JP2018066348A - モータモジュールおよび掃除機 - Google Patents

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裕一 佐久間
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Abstract

【課題】モータおよびファンを有するモータモジュールにおいて、騒音を低減できる技術を提供する。【解決手段】モータモジュール10は、モータ31と、ファン32と、静翼部材40と、モータ、ファンおよび静翼部材を内部に収容する筐体20とを有する。流路50は、本体部21とモータとの間において、吸気口211と排気口212とを繋ぐ空間である。排気口は、本体部を貫通する貫通孔である。静翼部材40は、周方向の一部の領域において複数のブレード400が周方向に間隔を空けて配置されるブレード配置部を有する。ブレード配置部は、流路内において排気口の上流側に配置される。静翼部材のブレードを流路内に適切に配置することにより、騒音を低減できる。また、筐体がモータの回転軸を通る平面で分割されることにより、金型を用いて筐体の成型を行いやすい。【選択図】図2

Description

本発明は、モータモジュールと、モータモジュールを有する掃除機とに関する。
従来、掃除機などの吸引力を必要とする装置には、モータおよびファンが搭載されている。従来のキャニスタ型の掃除機に加え、近年、ハンディ型、アップライト型またはスティック型と呼ばれる小型の掃除機が増えている。モータおよびファンを有する従来のハンディ型の掃除機については、例えば、特開2016−67664号公報に記載されている。
特開2016−67664号公報
近年、集合住宅の増加などにより、掃除機の静音化が求められている。また、小型の掃除機は、様々な場所やシーンで用いることができる。このため、小型の掃除機では、大型の掃除機よりもさらに、静音化が求められる。すなわち、モータおよびファンを有するモータモジュールにおいて、騒音を低減することが求められる。
騒音低減のためには、例えば、流路内に静翼を配置するという方法が従来知られている。しかしながら、必要の無い部分に静翼を設けると、却って騒音が大きくなる虞がある。
本発明の目的は、モータおよびファンを有するモータモジュールにおいて、騒音を低減できる技術を提供することである。
本願の例示的な第1発明は、モータモジュールであって、回転軸を中心として回転する回転部を有するモータと、前記モータの軸方向一方側に配置され、前記回転部とともに回転するファンと、周方向の一部の領域において複数のブレードが周方向に間隔を空けて配置されるブレード配置部を有する静翼部材と、前記モータ、前記ファンおよび前記静翼部材を内部に収容し、第1筐体および第2筐体を含む筐体と、を有し、前記筐体は、軸方向に延びる筒状の本体部と、前記ファンの軸方向一方側に配置された吸気口と、前記ファンの軸方向他方側かつ前記モータの径方向外側に配置された排気口と、前記本体部と前記モータとの間において、前記吸気口と前記排気口とを繋ぐ空間である流路と、を有し、前記第1筐体と前記第2筐体とは、前記回転軸を通る第1平面において互いに接触する接触面を有し、前記排気口は、前記本体部を貫通する貫通孔であり、前記ブレード配置部は、前記流路内において前記排気口の上流側に配置される。
本願の例示的な第1発明によれば、静翼部材のブレードを流路内に適切に配置することにより、騒音を低減できる。また、筐体がモータの回転軸を通る平面で分割されることにより、金型を用いた筐体の成型を行うことができる。
図1は、第1実施形態に係る掃除機の側面図である。 図2は、第1実施形態に係るモータモジュールの断面図である。 図3は、第1実施形態に係るモータモジュールのA−A断面図である。 図4は、第1実施形態に係る静翼部材の側面図である。 図5は、第1実施形態に係る静翼部材の第1静翼部材の斜視図である。 図6は、変形例に係る静翼部材の側面図である。 図7は、変形例に係る静翼部材の側面図である。 図8は、変形例に係る静翼部材の側面図である。 図9は、変形例に係る静翼部材の側面図である。 図10は、変形例に係るモータモジュールの断面図である。
以下に、モータモジュールを有する掃除機の例を開示する。なお、本開示では、モータの回転軸と平行な方向を「軸方向」、モータの回転軸に直交する方向を「径方向」、モータの回転軸を中心とする円周に沿う方向を「周方向」、とそれぞれ称する。また、本開示では、充電池に対して取っ手部側を上として、各部の形状および位置関係を説明する。ただし、この上下方向の定義により、モータモジュールの製造時および使用時の向きを限定する意図ない。
