JP2018068327A - 炊飯器 - Google Patents

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Shinsuke Sasaki
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Abstract

【課題】ごはんを劣化させることなく、鍋内全体をすばやく狙いの温度に制御することができる炊飯器を提供すること。
【解決手段】吸水工程において、底面加熱コイル5aの加熱量よりも、側面加熱コイル5bの加熱量が大きくなるように、制御を行う構成としたことによって、主に水21を集中的に加熱することができる。また、米20の接している鍋底の加熱量が減ることで、米20、水21の粘性が高まることによる熱伝導、熱対流の阻害がなく、効率よく鍋内全体をすばやく昇温することができて、食味のよいごはんを炊飯できる炊飯器を提供することができる。
【選択図】図5

Description

本発明は鍋側面センサと鍋側面加熱手段を利用して、調理物温度をすばやく狙いの温度に温調することが出来る炊飯器に関するものである。
一般的な家庭用の炊飯器においては、鍋底面に配置した底面加熱手段と、鍋側面に配置した側面加熱手段が主な加熱手段である。上記設置位置を異にする複数の加熱手段の加熱出力を制御するための温度センサは、鍋底面中央部に接するように設けた、底面温度検知部が設けられているだけであり、鍋底面中央部の温度をパラメータとして、側面側の加熱手段の加熱出力も共通に制御しているにすぎないことから、鍋の側面加熱手段の加熱出力を、本来必要な要求加熱温度に対応して適切に制御することができず、食味が劣化していた。
この課題を解決するために、例えば特許文献1に示すように、鍋底面に配置した底面加熱手段と、鍋側面に配置した側面加熱手段と、鍋底面の温度を検知する底面温度検知部と、鍋側面の温度を検知する側面温度検知部を設けて、複数の温度センサ各々の温度検出値に基づいて、相互に独立して底面加熱手段と側面加熱手段を制御するようにした炊飯器が発明されている。
特許文献1に記載された炊飯器は、炊飯器本体に着脱自在に収納される鍋と、鍋の上面を開閉自在に覆う蓋を有している。鍋の底面を加熱する底面加熱手段と、鍋の側面を加熱する側面加熱手段を有している。そして、鍋底面の温度を検知する底面温度検知部と、鍋側面の温度を検知する側面温度検知部を有している。
そして、特許文献1の構成によると、従来の構成による炊飯制御と異なり、鍋の底面と側面各々の実際の温度状態が個別に検出され、当該検出された鍋の底面および側面各々の温度に応じて、鍋全体の温度が均一になるように、対応する底面加熱手段と、側面加熱手段各々の加熱出力が適切に制御されるようになる。
そのため、例えば底面温度検知部で検出された鍋底面の温度に比べて、側面温度検知部で検出された鍋側面の温度が低い大飯量炊飯時または大飯量保温時などには、側面加熱手段の加熱出力をアップして、底面温度と等しくするように制御することが可能となり、鍋全体の加熱温度を等しくして略均一な加熱による炊きムラのない炊飯・保温を行わせることができる。
また、逆に、例えば底面温度検知部で検出された底面温度に比べて、側面温度検知部で検出された側面温度が高すぎる小飯量炊飯時または小飯量保温時には、側面加熱手段の加熱出力を小さくして、米飯の焦げつきの発生、又は米飯の乾燥を極力防止することができる。
特許第3187320号公報
しかしながら、前記従来の炊飯器の構成、動作では、底面温度検知部と、側面温度検知
部の検知温度が等しくなるように制御するために、炊飯量に応じて、側面加熱手段の、底面加熱手段に対する出力を増減することで、底面加熱手段と側面加熱手段の加熱量を同等として、底面、側面の鍋温度の均一化を実現することはできるが、鍋内部の米、水温度の均一化には時間が掛かるという課題がある。
また、底面加熱手段による鍋底面の加熱が、鍋側面と同等になされ、以前の側面温度検知部の無い炊飯器と同様に、底面加熱手段を底面温度検知部の出力に基づいて制御することから、底面の米の、狙いの所定温度での温調に対する過加熱(オーバーシュート)を生じて、米表面が崩れて劣化してしまうという課題があった。
