JP2018073588A - 点火プラグ - Google Patents
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Abstract
【課題】磁性体を用いて電波ノイズを抑制する。【解決手段】中心電極と端子金具とを電気的に接続する接続部は、フェライト焼結体の粒子と、導電物を含みフェライト焼結体の粒子を被覆する被覆層と、を含む複数の複合粒子を含む複合部を含む。フェライト焼結体は、Ni、Zn、Cu、Mn、Mg、Caの少なくとも1つを含む。複合部の軸線を含む断面において、フェライト焼結体の複数の粒子のそれぞれの最大径の平均は、0.75mm以上、1.45mm以下であり、フェライト焼結体の複数の粒子の総面積は、0.03cm2以上、0.07cm2以下である。フェライト焼結体の複数の粒子の内部の気孔率は、2.0%以上、7.0%以下である。【選択図】 図1
Description
本明細書は、点火プラグに関するものである。
従来から、内燃機関に、点火プラグが用いられている。また、点火によって発生する電波ノイズを抑制するために、絶縁体の貫通孔内に抵抗体を設ける技術が提案されている。また、絶縁体の貫通孔内に磁性体を設ける技術も提案されている。
ところが、磁性体を用いて電波ノイズを抑制する点については、工夫の余地があった。
本明細書は、磁性体を用いて電波ノイズを抑制できる技術を開示する。
本明細書は、例えば、以下の適用例を開示する。
[適用例1]
軸線の方向に延びる貫通孔を有する絶縁体と、
前記貫通孔の先端側に少なくとも一部が挿入された中心電極と、
前記貫通孔の後端側に少なくとも一部が挿入された端子金具と、
前記貫通孔内で、前記中心電極と前記端子金具とを電気的に接続する接続部と、
を備える点火プラグであって、
前記接続部は、フェライト焼結体の粒子と、導電物を含み前記フェライト焼結体の粒子を被覆する被覆層と、を含む複数の複合粒子を含む複合部を含み、
前記フェライト焼結体は、Ni、Zn、Cu、Mn、Mg、Caの少なくとも1つを含み、
前記複合部の前記軸線を含む断面における、前記軸線に垂直な方向の長さが2mmであり、前記軸線の方向の長さが5mmである、前記軸線を中心とする矩形領域において、
前記フェライト焼結体の複数の粒子のそれぞれの最大径の平均は、0.75mm以上、1.45mm以下であり、
前記フェライト焼結体の前記複数の粒子の総面積は、0.03cm2以上、0.07cm2以下であり、
前記複合部の前記軸線を含む断面における、前記軸線に垂直な方向の長さが200μmであり前記軸線の方向の長さが200μmである特定矩形状の領域において、前記フェライト焼結体の前記複数の粒子の内部の気孔率は、2.0%以上、7.0%以下である、
点火プラグ。
軸線の方向に延びる貫通孔を有する絶縁体と、
前記貫通孔の先端側に少なくとも一部が挿入された中心電極と、
前記貫通孔の後端側に少なくとも一部が挿入された端子金具と、
前記貫通孔内で、前記中心電極と前記端子金具とを電気的に接続する接続部と、
を備える点火プラグであって、
前記接続部は、フェライト焼結体の粒子と、導電物を含み前記フェライト焼結体の粒子を被覆する被覆層と、を含む複数の複合粒子を含む複合部を含み、
前記フェライト焼結体は、Ni、Zn、Cu、Mn、Mg、Caの少なくとも1つを含み、
前記複合部の前記軸線を含む断面における、前記軸線に垂直な方向の長さが2mmであり、前記軸線の方向の長さが5mmである、前記軸線を中心とする矩形領域において、
前記フェライト焼結体の複数の粒子のそれぞれの最大径の平均は、0.75mm以上、1.45mm以下であり、
前記フェライト焼結体の前記複数の粒子の総面積は、0.03cm2以上、0.07cm2以下であり、
前記複合部の前記軸線を含む断面における、前記軸線に垂直な方向の長さが200μmであり前記軸線の方向の長さが200μmである特定矩形状の領域において、前記フェライト焼結体の前記複数の粒子の内部の気孔率は、2.0%以上、7.0%以下である、
点火プラグ。
この構成によれば、電波ノイズを抑制でき、また、耐久性を向上できる。
[適用例2]
適用例1に記載の点火プラグであって、
前記導電物は、Ni、P、B、Cu、Agの少なくとも1つを含み、
前記被覆層の平均厚さは、0.5μm以上、7.5μm以下である、
点火プラグ。
適用例1に記載の点火プラグであって、
前記導電物は、Ni、P、B、Cu、Agの少なくとも1つを含み、
前記被覆層の平均厚さは、0.5μm以上、7.5μm以下である、
点火プラグ。
この構成によれば、電波ノイズを適切に抑制でき、また、耐久性を適切に向上できる。
[適用例3]
適用例1または2に記載の点火プラグであって、
前記複合部は、さらに、フェライトとガラスとの混合物を備え、
前記ガラスは、Si、P、B、アルカリ金属、アルカリ土類金属のうちの2種以上を含む、
点火プラグ。
適用例1または2に記載の点火プラグであって、
前記複合部は、さらに、フェライトとガラスとの混合物を備え、
前記ガラスは、Si、P、B、アルカリ金属、アルカリ土類金属のうちの2種以上を含む、
点火プラグ。
この構成によれば、電波ノイズを抑制でき、また、耐久性を向上できる。
[適用例4]
適用例3に記載の点火プラグであって、
前記断面における前記特定矩形状の領域において、前記混合物の気孔率は、1.5%以上、4.5%以下である、点火プラグ。
適用例3に記載の点火プラグであって、
前記断面における前記特定矩形状の領域において、前記混合物の気孔率は、1.5%以上、4.5%以下である、点火プラグ。
この構成によれば、電波ノイズを適切に抑制できる。
[適用例5]
適用例1から4のいずれかに記載の点火プラグであって、
前記複合部の前記軸線の方向の長さは、3mm以上である、
点火プラグ。
適用例1から4のいずれかに記載の点火プラグであって、
前記複合部の前記軸線の方向の長さは、3mm以上である、
点火プラグ。
この構成によれば、電波ノイズを適切に抑制できる。
[適用例6]
適用例1から5のいずれかに記載の点火プラグであって、
前記絶縁体の外周側に固定された主体金具を備え、
前記複合部は、前記主体金具に囲まれた部分から、前記主体金具の後端から後端側に1.5mm以上離れた位置まで、延びている、
点火プラグ。
適用例1から5のいずれかに記載の点火プラグであって、
前記絶縁体の外周側に固定された主体金具を備え、
前記複合部は、前記主体金具に囲まれた部分から、前記主体金具の後端から後端側に1.5mm以上離れた位置まで、延びている、
点火プラグ。
この構成によれば、電波ノイズを適切に抑制できる。
[適用例7]
適用例1から6のいずれかに記載の点火プラグであって、
前記接続部は、
前記中心電極と前記複合部との間に配置された抵抗体と、
前記中心電極と前記抵抗体との間に配置され、前記中心電極と前記抵抗体とに接触する第1導電性シール部と、
前記抵抗体と前記複合部との間に配置され、前記抵抗体と前記複合部とに接触する第2導電性シール部と、
前記複合部と前記端子金具との間に配置され、前記複合部と前記端子金具とに接触する第3導電性シール部と、
を含む、点火プラグ。
適用例1から6のいずれかに記載の点火プラグであって、
前記接続部は、
前記中心電極と前記複合部との間に配置された抵抗体と、
前記中心電極と前記抵抗体との間に配置され、前記中心電極と前記抵抗体とに接触する第1導電性シール部と、
前記抵抗体と前記複合部との間に配置され、前記抵抗体と前記複合部とに接触する第2導電性シール部と、
前記複合部と前記端子金具との間に配置され、前記複合部と前記端子金具とに接触する第3導電性シール部と、
を含む、点火プラグ。
この構成によれば、電波ノイズを適切に抑制できる。
なお、本明細書に開示の技術は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、点火プラグや点火プラグを用いた点火装置、その点火プラグを搭載する内燃機関や、その点火プラグを用いた点火装置を搭載する内燃機関等の態様で実現することができる。
A.実施形態:
A−1.点火プラグ100の構成:
図1は、一実施形態としての点火プラグ100の断面図である。図中には、点火プラグ100の中心軸CL(「軸線CL」とも呼ぶ)と、点火プラグ100の中心軸CLを含む平らな断面と、が示されている。以下、中心軸CLに平行な方向を「軸線CLの方向」、または、単に「軸線方向」または「前後方向」とも呼ぶ。軸線CLに垂直な方向を、「径方向」とも呼ぶ。中心軸CLに平行な方向のうち、図1における下方向を先端方向Df、または、前方向Dfと呼び、上方向を後端方向Dfr、または、後方向Dfrとも呼ぶ。先端方向Dfは、後述する端子金具40から中心電極20に向かう方向である。また、図1における先端方向Df側を点火プラグ100の先端側と呼び、図1における後端方向Dfr側を点火プラグ100の後端側と呼ぶ。
A−1.点火プラグ100の構成:
図1は、一実施形態としての点火プラグ100の断面図である。図中には、点火プラグ100の中心軸CL(「軸線CL」とも呼ぶ)と、点火プラグ100の中心軸CLを含む平らな断面と、が示されている。以下、中心軸CLに平行な方向を「軸線CLの方向」、または、単に「軸線方向」または「前後方向」とも呼ぶ。軸線CLに垂直な方向を、「径方向」とも呼ぶ。中心軸CLに平行な方向のうち、図1における下方向を先端方向Df、または、前方向Dfと呼び、上方向を後端方向Dfr、または、後方向Dfrとも呼ぶ。先端方向Dfは、後述する端子金具40から中心電極20に向かう方向である。また、図1における先端方向Df側を点火プラグ100の先端側と呼び、図1における後端方向Dfr側を点火プラグ100の後端側と呼ぶ。
点火プラグ100は、軸線CLに沿って延びる貫通孔12(軸孔12とも呼ぶ)を有する筒状の絶縁体10と、貫通孔12の先端側で保持される中心電極20と、貫通孔12の後端側で保持される端子金具40と、貫通孔12内で中心電極20と端子金具40との間に配置された抵抗体73と、貫通孔12内で抵抗体73と端子金具40との間に配置された複合部200と、中心電極20と抵抗体73とに接触してこれらの部材20、73を電気的に接続する導電性の第1シール部72と、抵抗体73と複合部200とに接触してこれらの部材73、200を電気的に接続する導電性の第2シール部74と、複合部200と端子金具40とに接触してこれらの部材200、40を電気的に接続する導電性の第3シール部76と、絶縁体10の外周側に固定された筒状の主体金具50と、一端が主体金具50の先端面55に接合されるとともに他端が中心電極20とギャップgを介して対向するように配置された接地電極30と、を有している。
絶縁体10の軸線方向の略中央には、外径が最も大きな大径部14が形成されている。大径部14より後端側には、後端側胴部13が形成されている。大径部14よりも先端側には、後端側胴部13よりも外径の小さな先端側胴部15が形成されている。先端側胴部15よりもさらに先端側には、縮外径部16と、脚部19とが、先端側に向かってこの順に形成されている。縮外径部16の外径は、前方向Dfに向かって、徐々に小さくなっている。縮外径部16の近傍(図1の例では、先端側胴部15)には、前方向Dfに向かって内径が徐々に小さくなる縮内径部11が形成されている。絶縁体10は、機械的強度と、熱的強度と、電気的強度とを考慮して形成されることが好ましく、例えば、アルミナを焼成して形成されている(他の絶縁材料も採用可能である)。
