JP2018081276A - 虚像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】光源の熱による悪影響をできる限り排除することを可能にした虚像表示装置を提供する。【解決手段】液晶ディスプレイ5と凹面鏡7とを結ぶ光路に沿って液晶ディスプレイ5と凹面鏡7との間に、全反射ミラーからなる第1ミラー13と、ハーフミラーからなる第2ミラー14とを配置し、液晶ディスプレイ5は、水平方向よりも下方を向く角度で、且つ第1ミラー13及び前記第2ミラー14に対して上方に配置する。そして、液晶ディスプレイ5から第1ミラー13を反射して凹面鏡7を結ぶ第1光路19と、液晶ディスプレイ5から第2ミラー14を反射して凹面鏡7を結ぶ第2光路20とを形成し、第1光路19上に第2ミラー14が位置するとともに、第1光路19は第2ミラー14を透過して凹面鏡7へと到るように設計する。【選択図】図3
Description
本発明は、ユーザが視認する虚像を表示する虚像表示装置に関する。
従来より、車両等の移動体の乗員に対して経路案内や障害物の警告等の運転情報を提供する情報提供手段として、様々な手段が用いられている。例えば、移動体に設置された液晶ディスプレイによる表示や、スピーカから出力する音声等である。そして、近年、このような情報提供手段の一つとして、ヘッドアップディスプレイ装置(以下、HUDという)のような人間の目の錯覚を利用して実際に映像が表示された位置と異なる空間上に映像を視認させる虚像表示装置がある。
ここで、虚像表示装置によってより効果的な情報の提供を行う為には、虚像の位置(より具体的には虚像を視認するユーザから虚像までの距離)を適切に設定することが重要である。例えば、障害物に対する警告の虚像を表示する為には、その障害物が実際に存在する位置に虚像があることが望ましい。また、道路の右左折を案内する虚像を表示する場合には、右左折する地点に虚像があることが望ましい。一方で、車速を表示する虚像や地図画像の虚像等については環境に重畳しないようにできる限りユーザに近い位置にあることが望ましい。即ち、虚像の種類毎にその虚像に適したユーザからの距離は異なる。
しかしながら、ユーザから虚像までの距離は、装置内部に配置された凹面鏡から映像を表示する映像表示面(スクリーン、液晶ディスプレイ等)までの距離に依存するので、ユーザから虚像までの距離を変位させる為には、例えば、液晶表示面を移動させる等の複雑な構造が必要となっていた。しかしながら、このような虚像表示装置は移動体の空きスペースに対して設置する必要があるので、できる限り小型化するのが望ましい。そこで、特開2013−214008号公報には、液晶ディスプレイから出力された光を反射する手段として、全反射ミラーとハーフミラーの2枚のミラーを配置することによって、長さの異なる2種類の光路を形成し、ユーザからの距離が異なる位置にそれぞれ虚像を視認させることを可能にした技術について提案されている。
ここで、上記特許文献1に記載の虚像表示装置では、液晶ディスプレイとミラーの配置構成として、液晶ディスプレイの光源(バックライト)が最も下方にあり、その上方に液晶が配置され、更に上方にミラーが配置されている。一般的に虚像表示装置の光源は視認性を確保する為に高輝度が要求されることから、光源周辺、特に光源の上方は温度が上昇することが予想される。従って、上記特許文献1のような配置構成とすると、光源の熱によって光源の上方にある液晶やミラーに悪影響を及ぼす虞があった。特に、装置の小型化を実現する場合には、装置内の空間が狭くなり、光源から他の部材までの距離が近くなるので影響がより大きくなる。
本発明は前記従来における問題点を解消するためになされたものであり、ユーザからの距離が異なる複数の位置に虚像を視認させることを可能にする一方で、光源の熱による悪影響をできる限り排除することを可能にした虚像表示装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため本発明に係る虚像表示装置は、映像を表示する液晶ディスプレイと、前記液晶ディスプレイに表示された前記映像を反射させてユーザに視認させることによって前記映像の虚像を前記ユーザに視認させる凹面鏡と、前記液晶ディスプレイと前記凹面鏡とを結ぶ光路に沿って前記液晶ディスプレイと前記凹面鏡との間に配置され、前記液晶ディスプレイから入射する前記光路を、前記凹面鏡へ向かう方向に変更する反射ミラーと、を有し、前記反射ミラーは、全反射ミラーからなる第1ミラーと、前記第1ミラーとは別体でハーフミラーからなる第2ミラーとを含み、前記液晶ディスプレイは、映像の表示面が水平方向よりも下方を向く角度で、且つ前記第1ミラー及び前記第2ミラーに対して上方に配置され、前記光路は、前記液晶ディスプレイから前記第1ミラーを反射して前記凹面鏡を結ぶ第1光路と、前記液晶ディスプレイから前記第2ミラーを反射して前記凹面鏡を結ぶ第2光路とを含み、前記第1光路上に前記第2ミラーが位置するとともに、前記第1光路は前記第2ミラーを透過して前記凹面鏡へと到る。
尚、「光路」とは、液晶ディスプレイにおける映像の表示に用いられる光源(例えばLED等)から出力された光が通る経路をいう。例えば、液晶ディスプレイから凹面鏡までを結ぶ光路とは、光が液晶ディスプレイから凹面鏡に到達するまでの光の経路であり、基本的には液晶ディスプレイ(特に映像が表示された位置)から凹面鏡までを直線で結ぶ経路となる。但し、液晶ディスプレイと凹面鏡の間に光を屈折したり反射することによって光の進行方向を変更する手段(例えばミラーやレンズ等)が配置されている場合には、該手段で所定角度に屈折又は反射された経路が該当する。
また、「ハーフミラー」は、透過率と反射率が必ずしも同じである必要はなく、入射した光の一部を透過し、一部を反射する部材(ビームスプリッター)であれば良い。
