JP2018079308A - リハビリテーション支援装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】リハビリテーションの対象となる部位の、リハビリテーション運動を評価するための評価基準を設定する対象部位評価設定手段32と、リハビリテーション運動を検知して、リハビリテーションの対象となる部位の動きの量、動きの方向もしくは動きの速さを測定する動作検出手段34と、上記評価基準と比較して、検出したリハビリテーション運動を評価する動作評価手段36と、動作評価手段36による達成度56に対応して,画像の内容や画質を変化させる画像処理手段42を備えた。
【選択図】 図1
Description
思い通りに動かなくなった上肢や下肢などの身体に対して、機能回復のために根気よく一定の運動を繰り返すリハビリテーションの動作は、当事者のモチベーションを維持することが難しい。また、動作に苦痛を伴うこともある。そのため、リハビリテーションが敬遠されて回復が遅れることもある。本発明は以上の点に着目してなされたもので、利用者のモチベーションを高め、利用者の能動的な取り組みを促して、身体の早期機能回復を図ることができるリハビリテーション支援装置を提供する。
以下の(a)〜(d)の手段を備えたことを特徴とするリハビリテーション支援装置。
(a) リハビリテーションの対象となる部位の、リハビリテーション運動を評価するための評価基準を設定する対象部位評価設定手段
(b) リハビリテーション運動を検知して、リハビリテーションの対象となる部位の動きの量、動きの方向もしくは動きの速さを測定する動作検出手段
(c) 上記の評価基準と比較して、検出したリハビリテーション運動を評価して、そのリハビリテーション運動の達成度を求める動作評価手段
(d) 画像を複数のパーツ画像に区分して、上記リハビリテーション運動の達成度に応じて画像表示装置に表示するパーツ画像を追加もしくは変更し、パーツ画像はリハビリテーション運動の達成度に応じて態様を変化させて画面を更新する画像処理手段
上記のリハビリテーション運動が複数のセット繰り返されるとき、上記動作評価手段が1セット毎にリハビリテーション運動の達成度を求めて、上記画像処理手段は、上記達成度に応じて態様を変化させたパーツ画像を生成して、このパーツ画像を表示画像に追加しもしくは既に表示した画像の一部のパーツを置き換えることを特徴とする構成1に記載のリハビリテーション支援装置。
上記の画像処理手段は、リハビリテーション運動の達成度に応じたパーツ画像を追加して、画像の追加が完了した後に、リハビリテーション運動の達成度に応じて画像の態様を変化させることを特徴とする構成1に記載のリハビリテーション支援装置。
上記の対象部位評価設定手段は、リハビリテーションの対象となる部位の、上記評価対象として繰り返される一定の動きの、最大移動可能距離または最大運動量を、動作を開始する前の準備処理で評価基準に設定し、上記動作評価手段は、この上記評価基準を100%として、動作検出手段により計測した該当部位の移動距離または運動量の評価基準に対する割合から達成度を求めることを特徴とする構成1に記載のリハビリテーション支援装置。
上記の対象部位評価設定手段は、動作評価を開始する前の準備処理で利用者自身の上記評価対象として繰り返される一定の動きを検出することによって、リハビリテーション運動の評価基準を設定することを特徴とする構成1に記載のリハビリテーション支援装置。
上記の動作検出手段は、利用者が手を使用して表示画像上を移動する動作を繰り返すような上肢の動きを検知することを特徴とする構成1乃至5のいずれかに記載のリハビリテーション支援装置。
上記の動作検出手段は、利用者による椅子の立ち座りまたは膝の屈伸などの身体の上下運動を繰り返す運動を検知することを特徴とする構成1乃至5のいずれかに記載のリハビリテーション支援装置。
上記の動作検出手段は、空気を吹き出すエアポンプまたは呼気を吹き込む呼気センサからの空気の圧力、量、音または温度を検出するセンサを備え、この空気の圧力、量、音または温度の変化が一定値以上の場合に、画像の所定の変化を要求するように制御することを特徴とする構成1乃至5のいずれかに記載のリハビリテーション支援装置。
上記の動作検出手段は、構成6乃至8に記載のいずれかの機能を任意に組み合わせたものであって、複数の部位のリハビリテーションを同時に行う構成1乃至5のいずれかに記載のリハビリテーション支援装置。
上記の画像はアート画像であって、利用者が希望するアート画像を選択させる手段を備え、上記画像処理手段はそのアート画像を更新する処理を実行することを特徴とする構成1乃至5のいずれかに記載のリハビリテーション支援装置。
