以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
第1実施形態.
[ボイラ]
図1は、本実施形態に係るボイラ100の一例を模式的に示す図である。本実施形態において、ボイラ100は、水管ボイラの一種である貫流ボイラを含む。
図1に示すように、ボイラ100は、バーナ2を有する本体1と、本体1に供給される給水を収容する給水タンク3と、本体1に供給される給水が流れる給水管4と、給水管4に設けられる給水ポンプ5と、バーナ2に供給される燃料を収容する燃料タンク6と、燃料タンク6からバーナ2に供給される燃料が流れる燃料管7と、燃料管7に設けられる燃料ポンプ8と、燃料管7に設けられる流量調整弁9と、本体1で生成された蒸気が流れる蒸気管10と、本体1に供給される給水と本体1から排出された排ガスとを熱交換するエコノマイザ20と、ボイラ100を制御する制御装置50と、を備える。
また、ボイラ100は、給水管4から分岐し、本体1に供給される給水が流れるバイパス管11と、給水管4の給水温度を検出する給水温度センサ13と、エコノマイザ20から排出される排ガス温度を検出する排ガス温度センサ14と、給水管4に設けられる第1流量調整弁15と、バイパス管11に設けられる第2流量調整弁16と、を備える。
給水管4は、給水タンク3と本体1とを接続する水管である。給水管4は、エコノマイザ20の入口接続部20A及び出口接続部20Bを経由して本体1と接続される。入口接続部20Aは、出口接続部20Bよりも給水の上流側に配置される。本実施形態において、入口接続部20Aは、出口接続部20Bよりも上方に配置される。
給水管4は、給水タンク3とエコノマイザ20の入口接続部20Aとを接続する第1給水管41と、エコノマイザ20の入口接続部20Aとエコノマイザ20の出口接続部20Bとを接続する第2給水管42と、エコノマイザ20の出口接続部22Bと本体1とを接続する第3給水管43とを含む。
バイパス管11は、エコノマイザ20の入口接続部20Aよりも上流側の給水管4から分岐し、エコノマイザ20の入口接続部20Aよりも下流側の給水管4と接続される。本実施形態において、バイパス管11は、第1給水管41から分岐する。バイパス管11は、エコノマイザ20の入口接続部20Aと出口接続部20Bとの間の第2給水管42と連通する。
給水ポンプ5は、給水タンク3の給水が本体1に送られるように作動する。給水タンク3から給水管4に送出された給水は、エコノマイザ20を介して、本体1に供給される。
燃料ポンプ8は、燃料タンク6の燃料がバーナ2に送られるように作動する。燃料タンク6から燃料管7に送出された燃料は、本体1に設けられているバーナ2に供給される。本実施形態において、燃料は重油を含む。
流量調整弁9は、バーナ2に供給される単位時間当たりの燃料の供給量を示す燃料流量を調整する。
本体1は、バーナ2が配置される燃焼室と、給水管4からの給水が流れる水管とを有する。本体1は、燃焼室で発生した熱を使って給水を加熱し、蒸気を生成する。生成された蒸気は、蒸気管10を介して、蒸気使用設備(負荷機器)に供給される。本体1の燃焼室で発生した排ガスは、本体1から排出され、エコノマイザ20に供給される。
バーナ2は、燃料管7を介して供給された燃料を燃焼室に噴射する。バーナ2から噴射された燃料が燃焼することにより火炎が生成される。
エコノマイザ20は、本体1からの排ガスが供給される内部空間を有するケーシング21を有する。給水管4のうち、第2給水管42は、ケーシング21の内部空間に配置される。給水管4のうち、第1給水管41及び第3給水管43は、ケーシング21の外部空間に配置される。
第2給水管42は、エコノマイザ20の水管である。第2給水管42の上端部は、エコノマイザ20の入口接続部20Aにおいて第1給水管41と接続される。第2給水管42の下端部は、エコノマイザ20の出口接続部20Bにおいて第3給水管43と接続される。第2給水管42の中間部は、エコノマイザ20の中間接続部20Cにおいてバイパス管11と接続される。第2給水管42の中間部は、第2給水管42の上端部と第2給水管42の下端部との間の部位である。中間接続部20Cは、入口接続部20Aと出口接続部20Bとの間に設けられる。
第2給水管42は、複数の屈曲部42Cを有する。屈曲部42Cは、入口接続部20Aと出口接続部20Bとの間において複数設けられる。
第2給水管42の上端部は、第1給水入口を含む。第1給水管41は、入口接続部20Aにおいて、第2給水管42の第1給水入口と接続される。第1給水管41を流れた給水は、第2給水管42の上端部の入口接続部20Aから第2給水管42に流入する。
第2給水管42の中間部は、第2給水入口を含む。バイパス管11は、中間接続部20Cにおいて、第2給水管42の第2給水入口と接続される。バイパス管11を流れた給水は、第2給水管42の中間部の中間接続部20Cから第2給水管42に流入する。
第2給水管42の下端部は、給水出口を含む。第3給水管43は、出口接続部20Bにおいて、第2給水管42の給水出口と接続される。第2給水管42を流れた給水は、第2給水管42の下端部の出口接続部20Bから流出する。第2給水管42から流出した給水は、第3給水管43を介して、本体1に供給される。
