JP2018070968A - 円筒型スパッタリングターゲット材及びその製造方法 - Google Patents

円筒型スパッタリングターゲット材及びその製造方法 Download PDF

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正樹 熊谷
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Noboru Tamaru
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Abstract

【課題】スパッタリング領域を有利に拡大し、ターゲット材としての利用効率を効果的に高め得た円筒型スパッタリングターゲット材及びその有利な製造方法を提供し、また、円筒型スパッタリングターゲット材における蓋接合部の欠陥に起因した不具合が、惹起され難い構造の提供。
【解決手段】軸回りに回転せしめられる、外周面がスパッタリング面とされた円筒形状のターゲット本体2と、ターゲット本体2の端部開口部を閉塞する蓋体4とを有するスパッタリングターゲット材にして、ターゲット本体2と蓋体4との当接部6が、摩擦撹拌接合により形成される摩擦撹拌接合部12によって、一体的に結合されて、端部開口部が密閉構造とされるように構成したスパッタリングターゲット材。
【選択図】図2

Description

本発明は、円筒型スパッタリングターゲット材及びその製造方法に係り、特に、ターゲット材としての利用効率が高められた円筒型スパッタリングターゲット材と、それを有利に製造する方法に関するものである。
従来から、ガラスやプラスチック等の材料に薄膜を形成する技術として、スパッタリング法が知られており、それによって成膜された各種の製品が、実用に供されている。例えば、液晶や有機ELパネル等のフラットパネルディスプレイやタッチパネル等の配線膜として、Cu若しくはその合金やAl若しくはその合金等からなる薄膜が、スパッタリング法にて、所定の基材面に形成されているのである。
そして、そのような材質からなるスパッタリング薄膜を、所定の基材上に成膜する場合には、一般に、平板形状を呈するスパッタリングターゲット材が用いられて、その一方の平面に対してスパッタリングが実施されてきているのであるが、近年、同時に大量にスパッタリングが可能であり、且つ歩留りがよい等の特徴から、外周面をスパッタリング面とする円筒型のスパッタリングターゲット材を用いることが推奨され、特開2002−155356号公報、特開2012−111994号公報、特開2013−57112号公報等においては、そのような円筒型のスパッタリングターゲット材について、各種の提案が為されている。
ところで、そのような円筒型スパッタリングターゲット材は、その軸回りに回転させられつつ、スパッタリングを行うものであるところから、ターゲット材の全面から安定にスパッタリングされ得るように、その結晶粒径が、微細で均一なものであることが望まれており、具体的には数百μm以下のオーダーであることが要求されている。このため、そのスパッタリングされる円筒部における結晶粒径を調整すべく、円筒状ターゲット材の熱間押出や冷間加工の条件等を制御する対策が、提案されているのである。
しかしながら、円筒型スパッタリングターゲット材を用いたスパッタリング法においては、ターゲット材の筒外面側は高真空下に晒される一方、筒内にはターゲット材を冷却するための冷却水が流されることとなるところから、その筒両端部の開口部を閉塞して、密閉構造とする必要があり、そのために、筒状ターゲット材の開口端部に対して、蓋部材を接合することが不可欠とされているのであり、上記の特開2012−111994号公報においても、円筒状ターゲット材の端部開口部に、蓋部材を、電子ビーム溶接により固着せしめて、密閉構造が確保されるようになっている。しかして、そのような蓋部材を筒体端部に接合するために、電子ビーム溶接やアーク溶接等の溶接技術を採用すると、それが溶融溶接であるところから、筒体側(円筒部側)の温度が再結晶温度以上に上昇して、結晶粒の粗大化を招くこととなり、そのために、スパッタリングに供し得る円筒部の領域が狭くなって、その歩留りが低下する等の問題を内在するものであった。
さらに、そのような蓋部材の接合に際して、電子ビーム溶接の如き溶融溶接を実施した場合にあっては、材料が溶解されて生じる溶融部(溶接部)が凝固するときに、かかる溶接部にポロシティやブローホール等の欠陥が発生する恐れがある。しかして、そのような欠陥が溶接部からなる接合部に存在するターゲット材を用いて、真空中でスパッタリングをしたときには、かかる欠陥部位からガス等が発生して、形成される薄膜(スパッタリング膜)の品質に悪影響を及ぼす恐れも内在するものであった。
特開2002−155356号公報 特開2012−111994号公報 特開2013−57112号公報
ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、スパッタリング領域を有利に拡大せしめ得て、ターゲット材としての利用効率を効果的に高め得た円筒型スパッタリングターゲット材及びその有利な製造方法を提供することにあり、また、円筒型スパッタリングターゲット材における蓋接合部の欠陥に起因した不具合が惹起され難い接合構造を提供することにある。
そして、本発明にあっては、そのような課題を解決するために、軸回りに回転せしめられる、外周面がスパッタリング面とされた円筒形状のターゲット本体と、該ターゲット本体の少なくとも一方の端部開口部を閉塞する蓋体とを有するスパッタリングターゲット材にして、前記ターゲット本体と前記蓋体との当接部が、摩擦撹拌接合により形成される摩擦撹拌接合部によって、一体的に結合されて、前記端部開口部が密閉構造とされていることを特徴とする円筒型スパッタリングターゲット材を、その要旨とするものである。
なお、かかる本発明に従う円筒型スパッタリングターゲット材の好ましい態様の一つによれば、前記摩擦撹拌接合部が、前記ターゲット本体及び前記蓋体と共に、200μm以下の平均結晶粒径を有しているように構成されることとなる。
また、本発明にあっては、有利には、前記蓋体が、前記ターゲット本体の端部開口部を覆蓋するように、その軸方向端面に当接せしめられてなる形態において、それら蓋体とターゲット本体との当接部の外周部位が摩擦撹拌接合されて、前記摩擦撹拌接合部が形成されている。
さらに、本発明に従う円筒型スパッタリングターゲット材の望ましい態様の他の一つによれば、前記蓋体が、前記ターゲット本体の端部開口部内に嵌入せしめられて、該蓋体の外周面が該ターゲット本体の内周面に当接されてなる形態において、それら蓋体とターゲット本体との当接部が摩擦撹拌接合されて、前記摩擦撹拌接合部が形成されている。
そして、本発明にあっては、軸回りに回転せしめられる、外周面がスパッタリング面とされた円筒形状のターゲット本体と、該ターゲット本体の少なくとも一方の端部開口部を閉塞する蓋体とを有するスパッタリングターゲット材を製造する方法にして、前記ターゲット本体の端部開口部が閉塞されるように前記蓋体を当接せしめた後、それらターゲット本体と蓋体との当接部に、回転工具先端のプローブを差し込み、該当接部に沿って摩擦撹拌接合操作を実施して、かかる当接部を一体的に接合せしめることにより、該ターゲット本体の端部開口部を該蓋体にて密閉することを特徴とする円筒型スパッタリングターゲット材の製造方法をも、その要旨とするものである。
なお、このような本発明に従う円筒型スパッタリングターゲット材の製造方法の好ましい態様においては、前記摩擦撹拌接合操作によって前記当接部に形成される摩擦撹拌部位の温度が、前記ターゲット本体及び蓋体の融点の70%以下となるように、かかる摩擦撹拌部位を冷却しつつ、該摩擦撹拌接合操作が進行せしめられることとなる。
また、本発明に係る円筒型スパッタリングターゲット材の製造方法においては、有利には、前記ターゲット本体の端部開口部を覆蓋するように、かかるターゲット本体の軸方向端面に前記蓋体を当接せしめて、前記回転工具先端のプローブを、それらターゲット本体と蓋体の当接部の外周部位に対して径方向内方に向かって差し込み、前記摩擦撹拌接合操作が周方向に実施される。
さらに、本発明に係る円筒型スパッタリングターゲット材の製造方法の他の望ましい態様によれば、前記蓋体を前記ターゲット本体の端部開口部内に嵌入せしめて、該蓋体の外周面を該ターゲット本体の内周面に当接して形成される当接部に対して、前記回転工具先端のプローブを、該ターゲット本体の軸方向端面から内方に向かって差し込み、前記摩擦撹拌接合操作が実施されることとなる。
更にまた、本発明に従う円筒型スパッタリングターゲット材の製造方法の望ましい態様の一つによれば、前記蓋体の一方の側に、前記ターゲット本体の端部開口部内に嵌合せしめられる突部が一体的に形成されており、該蓋体の突部を該ターゲット本体の端部開口部に嵌合して突き合わせることにより、前記当接部が形成されている。
加えて、本発明に従う円筒型スパッタリングターゲット材の製造方法の別の望ましい態様の一つによれば、前記ターゲット本体の端部開口部の内周面に段付き部が形成されており、前記蓋体が該ターゲット本体の端部開口部の段付き部に嵌入せしめられることによって、前記当接部が形成されている。
このように、本発明に従う円筒型スパッタリングターゲット材にあっては、円筒形状のターゲット本体とその端部開口部を閉塞する蓋体との当接部が、摩擦撹拌接合操作を採用して、溶融させられることなく、摩擦熱によって材料を塑性流動させ、熱歪みや組織変化を少なくして、一体的に結合せしめられるものであるところから、かかるターゲット本体の蓋体接合時の熱影響による結晶粒の粗大化が効果的に抑制乃至は防止され得て、スパッタリングに利用される円筒製品部の近くで、蓋体の接合が可能となるのであり、以て、そのような円筒製品部の軸方向長さを有利に拡大せしめ得て、その歩留り乃至は利用効率の向上を有利に図ることが出来、ひいてはスパッタリング装置における製品部を広くすることが出来、設備構造的にも余裕が出来ることになるのである。
