JP2018070952A - 高炉操業方法及び高炉設備 - Google Patents
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Abstract
Description
高炉からのCO2排出量の抑制方法について、例えば、特許文献1には、還元材の一部として反応性の高いフェロコークスを使用する方法が示されている。
また、特許文献2の方法では、高炉シャフト部から吹き込まれる還元ガス(高炉ガスからCO2を除去したガス)が炉壁部周辺に沿って上昇し、炉中心部側まで浸透しないと考えられる(非特許文献1参照)。すなわち、炉壁部周辺は壁効果によって固体の充填密度が低下しているため、還元ガスが通過し易い。このため高炉シャフト部から吹き込まれた還元ガスは、炉中心部側まで浸透することなく、主に炉壁部周辺に沿って流れることになる。その結果、還元ガスと固体との接触が少ないため還元反応が効率的に進まないという問題がある。
[1]高炉炉頂部から排出された高炉ガスの少なくとも一部を、CO2を分離除去する工程及び加熱して昇温させる工程を経て、高炉シャフト部に設けられたガス吹き込み部(A)から還元ガスとして炉内に吹込むことにより高炉に対して循環させる高炉操業方法であって、
高炉シャフト部において、ガス吹き込み部(A)よりも上方位置に設けられたガス吹き込み部(B)から予熱ガス(x)を炉内に吹き込むことを特徴とする高炉操業方法。
[2]上記[1]の高炉操業方法において、炉周方向位置において、ガス吹き込み部(B)がガス吹き込み部(A)の真上に位置することを特徴とする高炉操業方法。
[4]上記[3]の高炉操業方法において、燃料ガスが高炉ガスであることを特徴とする高炉操業方法。
[5]上記[3]又は[4]の高炉操業方法において、ガス吹き込み部(B)に、燃焼ガスの温度を調整する希釈ガスとして高炉ガスを供給することを特徴とする高炉操業方法。
高炉シャフト部において、ガス吹き込み部(A)よりも上方位置に、予熱ガス(x)を炉内に吹き込むためのガス吹き込み部(B)が設けられたことを特徴とする高炉設備。
[7]上記[6]の高炉設備において、炉周方向位置において、ガス吹き込み部(B)がガス吹き込み部(A)の真上に位置することを特徴とする高炉設備。
[9]上記[8]の高炉設備において、高炉炉頂部から排出された高炉ガスの一部を、燃料ガスとして燃焼バーナー(4)に供給するガス流路(5)を有することを特徴とする高炉設備。
[10]上記[9]の高炉設備において、ガス流路(5)から分岐し、ガス流路(5)を流れる高炉ガスの一部を燃焼ガスの希釈ガスとして燃焼バーナー(4)に供給するガス流路(6)を有することを特徴とする高炉設備。
なお、本実施形態は、空気または酸素富化空気を羽口送風する高炉操業、すなわち普通高炉の操業である。酸素富化空気を羽口送風する場合には、通常、酸素富化率20体積%以下、好ましくは10体積%以下での操業が行われる。
図において、Aは高炉シャフト部10のシャフト下部に設けられるガス吹き込み部(ガス吹き込み口)であり、このガス吹き込み部Aは炉周方向において所定の間隔で複数(通常、10〜20箇所程度)設けられる。このガス吹き込み部Aには、ガス流路1を通じて高炉炉頂部から排出された高炉ガスの一部が供給される。このガス流路1の途中には、上流側から順にCO2分離除去装置2とガス加熱装置3が設けられ、ガス流路1を流れる高炉ガス(循環高炉ガス)は、CO2分離除去装置2でCO2を分離除去する工程及びガス加熱装置3で加熱して昇温させる工程を経て、ガス吹き込み部Aから還元ガスとして炉内に吹込まれる。
ガス加熱装置3においてガスを加熱する方式も、電気ヒーター方式、間接加熱バーナー方式など任意である。このガス加熱装置3では、循環高炉ガスが700〜900℃程度に加熱され、そのまま還元ガスとしてガス吹き込み部A(ガス吹き込み口)から炉内に吹き込まれる。
循環高炉ガス(還元ガス)の吹き込み量に特別な制限はないが、吹き込み量が多すぎると炉下部における還元ガスの流量が減少して熱流比が高くなり、炉冷の恐れがあるため、400m3/溶銑t以下とするのが好ましい。
このガス吹き込み部Bは、ガス吹き込み部Aと同様、炉周方向において所定の間隔で複数(通常、10〜20箇所程度)設けられるが、特に、炉周方向位置において各ガス吹き込み部Aの真上に設けることが好ましく、これにより、炉内において予熱ガスxのガス流れを循環高炉ガスのガス流れに対してより効果的に干渉させることができ、本発明の効果を高めることができる。
このため本実施形態でも、ガス吹き込み部Bを、燃料ガスを燃焼させ、その燃焼ガスを予熱ガスxとして炉内に吹き込む燃焼バーナー4で構成するとともに、高炉炉頂部から排出された高炉ガスの一部を、ガス流路5を通じて燃焼バーナー4に燃料ガスとして供給するようにしている。燃焼バーナー4には、燃料ガスである高炉ガスとともに支燃ガス(酸素、空気など)が供給される。なお、燃料ガス(高炉ガスなど)と支燃ガスが予混合され、この予混合ガスが燃焼バーナー4に供給されるようにしてもよい。