ケーシング21は、本体1からの排ガスが供給される排ガス入口21Aと、排ガスが排出される排ガス出口21Bとを有する。
排ガス入口21Aは、ケーシング21の下端部に設けられる。排ガス出口21Bは、ケーシング21の上端部に設けられる。排ガス入口21Aは、煙道23を介して本体1と接続される。排ガス出口21Bは、煙道24を介して煙突25と接続される。
本体1から排出された排ガスは、排ガス入口21Aを介してケーシング21の内部空間に流入する。ケーシング21の内部空間を流れる排ガスと第2給水管42を流れる給水とが熱交換される。排ガスとの熱交換により温度上昇した給水は、エコノマイザ20の出口接続部20Bから流出し、第3給水管43を介して本体1に供給される。給水との熱交換により温度低下した排ガスは、排ガス出口21Bから排出される。
入口接続部20Aは、出口接続部20B及び中間接続部20Cよりもエコノマイザ20の排ガス出口21Bに近い位置に設けられる。出口接続部20Bは、入口接続部20A及び中間接続部20Cよりもエコノマイザ20の排ガス入口21Aに近い位置に設けられる。
給水は、エコノマイザ20の上部から下方に向かって流れる。排ガスは、エコノマイザ20の下部から上方に向かって流れる。すなわち、本実施形態において、エコノマイザ20は、排ガスに対して対向流型である。対向流型のエコノマイザ20とは、給水が流れる方向と排ガスが流れる方向とが逆の関係となるエコノマイザをいう。
出口接続部20Bにおける給水温度は、入口接続部20Aにおける給水温度及び中間接続部20Cにおける給水温度よりも高い。排ガス入口21Aにおける排ガス温度は、排ガス出口21Bにおける排ガス温度よりも高い。
給水温度センサ13は、エコノマイザ20において熱交換される前の給水温度を検出する検出器である。すなわち、給水温度センサ13は、エコノマイザ20に供給される前の給水温度を検出する。本実施形態において、給水温度センサ13は、第1給水管41の給水温度を検出する。給水温度センサ13は、第1給水管41とバイパス管11との分岐部17よりも給水タンク3に近い位置に設けられる。給水温度センサ13の検出値は、制御装置50に出力される。
排ガス温度センサ14は、エコノマイザ20において熱交換された後の排ガス温度を検出する検出器である。すなわち、排ガス温度センサ14は、エコノマイザ20から排出された後の排ガス温度を検出する。本実施形態において、排ガス温度センサ14は、ケーシング21の外側の煙道24に設けられる。排ガス温度センサ14は、エコノマイザ20の排ガス出口21Bから排出される排ガス温度を検出する。排ガス温度センサ14の検出値は、制御装置50に出力される。
第1流量調整弁15は、入口接続部20Aに供給される給水の単位時間当たりの供給量を示す第1流量を調整する。第1流量調整弁15は、分岐部17と入口接続部20Aとの間の第1供給管41に設けられる。第1流量調整弁15は、制御装置50に制御される。
第2流量調整弁16は、中間接続部20Cに供給される給水の単位時間当たりの供給量を示す第2流量を調整する。第2流量調整弁16は、制御装置50に制御される。
本実施形態において、第1流量調整弁15は、第1給水管41の流路を開閉する開閉弁である。第2流量調整弁16は、バイパス管11の流路を開閉する開閉弁である。第1流量調整弁15及び第2流調整弁16はそれぞれ、電磁弁である。
第1給水管41の流路が開き、バイパス管11の流路が閉じているとき、給水タンク3から送出された給水は、第1給水管41を介して、エコノマイザ20の入口接続部20Aに供給される。入口接続部20Aから第2給水管42に流入した給水は、入口接続部20Aと出口接続部20Bとの間の第2給水管42の流路を流れる。第2給水管42を流れた給水は、出口接続部20Bから流出し、第3給水管43を介して、本体1に供給される。
バイパス管11の流路が開き、第1給水管41の流路が閉じているとき、給水タンク3から送出された給水は、バイパス管11を介して、エコノマイザ20の中間接続部20Cに供給される。中間接続部20Cから第2給水管42に流入した給水は、中間接続部20Cと出口接続部20Bとの間の第2給水管42の流路を流れる。第2給水管42を流れた給水は、出口接続部20Bから流出し、第3給水管43を介して、本体1に供給される。
第1給水管41の流路及びバイパス管11の流路の両方が開いているとき、給水タンク3から送出された給水の一部は、第1給水管41を介して、エコノマイザ20の入口接続部20Aに供給され、入口接続部20Aから第2給水管42に流入する。また、給水タンク3から送出された給水の一部は、バイパス管11を介して、エコノマイザ20の中間接続部20Cに供給され、中間接続部20Cから第2給水管42に流入する。第2給水管42に流入した給水は、第2給水管42を流れた後、出口接続部20Bから流出し、第3給水管43を介して、本体1に供給される。
[制御装置]
図2は、本実施形態に係る制御装置50の一例を示す機能ブロック図である。本実施形態において、制御装置50は、少なくとも、給水温度センサ13、排ガス温度センサ14、流量調整弁9、第1流量調整弁15、及び第2流量調整弁16と接続される。制御装置50は、コンピュータシステムを含み、演算処理装置及び記憶装置を有する。演算処理装置は、CPU(Central Processing Unit)のようなマイクロプロセッサを含む。記憶装置は、ROM(Read Only Memory)のような不揮発性メモリ又はRAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリを含む。
