JP2018076530A - インクジェットインクセット及びそれを用いた画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高画質の画像を得ることができる濃色インクと淡色インクとを備えたインクジェットインクセットを提供する。
【解決手段】本発明のインクジェットインクセットは、少なくとも1対の同じ色相を有する濃色インク及び淡色インクを備え、前記濃色インク及び前記淡色インクは、それぞれ色材と、重合性化合物と、重合開始剤とを含み、前記1対の同じ色相を有する濃色インク及び淡色インクにおいて、前記淡色インクに含まれる重合開始剤の含有量が、前記濃色インクに含まれる重合開始剤の含有量より多いことを特徴とする。また、本発明の画像形成方法は、上記本発明のインクジェットインクセットを用いた画像形成方法であって、インクジェットプリンタを用いて前記インクジェットインクセットからインクを吐出してエネルギー線を照射することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェットインクセット及びそれを用いた画像形成方法に関する。
画像データ信号に基づき、紙等の被記録媒体に画像を形成する画像記録方法として、電子写真方式、昇華型・溶融型の熱転写方式、インクジェット方式等が知られている。これらの中でもインクジェット方式は、安価な装置で実施可能であり、かつ、必要とされる画像部のみにインクを吐出して被記録媒体上に直接画像を形成可能であるため、インクを効率よく使用でき、ランニングコストを低減でき、更に騒音が少なく、画像記録方式として優れている。
中でも、紫外線等のエネルギー線の照射により硬化可能なインクジェットインクは、重合性化合物と重合開始剤とを含み、エネルギー線の照射によりインク成分の大部分が硬化するため、溶剤系インクに比べて乾燥性に優れ、また、画像がにじみにくいことから、種々の被記録媒体に印字できる点で優れている。
一方、上記インクジェットインクで印字して形成した硬化膜の色相は、重合開始剤又はその分解物により変化してしまうことがあり、その影響は淡色インクを使用する場合により顕著となる。このため、特許文献1では、上記インクジェットインクの硬化性を損なわない範囲で、淡色インクの重合開始剤の濃度を濃色インクの重合開始剤の濃度よりも小さくしたインクジェット記録用インクセットが提案されている。
特開2012−14049号公報
しかし、特許文献1に記載のインクジェット記録用インクセットは、濃色インクと淡色インクとの粘度特性を合わせるために、淡色インクの重合性化合物として、濃色インクの重合性化合物に比べて、粘度の高いものを使用する必要があり、濃色インクによる硬化膜特性と淡色インクによる硬化膜特性とが異なってしまい、高画質の画像を得ることができないという問題があった。
本発明は、上記問題を解消するためになされたもので、インクジェットインクセットを構成する濃色インクと淡色インクにおいて、淡色インクの重合開始剤の含有量を濃色インクの重合開始剤の含有量より多くすることにより、濃色インクと淡色インクによりそれぞれ形成される硬化膜特性を均一にし、高画質の画像を得ることができるインクジェットインクセットとそれを用いた画像形成方法を提供するものである。
本発明のインクジェットインクセットは、少なくとも1対の同じ色相を有する濃色インク及び淡色インクを備えたインクジェットインクセットであって、前記濃色インク及び前記淡色インクは、それぞれ色材と、重合性化合物と、重合開始剤とを含み、前記1対の同じ色相を有する濃色インク及び淡色インクにおいて、前記淡色インクに含まれる重合開始剤の含有量が、前記濃色インクに含まれる重合開始剤の含有量より多いことを特徴とする。
本発明の画像形成方法は、上記本発明のインクジェットインクセットを用いた画像形成方法であって、インクジェットプリンタを用いて前記インクジェットインクセットからインクを吐出してエネルギー線を照射することを特徴とする。
本発明によれば、濃色インクと淡色インクとを備えたインクジェットインクセットを用いて高画質の画像を得ることができる。
(インクジェットインクセット)
先ず、本発明のインクジェットインクセットについて説明する。本発明のインクジェットインクセットは、少なくとも1対の同じ色相を有する濃色インク及び淡色インクを備えている。また、上記濃色インク及び上記淡色インクは、それぞれ色材と、重合性化合物と、重合開始剤とを含み、上記1対の同じ色相を有する濃色インク及び淡色インクにおいて、上記淡色インクに含まれる重合開始剤の含有量が、上記濃色インクに含まれる重合開始剤の含有量より多いことを特徴とする。
ここで、「1対の同じ色相を有する濃色インク及び淡色インク」とは、実質的に同色であって、色の濃淡のみが異なる1対のインク、即ち、同色であって色材の含有量が異なる1対のインクを意味する。
本発明のインクジェットインクセットは、上記淡色インクに含まれる重合開始剤の含有量を上記濃色インクに含まれる重合開始剤の含有量より多く設定しているため、淡色インクの粘度調整に高粘度の重合性化合物を用いずに、濃色インクと淡色インクとの粘度特性を合わせることが容易となり、濃色インクと淡色インクによりそれぞれ形成される硬化膜特性を均一にでき、高画質の画像を得ることができる。
より具体的には、上記1対の同じ色相を有する濃色インク及び淡色インクにおいて、上記濃色インクに含まれる重合開始剤の含有量をX、上記淡色インクに含まれる重合開始剤の含有量をYとした場合、1<Y/X<2の関係を有することが好ましい。
上記濃色インクと上記淡色インクの重合開始剤の含有量を上記のように設定することにより、上記1対の同じ色相を有する濃色インク及び淡色インクにおいて、上記濃色インクの粘度をM、上記淡色インクの粘度をN、粘度Mと粘度Nのうち小さいほうの粘度をSとした場合、(|M−N|/S)×100で表わされる粘度差割合を20%未満とすることができる。
上記濃色インク及び上記淡色インクの種類は特に限定されないが、上記濃色インクとしては、例えば、ブラックインク、シアンインク、マゼンタインク及びイエローインクからなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることができ、上記淡色インクとしては、グレーインク、ライトシアンインク、ライトマゼンタインク及びライトイエローインクからなる群から選ばれる少なくとも1種を使用できる。
上記1対の同じ色相を有する濃色インク及び淡色インクにおいて、それぞれの色材の含有量も特に限定されないが、上記濃色インクに含まれる色材の含有量が、上記淡色インクに含まれる色材の含有量の2.5倍以上であることが好ましく、3倍以上がより好ましい。これによりより高画質の画像を得ることができる。
より具体的には、上記1対の同じ色相を有する濃色インク及び淡色インクにおいて、上記濃色インクに含まれる色材の含有量がは、1.5質量%以上10質量%以下であり、上記淡色インクに含まれる色材の含有量が、0.05質量%以上3質量%以下であることが好ましい。
以下、本発明のインクジェットインクセットを構成する濃色インク及び淡色インク(以下、本発明のインクジェットインクともいう。)の各成分について詳細に説明する。
<重合性化合物>
本発明のインクジェットインクに用いる重合性化合物は、後述する重合開始剤等から発生するラジカル等の開始種により重合又は架橋反応を生起し、これらを含有するインクを硬化させる機能を有するものである。
