JP2018081051A - 制御棒操作監視システムおよび異常時の操作監視方法 - Google Patents

制御棒操作監視システムおよび異常時の操作監視方法 Download PDF

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浩行 菊池
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Abstract

【課題】制御棒操作監視システムの警報が発生した場合に効率的に異常内容を把握する。【解決手段】実施形態によれば、制御棒操作監視システムは、複数の現場制御装置と、これらに制御棒の位置に関する指令信号を発し、現場制御装置からの情報を受け入れるとともに、制御棒の少なくとも一つに異常が発生した場合に、異常原因の特定のための表示情報データを作成しこの表示情報に基づいて異常原因特定のための画面を表示する制御棒操作監視盤と、を有する。制御棒操作監視盤は、複数の制御棒に関する最新のデータについて異常原因特定のための情報が制御棒ごとに区分されたデータベース22aを有する記憶部22と、データベース22aに基づいて画面表示データを作成する演算部21と、演算部21で作成された画面表示データに基づいて画面表示する状態表示部23を有する。【選択図】図2

Description

本発明の実施形態は、制御棒操作監視システムおよび異常時の操作監視方法に関する。
原子力発電所における制御棒操作監視システムは、制御棒の駆動操作および位置監視を行うとともに制御棒の操作、制御に関するシステムの故障を含めた状態を監視する機能を備えている。ここでは従来の制御棒監視操作システムについて、改良型沸騰水型原子炉(ABWR:Advanced Boiling Water Reactor)を例にとって説明する。
図14は、従来の制御棒操作監視システムの画面表示データの構成を示すブロック図である。制御棒操作監視主盤に表示される制御棒異常表示画面7aは、制御棒異常表示用データベース7に記憶されたデータに基づいて表示される。また、制御棒操作監視補助盤に表示される装置異常表示画面8aは、装置異常表示用データベース8に記憶されたデータに基づいて表示される。
制御棒操作監視主盤に表示される制御棒異常表示画面7aに用いる制御棒異常表示用データベース7は、制御棒の異常の種別に応じて、異常(1)表示データないし異常(m)表示データを有する。異常(i)表示データ(i=1,・・・,m)のそれぞれは、第1制御棒データないし第n制御棒データを有する。第j制御棒データ(j=1,・・・,n)は、第j制御棒に当該異常(i)が発生しているか否かを識別するデータである。
制御棒異常表示画面7aは、異常(i)表示データごとに1つの画面であり、それぞれの画面には、第1制御棒ないし第n制御棒に、当該異常(i)が発生しているか否かが表示される。異常(i)が発生している旨の表示は、たとえば、発生している制御棒の名称の色が変わる等により行われる。
制御棒操作監視補助盤に表示される装置異常表示画面8aに用いる装置異常表示用データベース8は、装置の異常の種別に応じて、装置(1)異常表示データないし装置(M)異常表示データを有する。異常(k)表示データ(k=1,・・・,M)のそれぞれは、装置の種別ごとに装置(k)異常表示データを有する。装置(k)異常表示データ(k=1,・・・,M)は、装置(k)に、異常が発生しているか否かを識別するデータである。
ここで、装置とは、たとえば、制御棒駆動用のインバータに電力を供給する電源、制御棒操作監視主盤や制御棒操作監視補助盤などの入出力部などの関連装置である。装置の種類がM種類であり、装置(k)(k=1,・・・,M)の数がそれぞれmk台あるとする。装置(k)異常表示データ(k=1,・・・,M)のそれぞれは、装置(k−1)データないし装置(k−mk)データを有する。
たとえば、装置(2)が電源であり、電源の数がインバータの数と同じn台であれば、装置(2)異常表示データは、装置(2−1)データないし装置(2−n)データのn個のデータを有する。これらは、1番目ないしn番目のそれぞれの装置の異常が発生しているか否かを区別するデータである。
装置異常表示画面8aは、装置(k)異常表示データごとに1つの画面であり、それぞれの画面には、当該装置(k)の第1番目から第mk番目に、異常が発生しているか否かが表示される。表示は、当該装置(k)のうちの発生している番号の名称の色が変わる等により行われる。