しかも、それらターゲット本体と蓋体とが、摩擦撹拌接合操作の採用によって、溶融させられることなく、確実に接合せしめられるものであるところから、それらターゲット本体と蓋体との当接部に形成される接合部には、溶融溶接においてよく発生するポロシティやブローホール等の欠陥は殆ど発生することがなく、そのために、スパッタリングに際して、そのような欠陥に起因した不具合が惹起されるようなことも、有利に回避され得ることとなるのである。
また、本発明に従う円筒型スパッタリングターゲット材の製造方法によれば、ターゲット材として使用出来る範囲が広がり、利用効率が効果的に高められたスパッタリングターゲット材を、従来の溶融溶接において必要とされる大きな設備や溶接時間等の問題も惹起することなく、大気下において、容易に製造することが出来ることとなり、その生産性を有利に高めることが可能となるのである。
本発明において対象とされる円筒型スパッタリングターゲット材の一例を示す説明図であって、(a)及び(b)は、それぞれ、蓋体の取付け構造の異なる例を示す一部切欠き正面説明図である。 本発明に従って円筒型スパッタリングターゲット材を製造する方法の一例を示す説明図であって、(a)は、図1(a)に示されるターゲット本体と蓋体との当接部に対する摩擦撹拌接合のための回転工具の差し込み方向を示す正面部分説明図であり、(b)は、(a)において摩擦撹拌接合して得られた接合部の形態を示す正面部分説明図である。 本発明に従って円筒型スパッタリングターゲット材を製造する方法の他の一例を示す説明図であって、(a)は、図1(b)に示されるターゲット本体と蓋体との当接部に対する摩擦撹拌接合のための回転工具の差し込み方向を示す正面部分説明図であり、(b)は、(a)において摩擦撹拌接合して得られた接合部の形態を示す右側面説明図である。 ターゲット本体の端部開口部に対する蓋体の組付け構造の一例を示す説明図であって、(a)及び(b)は、それぞれ、異なる組付け構造を示す断面部分説明図である。 摩擦撹拌接合後における接合終了穴の処置形態の異なる例を示す説明図であって、(a)は、埋込み部材によって接合終了穴を埋め込んで解消する例を示す断面部分説明図であり、(b)は、図2で示される摩擦撹拌接合操作における接合終了穴の処置形態の一例を示す正面部分説明図であり、(c)は、図3に示される摩擦撹拌接合操作における接合終了穴の処置形態の一例を示す右側面説明図である。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
先ず、本発明における円筒型スパッタリングターゲット材は、軸回りに回転せしめられて、外周面がスパッタリング面とされる円筒形状のターゲット本体と、このターゲット本体の少なくとも一方の端部開口部を閉塞する蓋体とを備え、且つそれらターゲット本体と蓋体との当接部が接合されてなる構成を有するものであって、公知の構造のものが、そのまま対象とされるものであるが、ターゲット本体の端部開口部に対する蓋体の閉塞形態において、ターゲット本体と蓋体との当接構造は、一般に、図1(a)及び(b)に示される二種類に分類することが出来る。
すなわち、図1(a)に示される一つの当接形態は、所定の軸方向長さを有する円筒形状のターゲット本体2の一方の開口部側の端部の端面に対して、ターゲット本体2の端部外径と同一の外径を有する円盤状の蓋体4が当接せしめられて、かかるターゲット本体2の端面に相当する大きさの当接部6が、形成されている。従って、かかる当接部6の径方向外側の端部が、ターゲット本体2端部の外周面に露呈する形態となっているのである。また、図1(b)に示される当接形態においては、ターゲット本体2の端部開口部から、筒内に、かかる端部開口部の内径に略一致する外径の円盤状の蓋体4が嵌入せしめられて、かかる蓋体4の外周面を、ターゲット材2の内周面に当接することにより、蓋体4の厚さに相当する幅において、ターゲット本体2の内周面に沿って、当接部8が形成されている。従って、かかる当接部8は、ターゲット本体2の端面において、外部に露呈してなる配設構造とされているのである。そして、この図1に示されるターゲット本体2は、よく知られているように、図において左側となる他方の端部側において、ターゲット駆動系に連結されて、軸回りに回転せしめられるようになっていると共に、筒内には、ターゲット本体2の冷却のために冷却水が流通せしめられたり、スパッタリングのために必要な磁石等が配設されたりする構造とされている。
なお、それらターゲット本体2や蓋体4の材質としては、スパッタリングの目的に応じて、公知の各種の材質が適宜に採用され得るところであるが、本発明にあっては、一般に、金属材質であることが好ましく、その中でも、Cu若しくはその合金からなるCu材質やAl若しくはその合金からなるAl材質が、好適に採用されることとなる。そして、そのような材質からなるターゲット本体2や蓋体4は、真空中において均一にスパッタリングせしめられ得るように、ランダムな結晶方位の再結晶粒が微細且つ均一に分散されてなる形態において、平均結晶粒径が、一般に200μm以下、望ましくは100μm以下に微細化された結晶組織を有するものとして、調製されることとなる。