上記重合性化合物としては、ラジカル重合反応、二量化反応等公知の重合又は架橋反応を生起し硬化する化合物を適用することができる。例えば、少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物、マレイミド基を側鎖に有する高分子化合物、芳香環に隣接した光二量化可能な不飽和二重結合を有するシンナミル基、シンナミリデン基やカルコン基等を側鎖に有する高分子化合物等が挙げられる。中でも、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物がより好ましく、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、より好ましくは2個以上有する化合物(単官能又は多官能化合物)から選択されるものであることが特に好ましい。具体的には、本発明に係る産業分野において広く知られるものの中から適宜選択することができ、例えば、重合性モノマー、重合性プレポリマー(即ち、2量体、3量体及びオリゴマー)及びそれらの混合物、並びにそれらの共重合体等の化学的形態を持つものが含まれる。また、上記重合性化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記重合性化合物の含有量は、各インクの全量に対して10質量%以上60質量%以下であることが好ましい。上記重合性化合物の含有量が上記範囲であれば、本発明のインクジェットインクを確実に硬化させることができる。
本発明のインクジェットインクを構成する重合性化合物としては、好ましくは、ラジカル重合開始剤から発生する開始種により重合反応を生起し硬化する各種公知のラジカル重合性のモノマー(以下、ラジカル重合性化合物という。)や、カチオン重合開始剤から発生する開始種により重合反応を生起し硬化する各種公知のカチオン重合性化合物を使用することができ、また、両者を併用することもできる。
[ラジカル重合性化合物]
本発明のインクジェットインクに用い得るラジカル重合性化合物は、エチレン性不飽和化合物であることが好ましい。エチレン性不飽和化合物としては、例えば、(メタ)アクリレート類、(メタ)アクリルアミド類、芳香族ビニル類、ビニルエーテル類及び内部二重結合を有する化合物(マレイン酸等)等が挙げられる。ここで、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレート」、「メタクリレート」の双方又はいずれかを指し、「(メタ)アクリル」は「アクリル」、「メタクリル」の双方又はいずれかを指す。
上記(メタ)アクリレート類としては、例えば以下のものが挙げられる。
単官能の(メタ)アクリレート類の具体例として、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、tert−オクチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−n−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルジグリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−クロロエチル(メタ)アクリレート、4−ブロモブチル(メタ)アクリレート、シアノエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ブトシキメチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、アルコキシメチル(メタ)アクリレート、アルコキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシル(メタ)アクリレート、4−ブチルフェニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2,4,5−テトラメチルフェニル(メタ)アクリレート、4−クロロフェニル(メタ)アクリレート、フェノキシメチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジロキシブチル(メタ)アクリレート、グリシジロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジロキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、トリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、トリメチルシリルプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシドモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキシドモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシド(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキシド(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、オリゴプロピレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、2−メタクリロイロキシチルコハク酸、2−メタクリロイロキシヘキサヒドロフタル酸、2−メタクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリフロロエチル(メタ)アクリレート、パーフロロオクチルエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート(2−HPA)、EO変性フェノール(メタ)アクリレート、EO変性クレゾール(メタ)アクリレート、EO変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、PO変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、EO変性−2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
二官能の(メタ)アクリレートの具体例として、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジメチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ブチルエチルプロパンジオール(メタ)アクリレート、エトキシ化シクロヘキサンメタノールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングルコールジ(メタ)アクリレート、オリゴエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ブチル−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFポリエトキシジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、オリゴプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ブチルプロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
