JP2018068915A - ショックアブソーバ - Google Patents

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Abstract

【課題】高い安全性と、高性能の衝撃エネルギー吸収能力を有し、然かも、細幅化、小型軽量化の可能でかつ衝撃エネルギー吸収時に人体に与える衝撃を均一化して人体の損傷を防止しえるショックアブソーバを提供する。【解決手段】ショックアブソーバ1であって、エネルギー衝撃吸収部に於ける当該第1と第2の布帛部を構成する緯糸は全て低伸度かつ高強力特性を有する糸条で構成されている事を特徴とするショックアブソーバ。【選択図】図1

Description

本発明は、ショックアブソーバに関するものであり、更に詳しくは、高い安全性と、高性能の衝撃エネルギー吸収能力を有し、然かも、細幅で小型軽量化が可能で、然も操作性が良く、かつ衝撃吸収力が高く、従って衝撃エネルギー吸収時に人体に与える衝撃を均一化して人体の損傷を防止しえるショックアブソーバに関するものである。
従来、この種の衝撃ショックアブソーバとしては、実開昭49−11428号公報(特許文献1)或は特開昭50-4725号公報(特許文献2)等に示されている様に、破断伸度がそれぞれ異なる複数種の縦糸を同時に使用して構成された一枚構造の織物からなり、当該複数種の縦糸の一部を他の縦糸より浮かせて織り込む様に構成されたショックアブソーバが知られている。
然しながら、係る公知例では、1層の織物から構成されている事と、少なくとも2種類の縦糸は当該ショックアブソーバの伸張過程で切断されてしまう様に構成されているので、ショックアブソーバ全体としてみた場合には、強力が不十分であり、安全性に関する信頼性が乏しいものであった。
一方、織物を2層に配列させたショックアブソーバとしては、例えば特開2003−275333号公報(特許文献3)に示されている通り、上下2層の織物をからみ糸で相互に接合すると共に、切断伸度が異なる複数種の芯糸を使用し、当該ショックアブソーバの伸張に伴って、地糸は切断されないが、当該芯糸のみが順次切断する様に構成されたショックアブソーバが開示されている。
然しながら、係るショックアブソーバにあっては、芯糸を複数種類使用することと、からみ糸を使用するものであるから、製織工程が煩雑である事から生産コストが高騰する欠点を有すると同時に、当該芯糸の切断が部分的且つ集中的に発生する事から、作業者が事故に際して受ける衝撃が段階的に発生するので、不快感を感じるという欠点が有った。
その他に上記した公知技術と同様に細幅織物からなるエネルギー吸収ベルト等に於いて、縦糸として伸度や破断強度等が相互に異なる複数種の糸条を縦糸として追加使用した例として、特開2010-168687号公報(特許文献4)や特開平7−246909号公報(特許文献5)等が知られているが、何れも本発明の対象とする小型化を目指したショックアブソーバに関しては、全く開示も示唆も見当たらないのである。
一方、ショックアブソーバとして、二枚の積層された布帛を適宜の吊糸で重畳固定した基材部に於いて当該双方の布帛を左右に引き離すことにより、当該吊糸を切断しながら衝撃エネルギーを吸収する様に構成された構造をもつショックアブソーバとしては、例えば、特許第2998033号公報(特許文献6)や特開平5−141102公報(特許文献7)等が知られているが、係る公知技術に於いては、当該衝撃エネルギー吸収部を構成する布帛の構成に関しては、何らの具体的技術構成は示されておらず、機構的な説明に終始するのみであって、小型化、軽量化を指向すると共に、細幅化して収納容量の縮小化や操作性の向上を達成する為の布帛構造を主体としたショックアブソーバに関しては全く開示も示唆も無く、更には、従来周知のショックアブソーバより小型化且つ軽量化されたにも関わらず、衝撃吸収もより高性能を維持出来るショックアブソーバを製造する為の技術思想は全く開示されてはいない。
従って、従来より、強力が十分あり、エネルギー吸収効果が高く、軽量で且つ小型化されたショックアブソーバであって、落下に対する衝撃が大幅に和らげられ、人体に対する衝撃ショックが緩和され、危険を感じるという不安感が解消されるコストが低く、然も、ドライ状態であっても、又、湿潤状態であっても、略同一の性能と機能を発揮することが出来、且つ何れの状態に於いても操作性が良く、安全性に対する信頼性の高いショックアブソーバが求められていた。
実開昭49−11428号公報 特開昭50−4725号公報 特開2003−275333号公報 特開2010−168687号公報 特開平7−246909号公報 特許第2998033号公報 特開平5−141102公報
従って、本発明の目的は、上記した従来のショックアブソーバに於ける問題点を解消し、簡易な構成でありながら、理想的な破断伸張特性を示し、事故発生時に、作業員或はユーザーを保護する為に、極端な衝撃荷重が直接的に作業員或はユーザーに印加されることを防止し且つ、十分な耐久性と強度を有するショックアブソーバであって、然も生産性が高く生産コストが抑制できるショックアブソーバを提供するものであり、更には、用途拡大の要請から、小型化され、且軽量で、操作性も良好で、コストが安価なショックアブソーバであると同時に、然も、ドライ状態であっても、又、ウェット状態(湿潤状態)であっても、略同一の性能並びに作用効果と機能を発揮することが出来、更には、低荷重から高荷重の落下物を広範囲に亘って効率的に受け止める事が可能で、安全保護を受けるべき対象となる作業員或はユーザーの範囲を拡大する事が可能な当該ショックアブソーバを提供するものである。
本発明は上記した目的を達成するため、以下に記載されたような基本的技術構成を採用するものである。即ち、本発明に係る当該ショックアブソーバは、基本的には、細幅帯状の布帛で構成される相互に独立して形成されている第1の布帛部と第2の布帛部とで構成されている分離部と、当該分離部の双方の端部のそれぞれから外方に連続状に延展されており、且つ、当該第1と第2の布帛部とが吊糸を介して積層一体化されている細幅帯状の布帛で構成されるエネルギー衝撃吸収部とから構成されているショックアブソーバであって、当該ショックアブソーバに於ける当該第1と第2の布帛部を構成する縦糸は、当該分離部及び当該エネルギー衝撃吸収部を通して連続している合成繊維糸条で有り、当該分離部及び当該エネルギー衝撃吸収部を構成している緯糸は合成繊維糸条で有り、当該第1と第2の布帛部は、平織組織及び綾織組織から選択された一つの組織で織成されたものであり、当該吊糸は、当該分離部及び当該エネルギー衝撃吸収部を通して連続している合成繊維糸条で有って、当該分離部では、当該吊糸の一部は当該第1の布帛部内で当該第1の布帛部を構成する当該縦糸の間に分散して配列され縦糸としての機能を発揮していると共に、他方の一部は、当該第2の布帛部内で当該第2の布帛部を構成する当該縦糸の間に分散して配列され縦糸としての機能を発揮しているが、当該エネルギー衝撃吸収部に於いては、当該第1の布帛部と当該第2の布帛部とを一体的に結合する為に、全ての当該吊糸は、所定のパターンの下に、当該第1と第2の布帛部のそれぞれの緯糸の一部と個別に係合する
様に、当該第1と第2の布帛部間を移動するように織り込まれており、且つ、少なくとも、当該エネルギー衝撃吸収部に於ける当該第1と第2の布帛部を構成する緯糸は全て低伸度かつ高強力特性を有する糸条で構成されている事を特徴とするショックアブソーバである。
本発明は、基本的には上記した様な技術構成を採用しているので、以下に示す様な作用効果を発揮する事が可能である。
即ち、簡易な構成であり且つ、従来の一般的なショックアブソーバの持つ幅よりも26乃至40パーセントも細幅化、小型化されているにもかかわらず、図2に示す様な、従来の一般的な高品質を持ったショックアブソーバの持つ理想的な衝撃荷重特性或は破断伸張特性を示し、然も使用中の十分な耐久強度を有するショックアブソーバであって、且つ、生産性が高く生産コストが抑制できるショックアブソーバが容易に得られるという作用効果を有するものである。
更には、本発明に於いては、事故発生時に、作業員或はユーザーを保護する為に十分な耐久性と強度を有するショックアブソーバであって、落下物の荷重の制限を大幅に緩和出来、低荷重の落下物から高荷重の落下物まで、広範囲に亘って効率的に受け止める事が可能で、安全保護を受けるべき対象となる作業員或はユーザーの範囲を拡大する事が可能な当該ショックアブソーバを提供するもので、従来のショックアブソーバの欠点を改良したショックアブソーバを容易に且つ安価に得ることが可能となった。
図1は、本発明に係るショックアブソーバの織構造の一具体例を示す断面図である。 図2は、本発明に係るショックアブソーバの衝撃荷重波形の一具体例を示すグラフである。 図3は、本発明に係るショックアブソーバに於ける分離部の織組織の一例を示す断面図である。 図4は、本発明に係るショックアブソーバに於けるエネルギー衝撃吸収部の織組織の一例を示す断面図である。 図5は、本発明に係るショックアブソーバに於けるエネルギー衝撃吸収部の織組織と吊糸の配列の一例を示す断面図である。 図6は、本発明に係るショックアブソーバに於けるエネルギー衝撃吸収部の織組織と吊糸の配列の他の例を示す断面図である。 図7は、本発明に係るショックアブソーバに於けるエネルギー衝撃吸収部の織組織と吊糸の配列の異なる例を示す断面図である。 図8は、本発明に係るショックアブソーバの全体の構成の一具体例を示す概略図である。 図9は、本発明に係るショックアブソーバの全体の外観構成の一具体例を示す概略図である。 図10は、本発明に係るショックアブソーバの全体的な概略構成を示す断面図である。 図11は、図10に示す、本発明に係るショックアブソーバの全体の構造部分における図示Cで示す部分の織構成の一具体例を示す断面図である。 図12は、図10に示す、本発明に係るショックアブソーバの全体の構造部分における図示Bで示す部分の織構成の一具体例を示す断面図である。 図13は、従来公知(現行品1)のショックアブソーバに於ける衝撃荷重波形の一具体例を示すグラフである。 図14は、従来公知(現行品2)のショックアブソーバに於ける衝撃荷重波形の一具体例を示すグラフである。 図15は、試作品(実験No.1)で得られたショックアブソーバに於ける衝撃荷重波形の一具体例を示すグラフである。 図16は、試作品(実験No.2)で得られたショックアブソーバに於ける衝撃荷重波形の一具体例を示すグラフである。 図17は、試作品(実験No.3)で得られたショックアブソーバに於ける衝撃荷重波形の一具体例を示すグラフである。 図18は、試作品(実験No.4)で得られたショックアブソーバに於ける衝撃荷重波形の一具体例を示すグラフである。 図19は、試作品(実験No.5)で得られたショックアブソーバに於ける衝撃荷重波形の一具体例を示すグラフである。 図20は、試作品(実験No.6)で得られたショックアブソーバに於ける衝撃荷重波形の一具体例を示すグラフである。 図21は、試作品(実験No.7)で得られたショックアブソーバに於ける衝撃荷重波形の一具体例を示すグラフである。 図22は、試作品(実験No.8)で得られたショックアブソーバに於ける衝撃荷重波形の一具体例を示すグラフである。 図23は、試作品(実験No.9)で得られたショックアブソーバに於ける衝撃荷重波形の一具体例を示すグラフである。 図24は、試作品(実験No.10)で得られたショックアブソーバに於ける衝撃荷重波形の一具体例を示すグラフである。 図25は、試作品(実験No.11)で得られたショックアブソーバに於ける衝撃荷重波形の一具体例を示すグラフである。 図26は、試作品(実験No.12)で得られたショックアブソーバに於ける衝撃荷重波形の一具体例を示すグラフである 図27は、本発明に係るショックアブソーバについての別の態様を説明する為の糸構成の例を示す図である。 図28は、本発明に係る当該別の態様についてのショックアブソーバの落下衝撃試験結果を示すグラフである。 図29は、本発明に係る当該別の態様についてのショックアブソーバ於ける吊糸を構成する低伸度糸条と高伸度糸条の混合比率を変化させた場合の構成例と落下衝撃試験結果とを説明する図である。 図30は、本発明に係る当該別の態様についてのショックアブソーバ於ける吊糸を構成する低伸度糸条と高伸度糸条の混合比率を変化させた場合の他の構成例と落下衝撃試験結果とを説明する図である。 図31は、本発明に係る当該別の態様についてのショックアブソーバ於ける吊糸を構成する低伸度糸条と高伸度糸条の混合比率を変化させた場合のドライ状態での落下衝撃試験結果とを説明する図である。 図32は、本発明に係る当該別の態様についてのショックアブソーバ於ける吊糸を構成する低伸度糸条と高伸度糸条の混合比率を変化させた場合のドライ状態及びウウェット状態での落下衝撃試験結果とを説明する図である。
