JP2018075506A - 炭素材の粉砕装置、および粉砕炭素材の製造方法 - Google Patents

炭素材の粉砕装置、および粉砕炭素材の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2018075506A
JP2018075506A JP2016217057A JP2016217057A JP2018075506A JP 2018075506 A JP2018075506 A JP 2018075506A JP 2016217057 A JP2016217057 A JP 2016217057A JP 2016217057 A JP2016217057 A JP 2016217057A JP 2018075506 A JP2018075506 A JP 2018075506A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbon material
pulverized
sealed container
pulverization
activated carbon
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016217057A
Other languages
English (en)
Inventor
孝規 塚▲崎▼
Takanori Tsukazaki
孝規 塚▲崎▼
公博 宮原
Kimihiro Miyahara
公博 宮原
天能 浩次郎
Kojiro Tenno
浩次郎 天能
将 大内山
Susumu Ouchiyama
将 大内山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kansai Coke and Chemicals Co Ltd
Original Assignee
Kansai Coke and Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kansai Coke and Chemicals Co Ltd filed Critical Kansai Coke and Chemicals Co Ltd
Priority to JP2016217057A priority Critical patent/JP2018075506A/ja
Publication of JP2018075506A publication Critical patent/JP2018075506A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)
  • Crushing And Grinding (AREA)