中心電極20は、後端側から先端側に向かって延びた棒状の部材である。中心電極20は、絶縁体10の貫通孔12内の前方向Df側の端部に配置されている。中心電極20は、外径が最も大きい部分である頭部24と、頭部24の前方向Df側に形成された軸部27と、軸部27の先端に接合(例えば、レーザ溶接)された第1チップ29と、を有している。頭部24の外径は、絶縁体10の縮内径部11よりも前方向Df側の部分の内径よりも大きい。頭部24の前方向Df側の面は、絶縁体10の縮内径部11によって、支持されている。軸部27は、軸線CLに平行に前方向Dfに向かって延びている。軸部27は、外層21と、外層21の内周側に配置された芯部22と、を有している。外層21は、例えば、ニッケルを主成分として含む合金で形成されている。ここで、主成分は、含有率(重量%)が最も高い成分を意味している。芯部22は、外層21よりも熱伝導率が高い材料(例えば、銅を主成分として含む合金)で形成されている。第1チップ29は、軸部27よりも放電に対する耐久性に優れる材料(例えば、イリジウム(Ir)、白金(Pt)等の貴金属、タングステン(W)、それらの金属から選択された少なくとも1種を含む合金)を用いて形成されている。中心電極20のうち第1チップ29を含む先端側の一部分は、絶縁体10の軸孔12から前方向Df側に露出している。なお、芯部22と第1チップ29との少なくとも一方は、省略されてもよい。
絶縁体10の貫通孔12の後端側には、端子金具40の前方向Df側の一部が挿入されている。端子金具40は、軸線CLに平行に延びる棒状の部材である。端子金具40は、導電性材料を用いて形成されている(例えば、鉄を主成分として含む金属)。端子金具40は、前方向Dfに向かって順番で並ぶ、キャップ装着部49と、鍔部48と、軸部41と、を有している。キャップ装着部49は、絶縁体10の後端側で、軸孔12の外に露出している。キャップ装着部49には、高圧ケーブル(図示せず)に接続されたプラグキャップが装着され、火花放電を発生するための高電圧が印加される。キャップ装着部49は、高圧ケーブルが接続される部分である端子部の例である。軸部41は、絶縁体10の軸孔12の後方向Dfr側の部分に挿入されている。鍔部48の前方向Df側の面は、絶縁体10の後方向Dfr側の端である後端10eに接している。
絶縁体10の軸孔12内において、端子金具40と中心電極20との間には、電気的なノイズを抑制するための抵抗体73が配置されている。抵抗体73は、導電性材料(例えば、ガラスと炭素粒子とセラミック粒子との混合物)を用いて形成されている。この抵抗体73と端子金具40との間には、電気的なノイズを抑制するための複合部200が配置されている。複合部200は、例えば、導電性材料と、磁性体と、ガラスと、を用いて形成されている。複合部200の詳細については、後述する。抵抗体73と中心電極20との間には、第1シール部72が配置され、抵抗体73と複合部200との間には、第2シール部74が配置され、複合部200と端子金具40との間には、第3シール部76が配置されている。これらのシール部72、74、76は、導電性材料(例えば、金属粒子と複合部200の材料に含まれるものと同じガラスとの混合物)を用いて形成されている。中心電極20は、第1シール部72、抵抗体73、第2シール部74、複合部200、第3シール部76によって、端子金具40に電気的に接続されている。以下、絶縁体10の軸孔12内で端子金具40と中心電極20とを電気的に接続する部材72、73、74、200、76との全体を、接続部300とも呼ぶ。
主体金具50は、軸線CLに沿って延びる貫通孔59を有する筒状の部材である。主体金具50の貫通孔59には、絶縁体10が挿入され、主体金具50は、絶縁体10の外周に固定されている。主体金具50は、導電材料(例えば、低炭素鋼等の金属)を用いて形成されている。絶縁体10の前方向Df側の一部は、貫通孔59の外に露出している。また、絶縁体10の後方向Dfr側の一部は、貫通孔59の外に露出している。
主体金具50は、工具係合部51と、胴部52と、を有している。工具係合部51は、点火プラグ用のレンチ(図示せず)が嵌合する部分である。胴部52は、主体金具50の先端面55を含む部分である。胴部52の外周面には、内燃機関(例えば、ガソリンエンジン)の取付孔に螺合するためのネジ部57が形成されている。ネジ部57は、雄ねじであり、螺旋状のネジ山を有している(図示省略)。
主体金具50の工具係合部51と胴部52との間には、径方向外側に突き出たフランジ状の鍔部54が形成されている。胴部52のネジ部57と鍔部54との間には、環状のガスケット90が配置されている。ガスケット90は、例えば金属の板状部材を折り曲げることによって形成されており、点火プラグ100がエンジンに取り付けられた際に押し潰されて変形する。このガスケット90の変形によって、点火プラグ100と(具体的には、鍔部54の前方向Df側の面)、エンジンと、の隙間が封止され、燃焼ガスの漏出が抑制される。
主体金具50の胴部52には、先端側に向かって内径が徐々に小さくなる縮内径部56が形成されている。主体金具50の縮内径部56と、絶縁体10の縮外径部16と、の間には、先端側パッキン8が挟まれている。本実施形態では、先端側パッキン8は、例えば、鉄製の板状リングである(他の材料(例えば、銅等の金属材料)も採用可能である)。
主体金具50の工具係合部51より後端側には、薄肉のカシメ部53が形成されている。また、鍔部54と工具係合部51との間には、薄肉の座屈部58が形成されている。主体金具50の工具係合部51からカシメ部53にかけての内周面と、絶縁体10の後端側胴部13の外周面との間には、円環状のリング部材61,62が挿入されている。さらにこれらのリング部材61,62の間には、タルク70の粉末が充填されている。点火プラグ100の製造工程において、カシメ部53が内側に折り曲げられて加締められると、座屈部58が圧縮力の付加に伴って外向きに変形(座屈)し、この結果、主体金具50と絶縁体10とが固定される。タルク70は、この加締め工程の際に圧縮され、主体金具50と絶縁体10との間の気密性が高められる。また、パッキン8は、絶縁体10の縮外径部16と主体金具50の縮内径部56との間で押圧され、そして、主体金具50と絶縁体10との間をシールする。
接地電極30は、棒状の本体部37と、本体部37の先端部34に取り付けられた第2チップ39と、を有している。本体部37の一端部33(基端部33とも呼ぶ)は、主体金具50の先端面55に接合されている(例えば、抵抗溶接)。本体部37は、主体金具50に接合された基端部33から先端方向Dfに向かって延び、中心軸CLに向かって曲がって、先端部34に至る。第2チップ39は、先端部34の後方向Dfr側の部分に固定されている(例えば、レーザ溶接)。接地電極30の第2チップ39と、電極20の第1チップ29とは、ギャップgを形成している。第2チップ39は、本体部37よりも放電に対する耐久性に優れる材料(例えば、イリジウム(Ir)、白金(Pt)等の貴金属、タングステン(W)、それらの金属から選択された少なくとも1種を含む合金)を用いて形成されている。本体部37は、外層31と、外層31の内周側に配置された内層32と、を有している。外層31は、内層32よりも耐酸化性に優れる材料(例えば、ニッケルを含む合金)で形成されている。内層32は、外層31よりも熱伝導率が高い材料(例えば、純銅、銅合金、等)で形成されている。なお、内層32と第2チップ39との少なくとも一方は、省略されてもよい。
A−2.複合部200の構成:
図2は、複合部200の説明図である。図2の左上部には、絶縁体10の貫通孔12内に配置された複合部200の断面が示されている。この断面900は、中心軸CLを含む平面による断面である。図中の先端面210は、複合部200の前方向Df側の端面であり、第2シール部74に接触している。後端面220は、複合部200の後方向Dfr側の端面であり、第3シール部76に接触している。図示するように、先端面210と後端面220とは、それぞれ、湾曲し得る。第1部分219は、断面上における先端面210のうちの最も後方向Dfr側の部分である。第2部分229は、断面上における後端面220のうちの最も前方向Df側の部分である。
図2は、複合部200の説明図である。図2の左上部には、絶縁体10の貫通孔12内に配置された複合部200の断面が示されている。この断面900は、中心軸CLを含む平面による断面である。図中の先端面210は、複合部200の前方向Df側の端面であり、第2シール部74に接触している。後端面220は、複合部200の後方向Dfr側の端面であり、第3シール部76に接触している。図示するように、先端面210と後端面220とは、それぞれ、湾曲し得る。第1部分219は、断面上における先端面210のうちの最も後方向Dfr側の部分である。第2部分229は、断面上における後端面220のうちの最も前方向Df側の部分である。
図中の点線で示された領域950は、SEM(走査型電子顕微鏡)で撮影される断面900上の視野領域を示している。後述する評価試験では、この視野領域950が、SEMによって観察される。視野領域950は、中心軸CLに平行な2辺と、中心軸CLに垂直な2辺と、で構成された矩形状の領域である。図中の幅Lxは、中心軸CLに垂直な方向の視野領域950の長さである。複合部200の断面のうち、先端面210の第1部分219から、後端面220の第2部分229までの、2.5mm以上の幅Lxを有する領域が、視野領域950として用いられた。
視野領域950内には、対象領域800が配置されている。図2の右上部には、対象領域800の拡大図が示されている。対象領域800は、後述する評価試験において点火プラグ100の複合部200の構成を特定する際に用いられる領域である。対象領域800は、中心軸CLに平行な2辺と、中心軸CLに垂直な2辺と、で構成された矩形状の領域である。第1長Laは、中心軸CLに垂直な方向の対象領域800の長さであり、具体的には、2mmである。第2長Lbは、中心軸CLに平行な方向の対象領域800の長さであり、具体的には、5mmである。なお、図2の例では、対象領域800は、中心軸CLを中心とする矩形領域である。すなわち、対象領域800の形状は、中心軸CLを対称軸とする線対称である。以下、対象領域800を、第1矩形領域800とも呼ぶ。
図2の右上部の対象領域800には、断面の構成の模式図が示されている。図示するように、対象領域800(すなわち、複合部200の断面900)は、支持領域810と、導電領域820と、磁性領域830と、を含んでいる。磁性領域830は、複数の粒状の領域835で構成されている(以下、「磁性粒領域835」または、単に「粒領域835」とも呼ぶ)。磁性領域830は、磁性体としてのフェライト(すなわち、鉄含有酸化物)で形成されている。フェライトとしては、例えば、種々のスピネルフェライト(例えば、(Ni,Zn)Fe2O4)を採用可能である。複数の磁性粒領域835は、複合部200の材料としてフェライトの粉末を用いることによって、形成される。本実施形態では、材料の粉末に含まれるフェライトの複数の粒子が互いにくっついて1つの粒子状の構造物を形成し、形成された1つの粒子状の構造物が焼成されて1つの焼結体を形成する。この焼結体の断面が、磁性粒領域835である。複合部200の製造方法の詳細については、後述する。以下、断面900上の1つの磁性粒領域835を形成する立体的な粒子状の構造物を「磁性粒子」と呼ぶ。1つの磁性粒領域835は、1つの磁性粒子の断面を示している。