尚、「光路」とは、液晶ディスプレイにおける映像の表示に用いられる光源(例えばLED等)から出力された光が通る経路をいう。例えば、液晶ディスプレイから凹面鏡までを結ぶ光路とは、光が液晶ディスプレイから凹面鏡に到達するまでの光の経路であり、基本的には液晶ディスプレイ(特に映像が表示された位置)から凹面鏡までを直線で結ぶ経路となる。但し、液晶ディスプレイと凹面鏡の間に光を屈折したり反射することによって光の進行方向を変更する手段(例えばミラーやレンズ等)が配置されている場合には、該手段で所定角度に屈折又は反射された経路が該当する。
また、「ハーフミラー」は、透過率と反射率が必ずしも同じである必要はなく、入射した光の一部を透過し、一部を反射する部材(ビームスプリッター)であれば良い。
前記構成を有する本発明に係る虚像表示装置によれば、全反射ミラーとハーフミラーの2つのミラーを配置することによって、液晶ディスプレイやミラーの位置を変位させることなく、ユーザからの距離が異なる複数の位置に虚像を視認させることが可能となる。その一方で、液晶ディスプレイとミラーの位置関係を適切な関係とすることによって、光源の熱による悪影響をできる限り排除することが可能となる。
以下、本発明に係る虚像表示装置について、車両に搭載されたヘッドアップディスプレイ装置に具体化した一実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
先ず、本実施形態に係るヘッドアップディスプレイ装置(以下、HUDという)1の構成について図1を用いて説明する。図1は本実施形態に係るHUD1の車両2への設置態様を示した図である。
図1に示すようにHUD1は、車両2のダッシュボード3内部に設置されており、内部に映像を表示する液晶ディスプレイ5を有する。そして、液晶ディスプレイ5に表示された映像を、後述のようにHUD1が備える反射型偏光板6や凹面鏡7を介し、更に運転席の前方のフロントウィンドウ8に反射させて車両2の乗員9に視認させるように構成されている。尚、液晶ディスプレイ5に表示される映像としては、車両2に関する情報や乗員9の運転の支援の為に用いられる各種情報がある。例えば障害物(他車両や歩行者)に対する警告、ナビゲーション装置で設定された案内経路や案内経路に基づく案内情報(右左折方向を示す矢印等)、路面に表示する警告(追突注意、制限速度等)、現在車速、案内標識、地図画像、交通情報、ニュース、天気予報、時刻、接続されたスマートフォンの画面、テレビ番組等がある。
また、本実施形態のHUD1では、フロントウィンドウ8を反射して乗員9が液晶ディスプレイ5に表示された映像を視認した場合に、乗員9にはフロントウィンドウ8の位置ではなく、フロントウィンドウ8の先の遠方の位置に液晶ディスプレイ5に表示された映像が虚像10として視認されるように構成される。尚、乗員9が視認できる虚像10は液晶ディスプレイ5に表示された映像であるが、反射型偏光板6や凹面鏡7を介することによって上下方向や左右方向が反転する場合があり、それらの反転を考慮して液晶ディスプレイ5の映像の表示を行う必要がある。また、凹面鏡7を介することによってサイズも変更する。
ここで、虚像10を生成する位置、より具体的には乗員9から虚像10までの距離(以下、虚像生成距離という)Lについては、HUD1が備える凹面鏡7の曲率、液晶ディスプレイ5と凹面鏡7との相対位置等によって適宜設定することが可能である。例えば、凹面鏡7の曲率が固定であれば、液晶ディスプレイ5において映像の表示された位置から凹面鏡7までの光路に沿った距離(光路長)によって虚像生成距離Lが決定される。
そして、本実施形態に係るHUD1は、後述のように液晶ディスプレイ5から入射する光路を凹面鏡7へ向かう方向に変更する反射ミラーとして、全反射ミラーからなる第1ミラー13と、第1ミラーとは別体でハーフミラーからなる第2ミラー14とを備える。そして、液晶ディスプレイ5に表示された映像の内、第1ミラー13で反射された映像に基づく虚像10(以下、第1虚像10Aという)と、第2ミラー14で反射された映像に基づく虚像10(以下、第2虚像10Bという)とをそれぞれ生成する。また、液晶ディスプレイ5から第1ミラー13を反射して凹面鏡7を結ぶ光路の光路長と、液晶ディスプレイ5から第2ミラー14を反射して凹面鏡7を結ぶ光路の光路長は、夫々異なる長さとする。例えば第1虚像10Aの虚像生成距離Lが20m、第2虚像10Bの虚像生成距離Lが2.5mとなるように各光路の光路長が設定されている。
また、本実施形態のHUD1は、後述のように液晶ディスプレイ5、第1ミラー13、第2ミラー14、反射型偏光板6及び凹面鏡7について、反射型偏光板6から凹面鏡7へと入射する光路の方向と凹面鏡7で反射してユーザの目の位置へ向かう光路の方向とを逆方向となるように位置設計しているので、虚像10の品質を向上させることが可能となる。例えば、よりハッキリとした鮮やかな虚像10をユーザに視認させることが可能となる。また、反射型偏光板6を用いることによって、液晶ディスプレイ5において映像の表示された位置から凹面鏡7までの光路に沿った距離(光路長)を、装置の容積に比べてより長く確保可能に構成している。
また、車両のフロントバンパの上方やルームミラーの裏側等にはフロントカメラ11が設置される。フロントカメラ11は、例えばCCD等の固体撮像素子を用いたカメラにより構成された撮像装置であり、光軸方向を車両の進行方向前方に向けて設置される。そして、フロントカメラ11により撮像された撮像画像に対して画像処理が行われることによって、フロントウィンドウ8越しに乗員9に視認される前方環境(即ち虚像10が重畳される環境)の状況等が検出される。尚、フロントカメラ11の代わりにミリ波レーダ等のセンサを用いても良い。
次に、図2及び図3を用いてHUD1のより具体的な構成について説明する。図2は、本実施形態に係るHUD1の内部構成を示した図である。図3は、本実施形態に係るHUD1によって形成される光路を示した図である。
図2に示すようにHUD1は、液晶ディスプレイ5と、反射型偏光板6と、凹面鏡7と、第1ミラー13と、第2ミラー14と、λ/4波長板15と、制御回路部16と、CANインターフェース17と、ヒートシンク18とから基本的に構成されている。
