JP5441017B2 - ボイラシステム - Google Patents

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Description

本発明は、ボイラと、ボイラの燃焼量を制御する燃焼量制御手段と、を備えるボイラシステムに関するものである。
従来、たとえば下記特許文献1に開示されるように、複数のボイラを備えるボイラシステムにおいて、ボイラの運転台数と各燃焼量とを制御する台数制御方法が知られている。
特開2002−130602号公報
複数のボイラを備えるボイラシステムの運転状況をみると、実際のシステム負荷率は、多くの場合、最大燃焼量の半分以下の低い状態にあることが分かった。このような状況において、単に蒸気負荷に基づき燃焼量を調整するのでは、システム効率を向上させるのに限界がある。特に、ボイラへの給水の温度が変化すると、エコノマイザの伝熱壁における対数平均温度差が変化するため効率も変わるので、これを考慮する必要がある。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、特に給水温度を考慮して、各ボイラひいてはシステム全体の効率を向上することにある。
本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、ボイラと、該ボイラの燃焼量を制御する燃焼量制御手段と、を備えるボイラシステムであって、前記ボイラは、燃焼が行われるボイラ本体と、前記ボイラ本体で発生する燃焼ガスを排出する排出部と、前記ボイラ本体と前記排出部とを連通して燃焼ガスを流通させる排出路と、前記排出路に配置され且つ前記ボイラ本体に供給される給水が流通する熱交換部を有し、前記排出路を流通する燃焼ガスにより前記熱交換部において給水を予め加熱してから、当該給水を前記ボイラ本体に供給する給水予熱器と、前記熱交換部に流通する給水または燃焼ガスの温度を測定する温度測定手段と、を有し、前記燃焼量制御手段は、低燃焼状態と高燃焼状態とを含む複数段階に燃焼量を変更可能とし、前記燃焼量制御手段においては、給水または燃焼ガスの温度に係る閾値として温度閾値が設定されており、前記燃焼量制御手段は、前記温度測定手段により測定される温度が前記温度閾値以下の場合には、前記ボイラの燃焼量を低燃焼状態とし、前記燃焼量制御手段は、燃焼量が小さい順に、低燃焼状態、中燃焼状態および高燃焼状態に燃焼量を変更可能とされ、前記温度測定手段により測定される温度が前記温度閾値以下の場合には、前記ボイラの燃焼量を低燃焼状態とし、前記温度測定手段により測定される温度が前記温度閾値を超える場合には、前記ボイラの燃焼量を中燃焼状態とすることを特徴とするボイラシステムである。
給水予熱器において、給水温度が低く、低負荷運転でも排ガス温度が給水温度付近まで下がらず潜熱回収できる場合、負荷率が低いほど、潜熱回収が放熱損失を上回るので、ボイラ効率が高まる。請求項1に記載の発明では、給水温度またはそれに影響を受ける排ガス温度を監視して、その温度が温度閾値以下の場合には、ボイラの燃焼量を低燃焼状態とすることで、ボイラシステムの効率を向上することができる。
給水予熱器において、給水温度が低いと、負荷率が低いほど、潜熱回収が放熱損失を上回るので、ボイラ効率が高まる。一方、給水温度が高いと、低負荷運転を行なった場合、排ガス温度が給水温度付近まで低下し潜熱回収はできないが放熱損失は大きくなるため、中程度の負荷率でのボイラ効率が最も高くなる。請求項に記載の発明によれば、給水温度またはそれに影響を受ける排ガス温度を監視して、その温度が温度閾値以下の場合にはボイラの燃焼量を低燃焼状態とし、温度閾値を超える場合にはボイラの燃焼量を中燃焼状態とすることで、ボイラシステムの効率を向上することができる。
請求項に記載の発明は、前記燃焼量制御手段は、燃焼量が小さい順に、微燃焼状態、低燃焼状態、中燃焼状態および高燃焼状態に燃焼量を変更可能とされたことを特徴とする請求項に記載のボイラシステムである。
請求項に記載の発明によれば、低燃焼状態よりも燃焼量が小さい微燃焼状態でもボイラが運転可能とされ、この微燃焼状態は、たとえばボイラの着火時に用いることができる。また、蒸気負荷との関係で、ボイラを一時的に停止するのに代えて、微燃焼状態とすれば、再起動時のプレパージ(送風)を防止できるので、放熱損失を低減して、ボイラシステムの効率を向上することができる。
請求項に記載の発明は、前記温度閾値は、燃料組成、気温、湿度および空気比に基づき変更されることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のボイラシステムである。
請求項に記載の発明によれば、ボイラのバーナへの燃料の組成の他、気温、湿度、空気比により、排ガス中の水分の露点を把握して、それにより優先すべき燃焼状態を変えることで、ボイラシステムの効率を向上することができる。
請求項に記載の発明は、前記温度測定手段の設置に代えて、月もしくは月日または日時に基づいて給水温度を予測し、この予測値を温度閾値と比較して燃焼量を変えることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のボイラシステムである。
請求項に記載の発明によれば、月もしくは月日または日時に基づいて給水温度を予測することで、温度測定手段の設置を省略することができる。
請求項に記載の発明は、前記ボイラ本体は、高燃焼状態で最初の起動がなされることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のボイラシステムである。
請求項に記載の発明によれば、冷態起動時を高燃焼で行うので、蒸気圧を早期に所望まで高めることができる。
請求項に記載の発明は、前記ボイラ本体へ燃焼用空気を供給する送風機をインバータ制御することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のボイラシステムである。
