JP2018074607A - 画像処理装置およびカメラ - Google Patents

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Abstract

【課題】高精度にポジフィルムの見えを再現できる画像処理装置およびカメラを提供する。
【解決手段】撮像により生成された画像が入力される入力部と、入力部に入力された画像の色調をポジフィルムの色調に近づけるように変換する処理部と、を備える。
【選択図】図5

Description

本発明は、画像処理装置およびカメラに関する。
現在、フィルムを使用して撮像を行う従来のフィルムカメラにかわり、撮像素子を使用して画像記録を行なうデジタルカメラが普及している。デジタルカメラでは、多くの場合、RGB3色のカラーフィルターを透過した光を、撮像素子を用いて光電変換してRGB3色の画像信号を得ている。デジタルカメラは、この得られた画像信号に対して、ベイヤー補間、ホワイトバランス変換、マトリックス変換、γ変換などの変換を施すことにより、ディスプレイで観賞する場合に最適化した画像データに変換する。変換された画像データは、例えばJPEG形式などのファイル形式で記録される。
従来のフィルムを使用する撮影の場合は、カメラにフィルムを装填して撮影を行い、フィルム現像の後に、プリントやプロジェクタでの映写により画像再現が行われる。近年デジタルカメラが普及しているものの、従来のフィルムによる画像再現の見えが望まれる場合もある。これに応えるため、デジタルカメラやアプリケーションソフトにおいて、フィルム調の再現を意図したモードを備える場合がある。このような再現を行うため、例えば、デジタルカメラで撮影された画像に対して変換を施すことにより、フィルム調の画像を得ることができる画像処理装置が提案されている(特許文献1参照)。
この画像処理装置は、デジタルカメラで撮影され、ベイヤー補間処理がされた画像に対し、ホワイトバランス処理、色変換マトリクス、階調変換の処理を順に施し、フィルム調の画像を得る。この画像処理装置では、ホワイトバランス処理、色変換マトリクス、階調変換の処理の各処理のパラメータをフィルム調の再現になるように最適化し、処理を施すようになっている。
日本国特開2001−346218号公報
上記従来技術よりも、さらに高精度にポジフィルムの見えを再現することが望まれている。
本発明の第1の態様によると、画像処理装置は、撮像により生成された画像が入力される入力部と、前記入力部に入力された画像の色調をポジフィルムの色調に近づけるように変換する処理部と、を備える。
本発明の第2の態様によると、カメラは、被写体を撮像し、画像データを生成する撮像素子と、第1の態様による画像処理装置を備える。
本発明によれば、デジタルカメラによる撮像画像から、透過原稿の見えを精度よく再現することができる。
画像処理システムの構成例を説明する図である。 パーソナルコンピュータの構成例を説明するブロック図である。 デジタルカメラの構成例を説明するブロック図である。 (A)はシアン層の分光濃度特性を説明する図であり、(B)はマゼンタ層の分光濃度特性を説明する図であり、(C)はイエロー層の分光濃度特性を説明する図である。 画像処理を説明するフローチャートである。 第2の実施形態において、PC制御装置が実行する処理を説明するフローチャートである。 第2の実施形態において、PC制御装置が実行する処理を説明するフローチャートである。 第3の実施形態において、カメラ制御装置が実行する処理を説明するフローチャートである。 第3の実施形態において、PC制御装置が実行する処理を説明するフローチャートである。 第4の実施形態において、カメラ制御装置が実行する処理を説明するフローチャートである。 第4の実施形態において、PC制御装置が実行する処理を説明するフローチャートである。 第5の実施形態において、PC制御装置が実行する処理を説明するフローチャートである。 変形例4のPCの構成例を説明する図である。 変形例8において、PC制御装置が実行する処理を説明するフローチャートである。 変形例9において、PC制御装置が実行する処理を説明するフローチャートである。 変形例10において、PC制御装置が実行する処理を説明するフローチャートである。
(第1の実施の形態)
図面を参照して、本発明の第1の実施の形態について説明する。図1は、第1の実施の形態に係る画像処理システムの構成を例示する図である。パーソナルコンピュータ(PC)1は、接続インターフェースを介して、デジタルカメラ2やディスプレイ3などの外部装置と接続される。
本実施形態においてPC1は、デジタルカメラ2から取得した撮影画像データを、ポジフィルム(写真フィルム)によって再現される画像に近い見えの画像(すなわちポジフィルム調の画像)に変換する画像処理を行って、ディスプレイ3に出力するようになっている。この画像処理について詳しくは後述する。
−PCの構成−
図2は、PC1の構成例を説明するブロック図である。PC1は、PC制御装置10と、接続インターフェース11と、ハードディスクなどの記憶媒体12と、を備える。PC1は、接続インターフェース11を介して、デジタルカメラ2やディスプレイ3などの外部装置と接続される。接続インターフェース11は、たとえば、有線接続を行うUSBインターフェースや、無線接続を行う無線LANモジュールを含む。PC制御装置10は、CPU、メモリ、およびその他の周辺回路により構成され、メモリが記憶するプログラムを実行することによってPC1の動作を制御する。
PC制御装置10は、接続インターフェース11を介してデジタルカメラ2に装着されたメモリカード26(図3)から、デジタルカメラ2による撮影画像を取り込む。なお、PC制御装置10は、デジタルカメラ2による撮影画像が記録されたメモリカードがPC1に装着されている場合には、不図示のカードインターフェースを介してデジタルカメラ2による撮影画像を取り込んでもよい。
−デジタルカメラの構成−
図3は、デジタルカメラ2の構成例を説明するブロック図である。デジタルカメラ2は、撮像光学系20と、撮像素子21と、カメラ制御装置22と、接続インターフェース23と、カードインターフェース24と、記憶媒体25とを備える。カードインターフェース24には、着脱可能な記録媒体であるメモリカード26が装着される。
デジタルカメラ2は、接続インターフェース23を介して、PC1(図1)などの外部装置と接続される。接続インターフェース23は、たとえば、有線接続を行うUSBインターフェースや、無線接続を行う無線LANモジュールを含む。
カメラ制御装置22は、CPU、メモリ、およびその他の周辺回路により構成され、メモリが記憶するプログラムを実行することによってデジタルカメラ2の動作を制御する。
撮像光学系20は、ズームレンズやフォーカシングレンズを含む複数のレンズ群で構成され、被写体像を撮像素子21の受光面に結像させる。なお、図3を簡単にするため、撮像光学系20を単レンズとして図示している。
撮像素子21は、例えばCMOSイメージセンサなどによって構成される。撮像素子21は、被写体像を光電変換して画像信号を生成する。撮像素子21の受光面には、周知のモザイクカラーフィルターが設けられている。モザイクカラーフィルターは、赤(R)色、青(B)色、および緑(G)色のいずれかの光を通過させる原色フィルタが画素位置に対応してモザイク状の配列(たとえば、ベイヤー配列)で構成された色分解フィルタである。撮像素子21は、このようなカラーフィルターを通して被写体像を撮像することにより、光の3原色ごとのカラー画像信号を出力する。