図示を省略するが、複数の磁性粒領域835を形成する複数の磁性粒子のそれぞれの表面は、導電性物質の被覆層に被覆されている。以下、磁性粒子と、磁性粒子を被覆する導電性物質の被覆層と、を含む粒子状の構造体を、複合粒子とも呼ぶ。導電性物質としては、例えば、金属(Ni、Cuなど)、ペロブスカイト型酸化物(SrTiO3、SrCrO3など)、炭素(C)、炭素化合物(Cr3C2、TiCなど)を採用可能である。
図2の導電領域820は、磁性粒子の表面に形成された導電性物質の被覆層の断面を示している。図示するように、導電領域820は、磁性粒領域835の縁を被覆している。導電領域820は、複数の磁性粒領域835を被覆する複数の被覆領域825で構成されている。1つの磁性粒領域835を被覆する部分が、1つの被覆領域825に対応する。1つの磁性粒領域835と、その磁性粒領域835を被覆する1つの被覆領域825とは、粒子状の領域840を形成する(「複合粒領域840」と呼ぶ)。複合粒領域840は、上述した複合粒子の断面を示している。図示するように、複数の複合粒領域840は、互いに被覆領域825が接するように、配置されている。互いに接する複数の被覆領域825は、後端方向Dfr側から先端方向Df側へ延びる電流の経路を形成している。電流の経路を形成する導電領域820が磁性領域830の近傍を通るので、複合部200は、電波ノイズを抑制できる。
図示を省略するが、対象領域800(すなわち、断面900)上には、2つの複合粒領域840が離れて配置され得る。このように対象領域800上では互いに離れた2つの複合粒領域840は、対象領域800よりも奥、または、手前の位置で、互いに接する2つの立体的な複合粒子の断面を表している場合がある。このように、対象領域800上で、互いに接する、または、互いに離れた、複数の複合粒領域840は、後端方向Dfr側から先端方向Df側へ延びる電流の経路を形成可能である。放電時には、電流が、複数の複合粒領域840の複数の被覆領域825(すなわち、導電領域820)を通じて、複合部200を流れる。
上述のように、導電領域820は、磁性領域830を被覆している。すなわち、電流の経路は、磁性体を囲むように構成されている。磁性体が導電経路の近傍に配置されると、放電によって生じる電波ノイズが抑制される。例えば、磁性体がインダクタンス素子として機能することによって、電波ノイズが抑制される。また、導電経路のインピーダンスが大きくなることによって、電波ノイズが抑制される。
図2の中段の左部には、磁性粒領域835の拡大図が示されている。図示するように、磁性粒領域835内には、複数の気孔832が生じている。複数の気孔832は、例えば、材料の粉末に含まれるフェライトの複数の粒子の間の隙間によって、形成される。点火プラグ100の放電時には、気孔832内においても部分的な放電が生じ得る。気孔832内で部分放電が生じることによって、電波ノイズが生じ得る。また、部分放電に起因して、複合部200が劣化し得る。例えば、気孔832が大きくなり得る。また、新たな気孔が形成され得る。このような複合部200の劣化に起因して、電波ノイズが強くなり得、また、複合部200の劣化が更に進行し得る。従って、磁性粒領域835に対する気孔832の割合(例えば、磁性粒領域835の面積に対する気孔832の面積の割合)が小さいことが好ましい。
支持領域810は、複数の複合粒領域840の間に配置された領域である。支持領域810は、複数の複合粒領域840の隙間を埋めている。複数の複合粒領域840(すなわち、導電領域820と磁性領域830)は、支持領域810によって支持されている。このような支持領域810は、ガラスとフェライトとの混合物で形成される。
図示を省略するが、支持領域810内にも、磁性粒領域835内と同様に、気孔が生じ得る。この気孔内においても部分的な放電が生じ得る。気孔内の部分放電によって、支持領域810が劣化し得、また、電波ノイズが生じ得る。従って、支持領域810に対する気孔の割合(例えば、面積割合)が小さいことが好ましい。支持領域810のガラスは、複合部200の焼成時に溶融して複合粒子(複合粒領域840)の隙間に流入し得る。従って、ガラスを含む支持領域810を用いることによって、複合部200の気孔を小さくできる。
なお、支持領域810から、フェライトが省略されてもよい。また、支持領域810は、ガラスに限らず、種々の絶縁材料(例えば、Al2O3、BeF2などのセラミック)で形成されてよい。
図3は、複合部200の長さL1と外長L2と、の説明図である。図中には、図1に示す断面のうち複合部200を含む一部分が示されている。図中には、複合部200の先端面210と後端面220とが示されている。前基準部212は、先端面210のうちの最も前方向Df側の部分である。後基準部222は、後端面220のうちの最も前方向Df側の部分である。複合部200の軸線CLの方向の長さL1は、前基準部212と後基準部222との間の軸線CLに平行な方向の距離である。なお、図中では、前基準部212と後基準部222とは、中心軸CLを含む1つの断面上に配置されている。ただし、後基準部222は、前基準部212と中心軸CLとを含む断面とは異なる中心軸CLを含む断面上に配置され得る。
また、図3に示すように、複合部200の前方向Df側の一部分は、主体金具50の後方向Dfr側の端50e(後端50eと呼ぶ)よりも前方向Df側に配置されている。複合部200の後方向Dfr側の一部分は、主体金具50の後端50eよりも後方向Dfr側に配置されている。外長L2は、主体金具50の後端50eと、複合部200の後基準部222と、の間の軸線CLに平行な方向の距離である。複合部200は、主体金具50に囲まれた部分から、主体金具50の後端50eから後方向Dfr側に外長L2離れた位置まで、延びている。
複合部200のうちの主体金具50の後端50eよりも後方向Dfr側に配置された部分は、以下に説明するように、電波ノイズを効果的に抑制できる。主体金具50の後端50eよりも前方向Df側では、複合部200と主体金具50とは、絶縁体10を挟むキャパシタを形成する。キャパシタのインピーダンスは、周波数が高いほど小さくなる。従って、放電時には、高周波電流は、複合部200を流れずに、複合部200と主体金具50との間で絶縁体10を介して流れ得る。このような高周波電流が、電波ノイズを生成し得る。主体金具50の後端50eよりも後方向Dfr側では、そのようなキャパシタが形成されないので、高周波電流は、複合部200から主体金具50へ移動せずに、複合部200を流れる。上述したように、複合部200は、インダクタンス素子として機能することによって、高周波電流を抑制できる。以上により、複合部200のうちの主体金具50の後端50eよりも後方向Dfr側に配置された部分は、高周波電流、ひいては、電波ノイズを、効果的に抑制できる。外長L2は、複合部200のうちの電波ノイズを効果的に抑制する部分の長さを示している。
A−3.製造方法:
点火プラグ100の製造方法としては、任意の方法を採用可能である。例えば、以下の製造方法を採用可能である。まず、絶縁体10と、中心電極20と、端子金具40と、導電性シール部60、80のそれぞれの材料粉末と、複合部200の材料粉末と、を準備する。
点火プラグ100の製造方法としては、任意の方法を採用可能である。例えば、以下の製造方法を採用可能である。まず、絶縁体10と、中心電極20と、端子金具40と、導電性シール部60、80のそれぞれの材料粉末と、複合部200の材料粉末と、を準備する。
複合部200の材料粉末は、例えば、以下のように準備される。フェライトの材料粉末にバインダなどの液体を添加して混合することによって、磁性粒子を形成する。例えば、フェライトの材料粉末の粒子が凝集することによって、磁性粒子が形成される。また、フェライトの材料粉末の粒子がバインダを介して互いにくっつくことによって、磁性粒子が形成される。こうして得られた磁性粒子に、例えば、無電解メッキによって、磁性粒子の表面を覆う導電性物質の被覆層を形成する。そして、被覆層で覆われた磁性粒子(すなわち、複合粒子)の粉末と、支持領域810の材料粉末とを、混合することによって、複合部200の材料粉末を準備する。なお、支持領域810の材料粉末は、フェライトの材料粉末と、ガラスの材料粉末とを混合することによって、準備される。なお、メッキに代えて、磁性粒子の粉末の表面にバインダを塗布し、導電性物質の粒子を磁性粒子の表面に付着させることによって、被覆層を形成してもよい。
次に、絶縁体10(図1)の貫通孔12の後端方向Dfr側の開口(以下、「後開口10q」と呼ぶ)から、中心電極20を挿入する。図1で説明したように、中心電極20は、絶縁体10の縮内径部11によって支持されることによって、貫通孔12内の所定位置に配置される。
次に、第1シール部72、抵抗体73、第2シール部74、複合部200、第3シール部76のそれぞれの材料粉末の投入と投入された粉末材料の成形とが、部材72、73、74、200、76の順番に、行われる。粉末材料の投入は、貫通孔12の後開口10qから行われる。投入された粉末材料の成形は、開口10qから挿入した棒を用いて、行われる。材料粉末は、対応する部材の形状と略同じ形状に、成形される。
次に、絶縁体10を、部材72、73、74、200、76の材料粉末に含まれるガラス成分の軟化点よりも高い所定温度まで加熱し、所定温度に加熱した状態で、貫通孔12の開口10qから、端子金具40の軸部41を貫通孔12に挿入する。この結果、部材72、73、74、200、76の材料粉末が圧縮および焼結されて、シール部72、74、76と、抵抗体73と、複合部200と、のそれぞれが形成される。そして、端子金具40が、絶縁体10に固定される。
次に、絶縁体10の外周に主体金具50を組み付け、主体金具50に、接地電極30を固定する。次に、接地電極30を屈曲して、点火プラグを完成させる。なお、絶縁体10に主体金具50を組み付けるよりも前に、接地電極30が主体金具50に固定されてもよい。
B.評価試験:
B−1.概要
点火プラグの複数種類のサンプルを用いた評価試験について説明する。図4に示す表は、サンプルの種類の番号と、各サンプルのそれぞれの構成と、評価試験の結果と、を示している。この評価試験では、A1番からA25番と、B1番からB7番と、の32種類のサンプルが評価された。後述する複数のパラメータと複数の試験結果との関係を特定するために、同じ条件下で製造された複数のサンプルが、同じ種類のサンプルとして用いられた。
B−1.概要
点火プラグの複数種類のサンプルを用いた評価試験について説明する。図4に示す表は、サンプルの種類の番号と、各サンプルのそれぞれの構成と、評価試験の結果と、を示している。この評価試験では、A1番からA25番と、B1番からB7番と、の32種類のサンプルが評価された。後述する複数のパラメータと複数の試験結果との関係を特定するために、同じ条件下で製造された複数のサンプルが、同じ種類のサンプルとして用いられた。