Abstract

【課題】粉砕ばらつきの抑制が可能であり、簡便かつ効率良く炭素材を粉砕できる装置、および粉砕炭素材の製造方法を提供する。【解決手段】炭素材および粉砕媒体を装入する密閉式容器と、前記密閉式容器を上下方向に振動させる加振体とを有する炭素材の粉砕装置。炭素材および粉砕媒体を装入した密閉式容器を、加振体を用いて上下方向に振動させる粉砕炭素材の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、炭素材を粉砕するための装置、および炭素材を粉砕して粉砕炭素材を製造する方法に関する。
炭化物、その賦活物質(活性炭)などの炭素材は、社会の様々な用途に用いられている。特に活性炭は、細孔構造が発達し、比表面積が高いため、従来から各種吸着材として用いられている。近年では、活性炭の導電性や電子授受機能を有する性質、または活性炭の細孔内表面に触媒を分散担持できるなどの性質に着目し、活性炭は、電気二重層キャパシタの炭素電極の素材、燃料電池、空気電池、またはリチウムイオン電池などの電池の炭素電極の素材、炭素系触媒、各種金属触媒の担体としても用いられている。
本出願人は、特許文献1に、活性炭の物性を改善する技術を提案している。特許文献1に開示した活性炭は、活性表面積が80m2/g以上であり、表面積が大きいため、吸着性能に優れている。
前記活性炭の形状としては、粉末状活性炭、粒状活性炭、繊維状活性炭などが知られている。これらのうち繊維状活性炭は、例えば、セルロース、アクリル繊維、ビニロンなどの有機質高分子繊維を高温で焼成することによって得られ、強度、ヤング率が高く、耐熱性も大きいため、繊維強化プラスチックス(FRP)の強化材として用いられている。
国際公開第2014/017588号
前記炭素材は、粉砕して使用されることがある。またその製造工程中では工程管理の為に、また製造後は品質管理の為に粉砕して分析されることがある。しかし、炭化物や活性炭の分析結果がばらつく場合があり、特に繊維状活性炭などの活性炭での分析ばらつきが大きく、炭化物や活性炭から分析用試料を適切に採集することが求められている。さらには、分析結果のばらつき原因を追求していく中で、炭素材を簡便かつ効率よく均一に粉砕することが難しいことが判明した。炭素材は、比重が軽いため、粉砕が進むほど粉塵として舞いやすく、粉砕の為の衝撃力を均等に作用させるのが難しいためと思われる。
本発明は、上記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、粉砕ばらつきの抑制が可能であり、簡便かつ効率良く炭素材を粉砕できる装置、および粉砕炭素材の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決することのできた本発明に係る炭素材の粉砕装置とは、炭素材および粉砕媒体を装入する密閉式容器と、前記密閉式容器を上下方向に振動させる加振体とを有する点に要旨を有する。
前記粉砕媒体としては、球体を用いることが好ましい。前記密閉式容器の内装は樹脂によって形成されており、前記粉砕媒体の表面は、メノウ製であることが好ましい。前記密閉式容器の外側には、該密閉式容器全体を覆う外筒を更に有することが好ましい。
上記課題を解決することのできた本発明に係る粉砕炭素材の製造方法とは、炭素材および粉砕媒体を装入した密閉式容器を、加振体を用いて上下方向に振動させる点に要旨を有する。
前記炭素材としては、繊維状炭素材を用いることが好ましい。
本発明によれば、炭素材および粉砕媒体を装入した密閉式容器を、加振体を用いて上下方向に振動させることによって、簡便かつ効率的に、粉砕ばらつきが抑制された粉砕炭素材を製造できる炭素材の粉砕装置を提供できる。またこの様にして粉砕された炭素材(特に活性炭)を測定試料とすれば、炭素材(特に活性炭)の分析ばらつきを抑制できる。
図1は、本発明に係る粉砕装置の構成例を示す模式図である。 図2は、粉砕活性炭の粒度分布を測定した結果を示すグラフである。 図3は、粉砕活性炭の表面官能基量を算出した結果を示すグラフである。 図4は、粉砕活性炭の粒度分布を測定した結果を示すグラフである。 図5は、粉砕活性炭の表面官能基量を算出した結果を示すグラフである。
本発明者らは、炭素材(特に活性炭)の分析結果は、その試料粉砕手段に応じてばらつくことを見つけた。例えば、繊維状活性炭は嵩高く、分析容器に入りにくい、試験液に沈まない、攪拌子による回転が困難などの分析上の問題を有している。これらの問題を解消するために前処理として粉砕されることがあるが、粉砕手段によってはそもそも粉砕不可やコンタミなどの本質的な不具合が生じることがあり、こうした不具合を回避可能な粉砕手段を採用しても、分析ばらつきが生じることがあった。例えば、ディスクミル粉砕は、Fe、Ni、Crなどの不純物が増大したり、表面官能基量の分析値が増大したりする不具合があり、パワーミル粉砕では、粉砕自体が不十分でダマが形成される不具合があり、ミルサー粉砕では軸部に粉が入り込む不具合があり、マイクロストレングスやトロンメルでは粉砕自体ができないという不具合がある。一方、乳鉢を用いて粉砕する方法では、粉砕自体は可能であるものの、時間がかかるため、作業効率が悪いという不具合がある。更には、粉砕が可能であっても粉砕後の粒度を一定の範囲に揃えることができず、分析結果にばらつきが生じることがあった。
