JP2018085861A - 水素利用システムおよび統合エネルギシステム - Google Patents

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洋平 河原
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Abstract

【課題】系統に安定電力を供給可能な水素利用システムおよび統合エネルギシステムを提供する。
【解決手段】水素利用システム120は、蓄電池122と、水電解装置124と、水素貯蔵タンク125と、指令に応じて水素を活用した発電を行う水素発電機127と、水素発電機127と水素貯蔵タンク125の間との間で水素を輸送するための水素輸送手段128と、水素貯蔵タンク125の圧力を計測する圧力計129と、水素供給/受入れ手段129Aと、システムコントローラ121と、を備える。システムコントローラ121は、圧力計129により計測された水素貯蔵タンク125の圧力を基に、水素貯蔵タンク125の水素貯蔵量を算出し、水素貯蔵タンク122の水素貯蔵量が不足している場合、外部から水素を受入れるとともに、外部から水素供給要求に従って水素貯蔵タンク122の水素を外部に供給するように制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、水素利用システムおよび統合エネルギシステムに関する。
太陽光、風力、波力等の再生可能エネルギの発電出力は、天候に応じて変動する不安定な電源のため、導入量が増加すると電力系統に悪影響が生じる。そこで、再生可能エネルギの発電出力を変動抑制するための手段が必要であり、従来では、この変動抑制を行う手段として蓄電池を活用することが一般的であった。しかし、再生可能エネルギ量が増加すると、設置する蓄電池量も増加し、設備コストが高額となるためシステムの大容量化が困難である。
そこで、近年では、大容量貯蔵が可能な水素が注目されている。再生可能エネルギの発電出力を水電解装置で吸収して水素を生成して貯蔵し、必要に応じて貯蔵した水素を取り出して活用する。
特許文献1には、水を電気分解して高圧水素を発生させる水電解装置と、前記水電解装置で発生する水素を貯蔵する水素貯蔵タンクと、前記水電解装置に電力供給ラインを介して電力を供給する太陽電池と、前記太陽電池で発電された電力を貯蔵するための蓄電装置と、前記太陽電池で発電された電力、または前記蓄電装置からの電力を商用電源に供給するためのDC/ACコンバータと、前記商用電源からの電力を前記電力供給ラインに供給するためのAC/DCコンバータとを備える水素生成システムが記載されている。
特許文献1に記載の水素生成システムは、太陽電池により得られる電力を良好に使用することができ、電力が無駄に消費されることを阻止できる。また、水素生成効率の高い領域における運転が可能である。
再生可能エネルギ発電所は、大規模化し、発電所内に設置される発電機数も増加している。また、発電環境の良い地域には、複数の再生化のエネルギ発電所が設立されており、時間帯によっては系統電力線への接続が困難となる状況が予想される。これらの発電所には、発電電力の変動を平準化する設備の設置が求められ、多くの場合、蓄電池が選択されている。
特開2008−11614号公報
太陽光や風力は近距離でも日射量や風況が異なる場合があり、隣接する再生可能エネルギ発電機で発電出力の変動パターンが異なる場合が生じる。それぞれの再生可能エネルギ発電機は、設置された蓄電池によって変動が平準化されていてもそれぞれの充電容量が異なるので、一方の蓄電池の容量が不足した場合、平準化できなくなる。この場合、その再生可能エネルギ発電機は、発電を停止する必要がある。また、再生可能エネルギ発電機は、設置場所に任意性があるため、従来の系統電力線では消費側に位置付けられていた末端にも設置可能である。この場合、逆潮流が大規模化すると系統電力線を不安定化する虞があるため、設置が制限される場合がある。さらに、負荷平準化装置を設置していない再生可能エネルギ発電機では、系統電力網の規制から逸脱する電力が増加するため発電を抑制する必要があり、再生可能エネルギの導入拡大の課題となっている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、系統に安定電力を供給可能な水素利用システムおよび統合エネルギシステムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明による水素利用システムは、再生可能エネルギを用いて発電する発電装置の発電電力を少なくとも蓄える蓄電池と、水を電気分解して水素を発生させて電力を吸収する水電解装置と、水素を貯蔵する水素貯蔵体と、水素を用いて発電する水素発電装置と、を備えて、少なくとも前記発電装置の発電電力を電力系統に逆潮流させることが可能であり、前記水素貯蔵体は、外部への水素供給および外部からの水素受入れが可能であることを特徴とする。
本発明によれば、系統に安定電力を供給可能な水素利用システムおよび統合エネルギシステムを提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る水素利用システムを含む電力供給安定化システムの全体構成図である。 上記第1の実施形態に係る水素利用システムのシステムコントローラの制御処理を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る統合エネルギシステム(再生エネルギ発電システム)の全体構成図である。 上記第2の実施形態に係る統合エネルギシステムの統合システムコントローラのシステム統轄制御処理を示すフローチャートである。 上記第2の実施形態に係る統合エネルギシステムの統合システムコントローラの制御処理を示すフローチャートである。 上記第2の実施形態に係る統合エネルギシステムの急激な発電電力の変動を説明する線図である。 上記第2の実施形態に係る統合エネルギシステムの水素発電機の動作処理を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施形態に係る統合エネルギシステムの全体構成図である。 本発明の第4の実施形態に係る統合エネルギシステムの全体構成図である。 本発明の第5の実施形態に係る統合エネルギシステムの全体構成図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
(背景説明)
再生可能エネルギ発電所の電力出力(発電電力)の安定化には、水素発電を利用することが挙げられる。再生可能エネルギの発電出力を水電解装置で吸収して水素を生成して貯蔵し、必要に応じて貯蔵した水素を取り出し、水素発電に活用する。水素発電は、効率が低く、蓄電池による安定化に比較すると効率面では劣る。しかしながら、水素は化学物質であるため長期間安価に安定して貯蔵することができ、大容量化が比較的容易である。また輸送手段が確立しているため、他の場所で調達した水素を利用することで、長時間の水素発電が可能である。さらに、容量と発電出力が独立しているため、それぞれを個別に設計できる。
このように、水素発電は、システム設計の自由度が高く、大容量貯蔵が可能で、容易に分配できるため、隣接する発電機での出力が異なることの多い再生可能エネルギ発電機の発電状況に応じた柔軟な対応が可能となる。さらに、水素は様々な手段で製造することが可能である。
本実施形態では、再生可能エネルギ発電機の電力を利用した水電解によるCOフリーの水素製造に適用しているが、バイオマス燃料の改質による水素製造、光触媒による水素製造等の手段によってもCOフリー水素を製造できる。本実施形態では、水電解以外の手法で作製した水素に関しても発電に用いることができる。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る水素利用システムを含む電力供給安定化システムの全体構成図である。