撮像素子21で生成された画像信号は、不図示のA/D変換部でデジタル信号に変換され、RAWデータとしてカメラ制御装置22に出力される。カメラ制御装置22は、このRAWデータにベイヤー補間処理のみを施し、カードインターフェース24を介してメモリカード26に記録する。
−ポジフィルム調の画像に変換する画像処理−
次に、上述したポジフィルム調の画像に変換する画像処理について説明する。まず、ポジフィルムの画像再現について考察する。ポジフィルムは、シアン色素の層と、マゼンタ色素の層と、イエロー色素の層と、ベース層とを有している。したがって、ポジフィルムの現像後の色は、大きく、シアン、マゼンタ、イエローの各色素の分光濃度特性に、ベースの分光濃度特性を加えた特性によって決定されると考えることができる。そのため、シアン層の分光濃度特性をDc(λ)、マゼンタ層の分光濃度特性をDm(λ)、イエロー層の分光濃度特性をDy(λ)、ベースの分光濃度特性をDb(λ)と表すと、ポジフィルムの総合的な分光濃度特性D(λ)は、次式(1)で表すことができる。
D(λ)=Dc(λ)+Dm(λ)+Dy(λ)+Db(λ) …(1)
ベースの分光濃度特性Db(λ)は、どのような被写体を撮影しても常に一定の特性となる。一方、シアン層、マゼンタ層、イエロー層の分光濃度特性Dc(λ)、Dm(λ)、Dy(λ)は、被写体によって変化する部分であり、この部分で画像の色を主に構成している。例えば、撮影した被写体の色が、青の要素が強ければ、シアン層の分光濃度特性Dc(λ)が概ね大きい値になり、赤の要素が強ければ、マゼンタ層、イエロー層の分光濃度特性Dm(λ)、Dy(λ)が概ね大きい値になる。
したがって、一般にポジフィルムの現像後の色を考えるためには、シアン層、マゼンタ層、イエロー層の分光濃度特性Dc(λ)、Dm(λ)、Dy(λ)がそれぞれ、被写体の色の強さによってどのように変化するかを知ることが重要となる。
これを知るためには、一つの色素のみ濃度が変化するようにポジフィルムを露光し、現像してチャートを作成し、これを分光測定すればよい。これにより、各色素の分光濃度特性を知ることができる。一例として、図4に、各色10段階の濃度でチャートを作成し、これを分光測定した結果を示す。図4(A)はシアンのチャートの分光測定結果を示し、図4(B)はマゼンタのチャートの分光測定結果を示し、図4(C)はイエローのチャートの分光測定結果を示す。なお、図4に示す結果は、概念を示すものであり、実測値ではない。また図4では、シアン層における各濃度の分光濃度特性をDc[1](λ)〜Dc[10](λ)とし、マゼンタ層における各濃度の分光濃度特性をDm[1](λ)〜Dm[10](λ)とし、イエロー層における各濃度の分光濃度特性をDy[1](λ)〜Dy[10](λ)としている。なお、[1]〜[10]は、図4で示す分光濃度特性の各曲線の番号(インデックス)を示し、値が大きいほど高い濃度に対応している。
ここで、シアン層の濃度を示す濃度パラメータCにおけるシアン層の分光濃度特性Dc(C,λ)を求める場合について考える。なお、濃度パラメータCは、ピーク濃度である波長λc(たとえば660nm)でのシアン層の濃度値を示す。例えば、図4で示したDc[9](λ)における波長λcでの濃度値が1.8である(すなわち、Dc[9](λc)=1.8)とすると、濃度パラメータC=1.8における分光濃度特性Dc(1.8,λ)は、Dc[9](λ)そのものとなる。また例えば、図4で示したDc[10](λ)における波長λcでの濃度値が2.0である(Dc[10](λc)=2.0)とすると、濃度パラメータC=2.0における分光濃度特性Dc(2.0,λ)は、Dc[10](λ)そのものとなる。
また、濃度パラメータCが1.8<C<2.0(すなわち、Dc[9](λc)<C<Dc[10](λc))である場合には、Dc[9](λ)およびDc[10](λ)を用いて、濃度パラメータCにおける分光濃度特性Dc(C,λ)を近似的に求めることができる。例えば、濃度パラメータC=1.9における分光濃度特性Dc(1.9,λ)は、次式により近似的に求めることができる。
Dc(1.9,λ)=?Dc[9](λ)?+?[(1.9−1.8)/(2.0−1.8)]・[Dc[10](λ)−Dc[9](λ)]
このように、任意の濃度パラメータCにおけるシアン層の分光濃度特性Dc(C,λ)は、予め測定した分光濃度特性Dc[1](λ)〜Dc[10](λ)の中から、Dc[i](λc)<C<Dc[i+1](λc)となるようなDc[i](λ)およびDc[i+1](λ)を見つけ、このDc[i](λ)およびDc[i+1](λ)を用いて、次式(2)によって近似的に求めることができる。なお、次式(2)において、Dc[i](λc)=C1とし、Dc[i+1](λc)=C2とする。
Dc(C,λ)=Dc[i](λ)+[(C-C1)/(C2-C1)]・[Dc[i+1](λ)−Dc[i](λ)] …(2)
同様にして、マゼンタ層の濃度を示す濃度パラメータMにおけるマゼンタ層の分光濃度特性Dm(M,λ)も、予め測定したDm[1](λ)〜Dm[10](λ)を用いて近似的に求めることができる。なお、濃度パラメータMは、ピーク濃度である波長λm(たとえば540nm)でのマゼンタ層の濃度値を示す。また、同様にして、イエロー層の濃度を示す濃度パラメータYにおけるイエロー層の分光濃度特性Dy(Y,λ)も、予め測定したDy[1](λ)〜Dy[10](λ)を用いて近似的に求めることができる。なお、濃度パラメータYは、ピーク濃度である波長λy(たとえば440nm)でのイエロー層の濃度値を示す。
このように、各色(シアン、マゼンタ、イエロー)の濃度を示す濃度パラメータC、M、Yから、各濃度パラメータに対応する各色素の分光濃度特性Dc(λ)、Dm(λ)、Dy(λ)を求めることができ、上述した式(1)を用いてポジフィルムの総合的な分光濃度特性D(λ)を求めることができる。
そして、観察光源を決定すれば、観察光源の分光特性I(λ)とポジフィルムの総合的な分光濃度特性D(λ)とに基づいて、見えを示す三刺激値X、Y、Zを次式(3)〜(5)により算出することができる。なお、次式(3)〜(5)において、x(λ)、y(λ)、z(λ)は等色関数を示す。
X=∫{I(λ)・10(-D(λ))・x(λ)}dλ …(3)
Y=∫{I(λ)・10(-D(λ))・y(λ)}dλ …(4)
Z=∫{I(λ)・10(-D(λ))・z(λ)}dλ …(5)
したがってデジタルカメラ2で撮影された画像をポジフィルム調に変換するためには、デジタルカメラ2で撮影された画像データを、各色(シアン、マゼンタ、イエロー)の濃度を示す濃度パラメータC、M、Yに変換できればよい。各色の濃度パラメータC、M、Yが求まると、各色の分光濃度特性Dc(λ)、Dm(λ)、Dy(λ)が求まり、ポジフィルムの総合的な分光濃度特性D(λ)が求まるので、三刺激値X、Y、Zが求まる。ゆえにこの三刺激値X、Y、Zを出力デバイス(例えばディスプレイ3)に応じた色空間に変換すれば、デジタルカメラ2の撮影画像がポジフィルム調に変換された画像を、出力デバイスに出力することができる。このようにすれば、ポジフィルムの物理的特性を考慮した上で、デジタルカメラ2で撮影された画像データから、ポジフィルム調の画像を再現することができる。
