JP2018076811A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関の制御装置に関し、電動過給機を利用して吸気通路内に負圧を生成させた状態でエンジン始動を行う際に、速やかなエンジン始動をより確実に行えるようにすることを目的とする。【解決手段】エンジン停止要求が出されてからエンジン始動を開始するまでの期間中に、圧縮上死点付近のクランク角期間を除いて圧縮行程にある圧縮行程気筒と吸気行程にある吸気行程気筒が圧縮上死点を迎える前に、少なくとも1回吸気弁が開くような位置に、クランク軸の回転位置が制御される。エンジン始動の開始前に、クランク軸の回転位置の制御がなされている状態で、電動過給機(電動モータ)を作動させて吸気マニホールド内に負圧が生成される。吸気マニホールド内に負圧が生成されている状態で、エンジン始動のためにクランク軸が回転駆動される。【選択図】図2

Description

この発明は、内燃機関の制御装置に関する。
例えば、特許文献1には、電動モータを利用してエンジンを始動させるエンジンの始動装置が開示されている。この始動装置によれば、エンジン始動時に振動低減を図りつつ速やかな始動を行えるようにするために、エンジン始動に際して次のような制御が実行される。すなわち、電動過給機を逆回転させて吸気通路内の圧力を低下させつつ、電動モータによってエンジン回転速度が高められる。そのうえで、エンジン回転速度が所定回転速度に到達した後に、燃料供給が開始される。
特開2010−180712号公報 特開2013−083185号公報
エンジン停止中に圧縮行程にある圧縮行程気筒では、ピストン停止位置次第では、吸気弁が閉じていることがある。このように圧縮行程気筒の吸気弁が閉じていると、内燃機関の始動に際して電動過給機を逆回転させて吸気通路内に負圧を生成したとしても、圧縮行程気筒の筒内圧は低下しない。その結果、圧縮行程気筒の圧縮反力が大きいために、エンジン始動を速やかに完了させることが難しくなる可能性がある。
本発明は、上述のような課題に鑑みてなされたものであり、電動過給機を利用して吸気通路内に負圧を生成させた状態でエンジン始動を行う際に、速やかなエンジン始動をより確実に行えるようにした内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
本発明に係る内燃機関の制御装置は、電動過給機を備える内燃機関を制御する。前記制御装置は、停止位置制御手段と、吸気負圧生成手段と、クランク軸駆動手段とを備える。前記停止位置制御手段は、エンジン停止要求が出されてからエンジン始動を開始するまでの期間中に、圧縮上死点付近のクランク角期間を除いて圧縮行程にある圧縮行程気筒と吸気行程にある吸気行程気筒が圧縮上死点を迎える前に、少なくとも1回吸気弁が開くような位置に、クランク軸の回転位置を制御する。前記吸気負圧生成手段は、前記エンジン始動の開始前に、前記停止位置制御手段による前記クランク軸の回転位置の制御がなされている状態で、前記電動過給機を作動させて吸気通路内に負圧を生成させる。前記クランク軸駆動手段は、前記吸気負圧生成手段により前記吸気通路内に負圧が生成されている状態で、前記エンジン始動のために前記クランク軸を回転駆動させる。
また、制御装置は、前記吸気通路内の圧力を検出または推定する圧力取得手段をさらに備えていてもよい。前記クランク軸駆動手段は、前記吸気通路内の圧力が所定値未満になったときに前記クランク軸の回転駆動を開始してもよい。そして、前記所定値は、前記エンジン始動の開始前に前記吸気弁が開いている状態にある前記圧縮行程気筒もしくは前記吸気行程気筒が前記クランク軸の前記回転駆動によって最初に吸気弁閉じ時期を迎えるときの前記吸気通路内の圧力が目標圧力値に到達するように、前記クランク軸の前記回転駆動の開始前のピストン停止位置に応じて変更されてもよい。
本発明によれば、エンジン停止要求が出されてからエンジン始動を開始するまでの期間中に電動過給機を利用して吸気通路内に負圧を生成させる前に、圧縮上死点付近のクランク角期間を除いて圧縮行程にある圧縮行程気筒と吸気行程にある吸気行程気筒が圧縮上死点を迎える前に、少なくとも1回吸気弁が開くような位置にクランク軸の回転位置が制御される。これにより、電動過給機を利用して生成される負圧を利用して、エンジン始動開始直後に圧縮上死点を迎える圧縮行程気筒(ただし、エンジン停止中に圧縮上死点付近のクランク角期間にある気筒を除く)または吸気行程気筒の圧縮反力を確実に低減させることができる。このため、本発明によれば、電動過給機を利用して吸気通路内に負圧を生成させた状態でエンジン始動を行う際に、速やかなエンジン始動をより確実に行えるようになる。
本発明の実施の形態1に係る内燃機関のシステム構成を概略的に説明するための図である。 吸気マニホールドを負圧にした状態で行われる再始動(負圧利用MG始動)における好ましい圧縮行程気筒のピストン停止位置(OK領域1およびOK領域2)と好ましくないピストン停止位置(NG領域)とを説明するための図である。 圧縮行程気筒の停止位置に応じた吸気マニホールド圧の所定値1の設定例を表した図である。 本発明の実施の形態1における負圧利用MG始動を実現するために実行される制御ルーチンを示すフローチャートである。 図4に示すルーチンの処理が実行された場合の内燃機関の動作例を表した図である。 圧縮行程気筒の停止位置に応じた電動過給機の作動時間の設定例を表した図である。 本発明の実施の形態2の始動制御を実現するために実行される制御ルーチンを示すフローチャートである。 吸気弁の閉じ時期IVCがBTDC120°CAよりも大きい例における圧縮行程気筒の停止位置のOK領域3とNG領域とを説明するための図である。 圧縮行程気筒の停止位置に応じた吸気マニホールド圧の所定値1の設定例を表した図である。 吸気弁の閉じ時期IVCがBTDC120°CA以下の例における圧縮行程気筒の停止位置のOK領域4および5とNG領域とを説明するための図である。 圧縮行程気筒の停止位置に応じた吸気マニホールド圧の所定値1の設定例を表した図である。
実施の形態1.