電力供給安定化システムは、太陽光発電システム等に使用され、太陽光パネルから供給された直流電力を交流電力に変換し、外部の負荷または商用電源系統に供給する。
図1に示すように、電力供給安定化システム100は、再生可能エネルギ発電システム110(発電装置)と、水素利用システム120と、を備え、水素利用システム120は、再生可能エネルギ発電システム110の発電電力を電力系統130に逆潮流させることが可能である。
[再生可能エネルギ発電システム110]
再生可能エネルギ発電システム110は、再生可能エネルギによって発電する機器から構成されている。再生可能エネルギには、太陽光発電、太陽熱発電、風力発電、地熱発電、バイオマス発電、水力発電、波力発電、潮力発電等が挙げられる。本実施形態は、再生可能エネルギの変動を安定化し、導入拡大に寄与することである。導入ポテンシャルが高く普及が進んでおり、天候変化等による出力変動を受けやすい太陽光発電と風力発電とを用いる。
図1に示される再生可能エネルギ発電システム110は、太陽光パネル111と、太陽光用パワーコンディショナ(PCS_PV)112と、風力発電機113と、を備え、太陽光パネル111で発電された直流電力は、電力線140によりPCS_PV112を介して交流電力として出力される。また、風力発電については、ここでは風力発電機113で直接、交流電力を出力する例を示している。なお、太陽光パネル111および太陽光用パワーコンディショナ(PCS_PV)112と、風力発電機113はそれぞれ単独でもよいし、組合わされていてもよい。また発電機単体でもよく、複数台から構成させていてもよい。以降、再生可能エネルギ発電システム110から出力される電力をP_GENと呼ぶ。
これら再生可能エネルギを用いた発電電力は、天候の影響を受ける不安定な電源であり、これが大量に導入されると電力系統130が不安定となるため、電力安定化を図る等の対策が必要である。
[水素利用システム120]
水素利用システム120は、発電電力の変動を平準化して電力系統130に逆潮流させる機能と、水素を生成する機能を有する。すなわち、水素利用システム120は、前述した再生可能エネルギ発電システム110の発電電力を安定化させる機能に加え、発電電力から水素を生成する機能を有する。安定化させた発電電力は、必要に応じて電力系統130に逆潮流させ、生成した水素は水素貯蔵タンク125(水素貯蔵体)に貯蔵されて必要に応じて活用される。
水素利用システム120は、システムコントローラ121(制御手段)と、電力を蓄え放電可能な蓄電池122と、蓄電池122の直流電力を指令に応じて交流電力として出力する蓄電池用パワーコンディショナ(PCS_BAT)123と、交流電力を吸収して直流電力に変換して水素を生成する水電解装置124と、生成した水素を貯蔵するための水素貯蔵タンク125(水素貯蔵体)と、水電解装置124と水素貯蔵タンク125の間との間で水素を輸送するための水素輸送手段126と、指令に応じて水素を活用した発電を行う水素発電機127と、水素発電機127と水素貯蔵タンク125の間との間で水素を輸送するための水素輸送手段128と、水素貯蔵タンク125の圧力(つまり水素貯蔵量)を計測する圧力計129と、水素供給/受入れ手段129Aと、を備える。水素輸送手段126,128は、例えば水素配管である。水素供給/受入れ手段129Aは、水素貯蔵タンク125に設けられた、充填・放出口(バルブ(弁))である。
<システムコントローラ121>
システムコントローラ121は、水素利用システム120が備える機器の状態監視や制御を行う制御手段である。また、システムコントローラ121は、太陽光用パワーコンディショナ(PCS_PV)112の制御も担う。図1の破線矢印に示すように、システムコントローラ121と各機器の間は、相互に指令を送受信するための通信線150(150A,150B,…)で接続される。
具体的には、システムコントローラ121と太陽光用パワーコンディショナ(PCS_PV)112は、通信線150Aで接続され、システムコントローラ121と蓄電池用パワーコンディショナ(PCS_BAT)123は、通信線150Bで接続される。また、システムコントローラ121と蓄電池122は、通信線150Cで接続され、システムコントローラ121と水電解装置124は、通信線150Dで接続される。さらに、システムコントローラ121と水素発電機127は、通信線150Eで接続される。また、システムコントローラ121と圧力計129は、通信線150Kで接続される。なお、通信線150A〜150E,150Kを総称する場合は、通信線150と呼ぶ。
システムコントローラ121は、水素利用システム120内に設置したセンサの測定情報と、通信線150を介して取得できる蓄電池122等の機器の測定・演算した情報を用いて、予め定められた演算を実行する。また、システムコントローラ121は、演算結果に応じて、通信線150を介して各機器に制御指令を送信する。
システムコントローラ121が取得するセンサの測定情報は、再生可能エネルギ発電システム110の発電電力(P_GEN)と、水素利用システム120が備える蓄電池用パワーコンディショナ(PCS_BAT)123に出入する電力(P_BAT)と、水電解装置124が吸収する電力(P_WE)と、水素発電機127による発電電力(P_ENG)と、P_GENに存在する電力変動を平準化した結果の平準化電力(P_FLT)と、最終的に電力系統130に逆潮流させる電力(P_REV)である。なお、上記発電電力(P_GEN)および電力(P_REV)は、例えば電力線140に設置された電流センサ(図示省略)の測定値を図示しない信号線により取得され、システムコントローラ121は、この測定値を基に電力を算出する。上記平準化電力(P_FLT)は、システムコントローラ121による演算値である。システムコントローラ121は、これら電力情報から、各機器の状態や制御結果を把握できる。また、システムコントローラ121は、圧力計129により計測された水素貯蔵タンク125の圧力を基に、水素貯蔵タンク125の水素貯蔵量を算出する。
システムコントローラ121は、受信した電池状態やその他の機器の状態を考慮して充放電電力指令をPCS_BAT123に送信する。PCS_BAT123は、受信した充放電電力指令に応じて、蓄電池122を充放電させる。
このように、システムコントローラ121は、前述した電力情報と機器が測定・演算した情報を用いて、再生可能エネルギ発電システム110の発電電力を平準化させるための制御と、水素を生成するための制御を実現している。ちなみに、水電解装置124の性能は様々であり、中には電力吸収の変化に対して応答性が低いものがある。応答性が低い水電解装置124では、発電電力の急変動に追従できない場合がある。本実施形態では、蓄電池122による充放電および水素発電機127による発電によって電力の平準化を図っているが、これは水電解装置124の安定な運転を図るためでもある。
システムコントローラ121は、具体的には下記の各制御を実行する。
すなわち、システムコントローラ121は、圧力計129により計測された水素貯蔵タンク125の圧力を基に、水素貯蔵タンク125の水素貯蔵量を算出し、水素貯蔵タンク125の水素貯蔵量が不足している場合、外部から水素を受入れるとともに、外部から水素供給要求に従って水素貯蔵タンク125の水素を外部に供給するように制御する。
システムコントローラ121は、水素利用システム120の蓄電池122の充電率(後記)が高くなった場合、または、逆潮流させる電力が系統許容量を超えた場合は、水電解装置124が水素を製造するように制御する。