そこで、本実施形態では、デジタルカメラ2による撮影画像データ(RAWデータ)を、各色(シアン、マゼンタ、イエロー)の濃度パラメータC、M、Yに変換するための変換マトリックスを予め作成しておく。なお、本実施形態で用いるRAWデータは、ベイヤー補間処理のみが施された画像データであるとし、ホワイトバランス変換、色マトリックス変換、階調変換などの画像処理が施されていない画像データであるとする。
また、RAWデータとは、光量に対して線形性を有する(リニアである)画像データである。一方、濃度とは、光の反射率(または透過率)の逆数に対して、10を底とする対数変換を行った値である。これをふまえ本実施形態では、次式(6)〜(8)により、RAWデータのRGB値に対して10を底とする対数変換を行うことで、RGB値を濃度と同様の対数空間に変換する。なお、次式(6)〜(8)において、この変換後の値を、R10、G10、B10とする。
R10=Log10R …(6)
G10=Log10G …(7)
B10=Log10B …(8)
そして、この変換後の値R10、G10、B10を、各色(シアン、マゼンタ、イエロー)を濃度パラメータC、M、Yに変換するための濃度変換マトリックスを作成する。具体的に、R10、G10、B10から、C、M、Yへの変換は、次式(9)により行われる。次式(9)において、係数m1〜m9は、変換マトリックスのパラメータであり、係数n1〜n3はオフセット量である。なお、オフセット量は、値の正規化に応じた量である。
Figure 2018074607
この係数m1〜m9およびn1〜n3の最適化は、複数の色パッチからなる色票に対して、ポジフィルムを使用した撮影とデジタルカメラ2を使用した撮影との両方を行い、現像後のポジフィルムの分光測色データとデジタルカメラ2による撮影画像データとの両データに基づいて行うことができる。
まず、ポジフィルムを使用した撮影について考えてみる。上述したように、ポジフィルムの総合的な分光濃度特性D(λ)は、式(1)で表すことができ、各色の濃度パラメータC、M、Yによって決定される。ここで、色票を、ポジフィルムを使用して撮影し、現像したときの、ある色パッチの部分を分光濃度計で測色した結果をDp(λ)とする。すると、Dp(λ)とD(λ)が最も近くなるようなC、M、Yを求めることで、当該色パッチにおけるC、M、Yを求めることができる。これは、例えば、Dp(λ)とD(λ)の差分をFとすると、次式(10)によって算出されるFが最も小さくなるようなC、M、Yの値として求めることができる。
F=Σ|D(λ)−Dp(λ)| …(10)
またデジタルカメラ2を使用した撮影については、色票をデジタルカメラ2で撮影したときの、ある色パッチの部分のRAWデータ(RGB)を取得して、式(6)〜(8)により対数変換をすることで、当該色パッチにおけるR10、G10、B10を求めることができる。
このようにして、一つの色パッチに対し、C、M、YとR10、G10、B10との組を得ることができる。そして、複数の色パッチを撮影することにより、複数のC、M、YとR10、G10、B10との組を得ることができる。したがって、この複数のC、M、YとR10、G10、B10との組に基づいて、式(9)の係数m1〜m9およびn1〜n3を求めることができる。具体的には、色パッチをデジタルカメラ2で撮影して対数変換したR10、G10、B10を式(9)によって変換したC、M、Yと、色パッチをポジフィルムで撮影し測色して求めたC、M、Yとの差異が小さくなるような係数m1〜m9およびn1〜n3を、最小二乗法などを用いて最適化する。
本実施形態では、以上のようにして作成した、RAWデータのRGB値を対数変換したR10、G10、B10を、各色の濃度パラメータC、M、Yに変換するための式(9)(濃度変換マトリクス)を、予めPC1の記憶媒体12に記憶しておく。また、複数段階の濃度パラメータにおける、ポジフィルムの各色素(シアン、マゼンタ、イエロー)の分光濃度特性Dc(λ)、Dm(λ)、Dy(λ)およびベースの分光濃度特性Db(λ)(以下、分光濃度特性情報と呼ぶ)も、予めPC1の記憶媒体12に記憶しておく。そしてPC1は、これら記憶媒体12に記憶された情報を用いて、デジタルカメラ2による撮影画像データをポジフィルム調の画像に変換する画像処理を行う。
次にこの画像処理の流れを、図5に示すフローチャートを用いて説明する。なお、この画像処理をPC制御装置10に実行させるためのコンピュータプログラムは、例えば、PC制御装置10内のメモリ(不図示)に記憶されているとする。またこの画像処理は、例えば、デジタルカメラ2により撮影された画像データの1画素ごとに行われる。
ステップS1において、PC制御装置10は、処理対象画素のRAWデータ(RGB値)を入力して、ステップS2へ進む。
ステップS2において、PC制御装置10は、ステップS1で入力されたRAWデータ(RGB値)に対して上述した式(6)〜(8)を用いて対数変換を施し、ステップS3へ進む。
ステップS3において、PC制御装置10は、ステップS2で変換された画像データ(R10、G10、B10)を、上述した式(9)により、処理対象画素における濃度パラメータC、M、Yに変換して、ステップS4へ進む。
ステップS4において、PC制御装置10は、ステップS3で変換された濃度パラメータC、M、Yと、記憶媒体12に記憶された分光濃度特性情報とを用いて、上述した式(2)により、処理対象画素における各色の分光濃度特性Dc(λ)、Dm(λ)、Dy(λ)を算出し、ステップS5へ進む。
ステップS5において、PC制御装置10は、ステップS4での算出結果を用いて、上述した式(1)により、処理対象画素におけるポジフィルムでの総合的な分光濃度特性D(λ)を算出して、ステップS6へ進む。
ステップS6において、PC制御装置10は、ステップS5で算出された分光濃度特性D(λ)を用いて、上述した式(3)〜(5)により、処理対象画素における三刺激値X、Y、Zを算出して、ステップS6へ進む。なお、三刺激値X、Y、Zを算出する際に設定する観察光源は、例えばD50などの昼光とすることができる。また、ポジフィルムをプロジェクタによってスクリーンに投影して鑑賞する場合を想定して、観察光源をプロジェクタの光源としてもよいし、プロジェクタの光源とスクリーンの分光反射率とを加味したものであってもよい。
ステップS7において、PC制御装置10は、ステップS6で算出した三刺激値X、Y、Zを、次式(11)を用いて、ディスプレイ3に依存する(デバイスディペンデントな)色空間(RGB)に変換する。なお、次式(11)において、R1、G1、B1は、それぞれ、ディスプレイ3に依存する色空間の値を示す。係数a1〜a9は、ディスプレイ3の原色の特性から求めることができる。
Figure 2018074607
そしてPC制御装置10は、ディスプレイ3に依存する色空間(RGB)に変換した値(R1、G1、B1)に対して、次式(12)〜(14)を用いて、γ変換を施す。そして図5の処理を終了する。なお、次式(12)〜(14)において、R2、G2、B2は、それぞれ、γ変換後の値を示す。関数fは、ディスプレイ3のγ特性から求めることができる。
R2=f(R1) ・・・(12)
G2=f(G1) ・・・(13)
B2=f(B1) ・・・(14)
PC制御装置10は、図5の処理により得られた画像データをディスプレイ3に出力する。この結果、デジタルカメラ2により撮影された画像が、ポジフィルム調に変換されて、ディスプレイ3に表示される。
