JP2018074280A - 音声調整卓 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)音像の定位点ごとに、リアルタイムで演算処理を行う方式。
(2)音像の定位点ごとに演算処理結果をメモリ保持して置き、定位すべき位置に合わせて演算処理結果を検索する方式。
(1)の場合には複雑な演算処理を常時行うため、処理負荷が高くリアルタイムに音声に反映するのは難しい。
(2)の場合は音声調整卓が表現する3次元空間のすべての音源ポイントについての演算処理結果を、メモリ上に保持する必要があるため、大量のメモリを必要とする。
(1)音源が発生する音響信号の取得部。
(2)直方体空間内における音像定位情報の入力部。
(3)スピーカの配置情報の入力部。
(4)音像を定位する直方体の空間について、その6つの表面上にある各音像定位点の音像生成値の演算結果を保存するデータベース。
(5)前記音像定位情報の入力部から入力された音像定位点の3次元座標が、前記直方体の空間の中心点と立方体の4つの頂点によって形成された6つの領域のいずれに属するかを判定する領域判定部。
(6)前記6つの領域のいずれかに属することが判定された前記3次元座標について、直方体中心と音像定位点の距離を求める距離演算部。
(7)直方体中心と音像定位点を結ぶ直線と、前記音像定位点の属する領域の直方体表面との交点である基本ポイントを求める位置演算部。
(8)前記データベース内に保存された前記基本ポイントの音像生成値と、前記距離演算部で求めた距離に基づいて、音像定位点の音像生成値を演算する信号演算部。
(1)前記音像生成値が、音源が放射する音源音響信号S(t)を読み込み、この音源音響信号S(t)をフーリエ変換して周波数領域音源音響信号S(ω)を算出し、音源を定位させるためのパンニング処理を実行して周波数領域音像形成音響信号Q(ω)を算出し、この周波数領域音像形成音響信号Q(ω)を逆フーリエ変換して算出された音像形成音響信号q(t)である。
(2)前記直方体が、音像を定位する現実の空間に外接する形状である。
[1.構成]
[2.作用]
[2−1.3次元空間]
本実施形態では、音響システムが構築する空間を、図3に示すとおり、一例として、縦240ポイント、横240ポイント、高さ134ポイントの3次元空間とする。あらかじめ音像生成値の演算結果を保持するポイント(以下、基本ポイントという)は、立方体の6面上のポイントとなる。この6面上のポイント(240×240×2)+(240×134×4)について、その音像生成値、例えば特許文献1の発明の方法で演算した周波数領域音像形成音響信号Q(ω)をデータベース4に保存しておく。
(D)基本ポイントとの距離の比率
(1)直方体の領域分割
領域判定部5では、図4に示す直方体を領域(1)〜領域(6)の6つの領域に分割する。6つの領域は、中心と直方体の各6面の4つの頂点とを結ぶ四角錐形である。この分割した6つの領域のうち、音源を定位する座標(X,Y,Z)がどの領域に含まれるかを下記の式で判定する。
以下の5点により形成される四角錐内
・中心(120,120,72)
・(0,0,0)
・(0,0,134)
・(240,0,134)
・(240,0,0)
※中心点を含む
※各辺上の点を含む
以下の4点により形成される四角錐内
・中心(120,120,72)
・(240,0,134)
・(240,0,0)
・(240,240,0)
・(240,240,134)
※中心点を含まない
※各辺上の点を含む。ただし、中心点と各点を結ぶ辺上の点は含まない
以下の4点により形成される四角錐内
・中心(120,120,72)
・(0,240,134)
・(240,240,134)
・(240,240,0)
・(0,240,0)
※中心点を含まない
※各辺上の点を含む
以下の5点により形成される四角錐内
・中心(120,120,72)
・(0,0,134)
・(0,240,134)
・(0,240,0)
・(0,0,0)
※中心点を含まない
※各辺上の点を含む。ただし、中心点と各点を結ぶ辺上の点は含まない
以下の4点により形成される四角錐内
・中心(120,120,72)
・(0,0,134)
・(240,0,134)
・(240,240,134)
・(0,240,134)
※中心点を含まない
※各辺上の点を含まない
以下の4点により形成される四角錐内
・中心(120,120,72)
・(0,0,0)
・(240,0,0)
・(240,240,0)