以下に上記した本発明の基本的な技術思想を実現する具体的な態様(本発明の第1の態様)に於ける構成の例を、図面を参照しながら詳細に説明する。
処で、本発明に係る当該ショックアブソーバ100は、前記した通り、従来業界内で一般的に使用されている各種の構成を有するショックアブソーバの内で、前記の特許文献6或いは特許文献7に開示された様な、2枚の分離された布帛部からなる分離部と当該2枚の分離された布帛部を適宜の吊糸を介して一体化した衝撃エネルギー吸収部とから構成されるタイプの構造を有するショックアブソーバの延長線上にあるタイプのショックアブソーバであって、従来に於ける係るタイプの当該ショックアブソーバに於ける、欠点を改良し、ベルト部分の幅を減少させ、小型化、軽量化、低コスト化を図りつつ、操作性の向上と衝撃荷重特性や衝撃破断特性に於いて、当該従来技術に於ける高品質を有すると言われている従来公知の当該ショックアブソーバが持つ当該衝撃荷重特性や衝撃破断特性と同じ特性を発揮出来る新規タイプのショックアブソーバ100を提供しようとするものである。
そこで、本発明は、先ず、当該従来技術に於ける当該ショックアブソーバよりもそのベルト部分の布帛の織幅を大幅に減少させながら、当該従来技術に於ける当該ショックアブソーバの持つ当該特性を維持するか或はそれを凌駕させる為に、当該ショックアブソーバ100としては、如何なる織構造を持つ事が望ましいかと言う観点から、当該ショックアブソーバ100としての望ましい織構造に付いて鋭意検討し、その後、当該望ましい織構造をベースとして、当該ショックアブソーバ100が上記した望ましい特性を発揮する為の、糸構造(糸種、繊度、糸特性、使用本数等)の望ましいあり方を、多数の実験を繰り返すことにより、確認すると言う工程を実行したものである。
先ず、本発明は、上記した本発明の目的を達成する為に必要な、本発明に係る当該ショックアブソーバ100が持つ織構成について検討した。
即ち、本発明は、上記した本発明に於ける解決すべき技術的課題と、得るべき、好ましい特性並びに効果とを勘案しながら、上記特許文献及び、既に市販されている同一タイプのショックアブソーバの織構造を参照しつつ、多くの実験等を繰り返し、且つ鋭意検討した結果、本発明に於ける図1に示す様な織構造を採用する事によって、初めて、細幅化されたにも関わらず、細幅化されていない従来公知のショックアブソーバと同様若しくはそれ以上の特性を保持すると同時にそれらと同等の作用効果を発揮し得る可能性があると言う知見を知得したものである。
即ち、図1は本発明にかかるショックアブソーバ100が有すべき基本的な織構造の一具体例を示す断面図であって、図中、細幅状の帯状の布帛で構成される相互に独立して形成されている第1の布帛部31と第2の布帛部32とで構成されている分離部3と、当該分離部3の双方の端部301、302のそれぞれから外方に連続状に延展されており、且つ、当該第1と第2の布帛部31、32とが吊糸10を介して積層一体化されている細幅状の帯状の布帛で構成されるエネルギー衝撃吸収部4、4’とから構成されているショックアブソーバ100であって、当該ショックアブソーバ100に於ける当該第1と第2の布帛部31、32を構成する縦糸、つまり地縦糸5は、当該分離部3及び当該エネルギー衝撃吸収部4、4’を通して連続している合成繊維糸条で有り、当該分離部3及び当該エネルギー衝撃吸収部4、4’を構成している緯糸6は合成繊維糸条であり、当該第1と第2の布帛部31、32は、平織組織及び綾織組織から選択された一つの組織で織成されたものであり、当該吊糸10は、当該分離部3及び当該エネルギー衝撃吸収部4、4’を通して連続している合成繊維糸条で有って、当該分離部3では、当該吊糸10の一部は当該第1の布帛部31内で当該第1の布帛部31を構成する当該縦糸5の間に分散して配列され縦糸としての機能を発揮していると共に、他方の一部32では、当該第2の布帛部32内で当該第2の布帛部32を構成する当該縦糸10の間に分散して配列され縦糸としての機能を発揮しているが、当該エネルギー衝撃吸収部4、4’に於いては、当該第1の布帛部31と当該第2の布帛部32とを一体的に結合する為に、全ての当該吊糸10は、所定のパターンの下に、当該第1と第2の布帛部31、32のそれぞれの緯糸6の一部と個別に係合する様に、当該第1と第2の布帛部31、32間を移動するように織り込まれており、且つ、少なくとも、当該エネルギー衝撃吸収部4に於ける当該第1と第2の布帛部31、32を構成する緯糸6は全て低伸度かつ高強力特性を有する糸条で構成されている事を特徴とするショックアブソーバ100が示されている。
即ち、本発明に係る当該ショックアブソーバ100は、上記した従来例である特許文献6或いは特許文献7に示されている様な、二枚の積層された布帛を適宜の吊糸で重畳固定した基材部に於いて当該双方の布帛を左右に引き離すことにより、当該吊糸を切断しながら衝撃エネルギーを吸収する様に構成された構造をもつタイプのショックアブソーバであって、具体的には、図1に例示されている様に、当該分離部3に於ける当該第1の布帛部31と当該第2の布帛部32の適宜の部位にそれぞれ適宜の結合部材を使用して、その先端部に適宜のフック部材11、11’が取り付けられている適宜の連結部材12、12’の他方の端部を取り付け、当該フック部材11、11’の一方を安全固定部材に係合させると共に、他方の当該フック部材11、11’を、例えば、バイパスベルト等の別体からなる補助ベルト(図示せず)を介して、作業員の腰部に係合させて使用するものである。
係るタイプの当該ショックアブソーバ100は、かなり以前から実際の作業現場で使用されているが、落下衝撃が作業員に印加された際に、当該破断吸収部が容易に切断されない場合が多発し、その結果、作業者が強い衝撃荷重を受けて不快感を感じたり、危険性を感じたりする事が多く、又、同時に、当該吊糸の切断時の不具合を補うために、全体の強度を高める目的で、厚みの増大とベルト幅の拡大化による大型化、重量化を図っていた為、当該ショックアブソーバ100自体の構成が大型化されていることから、使用に不便であり、収納にも問題が山積していた。
これに対し、本発明者は、上記した従来の問題点の解決の為に鋭意検討した結果、従来の当該ショックアブソーバに於いては、当該ショックアブソーバに所定の衝撃力が印加された場合、織物部分を構成する緯糸6が変形して、それに伴い当該織物部分の組織全体が変形してしまうので、その部分で当該衝撃力の一部が吸収されてしまう事から、当該吊糸10に切断されるに必要な張力が印加されないことから、当該吊糸が切断されにくい現象が発生する事を知得したものである。
一方、本発明は、当該ショックアブソーバ100の小型化、軽量化、操作性の容易化等を目的として、特に当該ショックアブソーバ100を構成している帯状ベルトの織組織の幅を細くする方向で鋭意検討した。
従来技術に於いては、当該ショックアブソーバの上記した特性を確保する為に、当該ショックアブソーバに於ける帯状布帛の織幅を出来るだけ大きくする事が要求されていた為、一般的に、係るタイプのショックアブソーバに於いては、その帯状織物布帛の幅は、太目に設定されており、そのベルト幅は、一般的に30mm乃至45mmに設定されているのが通常である。
その為、本発明者は、上記した従来技術の発生のメカニズムを根本的に解消する為に、当該ショックアブソーバ100の小型化、軽量化、操作性の容易化等の課題を達成しつつ、当該ショックアブソーバ100を構成する織物組織200の緯糸6が当該吊糸10の張力によって変形する事がなく、然も当該緯糸6が当該吊糸10を切断する刃物的な機能を発揮する様にすれば、上記した様な従来技術の問題点を解消出来ると言う新規な技術思想を完成したものである。
即ち、本発明の当該技術思想の特徴の一つは、少なくとも、当該ショックアブソーバ100の当該エネルギー衝撃吸収部4を構成する細幅状に形成された当該織物組織200からなる布帛部分に於ける当該緯糸6として、全て低伸度かつ高強力特性を有する糸条を使用するものであり、これによって、当該吊糸に落下衝撃による所定の張力が印加された場合でも、当該緯糸6は変形する事が無く、硬直的にその配置状態を維持する事が可能となり、更に、当該エネルギー衝撃吸収部4の一部を構成する当該吊糸10の使用本数を従来のショックアブソーバに於ける当該吊糸10の使用本数よりも多くして、当該緯糸6の外表面に多数の当該吊糸10が係合する様になし、それによって、当該低伸度かつ高強力特性を有する糸条である当該緯糸6が、多数本の当該吊糸10と通常の経糸311、312、321、322とによって、略完全にその外表面領域が被覆されるので、当該緯糸6の移動或いは変形が強固に防止されるので、当該吊糸10に当該所定の張力が印加されたとしても、当該緯糸6は、その通常の配置位置から変形・変位する事が確実に防止されるので、当該落下衝撃により当該吊糸に対して印加される所定の張力は、そのまま完全に当該吊糸10に印加される事になるので、当該吊糸10は、容易に且つ確実に切断される事になるのである。
つまり、低伸度かつ高強力特性を有する糸条である当該緯糸6が当該吊糸10に対して刃物としての機能を発揮するものと考えられる。
一方、本発明者は、従来のショックアブソーバが、広幅の帯状織物からなるベルトを使用していることから、重量が重く、使用に不便であり、コストも高く付くと言う欠点に加えて、当該従来のショックアブソーバを収納する為の容器も大型化となる事が避けられない事から、その取り扱いや保管方法にも不便さや、コスト高騰の結果となる事が避けられなかったのに対し、当該ベルトを構成する帯状織物の地縦糸にポリエステル系合成繊維からなる糸条を使用すると共にその繊度を拡大し、同時に、少なくとも当該エネルギー衝撃吸収部4を構成する織物組織からなる布帛部分に於ける当該緯糸6として、低伸度かつ高強力特性を有する糸条を使用すると言う技術思想を結合させることによって、当該地縦糸の使用本数を、従来のショックアブソーバに於ける当該地縦糸本数を低減させても、当該従来のショックアブソーバの持つ強度よりも優れた強度をもつショックアブソーバが得られる事が判明し、その結果、本発明に係る当該ショックアブソーバを構成する帯状の織物からなる布帛の幅を顕著に縮小される事が可能となったものであり、具体的には、従来のショックアブソーバの帯状織物の幅に対して26乃至40%も当該帯状織物の幅を縮小させる事が可能となったのである。
これによる、当該ショックアブソーバ100の減量効果は極めて高いものである事は言うまでも無い。