以上説明した第1の実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)コンピュータプログラムは、デジタルカメラ2により撮像されたRAWデータを入力するRAWデータ入力ステップと、RAWデータ入力ステップで入力されたRAWデータに対して対数変換を施すことにより、対数変換値(R10、G10、B10)を出力する対数変換ステップと、対数変換ステップで出力された対数変換値を、透過原稿(ポジフィルム)における各色素の濃度を示す濃度パラメータ(C、M、Y)に変換する濃度パラメータ変換ステップと、濃度パラメータ変換ステップで変換された濃度パラメータを、所定の出力画像データ(ディスプレイに依存するRGBデータ)に変換する画像出力ステップと、をコンピュータ(PC制御装置10)に実行させるようにした。このようにデジタルカメラ2で撮影されたRAWデータを対数変換することにより、ポジフィルムの濃度と同様の対数空間でポジフィルム調への変換を行うことができるので、従来よりも高精度にポジフィルムの見えを再現することができる。
(2)上記(1)のコンピュータプログラムにおいて、上記画像出力ステップは、濃度パラメータ変換ステップで変換された濃度パラメータ(C、M、Y)に対応する、透過原稿(ポジフィルム)の分光濃度特性D(λ)を算出する分光濃度特性算出ステップと、分光濃度特性算出ステップで算出された透過原稿の分光濃度特性D(λ)に基づいて、出力画像データ(ディスプレイに依存するRGBデータ)を算出する出力画像算出ステップと、を有するようにした。これにより、ポジフィルムの物理的特性を考慮した上で、デジタルカメラ2の撮影画像データをポジフィルム調へ変換することができるので、従来よりも高精度にポジフィルムの見えを再現することができる。
(3)上記(1)または(2)のコンピュータプログラムにおいて、濃度パラメータ変換ステップでは、対数変換値を所定の変換情報(濃度変換マトリクス)を用いて濃度パラメータ(C、M、Y)に変換し、この変換情報は、色パッチをデジタルカメラ2により撮影した撮影データと当該色パッチを撮影した透過原稿(ポジフィルム)を測色した測色データとに基づいて生成されるようにした。これにより、デジタルカメラ2により撮影されたRAWデータを適切に濃度パラメータ(C、M、Y)に変換することができる。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態では、RAWデータを、上述した第1の実施の形態と同様にポジフィルム調の画像へ変換するためのLUT(Look?Up?Table)を生成する場合について説明する。なお、第2の実施の形態において、第1の実施の形態と同様の箇所については説明を省略する。
PC制御装置10は、RAWデータ(RGB値)を入力すると、上述した第1の実施の形態と同様にポジフィルム調の画像へ変換して、デバイスインディペンデントな色空間のL値として出力する3次元LUT(以下、ポジフィルム変換LUTと呼ぶ)を生成するポジフィルム変換LUT生成処理を実行する。なお、このポジフィルム変換LUT生成処理をPC制御装置10に実行させるためのコンピュータプログラムは、例えば、PC制御装置10内のメモリ(不図示)に記憶されているとする。
ポジフィルム変換LUT生成処理において、まず、PC制御装置10は、ポジフィルム変換LUTの入力値を生成する。入力値は、例えば、撮像素子21から出力されるRGB値各々のデータレンジを、複数段階で等間隔に区切った格子点とする。例えば、RGBそれぞれ32段階に区切ると、(R,G,B)=(R[0],G[0],B[0])、(R[0],G[0],B[1])、・・・(R[0],G[0],B[31])、(R[0],G[1],B[0])、(R[0],G[1],B[1])、・・・(R[0],G[1],B[31])、・・・(R[31],G[31],B[0])、(R[31],G[31],B[1])、・・・(R[31],G[31],B[31])という複数の入力値が生成される。なお、(R[0],G[0],B[0])=(Rmin,Gmin,Bmin)であり、(R[31],G[31],B[31])=(Rmax、Gmax、Bmax)である。
次にPC制御装置10は、これら生成した入力値に対する出力値を求める。例えば、入力値(R[0],G[0],B[0])に対する出力値を求める場合、PC制御装置10は、この入力値(R[0],G[0],B[0])を、上述した図5のステップS1〜S6の処理を用いて、ポジフィルム調の画像へ変換して、三刺激値X、Y、Zを取得する。そして、この三刺激値X、Y、Zを、公知の変換式を用いてL、a、bに変換する。この結果、入力値(R[0],G[0],B[0])に対し、ポジフィルム調の画像へ変換された(L、a、b)を求めることができる。同様にして、全ての入力値(R,G,B)に対する出力値(L、a、b)をそれぞれ求める。
そして、PC制御装置10は、各入力値とこれに対する出力値のセット(入出力データセット)をポジフィルム変換LUTとし、記憶媒体12に記憶させる。
PC制御装置10は、このようにして生成したポジフィルム変換LUTを用いて、デジタルカメラ2により撮影されたRAWデータ(RGB値)を、ポジフィルム調の画像へ変換したLab値へ変換する。そしてPC制御装置10は、この変換後のLab値を、ディスプレイ3に依存する色空間(RGB値)に変換する。なお、PC制御装置10は、この変換を、例えば、ディスプレイ3に依存しない色空間Labと、ディスプレイ3に依存する色空間RGBとの関係が記述されたカラープロファイルに基づいて行う。
図6は、デジタルカメラ2により撮像されたRAWデータを入力して所定の色データ(Lab)に変換するためのルックアップテーブル(ポジフィルム変換LUT)を生成する処理を説明するフローチャートである。
ステップS11において、PC制御装置10は、ルックアップテーブルの入力値に対して対数変換を施すことにより、対数変換値(R10、G10、B10)を出力する。
ステップS12において、PC制御装置10は、ステップS11で出力された対数変換値を、透過原稿(ポジフィルム)における各色素の濃度を示す濃度パラメータ(C、M、Y)に変換する。
ステップS13において、PC制御装置10は、ステップ12で変換された濃度パラメータを、デバイス非依存の色データ(Lab)に変換する。
ステップS14において、PC制御装置10は、ステップS13で変換された色データをルックアップテーブルの出力値としてルックアップテーブル(ポジフィルム変換LUT)を生成する。
図7は、デジタルカメラ2により撮影されたRAWデータ(RGB値)を、ポジフィルム変換LUTを用いてポジフィルム調の画像へ変換する処理を説明するフローチャートである。
ステップS21において、PC制御装置10は、デジタルカメラ2により撮像されたRAWデータを入力する。
ステップS22において、PC制御装置10は、ステップS21により入力されたRAWデータを、上記ステップS14で生成したルックアップテーブル(ポジフィルム変換LUT)を用いて変換する。
以上説明した第2の実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)コンピュータプログラムは、デジタルカメラ2により撮像されたRAWデータを入力して所定の色データ(Lab)に変換するためのルックアップテーブル(ポジフィルム変換LUT)を生成するコンピュータプログラムであって、ルックアップテーブルの入力値に対して対数変換を施すことにより、対数変換値(R10、G10、B10)を出力する対数変換ステップと、対数変換ステップで出力された対数変換値を、透過原稿(ポジフィルム)における各色素の濃度を示す濃度パラメータ(C、M、Y)に変換する濃度パラメータ変換ステップと、濃度パラメータ変換ステップで変換された濃度パラメータを、デバイス非依存の色データ(Lab)に変換する色データ変換ステップと、色データ変換ステップで変換された色データをルックアップテーブルの出力値としてルックアップテーブルを生成するルックアップテーブル生成ステップとをコンピュータ(PC制御装置10)に実行させるようにした。これにより、デジタルカメラ2で撮影された画像データから高精度にポジフィルムの見えを再現することができる。