・(0,240,0)
※中心点を含まない
※各辺上の点を含まない
音源を定位する座標(X,Y,Z)がどの領域に含まれるかの判定を行う。なお、以下に示す領域判定式は一例である。算出速度がより早い方法であれば下記以外の方法で領域の判別を行ってもよい。
下記の(1)〜(6)式の演算を行い、結果の正負条件により領域を判定する。なお、(1)〜(6)式は、中心点を(0,0,0)へオフセットした時の(x,z),(x,y)成分と判別基準点とのベクトル外積である。また、式中のx0、y0、z0は直方体中心点の座標(x0=120、y0=120、z0=67)を表す。
(2)(x−x0)×(134−z0)−(240−x0)×(z−z0):(x,z)と(X=240,Z=134)の外積
(3)(x−x0)×(240−y0)−(0−x0)×(y−y0):(x,y)と(X=0,Y=240)の外積
(4)(x−x0)×(240−y0)−(240−x0)×(y−y0):(x,y)と(X=240,Y=240)の外積
(5)(y−y0)×(134−z0)−(0−y0)×(z−z0):(y,z)と(Y=0,Z=134)の外積
(6)(y−y0)×(134−z0)−(240−y0)×(z−z0):(y,z)と(Y=240,Z=134)の外積
前記のようにして、音像を定位する座標がどの領域に属するが判明した後は、距離演算部6と位置演算部7によって、距離の比率(D)と位置(P)の判定を行う。なお、距離の比率(D)と位置(P)は角度の比率で考えることもできるが、距離の比率で計算しても結果は同じため、本実施形態では式が簡単な距離の比率で計算を行う。
Distance=Abs(y−y0)
Position=(2×x0+1)×Pos_z+Pos_x
Pos_x=Round(y0/Abs(y−y0)×(x−x0)+x0)
Pos_z=Round((z0×2)−(y0/Abs(y−y0)×(z−z0)+z0))
(ア)y0:領域1におけるy要素の総数(120点)。
(イ)y0/Abs(y−y0):中心点をy=0とし、領域1の最奥面(y=120)を「1」とした時のy座標面の比率。
(ウ)(x−x0):x軸における中心点と求める座標(x)の距離
(エ)y0/Abs(y−y0)×(x−x0):距離(x−x0)と、比率y0/Abs(y−y0)を掛け、最奥面におけるx座標を求める。
(オ)(y0/Abs(y−y0)×(x−x0)+x0):(ア)〜(エ)式は中心を基準としているため、左端を「0」とした時の、x座標変換式。
(カ)Round():Pos_x小数点以下は四捨五入する。
(ア)〜(オ)は、Pos_x算出式と同様。
(カ)(z0×2):Pos_zは最上段を0とし最下段を134とする為、zの総数でオフセットする。
(キ)Round():Pos_z小数点以下は四捨五入する。
Distance=Abs(x−x0)
Position=Offset_2+(2×y0−1)×Pos_z+Pos_y
Offset_2=(2×x0+1)×(2×z0+1)−1
pos_y=x0/Abs(x−x0)×(y−y0)+y0
pos_y=1且つpos_y=239の場合→Pos_y=RoundDOWN(pos_y)
Pos_z=Round((z0×2)−(x0/Abs(x−x0)×(z−z0)+z0))
Distance=Abs(y−y0)
Position=Offset_3+1+(2×x0+1)×Pos_z+Pos_x
Offset_3=Offset2+(2×y0−1)×(2×z0+1)
Pos_x=Round(y0/Abs(y−y0)×(x−x0)+x0)
Pos_z=Round((z0×2)−(y0/Abs(y−y0)×(z−z0)+z0))
Distance=Abs(x−x0)
Position=Offset_4+(2×y0−1)×Pos_z+Pos_y
Offset_4=Offset_3+(2×x0+1)×(2×z0+1)
pos_y=x0/Abs(x−x0)×(y−y0)+y0
pos_y=1且つpos_y=239の場合→Pos_y=RoundDOWN(pos_y)
Pos_z=Round((z0×2)−(x0/Abs(x−x0)×(z−z0)+z0))
Distance=Round(Abs(z−z0)×x0/z0)
Position=Offset_5+1+(2×y0−1)×(Pos_y−1)+(Pos_x−1)
Offset_5=Offset_4+(2×y0−1)×(2×z0+1)