<1.第1実施形態>
<1−1.掃除機の構成>
図1は、第1実施形態に係る掃除機1の側面図である。掃除機1は、モータモジュール10と、粉塵分離部11と、ノズル12とを有する。掃除機1は、所謂ハンディ型の掃除機である。
図2は、モータモジュール10の断面図である。図2に示すように、モータモジュール10は、筐体20と、モータ31と、ファン32と、充電池33と、静翼部材40とを有する。
筐体20は、モータ31、ファン32、充電池33および静翼部材40を内部に収容する。筐体20は、ファン32の軸方向一方側に配置され、粉塵分離部11と、ファン32が収容される筐体20の内部の空間とを連通する吸気口211と、筐体20の側面に設けられた排気口212とを有する。また、筐体20は、その内部に、吸気口211と排気口212とを繋ぐ空間である流路50を有する。
モータ31は、ブラシレスモータである。モータ31は、回転軸9を中心として回転する回転部を有する。ファン32は、モータ31の軸方向一方側に配置される。また、ファン32は、モータ31の回転部とともに回転する。ファン32は、回転によって径方向外側へ向かう気流を発生させる、所謂遠心ファンである。これにより、ファン32は、筐体20の流路50内に吸気口211から排気口212へと向かう気流を発生させる。充電池33は、モータ31に駆動電力を供給する。静翼部材40は、流路50内に配置される。
粉塵分離部11は、モータモジュール10の軸方向一方側に配置される。ノズル12は、粉塵分離部11の軸方向一方側に配置される吸気ヘッドである。粉塵分離部11は、ノズル12から吸引された気流に含まれる粉塵およびゴミを分離する。粉塵分離部11は、紙パックにより粉塵およびゴミを分離するものであってもよいし、サイクロン・セパレータにより粉塵およびゴミを分離するものであってもよい。
掃除機1を駆動させると、モータ31が駆動し、ノズル12から、粉塵分離部11の内部、吸気口211、モータモジュール10の内部を通って、排気口212へと向かう気流が発生する。これにより、ノズル12から気流とともに粉塵やゴミが吸引される。ノズルから流入した気流は、粉塵分離部11において粉塵およびゴミが取り除かれる。そして、粉塵およびゴミが取り除かれた気流は、モータモジュール10内を通って排気口212から排出される。
<1−2.モータモジュールの構成>
次に、モータモジュール10の詳細な構成について、図2および図3を参照しつつ説明する。図3は、モータモジュール10のA−A矢視断面図である。
筐体20は、本体部21と、取っ手部22と、充電池収容部23とを有する。
本体部21は、軸方向に延びる筒状の部位である。本体部21の軸方向一方側には、軸方向に貫通する吸気口211が設けられている。吸気口211は、ファン32の軸方向一方側に配置される。また、本体部21の側面には、貫通孔である排気口212が設けられている。排気口212は、ファン32の軸方向他方側かつモータ31の径方向外側に配置される。
取っ手部22および充電池収容部23は、排気口212の軸方向他方側に配置される。取っ手部22は、充電池収容部23よりも上側に配置される。ここで、取っ手部22は、軸方向および上下方向に対して垂直な左右方向に貫通する取っ手穴221と、取っ手穴221の上部において軸方向に延びる把持部222とにより構成される。充電池収容部23には、充電池33が収容される。
図2に示すように、筐体20は、その内部の空間を仕切る上側壁部24、下側壁部25および中央壁部26を有する。
上側壁部24、下側壁部25および中央壁部26は、筐体20の内部の空間を、流路50と、流路50以外の部分とに仕切る。本実施形態では、流路50は、ファン32が収容されるファン収容部51と、ファン収容部51から軸方向他方側に延びる上側排気流路52および下側排気流路53とを含む。すなわち、本実施形態の流路50は、ファン32の下流側において、上側排気流路52と下側排気流路53とに分岐する。
ファン収容部51は、吸気口211と直接連通する。ファン収容部51の内部には、静翼部材40の複数のブレード400が配置される。静翼部材40の詳細な構成については、後述する。上側排気流路52および下側排気流路53は、周方向の一部の領域に配置され、ファン収容部51と排気口212との間に介在する排気流路である。上側排気流路52は、モータ31の上方に配置される。下側排気流路53は、モータ31の下方に配置される。
