JP2018076820A - 燃料タンクシステム - Google Patents

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千明 片岡
入山 要次郎
Yojiro Iriyama
要次郎 入山
昌慶 品川
Masayoshi Shinagawa
昌慶 品川
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Abstract

【課題】部品点数を抑制しつつ、ベーパ流路上に流量制御弁を設け、キャニスタの大気開放側の流路に切換弁を配設した燃料タンクシステムを提供する。
【解決手段】電磁弁80は、ガイド孔104内に第1弁体84と第2弁体88がコイルスプリング86を挟んで回転自在に配置されている。車両のエンジン駆動走行時には、第2弁体88の突起166を筐体90の溝120の一端面120Aに当接させた状態でコイルスプリング86を圧縮して第1弁体84のみを回転させて流量制御弁45の開度を調整できる。一方、駐車時や給油時、穴あき検知の場合には、第2弁体88を第1弁体84と一体的に回転させて大気開放管62、負圧作用路70、リファレンス管74の連通・遮断を切り換えることができる。切換弁66と流量制御弁45を単一のアクチュエータ82で駆動することができるため、部品点数を削減することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、燃料タンクシステムに関する。
従来、燃料タンク内で発生した燃料蒸気をキャニスタに吸着させると共に、キャニスタに吸着された燃料蒸気を吸気流路の負圧を利用してエンジン側に供給する燃料タンクシステムが用いられている。
上記燃料タンクシステムでは、配管等から燃料蒸気が漏れると大気汚染をしてしまうおそれがある。そこで、燃料蒸気のリークの検知(穴あき検知)を自動的に行うことが義務付けられている。
例えば、特許文献1の燃料蒸発ガス排出抑制装置では、燃料タンクとキャニスタとを結ぶベーパ流路上に開閉弁(密閉バルブ)を設けるとともに、キャニスタの大気開放側に設けられた大気開放流路と負圧ポンプが配設された流路とを切り換える切換弁が設けられている。開閉弁の開閉、及び切換弁を切り換えることで燃料蒸気のリーク及びリーク箇所を検知可能とされている。
特開2015−190347号公報
上記特許文献1記載の燃料蒸発ガス排出抑制装置では、開閉弁や切換弁を駆動するためにそれぞれアクチュエータが必要となり、部品点数が増加するという不都合があった。
したがって、穴あき検知を行うために、ベーパ流路上に流量制御弁を設け、キャニスタの大気開放側の流路上に切換弁を設けた燃料タンクシステムにおいても、同様に部品点数の抑制が求められている。
本発明は上記事実を考慮し、部品点数を抑制しつつ、ベーパ流路上に流量制御弁を設け、キャニスタの大気開放側の流路に切換弁を配設した燃料タンクシステムを提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、燃料が貯留される燃料タンクと、前記燃料タンクから燃料蒸気が導入されて吸着されると共に、吸気管に燃料蒸気を供給するキャニスタと、前記燃料タンクと前記キャニスタの導入ポートとを接続するベーパ流路と、前記キャニスタの通気ポートと外部に開口した大気連通口とを連通させる大気連通口側流路と、前記ベーパ流路と前記大気連通口側流路に跨って形成されたガイド孔を有する筐体と、前記ベーパ流路に設けられ、前記ベーパ流路の開度を調整する第1弁体を有すると共に、前記第1弁体はガイド孔の内部を周方向に回転自在に配設されている流量制御弁と、前記大気連通口側流路において前記通気ポートと前記大気連通口とを連通又は遮断する第2弁体を有し、前記第2弁体は周方向に弾性変形可能な弾性体を介して前記第1弁体と接続され、かつ前記ガイド孔の内部を周方向に回転自在に配設された切換弁と、前記第2弁体に設けられた被係止部が当接することによって前記第2弁体の回転を規制する係止部と、前記第1弁体と前記第2弁体を一体的に前記周方向に回転させて前記切換弁の連通状態及び遮断状態のいずれかに切り換えると共に、車両のエンジン駆動走行中には前記第2弁体の被係止部を前記係止部に当接させた状態で前記弾性体を周方向に圧縮させつつ前記第1弁体を前記周方向に沿って回転させて前記流量制御弁の前記開度を調整するアクチュエータと、を備える。
このように構成された燃料タンクシステムは、アクチュエータが駆動されることにより、弾性体で接続された第1弁体と第2弁体がガイド孔の内部を一体的に周方向に沿って回転する。これにより、大気連通口側流路における通気ポート側と大気連通口側との連通・遮断状態を切り換えることができる。すなわち、切換弁を切り換えることができる。
一方、車両がエンジン駆動走行状態になった場合には、アクチュエータの駆動によって第2弁体の被係止部が係止部に当接される。この状態で、さらにアクチュエータを駆動すると、第2弁体は被係止部が係止部に当接しているため回転しない。一方、第1弁体は第2弁体との間に配設されている弾性体を周方向に圧縮させて回転する。この結果、切換弁の連通・遮断状態が維持されたまま、ベーパ流路における流量制御弁の開度が調整される。
このように、車両のエンジン駆動走行時にアクチュエータの駆動によって切換弁を変化させずに流量制御弁のみを変化させて燃料タンクから吸気管へ供給される燃料蒸気量を調整可能であると共に、給油時や駐車時、あるいは穴あき検知時等に切換弁を切り換えてキャニスタの通気ポートと大気連通口を連通、又は遮断することができる。
すなわち、単一のアクチュエータでパージ流路に設けられた流量制御弁と大気連通口側流路との間に設けられた切換弁を駆動することができる。
請求項1記載の発明の燃料タンクシステムは、上記構成としたので、1つのアクチュエータで流量制御弁と切換弁を駆動することができ、部品点数を削減することができる。