三官能の(メタ)アクリレートの具体例として、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのアルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリス((メタ)アクリロイルオキシプロピル)エーテル、イソシアヌル酸アルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリス((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ヒドロキシピバルアルデヒド変性ジメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリントリアクリレート等を挙げることができる。
四官能の(メタ)アクリレートの具体例として、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
五官能の(メタ)アクリレートの具体例として、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
六官能の(メタ)アクリレートの具体例として、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、フォスファゼンのアルキレンオキサイド変性ヘキサ(メタ)アクリレート、カプトラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
上記(メタ)アクリルアミド類の具体例としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルフォリン等が挙げられる。
上記芳香族ビニル類の具体例としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、クロルメチルスチレン、メトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、ブロムスチレン、ビニル安息香酸メチルエステル、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、3−エチルスチレン、4−エチルスチレン、3−プロピルスチレン、4−プロピルスチレン、3−ブチルスチレン、4−ブチルスチレン、3−ヘキシルスチレン、4−ヘキシルスチレン、3−オクチルスチレン、4−オクチルスチレン、3−(2−エチルヘキシル)スチレン、4−(2−エチルヘキシル)スチレン、アリルスチレン、イソプロペニルスチレン、ブテニルスチレン、オクテニルスチレン、4−t−ブトキシカルボニルスチレン、4−メトキシスチレン、4−t−ブトキシスチレン等が挙げられる。
上記ビニルエーテル類としては、例えば以下のものが挙げられる。
単官能のビニルエーテル類の例として、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、n−ノニルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルメチルビニルエーテル、4−メチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、ジシクロペンテニルビニルエーテル、2−ジシクロペンテノキシエチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、ブトキシエチルビニルエーテル、メトキシエトキシエチルビニルエーテル、エトキシエトキシエチルビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、テトラヒドロフリフリルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、4−ヒドロキシメチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、クロルブチルビニルエーテル、クロルエトキシエチルビニルエーテル、フェニルエチルビニルエーテル、フェノキシポリエチレングリコールビニルエーテル等が挙げられる。
多官能のビニルエーテル類の例として、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ブチレングリコールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、ビスフェノールAアルキレンオキサイドジビニルエーテル、ビスフェノールFアルキレンオキサイドジビニルエーテル等のジビニルエーテル類;トリメチロールエタントリビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、グリセリントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタビニルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、エチレンオキサイド付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル等の多官能ビニルエーテル類;等が挙げられる。
上記ビニルエーテル類の中でも、硬化性、被記録媒体との密着性、形成された画像の表面硬度等の観点から、ジビニルエーテル化合物又はトリビニルエーテル化合物が好ましく、特にジビニルエーテル化合物が好ましい。
本発明のインクジェットインクに用い得るラジカル重合性化合物としては、上記例示した物質以外に、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等のビニルエステル類;酢酸アリル等のアリルエステル類;塩化ビニリデン、塩化ビニル等のハロゲン含有単量体;(メタ)アクリロニトリル等のシアン化ビニル;エチレン、プロピレン等のオレフィン類;等が挙げられる。
[カチオン重合性化合物]
本発明のインクジェットインクに用い得るカチオン重合性化合物は、何らかのエネルギー付与によりカチオン重合反応を生起し、硬化する化合物であれば特に制限はない。カチオン重合性化合物としては、モノマー、オリゴマー、ポリマーの種を問わず使用することができ、単官能化合物であっても、多官能化合物であってもよい。特に、後述するカチオン重合開始剤から発生する開始種により重合反応を生起する、光カチオン重合性モノマーとして知られる各種公知のカチオン重合性モノマーを使用することができる。
上記カチオン重合性モノマーの例としては、例えば、特開平6−9714号、特開2001−31892号、特開2001−40068号、特開2001−55507号、特開2001−310938号、特開2001−310937号、特開2001−220526号等の各公報に記載されているエポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物等が挙げられる。
上記エポキシ化合物の具体例としては、例えば以下のものが挙げられる。
単官能エポキシ化合物の例としては、例えば、フェニルグリシジルエーテル、p−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、1,2−ブチレンオキサイド、1,3−ブタジエンモノオキサイド、1,2−エポキシドデカン、エピクロロヒドリン、1,2−エポキシデカン、スチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、3−メタクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−アクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−ビニルシクロヘキセンオキサイド等が挙げられる。
