JP2018066666A - 押込試験方法および押込試験装置 - Google Patents

押込試験方法および押込試験装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2018066666A
JP2018066666A JP2016205719A JP2016205719A JP2018066666A JP 2018066666 A JP2018066666 A JP 2018066666A JP 2016205719 A JP2016205719 A JP 2016205719A JP 2016205719 A JP2016205719 A JP 2016205719A JP 2018066666 A JP2018066666 A JP 2018066666A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
indentation
sample
indenter
amount
modulus
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016205719A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6779497B2 (ja
Inventor
佐久間 淳
Atsushi Sakuma
淳 佐久間
明日香 永井
Asuka Nagai
明日香 永井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyoto Institute of Technology NUC
Original Assignee
Kyoto Institute of Technology NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyoto Institute of Technology NUC filed Critical Kyoto Institute of Technology NUC
Priority to JP2016205719A priority Critical patent/JP6779497B2/ja
Publication of JP2018066666A publication Critical patent/JP2018066666A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6779497B2 publication Critical patent/JP6779497B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Investigating Strength Of Materials By Application Of Mechanical Stress (AREA)

Abstract

【課題】バイリニア柔軟体の変形挙動を、つまり機械的性質を正確に評価することができる押込試験方法および押込試験装置を提供する。【解決手段】押込試験方法では、圧子15を試料SP1に押し込んだときの圧子15の押込量と、圧子15に作用する押込荷重と、を用いて、試料SP1のヤング率、プラトー応力および柔軟化率を算出するステップを含む。また、試料SP1のヤング率、プラトー応力および柔軟化率を算出するステップでは、押込量として、試料SP1と圧子15とが接触していない状態から圧子15を試料SP1に近づけたときに初めて圧子15が試料SP1に接触するときの押込量を表す基準押込量を基準とした押込量を用いる。【選択図】図1

