JP2018080419A - タイヤカーカス用簾織物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】タイヤの耐久性及び操縦安定性を良好に維持しながら、タイヤの軽量化を達成することを可能にしたタイヤカーカス用簾織物の製造方法を提供する。【解決手段】繊度400dtex〜1200dtexのポリエチレンテレフタレート繊維ヤーン及び繊度500dtex〜1200dtexの芳香族ポリアミド繊維ヤーンからなり、総繊度が900dtex〜2400dtexであって撚り係数Kが2000〜2400の範囲にある複合コード20を経糸とする簾織物10を用意し、複合コード20にエポキシ処理液を付与し、乾燥後、ヒートセットゾーンにて0.15g/dtex〜0.60g/dtexの張力THSを掛けながら225℃〜255℃で熱処理を行い、次いで、複合コード20にレゾルシン・ホルマリン・ラテックス混合液を付与し、乾燥後、ノルマライズゾーンにて0.15g/dtex〜0.35g/dtexの張力TNLを掛けながら225℃〜255℃で熱処理を行い、かつTNL≦THSの関係を満足する。【選択図】図4

Description

本発明は、ポリエチレンテレフタレート繊維ヤーン及び芳香族ポリアミド繊維ヤーンからなる複合コードを経糸とするタイヤカーカス用簾織物を製造する方法に関し、更に詳しくは、タイヤの耐久性及び操縦安定性を良好に維持しながら、タイヤの軽量化を達成することを可能にしたタイヤカーカス用簾織物の製造方法に関する。
空気入りタイヤは、通常、一対のビード部間に装架されたカーカス層を備えている。このようなカーカス層の補強コードとして、ポリエステル繊維ヤーンと芳香族ポリアミド繊維ヤーンとを互いに撚り合わせた複合コードを用いることが提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。上記複合コードによれば、高強度の芳香族ポリアミド繊維ヤーンが操縦安定性の改善に寄与し、その芳香族ポリアミド繊維ヤーンに対してポリエステル繊維ヤーンを組み合わせることで良好な耐久性を確保することが可能となる。
近年、環境負荷を低減し、転がり抵抗を低減するという観点から、乗用車用の空気入りタイヤを軽量化することが強く求められている。このような技術的課題を達成するために、空気入りタイヤのカーカス層に使用される補強コードを細繊度化することが有効である。しかしながら、上述のような芳香族ポリアミド繊維を含むコードを細繊度化した場合、芳香族ポリアミド繊維のフィブリル化が顕在化し、乗用車用の空気入りタイヤにおいて必要とされる耐久性を十分に確保することが難しいのが現状である。
国際公開第2009/63913号 特開2012−30737号公報
本発明の目的は、ポリエチレンテレフタレート繊維ヤーン及び芳香族ポリアミド繊維ヤーンからなる複合コードを経糸とするタイヤカーカス用簾織物を製造するにあたって、タイヤの耐久性及び操縦安定性を良好に維持しながら、タイヤの軽量化を達成することを可能にしたタイヤカーカス用簾織物の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明のタイヤカーカス用簾織物の製造方法は、繊度400dtex〜1200dtexのポリエチレンテレフタレート繊維ヤーン及び繊度500dtex〜1200dtexの芳香族ポリアミド繊維ヤーンからなり、総繊度が900dtex〜2400dtexであって下記(1)式で表される撚り係数Kが2000〜2400の範囲にある複合コードを経糸とする簾織物を用意し、
前記複合コードにエポキシ処理液を付与し、該複合コードをドライゾーンにて乾燥させた後、該複合コードに対してヒートセットゾーンにて0.15g/dtex〜0.60g/dtexの張力THSを掛けながら225℃〜255℃の温度範囲で熱処理を行い、
次いで、前記複合コードにレゾルシン・ホルマリン・ラテックス混合液を付与し、該複合コードをドライゾーンにて乾燥させた後、該複合コードに対してノルマライズゾーンにて0.15g/dtex〜0.35g/dtexの張力TNLを掛けながら225℃〜255℃の温度範囲で熱処理を行い、かつ前記ヒートセットゾーンでの張力THSと前記ノルマライズゾーンでの張力TNLをTNL≦THSの関係にすることを特徴とするものである。
K=T√D ・・・(1)
但し、T:コードの上撚り数(回/10cm)
D:コードの総繊度(dtex)