図15は、従来の操作監視画面表示方法の手順を示すフロー図である。制御棒システムの一括警報が、たとえば制御棒操作監視主盤に発生した場合(ステップS01)を考える。この場合、制御棒に関連する設備を含めた制御棒システムのどこかに異常が発生したことを示している。運転員は、この警報の発生とともに、異常内容の把握のための調査、確認を開始する。
運転員は、制御棒操作監視主盤の液晶などの出力部に制御棒異常表示画面7aを表示する(ステップS02)。異常(i)表示データに基づく制御棒異常表示画面7a上で、異常(i)が発生している制御棒の有無を確認する(ステップS03)。全異常項目についての確認が完了したか否かを判定し(ステップS04)、完了していないと判定されたら(ステップS04 NO)、異常(i+1)表示データに基づく表示画面に切り換え(ステップS05)、ステップS03〜S05を繰り返す。
全異常項目についての確認が完了したと判定されたら(ステップS04 YES)、制御棒操作監視補助盤のCRTなどの出力部に装置異常表示画面8aを表示する(ステップS06)。装置(j)異常表示データに基づく装置異常表示画面8a上で、装置(j)異常が発生している装置の有無を確認する(ステップS07)。全装置異常項目についての確認が完了したか否かを判定し(ステップS08)、完了していないと判定されたら(ステップS08 NO)、装置(j+1)表示データに基づく表示画面に切り換え(ステップS09)、ステップS07〜S09を繰り返す。
全装置異常項目についての確認が完了したと判定されたら(ステップS08 YES)、ここまでの確認で得られた情報、すなわち、どの制御棒で、どの異常が発生しているか、関連装置のうちのどれに異常が発生しているかの確認結果に基づいて、異常原因の特定を行う(ステップS10)。
特開2014−228455号公報
制御棒操作監視システムは制御棒の駆動操作を行うことで原子炉出力を直接的に制御するシステムであることから、故障発生時の迅速な情報収集と復旧対応が求められる。また、プラント運転への復旧対応の短縮化およびシステム点検期間の最小化を図ることが望まれている。
しかしながら、通常運転中において、制御棒に関連する警報が発生した場合、制御棒監視操作画面および状態表示画面で該当の制御棒番号と現場制御装置および異常内容を確認するが、画面は項目ごとの階層化構造となっているため必要な情報を得るには画面遷移を行い、各画面を確認する必要があった。
また、制御棒監視操作画面には一画面に全制御棒の情報が表示されるため、その中から当該制御棒を特定する必要があった。さらに状態表示画面で確認した現場制御装置と当該制御棒との対応を制御棒対応表で確認する必要があり、当該制御棒に関する異常発生情報を収集し要因特定するまでに多くの時間を要していた。
そこで、本発明の実施形態は、制御棒操作監視システムにおいて、制御棒に関する警報が発生した場合、効率的に異常内容を把握可能とすることを目的とする。
上述の目的を達成するため、本実施形態は、原子炉の反応度の制御に用いる複数の制御棒および前記複数の制御棒の動作機能に関係する設備の操作および監視のための制御棒操作監視システムであって、前記複数の制御棒への駆動指令を出力し、前記複数の制御棒の情報を受け入れる複数の現場制御装置と、前記複数の現場制御装置に前記複数の制御棒の位置に関する指令信号を発し、前記複数の現場制御装置からの情報を受け入れるとともに、前記複数の制御棒の少なくとも一つに異常が発生した場合に、異常原因の特定のための表示情報データを作成し前記表示情報に基づいて異常原因特定のための画面を表示する制御棒操作監視盤と、を備え、前記制御棒操作監視盤は、前記複数の制御棒に関する最新のデータについて、前記異常原因特定のための情報が制御棒ごとに区分されたデータベースを有する記憶部と、前記データベースに基づいて画面表示データを作成する演算部と、前記演算部で作成された画面表示データに基づいて画面表示する状態表示部と、を具備することを特徴とする。
また、本実施形態は、原子炉の反応度の制御に用いる複数の制御棒および前記複数の制御棒の動作機能に関係する設備の操作および監視のための制御棒操作監視システムにおける異常時の操作監視方法であって、制御棒操作監視盤が、制御棒システムの一括警報を発生する一括警報発生ステップと、前記一括警報が発報されると、制御棒操作監視表示部が、異常が発生した制御棒を表示する制御棒操作監視画面を表示する制御棒操作画面表示ステップと、制御棒操作画面表示ステップの後に、外部の制御棒選択に応じて、状態表示部が、当該制御棒に関する詳細情報を含む制御棒情報集約画面を表示する集約画面表示ステップと、を有することを特徴とする。