請求項に記載の発明によれば、送風機をインバータ制御するので、燃焼量に応じた燃焼用空気を簡易に燃焼室へ供給することができる。
請求項に記載の発明は、前記燃焼量制御手段は、前記温度測定手段により測定される給水温度が5〜35℃である場合には、前記ボイラの燃焼量を最大の燃焼量の5〜35%に設定することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のボイラシステムである。
請求項に記載の発明によれば、給水温度が5〜35℃である場合には、ボイラの燃焼量を最大の燃焼量の5〜35%に設定することで、ボイラシステムの効率を向上することができる。
請求項に記載の発明は、前記温度測定手段により測定される給水温度が前記温度閾値を超える場合には、前記ボイラの燃焼量を最大の燃焼量の40%以上に設定することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のボイラシステムである。
請求項に記載の発明によれば、給水温度が温度閾値を超える場合には、ボイラの燃焼量を最大の燃焼量の40%以上に設定することで、ボイラシステムの効率を向上することができる。
請求項に記載の発明は、前記温度測定手段は、前記熱交換部に流通する前の給水の温度を計測し、前記温度閾値は、40℃以上であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のボイラシステムである。
請求項に記載の発明によれば、排ガスの露点(排ガス中の水分の結露温度)を考慮して、給水予熱器への給水温度の温度閾値として40℃以上を設定することで、優先すべき燃焼状態を場合分けして、ボイラシステムの効率を向上することができる。
さらに、請求項10に記載の発明は、前記ボイラを複数備え、前記燃焼量制御手段は、蒸気の使用負荷に応じて前記ボイラの運転台数と各燃焼量を制御するに際し、前記温度測定手段により測定される温度に基づき設定された燃焼量で燃焼させる前記ボイラの数を最大にすることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のボイラシステムである。
請求項10に記載の発明によれば、蒸気の使用負荷に応じてボイラの運転台数と各燃焼量を制御するに際し、各ボイラの給水温度またはそれに影響を受ける排ガス温度を監視して、その温度に基づき選択される燃焼量での運転を優先することで、ボイラシステムの効率を向上することができる。
以上
本発明によれば、特に給水温度を考慮して、各ボイラひいてはシステム全体の効率を向上することができる。
本発明の一実施形態に係るボイラシステムの概略図である。 図1のボイラシステムにおける各ボイラを示す概略図である。 給水温度が15℃の場合における負荷率とボイラ効率との関係を示すグラフである。 給水温度が45℃の場合における負荷率とボイラ効率との関係を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係るボイラシステムの動作を示すフローチャートである。 ボイラの燃焼量の制御に係る第1の具体例を示す図である。 ボイラの燃焼量の制御に係る第2の具体例を示す図である。
以下、図1及び図2を参照して、本発明の一実施形態に係るボイラシステム1について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るボイラシステム1の概略図である。また、図2は、図1のボイラシステム1における各ボイラ20を示す概略図である。
図1に示すように、本実施形態のボイラシステム1は、複数のボイラ20,20,…から構成されるボイラ群2と、複数のボイラ20,20,…それぞれの燃焼量を制御する燃焼量制御部4と、複数のボイラ20,20,…それぞれに設けられた温度測定部50と、複数のボイラ20,20,…からの蒸気が供給されるスチームヘッダ6と、このスチームヘッダ6内の蒸気圧を測定する圧力測定部7と、を備える。なお、温度測定部50は、エコノマイザ40の入口側または出口側において、給水または排ガスの温度を測定すればよいが、本実施形態では、エコノマイザ40の入口における給水温度を測定する。
本実施形態のボイラシステム1は、ボイラ群2で発生させた蒸気を、蒸気使用設備18に供給可能とされている。
ボイラシステム1において、要求される負荷は、蒸気使用設備18で消費される蒸気の量である。ボイラシステム1は、圧力測定部7により測定された圧力Pと、温度測定部50により測定された温度Tとなどに基づいて、燃焼量制御部4により、燃焼させるボイラ20の台数、各ボイラ20の燃焼量などを制御するようになっている。
ボイラ群2は、例えば、図1では5台のボイラ20から構成されているが、ボイラ20の台数は適宜に変更可能であることは言うまでもない。
本実施形態においては、各ボイラ20は、段階値制御ボイラから構成されている。段階値制御ボイラとは、燃焼を選択的にON/OFFしたり、炎の大きさを段階的に変更したりすることにより、燃焼量を段階的に増減可能なボイラである。段階値制御ボイラは、比例制御ボイラに対して設備構造面及びコスト面で十分に優位性が確保可能とされ、燃焼位置が少段階のボイラをいう。
ボイラの運転台数と各燃焼量を制御することにより、スチームヘッダ6の蒸気圧力(制御対象)を目標圧力(設定圧力)に維持するように、スチームヘッダ6への蒸気供給量が調整される。
段階値制御ボイラからなる5台のボイラ20は、それぞれ、各燃焼位置における燃焼量、及び最大燃焼量としての燃焼能力(高燃焼状態における燃焼量)が等しく設定されている。
本実施形態のボイラは、以下の4段階で燃焼状態(燃焼位置、負荷率)を制御可能とされており、いわゆる4位置制御されるボイラである。但し、これに加えて、低燃焼状態よりもさらに燃焼量の小さい微燃焼状態にも設定可能としてもよい。なお、N位置制御とは、段階値制御ボイラの燃焼量を、燃焼停止状態を含めてN位置に段階的に制御可能なことを表している。