多官能エポキシ化合物の例としては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールSジグリシジルエーテル、エポキシノボラック樹脂、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールSジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3',4'−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−7,8−エポキシ−1,3−ジオキサスピロ[5.5]ウンデカン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンオキサイド、4−ビニルエポキシシクロヘキサン、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−3',4'−エポキシ−6'−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコールジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル類、1,13−テトラデカジエンジオキサイド、リモネンジオキサイド、1,2,7,8−ジエポキシオクタン、1,2,5,6−ジエポキシシクロオクタン等が挙げられる。これらのエポキシ化合物の中でも、芳香族エポキシド及び脂環式エポキシドが、硬化速度に優れるという観点から好ましく、特に脂環式エポキシドが好ましい。
上記ビニルエーテル化合物の具体例としては、例えば以下のものが挙げられる。
単官能ビニルエーテルの例としては、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、n−ノニルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルメチルビニルエーテル、4−メチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、ジシクロペンテニルビニルエーテル、2−ジシクロペンテノキシエチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、ブトキシエチルビニルエーテル、メトキシエトキシエチルビニルエーテル、エトキシエトキシエチルビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、テトラヒドロフリフリルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、4−ヒドロキシメチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールビニルエーテル、クロロエチルビニルエーテル、クロロブチルビニルエーテル、クロロエトキシエチルビニルエーテル、フェニルエチルビニルエーテル、フェノキシポリエチレングリコールビニルエーテル等が挙げられる。
多官能ビニルエーテルの例としては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ブチレングリコールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、ビスフェノールAアルキレンオキサイドジビニルエーテル、ビスフェノールFアルキレンオキサイドジビニルエーテル等のジビニルエーテル類;トリメチロールエタントリビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、グリセリントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタビニルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、エチレンオキサイド付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル等の多官能ビニルエーテル;類等が挙げられる。
上記ビニルエーテル化合物としては、硬化性、被記録媒体との密着性、形成された画像の表面硬度等の観点から、上述した化合物の中でも、ジビニルエーテル化合物又はトリビニルエーテル化合物が好ましく、特にジビニルエーテル化合物が好ましい。
上記オキセタン化合物としては、特開2001−220526号、特開2001−310937号、特開2003−341217号の各公報に記載される如き、公知のオキセタン化合物を任意に選択して使用できる。ここで、「オキセタン化合物」とは、分子内に少なくとも1つのオキセタン環(オキセタニル基)を含む化合物のことである。
上記オキセタン化合物としては、その構造内にオキセタン環を1〜4個有するオキセタン化合物が好ましい。このようなオキセタン化合物を使用することで、インクジェットインクの粘度をハンドリング性の良好な範囲に維持することが容易となり、また、形成された画像と被記録媒体との高い密着性を得ることができる。
上記オキセタン化合物の具体例としては、例えば以下のものが挙げられる。
単官能オキセタン化合物の例としては、例えば、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−(メタ)アリルオキシメチル−3−エチルオキセタン、(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチルベンゼン、4−フルオロ−[1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル[ベンゼン、4−メトキシ−[1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、[1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)エチル]フェニルエーテル、イソブトキシメチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−エチルヘキシル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、エチルジエチレングリコール(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンタジエン(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラヒドロフルフリル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−テトラブロモフェノキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−トリブロモフェノキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシプロピル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ブトキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタクロロフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ボルニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル等が挙げられる。