これらに対して、以下に示す特定の粉砕手段を採用すれば、簡便かつ効率的に炭素材(特に繊維状活性炭などの活性炭)を粉砕でき、粉砕後の粒度を一定の範囲に揃えることができ、その結果、分析結果のばらつきを抑制した粉砕炭素材が提供可能になる事を見出した。さらにこの粉砕手段を炭素材の粉砕手段として採用すれば、粉砕物が粉塵化し易いにも拘わらず、粉砕ばらつきの抑制が可能であり、簡便かつ効率良く炭素材を粉砕できる事も見出し、本発明を完成した。以下、本発明に係る炭素材の粉砕装置、および粉砕炭素材の製造方法を用いれば、炭素材の分析結果のばらつきを抑制できることを中心に説明するが、本発明に係る炭素材の粉砕装置、および粉砕炭素材の製造方法は、分析以外の目的で炭素材を粉砕する場合にも適用でき、その場合には簡便かつ効率的に、粉砕ばらつきが抑制された粉砕炭素材を得ることができる。
本発明では、炭素材および粉砕媒体を装入した密閉式容器を、加振体を用いて上下方向(好ましくは垂直方向)に振動させる必要がある。上記密閉式容器を上下方向に振動させることによって、炭素材と粉砕媒体の接触頻度を高めることができるため、炭素材を均一に粉砕できる。本発明者らが検討したところ、上記密閉式容器を左右方向(即ち、水平方向)に振動させた場合は、炭素材を均一に粉砕できず、装入した炭素材の一部が粉砕媒体の上に浮き上がり、所望の粒径に粉砕されない炭素材が含まれ、上記密閉式容器を上下方向に振動させたときと比べて、炭素材の粉砕率が低いことが分かった。また、加振体を用いずに上記密閉式容器を手で持って上下方向に振動させると、作業者に過度の負担がかかり、また作業者によって炭素材の粉砕状態にばらつきが生じるため、炭素材試料を精度良く粉砕できなかったが、上記密閉式容器を、加振体を用いて上下方向に振動させると、炭素材試料を精度良く粉砕できることが分かった。
上記加振体とは、上記密閉式容器を上下方向に振動させることができる機構であれば特に限定されず、例えば、クランク機構、電磁振動により加振する機構、エアシリンダ、油圧シリンダ等のシリンダやラック・ピニオン機構により加振する機構、カムとバネとを用いた機構等を用いることができる。
なお、本明細書において、上下方向とは、水平方向を除く意味であり、垂直方向に対して斜め方向に振動させても構わない。
上記密閉式容器とは、炭素材および粉砕媒体を装入した後、蓋をし、密閉できる容器であり、形状および大きさは特に限定されない。
上記密閉式容器の材料も特に限定されず、特に、上記密閉式容器の内装としては、例えば、樹脂(例えば、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂など)を用いることができ、粉砕媒体の種類によっては密閉式容器の内装に金属(例えば、鋼、アルミ、銅、チタンなど)を用いることもできる。本発明では、上記密閉式容器の内装が、樹脂によって形成されていることが好ましい。また内装のみならず、容器全体が、前記材料で形成されていてもよい。
上記密閉式容器は、不透明や半透明であってもよいが、炭素材の粉砕状態を観察できるように、透明であることが好ましい。
上記密閉式容器に装入する上記炭素材の種類は特に限定されず、例えば、粉末状炭素材、即ち、オガ屑、木材チップ、木炭、ピートなどを原料とする粉末状炭化物、粉末状活性炭;粒状炭素材、即ち、木炭、ヤシ殻炭、石炭、オイルカーボン、フェノールなどを原料とする粒状炭化物、粒状活性炭;繊維状炭素材、即ち、炭素質物質(例えば、石油ピッチ、石炭ピッチ、コールタールピッチ、およびこれらの複合物など)、合成樹脂(例えば、フェノール樹脂、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリイミド、フラン樹脂など)、セルロース系繊維(例えば、紙、綿繊維など)などを原料とする繊維状炭化物、繊維状活性炭(活性炭素繊維と呼ばれることもある);が挙げられる。本発明では、活性炭を用いることが好ましく、より好ましくは繊維状活性炭である。
上記密閉式容器に装入する上記粉砕媒体とは、密閉式容器に装入した炭素材に衝撃を付与し、炭素材を粉砕できる媒体であり、粉砕媒体を密閉式容器内で上下方向に振動させることによって炭素材を粉砕できる。
上記粉砕媒体の大きさは、密閉式容器に入れば特に限定されないが、密閉式容器内に装入する粉砕媒体の数が1個となる大きさではなく、複数個となる大きさであることが好ましい。また、上記密閉式容器に装入する上記粉砕媒体の大きさは、全て同じであることが好ましいが、大小異なっていてもよい。