Description

本発明は、押込試験方法および押込試験装置に関する。
金属など素材の変形の特性を定量化に評価できる引張試験は、試験片を試料などから切り出して整形する必要性があるため試料に対する侵襲性が高い。引張試験は、この侵襲性の高さにより試験片の切り出しが困難な試料や生きている生体組織への適用が難しい。
一方、試料の硬さ計測に使用される押込試験は、試料そのままの状態で試験でき、試料から試験片を切り出す必要がなく試料に対する侵襲性が低い。従って、試験片の切り出しが困難な試料や生きている生体組織への適用が容易である。この押込試験で得られる測定データから試料の性質を評価する理論としてHertzの弾性接触理論がある(例えば、非特許文献1参照)。例えば、図1に示すような球状の圧子15を試料SP1に(図1の矢印AR1方向に)押し込む押込試験について、前述のHertzの弾性接触理論から下記式(1)の関係式が導出される。
ここで、δは圧子15を試料SP1に(図1の矢印AR1方向に)押し込んだときの押込量、Fは圧子15に作用する力(押込荷重、図1の矢印AR2参照)、νはポアソン比、φは圧子の直径、Eは試料SP1のヤング率を示す。また、試料SP1の弾性率は圧子15の弾性率よりも十分に小さいと仮定している。
また、生体軟組織のような大変形を伴う柔軟素材についても、前述の押込試験により得られる測定データについてHertzの弾性接触理論を適用することにより高い精度で評価できることが沢俊行によって示されている。また、このように生体軟組織に対する押込試験の適用例は他にも提案されている(例えば、非特許文献2〜5参照)。なお、本願発明者も押込試験に関連する技術を開示している(例えば、非特許文献6〜9参照、特許文献1参照)。また、押込試験によって粘弾性の評価が可能であることや、押込試験によって発泡材等の弾完全塑性体に類する素材を評価できる可能性があることも示されている(非特許文献10参照)。
T. Sawa, Practical Material Mechanics, (2007), pp.258-279, Nikkei Business Publications, Inc. (in Japanese) O. Takatani, T. Akatsuka, The Clinical Measurement Method of Hardness of Organism, Journal of the Society of Instrument and Control Engineers, Vol.14, No.3, (1975), pp.281-291. (in Japanese) Y. Arima, T. Yano, Basic Study on Objectification of Palpation, Japanese Journal of Medical Electronics and Biological Engineering, Vol.36, No.4, (1998), pp.321-336. (in Japanese) N. E. Waters, The Indentation of Thin Rubber Sheets by Spherical indentors, British Journal of Applied Physics, Vol.16, Issue 4, (1965), pp.557-563. T. Ishibashi, S. Shimoda, T Furukawa, I. Nitta and H. Yoshida, The Measuring Method about Young's Modulus of Plastics Using the Indenting Hardness Test by a Spherical Indenter, Transactions of the Japan Society of Mechanical Engineers, Series A, Vol.53, No.495, (1987), pp.2193-2202. (in Japanese) M. Tani, A. Sakuma, M. Ogasawara, M. Shinomiya, Minimally Invasive Evaluation of Mechanical Behavior of Biological Soft Tissue using Indentation Testing, Proceedings of the Bioengineering Conference, Annual Meeting of BED/JSME, No.08-53, (2009), pp.183-184. M. Tani, A. Sakuma, Measurement of Thickness and Young's Modulus of Soft Materials by using Spherical Indentation Testing,Proceedings of the JSMS Annual Meetings, No.58, (2009), pp.365-366. A. Sakuma, M. Tani, Spherical Indentation Technique for Low-invasive Measurement for Young's Modulus of Human Soft Tissue,Proceedings of the annual meeting of the JSME/MMD, No.09-3, (2009), pp.784-785. M. Tani, A. Sakuma and M. Shinomiya, Evaluation of Thickness and Young's Modulus of Soft Materials by using Spherical Indentation Testing, Transactions of the Japan Society of Mechanical Engineers, Series A, Vol.75, No.755, (2009),pp.901-908.(in Japanese) A.Sakuma, E. Takayama, Evaluation of Constitutive Relationship of Low Density Porous Material by Ball Indentation, Proceedings of the annual meeting of the JSME/MMD, No.13, (2013).
国際公開第2010/084840号
しかしながら、実際の素材の多くは、弾性体でもなく、また弾完全塑性帯でもなく、弾性体と弾完全塑性体とのそれぞれの変形挙動の間に位置するような変形挙動を示すことが多い(以下「バイリニア柔軟体」と称する)。従って、このようなバイリニア柔軟体について、弾性体または弾完全塑性体と看做して変形挙動を評価する方法では、その変形挙動を正確に評価できない虞がある。
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、バイリニア柔軟体の変形挙動を、つまり機械的性質を正確に評価することができる押込試験方法および押込試験装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る押込試験方法は、