本発明の一実施形態に係る燃料タンクシステムの全体概略構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係る電磁弁の分解斜視図である。 本発明の一実施形態に係る燃料タンクシステムの大気開放状態(給油状態)における電磁弁の、(A)は図2のAーA線断面図であり、(B)は図2のBーB線断面図であり、(C)は図2のCーC線断面図であり、(D)は図2のDーD線断面図である。 本発明の一実施形態に係る燃料タンクシステムの大気開放状態(給油状態)を示す全体概略構成図である。 本発明の一実施形態に係る燃料タンクシステムのエンジン駆動走行状態を示す電磁弁の、(A)は図2のAーA線断面図であり、(B)は図2のBーB線断面図であり、(C)は図2のCーC線断面図であり、(D)は図2のDーD線断面図である。 本発明の一実施形態に係る燃料タンクシステムのエンジン駆動走行状態を示す全体概略構成図である。要部構成図である。 本発明の一実施形態に係る燃料タンクシステムの絞り状態を示す電磁弁の、(A)は図2のAーA線断面図であり、(B)は図2のBーB線断面図であり、(C)は図2のCーC線断面図であり、(D)は図2のDーD線断面図である。 本発明の一実施形態に係る燃料タンクシステムの全閉状態(駐車状態及び穴あき検知制御における一次検出状態)を示す要部構成図である。 本発明の一実施形態に係る燃料タンクシステムの全閉状態(駐車状態及び穴あき検知制御における一次検出状態)を示す全体概略構成図である。 本発明の一実施形態に係る燃料タンクシステムのリファレンス状態(穴あき検知制御の二次検出におけるリファレンス圧力検出状態)を示す電磁弁の、(A)は図2のAーA線断面図であり、(B)は図2のBーB線断面図であり、(C)は図2のCーC線断面図であり、(D)は図2のDーD線断面図である。要部構成図である。 本発明の一実施形態に係る燃料タンクシステムのリファレンス状態(穴あき検知制御の二次検出におけるリファレンス圧力検出状態)を示す全体概略構成図である。 本発明の一実施形態に係る燃料タンクシステムの穴あき検知状態(穴あき検知制御の二次検出における到達圧力検出状態)を示す電磁弁の、(A)は図2のAーA線断面図であり、(B)は図2のBーB線断面図であり、(C)は図2のCーC線断面図であり、(D)は図2のDーD線断面図である。 本発明の一実施形態に係る燃料タンクシステムの穴あき検知状態(穴あき検知制御の二次検出における到達圧力検出状態)を示す全体概略構成図である。 本発明の一実施形態に係る燃料タンクシステムの穴あき検知制御を示すフローチャートである。
本発明の一実施形態に係る燃料タンクシステムについて図1〜図14を参照して説明する。なお、各図は模式的なものであり、本発明と関連性の低いものは図示を省略している。また、本実施形態の燃料タンクシステムが適用された車両がエンジンとモータとを動力源として備えたハイブリッド車(HV(Hybrid Vehicle))又はプラグインハイブリッド車(PHV(Plug-in Hybrid Vehicle))の場合について説明する。
(全体構成)
先ず、燃料タンクシステム10の全体構成について説明し、その後で電磁弁80(流量制御弁45及び切換弁66)の具体的構成について説明する。
本実施形態に係る燃料タンクシステム10は、図1に示すように、燃料Fが貯留される燃料タンク12と、燃料タンク12内の燃料蒸気が吸着されるキャニスタ14と、キャニスタ14に吸着された燃料蒸気が供給されるエンジン16と、後述するセンサやスイッチからの信号に基づいてポンプ、電磁弁などを制御するECU18とを基本的に備えている。
燃料タンク12は、燃料Fが貯留される燃料タンク本体20と、燃料タンク本体20から斜め上方に延在するフィラーパイプ22と、フィラーパイプ22の燃料注入口を閉塞するキャップ24と、を備えている。
燃料タンク本体20の内部には、燃料ポンプ26が配設されている。燃料ポンプ26からエンジン16側に燃料を供給する燃料供給管28は、燃料タンク本体20の上部に形成された開口部を閉塞する蓋体30を貫通して、エンジン16側(後述するインテークマニホールド58)まで延在している。また、燃料タンク本体20の内部の上方には、フロートバルブ32が配設されている。
一方、フィラーパイプ22の燃料注入口は、車体のリッド34の内側に配設されており、給油時には、開放されたリッド34からキャップ24が取り外されたフィラーパイプ22に給油ノズル172が挿入されることにより、燃料タンク本体20に燃料が供給される(図4参照)ものである。
なお、リッド34は、図1に示すように、車室内の給油スイッチ29を操作することにより開放されるものであり、給油スイッチ29の操作信号はECU18に出力されるように構成されている。リッド34には、リッド34の閉塞をスイッチの信号としてECU18に出力するリッドスイッチ36が設けられている。
キャニスタ14は、キャニスタ本体38が壁40によって上下に区画されており、それぞれに燃料蒸気の吸着剤となる活性炭42が配設されている。
キャニスタ本体38の上流側の導入ポート44は、燃料タンク本体20(フロートバルブ32)とベーパ管46で連通されている。このベーパ管46上には、後述する電磁弁80の一部を構成する流量制御弁45が配設されている。
また、供給ポート47は、エンジン16の後述する吸気管52とパージ管48で連通されている。パージ管48上には、供給ポート47と吸気管52を連通又は遮断する電磁開閉弁50が設けられている。パージ管48が連通される吸気管52は、エアクリーナ54を介して吸入された空気をスロットルバルブ56で流量調整し、インテークマニホールド58を介してエンジン16に燃料の混合気を供給するものである。
キャニスタ本体38の下流側の通気ポート60には、大気開放管62が連通されている。大気開放管62は、通気ポート60と反対側の端部が外部に連通した大気口64とされている。大気開放管62上には、後述する電磁弁80の一部を構成する切換弁66が配設されている。説明の便宜上、大気開放管62において、切換弁66よりもキャニスタ14側(以下、「上流側」という)を上流側大気開放管62A、切換弁66よりも大気口64側(以下、「下流側」という)を下流側大気開放管62Bという。下流側大気開放管62Bの大気口64側には、エアフィルタ68が配設されている。
また、切換弁66から延在し、エアフィルタ68の上流側で下流側大気開放管62Bに合流(連通)する負圧作用管70が形成されている。この負圧作用管70は、後述するように、切換弁66の切換によって上流側大気開放管62Aと連通又は遮断されるものである。
なお、負圧作用管70には、上流側に圧力を作用させるキーオフポンプ72が配設されている。
さらに、上流側大気開放管62Aから分岐され、負圧作用管70のキーオフポンプ72よりも上流側で合流する(上流側大気開放管62Aと、負圧作用管70のキーオフポンプ72よりも上流側とを連通する)リファレンス管74が形成されている。リファレンス管74上にも、切換弁66が配設されている。説明の便宜上、リファレンス管74において、切換弁66よりも上流側を上流側リファレンス管74A、切換弁66よりも下流側を下流側リファレンス管74Bという。切換弁66の切換によって、上流側リファレンス管74Aと下流側リファレンス管74Bが連通又は遮断される構成である。