1)燃焼停止状態(第1燃焼位置:0%)
2)低燃焼状態L(第2燃焼位置:たとえば最大燃焼量の5〜35%で設定され、本実施形態では20%)
3)中燃焼状態M(第3燃焼位置:たとえば最大燃焼量の40〜70%で設定され、本実施形態では45%)
4)高燃焼状態H(第4燃焼位置:100%(最大燃焼量))
燃焼量制御部4は、圧力測定部7により測定されたスチームヘッダ6内の圧力P、温度測定部50により測定される給水温度T等に基づいて、複数のボイラ20それぞれの燃焼量を制御する。
燃焼量制御部4は、入力部4Aと、演算部4Bと、データベース4Dと、出力部4Eとを備えている。燃焼量制御部4は、入力部4Aから入力される要求負荷などに基づいて、演算部4Bにおいてボイラ群2の必要燃焼量GN及び必要燃焼量GNに対応する各ボイラの燃焼状態を算出し、出力部4Eから各ボイラに制御信号を出力して、ボイラ20の燃焼を制御するようになっている。
入力部4Aは、信号線13により圧力測定部7と接続されており、信号線13を介して圧力測定部7により測定されたスチームヘッダ6内の圧力Pの信号(圧力信号)が入力されるようになっている。
また、入力部4Aは、信号線14により各ボイラ20と接続されており、信号線14を介して、例えば、各ボイラ20の燃焼状態、燃焼しているボイラ20の台数、温度測定部50により測定された給水温度Tなどの情報が入力されるようになっている。
演算部4Bは、図示しない記憶媒体(例えば、ROM(リードオンリーメモリ))に格納された制御プログラムを読み込み、この制御プログラムを実行して、圧力測定部7からの圧力信号に基づいてスチームヘッダ6内の蒸気の圧力Pを算出するとともに、圧力Pとデータベース4Dとを対応させて、圧力Pを設定圧力PTの許容範囲(圧力の上限及び下限の設定値)内とするための必要燃焼量GNを取得するようになっている。
また、演算部4Bは、温度測定部50により測定された給水温度Tに基づいて、ボイラ20の燃焼量の設定に係る所定の演算を行う。
データベース4Dには、圧力測定部7により測定されたスチームヘッダ6内の圧力Pを設定圧力(目標圧力)PTの許容範囲内に調整するために必要なボイラ群2の必要燃焼量GNが格納されている。
出力部4Eは、各ボイラ20と信号線16により接続されている。出力部4Eは、演算部4Bで演算された燃焼制御信号を各ボイラ20に出力するようになっている。燃焼制御信号は、燃焼しているボイラの台数、ボイラの燃焼状態(燃焼量)などにより構成されている。
スチームヘッダ6の上流側は、蒸気管11を介してボイラ群2(各ボイラ20)に接続されている。スチームヘッダ6の下流側は、蒸気管12を介して蒸気使用設備18に接続されている。スチームヘッダ6は、ボイラ群2で発生させた蒸気を集合させることにより各ボイラ20の相互の圧力差及び圧力変動を調整し、圧力が調整された蒸気を蒸気使用設備18に供給するようになっている。
蒸気使用設備18は、スチームヘッダ6からの蒸気によって運転される設備である。
次に、ボイラ20の構成の詳細について説明する。
図2に示すように、ボイラ20は、燃焼が行われるボイラ本体21と、ボイラ本体21で発生する燃焼ガスG4を排出する排出部25と、ボイラ本体21と排出部25とを連通して燃焼ガスG2〜G4を流通させる排出路24と、ボイラ本体21へ給水W1〜W3を供給する給水装置30と、給水W1を予め加熱してから給水W3をボイラ本体21に供給する給水予熱器としてのエコノマイザ40と、温度測定手段としての温度測定部50と、を備える。
ボイラ本体21においては、燃料供給部22から供給された燃料がボイラ本体21内に設けられたバーナ(図示せず)により燃焼され、この燃焼により発生した燃焼ガスG1がボイラ本体21の缶体(図示せず)の内部の水を加熱すると共に、排出路24に燃焼ガスG2として排出されるようになっている。
燃焼ガスについては、ボイラ本体21内に位置するものを「燃焼ガスG1」といい、燃焼ガスG1がボイラ本体21から排出され且つ排出路24に導入されたものを「燃焼ガスG2」といい、燃焼ガスG2がエコノマイザ40の熱交換部44(後述)を通過して温度が低下したものを「燃焼ガスG3」といい、排出路24の内部における排出部25の近傍に位置するものを「燃焼ガスG4」といい、排出部25から排出されて排出部25の近傍の大気に拡散し且つ混合されたものを、「燃焼ガス混合空気(燃焼ガス)G5」という。
つまり、燃焼ガスは、燃焼反応中のもの、及び、燃焼反応が完了したものの内、少なくとも一方を含む概念である。言い換えれば、燃焼ガスは、ボイラ本体21で発生してボイラ本体21内に存在している状態のものから、排出部25から排出されて大気と混合されることにより燃焼ガス混合空気G5とされて排出部25の近傍に存在している状態のものまでも含む。但し、ボイラ本体21にて熱交換後の燃焼ガスG2〜G5は、「排ガス」ということもできる。そして、ボイラ本体21からの排ガスは、煙道(24A,24B,24C)、エコノマイザ40(下降流通部24D)を介して、排気筒(24F)から外部へ排出される。
給水については、エコノマイザ40の熱交換部44に流通する前のものを「給水W1」といい、熱交換部44において加熱された後のものを「給水W2」といい、ボイラ本体21に供給される直前のものを「給水W3」という。
燃料は、例えば、生ガスと燃焼用空気とを混合した燃料ガスからなる。なお、燃料ガスに代えて、重油等の液体燃料を燃料として用いてもよい。また、図2では、ボイラ本体21は、横向きの角型缶体としているが、場合により縦向き円筒状の丸型缶体であってもよい。但し、低負荷運転では、ボイラ20が停止と再起動とを繰り返す場合があるところ、ボイラ20の再起動時のプレパージの送風量は炉内容積に比例するので、そのプレパージによる放熱損失を低減するためには、炉内容積を比較的小さくできるいわゆるノンファーネス缶体としての角型缶体であるのが好ましい。