試料に圧子を押込む、押込試験方法であって、
前記圧子を前記試料に押し込んだときの前記圧子の押込量と、前記圧子に作用する押込荷重と、を用いて、前記試料のヤング率、プラトー応力および柔軟化率を算出するステップを含む。
他の観点から見た本発明に係る押込試験装置は、
試料に圧子を押込む押込試験装置であって、
前記試料の柔らかさ係数と、前記試料と前記圧子とが接触していない状態から前記圧子を前記試料に近づけたときに初めて前記圧子が前記試料に接触するときの押込量を表す基準押込量と、柔軟化率と、を算出する係数・基準押込量・柔軟化率算出部と、
前記係数・基準押込量・柔軟化率算出部が算出した前記柔らかさ係数から前記試料のヤング率を算出するヤング率算出部と、
前記係数・基準押込量・柔軟化率算出部が算出した前記柔らかさ係数から前記試料のプラトー応力を算出するプラトー応力算出部と、を備える。
本発明に係る押込試験方法によれば、圧子を試料に押し込んだときの圧子の押込量と、圧子に作用する押込荷重と、を用いて、試料のヤング率、プラトー応力および柔軟化率を算出する。また、本発明に係る押込試験装置は、試料の柔らかさ係数と、試料と圧子とが接触していない状態から圧子を試料に近づけたときに初めて圧子が試料に接触するときの押込量を表す基準押込量と、柔軟化率と、を算出する係数・基準押込量・柔軟化率算出部と、係数・基準押込量・柔軟化率算出部が算出した柔らかさ係数から試料のヤング率を算出するヤング率算出部と、係数・基準押込量・柔軟化率算出部が算出した柔らかさ係数から試料のプラトー応力を算出するプラトー応力算出部と、を備える。これにより、本発明に係る押込試験方法、押込試験装置を使用することにより、算出された、試料のヤング率、プラトー応力および柔軟化率に基づいて、試料の変形挙動を定量的に評価することができる。従って、試料の変形挙動を正確に評価することができる。
圧子と試料との接触状態を示す図である。 弾性体の試料について押込試験を実施することにより得られる押込量と押込荷重との関係の一例を示す図である。 実施の形態に係る押込試験装置の概略構成図である。 実施の形態に係る押込試験装置のブロック図である。 実施の形態に係る解析処理の流れの一例を示すフローチャートである。 実施の形態に係る押込試験装置を用いて押込試験を実施することにより得られた押込量、押込荷重の測定結果と、各種理論式から得られる曲線と、を示す図である。 実施の形態に係る押込試験装置を用いて、4種類の試料について押込試験を実施することにより得られた柔軟化率のグラフを示す図である。
以下、押込試験方法および押込試験装置にかかる発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。まず、本実施の形態に係る押込試験方法について説明する。
本実施の形態に係る押込試験方法では、試料に圧子を押し込んだときの圧子の押込量と、そのときに圧子に作用する押込荷重と、を用いて、試料のヤング率、プラトー応力および柔軟化率を算出する。この押込試験方法によれば、弾性体の変形挙動と弾完全塑性体(以下「プラトー体」と称する。)の変形挙動との間に相当する変形挙動を示す素材(以下「バイリニア柔軟体」と称する。)の変形挙動を定量的に評価することができる。
本願発明では、一般的な素材、特に柔らかい素材が、Hertzの弾性接触理論から導出される、弾性体の押込荷重と押込量との関係式と、佐久間−高山理論から導出されるプラトー体の押込荷重と押込量との関係式とによって精度良くその変形挙動が定量的に評価できることを初めて見出した。この押込試験方法では、両関係式を組み合わせた関係式を用いる。そして、圧子を試料に押し込んでいったときの試料の変形挙動のHertzの弾性接触理論からのずれ、即ち、試料の柔軟化の度合いを示す柔軟化率を算出する。この柔軟化率は、押込荷重に対する、プラトー体についての関係式の寄与度に相当する。
まず、本実施の形態に係る押込試験方法との比較のために、試料を弾性体と看做して試料のヤング率を算出する押込試験方法(以下、「比較例1に係る押込試験方法」と称する。)について説明する。ヤング率は、固体物質を特徴付ける最も基本的な物性値の1つである。標準的な単軸の引張試験や圧縮試験の場合、ヤング率は、試験により得られる応力σおよび歪みεから下記式(2)に示す関係式を用いて算出するのが一般的である。
ここで、σは応力、Eはヤング率、εは歪みである。
これに対して、例えば図1に示すように、球状の圧子15を試料SP1に押し込む押込試験の場合、Hertzの弾性接触理論から導出される下記式(3)の関係式を用いてヤング率を算出できる。
ここで、Fは、圧子15に作用する押込荷重(図1の白矢印AR2参照)、Eは試料SP1のヤング率、νは試料SP1のポアソン比、φは圧子15の直径、δは押込量である。また、試料SP1は、表面が平坦な半無限体であり、圧子15は試料SP1に対して十分に硬いものとする。以下、下記式(4)で表される柔らかさ係数Aを単に「係数A」と称する。
比較例1に係る押込試験方法では、前述の式(3)の関係式を用いて、測定データに対して最小二乗法によるフィッティングを実行することにより、係数Aを算出する。以下、係数Aを算出する解析処理(以下「比較例1に係る解析処理」と称する。)について説明する。
押込試験により得られる押込荷重の測定データをy(i=0,1,・・・,n)、押込量の測定データをδ、測定データの誤差をrとすると、下記式(5)の関係式が成立する。
そして、誤差rの総和を最小にする係数Aの修正量△Aは、下記式(6)で表される。
ここで、誤差riの係数Aによる偏微分は、下記式(7)で表される。
係数Aに初期値を設定した後、式(6)を用いて修正量△Aを算出する。次に、係数Aの初期値に、算出した修正量△Aを加算することにより新たな係数Aを算出する。その後、式(6)を用いて、新たな係数Aから修正量△Aを算出する。以後、新たな係数Aの算出と、修正量△Aの算出と、を誤差riの総和が収束するまで繰り返す。これにより、式(3)が測定データに最も近くなるような係数Aを得ることができる。そして、式(4)の関係式を用いて、得られた係数Aからヤング率Eが算出される。
次に、試料を弾性体と看做すとともに圧子15の基準押込量を考慮して試料のヤング率を算出する押込試験方法(以下、「比較例2に係る押込試験方法」と称する。)について説明する。実際の押込試験では、圧子15が試料SP1に接触していない状態から圧子15を試料SP1に近づけていき、圧子15が試料SP1に接触した後、圧子15を試料SP1に押し込む。従って、圧子15の押込荷重Fと押込量δとの関係は、図2に示すように、圧子15が試料SP1に接触していない状態では押込荷重が0であり、圧子15が試料SP1に接触した時点(基準押込量、図2のδ)から圧子15を試料SP1に押し込み始めてから押込荷重が増加し始めるような関係となる。ここで「押込量δ」とは、圧子15が予め設定された基準位置から試料SP1を押し込む方向へ移動させたときの圧子の移動量に相当する量である。従って、圧子15の基準位置と圧子15と試料SP1とが接触した状態における圧子15の位置とがずれている場合、圧子15と試料SP1とが接触した状態における圧子15の位置は、「0」とはならない。そして、基準押込量δとは、試料SP1と圧子15とが接触していない状態から圧子15を試料SP1に近づけていったときに初めて圧子15が試料SP1に接触する位置を表す量である。この場合、前述の式(3)は、下記式(8)のように修正される。
