JP2018077543A - 手振れ補正装置およびズームレンズユニット - Google Patents
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Abstract
Description
このホールセンサによりスライド部材の一方向と他方向とにそれぞれ沿った移動位置を検知することができ、スライド部材の移動位置に基づいてスライド部材の移動のフィードバック制御が可能になっている。
前記弾性体は、前記レンズの前記光軸位置が前記ベースに対して所定の中立位置にある場合に、2つの前記弾性体を結ぶ線分の中点または3つ以上の前記弾性体を順番に結んで構成される多角形の重心が、前記光軸位置に略一致するように、前記ベースと前記スライダとに接続されていることを特徴とする。
前記ベースおよび前記スライダには、前記フックをそれぞれ係止する複数の係止部を備え、
前記係止部は、前記フックの向きを規制する規制手段を備え、
前記ベースの全ての前記係止部の前記規制手段は、前記規制手段に規制される全ての前記フックの向きを互いに同じ向きとなるように固定し、
前記スライダの全ての前記係止部の前記規制手段は、前記規制手段に規制される全ての前記フックの向きを互いに同じ向きとなるように固定することが好ましい。
引っ張りばねをフックで固定し、各方向に引っ張りばねを斜めに伸ばすようにした場合に、フックの向きと、引っ張りばねを斜めに伸ばす方向とにより、バネ定数が変化する虞がある。したがって、複数の引っ張りばねを同時に同じ方向に斜めに伸ばした場合に、各引っ張りばねのフックの向きが異なると、ばね定数の違いにより、各引っ張りばねによってスライダに係る力が異なることから、スライダが回転してしまう虞がある。
そこで、各引っ張りばねでフックの向きを同じにすることにより、各引っ張りばねが同じ方向に延ばされた場合に、各引っ張りばねによってスライダにかかる力が略同じになり、スライダの回転を抑制することができる。なお、この場合も、引っ張りばねを伸ばす方向によって、各引っ張りばねからスライダに係る力は変化するが、各引っ張りばねにおいてほぼ同様に変化するので、各引っ張りばねからスライダにかかる力は略同じになる。
前記ベースおよび前記スライダには、前記フックをそれぞれ係止する複数の係止部を備え、
前記係止部と前記フックとを点で接触した状態に保持する点接触保持手段を備えることが好ましい。
したがって、スライダが中立位置にある状態で、ベースとスライダとの間に挟まれる3つ以上のボールを順番に結んで構成される多角形の重心が、中立位置のレンズの光軸位置に一致することが好ましい。
前記ボール保持手段は、前記ベースおよび前記スライダにそれぞれ前記ボールを転動自在に挟んで保持するように互いに対向して設けられ、
前記移動範囲規制手段は、前記ベースおよび前記スライダにそれぞれ、前記ベースに対して前記スライダが所定範囲以上移動しようとした際に互いに接触して移動を規制するように設けられ、
前記回転範囲規制手段は、前記ベースおよび前記スライダにそれぞれ、前記ベースに対して前記スライダが所定範囲以上回転しようとした際に互いに接触して前記回転を規制するように設けられていることが好ましい。
なお、スライダが移動する際にスライダはボールを介してベースに接触することになり、スライダとベースが直接接触して、ベースに対するスライダの移動に影響を与えない構造となっている。すなわち、手振れ補正装置として機能している際に、移動範囲規制手段や回転範囲規制手段が機能するのではなく、例えば、手振れ補正装置をレンズユニットやカメラに組み付ける場合に、スライダに触ることによりスライダが移動してボールが落下するのを防止するためのものである。これにより、ボールが脱落した状態で組み立てられるのを防止して歩留まりの向上を図ることができる。また、組み付け後に、落下の衝撃等でスライダが大きく移動したり回転したりしてボールが脱落するのを抑制できる。また、電動アクチュエータのコイルに異常な電流が流れた際に、スライダが大きく動いてボールが脱落するのを防止できる。
前記ズーム用ホルダおよび前記フォーカス用ホルダが、同じシャフトにより、これらホルダに支持されている前記レンズの光軸方向に案内されて移動自在になっているとともに、
前記シャフトに前記手振れ補正用ホルダが取り付けられることにより、前記ズーム用ホルダ、前記フォーカス用ホルダおよび前記手振れ補正用ホルダが前記シャフトにより互いに位置決めされていることが好ましい。