サンプルの構成としては、複合部200の構成と、プラグの構成と、が示されている。複合部200の構成としては、磁性領域830の構成と、導電領域820の構成と、支持領域810の構成と、複合部200の長さL1、外長L2と、が示されている。磁性領域830の構成としては、磁性領域830の組成と、最大径の平均Dc(平均最大径Dcとも呼ぶ)と、気孔率R1と、面積Sと、が示されている(詳細は、後述)。導電領域820の構成としては、導電領域820に含まれる導電性物質と、平均厚Tと、が示されている。支持領域810の構成としては、支持領域810のガラスに含まれる元素(Si、B、Pのいずれかと、アルカリ金属とアルカリ土類金属とのいずれかに分類される元素)と、気孔率R2と、が示されている(詳細は、後述)。評価試験の結果としては、耐久試験前の電波ノイズ強度(試験前ノイズ強度とも呼ぶ)と、耐久試験後の電波ノイズ強度(試験後ノイズ強度とも呼ぶ)と、が示されている。以下、表に示す上記の各項目について、順に説明する。
磁性領域830の組成(ここでは、フェライトの焼結体の組成)は、サンプルの磁性領域830のフェライトの材料の組成を示している。図4の表に示すように、種々のフェライトが用いられた(詳細は後述)。なお、磁性領域830の組成は、微小X線回折法などの分析によって、特定されてもよい。
平均最大径Dcは、複合部200の断面における磁性粒領域835(図2)の最大径の平均である(図4の表での単位は、mm)。平均最大径の算出方法は、以下の通りである。まず、複合部200の断面を、鏡面研磨し、SEM(走査型電子顕微鏡)で撮影することによって、図2で説明した第1矩形領域800の断面画像を取得した(第1断面画像とも呼ぶ)。ここで、加速電圧は15kVに設定された。第1断面画像を、磁性粒領域835と他の領域とを分離できるように調整された閾値を用いて2値化して、第1断面画像上の複数の磁性粒領域835を特定した。特定された各磁性粒領域835の最大径を測定した。最大径は、磁性粒領域835(フェライト焼結体)の外径が最大となるように長辺を設定したときの、長辺の長さ(すなわち、最大の外径)である。換言すれば、最大径は、断面上で磁性粒領域835の外径をあらゆる方向で測定したときの最大値である。そして、対象領域800に含まれる複数の粒領域835のそれぞれの最大径の平均を、平均最大径Dcとして算出した。なお、平均最大径Dcの算出には、第1矩形領域800に全体が含まれる磁性粒領域835が用いられた。磁性粒領域835の一部が第1矩形領域800の外に位置する場合、その磁性粒領域835は、平均最大径Dcの算出には用いられなかった。
気孔率R1は、図2の複合部200の断面における複数の磁性粒領域835(すなわち、磁性領域830)の内部の気孔率である(図4の表での単位は、%)。気孔率R1は、磁性粒領域835の面積(気孔832の面積を含む)に対する気孔832の面積の割合である。磁性粒領域835の面積は、2値化されたSEM画像を用いて特定された磁性粒領域835の面積を算出することによって、特定された。気孔832の面積については、以下の通りである。まず、SEM画像の2値化の閾値を、気孔832と他の領域とを分離できるように調整することによって、SEM画像上の気孔832の領域を特定した。そして、特定された気孔832の領域の面積を算出した。算出された面積を用いて、気孔率R1を算出した。なお、気孔率R1の算出には、以下に説明する第2矩形領域の断面画像が用いられた。第2矩形領域は、軸線CLに平行な方向の長さが200μmであり、軸線CLに垂直な方向の長さが200μmである特定の矩形状(ここでは、正方形)の領域である(図示省略)。図2の上段の右部の断面に示された矩形領域920は、第2矩形領域の例である。第2矩形領域は、図2で説明した第1矩形領域800内から選択された。また、第2矩形領域は、磁性粒領域835の断面を含むように、決定された。第2矩形領域の断面画像を取得する際には、電子顕微鏡の設定は、視野領域がおおよそ第2矩形領域となるように、調整された。気孔率R1を算出するにあたり、断面上の複数の磁性粒領域835から第2矩形領域内に磁性粒領域835の少なくとも一部が含まれるような磁性粒領域835を選択した。そして、選択された1以上の磁性粒領域835の第2矩形領域内での気孔率の平均値を算出した。本評価試験では、互いに異なる10個の第2矩形領域のそれぞれに関して、気孔率の平均値が算出された。そして、10個の第2矩形領域から得られる気孔率の10個の平均値の平均値を、気孔率R1として採用した。
面積Sは、図2の対象領域800内における複数の磁性粒領域835の総面積(すなわち、磁性領域830の総面積)である(図4の表での単位は、cm2)。この総面積(すなわち、面積S)の算出には、全体が対象領域800内に位置するような磁性粒領域835に加えて、一部分が対象領域800の外に位置するような磁性粒領域835も、用いられた。
導電領域820の導電性物質は、サンプルの導電領域820の材料に含まれる導電性物質を示している。図4の表に示すように、金(Au)、ニッケル(Ni)、リン(P)、ホウ素(B)、銅(Cu)、銀(Ag)から選択された1種または2種の物質が、用いられた。
導電領域820の平均厚Tは、断面900上の対象領域800における被覆領域825の厚さ(すなわち、導電領域820の厚さ)の平均値である。図2の中段の右部には、1個の複合粒領域840aを含む断面の拡大図が示されている。複合粒領域840aは、磁性粒領域835aと、磁性粒領域835aを被覆する被覆領域825a(すなわち、導電領域820の一部)と、で構成されている。この被覆領域825aは、右下の複合粒領域840bの被覆領域825bと接触しており、また、上の複合粒領域840cの被覆領域825cと接触している。2つの複合粒領域の被覆領域が接触する場合、2つの接触領域の境界線が不明瞭である場合がある。このような場合には、境界線を、以下のように特定可能である。複合粒領域840aの右下に位置する被覆領域825a、825bの接触部分は、支持領域810の互いに対向する2つの突出部811、812によって挟まれている。この2つの突出部811、812を接続する最短の直線BL1を、境界線として採用する。同様に、複合粒領域840aの上に位置する被覆領域825a、825bの接触部分は、支持領域810の互いに対向する2つの突出部813、814によって挟まれている。この2つの突出部813、814を接続する最短の直線BL2を、境界線として採用する。一般的には、2つの複合粒領域840の被覆領域825が接触する場合、接触部分を形成する支持領域810の括れた部分を結ぶ最短の直線が、境界線として用いられる。この境界線が、複合粒領域840(すなわち、被覆領域825)の輪郭の一部として用いられる。
図2の下段には、1つの複合粒領域840aからの導電領域820の厚さの算出の説明図が示されている。下段の左部に示された円851は、磁性粒領域835aの面積と同じ面積を有する仮想円である。図中の直径D1は、この仮想円851の直径である。この直径D1は、磁性粒領域835aを円で近似して得られる直径である(「近似径D1」とも呼ぶ)。図2の下段の右部に示された円852は、複合粒領域840aの面積(すなわち、被覆領域825aの外周側の輪郭によって囲まれる領域の面積)と同じ面積を有する仮想円である。この仮想円852の面積は、磁性粒領域835aの面積と被覆領域825aの面積との合計値と同じである。図中の直径D2は、この仮想円852の直径である。この直径D2は、複合粒領域840aを円で近似して得られる直径である(「近似径D2」とも呼ぶ)。複合粒領域840aの導電領域820(ここでは、被覆領域825a)の厚さTaは、(D2−D1)/2で算出される。
以上のように、1個の複合粒領域840の被覆領域825の厚さ(すなわち、導電領域820の厚さ)は、複合粒領域840を近似する仮想円の直径(例えば、仮想円852の直径D2)と、磁性粒領域835を近似する仮想円の直径(例えば、仮想円851の直径D1)と、を用いて算出される。平均厚Tは、対象領域800に含まれる複数の複合粒領域840の導電領域820の厚さの平均である。なお、平均厚Tの算出には、対象領域800に全体が含まれる複合粒領域840が用いられた。複合粒領域840の一部が対象領域800の外に位置する場合、その複合粒領域840は、平均厚Tの算出には用いられなかった。また、複合粒領域840が他の複合粒領域840と接触する場合、接触部分を形成する支持領域810の括れた部分を結ぶ最短の直線が、境界線として用いられた。
支持領域810のガラスに含まれる元素は、サンプル(特に、A11番からA25番のサンプル)の支持領域810の材料のうちガラスの材料に含まれる元素を示している。図4の表では、シリコン(Si)、ホウ素(B)、リン(P)のいずれかと、アルカリ金属とアルカリ土類金属とのいずれかに分類される元素と、が示されている。アルカリ金属とアルカリ土類金属とのいずれかに分類される元素としては、Na、Ca、K、Mgから選択された1種、2種、または、3種の元素が含まれ得る。
複合部200の気孔率R2は、支持領域810(例えば、フェライトとガラスの混合物)における気孔率である。気孔率R2は、図2の複合部200の断面における、支持領域810の面積(気孔の面積を含む)に対する支持領域810内の気孔の面積の割合である。本評価試験では、SEM画像の2値化の閾値を、支持領域810と他の領域とを分離できるように調整して、SEM画像上の支持領域810を特定し、支持領域810の面積を算出した。また、SEM画像の2値化の閾値を、支持領域810内の気孔と気孔以外の領域とを分離できるように調整することによって、SEM画像上の気孔の領域を特定し、気孔の領域の面積を算出した。そして、算出された面積を用いて、気孔率R2を算出した。なお、気孔率R2の算出には、上述した第2矩形領域と同じ矩形状の領域である第3矩形領域の断面画像が用いられた。図2の上段の右部の断面に示された矩形領域930は、第3矩形領域の例である。第3矩形領域は、図2で説明した第1矩形領域800内から選択された。また、第3矩形領域は、支持領域810の断面を含むように、決定された。第3矩形領域の断面画像を取得する際には、電子顕微鏡の設定は、視野領域がおおよそ第3矩形領域となるように、調整された。本評価試験では、互いに異なる10個の第3矩形領域のそれぞれに関して、支持領域810の面積(気孔の面積を含む)に対する支持領域810内の気孔の面積の割合が算出された。そして、10個の第3矩形領域から得られる10個の割合の平均値を、気孔率R2として採用した。
複合部200の長さL1と外長L2とは、図3で説明した長さL1と外長L2とである。
プラグの構成としては、複合部200を挟むシール部74、76の有無と、抵抗体73の有無と、が示されている。図4の表の「シール」の欄では、シール部74、76を有するサンプルに関しては、「A」が示されている。本評価試験では、全てのサンプルが、シール部74、76を有している。「抵抗体」の欄では、抵抗体73を有するサンプルに関しては、「A」が示されて、抵抗体73と第1シール部72とが省略されたサンプルに関しては、「−」が示されている。抵抗体73が省略された場合、複合部200と中心電極20との間には、第2シール部74が設けられ、第2シール部74が、中心電極20と複合部200とを接続する。
電波ノイズ強度は、JASO D002−2(日本自動車技術会伝送規格D−002−2)の「自動車−電波雑音特性−第2部:防止器の測定方法 電流法」に従って測定された。具体的には、スパークプラグのサンプルに電圧を印加して放電させた。そして、放電時に、電流プローブを用いて端子金具を流れる電流を測定し、測定された値を、比較のためにdBに換算した。ノイズとしては、50MHz、75MHzの2種類の周波数のノイズが測定された。表中の強度は、所定の基準に対するノイズの強度を示している。数値が大きいほど、ノイズが強い。