制御装置50は、給水温度データ取得部51と、排ガス温度データ取得部52と、燃焼制御部53と、給水制御部54と、判定部55と、記憶部56と、入出力部57とを有する。
給水温度データ取得部51は、給水温度センサ13から、給水温度センサ13の検出値を示す給水温度データを取得する。
排ガス温度データ取得部52は、排ガス温度センサ14から、排ガス温度センサ14の検出値を示す排ガス温度データを取得する。
燃焼制御部53は、本体1における燃焼量を制御する。燃焼制御部53は、蒸気使用設備の蒸気消費量を示す要求負荷に基づいて、燃焼量を制御する。燃焼制御部53は、流量調整弁9を制御して、バーナ2に供給される単位時間当たりの燃料の供給量を示す燃料流量を制御する。
燃焼制御部53は、燃料流量を制御して、本体1における燃焼量[kcal/h]を制御する。燃焼量とは、バーナ2が配置されるボイラ1の燃焼室において単位時間当たりに発生する熱量をいう。バーナ2に供給される燃料流量が多いほど、燃焼量は高くなる。バーナ2に供給される燃料流量が少ないほど、燃焼量は低くなる。
本実施形態において、燃焼制御部53は、バーナ2に供給される燃料流量を調整して、少なくとも本体1を、低燃焼段階、中燃焼段階、及び高燃焼段階のいずれか一つの燃焼段階に設定可能である。低燃焼段階は、本体1を低燃焼量で燃焼させる燃焼段階である。中燃焼段階は、本体1を中燃焼量で燃焼させる燃焼段階である。高燃焼段階は、本体1を高燃焼量で燃焼させる燃焼段階である。高燃焼量は、中燃焼量よりも高い燃焼量である。中燃焼量は、低燃焼量よりも高い燃焼量である。
本実施形態において、高燃焼量は、定められた条件で本体1の最大能力を連続して発揮させることができる燃焼量である。中燃焼量は、高燃焼量の例えば50[%]の燃焼量である。低燃焼量は、高燃焼量の例えば25[%]の燃焼量である。
燃焼制御部53は、高燃焼段階で燃料を燃焼させる場合、流量調整弁9を制御して、バーナ2に供給される燃料流量を、定められた条件で連続して供給し得る最大値に設定する。燃焼制御部53は、中燃焼段階で燃料を燃焼させる場合、流量調整弁9を制御して、バーナ2に供給される燃料流量を、高燃焼段階における燃料流量よりも少ない値に設定する。燃焼制御部53は、低燃焼段階で燃料を燃焼させる場合、流量調整弁9を制御して、バーナ2に供給される燃料流量を、中燃焼段階における燃料流量よりも少ない値に設定する。
燃料流量が調整されることにより、バーナ2において生成される火炎の大きさが変化する。バーナ2において生成される火炎の大きさは、高燃焼段階において最も大きく、高燃焼段階に次いで中燃焼段階において大きく、低燃焼段階において最も小さい。
給水制御部54は、給水温度センサ13の検出値及び排ガス温度センサ14の検出値の少なくとも一方に基づいて、第1流量調整弁15を制御する。本実施形態において、給水制御部54は、給水温度センサ13の検出値及び排ガス温度センサ14の検出値の少なくとも一方に基づいて、第1流量調整弁15の開度を調整する制御信号を出力して、第1給水管41を介して入口接続部20Aに供給される給水の第1流量を制御する。
また、給水制御部54は、給水温度センサ13の検出値及び排ガス温度センサ14の検出値の少なくとも一方に基づいて、第2流量調整弁16を制御する。本実施形態において、給水制御部54は、給水温度センサ13の検出値及び排ガス温度センサ14の検出値の少なくとも一方に基づいて、第2流量調整弁16の開度を調整する制御信号を出力して、バイパス管11を介して中間接続部20Cに供給される給水の第2流量を制御する。
判定部55は、給水温度センサ13の検出値が閾値Th以上か否かを判定する。給水制御部54は、判定部55の判定結果に基づいて、第1流量調整弁15及び第2流量調整弁16の少なくとも一方を制御する。
記憶部56は、給水温度センサ13の検出値についての閾値Thを記憶する。給水温度センサ13の検出値についての閾値Thは、予め定められている。また、記憶部56は、ボイラ100の制御に使用される制御テーブルを記憶する。
本実施形態において、給水制御部54は、少なくとも給水温度センサ13の検出値に基づいて、第1流量調整弁15及び第2流量調整弁16を制御する。本実施形態において、給水制御部54は、判定部55において給水温度センサ13の検出値が閾値Th以上であると判定されたとき、第2流量調整弁16の開度を第1流量調整弁15の開度よりも小さくする。また、給水制御部54は、判定部55において給水温度センサ13の検出値が閾値Th未満であると判定されたとき、第2流量調整弁16の開度を第1流量調整弁15の開度よりも大きくする。
また、本実施形態においては、給水制御部54は、燃焼制御部53によって設定された本体1における燃焼量と、給水温度センサ13の検出値とに基づいて、第1流量調整弁15及び第2流量調整弁16を制御する。
本実施形態においては、中燃焼段階及び低燃焼段階において、給水制御部54は、給水温度センサ13の検出値に基づいて、第1流量調整弁15及び第2流量調整弁16を制御する。高燃焼段階において、給水制御部54は、第2流量調整弁16の開度が第1流量調整弁15の開度よりも小さい状態を維持する。