そして、本発明にあっては、上述の如く、ターゲット本体2の端部開口部を閉塞するように、かかるターゲット本体2に蓋体4を当接して形成される当接部6,8に対して、図2や図3に示される如くして、摩擦撹拌接合操作を実施して、それら当接部6,8を、それぞれ、一体的に結合して、ターゲット本体2の端部開口部が、蓋体4により密閉せしめられてなる構造とされるのである。
具体的には、図2は、図1(a)に示されるターゲット本体2と蓋体4との当接部6に対する摩擦撹拌接合形態を示すものであって、図2(a)の如く、摩擦撹拌接合用の回転工具10によって、当接部6がターゲット本体2の端部外周面に沿って、摩擦撹拌接合操作が実施されることにより、図2(b)に示される如く、摩擦撹拌接合部12が形成されて、一体的に結合せしめられ、ターゲット本体2の端部開口部が、蓋体4にて密閉せしめられるのである。即ち、回転工具10は、よく知られているように、円柱状の工具本体10aの先端に、所定長さ(高さ)のプローブ10bが同軸的に一体に設けられてなる、軸回りに回転可能な構造を有しており、そのプローブ10bが、回転工具10の高速回転の下、図2(a)において白抜き矢印で示されるように、当接部6の外周部位に対して、径方向内方に向かって差し込まれ、そして、周方向に回転工具10を、ターゲット本体2に対して周方向に相対的に移動せしめることにより、かかる当接部6の全周に亘って、摩擦撹拌接合操作が実施されるのであり、これによって、図2(b)に示される如き摩擦撹拌接合部12が、当接部6の全周に形成されるのである。なお、このような当接部6に対する回転工具10による摩擦撹拌接合操作は、例えば、特許第3963215号公報等に明らかにされている手法に準拠して、実施することが可能である。
また、図3は、図1(b)に示されるターゲット本体2と蓋体4との当接部8に対する摩擦撹拌接合形態を示すものであって、そこにおいて、回転工具10による摩擦撹拌接合操作は、軸回りに高速回転せしめられてなる状態下において、図3(a)に示される如くして実施されることとなる。即ち、ターゲット本体2の端部開口部内に蓋体4を嵌入せしめて、かかる蓋体4の外周面をターゲット本体2の内周面に当接して形成される、蓋体4の外周面に位置する(ターゲット本体2の内周面に位置する)当接部8に対して、回転工具10先端に設けたプローブ10bを、ターゲット本体2の軸方向端面から内方に向かって差し込み、蓋体4の周方向に、回転工具10を相対的に移動せしめることにより、かかる当接部8の全周に亘って、摩擦撹拌接合操作が実施され、これによって、ターゲット本体2の端部開口部が蓋体4にて密閉されてなる構造が、実現されることとなるのである。なお、このような当接部8に対する摩擦撹拌接合操作には、従来から知られている、筒状部の端面に対する摩擦撹拌接合の方式が、適宜に採用され得るところであり、例えば、特許第4294281号公報等に明らかにされている摩擦撹拌接合形態を利用して、蓋体4の周りに、円形の摩擦撹拌接合部14を形成することが出来る。
このように、本発明に従って、ターゲット本体2と蓋体4との当接部6,8の一体的な接合に際して、摩擦撹拌接合方式を採用して、回転工具10(具体的には、先端のプローブ10b)を当接部6,8に挿入する一方、高速回転させることによって摩擦熱を発生せしめることにより、材料を溶融させることなく塑性流動せしめて、金属結合が実現されるようにして、接合することにより、接合部への入熱が効果的に低減され得ることとなるのである。なお、かかる摩擦撹拌接合に際しては、摩擦撹拌部の温度が、再結晶温度以上に上昇する場合もあるが、それは短時間で済むこととなり、むしろ冷却が速くなるところから、再結晶粒が粗大化する時間には至らず、摩擦撹拌接合部12,14の組織は、微細再結晶粒となるものであり、また撹拌部周辺の加工熱処理組織も、二次再結晶よりは微細な組織となるものである。このため、そのような摩擦撹拌接合部12,14の組織は、ターゲット本体2や蓋体4と共に、一般に200μm以下、好ましくは100μm以下の微細な平均結晶粒径を有する組織として、有利に形成され得ることとなるのである。
従って、摩擦撹拌接合方式の採用により、ターゲット本体2に対する蓋体4の接合において、熱影響による結晶粒の粗大化が、効果的に抑制乃至は阻止され得ることとなり、そのために、ターゲット本体2におけるスパッタリング領域(製品部)を、摩擦撹拌接合部12,14の近傍にまで拡大することが出来ることとなったのであり、以て、ターゲット材としての歩留り、換言すれば利用効率を、有利に向上せしめ得ることとなることに加えて、スパッタリング装置の設備構造上においても、余裕が生じるという利点も、享受し得ることとなったのである。
また、そのようなターゲット本体2と蓋体4との当接部6,8に、摩擦撹拌接合方式にて、材料を溶融させることなく、一体的な摩擦撹拌接合部12,14を生じさせるものであるところから、従来の溶融溶接において発生するような、ポロシティやブローホール等の欠陥は、本発明では殆ど発生することがなく、そのために、そのような欠陥に起因したスパッタリング時の不具合が惹起され難く、従って生成するスパッタリング膜の品質が低下するような問題も、有利に回避され得ることとなるのである。