ここで、δは、基準押込量である。
比較例2に係る押込試験方法では、式(8)の関係式を用いて、測定データに対して最小二乗法によるフィッティングを実行することにより、係数Aおよび基準押込量δを算出する。以下、係数Aおよび基準押込量δを算出する解析処理(以下「比較例2に係る解析処理」と称する。)について説明する。
押込荷重の測定データyと押込量の測定データδと誤差rとの関係式は式(5)から下記式(9)で表される。
この誤差rの総和を最小にする係数Aと基準押込量δとのそれぞれの修正量△A、△δは、下記式(10)のように表される。
ここで、誤差rの係数Aによる偏微分と誤差rの基準押込量δによる偏微分はそれぞれ下記式(11)、式(12)のように表される。
比較例2に係る解析処理では、まず、係数A、基準押込量δに初期値を設定した後、式(10)を用いて修正量△A、△δを算出する。次に、係数A、基準押込量δの初期値に、算出した修正量△A、△δを加算することにより新たな係数Aを算出する。ここで、基準押込量δの初期値は、例えば圧子15が試料SP1に接触していない状態から押込量を増加させていったときに、押込荷重が初めて0レベルよりも大きくなった時点における押込量を基準押込量初期値と特定することができる。
その後、式(10)を用いて、新たな係数Aから修正量△A、△δを算出する。以後、新たな係数A、基準押込量δの算出と、修正量△A、△δの算出と、を誤差riの総和が収束するまで繰り返す。これにより、式(8)が測定データに最も近くなるような係数A、基準押込量δを得ることができる。そして、式(4)の関係式を用いて、得られた係数Aからヤング率Eが算出される。
次に、本実施の形態に係る押込試験方法との比較のために、試料をプラトー体と看做して試料のヤング率およびプラトー応力を算出する押込試験方法(以下、「比較例3に係る押込試験方法」と称する。)について説明する。「プラトー応力」とは、試料の変形挙動の進行過程において応力が変化しなくなった時点でのその応力に相当する。プラトー体としては、例えば発泡スチロールのような発泡体が挙げられる。プラトー体の変形挙動としては、例えばプラトー体の試料について単軸の圧縮試験を実施したときに観測される、変形の進行過程の途中で応力σが変化しなくなる挙動がある。このようなプラトー体の非線形な変形挙動を表す理論として、佐久間−高山理論がある。この佐久間−高山理論によれば、例えば図1に示す球状の圧子15を試料SP1に押し込む押込試験において、試料SP1がプラトー体であるとすると、下記式(13)の関係式を用いて、プラトー応力を算出できる。
ここで、Fは、圧子15の押込荷重、Eは試料SP1のヤング率、νは試料SP1のポアソン比、φは圧子15の直径、δは押込量、σ(r)は応力分布関数、σpはプラトー応力、aは接触面半径、bはプラトー比半径、rは接触面上の位置である。また、√(a−b)はプラトー範囲である。
そして、前述の基準押込量を考慮した場合、前述の式(13)は、下記式(14)のように修正される。
ここで、δは、基準押込量である。
以下、下記式(15)、式(16)で表される柔らかさ係数B、Cを単に「係数B」、「係数C」と称する。
比較例3に係る押込試験方法では、式(8)の関係式を用いて、測定データに対して最小二乗法によるフィッティングを実行することにより、係数Aおよび基準押込量δを算出する。以下、係数B、Cおよび基準押込量δを算出する解析処理(以下「比較例3に係る解析処理」と称する。)について説明する。
押込荷重の測定データyと押込量の測定データδと誤差rとの関係式は下記式(17)で表される。
この誤差rの総和を最小にする係数B、Cと基準押込量δとのそれぞれの修正量△B、△C、△δは、下記式(18)のように表される。
ここで、誤差rの係数Bによる偏微分と、誤差riの係数Cによる偏微分と、誤差rの基準押込量δによる偏微分とは、それぞれ下記式(19)乃至式(21)のように表される。
比較例3に係る解析処理では、まず、係数B、C、基準押込量δに初期値を設定した後、式(18)を用いて修正量△B、△C、△δを算出する。次に、係数B、C、基準押込量δの初期値に、算出した修正量△B、△C、△δを加算することにより新たな係数B、C、δを算出する。
その後、式(18)を用いて、新たな係数B、C、基準押込量δから修正量△B、△C、△δを算出する。以後、新たな係数B、C、基準押込量δの算出と、修正量△B、△C、△δの算出と、を誤差riの総和が収束するまで繰り返す。これにより、式(14)が測定データに最も近くなるような係数B、C、基準押込量δを得ることができる。
そして、式(15)の関係式を用いて、得られた係数Bからプラトー応力σが算出され、式(16)の関係式を用いて、得られた係数Cとプラトー応力σとからヤング率Eが算出される。
次に、本実施の形態に係る押込試験方法について説明する。本実施の形態に係る押込試験方法では、前述のHertzの弾性接触理論から導出される式(3)の関係式と、前述の佐久間−高山理論から導出される式(13)の関係式とを組み合わることにより精度よくバイリニア柔軟体の変形挙動を表す関係式とすることを初めて見出して採用している。そして、具体的には、式(3)の関係式と式(13)の関係式と柔軟化率というパラメータで組み合わせた下記式(22)の関係式を用いる。
ここで、ζは柔軟化率を示す。また、係数A、B、Cは、前述の式(4)、式(15)、式(16)で表される係数A、B、Cと同じである。
そして、前述の基準押込量δを考慮した場合、前述の式(22)は下記式(23)のように修正される。
ここで、δは、前述の基準押込量である。
本実施の形態に係る押込試験方法では、前述の式(23)の関係式を用いて、押込荷重、押込量の測定データに対して最小二乗法によるフィッティングを実行することにより、係数A、B、C、基準押込量δおよび柔軟化率ζを算出する。以下、係数A、B、C、基準押込量δおよび柔軟化率ζを算出する解析処理について説明する。
押込荷重の測定データyと押込量の測定データδと柔軟化率ζと誤差rとの関係式は下記式(24)で表される。
この誤差rの総和を最小にする係数A、B、Cと基準押込量δと柔軟化率ζとのそれぞれの修正量△A、△B、△C、△δ、△ζは、下記式(25)のように表される。
ここで、誤差rの係数Aによる偏微分と誤差rの基準押込量δによる偏微分はそれぞれ下記式(26)乃至式(30)のように表される。
本実施の形態に係る解析処理では、まず、係数A、B、Cと基準押込量δと柔軟化率ζとに初期値を設定した後、式(25)を用いて修正量△A、△B、△C、△δ、△ζを算出する。次に、係数A、B、C、基準押込量δおよび柔軟化率ζの初期値に、算出した修正量△A、△B、△C、△δ、△ζを加算することにより新たな係数A、B、C、基準押込量δおよび柔軟化率ζを算出する。
その後、式(25)を用いて、新たな係数A、B、C、基準押込量δおよび柔軟化率ζから修正量△A、△B、△C、△δ、△ζを算出する。以後、新たな係数A、B、C、基準押込量δおよび柔軟化率ζの算出と、修正量△A、△B、△C、△δ、△ζの算出と、を誤差rの総和が収束するまで繰り返す。これにより、式(23)が測定データに最も近くなるような係数A、B、Cと基準押込量δと柔軟化率ζとを得ることができる。