まず、図1〜図6を参照して、本発明の実施の形態1およびその変形例について説明する。
[実施の形態1のシステムの構成]
図1は、本発明の実施の形態1に係る内燃機関のシステム構成を概略的に説明するための図である。図1に示す内燃機関10は、一例として、火花点火式エンジンであり、車両に搭載され、その動力源とされているものとする。
内燃機関10の各気筒には、吸気通路12および排気通路14が連通している。吸気通路12の入口付近には、エアクリーナ16が設けられている。エアクリーナ16には、吸気通路12を流れる空気の流量に応じた信号を出力するエアフローメータ18が設けられている。エアクリーナ16よりも下流側の吸気通路12には、吸入空気を過給するために、ターボ過給機20のコンプレッサ20aが配置されている。排気通路14には、排気エネルギによって回転駆動されるタービン20bが配置されている。また、ターボ過給機20は、電動モータ22を備え、電動モータ22によってコンプレッサ20aの駆動をアシスト可能な電動アシストターボ過給機として構成されている。したがって、ターボ過給機20は、本発明に係る電動過給機の具体的な構成の一例に相当する。
内燃機関10は、電源として、48Vのリチウムイオン電池24と、12Vの鉛畜電池26とを備えている。鉛畜電池26は、DC−DCコンバータ28を介してリチウムイオン電池24と電気的に接続されている。電動過給のための電動モータ22には、これらの電池24および26から電力が供給される。
コンプレッサ20aよりも下流側の吸気通路12には、吸気通路12を開閉する電子制御式のスロットルバルブ30と、吸気通路12内の圧力(より具体的には、スロットルバルブ30の下流側の吸気マニホールド12a内の圧力)を検出する吸気圧センサ32とが配置されている。さらに、内燃機関10は、モータジェネレータ(MG)34を備えている。MG34は、ベルト36によりクランク軸38と連結されている。MG34にも、上述の電池24および26から電力が供給される。MG34は、クランク軸38を回転駆動する電動機としての機能と、クランク軸38の回転力を電力に変換する発電機としての機能とを併せ持っている。
さらに、本実施形態のシステムは、電子制御ユニット(ECU)40を備えている。ECU40は、少なくとも入出力インターフェースとメモリと演算処理装置(CPU)とを備え、内燃機関10のシステム全体の制御を行うものである。ECU40には、上述したエアフローメータ18および吸気圧センサ32だけでなく、クランク角度を検出するためのクランク角センサ42等のエンジン運転状態を取得するための各種センサが電気的に接続されている。また、ECU40には、上述した電動モータ22、スロットルバルブ30およびMG34に加え、内燃機関10の筒内もしくは吸気ポート内に燃料を噴射する燃料噴射弁44、および、筒内の混合気に点火するための点火装置46等のエンジン運転を制御するための各種アクチュエータが電気的に接続されている。メモリには、内燃機関10を制御するための各種の制御プログラムおよびマップが記憶されている。CPUは、制御プログラムをメモリから読み出して実行し、取り込んだセンサ信号に基づいて各種アクチュエータの操作信号を生成する。
[実施の形態1の制御]
(電動過給機の逆回転)
電動過給のための電動モータ22は、吸気を過給するときの所定の回転方向と逆方向にもコンプレッサ20aを回転駆動可能に構成されている。このような電動モータ22によれば、内燃機関10の運転停止中にコンプレッサ20aを上記逆方向に回転駆動させることで、吸気マニホールド12a内に負圧を生成することができる。
(エンジン自動停止および再始動)
本実施形態では、内燃機関10を搭載する車両のシステム起動中に所定のエンジン自動停止条件が成立したとき(例えば、アイドリング運転中に所定値以上の踏力でブレーキペダルが踏み込まれたとき)に内燃機関10の運転が自動的に停止される。また、本実施形態では、エンジン自動停止中に所定のエンジン再始動条件が成立すると、内燃機関10を再始動させる処理が実行される。
本実施形態では、内燃機関10を再始動させる手法の1つとして、次のような始動方法が利用される。すなわち、エンジン始動の開始前に、電動モータ22を作動させて吸気マニホールド12a内に負圧が生成される。そして、当該負圧が生成されている状態で、エンジン回転速度Neが所定回転速度Ne1に到達するまでクランク軸38がMG34によって回転駆動される。そして、エンジン回転速度Neが上記所定回転速度Ne1に到達した後に、燃料噴射弁44による燃料噴射が実行される。以下、このように吸気マニホールド12aを負圧にした状態でMG34を用いて行われる再始動のことを、説明の便宜上、「負圧利用MG始動」と称する。
(実施の形態1の特徴的な制御)
上述の負圧利用MG始動を行う場合には、次のような課題がある。すなわち、エンジン停止中に圧縮行程にある気筒(以下、「圧縮行程気筒」と称する)では、ピストン停止位置(以下、単に「停止位置」と略する場合がある)次第では、吸気弁(図示省略)が閉じていることがある。このように圧縮行程気筒の吸気弁が閉じていると、エンジンの再始動に際して電動過給のための電動モータ22を逆回転させて吸気マニホールド12a内に負圧を生成したとしても、圧縮行程気筒の筒内圧は低下しない。その結果、圧縮行程気筒の圧縮反力が大きいために、当該圧縮行程気筒の圧縮上死点を超えることができずに始動を失敗する可能性がある。そうすると、吸気負圧を利用して再始動を速やかに完了させることが難しくなる可能性がある。