つまり、本発明に係る当該ショックアブソーバ100に於いては、当該帯状織物に於ける地縦糸5を従来のものより繊度の大きいポリエステル系合成繊維糸条を使用すると共に、その使用本数を従来のショックアブソーバに於ける当該帯状織物の縦糸本数よりも少なく出来、その分、当該帯状織物の幅を細幅化させると同時に、当該吊糸10の使用本数は、従来のショックアブソーバに於ける使用本数と略同じ様な本数に設定する様にしているので、当該地縦糸5の使用本数に対する当該吊糸6の使用本数の割合が高まり、当該ショックアブソーバ100の全体の強力の向上と吊糸の切断可能性の向上と言う理想的な特性を発揮できる構成となっているのである。
更に、本発明に於いては、使用地縦糸の繊度を太くする事に加えて、当該細幅織物部分200に於ける地縦糸密度が向上するので、当該細幅織物200組織内に配備されている全ての糸条が当該織組織内部で移動・変動が実質的に妨げられる結果、より衝撃に対する当該ショックアブソーバとしての強度も増大する事になる。
つまり、本発明に於いては、当該ショックアブソーバ100は細幅織物200で構成されている事が特徴であり、従来からの目標で有った当該ショックアブソーバの細幅化が実現されることになったのである。
本発明に於いて使用される糸条としては、当該緯糸6を除いては、繊維の種類、繊度、本数、撚り数等は特に限定されるものではないが、従来公知の合成繊維糸条の内、特にはフィラメント糸条を使用する事が望ましく、特に好ましくは、当該細幅織物部分200に於ける当該地縦糸5及び当該吊糸10は、ポリエステル系合成繊維フィラメント糸条を使用する事が望ましい具体例である。
又、本発明に於ける当該地縦糸5及び当該吊糸10の当該糸条は、例えば、1500T以上の繊度を有する、所謂太目の糸条を使用する事が望ましく、一例として、繊度が1670Tで撚り数が50乃至70t/mの糸条、特に好ましくは60t/mの当該糸条を使用する事が可能である。
一方、本発明に於ける当該細幅織物部200に於いて使用される当該緯糸6としては、上記した機能を発揮する必要がある事から、上記した通り、低伸度かつ高強力特性を有する糸条を使用する事が必要である。
当該低伸度かつ高強力特性を有する糸条6は、当該細幅織物200の全ての当該緯糸6に使用されるもので有っても良いが、少なくとも当該エネルギー衝撃吸収部4、4’に於いて使用される全ての当該緯糸6に使用される事が望ましい。
当該低伸度かつ高強力特性を有する糸条6としては、特にその組成や形状或いは繊度又は撚り数等に関しては限定されるものではないが、例えば、アラミド系合成繊維を主体として構成された繊維糸条を使用する事が望ましく、又、当該緯糸6の繊度は、例えば、1500T以上の繊度を有する、所謂太目の糸条を使用する事が望ましく、一例として、繊度が1670Tで撚り数が50乃至70tmの糸条、特に好ましくは60t/mの当該糸条を緯糸6として使用する事が可能である。
処で、本発明に係る当該ショックアブソーバ100の基本的構成をなす当該細幅織物200は、後述する各種の実験結果から理解される様に、好ましくは、その幅が、22mm乃至25mmの幅を有するものである事が望ましい。
一方、従来一般的に使用されている当該ショックアブソーバで使用される帯状の織物に於いては、その幅は、30mm乃至45mmに設定されており、その場合の当該地縦糸5は、1400Tの繊度を有し、60t/mの撚数からなるナイロン系合成繊維で構成されている糸条が使用されて、当該32mmの幅内に112本が配置されている。
一方、従来一般的に使用されている別の当該ショックアブソーバで使用される帯状の織物に於いて使用される当該吊糸10としては、1670Tの繊度を有し、60t/mの撚数からなるポリエステル系合繊維で構成されている糸条が使用され、且つ、当該吊糸10は、当該44mmの幅に設定されている当該帯状織物の幅内で235本が配置されている構成が採用されている。
係る従来例に対して、本発明に係る当該ショックアブソーバ100としての好ましい態様では、当該帯状織物の幅が例えば、22mm乃至25mmに設定されており、且つ当該細幅織物200に於ける当該地縦糸5の配列本数が28本であるのに対し、当該吊糸10は、1670Tの繊度を有し、60t/mの撚数からなるポリエステル系合繊維で構成されている糸条であって、当該幅内に36本の当該吊糸10が配列されている構成を採用しているのである。
処で、本発明に於ける当該ショックアブソーバ100を構成する当該細幅織物200の長手方向と直交する断面で見た織物組織構造は、図1に示す断面図で明らかな通り、細幅帯状の布帛で構成される相互に独立して形成されている第1の布帛部31と第2の布帛部32とで構成されている細幅帯状の布帛で構成される分離部3と、当該分離部3の双方の端部301、302のそれぞれから外方に連続状に延展されており、且つ、細幅帯状の布帛で構成される、当該第1と第2の布帛部31、32とが吊糸10を介して積層一体化されているエネルギー衝撃吸収部4、4’とから構成されているショックアブソーバ100である。
そして、本発明に於いては、当該地縦糸5は、当該第1の布帛部31を構成すると共に、当該エネルギー衝撃吸収部4、4’に於ける当該第1の布帛部31と対応する布帛部分を構成する連続した第1の地縦糸群5311と第2の地縦糸群5312とを含んでおり、更に当該地縦糸5は、別に、当該第2の布帛部32を構成すると共に、当該エネルギー衝撃吸収部4、4’に於ける当該第2の布帛部32と対応する布帛部分を構成する連続した第3の地縦糸群5321と第4の地縦糸群5322とを含んでおり、当該第1の地縦糸群5311と第2の地縦糸群5312は、当該第2の布帛部32内に侵入配置される事は無く、同様に、当該第3の地縦糸群5321と第4の地縦糸群5322が当該第1の布帛部31内に侵入配置される事も無いのである。
一方、本発明に於いて使用される当該吊糸10は、当該分離部3及び当該エネルギー衝撃吸収部4、4’を通して連続して配列されている上記で説明した合成繊維糸条で有って、当該分離部3では、当該吊糸10の一部は当該第1の布帛部31内で当該第1の布帛部31を構成する当該地縦糸5の間に分散して配列され地縦糸としての機能を発揮していると共に、当該吊糸10の他方の一部32では、当該第2の布帛部32内で当該第2の布帛部32を構成する当該縦糸5の間に分散して配列され縦糸としての機能を発揮しているが、当該エネルギー衝撃吸収部4、4’に於いては、当該第1の布帛部31と当該第2の布帛部32とを一体的に結合する為に、全ての当該吊糸10は、所定のパターンの下に、当該第1と第2の布帛部31、32のそれぞれの緯糸6の一部と個別に係合する様に、当該第1と第2の布帛部31、32間を移動するように織り込まれているものである。
つまり、本発明に於いては、当該吊糸10は、当該エネルギー衝撃吸収部4、4’に於いては、その全てが、当該第1の布帛部31と当該第2の布帛部32とを一体的に結合する為に当該第1と第2の布帛部31、32間に配置されるものであるが、当該分離部3に於いては、当該第1と第2の布帛部31、32内に分散配置され、地縦糸5の一部として機能するものであり、当該吊糸10の全総数が偶数である場合には、バランス上、当該第1と第2の布帛部31、32内に均等に分散配列されるが、それが奇数である場合には、それぞれの布帛部に分散配置される当該吊糸10の本数は異なってくる。
又、本発明に於ける当該ショックアブソーバ100に於ける当該細幅織物200の織組織構成は、特に限定されるものではないが、一般的には、当該エネルギー衝撃吸収部4及び該第1と第2の布帛部31、32を構成する部分の織組織は、平織組織及び綾織組織から選択された一つの組織で織成されたものである事が望ましい。
後述する本発明に係る当該ショックアブソーバ100の各種試験に使用した個々の具体例では、当該細幅織物200の織組織構成は2/2に特定した例を示しているが、例えば当該織組織構成を4/4の綾織組織にした場合でも、実質的な相違は見られなかった。
但し、本発明に係る当該細幅織物200の当該織組織に於いて、当該吊糸10の織組織は、上記した従来の現行品の吊糸部分の織構成とは異なる、以下に説明する様な特定の織組織を採用している。
即ち、本発明に於ける当該吊糸10の織込み組織は、従来のショックアブソーバ100に於ける当該吊糸10の織込組織とは実質的に異なる組織を採用しているのであり、その主な目的は、上記した通り、当該細幅織物200の中で、各構成糸条が自由に移動・変動する事を抑制すると同時に、特に、当該緯糸として使用される当該低伸度かつ高強力特性を有する糸条6が、織組織上、周囲から強い抑圧力が加えられて、その配置位置から移動・変動する事が著しく困難となる様に、配置される様な織組織を採用した処に新規且つ進歩性の大なる技術思想が存在するのである。
以下に、本発明に於ける当該ショックアブソーバ100に使用される当該細幅織物200の織組織構成の一具体例について図面を参照しながら説明する。
処で、本発明に於ける当該ショックアブソーバ100に於ける一つの具体例に於いては、当該細幅織物200の織組織に関しては、当該地縦糸5と緯糸6とで構成される基本的な織組織に関しては、図3(A)に示す通り、当該分離部3であると当該エネルギー衝撃吸収部4、4‘であるとに係わらず、例えば、2/2の綾組織で統一的に構成されたものであるが、一方、当該吊糸10に関しては、図3(B)に示されている様に、当該分離部3に於ける当該第1の布帛部31と当該第2の布帛部32とに於いては、本発明に於いて使用される全ての本数の当該吊糸6の内の半数が当該第1の布帛部31内の織組織内に挿入せしめられると同時に、他方の半数分の当該吊糸6が、当該第2の布帛部32内の織組織内に挿入せしめられる。
その際に、全ての当該吊糸6を二等分して当該第1及び当該第2の布帛部31、32内に挿入される当該吊糸が偶数である場合には、それぞれの当該第1の布帛部31及び当該第2の布帛部32内において、更にそれを2分割して得たそれぞれの当該吊糸6群を当該それぞれの布帛部31、32の当該緯糸と、通常の対称的な平織り組織で帯状織物を織成することとなるが、一方で、全ての当該吊糸6を二等分して当該第1及び当該第2の布帛部31、32内に挿入される当該吊糸6の数が奇数である場合には、それぞれの当該第1の布帛部31及び当該第2の布帛部32内において、更にそれを吊糸6の本数が互いに異なる2組の2分割して得たそれぞれの当該吊糸6群を当該それぞれの布帛部31、32内に挿入して、当該緯糸と当該吊糸6群を当該それぞれの布帛部31、32の当該緯糸と、通常の非対称的対に平織り組織で帯状織物を織成することとなる。
一方、本発明に於ける当該具体例に於いては、当該エネルギー衝撃吸収部4、4‘の織組織構造は、当該分離部3に於ける織組織構造と比べて、かなり複雑な織構造を構成するものである。
即ち、当該エネルギー衝撃吸収部4、4‘に於いては、前記した当該分離部3を構成する当該第1の布帛部31及び当該第2の布帛部32を単に重畳したものではあるが、当該双方の布帛部31と32を当該吊糸10が、当該第1の布帛部31と当該第2の布帛部32とを一体的に結合する為に、全ての当該吊糸10は、所定のパターンの下に、当該第1と第2の布帛部のそれぞれの緯糸の一部と個別に係合する様に、当該第1と第2の布帛部31、32間を移動するように織り込まれているものである。
当該吊糸10が当該第1と第2の布帛部31、32間を移動するように織り込まれる為の当該吊糸10の織組織は、前記した当該細幅織物200に於いて使用されている当該緯糸6が当該細幅織物200内部で強固に把持・固定されて、その移動・変位等が大きく制限される様な効果を発揮できるのに適した織組織である事が特徴である。