すなわち、中燃焼段階及び低燃焼段階において、給水温度センサ13の検出値が閾値Th以上であるとき、給水制御部54は、第2流量調整弁16の開度を第1流量調整弁15の開度よりも小さくする。また、中燃焼段階及び低燃焼段階において、給水温度センサ13の検出値が閾値Th未満であるとき、給水制御部54は、第2流量調整弁16の開度を第1流量調整弁15の開度よりも大きくする。高燃焼段階のとき、給水制御部54は、給水温度センサ13の検出値が閾値Th以上であるとき及び閾値Th未満であるときの両方において、第2流量調整弁16の開度を第1流量調整弁15の開度よりも小さくする。
[制御テーブル]
図3は、本実施形態に係る記憶部56に記憶されている制御テーブルの一例を模式的に示す図である。図3に示すように、制御テーブルは、燃焼制御部53によって設定される燃焼段階と、給水温度センサ13の検出値と、第1流量調整弁15の開度と、第2流量調整弁16の開度との関係を示す。
本実施形態において、制御テーブルは、第1状態から第6状態のそれぞれにおける第1流量調整弁15及び第2流量調整弁16の作動パターンを規定する。
第1状態は、本体1が高燃焼段階に設定され、給水温度センサ13の検出値が閾値Th以上である状態である。第2状態は、本体1が高燃焼段階に設定され、給水温度センサ13の検出値が閾値Th未満である状態である。
第3状態は、本体1が中燃焼段階に設定され、給水温度センサ13の検出値が閾値Th以上である状態である。第4状態は、本体1が中燃焼段階に設定され、給水温度センサ13の検出値が閾値Th未満である状態である。
第5状態は、本体1が低燃焼段階に設定され、給水温度センサ13の検出値が閾値Th以上である状態である。第6状態は、本体1が低燃焼段階に設定され、給水温度センサ13の検出値が閾値Th未満である状態である。
給水制御部54は、燃焼制御部53によって設定された本体1における燃焼量と、給水温度センサ13の検出値とに基づいて、第1流量調整弁15及び第2流量調整弁16を制御する。本実施形態において、給水制御部54は、燃焼段階と給水温度センサ13の検出値との関係から規定された第1状態から第6状態に基づいて、第1流量調整弁15及び第2流量調整弁16を制御する。
給水制御部54は、中燃焼段階及び低燃焼段階において給水温度センサ13の検出値が閾値Th以上であるとき、すなわち、第3状態及び第5状態であるとき、第2流量調整弁16の開度を第1流量調整弁15の開度よりも小さくする。
また、給水制御部54は、中燃焼段階及び低燃焼段階において給水温度センサ13の検出値が閾値Th未満であるとき、すなわち、第4状態及び第6状態のとき、第2流量調整弁16の開度を第1流量調整弁15の開度よりも大きくする。
また、給水制御部54は、中燃焼段階及び低燃焼段階よりも高い燃料量で燃焼させる高燃焼段階において、第2流量調整弁16の開度を第1流量調整弁15の開度よりも小さくする。すなわち、給水制御部54は、高燃焼段階である場合、給水温度センサ13の検出値が閾値Th以上である第1状態及び給水温度センサ13の検出値が閾値Th未満である第2状態の両方において、第2流量調整弁16の開度を第1流量調整弁15の開度よりも小さくする。
第2流量調整弁16の開度が第1流量調整弁15の開度よりも小さいとき、中間接続部20Cに供給される給水の第2流量は、入口接続部20Aに供給される給水の第1流量よりも少ない。第2流量調整弁16の開度が第1流量調整弁15の開度よりも大きいとき、中間接続部20Cに供給される給水の第2流量は、入口接続部20Aに供給される給水の第1流量よりも多い。
上述のように、本実施形態において、第1流量調整弁15及び第2流量調整弁16はそれぞれ、開閉弁である。第2流量調整弁16の開度が第1流量調整弁15の開度よりも小さいことは、第1流量調整弁15が開き第2流量調整弁16が閉じることを意味する。第2流量調整弁16の開度が第1流量調整弁15の開度よりも大きいことは、第1流量調整弁15が閉じ第2流量調整弁16が開くことを意味する。
つまり、中燃焼段階及び低燃焼段階において給水温度センサ13の検出値が閾値Th以上であるとき、すなわち、第3状態及び第5状態であるとき、給水制御部54は、第1流量調整弁15が開き、第2流量調整弁16が閉じるように、第1流調整弁15及び第2流量調整弁16を制御する。
また、中燃焼段階及び低燃焼段階において給水温度センサ13の検出値が閾値Th未満であるとき、すなわち、第4状態及び第6状態であるとき、給水制御部54は、第1流量調整弁15が閉じ、第2流量調整弁16が開くように、第1流調整弁15及び第2流量調整弁16を制御する。
また、高燃焼段階のとき、すなわち、第1状態及び第2状態であるとき、給水制御部54は、第1流量調整弁15が開き、第2流量調整弁16が閉じるように、第1流調整弁15及び第2流量調整弁16を制御する。
第1流量調整弁15が閉じられたとき、入口接続部20Aに供給される給水の第1流量は、実質的にゼロである。第2流量調整弁16が閉じられたとき、中間接続部20Cに供給される給水の第2流量は、実質的にゼロである。
[制御方法]
次に、本実施形態に係るボイラ100の制御方法について説明する。図4は、本実施形態に係るボイラ100の制御方法の一例を示すフローチャートである。