システムコントローラ121は、水素利用システム120の蓄電池122の充電率が所定値以上の場合(満充電に近い場合)に、再生可能エネルギ発電システム110が始動したときは、水電解装置124を起動して水素を製造するように制御する。
システムコントローラ121は、水素貯蔵タンク125に貯蔵された水素が所定残存量である場合(水素量が多い場合)、水素発電機128(図1参照)を動作させて電力を発生させる。
システムコントローラ121は、水素貯蔵タンク125に貯蔵された水素量が規定量を超えた場合、水素利用システム120の蓄電池122の放電を抑制し、かつ、水素発電機127を強制的に起動する。
システムコントローラ121は、再生可能エネルギ発電システム110の発電出力が規定値から特定の傾きで低下し始めた場合、かつ、水素利用システム120の蓄電池122の充電率が所定値以下の場合に、水素発電機127を起動して電力系統130に電力を供給する。再生可能エネルギ発電システム110の発電出力の変動の傾向に沿った制御を行うことで、この発電出力の変動に迅速に対応でき、より速く電力の平準化を図ることができる。
<蓄電池122>
蓄電池122は、再生可能エネルギ発電システム110の発電電力(P_GEN)を蓄える。詳細には、蓄電池122は、蓄電池用パワーコンディショナに出入する電力(P_BAT)を蓄電池用パワーコンディショナ(PCS_BAT)123で直交変換し、充放電することによって電力P_GENの短周期変動を平準化する役割を有する。
蓄電池122は、1つ以上の単電池から構成されている。蓄電池122は、電気エネルギの蓄積および放出(直流電力の充放電)が可能な単電池を電気的に直列または並列に接続して構成している。蓄電池122の候補としては鉛蓄電池、Li二次電池、レドックスフロー電池、NAS(sodium-sulfur battery)電池が挙げられる。本実施形態ではLi二次電池を使用する場合を例に採る。
蓄電池122には、充電状態(SOC:State of Charge)を検知するための電池状態検知装置(図示省略)が内蔵されている。電池状態検知装置が検知したSOC等の電池状態は、通信線150Cを介してシステムコントローラ121に送信される。
なお、蓄電池122の残存容量は、蓄電池122の満充電容量に対する残存充電量の比率である充電率(充電状態:SOCともいう)により推定することができる。以下の説明において、蓄電池122の残存容量を充電率(SOC)として表記することにする。
<蓄電池用パワーコンディショナ123>
蓄電池用パワーコンディショナ(PCS_BAT)123は、蓄電池122の直流電力を外部からの指令に応じて交流電力として出力する。前記システムコントローラ121は、受信した電池状態やその他の機器の状態を考慮して充放電電力指令をPCS_BAT123に送信する。PCS_BAT123は、受信した充放電電力指令に応じて、蓄電池122を充放電させる。
<水電解装置124>
水電解装置124は、水を電気分解して水素を発生させて電力を吸収する。例えば、水電解装置124は、再生可能エネルギ発電システム110の発電電力(P_GEN)を平準化した平準化電力(P_FLT)を吸収する。また、水電解装置124は、水電解装置124が吸収する電力(P_WE)によって水を電気分解し、水素を製造する。水電解装置124の候補としては固体高分子型水電解装置とアルカリ水型水電解装置が挙げられる。装置内部で交直変換設備を有しており、交流電力を入力することで稼働する。
なお、製造された水素は、配管126を通して水素貯蔵タンク125に貯蔵され、必要に応じて水素発電機127で再び電力(P_ENG)に変換され供給される。
水電解装置124は、再生可能エネルギ発電システム110の交流電力を吸収して水素を生成できる装置に用いた例である。水電解装置124は、この他に直流電力を吸収して水素を生成できる装置を使用することもできる。ただし、この場合は、再生可能エネルギ発電システム110の交流電力を直流電力に変換するための電力変換装置を、電力線140と水電解装置124との間に設置する。また、水電解装置124は、吸収する電力を随時変更することはできるものの、前記のように、電力の変更に対する応答性は仕様によって様々である。
本実施形態では、応答性が遅い水電解装置124を用いた場合を例に採る。制御方法については後記する。なお、ここでの水電解装置124は、吸収電流または電力の増加または減少指令を受信した場合に、所定の傾きに従って、吸収電流または電力が増加または減少するものとする。
<水素貯蔵タンク125>
水素貯蔵タンク125は、生成した水素を貯蔵する水素貯蔵体である。水素貯蔵タンク125は、水素供給/受入れ手段129Aを外部への水素供給および外部からの水素受入れが可能である。水素貯蔵タンク125は、水素輸送手段126,128(例えば、水素配管)以外の取り出し口が具備されており、外部からの水素の受入れ、もしくは外部への水素供給を可能とする。
<水素輸送手段126,128>
水電解装置124で生成された水素は、水素輸送手段126を介して水素貯蔵タンク125に輸送および貯蔵される。水素輸送手段126は、例えば水素配管である。
水素貯蔵タンク125に貯蔵された水素は、必要に応じて水素輸送手段128を介して水素発電機127に輸送される。
<水素発電機127>
水素発電機127は、受け取った水素を用いて交流電力を発電する。
水素発電機127は、エンジン発電機、もしくはガスタービン発電機を用いることで交流電力を直接供給できる。燃料電池を利用した場合は、装置内部の交直変換設備によって交流変換し供給する。エンジン発電機もしくはガスタービン発電機の場合、システム上の問題により水素の供給が困難になった時に、別の燃料で発電することが可能である。このため、系統電力線130への電力安定供給の観点では、水素発電機127はエンジン発電機もしくはガスタービン発電機であることが好ましく、更にバックアップ用の燃料を備えていることが好ましい。バックアップ用の燃料は入手容易性から化石燃料を選択してもよく、環境性の観点からバイオマス燃料としてもよい。
<圧力計129>
圧力計129は、水素貯蔵タンク125の圧力を計測し、通信線150Kを介してシステムコントローラ121に送信する。
<水素供給/受入れ手段129A>
水素供給/受入れ手段129Aは、水素貯蔵タンク125に設けられた、充填・放出口(バルブ(弁))である。また、水素供給/受入れ手段129Aは、例えば水素配管、圧縮水素容器を搭載したトレーラによる水素の輸送である。
以下、上述のように構成された水素利用システムの動作について説明する。
図2は、水素利用システム120のシステムコントローラ121の制御処理を示すフローチャートである。
まず、ステップS1でシステムコントローラ121は、水素貯蔵タンク125の水素貯蔵量を圧力計129を介して取得する。
また、システムコントローラ121は、圧力計129により計測された水素貯蔵タンク125の圧力を基に、水素貯蔵タンク125の水素貯蔵量を算出する。
ステップS2では、システムコントローラ121は、水素貯蔵タンク125の水素が不足しているか否かを判定する。水素貯蔵タンク125の水素が不足していることは、圧力計129により計測された水素貯蔵タンク125の圧力が第1圧力P1を下回っていることで判定する。
水素貯蔵タンク125の水素が不足していない場合(S2:No)、本フローにおける処理を終了する。
水素貯蔵タンク125の水素が不足している場合(S2:Yes)、ステップS3でシステムコントローラ121は、水素利用システム120の外部から水素貯蔵タンク125に水素を受入れる。ちなみに、水素が不足すると、水素発電機127を起動しての電力の平準化ができなくなる。