本発明の実施形態によれば、制御棒操作監視システムにおいて、制御棒に関する警報が発生した場合、効率的に異常内容の把握が可能となる。
第1の実施形態に係る制御棒操作監視システムの構成を示すブロック図である。 第1の実施形態に係る制御棒操作監視システムの画面表示データの構成を示すブロック図である。 第1の実施形態に係る操作監視方法の手順を示すフロー図である。 第1の実施形態に係る御棒操作監視画面である。 第1の実施形態に係る制御棒情報集約画面である。 第2の実施形態に係る制御棒情報集約画面である。 第2の実施形態に係る発生履歴収集部および制御棒情報集約画面に履歴情報を表示した画面と、これに関連した特徴部分を示すブロック図である。 第3の実施形態に係る制御棒操作監視画面である。 第3の実施形態に係る制御棒操作監視画面の切り替わり後の画面である。 第3の実施形態に係る制御棒情報集約画面である。 第3の実施形態に係る確認手順を示すブロック図である。 第4の実施形態の特徴部分を示すブロック図である。 第5の実施形態の特徴部分を示すブロック図である。 従来の制御棒操作監視システムの画面表示データの構成を示すブロック図である。 従来の操作監視画面表示方法の手順を示すフロー図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る制御棒操作監視システムおよび操作監視画面表示方法について説明する。ここで、互いに同一または類似の部分には、共通の符号を付して、重複説明は省略する。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る制御棒操作監視システムの構成を示すブロック図である。制御棒操作監視システム100は、制御棒操作監視主盤10、制御棒操作監視補助盤20、および複数の現場制御装置30を有する。
制御棒操作監視システム100の操作監視の主たる対象となっている制御棒1は、たとえばABWRの場合は、205本設けられている。それぞれの制御棒1は、それぞれの制御棒1に対応する電動機4により駆動される。現場制御装置30は、インバータ3に駆動指令を発するとともに、それぞれの制御棒1の位置検出器2からのフィードバック信号として位置情報を、その他の制御棒情報とともに受ける。インバータ3は、電源5から電力の供給を受ける。電源5はそれぞれたとえば複数台のインバータ3に電力を供給する。
なお、制御棒1、その動作機能に関係する設備であるインバータ3、電源5等、およびこれらの操作および監視のための制御棒操作監視システム100を含めた全体のシステムを制御棒システム300と呼ぶこととする。
現場制御装置30は、演算部31および入出力部32a、32bを有する。演算部31は、制御棒1の位置制御のための演算を行う。入出力部32bは、各制御棒側との信号の授受を行う。入出力部32aは、上位の制御棒操作監視補助盤20と、信号伝送系40を介して信号の授受を行う。現場制御装置30は、通常、中央制御室外の現場に近いエリアに設置される。
制御棒操作監視補助盤20は、演算部21、記憶部22、状態表示部23、および入出力部24a、24bを有する。演算部21は、たとえば各現場制御装置30への制御棒の位置指令を演算する。また、演算部21は、状態表示部23に出力するための表示情報の作成や画像処理を行う。記憶部22は、演算部21による演算結果、制御棒1の位置検出器2からの制御棒の位置情報その他の制御棒情報、および制御棒操作監視主盤10から受けた情報を記憶する。入出力部24bは現場制御装置30との信号の授受を行う。また、入出力装置24aは制御棒操作監視主盤10との信号の授受を行う。状態表示部23は、装置異常表示画面を表示する。
制御棒操作監視主盤10は、演算部11、記憶部12、制御棒操作監視表示部13、および入出力部14を有する。演算部11は、制御棒操作監視表示部13に出力するための表示情報の作成や画像処理を行う。記憶部12は、演算部11での演算結果、外部入力、制御棒操作監視補助盤20からの情報等を記憶する。入出力部14は、制御棒操作監視補助盤20との信号の授受、外部入力の受け入れ等を行う。
なお、制御棒操作監視主盤10と制御棒操作監視補助盤20とを総称して、制御棒操作監視盤101と呼ぶこととする。
図2は、本実施形態に係る制御棒操作監視システムの画面表示データの構成を示すブロック図である。制御棒操作監視主盤10の制御棒操作監視表示部13には、制御棒操作監視画面13aが表示される。また、制御棒操作監視補助盤20の状態表示部23には、制御棒情報集約画面23aが表示される。