なお、本発明に従って、ターゲット本体2と蓋体4との当接部6,8を摩擦撹拌接合するに際しては、かかる当接部6,8に形成される摩擦撹拌部位(12,14)の温度が、一般に、ターゲット本体2や蓋体4の融点よりも低くなるようにして実施されることとなるが、特に、本発明にあっては、そのような摩擦撹拌部位が、かかる融点の70%以下の温度となるようにして、摩擦撹拌接合操作を進行せしめることが望ましく、そのために、そのよう摩擦撹拌部位を冷却しつつ、摩擦撹拌接合操作を実施することが、有利に採用されることとなる。なお、かかる摩擦撹拌部位の冷却には、従来から公知の各種の冷却手段が採用され得、例えば、強制的に空気を吹き付けて冷却する強制空冷方式や、冷媒や水を噴霧する冷却方式、更には冷媒中或いは水中において接合を行う方式等の中から、適宜に選択されることとなる。
また、ターゲット本体2と蓋体4との当接部6,8の摩擦撹拌接合のために、かかる当接部6,8には、回転工具10による押圧力が作用するようになるところから、そのような当接部6,8がずれないように、ターゲット本体2や蓋体4を位置固定に保持する必要がある。そのため、本発明にあっては、図4(a)及び(b)に示される如きターゲット本体2と蓋体4との間の嵌合構造が、有利に採用されることとなる。
すなわち、図4(a)においては、蓋体4の一方の側の面に、ターゲット本体2の内径に相当する外径を有する、所定高さの円柱状突部4aが、一体的に設けられており、この突部4aをターゲット本体2の端部開口部に嵌合せしめることによって、蓋体4が、ターゲット本体2に対して固定的に取り付けられて、それらの間に形成される当接部6が相対的に位置固定となるように構成されて、図1(a)や図2(a)に示される当接形態が保持され得るようになっている。また、図4(b)においては、ターゲット本体2の端部開口部の内周面に、かかる端部開口部の内径が蓋体4の外径にほぼ等しくなるように大径化された段付き部2aが設けられて、この段付き部2aに対して、蓋体4が嵌入されて、当接部8が位置固定に形成されるようになっている。これにより、白抜き矢印方向に作用する回転工具10からの押圧力によって、蓋体4がターゲット本体2の軸方向に移動せしめられるのが阻止され得るように構成されて、図1(b)や図3(a)に示される形態において、当接部8が位置固定に保持されるようになっているのである。
ところで、本発明に従って、ターゲット本体2と蓋体4との当接部6,8を、その周方向に、回転工具10を少なくとも1周させることにより、摩擦撹拌接合して、ターゲット本体2の端部外周部上に、又は蓋体4の外周部上に摩擦撹拌接合部12,14を形成した後、摩擦撹拌接合操作を終了せしめるべく、回転工具10を摩擦撹拌接合部12,14から引き抜くと、かかる回転工具10先端のプローブ10bに起因する接合終了穴(プローブ穴)が摩擦撹拌接合部12,14に残り、それによって、摩擦撹拌接合部12,14における強度等の特性を低下せしめる恐れがある。このため、本発明にあっては、そのような接合終了穴による悪影響を回避し得る公知の各種の手段が、適宜に採用されることとなる。
例えば、図5(a)に示される如く、摩擦撹拌接合部12に形成された接合終了穴16に対して、別途準備されたターゲット本体2や蓋体4と同様な材質からなる円錐台形状の埋込み部材18を、回転させながら押し込む等の方法により、嵌入せしめて、かかる接合終了穴16を塞ぐようにすることが出来る。また、図5(b)や(c)に示されるように、摩擦撹拌接合部12,14の形成が終了した後、回転工具10の蓋体4に対する相対的な移動方向を変えて、蓋体4の中実部上に移動せしめた後、摩擦撹拌接合操作を終了せしめるようにすれば、接合終了穴16が残っていても、摩擦撹拌接合部12,14の特性には影響を及ぼすことがなくなる。このような接合終了穴16の変位方式は、特開2002−126883号公報等を参照して、実施することが可能である。なお、ここでは、接合終了穴16が蓋体4の中実部上に移動せしめられているが、ターゲット本体2の管壁部位上に位置せしめられるようにすることも、可能である。更に、図示はしないが、回転工具10を、摩擦撹拌接合部12,14から、それに近接して設けられたタブ板上に移動せしめて、摩擦撹拌接合操作を終了させた後、かかるタブ板を除去するようにしても、接合終了穴16の存在を解消することは可能である。
加えて、上述の如き回転工具10による摩擦撹拌接合部12,14を形成した後の接合終了穴16の処置の方式に変えて、一体構造の回転工具10とは異なる、公知の複動式の回転工具を用いるようにすれば、摩擦撹拌接合操作の終了後に、接合終了穴が残らないようにすることも可能である。例えば、特許第4937386号公報に開示の如き複動式回転工具を用いるようにすれば、当接部6,8の全周に亘って摩擦撹拌接合操作を実施し、摩擦撹拌接合部12,14を形成した後、プローブを引っ込めて、工具本体のショルダ部だけが当接するようにして、摩擦撹拌接合操作を終了させることにより、接合終了穴が残存するようなことはなくなるのである。