燃焼制御部53は、本体1における燃焼段階を設定する(ステップSA10)。燃料制御部53は、設定した燃焼段階に基づいて、本体1における燃料量を制御する。
給水温度データ取得部51は、給水温度センサ13から給水管4の給水温度の検出値を示す給水温度データを取得する(ステップSA20)。
判定部55は、設定された燃焼段階が高燃焼段階か否かを判定する(ステップSA30)。
ステップSA30において、高燃焼段階であると判定されたとき(ステップSA30:Yes)、給水制御部54は、第1流量調整弁15の開度が第2流量調整弁16の開度よりも大きくなるように、第1流量調整弁15及び第2流量調整弁16を制御する(ステップSA40)。本実施形態においては、給水制御部54は、第1流量調整弁15が開き、第2流量調整弁16が閉じるように、第1流量調整弁15及び第2流量調整弁16を制御する。
ステップSA30において、高燃焼段階でないと判定されたとき(ステップSA30:No)、判定部55は、ステップSA20で取得された給水温度データに基づいて、給水温度センサ13の検出値が閾値Th以上か否かを判定する(ステップSA50)。
ステップSA50において、給水温度センサ13の検出値が閾値Th以上であると判定されたとき(ステップSA50:Yes)、給水制御部54は、第1流量調整弁15の開度が第2流量調整弁16の開度よりも大きくなるように、第1流量調整弁15及び第2流量調整弁16を制御する(ステップSA40)。本実施形態においては、給水制御部54は、第1流量調整弁15が開き、第2流量調整弁16が閉じるように、第1流量調整弁15及び第2流量調整弁16を制御する。
ステップSA50において、給水温度センサ13の検出値が閾値Th未満であると判定されたとき(ステップSA50:No)、給水制御部54は、第2流量調整弁16の開度が第1流量調整弁15の開度よりも大きくなるように、第1流量調整弁15及び第2流量調整弁16を制御する(ステップSA60)。本実施形態においては、給水制御部54は、第2流量調整弁16が開き、第1流量調整弁15が閉じるように、第1流量調整弁15及び第2流量調整弁16を制御する。
図5は、ステップSA40において給水制御部54により第1流量調整弁15及び第2流量調整弁16が制御されたときのボイラ100の動作の一例を模式的に示す図である。図5は、上述の第1状態、第2状態、第3状態、及び第5状態におけるボイラ100の一例を示す。
図6は、ステップSA60において給水制御部54により第1流量調整弁15及び第2流量調整弁16が制御されたときのボイラ100の動作の一例を模式的に示す図である。図6は、上述の第4状態及び第6状態におけるボイラ100の動作を示す。
本実施形態において、給水温度についての閾値Thは、エコノマイザ20において給水と排ガスとが熱交換しても、排ガスが結露しない温度に設定される。一般に、排ガス温度が58[℃]以下になると、排ガスが結露すると言われている。排ガスが結露すると硫酸が生成され、エコノマイザ20において低温腐食が発生する可能性が高くなる。そのため、本実施形態においては、給水と排ガスとが熱交換しても、排ガスが結露しないように、給水温度の閾値Thが定められる。一例として、閾値Thは、55[℃]に定められる。
高燃焼段階においては、バーナ2に供給される燃料流量が多く、本体1からエコノマイザ20に排出される排ガスの供給量が多い。すなわち、高燃焼段階である第1状態及び第2状態は、エコノマイザ20において排ガス温度が低下し難い状態である。
そのため、図5に示すように、閾値Thよりも低い給水温度の給水が、入口接続部20Aから第2給水管42に流入し、入口接続部20Aと出口接続部20Bとの間において排ガスと熱交換しても、排ガス入口21Aにおける排ガス温度はもちろん、排ガス出口21Bにおける排ガス温度は、高温度に維持される。すなわち、高燃焼段階においては、低い給水温度の給水が入口接続部20Aから第2給水管42に流入し、給水と排ガスとの熱交換区間が長くても、排ガス温度は高温度に維持され、排ガスの結露が抑制される。したがって、高燃焼段階においては、低い給水温度の給水が入口接続部20Aから第2給水管42に流入しても、エコノマイザ20における排ガス温度の過度な低下が抑制され、低温腐食の発生が抑制される。
また、高燃焼段階において、閾値Th以上の給水温度の給水が、入口接続部20Aから第2給水管42に流入することにより、排ガス温度は高温度に維持される。したがって、低温腐食の発生が抑制される。
中燃焼段階においては、バーナ2に供給される燃料流量が高燃焼段階における燃料流量よりも少なく、本体1からエコノマイザ20に供給される排ガスの供給量が高燃焼段階における排ガスの供給量よりも少ない。また、低燃焼段階においては、バーナ2に供給される燃料流量が中燃焼段階における燃料流量よりも少なく、本体1からエコノマイザ20に供給される排ガスの供給量が中燃焼段階における排ガスの供給量よりも少ない。すなわち、中燃焼段階である第3状態及び第4状態と、低燃焼段階である第5状態及び第6状態とは、エコノマイザ20における排ガス温度が低下し易い状態である。