そして、式(4)の関係式を用いて、得られた係数Aからヤング率Eを算出し、式(15)の関係式を用いて、得られた係数Bからプラトー応力σpを算出する。また、式(16)の関係式を用いて、得られた係数Cとプラトー応力σpとからもヤング率Eを算出することが可能である。
次に、本実施の形態に係る押込試験装置について説明する。図3に示すように、本実施の形態に係る押込試験装置100は、計測ユニット10と、制御ユニット20と、解析ユニット30と、を備える。計測ユニット10は、圧子15と、荷重軸14と、ステージ12と、ロードセル(押込荷重計測部)13と、アクチュエータ11と、ポテンショメータ(押込量計測部)17と、を有する。アクチュエータ11は、ステージ12を予め設定された方向へ駆動する(図3の矢印AR3の下方向)。荷重軸14は、ステージ12に取り付けられており、アクチュエータ11がステージ12を駆動すると、それに伴い、荷重軸14の位置も変更される。圧子15は、球状であり、荷重軸14の先端部に取り付けられている。アクチュエータ11がステージ12をテーブル16上に載置された試料SP1に近づく方向(矢印AR3の下方向)へ移動させると、圧子15が試料SP1に接触し押し込まれる。
ロードセル13は、荷重軸14に取り付けられ、荷重軸14から圧子15に作用する荷重を計測する。ロードセル13は、試料SP1より圧子15に作用する荷重を計測し、この荷重情報を制御ユニット20および解析ユニット30へ出力する。ポテンショメータ17は、ステージ12の移動量を計測する。このステージ12の移動量は、圧子15の資料S1への押込量に相当する。ポテンショメータ17は、計測した圧子15の押込量を示す押込量情報を、制御ユニット20および解析ユニット30へ出力する。
制御ユニット20は、アクチュエータ11へ制御信号を出力することによりアクチュエータ11を制御する。制御ユニット20は、CPU(Central Processing Unit)と記憶部とを有する。また、制御ユニット20は、アクチュエータ11へ制御信号を出力する際、解析ユニット30へ押込試験の開始を通知する試験開始信号を出力する。制御ユニット20は、CPUが記憶部に記憶されたアクチュエータ11の制御用のプログラムを実行することにより実現されている。
解析ユニット30は、図4に示すように、CPU31と記憶部32とを有する。CPU31は、記憶部32が記憶する解析用のプログラムを実行することにより、データ取得部311、係数・基準押込量・柔軟化率算出部312、ヤング率算出部313およびプラトー応力算出部314として機能する。データ取得部311は、制御ユニット20から試験開始信号が入力されたことを契機として、計測ユニット10から荷重情報と押込量情報とを順次取得して、記憶部32に記憶させていく。
係数・基準押込量・柔軟化率算出部312は、記憶部32が記憶する荷重情報、押込量情報が示す押込荷重、押込量の測定データを取得する。そして、係数・基準押込量・柔軟化率算出部312は、取得した測定データに対して、前述の式(13)に示す関係式を用いた最小二乗法によるフィッティングを実行することにより、係数A、B、Cと、基準押込量δと、柔軟化率ζと、を算出する。係数・基準押込量・柔軟化率算出部312は、算出した係数A、B、Cと、基準押込量δと、柔軟化率ζと、を記憶部32に記憶させる。
ヤング率算出部313は、係数・基準押込量・柔軟化率算出部312が算出した係数Aから、前述の式(3)の関係式を用いてヤング率を算出する。
プラトー応力算出部314は、係数・基準押込量・柔軟化率算出部312が算出した係数Bまたは係数Cから、前述の式(14)または式(15)の関係式を用いてプラトー応力を算出する。ここで、プラトー応力算出部314が、式(15)の関係式を用いてプラトー応力を算出する場合、ヤング率算出部313が算出したヤング率を使用する。
次に、本実施の形態に係る押込試験装置100の解析ユニット30が実行する解析処理について図5を参照しながら説明する。この解析処理は、計測ユニット10により試料SP1についての押込荷重、押込量の測定データが記憶部32に記憶された後に実行される。
まず、データ取得部311は、制御ユニット20から試験開始信号が入力されたことを契機として、計測ユニット10から荷重情報と押込量情報とを順次取得して、記憶部32に記憶させていく(ステップS1)。
次に、係数・基準押込量・柔軟化率算出部312は、記憶部32から試料SP1について取得された一連の荷重情報および押込量情報を読み込む(ステップS2)。
次に、係数・基準押込量・柔軟化率算出部312は、基準押込量δの初期値(基準押込量初期値)を特定する(ステップS3)。ここで、係数・基準押込量・柔軟化率算出部312は、圧子15が試料SP1に接触していない状態から押込量を増加させていったときに、押込荷重が初めて0レベルよりも大きくなった時点における押込量を基準押込量初期値と特定する。
続いて、係数・基準押込量・柔軟化率算出部312は、前述の式(13)における係数A、B、C、基準押込量δおよび柔軟化率ζの初期値を設定する(ステップS4)。ここで、係数・基準押込量・柔軟化率算出部312は、予め記憶部32が記憶する、係数A、B、Cの初期値および柔軟化率ζの初期値を、記憶部32から取得する。
その後、係数・基準押込量・柔軟化率算出部312は、前述の式(18)の関係式を用いて、修正量△A、△B、△C、△δ0、△ζを算出する(ステップS5)。
次に、係数・基準押込量・柔軟化率算出部312は、係数A、B、C、基準押込量δおよび柔軟化率ζに、算出した修正量△A、△B、△C、△δ0、△ζを加算することにより新たな係数A、B、C、基準押込量δおよび柔軟化率ζを算出する(ステップS6)。
続いて、係数・基準押込量・柔軟化率算出部312は、式(18)で表される誤差rの総和を算出する(ステップS7)。
その後、係数・基準押込量・柔軟化率算出部312は、誤差riの総和が予め設定された誤差総和閾値以下であるか否かを判定する(ステップS8)。係数・基準押込量・柔軟化率算出部312は、誤差riの総和が予め設定された誤差総和閾値よりも大きいと判定すると(ステップS8:No)、再びステップS5の処理を実行する。
一方、係数・基準押込量・柔軟化率算出部312は、誤差riの総和が予め設定された誤差総和閾値以下であると判定すると(ステップS8:Yes)、誤差riの総和が収束したと判定し、このときの係数A、B、C、基準押込量δおよび柔軟化率ζを記憶部32に記憶する(ステップS9)。
次に、ヤング率算出部313は、記憶部32から係数Aを取得し、前述の式(3)の関係式を用いてヤング率を算出する(ステップS10)。
続いて、プラトー応力算出部314は、記憶部32から係数Bまたは係数Cを取得し、前述の式(14)または式(15)の関係式を用いてプラトー応力を算出する(ステップS11)。
次に、本実施の形態に係る解析処理を実行した結果について説明する。図6の曲線C10は、試料SP1として、バイリニア柔軟体である素材(株式会社SMPテクノロジーズ製 超弾性ポリマ材SMP Foam)を用いた場合の押込試験の結果を示している。ここにおいて、計測ユニット10としては、株式会社堀内電機製作所製SoftMeasure HG1003を用いた。また、圧子15の直径は10mmとし、圧子15の押込速度は3.0mm/sとした。