すなわち、ズーム用ホルダと、フォーカス用ホルダがそれぞれ別のガイド部材に案内されて光軸方向に移動するのではなく、同じシャフトで案内されるので、ズーム用ホルダと、フォーカス用ホルダとの位置決めが容易にできるとともに、別々のガイド部材で位置合わせするより、精度高く位置合わせが可能になることから、不良品の発生を減少させて歩留まりを向上することができる。
前記ケースの側面に開口部が形成され、
前記ケースの前記手振れ補正用ホルダが支持される位置の内側面に、前記手振れ補正ホルダを前記開口部から挿入する際に、前記手振れ補正用ホルダの側縁部に前記挿入方向に移動自在に嵌合し、前記手振れ補正用ホルダに支持された前記レンズの前記光軸に直交する方向に沿って前記手振れ補正用ホルダを案内する溝状の案内位置決め部が設けれ、
前記手振れ補正用ホルダは、前記案内位置決め部によって、前記光軸方向および前記光軸方向に直交する方向に沿った位置が決められるとともに、前記案内位置決め部において、前記手振れ補正用ホルダが前記ケースにねじ止めされていることが好ましい。
この実施の形態のズームレンズユニットは、主に一般消費者用のビデオカメラに備えられる光学式ズーム機能と光学式手振れ補正機能を有するものである。
また、第4ホルダ5の結像側、すなわち、最も結像側には、図12、図13に示すようにメインケース1に固定された第5ホルダ6が配置され、この第5ホルダ6に最も結像側のレンズ群(図示略:レンズが1枚であってもよい)が支持されている。
また、ベース41とスライダ61との間には、3つのボール81(図5に図示)が配置されるとともに、ベース41とスライダ61とを互いに引き付ける2つのコイルスプリング(弾性体、引っ張りばね)82を備え、ボール81が転動可能になっていることにより、ベース41に対してスライダ61を平行移動可能になっている。なお、スライダ61の移動方向は、レンズ18,19の光軸方向に直交する方向である。
これにより、上述の電動アクチュエータ40が構成され、ベース41に対してスライダ61を光軸のZ方向に直交するY方向・X方向に移動可能になっている。
スライダ61が中立位置にある状態で、ボール保持部65は、ボール保持部45に対向して配置され、かつ、スライダ61が中立位置にある場合に窓部42の中心と、レンズ18,19の光軸が一致した状態にされるので、スライダ61におけるボール保持部65の嵌合孔62の中心に対する位置は、ベース41の窓部42の中心に対するボール保持部45の位置と略同様の配置となっている。
3つ以上のボール保持部65は、嵌合孔62の周囲に分散した状態に配置されることにより、ベース41とスライダ61との間にボール81とコイルスプリング82とを配置した際に、ベース41に対してスライダ61が傾かないようになっていればよい。なお、ベース41のボール保持部45と、スライダ61のボール保持部65とからボール81を保持するボール保持手段が構成されている。
また、コイルスプリング82のフックとフックが掛けられる係止片49,69とを点接触させた状態とすることにより、スライダ61の駆動方向により、各コイルスプリング82のばね定数が変化するのを抑制できる。これにより、スライダ61の上述のヒステリシスと、回転を抑制できる。
メインケース1は、上述のように物質側となる先端部に一体に設けられ、対物側のレンズ群を保持する第1ホルダ2の部分が円筒形とされている。第1ホルダ2より基端側、すなわち、像が結ばれる側(結像側)は、上述のメインケース1とは別体とされた第2ホルダ3から第4ホルダ5が収容されるものであり、その断面が正方形に近い四角筒状のホルダ収納部1cとなっている。
このメインケース1のホルダ収納部1cには、開放された一面から第2〜第4ホルダ3〜5が挿入されてホルダ収納部1cに設置されるようになっている。
これら壁部8,9に隣接し、開放された面、すなわち蓋に対向する面を構成する壁部分と、蓋とにもベース41の位置を決める溝状の位置決め部が設けられている。
なお、これら位置決め部および案内位置決め部7a、7bは、溝である必要はなく、例えば、壁部8,9の内側面において、ベース41の周縁部を光軸方向の物体側と結像側とから挟み込むような部材が配置されていればよい。
また、図12、図13に示すように、メインケース1には、これら挿通孔86,87の物体側に隣接して、光軸方向に平行な方向のねじ孔75,76を有するボス77,78が設けられており、このボス77,78のねじ孔75,76と、ベース41の挿通孔86,87が連通しており、挿通孔86、87の結像側からねじを物体側に向けて挿入するとともにボス77,78のねじ孔に螺合することにより、メインケース1にベース41が位置決め固定される。