ここで、液晶ディスプレイ5は光源としてバックライトを用い、バックライトからの光の内、特定の偏光方向を有する光だけを出力することによって、前面に設けられた映像表示面に対して映像を表示する機能を有する映像表示装置である。バックライトとしては、例えばCCFL(冷陰極管)や白色LEDが用いられる。尚、映像を表示する手段としては、液晶ディスプレイ以外に、液晶プロジェクタとスクリーンの組み合わせを用いても良い。
また、図3に示すように液晶ディスプレイ5において映像を表示す映像表示面は、水平方向よりも下方を向く角度で配置される。即ち、液晶ディスプレイ5の液晶層よりも光源が上方に位置する角度で配置される。
また、図3に示すように第1ミラー13は、液晶ディスプレイ5と凹面鏡7とを結ぶ光路に沿って液晶ディスプレイ5と凹面鏡7との間に配置され、液晶ディスプレイ5から第1方向で入射する第1光路19を、第1方向と異なる第2方向に変更する光の反射手段である。同じく第2ミラー14は、液晶ディスプレイ5と凹面鏡7とを結ぶ光路に沿って液晶ディスプレイ5と凹面鏡7との間に配置され、液晶ディスプレイ5から第1方向で入射する第2光路20を、第1方向と異なる第2方向に変更する光の反射手段である。
また、第1ミラー13と第2ミラー14は別体のミラーであり、特に第1ミラー13は全反射ミラーとし、第2ミラー14はハーフミラーとする。また、第1ミラー13と第2ミラー14は所定距離間隔で平行に配置され、第1ミラーによって反射される第1光路19上に第2ミラー14が位置する。その結果、図3に示すように第1ミラー13で反射された第1光路19は、第2ミラー14を通過して凹面鏡7へと到達することとなる。尚、第2ミラー14は、例えば透過率と反射率が同じハーフミラーとするが、ハーフミラーは必ずしも透過率と反射率が同じである必要はなく、入射した光の一部を透過し、一部を反射する部材(ビームスプリッター)であれば良い。例えば第2ミラー14を透過率40%、反射率60%や、透過率60%、反射率40%となるハーフミラーとしても良い。一方、第1ミラー13についても必ずしも全反射のミラーである必要は無く、透過率よりも反射率が高いミラーであればよい。但し、反射率の高いミラーとすることによってより鮮明な虚像を生成することが可能となる。
また、第1ミラー13と第2ミラー14は、図2及び図3に示すように液晶ディスプレイ5とは直接的に接続されず、HUD1の外壁に対して直接固定される。それによって、液晶ディスプレイ5の熱が第1ミラー13や第2ミラー14に伝わり難くする。また、液晶ディスプレイ5に対して第1ミラー13及び第2ミラー14は、光路と液晶ディスプレイ5が重複しない範囲で、できる接近して配置される。ここで、光の範囲は液晶ディスプレイ5から離れる程広くなる。従って、液晶ディスプレイ5に対して第1ミラー13及び第2ミラー14を接近して配置することにより、第1ミラー13及び第2ミラー14のサイズをできる限り小さくすることができ、HUD1全体の装置サイズの小型化についても実現できる。
また、本実施形態では、第1ミラー13によって反射される第1光路19と、第2ミラー14によって反射される第2光路20とは、重複して凹面鏡7への入射方向が同一方向となるように液晶ディスプレイ5、第1ミラー13及び第2ミラー14が配置されている。その結果、乗員9からは第1ミラー13で反射された映像と第2ミラー14で反射された映像を同時に視認可能(即ち、第1ミラー13で反射された映像に基づく第1虚像10Aと第2ミラー14で反射された映像に基づく第2虚像10Bを同時に視認可能)に構成される。
また、第1ミラー13によって反射される映像と、第2ミラー14によって反射される映像は液晶ディスプレイ5の異なる領域に表示された映像となる。具体的には、図4に示すように第1光路19は液晶ディスプレイ5の下方にある第1領域21から入射する光路であって、第1領域21に表示された映像の虚像が第1虚像10Aとして乗員9に視認される。一方、第2光路20は液晶ディスプレイ5の上方にある第2領域22から入射する光路であって、第2領域22に表示された映像の虚像が第2虚像10Bとして乗員9に視認される。
更に、第1ミラー13によって反射される第1光路19の光路長と、第2ミラー14によって反射される第2光路20の光路長は長さが異なり、第1光路19の光路長の方がより長くなっている。その結果、図5に示すように第1光路19によってユーザに視認される虚像である第1虚像10Aの位置は、第2光路20によってユーザに視認される虚像である第2虚像10Bの位置よりも遠方に位置する。例えば第1虚像10Aの虚像生成距離Lは20m、第2虚像10Bの虚像生成距離Lが2.5mとなるように光路長が設定されている。また、図5に示すように乗員9から第1虚像10Aが視認される領域と第2虚像10Bが視認される領域とは乗員9の視線方向において重複している。従って、虚像による情報を手前と奥の2レイヤで表現(複数の虚像を重ねて表現)することが可能であり、1レイヤに比べるとより見やすく分かり易い表現が可能となる。尚、第2虚像10Bは半透過となるので、第1虚像10Aと第2虚像10Bが重複して視認される場合であっても、乗員9はどちらの虚像も適切に視認することが可能となる。
また、第1領域21と第2領域22には基本的に異なる映像が表示される。第1領域21には乗員9に対して遠方に表示するのに適した情報である『案内経路や案内経路に基づく案内情報(右左折方向を示す矢印等)』等が表示される。一方、第2領域22には乗員9に対して近傍に表示するのに適した情報である『現在車速』、『案内標識』、『地図画像』、『交通情報』、『接続されたスマートフォンの画面』等が表示される。