コンピュータを、構成1乃至10のいずれかに記載の各手段として機能させるリハビリテーション支援プログラム。
<構成12>
構成11に記載のコンピュータプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
質の高いリハビリテーション運動を繰り返すことにより、表示されるパーツ画像の態様が変化するので、利用者は機械的なリハビリテーション運動を楽しんで続けることができる。リハビリテーションの達成度がアート画像の出来栄えとしてフィードバックされて、利用者が認識できる。これが継続的なリハビリテーションに対するモチベーションに繋がる。
<構成2の効果>
何回かのリハビリテーション運動の1セット毎に達成度に応じた画像が表示されていき、完成画像にはセット毎の達成度が明確に現れるので,全セットで目標を達成して満足な完成画像を得たいとする意欲を高められる。
<構成3の効果>
一定回数のリハビリテーション運動で質の低い全体画像を提示することで、より質の高い画像を完成させたいと感じて、リハビリテーション運動を継続するモチベーションとなる。
<構成2〜3の効果>
分割したパーツが順番に追加されていくことで、リハビリテーション運動の進捗を利用者が直感的に理解できる。
リハビリテーションの対象となる部位の移動距離や運動量を、予め設定した評価基準と比較して達成度を求めるので、動作に対する評価を利用者が理解し易い。
<構成5の効果>
リハビリテーション運動の目標を、利用者自身が簡単な動作によって自動的に設定できる。
<構成6〜9の効果>
呼吸機能や把握動作のリハビリテーション運動も、手足の運動と同様にして検出して評価できる。上肢と下肢など複数の部位のリハビリテーションを組み合わせて同時に行うこともできる。
<構成10の効果>
表示するアート画像を利用者自身が選択できることで、好みのアート画像を自ら創作しているような感覚になり、より質の高い状態で完成させたいと感じて、リハビリテーション運動に対するモチベーションを高める。
まず、この図の概略説明をしてから、リハビリテーション運動とこの動作をコンピュータで検出して解析し、アート画像を変化させる動作を説明する。この図には、利用者23が肩関節の回旋及び肘の曲げ伸ばしによる上肢の運動をするところを示している。図の例では、利用者23は、左手にタオル24を掴んで、テーブル22の上面を拭くような運動をする。パーソナルコンピュータ14は、カメラ18を通じて利用者23の運動を観察して、その評価を演算処理するコンピュータである。
パーソナルコンピュータ14はこの解析処理のために、記憶装置28に必要なデータを記憶し演算処理装置30によって演算処理を実行する。記憶装置28に記憶された主要なデータは、部位を選択する画面44、操作方法を説明する画面46、評価基準を設定する画面48、最大移動可能距離50、対象となる部位52、計測した移動距離54、達成度56、画像パーツライブラリ57等である。データの具体例は後で説明する。
図2〜図4は、上肢のリハビリテーション運動支援のための表示画面説明図である。図2(a)は起動画面、図2(b)は部位を選択する画面44、図3(a)は作成するアート画像の選択画面、図3(b)は選択されたアート画像で完成状態のもの、図4(a)と(b)は操作方法を説明する画面46、図5〜7は、評価基準を設定する画面48の具体例説明図である。
これらの図面の最上段には、3種類の評価基準が表示されている。目標とする移動距離は図4(a)に示したとおりである。検出された利用者のリハビリテーション運動が、この目標移動距離の69パーセント以下の動きと判定された場合には、評価をCランクとする。また、目標とする移動距離の70パーセントから89パーセントの間の動きと判定された場合には、評価がBランクとする。そして、目標とする移動距離の90パーセント以上の動きと判定された場合には、評価がAランクとする。
図8(a)の例では、2セット目と5セット目の評価がAランクでその部分のパーツ58−2と58−5だけ鮮明な画像が表示されている。3セット目の評価はBランクでその部分のパーツ58−3は細かいモザイク画像とされている。1セット目と4セット目の評価はCランクでその部分のパーツ58−1と58−4は粗いモザイク画像になっている。また、図8(b)の例では、2セット目と4セット目の評価がAランクでその部分のパーツ58−2と58−4だけ鮮明な画像が表示されている。3セット目の58−3の評価はCランクだから鉛筆画で表示されている。1セット目と5セット目のパーツ58−1と58−5との評価はBランクだから水墨画が表示されている。なおカラー画像については出願図面では表現できないので例示を省略した。