そのため、閾値Thより低い給水温度の給水が、入口接続部20Aから第2給水管42に流入し、給水と排ガスとの熱交換区間が長い場合、排ガス出口21B付近において、排ガス温度が低下し、排ガスが結露する可能性がある。
そのため、図6に示すように、中燃焼段階及び低燃焼段階において、閾値Thよりも低い給水温度の給水がエコノマイザ20に供給される場合、給水と排ガスとの熱交換区間を短くするために、給水は、入口接続部20Aよりも排ガス入口21Aに近い中間接続部20Cから第2給水管42に供給される。これにより、給水と排ガスとの熱交換区間が短くなるため、たとえ給水温度が低くても、排ガス温度の過度な低下が抑制される。したがって、低温腐食の発生が抑制される。
一方、中燃焼段階及び低燃焼段階においても、給水温度が閾値Th以上であれば、給水と排ガスとの熱交換区間が長くても、排ガス温度の過度な低下は抑制される。したがって、給水温度が閾値Th以上である場合、中燃焼段階及び低燃焼段階においても、給水は、入口接続部20Aから第2給水管42に供給される。給水と排ガスとの熱交換区間が長いので、エコノマイザ20において、給水温度は十分に上昇される。また、エコノマイザ20において、排ガス温度は結露しない程度に十分に低下される。したがって、ボイラ効率が向上する。
[効果]
以上説明したように、本実施形態によれば、エコノマイザ20の入口接続部20Aよりも上流側の給水管4からバイパス管11が分岐し、入口接続部20Aよりも下流側の給水管4と接続される。エコノマイザ20に供給される給水温度が高いとき、エコノマイザ20において給水と排ガスとの熱交換区間が長くなるように第1流量調整弁15及び第2流量調整弁16が制御され、第1給水管41から入口接続部20Aを介して第2給水管42に給水が供給される。エコノマイザ20に供給される給水温度が低いとき、エコノマイザ20において給水と排ガスとの熱交換区間が短くなるように第1流量調整弁15及び第2流量調整弁16が制御され、バイパス管11から中間接続部20Cを介して第2給水管42に給水が供給される。これにより、給水温度が低いとき、エコノマイザ20における排ガス温度の過度な低下が抑制され、低温腐食の発生が抑制される。給水温度が高いとき、十分な熱交換区間が確保され、結露しない程度に排ガス温度が低下されるため、ボイラ効率が向上する。
また、本実施形態においては、エコノマイザ20は、排ガスに対して対向流型であり、バイパス管11は、エコノマイザ20の入口接続部20Aと出口接続部20Bとの間の第2給水管の中間部と接続される。中間接続部20Cは、閾値Th以下の給水温度の給水と排ガスとが熱交換されても、排ガスの結露を抑制できる熱交換区間を設定可能な位置に設けられる。これにより、短い熱交換区間ではあるものの、エコノマイザ20に供給された給水と排ガスとの熱交換が実施される。したがって、本体1に供給される給水温度を上昇させ、ボイラ100から持ち出される排ガス温度を低下させることができ、ボイラ効率を向上させることができる。
また、本実施形態においては、給水温度センサ13の検出値についての閾値Thが予め定められ、給水制御部54は、給水温度センサ13の検出値と閾値Thとの比較結果に基づいて、第1流量調整弁15及び第2流量調整弁16を制御する。したがって、ボイラ効率の低下を抑制しつつ、排ガスの結露を確実に防止することができる。
第2実施形態.
第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
上述の実施形態においては、第2流量調整弁16が、バイパス管11の流路を開閉する開閉弁であることとした。本実施形態においては、第2流量調整弁16が、開度を調整可能な可変バルブである例について説明する。本実施形態において、第2流量調整弁16は、開度を調整可能な電動弁(モータバルブ)である。
給水制御部54は、給水温度センサ13の検出値に基づいて、第2流量調整弁16を制御する。記憶部56には、第2流量調整弁16の制御において参照される制御テーブルが記憶されている。
図7は、本実施形態に係る記憶部56に記憶されている制御テーブルの一例を模式的に示す図である。図7に示すように、制御テーブルは、給水温度センサ13の検出値と、第2流量調整弁16の開度との関係を示す。本実施形態において、給水温度センサ13の検出値と、第2流量調整弁16の開度とは、比例の関係にある。
高燃焼段階においては、第1流量調整弁15により給水管4の流路が開けられ、第2流量調整弁16によりバイパス管11の流路が閉じられる。すなわち、高燃焼段階においては、給水制御部54は、第1流量調整弁15を開き、第2流量調整弁16の開度を0[%]にする。
中燃焼段階及び低燃焼段階において、給水温度センサ13の検出値が閾値Th以上である場合、給水制御部54は、給水温度センサ13の検出値が高いほど第2流量調整弁16の開度を小さくし、給水温度センサ13の検出値が低いほど第2流量調整弁16の開度を大きくする。すなわち、給水温度センサ13の検出値が閾値Th以上である場合、給水制御部54は、給水温度センサ13の検出値と第2流量調整弁16の開度とが比例の関係を維持するように、給水温度センサ13の検出値に基づいて、第2流量調整弁16の開度を調整する。