つまり、本発明に於ける当該ショックアブソーバ100に使用される当該細幅織物部分の当該エネルギー衝撃吸収部4、4‘に於ける織物構造の一つの特徴としては、使用されている当該吊糸10が、当該第1の布帛部31と第2の布帛部3とを連結する際の織込みパターンが相互に異なる複数種類の吊糸を含んでいる事であり、更には、当該吊糸10はすくなくとも、3種類の相互に異なる当該連結織込みパターンを有する吊糸10で構成されているものである。
本発明に於ける当該吊糸10の個々の配列並びに当該緯糸6との織り成し構成は特に限定されるものではないが、上記した本発明の目的を完全に達成する為に、例えば、以下に説明する具体例の様な織組織を使用する事も可能である。
即ち、本発明に於ける当該ショックアブソーバ100に於いて使用される当該細幅織物部分200の当該エネルギー衝撃吸収部4、4‘に於ける織物構造の一具体例の構成を図4に示す。
つまり、図4は、当該エネルギー衝撃吸収部4、4‘に於ける織物構造の一具体例の構成を示す側断面図であって、3種類の相互に異なる、織り込みパターンを有する吊糸群51乃至53が使用され、そのそれぞれの織り込み状態を示した図である。
先ず、当該吊糸群51の織込み構成を図5を参照して説明するならば、当該吊糸10−1及び吊糸10−2からなる第1の吊糸群51が持つ第1の連結織込みパターン(X1)は、当該第一の吊糸10−1が、当該第2の布帛部32に於ける、第1の緯糸621の下を通り、当該第1の布帛部31に於ける第2の緯糸612の上、及び当該第1の布帛部31に於ける第3の緯糸613の下、当該第1の布帛部31に於ける第4の緯糸614の上をそれぞれ順次に通過した後、当該第2の布帛部に於ける、第5の緯糸625の下を通過して、再び第1の布帛部31の第6の緯糸615の上を通過し、その後第緯1の布帛部の第7の緯糸617の下、及び第8の緯糸618の上をそれぞれ順次に通過した後、再び第2の布帛部32の第1の緯糸621の下を通過して元に戻るという第1パターン(A1)と、当該第1の吊糸群51の中で、当該第1の吊糸10−1と対で使用される別の吊糸10−2は、当該第1の吊糸10−1が持っている当該第1パターン(A1)のパターン形状をそっくり反転させて形成された第2のパターン(A2)を有するものであって、その両者の吊糸10で構成された当該第1パターン(A1)と当該第2のパターン(A2)の分解図は、図5に示されている。
一方、第3の吊糸10−3とそれと対で使用される別の第4の吊糸10−4とで構成されている当該第2の吊糸群52が持つ第2の連結織込みパターン(X2)は、図6に示す様に、当該第3の吊糸10−3が当該第1の布帛部31に於ける、第1の緯糸611の上を通過した後、当該第2の布帛部32の第2の緯糸622の下を通過した、再び当該第1の布帛部31の第3の緯糸613の上をそれぞれ順次に通過した後、当該第2の布帛部32に戻り、当該第2の布帛部32に於ける第4の緯糸624の下を通過して、再び第1の布帛部31の第5の緯糸615の上を通過するという交互の織り込みパターンが当該第2の布帛部32の第8の緯糸迄継続されるという第3のパターン(A3)と、当該第3のパターン(A3)を緯糸1ピック分ずらせて形成された第4のパターン(A4)とで構成されたものである。
更に、第5の吊糸10−5、それと対で使用される別の第6の吊糸10−6とで構成されている当該第3の吊糸群53が持つ第3の連結織込みパターン(X3)は、図7に示す様に、当該第5の吊糸10−5が、当該第2の布帛部32に於ける、第1の緯糸621の上を通過した後、当該第2の布帛部32に於ける第2の緯糸622の下を通過して当該第1の布帛部31に於ける第3の緯糸613の上を通過し、その後、再び当該第2の布帛部32に戻り、当該第2の布帛部32の第4の緯糸624の下、同第5の緯糸625の上、及び同第6の緯糸626の下をそれぞれ順次に通過した後、当該第1の布帛部31に於ける、第7の緯糸617の上を通過して、再び第2の布帛部32に戻り、当該第2の布帛部の第8の緯糸628の下を通過し、当該第2の布帛部32の第1の緯糸621の上を通過する様にして元に戻るという第5パターン(A5)と、このパターンをそっくり反転させて形成された第6のパターン(A6)とで構成されたものである。
この段階で、本発明が課題とする従来一般的に使用されている当該ショックアブソーバを細幅化して、且つ、当該従来一般的に使用されているショックアブソーバと同等乃至はそれ以上の好ましい衝撃荷重特性を含む製品特性や作用効果を発揮させる為の望ましい織構造の基本的構成が確認出来たので、次いで、当該本発明に係るショックアブソーバ100の基本的な織構造を使用して、使用すべき糸構成や糸使いを種々に変更した具体的実験を複数回繰り返して実行し、本発明に係る当該細幅化されたショックアブソーバ100であって、然も、従来一般的に使用されている高性能のショックアブソーバと同等乃至はそれ以上の好ましい衝撃荷重特性を含む製品特性や作用効果を発揮させる為に必要な糸構成や糸使い等の条件を追及した。
処で、本発明に係る当該ショックアブソーバ100が細幅の帯状布帛から構成されておりながら、従来一般的に使用されている高性能のショックアブソーバと同等乃至はそれ以上の好ましい衝撃荷重特性を有する機能を持たせる為の各種の糸条条件を追及する為に、目標となる対象製品として、第1表に示す現在市販中の2種のショックアブソーバを対象として選択した。

即ち、第1表より明らかな通り、第1の対象品となるショックアブソーバ(現行品1)は、織組織が2/2の綾織からなる織幅が32mmの帯状ベルトで構成されており、地糸(縦糸)としてナイロン(N1400T/2)の糸条を112本が使用され、又、吊糸として、ポリエステル(PE1670T)の糸条が、3組(14本、12本、14本)構成で38本が使用され、且つ緯糸とし、ポリエステル(PE1670T)の糸条が2本使用されているショックアブソーバであり、当該ショックアブソーバをJIS規格に沿って、100Kg−1.6mの落下試験を行って得られた試験データが、最大衝撃荷重が5.11kNで、当該試験後の当該ベルトの伸びが433mmで、当該エネルギー吸収部の残部長が39mm(標準規格値は、最大衝撃荷重が6.0kN以下で、試験後の当該ベルトの伸びが650mm以下)の実力を呈し、その衝撃荷重グラフは、図13に示す通りの理想的な波形を示すものである。
当該波形から見る限り、当該第1の対象品は、作業員が何らかの事故により高所部位より落下した場合には、先ずベルト部分(具体的には,当該分離部の帯状体部に瞬間的に荷重が掛る為、当該波形は瞬間的に5.00kN程度の衝撃値迄上昇するが、それ以降は、作業員の落下につれて、当該エネルギー吸収部の当該吊糸が徐々に切れながら当該衝撃荷重を吸収しつつ当該エネルギー吸収部が相互に分離して行く為、当該衝撃荷重波形は、略高原状態を維持しながら、衝撃エネルギーを徐徐に吸収していくので、その間は、当該落下中の作業員には、強い衝撃が印加される事無く、均一は状態で下降出来るので安全性と安心感を受ける事が出来る。
そして当該衝撃荷重波形の当該略高原状態の終端部では、吊糸の切断が不規則となることから当該衝撃荷重波形が若干上昇した後、当該衝撃荷重のエネルギーの全てを吸収して当該作業員の落下状態を終息させることになる。
一方、第2の対象品となるショックアブソーバ(現行品2)は、織組織が2/2の綾織からなる織幅が44mmの帯状ベルトで構成されており、地糸(縦糸)としてポリエステル(PE1670T/2)の糸条が235本使用され、又、吊糸として、ポリエステル(PE1400T)の糸条が、2組(50本、50本)構成で100本が使用され、且つ緯糸とし、ポリエステル(PE1670T)の糸条が2本使用されているショックアブソーバであり、当該ショックアブソーバをJIS規格に沿って、80Kg−1.7mの落下試験を行って得られた試験データが、最大衝撃荷重が3.52kNで、当該試験後の当該ベルトの伸びが598mmで、当該エネルギー吸収部の残部長が8mm(標準規格値は、最大衝撃荷重が8.0kN以下で、試験後の当該ベルトの伸びが650mm以下)の実力を呈し、その衝撃荷重グラフは、図14に示す通りの波形を示すものである。
当該波形から見る限り、当該第2の対象品も、当該第1の対象品と同様の衝撃荷重グラフを示すが、当該第1の対象品と比べて、当該衝撃荷重波形に於ける当該略高原状態がよりフラットな特性を呈することから、当該第2の対象品は、当該第1の対象品に比べて、より衝撃エネルギーを効率的に吸収する事が可能となるので、落下作業員は、落下中より安全性と安定性を感じる事が可能となるのである。
そして、前記した通り、本発明に於ける当該ショックアブソーバ100では、その本体部を構成する帯状織物からなる布帛を可能な限り細幅化すると同時に、図13及び図14に示されている様な、衝撃荷重特性を発揮出来るショックアブソーバ100を提供しようとするものである。
そこで、本発明は、上記目的を達成する為の好ましい織構成を有するショックアブソーバ100を製造する為に、上記した基本的織組織構造の下で、当該ショックアブソーバ100の帯状織物部分の織幅を30mm以下に順次細幅化して行き、その際に地糸5、吊糸10及び緯糸6等の繊度、種類、使用本数等を種種に変化させた試作品サンプルを多数作製し、それらの衝撃荷重グラフを測定して、本発明の目的に適合したショックアブソーバ100が得られるか否かを確認する為の多数の実験を鋭意行った。
当該多種に亘る実験結果の具体的スペックの一部を表2に示す。


尚、本実験で、評価に使用した衝撃荷重特性試験は、JIS規格で定められている100Kg−1.6mの落下試験を適用して衝撃荷重特性を測定する方法を採用し、当該ショックアブソーバとしての合格値が衝撃荷重値が6.0kN以下で、ベルト自体の伸びの長さが650mm以下に設定した。
上記衝撃荷重特性試験は、上記表2に示す全ての実験で共通に使用した。
以下に、当該各種の実験結果を、当該表2を参照しながら個別に説明する。
即ち、実験No.1(EX.1)のショックアブソーバに於ける織構成は、織幅を29mmに設定した場合で、地糸を1400T/2のナイロン糸110本で構成すると共に、3組の吊糸のそれぞれを1400Tのポリエステル糸12本で構成し、且つ緯糸には1670Tのポリエステル糸を使用した。
当該試作品を上記した試験方法を適用して衝撃荷重特性を測定した結果を図15に示す。
実験N0.1(EX.1)のショックアブソーバは、当該波形は試験直後、瞬間的に3.50kN程度の衝撃値迄上昇するが、それ以降は、当該衝撃荷重波形は、やや下降気味ながら略高原状態を維持し、その終端部では、吊糸の切断が不規則となることから当該衝撃荷重波形が若干の幅で上昇した後下降し又上昇すると言う傾向を示している。
この波型を標準規格値と比較すると、衝撃荷重は3.49kNであり、合格値の範囲に入るものの、当該エネルギー衝撃吸収部が全て分離(全開)している為にベルトの伸びが667mmとなっているので、ショックアブソーバとしての特性を満たさないと判断される。
係る実験結果から判断するならば、従来の当該ショックアブソーバ製品の織構造スペックをそのまま細幅化しても、目標とする作用効果は発揮できないものである事が理解される。
次に、実験N0.2(EX2)のショックアブソーバに於ける織構成は、織幅を26mmに設定した場合で、地糸を1400T/2のナイロン糸92本で構成すると共に、3組の吊糸のそれぞれを1670Tのポリエステル糸を使用し、組毎に12本、10本、12本づつで構成し、且つ緯糸には1670Tのポリエステル糸を使用した。
当該試作品を上記した試験方法を適用して衝撃荷重特性を測定した結果を図16に示す。