上側壁部24は、モータ31の上方において、上側排気流路52と、流路50以外の部分とを仕切る。下側壁部25は、モータ31の下方において、下側排気流路53と、流路50以外の部分とを仕切る。また、中央壁部26は、上側壁部24の軸方向一方側の端部と、下側壁部25の軸方向一方側の端部とを上下方向に繋ぐ。これにより、ファン収容部41と、モータ31が収容される空間とを仕切る。
上述の通り、上側壁部24および下側壁部25は、筐体20内の空間を、流路50と、流路50以外の空間とに仕切る。これにより、流路50以外の空間の影響を受けることなく、流路50の形状を規定できる。したがって、例えば、取っ手部22、充電池収容部23および充電池33等の部位に気流が当たって、騒音が発生するのが抑制される。また、取っ手部22、充電池収容部23、モータ31および充電池33の形状に関わらず、流路50内における流路抵抗や、後述する消音効果を一定に保つことができる。
筐体20は、流路50の内部に配置され、流路50を仕切る板状の仕切部61〜64を有する。具体的には、4つの仕切部61〜64には、ファン収容部51と上側排気流路52とを仕切る上側第1仕切部61と、上側排気流路52内を仕切る上側第2仕切部62と、ファン収容部51と下側排気流路53とを仕切る下側第1仕切部63と、下側排気流路53内を仕切る下側第2仕切部64とを有する。
これにより、上側排気流路52は、第1連通路521、第1消音室522、第2連通路523および第2消音室524を有する。
第1連通路521は、上側第1仕切部61と、本体部21の上部の内壁との間に介在する隙間である。第1連通路521は、上側第1仕切部61と、本体部21の上部の内壁との間において、ファン収容部51と第1消音室522とを軸方向に連通する。第1消音室522は、上側第1仕切部61および第1連通路521の軸方向他方側、かつ、上側第2仕切部62および第2連通路523の軸方向一方側に囲まれた空間である。
第2連通路523は、上側第2仕切部62と、上側壁部24との間に介在する隙間である。第2連通路523は、上側第2仕切部62と、上側壁部24との間において、第1消音室522と第2消音室524とを軸方向に連通する。第2消音室524は、上側第2仕切部62および第2連通路523の軸方向他方側に囲まれた空間である。第2消音室524を構成する本体部21には、貫通孔である排気口212が、左右に3つずつ設けられている。すなわち、排気口212は、第2消音室524と直接連通する。なお、排気口212は、第2消音室524と間接的に連通してもよい。
また、下側排気流路53は、上側排気流路52を上下反転させたものと同様の構成となっている。下側排気流路53は、上側排気流路52と同様に、第1連通路531、第1消音室532、第2連通路533および第2消音室534を有する。
なお、上側排気流路52と下側排気流路53とは、上下方向の長さが異なる。上側排気流路52の各部の上下方向の長さは、下側排気流路53の各部の上下方向の長さよりも長い。このため、上側第2仕切部62の上下方向の長さは、下側第2仕切部64の上下方向の長さよりも長い。このように、ファン32の下流側において流路50が分岐する場合に、分岐後の流路52,53ごとに流路断面積が異なっていてもよい。下側排気流路53の構成のうち、上側排気流路52と同等の構成については説明を省略する。
モータ31が駆動してファン32が回転すると、ファン32が、径方向外側へと向かう気流を発生させる。これにより、ファン収容部51の内部に、吸気口211から第1連通路521,531を介して上側排気流路52および下側排気流路53へと向かう気流が発生する。そして、当該気流はそれぞれ、第1消音室522,532、第2連通路523,533および第2消音室524,534を通って、排気口212からモータモジュール10の外へと排出される。
第1消音室522の流路断面積は、第1連通路521の流路断面積よりも大きい。これにより、第1連通路521および第1消音室522が、第1拡張型消音器501を構成する。また、第2消音室524の流路断面積は、第2連通路523の流路断面積よりも大きい。これにより、第2連通路523および第2消音室524が、第2拡張型消音器502を構成する。このように、上側排気流路52において、ファン32と排気口212との間に2つの拡張型消音器501,502が配置されることにより、ファン32において発生した騒音を低減できる。