また、上流側リファレンス管74Aには、局所的に縮径されたリファレンス部76と、リファレンス部76よりも下流側に圧力センサ78が配設されている。圧力センサ78は、上流側リファレンス管74Aの内部の圧力と大気圧との差圧を検出するものである。
(電磁弁80の構成)
電磁弁80は、図2に示すように、アクチュエータ82と、アクチュエータ82の駆動によって軸回りに回転される第1弁体84と、第1弁体84とコイルスプリング86を介して接続され、軸周りに回転自在な第2弁体88と、第1弁体84、コイルスプリング86、第2弁体88を収容する筐体90とを備えている。第1弁体84が流量制御弁45に相当し、第2弁体88が切換弁66に相当する。すなわち、流量制御弁45及び切換弁66は、電磁弁80の一部として構成されている。
筐体90は、図1に示すように、ベーパ管46からリファレンス管74まで跨って配置されている。筐体90は、図2に示すように、略矩形状であり、左面92、右面94、前面96、後面98、上面100、下面102を有する。この左面92がキャニスタ14側、右面94が燃料タンク12及び大気口64側に面している。
また、図2に示すように、この筐体90の左面92と右面94とを結ぶ方向を左右方向(矢印X方向参照)といい、前面96と後面98とを結ぶ方向を前後方向(矢印Y方向参照)といい、上面100と下面102とを結ぶ方向を上下方向(矢印Z方向参照)という。
この筐体90の上面100から下面102まで貫通して、第1弁体84、第2弁体88等が挿入される円筒形のガイド孔104が形成されている。また、筐体90の左側には、左面92からガイド孔104まで左右方向に延在する3本の孔部106、108、110(以下、「孔部106〜110」という)が上下方向に所定間隔をあけて形成されている。この3本の孔部106〜110は、それぞれ上流側リファレンス管74A、上流側大気開放管62A、キャニスタ14側のベーパ管46の端部を構成している。また、筐体90の右側には、右面94からガイド孔104まで左右方向に延在する4本の孔部112、114、116、118(以下、「孔部112〜118」という)が上下方向に所定間隔をあけて形成されている。この4本の孔部112〜118は、それぞれ下流側リファレンス管74B、負圧作用管70、下流側大気開放管62B、燃料タンク側のベーパ管46の端部を構成している。なお、孔部106〜110は、それぞれ孔部112、114、118とガイド孔104を挟んで対称な位置に形成されている。
筐体90のガイド孔104は、ベーパ管46からリファレンス管74まで跨って延在しており、ガイド孔104の孔部106、108と孔部112、114、116の間に第2弁体88、孔部110と孔部118との間に第1弁体84が配置されることにより、所定位置に流量制御弁45と切換弁66が設けられたことになる。
さらに、筐体90の上面100には、ガイド孔104の端部が開口しているが、その周縁部の一部(135度分)には、下側に凹んだ溝120が形成されている。
アクチュエータ82は、図1及び図2に示すように、筐体90の下方に配置されており、矩形状の筐体122の上面124から上方向に突出した回転自在なロッド126を備える。ロッド126は、ECU18から駆動信号がアクチュエータ82に入力されることにより、電磁駆動によって軸回り(平面視で時計回り)に回転駆動されるものである。ここで「平面視」とは、「上下方向下向きに視て」の意味である。
ロッド126の先端には、略円柱形状である第1弁体84がロッド126と同軸上に固定されている。すなわち、アクチュエータ82の駆動によって、ロッド126の先端に固定された第1弁体84は、ロッド126と共に軸回りに回転する構成とされている。
第1弁体84は、その上下方向の中央部に孔部110、118(ベーパ管46)の径と上下方向高さが同一の流路128が形成されている。第1弁体84において、流路128と上下方向位置が同一で流路128が形成されていない平面視三角形の部分を閉塞部130A、130Bという。図3(D)に示すように、閉塞部130A、130Bは、第1弁体84において軸対称に形成されている。左右方向から視て、閉塞部130A、130Bが孔部110、118と重複することによって、ベーパ管46を流れる気体の流量を制御する(絞る)ものである(図7(D)参照)。
この流路128の開口部の周方向長さが孔部110、118の径に対して十分に長く設定されている。これは、切換弁66の切換時に第1弁体84が回転しても流量制御弁45の後述する開度を維持させるためである。
また、第1弁体84の上面132には、外周に沿って上方に突出形成された周壁134が形成されている。周壁134には、周方向の所定位置から径方向内側に突出形成された係止部136と、周壁134の周方向に沿って所定範囲に亘って下方に窪んで形成された凹部138と、を備えている。この凹部138は、第2弁体88の後述する凸部148が挿入されることにより、第2弁体88に対する第1弁体84の相対的な回転可能範囲を規定するものである。
また、第1弁体84の上面132には、ロッド126と同軸上に上方に突出形成された円柱形の凸部140が形成されている。この凸部140の周囲には、コイルスプリング86が巻回される。
図2に示すように、第1弁体84の上部に配設される第2弁体88は、上下方向から視て第1弁体84と同一形状となる略円柱形状である。
第2弁体88の下面142には、第1弁体84の上面132と同様に、外周に沿って下方に突出形成された周壁144が形成されている。また、周壁144には、周方向の所定位置から径方向内側に突出して形成された係止部146と、周壁144の所定位置で周壁144から下方に突出形成された凸部148と、を備えている。第1弁体84の上方に第2弁体88が配置されることによって、第2弁体88の凸部148は第1弁体84の凹部138の内部に挿入される。
コイルスプリング86の一端86Aを第1弁体84の係止部136に当接させると共に、コイルスプリング86の他端86Bを第2弁体88の係止部146に当接させることによって、第1弁体84の上面132と第2弁体88の下面142との間にコイルスプリング86が介装されている。コイルスプリング86はねじりコイルスプリングであり、周方向に沿って第1弁体84と第2弁体88を離間させる方向に付勢する。一方、第1弁体84の凹部138に挿入された第2弁体88の凸部148は、凹部138の端面138Aに当接することによって、上記付勢による第1弁体84に対する第2弁体88の相対回転(離間する方向への回転)が規制され、第1弁体84と第2弁体88の位置(角度)関係が維持される。具体的には、流路128、150、152、154が図3(A)〜(D)に示す位置関係になるように、第1弁体84と第2弁体88が筐体90のガイド孔104内に配設されている。
