JP2018084076A - トンネル管理システム、トンネル管理方法及びトンネル管理プログラム - Google Patents
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Description
図1に示すように、本実施形態では、ユーザ端末10、管理システム20を用いる。
ユーザ端末10は、トンネル施工の状況の確認やトンネルの管理に用いるコンピュータ端末(例えば、タブレット端末)である。このユーザ端末10は、キーボードやポインティングデバイス等、各種指示を入力するための入力部や、各種情報を出力するための出力部を備えている。タブレット端末の場合には、入力部及び出力部としてタッチパネルディスプレイを用いる。
計測管理部214は、トンネル施工時の計測情報を管理する処理を実行する。
プロダクト情報D1には、土木構造物の名称、構造形式、竣工年月日、管理者、施工者、設計者等の情報が含まれる。
空間要素D2は、地盤空間や土木構造物(ここでは、トンネル)の空間を規定する要素である。
地盤空間は、地形、地質観測結果等により規定された3次元モデルである。
トンネル線形は、トンネルの出発点(起点)から目的地(終点)までの計画線の形状であり、平面的な直線及び曲線の組み合わせを示す平面線形、トンネルに沿った勾配を示す縦断線形からなる。
トンネル位置は、地形の対するトンネル線形の配置を決める座標群である。これにより、統合モデルにおいて、トンネルが貫通する領域の地山を特定することができる。
トンネル断面形状は、トンネルの内部空間の断面形状である。
地山は、地盤空間に配置された地山状態を表わす指標から構成された3次元モデルである。
トンネル部材は、図2に示すように、トンネルを構成するオブジェクト(吹付けコンクリート、ロックボルト、支保、覆工、インバート、側壁、床板、防水等)の3次元モデルから構成される。
補助工法には、薬液注入工法、高圧噴射撹拌工法、凍結工法、地下水位低下工法等が含まれる。
併用施設には、鉄道、道路、通信、ガス、電気、上水道、下水道、共同溝等が含まれる。
上記要素が、後述する地山情報記憶部22〜区画情報記憶部25に記録される。
図3(a)に示すように、この地山データ220には、地形や地質に関するデータが含まれる。この地山データ220を用いることにより、地形・地質の3次元モデル(地山モデル)を生成することができる。
地質データには、地層の境界面についての3次元モデルが記録されている。この地質データは、ボーリング等を用いて測定された地質情報であって、設計図書に記述された地質調査資料の情報が記録される。
図3(b)に示すように、このトンネルデータ230は、トンネル線形、トンネル断面形状、トンネル部材、施工計画、施工進捗状況等に関するデータが含まれる。このトンネルデータ230を用いることにより、トンネル本体の3次元モデルを生成することができる。
トンネル断面形状データには、トンネルの断面図が記録される。このトンネル断面形状データを用いることにより、計画線の各位置における断面形状を特定することができる。
施工進捗状況データには、トンネル施工に関する計画日程、実績日程(施工開始日や施工終了日)が記録される。
図3(c)に示すように、計測品質データ240には、計測日時、計測位置(例えば、計画線の座標)に関連付けて、A計測、断面測定、切羽観察画像、切羽前方探査結果等に関するデータが記録される。この計測品質データ240を用いることにより、計測結果の3次元配置を特定することができる。
切羽前方探査結果データには、施工時に行なわれた切羽前方の探査結果に関するデータが記録される。本実施形態では、切羽前方探査として、ノンコア削孔探査、ボーリング孔内観察を用いる。これらの前方探索についての詳細は後述する。
図3(d)に示すように、区画管理データ250は、後述する計測管理処理において生成される。区画管理データ250には、区画識別子に対して、区間位置、管理対象に関するデータが記録される。
管理対象は、この設計区画においてまとめて管理する対象に関する情報である。本実施形態では、管理対象としては、例えば、設計区画に属する物理要素(例えば、トンネル部材)を特定するための識別子を用いる。
まず、図4を用いて、トンネルを管理するための各種データの生成・利用について説明する。
ここでは、管理システム20の制御部21は、地山モデルの作成処理を実行する(ステップS1−1)。具体的には、制御部21の地質情報管理部211は、現況地形、地質データを取り込む。そして、地質情報管理部211は、現況地形、地質データに基づいて、地形・地質の3次元モデル(地山モデル)を生成する。
ここでは、管理システム20の制御部21は、施工情報の記録処理を実行する(ステップS1−4)。具体的には、トンネル施工を行なった場合、管理担当者は、ユーザ端末10において、施工情報を入力する。この場合、制御部21の統合管理部213は、入力された施工情報を取得し、設計情報記憶部23に施工進捗状況を記録する。
施工を終了するまで、管理システム20の制御部21は、施工情報の記録処理(ステップS1−4)、計測管理処理(ステップS1−5)を繰り返す。
この場合、管理システム20の制御部21は、管理対象の指定処理を実行する(ステップS1−6)。具体的には、トンネルの管理を行なう場合、管理担当者は、ユーザ端末10において、管理対象の位置(計画線上の座標)を指定する。この場合、制御部21の統合管理部213は、区画情報記憶部25を用いて、ユーザ端末10から指定された位置が含まれる区間の区画管理データ250を特定する。
ここでは、管理システム20の制御部21は、計測情報の記録処理を実行する(ステップS2−1)。具体的には、計測を行なった管理担当者は、ユーザ端末10において、計測情報を入力する。この場合、制御部21の計測管理部214は、ユーザ端末10から取得した計測情報を、計測位置(座標)に関連付けて、計測情報記憶部24に記録する。例えば、切羽撮影画像を取得した場合には、撮影位置に基づいて、統合モデルに関連付けて記録する。