ステップS4では、システムコントローラ121は、水素貯蔵タンク125に所定量の水素を受入れたか否かを判定する。水素貯蔵タンク125に所定量の水素を受入れたことは、水素貯蔵タンク125の水素貯蔵量(圧力)が第2圧力P2(ただしP2<P1)を上回っていることで判定する。水素貯蔵タンク125に所定量の水素を受入れていない場合(S2:No)、ステップS3に戻って水素貯蔵タンク125への水素受入れを継続する。上記第1圧力P1および第2圧力P2(ただしP2<P1)を設けることで、水素貯蔵タンク125の水素が不足し始めた場合は、第1圧力P1による判定で速やかに水素を受入れることができる。また、第2圧力P2を用いて判定で行うことで、水素貯蔵タンク125の水素貯蔵に余裕がある場合に、初めて、外部に水素を供給することができる。
水素貯蔵タンク125に所定量の水素を受入れた場合(S4:Yes)、ステップS5でシステムコントローラ121は、水素利用システム120の外部から水素受入れ要求が有るか否かを判定する。
外部から水素受入れ要求がない場合(S5:No)、本フローにおける処理を終了する。
外部から水素受入れ要求がある場合(S5:Yes)、ステップS6でシステムコントローラ121は、自システムが水素放出を行っても運用に支障を来さないか判断し、水素放出の余裕があるならば、水素貯蔵タンク125から水素利用システム120の外部に水素を放出する。
ステップS7では、システムコントローラ121は、水素貯蔵タンク125から水素利用システム120の外部に所定量の水素を放出したか否かを判定する。水素貯蔵タンク125から外部に所定量の水素を放出したことは、水素貯蔵タンク125の水素貯蔵量が所定量を下回ったことで判定する。水素貯蔵タンク125から外部に所定量の水素を放出していない場合(S7:No)、ステップS6に戻って水素貯蔵タンク125から水素利用システム120の外部への水素放出を継続する。
水素貯蔵タンク125から外部に所定量の水素を放出した場合(S7:Yes)、本フローにおける処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態に係る水素利用システム120は、蓄電池122と、水電解装置124と、水素貯蔵タンク125と、指令に応じて水素を活用した発電を行う水素発電機127と、水素発電機127と水素貯蔵タンク125の間との間で水素を輸送するための水素輸送手段128と、水素貯蔵タンク125の圧力を計測する圧力計129と、水素供給/受入れ手段129Aと、システムコントローラ121と、を備える。システムコントローラ121は、圧力計129により計測された水素貯蔵タンク125の圧力を基に、水素貯蔵タンク125の水素貯蔵量を算出し、水素貯蔵タンク122の水素貯蔵量が不足している場合、外部から水素を受入れるとともに、外部から水素供給要求に従って水素貯蔵タンク122の水素を放出するように制御する。
この構成により、蓄電池122での充放電および水電解装置124による水素製造とその水素を利用した水素発電機127による発電により、システムから系統電力線130への出力電力の安定化を図ることができる。
特に、水素貯蔵タンク125は、外部への水素供給および外部からの水素受入れが可能であり、水素不足時には外部水素を利用することができる。これにより、蓄電池122の放電可能量および水電解により作製した水素による発電可能量を超える電力使用が可能となる。
なお、本実施形態では、システムコントローラ121が、外部からの水素を受入れ/外部への水素放出の制御を行っているが、どのような制御手段、またどのような場所に配置された制御手段が実行してもよい。例えば、後記する各実施形態に示すように、電力供給安定化システム100の外の統合システムコントローラ101(後記)が行う態様でもよい。
(第2の実施形態)
図3は、本発明の第2の実施形態に係る統合エネルギシステムの全体構成図である。
統合エネルギシステムS1は、太陽光発電システム等に使用され、太陽光パネルから供給された直流電力を交流電力に変換し、外部の負荷または商用電源系統に供給する。
図3に示すように、統合エネルギシステムS1は、図1の水素利用システム120を複数備え、さらに、各水素利用システム120を統合制御する統合システムコントローラ101(制御装置)を備える。
水素利用システム120は、再生可能エネルギ発電システム110と共に、電力供給安定化システム100を構成する。本実施形態では、この電力供給安定化システム100が複数存在しており、説明の便宜上、電力供給安定化システム100Aおよび電力供給安定化システム100Bと呼ぶ。
電力供給安定化システム100Aは、再生可能エネルギ発電システム110Aと、水素利用システム120Aからなる。電力供給安定化システム100Bは、再生可能エネルギ発電システム110Bと、水素利用システム120Bとからなる。統合システムコントローラ101は、水素利用システム120Aおよび水素利用システム120Bを統合制御する。
すなわち、統合エネルギシステムS1は、再生可能エネルギ発電システム110Aと水素利用システム120Aと、を含んでなる電力供給安定化システム100Aと、再生可能エネルギ発電システム110Bと水素利用システム120Bとを含んでなる電力供給安定化システム100Bと、を備えるとともに、更に、統合システムコントローラ101を備える。なお、ここでは、水素利用システム120A,120Bの2つの水素利用システム120の統合制御であるが、3つ以上の統合制御でもよい。
統合システムコントローラ101と水素利用システム120Aは、通信線150Fで接続され、統合システムコントローラ101と水素利用システム120Bは、通信線150Gで接続される。水素利用システム120Aと水素利用システム120B間は、水素輸送システム102で結ばれ、水素輸送システム102により水素が相互に融通され受入れられる。水素輸送システム102は、例えば水素配管である。水素輸送システム102は、水素利用システム120Aと水素利用システム120Bが備える水素貯蔵タンク(水素貯蔵体)同士を接続する水素輸送手段である。
電力供給安定化システム100Aと電力供給安定化システム100Bは、それぞれ系統連系によって電力を系統に逆潮流させることが可能である。
電力供給安定化システム100Aと電力供給安定化システム100Bとは、同一構成を採る。このため、再生可能エネルギ発電システム110Aと再生可能エネルギ発電システム110Bとを総称して再生可能エネルギ発電システム110(図1参照)と表記して構成を説明する。同様に、水素利用システム120Aと水素利用システム120Bとを水素利用システム120(図1参照)と表記し、電力系統130Aと電力系統130Bとを電力系統130(図1参照)と表記する。
なお、水素利用システム120Aと水素利用システム120Bは、同一構成であるが、例えば、蓄電池122の容量(AhやWh)や水電解装置124の仕様や水素貯蔵タンク125の容量(立方メートル)、水素発電機の仕様等が、両システム120A、120Bとで異なっていてもよい。統合システムコントローラ101は、両システム120A、120Bの水電解装置124の仕様や水素貯蔵タンク125の構成等が記憶されているものとする。
[統合システムコントローラ101]
図3に示す統合システムコントローラ101は、水素利用システム120の蓄電池122の充電率(SOC)と、水素貯蔵タンク125(図1参照)の水素貯蔵量とを取得し、取得した充電率に基づいて、水素貯蔵タンク125に貯蔵された水素を、システム間で融通するように制御する。
具体的には、統合システムコントローラ101は、水素利用システム120Aと水素利用システム120Bに対し、下記の各制御を実行する。