上記粉砕媒体の形状は特に限定されず、例えば、球体、ラグビーボール状、直方体、立方体、多面体、円柱、三角柱、四角柱、多角柱、円錐、三角錐、四角錐、多角錐等が挙げられる。本発明では、球体を用いることが好ましい。
上記粉砕媒体の表面の材料も特に限定されず、例えば、メノウ、樹脂(例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂など)、ジルコニア、アルミナ、タングステンカーバイド、窒化ケイ素、および金属(例えば、鉄、鋼、アルミ、銅、チタンなど)等を用いることができる。上記粉砕媒体の表面の材料としては、炭素材試料に不純物を混入させないものが好ましい。本発明では、メノウを用いることが好ましい。また表面のみならず、粉砕媒体全体が、前記材料で形成されていてもよい。
上記密閉式容器に装入する炭素材と粉砕媒体の量は特に限定されず、炭素材を効率良く、精度良く粉砕できるように適宜調整すればよい。
上記密閉式容器に装入した炭素材を粉砕する雰囲気は特に限定されないが、密閉式容器内雰囲気を、例えば、不活性ガス雰囲気としてもよい。不活性ガスとしては、例えば、窒素、アルゴンなどを用いることができる。
上記密閉式容器に装入した炭素材は、適度な粒度範囲に粉砕することが好ましく、炭素材の物性の分析ばらつきを抑制する観点では、具体的には、上記炭素材は、例えば、全体の97質量%以上、好ましくは98質量%以上、より好ましくは全体の99質量%以上が、目開き250μmの篩を通過するまで粉砕されているのが望ましい。また上記炭素材は、例えば、全体の60質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上が、目開き75μmの篩を通過するまで粉砕されているのが望ましい。目開き75μmの篩を通過する炭素材量は、例えば90質量%以下、好ましくは85質量%以下であってもよい。
上記炭素材を分析目的で粉砕するときの条件は、上記炭素材を上記粒度範囲に粉砕可能な範囲で適宜設定できる。具体的には、次の通りである。
加振体の回転数は、例えば、500rpm以上、好ましくは600rpm以上、より好ましくは650rpm以上、更に好ましくは750rpm以上、特に好ましくは800rpm以上、最も好ましくは850rpm以上である。加振体の回転数の上限は、加振体の能力によるが、例えば、2000rpm以下、好ましくは1500rpm以下、より好ましくは1100rpm以下、更に好ましくは1000rpm以下である。加振体の振幅は、例えば、20mm以上、好ましくは30mm以上、より好ましくは35mm以上、更に好ましくは40mm以上、特に好ましくは45mm以上である。加振体の振幅の上限は装置の構成によって決定されるが、例えば、100mm以下、好ましくは80mm以下、より好ましくは60mm以下である。
粉砕時間は、上記炭素材を適度な粒度範囲に粉砕できれば特に限定されず、一律に規定できないが、例えば、1分以上、好ましくは2分以上、より好ましくは3分以上、更に好ましくは3.5分以上、特に好ましくは4分以上である。粉砕時間の上限は特に限定されないが、粉砕時間が長くなると効率が悪くなるため、例えば、20分以下、好ましくは18分以下、より好ましくは15分以下、特に好ましくは10分以下である。
密閉式容器の容量も特に限定されないが、例えば、100mL以上、好ましくは200mL以上、より好ましくは300mL以上、更に好ましくは350mL以上、特に好ましくは400mL以上であり、上限は、例えば、1000mL以下、好ましくは800mL以下、より好ましくは700mL以下、更に好ましくは650mL以下、特に好ましくは600mL以下である。
粉砕媒体の直径は、例えば、1mm以上、好ましくは3mm以上、より好ましくは5mm以上、更に好ましくは6mm以上、特に好ましくは7mm以上であり、上限は、例えば、30mm以下、好ましくは20mm以下、より好ましくは15mm以下、更に好ましくは14mm以下、特に好ましくは13mm以下である。
密閉式容器に装入する粉砕媒体の個数は、密閉式容器の形状、容量、粉砕媒体の大きさ、形状などを考慮して決定すればよいが、例えば、10個以上、好ましくは20個以上、より好ましくは30個以上、更に好ましくは40個以上、特に好ましくは45個以上であり、上限は、例えば、100個以下、好ましくは80個以下、より好ましくは70個以下、更に好ましくは65個以下、特に好ましくは60個以下である。
密閉式容器に装入する炭素材量は、例えば、1g以上、好ましくは3g以上、より好ましくは5g以上であり、上限は、例えば、100g以下、好ましくは70g以下、より好ましくは50g以下、更に好ましくは20g以下である。