下側排気流路53についても、上側排気流路52と同様に、第1連通路531および第1消音室532と、第2連通路533および第2消音室534とが、それぞれ、拡張側消音器を構成する。このように、下側排気流路53においても、ファン32と下側の排気口212との間に2つの拡張型消音器が配置されることにより、ファン32において発生した騒音を効率良く低減できる。
図3に示すように、本実施形態では、筐体20は、一体に成型された第1筐体71と、一体に成型された第2筐体72とを含む。第1筐体71と、第2筐体72とはそれぞれ、回転軸9を通る第1平面91において互いに接触する接触面710,720を有する。筐体20は、この第1平面91に対して略対称に構成される。
このように、筐体20を半割した2つの部材で構成することにより、モータモジュール10の製造工程において、各部品の組み立て効率を向上できる。また、このような半割の第1筐体71および第2筐体72において、各仕切部61〜64がそれぞれ、第1平面91に対して垂直に配置されている。これにより、第1筐体71および第2筐体72を射出成型により形成する場合に、金型の部品点数を少なくできる。したがって、製造コストを削減できる。
なお、本実施形態では、上側第1仕切部61および下側第1仕切部63が、第1筐体71および第2筐体72とは別に形成された部材で構成される。上側第1仕切部61および下側第1仕切部63は、モータモジュール10の組み立て時に、第1筐体71および第2筐体72の中央壁部26に挿入して組み立てられる。
第1筐体71は、第1平面91から第2筐体72側へ突出する第1凸部711を有する。第2筐体72は、第1平面91から凹む第1凹部721を有する。第1凸部711は、第1凹部721に嵌め込まれる。これにより、第1筐体71と第2筐体72とが安定して固定される。第1凸部711および第1凹部721は、それぞれ、筐体20の外表面付近と、取っ手穴221の周囲に配置される。
<1−3.静翼部材の構成>
続いて、図2、図4および図5を参照しつつ、静翼部材40の構成について説明する。図4は、静翼部材40を軸方向他方側から見た側面図である。なお、図4中には、A−A断面における筐体20の断面が破線で示されている。図5は、静翼部材40の後述する第1静翼部材81の斜視図である。
図4に示すように、本実施形態では、静翼部材40は、一体に成型された第1静翼部材81と、一体に成型された第2静翼部材82とから構成される。第1静翼部材81と、第2静翼部材82とはそれぞれ、回転軸9を通る第2平面92において互いに接触する接触面810,820を有する。このように、静翼部材40を半割した2つの部材で構成することにより、モータモジュール10の製造工程において、組み立て効率を向上できる。
第1静翼部材81と、第2静翼部材82とは、同一形状である。このため、静翼部材40は、回転軸9に対して点対称に構成される。また、第1静翼部材81と第2静翼部材82とを、同じ金型を用いて製造できるため、製造コストを削減できる。
第1静翼部材81は、第2平面92から第2静翼部材82側へ突出する突出部811と、第2平面92から凹む窪部812を有する。第2静翼部材82は、第2平面92から第1静翼部材81側へ突出する突出部821と、第2平面92から凹む窪部822を有する。第1静翼部材81の突出部811は、第2静翼部材82の窪部822に嵌め込まれる。また、第2静翼部材82の突出部821は、第1静翼部材81の窪部812に嵌め込まれる。これにより、簡易な構造により、第1静翼部材81と第2静翼部材82とが安定して固定される。
なお、本実施形態では、筐体20の分割面である第1平面91と、静翼部材40の分割面である第2平面92とが、同一平面である。
図2、図4および図5に示すように、静翼部材40は、円筒部41と、環状板部42と、首部43と、複数のブレード400とを有する。
円筒部41は、回転軸9を中心として円筒状に延びる。円筒部41は、ファン収容部51を構成する本体部21の内壁に沿って配置される。環状板部42は、円筒部41の軸方向一方側の端部から径方向内側に延びる。環状板部42は、軸方向に対して略垂直に配置される。首部43は、環状板部42の内縁から軸方向一方側に筒状に延びる。首部43により、ファン収容部51に連通する吸気口211が構成される。
図4に示すように、ブレード400はそれぞれ、円筒部41の内周面から径方向内側に板状に延びる。複数のブレード400は、周方向の一部の領域のみに配置される。具体的には、静翼部材40は、その周方向の一部の領域に、複数のブレード400が周方向に間隔を空けて配置されるブレード配置部401,402を有する。本実施形態では、静翼部材40は、上側ブレード配置部401および下側ブレード配置部402の2つのブレード配置部を有する。各ブレード配置部401,402において、複数のブレード400は、周方向に略等間隔に配置される。