第2弁体88には、図2及び図3(A)〜(C)に示すように筐体90の孔部112〜116に対応した3個の流路150、152、154が上方から所定間隔をおいて形成されている。
流路150は、図2及び図3(A)に示すように、孔部106、112(リファレンス管74)の径と同一径で、第2弁体88の径方向に延在するように形成されている。なお、第2弁体88において流路150と上下方向位置が同一で流路150が形成されていない略半円形の部分を閉塞部156A、156Bという。
すなわち、図10(A)に示すように、流路150と孔部106、112が同一軸上になった場合には、上流側リファレンス管74Aと下流側リファレンス管74Bが連通され、図3等に示すように、第2弁体88の孔部106、112に閉塞部156A、156Bが面している場合には、上流側リファレンス管74Aと下流側リファレンス管74Bが遮断される構成である。
流路152は、図2及び図3(B)に示すように、孔部108(上流側大気開放管62A)の径と上下方向高さが同一で平面視で略四分の一円である扇形部152Aと、扇形部152Aと連通することによって径方向に貫通する半径部152Bとを備える。なお、第2弁体88において、流路152と上下方向位置が同一で流路152が形成されていない略半円形の部分を閉塞部158、略四分の一円である扇形の部分を閉塞部160という。
流路154は、図3(C)に示すように、孔部116(下流側大気開放管62B)の径と上下方向高さが同一で平面視で略六分の一円である扇形に形成されている。この流路154は、平面視で流路152の半径部152Bと重複しないように形成されている。なお、第2弁体88において流路154と上下方向位置が同一で流路154が形成されていない部分を閉塞部162という。
また、流路152と流路154の間には、図2及び図3(B)、(C)に示すように、第2弁体88の軸心に沿って上下方向に延在する連通孔164が形成されている。
この結果、図12(B)に示すように、流路152(半径部152B)が孔部108に面した場合には、流路152(扇形部152A)が孔部114に面する。すなわち、上流側大気開放管62Aと負圧作用管70が連通される構成である。この際、図12(C)に示すように、孔部116には閉塞部162が面しており、流路152が流路154を介して孔部116(下流側大気開放管62B)と連通されることはない。
一方、図3(B)、図7(B)に示すように、流路152(扇形部152A)が孔部108に面した場合には、閉塞部158が孔部114に面する。すなわち、上流側大気開放管62Aと負圧作用管70が遮断される構成である。この際、図3(C)、図7(C)に示すように、流路154が孔部116に面している。したがって、孔部108と孔部116が、流路152(扇形部152A)、連通孔164、流路154を介して連通される。すなわち、上流側大気開放管62Aと下流側大気開放管62Bが連通される構成である。
さらに、図8(B)に示すように、閉塞部160が孔部108に面した場合には、閉塞部158が孔部114に面すると共に、閉塞部162が孔部116に面する。したがって、上流側大気開放管62Aと負圧作用管70及び下流側大気開放管62Bが遮断される構成である。
さらに、図2に示すように、第2弁体88の上端部には、外周面から径方向外側に突出した突起166が形成されている。この突起166は、第2弁体88が筐体90のガイド孔104に挿入された場合に、溝120内に挿入されるものである。したがって、第2弁体88の回転に伴って突起166は溝120内を移動し、溝120の一端面120A又は他端面120Bに当接することによって第2弁体88の回転量(本実施形態では135°)を規制している。
なお、流路152の扇形部152Aと流路154の開口部の周方向長さが孔部108、116の径よりも十分に長く設定されている。これは、第2弁体88の回転によりリファレンス管74の接続・遮断が切り換えられても、上流側大気開放管62Aと下流側大気開放管62Bとの連通状態を維持できるようにするためである。
さらに、第2弁体88の下面142には、第1弁体84の凸部140が挿入される凹部168が形成されている。
このように形成された第1弁体84と第2弁体88は、アクチュエータ82の駆動(ロッド126の回転駆動)に伴って筐体90のガイド孔104内を回転して、流量制御弁45及び切換弁66の切換を行う構成である。
すなわち、アクチュエータ82が駆動された場合には、第2弁体88は第1弁体84と一定の位置(角度)関係を維持したまま、第1弁体88と一体的に回転する。これによって、切換弁66は、上流側大気開放管62Aと、下流側大気開放管62B若しくは負圧作用管70とを選択的に連通する、又はいずれとも遮断するものであると共に、上流側リファレンス管74Aと下流側リファレンス管74Bを連通又は遮断するものである。
この際、第1弁体84に形成された流路128は、開口部の周方向長さが孔部110、118の径よりも十分に長い長円形に形成されているため、第1弁体84の回転に拘らず、ベーパ管46を常時全開状態(開度100%)で連通させる構成である。なお、「開度」とは、ベーパ管46の流路断面積に対して流量制御弁45を構成する第1弁体84の流路128とベーパ管46の管路(孔部110、118)のオーバーラップしている部分の面積の割合のことである。
一方、アクチュエータ82の駆動によって第2弁体88の突起166が筐体90の上面100(ガイド孔104の上部)の溝120の平面視時計回り方向端面である一端面120Aに突き当てられた(当接した)状態で、さらにアクチュエータ82の駆動によって平面視時計回りに付勢された場合には、図7(D)に示すように、第2弁体88は回転しない一方、第1弁体84はコイルスプリング86を圧縮させつつ平面視時計回りに回転してベーパ管46の開度(連通状態)を調整する構成である。
特に、図2に示すように、第2弁体88は、突起166が筐体90の溝120の一端面120Aに突き当てられているため、第1弁体84の回転に拘らず回転せず、連通・遮断状態を維持するものである(図5、図7参照)。