図2は、吸気マニホールド12aを負圧にした状態で行われる再始動(負圧利用MG始動)における好ましい圧縮行程気筒のピストン停止位置(OK領域1およびOK領域2)と好ましくないピストン停止位置(NG領域)とを説明するための図である。図2は、再始動時に圧縮上死点を最初に迎える圧縮行程気筒のピストン位置に着目して、OK領域1および2とNG領域とを説明したものである。4気筒エンジンである内燃機関10では、クランク角度ベースで180°(=720°/4)周期で圧縮行程が到来するため、図2においてOK/NGの評価対象となるクランク角期間は、圧縮上死点(TDC)からBTDC180°CAまでの範囲となっている。
図2中に「IVC」と付された点は、吸気弁の閉じ時期を示している。なお、本実施形態では、一例として、吸気弁の開き時期は排気上死点(TDC)であるものとする。図2に示すように、ここでは、吸気下死点(BDC)から吸気弁の閉じ時期IVCまでのクランク角期間を「OK領域1」と称し、閉じ時期IVCから当該閉じ時期IVCよりも遅角側のクランク角位置P1未満までのクランク角期間を「NG領域」と称し、クランク角位置P1から圧縮上死点(TDC)までのクランク角期間を「OK領域2」と称する。なお、閉じ時期IVC自体は、NG領域に含まれるものとし、クランク角位置P1は、OK領域2に含まれるものとする。
圧縮行程気筒の停止位置がOK領域1内にある場合には、エンジン停止中に圧縮行程気筒の吸気弁が開いている。このため、電動過給による吸気マニホールド12aの負圧化に伴って、エンジン停止中に圧縮行程気筒の筒内を負圧にすることができる。これにより、再始動時に圧縮行程気筒の圧縮反力を効果的に低減させることができる。
一方、圧縮行程気筒の停止位置が閉じ時期IVC以後となるNG領域およびOK領域2の場合には、吸気マニホールド12aを負圧にしても、エンジン停止中に圧縮行程気筒の筒内を負圧にすることはできない。その結果、再始動時に圧縮反力が高くなる。ただし、停止位置が閉じ時期IVCよりも後であっても、圧縮上死点に十分に近いと、筒内容積が小さくなる。このため、筒内が負圧になっていない状態で再始動が実行されても、圧縮反力は比較的小さく、問題がないといえる。このような理由により、図2では、クランク角位置P1以後については、OK領域2とされ、圧縮反力が相対的に高くなるNG領域と区別されている。
本実施形態では、エンジン自動停止後に負圧利用MG始動が行われる際に、吸気マニホールド12aの負圧化のための電動モータ22の作動に先立ち、次のような停止位置制御が実行される。すなわち、エンジン停止中の圧縮行程気筒の停止位置が図2に示すOK領域1もしくはOK領域2となるように、MG34を用いてクランク軸38が回転駆動される。特に、OK領域1が圧縮行程気筒の停止位置の目標領域とされた場合には、エンジン停止中の圧縮行程気筒において吸気弁が開いている状態となるようにクランク軸38が回転駆動されることになる。
また、本実施形態の負圧利用MG始動において負圧の生成開始後にMG34によるクランク軸38の回転駆動を開始するタイミングは、吸気マニホールド圧が所定値1未満に低下した時とされている。そのうえで、本実施形態では、再始動時に最初に圧縮上死点を迎える気筒(すなわち、上述の圧縮行程気筒)の停止位置に応じて、再始動のためのMG34によるクランク軸38の回転駆動を開始する吸気マニホールド圧の閾値である上記所定値1が変更される。
図3は、圧縮行程気筒の停止位置に応じた吸気マニホールド圧の所定値1の設定例を表した図である。BTDCで表された図3の横軸は、最初に圧縮上死点を迎える圧縮行程気筒の停止位置を示し、より具体的には、横軸の数値は、当該圧縮行程気筒の停止位置が圧縮上死点である時にゼロとなる。
図3に示す設定では、圧縮行程気筒の停止位置がOK領域1にあるときには、停止位置が閉じ時期IVCから進角側に離れるほど、吸気マニホールド圧の所定値1が大きくなっている。停止位置と閉じ時期IVCとの間のクランク角期間が長いほど、MG34によるクランク軸38の回転駆動を開始させてから閉じ時期IVCに到達するまでに要する時間が長くなる。圧縮行程気筒のピストン位置が閉じ時期IVCを経過した後には、吸気負圧を利用して筒内をさらに負圧にすることはできない。一方、閉じ時期IVCに到達するまでのクランク軸38の動作期間は、吸気負圧による筒内の負圧化のために利用できる時間である。したがって、停止位置と閉じ時期IVCとの間のクランク角期間が長いことは、クランク軸38の動作の開始後に筒内の負圧生成のために残された時間が長くなることを意味する。
そこで、図3に示すOK領域1中の所定値1の設定は、上記クランク角期間の長短を考慮して上述のように設定されている。より具体的には、所定値1は、吸気弁が開いている状態にある圧縮行程気筒がクランク軸38の回転駆動によって最初に閉じ時期IVCを迎えたときに吸気マニホールド圧が目標圧力値(より詳細には、必要とされる十分な負圧値)に到達するように、MG34によるクランク軸38の回転駆動の開始前の圧縮行程気筒の停止位置に応じて変更される。このため、このように吸気マニホールド圧を目標圧力値にまで低下させることを考えた場合には、上述の態様で所定値1を停止位置に応じて変更することで、停止位置に応じて所定値1を変更しない場合と比べて、無駄な待ち時間を減らすことができるようになる。このことは、エンジン始動時間の短縮に繋がる。