燃料供給部22は、例えば、燃焼用空気を供給する送風ファン(図示せず)と、燃焼用空気に生ガスを供給するノズル(図示せず)と、を備えている。燃料供給部22は、送風ファンから送風された燃焼用空気とノズルから供給された生ガスとが混合された燃料ガスを、バーナで燃焼するようになっている。
排出路24は、ボイラ本体21において燃焼により発生した燃焼ガスG2を、ボイラ本体21から排出部25まで移送して大気中に排出するための通路である。
排出路24は、図示例の場合、上下方向に延びる流通部としての下降流通部24Dを有する。下降流通部24Dにおいては、燃焼ガスG2,G3が上方から下方に向かって下降して流通する。
詳細には、排出路24は、ボイラ本体21の末端側に接続されており、側面視で、水平方向に形成された第1の水平流通部24Aと、第1の水平流通部24Aに接続され且つ上方に延びる第1の上昇流通部24Bと、第1の上昇流通部24Bに接続され且つ水平方向に延びる第2の水平流通部24Cと、第2の水平流通部24Cに接続され且つ下方に延びる下降流通部24Dと、下降流通部24Dに接続され且つ水平方向に延びる第3の水平流通部24Eと、第3の水平流通部24Eに接続され且つ上方に延びる第2の上昇流通部24Fと、を備えている。流通部24A,24B,24Cを煙道、下降流通部24Dをエコノマイザ40、流通部24Fを排気筒ということもできる。
排出部25は、第2の上昇流通部24Fの末端に形成されており、大気に開口している。
エコノマイザ40は、ボイラ本体21からの排ガスで、ボイラ本体21への給水を予熱する給水予熱器であり、燃焼ガスG2が通過する通気路42と、燃焼ガスG2と接触して熱交換をする熱交換部44と、を備えている。
通気路42は、図示例では、排出路24の下降流通部24Dから構成されている。
熱交換部44は、下降流通部24Dに配置されており、ボイラ本体21に供給される給水W1が流通する。エコノマイザ40は、ボイラ本体21から排出され且つ下降流通部24Dを流通する燃焼ガスG2により熱交換部44において給水W1を予め加熱してから、給水W2,W3をボイラ本体21に供給する。
熱交換部44は、例えば、燃焼ガスG2の顕熱を回収したり、燃焼ガスG2の潜熱を回収して燃焼ガスG2に含まれる水蒸気を結露させて水として回収したりすることを可能とされている。
次に、エコノマイザ40の作用について説明する。
1)ボイラ本体21における燃料の燃焼で発生した燃焼ガスG1は、ボイラ本体21の缶体内の水を加熱した後に排出路24に排出されて、燃焼ガスG2となる。
2)排出路24に移動した燃焼ガスG2は、排出路24の下降流通部24Dに配置された熱交換部44を通過する。熱交換部44の内部の水は、燃焼ガスG2の顕熱により加熱され、燃焼ガスG2の温度は低下する。また、燃焼ガスG2に含まれる水蒸気は、結露して水として分離され、燃焼ガスG2は、温度が低下して燃焼ガスG3の状態となる。
3)熱交換部44を経由して温度が低下した燃焼ガスG3(G4)は、排出部25の近傍の大気と混合されて、燃焼ガス混合空気G5となる。
なお、熱交換部44が下降流通部24Dに配置されているので、熱交換部44で結露した水分(ドレン水)を熱交換部44の下方で容易に回収することができる。
このように、エコノマイザ40には、排ガスを上方から下方へ通すのが好ましい。仮に、排ガスをエコノマイザ40の下から上へ流す場合、低負荷運転かつ給水温度が低い場合、排ガス温度が低くなるエコノマイザ40上部において排ガス中の水分が一部結露し、この結露水が重力に従い下方へ適下する。そして、滴下した結露水が高温の排ガスにより再蒸発したり、エコノマイザ40の伝熱部に滞留したりして、伝熱を阻害するため非効率となるおそれがある。ところが、図示例のように、排ガスをエコノマイザ40の上から下へ流す場合、低負荷運転かつ給水温度が低い場合、排ガス温度が低くなるエコノマイザ40下部において排ガス中の水分が一部結露しても、その結露水は重力に従い下方へすぐに滴下して排出することができるため、伝熱を阻害することがない。
給水装置30は、エコノマイザ40を介してボイラ本体21に給水を供給する装置である。給水装置30は、給水タンク(図示せず)と、第1給水ライン31と、熱交換部44と、第2給水ライン32と、給水ポンプ33と、を備える。
第1給水ライン31は、前記給水タンクと熱交換部44の下端部とを接続し、前記給水タンクに貯留された給水W1を熱交換部44の下端部に流通させる。
第2給水ライン32は、熱交換部44の上端部とボイラ本体21の下部管寄せ(図示せず)とを接続し、熱交換部44を通過した給水W2を、ボイラ本体21の前記下部管寄せに流通させる。
給水ポンプ33は、第1給水ライン31の途中に設けられ、第1給水ライン31に位置する給水W1を下流側(ボイラ本体21側)へ送り出す。
温度測定部50は、第1給水ライン31における熱交換部44の近傍に接続されており、熱交換部44に流通する前の給水W1の温度である給水温度Tを測定する。
次に、燃焼量制御部4の機能のうち、温度測定部50により測定される給水温度Tに基づく複数のボイラ20の燃焼量の制御に係る機能について、説明する。
燃焼量制御部4においては、給水温度Tに係る閾値として、温度閾値Qが設定されている。
温度閾値Qは、例えば、40℃以上の範囲が好ましく、たとえば40〜50℃の範囲で適宜(例えば、45℃)設定することができるが、40℃以上100℃未満の範囲内であれば、どの範囲にでも設定することができる。本実施形態における温度閾値Qが45℃の場合においては、その温度閾値Qは、本実施形態における燃焼ガスの露点近傍の温度である。
本実施形態においてボイラ20の放熱損失は、好ましくは1%以下であり、更に好ましくは0.6%以下である。
ここでいう「放熱損失」は、ボイラ20からの放熱損失の総量であり、例えば、燃焼ガス(排ガス)からの損失、ボイラ本体21からの損失、排出路24からの損失、燃料の不燃焼分による損失、不完全燃焼ガスによる損失、各部からのドレン、蒸気や温水の漏れ等による損失を含む。