(2)上記(1)のコンピュータプログラムにおいて、デジタルカメラ2により撮像されたRAWデータを入力するRAWデータ入力ステップと、RAWデータ入力ステップにより入力されたRAWデータを、ルックアップテーブル生成ステップで生成したルックアップテーブルを用いて変換する画像変換ステップと、をさらにコンピュータ(PC制御装置10)に実行させるようにした。これにより、第1の実施の形態と比べ、ポジフィルム調の画像変換に係る処理時間を短縮することができる。
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態では、デジタルカメラ2が上述した図5のステップS3までの処理を実行し、ステップS4以降の処理を、PC1がコンピュータプログラムに従って実行する場合について説明する。なお、第3の実施の形態において、第1、第2の実施の形態と同様の箇所については説明を省略する。
具体的に、デジタルカメラ2のカメラ制御装置22は、撮像素子21により被写体像を撮像すると、撮像されたRAWデータに対して、上述した図5のステップS1〜S3までの処理を行い、濃度パラメータC、M、Yを画素ごとに算出する。
そしてカメラ制御装置22は、各画素の濃度パラメータC、M、Yをメモリカード26に記録する。
PC1のPC制御装置10は、PC制御装置10内のメモリに記憶されたコンピュータプログラムに従って、以下に説明する画像処理を実行する。
この画像処理において、まず、PC制御装置10は、デジタルカメラ2のメモリカード26から、各画素の濃度パラメータC、M、Yを入力する。
そしてPC制御装置10は、この濃度パラメータC、M、Yを用いて、上述した図5のステップS4〜S7の処理を行うことで、デジタルカメラ2の撮影画像データをポジフィルム調の画像に変換する。
なお、第3の実施の形態において、上述した濃度変換マトリクスは、デジタルカメラ2の記憶媒体25に予め記憶されており、上述した分光濃度特性情報は、PC1の記憶媒体12に予め記憶されているものとする。
図8は、第3の実施形態において、デジタルカメラ2のカメラ制御装置22が実行する処理を説明するフローチャートである。ステップS31において、カメラ制御装置22は、撮像素子21により撮像されたRAWデータに対して対数変換を施すことにより、対数変換値(R10、G10、B10)を出力する。
ステップS32において、カメラ制御装置22は、ステップS31で出力された対数変換値を、透過原稿(ポジフィルム)における各色素の濃度を示す濃度パラメータ(C、M、Y)に変換する。
ステップS33において、カメラ制御装置22は、ステップS32で変換された濃度パラメータをメモリカード26に記録する。
図9は、第3の実施形態において、PC1のPC制御装置10が実行する処理を説明するフローチャートである。ステップS41において、PC制御装置10は、デジタルカメラ2によりメモリカード26に記録された濃度パラメータを入力する。
ステップS42において、PC制御装置10は、ステップS41で入力された濃度パラメータに対応する、透過原稿の分光濃度特性D(λ)を算出する。
ステップS43において、PC制御装置10は、ステップ42で算出された透過原稿の分光濃度特性に基づいて、所定の出力画像データ(ディスプレイに依存するRGBデータ)を算出する。
以上説明した第3の実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
デジタルカメラ2は、被写体像を撮像する撮像素子21と、撮像素子21により撮像されたRAWデータに対して対数変換を施すことにより、対数変換値(R10、G10、B10)を出力するカメラ制御装置22と、当該出力された対数変換値を、透過原稿(ポジフィルム)における各色素の濃度を示す濃度パラメータ(C、M、Y)に変換するカメラ制御装置22と、当該変換された濃度パラメータをメモリカード26に記録するカメラ制御装置22と、を備えるようにした。また、コンピュータプログラムは、デジタルカメラ2によりメモリカード26に記録された濃度パラメータを入力する濃度パラメータ入力ステップと、濃度パラメータ入力ステップで入力された濃度パラメータに対応する、透過原稿の分光濃度特性D(λ)を算出する分光濃度特性算出ステップと、分光濃度特性算出ステップで算出された透過原稿の分光濃度特性に基づいて、所定の出力画像データ(ディスプレイに依存するRGBデータ)を算出する出力画像算出ステップと、をコンピュータ(PC制御装置10)に実行させるようにした。これにより、デジタルカメラ2で撮影された画像データから、高精度にポジフィルムの見えを再現することができる。また、デジタルカメラ2において画像データの濃度パラメータを求めておくことにより、コンピュータプログラムを種々のカメラによらず同一のプログラムとすることができる。
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態では、上述した第1の実施の形態を前提として、デジタルカメラ2が濃度変換マトリクスのパラメータ情報(係数a1〜a9、n1〜n3)を、RAWデータと同一のファイルに記録する場合について説明する。なお、第4の実施の形態において、第1〜第3の実施の形態と同様の箇所については説明を省略する。
第4の実施の形態のデジタルカメラ2には、記憶媒体25に予め濃度変換マトリクスのパラメータ情報が記憶されている。カメラ制御装置22は、RAWデータをメモリカード26に記録する際、この濃度変換マトリクスのパラメータ情報を記憶媒体25から読み出す。そしてカメラ制御装置22は、読み出した濃度変換マトリクスのパラメータ情報を、RAWデータのメタデータとして、RAWデータと同一のファイルに記録する。
PC制御装置10は、上述した第1の実施の形態における画像処理(図5のステップS1〜S7)を実行する際、デジタルカメラ2からRAWデータのファイルを取得することで、RAWデータと共に濃度変換マトリクスのパラメータ情報を取得する。そしてPC制御装置10は、この取得した濃度変換マトリクスのパラメータ情報を用いて、上述した図5のステップS3の処理を行うようにする。
図10は、第4の実施形態において、デジタルカメラ2のカメラ制御装置22が実行する処理を説明するフローチャートである。デジタルカメラ2の記憶媒体25は、撮像素子21により撮像されたRAWデータに対して対数変換を施すことにより出力される対数変換値を、透過原稿(ポジフィルム)における各色素の濃度を示す濃度パラメータに変換するための変換パラメータ(濃度変換マトリクスのパラメータ情報)を記憶する。図10のステップS51において、カメラ制御装置22は、撮像素子21により撮像されたRAWデータと、記憶媒体25に記憶された変換パラメータとを対応付けてメモリカード26に記録する。
図11は、第4の実施形態において、PC1のPC制御装置10が実行する処理を説明するフローチャートである。ステップS61において、PC制御装置10は、デジタルカメラ2によりメモリカード26に記録されたRAWデータと変換パラメータとを入力する。