制御棒操作監視補助盤20の記憶部22には、データベースが収納されている。具体的なデータベースとしては、制御棒1の異常項目別の制御棒異常表示用データベース7、装置異常項目別の装置異常表示用データベース8、および制御棒操作監視用データベース22aが収納されている。
制御棒操作監視画面13aは、制御棒操作監視補助盤20の記憶部22に収納された異常表示用データベース7のデータに基づいて、演算部11が表示画面を作成し制御棒操作監視表示部13に出力し、制御棒操作監視表示部13により表示される。
また、制御棒情報集約画面23aは、同様に制御棒操作監視補助盤20の記憶部22に収納された制御棒操作監視用データベース22aに基づいて、演算部21が表示画面データを作成し状態表示部23に出力し、状態表示部23により表示される。なお、制御棒操作監視補助盤20の演算部21が作成した表示画面データは、制御棒操作監視主盤10の記憶部12にも入出力部24a(図1)および入出力部14(図1)を介して送信される。この結果、制御棒操作監視主盤10の制御棒操作監視表示部13でも、制御棒情報集約画面23aの内容を表示することができる。
制御棒操作監視用データベース22aは、ぞれぞれの制御棒1の区分を最上位とした階層構造となっている。すなわち、第1の階層は、制御棒1の区分であり、第1制御棒データないし第n制御棒データである。
第2の階層は、それぞれの制御棒1すなわち第i制御棒(i=1,・・・,n)に関する異常データ、装置データ、および関連データである。
第3の階層の1番目である異常データについては、異常(1)データないし異常(m)データである。ただし、mは、制御棒1の異常の種類の数である。第3の階層の2番目である装置データについては、装置(1)データないし装置(ik)データである。ただし、ikは、当該の第i制御棒1に関わる装置の数である。第3の階層の3番目である関連データについては、関連情報(1)ないし関連情報(iL)である。ただし、iLは、当該の第i制御棒1に関連する情報の数である。
以上示した制御棒毎に階層化された情報を、以下、制御棒集約情報と呼ぶ。
図3は、第1の実施形態に係る異常時の操作監視方法の手順を示すフロー図である。
まず、制御棒システムの一括警報が発生(ステップS01)すると、制御棒操作監視表示部13が、制御棒異常表示用データベース7のデータに基づいて、制御棒操作監視画面13aを表示する(ステップS11)。
図4は、本実施形態に係る制御棒操作監視画面である。異常発生時の制御棒操作監視画面13aは、異常項目ごとに、当該異常項目が発生している制御棒1に関する情報を表示する。図4は、異常(1)について表示した画面であり、異常表示画面211は、第i制御棒の「i」の表示をフリッカさせ、あるいは色替えしたり等により、第i制御棒に異常(1)が発生していることを示す。また、異常発生時の制御棒操作監視画面13aでは、警報表示部212に発生警報名称を表示し、制御棒表示選択部213に制御棒番号、この場合は「i」を表示する。
運転員は、発生警報名称と制御棒番号を確認した後、制御棒表示選択部213で、制御棒を選択する(ステップS12)。この場合は、第i制御棒が選択される。第i制御棒が選択されると、状態表示部23は、制御棒操作監視用データベース22aに基づいて、制御棒情報集約画面23aに、第i制御棒に関する制御棒集約情報を表示する(ステップS13)。
図5は、本実施形態に係る制御棒情報集約画面である。制御棒情報集約画面23aは、基本情報表示部220と、詳細内容表示部227を有する。基本情報表示部220は、発生警報名称表示部221、制御棒番号表示部222、制御棒座標表示部223、制御棒位置表示部224、全挿入表示部225および全引抜表示部226を有する。
運転員は、まず、基本情報表示部220の表示について、制御棒番号表示部222の表示が、制御棒操作監視画面13aの制御棒表示選択部213に表示され選択した制御棒番号と一致していることを確認し、制御棒座標表示部223に表示された制御棒座標、および制御棒位置表示部224に表示された制御棒位置を確認する(ステップS14)。