シャフト位置決め部は、2つのシャフト83,84に対応して、ホルダ収納部1cの物体側端部と結像側端部にそれぞれ2つずつ設けられる。
この実験例では、基本的に上述の第3ホルダ4としての手振れ補正装置において、
図14に示すように、ベース41に対してスライダ61を移動するように電動アクチュエータ40を作動させた場合に、位置検出装置60のホール素子72からの信号出力に基づいて移動軌跡と、スライダ61の回転角度を求めたものである。
1番目のパターンは、図14において実線aで示され、2つの電動アクチュエータ40のコイル53に同じ方向(順方向)に電流を流した状態から両方とも逆方向に電流を流すものであり、このパターンがOOからCCで表され、後述の図15〜図22のグラフにおいて、移動軌跡や回転角度の変化が実線で示される。
1つ目の実験を比較例とし、この比較例の条件は、コイルスプリング82を3つ用い、この3つのコイルスプリング82からなる三角形の重心が、中立位置のレンズ18,19の光軸位置と一致せず、かつ、各コイルスプリング82のフックの向きが異なることである。
移動軌跡を示すグラフでは、縦軸がY座標であり、横軸がX座標となっており、移動軌跡がμm単位で示されている。ローテーションを示すグラフでは、指定位置の移動距離が横軸に配置され、縦軸がスライダ61の回転角度となっている。ここでの回転角度の単位は分であり、度の1/60の角度となる。なお、移動軌跡とローテーションの角度は、位置検出装置60のホール素子72から出力される信号に基づいて求めたものである。
それに対して、実施例1の結果では、図17と図18のグラフに示されるように、ローテーションに大きな変化はないが、ヒステリシスが低減している。但し、各コイルスプリング82よって、バネ定数が異なるとともに移動方向によってバネ定数が変化するので、スライダ61の直進性が低い。
実施例3の結果では、図21と図22のグラフに示されるように、比較例や実施例1,2対して、ローテーションおよびヒステリシスや移動軌跡の直進性が改善している。
また、コイルスプリング82のフックは同じ向きにされることが好ましい。また、コイルスプリング82のフックを点接触で固定することがより好ましい。
3 第2ホルダ(ズーム用ホルダ)
4 第3ホルダ(手振れ補正装置のベース)
5 第4ホルダ(フォーカス用ホルダ)
15〜17 ズーム用レンズ群
20〜22 フォーカス用レンズ群
18 レンズ
19 レンズ
39 周囲壁(移動範囲規制手段)
41 ベース(手振れ補正用ホルダ)
44 マグネット支持部(回転範囲規制手段)
49 係止部(規制手段、点接触保持手段)
61 スライダ
69 係止部(規制手段、点接触保持手段)
70 円筒部(移動範囲規制手段)
74 回転規制部(回転範囲規制手段)
81 ボール
82 コイルスプリング(弾性体、引っ張りばね)
83 シャフト
84 シャフト
Claims (11)
- レンズを保持するスライダと、前記スライダを支持するベースとを備え、前記ベースと前記スライダとの間に3つ以上のボールを挟むとともに、複数の弾性体により、前記ボールを挟んだ前記ベースと前記スライダとを互いに引き付けることにより、前記ベースに前記スライダを前記レンズの光軸方向に直交する方向に移動自在に支持させている手振れ補正装置において、
前記弾性体は、前記レンズの前記光軸位置が前記ベースに対して所定の中立位置にある場合に、2つの前記弾性体を結ぶ線分の中点または3つ以上の前記弾性体を順番に結んで構成される多角形の重心が、前記光軸位置に略一致するように、前記ベースと前記スライダとに接続され、
前記弾性体は、両端にフックを備える引っ張りばねとされ、
前記ベースおよび前記スライダには、前記フックをそれぞれ係止する複数の係止部を備え、
前記係止部は、前記フックの向きを規制する規制手段を備え、
前記ベースの全ての前記係止部の前記規制手段は、前記規制手段に規制される全ての前記フックの向きを互いに同じ向きとなるように固定し、
前記スライダの全ての前記係止部の前記規制手段は、前記規制手段に規制される全ての前記フックの向きを互いに同じ向きとなるように固定する、
ことを特徴とする手振れ補正装置。 - 前記係止部と前記フックとを点で接触した状態に保持する点接触保持手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の手振れ補正装置。
- 前記ベースと前記スライダとの間に前記弾性体が2つだけ配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の手振れ補正装置。