ステップS62において、PC制御装置10は、ステップ61で入力されたRAWデータに対して対数変換を施すことにより、対数変換値(R10、G10、B10)を出力する。
ステップS63において、PC制御装置10は、ステップS62で出力された対数変換値を、ステップS61で入力された変換パラメータを用いて濃度パラメータ(C、M、Y)に変換する。
ステップS64において、PC制御装置10は、ステップ63で変換された濃度パラメータを、所定の出力画像データ(ディスプレイに依存するRGBデータ)に変換する。
以上説明した第4の実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
デジタルカメラ2は、被写体像を撮像する撮像素子21と、撮像素子21により撮像されたRAWデータに対して対数変換を施すことにより出力される対数変換値を、透過原稿(ポジフィルム)における各色素の濃度を示す濃度パラメータに変換するための変換パラメータ(濃度変換マトリクスのパラメータ情報)を記憶する記憶媒体25と、撮像素子21により撮像されたRAWデータと変換パラメータとを対応づけてメモリカード26に記録するカメラ制御装置22と、を備えるようにした。また、コンピュータプログラムは、デジタルカメラ2によりメモリカード26に記録されたRAWデータと変換パラメータとを入力する入力ステップと、入力ステップで入力されたRAWデータに対して対数変換を施すことにより、対数変換値(R10、G10、B10)を出力する対数変換ステップと、対数変換ステップで出力された対数変換値を、入力ステップで入力された変換パラメータを用いて濃度パラメータ(C、M、Y)に変換する濃度パラメータ変換ステップと、濃度パラメータ変換ステップで変換された濃度パラメータを、所定の出力画像データ(ディスプレイに依存するRGBデータ)に変換する画像出力ステップと、をコンピュータ(PC制御装置10)に実行させるようにした。これにより、デジタルカメラ2で撮影された画像データから高精度にポジフィルムの見えを再現することができる。また、コンピュータプログラムを実行するPC1において、デジタルカメラ2の濃度変換マトリクスを記憶しておかなくてもよいため、種々のデジタルカメラ2による撮影画像への対応を簡単に行うことができる。
(第5の実施の形態)
第5の実施の形態では、上述した第2の実施の形態を前提として、デジタルカメラ2が濃度変換マトリクスのパラメータ情報(係数a1〜a9、n1〜n3)を、RAWデータと同一のファイルに記録する場合について説明する。なお、第5の実施の形態において、第1〜第4の実施の形態と同様の箇所については説明を省略する。
第5の実施の形態のデジタルカメラ2は、上述した第4の実施の形態におけるデジタルカメラ2と同様であり、カメラ制御装置22が、濃度変換マトリクスのパラメータ情報を、RAWデータのメタデータとして、RAWデータと同一のファイルに記録する。
PC制御装置10は、上述した第2の実施の形態におけるポジフィルム変換LUT生成処理を実行する際、デジタルカメラ2からRAWデータのファイルを取得することで、RAWデータと共に濃度変換マトリクスのパラメータ情報を取得する。そしてPC制御装置10は、この取得した濃度変換マトリクスのパラメータ情報を用いて、上述した図5のステップS3の処理を行うようにする。
図12は、第5の実施形態において、デジタルカメラ2により撮像されたRAWデータを入力して所定の色データ(Lab)に変換するためのルックアップテーブル(ポジフィルム変換LUT)を生成する処理を説明するフローチャートである。ステップS71において、PC制御装置10は、RAWデータに対して対数変換を施すことにより出力される対数変換値を、透過原稿(ポジフィルム)における各色素の濃度を示す濃度パラメータに変換するための変換パラメータ(濃度変換マトリクスのパラメータ情報)をデジタルカメラ2から入力する。
ステップS72において、PC制御装置10は、ルックアップテーブルの入力値に対して対数変換を施すことにより、対数変換値(R10、G10、B10)を出力する。
ステップS73において、PC制御装置10は、ステップS72で出力された対数変換値を、ステップS71で入力された変換パラメータを用いて濃度パラメータ(C、M、Y)に変換する。
ステップS74において、PC制御装置10は、ステップ74で変換された濃度パラメータを、デバイス非依存の色データ(Lab)に変換する。
ステップS75において、PC制御装置10は、ステップS74で変換された色データをルックアップテーブルの出力値としてルックアップテーブル(ポジフィルム変換LUT)を生成する。
また、第5の実施形態において、PC制御装置10は、デジタルカメラ2により撮影されたRAWデータ(RGB値)を、ステップS75で生成したポジフィルム変換LUTを用いてポジフィルム調の画像へ変換する処理を、図7に示した処理と同様に行う。
以上説明した第5の実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)デジタルカメラ2は、被写体像を撮像する撮像素子21と、撮像素子21により撮像されたRAWデータに対して対数変換を施すことにより出力される対数変換値を、透過原稿(ポジフィルム)における各色素の濃度を示す濃度パラメータに変換するための変換パラメータ(濃度変換マトリクスのパラメータ情報)を記憶する記憶媒体25と、撮像素子21により撮像されたRAWデータと変換パラメータとを対応づけてメモリカード26に記録するカメラ制御装置22と、を備えるようにした。また、コンピュータプログラムは、デジタルカメラ2により撮像されたRAWデータを入力して所定の色データ(Lab)に変換するためのルックアップテーブル(ポジフィルム変換LUT)を生成するコンピュータプログラムであって、デジタルカメラ2によりメモリカード26に記録された変換パラメータを入力する変換パラメータ入力ステップと、ルックアップテーブルの入力値に対して対数変換を施すことにより、対数変換値(R10、G10、B10)を出力する対数変換ステップと、対数変換ステップで出力された対数変換値を、変換パラメータ入力ステップで入力された変換パラメータを用いて濃度パラメータ(C、M、Y)に変換する濃度パラメータ変換ステップと、濃度パラメータ変換ステップで変換された濃度パラメータを、デバイス非依存の色データ(Lab)に変換する色データ変換ステップと、色データ変換ステップで変換された色データをルックアップテーブルの出力値としてルックアップテーブルを生成するルックアップテーブル生成ステップと、をコンピュータ(PC制御装置10)に実行させるようにした。これにより、デジタルカメラ2で撮影された画像データから高精度にポジフィルムの見えを再現することができる。また、コンピュータプログラムを実行するPC1において、デジタルカメラ2の濃度変換マトリクスを記憶しておかなくてもよいため、種々のデジタルカメラ2による撮影画像への対応を簡単に行うことができる。
(2)上記(1)のコンピュータプログラムにおいて、デジタルカメラ2により撮像されたRAWデータを入力するRAWデータ入力ステップと、RAWデータ入力ステップにより入力されたRAWデータを、ルックアップテーブル生成ステップで生成したルックアップテーブルを用いて変換する画像変換ステップと、をさらにコンピュータ(PC制御装置10)に実行させるようにした。これにより、第1の実施の形態と比べ、ポジフィルム調の画像変換に係る処理時間を短縮することができる。