また、図3では、OK領域2の所定値1は、OK領域1の所定値1と比べて全体的に大きくなるように設定されている。圧縮行程気筒の停止位置がOK領域2であると、閉じ時期IVCをエンジン停止中に既に経過している圧縮行程気筒の筒内については吸気負圧を利用して負圧化させることはできないが、当該圧縮行程気筒の次に圧縮上死点を迎える気筒(すなわち、エンジン停止中の吸気行程気筒)の筒内を負圧化させることができる。そして、この吸気行程気筒の停止位置と閉じ時期IVCとの間のクランク角期間は、圧縮行程気筒の停止位置がOK領域1内にあるときのそれよりも大きい。したがって、OK領域2の所定値1の設定によれば、圧縮行程気筒の停止位置がOK領域2内にあるときにおいても、無駄な待ち時間を当該停止位置に応じて適切に減らすことができる。また、図3に示す設定では、OK領域2内の個々の停止位置での所定値1についても、OK領域1についての設定と同様の考えに基づき、停止位置が閉じ時期IVCから進角側に離れるほど大きくなっている。なお、本実施形態では、上述の停止位置制御により、NG領域はそもそも使用されないようになっている。このため、図3中の所定値1の設定には、NG領域に関する設定は含まれていない。
(実施の形態1の具体的な処理)
図4は、本発明の実施の形態1における負圧利用MG始動を実現するために実行される制御ルーチンを示すフローチャートである。本ルーチンは、エンジン自動停止がなされたときに起動され、所定の制御周期で繰り返し実行される。
図4に示すルーチンでは、ECU40は、まず、エンジン始動要求があるか否か、換言すると、所定のエンジン再始動条件が成立するか否かを判定する(ステップ100)。具体的には、車両のドライバの操作(例えば、ブレーキペダルの踏力の低下)によるエンジン始動要求の有無、および、車両からのエンジン再始動要求(例えば、電池24、26の蓄電率に基づく要求)の有無が判定される。
ECU40は、ステップ100においてエンジン始動要求があると判定した場合には、始動方法を選択する(ステップ102)。具体的には、内燃機関10の始動方法には、上述の負圧利用MG始動以外にも、例えば、電動過給機による負圧生成を利用しない始動方法(スタータモータ(図示省略)を利用したスタータ始動、および、着火始動)も含まれる。本ステップ102では、上述の始動方法の中から今回用いる始動方法が、一例として、事前に定めた規則に従って、今回のエンジン始動要求がドライバもしくは車両からのどのような操作もしくは要求に基づくものであるかに応じて選択される。なお、MG始動は、後述の「押しがけ始動」と同様に、電動過給機による負圧生成が有効な始動方法の一例に相当する。一方、スタータ始動および着火始動は、電動過給機による負圧生成の有効性が低かったり、もしくは逆に始動性が悪化したりする始動方法の一例に相当する。
次に、ECU40は、今回のエンジン始動要求のために選択された始動方法が負圧利用MG始動であるか否かを判定する(ステップ104)。その結果、負圧利用MG始動が選択されている場合には、ECU40は、停止位置制御を実行する(ステップ106)。ECU40は、クランク角センサ42を用いてエンジン(自動)停止中のクランク角度情報を取得することで、ピストン停止位置を取得可能に構成されている。本ステップ106では、クランク角センサ42を用いて取得されたエンジン停止中の圧縮行程気筒の停止位置がNG領域である場合には、当該停止位置をOK領域1もしくはOK領域2に変更するために停止位置制御が実行される。より具体的には、一例として、取得された圧縮行程気筒の停止位置がOK領域1とOK領域2のどちらに近いかが判定される。そして、NG領域にある圧縮行程気筒の停止位置がOK領域1とOK領域2のうちでより近い方に収まるように、MG34を用いてクランク軸38を回転駆動する動作が停止位置制御として実行される。
次に、ECU40は、電動過給機に相当するコンプレッサ20aを電動モータ22によって逆回転させる(ステップ108)。次に、ECU40は、ステップ108の処理による電動モータ22の作動中に、吸気圧センサ32により検出される吸気マニホールド圧が所定値1未満になったか否かを判定する(ステップ110)。ECU40は、上述の図3に示すような関係、すなわち、圧縮行程気筒の停止位置(ステップ106による停止位置制御の実行後)と所定値1との関係を定めたマップ(図示省略)を記憶している。本ステップ108では、そのようなマップを参照して、圧縮行程気筒の停止位置に応じた所定値1が取得される。なお、吸気マニホールド圧の取得は、吸気圧センサ32を用いた検出によるものに限られず、任意の手法で推定されるようになっていてもよい。具体的には、吸気マニホールド圧は、例えば、電動過給機の作動時間に基づいて推定されてもよい。
ECU40は、吸気マニホールド圧が所定値1以上である間は、今回の本ルーチンの処理を速やかに終了させる。一方、吸気マニホールド圧が所定値1未満になった場合には、ECU40は、MG始動を実行する(ステップ112)。より具体的には、MG始動は、一例として、次のような態様で実行される。すなわち、ECU40は、MG34を作動させてクランク軸38へのMGトルクの付与を開始する。そのうえで、ECU40は、クランク角センサ42を用いてエンジン回転速度Neが所定回転速度Ne1に到達したか否かを判定する。その結果、エンジン回転速度Neが所定回転速度Ne1に到達した場合には、ECU40は、燃料噴射弁44を用いた燃料噴射、および点火装置46を用いた点火を開始する。