統合システムコントローラ101は、水素貯蔵タンク125に貯蔵された水素量と、水素利用システム120Aおよび水素利用システム120Bの外部から受入れ可能な水素の水素量とを一元化して管理し、一元化した水素量に基づいて、蓄電池122の充放電と、水電解装置124と水電解装置124の水素製造とを、システム間にまたがって制御する。
なお、前記のように、両システム120A、120Bにおける、蓄電池122、122の容量(AhやWh)、水素貯蔵タンク125、125の容量(立方メートル)は同じであるとする。
統合システムコントローラ101は、水素輸送手段102(図3参照)を介して、蓄電池122のSOCの低いシステムに、水素を優先的に受入れさせる。
以下、上述のように構成された統合エネルギシステムS1の動作について説明する。
[統合システムコントローラ101の制御]
総合システムコントローラ101(図3参照)の制御(動作)について述べる。 図4は、統合システムコントローラ101のシステム統轄制御処理を示すフローチャートである。
まず、ステップS11で統合システムコントローラ101は、すべての水素利用システム120(ここでは水素利用システム120A,水素利用システム120B)の蓄電池122の充電率(SOC)と水素貯蔵タンク125(図1参照)の水素貯蔵量を取得する。統合システムコントローラ101は、各水素利用システム120A,120Bに対して、蓄電池122の充電率と水素貯蔵タンク125の水素貯蔵量を送信するよう要求し、各水素利用システム120A,120Bは統合システムコントローラ101に自システムの蓄電池122の充電率と水素貯蔵タンク125の水素貯蔵量を送信する。図3の例では、水素利用システム120Aは、統合システムコントローラ101の要求に応えて信号線150Fを介して自システムの蓄電池122の充電率と水素貯蔵タンク125の水素貯蔵量を送信する。水素利用システム120Bは、統合システムコントローラ101の要求に応えて信号線150Gを介して自システムの蓄電池122の充電率と水素貯蔵タンク125の水素貯蔵量を送信する。
なお、統合システムコントローラ101は、各水素利用システム120A,120Bに対して定期的に巡回して、要求を発行してもよいし、適当なタイミングで所望の水素利用システム120A,120Bに対し要求を発行してもよい。このように、水素利用システム120A,120Bの蓄電池122の充電率および水素貯蔵タンク124の水素貯蔵量は、それぞれのシステムコントローラ121が監視しており、統合システムコントローラ140は、さらに各水素利用システム120A,120Bを統合して管理している。
ステップS11で統合システムコントローラ101は、いずれかの水素利用システム120において蓄電池122の充電率が不足しているか(蓄電池122の充電率が所定値以下か)否かを判別する。
すべての水素利用システム120において蓄電池122の充電率が不足していない場合(S12:No)、本フローにおける処理を終了する。
いずれかの水素利用システム120において蓄電池122の充電率が不足している場合(S12:Yes)、ステップS13で統合システムコントローラ101は、取得した水素貯蔵タンク125の水素貯蔵量に基づいて、すべての再生可能エネルギ発電システム110の全体の水素貯蔵量を計測する。
ステップS14で統合システムコントローラ101は、水素利用システム120のうち、低充電率(SOC)のシステムを低充電率順に判定する。低充電率(SOC)のシステムが複数ある場合、優先順位をつけて制御を行うためである。
ステップS15で統合システムコントローラ101は、すべての水素利用システム120の全体の水素貯蔵量が所定量以上か否かを判別する。
すべての水素利用システム120の全体の水素貯蔵量が所定量以上の場合(S15:Yes)、すべての水素利用システム120において水素貯蔵量は十分であると判断して本フローにおける処理を終了する。
水素利用システム120の全体の水素貯蔵量が所定量に達していない場合(S15:No)、ステップS16で統合システムコントローラ101は、水素貯蔵タンク125(図1参照)に水素を供給できるか否かを判別する。
水素貯蔵タンク125に水素を供給できない場合(S16:No)、ステップS17で統合システムコントローラ101は、水電解装置124が吸収する電力(P_WE)を低下し、システムの必要放電量を削減して本フローにおける処理を終了する。水素貯蔵量が十分でない場合、電力P_WEを低下し必要放電量を削減することで、規制値からの逸脱を防止する。
水素貯蔵タンク125に水素を供給できる場合(S16:Yes)、ステップS18で統合システムコントローラ101は、水素配管(例えばパイプライン)を使用して水素貯蔵タンク125に水素を供給できるか否かを判別する。
水素配管(パイプライン)を使用できる場合(S18:Yes)、ステップS19で統合システムコントローラ101は、パイプラインを使用して低充電率(SOC)の水素利用システム120に優先的に水素を融通する。
パイプラインを使用できない場合(S18:No)、ステップS20で統合システムコントローラ101は、パイプラインを使用しないその他の手段、例えば圧縮水素容器を搭載したトレーラによる輸送により、低充電率の水素利用システム120に優先的に水素を融通する。ここでの融通は、例えば120Aの水素が多い場合、120A側のタンクの水素を高圧ガス容器に詰めて、その高圧ガス容器をトレーラで水素が少ない120B側のタンクに運んで充填することである。
ステップS21では、統合システムコントローラ101は、水素貯蔵タンク125の水素貯蔵量が所定量以上か否かを判別する。
水素貯蔵タンク125の水素貯蔵量が所定量以上の場合(S21:Yes)、本フローにおける処理を終了し、水素貯蔵タンク125の水素貯蔵量が所定量に達していない場合(S21:No)、上記ステップS18に戻る。
上記システム統轄制御処理を実行することにより、下記の作用効果を得ることができる。
すなわち、いずれかの水素利用システム120において蓄電池122の充電率が不足する場合、統合システムコントローラ101は、すべての水素利用システム120の全体の水素貯蔵量を計測し、水素貯蔵量が十分である場合、水素発電機127を起動する。水素貯蔵量が十分でない場合、水電解装置124が吸収する電力(P_WE)を低下し必要放電量を削減する。
統合システムコントローラ101(図3参照)は、水素を仮想的な一つの水素貯蔵タンクに貯蔵したものとみなして管理する。物理的に複数の水素貯蔵タンクが存在する場合、個々の水素貯蔵タンク125をパイプラインで繋ぎ、もしくは圧縮水素容器を搭載したトレーラで輸送することで水素貯蔵量を平準化する。トレーラで輸送する場合、パイプラインに比べ輸送時間が発生するため、外部に水素貯蔵タンクを別途設置する等して時間遅れの影響を抑えることが望ましい。
図5は、統合システムコントローラ101の制御処理を示すフローチャートである。
まず、ステップS31で統合システムコントローラ101(図1参照)は、すべての水素利用システム120(ここでは水素利用システム120A,水素利用システム120B)の蓄電池122の充電率と水素貯蔵タンク125(図1参照)の水素貯蔵量を取得する。
ステップS31で統合システムコントローラ101は、各水素利用システム120A,120Bにおいて、水素貯蔵タンク125の水素貯蔵量が規定値を取得する。
水素貯蔵タンク125の水素貯蔵量が規定値を超えた場合(S32:Yes)、ステップS33で統合システムコントローラ101は、蓄電池122の放電を抑制する。
次いで、ステップS34で統合システムコントローラ101は、水素発電機127(図1参照)を起動して本フローにおける処理を終了する。