また、反射型偏光板6は、特定の第1の偏光方向を有する光については反射(非透過)するとともに、第1の偏光方向と異なる第2の偏光方向を有する光は透過させる性質を有する部材である。そして、本実施形態の反射型偏光板6では、第1の偏光方向を液晶ディスプレイ5から出力される光の偏光方向と同一方向に設計し、第2の偏光方向は第1の偏光方向に対してλ/2(180度)の位相差を有する偏光方向(即ち第1の偏光方向と直交する方向)に設計する。また、反射型偏光板6は、液晶ディスプレイ5と凹面鏡7とを結ぶ第1光路19及び第2光路20に沿って第1ミラー13及び第2ミラー14と凹面鏡7との間に配置される。そして、図3に示すように第1ミラー13及び第2ミラー14から第2方向で入射する第1光路19及び第2光路20に対して、凹面鏡7へ向かう第3方向に変更する光の反射手段として機能する。一方、凹面鏡7へと反射された光は後述のようにλ/4波長板15を2回通過することによって偏光方向が最終的に第2の偏光方向へと変更されるので、凹面鏡7から入射する第1光路19及び第2光路20に対しては光の透過手段として機能する。
一方、凹面鏡7は、液晶ディスプレイ5に表示された映像を拡大して反射させて乗員9に視認させることによって、乗員9の前方に映像の虚像を生成する投影鏡である。尚、凹面鏡7としては、球面凹面鏡や、非球面凹面鏡、若しくは投影映像の歪みを補正するための自由曲面鏡が用いられる。
また、図3に示すように凹面鏡7は、反射型偏光板6から第3方向で入射する光路を、反射型偏光板6を透過してユーザの目の位置へ向かう第4方向に変更する。そして、特に本実施形態では、液晶ディスプレイ5、第1ミラー13、第2ミラー14、反射型偏光板6及び凹面鏡7の位置や角度を、第3方向と第4方向とが逆方向となるように設計する。尚、「逆方向」とは、180度異なる方向のみに限られず、180度異なる方向を含む一定範囲の幅を持った方向とする。例えば175度や185度異なる方向についても逆方向とする。
以下に本実施形態に係るHUDの液晶ディスプレイ5、第1ミラー13、第2ミラー14、反射型偏光板6及び凹面鏡7の位置や角度の設計方法について簡単に説明する。
(A)先ず、虚像を視認する乗員9の目の位置を仮定する。例えば、車両を利用するユーザの統計データなどから仮定する。尚、目の位置は点ではなくエリア(アイボックス)で仮定しても良い。
(B)次に、仮定された乗員9の目の位置に基づいて、乗員9の目の位置から凹面鏡7への光路と該光路が凹面鏡7によって反射される光路とが逆方向となる凹面鏡7の位置及び角度の条件を算出する。
(C)続いて、算出された位置及び角度に凹面鏡7があると仮定した場合に、反射型偏光板6の位置及び角度を考慮して、第3方向と第4方向とが逆方向となって、且つ第1ミラー13によって反射される第1光路19と第2ミラー14によって反射される第2光路20の凹面鏡7への入射方向が同一方向となる液晶ディスプレイ5、第1ミラー13及び第2ミラー14の位置及び角度の条件を算出する。
(A)先ず、虚像を視認する乗員9の目の位置を仮定する。例えば、車両を利用するユーザの統計データなどから仮定する。尚、目の位置は点ではなくエリア(アイボックス)で仮定しても良い。
(B)次に、仮定された乗員9の目の位置に基づいて、乗員9の目の位置から凹面鏡7への光路と該光路が凹面鏡7によって反射される光路とが逆方向となる凹面鏡7の位置及び角度の条件を算出する。
(C)続いて、算出された位置及び角度に凹面鏡7があると仮定した場合に、反射型偏光板6の位置及び角度を考慮して、第3方向と第4方向とが逆方向となって、且つ第1ミラー13によって反射される第1光路19と第2ミラー14によって反射される第2光路20の凹面鏡7への入射方向が同一方向となる液晶ディスプレイ5、第1ミラー13及び第2ミラー14の位置及び角度の条件を算出する。
そして、本実施形態にかかるHUD1では、上記のように各部材の位置設計を行い、反射型偏光板6から凹面鏡7へと入射する第1光路19及び第2光路20の方向である第3方向と、凹面鏡7で反射して乗員9の目の位置へ向かう第1光路19及び第2光路20の方向である第4方向とを逆方向とすることによって、虚像の品質を向上させることが可能となる。例えば、よりハッキリとした鮮やかな虚像を乗員9に視認させることが可能となる。更に、虚像の品質を向上させる虚像生成距離Lに幅を持たせることが可能となる。従って、本実施形態のように虚像生成距離Lの異なる複数の位置に虚像を視認させる場合において、特に大きな効果がある。
また、λ/4波長板15は、通過する光の偏光方向に対してλ/4(90度)の位相差を与える平板形状を有する偏光素子である。本実施形態では、液晶ディスプレイ5と凹面鏡7とを結ぶ光路に沿って反射型偏光板6と凹面鏡7との間に、凹面鏡7とは別体に配置される。従って、図3に示すように、液晶ディスプレイ5から出力された光は、反射型偏光板6から凹面鏡7へと移動する間において先ずλ/4波長板15を通過する。そして、その後に凹面鏡7で反射されて反射型偏光板6へと移動する間においてλ/4波長板15を再度通過する。その結果、光の偏光方向に対してλ/4ずつ計λ/2(180度)の位相差を与える。従って、液晶ディスプレイ5から出力された段階では光の偏光方向が反射型偏光板6において反射対象(非透過対象)となる第1の偏光方向であったのが、λ/4波長板15を2回通過することによって最終的には反射型偏光板6において透過対象となる第2の偏光方向へと変位する。
また、λ/4波長板15は、透過する第1光路19及び第2光路20に対して垂直となる角度で配置される。更に、反射型偏光板6から第2方向で透過する光と、凹面鏡7から第3方向で透過する光の全てを含むサイズで且つできる限り小さいサイズとする。また、λ/4波長板15は、図6に示すように液晶ディスプレイ5と反射型偏光板6とを結ぶ光路に重複しない範囲に配置される。
また、制御回路部16は、HUD1の全体の制御を行う電子制御ユニットである。ここで、図7は本実施形態に係るHUD1の構成を示したブロック図である。
図7に示すように制御回路部16は、演算装置及び制御装置としてのCPU31、並びにCPU31が各種の演算処理を行うにあたってワーキングメモリとして使用されるRAM32、制御用のプログラムのほか、虚像を生成する為の制御プログラム等が記録されたROM33、ROM33から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ34等の内部記憶装置を備えている。また、制御回路部16は、液晶ディスプレイ5と接続され、液晶ディスプレイ5の駆動制御を行う。