多官能オキセタン化合物の例としては、例えば、3,7−ビス(3−オキセタニル)−5−オキサ−ノナン、3,3'−(1,3−(2−メチレニル)プロパンジイルビス(オキシメチレン))ビス−(3−エチルオキセタン)、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、1,2−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エタン、1,3−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]プロパン、エチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリシクロデカンジイルジメチレン(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリメチロールプロパントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、1,4−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ブタン、1,6−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ヘキサン、ペンタエリスリトールトリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ポリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジトリメチロールプロパンテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、PO変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、PO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールF(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル等の多官能オキセタンが挙げられる。
このようなオキセタン化合物については、上記特開2003−341217号公報の段落0021乃至0084に詳細に記載されているものを好適に使用し得る。
上記オキセタン化合物の中でも、インクジェットインクの粘度と粘着性の観点から、オキセタン環を1〜2個有する化合物を使用することが好ましい。
本発明のインクジェットインクに用い得るカチオン重合性化合物としては、硬化性及び耐擦過性の観点から、オキシラン化合物及びオキセタン化合物が好適であり、オキシラン化合物及びオキセタン化合物の両方を含有する態様がより好ましい。ここで、「オキシラン化合物」とは、分子内に、少なくとも1つのオキシラン環(オキシラニル基、エポキシ基)を含む化合物のことであり、具体的にはエポキシ樹脂として通常用いられているものの中から適宜選択することができ、例えば、従来公知の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂が挙げられる。上記オキシラン化合物を含有する重合性化合物は、モノマー、オリゴマー及びポリマーのいずれであってもよい。
上述したカチオン重合性化合物は、1種のみを用いても、2種以上を併用してもよい。
<重合開始剤>
本発明のインクジェットインクを構成する重合開始剤としては、エネルギー線によって重合反応又は架橋反応を開始させるものが好ましい。上記インクジェットインクが重合開始剤を含むことにより、被記録媒体に付与されたインクジェットインクをエネルギー線の照射によって硬化させることができる。
上記重合開始剤は、本発明のインクジェットインクを構成する重合性化合物が上記ラジカル重合性化合物である場合には、ラジカル重合を起こさせる重合開始剤(ラジカル重合開始剤)を含有することが好ましく、上記重合性化合物が上記カチオン重合性化合物である場合には、カチオン重合を起こさせる重合開始剤(カチオン重合開始剤)を含有することが好ましく、それらが光重合開始剤であることが特に好ましい。
上記光重合開始剤としては、照射されるエネルギー線、例えば、200〜400nmの紫外線、遠紫外線、g線、h線、i線、KrFエキシマレーザー光、ArFエキシマレーザー光、電子線、X線、分子線、LED光線等を適宜選択して使用することができる。
具体的な光重合開始剤は、当業者間で公知のものを制限なく使用できる。好ましい光重合開始剤としては、(a)芳香族ケトン類、(b)芳香族オニウム塩、(c)有機過酸化物、(d)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(e)ケトオキシムエステル化合物、(f)ボレート化合物、(g)アジニウム化合物、(h)メタロセン化合物、(i)活性エステル化合物、(j)炭素ハロゲン結合を有する化合物等が挙げられる。以下、各化合物の具合例を示す。
上記(a)芳香族ケトン類の例としては、ベンゾフェノン骨格或いはチオキサントン骨格を有する化合物、α−チオベンゾフェノン化合物、ベンゾインエーテル化合物、α−置換ベンゾイン化合物、ベンゾイン誘導体、アロイルホスホン酸エステル、ジアルコキシベンゾフェノン、ベンゾインエーテル類、α−アミノベンゾフェノン類、p−ジ(ジメチルアミノベンゾイル)ベンゼン、チオ置換芳香族ケトン、α−アミノアルキルフェノン、アシルホスフィンオキサイド、アシルホスフィン、チオキサントン類、クマリン類等を挙げることができる。
上記(b)芳香族オニウム塩としては、周期律表の第V、VI及びVII族の元素、具体的にはN、P、As、Sb、Bi、O、S、Se、Te、又はIの芳香族オニウム塩が含まれる。ヨードニウム塩類、スルホニウム塩類、ジアゾニウム塩類(置換基を有してもよいベンゼンジアゾニウム等)、ジアゾニウム塩樹脂類(ジアゾジフェニルアミンのホルムアルデヒド樹脂等)、N−アルコキシピリジニウム塩類等が好適に使用される。これらの塩は活性種としてラジカルや酸を生成する。
上記(c)有機過酸化物としては、分子中に酸素−酸素結合を1個以上有する有機化合物のほとんど全てが含まれる。
上記(d)ヘキサアリールビイミダゾール化合物の例としては、ロフィンダイマー類が挙げられる。
上記(e)ケトオキシムエステル化合物の例としては、3−ベンゾイロキシイミノブタン−2−オン、3−アセトキシイミノブタン−2−オン、3−プロピオニルオキシイミノブタン−2−オン、2−アセトキシイミノペンタン−3−オン、2−アセトキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ベンゾイロキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、3−p−トルエンスルホニルオキシイミノブタン−2−オン、2−エトキシカルボニルオキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン等が挙げられる。
上記(f)ボレート化合物の例としては、米国特許第3,567,453号明細書、米国特許第4,343,891号明細書、欧州特許第109,772号明細書、欧州特許第109,773号明細書に記載されている化合物が挙げられる。
上記(g)アジニウム化合物の例としては、特開昭63−138345号公報、特開昭63−142345号公報、特開昭63−142346号公報、特開昭63−143537号公報、特公昭46−42363号公報に記載されているN−O結合を有する化合物群を挙げることができる。
上記(h)メタロセン化合物の例としては、チタノセン化合物、鉄−アレーン錯体を挙げることができる。
上記(i)活性エステル化合物の例としては、ニトロベンズルエステル化合物、イミノスルホネート化合物等が挙げられる。
