとき(所定の条件を満たしたとき)に、前記車輪のブレーキ8の制動力が低下していると判定する。このように、低スリップ率状態が継続し、上記所定の条件を満たした場合に、トレーラ3側のブレーキ8の制動力が低下していると判定するので、上記所定の条件を適切に設定することによって制動力低下判定の正確性を高めることができる。
従って、本実施形態によれば、トラクタ2によって牽引されるトレーラ3側のブレーキ8の制動力が低下しているか否かを判定することができる。
なお、低スリップ率状態の継続時間を計時する方法は、上記の方法に限定されるものではなく、他の様々な方法で低スリップ率状態の継続時間を計時することができる。
また、本実施形態では、ブレーキ8の制動力が低下していると判定するための所定の条件を、低スリップ率状態の継続時間が予め設定された閾値Tを越えたときとしたが、所定の条件は、上記に限定されるものではない。例えば、ブレーキ8の制動力が低下していると判定するための所定の条件を、所定の車輪の低スリップ率状態が継続し、低スリップ率状態であると所定の回数連続して判定されたときとしてもよい。
また、本実施形態では、トラクタ2側の各車輪12fl,12fr,12rl,12rrのスリップ率の平均値をトラクタ側スリップ率としたが、これに限定されるものではなく、例えば、トラクタ2側の各車輪12fl,12fr,12rl,12rrのスリップ率のうちの最も高いスリップ率をトラクタ側スリップ率としてもよい。
また、トラクタ2側の車輪の数、及びトレーラ3側の車輪の数は、上記に限定されるものではない。
また、本実施形態では、トレーラ3側のブレーキ8の制動力が低下する原因の一例として、トレーラ3側のブレーキ8にフェード現象が発生している場合を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、トレーラ3側の所定の車輪のブレーキ8のブレーキパッドの摩耗等により、前記所定の車輪のブレーキ8のギャップが拡がった場合も前記所定の車輪のブレーキ8の制動力が低下する原因となり得る。
また、制動力低下判定装置10を、EBS6に加えてLSPV(Load−Sensing Proportioning Valve)装置を備える車両に対して適用してもよい。
以上、本発明について、上記実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明は上記実施形態の内容に限定されるものではなく、当然に本発明を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例および運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論である。
例えば、上記実施形態では、本発明の一実施形態に係る制動力低下判定装置10を、制動力低下警報システム11に適用し、トレーラ3側のブレーキ8の制動力の低下の判定後に、ブレーキ8の制動力の低下を運転者に報知したが、制動力低下判定装置10をブレーキ8の制動力の低下に対処可能な他のシステムに適用し、トレーラ3側のブレーキ8の制動力の低下の判定後に運転者に報知することなく、ブレーキ8の制動力の低下に対処するための他の制御を行ってもよい。
1:連結車両
2:トラクタ
3:トレーラ
6:電子制御ブレーキシステム
7:ブレーキペダル
8:ブレーキ
10:制動力低下判定装置
12fl,12fr,12rl,12rr:トラクタの車輪
13fl,13fr,13rl,13rr:トレーラの車輪
14:トラクタ側車輪速センサ(トラクタ車輪速検出手段)
15:トレーラ側車輪速センサ(トレーラ車輪速検出手段)
17:車体速度推定部(車体速度推定手段)
18:スリップ率演算部(判定手段)
19:低スリップ率状態判定部(判定手段)
21:車輪速演算部(トラクタ車輪速検出手段)
22:警報判定部(判定手段)
23:車輪速演算部(トレーラ車輪速検出手段)

Claims (2)

  1. トラクタがトレーラを牽引する連結車両の総重量が増減した場合であってもブレーキペダルの操作量に応じた所定の減速度で前記連結車両が制動するように前記トラクタ側のブレーキ及び前記トレーラ側のブレーキを制御する電子制御ブレーキシステムが搭載され、前記電子制御ブレーキシステムが、前記トレーラの車輪の車輪速度をトレーラ車輪速として検出するトレーラ車輪速検出手段と、前記トラクタの車輪の車輪速度をトラクタ車輪速として検出するトラクタ車輪速検出手段とを備える前記連結車両の制動力低下判定装置であって、
    前記トラクタに設けられた車体速度推定手段と判定手段とを備え、
    前記車体速度推定手段は、前記トラクタの車体速度を推定し、
    前記判定手段は、前記連結車両の制動時に、前記車体速度推定手段が推定した車体速度と前記トラクタ車輪速検出手段が検出したトラクタ車輪速とに基づいて前記トラクタ側の車輪のスリップ率をトラクタ側スリップ率として算出するとともに、前記車体速度と前記トレーラ車輪速検出手段が検出したトレーラ車輪速とに基づいて前記トレーラ側の車輪のスリップ率をトレーラ側スリップ率として算出し、前記トラクタ側スリップ率と前記トレーラ側スリップ率とに基づいて、前記トレーラ側の前記ブレーキの制動力の低下を判定する
    ことを特徴とする連結車両の制動力低下判定装置。
  2. 請求項1に記載の制動力低下判定装置であって、
    前記判定手段は、前記連結車両の制動時に、前記トレーラ側スリップ率が前記トラクタ側スリップ率よりも低い状態が継続し、所定の条件を満たした場合に、前記トレーラ側の前記ブレーキの制動力が低下していると判定する
    ことを特徴とする連結車両の制動力低下判定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110371129A (zh) * 2019-06-28 2019-10-25 湖南行必达网联科技有限公司 主车和挂车制动一致性判断方法、装置及制动系统
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