このように構成された電磁弁80は、アクチュエータ82を駆動して以下の5状態を切り換えるものである。以下、5状態をロッド126(第2弁体88)の回転角度に基づいて説明する。なお、突起166が溝120の平面視反時計回り方向端面である他端面120Bに当接するロッド126の回転角度を基準位置(θ=0°)から平面視時計回りの角度θで説明する。
先ず、1番目の状態が、図12(A)〜(C)及び図13に示すように、アクチュエータ82の駆動により、第2弁体88の突起166を筐体90の溝120の他端面120Bに当接させた(突き当てた)場合、上流側大気開放管62A(孔部108)と負圧作用管70(孔部114)とを連通させると共に、上流側リファレンス管74A(孔部106)と下流側リファレンス管74B(孔部112)とを遮断した穴あき検知状態である。次に、2番目の状態が、図8(A)〜(C)及び図9に示すように、アクチュエータ82の駆動によりロッド126(第2弁体88)を基準位置から角度θ1(本実施形態では45度)だけ平面視時計回り方向に回転させた場合であり、上流側大気開放管62Aと下流側大気開放管62B及び負圧作用管70とを遮断すると共に、上流側リファレンス管74Aと下流側リファレンス管74Bとを遮断した全閉状態である。続いて、3番目の状態が、図10(A)〜(C)及び図11に示すように、アクチュエータ82を駆動して第2弁体88を基準位置から角度θ2(θ2>θ1、本実施形態では90°)だけ回転させた場合であり、上流側大気開放管62Aと下流側大気開放管62Bとを連通させると共に、上流側リファレンス管74Aと下流側リファレンス管74Bとを連通させたリファレンス状態である。さらに、4番目の状態が、図3(A)〜(C)及び図5(A)〜(C)に示すように、アクチュエータ82を駆動させて第2弁体88を基準位置から角度θ3(θ3>θ2、本実施形態では135°)だけ回転させて、突起166を溝120の平面視時計回り方向の一端面120A(図2参照)に当接させた場合であり、図4及び図6に示すように、上流側大気開放管62Aと下流側大気開放管62Bとを連通させると共に、上流側リファレンス管74Aと下流側リファレンス管74Bとを遮断した大気開放状態、又はエンジン駆動走行状態である。なお、図3(D)、図5(D)、図8(D)、図10(D)、図12(D)に示すように、この穴あき検知状態(1番目の状態)から大気開放状態又はエンジン駆動走行状態(4番目の状態)まで、流量制御弁45の全開状態が維持される。さらにまた、5番目の状態が、図7(A)〜(D)に示すように、アクチュエータ82を駆動してロッド126を基準位置から角度θ4(θ4=θ3+α、本実施形態では135°+α°)だけ回転させて、コイルスプリング86を周方向に圧縮させることにより第1弁体84だけを平面視時計回りに回転させて、ベーパ管46の開度を低減する(絞る)絞り状態である。
なお、図1、図4、図6、図9、図11、図13において、電磁弁80の上流側と下流側が線で結ばれている場合には、上流側の管と下流側の管が連通されていることを、切断されている場合には上流側の管と下流側の管が遮断されていることを模式的に示している。
また、上流側大気開放管62Aと下流側大気開放管62Bとの間には、リリーフ弁170が設けられている。
さらに、給油スイッチ29、リッドスイッチ36、電磁開閉弁50、電磁弁80(アクチュエータ82)、キーオフポンプ72、圧力センサ78は、それぞれECU18と信号線で接続されている。ECU18は、給油スイッチ29、リッドスイッチ36からの検出信号に基づいて電磁開閉弁50、電磁弁80、キーオフポンプ72を駆動制御する。また、ECU18は、圧力センサ78の検出値に基づいて穴あき検知を行う。
(作用)
本実施形態に係る燃料タンクシステム10の作用(動作)を説明する。以下、各状態における制御について説明する。なお、初期状態において、図5及び図6に示すように、電磁開閉弁50は閉塞されており、電磁弁80は全閉状態(切換弁66は全ての管を遮断し、流量制御弁45は全開状態(開度が100%))とされている。
なお、各図において、ドットパターンで塗られている部分は、説明の対象となる気体が存在、又は流れている部分であることを示している。この際、燃料タンク12及びフィラーパイプ22等は、図が煩雑になることを抑制するために、ドットパターンで塗ることが省略されている。
[給油時]
先ず、給油時について、図3及び図4を参照して説明する。
図4に示すように、自動車の給油スイッチ29が操作されることにより、給油スイッチ29からECU18にON信号が入力されると、ECU18では給油が開始されたと判定する。これによって、ECU18は、電磁弁80(アクチュエータ82)に操作信号を出力し、電磁弁80(切換弁66)を全閉状態から大気開放状態に切り換える。
具体的には、アクチュエータ82が駆動され、ロッド126が基準位置から角度θ3の位置になるように平面視時計回りに回転させられる。これにより、第1弁体84と第2弁体88が一定の位置(角度)関係を維持したまま、ガイド孔104内を平面視時計回りに回転する。この結果、図3(A)〜(C)及び図4に示すように、流路152(扇形部152A)、連通孔164、流路154を介して上流側大気開放管62Aと下流側大気開放管62Bとを連通させる一方、上流側リファレンス管74Aと下流側リファレンス管74Bとは閉塞部156A、156Bによって遮断された状態が維持される。なお、流量制御弁45は、図3(D)に示すように、流路128の開口部の周方向長さがベーパ管46の径よりも十分に長い長孔とされているため全開状態が維持されている。さらに、電磁開閉弁50は、初期状態のまま閉塞状態が維持されている。
この状態で、図4に示すように、リッド34が開放されてキャップ24が取り外され、フィラーパイプ22に給油ノズル172が挿入されることにより、燃料タンク本体20に燃料が供給される。この際、キャニスタ14(通気ポート60)と大気口64が連通されている。したがって、燃料タンク本体20の燃料蒸気圧が高まることによって、燃料蒸気がベーパ管46からキャニスタ14の導入ポート44に供給される。キャニスタ14において、活性炭42に燃料が吸着された後、燃料蒸気から燃料を除去された気体が上流側大気開放管62A、切換弁66、下流側大気開放管62Bを介して大気口64から外部に排出される。
ECU18は、リッドスイッチ36からON(閉塞)信号が入力されるまでは、給油が継続していると判定して、電磁弁80の状態を維持する。