(第6の実施の形態)
第6の実施の形態では、デジタルカメラ2が、上述したポジフィルム調の画像へ変換する画像処理(図5)を実行する場合について説明する。なお、第6の実施の形態において、第1〜第5の実施の形態と同様の箇所については説明を省略する。
デジタルカメラ2のカメラ制御装置22は、撮像素子21により被写体像を撮像すると、撮像素子21により得られたRAWデータを用いて、上述した図5のステップS1〜S7の処理を実行する。そしてカメラ制御装置22は、この画像処理後の画像データをメモリカード26に記録する。なお、第6の実施の形態の場合、デジタルカメラ2の記憶媒体25に、濃度変換マトリクスとポジフィルムの分光濃度特性情報とが予め記憶されているものとする。
以上説明した第6の実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
デジタルカメラ2は、被写体像を撮像する撮像素子21と、撮像素子21により撮像されたRAWデータに対して対数変換を施すことにより、対数変換値(R10、G10、B10)を出力するカメラ制御装置22と、当該出力された対数変換値を、透過原稿(ポジフィルム)における各色素の濃度を示す濃度パラメータ(C、M、Y)に変換するカメラ制御装置22と、当該変換された濃度パラメータを、所定の出力画像データ(ディスプレイに依存するRGBデータ)に変換するカメラ制御装置22と、を備えるようにした。これにより、デジタルカメラ2で撮影された画像データから高精度にポジフィルムの見えを再現することができる。
(変形例1)
上述した実施の形態において、種々のポジフィルム銘柄の再現を実現するようにしてもよい。この場合、上述した図5のステップS4の処理において用いる分光濃度特性情報を、所望のポジフィルム銘柄に対応した分光濃度特性情報および変換パラメータ(濃度変換マトリクスのパラメータ情報)に差し替えて処理を行う。これにより、デジタルカメラ2による1つの撮影画像データから、様々なポジフィルム銘柄の再現を行うことができる。
(変形例2)
上述した第2および第5の実施の形態では、ポジフィルム変換LUTの出力値の色空間をL色空間とする例について説明した。しかしながら、出力値の色空間はこれに限らなくてよく、例えばL色空間などの色空間とするようにしてもよい。また三刺激値XYZを、ポジフィルム変換LUTの出力値とするようにしてもよい。
(変形例3)
上述した実施の形態では、ポジフィルム調に変換した画像データをディスプレイ3に出力する例について説明した。しかしながら、画像出力機器はこれに限らなくてよく、例えばプリンタなどであってもよい。この場合、ポジフィルム調に変換した画像データ(XYZ値またはL値など)を画像出力機器の特性に応じた色空間の値に変換すればよい。
(変形例4)
上述した実施の形態では、PC制御装置10が各処理を実行するためのプログラムがPC制御装置10のメモリに格納されている場合について説明した。しかしながら、PC1に対するプログラムのローディングは、図6に示すように、プログラムを格納したCD−ROMなどの記憶媒体40をPC1にセットして行ってもよいし、ネットワークなどの通信回線41を経由する方法でPC1へローディングしてもよい。通信回線41を経由する場合は、通信回線41に接続されたサーバー(コンピュータ)42のハードディスク装置43などにプログラムを格納しておき、プログラムを信号としてPC1に提供する。プログラムは、記憶媒体40や通信回線41を介する提供など、種々の形態のコンピュータプログラム製品として供給することができる。
(変形例5)
上述した実施の形態では、カラーの透過原稿(ポジフィルム)の見えを再現する例について説明したが、モノクロの透過原稿の見えを再現する場合に本発明を適用してもよい。
(変形例6)
上述した第1、第3、第4、第6の実施の形態では、RAWデータを、デバイス依存の画像データ(ディスプレイに依存するRGBデータ)に変換して出力する例について説明したが、デバイス非依存の画像データに変換して出力するようにしてもよい。
(変形例7)
上述した第2、第5の実施の形態では、RAWデータを、デバイス非依存の色データ(L値)に変換するLUTを生成する例について説明したが、デバイス依存の色データに変換するLUTを生成するようにしてもよい。
(変形例8)
PC1のPC制御装置10が、コンピュータプログラムに従って、デジタルカメラ2からRAWデータを入力し、上述した図5のステップS1〜S3までの処理を行い、濃度パラメータC、M、Yを画素ごとに算出し、各画素の濃度パラメータC、M、Yを記録媒体に記録する処理を実行するようにしてもよい。そして、別のPCのPC制御装置が当該記録媒体から濃度パラメータC、M、Yを読み出して、上述した図5のステップS4〜S7の処理を行うことで、デジタルカメラ2の撮影画像データをポジフィルム調の画像に変換するようにしてもよい。
図14は、変形例8において、PC1のPC制御装置10が実行する処理を説明するフローチャートである。PC制御装置10は、ステップS81において、デジタルカメラ2により撮像されたRAWデータを入力する。
ステップS82において、PC制御装置10は、ステップS81で入力されたRAWデータに対して対数変換を施すことにより、対数変換値を出力する。
ステップS83において、PC制御装置10は、ステップ82で出力された対数変換値を、透過原稿における各色素の濃度を示す濃度パラメータに変換する。
ステップS84において、PC制御装置10は、ステップS83で変換された濃度パラメータを記録媒体に記録する。
(変形例9)
PC1のPC制御装置10が、コンピュータプログラムに従って、濃度パラメータC、M、Yを入力して、デバイス依存の色データ(ディスプレイRGBなど)またはデバイス非依存の色データ(L値など)を出力するLUTを生成する処理を実行するようにしてもよい。この場合のPC制御装置10は、まず、このLUTの入力値(濃度パラメータC、M、Y)を生成する。入力値は、例えば、濃度パラメータC、M、Yの各々のデータレンジを、複数段階で等間隔に区切った格子点とする。そして、PC制御装置10は、生成した各入力値(濃度パラメータC、M、Y)において、上述した図5のステップS4〜S7の処理を用いて、LUTの出力値である色データ(例えばディスプレイRGB)を求める。PC制御装置10は、各入力値(濃度パラメータC、M、Y)とこれに対する出力値(色データ)のセットをLUTとして生成して、記憶媒体12に記憶させる。
PC制御装置10は、例えば、上記第3の実施の形態においてデジタルカメラ2によりメモリカード26に記録された各画素の濃度パラメータC、M、Yを読み出し、上記生成したLUTを用いて、濃度パラメータC、M、Yを色データ(例えばディスプレイRGB)へ変換する。これにより、ポジフィルム調の画像をディスプレイ3に出力することができる。
図15は、変形例9において、濃度パラメータC、M、Yを入力して、デバイス依存の色データ(ディスプレイRGBなど)またはデバイス非依存の色データ(L値など)を出力するLUTを生成する処理を説明するフローチャートである。ステップS91において、PC制御装置10は、濃度パラメータを入力する。
ステップS92において、PC制御装置10は、ステップS91で入力された濃度パラメータに対応する、透過原稿の分光濃度特性を算出する。
ステップS93において、PC制御装置10は、ステップS92で算出された透過原稿の分光濃度特性を、デバイス依存またはデバイス非依存の色データに変換する。