以上説明した図4に示すルーチンの処理によれば、エンジン停止中の圧縮行程気筒の停止位置がNG領域である場合には、当該停止位置をOK領域1もしくはOK領域2内の位置に変更するために停止位置制御が実行される。停止位置がOK領域1内の位置に変更された場合には、エンジン停止中の圧縮行程気筒の筒内を負圧にした状態で再始動を行えるようになるので、NG領域にある停止位置から再始動を開始する場合と比べて、圧縮反力を低減しつつ再始動を行えるようになる。また、停止位置がOK領域2内の位置に変更された場合にも、最初に圧縮上死点を迎える圧縮行程気筒のエンジン停止時の筒内容積が小さいために、圧縮反力を低減しつつ再始動を行えるようになる。換言すると、本ルーチンの処理によれば、エンジン停止要求が出されてからエンジン始動を開始するまでの期間中に、圧縮上死点付近のクランク角期間を除いて圧縮行程にある圧縮行程気筒と吸気行程にある吸気行程気筒が圧縮上死点を迎える前に、少なくとも1回吸気弁が開くような位置に、クランク軸38の回転位置を制御できるようになる。したがって、本ルーチンの処理によれば、負圧利用MG始動を利用する場合に、圧縮反力が高いことに起因する再始動の失敗を抑制することができるので、速やかなエンジン始動をより確実に行えるようになる。
図5は、図4に示すルーチンの処理が実行された場合の内燃機関10の動作例を表した図である。より具体的には、図5(A)は、圧縮行程気筒の停止位置がOK領域1内の停止位置Aであるときの動作例を示し、図5(B)は、圧縮行程気筒の停止位置がOK領域2内の停止位置Bであるときの動作例を示している。付け加えると、これらの動作例は、圧縮行程気筒の停止位置がNG領域になかった例に相当するため、再始動に先立って、停止位置制御は実行されていない。
図5の各例に示すように、負圧利用MG始動が実行される場合には、エンジン始動要求(再始動要求)を受けて、負圧生成のために電動モータ22の駆動が開始される。その後、吸気マニホールド圧が閾値(所定値1)未満に低下すると、MG34の駆動が開始され、その結果、MGトルクが立ち上がる。
また、既述したように、本実施形態では、圧縮行程気筒の停止位置に応じて、所定値1が変更される。図5(B)に示す例における停止位置Bと閉じ時期IVCとの間のクランク角期間は、図5(A)に示す例における停止位置Aと閉じ時期IVCとの間のクランク角期間よりも長い。このため、図5(B)に示す例では、図5(A)に示す例よりも、MG34によるクランク軸38の駆動によって停止位置から閉じ時期IVCに到達するまでに要する時間が長くなる。上記ルーチンの処理によれば、図5(B)に示す例では、図5(A)に示す例と比べて、所定値1が大きくされ、その結果、MGトルクの付与開始が早められる。これにより、圧縮行程気筒の停止位置によらずに一律に目標圧力値にまで吸気マニホールド圧を下げてから再始動を行う場合と比べて、無駄な待ち時間を減らすことができるので、再始動に要する時間を短縮することができる。
ところで、上述した実施の形態1においては、停止位置制御における停止位置の目標領域としてOK領域1だけでなくOK領域2を含めている例を挙げた。しかしながら、目標領域は、OK領域1のみであってもよく、この場合には、停止位置制御の実施により、常に圧縮行程気筒の吸気弁が開いている状態となるようにクランク軸38の回転位置(すなわち、ピストン位置)が制御されることになる。
また、上述した実施の形態1においては、吸気マニホールド圧の所定値1を変更することで、圧縮行程気筒の停止位置に応じてMGトルクを付与するタイミングが変更されている。しかしながら、MGトルクの付与開始タイミングは、吸気マニホールド圧の所定値1の変更に代え、例えば、負圧生成のための電動モータ22(電動過給機)の作動時間の変更を利用して変更されてもよい。
図6は、圧縮行程気筒の停止位置に応じた電動過給機の作動時間の設定例を表した図である。MG始動開始前の電動過給機(電動モータ22)の作動時間を圧縮行程気筒の停止位置に基づいて設定する際の考え方は、図4を参照して説明した吸気マニホールド圧の所定値1の設定の考え方と基本的に同様である。より詳細には、図6に示すように、圧縮行程気筒の停止位置がOK領域1にあるときには、停止位置が閉じ時期IVCから進角側に離れるほど、作動時間が短くなっている。また、OK領域2の作動時間は、OK領域1の作動時間と比べて全体的に短くなるように設定されている。そして、OK領域2内の個々の停止位置での作動時間についても、OK領域1についての設定と同様に、停止位置が閉じ時期IVCから進角側に離れるほど短くなっている。
以上説明した図6に示す作動時間の設定を利用した場合であっても、吸気マニホールド圧の所定値1の設定を利用する場合と同様の効果が得られる。すなわち、圧縮行程気筒の停止位置によらずに一律に電動過給機の作動時間が設定される場合と比べて、無駄な待ち時間を減らすことができるので、再始動に要する時間を短縮することができる。また、吸気マニホールド圧の所定値1や電動過給機の作動時間の利用に代え、例えば、次のような手法を用いてもよい。すなわち、MGトルクの付与開始タイミングは圧縮行程気筒の停止位置によらずに一律に設定することとしつつ、始動開始前に吸気弁が開いている気筒(エンジン停止中の圧縮行程気筒もしくはその次の気筒)のピストン位置が閉じ時期IVCに到達するまでの期間のMGトルクの大きさを調整することで、負圧生成のための時間を圧縮行程気筒の停止位置に応じた長さで適切に確保してもよい。
なお、上述した実施の形態1においては、ECU40がステップ106の処理を実行することにより本発明における「停止位置制御手段」が実現されており、ECU40がステップ108の処理を実行することにより本発明における「吸気負圧生成手段」が実現されており、ECU40がステップ110および112の処理を実行することにより本発明における「クランク軸駆動手段」が実現されている。また、吸気圧センサ32が本発明における「圧力取得手段」に相当し、所定値1が本発明における「吸気通路内の圧力の所定値」に相当している。
実施の形態2.