図1に示すように、給油終了後に、フィラーパイプ22の燃料注入口がキャップ24で閉塞され、リッド34が閉塞されると、リッドスイッチ36からON信号がECU18に出力される。ECU18は、リッドスイッチ36からON信号が入力されると、リッド34が閉塞され給油が終了したと判定する。
この後、ECU18は電磁弁80(アクチュエータ82)に操作信号を出力し、ロッド126を平面視反時計回りに回転させて切換弁66を切り換えて全閉(初期)状態に戻す。これにより、給油時の制御を終了する。
[エンジン駆動走行時]
次に、エンジン駆動走行時の制御について、図5及び図6を参照して説明する。なお、初期状態で電磁開閉弁50は閉塞されていると共に、電磁弁80は全閉状態とされている。
先ず、ECU18は、エンジンECU(不図示)からエンジン駆動信号が入力されることにより、エンジン駆動走行時制御を開始する。
図6に示すように、ECU18は電磁開閉弁50に操作信号を出力して、電磁開閉弁50を開放させる。また、図5及び図6に示すように、電磁弁80(アクチュエータ82)に操作信号を出力して電磁弁80(切換弁66)を全閉状態からエンジン駆動走行状態に切り換える。
具体的には、図2及び図5に示すように、アクチュエータ82が駆動されて、ロッド126の回転角度が基準位置に対して角度θ3となるように平面視時計回りに回転させることによって、第1弁体84と第2弁体88が一定の位置(角度)関係を維持したまま、ガイド孔104内を平面視時計回りに回転する。この際、第2弁体88の突起166が筐体90の上面100の溝120の一端面120Aに当接される。この結果、図5(A)〜(C)及び図6に示すように、流路152(扇形部152A)、連通孔164、流路154を介して上流側大気開放管62Aと下流側大気開放管62Bとが連通される一方、上流側リファレンス管74Aと下流側リファレンス管74Bとは遮断された状態が維持される。なお、流量制御弁45は、図5(D)に示すように、流路128の開口部の周方向長さがベーパ管46の径よりも十分に長い長孔とされているため全開状態が維持されている。さらに、電磁開閉弁50は、閉塞状態から開放され、パージ管48と吸気管52を連通させる。
この結果、図6に示すように、キャニスタ14は、通気ポート60が大気口64に連通されると共に、供給ポート47が吸気管52に連通される。
したがって、大気口64から大気開放管62を介して導入された大気によって、キャニスタ14に吸着された燃料が燃料蒸気として電磁開閉弁50が開放されたパージ管48を介して吸気管52に確実に供給される。
ところで、ECU18が吸気管52における燃料蒸気圧が過剰なことを検知した場合には、ECU18から電磁弁80(アクチュエータ82)に操作信号が出力され、電磁弁80(流量制御弁45)をエンジン駆動走行状態から絞り状態に切り換える。
具体的には、図2及び図7に示すように、アクチュエータ82が駆動され、基準位置から角度θ3に位置しているロッド126をさらに角度θ4(θ3+α)の位置まで平面視時計回りに回転させる。この際、既に突起166が溝120の一端面120Aに当接されている(突き当てられている)第2弁体88は回転せず(図7(A)〜(C)参照)、第1弁体84のみが第2弁体88との間に配設されているコイルスプリング86を圧縮させつつ回転する(基準位置から角度θ4(θ3+α)の位置まで回転する(図7(D)参照))。なお、この際、コイルスプリング86を圧縮させて回転する第1弁体84が第2弁体88に対して相対的に回転する角度は、第2弁体88の凸部148が第1弁体84の凹部138の端面138Bに当接するまでの周方向長さで規定されている。
この結果、流量制御弁45を構成する第1弁体84の閉塞部130A、130Bが孔部110、118(ベーパ管46)の一部を閉塞する(絞る)ことなり、燃料タンク12(キャニスタ14)から吸気管52に供給される燃料蒸気量を低減させて、吸気管52における燃料蒸気圧が過剰となることを抑制できる。
なお、吸気管52における燃料蒸気圧の過剰が解消された場合には、ECU18から電磁弁80に操作信号が出力され、電磁弁80(流量制御弁45)を絞り状態からエンジン駆動走行状態に復帰させる。
[モータ(エンジン非駆動)走行時]
続いて、エンジン非駆動走行時について、図8及び図9を参照して説明する。
図9に示すように、ECU18では、ハイブリッドECU(不図示)からの信号により、エンジン16が駆動されずにモータのみで車両が走行されていることを認識した場合には、例えば、エンジン駆動走行からモータのみの走行に切り換わった場合には、ECU18から電磁開閉弁50に閉塞信号が出力され、電磁開閉弁50が閉塞される。また、ECU18から電磁弁80(アクチュエータ82)に操作信号が出力され、電磁弁80(切換弁66)がエンジン駆動走行状態から全閉状態に切り換えられる。
具体的には、図2及び図8に示すように、アクチュエータ82が駆動されて、ロッド126の回転角度が基準位置に対して角度θ1となるように平面視反時計回りに回転させることによって、第1弁体84と第2弁体88が一定の位置(角度)関係を維持したまま、ガイド孔104内を一体的に平面視反時計回りに回転する。この結果、図8(A)〜(C)及び図9に示すように、上流側大気開放管62Aと下流側大気開放管62B及び負圧作用管70が遮断されると共に、上流側リファレンス管74Aと下流側リファレンス管74Bも遮断される。
すなわち、図9に示すように、キャニスタ14はエンジン16(吸気管52)側、大気口64側のいずれとも遮断される。したがって、キャニスタ14に吸着された燃料が燃料蒸気として大気口64から外部に排出されること、及びエンジン16を介して外部に排出されることが防止される。また、このように燃料タンクシステム10の全体が閉塞されることによってシステム全体の気体の流れが抑制されるため、エンジン16の非駆動時に、燃料タンク本体20内で発生した燃料蒸気がキャニスタ14に供給され続けて、キャニスタ14に燃料蒸気が過剰に吸着されることを防止することができる。
[駐車時]
次に、駐車時の制御について図8及び図9を参照して説明する。ECU18は、ハイブリッドECU(不図示)からの信号により、車両が非走行状態にあることを検出し、なおかつ、給油を開始してないと判断した場合には、駐車時であると判断する。この場合にも、モータ走行時と同様に、ECU18は、電磁開閉弁50を閉塞させると共に、電磁弁80(切換弁66)を切り換えて全閉状態にする。具体的には、上流側大気開放管62Aと下流側大気開放管62B及び負圧作用管70を遮断すると共に、上流側リファレンス管74Aと下流側リファレンス管74Bを遮断する。