ステップS94において、PC制御装置10は、ステップS93で変換された色データをルックアップテーブルの出力値としてルックアップテーブルを生成する。
(変形例10)
上述した実施の形態では、あらかじめ図4に示したような、ポジフィルムのシアン、マゼンタ、イエローの各層の分光濃度特性の測定値を準備し、シアン、マゼンタ、イエローの各層の分光濃度と濃度パラメータC,M,Yとを対応付けておく。また、濃度パラメータC,M,YとRAWデータとの対応関係(濃度変換マトリクス)を色パッチの撮影データなどから求めておく。撮像画像をポジフィルム調に変換する際には、上記のようにあらかじめ求めておいた対応関係(濃度変換マトリクス)を用いて、変換対象の撮像画像のRAWデータを濃度パラメータC,M,Yに変換する。そして、変換した濃度パラメータC,M,Yに対応する分光濃度特性から、三刺激値XYZを算出するようにした。このように、上述した実施形態では、分光濃度特性をベースとした画像変換によって、よりポジフィルムの色調に近い画像再現を可能とした。しかしながら、分光濃度特性をベースとした画像変換だけでなく、分光透過率特性をベースとした画像変換によっても、ポジフィルムの色調に近い画像再現を行うことができる。
たとえば、あらかじめポジフィルムのシアン、マゼンタ、イエローの各層の分光透過率特性の測定値を準備する。上述した分光濃度特性の場合と同様に、たとえば、一つの色素のみ濃度が変化するようにポジフィルムを露光し、現像してチャートを作成し、これを分光測定すればよい。
そして、シアン、マゼンタ、イエローの各層の分光透過率に対応する透過率パラメータCt,Mt,Ytを仮定する。この透過率パラメータCt,Mt,Ytとポジフィルムの各色素(シアン、マゼンタ、イエロー)の分光透過率特性との対応付け情報と、ポジフィルムのベースの分光透過率特性の情報とを、分光透過率特性情報として、予めPC1の記憶媒体12に記憶しておく。
また、複数の色パッチからなる色票に対して、ポジフィルムを使用した撮影とデジタルカメラ2を使用した撮影との両方を行う。そして、現像後のポジフィルムの分光透過率を測定したデータとデジタルカメラ2による撮影画像データとの両データに基づいて、RAWデータと透過率パラメータCt,Mt,Ytとの対応関係を求める。たとえば、上述した実施形態と同様にして、RAWデータのRGB値を各色の透過率パラメータCt,Mt,Ytに変換するための透過率変換マトリクスを求める。このRAWデータと透過率パラメータCt,Mt,Ytとの対応関係の情報(透過率変換マトリクス)もPC1の記憶媒体12に記憶しておく。
そして、変換対象の撮像画像のRAWデータをポジフィルム調に変換する際には、記憶媒体12に記憶された分光透過率特性情報と透過率変換マトリクスを用いて画像変換を行う。
図16は、変形例10において、RAWデータをポジフィルム調に変換する処理を説明するフローチャートである。ステップS101において、PC制御装置10は、デジタルカメラ2により撮像されたRAWデータを入力する。
ステップS102において、PC制御装置10は、記憶媒体12に記憶された透過率変換マトリクスを用いて、RAWデータのRGB値を、透過率パラメータCt,Mt,Ytに変換する。なお、ステップS102の前で、ステップS101の後に、色調の微調整のための階調変換を行ってもよい。
ステップS103において、PC制御装置10は、ステップS102で変換された透過率パラメータCt,Mt,Ytと記憶媒体12に記憶された分光透過率特性情報とに基づいて、シアン層の分光透過率特性Tc(λ)、マゼンタ層の分光透過率特性Tm(λ)、イエロー層の分光透過率特性Ty(λ)を求める。そしてPC制御装置10は、各層(シアン、マゼンタ、イエロー)の分光透過率特性Tc(λ),Tm(λ),Ty(λ)とベースの分光透過率特性Tb(λ)とに基づいて、ポジフィルムの総合的な分光透過率特性T(λ)を次式(15)により算出する。
T(λ)=Tc(λ)・Tm(λ)・Ty(λ)・Tb(λ) …(15)
ステップS104において、PC制御装置10は、ポジフィルムの総合的な分光透過率特性T(λ)に基づいて、次式(16)〜(18)により三刺激値XYZを算出する。なお、次式(16)〜(18)において、I(λ)は観察光源の分光特性を示し、x(λ)、y(λ)、z(λ)は等色関数を示す。
X=∫{I(λ)・T(λ)・x(λ)}dλ …(16)
Y=∫{I(λ)・T(λ)・y(λ)}dλ …(17)
Z=∫{I(λ)・T(λ)・z(λ)}dλ …(18)
そしてPC制御装置10は、算出した三刺激値XYZを所定の変換式を用いて、所定の出力画像データ(たとえばディスプレイに依存するRGBデータ)に変換する。
このようにして、分光透過率特性をベースとした画像変換によっても、分光濃度特性をベースとした場合と同様に、よりポジフィルムの色調に近い画像再現が可能となる。
なお、デジタルカメラ2のカメラ制御装置22が、撮像素子21で撮像したRAWデータを用いて、上述した図16のステップS101〜S104の処理を行うようにしてもよい。
以上の説明はあくまで一例であり、上記の実施形態の構成に何ら限定されるものではない。また、上記実施形態に各変形例の構成を適宜組み合わせてもかまわない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
次の優先権基礎出願の開示内容は引用文としてここに組み込まれる。
日本国特許出願2012年第192911号(2012年9月3日出願)
1…PC、2…デジタルカメラ、3…ディスプレイ、10…PC制御装置、12、25…記憶媒体、21…撮像素子、22…カメラ制御装置、26…メモリカード

Claims (7)

  1. 撮像により生成された画像が入力される入力部と、
    前記入力部に入力された画像の色調をポジフィルムの色調に近づけるように変換する処理部と、
    を備えた画像処理装置。
  2. 請求項1に記載の画像処理装置において、
    前記処理部は、被写体を撮像したポジフィルムの色調に基づいて算出された変換情報に基づいて、前記画像の色調を変換する画像処理装置。
  3. 請求項1または2に記載の画像処理装置において、
    前記処理部は、被写体を撮像した画像の色調と前記被写体を撮像したポジフィルムの色調とから算出された変換情報を用いて、前記画像の色調を変換する画像処理装置。
  4. 請求項3に記載の画像処理装置において、
    前記被写体は複数の色を有し、
    前記変換情報は、前記複数の色を有する被写体を撮像した画像のデータと、前記複数の色を有する被写体を撮像した前記ポジフィルムの測色データとから算出された画像処理装置。
  5. 請求項4に記載の画像処理装置において、
    前記複数の色を有する被写体はカラーチャートである画像処理装置。
  6. 請求項5に記載の画像処理装置において、
    前記カラーチャートを撮像した画像のデータを前記変換情報で変換したデータと、前記カラーチャートを撮像したポジフィルムの測色データとの差が小さくなるように前記変換情報が算出された画像処理装置。
  7. 被写体を撮像し、画像データを生成する撮像素子と、
    請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像処理装置と、を備えたカメラ。
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