上記炭素材を粉砕して得られた粉砕炭素材は、炭素材製品としてもよく、炭素材の物性を分析する際の試料として用いてもよい。上記炭素材の物性(分析項目)とは、炭素材が活性炭である場合は、例えば、水分、強熱残分、pH、比表面積、金属不純物量、表面官能基量などである。強熱残分とは、試料を電気炉中で強熱灰化したときの残分を意味する。表面官能基とは、活性炭の表面に存在するカルボキシル基、フェノール性水酸基、アミド基などの官能基を意味する。上記炭素材が炭化物である場合、分析項目(炭素材の物性)には、例えば、水分、強熱残分などが含まれる。
なお、炭化物から活性炭を製造する一連の製造工程、例えば、原料炭化物受け入れ、賦活、洗浄・乾燥、熱処理、梱包・出荷などの工程のどこかで、上記分析を行って規定外であることが分かった場合、規定内となるまで処理を継続してもよく、規定外品を廃棄してもよく、規定外品を工程中の適切な箇所に戻して規定内品に作り替えてもよい。例えば、製品活性炭の表面官能基量が規定より多い場合は、不活性雰囲気(例えば、N2など)で熱処理すればよく、製品活性炭の表面官能基量が規定より少なすぎる場合は、表面官能基を再付与するか、或いは廃棄すればよい。表面官能基を再付与する方法としては、例えば、酸化性雰囲気で熱処理する方法や、酸で再洗浄する方法が挙げられる。
上記炭素材の粉砕は、例えば、図1に示す粉砕装置を用いて実施可能である。なお、本発明の粉砕装置は、図1に限定されるものではなく、本発明の効果を損なわない範囲で適宜設計変更しても構わない。
図1に示す粉砕装置は、粉砕用炭素材を収容するための密閉式容器1と、この密閉式容器1に接続するピストン21を有しており、図示例ではこのピストン21が加振体に該当する。ピストン21が上下動することで、密閉式容器1を上下方向に振動させることができる。特に本発明例では、この加振体(ピストン)21が、機械力(好ましくは電気的または化学的エネルギーを源にする動力、或いは水力などの自然エネルギーを源にする動力;特に好ましくは電力)によって動作可能になっている。具体的には、前記ピストン21は、回転体22と図示しないクランク機構を介して接続しており、回転体22の回転運動がピストン21の上下動に変換可能になっていると共に、前記回転体22とモーター23との間にベルト24が掛け渡されている。そのため、モーター23を動作させると、ベルト24、回転体22、及びピストン21に機械力が伝わり、密閉式容器1を上下方向に振動させることができる。密閉式容器1を上下方向に振動させる装置としては、例えば、エアコンプレッサなどを用いることができる。
上記モーター23は、必要に応じて制御装置に接続されていてもよく、加振体の回転数、密閉式容器1の振幅、密閉式容器1を振動させる時間(以下、粉砕時間ということがある。)などが調整可能であってもよい。
上記密閉式容器1の外側には、図1に示すように、該密閉式容器1の全体を覆う外筒5を設けてもよい。外筒5は、側壁51および蓋52で構成されており、外筒5を設けることにより、密閉式容器1が上下方向に振動したときに発生する騒音を低減できる。また、密閉式容器1内で炭素材を粉砕したときに発生した粉塵が、万が一、密閉式容器1から漏れ出たとしても、外筒5を設けることにより、粉塵が外筒5よりも外部へ飛散することを防止できる。
上記外筒5の素材は、上記密閉式容器1と同じであってもよいし、異なっていても良く、具体的な素材は、密閉式容器1の素材として例示したものを用いることができる。外筒5の素材は、樹脂製であることが好ましく、外筒5は、透明であることが好ましい。
上記粉砕装置は、例えば、台車に取り付けてもよい。台車に取り付けることで、粉砕装置を任意の場所へ移動できる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例によって制限を受けるものではなく、前記および後記の趣旨に適合し得る範囲で変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
[実験例1]
市販されている粉砕装置を用い、炭素材を粉砕した。粉砕は、吉田製作所製の回転機にてマイクロストレングス法による粉砕、またはNITTO KAGAKU社製のポットミル回転台(トロンメル)(「ANZ−10S」(装置名))を用いて行った。
マイクロストレングス法による粉砕は、炭素材として活性炭素繊維を5gと、粉砕媒体としてφ10mmの剛球を50個およびφ3mmの剛球を380個とを内径φ24mm、高さ330mmの円筒ステンレス容器に入れ、粉砕時間を約10分間として行った。
トロンメルを用いたときの粉砕は、炭素材として活性炭繊維を10gと、粉砕媒体としてφ10mmのメノウボール100個とを入れたポリプロピレン製のJPボトル(「JP−500」、胴寸φ77.0mm×全高161.0mm)を回転台に置き、回転数を最大とし、粉砕時間は約25分間として行った。