本発明は、吸水工程における、鍋の底部を主に加熱する第1のヒータによる加熱量に対して、鍋の側面部を主に加熱する第2のヒータによる加熱量が大きくなるように制御することで、鍋内全体温度のすばやい昇温を実現し、鍋底部の米温度のオーバーシュートを無くすることで、米の劣化を防ぐことができて、従来に比べて食味の良いごはんを、炊飯できる炊飯器を提供することを目的とする。
本発明の発明者らは、前記従来の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、以下のことを見出した。
すなわち、米と比較して水は、熱伝導に優れ、液体であることから熱対流にも優れることで、水と米の混合物を加熱する場合に、水を加熱するほうが、米・水全体をすばやく昇温することができる。しかしながら、水に対して米の比重が重いために、米が鍋底に沈むため、従来の底面加熱手段による加熱を実施すると、熱伝導、熱対流ともに劣る米をまず加熱することになる。
さらに、米は通常60℃とされる糊化温度を超えると、糊化が始まり、米細胞より出てくるデンプン成分、所謂「おねば」によって、米水ともに粘性が高まって、熱伝導、熱対流を阻害する。
したがって、鍋の中の米・水全体をすばやく昇温するためには、主に水を加熱する第2のヒータによる加熱量を第1のヒータに対して増やすことにより、鍋内全体の温度がすばやく昇温され、また相対的に底面の加熱量を減少させることになり、鍋底部の米温度が、糊化温度以上に上昇させることを、無くすることが可能であることを見出した。そしてこの知見によって本発明に想到した。
前記従来の課題を解決するために、本発明の炊飯器は吸水工程において、鍋の底部を主に加熱する第1のヒータによる加熱量に対して、鍋の側面部を主に加熱する第2のヒータによる加熱量が大きくなるように制御を行う構成とした。
これによって、本発明の炊飯器は、吸水工程において、主に水を集中的に加熱することができるものである。
本発明の炊飯器は、吸水工程において、熱伝導、熱対流に優れる水を集中的に加熱することができ、また、米の接している鍋底の加熱量が減ることから、米、水の粘性が高まることによる熱伝導、熱対流の阻害がなく、効率よく鍋内全体をすばやく昇温することができて、食味のよいごはんを炊飯できる炊飯器を提供することができる。
本発明の実施の形態1における炊飯器の側断面図 本発明の実施の形態1における炊飯器を構成する第2のヒータの配置を示す要部側断面図 本発明の実施の形態1における炊飯器の吸水工程の各加熱コイルの加熱量を示す動作説明図 従来の炊飯器の吸水工程の各温度センサの検知温度と底面加熱手段の動作を示す特性図 本発明の実施の形態1における炊飯器の各温度センサの検知温度と加熱コイルの動作を示す概略図 本発明の実施の形態1と従来の炊飯器の各合数における吸水工程の米と水の到達温度を示すグラフ 本発明の実施の形態1における炊飯器の炊飯工程を示す概略図
第1の発明は、炊飯器本体と、炊飯器本体に装備する鍋と、前記鍋底の温度を検知する鍋底温度検知手段と、前記鍋の底部を主に加熱する第1のヒータと、前記第1のヒータとは独立して前記鍋の側面部を主に加熱する第2のヒータと、前記炊飯器本体を覆う蓋と、前記第1のヒータ、第2のヒータを制御する制御手段を備え、第2のヒータの高さ方向の略中心線が、前記鍋に炊飯可能な最大量の米を入れたときの米の高さよりも、上に配置されており、吸水工程、昇温工程、沸騰維持工程、むらし工程とを有する炊飯工程における吸水工程において、前記第2のヒータの消費電力が、前記第1のヒータの消費電力に比べて大きい構成とするものである。
この構成にすることにより、吸水工程において、熱伝導、熱対流に優れる水を集中的に加熱することができ、また、米の接している鍋底の加熱量が減ることから、米、水の粘性が高まることによる熱伝導、熱対流の阻害がなく、効率よく鍋内全体をすばやく昇温することができて、食味のよいごはんを炊飯できる炊飯器を提供することが可能である。