演算部21は、当該第i制御棒が全挿入位置または全引抜位置であるか否かを判定する(ステップS15)。当該第i制御棒が全挿入位置または全引抜位置であると判定された場合(ステップS15 YES)には、演算部21は、状態表示部23に強調表示するよう指令を発する(ステップS16)。すなわち、当該第i制御棒が全挿入位置の場合に、状態表示部23は、全挿入表示部225について、たとえば点滅や色替えなどの強調表示をする。また、当該第i制御棒が全引抜の場合に、状態表示部23は、全引抜表示部226について、たとえば点滅や色替えなどの強調表示をする。当該第i制御棒が全挿入位置または全引抜位置であると判定された場合(ステップS15 NO)には、指令を発しない。
制御棒情報集約画面23aの詳細内容表示部227は、制御棒操作監視用データベース22aを用いて表示される。すなわち、選択された第i制御棒について詳細を表示する異常データ表示部227a、装置データ表示部227b、および関連データ表示部227cを有し、それぞれの内容が表示される。これらの中で、発生している項目の部分について、状態表示部23は、点滅などの強調表示をする。
ここで、装置データ表示部227bで表示するのは、たとえば、当該第i制御棒に関連する現場制御装置30、電源5、制御操作監視主盤10の入出力部14あるいは制御操作監視補助盤20の入出力部32a、32bの異常の有無である。
また、関連データ表示部227cは、制御棒1の操作監視を行う上で重要な制御棒関連情報を表示する。ここで制御棒関連情報とは、例えば、制御棒の位置検出器2の動作状態、バイパス操作有無、制御弁開閉などが挙げられる。また、制御棒関連情報が、たとえばバイパス操作有りなどの所定の状態を示す場合は、図5の第i制御棒情報1の表示の右側がハッチングで色塗りされているように、点滅あるいは色塗りなどの強調表示をする。
このように、運転員は、詳細内容表示部227の表示に基づいて、第i制御棒に関連する情報を確認する(ステップS17)。運転員、保守員その他、関係者は、この詳細な情報の確認結果に基づいて、異常発生の要因の特定を行う(ステップS18)。
以上のように、本実施形態によれば、制御棒操作監視システムにおいて、制御棒に関する警報が発生した場合、異常項目ごとに要因の確認を行うことなく、まず、異常発生に関連する制御棒を特定すると、当該制御棒についての集約情報を同じ画面で確認することができ、効率的に異常内容の把握が可能となる。
[第2の実施形態]
本第2の実施形態は、第1の実施形態の変形であり、同一の異常が複数回発生した場合に、その履歴に関する情報を提供する画面を有する。そのために、制御棒操作監視補助盤20の演算部21は、発生履歴収集部21a(図7)を有する。
図6は、第2の実施形態に係る制御棒情報集約画面である。制御棒情報集約画面23aの詳細内容表示部227は、回数データ表示部227dをさらに有する。回数データ表示部227dは、当該項目の過去から現在までの発生回数を表示する。また、現在も発生している項目については、図6の詳細内容表示部227に斜線で示されているように、状態表示部23は、点滅あるいは色塗りなどの強調表示をする。
図7は、発生履歴収集部および制御棒情報集約画面に履歴情報を表示した画面と、これに関連した特徴部分を示すブロック図である。発生履歴収集部21aは、記憶部22内のデータに基づいて、異常の発生履歴情報を収集し、制御棒1ごとに区分し、状態表示部23および記憶部22に出力する。状態表示部23は、これに基づいて、発生履歴表示画面23bを表示可能となる。
図6に示す制御棒情報集約画面23a上で、回数データ表示部227dのうちのある項目を選択すると、図7に示すように、発生履歴表示画面23bに切り替わる。発生履歴表示画面23bには、詳細内容表示部227に替わって、履歴表示部228が表示される。図7は、図6の画面で、異常データ表示部227a中の異常(1)の回数を選択した場合の画面である。
履歴表示部228は、発生回ごとの発生時間および復帰時間(年月日時刻)を表示する。
それぞれの制御棒1に関する異常情報と制御棒情報については、従来は運転員が発生履歴を収集しており、故障発生時の作業負荷増大の要因となっていた。本実施形態においては、以上のように発生履歴を時系列的に確認することができ、要因特定をさらに効率よく実施することができる。
[第3の実施形態]
本実施形態は、第2の実施形態の変形である。本第3の実施形態においては、制御棒操作監視補助盤20の演算部21は、異常発生の制御棒本数をカウントする異常発生制御棒カウント部21b(図11)を有する。
同時または時間差をもって複数の制御棒1に異常が発生した場合に、制御棒操作監視補助盤20の演算部21が複数の異常の状態に基づいて、表示画面用のデータを作成し、状態表示部23が表示する。具体的な画面表示を説明する。