実験N0.2(EX.2)のショックアブソーバは、試験直後に4.5kNまで急上昇した後、一旦0kNまで急落後再度、14.0kNを超えるまで急上昇した後、再び0kNまで急落して終わっているという2山波型を呈している。
係る現象が発生する理由としては、最初の山形部では、当該ショックアブソーバに於ける当該エネルギー衝撃吸収部が分離出来ず、その為に分離部3のベルト部分が破断した事を示し、2段目の山形部では、当該ショックアブソーバに補助的に接続されるバイパスベルト部が切断された事を示している。
従って、この試作品は、ショックアブソーバとしての商品価値は全くない事が理解される。
これは、エネルギー衝撃吸収部での吊糸を切断するに必要な力が発生していない事を示すものと推定される。
一方、実験N0.3(EX.3)のショックアブソーバに於ける織構成は、織幅を24mmに設定した以外は、実験N0.2の当該試作品と同じ織構成を採用したものである。
当該試作品を上記した試験方法を適用して衝撃荷重特性を測定した結果を図17に示す。
実験N0.3(EX.3)のショックアブソーバの衝撃荷重特性は、験N0.2の当該試作品と同じ特性とを示しており、織幅を単に狭めただけでは、特性が改善されない事が理解出来る。
当然のことながら、当該実験N0.3(EX.3)のショックアブソーバもショックアブソーバとしての商品価値は全くない事が理解される。
次に、実験N0.4(EX.4)のショックアブソーバに於ける織構成は、織幅を23mmに設定した場合で、地糸を1400T/2のナイロン糸92本で構成すると共に、3組の吊糸のそれぞれを1670Tのポリエステル糸を使用し、組毎に12本、8本、12本づつで構成し、且つ緯糸には1670Tのポリエステル糸を使用した。
当該試作品を上記した試験方法を適用してドライ状態とウェット状態とで個別に衝撃荷重特性を測定した結果を図18に示す。
実験N0.4(EX.4)のショックアブソーバは、ドライ状態では、瞬間的に4.00kN程度の衝撃値迄上昇するが、それ以降は、当該衝撃荷重波形は、やや下降気味ながら略高原状態を維持し、その終端部では、急激に上昇して6.67kN程度迄上昇した後、0kNに戻っている。
係る現象は、当該エネルギー衝撃吸収部の吊糸が全て切断されて当該エネルギー衝撃吸収部全開して消滅したため、当該バイパスベルトが当該衝撃荷重を吸収して落下が停止された事を示している。
反面、この実験例では、吊糸が容易に切れすぎると言う問題が見えてくる。
一方、ウェット状態での測定結果は、実験N0.2に於けると同様に、その波型は2段階の山形突起状を呈しており、破断状態が発生している事を示している。
即ち、本実験例では、実験N0.2と同様に、エネルギー衝撃吸収部での分離が不規則となることから当該衝撃荷重波形が若干の幅で上昇した後下降し又上昇すると言う傾向を示している。
この理由は、ウェット状態では、繊維糸条が膨潤することから、吊糸が切れ難くなる事に起因するものと推定される。
何れにしても本実験例では、吊糸が切れやすい場合と切れにくい場合が極端に存在することから、商品設計としては不安定な要因を含んでおり、望ましい織構成とは断定できない状態と判断する。
又、実験N0.5(EX.5)のショックアブソーバに於ける織構成は、織幅を実験N0.4と同様に23mmに設定した場合で、地糸を1400T/2のナイロン糸92本で構成すると共に、3組の吊糸のそれぞれを1100Tのケブラー(登録商標)糸を使用し、組毎に12本、8本、12本づつで構成し、且つ緯糸には1670Tのポリエステル糸を使用した。
当該試作品を上記した試験方法を適用してドライ状態での衝撃荷重特性を測定した結果を図19に示す。
実験N0.5(EX.5)のショックアブソーバでは、ドライ状態では実験N0.3或いは実験N0.4に於けると同様に、その波型は2段階の山形突起状を呈しており、破断状態が発生している事を示している。尚、係る傾向は、ウェット状態でも同じ状態であった。
係る現象は、吊糸にケブラー(登録商標)糸を使用している為、吊糸が殆ど切断されない事に起因しているものと考えられる。
従って、実験N0.5(EX.5)のショックアブソーバも商品的価値は殆ど無いと判断する。
更に、実験N0.6(EX.6)のショックアブソーバに於ける織構成は、織幅を23mmに設定したままで、地糸を167T/2のポリエステル糸92本で構成すると共に、3組の吊糸及び緯糸の構成は実験N0.4のものと同じに設定した。
つまり、実験N0.6においては、実験N0.4の織構成に対して、地糸をポリエステル糸とし、その繊度を1670Tと太くして設計したものである。
当該試作品を上記した試験方法を適用してドライ状態とウェット状態とで個別に1種類ずつを、100Kg−1.6mの落下試験の下で、衝撃荷重特性を測定した結果を図20に示す。
実験N0.6(EX.6)のショックアブソーバは、ドライ状態では、何れも瞬間的に3.50kN程度の衝撃値迄上昇するが、それ以降は、当該衝撃荷重波形は、やや下降気味ながら略高原状態を維持し、その終端部では、急激に上昇して9.58kN程度迄上昇した後、0kNに戻っている。
係る現象は、当該エネルギー衝撃吸収部の吊糸が全て切断されて当該エネルギー衝撃吸収部が全開して消滅したが、衝撃エネルギーを全て吸収できずに、当該バイパスベルトが当該衝撃荷重を受けて破断した状態を示している。
一方、実験N0.6(EX.6)のショックアブソーバは、ウェット状態では、何れも瞬間的に3.50kN程度の衝撃値迄上昇し、それ以降は、当該衝撃荷重波形は、やや上昇気味ながら略高原状態を維持し、その終端部では、急激に下降して0.50kN程度迄降下した後、再び6.00kN程度の衝撃値迄上昇し、その直後に0kNに戻っている。
係る現象は、当該エネルギー衝撃吸収部の吊糸が殆ど切断されて当該エネルギー衝撃吸収部が全開に近い状態に達したときに、当該吊糸が切断出来ない状態が発生し、当該ショックアブソーバのベルト部が破断した結果、残りの衝撃エネルギーを当該バイパスベルトが受け止めて破断した状態を示している。
尚、これらの結果は、85Kg−1.6mの落下試験でも同様の結果が得られている。
従って、実験N0.6(EX.6)のショックアブソーバも、不安定な衝撃荷重特性を示す事からショックアブソーバとしての商品的価値は殆ど無いと判断する。
次に、実験N0.7(EX.7)のショックアブソーバに於ける織構成は、織幅を22mmに設定した場合で、地糸を1670T/2のポリエステル糸56本で構成すると共に、3組の吊糸のそれぞれを1670Tのポリエステル糸を使用し、組毎に14本、12本、14本づつで構成し、且つ緯糸には1670Tのポリエステル糸を使用した。
即ち、実験N0.7(EX.7)のショックアブソーバに於いては、実験N0.6(EX.6)のショックアブソーバに対して、織幅を狭めると同時に地糸の使用本数を略半分に近い値に減少させると同時に吊糸の使用本数を若干増加させたスペックとなっている。
当該試作品を上記した試験方法を適用してドライ状態で衝撃荷重特性を測定した結果を図21に示す。
実験N0.7(EX.7)のショックアブソーバは、ドライ状態では、何れも瞬間的に3.50kN程度の衝撃値迄上昇し、それ以降は、当該衝撃荷重波形は、高原状態を維持する事無く急激に下降して0.50kN程度迄降下した後、再び14.00kN程度の衝撃値迄急激に上昇し、その直後に0kNに戻っている。
係る現象は、当該エネルギー衝撃吸収部の吊糸が殆ど切断されず、逆に緯糸が当該吊糸によって切断された結果、当該エネルギー衝撃吸収部が分離出来ないまま、破断してしまい、その結果、当該衝撃エネルギーを当該バイパスベルトが受け止めて、当該バイパスベルトが破断した状態を示している。
つまり、係る現象は、緯糸が弱いか、位置変動を起こしやすい構造である為に、当該吊糸を積極的に切断する事が出来ず、逆に当該吊糸が緯糸を切断してしまうと言う好ましくない現象が発生しているものと推測される。
係る実験結果から、当該緯糸が吊糸を確実に切断出来る様な、糸構成、織構成を追求する事が重要な技術ポイントである事が理解される。
何れにしても、実験N0.7のショックアブソーバも、不安定な衝撃荷重特性を示す事からショックアブソーバとしての商品的価値は殆ど無いと判断する。
次の実験N0.8(EX.8)で使用するショックアブソーバでは、上記実験により、緯糸を強化して当該吊糸を確実に切断出来る機能を付与出来る様にする目的で、当該緯糸として、低伸度・高強力糸を使用して見たサンプル製品であり、当該低伸度・高強力糸として1670Tのケブラー(登録商標)糸を使用したものであり、当該ショックアブソーバの織幅を22mmに設定すると共に、地糸を1670T/8のポリエステル糸28本と構成して当該実験N0.7(EX.7)のショックアブソーバの地糸の半分の使用本数とすると共に、3組の吊糸のそれぞれを1670Tのポリエステル糸を使用し、組毎に12本、12本、12本づつで構成した。
即ち、本実験では、織幅を22MMに設定する一方、地糸と吊糸の配列本数を低減させる事によって、織組織内に於けるそれぞれの糸の動きに少し自由度を与える様な織構成としているものである。
当該試作品を上記した試験方法を適用してドライ状態で1品種及びウェット状態2品種の双衝撃荷重特性をそれぞれ測定した結果を図22にそれぞれ示す。
実験N0.8(EX.8)のショックアブソーバの当該衝撃荷重波形を検討するならば、3品種ともは、ドライ・ウェットの何れの状態でも、瞬間的に4.00kN程度の衝撃値迄上昇し、それ以降は、当該衝撃荷重波形は、やや下降気味ながら略高原状態を維持した状態を呈するが、その終端部では、一部の試作品のウェット状態では、当該衝撃荷重波形は急激に上昇して5.23kN程度迄上昇した後、0kNに戻っている。
この際のドライ状態に於ける当該ベルトの伸びは518mmで、当該エネルギー衝撃吸収部の残りの長さは7mmを示し、何れも規格値の合格範囲に属するものであり、本発明のショックアブソーバ100として好ましい特性を持つ製品であることが明らかになった。
その一方で、他の試作品のウェット状態では、当該衝撃荷重波形は急激に下降するがその途中で当該波型は複雑に変動しながら時間をかけて、0kN近傍に戻っている。
係る試作品の衝撃荷重は4.28kNで、試験後のベルトの伸びは537mmとなっているが、当該エネルギー衝撃吸収部は全開した状態を示しており、最後は当該バイパスベルトによって吸収されている事が判る。
従って、この試作品では、本発明の目標とするショックアブソーバとしては不十分なものと判断される。
一方、本試作品あって当該試作品をドライ状態で衝撃荷重特性を測定した結果をみると、当該略高原状態を維持した状態の終端部以降では、実験N0.6(EX.6)のショックアブソーバのウェット状態に於ける波型と略同じ波型を呈しており、実際の衝撃荷重は4.30kNで、試験後のベルトの伸びは578mmとなっているが、当該エネルギー衝撃吸収部は全開した状態を示しており、最後は当該バイパスベルトによって吸収されている事が判る。
従って、この試作品もドライの状態では、本発明の目標とするショックアブソーバとしては不十分なものと判断される。
換言するならば、当該実験N0.8(EX.8)のショックアブソーバの織構成により、本発明に係る当該ショックアブソーバ100として好ましい特性が得られる事が判明した。
更に、実験N0.9(EX.9)で使用するショックアブソーバでは、当該緯糸として、低伸度・高強力糸として1670Tのテクノーラ(登録商標)糸を使用し、当該ショックアブソーバの織幅を20mmに設定すると共に、地糸を1670T/8のポリエステル糸26本と構成して且つ3組の吊糸のそれぞれを1670Tのポリエステル糸を使用し、組毎に12本、12本、12本づつで構成した。