耐久試験は、摂氏350度の環境下で、20kVの放電電圧で、3600回/分の放電周期で、スパークプラグのサンプルに100時間放電させる試験である。このような耐久試験によって複合部200の劣化が進行し得る。複合部200の劣化が進行することによって、耐久試験後のノイズが、耐久試験前のノイズよりも、強くなり得る。
B−2.磁性領域830の組成(フェライトの焼結体の組成)について:
図4の表に示すように、A1番からA25番のそれぞれの磁性領域830のフェライトの焼結体は、Ni、Zn、Cu、Mn、Mg、Caの少なくとも1つを含んでいた。また、A1番からA25番に関して、試験前ノイズ強度は、83dB(50MHz)、76dB(75MHz)以下であり、試験後ノイズ強度は、87dB(50MHz)、82dB(75MHz)以下であった。一方、B1番のサンプルの磁性領域830のフェライトの焼結体は、BaFe12O19であり、Ni、Zn、Cu、Mn、Mg、Caのいずれも含んでいない。そして、B1番のサンプルに関しては、試験前ノイズ強度は、89dB(50MHz)、85dB(75MHz)であり、試験後ノイズ強度は、93dB(50MHz)、91dB(75MHz)であった。このように、A1番からA25番の試験前ノイズ強度は、B1番の試験前ノイズ強度と比べて、6dB(50MHz)、9dB(75MHz)以上改善された。さらに、A1番からA25番の試験後ノイズ強度は、B1番の試験後ノイズ強度と比べて、6dB(50MHz)、9dB(75MHz)以上改善された。このように、Ni、Zn、Cu、Mn、Mg、Caの少なくとも1つを含むフェライトを用いて複合部200を形成することによって、ノイズ強度を大幅に改善でき、そして、耐久性を大幅に改善できた。
図4の表に示すように、A1番からA25番のそれぞれの磁性領域830のフェライトの焼結体は、Ni、Zn、Cu、Mn、Mg、Caの少なくとも1つを含んでいた。また、A1番からA25番に関して、試験前ノイズ強度は、83dB(50MHz)、76dB(75MHz)以下であり、試験後ノイズ強度は、87dB(50MHz)、82dB(75MHz)以下であった。一方、B1番のサンプルの磁性領域830のフェライトの焼結体は、BaFe12O19であり、Ni、Zn、Cu、Mn、Mg、Caのいずれも含んでいない。そして、B1番のサンプルに関しては、試験前ノイズ強度は、89dB(50MHz)、85dB(75MHz)であり、試験後ノイズ強度は、93dB(50MHz)、91dB(75MHz)であった。このように、A1番からA25番の試験前ノイズ強度は、B1番の試験前ノイズ強度と比べて、6dB(50MHz)、9dB(75MHz)以上改善された。さらに、A1番からA25番の試験後ノイズ強度は、B1番の試験後ノイズ強度と比べて、6dB(50MHz)、9dB(75MHz)以上改善された。このように、Ni、Zn、Cu、Mn、Mg、Caの少なくとも1つを含むフェライトを用いて複合部200を形成することによって、ノイズ強度を大幅に改善でき、そして、耐久性を大幅に改善できた。
B−3.フェライト焼結体の平均最大径Dcについて:
A1番からA5番の平均最大径Dcは、0.75mm以上、1.45mm以下の範囲内であった。一方、B2番の平均最大径Dcは、A1番からA5番の平均最大径Dcの最小値(0.75mm)よりも小さい0.72mmであった。そして、B2番に関しては、試験前ノイズ強度は、90dB(50MHz)、84dB(75MHz)であり、試験後ノイズ強度は、94dB(50MHz)、90dB(75MHz)であった。耐久試験の前と後との両方において、A1番からA5番のノイズ強度は、B2番のノイズ強度と比べて、7dB(50MHz)、8dB(75MHz)以上改善された。このように、平均最大径Dcが大きい場合にノイズ強度を低減できる理由は、平均最大径Dcが過度に小さい場合と比べて、複合部200における導電領域820の割合が小さくなることによって、導電領域820を流れる高周波電流の電流密度が高くなり、高周波電流に対する損失が大きくなるからだと推定される。
A1番からA5番の平均最大径Dcは、0.75mm以上、1.45mm以下の範囲内であった。一方、B2番の平均最大径Dcは、A1番からA5番の平均最大径Dcの最小値(0.75mm)よりも小さい0.72mmであった。そして、B2番に関しては、試験前ノイズ強度は、90dB(50MHz)、84dB(75MHz)であり、試験後ノイズ強度は、94dB(50MHz)、90dB(75MHz)であった。耐久試験の前と後との両方において、A1番からA5番のノイズ強度は、B2番のノイズ強度と比べて、7dB(50MHz)、8dB(75MHz)以上改善された。このように、平均最大径Dcが大きい場合にノイズ強度を低減できる理由は、平均最大径Dcが過度に小さい場合と比べて、複合部200における導電領域820の割合が小さくなることによって、導電領域820を流れる高周波電流の電流密度が高くなり、高周波電流に対する損失が大きくなるからだと推定される。
B3番の平均最大径Dcは、A1番からA5番の平均最大径Dcの最大値(1.45mm)よりも大きい1.48mmであった。そして、B3番に関しては、試験前ノイズ強度は、91dB(50MHz)、84dB(75MHz)であり、試験後ノイズ強度は、95dB(50MHz)、90dB(75MHz)であった。耐久試験の前と後との両方において、A1番からA5番のノイズ強度は、B3番のノイズ強度と比べて、8dB(50MHz)、8dB(75MHz)以上改善された。このように、平均最大径Dcが小さい場合にノイズ強度を低減できる理由は、平均最大径Dcが過度に大きい場合と比べて、磁性体の近くを通る多数の細かい導電経路が形成されるので、高周波電流に対する損失が大きくなるからだと推定される。
ノイズを適切に抑制したA1番からA5番の平均最大径Dcは、小さい順に、0.75、0.88、1.03、1.12、1.45[mm]であった。平均最大径Dcの好ましい範囲(下限以上、上限以下の範囲)を、上記の5個の値を用いて定めることが可能である。具体的には、上記の5個の値のうちの任意の値を、平均最大径Dcの好ましい範囲の下限として採用可能である。また、これらの値のうちの下限以上の任意の値を、上限として採用可能である。例えば、平均最大径Dcの好ましい範囲として、0.75mm以上、1.45mm以下の範囲を採用可能である。
B−4.フェライト焼結体の気孔率R1について:
ノイズを適切に抑制したA1番からA5番の気孔率R1は、2.0%以上、7.0%以下の範囲内であった。一方、B4番の気孔率R1は、A1番からA5番の気孔率R1の最小値(2.0%)よりも小さい1.9%であった。また、B4番に関しては、試験前ノイズ強度は、90dB(50MHz)、85dB(75MHz)であり、試験後ノイズ強度は、94dB(50MHz)、91dB(75MHz)であった。耐久試験の前と後との両方において、A1番からA5番のノイズ強度は、B4番のノイズ強度と比べて、7dB(50MHz)、9dB(75MHz)以上改善された。なお、気孔率R1を過度に小さくする場合(例えば、気孔率R1を1.5%未満にする場合)、焼結体を製造するための負担(ひいては、コスト)が増大し得る。
ノイズを適切に抑制したA1番からA5番の気孔率R1は、2.0%以上、7.0%以下の範囲内であった。一方、B4番の気孔率R1は、A1番からA5番の気孔率R1の最小値(2.0%)よりも小さい1.9%であった。また、B4番に関しては、試験前ノイズ強度は、90dB(50MHz)、85dB(75MHz)であり、試験後ノイズ強度は、94dB(50MHz)、91dB(75MHz)であった。耐久試験の前と後との両方において、A1番からA5番のノイズ強度は、B4番のノイズ強度と比べて、7dB(50MHz)、9dB(75MHz)以上改善された。なお、気孔率R1を過度に小さくする場合(例えば、気孔率R1を1.5%未満にする場合)、焼結体を製造するための負担(ひいては、コスト)が増大し得る。
B5番の気孔率R1は、A1番からA5番の気孔率R1の最大値(7.0%)よりも大きい7.2%であった。そして、B5番に関しては、試験前ノイズ強度は、92dB(50MHz)、87dB(75MHz)であり、試験後ノイズ強度は、96dB(50MHz)、93dB(75MHz)であった。耐久試験の前と後との両方において、A1番からA5番のノイズ強度は、B5番の同じ周波数のノイズ強度と比べて、9dB(50MHz)、9dB(75MHz)以上改善された。このように、気孔率R1が小さい場合に耐久試験前のノイズ強度に加えて耐久試験後のノイズ強度も抑制できる理由は、以下のように推定される。すなわち、気孔率R1が小さい場合には、気孔内での部分放電が抑制されるので、磁性領域830の耐久性が向上すると推定される。また、気孔内での部分放電が抑制されるので、その分、導電領域820を流れる電流が大きくなり、この結果、高周波電流に対する損失が大きくなると推定される。また、気孔率R1が小さい場合には、磁性領域830の内部において高周波電流を抑制する磁性体とは異なる気孔832の割合が小さいので、高周波電流を抑制できると推定される。
ノイズを適切に抑制したA1番からA5番の気孔率R1は、小さい順に、2.0、3.3、4.8、5.2、7.0[%]であった。気孔率R1の好ましい範囲(下限以上、上限以下の範囲)を、上記の5個の値を用いて定めることが可能である。具体的には、上記の5個の値のうちの任意の値を、気孔率R1の好ましい範囲の下限として採用可能である。また、これらの値のうちの下限以上の任意の値を、上限として採用可能である。例えば、気孔率R1の好ましい範囲として、2.0%以上、7.0%以下の範囲を採用可能である。
B−5.フェライト焼結体の面積Sについて:
ノイズを適切に抑制したA1番からA5番の面積Sは、0.03cm2以上、0.07cm2以下の範囲内であった。一方、B6番の面積Sは、A1番からA5番の面積Sの最小値(0.03cm2)よりも小さい0.02cm2であった。また、B6番に関しては、試験前ノイズ強度は、91dB(50MHz)、96dB(75MHz)であり、試験後ノイズ強度は、95dB(50MHz)、102dB(75MHz)であった。耐久試験の前と後との両方において、A1番からA5番のノイズ強度は、B6番のノイズ強度と比べて、8dB(50MHz)、20dB(75MHz)以上改善された。このように、磁性領域830の面積Sが大きい場合にノイズ強度を低減できる理由は、複合部200における磁性領域830の割合が大きくなることによって、導電領域820を流れる高周波電流に対するインダクタンス素子としての効果が大きくなり、高周波電流が抑制されるからだと推定される。
ノイズを適切に抑制したA1番からA5番の面積Sは、0.03cm2以上、0.07cm2以下の範囲内であった。一方、B6番の面積Sは、A1番からA5番の面積Sの最小値(0.03cm2)よりも小さい0.02cm2であった。また、B6番に関しては、試験前ノイズ強度は、91dB(50MHz)、96dB(75MHz)であり、試験後ノイズ強度は、95dB(50MHz)、102dB(75MHz)であった。耐久試験の前と後との両方において、A1番からA5番のノイズ強度は、B6番のノイズ強度と比べて、8dB(50MHz)、20dB(75MHz)以上改善された。このように、磁性領域830の面積Sが大きい場合にノイズ強度を低減できる理由は、複合部200における磁性領域830の割合が大きくなることによって、導電領域820を流れる高周波電流に対するインダクタンス素子としての効果が大きくなり、高周波電流が抑制されるからだと推定される。