以上、本発明の代表的な実施形態について詳述してきたが、それは、あくまでも例示に過ぎないものであって、本発明は、そのような実施形態に係る具体的な記述によって、何等限定的に解釈されるものではないことが、理解されるべきである。
例えば、上記の実施形態では、ターゲット本体2は、その両端部が小径部とされて、段付きの外周面とされているが、その全体において、同一外径の円筒体とすることも可能である。
また、上記の実施形態では、ターゲット本体2の一方の端部に対して、蓋体4を取り付けてなる例について説明されているが、ターゲット本体2の他方の開口端部に対しても、蓋体が取り付けられる場合にあっては、そのような蓋体の取り付けにも、本発明を適用して、摩擦撹拌接合操作によって、ターゲット本体2に固定せしめる構成が有利に採用されることとなる。
さらに、摩擦撹拌接合操作のための回転工具にあっても、例示の如き構造の回転工具10の他にも、公知の各種の回転工具が適宜に用いられ得るところであり、またそのプローブの形状乃至は構造にあっても、ストレートな円柱形状の他、先端に向かって先細りする円錐形状や円錐台形状等、公知の各種の形状が、何れも採用され得、更にその表面に突起乃至は突状や凹溝等が設けられたものであっても、何等、差し支えない。また、工具本体の先端面の形状にあっても、特に限定されるものではなく、平坦面であっても、中央に向かって湾曲する凹面形状であってもよく、従来から公知の形状が、適宜に採用されることとなる。
その他、一々列挙はしないが、本発明が、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施されるものであり、またそのような実施の態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、何れも、本発明の範疇に属するものであることは、言うまでもないところである。
以下に、本発明の実施例を示し、本発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、また、言うまでもないところである。
−実施例1−
先ず、平均結晶粒径が50μmである純銅材質からなる、外径:150mmφ、肉厚:25mmのパイプを、ターゲット本体として準備した。また、外径:150mmφ、肉厚:10mmの円形の純銅板の一方の側の外周部(25mm幅の部位)を、2mmの深さで切削して、図4(a)に示される如き円形の突部を形成してなる蓋部材を、蓋体として準備した。
次いで、かかる準備されたパイプの一方の端部開口部に、蓋部材の円形突部を嵌合せしめて、図2(a)に示される如く突き合わせ、そして、それらパイプと蓋部材との当接部に対して、下記表1に示される条件下において、摩擦撹拌接合(FSW)を実施することにより、かかるパイプの端部開口部を閉塞して、密閉構造を完成させることにより、ターゲット材を得た。なお、回転工具に関して、工具肩径(工具本体外径):20mmφ、先端高さ(プローブ長さ):7mm、プローブ先端径:5mmφなるサイズを採用し、更に回転数:1500rpm、外周での接合速度:250mm/minの接合条件を採用すると共に、摩擦撹拌接合中においては、摩擦撹拌接合部に対してエアー吹きを行って、接合部位の強制空冷を実施した。そして、回転工具による摩擦撹拌接合操作の終了によって形成される接合終了穴は、図5(b)に示されるように、蓋部材の中実部に移動させた。また、接合中の温度は、FSW止端部に設置された熱電対により測定し、その結果を、下記表2に示した。
かくして得られたパイプと蓋部材との接合材料(ターゲット材)における摩擦撹拌接合部の断面の組織観察を行ったところ、欠陥はなく、健全な接合状態であることを認めた。また、このパイプと蓋部材の接合部位における結晶粒径を測定したところ、熱影響部全体を含めた接合部周辺における平均結晶粒径は、100μm以内であった。詳細を、下記表2に示す。そして、かかる測定された結晶粒径の結果に基づき、スパッタリングが行われる太径の製品部分から、蓋部材を接合した非製品部分までの距離を100mmとすることが出来、従って製品部分の長さを長くすることが出来ることにより、スパッタリング寿命が大幅に改善され得ることが、明らかとなった。
−実施例2−
平均結晶粒径が50μmの純銅材質からなり、外径:150mmφ、肉厚:25mmの銅パイプを用い、その一方の端部開口部の内周面に、段差:2mm、軸方向長さ:10mmの段付き部を形成して、図4(b)に示される如き端部開口部形状を有するターゲット本体を準備した。
次いで、かかるターゲット本体の端部開口部に対して、外径:104mmφ、肉厚:10mmの円形銅板からなる蓋体を嵌合せしめて、それらターゲット本体と蓋体との当接部を、図3(a)に示される如くして、下記表1に示される条件下において、摩擦撹拌接合することにより、それらターゲット本体と蓋体との当接部に、図3(b)に示される如き円形の摩擦撹拌接合部を形成せしめて、目的とするターゲット材を得た。なお、回転工具としては、実施例1と同様なサイズのものを用い、回転数及び接合速度も実施例1と同様とすると共に、接合終了穴は、蓋体の中実部に移動させたが、接合中における接合部位の冷却は、FSW接合面及び管内面への窒素ガスの吹き付けにて実施した。また、接合中の温度は、実施例1と同様な熱電対による測定により、下記表2に示される如く、400℃未満であることを確認した。