当該試作品を上記した試験方法を適用してドライ状態で衝撃荷重特性を測定した結果を図23にそれぞれ示す。
実験N0.9(EX.9)のショックアブソーバの衝撃荷重波型を検討すると、その波型は、前記した実験N0.7(EX.7)のショックアブソーバに於ける当該波型と略同一の波型を呈しており、瞬間的に4.00kN程度の衝撃値迄上昇し、それ以降は、当該衝撃荷重波形は、高原状態を維持する事無く急激に下降して0乃至0.50kN程度迄降下した後、再び13.01kN程度の衝撃値迄急激に上昇し、その直後に0kNに戻っている。
係る現象は、当該エネルギー衝撃吸収部の吊糸が殆ど切断されず、逆に緯糸が当該吊糸によって切断された結果、当該エネルギー衝撃吸収部が分離出来ないまま、破断してしまい、その結果、当該衝撃エネルギーを当該バイパスベルトが受け止めて、当該バイパスベルトが破断した状態を示している。
つまり、本実験例では、細幅織物の織幅が小さすぎることから、当該織組織内での各糸条間の動きが実質的になくなり、緯糸として、当該吊糸を切断する動きを採る事が不可能であったものと推測される。
この実験から、本発明に於ける当該ショックアブソーバ100として好ましい細幅織物の織幅として20mmは、適切ではないと推定される。
更に、実験N0.10(EX.10)に付いて説明するならば、当該実験N0.10(EX.10) で使用するショックアブソーバは、前記した実験N0.8(EX.8)で使用したショックアブソーバの織構成と実質的に同一としたもので、当該ショックアブソーバは、当該実験N0.8(EX.8)で使用したショックアブソーバの製造時期をずらせて製造したものである。
つまり、当該実験N0.10(EX.10)の当該ショックアブソーバは、織幅を22mmに設定すると共に、当該緯糸として、1670Tのケブラー(登録商標)糸を使用したものであり、その他の織構成並びに糸構成は当該実験N0.8(EX.8)のサンプルと同一条件に設定してある。
そして、当該試作品を上記した試験方法を適用してドライ状態で衝撃荷重特性を測定した結果を図24に示す。
当該実験N0.10(EX.10)のショックアブソーバの当該衝撃荷重波形を検討するならば、ドライ状態でも、瞬間的に4.00kN程度の衝撃値迄上昇し、それ以降は、当該衝撃荷重波形は、略水平状の高原状態を維持した状態を呈するが、その終端部では、当該衝撃エネルギー吸収部分の細かい微妙な分離動作が行われるため、当該衝撃荷重波形は若干の上下動をみせているが、その後は急速に下降して0.00kNに戻っている。
この際の当該ベルトの最大衝撃荷重は4.59kNで、ベルト自体の伸びは520mmで、当該エネルギー衝撃吸収部の残りの長さは9mmを示し、明らかに規格値の合格範囲に属するものであり、本実験N0.10(EX.10)のショックアブソーバは、本発明のショックアブソーバ100として好ましい特性を持つ製品であることが明らかになった。
続いて、実験N0.11(EX.11)に付いて説明するならば、当該実験N0.11(EX.11)で使用するショックアブソーバでは、当該ショックアブソーバの織幅を21mmに設定すると共に、その他の糸構成は全て、前記した実験N0.9(EX.9)のショックアブソーバの糸構成と一致させて構成されたサンプルであり、当該試作品を上記した試験方法を適用してドライ状態で衝撃荷重特性を測定した結果を図25に示す。
実験N0.11(EX.11)のショックアブソーバの衝撃荷重波型を検討すると、その波型は、前記した実験N0.9(EX.9)のショックアブソーバに於ける当該波型と略同一の波型を呈しており、瞬間的に3.80kN程度の衝撃値迄上昇し、それ以降は、当該衝撃荷重波形は、高原状態を維持する事無く急激に下降して一旦0kN程度迄降下した後、再び13.61kN程度の衝撃値迄急激に上昇し、その直後に0kNに戻っている。
係る現象は、当該エネルギー衝撃吸収部の吊糸が殆ど切断されず、逆に緯糸が当該吊糸によって切断された結果、当該エネルギー衝撃吸収部が分離出来ないまま、破断してしまい、その結果、当該衝撃エネルギーを当該バイパスベルトが受け止めて、当該バイパスベルトが破断した状態を示している。
つまり、本実験例では、やはり細幅織物の織幅が小さすぎることから、当該織組織内での各糸条間の動きが実質的になくなり、緯糸として、当該吊糸を切断する動きを採る事が不可能であったものと推測される。
この実験から、本発明に於ける当該ショックアブソーバ100として好ましい細幅織物の織幅として21mmは、適切ではないと推定される。
最後に実験N0.12(EX.12) に付いて説明するならば、当該実験N0.12(EX.12) に於いて使用されるショックアブソーバは、前記した実験N0.8(EX.8)及び実験N0.10(EX.10)で使用したショックアブソーバの織構成及び糸構成と実質的に同一としたもので、当該ショックアブソーバは、当該実験N0.8(EX.8)で及び実験N0.10(EX.10)で使用したショックアブソーバの製造時期と時期をずらせて製造したものである。
そして、当該試作品を上記した試験方法を適用してドライ状態で衝撃荷重特性を測定した結果を図26に示す。
当該実験N0.12(EX.12)のショックアブソーバの当該衝撃荷重波形を検討するならば、ドライ状態でも、瞬間的に4.00kN程度の衝撃値迄上昇し、それ以降は、当該衝撃荷重波形は、略水平状の高原状態を維持した状態を呈するが、その終端部では、当該衝撃エネルギー吸収部分の細かい微妙な分離動作が行われるため、当該衝撃荷重波形は若干の上下動をみせているが、その後は急速に下降して0.00kNに戻っている。
この際の当該ベルトの最大衝撃荷重は4.38kNで、ベルト自体の伸びは513mmで、当該エネルギー衝撃吸収部の残りの長さは10mmを示し、明らかに規格値の合格範囲に属するものであり、本実験N0.12(EX.12)のショックアブソーバは、本発明のショックアブソーバ100として好ましい特性を持つ製品であることが明らかになった。
上記の各種の実験結果から、本実験N0.12(EX.12)のショックアブソーバの織構成並びに糸構成は、本実験N0.10(EX.10)及び実験N0.8(EX.8)のそれとも実質的に同じであって、一部のサンプルで、当該衝撃荷重特性に於いて、規格値に合格しないものが見受けられるが、多くに同一サンプルが当該規格値に合格している事を勘案するならば、本実験N0.12(EX.12)、本実験N0.10(EX.10)、及び実験N0.8(EX.8)の当該ショックアブソーバの織構成並びに糸構成は、実質的に、本発明の課題を解決する為の好ましい織構成並びに糸構成を確立しているものと判断して良い状態にあると判断出来る。
更に、本発明に係る当該ショックアブソーバに於ける当該細幅帯状織物部の織幅は22mmを超えて細くする事は技術的に不可能であると判断されることから、その下限値は22mmと判断出来る。
一方、当該細幅帯状織物部の織幅は、当該実験N0.12(EX.12)、本実験N0.10(EX.10)、及び実験N0.8(EX.8)の実験結果とを勘案すると、その上限は25mmが好ましい限界値ではないかと考えられる。
上記した種々の実験例の結果を踏まえると、本発明に於ける第2の態様としては、上記した本発明に於ける第1の態様つまり基本的な技術思想に加えて、当該低伸度かつ高強力特性を有する糸条は、アラミド系合成繊維からなる糸条ある事を特徴とするショックアブソーバ100で有る事も好ましい具体例を示す態様であり、又、上記した本発明に於ける第1の態様つまり基本的な技術思想に加えて、当該ショックアブソーバ100は、22mm乃至25mmの幅を有する細幅織物で構成されている事も本発明に於ける第3の態様として存在し得るものである。
更に、本発明に於ける第4の態様としては、当該吊糸6は、当該エネルギー衝撃吸収部に於ける当該第1の布帛部と第2の布帛部とを連結する際の織込みパターンが相互に異なる複数種類の吊糸を含んでいる事を特徴とするショックアブソーバ100であり、又、本発明に於ける第5の態様としては、当該吊糸は当該エネルギー衝撃吸収部に於ける3種類の相互に異なる当該連結織込みパターンを有するものである事を特徴とするショックアブソーバ100である。
より詳しくは、当該エネルギー衝撃吸収部内に於ける当該第1と第2の布帛部間を亘る当該吊糸の本数が当該エネルギー衝撃吸収部内の部位によって異なっている事を特徴とするショックアブソーバ100である。
更に、本発明に於ける第6の態様としては、当該吊糸に於ける第1の吊糸群が持つ第1の連結織込みパターンは、当該吊糸が、当該第1の布帛部に於ける、第1の緯糸の上、第2の緯糸の下、及び第3の緯糸の上をそれぞれ順次に通過した後、当該第2の布帛部に於ける、第4の緯糸の下を通過して、再び第1の布帛部の第5の緯糸の上を通過し、その後第1の布帛部の第6の緯糸の下、及び第7の緯糸の上をそれぞれ順次に通過した後、再び第2の布帛部の第8の緯糸の下を通過して、当該第1の布帛部に戻るという第1パターンと、このパターンをそっくり反転させて形成された第2のパターンとで構成されたものであり、当該吊糸に於ける第2の吊糸群が持つ第2の連結織込みパターンは、当該吊糸が当該第1の布帛部に於ける、第1の緯糸の上を通過した後、当該第2の布帛部の第2の緯糸の下を通過した後、再び当該第1の布帛部の第3の緯糸の上をそれぞれ順次に通過した後、当該第2の布帛部に戻り、当該第2の布帛部に於ける第4の緯糸の下を通過して、再び第1の布帛部の第5の緯糸の上を通過するという交互の織り込みパターンが当該第2の布帛部の第8の緯糸迄継続されるという第3のパターンと、当該第3のパターンを緯糸1ピック分ずらせて形成された第4のパターンとで構成されたものであり、当該吊糸に於ける第3の吊糸群が持つ第3の連結織込みパターンは、当該吊糸が、当該第2の布帛部に於ける、第1の緯糸の上を通過した後、当該第2の布帛部に於ける第2の緯糸の下を通過した後、当該第1の布帛部に於ける第3の緯糸の上を通過した後、再び当該第2の布帛部に戻り、当該第2の布帛部の第4の緯糸の下、第5の緯糸の上、及び第6の緯糸の下をそれぞれ順次に通過した後、当該第1の布帛部に於ける、第7の緯糸の上を通過して、再び第2の布帛部に戻り、当該第2の布帛部の第8の緯糸の下を通過し、当該第2の布帛部の第1の緯糸の上を通過する様にして元に戻るという第5パターンと、このパターンをそっくり反転させて形成された第6のパターンとで構成されたものである事を特徴とするショックアブソーバ100で有っても良く、更には、本発明に於ける第7の態様としては、当該エネルギー衝撃吸収部に於ける当該エネルギー衝撃吸収部と当該当該分離部との接合部位並びにその近傍部部位に相当する第1の部位に於いては、当該第1と第2の布帛部間を亘る当該吊糸は、当該第3のパターンと当該第4のパターンとからなる当該第2の連結織込みパターンを有する当該第2の吊糸群のみで構成されている事を特徴とするショックアブソーバ100である。
一方、本発明に於ける当該第7の態様に含まれる好ましい一具体例としては、当該エネルギー衝撃吸収部に於ける当該第1の部位の端部から当該エネルギー衝撃吸収部の当該自由端部の方向に向けて所定の距離だけ延展して形成されている第2の部位に於いては、当該第1と第2の布帛部間を亘る当該吊糸が、当該第3のパターンと当該第4のパターンとからなる当該第2の連結織込みパターンを有する当該第2の吊糸群のみで構成されている部位と、第1の連結織込みパターンを有する当該第1の吊糸群、当該第2の連結織込みパターンを有する当該第2の吊糸群及び第3の連結織込みパターンを有する当該第3の吊糸群とが総合されて形成されている部位とが交互に配列されている事を特徴とするショックアブソーバ100である。