第2の発明は、特に、第1の発明の吸水工程において、前記第2のヒータのみで前記鍋を加熱する構成としたことで、熱伝導、熱対流に優れる水をより集中的に加熱することができ、また、米の接している鍋底の加熱量が減ることから、米、水の粘性が高まることにより熱伝導、熱対流を阻害することなく、効率よく鍋内全体をすばやく昇温することができて、食味のよいごはんを炊飯できる炊飯器を提供することが可能である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における炊飯器の側断面図を示すものである。
図1において、炊飯器本体1は、上面が開口する略円筒状に形成しており、この炊飯器本体1の内部に鍋収納部である保護枠9を配設し、この保護枠9内には内周面に描かれた水位線を有する鍋2を着脱自在に装備している。鍋2は、被調理物である米20と水21を収納可能としている。保護枠9の外側には鍋2の底部を主に加熱する第1のヒータである底面加熱コイル5aを配設しており、底面加熱コイル5aとは独立して鍋2の側面部を主に加熱する第2のヒータである側面加熱コイル5bを配設している。
底面加熱コイル5aは、底内加熱コイル5a−1と底外加熱コイル5a−2とで構成されている。底内加熱コイル5a−1は、中央部が開口されたリング状の形状を有し、保護枠9を介して鍋2の底部の中央部周囲に対向するように配置されている。底外加熱コイル
5a−2は、保護枠9を介して鍋2の底部のコーナー部に対向するように配置されている。なお、底面加熱コイル5aおよび側面加熱コイル5bは加熱コイルに代えてヒータであってもよい。
また、従来の側面加熱手段は、鍋側面が冷えることによる結露を防ぐための目的が大きく、100w程度の電力のものが多いが、本実施の形態においては、鍋2上部の水を加熱する目的のため、600w程度の電力で高火力が出せる構成とする。
炊飯器本体1の上部には、炊飯器本体1の開口を覆う蓋3を開閉自在に取り付けている。蓋3の内側(鍋2の開口を覆う側)には、鍋2の上部開口部を塞ぐことが可能な略円盤状の内蓋4が着脱自在に取り付けられている。蓋3は、保護枠9の後部にヒンジ軸3aを介して回動自在に支持し、回動バネ3bにより付勢されている。蓋3のもう一端には、保護枠9の前方(図1の左側上部)に回動自在に軸支されたフックボタン1aを配設し蓋3の開放を抑止する。フックボタン1aと保護枠9との間にはバネ1bが設けられている。フックボタン1aは、バネ1bにより前方(図1の左側)に付勢されている。フックボタン1aが蓋3へ係合しているときには、蓋3は開放することなくフックボタン1aに保持され、閉塞状態となっている。
蓋3の下部に、炊飯および保温中に鍋2内に発生する蒸気を排出する蒸気口4bと、内蓋4を加熱する内蓋加熱コイル5cと、本体外部と連通している筒形状の蒸気筒10を配設している。
蒸気筒10と内蓋4の間に蒸気口パッキン7を配設し、蒸気が蓋3の内部に流入するのを防止している。また、内蓋4の外周部に、鍋2のフランジ部2aの上面と当接する内蓋パッキン4aを配設しており、炊飯および保温中に鍋2内に発生する蒸気が蒸気口4b以外から外部に流出するのを防止している。
蓋3には、内蓋4の温度を検知する内蓋温度検知部である蓋温度センサ11が取り付けられている。蓋温度センサ11は、内蓋4が蓋3に取り付けられたときに、内蓋4に当接するように設けられている。
保護枠9の底部の中央部分には開口が設けられている。この開口部には、鍋2底の温度を検知するための鍋底温度検知手段である底面温度センサ8が、保護枠9に収納された鍋2の底部に当接可能に配置されている。保護枠9の側部の高さ方向の下方部分には開口が設けられている。この開口部には、鍋2側部の温度を検知するための鍋側温度検知手段である側面温度センサ13が、保護枠9に収納された鍋2の側面部に当接可能に配置されている。
底面温度センサ8は、鍋2の底略中心部に当接して熱伝導によって鍋2の底面温度を検知することができ、側面温度センサ13は、底面加熱コイル5aと側面加熱コイル5bの間に配置されて、鍋2の側面部分に当接して熱伝導によって鍋2の側面温度を検知することができる。
図2は、本実施の形態における、最大量炊飯時の鍋2に対する米20の高さと、第2のヒータである側面加熱コイル5bの位置関係を示した要部側断面図であり、側面加熱コイル5bの高さ方向の略中心線31が、最大炊飯時の米20の高さ30よりも上側に配置されるように、側面加熱コイル5bを配置構成する。