曲線C1は、前述の比較例2に係る解析処理により得られた結果を示している。また、曲線C2は、前述の比較例3に係る解析処理により得られた結果を示している。そして、曲線C3は、本実施の形態に係る解析処理により得られた結果を示している。図6に示すように、曲線C3が最も試料SP1の押込試験の結果と合致していることが判る。このことから、本実施の形態に係る解析処理を行うことにより、試料SP1の変形挙動を適切に評価することができることが判る。なお、図6に示す押込試験の結果に対する解析処理により、試料SP1の柔軟化率ζは、0.564となった。
次に、本実施の形態に係る押込試験装置100を用いて、4種類の試料SP1それぞれの柔軟化率ζを算出した結果を図7に示す。4種類の試料SP1は、耐震マット(株式会社大創産業社製 熱可塑性エラストマーTPE 0-12-P16 G106)、人肌ゲル(株式会社エクシールコーポレーション社製)、超弾性ポリマ(株式会社SMPテクノロジーズ製 超弾性ポリマ材SMP Foam)、スタイロフォーム(ダウ化工株式会社製 押出法ポリスチレンフォーム保温版IB(JS A 9551 A-XPS-B-1b))である。図7に示すように、これらの4種類の試料SP1について柔軟化率ζが異なっている。
以上説明したように、本実施の形態に係る押込試験方法および押込試験装置100によれば、圧子15を試料SP1に押し込んだときの圧子15の押込量と、圧子15に作用する押込荷重と、を用いて、試料SP1のヤング率、プラトー応力および柔軟化率を算出する。これにより、試料SP1がバイリニア柔軟体である場合において、試料SP1のヤング率、プラトー応力および柔軟化率に基づいて試料SP1の変形挙動を定量的に評価することができる。従って、試料SP1がバイリニア柔軟体である場合においても、試料SP1の変形挙動を正確に評価することができる。
また、本実施の形態に係る押込試験方法および押込試験装置100は、圧子15が試料SP1に接触していない状態から圧子15が試料SP1に接触するときの基準押込量を考慮して、試料SP1のヤング率、プラトー応力および柔軟化率を算出する。これにより、試料SP1についての押込試験により得られた測定データから算出される、試料SP1のヤング率、プラトー応力および柔軟化率の精度を高めることができる。従って、試料SP1の柔らかさをより適切に評価することができる。
更に、本実施の形態に係る押込試験方法および押込試験装置100は、球状の圧子15を用いて、前述の式(17)の関係式を用いて、圧子15の押込量と圧子15に作用する押込荷重とから、ヤング率、プラトー応力および柔軟化率を算出する。これにより、例えば比較例1、2に係る押込試験方法により試料の変形挙動を評価した場合に比べて、試料SP1の変形挙動を正確に評価することができる。
(変形例)
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明は前述の実施の形態の構成に限定されるものではない。例えば、前述の式(23)について係数A、B、C、基準押込量δおよび柔軟化率ζに関する重み付け係数k、k、k、k、kを含む形に修正してなる下記式(31)を用いる押込試験方法であってもよい。ここで、k、k、k、k、kの全てを使用しなくても良い。上記の実施の形態は全重み付け係数を1とした場合であり、例えば、k=1として、k、k、k、kを採用する場合、k=k=1として、k、k、kを採用する場合などが考えられる。ここでは、係数A、B、C、基準押込量δおよび柔軟化率ζに関する重み付け係数であるk、k、k、k、kの全てを使用した場合を説明する。
ここで、A、B、C、δ、ζは、式(23)の場合と同様である。
本変形例に係る押込試験方法では、前述の式(31)の関係式を用いて、測定データに対して最小二乗法によるフィッティングを実行することにより、係数A、B、C、基準押込量δおよび柔軟化率ζを算出する。以下、係数A、B、C、基準押込量δおよび柔軟化率ζを算出する解析処理について説明する。
押込荷重の測定データyと押込量の測定データδと柔軟化率ζと誤差rとの関係式は下記式(32)で表される。
この誤差rの総和を最小にする係数A、B、Cと基準押込量δと柔軟化率ζとのそれぞれの修正量△A、△B、△C、△δ、△ζは、前述の式(25)と同様の形で表される。但し、誤差rの係数Aによる偏微分と誤差rの基準押込量δによる偏微分はそれぞれ下記式(33)乃至式(37)のように、重み付け係数kA、kB、kC、kd、ktを含む形で表される。
本変形例に係る解析処理では、まず、係数A、B、Cと基準押込量δと柔軟化率ζとに初期値を設定した後、式(25)を用いて修正量△A、△B、△C、△δ、△ζを算出する。次に、係数A、B、C、基準押込量δおよび柔軟化率ζの初期値に、算出した修正量△A、△B、△C、△δ、△ζを加算することにより新たな係数A、B、C、基準押込量δおよび柔軟化率ζを算出する。
その後、式(25)を用いて、新たな係数A、B、C、基準押込量δおよび柔軟化率ζから修正量△A、△B、△C、△δ、△ζを算出する。以後、新たな係数A、B、C、基準押込量δおよび柔軟化率ζの算出と、修正量△A、△B、△C、△δ、△ζの算出と、を誤差rの総和が収束するまで繰り返す。これにより、式(31)が測定データに最も近くなるような係数A、B、Cと基準押込量δと柔軟化率ζとを得ることができる。
そして、式(4)の関係式を用いて、得られた係数Aからヤング率Eが算出され、式(15)の関係式を用いて、得られた係数Bからプラトー応力σpが算出される。また、式(16)の関係式を用いて、得られた係数Cとプラトー応力σpとからもヤング率Eを算出することが可能である。
また、実施の形態に係る押込試験装置100において、係数・基準押込量・柔軟化率算出部312が、試料SP1の押込荷重および押込量の測定データに対して、前述の式(31)に示す関係式を用いた最小二乗法によるフィッティングを実行することにより、係数A、B、Cと、基準押込量δと、柔軟化率ζと、を算出する構成であってもよい。
本構成によれば、基準押込量δおよび柔軟化率ζの重み係数k、kを用いて、試料SP1のヤング率、プラトー応力および柔軟化率を算出する。これにより、試料SP1についての押込試験により得られた測定データから算出される、試料SP1のヤング率、プラトー応力および柔軟化率の精度を高めることができる。従って、試料SP1の柔らかさをより適切に評価することができる。
実施の形態では、押込試験装置100が、計測ユニット10、制御ユニット20および解析ユニット30の全てを備える構成について説明した。但し、これに限らず、例えば計測ユニット10および制御ユニット20を備える計測装置と、計測装置とは別体の解析ユニット30を備える解析装置とから、押込試験システムが構成されてもよい。
以上、本発明の実施の形態および変形例(なお書きに記載したものを含む。以下、同様。)について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。本発明は、実施の形態および変形例が適宜組み合わされたもの、それに適宜変更が加えられたものを含む。
本発明は、弾性体からプラトー体までの多様な柔軟素材の変形挙動の評価に好適である。
10:計測ユニット、11:アクチュエータ、12:ステージ、13:ロードセル、14:荷重軸、15:圧子、16:テーブル、17:ポテンショメータ、20:制御ユニット、30:解析ユニット、31:CPU、32:記憶部、100:押込試験装置、311:データ取得部、312:係数・基準押込量・柔軟化率算出部、313:ヤング率算出部、314:プラトー応力算出部、SP1:試料