B7番の面積Sは、A1番からA5番の面積Sの最大値(0.07cm2)よりも大きい0.08cm2であった。B7番に関しては、試験前ノイズ強度は、89dB(50MHz)、85dB(75MHz)であり、試験後ノイズ強度は、93dB(50MHz)、91dB(75MHz)であった。耐久試験の前と後との両方において、A1番からA5番のノイズ強度は、B7番のノイズ強度と比べて、6dB(50MHz)、9dB(75MHz)以上改善された。このように、面積Sが小さい場合にノイズ強度を低減できる理由は、面積Sが過度に大きい場合と比べて、面積Sが小さい場合には、電流密度が高くなり、この結果、高周波電流に対する損失が大きくなるからだと推定される。
ノイズを適切に抑制したA1番からA5番の面積Sは、小さい順に、0.03、0.04、0.05、0.07[cm2]であった。面積Sの好ましい範囲(下限以上、上限以下の範囲)を、上記の5個の値を用いて定めることが可能である。具体的には、上記の5個の値のうちの任意の値を、面積Sの好ましい範囲の下限として採用可能である。また、これらの値のうちの下限以上の任意の値を、上限として採用可能である。例えば、面積Sの好ましい範囲として、0.03cm2以上、0.07cm2以下の範囲を採用可能である。
なお、B1番からB7番のフェライトの組成と平均最大径Dcと気孔率R1と面積Sとのうち、A1番からA5番と対比されたパラメータ以外のパラメータは、上記の好ましい範囲内である。例えば、B2番の平均最大径Dcは、上記の好ましい範囲外であるが、フェライトの組成と気孔率R1と面積Sとは、上記の好ましい範囲内である。従って、フェライトの組成と、平均最大径Dcと、気孔率R1と、面積Sと、の全てが、上記の好ましい範囲内であることによって、ノイズ強度を大幅に低減できると推定される。
B−6.導電領域820の導電性物質と平均厚Tとについて:
図4の表に示すように、A1番からA5番のそれぞれの導電領域820の導電性物質は、金(Au)であり、平均厚Tは、0.3μmであった。また、A1番からA5番に関して、試験前ノイズ強度の最小値は、81dB(50MHz)、75dB(75MHz)であり、試験後ノイズ強度の最小値は、85dB(50MHz)、81dB(75MHz)であった。一方、A6番からA10番の導電性物質は、番号の順に、「Ni,P」、「Ni、B」、「Cu」、「Ag」、「Ni,B」であった。A6番からA10番の平均厚Tは、0.5μm以上、7.5μm以下の範囲内であった。そして、A6番からA10番に関しては、試験前ノイズ強度は、79dB(50MHz)、73dB(75MHz)以下であり、試験後ノイズ強度は、83dB(50MHz)、79dB(75MHz)以下であった。耐久試験の前と後との両方において、A6番からA10番のノイズ強度は、A1番からA5番のノイズ強度と比べて、2dB(50MHz)、2dB(75MHz)以上改善された。
図4の表に示すように、A1番からA5番のそれぞれの導電領域820の導電性物質は、金(Au)であり、平均厚Tは、0.3μmであった。また、A1番からA5番に関して、試験前ノイズ強度の最小値は、81dB(50MHz)、75dB(75MHz)であり、試験後ノイズ強度の最小値は、85dB(50MHz)、81dB(75MHz)であった。一方、A6番からA10番の導電性物質は、番号の順に、「Ni,P」、「Ni、B」、「Cu」、「Ag」、「Ni,B」であった。A6番からA10番の平均厚Tは、0.5μm以上、7.5μm以下の範囲内であった。そして、A6番からA10番に関しては、試験前ノイズ強度は、79dB(50MHz)、73dB(75MHz)以下であり、試験後ノイズ強度は、83dB(50MHz)、79dB(75MHz)以下であった。耐久試験の前と後との両方において、A6番からA10番のノイズ強度は、A1番からA5番のノイズ強度と比べて、2dB(50MHz)、2dB(75MHz)以上改善された。
より良好なノイズ強度を実現したA6番からA10番の導電性物質は、Ni、P、B、Cu、Agの少なくとも1つを含んでいる。このような導電性物質を用いる場合に耐久試験前のノイズ強度に加えて耐久試験後のノイズ強度も抑制できる理由は、導電領域820と磁性領域830との密着性が向上し、通電による導電領域820の損傷(例えば、磁性領域830からの導電領域820の剥離)が抑制されるからだと推定される。
また、より良好なノイズ強度を実現したA6番からA10番の平均厚Tは、A1番からA5番の平均厚Tよりも大きい。このように、平均厚Tが大きい場合に耐久試験前のノイズ強度に加えて耐久試験後のノイズ強度も抑制できる理由は、平均厚Tが過度に小さい場合と比べて、通電による導電領域820の損傷(例えば、磁性領域830からの導電領域820の剥離)が抑制されるからだと推定される。
なお、より良好なノイズ強度を実現したA6番からA10番の平均厚Tは、小さい順に、0.5、1.8、4.5、6.2、7.5[μm]であった。平均厚Tの好ましい範囲(下限以上、上限以下の範囲)を、上記の5個の値を用いて定めることが可能である。具体的には、上記の5個の値のうちの任意の値を、平均厚Tの好ましい範囲の下限として採用可能である。また、これらの値のうちの下限以上の任意の値を、上限として採用可能である。例えば、平均厚Tの好ましい範囲として、0.5μm以上、7.5μm以下の範囲を採用可能である。なお、平均厚Tが過度に小さい場合には、複合部200の耐久性が低下すると推定される。また、平均厚Tが過度に大きい場合には、導電領域820の高価な材料の量が多くなる。
なお、A6番からA10番の磁性領域830の構成、具体的には、フェライト焼結体の組成と平均最大径Dcと気孔率R1と面積Sとのそれぞれは、A1番からA5番を用いて説明した上記の好ましい範囲内であった。このように、磁性領域830の上記の好ましい構成に、導電領域820の上記の好ましい構成(具体的には、導電物質と、平均厚T)を適用することによって、さらに良好なノイズ強度を実現できた。
B−7.複合部200の長さL1について:
図4の表に示すように、A11番からA14番のそれぞれの長さL1は、3.0mm以上であった。また、A11番からA14番に関しては、試験前ノイズ強度は、72dB(50MHz)、69dB(75MHz)以下であり、試験後ノイズ強度は、76dB(50MHz)、75dB(75MHz)以下であった。一方、A1番からA10番のそれぞれの長さL1は、2.9mm以下であった。そして、A1番からA10番に関しては、試験前ノイズ強度は、77dB(50MHz)、71dB(75MHz)以上であり、試験後ノイズ強度は、81dB(50MHz)、77dB(75MHz)以上であった。耐久試験の前と後との両方において、A11番からA14番のノイズ強度は、A1番からA10番のノイズ強度と比べて、5dB(50MHz)、2dB(75MHz)以上改善された。複合部200長さL1が長い場合にノイズ強度を低減できる理由は、長さL1が長いほど、複合部200によるノイズ抑制の効果が大きいからだと推定される。
図4の表に示すように、A11番からA14番のそれぞれの長さL1は、3.0mm以上であった。また、A11番からA14番に関しては、試験前ノイズ強度は、72dB(50MHz)、69dB(75MHz)以下であり、試験後ノイズ強度は、76dB(50MHz)、75dB(75MHz)以下であった。一方、A1番からA10番のそれぞれの長さL1は、2.9mm以下であった。そして、A1番からA10番に関しては、試験前ノイズ強度は、77dB(50MHz)、71dB(75MHz)以上であり、試験後ノイズ強度は、81dB(50MHz)、77dB(75MHz)以上であった。耐久試験の前と後との両方において、A11番からA14番のノイズ強度は、A1番からA10番のノイズ強度と比べて、5dB(50MHz)、2dB(75MHz)以上改善された。複合部200長さL1が長い場合にノイズ強度を低減できる理由は、長さL1が長いほど、複合部200によるノイズ抑制の効果が大きいからだと推定される。
より良好なノイズ強度を実現したA11番からA14番の複合部200の長さL1は、小さい順に、3.0、3.9、7.9、8.8[mm]であった。長さL1の好ましい範囲(下限以上、上限以下の範囲)を、上記の4個の値を用いて定めることが可能である。具体的には、上記の4個の値のうちの任意の値を、長さL1の好ましい範囲の下限として採用可能である。例えば、長さL1は、3.0mm以上であってよい。また、これらの値のうちの下限以上の任意の値を、上限として採用可能である。例えば、長さL1は、8.8mm以下であってよい。なお、複合部200の長さL1が長いほど、複合部200によるノイズ抑制の効果が大きくなると推定される。従って、複合部200の長さL1が、A11番からA14番の長さL1の最大値である8.8mmよりも大きい場合にも、適切にノイズを低減できると推定される。
なお、A11番からA14番の磁性領域830の構成と導電領域820の構成、具体的には、フェライト焼結体の組成と平均最大径Dcと気孔率R1と面積Sと、導電領域820の導電物質と平均厚Tと、のそれぞれは、A1番からA10番を用いて説明した上記の好ましい範囲内であった。このように、磁性領域830と導電領域820との上記の好ましい構成に、複合部200の長さL1の上記の好ましい範囲を適用することによって、さらに良好なノイズ強度を実現できた。なお、複合部200の内部の構成に依存せずに、複合部200の長さL1が長いほど、複合部200によるノイズ低減の効果が大きいと推定される。従って、長さL1の好ましい範囲は、磁性領域830と導電領域820との種々の構成に適用できると推定される。例えば、導電領域820の構成が、A6番からA10番を用いて説明した好ましい範囲外であってもよい。
B−8.支持領域810の気孔率R2について:
図4の表に示すように、A15番からA19番のそれぞれの気孔率R2は、1.5%以上、4.5%以下の範囲内であった。また、A15番からA19番に関しては、試験前ノイズ強度は、67dB(50MHz)、63dB(75MHz)以下であり、試験後ノイズ強度は、71dB(50MHz)、69dB(75MHz)以下であった。一方、A1番からA14番のそれぞれの気孔率R2は、4.8%以上であった。そして、A1番からA14番に関しては、試験前ノイズ強度は、71dB(50MHz)、68dB(75MHz)以上であり、試験後ノイズ強度は、75dB(50MHz)、74dB(75MHz)以上であった。耐久試験の前と後との両方において、A15番からA19番のノイズ強度は、A1番からA14番のノイズ強度と比べて、4dB(50MHz)、5dB(75MHz)以上改善された。このように、気孔率R2が小さい場合に耐久試験前のノイズ強度に加えて耐久試験後のノイズ強度も抑制できる理由は、気孔内での部分放電が抑制され、そして、支持領域810の耐久性が向上するからだと推定される。