また、CAN(コントローラエリアネットワーク)インターフェース17は、車両内に設置された各種車載器や車両機器の制御装置間で多重通信を行う車載ネットワーク規格であるCANに対して、データの入出力を行うインターフェースである。そして、HUD1は、CANを介して、各種車載器や車両機器の制御装置(例えば、ナビゲーション装置48、AV装置49等)と相互通信可能に接続される。それによって、HUD1は、ナビゲーション装置48やAV装置49等から取得した情報を表示可能に構成する。
また、ヒートシンク18は、液晶ディスプレイ5の背面側に配置され、液晶ディスプレイ5の光源から発生する熱を放熱する放熱部材である。ここで、ヒートシンク18は例えばアルミニウムや銅等から形成され、表面積が広くなるような形状(例えば剣山状や蛇腹状)に成型される。また、放熱効果をより高めるためにファンを設けても良い。また、ヒートシンク18は液晶ディスプレイ5の背面側、即ち第1ミラー13や第2ミラー14とは液晶ディスプレイ5を挟んで反対側に配置される。また、ヒートシンク18は液晶ディスプレイ5の液晶、第1ミラー13及び第2ミラー14よりも上方に位置する。従って、ヒートシンク18によって放熱された熱が液晶ディスプレイ5の液晶やその他の光学部材に与える悪影響を減少させることができる。
尚、液晶ディスプレイ5に表示される映像としては、車両2に関する情報や乗員9の運転の支援の為に用いられる各種情報がある。例えば障害物(他車両や歩行者)に対する警告、ナビゲーション装置48で設定された案内経路(走行予定経路)や案内経路に基づく案内情報(車両の進行方向を示す矢印等)、路面に表示する警告(追突注意、制限速度等)、現在車速、案内標識、地図画像、交通情報、ニュース、天気予報、時刻、接続されたスマートフォンの画面、テレビ画面等がある。
特に本実施形態では、遠方に視認される虚像を生成する為の第1領域21には、周辺環境に重畳させて乗員9に視認させることにより案内を行う虚像を生成する為の映像を出力する。例えば、ナビゲーション装置48で設定された案内経路に基づく案内情報である車両の進行方向を示す矢印を出力する構成とする。一方、近傍に視認される虚像を生成する為の第2領域22には、周辺環境に重畳させずに乗員9に視認させることにより案内を行う虚像を生成する為の映像を出力する。例えば、車両の現在の車速や車両周辺の地図画像を出力する構成とする。
その結果、例えばナビゲーション装置48において案内経路が設定されており、車両の進行方向前方に特に右左折の対象となる交差点が存在しない場合には、図8に示すように車両の進行方向前方に直進方向を示す矢印の第1虚像10Aと、車両の現在の車速を示す第2虚像10Bをそれぞれ生成する。また、矢印の第1虚像10Aについては、地面上、より具体的には第1虚像10Aの下端が地面上に位置するように生成するのが望ましい。尚、車両の進行方向前方に右左折の対象となる交差点が接近した場合には、直進方向を示す矢印に替えて右左折を示す矢印の第1虚像10Aを生成する。その結果、乗員9から20m前方付近に車両の進行方向を示す矢印の虚像が生成されることとなり、乗員9は虚像を視認する際に視線移動を極力少なくすることが可能である。
また、第1虚像10Aが視認される領域と第2虚像10Bが視認される領域とは乗員9の視線方向において重複している。従って、虚像による情報を手前と奥の2レイヤで表現(複数の虚像を重ねて表現)することが可能であり、1レイヤに比べるとより見やすく分かり易い表現が可能となる。
以上詳細に説明した通り、本実施形態に係るHUD1によれば、液晶ディスプレイ5と凹面鏡7とを結ぶ光路に沿って液晶ディスプレイ5と凹面鏡7との間に、全反射ミラーからなる第1ミラー13と、ハーフミラーからなる第2ミラー14とを配置し、液晶ディスプレイ5は、映像の表示面が水平方向よりも下方を向く角度で、且つ第1ミラー13及び前記第2ミラー14に対して上方に配置する。そして、液晶ディスプレイ5から第1ミラー13を反射して凹面鏡7を結ぶ第1光路19と、液晶ディスプレイ5から第2ミラー14を反射して凹面鏡7を結ぶ第2光路20とを形成し、第1光路19上に第2ミラー14が位置するとともに、第1光路19は第2ミラー14を透過して凹面鏡7へと到るように設計するので、液晶ディスプレイ5や第1ミラー13や第2ミラー14の位置を変位させることなく、乗員9からの距離が異なる複数の位置に虚像を視認させることが可能となる。その一方で、液晶ディスプレイ5と第1ミラー13と第2ミラー14との位置関係を適切な関係とすることによって、光源の熱による悪影響をできる限り排除することが可能となる。
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、本実施形態ではHUD1によって車両2のフロントウィンドウ8の前方に虚像を生成する構成としているが、フロントウィンドウ8以外のウィンドウの前方に虚像を生成する構成としても良い。また、HUD1により映像を反射させる対象はフロントウィンドウ8自身ではなくフロントウィンドウ8の周辺に設置されたバイザー(コンバイナー)であっても良い。
例えば、本実施形態ではHUD1によって車両2のフロントウィンドウ8の前方に虚像を生成する構成としているが、フロントウィンドウ8以外のウィンドウの前方に虚像を生成する構成としても良い。また、HUD1により映像を反射させる対象はフロントウィンドウ8自身ではなくフロントウィンドウ8の周辺に設置されたバイザー(コンバイナー)であっても良い。
また、本実施形態では車両2に対してHUD1を設置する構成としているが、車両2以外の移動体に設置する構成としても良い。例えば、船舶や航空機等に対して設置することも可能である。また、アミューズメント施設に設置されるライド型アトラクションに設置しても良い。その場合には、ライドの周囲に虚像を生成し、ライドの乗員に対して虚像を視認させることが可能となる。