図8は、第3の実施形態に係る制御棒操作監視画面である。この画面には、歩進入力部231および歩進表示部232が設けられている。
歩進入力部231は、たとえばタッチ操作によるスイッチである。歩進表示部232は、X/Uの形式での表示であり、Uは、現在異常が生じている制御棒1の数を示し、Xは、歩進の数を示す。
複数の制御棒に異常が生じた場合、まず、歩進表示部231が点灯等により強調表示されるとともに、図8に示すように歩進表示部232に「1/U」と表示される。また、これに対応する制御棒1の制御棒番号が、制御棒表示選択部213に、たとえば第i制御棒であれば、「i」と表示される。ここで、第i制御棒は、異常の生じている制御棒1の中で最も番号の若い制御棒である。
ここで、画面上で、歩進入力部231をタッチする、あるいはクリックすると、異常の生じている次の制御棒1の画面に切り替わる。図9は、制御棒操作監視画面の切り替わり後の画面である。歩進表示部232には、異常の発生している2番目の制御棒1であることを示す「2/U」が表示される。また、当該制御棒の番号が(i+α)であるとすれば、制御棒表示選択部213には、当該制御棒の番号として(i+α)が表示される。
図10は、制御棒情報集約画面である。たとえば、異常の発生している2番目の制御棒である制御棒番号(i+α)の制御棒1についての画面である。このように、制御棒操作監視画面13aで順次表示される制御棒1について、制御棒情報集約画面23aを確認することができる。
図11は、第3の実施形態に係る確認手順を示すブロック図である。制御棒操作監視補助盤20の演算部21が有する異常発生制御棒カウント部21bが、異常発生の制御棒本数をカウントする。異常発生制御棒カウント部21bは、発生本数Uが、2以上であるか否かを判定する。発生本数Uが2以上であると判定された場合は、歩進入力部231では、たとえば点灯などの強調表示がなされる。2以上と判定されない場合は、歩進入力部231は、点灯せず消灯状態を維持する。
歩進入力部231で強調表示がなされた場合は、歩進入力部231を押す、あるいはタッチすることにより、歩進表示部232、詳細内容表示部227の表示が、順次、切り替わっていく。
同時または時間差をもって複数の制御棒に異常状態が発生した場合、従来は運転員が制御棒操作監視画面および状態表示画面の画面を全て確認して異常が発生している制御棒を特定しその内容を確認していた。一方、本実施形態によれば、歩進入力部231の操作により、異常が発生した制御棒1のみが順次表示されるため、複数の制御棒に異常が発生した場合において要因特定の時間を短縮することが可能となる。
[第4の実施形態]
本実施形態は、第2の実施形態の変形である。図12は、第4の実施形態の特徴部分を示すブロック図である。本実施形態においては、第2の実施形態の構成に加えて、制御棒操作監視補助盤20の演算部21は、故障発生予測部21cをさらに有する。
故障発生予測部21cは、発生履歴収集部21aにより収集、整理され、記憶部22に収納されている発生履歴情報に基づいて、判定を行う。判定は、たとえば、異常発生回数が所定の回数以上であるなどの条件を使用する。故障発生予測部21cは、判定条件を満たすと判断した場合は、状態表示部23に出力する。
状態表示部23は、故障発生予測部21cからの出力を受けた場合は、当該制御棒1についての制御棒情報集約画面23aにおいて、判定条件を満たすと判定された項目を、点灯あるいは色塗りなどの強調表示をする。
本第4の実施形態によれば、警報発生時の要因特定において、故障発生予測により、故障頻度の大きな項目が明確となり、これを優先的に調査すべき項目として要因特定の時間を短縮することができる。
また、判定条件として、たとえば「異常発生回数が所定の回数以上である」とすることにより、センサーや制御装置の一過性の異常状態による場合と、継続的な異常状態すなわち故障発生の可能性が高い場合を区別することができる。このため、調査項目の優先度を決定し要因特定の時間を短縮することが可能となる。
また、故障発生の可能性が高い項目を識別することができるため、要因特定の結果、警報発生の要因では無かった場合や故障状態まで至っていなかった場合でも、以降の通常運転において別の警報発生要因になり得る可能性が高いと判断できるため、当該項目の調査や関連する制御装置のメンテナンス等により警報発生のリスクを低減させることが可能となる。
[第5の実施形態]
図13は、第5の実施形態の特徴部分を示すブロック図である。本第5の実施形態は、第2の実施形態の変形である。本第5の実施形態においては、演算部21は、発生履歴収集部21a、故障発生予測部21cおよび比較部21dを有する。また、記憶部22は、発生履歴記憶部22bを有する。