ボイラ20の放熱損失が1%以下であると、図3に示すような、ボイラの負荷率が低いほどボイラ効率が漸増する傾向(後述)が発現しやすくなる。
本実施形態においてボイラ20のボイラ(瞬間)効率は、好ましくは96%以上であり、更に好ましくは97%である。
ここでいう「ボイラ効率」は、全供給熱量に対する出蒸気の総吸収熱量の割合を意味し、100%負荷時における瞬間効率(設計効率)である。
ボイラ効率が96%以上であると、図3に示すようなボイラの負荷率が低いほどボイラ効率が漸増する傾向(後述)が発現しやすくなる。
本実施形態におけるボイラシステム1のように、燃焼ガスG2,G3が上方から下方に向かって下降する下降流通部24Dに、エコノマイザ40の熱交換部44が配置されている構成(ダウンフロー形式)の場合には、熱交換部44の上部で発生した結露水(ドレン水)は、下降する燃焼ガスと同一方向に流れ、凝縮効果によって、潜熱の回収効果を向上させる。
給水温度Tに応じてボイラ効率が最高になるボイラ20の燃焼条件は変化する。例えば、給水温度Tによって燃焼ガスの温度が低下する程度が異なり、結露水(ドレン水)の発生のしやすさが異なるからである。
そこで、本実施形態においては、燃焼量制御部4は、温度測定部50により測定される給水温度Tに基づいて複数のボイラ20それぞれの燃焼量を制御する。
詳細には、燃焼量制御部4は、温度測定部50により測定される給水温度Tが温度閾値Q以下の場合には、複数のボイラ20それぞれの燃焼量を低燃焼状態に設定する。
具体的には、燃焼量制御部4は、温度測定部50により測定される給水温度が5〜35℃である場合には、ボイラ20の燃焼量を最大の燃焼量の5〜35%の範囲で設定された低燃焼状態とするのが好ましい。また、燃焼量制御部4は、温度測定部50により測定される給水温度が10〜20℃である場合には、ボイラ20の燃焼量を最大の燃焼量の10〜20%の範囲で設定された低燃焼状態とするのが好ましい。
そのため、たとえば、給水温度Tが15℃(常温)の給水が供給されており且つ約350℃の燃焼ガスG2が熱交換部44に導入される場合には、燃焼量制御部4は、複数のボイラ20それぞれの燃焼量を低燃焼状態に設定する。低燃焼状態とは、段階値制御ボイラにおいて、典型的には最も小さな燃焼量であり、ここでは最大燃焼量のたとえば20%である。
このように設定する理由は次の通りである。図3は、給水温度が15℃の場合における負荷率とボイラ効率との関係を示すグラフである。
給水温度Tが低い(15℃)場合(給水温度Tが燃焼ガスの露点よりも大幅に低い場合)には、燃焼ガスG2の温度が大きく低下するので、熱交換部44の外面に結露水(ドレン水)が多く発生しやすい。また、負荷率が低いほど燃焼ガス(排ガス)の潜熱損失が小さくなる。これらの要因により、図3に示すように、ボイラの負荷率が低いほど、ボイラ効率が漸増する傾向となる。また、燃焼量を極力小さくすれば、エコノマイザ40を流通した後の燃焼ガスG3の温度を小さくできる。従って、燃焼量制御部4は、ボイラ20の燃焼状態を、低燃焼状態L(第2燃焼位置:20%)に設定する。
このように、エコノマイザ40において、給水温度が低く、低負荷運転でも排ガス温度が給水温度付近まで下がらず潜熱回収できる場合、負荷率が低いほど、潜熱回収が放熱損失を上回るので、ボイラ効率が高まる。よって、温度測定部50により測定される給水温度Tが温度閾値Q以下の場合には、ボイラ20の燃焼量を低燃焼状態とすることで、ボイラシステム1の効率を向上することができる。
ところで、前記「最も小さな燃焼量」には、たとえばパイロット燃焼(連続パイロット燃焼を含む)における燃焼量は含まない。また、パージ(微風パージを含む)中には燃焼を行わないのは言うまでない。
パイロット燃焼とは、ガス焚きボイラにおいて、低燃焼よりも更に小さな燃焼であって、蒸気圧力を上昇させない程度の燃焼をいう。パイロット燃焼は、パイロットバーナによる種火状態(連続パイロット燃焼状態)を維持しておき、これにより、低燃焼以上の燃焼状態へ燃焼量を増加させたい場合に、速やかに移行することを可能とする。
微風パージとは、油焚きボイラにおいて、燃焼信号が出力されるとするとすぐに着火することができるように、未燃ガスを缶内に滞留させないために送風機の回転数を減少させて、微風量で送風状態を維持することをいう。
なお、パイロット燃焼および微風パージの設定がなかった場合には、プレパージによる放熱損失が大きくなり、ボイラ効率が低下する不利益がある。その理由は、ボイラを一旦停止し、ボイラを再起動させることになるため、ボイラの缶内をプレパージした後に燃焼を開始する必要があるからである。
プレパージとは、ボイラの点火前に自動で送風機を回し、風を燃焼室内に送り、燃焼室内に残留しているガスを外へ追い出す処理である。
一方、燃焼量制御部4は、温度測定部50により測定される給水温度Tが温度閾値Qを超える場合には、複数のボイラ20それぞれの燃焼量を最大の燃焼量の40%以上が好ましく、たとえば、40〜70%に設定する。
具体的には、給水温度Tが45℃の温水の給水が供給されており且つ約350℃の燃焼ガスG2が熱交換部44に導入される場合には、燃焼量制御部4は、複数のボイラ20それぞれの燃焼量を最大の燃焼量の40〜70%に設定する。本実施形態において最大の燃焼量の40〜70%に該当するのは、中燃焼状態M(第3燃焼位置:45%)である。そこで、本実施形態においては、ボイラ20の燃焼状態を、中燃焼状態M(第3燃焼位置:45%)に設定する。
このように設定する理由は次の通りである。図4は、給水温度が45℃の場合における負荷率とボイラ効率との関係を示すグラフである。
給水温度Tが高い(45℃)場合(燃焼ガスの露点に近い場合)には、負荷率が低いほど、放熱損失の影響が大きくなる一方、負荷率が高いほど燃焼ガス(排ガス)の潜熱損失が大きくなる。これらの要因により、図4に示すように、負荷率が中間であるボイラの燃焼状態が中燃焼状態M(第3燃焼位置:45%)の場合に、ボイラ効率が極大(ピーク)となる。従って、燃焼量制御部4は、ボイラ20の燃焼状態を、中燃焼状態M(第3燃焼位置:45%)に設定する。