次に、図7を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。以下の説明では、実施の形態2のシステム構成の一例として、図1に示す構成が用いられているものとする。
[実施の形態2の制御]
上述した実施の形態1においては、負圧利用MG始動を行う場合には、負圧生成のために電動モータ22を作動させた後に吸気マニホールド圧が所定値1未満であるか否かを判定している。ここで、内燃機関10を取り巻く環境またはエンジン始動要求が出されるタイミングによっては、電動モータ22を作動させなくても吸気マニホールド12a内が十分に負圧になっている場合もある。具体的には、高地などで気圧が低い場合、または、内燃機関10が完全停止する前もしくは完全停止直後のタイミングでエンジン始動要求が出された場合が、電動モータ22を作動させなくても吸気マニホールド12a内が十分に負圧になっている場合の事例に相当する。
本実施形態の制御は、電動モータ22を作動させなくても吸気マニホールド12a内が十分に負圧になっている場合には、負圧生成のために電動過給機を事前に作動させることはせずに、吸気マニホールド12a内の負圧状態を維持しつつMG始動が行われる。本実施形態の制御は、この点において、実施の形態1の制御と相違している。
(実施の形態2の具体的な処理)
図7は、本発明の実施の形態2の始動制御を実現するために実行される制御ルーチンを示すフローチャートである。図7に示すルーチン中のステップ100〜112の処理については、実施の形態1において既述した通りである。
図7に示すルーチンでは、ECU40は、ステップ106において停止位置制御に関する処理を実行した後に、ステップ200に進む。ステップ200では、吸気マニホールド圧が所定値2未満であるか否かが判定される。本ステップ200で用いられる所定値2は、上述の所定値1以下となる大きさの値として事前に決定されたものである。
ECU40は、ステップ200において吸気マニホールド圧が所定値2以上であると判定した場合には、実施の形態1と同様にステップ108に進む。一方、吸気マニホールド圧が所定値2未満であると判定した場合には、ECU40は、負圧生成のために電動過給機を作動させることなく、ステップ112に進んでMG始動を実行する。
以上説明した図7に示すルーチンによれば、吸気マニホールド12a内が十分に負圧になっているか否かに基づいて、負圧生成のための電動過給機の作動の要否が判定される。そして、負圧生成のための電動過給機の作動は、それが真に必要と判断される場合に限って実行されるようになる。これにより、無駄な電力の消費を抑制できるので、内燃機関10の燃費悪化を抑制しつつ負圧利用MG始動を行えるようになる。
なお、電動過給機を利用した負圧利用MG始動は、これを利用しない通常のMG始動と比べて始動時間が若干長くなるが、振動が低減されるという利点がある。そこで、次のような態様で、MG始動時の電動過給機の利用の有無を切り替えてもよい。すなわち、エアコンのON操作もしくはステアリング操作などに伴って自動的に再始動が実行される場合には、電動過給機を利用することとし、一方、アクセルペダルの踏み込みもしくはブレーキペダルの踏み込みの解除などの動作に基づいてタイヤに駆動力を要求する態様で再始動が実行される場合には、電動過給機を利用しないようにしてもよい。
実施の形態3.
次に、図8および図9を参照して、本発明の実施の形態3について説明する。本実施の形態3およびその次の実施の形態4は、本発明に係る制御がV型6気筒エンジン(図示省略)に適用されたものである。実施の形態3および4における以下の説明に登場するV型6気筒エンジンは、エンジン形式が相違する点を除き、上述の内燃機関10と同様の構成(電動過給機(電動モータ22)およびMG34等)を備えているものとする。
適用対象のエンジン形式が直列4気筒(実施形態1および2)とV型6気筒(実施の形態3および4)とで異なっていても、本発明に係る制御の基本的な内容は共通している。以下、本発明に係る制御をV型6気筒エンジンに適用する場合の留意点を中心に説明を行う。
本実施の形態3は、吸気弁の閉じ時期IVCがBTDC120°CAよりも大きい例を対象としている。図8は、吸気弁の閉じ時期IVCがBTDC120°CAよりも大きい例における圧縮行程気筒の停止位置のOK領域3とNG領域とを説明するための図である。6気筒エンジンの場合には、図8に示す例がそうであるように、停止位置によっては、エンジン停止中に圧縮行程にある圧縮行程気筒が2つ存在する場合がある。また、図8は、再始動時に圧縮上死点を最初に迎える圧縮行程気筒のピストン位置に着目して、OK領域3とNG領域とを説明したものである。6気筒エンジンの場合には、クランク角度ベースで120°(=720°/6)周期で圧縮行程が到来するため、OK/NGの評価対象となるクランク角期間は、圧縮上死点(TDC)からBTDC120°CAまでの範囲となっている。
図8中に「IVC」と付された点は、再始動時に圧縮上死点を2番目に迎える圧縮行程気筒の吸気弁の閉じ時期を示している。なお、本実施形態においても、一例として、吸気弁の開き時期は排気上死点(TDC)であるものとする。また、図8中のクランク角位置P2は、圧縮上死点を2番目に迎える圧縮行程気筒の閉じ時期が図8に示すIVCである場合に、圧縮上死点を最初に迎える圧縮行程気筒のピストン位置に相当する。
図8に示す設定には、好ましい停止位置の範囲であるOK領域3が設けられている。OK領域3は、クランク角位置P3(クランク角位置P2よりも進角側の所定のクランク角位置)からクランク角位置P2までのクランク角期間である。このクランク角期間は、圧縮上死点を最初に迎える圧縮行程気筒の吸気弁は閉じているが当該圧縮行程気筒の筒内容積が小さいこと、および、圧縮上死点を2番目に迎える圧縮行程気筒の吸気弁は開いていることを理由として、OK領域3として評価されている。