上記(j)炭素ハロゲン結合を有する化合物の好ましい例としては、例えば、若林ら著、Bull.Chem.Soc.Japan,42,2924(1969)に記載されている化合物や、F.C.Schaefer等によるJ.Org.Chem.29、1527(1964)に記載されている化合物を挙げることができる。
本発明のインクジェットインクに用いられる重合開始剤としては、硬化性の点から、上述した化合物の中でも、芳香族ケトン類が好ましく、ベンゾフェノン骨格或いはチオキサントン骨格を有する化合物がより好ましく、α−アミノアルキルフェノン、アシルホスフィンオキサイドが特に好ましい。
上記重合開始剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。また、本発明の効果を損なわない限りにおいて、重合開始剤の感度向上の目的で公知の増感剤を併用することもできる。なお、増感剤については後述する。
上記重合開始剤の含有量は、インク中の全固形分に対して0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜15質量%がより好ましい。0.1質量%以上であれば、十分な硬化性が得られ、20質量%以下であれば、インクの低温保管時にも析出・沈殿することによる不具合を防ぐことができる。
本発明のインクジェットインクにおいて、上記重合開始剤と上記重合性化合物との含有比(質量比)は、0.5:100〜30:100であることが好ましく、1:100〜15:100であることがより好ましい。質量比が0.5:100以上であれば、十分な硬化性が得られ、30:100以下であれば、インクの低温保管時にも析出・沈殿することによる不具合を防ぐことができる。
上記ラジカル重合開始剤としては、硬化性の点から、上述の光重合開始剤の中でも、芳香族ケトン類が好ましく、ベンゾフェノン骨格或いはチオキサントン骨格を有する化合物がより好ましく、α−アミノアルキルフェノン系化合物、アシルホスフィンオキサイド系化合物が特に好ましい。上記カチオン重合開始剤としては、硬化性の点から、上述の光重合開始剤の中でも、芳香族オニウム塩が好ましく、ヨードニウム塩、スルホニウム塩がより好ましく、ヨードニウム塩のPF6塩、スルホニウム塩のPF6塩が特に好ましい。
上記カチオン重合開始剤又は上記ラジカル重合開始剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。また、本発明の効果を損なわない限りにおいて、重合開始剤の感度向上の目的で、公知の増感剤を併用することもできる。
上記カチオン重合開始剤又は上記ラジカル重合開始剤の含有量は、インクジェットインク中の全固形分に対し、0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましい。
<色材>
本発明のインクジェットインクを構成する色材としては特に限定されず、公知の水溶性染料、油溶性染料及び顔料等から適宜選択して用いることができる。
次に、本発明のインクジェットインクに好適な顔料について説明する。顔料としては、有機顔料、無機顔料のいずれも使用できる。無機顔料としては、例えば、酸化チタン、亜鉛華、酸化亜鉛、トリポン、酸化鉄、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、カオリナイト、モンモリロナイト、タルク、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、カドミウムレッド、べんがら、モリブデンレッド、クロムバーミリオン、モリブデートオレンジ、黄鉛、クロムイエロー、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、チタンイエロー、酸化クロム、ピリジアン、コバルトグリーン、チタンコバルトグリーン、コバルトクロムグリーン、群青、ウルトラマリンブルー、紺青、コバルトブルー、セルリアンブルー、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット、マイカ等が挙げられる。有機顔料としては、例えば、アゾ系、アゾメチン系、ポリアゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アントラキノン系、インジゴ系、チオインジゴ系、キノフタロン系、ベンズイミダゾロン系、イソインドリン系等の有機顔料が挙げられる。また、酸性、中性又は塩基性カーボンからなるカーボンブラックを用いてもよい。更に、架橋したアクリル樹脂の中空粒子等も有機顔料として用いてもよい。
本発明のインクジェットインクには、通常、ブラック、並びにシアン、マゼンタ、及びイエローの3原色の顔料が用いられる。
先ず、原色(マゼンタ、シアン、イエロー)にブラックを加えたものを基本色として使用する顔料から説明する。なお、顔料の具体例としては、カラーインデックス(C.I.:The Society of Dyers and Colourists社発行)においてピグメントに分類されている化合物、即ち、下記に示すようなカラーインデックス(C.I.)番号が付されているものが挙げられる。
上記マゼンタ色を呈する顔料として、例えば、C.I.ピグメントレッド3(トルイジンレッド等)の如きモノアゾ系顔料、C.I.ピグメントレッド38(ピラゾロンレッドB等)の如きジスアゾ顔料、C.I.ピグメントレッド53:1(レーキレッドC等)やC.I.ピグメントレッド57:1(ブリリアントカーミン6B)の如きアゾレーキ顔料、C.I.ピグメントレッド144(縮合アゾレッドBR等)の如き縮合アゾ顔料、C.I.ピグメントレッド194(ペリノンレッド等)の如きペリノン顔料、C.I.ピグメントレッド149(ペリレンスカーレット等)の如きペリレン顔料、C.I.ピグメントバイオレット19(無置換キナクリドン、チバ・スペシャリティケミカルズ社製の“CINQUASIA Magenta RT−355T”)、C.I.ピグメントレッド122(キナクリドンマゼンタ等)の如きキナクリドン顔料、C.I.ピグメントレッド180(イソインドリノンレッド2BLT等)の如きイソインドリノン顔料、C.I.ピグメントレッド83(マダーレーキ等)の如きアリザリンレーキ顔料等が挙げられる。
上記シアン色を呈する顔料として、例えば、C.I.ピグメントブルー25(ジアニシジンブルー等)の如きジスアゾ系顔料、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:3(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製の“IRGALITE BLUE GLO”)(フタロシアニンブルー等)の如きフタロシアニン顔料、C.I.ピグメントブルー24(ピーコックブルーレーキ等)の如き酸性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントブルー18(アルカリブルーV−5:1)の如きアルカリブルー顔料等が挙げられる。