さらに、摩擦撹拌接合部断面の組織観察の結果、欠陥はなく、健全な接合状態であることを確認すると共に、接合部位及びその周りの熱影響部における結晶粒径を調べ、その結果を、下記表2に示した。また、接合部周辺での平均結晶粒径が100μm以内であるところから、ターゲット本体におけるスパッタが発生する太径の製品部分から、蓋体を接合した非製品部分までの距離を100mmとすることが出来、これにより、スパッタリング寿命が大幅に改善され得ることを確認した。
−実施例3−
実施例2における窒素ガスの吹き付けによる接合部位の冷却に変えて、接合部位に水を掛けながら、摩擦撹拌接合を行う水冷方式を採用して、実施例2と同様にして、ターゲット本体と蓋体との当接部の摩擦撹拌接合操作を実施した。
かくして得られた摩擦撹拌接合部の断面の組織観察を行ったところ、欠陥はなく、健全な接合状態であることを認めた。また、接合部及びその周辺の結晶粒径は、実施例2よりも更に細かくなり、そのために、スパッタリングされる太径の製品部分から、蓋体を接合した非製品部分までの距離を75mmとすることが出来、以て、スパッタリング寿命が更に大幅に改善され得ることが、明らかとなった。
−実施例4−
実施例1における強制空冷を実施しないこと以外は、実施例1と同様にして、ターゲット本体(パイプ)と蓋体(蓋部材)との摩擦撹拌接合を実施して、その当接部に、摩擦撹拌接合部を形成せしめることにより、ターゲット材を得た。
かくして得られた摩擦撹拌接合部の断面の組織観察の結果、欠陥はなく、健全な接合状態であることを認めた。また、接合部位の結晶粒径も充分に小さな状態に維持され得て、スパッタリングされる製品部分から、蓋体を接合した非製品部分までの距離も、120mmと、充分に短くすることが出来、スパッタリング寿命の有効な改善が図られ得ることを確認した。
−実施例5−
実施例1において、強制空冷による接合部位の冷却を行うことなく、回転工具の回転数を2000rpmとし、接合速度を100mm/minとすること以外は、実施例1と同様にして、ターゲット本体(パイプ)と蓋体(蓋部材)との当接部を摩擦撹拌接合することにより、欠陥のない、健全な接合状態の摩擦撹拌接合部が形成されてなる端部閉塞パイプ(ターゲット材)を得た。
かくして得られたターゲット材(接合体)について、その接合部や熱影響部における結晶粒径を調べ、その結果を、下記表2に示した。接合部周辺での結晶粒径は100μm以内となり、このため、スパッタリングされる製品部分から、蓋の接合された非製品部分までの距離を、150mmとすることが出来た。
−実施例6−
実施例1において、強制空冷を行うことなく、回転工具の回転数を1000rpmとすると共に、接合速度を400mm/minとしたこと以外は、実施例1と同様にして、ターゲット本体(パイプ)の端部開口部に蓋体(蓋部材)を嵌合して突き合わせ、その当接部を摩擦撹拌接合することにより、欠陥のない、健全な接合状態の摩擦撹拌接合部を有するターゲット材(接合体)を得た。
かくして得られたターゲット材の接合部位及びその周りの熱影響部における結晶粒径について調べ、その結果を、下記表2に示すが、接合部周辺での平均結晶粒径は100μm以下となり、スパッタリングされる製品部分から、蓋を接合した非製品部分までの距離を、50mmとすることが出来た。
−比較例1−
外径:150mmφ、肉厚:25mmの純銅製のパイプ(平均結晶粒径:50μm)と外径:150mmφ、肉厚:10mmの蓋部材とを、図1(a)に示される如く突き合せると共に、その当接部に、深さ:5mmのV開先を取り、更に銅の溶加材を用いて、常法に従ってTIG溶接を実施し、パイプの全周に亘って溶接することにより、それらパイプと蓋部材との接合体(ターゲット材)を得た。なお、接合中の温度は、止端部(余盛端部)において850℃に達していることを認めた。
かくして得られた接合体の接合部断面の組織観察を行ったところ、欠陥はなく、健全な接合状態であることを認めた。また、その接合部と周辺の熱影響部における結晶粒径を調べ、その結果を、下記表2に示したが、結晶粒径は、接合部周辺で200μm以上の部位が多く存在し、そのために、スパッタリングされる製品部分から、蓋部材を接合した非製品部分までの距離を、300mmとする必要があることが解った。
−比較例2−
外径:150mmφ、肉厚:25mmの純銅製パイプの端部開口部に、図1(a)に示される如く、外径:150mmφ、肉厚:10mmの蓋部材を突き合せて、高真空容器中において、常法に従って電子ビーム溶接(EBW)を実施することにより、かかるパイプの全周に亘って蓋部材が接合されてなる接合体(ターゲット材)を得た。なお、その接合中の温度は、接合止端部で800℃に達していることを認めた。