燃焼バーナー4は、先端が開放された管状の燃焼室を炉内部と連通させるようにして炉体に取り付けられている。
なお、燃料ガスとしては、高炉ガス以外のガスを用いてもよく、また、高炉ガスとそれ以外のガス(例えば、コークス炉発生ガス)を混合して用いてもよい。
本実施形態でも、ガス流路5を流れる高炉ガス(通常、ガス温度120℃前後)の一部が、ガス流路5から分岐したガス流路6を通じて燃焼バーナー4に供給され、燃焼ガスの希釈ガスとして用いられる。
なお、本実施形態では、各ガス吹き込み部Bを燃焼バーナー4で構成しているが、例えば、複数のガス吹き込み部Bに対して1つの燃焼バーナー4を設け、燃焼バーナー4がヘッダー管を介して各ガス吹き込み部Bに接続されるようにしてもよい。
また、予熱ガスxの吹き込みを行うガス吹き込み部Bは、通常、高炉シャフト部10のシャフト中部〜上部に設けられるが、予熱ガス吹き込み時の炉壁部(炉内壁面)温度が予熱ガス温度とほぼ一致する高さに設けることが望ましく、このような設置高さは高炉伝熱シミュレーションモデルにより決定することが可能である。
その他図面において、7は熱風炉であり、この熱風炉7で酸素富化空気の熱風(温度1100〜1300℃程度)が生成し、この熱風とともに補助還元材(微粉炭など)が高炉羽口部Cから炉内に吹き込まれる。
本発明条件では、高炉羽口部から酸素富化した空気を1200℃に加熱して吹込み、さらに微粉炭とコークス炉ガスを補助還元材として吹き込むものとした。この際、炉頂部から排出される高炉ガスの一部を、CO2を除去した後、800℃に加熱して高炉シャフト下部に設けられたガス吹込み部Aから炉内に吹き込むものとした。さらに、高炉ガスの一部を高炉シャフト上部に設けられたガス吹込み部Bに供給し、これを燃焼させて予熱ガスを生成し、800℃の予熱ガスとして炉内に吹き込むものとした。この際、ガス吹き込み部B(予熱ガス吹込口)はガス吹き込み部A(循環高炉ガス吹込口)の真上となるように設定した。一方、ガス吹き込み部Bから予熱ガスを吹き込まない条件を比較条件とした。
B ガス吹き込み部
C 高炉羽口部
1 ガス流路
2 CO2分離除去装置
3 ガス加熱装置
4 燃焼バーナー
5 ガス流路
6 ガス流路
7 熱風炉
10 高炉シャフト部
g1 予熱ガス流れ
g2 循環高炉ガス流れ
Claims (10)
- 高炉炉頂部から排出された高炉ガスの少なくとも一部を、CO2を分離除去する工程及び加熱して昇温させる工程を経て、高炉シャフト部に設けられたガス吹き込み部(A)から還元ガスとして炉内に吹込むことにより高炉に対して循環させる高炉操業方法であって、
高炉シャフト部において、ガス吹き込み部(A)よりも上方位置に設けられたガス吹き込み部(B)から予熱ガス(x)を炉内に吹き込むことを特徴とする高炉操業方法。 - 炉周方向位置において、ガス吹き込み部(B)がガス吹き込み部(A)の真上に位置することを特徴とする請求項1に記載の高炉操業方法。
- ガス吹き込み部(B)では、燃料ガスを燃焼させ、その燃焼ガスを予熱ガス(x)として炉内に吹き込むことを特徴とする請求項1又は2に記載の高炉操業方法。
- 燃料ガスが高炉ガスであることを特徴とする請求項3に記載の高炉操業方法。
- ガス吹き込み部(B)に、燃焼ガスの温度を調整する希釈ガスとして高炉ガスを供給することを特徴とする請求項3又は4に記載の高炉操業方法。
- 高炉シャフト部に設けられたガス吹き込み部(A)と、高炉炉頂部から排出された高炉ガスの少なくとも一部をガス吹き込み部(A)に供給するガス流路(1)と、該ガス流路(1)の途中に上流側から順に設けられるCO2分離除去装置(2)及びガス加熱装置(3)を備え、高炉炉頂部から排出された高炉ガスの少なくとも一部を、CO2分離除去装置(2)でCO2を分離除去する工程及びガス加熱装置(3)で加熱して昇温させる工程を経て、ガス吹き込み部(A)から還元ガスとして炉内に吹込むことで高炉に対して循環させるようにした高炉設備であって、
高炉シャフト部において、ガス吹き込み部(A)よりも上方位置に、予熱ガス(x)を炉内に吹き込むためのガス吹き込み部(B)が設けられたことを特徴とする高炉設備。 - 炉周方向位置において、ガス吹き込み部(B)がガス吹き込み部(A)の真上に位置することを特徴とする請求項6に記載の高炉設備。
- ガス吹き込み部(B)が、燃料ガスを燃焼させ、その燃焼ガスを予熱ガス(x)として炉内に吹き込む燃焼バーナー(4)で構成されることを特徴とする請求項6又は7に記載の高炉設備。
- 高炉炉頂部から排出された高炉ガスの一部を、燃料ガスとして燃焼バーナー(4)に供給するガス流路(5)を有することを特徴とする請求項8に記載の高炉設備。
- ガス流路(5)から分岐し、ガス流路(5)を流れる高炉ガスの一部を燃焼ガスの希釈ガスとして燃焼バーナー(4)に供給するガス流路(6)を有することを特徴とする請求項9に記載の高炉設備。
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