更に、本発明に係る第8の態様としては、当該エネルギー衝撃吸収部に於ける当該第2の部位の端部から当該エネルギー衝撃吸収部の当該自由端部の方向に向けて所定の距離だけ延展して形成されている第3の部位に於いては、当該第1と第2の布帛部間を亘る当該吊糸が、当該第1の連結織込みパターンを有する当該第1の吊糸群、当該第2の連結織込みパターンを有する当該第2の吊糸群及び第3の連結織込みパターンを有する当該第3の吊糸群とが総合されて形成されている事を特徴とするショックアブソーバ100である。
上記した本発明に係る当該ショックアブソーバ100に於いては、当該分離部3の左右両端部から外方に向けて延展する2つの当該エネルギー衝撃吸収部4、4’の織構造は図4に示されている様な織構造のみで構成されるものであった。
然しながら、本発明者が、更に鋭意検討した結果、当該分離部3に衝撃荷重が印加された後、即時に、当該エネルギー衝撃吸収部4、4’に於ける当該吊糸6が切断してくれる事が重要な要素であるが、本発明者が種々実験した結果によると、上記した本発明に係る具体例の構成では、全ての場合に於いて、必ず当該分離部3に衝撃荷重が印加された後、即時に、当該エネルギー衝撃吸収部4、4’に於ける当該吊糸6が切断してくれると言う事態が発生することがなく、幾つかの具体的実験では、該分離部3に衝撃荷重が印加された後、即時に、当該エネルギー衝撃吸収部4、4’に於ける当該吊糸6が切断されず、所定の時間差を経て切断される事例が多々発生した。
係る事態が多発する事は、当該ショックアブソーバ100の製品に対する信頼性を阻却する原因ともなるので、改善する必要が指摘されている。
本発明者は、上記問題点を鋭意検討し、実験を繰り返した結果、当該分離部3に衝撃荷重が印加された後、即時に、当該エネルギー衝撃吸収部4、4’に於ける当該吊糸6が切断してくれると言う事態を確実に実現させる為に、当該分離部3に衝撃荷重が印加された後、即時に、当該エネルギー衝撃吸収部4、4’に於ける当該吊糸6が切断してくれると言う、トリガー構成部を導入する事が有効である事を知得し、以下に示す新規な技術思想を完成させたものである。
即ち、本発明に於いては、当該エネルギー衝撃吸収部4、4’内に於ける当該第1と第2の布帛部31,32間を亘って移動する当該吊糸6の本数が当該エネルギー衝撃吸収部4、4’内の部位によって異なる様に構成する事が好ましい技術構成である。
係る本発明に於ける新たな技術構成をより具体的に説明するならば、当該エネルギー衝撃吸収部4、4’に於ける当該エネルギー衝撃吸収部4、4’と当該分離部3との接合部位301,302から当該エネルギー衝撃吸収部4、4’の自由端部部位乃至その近傍部部位に向けて、当該吊糸6が当該第1と第2の布帛部31、32間を亘る数が漸次増加する様に構成されている事が好ましい具体例である。
即ち、本発明に於ける当該新規な技術思想にあっては、少なくとも、当該エネルギー衝撃吸収部4、4’に於ける当該エネルギー衝撃吸収部4、4’と当該分離部3との接合部位301,302並びにその近傍部部位に相当する第1の部位Cに於いては、当該第1と第2の布帛部31、32間を亘る吊糸6の数を、当該エネルギー衝撃吸収部4、4’本体部領域に存在する当該第1と第2の布帛部31、32間を亘る吊糸6の数よりも少なくする事によって、所定の衝撃エネルギーが印加された際に、先ず、当該第1の部位Cに於ける当該吊糸6を容易に且つ確実に、且つ即時に切断させることによって、その他の部分に存在する他の吊糸6が順序にかつ確実に切断するためのトリガーとして機能することになる。
係る本発明の技術構成をさらに詳細に図10を参照しながら説明する。
即ち、図10は、本発明に於ける当該ショックアブソーバ100の更に改善された特性を有するショックアブソーバ100の構成の概要を示すブロック図であって、先ず基本的な構成としては、第1の布帛部31と第2の布帛部32とで構成されている分離部3と、当該分離部3の双方の端部301、302のそれぞれから外方に連続状に延展されており、且つ、当該第1と第2の布帛部31、32とが吊糸10を介して積層一体化されているエネルギー衝撃吸収部4、4’とから構成されているショックアブソーバ100に於いて、少なくとも、当該エネルギー衝撃吸収部4、4’と当該分離部3との接合部位301、302並びにその近傍部部位に相当する第1の部位Cに於いては、当該第1と第2の布帛部31、32間を亘る当該吊糸10の本数は、当該エネルギー衝撃吸収部4、4’に於ける当該吊糸10の使用本数よりも少なく設定するものである。
当該第1の部位Cの設定長さは特に限定されるものではないが、当該分離部3の見かけ上の長さを例えば140mmとした場合には、その長さは、例えば30mm乃至60mmであることが好ましい。
当該第1の部位Cに於ける当該吊糸10の織込みパターンは特に限定されるものではないが、例えば、図6に示す様に、当該第3のパターン(A3)と当該第4のパターン(A4)とで構成された第2の連結織込みパターン(X2)を使用する事が好ましい具体例である。
その結果、当該本発明に係るショックアブソーバ100に於ける、当該第1の改良型ショックアブソーバ100の一具体例に於いては、当該第1の部位Cに於ける当該吊糸10の織込みパターンは、図11に示される様な織組織を構成しており、一方、その他の当該エネルギー衝撃吸収部4、4’に於ける部位Aに於いては、図4に示す様な織組織を構成している事になる。
係る本発明の具体例に於いて、当該部位Cに配置されている当該吊糸10の内で、当該第1と第2の布帛部31、32間を亘る事が無い様に織成される当該吊糸10は、図11に明らかに示されている通り、当該第1と第2の布帛部31、32内で、それぞれ、当該第1と第2の布帛部31、32に於ける緯糸と例えば、平織される事になる。
一方、本発明に係る当該ショックアブソーバ100に関する更なる改良型のショックアブソーバ100に於いては、図10に示す前記具体例の構成に加えて、当該エネルギー衝撃吸収部4、4’に於ける部位Cと部位Aとの間に、更に別の部位Bを配置し、当該新たな部位Bに於いて使用される、当該第1と第2の布帛部31、32間を亘る当該吊糸10の本数を、当該部位Cに於ける当該吊糸10の数より多く且つ当該部位Aに於ける当該吊糸10の数よりも少なくする様に設定されるものである。
当該第1の部位Bの設定長さは特に限定されるものではないが、当該分離部3の見かけ上の長さを例えば140mmとした場合には、その長さは、例えば30mm乃至60mmであることが好ましい。
当該第1の部位Bに於ける当該吊糸10の織込みパターンは特に限定されるものではないが、例えば、図12に示す様に、当該第1と第2の布帛部31、32間を亘る当該吊10が、当該第3のパターン(A3)と当該第4のパターン(A4)とからなる当該第2の連結織込みパターン(X2)を有する当該第2の吊糸群と、当該第1と第2の布帛部31、32間を亘る当該吊10が、当該第1のパターン(A1)と当該第2のパターン(A2)とからなる当該第2の連結織込みパターン(X1)を有する当該第2の吊糸群若しくは、当該第5のパターン(A5)と、当該第6のパターン(A6)とからなる当該第3の連結織込みパターン(X3)を有する当該第3の吊糸群とが総合されて形成されている織構成が採用されることが好ましい。
一方、本具体例に於ける当該ショックアブソーバ100に於ける当該部位Bの端部から、当該細幅織物200の自由端部303迄の間の部位A迄の長さは、特に限定されるものではなく、使用用途に応じて適宜決定されるものではあるが、例えば150mm乃至200mmの長さに設定される事が望ましい。
一方、当該部位Aの織構成も特に限定されるものではないが、例えば、図4に示されている通り、当該エネルギー衝撃吸収部4、4’に於ける部位Aに於いては、当該第1と第2の布帛部31、32間を亘る当該吊糸10が、当該第1の連結織込みパターン(X1)を有する当該第1の吊糸群、当該第2の連結織込みパターン(X2)を有する当該第2の吊糸群及び第3の連結織込みパターン(X3)を有する当該第3の吊糸群とが総合されて形成されている事が望ましい具体例の一つである。
つまり、当該エネルギー衝撃吸収部内に於ける当該第1と第2の布帛部間を亘る当該吊糸の本数が当該エネルギー衝撃吸収部内の部位によって異なっている事を特徴とするショックアブソーバ100が開示されているのである。
上記の具体例から勘案すると、本発明に於ける第9の態様としては、当該吊糸は、当該エネルギー衝撃吸収部に於ける当該第1の布帛部と第2の布帛部とを連結する際の織込みパターンが相互に異なる複数種類の吊糸を含んでいる事を特徴とするショックアブソーバ100が存在する。
更に、本発明に於ける第10の態様としては、上記第9の態様に於いて、当該吊糸は当該エネルギー衝撃吸収部に於ける3種類の相互に異なる当該連結織込みパターンを有するものである事を特徴とするショックアブソーバであることも好ましい態様と考えられ、又、本発明に於ける第11の態様としては、当該エネルギー衝撃吸収部内に於ける当該第1と第2の布帛部間を亘る当該吊糸の本数が当該エネルギー衝撃吸収部内の部位によって異なっている事を特徴とするショックアブソーバ100も好ましい具体例である。
より具体的には、本発明に於ける当該第12の態様としては、当該エネルギー衝撃吸収部に於ける当該エネルギー衝撃吸収部と当該当該分離部との接合部位から当該エネルギー衝撃吸収部の自由端部部位乃至その近傍部部位に向けて、当該吊糸が当該第1と第2の布帛部間を亘る数が漸次増加する様に構成されている事を特徴とするショックアブソーバである。
更に、本発明に於ける第13の態様としては、当該エネルギー衝撃吸収部に於ける当該エネルギー衝撃吸収部と当該分離部との接合部位並びにその近傍部部位に相当する第1の部位に於いては、当該第1と第2の布帛部間を亘る当該吊糸は、当該第3のパターンと当該第4のパターンとからなる当該2の連結織込みパターンを有する当該第2の吊糸群のみで構成されている事を特徴とするショックアブソーバ100である。
其の他、本発明に於ける第14の態様としては、当該エネルギー衝撃吸収部に於ける当該第1の部位の端部から当該エネルギー衝撃吸収部の当該自由端部の方向に向けて所定の距離だけ延展して形成されている第2の部位に於いては、当該第1と第2の布帛部間を亘る当該吊糸が、当該第3のパターンと当該第4のパターンとからなる当該第2の連結織込みパターンを有する当該第2の吊糸群のみで構成されている部位と、第1の連結織込みパターンを有する当該第1の吊糸群、当該第2の連結織込みパターンを有する当該第2の吊糸群及び第3の連結織込みパターンを有する当該第3の吊糸群と、が総合されて形成されている部位とが交互に配列されている事を特徴とするショックアブソーバ100である。
更に、本発明に係る第15の態様としては、当該エネルギー衝撃吸収部に於ける当該第2の部位の端部から当該エネルギー衝撃吸収部の当該自由端部の方向に向けて所定の距離だけ延展して形成されている第3の部位に於いては、当該第1と第2の布帛部間を亘る当該吊糸が、当該第1の連結織込みパターンを有する当該第1の吊糸群、当該第2の連結織込みパターンを有する当該第2の吊糸群及び第3の連結織込みパターンを有する当該第3の吊糸群とが総合されて形成されている事を特徴とするショックアブソーバ100である。
次に、本発明者は、上記した本発明に於ける当該ショックアブソーバ100の当該衝撃荷重特性を更に改良する方法に関し、鋭意検討を続けた結果、従来公知の当該ショックアブソーバ100に於いて使用される吊糸10は、全てが低伸度特性を有するポリエステル合成繊維からなる糸条が使用されており、これが、当該ショックアブソーバ100の衝撃荷重特性を高止まり状態に固定してしまう原因となり、使用者が落下の際の衝撃を受けるに当たり不快感を感じる結果となっていた事が判明した。