また、本発明に係る虚像表示装置を具体化した実施例について上記に説明したが、虚像表示装置は以下の構成を有することも可能であり、その場合には以下の効果を奏する。
例えば、第1の構成は以下のとおりである。
映像を表示する液晶ディスプレイ(5)と、前記液晶ディスプレイに表示された前記映像を反射させてユーザに視認させることによって前記映像の虚像を前記ユーザに視認させる凹面鏡(7)と、前記液晶ディスプレイと前記凹面鏡とを結ぶ光路に沿って前記液晶ディスプレイと前記凹面鏡との間に配置され、前記液晶ディスプレイから入射する前記光路を、前記凹面鏡へ向かう方向に変更する反射ミラー(13、14)と、を有し、前記反射ミラーは、全反射ミラーからなる第1ミラー(13)と、前記第1ミラーとは別体でハーフミラーからなる第2ミラー(14)とを含み、前記液晶ディスプレイは、映像の表示面が水平方向よりも下方を向く角度で、且つ前記第1ミラー及び前記第2ミラーに対して上方に配置され、前記光路は、前記液晶ディスプレイから前記第1ミラーを反射して前記凹面鏡を結ぶ第1光路(19)と、前記液晶ディスプレイから前記第2ミラーを反射して前記凹面鏡を結ぶ第2光路(20)とを含み、前記第1光路上に前記第2ミラーが位置するとともに、前記第1光路は前記第2ミラーを透過して前記凹面鏡へと到る。
上記構成を有する虚像表示装置によれば、全反射ミラーとハーフミラーの2つのミラーを配置することによって、液晶ディスプレイやミラーの位置を変位させることなく、ユーザからの距離が異なる複数の位置に虚像を視認させることが可能となる。その一方で、液晶ディスプレイとミラーの位置関係を適切な関係とすることによって、光源の熱による悪影響をできる限り排除することが可能となる。
映像を表示する液晶ディスプレイ(5)と、前記液晶ディスプレイに表示された前記映像を反射させてユーザに視認させることによって前記映像の虚像を前記ユーザに視認させる凹面鏡(7)と、前記液晶ディスプレイと前記凹面鏡とを結ぶ光路に沿って前記液晶ディスプレイと前記凹面鏡との間に配置され、前記液晶ディスプレイから入射する前記光路を、前記凹面鏡へ向かう方向に変更する反射ミラー(13、14)と、を有し、前記反射ミラーは、全反射ミラーからなる第1ミラー(13)と、前記第1ミラーとは別体でハーフミラーからなる第2ミラー(14)とを含み、前記液晶ディスプレイは、映像の表示面が水平方向よりも下方を向く角度で、且つ前記第1ミラー及び前記第2ミラーに対して上方に配置され、前記光路は、前記液晶ディスプレイから前記第1ミラーを反射して前記凹面鏡を結ぶ第1光路(19)と、前記液晶ディスプレイから前記第2ミラーを反射して前記凹面鏡を結ぶ第2光路(20)とを含み、前記第1光路上に前記第2ミラーが位置するとともに、前記第1光路は前記第2ミラーを透過して前記凹面鏡へと到る。
上記構成を有する虚像表示装置によれば、全反射ミラーとハーフミラーの2つのミラーを配置することによって、液晶ディスプレイやミラーの位置を変位させることなく、ユーザからの距離が異なる複数の位置に虚像を視認させることが可能となる。その一方で、液晶ディスプレイとミラーの位置関係を適切な関係とすることによって、光源の熱による悪影響をできる限り排除することが可能となる。
また、第2の構成は以下のとおりである。
前記第1ミラー(13)及び前記第2ミラー(14)は、筐体の外壁に対して固定される。
上記構成を有する虚像表示装置によれば、液晶ディスプレイの光源の熱が第1ミラーや第2ミラーに伝わり難くすることが可能となる。それによって、光源の熱による悪影響をできる限り排除することが可能となる。
前記第1ミラー(13)及び前記第2ミラー(14)は、筐体の外壁に対して固定される。
上記構成を有する虚像表示装置によれば、液晶ディスプレイの光源の熱が第1ミラーや第2ミラーに伝わり難くすることが可能となる。それによって、光源の熱による悪影響をできる限り排除することが可能となる。
また、第3の構成は以下のとおりである。
前記液晶ディスプレイ(5)の背面に前記光源の熱を放熱する為の放熱部材(18)が配置される。
上記構成を有する虚像表示装置によれば、放熱部材を用いて光源の熱を効率よく放熱することが可能となる。また、放熱部材は第1ミラーや第2ミラーとは液晶ディスプレイを挟んで反対側に配置され、更に液晶ディスプレイの液晶、第1ミラー及び第2ミラーよりも上方に位置する。従って、放熱部材によって放熱された熱が液晶ディスプレイの液晶、第1ミラー及び第2ミラーに与える悪影響を減少させることが可能となる。
前記液晶ディスプレイ(5)の背面に前記光源の熱を放熱する為の放熱部材(18)が配置される。
上記構成を有する虚像表示装置によれば、放熱部材を用いて光源の熱を効率よく放熱することが可能となる。また、放熱部材は第1ミラーや第2ミラーとは液晶ディスプレイを挟んで反対側に配置され、更に液晶ディスプレイの液晶、第1ミラー及び第2ミラーよりも上方に位置する。従って、放熱部材によって放熱された熱が液晶ディスプレイの液晶、第1ミラー及び第2ミラーに与える悪影響を減少させることが可能となる。
また、第4の構成は以下のとおりである。
前記第1光路(19)と前記第2光路(20)とは、前記凹面鏡(7)への入射方向が同一方向となる。
上記構成を有する虚像表示装置によれば、ユーザから第1虚像が視認される領域と第2虚像が視認される領域とを、ユーザの視線方向において重複させることが可能となる。従って、虚像による情報を2レイヤで表現(複数の虚像を重ねて表現)することが可能であり、1レイヤに比べるとより見やすく分かり易い表現が可能となる。
前記第1光路(19)と前記第2光路(20)とは、前記凹面鏡(7)への入射方向が同一方向となる。
上記構成を有する虚像表示装置によれば、ユーザから第1虚像が視認される領域と第2虚像が視認される領域とを、ユーザの視線方向において重複させることが可能となる。従って、虚像による情報を2レイヤで表現(複数の虚像を重ねて表現)することが可能であり、1レイヤに比べるとより見やすく分かり易い表現が可能となる。
また、第5の構成は以下のとおりである。
前記第1光路(19)の光路長と前記第2光路(20)の光路長とが異なる距離となる。