pos_x=z0/Abs(z−z0)×(x−x0)+x0
pos_x=1且つpos_x=239の場合→Pos_x=RoundDOWN(pos_x)
pos_y=z0/Abs(z−z0)×(y−y0)+y0
pos_y=1且つpos_y=239の場合→Pos_y=RoundDOWN(pos_y)
Distance=Round(Abs(z−z0)×x0/z0)
Position=Offset_6+1+(2×y0−1)×(Pos_y−1)+(Pos_x−1)
Offset_6=Offset_5+(2×x0−1)×(2×y0−1)
pos_x=z0/Abs(z−z0)×(x−x0)+x0
pos_x=1且つpos_x=239の場合→Pos_x=RoundDOWN(pos_x)
pos_y=z0/Abs(z−z0)×(y−y0)+y0
pos_y=1且つpos_y=239の場合→Pos_y=RoundDOWN(pos_y)
前記のようにして、音像を定位すべき座標に対応する基本ポイントの位置(P)が算出された後は、信号演算部8において、基本ポイントについての音像形成音響信号q(t)をデータベース4から読み出す。読み出した基本ポイントの音像形成音響信号q(t)に対して、基本ポイントと音像定位点との距離の比率(D)を乗算することで、音像定位点の音像形成音響信号q(t)を得る。
[3.効果]
(1)本実施形態によれば、データベースに保存された基本ポイントの音像生成値を、基本ポイントの方向と音像定位点との距離の比率に基づいて加工することにより、個々の音像定位点ごと複雑な演算を行うことなく、音像の定位を行うことができる。その結果、すべての定位点ごとに演算を行う従来技術に比較して、音像生成値の演算速度が格段に向上する。
[2.他の実施形態]
本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、次のような他の実施形態も包含する。
(1)直方体の空間は、実施形態のような座標系に限定されるものではなく、x,y,zのいずれについても、そのポイント数を変更できる。特に、音像を定位すべき室内空間の高さ、幅、奥行きに合わせて適切な座標系を設定できる。また、音像を定位する室内空間は、この座標系の同じ形状の空間である必要はない。音像を定位する空間に外接する直方体としても良く、直方体の内部に現実の室内空間が存在しない部分があっても良い。
2…音像定位情報の入力部
3…スピーカの配置情報の入力部
4…データベース
5…領域判定部
6…距離演算部
7…位置演算部
8…信号演算部
Claims (3)
- 音源が発生する音響信号の取得部と、
直方体空間内における音像定位情報の入力部と、
スピーカの配置情報の入力部と、
音像を定位する直方体の空間について、その6つの表面上にある各音像定位点の音像生成値の演算結果を保存するデータベースと、
前記音像定位情報の入力部から入力された音像定位点の3次元座標が、前記直方体の空間の中心点と立方体の4つの頂点によって形成された6つの領域のいずれに属するかを判定する領域判定部と、
前記6つの領域のいずれかに属することが判定された前記3次元座標について、直方体中心と音像定位点の距離を求める距離演算部と、
直方体中心と音像定位点を結ぶ直線と、前記音像定位点の属する領域の直方体表面との交点である基本ポイントを求める位置演算部と、
前記データベース内に保存された前記基本ポイントの音像生成値と、前記距離演算部で求めた距離に基づいて、音像定位点の音像生成値を演算する信号演算部と、
を有する音声調整卓。 - 前記音像生成値が、音源が放射する音源音響信号S(t)を読み込み、この音源音響信号S(t)をフーリエ変換して周波数領域音源音響信号S(ω)を算出し、音源を定位させるためのパンニング処理を実行して周波数領域音像形成音響信号Q(ω)を算出し、この周波数領域音像形成音響信号Q(ω)を逆フーリエ変換して算出された音像形成音響信号q(t)である請求項1に記載の音声調整卓。
- 前記直方体が、音像を定位する現実の空間に外接する形状である請求項1または請求項2に記載の音声調整卓。
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---|---|---|---|---|
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2016
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