マイクロストレングス法によって炭素材を粉砕またはトロンメルを用いて炭素材を粉砕した結果、粉砕前後において粒度分布はほとんど変らず、ほとんど粉砕できないことが分かった。
[実験例2]
炭素材および粉砕媒体を装入したポリプロピレン製のJPボトル(「JP−500」、胴寸φ77.0mm×全高161.0mm)の密閉式容器を手で持って上下方向に振動させ、得られた粉砕炭素材の粒度分布と表面官能基量を測定した。炭素材としては、繊維状活性炭を10g用いた。粉砕媒体としては、φ10mmのメノウ製ボールを50個用いた。密閉式容器の内容量は500mLである。
炭素材および粉砕媒体を装入した密閉式容器を手で持って上下方向に振動させ、粉砕状態を目視で確認しながら、粉砕後の繊維状活性炭のほぼ全量が、目開き250μmの篩を通過するまで粉砕を行った。上記密閉式容器の振幅は約100mm程度、粉砕時間は約6分間であった。試験数は3つとした(No.1−1〜1−3)。
得られた粉砕活性炭は、ほぼ全量が目開き250μmの篩を通過しており、この粉砕活性炭を、目開き150μmの篩と目開き75μmの篩を用いて篩い分けを行った。粒度分布を下記表1および図2に示す。下記表1および図2において、「250<」は目開き250μmの篩上に残った粉末の質量、「150−250」は目開き250μmの篩を通過し、目開き150μmの篩上に残った粉末の質量、「75−150」は目開き150μmの篩を通過し、目開き75μmの篩上に残った粉末の質量、「<75」は目開き75μmの篩を通過した粉末の質量をそれぞれ示している。
次に、得られた粉砕活性炭の表面官能基量を下記手順で測定した。
(表面官能基量の測定方法)
表面官能基の量は、Boehm法(文献「H.P.Boehm, Adzan. Catal, 16,179(1966)」参照)に従って測定した。具体的には、粉砕活性炭2gに、ナトリウムエトキシド水溶液(0.1mol/L)を50mL加え、2時間、500rpmで撹拌した後、24時間放置した。24時間経過後、30分間撹拌してから濾過分離した。得られた濾液25mLに対して0.1mol/Lの塩酸を滴下し、pH4.0になるときの塩酸滴定量を測定した。ブランクテストとして、前記ナトリウムエトキシド水溶液(0.1mol/L)25mLに対して0.1mol/Lの塩酸を滴下し、pH4.0になるときの塩酸滴定量を測定した。そして、下記式(A)により表面官能基量を算出した。
表面官能基量(meq/g)=[(a−b)×0.1]/[S×(25/50)] ・・・(A)
上記式(A)において、aはブランクテストにおける塩酸滴定量(mL)、bは粉砕活性炭を反応させたときの塩酸滴定量(mL)、Sは粉砕活性炭の質量(g)をそれぞれ示す。算出結果を下記表1および図3に示す。
得られた粉砕活性炭の粒度分布を下記表1および図2、表面官能基量を下記表1および図3に示す。
表1および図2から明らかなように、密閉式容器を手で持って上下方向に振動させて粉砕活性炭を粉砕した場合は、目開きが150μmの篩を通過しない大きな粉末が多くなることが分かる。
表1、図2、図3から明らかなように、密閉式容器を手で持って上下方向に振動させて得られた粉砕活性炭では、粒度分布がばらつき、その結果、表面官能基量の分析結果もばらついた。
また、上記密閉式容器を手で持って振動させて繊維状活性炭を粉砕した場合は、粉砕時に発生した粉塵が密閉式容器から漏れて、作業者が吸引したり、作業者に付着し、作業環境が悪かった。
[実験例3]
炭素材および粉砕媒体を装入したポリプロピレン製のJPボトル(「JP−500」、胴寸φ77.0mm×全高161.0mm)の密閉式容器を、手で持って上下方向に振動させる代わりに、図1に示した粉砕装置を用いて上下方向に振動させる以外は、上記実験例2と同じ条件で粉砕炭素材を粉砕した。
上記密閉式容器の振幅は、約45mm程度とし、加振体の回転数は900rpm、粉砕時間は約7分間とした。試験数は3つとした(No.2−1〜2−3)。
測定した粉砕活性炭の粒度分布の結果を下記表1および図4に示す。
また、算出した粉砕活性炭の表面官能基量の結果を下記表1および図5に示す。
表1、図4、図5から明らかなように、加振体を用いて密閉式容器を上下方向に振動させて得られた粉砕活性炭は、粒度分布を揃えることができ、その結果、表面官能基量の分析結果のばらつきが少なくなった。しかも加振体を用いて密閉式容器を振動させて繊維状活性炭を粉砕すると、粉砕時に発生した粉塵が密閉式容器から漏れても、作業者と離れているため、作業者が吸引したり、作業者に付着することはなく、作業環境は良好であった。特に、図1に示した粉砕装置では、密閉式容器の外側に、該密閉式容器全体を覆う外筒を更に設けているため、粉塵の吸引や付着が抑えられている。
Figure 2018075506
1 密閉式容器
21 ピストン
22 回転体
23 モーター
24 ベルト
5 外筒
51 側壁
52 蓋