複数のブレード400は、ファン収容部51の内部において、排気口212の上流側に配置される。図4中に矢印で示すように、ファン32の回転時には、ファン収容部51内に、軸方向他方側から見て、周方向一方側から周方向他方側へと向かう時計回りの気流が生じる。ブレード400はそれぞれ、径方向内側から径方向外側に向かうにつれて、周方向一方側から周方向他方側へと向かう。また、ブレード400はそれぞれ、径方向外側かつ周方向一方側に突出するように湾曲している。当該形状により、ブレード400は、ファン収容部51内の気流を径方向外側へと案内する。円筒部41に当たった気流は、円筒部41の内周面に沿って軸方向他方側へと向かう。このように、静翼部材40は、ブレード配置部401,402において、ファン収容部51内の気流を、軸方向他方側に向かうように案内する。
ここで、2つのブレード配置部401,402はそれぞれ、上側排気流路52および下側排気流路53の上流側に配置される。これにより、ファン収容部51から、上側排気流路52および下側排気流路53へと、効率良く気流が向かう。このように、静翼部材40の各ブレード400を流路50内に適切に配置することにより、騒音を低減できる。
具体的には、図4に示すように、上側排気流路52の周方向の範囲A1は、上側ブレード配置部401の周方向の範囲B1と重なる。また、下側排気流路53の周方向の範囲A2は、下側ブレード配置部402の周方向の範囲B2と重なる。すなわち、排気流路52,53の周方向の範囲が、ブレード配置部401,402の周方向の範囲と少なくとも一部が重なる。これにより、軸方向他方側へと気流を向かわせる必要のある位置に、ブレード400が配置される。その結果、ファン収容部51から排気流路52,53を介して排気口212へと効率良く気流が向かう。これにより、静翼部材40による騒音の低減効果を向上できる。
仮に、排気流路52,53が無い周方向の位置において、ファン収容部51内に軸方向他方側へ向かう気流が発生すると、却って騒音の原因となり、静翼部材40による騒音の低減効果が抑制される虞がある。本実施形態では、上側ブレード配置部401の周方向の範囲B1は、上側排気流路52の周方向の範囲A1内に配置される。下側ブレード配置部402の周方向の範囲B2は、下側排気流路53の周方向の範囲A2内に配置される。これにより、静翼部材40は、排気流路52,53が無い周方向の位置において、ファン収容部51内で気流を積極的に軸方向他方側へと向かわせない。したがって、静翼部材40による騒音の低減効果をさらに向上できる。
図4に示すように、排気口212の周方向の範囲とブレード配置部401,402の周方向の範囲B1,B2とは、少なくとも一部が重なる。これにより、軸方向他方側へと気流を向かわせる必要のある位置に、ブレード400が配置される。その結果、ファン収容部51から排気口212へと効率良く気流が向かう。これにより、静翼部材40による騒音の低減効果を向上できる。
また、排気口212の周方向の範囲は、ブレード配置部401,402の周方向の範囲B1,B2内に配置される。したがって、静翼部材40による騒音の低減効果をさらに向上できる。
図2に示すように、各ブレード400は、ファン32の径方向外側に配置される。各ブレード400の軸方向の位置と、ファン32の軸方向の位置とは、少なくとも一部が重なる。これにより、ファン32から径方向外側へと向かう気流がブレード400により案内されやすくなる。
<2.変形例>
図6は、一変形例に係るモータモジュールの静翼部材40Aを軸方向他方側から見た側面図である。なお、図6中には、排気口212Aを含む筐体20Aの断面が破線で示されている。静翼部材40Aは、第1静翼部材81Aと第2静翼部材82Aとから構成される。第1静翼部材81Aと第2静翼部材82Aとはそれぞれ、第2平面92Aにおいて互いに接触する接触面810A,820Aを有する。
図6の例では、筐体20Aの分割面である第1平面91Aと、静翼部材40Aの分割面である第2平面92Aとが異なる平面である。第1平面91Aは、回転軸9Aを通り、かつ、上下方向に拡がる平面である。また、第2平面92Aは、回転軸9Aを通り、かつ、左右方向に拡がる平面である。第1平面91Aと第2平面92Aとは、回転軸9Aにおいて垂直に交わる。
静翼部材40Aは、筐体20Aの分割面である第1平面91Aとは異なる第2平面92Aにおいて分割される。このように、筐体の分割面と、静翼部材の分割面とは異なる平面であってもよい。