このように、エコノマイザ40において、給水温度が高いと、低負荷運転を行なった場合、排ガス温度が給水温度付近まで低下し潜熱回収はできないが放熱損失は大きくなる一方、負荷率が高すぎても排ガスの潜熱損失が大きくなるため、中程度の負荷率でのボイラ効率が最も高くなる。よって、温度測定部50により測定される給水温度Tが温度閾値Qを超える場合には、ボイラ20の燃焼量を中燃焼状態とすることで、ボイラシステム1の効率を向上することができる。
また、燃焼量制御部4は、設定された燃焼量で燃焼させるボイラ20を1台ずつ増加させるように、複数のボイラ20それぞれの燃焼量を制御する。
例えば、ボイラ20の燃焼状態が低燃焼状態L(第2燃焼位置:20%)に設定された場合、燃焼量制御部4は、まず、1台のボイラ20を低燃焼状態L(第2燃焼位置:20%)で燃焼させる。1台のボイラ20の燃焼では、ボイラシステム1が生成すべき蒸気量(必要蒸気量)が不足する場合には、2台目のボイラ20を低燃焼状態L(第2燃焼位置:20%)で燃焼させる。必要蒸気量が得られるまで、低燃焼状態L(第2燃焼位置:20%)で燃焼させるボイラ20を増加させる。全てのボイラ20を低燃焼状態L(第2燃焼位置:20%)で燃焼させても必要蒸気量が得られない場合には、1台のボイラ20の燃焼状態を中燃焼状態M(第3燃焼位置:45%)に設定する。以後、必要蒸気量が得られるまで、中燃焼状態M(第3燃焼位置:45%)で燃焼させるボイラ20を増加させる。
最初からボイラ20の燃焼状態が中燃焼状態M(第3燃焼位置:45%)に設定された場合にも、前述の制御と同様に制御される。
なお、ボイラ20を1度に複数台増加させてもよい。
このようにして、本実施形態のボイラシステム1によれば、複数のボイラ20,20,…を備え、燃焼量制御部4は、スチームヘッダ6に設けた圧力測定部7による蒸気圧により蒸気の使用負荷を把握し、その蒸気の使用負荷に応じてボイラ20の運転台数と各燃焼量を制御する。その際、温度測定部50により測定される温度に基づき設定された燃焼量(温度閾値Q以下か否かで決定される低燃焼状態か中燃焼状態)で燃焼させるボイラ20の数を最大数または設定数にするように制御することで、ボイラシステム1の効率を向上することができる。
次に、本実施形態のボイラシステム1において、熱交換部44に流通する前の給水W1の温度である給水温度Tに基づくボイラ20の燃焼量の制御について、図5を参照しながら説明する。図5は、実施形態に係るボイラシステム1の動作を示すフローチャートである。
図5に示すように、ステップST1において、温度測定部50は、熱交換部44に流通する前の給水W1の温度である給水温度Tを測定する。温度測定部50により測定された給水温度Tの情報は、燃焼量制御部4の入力部4Aを介して演算部4Bに入力される。
ステップST2において、燃焼量制御部4の演算部4Bは、給水温度Tが給水温度閾値Q以下であるか否かを判定する。給水温度Tが給水温度閾値Q以下である場合(YES)には、ステップST3へ進む。また、給水温度Tが給水温度閾値Qを超えている場合(NO)には、ステップST4へ進む。
給水温度Tが給水温度閾値Q以下である場合(YES)には、複数のボイラ20それぞれを低燃焼状態に設定すれば、ボイラ効率を最も高くすることができる。そこで、ステップST3において、燃焼量制御部4の演算部4Bは、複数のボイラ20それぞれの燃焼量を低燃焼状態L(第2燃焼位置:20%)に設定する。
一方、給水温度Tが給水温度閾値Qを超えている(NO)場合には、たとえば、複数のボイラ20それぞれの燃焼量を最大の燃焼量の40〜70%に設定すれば、ボイラ効率を最も高くすることができる。最大の燃焼量の40〜70%に該当するのは、中燃焼状態M(第3燃焼位置:45%)である。そこで、ステップST4において、燃焼量制御部4の演算部4Bは、複数のボイラ20それぞれの燃焼量を中燃焼状態M(第3燃焼位置:45%)に設定する。
ステップST3又はステップST4の後、熱交換部44に流通する前の給水W1の温度である給水温度Tに基づくボイラ20の燃焼量の制御は終了する。その後、ボイラ20の燃焼量は、圧力測定部7により測定されるスチームヘッダ6内の蒸気の圧力P等に基づいて、燃焼量制御部4により制御される。
次に、図6及び図7を参照して、燃焼量の制御の具体例(第1の具体例、第2の具体例)について説明する。図6は、ボイラの燃焼量の制御に係る第1の具体例を示す図面である。図7は、ボイラの燃焼量の制御に係る第2の具体例を示す図面である。
この具体例では以下の条件とされているものとする。図6及び図7に示すように、ボイラシステムは、4台のボイラ(NO.1〜NO.4)から構成されている。1台のボイラの蒸気生成能力は2t/hであり、必要蒸気量は2tである。低燃焼状態L(第2燃焼位置:20%)に設定された場合におけるボイラの蒸気生成能力は500kg/hである。中燃焼状態M(第3燃焼位置:45%)に設定された場合におけるボイラの蒸気生成能力は1t/hである。
前記条件において、給水温度Tが15℃(常温)の給水が供給されており且つ約350℃の燃焼ガスが熱交換部に導入される場合には、図6に示すように、4台のボイラ全てについて、燃焼量を低燃焼状態L(第2燃焼位置:20%)に設定する。蒸気生成能力が500kg/hのボイラが4台あるので、ボイラシステム全体としての蒸気生成能力は、必要蒸気量と同じ2t/hとなる。
このように燃焼量を制御することにより、ボイラ効率を最高にすることができる。