また、図8に示す設定には、2つのNG領域が設けられている。1つ目のNG領域は、BTDC120°CAからクランク角位置P3までのクランク角期間であり、このクランク角期間がNG領域とされている理由は、圧縮上死点を最初に迎える圧縮行程気筒の吸気弁が閉じており、かつ、当該圧縮行程気筒の筒内容積が大きいためである。もう1つのNG領域は、圧縮上死点からクランク角位置P2までのクランク角期間であり、このクランク角期間がNG領域とされている理由は、圧縮上死点を最初に迎える圧縮行程気筒だけでなくその次に圧縮上死点を迎える圧縮行程気筒でも吸気弁が閉じており、かつ、2番目に圧縮上死点を迎える圧縮行程気筒の筒内容積が大きいためである。なお、クランク角位置P3自体は、上記1つ目のNG領域に含まれるものとし、クランク角位置P2自体は、上記もう1つのNG領域に含まれるものとする。
吸気弁の閉じ時期IVCがBTDC120°CAよりも大きいV型6気筒エンジンにおいて圧縮反力を低減しつつ負圧利用MG始動を行えるようにするためには、クランク角センサ42を用いて取得されたエンジン停止中の圧縮行程気筒の停止位置が上述のNG領域の何れかにある場合に、当該停止位置をエンジン始動(再始動)前に図8に示すOK領域3内の位置に変更するための停止位置制御を実行すればよい。さらに付け加えると、停止位置がOK領域3に収まるように停止位置制御を行うことにより、V型6気筒エンジンでは2つ存在し得る圧縮行程気筒の1つにおいて吸気弁が開いている状態にすることができる。
図9は、圧縮行程気筒の停止位置に応じた吸気マニホールド圧の所定値1の設定例を表した図である。BTDCで表された図9の横軸は、図3と同様に、最初に圧縮上死点を迎える圧縮行程気筒の停止位置を示し、より具体的には、横軸の数値は、当該圧縮行程気筒の停止位置が圧縮上死点である時にゼロとなる。
図9に示す所定値1の設定は、実施の形態1における図3に示す設定と同様の考え方に基づいて、圧縮上死点を最初に迎える圧縮行程気筒の停止位置がOK領域3にあるときには、停止位置が圧縮上死点から進角側に離れるほど、吸気マニホールド圧の所定値1が大きくなっている。本実施形態では、このような図9に示す所定値1の設定を利用して、MGトルクの付与開始タイミングを決定すればよい。
実施の形態4.
次に、図10および図11を参照して、本発明の実施の形態4について説明する。既述したように、本実施の形態4についても、V型6気筒エンジンを対象としている。本実施の形態4と実施の形態3との間での内燃機関のハードウェア構成上の相違は、実施の形態3では閉じ時期IVCがBTDC120°CAよりも大きい例を対象としているのに対し、本実施の形態4では閉じ時期IVCがBTDC120°CA以下の例を対象としているという点にある。
図10は、吸気弁の閉じ時期IVCがBTDC120°CA以下の例における圧縮行程気筒の停止位置のOK領域4および5とNG領域とを説明するための図である。図10中に「IVC」と付された点は、再始動時に圧縮上死点を最初に迎える圧縮行程気筒の吸気弁の閉じ時期を示している。なお、本実施形態においても、一例として、吸気弁の開き時期は排気上死点(TDC)であるものとする。
図10に示す設定には、好ましい停止位置の範囲であるOK領域4および5が設けられている。OK領域4は、BTDC120°CAから閉じ時期IVCまでのクランク角期間である。このクランク角期間は、圧縮上死点を最初に迎える圧縮行程気筒の吸気弁が開いていることを理由として、OK領域4として評価されている。
OK領域5は、クランク角位置P4(閉じ時期IVCよりも遅角側の所定のクランク角位置)から圧縮上死点までのクランク角期間である。このクランク角期間は、圧縮上死点を最初に迎える圧縮行程気筒の吸気弁は閉じているが当該圧縮行程気筒の筒内容積は小さいこと、および、圧縮上死点を2番目に迎える圧縮行程気筒の吸気弁が開いていることを理由として、OK領域5として評価されている。
さらに、図10に示す設定には、NG領域が設けられている。このNG領域は、閉じ時期IVCからクランク角位置P4までのクランク角期間である。このクランク角期間がNG領域とされている理由は、圧縮上死点を最初に迎える圧縮行程気筒の吸気弁が閉じており、かつ、当該圧縮行程気筒の筒内容積が大きいためである。なお、閉じ時期IVC自体は、NG領域に含まれるものとし、クランク角位置P4自体は、OK領域5に含まれるものとする。
吸気弁の閉じ時期IVCがBTDC120°CA以下のV型6気筒エンジンにおいて圧縮反力を低減しつつ負圧利用MG始動を行えるようにするためには、クランク角センサ42を用いて取得されたエンジン停止中の圧縮行程気筒の停止位置がNG領域内にある場合に、当該停止位置をエンジン始動(再始動)前に図10に示すOK領域4もしくは5内の位置に変更するための停止位置制御を実行すればよい。
図11は、圧縮行程気筒の停止位置に応じた吸気マニホールド圧の所定値1の設定例を表した図である。BTDCで表された図11の横軸は、図3と同様に、最初に圧縮上死点を迎える圧縮行程気筒の停止位置を示し、より具体的には、横軸の数値は、当該圧縮行程気筒の停止位置が圧縮上死点である時にゼロとなる。
図11に示す所定値1の設定は、実施の形態1における図3に示す設定と同様の考え方に基づいて、圧縮上死点を最初に迎える圧縮行程気筒の停止位置がOK領域4または5にあるときには、停止位置が圧縮上死点から進角側に離れるほど、吸気マニホールド圧の所定値1が大きくなっている。また、図3に示す設定と同様の考え方に基づき、OK領域5の所定値1は、OK領域4の所定値1と比べて全体的に大きくなるように設定されている。本実施形態では、このような図11に示す所定値1の設定を利用して、MGトルクの付与開始タイミングを決定すればよい。