Claims (8)

  1. 試料に圧子を押込む、押込試験方法であって、
    前記圧子を前記試料に押し込んだときの前記圧子の押込量と、前記圧子に作用する押込荷重と、を用いて、前記試料のヤング率、プラトー応力および柔軟化率を算出するステップを含む、
    押込試験方法。
  2. 前記試料のヤング率、プラトー応力および柔軟化率を算出するステップでは、
    前記押込量として、前記試料と前記圧子とが接触していない状態から前記圧子を前記試料に近づけたときに初めて前記圧子が前記試料に接触するときの押込量を表す基準押込量を基準とした押込量を用いる、
    請求項1に記載の押込試験方法。
  3. 前記試料のヤング率、プラトー応力および柔軟化率を算出するステップでは、
    前記圧子として、球状の圧子を使用し、
    下記式(A)の関係式を用いて、前記圧子を前記試料に押し込んだときの前記圧子の押込量と、前記圧子に作用する押込荷重から、ヤング率、プラトー応力および柔軟化率を算出する、
    請求項2に記載の押込試験方法。
    ここで、Fは前記押込荷重、δは前記押込量、δ0は前記基準押込量、ζは前記柔軟化率、Eは前記ヤング率、σは前記プラトー応力、νは前記試料のポアソン比、φは前記圧子の直径である。
  4. 前記試料のヤング率、プラトー応力および柔軟化率を算出するステップでは、
    前記基準押込量および前記柔軟化率の重み係数を用いて、前記試料のヤング率、プラトー応力および柔軟化率を算出する、
    請求項2に記載の押込試験方法。
  5. 前記試料のヤング率、プラトー応力および柔軟化率を算出するステップでは、
    前記圧子として、球状の圧子を使用し、
    下記式(B)の関係式を用いて、前記圧子を前記試料に押し込んだときの前記圧子の押込量と、前記圧子に作用する押込荷重から、ヤング率、プラトー応力および柔軟化率、柔軟化率ζに関する重み付け係数を算出する、
    請求項4に記載の押込試験方法。
    ここで、Fは前記押込荷重、δは前記押込量、δは前記基準押込量、ζは前記柔軟化率、Eは前記ヤング率、σは前記プラトー応力、νは前記試料のポアソン比、φは前記圧子の直径、k、k、k、k、kは係数A、B、C、基準押込量δおよび柔軟化率ζに関する重み付け係数、であり、係数A、B、Cはそれぞれ下記式(C)、式(D)、式(E)で表される。
  6. 試料に圧子を押込む押込試験装置であって、
    前記試料の柔らかさ係数と、前記試料と前記圧子とが接触していない状態から前記圧子を前記試料に近づけたときに初めて前記圧子が前記試料に接触するときの押込量を表す基準押込量と、柔軟化率と、を算出する係数・基準押込量・柔軟化率算出部と、
    前記係数・基準押込量・柔軟化率算出部が算出した前記柔らかさ係数から前記試料のヤング率を算出するヤング率算出部と、
    前記係数・基準押込量・柔軟化率算出部が算出した前記柔らかさ係数から前記試料のプラトー応力を算出するプラトー応力算出部と、を備える、
    押込試験装置。
  7. 前記係数・基準押込量・柔軟化率算出部は、前記基準押込量および前記柔軟化率の重み係数を用いて、前記試料のヤング率、プラトー応力および柔軟化率を算出する、
    請求項6に記載の押込試験装置。
  8. 前記圧子が前記試料に押し込まれたときに前記圧子に作用する押込荷重を計測する押込荷重計測部と、
    前記圧子の前記試料への押込量を計測する押込量計測部と、を更に備える、
    請求項6または7に記載の押込試験装置。
JP2016205719A 2016-10-20 2016-10-20 押込試験方法および押込試験装置 Active JP6779497B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016205719A JP6779497B2 (ja) 2016-10-20 2016-10-20 押込試験方法および押込試験装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016205719A JP6779497B2 (ja) 2016-10-20 2016-10-20 押込試験方法および押込試験装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018066666A true JP2018066666A (ja) 2018-04-26
JP6779497B2 JP6779497B2 (ja) 2020-11-04