本発明者は、ポリエチレンテレフタレート繊維ヤーン及び芳香族ポリアミド繊維ヤーンからなる複合コードを細繊度化するにあたって、ディップ処理時の張力を下げることで複合コードの耐疲労性が改善される一方で、ディップ処理時の張力を下げ過ぎると複合コードの剛性が低下し、タイヤの操縦安定性が低下することを知見し、そのディップ処理条件について鋭意研究した結果、本発明に至ったのである。
即ち、本発明では、タイヤカーカス用簾織物を製造するにあたって、細繊度化されたポリエチレンテレフタレート繊維ヤーン及び芳香族ポリアミド繊維ヤーンからなる複合コードを経糸とする簾織物を用意し、その複合コードにエポキシ処理液を付与した後、該複合コードに対してヒートセットゾーンにて所定の張力THSを掛けながら所定の温度範囲で熱処理を行い、次いで、複合コードにレゾルシン・ホルマリン・ラテックス混合液を付与した後、該複合コードに対してノルマライズゾーンにて所定の張力TNLを掛けながら所定の温度範囲で熱処理を行うことにより、タイヤの耐久性及び操縦安定性を良好に維持しながら、タイヤの軽量化を達成することが可能になる。
本発明において、ヒートセットゾーンでの張力THSが0.15g/dtex〜0.38g/dtexであり、ノルマライズゾーンでの張力TNLが0.15g/dtex〜0.26g/dtexであることが好ましい。これにより、上記複合コードの耐疲労性を効果的に改善することができる。
また、複合コードは3本撚り構造を有し、ポリエチレンテレフタレート繊維ヤーンが1本の下撚り糸を構成し、芳香族ポリアミド繊維ヤーンが2本の下撚り糸を構成することが好ましい。このような撚り構造を有する複合コードにおいて顕著な作用効果を期待することができる。
本発明で得られるタイヤカーカス用簾織物をカーカス層に用いた空気入りタイヤの一例を示す子午線断面図である。 本発明で得られるタイヤカーカス用簾織物を示す平面図である。 本発明で得られるタイヤカーカス用簾織物を構成する複合コードを示す断面図である。 本発明に係るタイヤカーカス用簾織物の製造装置を概略的に示す側面図である。 ヒートセット張力THSとノルマライズ張力TNLとの関係を示す図である。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明で得られるタイヤカーカス用簾織物をカーカス層に用いた空気入りタイヤを示し、図2はタイヤカーカス用簾織物を示し、図3はタイヤカーカス用簾織物を構成する複合コードを示すものである。
図1に示すように、本実施形態の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部1と、トレッド部1の両側に配置された一対のサイドウォール部2と、サイドウォール部2のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部3とを備えている。
一対のビード部3,3間にはタイヤ径方向に延びる複数本のカーカスコードを含むカーカス層4が装架されている。各ビード部3には、環状のビードコア5が埋設されており、そのビードコア5の外周上に断面三角形状のゴム組成物からなるビードフィラー6が配置されている。
一方、トレッド部1におけるカーカス層4の外周側には、複数層のベルト層7がタイヤ全周にわたって埋設されている。これらベルト層7は、タイヤ周方向に対して傾斜する複数本の補強コードを含み、かつ層間で補強コードが互いに交差するように配置されている。ベルト層7において、補強コードのタイヤ周方向に対する傾斜角度は例えば10°〜40°の範囲に設定されている。ベルト層7の補強コードとしては、例えばスチールコードが好ましく使用される。
ベルト層7の外周側には、高速耐久性の向上を目的として、補強コードをタイヤ周方向に対して5°以下の角度で配列してなる少なくとも1層のベルト補強層8が配置されている。ベルト補強層8は少なくとも1本の補強コードを引き揃えてゴム被覆してなるストリップ材をタイヤ周方向に連続的に巻回したジョイントレス構造とすることが望ましい。ベルト補強層8の補強コードとしては、ナイロンやアラミド等の有機繊維コードが好ましく使用される。
上述した空気入りタイヤを構成するカーカス層4には、図2に示すようなタイヤカーカス用簾織物10が使用されている。タイヤカーカス用簾織物10は、複数本の経糸11と、これら経糸11を互いに結束する複数本の緯糸12とから構成されている。経糸11はタイヤ径方向に配向するカーカスコードに相当するものである。