上記ステップS32で水素貯蔵タンク125の水素貯蔵量が規定値以下の場合(S32:No)、本フローにおける処理を終了する。
上記制御処理を実行することにより、下記の作用効果を得ることができる。
すなわち、仮想的な水素貯蔵タンクの水素貯蔵量が規定量を超えた場合も、水電解装置124で利用する電力(吸収電力)(P_WE)が減少する。このため、水素利用システム120の発電電力(P_GEN)が増加した時の平準化が不十分となり、電力系統130に逆潮流させる電力(P_REV)が規制値から逸脱する要因となる。この場合は、蓄電池122の放電を抑え、水素発電機127(図1参照)を強制的に起動して水素発電機127による発電電力(P_ENG)を供給することで、水素を消費する。水素発電機127による発電は、効率が低いものの、十分な平準化効果を発揮できるため水素利用システム120の発電は継続でき、水素利用システム120の発電を停止もしくは出力をカットした場合に比べ、再生可能エネルギ導入量を拡大する効果が見込まれる。
水素利用システム120A,120B(図3参照)の電力出力の安定化に利用する水素は、化学物質であり、物理的に輸送ができる。このため、水素利用システム120A,120Bの発電状況に関係なく、外部からも供給可能である。また水素貯蔵タンク125(図1参照)に貯蔵された水素は、燃料電池および水素エンジン等の個別需要家向けコジェネレータや移動体の燃料としての水素ステーションへの提供等個別のデマンドに応じて供給できる。
[システムコントローラ121の制御]
システムコントローラ121(図1参照)の制御について述べる。
システムコントローラ121の制御指令による電力の配分の仕方は、発電状況によって異なる。概要は下記の通りである。再生可能エネルギ発電システム110から出力される電力(P_GEN)に対して、充放電電力(P_BAT)および水素発電電力(P_ENG)によって平準化電力(P_FLT)とし、さらに水素製造電力(P_WE、水電解装置124が吸収する電力)を差し引いて、系統電力線130に安定な電力P_REV(逆潮流させる電力)を合成して出力する。系統電力線130に電力を出力する場合、電力は安定化されていることが好ましく、電力品質は各系統電力線130を有する会社が定める規制によって決められている。逆潮流させる電力(P_REV)は、接続する系統電力線130への出力規制に対応できるようシステムコントローラ121によって安定化されている。
再生可能エネルギの課題として急激な発電電力の変動がある。
図6は、急激な発電電力の変動を説明する線図である。図6の横軸に時間、縦軸に電力をとる。図6の破線は、水電解装置124が吸収する電力(P_WE)、図6の実線は、平準化後の実際の電力(P_FLT)である。
図6に示すように、上記P_FLT(平準化電力)とP_WE(水電解装置124が吸収する電力)の大小関係に従って、処理が2つに分かれる。すなわち、P_REVが正(P_FLT>P_WE)の場合は、P_REVが余剰電力(逆潮流させる電力)となる(図6の網掛部参照)。このため、システムコントローラ121は、更に水素を生成させるべく水電解装置124の吸収電流または電力の増加指令を送信する。すなわち、P_FLT>P_WEの場合は、P_FLT(平準化電力)に余裕があるので、この電力を用いて水電解装置124により多く吸収電力を使わせるようにする。
一方、P_REVが負(P_FLT<P_WE)の場合は、P_REVが不足電力のため、これを蓄電池122から賄うための放電指令を送信しながら、水電解装置124の吸収電流または電力の減少指令を送信する。
図6に示すように、時刻a+ΔaまではP_FLTがP_WEよりも大きく、求められるP_REVは、余剰電力として逆潮流される。
P_FLTが急落し、時刻a+Δa以降ではP_WEよりも小さくなる。ここで、使用している水電解装置124は応答性が遅いため、天候の変動等によるP_FLTの急落に追従できず、所定の傾きで吸収電流若しくは電力を下げる制御を行うことになる。時刻a+Δa以降では、P_REV分の電力が不足するため、蓄電池122に不足電力分を放電させる。この時に必要な蓄電池122の放電容量が図6のハッチング部の面積である。このハッチング部の面積分の容量は、何らかの事情でP_FLTが急落した場合に必要となるため、常時、確保しておくことが望ましい。
そこで、本実施形態では、制御の簡単化と動作の余裕(システムの安定性)を持たせるために上記面積分の必要放電容量を常時確保する制御を行う。
具体的には、システムコントローラ121(図1参照)は、P_WEの値と水電解装置124の性能で定まる電流若しくは電力の傾きを用いて三角形の面積(必要放電量)を求める。そして、システムコントローラ121は、蓄電池122(図1参照)の残存電力量(この例ではSOC)の現在値を監視し、P_FLTが急落した場合、P_WEが所定の傾きで吸収電流または電力を下げるように制御する。このとき、吸収電力の電力不足が発生しても、蓄電池122の残存電力量が十分な値となっていることを確認する。
残存電力量が十分な場合は、第1の実施形態と同様の電力吸収制御を継続する。また、残存電力量が不足の場合は、P_WEを低下させる制御を行う。
なお、蓄電池122の残存電力量に応じてP_WEの上限値を定め、残存電力量に応じてP_WEの上限値を決定しながら水電解装置124の吸収電力を制御してもよい。
例えば、図6に示すように、時間aまで増加していた平準化電力(P_FLT)が天候の変動により急減した場合、同様に増加を続けていた電力(P_WE)は、時間a+Δaの時点で低下させる必要がある。この時、電力P_WEの応答時間が平準化電力(P_FLT)の急減に対応できない場合、上記必要放電量を蓄電池122および水素発電機124で供給する必要がある。
図7は、水素発電機210の動作処理を示すフローチャートである。
まず、ステップS101でシステムコントローラ121は、各水素利用システム120A,120Bにおける蓄電池122の残存電力量が所定範囲内か否かを判別する。
各再生可能エネルギ発電システム110における蓄電池122の充電率が所定範囲内の場合(S101:Yes)、ステップS102でシステムコントローラ121は、平準化電力(P_FLT)が吸収電力(P_WE)よりも小さい場合は蓄電池122から放電するよう制御する。そして、ステップS103でP_WE上限値を上昇させて本フローにおける処理を終了する。
一方、上記ステップS101で各水素利用システム120A,120Bにおける蓄電池122の充電率が所定範囲外の場合(S101:No)、ステップS104でシステムコントローラ121は、全体の水素貯蔵タンク125の残存水素量が所定量あるか否かを判別する。
全体の水素貯蔵タンク125の残存水素量が所定量ある場合(S104:Yes)、ステップS105でシステムコントローラ121は、P_FLTがP_WEよりも小さい場合は蓄電池122と水素発電機127から放電するよう制御して本フローにおける処理を終了する。
全体の水素貯蔵タンク125の残存水素量が所定量なる場合(S104:No)、ステップS106でシステムコントローラ121は、P_WE上限値を低下させて本フローにおける処理を終了する。
このように、図7のフローでは、まず、各システムにおける蓄電池122の充電率を計測する。平準化電力(P_FLT)が急減し、電力(P_WE)の差分である必要放電量に対し、蓄電池122の充電率が十分な場合、蓄電池122で放電することで対応可能である。図7のフローを繰り返し実行することによって、必要放電量を最適化し、規制値からの逸脱を防止することができる。