その為、本発明は、更に鋭意検討した結果、従来当該吊糸10の略100%が低伸度特性を有するポリエステル合成繊維糸条で構成されるべきであるという常識を打破し、当該吊糸を構成する低伸度特性ポリエステル合成繊維糸条の一部を高伸度特性を有する合成性繊維糸条で置き換えることによって、当該従来の問題点を解決する事が出来ると言う結果を知得したものである。
つまり、本発明に於ける更に別の具体的態様(第16の態様)としては、本発明に係る当該ショックアブソーバ100を構成する当該吊糸10を通常一般的に使用されている低伸度ポリエステル系合成繊維糸条の少なくとも一部に、高伸度特性を有する合成繊維糸条を使用する事が望ましいと言う技術構成を確立したものである。
本発明に於いて当該吊糸として使用される低伸度特性を有する合成繊維としては、ポリエステル系合成繊維或いは、アラミド系合成繊維等が使用出来る。
一方、本発明に於ける当該高伸度特性を有する合成繊維糸条としては、例えば、ポリエステル系合成繊維糸条である事が望ましく、特には、1100T−96F、破断伸度25%の高伸度ポリエステル繊維糸条が好ましく使用される。
此処で、本発明者は、当該吊糸に低伸度特性を有する繊維糸条のみを使用した場合と当該低伸度特性を有する繊維糸条からなる吊糸の一部に高伸度特性を有する繊維糸条を混合した場合の当該のみを使用した場合のショックアブソーバ100に於ける作用効果を比較する為に、当該ショックアブソーバ100の織組織構造は、前記した各実施態様で使用した織組織構造と同一のままとして、当該地糸及び当該吊糸の構成を相互に変更させた2種類のサンプルを作成、そのそれぞれの落下衝撃特性を比較した実験を行った。
つまり、今回のテストで使用されるサンプルの糸構造は、図27に示す通り、第1のサンプル(SA2)は、織幅を30mmに設定すると共に、地糸5を44本、吊糸10を40本の低伸度ポリエステル系合成繊維糸条で構成したものとし、一方、第2のサンプル(SA13)は、織幅を30mmに設定すると共に、地糸5を44本、吊糸10を36本としてそのうち低伸度ポリエステル系合成繊維糸条を22本、高伸度ポリエステル系合成繊維糸条を14本として組み合わせたものである。
上記した2つのサンプルを、100kg−1.6m落下の条件下で衝撃荷重特性を測定した結果を図28に示す。
当該落下衝撃荷重特性試験では、標準基準値として、衝撃荷重が5.5kN以下、試験後の伸びが600mm以下で、剥離部の長さが300mm以下であることをしきい値として設定して評価した。
図28から理解される事は、双方のショックアブソーバ100の吊糸10の総デニール数は略同じであり、波形も略同じ様な形状を示しているが、当該低伸度糸条と当該高伸度糸条を混合させた当該第2のサンプル(SA13)の方が、衝撃荷重値で4.77kNで、試験後の伸びが536mmで、剥離部の長さが260mmとなっているのに対し、当該第1のサンプルの当該衝撃荷重値で5.35kNで、試験後の伸びが543mmで、剥離部の長さが256mmとなっている事から勘案して、当該第2のサンプルでは、衝撃荷重が若干低下すると共に、伸びの長さも小さくなっており、当該第1のサンプルに比べて、作業員に対する衝撃荷重の負担が小さくなっている事が証明されたことになり、作業員の体に対して優しく、よりコンパクトな製品となる事は明らかである。
続いて、本発明は、上記した本発明の別の態様に於いて、当該低伸度合成繊維糸条と当該高伸度合成繊維糸条との混合割合を変更した場合の当該ショックアブソーバ100の特定値に如何なる影響が与えられるかを検証する為、図29及び図30に示す様な当該両繊維間の混合比率を種々変更した複数個のサンプルを別途作成して、上記した落下衝撃荷重特性試験を実行して検討した。
即ち、図29は、当該ショックアブソーバ100の織構成は、前記して各実施態様のものと同じとし、且つ織幅を30mmと設定した上で、各サンプルで使用される当該吊糸10の総本数を適宜変更すると同時に、それぞれのサンプルに於ける当該吊糸に於ける当該低伸度合成繊維糸条と当該高伸度合成繊維糸条との混合割合を24:16、24:14、22:16に変更した3種類のサンプル(サンプル7、サンプル10及びサンプル11)を作成し、それぞれを、ドライ状態とウェット状態のもとで、上記した衝撃落下荷重特性テストを実施した。(尚、しきい値は上記したしきい値をそのまま利用した。)
一方、図30では、図29に示すサンプル7を除き、当該吊糸に於ける当該低伸度合成繊維糸条と当該高伸度合成繊維糸条との混合割合を32:4、18:12、22:14に変更した複数種類のサンプル(サンプル13乃至サンプル19及びサンプル20とサンプル21)を作成し、何れも上記したと同じ衝撃落下荷重特性テストを実施した。(尚、しきい値は上記したしきい値をそのまま利用した。)
上記した各実験結果の一部をプロットした状態を図31及び図32に示す。
図31は、前記した複数個のサンプルについての衝撃荷重特性値の内で、ドライ状態で測定して得た結果の一部を示すものであり、又図32は、当該各データのうちの一部のサンプルについての衝撃荷重特性値の内で、ドライ状態及びウェット状態の双方で測定して得た結果の一部を示したものである。
当該図31及び図32のデータの意味する処は、当該各グラフに於いて、より左側でより下側に位置するデータを示すサンプルが、当該性能に優れている事を示すものである。
当該各データやグラフ並びに測定上のしきい値とを総合的に勘案すると、ドライ状態でもウェット状態でも、当該低伸度合成繊維糸条と当該高伸度合成繊維糸条との本数比率を24本対6本或いは18本対12本とする具体例、つまり当該低伸度合成繊維糸条と当該高伸度合成繊維糸条との混合割合を3:2(換言すると当該吊糸の全本数に対して40%程度、当該高伸度合成繊維糸条を混入させる事が最も良好な作用効果が得られる事が判明したものである。
即ち、本発明に於いては、当該高伸度合成繊維糸条の混入割合を適宜変更させる事によって、当該製品の衝撃荷重の大きさや伸びを適宜の値に制御する事が可能となる。
本発明は、上記結果を念頭に、当該高伸度合成繊維糸条の混入割合の変更可能性について、当該各実験結果から分析した結果、該吊糸の全本数に対して当該高伸度合成繊維糸条を36%乃至42%程度混合させて使用する事が望ましいとの結論に到達したものである。
上記した本発明に係るショックアブソーバ100の第16の態様としては、当該吊糸を構成している合成繊維糸条は、少なくとも一部は低伸度特性を有する合成繊維糸条である事を特徴とするショックアブソーバ100であり、又第17の態様としては、当該吊糸を構成している合成繊維糸条は、低伸度特性を有する合成繊維糸条と高伸度特性を有する合成繊維糸条とが混在されている事を特徴とするショックアブソーバ100である。
更に、追加するならば、本発明に係るショックアブソーバ100の第18の態様としては、当該吊糸を構成している低伸度合成繊維糸条と高伸度合成繊維糸条と混合比率(低伸度合成繊維糸条本数:高伸度合成繊維糸条本数)は、6.0:1〜30.0:1である事を特徴とするショックアブソーバ100である。
3:分離部
4、4’ :エネルギー衝撃吸収部
5:地縦糸
6:緯糸
10:吊糸
11、11’ :フック部材
12、12’ :連結部材
31:第1の布帛部
32:第2の布帛部
100:ショックアブソーバ
200:織物組織
301、302:端部
311、312、321、322:通常の経糸
5321:第3の地縦糸群
5322:第4の地縦糸群
5311:当該第1の地縦糸群と
5312:第2の地縦糸群

Claims (10)

  1. 細幅帯状の布帛で構成される相互に独立して形成されている第1の布帛部と第2の布帛部とで構成されている分離部と、当該分離部の双方の端部のそれぞれから外方に連続状に延展されており、且つ、当該第1と第2の布帛部とが吊糸を介して積層一体化されている細幅帯状の布帛で構成されるエネルギー衝撃吸収部とから構成されているショックアブソーバであって、当該ショックアブソーバに於ける当該第1と第2の布帛部を構成する縦糸は、当該分離部及び当該エネルギー衝撃吸収部を通して連続している合成繊維糸条で有り、当該分離部及び当該エネルギー衝撃吸収部を構成している緯糸は合成繊維糸条で有り、当該第1と第2の布帛部は、平織組織及び綾織組織から選択された一つの組織で織成されたものであり、当該吊糸は、当該分離部及び当該エネルギー衝撃吸収部を通して連続している合成繊維糸条で有って、当該分離部では、当該吊糸の一部は当該第1の布帛部内で当該第1の布帛部を構成する当該縦糸の間に分散して配列され縦糸としての機能を発揮していると共に、他方の一部は、当該第2の布帛部内で当該第2の布帛部を構成する当該縦糸の間に分散して配列され縦糸としての機能を発揮しているが、当該エネルギー衝撃吸収部に於いては、当該第1の布帛部と当該第2の布帛部とを一体的に結合する為に、全ての当該吊糸は、所定のパターンの下に、当該第1と第2の布帛部のそれぞれの緯糸の一部と個別に係合する様に、当該第1と第2の布帛部間を移動するように織り込まれており、且つ、少なくとも、当該エネルギー衝撃吸収部に於ける当該第1と第2の布帛部を構成する緯糸は全て低伸度かつ高強力特性を有する糸条で構成されている事を特徴とするショックアブソーバ。
  2. 当該低伸度かつ高強力特性を有する糸条は、アラミド系合成繊維からなる糸条ある事を特徴とする請求項1に記載のショックアブソーバ。
  3. 当該ショックアブソーバは、22mm乃至25mmの幅を有する細幅織物で構成されている事を特徴とする請求項1又は2に記載のショックアブソーバ。
  4. 当該吊糸は、当該エネルギー衝撃吸収部に於ける当該第1の布帛部と第2の布帛部とを連結する際の織込みパターンが相互に異なる複数種類の吊糸を含んでいる事を特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のショックアブソーバ。
  5. 当該吊糸は当該エネルギー衝撃吸収部に於ける3種類の相互に異なる当該連結織込みパターンを有するものである事を特徴とする請求項4に記載のショックアブソーバ。
  6. 当該エネルギー衝撃吸収部内に於ける当該第1と第2の布帛部間を亘る当該吊糸の本数が当該エネルギー衝撃吸収部内の部位によって異なっている事を特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のショックアブソーバ。
  7. 当該エネルギー衝撃吸収部に於ける当該エネルギー衝撃吸収部と当該当該分離部との接合部位から当該エネルギー衝撃吸収部の自由端部部位乃至その近傍部部位に向けて、当該吊糸が当該第1と第2の布帛部間を亘る数が漸次増加する様に構成されている事を特徴とする請求項6に記載のショックアブソーバ。
  8. 当該吊糸を構成している合成繊維糸条は、少なくとも一部は低伸度特性を有する合成繊維糸条である事を特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載のショックアブソーバ。
  9. 当該吊糸を構成している合成繊維糸条は、低伸度特性を有する合成繊維糸条と高伸度特性を有する合成繊維糸条とが混在されている事を特徴とする請求項8に記載のショックアブソーバ。
  10. 当該吊糸を構成している低伸度合成繊維糸条に対する当該高伸度合成繊維糸条と混合比率は36%乃至42%である事を特徴とする請求項9に記載のショックアブソーバ。
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