異常発生が発生すると、その各確認・調査段階の確認・調査結果が、新規事象情報として、演算部21に送られる。発生履歴収集部21aは、異常事象の要因が解明された後の最終情報を含めて収集する。発生履歴収集部21aは、この新規事象情報を発生履歴データベース用のデータに加工して、記憶部22に出力する。記憶部22に出力されたデータは、記憶部22の発生履歴記憶部22bに、発生履歴データベースとして収納される。
比較部21dは、新規事象情報を受けるとともに、発生履歴記憶部22bに収納された発生履歴データベースの情報を読み出す。比較部21dは、新規事象情報を、発生履歴データベースの情報と順次比較、判定し、同様の性質を有する異常を摘出する。ここで、同様の性質のものとしては、たとえば、同様の警報の発報を含めた同様の事象の推移、同じ部分の異常などがある。
比較部21dは、同様の性質の異常であると判定した場合は、故障発生予測部21cに出力する。故障発生予測部21cは、状態表示部23に出力し、状態表示部23は、新規に異常が発生した当該制御棒1についての制御棒情報集約画面23aにおいて、同様の性質の異常と判定された項目を、点灯あるいは色塗りなどの強調表示をする。
本実施の形態によれば、新たに発生した履歴情報と過去の履歴情報を比較することで、過去に発生した故障と同じものを抽出することができ、より精度の高い故障発生予測を行うことができる。また、過去に発生した故障と一致していた場合は、過去の復旧対応記録を参照することができるため、要因特定の時間を短縮することが可能となる。
[その他の実施形態]
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。また、各実施形態の特徴を組み合わせてもよい。さらに、これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…制御棒、2…位置検出器、3…インバータ、4…電動機、5…電源、7…制御棒異常表示用データベース、7a…制御棒異常表示画面、8…装置異常表示用データベース、8a…装置異常表示画面、10…制御棒操作監視主盤、11…演算部、12…記憶部、13…制御棒操作監視表示部、13a…制御棒操作監視画面、14…入出力部、20…制御棒操作監視補助盤、21…演算部,21a…発生履歴収集部、21b…異常発生制御棒カウント部、21c…故障発生予測部、21d…比較部、22…記憶部、22a…制御棒操作監視用データベース、22b…発生履歴記憶部、23…状態表示部、23a…制御棒情報集約画面、23b…発生履歴表示画面、24a、24b…入出力部、30…現場制御装置、31…演算部、32a、32b…入出力部、40…信号伝送系、100…制御棒操作監視システム、101…制御棒操作監視盤、211…異常表示画面、212…警報表示部、213…制御棒表示選択部、220…基本情報表示部、221…発生警報名称表示部、222…制御棒番号表示部、223…制御棒座標表示部、224…制御棒位置表示部、225…全挿入表示部、226…全引抜表示部、227…詳細内容表示部、227a…異常データ表示部、227b…装置データ表示部、227c…関連データ表示部、227d…回数データ表示部、228…履歴表示部、231…歩進入力部、232…歩進表示部、300…制御棒システム

Claims (11)

  1. 原子炉の反応度の制御に用いる複数の制御棒および前記複数の制御棒の動作機能に関係する設備の操作および監視のための制御棒操作監視システムであって、
    前記複数の制御棒への駆動指令を出力し、前記複数の制御棒の情報を受け入れる複数の現場制御装置と、
    前記複数の現場制御装置に前記複数の制御棒の位置に関する指令信号を発し、前記複数の現場制御装置からの情報を受け入れるとともに、前記複数の制御棒の少なくとも一つに異常が発生した場合に、異常原因の特定のための表示情報データを作成し前記表示情報データに基づいて異常原因特定のための画面を表示する制御棒操作監視盤と、
    を備え、
    前記制御棒操作監視盤は、
    前記複数の制御棒に関する最新のデータについて、前記異常原因特定のための情報が制御棒ごとに区分されたデータベースを有する記憶部と、
    前記データベースに基づいて画面表示データを作成する演算部と、
    前記演算部で作成された画面表示データに基づいて画面表示する状態表示部と、