以上説明したように、本実施形態に係る統合エネルギシステムS1は、複数の水素利用システム120A,120Bと、各水素利用システム120A,120Bを統合制御する統合システムコントローラ101と、を備える。統合システムコントローラ101は、水素利用システム120A,120Bの蓄電池122の残存容量および水素貯蔵タンク125の水素貯蔵量とを取得し、取得した残存容量に基づいて、水素貯蔵タンク125に貯蔵された水素を、システム間で融通するように制御する。
この構成により、蓄電池122の残存容量(充電率(SOC))に応じて水素で発電することで、システムの出力電力の安定化を図ることができる。詳細には、系統電力線130の電圧に関係なく、各種系統に安定電力を供給することができ、系統電力網を安定化することができる。
また、隣接する再生可能エネルギ発電システム110の出力変動全体を平準化することができる。
さらに、システム間で水素を配分することで、電力系統線網全体に安定電力を供給することができる。
本実施形態では、統合システムコントローラ101は、水素利用システム120Aと水素利用システム120Bに対し、下記の各制御を実行する構成を採る。
統合システムコントローラ101は、水素貯蔵タンク125に貯蔵された水素量と、水素利用システム120Aおよび水素利用システム120Bの外部から供給可能な水素の水素量とを一元化して管理し、一元化した水素量に基づいて、蓄電池122の充放電と、水電解装置124と水電解装置124の水素製造とを、システム間にまたがって制御する。
これにより、統合コントローラ140は、すべての水素貯蔵タンク125の水素量を管理することで、複数の水素貯蔵タンク125、125を仮想的に一つの巨大なタンクとして扱い、個々の電力安定化システム120が大容量のエネルギを貯蔵しているとみなせることができる。システム間で水素を最適に配分することができ、電力系統線網全体に安定電力を供給することができる。
統合システムコントローラ101は、水素輸送手段102(図3参照)を介して、充電率(SOC)の低いシステムに、水素を優先的に供給する。
これにより、水素燃料を分散利用することで、再生可能エネルギ発電システム110の安定電力化を図ることができる。
また、本実施形態では、水素利用システム120(図1参照)のシステムコントローラ121(図1参照)は、下記の各制御を実行する。
システムコントローラ121は、水素利用システム120の蓄電池122の充電率が所定値よりも高い高充電状態の場合、または、電力系統130への系統許容量を超えた場合は、水電解装置124が再生可能エネルギ発電システム110の発電電力によって水素を製造するように制御する。
これにより、蓄電池122の充電率が高くなった場合や系統許容量を超えた場合は水素を製造して電力を吸収し、電力が不足する場合は貯蔵した水素で発電することで、安定電力を供給することができる。
システムコントローラ121は、水素利用システム120の蓄電池122の充電率が所定値よりも高い高充電状態の場合、かつ、再生可能エネルギ発電システム110を用いて発電する発電装置が始動した場合、水電解装置124を起動して水素を製造するように制御する。
これにより、電池満充電による再生可能エネルギ発電システム110の抑制を回避することができる。
システムコントローラ121は、水素貯蔵タンク125に貯蔵された水素が所定残存量である場合、水素発電機128(図1参照)を動作させてその発電電力によって水素を発生させる。
システムコントローラ121は、水素貯蔵タンク125に貯蔵された水素量が規定量を超えた場合、水素利用システム120の蓄電池122の放電を抑制し、かつ、水素発電機127を強制的に起動する。
システムコントローラ121は、再生可能エネルギ発電システム110の発電出力が規定値から特定の傾きで低下し始めたときに、水素利用システム120の蓄電池122の充電率(SOC)が所定値以下の場合に、水素発電機127を起動して電力系統130に電力を供給する。
これにより、再生可能エネルギ発電システム110の安定電力化を図ることができる。
(第3の実施形態)
図8は、本発明の第3の実施形態に係る統合エネルギシステムの全体構成図である。図3と同一構成部分には同一符号を付して重複箇所の説明を省略する。
図8に示すように、統合エネルギシステムS2は、再生可能エネルギ発電システム110Aと水素利用システム120Aと、を含んでなる電力供給安定化システム100Aと、再生可能エネルギ発電システム110Bと水素利用システム120Bとを含んでなる電力供給安定化システム100Bと、水素利用システム120Aおよび水素利用システム120Bを統合制御する統合システムコントローラ201(制御装置)と、水素輸送システム202と、を備える。
統合エネルギシステムS2は、水素利用システム120Aと、水素利用システム120Bと、を備え、両者を統合システムコントローラ201が統合制御する。
水素利用システム120Aと水素利用システム120Bとの間には、水素輸送システム202が存在し、水素を輸送する。水素輸送システム202は、パイプラインでもよく、圧縮水素容器を搭載したトレーラによる輸送でもよい。
水素利用システム120Aおよび水素利用システム120Bの蓄電池121(図1参照)の蓄電池容量および水素貯蔵タンク124(図1参照)の水素貯蔵量は、それぞれのシステムコントローラ121(図1参照)が監視しており、さらに統合システムコントローラ201が統合管理する。
本実施形態では、水素は素輸送システム202によって、物として現物が輸送される。水素利用システム120Aと水素利用システム120Bは、相互に融通可能な水素を用いて独立して電力供給安定化を図ることができる。したがって、統合エネルギシステムS2は、系統電力線130Aと130Bの電圧や規制値に関係なく、安定した電力を供給することが可能である。
なお、隣接する2カ所の第1電力供給安定化システム200Aと第2電力供給安定化システム200Bについて記述したが、システム数は限定されない。また、各システムは、隣接してなくてもよい。
(第4の実施形態)
図9は、本発明の第4の実施形態に係る統合エネルギシステムの全体構成図である。図3および図8と同一構成部分には同一符号を付して重複箇所の説明を省略する。
第3の実施形態は、水電解以外の方法で製造した水素を外部から供給する例である。
図9に示すように、統合エネルギシステムS3は、水素利用システム120Aおよび水素利用システム120Bを統合制御する統合システムコントローラ301(制御装置)と、水素製造設備310と、水素貯蔵タンク311と、水素輸送システム202と、を備える。統合システムコントローラ301と水素製造設備310は、信号線150Hで接続される。
水素利用システム120Aおよび水素利用システム120Bの蓄電池容量と水素貯蔵タンク124(図1参照)の水素貯蔵量は、それぞれのシステムコントローラ121(図1参照)が監視しており、さらに統合システムコントローラ301が統合管理する。
以上の構成において、統合エネルギシステムS3は、下記の作用効果を有する。
水素は、様々な手法で製造することができる。図9に示すように、水素製造設備310は、水電解以外で水素を製造する能力を有する。統合システムコントローラ301は、水素の供給量を管理し、水素輸送システム202を用いて複数の水素利用システム120A、水素利用システム120Bに供給される。
水素貯蔵タンク311は、水素利用システム120Aおよび水素利用システム120の外に設置した水素貯蔵タンクである。水素は、物理的に輸送できるので、水素貯蔵タンク311は任意の場所に設置できる。