ところで、上述した実施の形態1〜4においては、吸気弁の閉じ時期IVCが圧縮行程中の時期とされている例を挙げた。しかしながら、内燃機関によっては、吸気弁の閉じ時期が吸気行程中の時期とされる場合もある。このようなバルブタイミングの設定を有する内燃機関においては、エンジン始動の開始前に、エンジン停止中に吸気行程にある吸気行程気筒の少なくとも1つにおいて吸気弁が開いているとともに圧縮行程気筒が存在する場合はその気筒がなるべく圧縮上死点に近い位置となるように、例えば、実施の形態1等と同様の考え方で、クランク軸の回転位置を制御してもよい。
また、上述した実施の形態1〜4においては、エンジン始動(再始動)要求が出された後であって始動を開始する前に、MG34を用いて実行される停止位置制御を例に挙げた。しかしながら、本発明における停止位置制御は、エンジン始動の開始前に実行されてクランク軸の回転位置を制御するようになっていれば、上述の態様に限られない。すなわち、本停止位置制御は、例えば、公知の手法を利用してエンジンの停止途中で実行されてもよいし、あるいは、エンジン始動要求が未だ出されていないエンジン停止中にMG34等の電動機を用いて実行されてもよい。
また、上述した実施の形態1〜4においては、吸気通路に電動過給機(電動モータ22により駆動可能なコンプレッサ20a)を備える構成を例に挙げた。しかしながら、本発明における電動過給機の配置部位は、吸気通路(吸気マニホールド)内を負圧にさせられるようになっていれば、吸気通路に限られない。すなわち、例えば、電動過給機が排気通路に配置され、かつ、吸気マニホールドと排気マニホールドとを接続するEGR通路およびEGRバルブとを備える内燃機関において、スロットルバルブを全閉とし、かつ、EGRバルブを全開としつつ、電動過給機を作動させることで、エンジン運転停止中に吸気通路(吸気マニホールド)内に負圧を生成させる構成が用いられてもよい。また、本発明に係る電動過給機は、電動アシストターボ過給機20のようにターボ過給機と一体的に構成されたものに限られず、コンプレッサと電動モータとを備えるものであればよい。
また、内燃機関によっては、吸気弁の開弁期間と排気弁の開弁期間との間にバルブオーバーラップ期間が設けられる場合がある。内燃機関10がそうであるように電動過給機が吸気通路に備えられている場合には、負圧生成のために電動過給機を作動させる際のピストン停止位置から、バルブオーバーラップ期間に該当する気筒が存在する停止位置を除外するのがよい。これにより、負圧生成のための電動過給機の作動中に、排気通路から筒内を介して吸気通路に向かうガスの流れが生じないようにすることができ、吸気負圧を生成し易くすることができる。ただし、上述のように電動過給機が排気通路に備えられた内燃機関では、電動過給機の作動中に吸気通路と排気通路の双方が負圧化されることになるため、バルブオーバーラップ期間に関する上述の配慮は不要である。
また、上述した実施の形態1〜4においては、電動過給機を利用して生成される負圧を利用する始動方法として、負圧利用MG始動を例に挙げた。しかしながら、当該負圧を利用する始動方法は、負圧利用MG始動に限られず、例えば、次のような態様で実行される押しがけ始動であってもよい。すなわち、内燃機関のクランク軸とモータジェネレータ(MG)の出力軸とがクラッチを介して接続された構成を備えるシステムにおいて、クラッチを開放状態としつつMGを回転させておく。そのうえで、MGが回転している状態でクラッチを係合させることにより、クランキングを実行して始動を行うものであってもよい。本発明における「クランク軸駆動手段」は、このようなクラッチとMGの動作を利用して、クランク軸を回転駆動させるものであってもよい。
10 内燃機関
12 吸気通路
12a 吸気マニホールド
14 排気通路
20 ターボ過給機
20a コンプレッサ
22 電動モータ
24 リチウムイオン電池
26 鉛畜電池
28 DC−DCコンバータ
30 スロットルバルブ
32 吸気圧センサ
34 モータジェネレータ(MG)
36 ベルト
38 クランク軸
40 電子制御ユニット(ECU)
42 クランク角センサ
44 燃料噴射弁
46 点火装置

Claims (2)

  1. 電動過給機を備える内燃機関を制御する制御装置であって、
    エンジン停止要求が出されてからエンジン始動を開始するまでの期間中に、圧縮上死点付近のクランク角期間を除いて圧縮行程にある圧縮行程気筒と吸気行程にある吸気行程気筒が圧縮上死点を迎える前に、少なくとも1回吸気弁が開くような位置に、クランク軸の回転位置を制御する停止位置制御手段と、
    前記エンジン始動の開始前に、前記停止位置制御手段による前記クランク軸の回転位置の制御がなされている状態で、前記電動過給機を作動させて吸気通路内に負圧を生成させる吸気負圧生成手段と、
    前記吸気負圧生成手段により前記吸気通路内に負圧が生成されている状態で、前記エンジン始動のために前記クランク軸を回転駆動させるクランク軸駆動手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記吸気通路内の圧力を検出または推定する圧力取得手段をさらに備え、
    前記クランク軸駆動手段は、前記吸気通路内の圧力が所定値未満になったときに前記クランク軸の回転駆動を開始し、
    前記所定値は、前記エンジン始動の開始前に前記吸気弁が開いている状態にある前記圧縮行程気筒もしくは前記吸気行程気筒が前記クランク軸の前記回転駆動によって最初に吸気弁閉じ時期を迎えるときの前記吸気通路内の圧力が目標圧力値に到達するように、前記クランク軸の前記回転駆動の開始前のピストン停止位置に応じて変更されることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
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