このノンコア削孔探査においては、現場の削孔装置の機械データに基づいて、地山を削孔するために必要なエネルギ(削孔体積比エネルギ)を算出し、地山の定量(地山等級)評価を行なう。ここでは、フィード圧を一定と仮定した削孔速度を算出し、正規化した削孔速度比に基づいて、削孔方向、削孔距離に応じた地山等級を算出する。
具体的には、図8(a)に示すように、正規化削孔速度変化から評価される地山等級で色分けした円柱状の3次元モデル(探査結果モデル)を生成する。この探査結果モデルを、当初の地山モデルに組み込むことにより、図8(b)に示すように、設計当初の地山等級との整合や乖離を視覚的に評価することができる。なお、図8においては、探査結果モデルを確認しやすいように、強調(拡大)した円柱により表示している。
そして、統合管理部213は、ユーザ端末のディスプレイに、前方探査結果を含めた統合モデル画像を出力する。
なお、先に行なった前方探査結果に基づいて登録した設計区画について、新たに行なった前方探査結果に基づいて登録した設計区画(第2の設計区画)を特定した場合には、新たな設計区画を区画情報記憶部25に記録する。これにより、先行の前方探査範囲と後続の前方探査範囲とが重なっている場合にも、最新の前方探査結果に基づいて第2の設計区画を登録することができる。
(1)本実施形態では、管理システム20は、地山情報記憶部22、設計情報記憶部23、計測情報記憶部24、区画情報記憶部25を備える。これにより、地山やトンネル、計測情報を3次元モデルにより出力することができる。この出力により、関係者において、施工や管理についての情報共有を効率的に行なうことができる。
・上記実施形態では、前方探査として、ノンコア削孔探査、ボーリング孔内観察を用いる。前方探査方法はこれらに限定されるものではなく、施工方法や設計に影響を与える評価を行なうことができる探査方法であればよい。例えば、削岩機(ドリルジャンボ)の削孔データを、削孔速度とフィード圧を組み合わせたパラメータ(正規化削孔速度比)で評価し、切羽前方の地質状況を予測するようにしてもよい。また、水圧ハンマで単位長さ当たりを削孔するために要したエネルギ指標を所定式から求めて、このエネルギ指標を用いて前方地山の地盤性状を推定する探査方法を用いることも可能である。
・上記実施形態では、トンネル管理方法を山岳トンネルの施工に適用したが、設計区画を状況に応じて調整しながら管理する土木構造物であれば、適応対象は山岳トンネルに限定されるものではない。
Claims (6)
- 地山モデルを記録した地山情報記憶部と、
第1の設計区画毎の物理要素から構成されたトンネルモデルを記録した設計情報記憶部と、
施工時の前方探査結果を記録する計測情報記憶部と、
入力部及び出力部に接続された制御部とを備えたトンネル管理システムであって、
前記制御部が、
前記計測情報記憶部に記録された前方探査結果に基づいて生成した3次元モデルを、前記設計情報記憶部に記録されたトンネルモデル及び地山情報記憶部に記録された地山モデルに統合した統合モデルを前記出力部に表示し、
前記前方探査結果に応じた統合モデルに基づいて、前記第1の設計区画を見直した第2の設計区画を特定し、前記第2の設計区画毎に、前記トンネルモデルを構成する物理要素を関連付けて記録することを特徴とするトンネル管理システム。 - 前記前方探査結果には、切羽からの削孔における探査結果に基づく地山等級が含まれ、前記地山等級に基づいて、前記第2の設計区画を特定することを特徴とする請求項1に記載のトンネル管理システム。
- 前記前方探査結果には、切羽における削孔の孔内観察画像が含まれ、前記孔内観察画像を用いて特定されたキーブロックに基づいて、前記第2の設計区画を特定することを特徴とする請求項1又は2に記載のトンネル管理システム。
- 前記制御部が、前記入力部から、前記トンネルモデルにおいて、位置が指定された表示要求を取得した場合、前記位置が含まれる前記第2の設計区画に属する物理要素を前記出力部に表示することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のトンネル管理システム。
- 地山モデルを記録した地山情報記憶部と、
第1の設計区画毎の物理要素から構成されたトンネルモデルを記録した設計情報記憶部と、
施工時の前方探査結果を記録する計測情報記憶部と、
入力部及び出力部に接続された制御部とを備えたトンネル管理システムを用いて、トンネル管理を行なう方法であって、
前記制御部が、
前記計測情報記憶部に記録された前方探査結果に基づいて生成した3次元モデルを、前記設計情報記憶部に記録されたトンネルモデル及び地山情報記憶部に記録された地山モデルに統合した統合モデルを前記出力部に表示し、
前記前方探査結果に応じた統合モデルに基づいて、前記第1の設計区画を見直した第2の設計区画を特定し、前記第2の設計区画毎に、前記トンネルモデルを構成する物理要素を関連付けて記録することを特徴とするトンネル管理方法。 - 地山モデルを記録した地山情報記憶部と、
第1の設計区画毎の物理要素から構成されたトンネルモデルを記録した設計情報記憶部と、
施工時の前方探査結果を記録する計測情報記憶部と、
入力部及び出力部に接続された制御部とを備えたトンネル管理システムを用いてトンネル管理を行なうためのプログラムであって、
前記制御部を、
前記計測情報記憶部に記録された前方探査結果に基づいて生成した3次元モデルを、前記設計情報記憶部に記録されたトンネルモデル及び地山情報記憶部に記録された地山モデルに統合した統合モデルを前記出力部に表示し、
前記前方探査結果に応じた統合モデルに基づいて、前記第1の設計区画を見直した第2の設計区画を特定し、前記第2の設計区画毎に、前記トンネルモデルを構成する物理要素を関連付けて記録する手段として機能させることを特徴とするトンネル管理プログラム。
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