図4の表に示すように、A15番からA19番のそれぞれの気孔率R2は、1.5%以上、4.5%以下の範囲内であった。また、A15番からA19番に関しては、試験前ノイズ強度は、67dB(50MHz)、63dB(75MHz)以下であり、試験後ノイズ強度は、71dB(50MHz)、69dB(75MHz)以下であった。一方、A1番からA14番のそれぞれの気孔率R2は、4.8%以上であった。そして、A1番からA14番に関しては、試験前ノイズ強度は、71dB(50MHz)、68dB(75MHz)以上であり、試験後ノイズ強度は、75dB(50MHz)、74dB(75MHz)以上であった。耐久試験の前と後との両方において、A15番からA19番のノイズ強度は、A1番からA14番のノイズ強度と比べて、4dB(50MHz)、5dB(75MHz)以上改善された。このように、気孔率R2が小さい場合に耐久試験前のノイズ強度に加えて耐久試験後のノイズ強度も抑制できる理由は、気孔内での部分放電が抑制され、そして、支持領域810の耐久性が向上するからだと推定される。
より良好なノイズ強度を実現したA15番からA19番の支持領域810の気孔率R2は、小さい順に、1.5、1.8、2.7、3.3、4.5[%]であった。気孔率R2の好ましい範囲(下限以上、上限以下の範囲)を、上記の5個の値を用いて定めることが可能である。具体的には、上記の5個の値のうちの任意の値を、気孔率R2の好ましい範囲の上限として採用可能である。例えば、気孔率R2は、4.5%以下であってよい。また、これらの値のうちの上限以下の任意の値を、下限として採用可能である。例えば、気孔率R2は、1.5%以上であってよい。なお、気孔率R2が小さいほど、部分放電が抑制され、また、部分放電による支持領域810の劣化を抑制できる。従って、気孔率R2が、A15番からA19番の気孔率R2の最小値である1.5%よりも小さい場合も、適切にノイズを低減でき、そして、耐久性を向上できると推定される。
なお、A15番からA19番の磁性領域830の構成と導電領域820の構成と複合部200の長さL1と、のそれぞれは、A1番からA14番を用いて説明した上記の好ましい範囲内であった。このように、磁性領域830と導電領域820と長さL1との上記の好ましい構成に、支持領域810の気孔率R2の上記の好ましい範囲を適用することによって、さらに良好なノイズ強度を実現できた。なお、支持領域810の気孔率R2が上記の好ましい範囲内である場合には、気孔率R2以外の複合部200のパラメータ(例えば、磁性領域830の構成、導電領域820の構成、複合部200の長さL1)に依存せずに、支持領域810の気孔での部分放電を抑制できると推定される。従って、気孔率R2の好ましい範囲は、複合部200の種々の構成に適用できると推定される。例えば、導電領域820の構成が、A6番からA10番を用いて説明した好ましい範囲外であってもよい。また、複合部200の長さL1が、A11番からA14番を用いて説明した好ましい範囲外であってもよい。
B−9.複合部200の外長L2について:
図4の表に示すように、A20番からA22番のそれぞれの外長L2は、1.5mm以上であった。また、A20番からA22番に関しては、試験前ノイズ強度は、63dB(50MHz)、59dB(75MHz)以下であり、試験後ノイズ強度は、67dB(50MHz)、65dB(75MHz)以下であった。一方、A1番からA19番のそれぞれの外長L2は、1.2mm以下であった。そして、A1番からA19番に関しては、試験前ノイズ強度は、65dB(50MHz)、62dB(75MHz)以上であり、試験後ノイズ強度は、69dB(50MHz)、68dB(75MHz)以上であった。耐久試験の前と後との両方において、A20番からA22番のノイズ強度は、A1番からA19番のノイズ強度と比べて、2dB(50MHz)、3dB(75MHz)以上改善された。このように、外長L2が大きい場合にノイズ強度を抑制できる理由は、外長L2が大きいほど、複合部200のうちのノイズ抑制の効果が大きい部分(すなわち、主体金具50(図3)の後端50eよりも後方向Dfr側の部分)が、大きいからである。
図4の表に示すように、A20番からA22番のそれぞれの外長L2は、1.5mm以上であった。また、A20番からA22番に関しては、試験前ノイズ強度は、63dB(50MHz)、59dB(75MHz)以下であり、試験後ノイズ強度は、67dB(50MHz)、65dB(75MHz)以下であった。一方、A1番からA19番のそれぞれの外長L2は、1.2mm以下であった。そして、A1番からA19番に関しては、試験前ノイズ強度は、65dB(50MHz)、62dB(75MHz)以上であり、試験後ノイズ強度は、69dB(50MHz)、68dB(75MHz)以上であった。耐久試験の前と後との両方において、A20番からA22番のノイズ強度は、A1番からA19番のノイズ強度と比べて、2dB(50MHz)、3dB(75MHz)以上改善された。このように、外長L2が大きい場合にノイズ強度を抑制できる理由は、外長L2が大きいほど、複合部200のうちのノイズ抑制の効果が大きい部分(すなわち、主体金具50(図3)の後端50eよりも後方向Dfr側の部分)が、大きいからである。
より良好なノイズ強度を実現したA20番からA22番の複合部200の外長L2は、小さい順に、1.5、2.6、3.3[mm]であった。外長L2の好ましい範囲(下限以上、上限以下の範囲)を、上記の3個の値を用いて定めることが可能である。具体的には、上記の3個の値のうちの任意の値を、外長L2の好ましい範囲の下限として採用可能である。例えば、外長L2は、1.5mm以上であってよい。すなわち、複合部200は、主体金具50(図3)に囲まれた部分から、主体金具50の50eから後方向Dfr側に1.5mm以上離れた位置まで、延びていてよい。また、これらの値のうちの下限以上の任意の値を、上限として採用可能である。例えば、外長L2は、3.3mm以下であってよい。なお、複合部200の外長L2が長いほど、複合部200によるノイズ低減の効果が大きくなると推定される。従って、複合部200の外長L2が、A20番からA22番の外長L2の最大値である3.3mmよりも大きい場合にも、適切にノイズを低減できると推定される。
なお、A20番からA22番の磁性領域830の構成と導電領域820の構成と複合部200の長さL1と気孔率R2と、のそれぞれは、A1番からA19番を用いて説明した上記の好ましい範囲内であった。このように、磁性領域830と導電領域820と長さL1と気孔率R2との上記の好ましい構成に、複合部200の外長L2の上記の好ましい範囲を適用することによって、さらに良好なノイズ強度を実現できた。なお、複合部200の外長L2が上記の好ましい範囲内である場合には、外長L2以外の複合部200のパラメータ(例えば、磁性領域830の構成、導電領域820の構成、複合部200の長さL1、気孔率R2)に依存せずに、複合部200のうちの主体金具50の後端50eよりも後方向Dfr側の部分が、電波ノイズを適切に抑制できると推定される。従って、外長L2の好ましい範囲は、複合部200の種々の構成に適用できると推定される。例えば、導電領域820の構成が、A6番からA10番を用いて説明した好ましい範囲外であってもよい。また、複合部200の長さL1が、A11番からA14番を用いて説明した好ましい範囲外であってもよい。また、支持領域810の気孔率R2が、A15番からA19番を用いて説明した好ましい範囲外であってもよい。
B−10.抵抗体73について:
図4の表に示すように、A23番からA25番のサンプルは、抵抗体73を備えている。また、A23番からA25番に関しては、試験前ノイズ強度は、56dB(50MHz)、52dB(75MHz)以下であり、試験後ノイズ強度は、60dB(50MHz)、58dB(75MHz)以下であった。一方、A1番からA22番のサンプルは、抵抗体73を備えていない。そして、A1番からA22番に関しては、試験前ノイズ強度は、62dB(50MHz)、58dB(75MHz)以上であり、試験後ノイズ強度は、66dB(50MHz)、64dB(75MHz)以上であった。耐久試験の前と後との両方において、A23番からA25番のノイズ強度は、A1番からA22番のノイズ強度と比べて、6dB(50MHz)、6dB(75MHz)以上改善された。このように、複合部200と中心電極20との間に抵抗体73を設けることによって、ノイズ強度を大幅に低減できた。
図4の表に示すように、A23番からA25番のサンプルは、抵抗体73を備えている。また、A23番からA25番に関しては、試験前ノイズ強度は、56dB(50MHz)、52dB(75MHz)以下であり、試験後ノイズ強度は、60dB(50MHz)、58dB(75MHz)以下であった。一方、A1番からA22番のサンプルは、抵抗体73を備えていない。そして、A1番からA22番に関しては、試験前ノイズ強度は、62dB(50MHz)、58dB(75MHz)以上であり、試験後ノイズ強度は、66dB(50MHz)、64dB(75MHz)以上であった。耐久試験の前と後との両方において、A23番からA25番のノイズ強度は、A1番からA22番のノイズ強度と比べて、6dB(50MHz)、6dB(75MHz)以上改善された。このように、複合部200と中心電極20との間に抵抗体73を設けることによって、ノイズ強度を大幅に低減できた。
なお、抵抗体73は、複合部200の構成(例えば、磁性領域830の構成、導電領域820の構成、複合部200の長さL1、気孔率R2、外長L2)に依存せずに、高周波電流に損失を付与することによって、電波ノイズを抑制できると推定される。従って、抵抗体73は、種々の構成の複合部200を備える点火プラグに適用できると推定される。例えば、導電領域820の構成が、A6番からA10番を用いて説明した好ましい範囲外であってもよい。また、複合部200の長さL1が、A11番からA14番を用いて説明した好ましい範囲外であってもよい。また、支持領域810の気孔率R2が、A15番からA19番を用いて説明した好ましい範囲外であってもよい。また、複合部200の外長L2は、A20番からA22番を用いて説明した範囲外であってもよい。
B−11.支持領域810について:
図4の表に示す複数種類のサンプルのそれぞれの支持領域810(図2)は、フェライトとガラスとの混合物で形成されている。具体的には、フェライトとしては、磁性領域830(フェライト焼結体)のフェライトと同じ組成のフェライトが用いられた。また、ガラスとしては、例えば、シリコンSiとホウ素BとリンPとのうちの少なくとも1種と、アルカリ金属とアルカリ土類金属とのいずれかに分類される1以上の元素と、を含むガラスが用いられた(図4の表には、A11番からA25番のサンプルのガラスに含まれる元素が示されている)。支持領域810に含まれるガラスは、焼成時に溶融することによって、複数の複合粒子(すなわち、複数の複合粒領域840)の間の隙間を埋めることができる。これにより、複合部200(特に、複合粒領域840以外の部分)に生じる気孔を小さくすることができる。この結果、気孔で生じる部分放電が抑制されるので、電波ノイズを抑制でき、そして、複合部200の耐久性を向上できる。また、支持領域810に含まれるフェライトは、インダクタンス素子として機能することによって、電波ノイズを抑制できる。