タイヤカーカス用簾織物10において、経糸1としては、図3に示すような複合コード20が使用されている。複合コード20はポリエチレンテレフタレート繊維ヤーンからなる少なくとも1本の下撚り糸21と芳香族ポリアミド繊維ヤーンからなる少なくとも1本の下撚り糸22とを互いに撚り合わせた構造を有している。特に、複合コード20は3本撚り構造を有し、ポリエチレンテレフタレート繊維ヤーンが1本の下撚り糸21を構成し、芳香族ポリアミド繊維ヤーンが2本の下撚り糸22を構成するものであると良い。下撚り糸21,22の各々には一方向の撚りが付与され、複合コード20には下撚り糸21,22とは逆方向の撚りが付与されている。
複合コード20を構成するポリエチレンテレフタレート繊維ヤーンの繊度は400dtex〜1200dtexの範囲に設定され、複合コード20を構成する芳香族ポリアミド繊維ヤーンの繊度は500dtex〜1200dtexの範囲に設定され、複合コード20の総繊度は900dtex〜2400dtexの範囲に設定されている。このような繊度を選択することにより、複合コード20を細繊度化してタイヤの軽量化を可能にすると共に、タイヤの耐久性及び操縦安定性を良好に維持することができる。ここで、ポリエチレンテレフタレート繊維ヤーンの繊度が400dtex未満であると耐疲労性が低下して耐久性が不十分になり、逆に1200dtex超であると操縦安定性が不十分になる。また、芳香族ポリアミド繊維ヤーンの繊度が500dtex未満であると操縦安定性が不十分になり、逆に1200dtex超であると耐疲労性が低下して耐久性が不十分になる。
複合コード20において、下記(1)式で表される撚り係数Kが2000〜2400の範囲に設定されている。
K=T√D ・・・(1)
但し、T:コードの上撚り数(回/10cm)
D:コードの総繊度(dtex)
このような撚り係数Kを選択することにより、耐疲労性と操縦安定性を十分に確保することができる。ここで、撚り係数Kが2000未満であると耐疲労性が低下して耐久性が悪化し、逆に2400超であると剛性が低下して操縦安定性が不十分になる。なお、複合コード20の上撚り数は53回/10cm〜63回/10cmとすれば良い。
図4は本発明に係るタイヤカーカス用簾織物の製造装置を概略的に示すものである。図4に示すように、上述のような繊度及び撚り係数Kを有していて接着処理が施されていない状態にある簾織物10はレットオフドラム31から巻き解かれ、複数本のガイドローラ32により案内された後、ワインドアップドラム33により巻き取られるようになっている。簾織物10の移動経路には、第1ディップ槽34、第1加熱槽35、第2ディップ槽36、第2加熱槽36が順次配設されている。第1加熱槽35には、前段の第1ドライゾーンDR1と後段のヒートセットゾーンHSとが形成されている。第2加熱槽36には、前段の第2ドライゾーンDR2と後段のノルマライズゾーンNLが形成されている。
第1ディップ槽34には、エポキシ処理液が貯留されている。複合コード20が第1ディップ槽34内を通過する際に、複合コード20に対してエポキシ処理液が付与される。第1ドライゾーンDR1は、例えば100℃〜150℃の温度範囲に設定されている。複合コード20が第1ドライゾーンDR1を通過する際に、複合コード20に付着したエポキシ化合物が乾燥するようになっている。
ヒートセットゾーンHSでは、複合コード20に対して0.15g/dtex〜0.60g/dtexの張力THSを掛けながら225℃〜255℃の温度範囲で熱処理が行われる。ヒートセットゾーンHSにおける張力THSを0.15g/dtex〜0.60g/dtexとするのは、複合コード20の耐疲労性及び剛性を確保するためである。張力THSが0.15g/dtex未満であると剛性低下による操縦安定性の悪化を引き起こし、逆に0.60g/dtex超であると熱処理により複合コード20が引き伸ばされた状態でセットされるため耐疲労性が低下する。特に、ヒートセットゾーンHSでの張力THSは0.15g/dtex〜0.38g/dtexの範囲にあると良い。一方、ヒートセットゾーンHSにおける熱処理温度を225℃〜255℃とするのは、エポキシ化合物と複合コード20との反応を促すためである。熱処理温度が225℃未満であるとエポキシ化合物の反応が進行せず接着性が低下し、延いては、タイヤ走行時にセパレーションが生じ易くなり、タイヤの耐久性が低下する。逆に、熱処理温度が255℃超である場合、複合コード20が過度に加熱されることに起因して接着性が低下する。また、ヒートセットゾーンHSにおける熱処理時間は50秒〜100秒とすれば良い。