この結果、キャニスタ14はエンジン16(吸気管52)側、大気口64側のいずれとも遮断される。したがって、キャニスタ14に吸着された燃料が燃料蒸気として大気口64から外部に排出されることが防止される。また、このように燃料タンクシステム10の全体が閉塞されることによってシステム全体の気体の流れが抑制されるため、駐車中に、燃料タンク本体20内で発生した燃料蒸気が供給され続けることによりキャニスタ14に燃料蒸気が過剰に吸着されることを防止することができる。
[穴あき検知時]
この穴あき検知制御について、図8〜図13及び図14に示すフローチャートを参照して説明する。
穴あき検知制御を行なう場合には、ECU18は、駐車開始(走行停止)していることが検出され、それから所定時間経過する(図14におけるステップS100、S102でY(以下、「図14における」を省略する))と、穴あき検知制御の一次検出が開始される。
一次検出は、燃料タンクシステム10の全体の圧力を検出する。具体的には、図8及び図9に示すように、ECU18から先ず、電磁開閉弁50、電磁弁80に操作信号が出力され、電磁開閉弁50が閉塞される(ステップS104)と共に、電磁弁80の切換によって全閉状態とされる(ステップS106)。この状態で、ECU18は、圧力センサ78の検出値(大気圧P0と燃料タンクシステム10(上流側リファレンス管74A)の内圧Ptとの差圧)を検出する(ステップS108)。ECU18は、この差圧が予め設定されていた閾値と比較し(ステップS110)、差圧が閾値よりも大きい(ステップS110でN)場合には、システム全体に穴あきがないと判定し、穴あき検知制御を終了する。
一方、圧力センサ78の検出値が閾値以下(ステップS110でY)の場合には、穴あきが原因であるか、他の要因(外部温度等)が原因であるか判別できないため、さらに以下の二次検出を行う。
先ず、ECU18から電磁弁80に操作信号が出力され、全閉状態からリファレンス状態に切り換える(ステップS112)。具体的には、図2及び図10に示すように、アクチュエータ82が駆動され、ロッド126を基準位置から角度θ2の位置まで時計回りに回転させることによって、第1弁体84と第2弁体88が一定の間隔を維持したまま図8の位置から図10の位置に回転する。この結果、図10及び図11に示すように、上流側大気開放管62Aと下流側大気開放管62Bが流路152(扇形部152A)、連通孔164、流路154を介して連通されると共に、上流側リファレンス管74Aと下流側リファレンス管74Bが流路150を介して連通される。この状態で、ECU18は、キーオフポンプ72に駆動信号を出力する。これにより、キーオフポンプ72が駆動され、リファレンス管74に負圧を作用させる(ステップS114)。
ここで、大気開放管62を介して大気口64と上流側リファレンス管74Aが連通しているため、キーオフポンプ72の駆動によりリファレンス管74の上流側から下流側に気体が流れる。ここで、ECU18は、キーオフポンプ72の駆動開始から所定時間経過後に圧力センサ78で検出された圧力値(「リファレンス圧力」という)を記憶する(ステップS116)。
なお、リファレンス圧力は、リファレンス部76の孔径の穴が開いた燃料タンクシステム10にキーオフポンプ72から負圧を作用させたときに圧力センサ78で検出される圧力とみなすことができる。
続いて、ECU18は、電磁弁80に操作信号を出力し、電磁弁80を穴あき検知状態に切り換える(ステップS118)。すなわち、図12及び図13に示すように、上流側大気開放管62Aと負圧作用管70を流路152(半径部152B及び扇形部152A)を介して連通させると共に、上流側リファレンス管74Aと下流側リファレンス管74Bを遮断する。
この状態で、ECU18は、図13に示すように、キーオフポンプ72に駆動信号を出力し、負圧作用管70に負圧を作用させる(ステップS120)。これにより、負圧作用管70、上流側大気開放管62Aを介して燃料タンクシステム10の全体に負圧が作用する。キーオフポンプ72を駆動開始してから所定時間経過後に、ECU18は、圧力センサ78の検出値(「到達圧力」という)を検出する(ステップS122)。
ECU18は、リファレンス圧力と到達圧力を比較する(ステップS124)。到達圧力がリファレンス圧力よりも大きい(負圧が小さい)(ステップS124でY)場合には、システムに穴あきがあると判定し、例えば、インストゥルメントパネル(以下、「インパネ」という)に燃料タンクシステム10の穴あきを警告として表示する(ステップS126)。
一方、到達圧力がリファレンス圧力以下(ステップS124でN)の場合には、ECU18は燃料タンクシステム10に穴あきがないと判定して穴あき検知制御を終了し、切換弁66に操作信号を出力し、初期状態に戻す。
(効果)
燃料タンクシステム10では、電磁弁80の内部に、大気開放管62、負圧作用管70、リファレンス管74等の連通・遮断を行う第2弁体88(切換弁66)と、ベーパ管46の開度を調整する第1弁体84(流量制御弁45)を設けたため、1つのアクチュエータ82で切換弁66と流量制御弁45の駆動することができ、部品点数を削減して構成を簡略化することができる。
特に、流量制御弁45の第1弁体84にベーパ管46の径よりも周方向に長い流路128の開口部を形成しているため、切換弁66を切り換えるために第2弁体88と共に第1弁体84を回転させても、流量制御弁45の開度が変化することはない(開度が維持される)。
一方、流量制御弁45の開度を調整する際には、第1弁体84と第2弁体88の間にコイルスプリング86を介在させているため、第2弁体88の突起166を筐体90の溝120の一端面120Aに突き当てた状態でアクチュエータ82を駆動する(ロッド126を回転させる)ことにより、コイルスプリング86を圧縮して第1弁体84のみを回転させることができる。すなわち、切換弁66を切り換えることなく流量制御弁45のみを切り換えることができる。
さらに、第2弁体88の凸部148が第1弁体84の凹部138の端面138Aに係止されることによって、コイルスプリング86で相互に離間する方向に付勢された第1弁体84と第2弁体88との位置(角度)関係を一定に維持することができる。したがって、アクチュエータ82の駆動(ロッド126の回転)によって、第1弁体84と第2弁体88は位置(角度)関係を一定に維持したまま回転することができる。すなわち、第1弁体84と第2弁体88の間にコイ
ルスプリング86を介在させていても、切換弁66を精度良く切り換えることができる。