上記イエロー色を呈する顔料として、例えば、C.I.ピグメントイエロー1(ファストイエローG等)、C.I.ピグメントイエロー74の如きモノアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー12(ジスアジイエローAAA等)、C.I.ピグメントイエロー17の如きジスアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー200(Novoperm Yellow 2HG)の如き非ベンジジン系のアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー100(タートラジンイエローレーキ等)の如きアゾレーキ顔料、C.I.ピグメントイエロー95(縮合アゾイエローGR等)の如き縮合アゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー115(キノリンイエローレーキ等)の如き酸性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントイエロー18(チオフラビンレーキ等)の如き塩基性染料レーキ顔料、フラバントロンイエロー(Y−24)の如きアントラキノン系顔料、イソインドリノンイエロー3RLT(Y−110)の如きイソインドリノン顔料、キノフタロンイエロー(Y−138)の如きキノフタロン顔料、イソインドリンイエロー(Y−139)の如きイソインドリン顔料、C.I.ピグメントイエロー153(ニッケルニトロソイエロー等)の如きニトロソ顔料、C.I.ピグメントイエロー117(銅アゾメチンイエロー等)の如き金属錯塩アゾメチン顔料等が挙げられる。
上記ブラック色を呈する顔料としては、カーボンブラック、チタンブラック、アニリンブラック等が挙げられる。カーボンブラックとしては、デグサ社製の“SPECIAL BLACK 250”が例示できる。
上記例示した顔料の中でも、シアン色を呈する顔料がピグメントブルー15:3又はピグメントブルー15:4であることが好ましく、マゼンタ色を呈する顔料がピグメントレッド122、ピグメントレッド202又はピグメントバイオレット19であることが好ましく、イエロー色を呈する顔料がピグメントイエロー150、ピグメントイエロー180、ピグメントイエロー155であることがより好ましい。
上記色材は、1種単独のみならず、2種以上を混合して使用してもよい。また、本発明においては、2種類以上の有機顔料又は有機顔料の固溶体を組み合わせて用いることもできる。また、打滴する液滴及び液体ごとに異なる色材を用いてもよいし、同一の色材を用いてもよい。
上記色材の分散には、例えばビーズミル、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、ジェットミル、ホモジナイザー、ペイントシェーカー、ニーダー、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル等の分散装置を用いることができる。
上記色材の分散を行う際には、分散剤を添加することができる。分散剤としては、その種類に特に制限はないが、公知の高分子分散剤を用いることが好ましい。高分子分散剤としては、BYKケミー社製の“DisperBYK−101”、“DisperBYK−102”、“DisperBYK−103”、“DisperBYK−106”、“DisperBYK−111”、“DisperBYK−161”、“DisperBYK−162”、“DisperBYK−163”、“DisperBYK−164”、“DisperBYK−166”、“DisperBYK−167”、“DisperBYK−168”、“DisperBYK−170”、“DisperBYK−171”、“DisperBYK−174”、“DisperBYK−182”;エフカアディティブ社製の“EFKA4010”、“EFKA4046”、“EFKA4080”、“EFKA5010”、“EFKA5207”、“EFKA5244”、“EFKA6745”、“EFKA6750”、“EFKA7414”、“EFKA7462”、“EFKA7500”、“EFKA7570”、“EFKA7575”、“EFKA7580”;サンノプコ社製の“ディスパースエイド6”、“ディスパースエイド8”、“ディスパースエイド15”、“ディスパースエイド9100”;ルーブリゾール社製の“ソルスパース(Solsperse)3000”、“ソルスパース5000”、“ソルスパース9000”、“ソルスパース12000”、“ソルスパース13240”、“ソルスパース13940”、“ソルスパース17000”、“ソルスパース24000”、“ソルスパース26000”、“ソルスパース28000”、“ソルスパース32000”、“ソルスパース36000”、“ソルスパース39000”、“ソルスパース41000”、“ソルスパース71000”;旭電化社製の“アデカプルロニックL31”、“F38”、“L42”、“L44”、“L61”、“L64”、“F68”、“L72”、“P95”、“F77”、“P84”、“F87”、“P94”、“L101”、“P103”、“F108”、“L121”、“P−123”;三洋化成社製の“イソネットS−20”;楠本化成社製の“ディスパロン KS−860”、“873SN”、“874”(高分子分散剤)、“#2150”(脂肪族多価カルボン酸)、“#7004”(ポリエーテルエステル型)等が挙げられる。
また、上記分散剤は、エフカ社製のフタロシアニン誘導体“EFKA−745”、ルーブリゾール社製の“ソルスパース5000”、“ソルスパース12000”、“ソルスパース22000”等の顔料誘導体と併用することもできる。
上記分散剤の含有量は、使用目的により適宜選択されるが、例えば、インクジェットインク全量に対し、0.01〜5質量%と設定できる。
また、上記色材を添加するにあたっては、必要に応じて、分散助剤として、各種色材に応じたシナージストを用いることも可能である。
上記色材の平均粒径は、微細なほど発色性に優れるため、0.01μm以上0.4μm以下であることが好ましく、更に好ましくは0.02μm以上0.2μm以下の範囲である。最大粒径は好ましくは3μm以下、より好ましくは1μm以下となるよう、色材、分散剤、分散媒の選定、分散条件、ろ過条件を設定することが好ましい。この粒径管理によって、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、透明性及び硬化感度を維持することができる。本発明においては、分散性、安定性に優れた上記分散剤を用いることにより、微粒子色材を用いた場合でも、均一で安定な分散物が得られる。インク中における色材の粒径は、公知の測定方法で測定することができる。具体的には遠心沈降光透過法、X線透過法、レーザー回折・散乱法、動的光散乱法により測定することができる。
上記色材の含有量は、色、及び使用目的により適宜選択されるが、画像濃度及び保存安定性の観点から、インクジェットインク全量に対し、0.3〜30質量%であることが好ましく、0.5〜20質量%であることがさらに好ましい。
<その他の成分>
本発明のインクジェットインクには、インクの表面張力の制御、色材の分散安定性の向上のため、界面活性剤を更に含有させてもよい。上記界面活性剤としては、ノニオン系界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤、シリコン系界面活性剤等が挙げられる。ノニオン系界面活性剤を添加した場合、ノズル近傍でのインク中の固形分の付着を抑制し、吐出性を向上できる。アセチレングリコール系界面活性剤を添加した場合、動的表面張力を低下させ、吐出性を向上できる。シリコン系界面活性剤を添加した場合、インク非吸収性材料に対する濡れ性を向上できる。
また、本発明のインクジェットインクは、インク保存安定化剤を含有することが好ましい。インク保存安定化剤を含有することにより保存安定性を高めることができる。また、熱エネルギーにより重合性化合物が重合することによるヘッド詰まりを防止する観点からも、インク保存安定化剤を添加することが好ましい。