炊飯器本体1の内部には、制御手段6が搭載されている。制御手段6は、米20を炊飯するための炊飯プログラムを複数記憶する記憶部を備えている。各炊飯プログラムは、米
の種類などに応じた複数の炊飯メニューのいずれかにそれぞれ対応している。制御手段6は、鍋底温度検知手段である底面温度センサ8と鍋側温度検知手段である側面温度センサ13と内蓋温度検知部である蓋温度センサ11のうちの少なくとも一方から得られた検知温度に基づいて、第1のヒータである底面加熱コイル5aと第2のヒータである側面加熱コイル5bのうちの少なくとも一方の駆動を制御し、炊飯工程を実行する。
より具体的には、制御手段6は、蓋3に設けられた操作入力表示部12を使用して行われた使用者の指示を受け取り、その指示に対応する炊飯プログラムと鍋底温度検知手段である底面温度センサ8と鍋側温度検知手段である側面温度センサ13と内蓋温度検知部である蓋温度センサ11のうちの少なくとも一方から得られた検知温度に基づいて、特に、第1のヒータである底面加熱コイル5aと第2のヒータである側面加熱コイル5bのうちの少なくとも一方の駆動を制御し、炊飯工程を実行する。なお、底面加熱コイル5aと側面加熱コイル5bとは独立して制御手段6により制御される。
ここで、炊飯工程とは、吸水工程と、昇温工程と、沸騰維持工程と、むらし工程の主として4つの工程で構成されるものである。吸水工程は、鍋2内で水に米を浸して、予め米に吸水させる工程である。昇温工程は、鍋2内の水を沸騰状態まで温度上昇させる工程である。沸騰維持工程は、鍋2内の水の沸騰状態を維持して、米の澱粉を糊化させ、糊化度を50%から80%程度まで引き上げる工程である。むらし工程は、予熱を利用して余分な水分を蒸発させ、米の糊化度を100%近くまで引き上げる工程である。
以上のように構成された炊飯器について、以下その動作、作用を説明する。
ユーザが、炊飯を行う米20とその米量に対応した水21を鍋2に入れて炊飯器本体1にセットし、蓋3を閉めた後に、操作入力表示部12の炊飯開始ボタン(図示しない)を操作することで、各炊飯工程が順に実施される。
炊飯工程は、図7に示すように、時間順に吸水工程、昇温工程、沸騰維持工程、むらし工程に大分される。
まず、吸水工程において、制御手段6は、鍋2の温度が米20の吸水に適した温度(例えば60℃)になるように加熱手段5を制御し、鍋2内の米20と水21とを加熱する。
ここで図3は、本実施の形態の吸水工程における第1のヒータである底面加熱コイル5aと第2のヒータである側面加熱コイル5bの加熱動作を示す動作説明図である。この図3に示す例ではそれぞれの加熱コイルの、1サイクルあたりの加熱量として、側面加熱コイル5bは600W×2.0秒=1200J、底面加熱コイル5aの加熱量は1000W×0.5秒=500Jとなり、側面加熱コイル5bの方の加熱量が底面加熱コイル5aの加熱量より大きくなっている。
ここで図4は従来の吸水工程における温調時の鍋側面温度と鍋底面温度と、底面加熱手段の動作を簡略的に示す特性図である。図5は本実施の形態の吸水工程における温調時の鍋側面温度と鍋底面温度と、加熱コイルの動作を簡略的に示す特性図である。
図4において、従来の炊飯器では、鍋底面に当接する底面温度検知部の検知温度が、温調温度Eになるように底面加熱手段を加熱制御する。
具体的には、図4の鍋底面温度を示すAのグラフで、左端の開始時点から、底面加熱手段による鍋の加熱を続けることで、底面温度検知部が検知する鍋底面温度Aが温調温度EをA1の時点で超過する。この鍋底面温度Aが温調温度Eを超過したとき、底面加熱手段
による鍋の加熱を停止するが、鍋底面温度Aは温調温度Eを大きく上回る、オーバーシュートをしてから、温度が下がってくる。次に、底面温度検知部が検知する鍋底面温度Aが温調温度EをA2の時点で下回る。この鍋底面温度Aが温調温度Eを下回るとき、底面加熱手段による鍋の加熱を動作させるが、今度は鍋底面温度Aが温調温度Eを下回ってから徐々に温度が上がってくる。この加熱動作を繰り返すことで、鍋底温度だけでなく、鍋内部の調理物温度が、温調温度Eに近づいていく。
しかしながら、底面加熱手段で主に加熱するのは、鍋底に沈んでいる米であり、水のように対流による効率の良い加熱が出来ない。そのため、底面加熱手段で加熱すると、すぐに鍋底面温度Aが温調温度E以上に上がってしまい、それ以上の加熱ができず、この従来の制御方法で鍋内の調理物全体を温調温度Eにするには長時間が必要となる。
