JP2016121487A - トンネルの最終変位量予測方法 - Google Patents
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Abstract
Description
トンネルの掘削後に、切羽前面に設置した3Dレーザースキャナによる計測によって各計測ポイントの初期変位速度データを取得する第2手順と、
前記第1手順によって得た前記初期変位速度と前記地山剛性比αとの関係式に当て嵌め、掘削部位の地山剛性比α1を算出し、前記最終変位量と前記地山剛性比αとの関係式に基づいて、各計測ポイントの最終変位量を算出する第3手順と、からなることを特徴とするトンネルの最終変位量予測方法が提供される。
先ず、対象となるトンネルについての情報をパソコン3に入力する。基本情報としては、トンネル線形情報、トンネル断面形状情報、支保構造等がある。これらの情報は、後述の3Dイメージスキャナ2による計測時に、各計測点に座標データを与えるために使用したり、最終変位量算出結果を3次元な表示でビジュアルに見せるようにする際に使用されるトンネル形状情報となる。
次に、地山種別及び支保構造並びに掘削工法別毎に、各計測ポイントの初期変位速度と下式(1)によって定義される地山剛性比αとの関係式と、少なくとも最終変位量と前記地山剛性比αとの関係式とを得るために、任意に標準モデルとして設定した3次元有限要素法モデルによって、掘削進行状況を反映した3次元有限要素法シミュレーション解析を行う。
このグラフから初期変位速度と地山剛性比αとの関係式と、少なくとも最終変位量と地山剛性比αとの関係式とを得ることができる。初期変位速度については、一般的には掘削直後から1日後の変位の進行速度を取るのが望ましい。場合によっては、1D時変位速度(掘削直後からトンネル掘削幅相当になった時点での変位進行速度)とすることも可能である。後述の例では、掘削直後から1日後(掘削距離:5m)の変位の進行速度(mm/m)をもって初期変位速度としている。
従来から行われている坑内A計測では、天端及び内空変位測定用に切羽近くに計測用ターゲットを取り付けて行っているが、切羽のごく近傍では発破をかけるため計測用ターゲットを設置することができず、掘削直後ではなく、ある程度掘削が進んだ状態から計測を開始していた。その結果、真の初期変位速度を計測することができないという問題が生じていた。
前記3Dレーザースキャナ2によって、各メッシュの初期変位速度を計測したならば、初期変位速度と地山剛性比αとの関係式と、少なくとも最終変位量と地山剛性比αとの関係式とを用いて、最終変位量を算出する。
上記トンネル変位量予測結果については、数値の羅列だけではなく、図的に表示することが望ましい。例えば、図9に示される結果表示は、トンネルの任意断面位置を指定すると、そのトンネル断面の表示とともに、時系列的に天端変位と内空変位とを表示するようにしたものである。また、図10はトンネル坑内を3次元で表現したモデルに、最終変位量の大小に応じた色コンターで表示するようにしたものである。3次元トンネルモデルに対して、最終変位量の大きさに応じて、色コンター(最終変位量の大きさを0〜10mm、10〜20mm、20〜30mm……のように区分するとともに、各レンジ毎に色を設定し、当該最終変位量に応じて等高線のように着色区分した図)で表示するようにすると、どの部位でどの程度の変位が生じるかを直感的に一目で認識することが可能になる。
図11に示されるように、トンネルのある部位での最終変位量が、管理基準値を越えることが予測されたならば、支保工種別を変更したり、補強対策工(先受け工法、鏡面補強、脚部(側面)補強等)を講じることによって、最終変位量が管理基準値内に収まるようにする。
Claims (3)
- 任意に標準モデルとして設定した3次元有限要素法モデルによって、掘削進行状況を反映した3次元有限要素法シミュレーション解析を行い、地山種別及び支保構造並びに掘削工法別毎に、各計測ポイントの初期変位速度と下式(1)によって定義される地山剛性比αとの関係式と、少なくとも最終変位量と前記地山剛性比αとの関係式とを得る第1手順と、
トンネルの掘削後に、切羽前面に設置した3Dレーザースキャナによる計測によって各計測ポイントの初期変位速度データを取得する第2手順と、
前記第1手順によって得た前記初期変位速度と前記地山剛性比αとの関係式に当て嵌め、掘削部位の地山剛性比α1を算出し、前記最終変位量と前記地山剛性比αとの関係式に基づいて、各計測ポイントの最終変位量を算出する第3手順と、からなることを特徴とするトンネルの最終変位量予測方法。
- 各計測ポイントの最終変位量算出結果に基づき、トンネル坑内を3次元で表現したモデルに、最終変位量の大小に応じた色コンターで表示するようにした請求項1記載のトンネルの最終変位量予測方法。
- 前記第2手順における3Dレーザースキャナによる計測は、掘削直後に行うようにし、各計測ポイントの設定は、トンネル壁面を任意にメッシュ分割し、各メッシュ内で計測された多数の変位計測データに対し、ばらつきの範囲を所定範囲で区切ったデータのみを抽出し、その平均を代表値として用いるようにする請求項1、2いずれかに記載のトンネルの最終変位量予測方法。
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