上記インク保存安定化剤としては、例えば、ヒンダードアミン系化合物(HALS)、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤等が挙げられる。具体的には、ハイドロキノン、メトキノン、ベンゾキノン、p−メトキシフェノール、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ハイドロキノンモノブチルエーテル、TEMPO、TEMPOL、クペロンAl、t−ブチルカテコール、ピロガロール等が挙げられる。これらのインク保存安定化剤は、単独で又は複数組み合わせて用いることができる。
上記インク保存安定化剤の中でも、HALS、メトキノン及びハイドロキノンが好ましい。特に、HALS及びハイドロキノンを合わせて用いることが好ましく、HALS、メトキノン及びハイドロキノンの3種を組み合わせて用いることが更に好ましい。
更に、本発明のインクジェットインクには、必要に応じて、インクジェットインク分野で従来から用いられている、消泡剤、殺菌剤、保湿剤、pH調整剤、防腐剤、防錆剤等の添加剤を添加することができる。
(画像形成方法)
次に、本発明の画像形成方法について説明する。本発明の画像形成方法は、上記本発明のインクジェットインクセットを用いた画像形成方法であって、インクジェットプリンタを用いて上記インクジェットインクセットからインクを吐出してエネルギー線を照射することを特徴とする。
本発明の画像形成方法は、本発明のインクジェットインクセットを用いているため、高画質の画像を得ることができる。
上記エネルギー線としては、例えば、200〜400nmの紫外線、遠紫外線、g線、h線、i線、KrFエキシマレーザー光、ArFエキシマレーザー光、電子線、X線、分子線、LED光線等を使用できる。
本発明の画像形成方法で用いる被記録媒体としては特に限定されず、例えば、紙等のインク吸収性材料からなる基材や、プラスチック、金属等のインク非吸収性材料からなる基材を用いることができる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。また、特に指摘がない場合、下記において、「部」は「質量部」を意味する。
表1に、下記の実施例及び比較例において用いたインクジェットインクの成分を示す。
Figure 2018076530
先ず、一次分散体を次のようにして調製した。即ち、プラスチック製ビンに、色材4部、顔料分散剤2.8部、重合性モノマーとしてHDDA13.2部を計り取り、これに直径0.3mmのジルコニアビーズ100部を加えて、この混合物をペイントコンディショナーにより1時間分散処理した。
次に、上記一次分散体を用いてインクA〜インクOを次のようにして調製した。即ち、上記一次分散体を用いて表2及び表3に示す配合量(単位:質量部)となるように、表2及び表3に示す成分を加え、マグネチックスターラーにより30分撹拌して混合物とした。撹拌後、グラスフィルター(桐山製作所製)を用いて、この混合物を吸引ろ過し、各インクを調製した。
次に、各インクの粘度を、東機産業社製の“R100型粘度計”を用いて、25℃、コーン回転数10rpmの条件下で測定した。その結果も表2及び表3に示す。
Figure 2018076530
Figure 2018076530
次に、インクA〜インクOから表4及び表5に示すように濃色インクと淡色インクとを組み合わせて、実施例1〜6及び比較例1〜5のインクセットを作製した。また、表4及び表5には、各インクセットにおける濃色インクの重合開始剤の含有量をX、淡色インクの重合開始剤の含有量をYとした場合の重合開始剤比Y/Xの値を示した。更に、表4及び表5には、各インクセットにおける濃色インクの粘度をM、淡色インクの粘度をN、粘度Mと粘度Nのうち小さいほうの粘度をSとした場合、(|M−N|/S)×100で表わされる粘度差割合(%)も示した。
Figure 2018076530
Figure 2018076530
続いて、上記実施例1〜6及び比較例1〜5のインクセットについて、下記に示す方法によって、吐出制御性及び画質を評価した。その結果を表4及び表5に合せて示した。
<吐出制御性及び画質>
各インクセットにおける濃色インクと淡色インクの粘度差割合が20%未満の場合を吐出制御性及び画質が「良」とし、上記粘度差割合が20%以上の場合を吐出制御性及び画質が「不良」と判断した。即ち、上記粘度差割合が20%未満では、インクの被記録媒体上でのドットの広がりが濃色インクと淡色インクとでほぼ等しくなり、吐出制御性を「良」と判断し、その結果画質も鮮明となり、画質も「良」と判断した。また、上記粘度差割合が20%以上では、インクの被記録媒体上でのドットの広がりが濃色インクと淡色インクとで異なり、吐出制御性を「不良」と判断し、その結果画質も不鮮明となり、画質も「不良」と判断した。
表4及び表5から、実施例1〜6の本発明のインクジェットインクセットは、比較例1〜5のインクジェットインクセットに比べて、吐出制御性及び画質が優れていることが分かる。
本発明によれば、濃色インクと淡色インクとを備えたインクジェットインクセットを用いて高画質の画像を得ることができる。

Claims (7)

  1. 少なくとも1対の同じ色相を有する濃色インク及び淡色インクを備えたインクジェットインクセットであって、
    前記濃色インク及び前記淡色インクは、それぞれ色材と、重合性化合物と、重合開始剤とを含み、
    前記1対の同じ色相を有する濃色インク及び淡色インクにおいて、前記淡色インクに含まれる重合開始剤の含有量が、前記濃色インクに含まれる重合開始剤の含有量より多いことを特徴とするインクジェットインクセット。
  2. 前記1対の同じ色相を有する濃色インク及び淡色インクにおいて、前記濃色インクに含まれる重合開始剤の含有量をX、前記淡色インクに含まれる重合開始剤の含有量をYとした場合、1<Y/X<2の関係を有する請求項1に記載のインクジェットインクセット。
  3. 前記1対の同じ色相を有する濃色インク及び淡色インクにおいて、前記濃色インクの粘度をM、前記淡色インクの粘度をN、粘度Mと粘度Nのうち小さいほうの粘度をSとした場合、(|M−N|/S)×100で表わされる粘度差割合が20%未満である請求項1又は2に記載のインクジェットインクセット。
  4. 前記濃色インクは、ブラックインク、シアンインク、マゼンタインク及びイエローインクからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、前記淡色インクは、グレーインク、ライトシアンインク、ライトマゼンタインク及びライトイエローインクからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェットインクセット。
  5. 前記1対の同じ色相を有する濃色インク及び淡色インクにおいて、前記濃色インクに含まれる色材の含有量が、前記淡色インクに含まれる色材の含有量の2.5倍以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェットインクセット。
  6. 前記1対の同じ色相を有する濃色インク及び淡色インクにおいて、前記濃色インクに含まれる色材の含有量が、1.5質量%以上10質量%以下であり、前記淡色インクに含まれる色材の含有量が、0.05質量%以上3質量%以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェットインクセット。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のインクジェットインクセットを用いた画像形成方法であって、
    インクジェットプリンタを用いて前記インクジェットインクセットからインクを吐出してエネルギー線を照射することを特徴とする画像形成方法。
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