上記構成を有する虚像表示装置によれば、ユーザからの距離が異なる複数の位置に同時に虚像を視認させることが可能となる。
前記第1光路(19)の光路長と前記第2光路(20)の光路長とが異なる距離となる。
上記構成を有する虚像表示装置によれば、ユーザからの距離が異なる複数の位置に同時に虚像を視認させることが可能となる。
また、第6の構成は以下のとおりである。
前記第1光路(19)によってユーザに視認される虚像の位置は、前記第2光路(20)によってユーザに視認される虚像の位置よりも遠方に位置する。
上記構成を有する虚像表示装置によれば、虚像による情報を手前と奥の2レイヤで表現(複数の虚像を重ねて表現)することが可能であり、1レイヤに比べるとより見やすく分かり易い表現が可能となる。
前記第1光路(19)によってユーザに視認される虚像の位置は、前記第2光路(20)によってユーザに視認される虚像の位置よりも遠方に位置する。
上記構成を有する虚像表示装置によれば、虚像による情報を手前と奥の2レイヤで表現(複数の虚像を重ねて表現)することが可能であり、1レイヤに比べるとより見やすく分かり易い表現が可能となる。
また、第7の構成は以下のとおりである。
前記第1ミラー(13)と前記第2ミラー(14)とは所定距離間隔で平行に配置される。
上記構成を有する虚像表示装置によれば、簡易な構造によって長さの異なる2つの光路を形成することが可能となる。また、第1ミラーによって反射される光路と第2ミラーによって反射される光路とを重複させることが可能となる。
前記第1ミラー(13)と前記第2ミラー(14)とは所定距離間隔で平行に配置される。
上記構成を有する虚像表示装置によれば、簡易な構造によって長さの異なる2つの光路を形成することが可能となる。また、第1ミラーによって反射される光路と第2ミラーによって反射される光路とを重複させることが可能となる。
また、第8の構成は以下のとおりである。
前記第1光路(19)は、前記液晶ディスプレイ(5)の第1領域(21)から入射する光路であって、前記第2光路(20)は、前記液晶ディスプレイの前記第1領域と異なる第2領域(22)から入射する光路であって、前記第1領域と前記第2領域には異なる映像が表示される。
上記構成を有する虚像表示装置によれば、一の液晶ディスプレイによって、内容の異なる複数の虚像を同時に生成することが可能となる。
前記第1光路(19)は、前記液晶ディスプレイ(5)の第1領域(21)から入射する光路であって、前記第2光路(20)は、前記液晶ディスプレイの前記第1領域と異なる第2領域(22)から入射する光路であって、前記第1領域と前記第2領域には異なる映像が表示される。
上記構成を有する虚像表示装置によれば、一の液晶ディスプレイによって、内容の異なる複数の虚像を同時に生成することが可能となる。
また、第9の構成は以下のとおりである。
前記液晶ディスプレイ(5)は、第1の偏光方向を有する光を出力することによって映像を表示し、前記液晶ディスプレイと前記凹面鏡(7)とを結ぶ光路に沿って前記反射ミラー(13、14)と前記凹面鏡との間に配置され、前記第1の偏光方向を有する光を反射するとともに、前記第1の偏光方向と異なる第2の偏光方向を有する光は透過させる反射型偏光板(6)と、前記液晶ディスプレイと前記凹面鏡とを結ぶ光路に沿って前記反射型偏光板と前記凹面鏡との間に配置され、光の偏光方向を前記第1の偏光方向から前記第2の偏光方向へと変位させる偏光方向変位部材(15)と、を有し、前記反射型偏光板は、前記反射ミラーから第1方向で入射する光路を、前記凹面鏡へ向かう第2方向に変更し、前記凹面鏡は、前記反射型偏光板から前記第2方向で入射する光路を、前記反射型偏光板を透過してユーザの目の位置へ向かう第3方向に変更し、前記第2方向と前記第3方向とが逆方向となる。
上記構成を有する虚像表示装置によれば、光路に沿って映像表示面と凹面鏡との間に反射型偏光板を配置し、一旦反射型偏光板で光路を反射させて凹面鏡へと向かわせた後に、凹面鏡から反射した光路は反射型偏光版を透過させてユーザに向かわせるので、映像表示面から凹面鏡までを結ぶ光路長を従来と比較して同じ容積の装置の中でより長く確保することが可能となる。その結果、装置の小型化を実現することが可能となる。また、反射型偏光板、凹面鏡及び映像表示面について、反射型偏光板から凹面鏡へと入射する光路の方向と凹面鏡で反射してユーザの目の位置へ向かう光路の方向とを逆方向となるように位置設計するので、虚像の品質を向上させることが可能となる。例えば、よりハッキリとした鮮やかな虚像をユーザに視認させることが可能となる。更に、虚像の品質を向上させるユーザから虚像までの距離に幅を持たせることが可能となる。特にユーザからの距離が異なる複数の位置に虚像を視認させる場合において、特に大きな効果がある。
前記液晶ディスプレイ(5)は、第1の偏光方向を有する光を出力することによって映像を表示し、前記液晶ディスプレイと前記凹面鏡(7)とを結ぶ光路に沿って前記反射ミラー(13、14)と前記凹面鏡との間に配置され、前記第1の偏光方向を有する光を反射するとともに、前記第1の偏光方向と異なる第2の偏光方向を有する光は透過させる反射型偏光板(6)と、前記液晶ディスプレイと前記凹面鏡とを結ぶ光路に沿って前記反射型偏光板と前記凹面鏡との間に配置され、光の偏光方向を前記第1の偏光方向から前記第2の偏光方向へと変位させる偏光方向変位部材(15)と、を有し、前記反射型偏光板は、前記反射ミラーから第1方向で入射する光路を、前記凹面鏡へ向かう第2方向に変更し、前記凹面鏡は、前記反射型偏光板から前記第2方向で入射する光路を、前記反射型偏光板を透過してユーザの目の位置へ向かう第3方向に変更し、前記第2方向と前記第3方向とが逆方向となる。