かくして得られたパイプと蓋との接合体について、その接合部と周りの熱影響部における結晶粒径について調べ、その結果を、下記表2に示すが、結晶粒径は、接合部周辺で200μm以上の部位が多く存在し、そのために、スパッタリングされる製品部分から、蓋を接合した非製品部分までの距離を、280mmとする必要があることが解った。
Figure 2018070968
Figure 2018070968
かかる表1及び表2の結果から明らかなように、本発明に従って摩擦撹拌接合によって得られた、実施例1〜6に係る銅ターゲット材にあっては、従来のアーク溶接や電子ビーム溶接によって形成されるターゲット材に比べて、接合部の結晶粒径が微細となり、接合部の全体において、欠陥のない、安定な金属組織が形成されていることが認められ、また、スパッタリングされる製品部分の領域を、より接合部近傍にまで拡大することが出来るところから、スパッタ材としての歩留りを有利に高め得ることが認められ、更に銅材質の他、アルミ材質等の摩擦撹拌接合し易い金属からなるターゲット材にも、容易に適用可能であることが、理解されるのである。
2 ターゲット本体 2a 段付き部
4 蓋体 4a 突部
6, 8 当接部 10 回転工具
10a 工具本体 10b プローブ
12,14 摩擦撹拌接合部 16 接合終了穴
18 埋込み部材

Claims (10)

  1. 軸回りに回転せしめられる、外周面がスパッタリング面とされた円筒形状のターゲット本体と、該ターゲット本体の少なくとも一方の端部開口部を閉塞する蓋体とを有するスパッタリングターゲット材にして、
    前記ターゲット本体と前記蓋体との当接部が、摩擦撹拌接合により形成される摩擦撹拌接合部によって、一体的に結合されて、前記端部開口部が密閉構造とされていることを特徴とする円筒型スパッタリングターゲット材。
  2. 前記摩擦撹拌接合部が、前記ターゲット本体及び前記蓋体と共に、200μm以下の平均結晶粒径を有している請求項1に記載の円筒型スパッタリングターゲット材。
  3. 前記蓋体が、前記ターゲット本体の端部開口部を覆蓋するように、その軸方向端面に当接せしめられてなる形態において、それら蓋体とターゲット本体との当接部の外周部位が摩擦撹拌接合されて、前記摩擦撹拌接合部が形成されている請求項1又は請求項2に記載の円筒型スパッタリングターゲット材。
  4. 前記蓋体が、前記ターゲット本体の端部開口部内に嵌入せしめられて、該蓋体の外周面が該ターゲット本体の内周面に当接されてなる形態において、それら蓋体とターゲット本体との当接部が摩擦撹拌接合されて、前記摩擦撹拌接合部が形成されている請求項1又は請求項2に記載の円筒型スパッタリングターゲット材。
  5. 軸回りに回転せしめられる、外周面がスパッタリング面とされた円筒形状のターゲット本体と、該ターゲット本体の少なくとも一方の端部開口部を閉塞する蓋体とを有するスパッタリングターゲット材を製造する方法にして、
    前記ターゲット本体の端部開口部が閉塞されるように前記蓋体を当接せしめた後、それらターゲット本体と蓋体との当接部に、回転工具先端のプローブを差し込み、該当接部に沿って摩擦撹拌接合操作を実施して、かかる当接部を一体的に接合せしめることにより、該ターゲット本体の端部開口部を該蓋体にて密閉することを特徴とする円筒型スパッタリングターゲット材の製造方法。
  6. 前記摩擦撹拌接合操作によって前記当接部に形成される摩擦撹拌部位の温度が、前記ターゲット本体及び蓋体の融点の70%以下となるように、かかる摩擦撹拌部位を冷却しつつ、該摩擦撹拌接合操作が進行せしめられる請求項5に記載の円筒型スパッタリングターゲット材の製造方法。
  7. 前記ターゲット本体の端部開口部を覆蓋するように、かかるターゲット本体の軸方向端面に前記蓋体を当接せしめて、前記回転工具先端のプローブを、それらターゲット本体と蓋体の当接部の外周部位に対して径方向内方に向かって差し込み、前記摩擦撹拌接合操作が周方向に実施される請求項5又は請求項6に記載の円筒型スパッタリングターゲット材の製造方法。
  8. 前記蓋体を前記ターゲット本体の端部開口部内に嵌入せしめて、該蓋体の外周面を該ターゲット本体の内周面に当接して形成される当接部に対して、前記回転工具先端のプローブを、該ターゲット本体の軸方向端面から内方に向かって差し込み、前記摩擦撹拌接合操作が実施される請求項5又は請求項6に記載の円筒型スパッタリングターゲット材の製造方法。
  9. 前記蓋体の一方の側に、前記ターゲット本体の端部開口部内に嵌合せしめられる突部が一体的に形成されており、該蓋体の突部を該ターゲット本体の端部開口部に嵌合して突き合わせることにより、前記当接部が形成されている請求項7に記載の円筒型スパッタリングターゲット材の製造方法。
  10. 前記ターゲット本体の端部開口部の内周面に段付き部が形成されており、前記蓋体が該ターゲット本体の端部開口部の段付き部に嵌入せしめられることによって、前記当接部が形成されている請求項8に記載の円筒型スパッタリングターゲット材の製造方法。
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