さらに、米は鍋底面温度Aのオーバーシュートによって、温調温度E(例えば、吸水が進む高温で、米の糊化開始温度である60℃)以上の温度に加熱されることとなり、一部が糊化して、所謂「おねば」と呼ばれる、デンプン成分が水に溶け出すことで、水の粘性が上がり、対流が阻害されることによって、一層加熱の効率が落ちる。
ここで図4の鍋側面温度を示すBのグラフは、内容物の温度上昇に伴って、鍋側面温度Bは徐々に温調温度Eに近づいていく。
一方で、図5に示す本実施の形態の加熱制御によれば、鍋底面に当接する底面温度センサ8の検知温度が温調温度Eになるように、第1のヒータである底面加熱コイル5aと第2のヒータである側面加熱コイル5bとで加熱制御する。
図5に示すように、加熱開始時点から制御手段6は、第1のヒータである底面加熱コイル5aと第2のヒータである側面加熱コイル5bとを図3に示した加熱動作で鍋2を加熱制御する。ここで、第2のヒータである側面加熱コイル5bの加熱量が第1のヒータである底面加熱コイル5aの加熱量より大きいために、側面温度センサ13が検知する鍋側面温度BBがまず上がる。そして、側面加熱コイル5bによる鍋2の側面の加熱によって、米20の上方にある水21が加熱されて、水21は伝熱、対流に優れる熱伝導体であることから、鍋2の内部が効率よく加熱される。
加熱開始時点から、底面加熱コイル5aと側面加熱コイル5bとで鍋2を適時加熱することで、底面温度センサ8が検知する鍋底面温度AAが温調温度EをAA1の時点で超過する。この鍋底面温度AAが温調温度Eを超過したとき、底面加熱コイル5aと側面加熱コイル5bによる鍋2の加熱を停止する。このとき、鍋底面温度AAは温調温度Eを若干上回るが、従来の炊飯器のように大きく上回ることなく、温度が下がってくる。次に、底面温度センサ8が検知する鍋底面温度AAが温調温度EをAA2の時点で下回る。この鍋底面温度AAが温調温度Eを下回るとき、底面加熱コイル5aと側面加熱コイル5bとで鍋2の加熱を適時動作させるが、今度は鍋底面温度AAが温調温度Eを下回ってから徐々に温度が上がってくる。この加熱動作が順次繰り返される。
ここで、米20は鍋底面温度AAがオーバーシュートすることなく、温調温度E(例えば、吸水が進む高温で、米の糊化開始温度である60℃)以上の温度に加熱されることもなく、一部が糊化して、所謂「おねば」と呼ばれる、デンプン成分が水21に溶け出すことで、水21の粘性が上がり、対流が阻害されることがなく、効率の良い加熱状態を保つことが出来る。
図5の底面温度センサ8が検知する鍋底面温度AAが温調温度Eを超過するAA1の時点で、鍋2内の調理物温度はほぼ、温調温度Eに達している。これは従来の吸水工程に比
べて、短時間で昇温することができるということである。
図6は、本発明の実施の形態1の炊飯器と従来の炊飯器の炊飯量各合数における吸水工程の米と水の到達温度を示すグラフであり、温調温度57℃、20分の吸水工程で内容物の温度が何℃まで上昇したかを示すグラフである。従来の吸水工程における米と水の到達温度を示すグラフFは、炊飯量が最少量の0.5合では温調温度に近い温度であるが、炊飯量が3合、最大合数の5.5合と増えると、50℃程度まで下がってしまう。それに比べて、本実施の形態の炊飯器における吸水工程の米と水の到達温度を示すグラフGは、炊飯量が変わっても、到達温度は温調温度である57℃で変わらないことが分かる。
次に、昇温工程において、内蓋4の温度が所定値(例えば80℃)になるまで底面加熱コイル5aによって鍋2を所定の熱量で加熱する。この時の温度上昇速度によって、炊飯量を判定する。
そして沸騰維持工程で、鍋2の水が無くなり、鍋2の温度が100℃を超えた所定値になるまで、底面加熱コイル5aに通電し、米と水を加熱する。
次に蒸らし工程ではごはんの温度を所定温度(例えば98℃)に保つ程度に加熱手段5を制御してごはんを蒸らす。
以上のように、炊飯工程が終了して、鍋2内のごはんのデンプンが、可食化される「糊化」が適度に進行して、食べられる状態となる。
炊飯器は上記の炊飯工程が終了すると、自動的に保温工程に移行して、保温工程では、所定温度(例えば71℃)に鍋2を温調して、ごはんを保温する。