Family

ID=62085962

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016205719A Active JP6779497B2 (ja) 2016-10-20 2016-10-20 押込試験方法および押込試験装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6779497B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111044394A (zh) * 2019-12-10 2020-04-21 中国船舶重工集团公司第七一九研究所 一种针对Mullins效应参数的球压痕表征方法
CN111103188A (zh) * 2019-12-10 2020-05-05 中国船舶重工集团公司第七一九研究所 一种针对Mullins效应参数的吸管表征方法
CN112881241A (zh) * 2021-01-19 2021-06-01 华东交通大学 一种确定颗粒材料模量软化和恢复的方法
JP7503843B2 (ja) 2021-01-18 2024-06-21 国立大学法人京都工芸繊維大学 表面張力測定方法、表面張力測定装置およびプログラム

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111044394A (zh) * 2019-12-10 2020-04-21 中国船舶重工集团公司第七一九研究所 一种针对Mullins效应参数的球压痕表征方法
CN111103188A (zh) * 2019-12-10 2020-05-05 中国船舶重工集团公司第七一九研究所 一种针对Mullins效应参数的吸管表征方法
JP7503843B2 (ja) 2021-01-18 2024-06-21 国立大学法人京都工芸繊維大学 表面張力測定方法、表面張力測定装置およびプログラム
CN112881241A (zh) * 2021-01-19 2021-06-01 华东交通大学 一种确定颗粒材料模量软化和恢复的方法
CN112881241B (zh) * 2021-01-19 2022-10-28 华东交通大学 一种确定颗粒材料模量软化和恢复的方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6779497B2 (ja) 2020-11-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4967181B2 (ja) 押込試験方法および押込試験装置
JP6779497B2 (ja) 押込試験方法および押込試験装置
JP6319851B2 (ja) 粘性係数算出装置、押込試験装置、引張試験装置、粘性係数算出方法およびプログラム
Tirella et al. Strain rate viscoelastic analysis of soft and highly hydrated biomaterials
Klapperich et al. Nanomechanical properties of polymers determined from nanoindentation experiments
Pavan et al. Nonlinear elastic behavior of phantom materials for elastography
Mattei et al. The nano-epsilon dot method for strain rate viscoelastic characterisation of soft biomaterials by spherical nano-indentation
Hu et al. Soft-tissue material properties under large deformation: Strain rate effect
Huang et al. Measurement of Young’s relaxation modulus using nanoindentation
Holzapfel et al. An affine continuum mechanical model for cross-linked F-actin networks with compliant linker proteins
Pierrat et al. Indentation of heterogeneous soft tissue: Local constitutive parameter mapping using an inverse method and an automated rig
Gupta et al. A fiber reinforced poroelastic model of nanoindentation of porcine costal cartilage: a combined experimental and finite element approach
Zhang et al. Ramp-hold relaxation solutions for the KVFD model applied to soft viscoelastic media
Berglund et al. Viscoelastic testing methodologies for tissue engineered blood vessels
Rosen et al. A comparison of hyperelastic constitutive models applicable to shear wave elastography (SWE) data in tissue-mimicking materials
Hajhashemkhani et al. Identification of material parameters of a hyper-elastic body with unknown boundary conditions
Sridhar et al. Elasticity imaging of polymeric media
Manan et al. Numerical investigation of Ogden and Mooney-Rivlin material parameters
Misra et al. Force feedback is noticeably different for linear versus nonlinear elastic tissue models
Sakuma Handy-device development of softness measurement by indentation imitating palpation for evaluation of elasticity and visco-elasiticity
JP5935180B2 (ja) 押込試験方法および押込試験装置
O'Bryan et al. Low force, high noise: Isolating indentation forces through autocorrelation analysis
Khatam et al. On the evaluation of the elastic modulus of soft materials using beams with unknown initial curvature
JP2021096092A (ja) 粘弾性係数測定方法、粘弾性係数測定装置およびプログラム
Yang et al. Dynamic instrumented palpation (DIP)—a new method for soft tissue quality assessment; application to engineered mechanical phantom materials

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191002

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200630

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200721

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200916

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201006

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201006

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6779497

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250