Claims (6)

  1. 炭素材および粉砕媒体を装入する密閉式容器と、
    前記密閉式容器を上下方向に振動させる加振体と
    を有することを特徴とする炭素材の粉砕装置。
  2. 前記粉砕媒体として、球体を用いる請求項1に記載の粉砕装置。
  3. 前記密閉式容器の内装が樹脂によって形成されており、前記粉砕媒体の表面がメノウ製である請求項1または2に記載の粉砕装置。
  4. 前記密閉式容器の外側に、該密閉式容器全体を覆う外筒を更に有する請求項1〜3のいずれかに記載の粉砕装置。
  5. 炭素材および粉砕媒体を装入した密閉式容器を、加振体を用いて上下方向に振動させることを特徴とする粉砕炭素材の製造方法。
  6. 前記炭素材として、繊維状炭素材を用いる請求項5に記載の製造方法。
JP2016217057A 2016-11-07 2016-11-07 炭素材の粉砕装置、および粉砕炭素材の製造方法 Pending JP2018075506A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016217057A JP2018075506A (ja) 2016-11-07 2016-11-07 炭素材の粉砕装置、および粉砕炭素材の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016217057A JP2018075506A (ja) 2016-11-07 2016-11-07 炭素材の粉砕装置、および粉砕炭素材の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018075506A true JP2018075506A (ja) 2018-05-17