以上のように本実施の形態の炊飯器においては、主に鍋2の側面を加熱する吸水工程において、熱伝導、熱対流に優れる水21を集中的に加熱することができ、また、米20の接している鍋底の加熱量が減ることから、米20、水21の粘性が高まることによる熱伝導、熱対流の阻害がなく、効率よく鍋内全体をすばやく昇温することができて、食味のよいごはんを炊飯ことができる炊飯器を、提供することが可能である。
以上のように、本実施の形態においては、炊飯器本体1と、炊飯器本体1に装備する鍋2と、鍋2底の温度を検知する鍋底温度検知手段である底面温度センサ8と、鍋2の底部を主に加熱する第1のヒータである底面加熱コイル5aと、底面加熱コイル5aとは独立して鍋2の側面部を主に加熱する第2のヒータである側面加熱コイル5bと、炊飯器本体1を覆う蓋3と、底面加熱コイル5a、側面加熱コイル5bを制御する制御手段6を備え、側面加熱コイル5bの高さ方向の略中心線31が、鍋2に炊飯可能な最大量の米20を入れたときの米20の高さよりも、上に配置されており、吸水工程、昇温工程、沸騰維持工程、むらし工程とを有する炊飯工程における吸水工程において、側面加熱コイル5bの消費電力が、底面加熱コイル5aの消費電力に比べて大きい構成とするものである。
この構成にすることにより、吸水工程において、熱伝導、熱対流に優れる水21を集中的に加熱することができ、また、米20の接している鍋底の加熱量が減ることから、米20、水21の粘性が高まることによる熱伝導、熱対流の阻害がなく、効率よく鍋内全体をすばやく昇温することができて、食味のよいごはんを炊飯できる炊飯器を提供することが可能である。
また、本実施の形態では、吸水工程において、底面加熱コイル5aと側面加熱コイル5bとで鍋2を適時加熱する構成としたが、側面加熱コイル5bのみで鍋2を加熱する構成
とすることにより、熱伝導、熱対流に優れる水21をより集中的に加熱することができ、また、米20の接している鍋底の加熱量が減ることから、米20、水21の粘性が高まることにより熱伝導、熱対流を阻害することなく、効率よく鍋内全体をすばやく昇温することができて、食味のよいごはんを炊飯できる炊飯器を提供することが可能である。
以上のように、本発明にかかる炊飯器は、米と水で構成される調理物の加熱に関して、熱伝導、熱対流に優れる水を集中的に加熱することができ、また、米の接している鍋底の加熱量が減ることから、米の煮崩れを防止して、煮崩れによって調理物の粘性が高まることによる熱伝導、熱対流の阻害がなく、効率よく鍋内全体をすばやく昇温することができて、食味よく調理ができる調理器の用途に適用できる。
1 炊飯器本体
2 鍋
3 蓋
4 内蓋
4a 内蓋パッキン
4b 蒸気口
5 加熱手段
5a 底面加熱コイル
5a−1 底内加熱コイル
5a−2 底外加熱コイル
5b 側面加熱コイル
5c 内蓋加熱コイル
6 制御手段
7 蒸気口パッキン
8 底面温度センサ
9 保護枠
10 蒸気筒
12 操作入力表示部
13 側面温度センサ
20 米
21 水
30 高さ
31 略中心線
A 鍋底面温度
B 鍋側面温度
AA 鍋底面温度
BB 鍋側面温度
E 温調温度

Claims (2)

  1. 炊飯器本体と、
    炊飯器本体に装備する鍋と、
    前記鍋底の温度を検知する鍋底温度検知手段と、
    前記鍋の底部を主に加熱する第1のヒータと、
    前記第1のヒータとは独立して前記鍋の側面部を主に加熱する第2のヒータと、
    前記炊飯器本体を覆う蓋と、
    前記第1のヒータ、前記第2のヒータを制御する制御手段を備え、
    前記第2のヒータの高さ方向の略中心線が、前記鍋に炊飯可能な最大量の米を入れたときの米の高さよりも、上に配置されており、吸水工程、昇温工程、沸騰維持工程、むらし工程とを有する炊飯工程における吸水工程において、前記第2のヒータの消費電力が、前記第1のヒータの消費電力に比べて大きい構成とする炊飯器。
  2. 吸水工程において、前記第2のヒータのみで前記鍋を加熱する構成とする請求項1記載の炊飯器。
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