本実施形態では、統合システムコントローラ301は、すべての水素貯蔵タンク、ここでは水素貯蔵タンク125(図1参照)および水素貯蔵タンク311(図9参照)の水素貯蔵量を管理することで、複数の水素貯蔵タンクを仮想的に一つの巨大なタンクとして扱い、個々の水素利用システム120A、水素利用システム120Bが大容量のエネルギを貯蔵していると見做すことができる。水素の製造方法には、炭化水素の水蒸気改質や部分酸化、水の熱分解、光触媒等が挙げられる。炭化水素の水蒸気改質や部分酸化は、石油、石炭、天然ガス等の化石燃料から製造してもよいが、COの排出削減と再生可能エネルギの導入促進のため、バイオマス等の再生可能な炭化水素もしくは廃棄物等を用いることが好ましい。
(第5の実施形態)
図10は、本発明の第5の実施形態に係る統合エネルギシステムの全体構成図である。図3および図1と同一構成部分には同一符号を付して重複箇所の説明を省略する。
図10に示すように、統合エネルギシステムS4は、再生可能エネルギ発電システム110Aと水素利用システム120Aと、を含んでなる電力供給安定化システム100Aと、再生可能エネルギ発電システム110Cと水素利用システム120Cとを含んでなる電力供給安定化システム100Cと、水素利用システム120Aおよび水素利用システム120Cを統合制御する統合システムコントローラ401(制御装置)と、を備える。
統合システムコントローラ401と水素利用システム120Cは、通信線150Jで接続される。水素利用システム120Aと水素利用システム120C間は、水素輸送システム102で結ばれ、水素輸送システム102により水素が水素利用システム120Aから水素利用システム120Cに一方方向で受入れられる。
水素利用システム120Cは、システムコントローラ121と、電力を蓄え放電可能な蓄電池122と、蓄電池122の直流電力を外部からの指令に応じて交流電力として出力する蓄電池用パワーコンディショナ(PCS_BAT)123と、生成した水素を貯蔵するための水素貯蔵タンク125(水素貯蔵手段,水素貯蔵設備)と、水電解装置124と水素貯蔵タンク125の間との間で水素を輸送するための水素輸送手段126と、外部からの指令に応じて水素を活用した発電を行う水素発電機127と、を備える。
水素利用システム120Cは、水素利用システム120Aから水電解装置124および水素輸送手段128(図1参照)を取り去った構成である。
以上の構成において、水素利用システム120Cでは、再生可能エネルギ発電システム110Cから供給される電力(P_GEN)を蓄電池122の充放電電力(P_BAT)と水素発電機127から供給される電力(P_ENG)により安定化された電力(P_REV)として出力できる。水素は、水素輸送システム202により、近隣の水素利用システム120Aより供給される。
本実施形態によれば、水電解装置124(図1参照)を有さない統合エネルギシステムの構築も可能である。
本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、他の変形例、応用例を含む。
上記各実施形態は本発明をわかりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
100,200,300,400 電力供給安定化システム
101,201,301,401 統合システムコントローラ(制御装置)
110,110A,110B,110C 再生可能エネルギ発電システム
120,120A,120B,120C 水素利用システム
121 システムコントローラ(制御手段)
122 蓄電池
123 蓄電池用パワーコンディショナ(PCS_BAT)
124 水電解装置
125,311 水素貯蔵タンク(水素貯蔵体)
126,128 水素輸送手段
127 水素発電機
129 圧力計
129A 水素供給/受入れ手段
130,130A,130B,130C 電力系統
140 電力線
150,150A〜150J 通信線
310 水素製造設備(水素貯蔵体)
S1,S2,S3,S4 統合エネルギシステム
P_GEN 再生可能エネルギ発電システムの発電電力
P_BAT 蓄電池用パワーコンディショナに出入する電力
P_WE 水電解装置が吸収する電力
P_FLT 電力変動を平準化した結果の平準化電力
P_REV 電力系統に逆潮流させる電力
P_ENG 水素発電機による発電電力

Claims (9)

  1. 再生可能エネルギを用いて発電する発電装置の発電電力を少なくとも蓄える蓄電池と、水を電気分解して水素を発生させて電力を吸収する水電解装置と、水素を貯蔵する水素貯蔵体と、水素を用いて発電する水素発電装置と、を備えて、少なくとも前記発電装置の発電電力を電力系統に逆潮流させることが可能であり、
    前記水素貯蔵体は、外部への水素供給および外部からの水素受入れが可能である
    ことを特徴とする水素利用システム。
  2. 各部を制御する制御手段を備え、
    前記制御手段は、
    前記水素貯蔵体の水素貯蔵量が不足している場合、外部から水素を受入れるとともに、外部から水素供給要求に従って前記水素貯蔵体の水素を外部に供給するように制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の水素利用システム。
  3. 再生可能エネルギを用いて発電する発電装置の発電電力を少なくとも蓄える蓄電池と、水を電気分解して水素を発生させて電力を吸収する水電解装置と、水素を貯蔵する水素貯蔵体と、水素を用いて発電する水素発電装置と、を備えて、少なくとも前記発電装置の発電電力を電力系統に逆潮流させることが可能である水素利用システムを複数有するとともに、
    各前記水素利用システムの前記蓄電池の充電率と、前記水素貯蔵体の水素貯蔵量とを取得し、取得した前記充電率および前記水素貯蔵量とに基づいて、前記水素貯蔵体に貯蔵された水素を、前記水素利用システム間で融通するように制御する制御装置を有する、
    ことを特徴とする統合エネルギシステム。
  4. 前記制御装置は、
    各前記水素利用システムの前記水素貯蔵体に貯蔵された水素量を各前記水素利用システムから取得し、
    前記取得したそれぞれの前記水素量に基づいて、前記蓄電池の充放電と、前記水電解装置の水素製造とを、前記水素利用システム電力供給安定化システム間にまたがって制御する
    ことを特徴とする請求項3に記載の統合エネルギシステム。
  5. 前記制御装置は、
    前記蓄電池の充電率が所定値よりも高い高充電状態の場合、または、前記電力系統への系統許容量を超えた場合は、前記水電解装置が前記発電電力によって水素を製造するように制御する
    ことを特徴とする請求項3に記載の統合エネルギシステム。
  6. 前記制御装置は、
    前記蓄電池の充電率が所定値よりも高い高充電状態の場合、かつ、再生可能エネルギを用いて発電する発電装置が始動した場合、前記水電解装置を起動して水素を製造するように制御する
    ことを特徴とする請求項4に記載の統合エネルギシステム。
  7. 各前記水素利用システムが備える水素貯蔵体同士を接続する水素輸送手段である水素配管を備え、
    前記制御装置は、
    前記水素配管を介して、前記蓄電池の充電率の低い側のシステムに、水素を優先的に受入れさせる
    ことを特徴とする請求項3に記載の統合エネルギシステム。
  8. 前記制御装置は、
    前記水素貯蔵体に貯蔵された水素量が規定量を超えた場合、前記蓄電池の放電を抑制し、かつ、前記水素発電機を強制的に起動する
    ことを特徴とする請求項3に記載の統合エネルギシステム。
  9. 前記制御装置は、
    再生可能エネルギを用いて発電する発電装置の発電出力が規定値から特定の傾きで低下し始めた場合に、前記蓄電池の充電率が所定値以下であれば、前記水素発電機を起動して系統に電力を供給する
    ことを特徴とする請求項3に記載の統合エネルギシステム。
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