Family

ID=62148807

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016217057A Pending JP2018075506A (ja) 2016-11-07 2016-11-07 炭素材の粉砕装置、および粉砕炭素材の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2018075506A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020004674A1 (ja) 2018-06-29 2020-01-02 東洋炭素株式会社 多孔質炭素の製造方法及びこの製造方法により製造された多孔質炭素を含む電極及び触媒担体

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02119953A (ja) * 1988-10-28 1990-05-08 Chuo Kakoki Kk 振動ミル
JP2001114505A (ja) * 1999-10-15 2001-04-24 Osaka Gas Co Ltd 炭素材料、炭素材料の粒径制御方法、リチウム二次電池負極用炭素材料およびリチウム二次電池
JP2004143652A (ja) * 2002-08-29 2004-05-20 Showa Denko Kk 微細黒鉛化炭素繊維及びその製造方法並びにその用途
JP2009129742A (ja) * 2007-11-26 2009-06-11 Kyushu Univ ナトリウムイオン二次電池およびナトリウムイオン二次電池用負極活物質
JP2013217011A (ja) * 2003-05-09 2013-10-24 Showa Denko Kk 直線性微細炭素繊維

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02119953A (ja) * 1988-10-28 1990-05-08 Chuo Kakoki Kk 振動ミル
JP2001114505A (ja) * 1999-10-15 2001-04-24 Osaka Gas Co Ltd 炭素材料、炭素材料の粒径制御方法、リチウム二次電池負極用炭素材料およびリチウム二次電池
JP2004143652A (ja) * 2002-08-29 2004-05-20 Showa Denko Kk 微細黒鉛化炭素繊維及びその製造方法並びにその用途
JP2013217011A (ja) * 2003-05-09 2013-10-24 Showa Denko Kk 直線性微細炭素繊維
JP2009129742A (ja) * 2007-11-26 2009-06-11 Kyushu Univ ナトリウムイオン二次電池およびナトリウムイオン二次電池用負極活物質

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020004674A1 (ja) 2018-06-29 2020-01-02 東洋炭素株式会社 多孔質炭素の製造方法及びこの製造方法により製造された多孔質炭素を含む電極及び触媒担体
KR20210024148A (ko) 2018-06-29 2021-03-04 토요 탄소 가부시키가이샤 다공질 탄소의 제조 방법 및 이 제조 방법에 의해 제조된 다공질 탄소를 포함하는 전극 및 촉매 담체
US11235978B2 (en) 2018-06-29 2022-02-01 Toyo Tanso Co., Ltd. Method of producing porous carbon, and electrode and catalyst carrier containing porous carbon produced by the method
US11702344B2 (en) 2018-06-29 2023-07-18 Toyo Tanso Co., Ltd. Method of producing porous carbon, and electrode and catalyst carrier containing porous carbon produced by the method
EP4331720A2 (en) 2018-06-29 2024-03-06 Toyo Tanso Co., Ltd. Method for producing porous carbon, and electrode and catalyst support containing porous carbon produced by said production method

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Samaddar et al. Synthesis of nanomaterials from various wastes and their new age applications
CN106010601B (zh) 一种利用香蕉皮制备的生物炭、制备方法及其应用
JP4276281B2 (ja) マイクロメートルサイズ又はナノメートルサイズ石炭材料の制御されたバッチを提供するための方法と処理
CN106082203B (zh) 表面改性碳杂化体颗粒、其制备方法和应用
Sayyah et al. Mechanical activation of CaO‐based adsorbents for CO2 capture
CN106955776A (zh) 一种电池材料石墨研磨装置
Zeng et al. Removal of uranium (VI) from aqueous solution by magnetic yolk–shell iron oxide@ magnesium silicate microspheres
US20170217841A1 (en) Porous material including carbon nanohorns and use thereof
Pongener et al. Synthesis and characterization of activated carbon from the biowaste of the plant Manihot esculenta
CN108686621A (zh) 中空球壳结构混合金属氧化物吸附剂的制备方法及应用
JP5430987B2 (ja) 高機能造粒炭
JP2018075506A (ja) 炭素材の粉砕装置、および粉砕炭素材の製造方法
Zhang et al. Polypyrrole modified Fe 0-loaded graphene oxide for the enrichment of uranium (vi) from simulated seawater
CN204769047U (zh) 一种固体试剂研磨装置
Paajanen et al. Novel electroblowing synthesis of submicron zirconium dioxide fibers: effect of fiber structure on antimony (v) adsorption
Li et al. RETRACTED: Adsorption of U (VI) on magnetic iron oxide/Paecilomyces catenlannulatus composites
CN107855106A (zh) 活性炭负载介孔硅酸钙复合材料及其制备方法
JP6601716B2 (ja) 炭素質複合体及びその製造方法
Wang et al. Synthesis of manganese oxide hollow urchins with a reactive template of carbon spheres
Paajanen et al. Novel electroblowing synthesis of tin dioxide and composite tin dioxide/silicon dioxide submicron fibers for cobalt (II) uptake
Hammud et al. Lead uptake by new silica-carbon nanoparticles
Bubeníková et al. Sorption of Sr (II) onto nanocomposites of graphene oxide-polymeric matrix
CN107755008A (zh) 磁吸锤式选煤粉碎机
JP6598239B2 (ja) フッ素吸着材及びその製造方法
CN202447149U (zh) 一种高通量微量研磨机

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20190123

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190405

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200128

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200204

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20200728