第2流量調整弁16の開度が大きいほど中間接続部20Cに供給される給水の第2流量は増大し、第2流量調整弁16の開度が小さいほど中間接続部20Cに供給される給水の第2流量は減少する。すなわち、本実施形態において、給水制御部54は、給水温度センサ13の検出値が閾値Th以上である場合において、給水温度センサ13の検出値が高いほど第2流量調整弁16の開度を小さくして第2流量を減少させ、給水温度センサ13の検出値が低いほど第2流量調整弁16の開度を大きくして第2流量を増大させる。
本実施形態において、中燃焼段階及び低燃焼段階において、給水温度センサ13の検出値が閾値Th以上である場合、第1流量調整弁15は開いている。中燃焼段階及び低燃焼段階において、給水温度センサ13の検出値が閾値Th以上である場合、入口接続部20Aに供給される給水の第1流量は、中間接続部20Cに供給される給水の第2流量よりも多い。
一方、中燃焼段階及び低燃焼段階において、給水温度センサ13の検出値が閾値Th未満である場合、第1流量調整弁15は閉じられ、第2流量調整弁16の開度は100[%]に設定される。中燃焼段階及び低燃焼段階において、給水温度センサ13の検出値が閾値Th未満である場合、中間接続部20Cに供給される給水の第2流量は、入口接続部20Aに供給される給水の第1流量よりも多い。
以上説明したように、第2流量調整弁16として可変バルブが用いられてもよい。これにより、給水温度が閾値Th以上である場合、第1流量と第2流量との比を最適化して、ボイラ効率を向上させることができる。
なお、上述の第1実施形態及び第2実施形態においては、給水制御部54は、燃焼制御部53によって制御される本体1における燃焼量と、給水温度センサ13の検出値とに基づいて、第1流量調整弁15及び第2流量調整弁16を制御することとした。給水制御部54は、燃料量に基づかずに、給水温度センサ13の検出値に基づいて、第1流量調整弁15及び第2流量調整弁16を制御してもよい。例えば、高燃焼段階、中燃焼段階、及び低燃焼段階の全ての燃焼段階において、給水温度が閾値Th以上のとき、給水制御部54は、第1流量調整弁15の開度が第2流量調整弁16の開度よりも大きくなるように第1流量調整弁15及び第2流量調整弁16を制御し、給水温度が閾値Th未満のとき、給水制御部54は、第2流量調整弁15の開度が第1流量調整弁16の開度よりも大きくなるように第1流量調整弁15及び第2流量調整弁16を制御してもよい。
第3実施形態.
第3実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
上述の実施形態においては、給水温度センサ13の検出値に基づいて第1流量調整弁15及び第2流量調整弁16が制御される例について説明した。本実施形態においては、排ガス温度センサ14の検出値に基づいて第1流量調整弁15及び第2流量調整弁16が制御される例について説明する。本実施形態においては、第1流量調整弁15及び第2流量調整弁16がそれぞれ、開閉弁であることとする。
図8は、本実施形態に係るボイラ100の制御方法の一例を示すフローチャートである。
排ガス温度データ取得部52は、排ガス温度センサ14から、エコノマイザ20の排ガス出口21Bから排出される排ガス温度の検出値を示す排ガス温度データを取得する(ステップSB10)。
判定部55は、ステップSB10で取得された排ガス温度データに基づいて、排ガス温度センサ14の検出値が閾値Tg以上か否かを判定する(ステップSB20)。
排ガス温度センサ14の検出値についての閾値Tgは、予め求められており、記憶部56に記憶されている。判定部55は、記憶部56に記憶されている閾値Tgを参照し、排ガス温度センサ14の検出値が閾値Tg以上か否かを判定する。
ステップSB20において、排ガス温度センサ14の検出値が閾値Tg以上であると判定されたとき(ステップSB20:Yes)、給水制御部54は、第2流量調整弁16の開度が第1流量調整弁15の開度よりも小さくなるように、第1流量調整弁15及び第2流量調整弁16を制御する(ステップSB30)。本実施形態においては、給水制御部54は、第1流量調整弁15が開き、第2流量調整弁16が閉じるように、第1流量調整弁15及び第2流量調整弁16を制御する。
ステップSB20において、排ガス温度センサ14の検出値が閾値Tg未満であると判定されたとき(ステップSB20:No)、給水制御部54は、第2流量調整弁16の開度が第1流量調整弁15の開度よりも大きくなるように、第1流量調整弁15及び第2流量調整弁16を制御する(ステップSB40)。本実施形態においては、給水制御部54は、第2流量調整弁16が開き、第1流量調整弁15が閉じるように、第1流量調整弁15及び第2流量調整弁16を制御する。
本実施形態において、排ガス温度についての閾値Tgは、エコノマイザ20において給水と排ガスとが熱交換しても、排ガスが結露せず、排ガス中の硫黄分が析出しない温度に設定される。一般に、排ガス温度が120[℃]以下になると、排ガス中の硫黄分が析出すると言われている。また、排ガス出口21Bにおける排ガス温度が120[℃]以下になると、エコノマイザ20において局所的に排ガス温度が低い局所空間が形成されている可能性が高い。その局所空間においては排ガスが結露する可能性が高い。そのため、本実施形態においては、給水と排ガスとが熱交換しても、排ガスが結露せず、排ガス中の硫黄分が析出しないように、排ガス温度の閾値Tgが定められる。一例として、閾値Tgは、120[℃]に定められる。