- 前記スライダが前記ベースに対して前記中立位置にある場合に、前記ベースと前記スライダとの間に挟まれる3つ以上の前記ボールを順番に結んで構成される多角形の重心が、前記光軸位置に略一致するように、前記スライドと前記ベースとに前記ボールが保持されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の手振れ補正装置。
- 前記ボールを保持するボール保持手段と、前記ベースに対する前記スライダの光軸に直交する方向の移動範囲を規制する移動範囲規制手段と、前記ベースに対する前記スライダの回転範囲を規制する回転範囲規制手段とを備え、
前記ボール保持手段は、前記ベースおよび前記スライダにそれぞれ前記ボールを転動自在に挟んで保持するように互いに対向して設けられ、
前記移動範囲規制手段は、前記ベースおよび前記スライダにそれぞれ、前記ベースに対して前記スライダが所定範囲以上移動しようとした際に互いに接触して移動を規制するように設けられ、
前記回転範囲規制手段は、前記ベースおよび前記スライダにそれぞれ、前記ベースに対して前記スライダが所定範囲以上回転しようとした際に互いに接触して前記回転を規制するように設けられていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の手振れ補正装置。 - 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の前記手振れ補正装置を備えることを特徴とするズームレンズユニット。
- ズーム用レンズ群が支持されたズーム用ホルダと、フォーカス用レンズ群が支持されたフォーカス用ホルダと、前記手振れ補正装置の前記ベースである手振れ補正用ホルダとを備え、
前記ズーム用ホルダおよび前記フォーカス用ホルダが、同じシャフトにより、これらホルダに支持されている前記レンズの光軸方向に案内されて移動自在になっているとともに、
前記シャフトに前記手振れ補正用ホルダが取り付けられることにより、前記ズーム用ホルダ、前記フォーカス用ホルダおよび前記手振れ補正用ホルダが前記シャフトにより互いに位置決めされていることを特徴とする請求項6に記載のズームレンズユニット。 - 前記ズーム用ホルダ、前記フォーカス用ホルダおよび前記手振れ補正用ホルダが保持されるケースを備え、
前記ケースの側面に開口部が形成され、
前記ケースの前記手振れ補正用ホルダが支持される位置の内側面に、前記手振れ補正ホルダを前記開口部から挿入する際に、前記手振れ補正用ホルダの側縁部に前記挿入方向に移動自在に嵌合し、前記手振れ補正用ホルダに支持された前記レンズの前記光軸に略直交する方向に沿って前記手振れ補正用ホルダを案内する溝状の案内位置決め部が設けれ、
前記手振れ補正用ホルダは、前記案内位置決め部によって、前記光軸方向および前記光軸方向に直交する方向に沿った位置が決められるとともに、前記案内位置決め部において、前記手振れ補正用ホルダが前記ケースにねじ止めされていることを特徴とする請求項7に記載のズームレンズユニット。 - レンズを保持するスライダと、前記スライダを支持するベースとを備え、前記ベースと前記スライダとの間に3つ以上のボールを挟むとともに、複数の弾性体により、前記ボールを挟んだ前記ベースと前記スライダとを互いに引き付けることにより、前記ベースに前記スライダを前記レンズの光軸方向に直交する方向に移動自在に支持させている手振れ補正装置において、
前記弾性体は、前記レンズの前記光軸位置が前記ベースに対して所定の中立位置にある場合に、2つの前記弾性体を結ぶ線分の中点または3つ以上の前記弾性体を順番に結んで構成される多角形の重心が、前記光軸位置に略一致するように、前記ベースと前記スライダとに接続され、
前記弾性体は、両端にフックを備える引っ張りばねとされ、
前記ベースおよび前記スライダには、前記フックをそれぞれ係止する複数の溝を有する係止部を備え、
前記複数の係止部の溝はすべて同じ方向を向いており、
前記ベースの全ての前記係止部の溝には前記フックが係止され、接着剤により前記フックと前記係止部は固着されており、
前記ベースの全ての前記係止部の溝には前記フックが係止され、接着剤により前記フックと前記係止部は固着されている、
ことを特徴とする手振れ補正装置。 - 前記係止部と前記フックとを点で接触した状態に保持する点接触保持手段を備えることを特徴とする請求項9に記載の手振れ補正装置。
- 請求項9又は請求項10に記載の前記手振れ補正装置を備えることを特徴とするズームレンズユニット。
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