例えば、図8(a)で例示した画像は、この図に示すような処理の結果により表示される。一番左には、最大移動可能距離50の達成度を棒グラフの高さで示した。この例は、1セットを10回とし、50回で5セットとしたもので、各セットの達成度をそれぞれ棒グラフで示した。1セット目に計測した移動距離の平均値54は最大移動可能距離50の62%で評価はCランク、2セット目の計測した移動距離の平均値54は最大移動可能距離50の95%で評価はAランク、3セット目の計測した移動距離の平均値54は最大移動可能距離50の76%で評価はBランク、4セット目の計測した移動距離の平均値54は最大移動可能距離50の68%で評価はCランク、5セット目の計測した移動距離の平均値54は最大移動可能距離50の95%で評価はAランクである。
ここで図1に示した演算処理装置の各モジュールの機能をより詳細に説明する。例えば、上肢の筋力強化や関節可動域改善を目的とするリハビリテーション運動として図1の例でサンディング動作を説明した。この動作は、タオル24に手を乗せて机上を拭く動作を行って、上肢を屈曲したり伸展したりする運動である。手に持つタオル24にマーカー26を取り付けておき、コンピュータのカメラ18で移動するマーカー26を撮影する。
コンピュータには、予め、リハビリテーションの対象が上肢であるという条件と、目標とする最大移動可能距離50とを記憶装置28に記憶しておく。対象部位評価設定手段32(図1)は、リハビリテーションの対象となる部位52の最大移動可能距離50を100%として評価基準に設定する。そして、最大移動可能距離50(図9)に対する計測した移動距離54の達成割合を算出して、これを達成度56とする。
動作検出手段34を2種類表示した。左側は、掌で掴むと空気を吹き出すエアポンプ74と、そのエアポンプ74の吹き出す空気の圧力や量や音あるいは温度を検出するセンサ76を備えたものである。圧力は圧力センサで検出できる。量はファン等を回転させて検出できる。気流により振動するリードの発生音をマイクで検出してもよい。また、空気が流れて温度が下がったときこれを温度センサで検出できる。
リハビリテーション運動には、椅子84を使って立ち座りをするものもあるが、例えば、これは利用者が身につける携帯端末に内蔵されたジャイロセンサ等で検出できる。また、マイクロソフト社の開発したインタフェース(Kinect)等も利用できる。こうしたセンサは、膝の屈伸動作や腹筋背筋の動作を採り入れた高齢者のロコモーショントレーニングプログラム等に利用できる。
以上説明したとおり、利用者が質の高いリハビリテーション運動を繰り返すことにより次第にアート画像の内容や画質が変化していくので、利用者は機械的なリハビリテーション運動を楽しんで続けることができる。また、リハビリテーションの達成度がアート画像の出来映えとしてフィードバックされることにより、継続的なリハビリテーションに対するモチベーションに繋がる。さらに、上記のリハビリテーション支援装置は、発生した障害に対する機能回復のみならず、加齢により機能が低下する部位の機能維持や回復のための運動にも利用することができる。
(1)何回かのまとまったリハビリテーション運動がトリガになって、表示されているアート画像の内容や画質を運動内容の達成度に応じて変化させることによって、利用者23のモチベーションを高める。
(2)トリガが入力したときには、画像の一部にパーツを追加し、あるいは一部のパーツを置き換えることによって、画像の完成度を高めていく。
(3)あるいは、トリガが入力するたびに画像全体を置き換えることによって、明度、彩度、色相あるいは解像度を一挙に変更することもできる。
(4)暗い画像から適正な明るさの画像に明度を変更することによって画質を変化させることができる。
(5)コントラストの低い画像からコントラストを高めて画質を変化させることができる。
(6)白黒あるいはグレーの色調の画像から鮮やかな色彩を施した画像に変更することによって画質を変化させることができる。
(7)画素の粗い画像から順次精細な画像に置き換えることによって画質を変化させることができる。
(8)画面を車窓のように変化させてもよい。
(9)出来栄えが予測できないような抽象画であっても構わない。
(10)アート画像が静止画か動画かを選択することもできる。
(11)上記の実施例のように、完成画像をパーツ毎に区切ってセット毎に画質を変えると、リハビリテーション運動が次第に改善されていく過程を確認することができる。
14 パーソナルコンピュータ
16 プリンタ
18 カメラ
20 プロジェクタ
22 テーブル
23 利用者
24 タオル
26 マーカー
28 記憶装置
30 演算処理装置
32 対象部位評価設定手段
34 動作検出手段
36 動作評価手段
42 画像処理手段