排ガス出口21Bから排出される排ガス温度が閾値Tg未満である場合、低い給水温度の給水がエコノマイザ20に供給され、その給水と排ガスとの熱交換により、排ガス温度が過度に低下していることを意味する。そのため、本実施形態においては、排ガス温度センサ14の検出値が閾値Tg未満であると判定されたとき、給水制御部54は、第2流量調整弁16の開度が第1流量調整弁15の開度よりも大きくなるように、第1流量調整弁15及び第2流量調整弁16を制御する。これにより、低い給水温度の給水と排ガスとの熱交換区間が短くなるため、排ガス温度が過度に低下することが抑制される。
一方、排ガス出口21Bから排出される排ガス温度が閾値Tg以上である場合、給水と排ガスとの熱交換区間を長くすることにより、排ガス温度の過度な低下を抑制しつつ、ボイラ効率を高めることができる。そのため、本実施形態においては、排ガス温度センサ14の検出値が閾値Tg以上であると判定されたとき、給水制御部54は、第2流量調整弁16の開度が第1流量調整弁15の開度よりも小さくなるように、第1流量調整弁15及び第2流量調整弁16を制御する。これにより、給水が入口接続部20Aから第2給水管42に供給され、給水と排ガスとの熱交換区間が長くなるので、エコノマイザ20において、給水温度は十分に上昇される。また、エコノマイザ20において、排ガス温度は結露しない程度に十分に低下される。したがって、ボイラ効率が向上する。
なお、本実施形態において、第2流量調整弁16は、開度を調整可能な電動弁でもよい。第2流量調整弁16が可変バルブの一種である電動弁である場合、給水制御部54は、排ガス温度センサ14の検出値が高いほど第2流量調整弁16の開度を小さくして第2流量を減少させ、排ガス温度センサ14の検出値が低いほど第2流量調整弁16の開度を大きくして第2流量を増大させる。
上述の第2実施形態と同様、記憶部56には、第2流量調整弁16の制御において参照される制御テーブルが記憶されている。制御テーブルは、排ガス温度センサ14の検出値と、第2流量調整弁16の開度との関係を示す。排ガス温度センサ14の検出値が閾値Tg以上である場合において、排ガス温度センサ14の検出値と、第2流量調整弁16の開度とは、比例の関係にある。
排ガス温度センサ14の検出値が閾値Tg以上である場合、給水制御部54は、排ガス温度センサ14の検出値が高いほど第2流量調整弁16の開度を小さくして第2流量を減少させ、排ガス温度センサ14の検出値が低いほど第2流量調整弁16の開度を大きくして第2流量を増大させる。
排ガス温度センサ14の検出値が閾値Tg以上である場合、第1流量調整弁15は開いている。排ガス温度センサ14の検出値が閾値Tg以上である場合、第1流量は、第2流量よりも多い。
一方、排ガス温度センサ14の検出値が閾値Tg未満である場合、第1流量調整弁15は閉じられ、第2流量調整弁16の開度は100[%]に設定される。排ガス温度センサ14の検出値が閾値Tg未満である場合、第2流量は、第1流量よりも多い。
以上説明したように、第2流量調整弁16として可変バルブが用いられてもよい。これにより、排ガス温度が低くても、閾値Tgよりも高い場合、第1流量と第2流量との比を最適化して、ボイラ効率を向上させることができる。
その他の実施形態.
なお、上述の第1実施形態から第3実施形態において、給水制御部54は、第2流量調整弁16を制御するための制御信号を出力し、第1流量調整弁15を制御するための制御信号を出力しなくてもよい。例えば、第1流量調整弁15の開度が規定の開度に維持された状態で、給水温度センサ13の検出値が閾値Th以上である場合、給水制御部54は、第2流量調整弁16の開度が第1流量調整弁15の開度よりも小さくなるように、すなわち、第1流量が第2流量よりも多くなるように、第2流量調整弁16を制御してもよい。また、第1流量調整弁15の開度が規定の開度に維持された状態で、給水温度センサ13の検出値が閾値Th未満である場合、給水制御部54は、第2流量調整弁16の開度が第1流量調整弁15の開度よりも大きくなるように、すなわち、第2流量が第1流量よりも多くなるように、第2流量調整弁16を制御してもよい。
なお、上述の実施形態においては、バイパス管11は、中間接続部20Cにおいて、入口接続部20Aと本体1との間の給水管4のうち第2給水管42の一部と接続されることとした。バイパス管11は、入口接続部20Aと本体1との間の給水管4において入口接続部20Aよりもエコノマイザ20の排ガス入口21Aに近い位置に設けられていればよい。例えば、バイパス管11が出口接続部20Bと本体1との間の第3給水管43と接続されてもよい。
なお、上述の実施形態においては、ボイラ100は検出器として給水温度センサ13及び排ガス温度センサ14の両方を有することとした。ボイラ100は給水温度センサ13を有し排ガス温度センサ14を有しなくてもよい。給水温度センサ13を有し排ガス温度センサ14を有しない場合、ボイラ100は上述の第1実施形態及び第2実施形態に従って作動することができる。また、ボイラ100は排ガス温度センサ14を有し給水温度センサ13を有しなくてもよい。排ガス温度センサ14を有し給水温度センサ13を有しない場合、ボイラ100は上述の第3実施形態に従って作動することができる。