また、前記条件において、給水温度Tが45℃の温水の給水が供給されており且つ約350℃の燃焼ガスが熱交換部に導入される場合には、図7に示すように、4台のボイラのうち、2台のボイラ(NO.1、NO.2)のみ、燃焼量を中燃焼状態M(第3燃焼位置:45%)に設定する。なお、他の2台のボイラ(NO.3、NO.4)は、燃焼停止状態になっている。蒸気生成能力が1t/hのボイラが2台あるので、ボイラシステム全体としての蒸気生成能力は、必要蒸気量と同じ2t/hとなる。
このように燃焼量を制御することにより、ボイラ効率を最高にすることができる。
本実施形態のボイラシステム1によれば、例えば、次の効果が奏される。
本実施形態のボイラシステム1においては、ボイラ20は、ボイラ本体21と排出部25とを連通して燃焼ガスG2〜G4を流通させる排出路24であって、その一部に上下方向に延びる下降流通部24Dを有する排出路24と、下降流通部24Dに配置され且つボイラ本体21に供給される給水W1が流通する熱交換部44を有し、下降流通部24Dを流通する燃焼ガスG2により熱交換部44において給水W1を予め加熱してから、給水W3をボイラ本体21に供給するエコノマイザ40と、熱交換部44に流通する前の給水W1の温度である給水温度Tを測定する温度測定部50と、を有する。燃焼量制御部4は、温度測定部50により測定される給水温度Tに基づいて、複数のボイラ20それぞれの燃焼量を制御する。
本実施形態によれば、熱交換部44に流通する前の給水W1の温度である給水温度Tに基づいて複数のボイラ20それぞれの燃焼量を制御するため、ボイラ20の放熱損失を1%以下とし、ボイラ20のボイラ効率を96%以上とすることが容易である。従って、本実施形態によれば、ボイラ20の放熱損失を低減することができると共に、ボイラ効率を向上することができる。
以上、好適な実施形態について説明したが、本発明は、前述した実施形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。
例えば、排出路24において熱交換部44が配置される流通部は、前記実施形態においては、燃焼ガスが上方から下方に向かって下降して流通する下降流通部24Dに設けられているが、これに制限されない。前記流通部は、燃焼ガスが下方から上方に向かって上昇して流通する上昇流通部に設けることもできる。さらに、エコノマイザ40では、横方向、斜め上方へ、あるいは斜め下方へ燃焼ガスが通される構成でもよい。このように、エコノマイザ40は、縦型に配置される以外に、横型に配置されたり、斜めに配置されたりしてもよい。
また、本実施形態においては、ボイラ20として、燃焼停止状態(第1燃焼位置:0%)、低燃焼状態L(第2燃焼位置:20%)、中燃焼状態M(第3燃焼位置:45%)及び高燃焼状態H(第4燃焼位置:100%)の4段階の燃焼状態(燃焼位置、負荷率)に制御可能な4位置制御の段階値制御ボイラを用いているが、これに制限されない。
4位置制御の段階値制御ボイラとして、燃焼停止状態(第1燃焼位置:0%)、低燃焼状態L(第2燃焼位置:20%)、中燃焼状態M(第3燃焼位置:60%)及び高燃焼状態H(第4燃焼位置:100%)の4段階の燃焼状態(燃焼位置、負荷率)に制御可能な4位置制御の段階値制御ボイラを用いることができる。
段階値制御ボイラにおける燃焼位置の制御は、4位置制御に制限されず、3位置制御、5位置制御などでもよい。
いずれの場合も、温度測定部50により測定される給水温度Tが温度閾値Q以下の場合には、ボイラ20の燃焼量を低燃焼状態に設定するが、この低燃焼状態は、必ずしも最小燃焼状態でなくてもよい。つまり、低燃焼状態よりも燃焼量の小さな微燃焼状態でもボイラ20が運転可能とされてもよい。この微燃焼状態は、たとえばボイラ20の着火時に用いることができる。また、蒸気負荷との関係で、ボイラ20を一時的に停止するのに代えて、前述したパイロット燃焼のように微燃焼状態とすれば、再起動時のプレパージ(送風)を防止できるので、放熱損失を低減して、ボイラシステム1の効率を向上することができる。
温度閾値は、好ましくは40℃以上であり、実施形態としては好ましくは40〜50℃(例えば45℃)であるが、40℃以上100℃未満の範囲内であれば、どの範囲にでも設定することができる。
ボイラシステムにおけるボイラの台数は、1台でもよい。
ボイラシステムにおいて、蒸気生成能力が異なるボイラを併せて備えていてもよい(例えば、蒸気生成能力が2t/hのボイラと3t/hのボイラ)。
段階値制御ボイラに代えて、比例制御ボイラを用いることができる。
比例制御ボイラは、燃焼能力(最大燃焼状態における燃焼量)に対して0%(燃焼がない状態)から100%(最大燃焼量)の範囲で燃焼量が連続的に制御可能とされており、例えば、比例制御バルブの開度(燃焼比)を制御することにより調整するようになっている。
比例制御ボイラの燃焼量は、比例制御ボイラの燃焼能力とバルブ開度(燃焼比)との積により求められる。
比例制御ボイラにおいて燃焼量を連続的に制御するとは、燃焼量が無断階で制御される場合の他、制御部における演算や信号がデジタル方式とされて段階的に取り扱われる場合であっても、例えば、バルブ等の制御機構による制御量が、燃焼用空気や燃料ガス等のバラツキに起因する燃焼量の変動に比べて小さい数値(例えば、1%以下)とされ、事実上連続的に制御されるものを含むものとする。
また、本発明は、ガス焚きボイラおよび油焚きボイラにも適用可能である。
また、前記実施形態では、温度測定部50は、エコノマイザ40の入口側の水温を測定して、これを温度閾値Q(以下、第一温度閾値という)と比較して、燃焼量を切り替える例について説明したが、エコノマイザ40の出口側の水温を測定して、これを第二温度閾値Q’と比較して、燃焼量を切り替えるようにしてもよい。その場合、第二温度閾値Q’は、第一温度閾値Qよりも、エコノマイザ40での加熱分だけ高い温度を設定すればよい。
さらに、温度測定部50は、エコノマイザ40における水温ではなく、排ガスの温度(典型的にはエコノマイザ40を通過した直後の排ガス温度)を測定して、これを第三温度閾値Q’’と比較して、燃焼量を切り替えるようにしてもよい。