    を具備することを特徴とする制御棒操作監視システム。
  2. 前記データベースは、前記複数の制御棒のそれぞれについての詳細内容データとして、制御棒の異常項目ごとの異常データと、前記制御棒の機能に関係する装置ごとの装置データと、前記制御棒の関連情報ごとの関連データとを有し、
    前記状態表示部は、前記異常データ、前記装置データ、および前記関連データを、表示する詳細内容表示部を有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の制御棒操作監視システム。
  3. 前記データベースは、前記複数の制御棒のそれぞれについての状態の推移を異常の発生を含む履歴情報を有することを特徴とする請求項2に記載の制御棒操作監視システム。
  4. 前記制御棒操作監視盤の演算部は、前記履歴情報に基づいて、前記複数の制御棒のそれぞれについて、前記詳細内容データの項目ごとの発生回数をカウントし、
    前記詳細内容表示部は、前記詳細内容表示部に、前記詳細内容データごとの発生回数を表示する、
    ことを特徴とする請求項3に記載の制御棒操作監視システム。
  5. 前記制御棒操作監視盤の演算部は、新たな異常事象が発生したときに、当該新規事象の情報を受け入れるとともに、前記データベースから読み出した前記履歴情報と比較し、類似の異常情報を摘出し、
    前記状態表示部は、前記類似の異常情報を表示することを特徴とする請求項3または請求項4に記載の制御棒操作監視システム。
  6. 前記制御棒操作監視盤の演算部は、前記データベースから、異常が発生している異常原因特定の対象となる制御棒についての詳細内容データのみを、摘出し、
    前記状態表示部は、要求入力に従って、順次、前記対象となる制御棒についての詳細内容データを表示することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の制御棒操作監視システム。
  7. 前記制御棒操作監視盤は、いずれの制御棒に異常が生じたかを表示する表示部をさらに有することを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の制御棒操作監視システム。
  8. 前記制御棒操作監視盤は、制御棒操作監視主盤と制御棒操作監視補助盤とを有し、
    前記制御棒操作監視補助盤は、前記記憶部、演算部および状態表示部を有し、
    前記制御棒操作監視主盤は、制御棒操作監視表示部を有する、
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の制御棒操作監視システム。
  9. 前記制御棒操作監視主盤は、前記制御棒操作監視補助盤から前記異常原因の特定のための表示情報データを受け入れて、異常原因特定のための画面を表示することを特徴とする請求項8に記載の制御棒操作監視システム。
  10. 原子炉の反応度の制御に用いる複数の制御棒および前記複数の制御棒の動作機能に関係する設備の操作および監視のための制御棒操作監視システムにおける異常時の操作監視方法であって、
    制御棒操作監視盤が、制御棒システムの一括警報を発生する一括警報発生ステップと、
    前記一括警報が発報されると、制御棒操作監視表示部が、異常が発生した制御棒を表示する制御棒操作監視画面を表示する制御棒操作画面表示ステップと、
    前記制御棒操作画面表示ステップの後に、外部の制御棒選択に応じて、状態表示部が、当該制御棒に関する詳細情報を含む制御棒情報集約画面を表示する集約画面表示ステップと、
    を有することを特徴とする異常時の操作監視方法。
  11. 前記制御棒操作画面表示ステップの後に、前記制御棒操作監視盤の演算部が、制御棒位置が全挿入または全引抜か否かを判定する判定ステップと、
    前記判定ステップで、制御棒位置が全挿入または全引抜であると判定された場合に、前記状態表示部が、基本情報表示部の全挿入表示部または全引抜表示部を強調表示する強調表示ステップと、
    をさらに有することを特徴とする請求項10に記載の異常時の操作監視方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110417119A (zh) * 2019-06-18 2019-11-05 国网山东省电力公司济宁供电公司 电力系统信息安全监控装置及监控方法

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