44 部位を選択する画面
46 操作方法を説明する画面
48 評価基準を設定する画面
50 最大移動可能距離
52 対象となる部位
54 計測した移動距離
56 達成度
57 画像パーツライブラリ
58 パーツ
60 表示すべき画像
62 追加パーツ
72 手
73 口
74 エアポンプ
76 センサ
77 呼気検出器
84 椅子
88 海中の画像
90 海面上の画像
94 ヘッドマウントディスプレイ
Claims (12)
- 以下の(a)〜(d)の手段を備えたことを特徴とするリハビリテーション支援装置。
(a) リハビリテーションの対象となる部位の、リハビリテーション運動を評価するための評価基準を設定する対象部位評価設定手段
(b) リハビリテーション運動を検知して、リハビリテーションの対象となる部位の動きの量、動きの方向もしくは動きの速さを測定する動作検出手段
(c) 上記の評価基準と比較して、検出したリハビリテーション運動を評価して、そのリハビリテーション運動の達成度を求める動作評価手段
(d) 画像を複数のパーツ画像に区分して、上記リハビリテーション運動の達成度に応じて画像表示装置に表示するパーツ画像を追加もしくは変更し、パーツ画像はリハビリテーション運動の達成度に応じて態様を変化させて画面を更新する画像処理手段 - 上記のリハビリテーション運動が複数のセット繰り返されるとき、上記動作評価手段が1セット毎にリハビリテーション運動の達成度を求めて、上記画像処理手段は、上記達成度に応じて態様を変化させたパーツ画像を生成して、このパーツ画像を表示画像に追加しもしくは既に表示した画像の一部のパーツを置き換えることを特徴とする請求項1に記載のリハビリテーション支援装置。
- 上記の画像処理手段は、リハビリテーション運動の達成度に応じたパーツ画像を追加して、画像の追加が完了した後に、リハビリテーション運動の達成度に応じて画像の態様を変化させることを特徴とする請求項1に記載のリハビリテーション支援装置。
- 上記の対象部位評価設定手段は、リハビリテーションの対象となる部位の、上記評価対象として繰り返される一定の動きの、最大移動可能距離または最大運動量を、動作を開始する前の準備処理で評価基準に設定し、上記動作評価手段は、この上記評価基準を100%として、動作検出手段により計測した該当部位の移動距離または運動量の評価基準に対する割合から達成度を求めることを特徴とする請求項1に記載のリハビリテーション支援装置。
- 上記の対象部位評価設定手段は、動作評価を開始する前の準備処理で利用者自身の上記評価対象として繰り返される一定の動きを検出することによって、リハビリテーション運動の評価基準を設定することを特徴とする請求項1に記載のリハビリテーション支援装置。
- 上記の動作検出手段は、利用者が手を使用して表示画像上を移動する動作を繰り返すような上肢の動きを検知することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のリハビリテーション支援装置。
- 上記の動作検出手段は、利用者による椅子の立ち座りまたは膝の屈伸などの身体の上下運動を繰り返す運動を検知することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のリハビリテーション支援装置。
- 上記の動作検出手段は、空気を吹き出すエアポンプまたは呼気を吹き込む呼気センサからの空気の圧力、量、音または温度を検出するセンサを備え、この空気の圧力、量、音または温度の変化が一定値以上の場合に、画像の所定の変化を要求するように制御することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のリハビリテーション支援装置。
- 上記の動作検出手段は、請求項6乃至8に記載のいずれかの機能を任意に組み合わせたものであって、複数の部位のリハビリテーションを同時に行う請求項1乃至5のいずれかに記載のリハビリテーション支援装置。
- 上記の画像はアート画像であって、利用者が希望するアート画像を選択させる手段を備え、上記画像処理手段はそのアート画像を更新する処理を実行することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のリハビリテーション支援装置。
- コンピュータを、請求項1乃至10のいずれかに記載の各手段として機能させるリハビリテーション支援プログラム。
- 請求項11に記載のコンピュータプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
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