また、燃料タンクシステム10では、キャニスタ14の通気ポート60と大気口64の間に、通気ポート60と大気口64を連通する大気開放管62と、キーオフポンプ72が設けられた負圧作用管70と、リファレンス部76と圧力センサ78が設けられたリファレンス管74とを設け、電磁弁80(切換弁66)によって全閉状態、リファレンス状態、穴あき検知状態に切り換えると共に、キーオフポンプ72を駆動することにより、キャニスタ14の大気口64側に配設した圧力センサ78の検出値に基づいて燃料タンクシステム10の穴あき検知を精度良く行うことができる。すなわち、燃料タンクシステム10の穴あき検知を精度良く行うことができる。
特に、燃料タンクシステム10の穴あき検知制御では、最初に電磁弁80(切換弁66)を全閉状態とすると共に、電磁開閉弁50を閉塞した状態、すなわち、燃料タンクシステム10の全体を閉塞した状態で圧力(大気圧との差圧)を検出して閾値と比較することにより一次検出を行う。このため、一次検出で穴あき無しと判定された場合には、二次検出(切換弁66の切換やキーオフポンプ72の駆動等)が不要となるという利点がある。
一方、一次検出で穴あき無しと判定できない場合には、二次検出を行う。具体的には、切換弁66を切り換えてリファレンス状態とすると共に、キーオフポンプ72を駆動してリファレンス管74に負圧を作用させることにより、燃料タンクシステム10にリファレンス部76の孔径の穴が形成された場合に相当するリファレンス圧力を検出する。続いて、切換弁66を穴あき検知状態に切り換えてキーオフポンプ72を駆動することにより、燃料タンクシステム10の全体に負圧を作用させて到達圧力を検出する。ECU18では、この到達圧力とリファレンス圧力を比較することによって穴あきの有無と判定している。
すなわち、一次検出で差圧が閾値以下の場合、穴あきが原因なのか、外部条件(気温)等が原因なのか判別できないが、二次検出でリファレンス圧力を検出して到達圧力と比較することによって、精度良く穴あき検知することができる。
また、燃料タンクシステム10は、ベーパ管46に設けられた流量制御弁45を全閉状態(開度0%)にすることはないが、切換弁66を全閉状態とすると共に、電磁開閉弁50を閉塞することによって、システム全体を密閉状態(キャニスタ14が大気口64や吸気管52から遮断された状態)にすることができる。
したがって、駐車時やモータ(エンジン非駆動)走行時に燃料蒸気が大気口64やエンジン16から外部に放出されることが防止される。また、燃料タンク12からキャニスタ14に到るガスの流れを生じさせないことによって、キャニスタ14に燃料が過剰に付着することを防止することができる。
なお、本実施形態では、ハイブリッド車又はプラグインハイブリッド車に適用した例について説明したが、一般のガソリンエンジンやディーゼルエンジンのみで走行する自動車にも適用可能である。この場合には、モータのみの走行時の制御が除かれる。
また、本実施形態の燃料タンクシステム10では、キャニスタ14の通気ポート60側に大気開放管62、負圧作用管70、リファレンス管74と3本の管路を設け、これらを連通・遮断するための切換弁66を設けたが、これに限定されるものではない。例えば、穴あき検知を行うために、穴あき検知するための基準圧力をECU18がマップ等で記憶する構成として大気開放管62と負圧作用管70だけを設けたものでも良いし、キーオフポンプ72を用いずに穴あき検知を行うものであればキャニスタ14の通気ポート60側に大気開放管62のみを設けたものでも良い。いずれにしろ、キャニスタ14の通気ポート60側の管路を連通・遮断させる切換弁66が設けられているものならば適用可能である。
さらに、ECU18では、給油開始を給油スイッチ29からのON信号の入力に基づいて判定していたが、リッドスイッチ36のオフ(開放)信号で判断するようにしても良い。
また、本実施形態では、キーオフポンプ72として説明したが、穴あき検知で同様に負圧を供給できるものであれば、他のポンプでも良い。
10 燃料タンクシステム
12 燃料タンク
14 キャニスタ
44 導入ポート
45 流量制御弁
46 ベーパ管(ベーパ流路)
52 吸気管
60 通気ポート
62 大気開放管(大気連通口側流路)
64 大気口(大気連通口)
66 切換弁
70 負圧作用管(大気連通口側流路)
74 リファレンス管(大気連通口側流路)
82 アクチュエータ
84 第1弁体
86 コイルスプリング(弾性体)
88 第2弁体
90 筐体
104 ガイド孔
120A 一端面(係止部)
166 突起(被係止部)

Claims (1)

  1. 燃料が貯留される燃料タンクと、
    前記燃料タンクから燃料蒸気が導入されて吸着されると共に、吸気管に燃料蒸気を供給するキャニスタと、
    前記燃料タンクと前記キャニスタの導入ポートとを接続するベーパ流路と、
    前記キャニスタの通気ポートと外部に開口した大気連通口とを連通させる大気連通口側流路と、
    前記ベーパ流路と前記大気連通口側流路に跨って形成されたガイド孔を有する筐体と、
    前記ベーパ流路に設けられ、前記ベーパ流路の開度を調整する第1弁体を有すると共に、前記第1弁体はガイド孔の内部を周方向に回転自在に配設されている流量制御弁と、
    前記大気連通口側流路において前記通気ポートと前記大気連通口とを連通又は遮断する第2弁体を有し、前記第2弁体は周方向に弾性変形可能な弾性体を介して前記第1弁体と接続され、かつ前記ガイド孔の内部を周方向に回転自在に配設された切換弁と、
    前記第2弁体に設けられた被係止部が当接することによって前記第2弁体の回転を規制する係止部と、
    前記第1弁体と前記第2弁体を一体的に前記周方向に回転させて前記切換弁の連通状態及び遮断状態のいずれかに切り換えると共に、車両のエンジン駆動走行中には前記第2弁体の被係止部を前記係止部に当接させた状態で前記弾性体を周方向に圧縮させつつ前記第1弁体を前記周方向に沿って回転させて前記流量制御弁の前記開度を調整するアクチュエータと、
    を備える燃料タンクシステム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113931769A (zh) * 2021-10-13 2022-01-14 亚普汽车部件股份有限公司 燃油系统的集成式电控组件及燃油系统控制方法

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