上記構成を有する虚像表示装置によれば、光路に沿って映像表示面と凹面鏡との間に反射型偏光板を配置し、一旦反射型偏光板で光路を反射させて凹面鏡へと向かわせた後に、凹面鏡から反射した光路は反射型偏光版を透過させてユーザに向かわせるので、映像表示面から凹面鏡までを結ぶ光路長を従来と比較して同じ容積の装置の中でより長く確保することが可能となる。その結果、装置の小型化を実現することが可能となる。また、反射型偏光板、凹面鏡及び映像表示面について、反射型偏光板から凹面鏡へと入射する光路の方向と凹面鏡で反射してユーザの目の位置へ向かう光路の方向とを逆方向となるように位置設計するので、虚像の品質を向上させることが可能となる。例えば、よりハッキリとした鮮やかな虚像をユーザに視認させることが可能となる。更に、虚像の品質を向上させるユーザから虚像までの距離に幅を持たせることが可能となる。特にユーザからの距離が異なる複数の位置に虚像を視認させる場合において、特に大きな効果がある。
1 ヘッドアップディスプレイ装置
2 車両
3 ダッシュボード
5 液晶ディスプレイ
6 反射型偏光板
7 凹面鏡
8 フロントウィンドウ
9 乗員
10A 第1虚像
10B 第2虚像
13 第1ミラー
14 第2ミラー
15 λ/4波長板
18 ヒートシンク
19 第1光路
20 第2光路
31 CPU
32 RAM
33 ROM
34 フラッシュメモリ
2 車両
3 ダッシュボード
5 液晶ディスプレイ
6 反射型偏光板
7 凹面鏡
8 フロントウィンドウ
9 乗員
10A 第1虚像
10B 第2虚像
13 第1ミラー
14 第2ミラー
15 λ/4波長板
18 ヒートシンク
19 第1光路
20 第2光路
31 CPU
32 RAM
33 ROM
34 フラッシュメモリ
Claims (9)
- 映像を表示する液晶ディスプレイと、
前記液晶ディスプレイに表示された前記映像を反射させてユーザに視認させることによって前記映像の虚像を前記ユーザに視認させる凹面鏡と、
前記液晶ディスプレイと前記凹面鏡とを結ぶ光路に沿って前記液晶ディスプレイと前記凹面鏡との間に配置され、前記液晶ディスプレイから入射する前記光路を、前記凹面鏡へ向かう方向に変更する反射ミラーと、を有し、
前記反射ミラーは、全反射ミラーからなる第1ミラーと、前記第1ミラーとは別体でハーフミラーからなる第2ミラーとを含み、
前記液晶ディスプレイは、映像の表示面が水平方向よりも下方を向く角度で、且つ前記第1ミラー及び前記第2ミラーに対して上方に配置され、
前記光路は、前記液晶ディスプレイから前記第1ミラーを反射して前記凹面鏡を結ぶ第1光路と、前記液晶ディスプレイから前記第2ミラーを反射して前記凹面鏡を結ぶ第2光路とを含み、
前記第1光路上に前記第2ミラーが位置するとともに、前記第1光路は前記第2ミラーを透過して前記凹面鏡へと到る虚像表示装置。 - 前記第1ミラー及び前記第2ミラーは、筐体の外壁に対して固定される請求項1に記載の虚像表示装置。
- 前記液晶ディスプレイの背面に光源の熱を放熱する為の放熱部材が配置される請求項1又は請求項2に記載の虚像表示装置。
- 前記第1光路と前記第2光路とは、前記凹面鏡への入射方向が同一方向となる請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の虚像表示装置。
- 前記第1光路の光路長と前記第2光路の光路長とが異なる距離となる請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の虚像表示装置。
- 前記第1光路によってユーザに視認される虚像の位置は、前記第2光路によってユーザに視認される虚像の位置よりも遠方に位置する請求項5に記載の虚像表示装置。
- 前記第1ミラーと前記第2ミラーとは所定距離間隔で平行に配置される請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の虚像表示装置。
- 前記第1光路は、前記液晶ディスプレイの第1領域から入射する光路であって、
前記第2光路は、前記液晶ディスプレイの前記第1領域と異なる第2領域から入射する光路であって、
前記第1領域と前記第2領域には異なる映像が表示される請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の虚像表示装置。 - 前記液晶ディスプレイは、第1の偏光方向を有する光を出力することによって映像を表示し、
前記液晶ディスプレイと前記凹面鏡とを結ぶ光路に沿って前記反射ミラーと前記凹面鏡との間に配置され、前記第1の偏光方向を有する光を反射するとともに、前記第1の偏光方向と異なる第2の偏光方向を有する光は透過させる反射型偏光板と、
前記液晶ディスプレイと前記凹面鏡とを結ぶ光路に沿って前記反射型偏光板と前記凹面鏡との間に配置され、光の偏光方向を前記第1の偏光方向から前記第2の偏光方向へと変位させる偏光方向変位部材と、を有し、
前記反射型偏光板は、前記反射ミラーから第1方向で入射する光路を、前記凹面鏡へ向かう第2方向に変更し、
前記凹面鏡は、前記反射型偏光板から前記第2方向で入射する光路を、前記反射型偏光板を透過してユーザの目の位置へ向かう第3方向に変更し、
前記第2方向と前記第3方向とが逆方向となる請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の虚像表示装置。
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JP2016225232A JP2018081276A (ja) | 2016-11-18 | 2016-11-18 | 虚像表示装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN114859537A (zh) * | 2022-04-21 | 2022-08-05 | 芜湖汽车前瞻技术研究院有限公司 | 显示装置和车辆 |
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-
2016
- 2016-11-18 JP JP2016225232A patent/JP2018081276A/ja active Pending
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