いずれにしても、温度閾値Q〜Q’’は、排ガスの露点、つまり排ガス中の水分が結露する温度を基準に設定や変更される。その露点を左右するのが、燃料組成、気温、湿度、空気比であるから、これらに基づき温度閾値が設定(変更)される。
温度測定部50が排ガス温度を測定して制御する場合、第三温度閾値Q’’は、たとえば55〜60℃に設定される。また、排ガス温度を測定して制御する場合、各ボイラ20は、低燃焼状態で燃焼をスタートして、排ガス温度が第三温度閾値Q’’以下なら低燃焼状態のまま運転し、第三温度閾値Q’’を超えると中燃焼状態に切り替えてもよい。あるいは、低燃焼状態で燃焼をスタートして、エコノマイザ40における実際の結露水の有無を監視して、結露水が検出された場合には低燃焼状態のまま運転し、結露水が検出されない場合には中燃焼状態に切り替えてもよい。
また、温度測定部50を設置するのに代えて、燃焼量制御部4がカレンダー機能を備え、運転日の月もしくは月日または日時に基づいて、給水温度を予測して制御してもよい。
また、ボイラ本体21は、高燃焼状態で最初の起動がなされるように制御してもよい。この場合、冷態起動時を高燃焼で行うので、蒸気圧を早期に所望まで高めることができる。
なお、各ボイラ本体21へ燃焼用空気を供給する送風機は、インバータ制御により回転数を調整されてもよい。これにより、燃焼量に応じた燃焼用空気を簡易に燃焼室へ供給することができる。
1 ボイラシステム
4 燃焼量制御部(燃焼量制御手段)
20 ボイラ
21 ボイラ本体
24 排出路
24D 下降流通部(流通部)
25 排出部
40 エコノマイザ(給水予熱器)
44 熱交換部
50 温度測定部(温度測定手段)
G1,G2,G3,G4 燃焼ガス
W1,W2,W3 給水

Claims (10)

  1. ボイラと、該ボイラの燃焼量を制御する燃焼量制御手段と、を備えるボイラシステムであって、前記ボイラは、燃焼が行われるボイラ本体と、前記ボイラ本体で発生する燃焼ガスを排出する排出部と、前記ボイラ本体と前記排出部とを連通して燃焼ガスを流通させる排出路と、前記排出路に配置され且つ前記ボイラ本体に供給される給水が流通する熱交換部を有し、前記排出路を流通する燃焼ガスにより前記熱交換部において給水を予め加熱してから、当該給水を前記ボイラ本体に供給する給水予熱器と、前記熱交換部に流通する給水または燃焼ガスの温度を測定する温度測定手段と、を有し、
    前記燃焼量制御手段は、低燃焼状態と高燃焼状態とを含む複数段階に燃焼量を変更可能とし、前記燃焼量制御手段においては、給水または燃焼ガスの温度に係る閾値として温度閾値が設定されており、
    前記燃焼量制御手段は、前記温度測定手段により測定される温度が前記温度閾値以下の場合には、前記ボイラの燃焼量を低燃焼状態とし、
    前記燃焼量制御手段は、燃焼量が小さい順に、低燃焼状態、中燃焼状態および高燃焼状態に燃焼量を変更可能とされ、
    前記温度測定手段により測定される温度が前記温度閾値以下の場合には、前記ボイラの燃焼量を低燃焼状態とし、
    前記温度測定手段により測定される温度が前記温度閾値を超える場合には、前記ボイラの燃焼量を中燃焼状態とする
    ことを特徴とするボイラシステム。
  2. 前記燃焼量制御手段は、燃焼量が小さい順に、微燃焼状態、低燃焼状態、中燃焼状態および高燃焼状態に燃焼量を変更可能とされた
    ことを特徴とする請求項に記載のボイラシステム。
  3. 前記温度閾値は、燃料組成、気温、湿度および空気比に基づき変更される
    ことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のボイラシステム。
  4. 前記温度測定手段の設置に代えて、月もしくは月日または日時に基づいて給水温度を予測し、この予測値を温度閾値と比較して燃焼量を変える
    ことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のボイラシステム。
  5. 前記ボイラ本体は、高燃焼状態で最初の起動がなされる
    ことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のボイラシステム。
  6. 前記ボイラ本体へ燃焼用空気を供給する送風機をインバータ制御する
    ことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のボイラシステム。
  7. 前記燃焼量制御手段は、前記温度測定手段により測定される給水温度が5〜35℃である場合には、前記ボイラの燃焼量を最大の燃焼量の5〜35%に設定する
    ことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のボイラシステム。
  8. 前記温度測定手段により測定される給水温度が前記温度閾値を超える場合には、前記ボイラの燃焼量を最大の燃焼量の40%以上に設定する
    ことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のボイラシステム。
  9. 前記温度測定手段は、前記熱交換部に流通する前の給水の温度を計測し、
    前記温度閾値は、40℃以上である
    ことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のボイラシステム。
  10. 前記ボイラを複数備え、
    前記燃焼量制御手段は、蒸気の使用負荷に応じて前記ボイラの運転台数と各燃焼量を制御するに際し、前記温度測定手段により測定される温度に基づき設定された燃焼量で燃焼させる前記ボイラの数を最大にする
    ことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のボイラシステム。
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