図4の表に示す複数種類のサンプルのそれぞれの支持領域810(図2)は、フェライトとガラスとの混合物で形成されている。具体的には、フェライトとしては、磁性領域830(フェライト焼結体)のフェライトと同じ組成のフェライトが用いられた。また、ガラスとしては、例えば、シリコンSiとホウ素BとリンPとのうちの少なくとも1種と、アルカリ金属とアルカリ土類金属とのいずれかに分類される1以上の元素と、を含むガラスが用いられた(図4の表には、A11番からA25番のサンプルのガラスに含まれる元素が示されている)。支持領域810に含まれるガラスは、焼成時に溶融することによって、複数の複合粒子(すなわち、複数の複合粒領域840)の間の隙間を埋めることができる。これにより、複合部200(特に、複合粒領域840以外の部分)に生じる気孔を小さくすることができる。この結果、気孔で生じる部分放電が抑制されるので、電波ノイズを抑制でき、そして、複合部200の耐久性を向上できる。また、支持領域810に含まれるフェライトは、インダクタンス素子として機能することによって、電波ノイズを抑制できる。
なお、支持領域810に含まれるガラスとしては、複合部200の焼成時に溶融可能な種々のガラスを採用可能である。支持領域810のガラスは、例えば、珪素(Si)とリン(P)とホウ素(B)のうちの1種以上の元素の酸化物を含んでよい(例えば、SiO2、B2O3、P2O5から任意に選択された1つ以上の酸化物)。また、ガラスは、1種以上のアルカリ金属(すなわち、周期律表第1族元素)を含んでよい(特に、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)のうちの1種以上)。例えば、Si、P、Bのうちの1種以上の元素の酸化物と、1種以上のアルカリ金属の酸化物と、を含むガラスを採用してよい。アルカリ金属の酸化物を含むガラスとしては、例えば、ホウケイ酸ガラスを採用してよい。また、ガラスは、1種以上のアルカリ土類金属(すなわち、周期律表第2族元素)を含んでよい(特に、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)のうちの1種以上)。例えば、Si、P、Bのうちの1種以上の元素の酸化物と、1種以上のアルカリ土類金属の酸化物と、を含むガラスを採用してよい。以上のようなガラスの材料としては、例えば、SiO2,B2O3,P2O5のうちの少なくとも1つと、Li2O,Na2O,K2O,Rb2O,MgO,CaO,SrO,BaOのうちの少なくとも1つと、を含む材料を採用してよい。
また、ガラスは、アルカリ金属、または、アルカリ土類金属の炭酸塩を含んでもよい。そのようなガラスの材料としては、例えば、SiO2,B2O3,P2O5のうちの少なくとも1つと、Li2CO3,Na2CO3,K2CO3,Rb2CO3,MgCO3,CaCO3,SrCO3,BaCO3のうちの少なくとも1つと、を含む材料を採用してよい。
また、ガラスは、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の酸化物と、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸塩と、の両方を含んでもよい。一般的には、支持領域810のガラスとしては、例えば、珪素(Si)とリン(P)とホウ素(B)とアルカリ金属とアルカリ土類金属とのうちの2種以上を含むガラスを採用してよい。さらに、ガラスとしては、珪素(Si)とリン(P)とホウ素(B)とのうちの少なくとも1つと、アルカリ金属とアルカリ土類金属とのうちの少なくとも1種と、を含むガラスを採用してよい。
また、支持領域810に含まれるフェライトとしては、インダクタンス素子として機能することが可能な種々の鉄含有酸化物を採用可能である。例えば、スピネルフェライト、ガーネットフェライト、六方晶フェライトのうちの少なくとも1種を採用してよい。また、支持領域810に含まれるフェライトは、磁性領域830に含まれるフェライトと同じであってもよく、磁性領域830に含まれるフェライトと異なっていてもよい。
C.変形例:
(1)複合部200の磁性領域830を形成するフェライト焼結体の材料としては、種々の鉄含有酸化物を採用可能である。例えば、種々のスピネルフェライトを採用してよい。具体的には、図4の表のサンプルで用いられた「(Ca,Zn)Fe2O4」、「(Mg,Zn)Fe2O4」、「(Mn,Zn)Fe2O4」、「(Ni,Zn)Fe2O4」、「(Ni,Zn,Cu)Fe2O4」の少なくとも1種を採用してよい。より一般的には、Ni、Zn、Cu、Mn、Mg、Caの少なくとも1つを含む鉄含有酸化物を採用してよい。
(1)複合部200の磁性領域830を形成するフェライト焼結体の材料としては、種々の鉄含有酸化物を採用可能である。例えば、種々のスピネルフェライトを採用してよい。具体的には、図4の表のサンプルで用いられた「(Ca,Zn)Fe2O4」、「(Mg,Zn)Fe2O4」、「(Mn,Zn)Fe2O4」、「(Ni,Zn)Fe2O4」、「(Ni,Zn,Cu)Fe2O4」の少なくとも1種を採用してよい。より一般的には、Ni、Zn、Cu、Mn、Mg、Caの少なくとも1つを含む鉄含有酸化物を採用してよい。
(2)複合部200の構成は、図4の評価試験で用いられたサンプルの構成に代えて、他の種々の構成であってよい。例えば、導電領域820は、Ni、P、B、Cu、Agから任意に選択された1以上の元素を含んでよい。これに代えて、導電領域820は、Ni、P、B、Cu、Agの何れをも含まずに、他の導電性物質(例えば、Au)を用いて形成されてもよい。また、支持領域810は、フェライトを含まずに、ガラスを用いて形成されてもよい。また、支持領域810は、ガラスに代えて、他の種々の絶縁材料(例えば、アルミナなどのセラミック)を用いて形成されてもよい。また、平均最大径Dcと気孔率R1と面積Sと平均厚Tと気孔率R2と長さL1と外長L2とは、それぞれ、図4のサンプルの値に代えて、他の種々の値であってよい。ここで、平均厚T、気孔率R2、長さL1、外長L2の少なくとも1つが、上記の好ましい範囲外であってもよい。
(3)点火プラグの構成は、図1で説明した構成に代えて、他の種々の構成であってよい。例えば、複合部200の全体が、主体金具50の後端50eよりも後方向Dfr側に配置されていてもよい。また、中心電極の側面(軸線CLに垂直な方向側の面)と、接地電極とが、放電用のギャップを形成してもよい。また、放電用のギャップの総数が2以上であってもよい。また、中心電極20の全体が、絶縁体10の貫通孔12内に配置されてもよい。また、端子金具40の全体が、絶縁体10の貫通孔12内に配置されてもよい。
以上、実施形態、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。
8...先端側パッキン、10...絶縁体、10e...後端、10q...開口(後開口)、11...縮内径部、12...貫通孔(軸孔)、13...後端側胴部、14...大径部、15...先端側胴部、16...縮外径部、19...脚部、20...中心電極、21...外層、22...芯部、24...頭部、27...軸部、29...第1チップ、30...接地電極、31...外層、32...内層、33...基端部、34...先端部、37...本体部、39...第2チップ、40...端子金具、41...軸部、48...鍔部、49...キャップ装着部、50...主体金具、50e...後端、51...工具係合部、52...胴部、53...カシメ部、54...鍔部、55...先端面、56...縮内径部、57...ネジ部、58...座屈部、59...貫通孔、60...導電性シール部、61...リング部材、70...タルク、72...第1シール部、73...抵抗体、74...第2シール部、76...第3シール部、90...ガスケット、100...点火プラグ、200...複合部、210...先端面、212...前基準部、219...第1部分、220...後端面、222...後基準部、229...第2部分、300...接続部、800...対象領域、810...支持領域、820...導電領域、825...被覆領域、830...磁性領域、832...気孔、835...磁性粒領域、840...複合粒領域、900...断面、950...視野領域、g...ギャップ、S...面積、T...平均厚、Dmax...最大径、R1...気孔率、D1...長径、L2...外長、R2...気孔率、D2...短径、CG...粒子、CL...中心軸(軸線)、La...第1長、Da...粒径、Lb...第2長、Df...先端方向(前方向)、Lx...幅、DG1...対角線、Dfr...後端方向(後方向)
Claims (7)
- 軸線の方向に延びる貫通孔を有する絶縁体と、
前記貫通孔の先端側に少なくとも一部が挿入された中心電極と、
前記貫通孔の後端側に少なくとも一部が挿入された端子金具と、
前記貫通孔内で、前記中心電極と前記端子金具とを電気的に接続する接続部と、
を備える点火プラグであって、
前記接続部は、フェライト焼結体の粒子と、導電物を含み前記フェライト焼結体の粒子を被覆する被覆層と、を含む複数の複合粒子を含む複合部を含み、
前記フェライト焼結体は、Ni、Zn、Cu、Mn、Mg、Caの少なくとも1つを含み、
前記複合部の前記軸線を含む断面における、前記軸線に垂直な方向の長さが2mmであり、前記軸線の方向の長さが5mmである、前記軸線を中心とする矩形領域において、
前記フェライト焼結体の複数の粒子のそれぞれの最大径の平均は、0.75mm以上、1.45mm以下であり、
前記フェライト焼結体の前記複数の粒子の総面積は、0.03cm2以上、0.07cm2以下であり、
前記複合部の前記軸線を含む断面における、前記軸線に垂直な方向の長さが200μmであり前記軸線の方向の長さが200μmである特定矩形状の領域において、前記フェライト焼結体の前記複数の粒子の内部の気孔率は、2.0%以上、7.0%以下である、
点火プラグ。 - 請求項1に記載の点火プラグであって、
前記導電物は、Ni、P、B、Cu、Agの少なくとも1つを含み、
前記被覆層の平均厚さは、0.5μm以上、7.5μm以下である、
点火プラグ。 - 請求項1または2に記載の点火プラグであって、
前記複合部は、さらに、フェライトとガラスとの混合物を備え、
前記ガラスは、Si、P、B、アルカリ金属、アルカリ土類金属のうちの2種以上を含む、
点火プラグ。 - 請求項3に記載の点火プラグであって、
前記断面における前記特定矩形状の領域において、前記混合物の気孔率は、1.5%以上、4.5%以下である、点火プラグ。 - 請求項1から4のいずれかに記載の点火プラグであって、
前記複合部の前記軸線の方向の長さは、3mm以上である、
点火プラグ。 - 請求項1から5のいずれかに記載の点火プラグであって、
前記絶縁体の外周側に固定された主体金具を備え、
前記複合部は、前記主体金具に囲まれた部分から、前記主体金具の後端から後端側に1.5mm以上離れた位置まで、延びている、
点火プラグ。 - 請求項1から6のいずれかに記載の点火プラグであって、
前記接続部は、
前記中心電極と前記複合部との間に配置された抵抗体と、
前記中心電極と前記抵抗体との間に配置され、前記中心電極と前記抵抗体とに接触する第1導電性シール部と、
前記抵抗体と前記複合部との間に配置され、前記抵抗体と前記複合部とに接触する第2導電性シール部と、
前記複合部と前記端子金具との間に配置され、前記複合部と前記端子金具とに接触する第3導電性シール部と、
を含む、点火プラグ。
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