第2ディップ槽36には、レゾルシン・ホルマリン・ラテックス(RFL)混合液が貯留されている。エポキシ処理された複合コード20が第2ディップ槽36内を通過する際に、複合コード20に対してRFL混合液が付与される。第2ドライゾーンDR2は、例えば100℃〜150℃の温度範囲に設定されている。複合コード20が第2ドライゾーンDR2を通過する際に、複合コード20に付着したRFLが乾燥するようになっている。
ノルマライズゾーンNLでは、複合コード20に対して0.15g/dtex〜0.35g/dtexの張力TNLを掛けながら225℃〜255℃の温度範囲で熱処理が行われる。ノルマライズゾーンNLにおける張力TNLを0.15g/dtex〜0.35g/dtexとするのは、複合コード20の耐疲労性及び剛性を確保するためである。張力TNLが0.15g/dtex未満であると剛性低下による操縦安定性の悪化を引き起こし、逆に0.35g/dtex超であると熱処理により複合コード20が引き伸ばされた状態でセットされるため耐疲労性が低下する。特に、ノルマライズゾーンNLにおける張力TNLは0.15g/dtex〜0.26g/dtexの範囲にあると良い。また、ヒートセットゾーンHSでの張力THSとノルマライズゾーンNLでの張力TNLはTNL≦THSの関係を満足することが必要である。ノルマライズゾーンNLでの張力TNLがヒートセットゾーンHSでの張力THSよりも大きい場合、耐疲労性が低下する。一方、ノルマライズゾーンNLにおける熱処理温度を225℃〜255℃とするのは、RFLとエポキシ化合物との反応を促すためである。熱処理温度が225℃未満であるとRFLの反応が進行せず接着性が低下し、延いては、タイヤ走行時にセパレーションが生じ易くなり、タイヤの耐久性が低下する。逆に、熱処理温度が255℃超である場合、複合コード20が過度に加熱されることに起因して接着性が低下する。また、ノルマライズゾーンNLにおける熱処理時間は50秒〜100秒とすれば良い。
上述のようにタイヤカーカス用簾織物10を製造するにあたって、細繊度化されたポリエチレンテレフタレート繊維ヤーン及び芳香族ポリアミド繊維ヤーンからなる複合コード20を経糸とする簾織物10を用意し、その複合コード20にエポキシ処理液を付与した後、該複合コード20に対してヒートセットゾーンHSにて所定の張力THSを掛けながら所定の温度範囲で熱処理を行い、次いで、複合コード20にレゾルシン・ホルマリン・ラテックス混合液を付与した後、複合コード20に対してノルマライズゾーンNLにて所定の張力TNLを掛けながら所定の温度範囲で熱処理を行うことにより、タイヤの耐久性及び操縦安定性を良好に維持しながら、タイヤの軽量化を達成することができる。
タイヤサイズ205/55R16 91Vの空気入りタイヤにおいて、それに使用されるタイヤカーカス用簾織物の製造条件を表1及び表2のように設定した従来例、比較例1〜6及び実施例1〜8のタイヤを製作した。
従来例においては、タイヤカーカス用簾織物の経糸として、ポリエチレンテレフタレート繊維ヤーンからなる2本の下撚り糸を撚り合わせてなるPETコード(1670dtex/2)を使用した。一方、比較例1〜6及び実施例1〜8においては、タイヤカーカス用簾織物の経糸として、ポリエチレンテレフタレート繊維ヤーンからなる1本の下撚り糸と芳香族ポリアミド繊維ヤーンからなる2本の下撚り糸を撚り合わせてなる複合コード(アラミド440dtex/2+PET560dtex/1)を使用した。
これら試験タイヤについて、下記の評価方法により、タイヤ質量、操縦安定性、荷重耐久性を評価し、その結果を表1及び表2に併せて示した。
タイヤ質量:
各試験タイヤの質量を計測した。評価結果は、従来例を100とする指数にて示した。この指数値が小さいほど軽量であることを意味する。
操縦安定性:
各試験タイヤをリムサイズ16×6 1/2Jのホイールに組み付けて試験車両に装着し、空気圧を230kPaに設定し、高速走行時の操縦安定性についてテストコースにてテストドライバーによる官能評価を行った。評価結果は、従来例を基準値とする5点法により評価した。この指数値が大きいほど操縦安定性が優れていることを意味する。
荷重耐久性:
各試験タイヤをリムサイズ16×6 1/2Jのホイールに組み付け、空気圧を260kPaに設定し、JIS−D4230の耐久性能試験に準拠し、表面が平滑な鋼製で直径1707mmのドラムを備えたドラム試験機を用い、周辺温度を38±3℃に制御し、走行速度を81km/hとし、負荷荷重をJATMA規定の最大荷重の85%から4時間ごとに最大荷重の15%ずつ増加させながらタイヤが破壊するまでの走行距離を測定した。但し、最終荷重は最大荷重の280%とし、その荷重条件のまま故障を生じるまで走行を続けた。評価結果は、従来例を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど荷重耐久性が優れていることを意味する。
Figure 2018080419
Figure 2018080419
表1及び表2から判るように、実施例1〜8のタイヤは、基準となる従来例との対比において軽量化が達成されており、しかも荷重耐久性及び操縦安定性がいずれも良好に維持されていた。
一方、比較例1のタイヤは、軽量化が達成されるものの、ヒートセット張力THSが大き過ぎるため荷重耐久性が低下していた。比較例2のタイヤは、軽量化が達成されるものの、ヒートセット張力THSがノルマライズ張力TNLよりも小さいため荷重耐久性が低下していた。比較例3のタイヤでは、軽量化が達成されるものの、ノルマライズ張力TNLが大き過ぎるため荷重耐久性が低下していた。比較例4のタイヤでは、軽量化が達成されるものの、ノルマライズ張力TNLが小さ過ぎるため操縦安定性が低下していた。比較例5のタイヤでは、軽量化が達成されるものの、撚り係数が大き過ぎるため操縦安定性が低下していた。比較例6のタイヤでは、軽量化が達成されるものの、撚り係数が小さ過ぎるため荷重耐久性が低下していた。
ここで、比較例1〜4及び実施例1〜8について、ヒートセット張力THSとノルマライズ張力TNLとの関係をプロットすると図5のようになる。この図5から判るように、THS=0.15g/dtex〜0.60g/dtex、TNL=0.15g/dtex〜0.35g/dtex、TNL≦THSの範囲に含まれる実施例1〜8では良好な結果が得られる一方で、上記範囲から外れた比較例1〜4では荷重耐久性及び操縦安定性の少なくとも一方が悪化していた。
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 ベルト補強層
10 タイヤカーカス用簾織物
11 経糸
12 緯糸
20 複合コード
21 ポリエチレンテレフタレート繊維ヤーンの下撚り糸
22 芳香族ポリアミド繊維ヤーンの下撚り糸
31 レットオフドラム
32 ガイドローラ
33 ワインドアップドラム
34 第1ディップ槽
35 第1加熱槽
36 第2ディップ槽
37 第2加熱槽

Claims (3)

  1. 繊度400dtex〜1200dtexのポリエチレンテレフタレート繊維ヤーン及び繊度500dtex〜1200dtexの芳香族ポリアミド繊維ヤーンからなり、総繊度が900dtex〜2400dtexであって下記(1)式で表される撚り係数Kが2000〜2400の範囲にある複合コードを経糸とする簾織物を用意し、
    前記複合コードにエポキシ処理液を付与し、該複合コードをドライゾーンにて乾燥させた後、該複合コードに対してヒートセットゾーンにて0.15g/dtex〜0.60g/dtexの張力THSを掛けながら225℃〜255℃の温度範囲で熱処理を行い、
    次いで、前記複合コードにレゾルシン・ホルマリン・ラテックス混合液を付与し、該複合コードをドライゾーンにて乾燥させた後、該複合コードに対してノルマライズゾーンにて0.15g/dtex〜0.35g/dtexの張力TNLを掛けながら225℃〜255℃の温度範囲で熱処理を行い、かつ前記ヒートセットゾーンでの張力THSと前記ノルマライズゾーンでの張力TNLをTNL≦THSの関係にすることを特徴とするタイヤカーカス用簾織物の製造方法。
    K=T√D ・・・(1)
    但し、T:コードの上撚り数(回/10cm)
    D:コードの総繊度(dtex)
  2. 前記ヒートセットゾーンでの張力THSが0.15g/dtex〜0.38g/dtexであり、前記ノルマライズゾーンでの張力TNLが0.15g/dtex〜0.26g/dtexであることを特徴とする請求項1に記載のタイヤカーカス用簾織物の製造方法。
  3. 前記複合コードは3本撚り構造を有し、前記ポリエチレンテレフタレート繊維ヤーンが1本の下撚り糸を構成し、前記芳香族ポリアミド繊維ヤーンが2本の下撚り糸を構成することを特徴とする請求項1又は2に記載のタイヤカーカス用簾織物の製造方法。
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