図7は、他の変形例に係る静翼部材40Bを軸方向他方側から見た側面図である。静翼部材40Bでは、複数のブレード400Bが、円筒部41Bと径方向に離れて配置される。すなわち、複数のブレード400Bは、静翼部材40Bの径方向外側の端部から離れて配置される。このように、複数のブレードは、静翼部材の最も径方向外側に配置されなくてもよい。
図8は、他の変形例に係る静翼部材40Cを軸方向他方側から見た側面図である。静翼部材40Cでは、複数のブレード400Cが、それぞれ、径方向内側から径方向外側に向かうに連れて、周方向一方側から周方向他方側へと向かう。また、ブレード400Cはそれぞれ、径方向内側かつ周方向他方側に突出するように湾曲している。このように、ブレードは、上記の実施形態と異なる方向に湾曲してもよい。また、ブレードは、湾曲していなくてもよい。
図9は、他の変形例に係る静翼部材40Dを軸方向他方側から見た側面図である。静翼部材40Dでは、各ブレード配置部401D,402Dにおいて、隣り合うブレード400D同士の周方向の間隔は、一定でない。このように、ブレード同士の周方向の間隔は一定でなくてもよい。
図10は、他の変形例に係るモータモジュールの断面図である。筐体20Eは、第1面91Eにおいて、第1筐体71Eおよび第2筐体72Eに分割される。この筐体20Eの排気口212Eはそれぞれ、第1面91Eに対して垂直に本体部21Eを貫通する。これにより、第1筐体71Eおよび第2筐体72Eを射出成型により形成する場合に、金型の部品点数を少なくできる。したがって、製造コストを削減できる。
上記の実施形態および変形例では、ファンが遠心ファンであったが、本発明はこれに限られない。本発明のモータモジュールおよび掃除機に用いられるファンは、斜流ファンであってもよい。
上記の実施形態および変形例では、ファンの下流側において、流路が2つに分岐したが、本発明はこれに限られない。ファンの下流側において、排気流路は1つであってもよい。また、ファンの下流側において、流路は3つ以上の排気流路に分岐してもよい。その場合、排気流路と同じ数のブレード配置部がそれぞれ、各排気流路の上流側に配置されることが好ましい。
上記の実施形態の掃除機は、ハンディ型の掃除機であったが、本発明はこれに限られない。本発明のモータモジュールは、ハンディ型と同様、吸気ヘッドおよび粉塵分離部を介して吸気口へ気体を吸引するとともに、当該気体を排気口から排出する、アップライト型またはスティック型の掃除機に搭載されてもよい。
また、本発明のモータモジュールは、いわゆるキャニスタ型の掃除機に搭載されてもよい。キャニスタ型の掃除機は、吸気ヘッドおよび粉塵分離部に加えて、吸気ヘッドと粉塵分離部とを繋ぐホース部を有する。モータモジュールは、吸気ヘッド、ホース部および粉塵分離部を介して吸気口へと気体を吸引するとともに、当該気体を排気口から排出する。
また、各部材の細部の形状については、本願の各図に示された形状と、相違していてもよい。例えば、筐体および静翼部材の各部の形状が、上記の実施形態および変形例と異なっていてもよい。また、上記の各要素を、矛盾が生じない範囲で、適宜に組み合わせてもよい。
本発明は、モータモジュールおよび掃除機に利用できる。
1 掃除機
9,9A 回転軸
10 モータモジュール
11 粉塵分離部
12 ノズル
20,20A,20E 筐体
21,21E 本体部
22 取っ手部
31 モータ
32,32A ファン
40,40A,40B,40C,40D 静翼部材
50 流路
51 ファン収容部
52,53 排気流路
71,71E 第1筐体
72,72E 第2筐体
81,81A 第1静翼部材
82,82A 第2静翼部材
91,91A,91D 第1平面
92,92A 第2平面
211 吸気口
212,212A,212E 排気口
400,400B,400C,400D ブレード
401,402,401D,402D ブレード配置部
811,821 突出部
812,822 窪部

Claims (12)

  1. 回転軸を中心として回転する回転部を有するモータと、
    前記モータの軸方向一方側に配置され、前記回転部とともに回転するファンと、
    周方向の一部の領域において複数のブレードが周方向に間隔を空けて配置されるブレード配置部を有する静翼部材と、
    前記モータ、前記ファンおよび前記静翼部材を内部に収容し、第1筐体および第2筐体を含む筐体と、
    を有し、
    前記筐体は、
    軸方向に延びる筒状の本体部と、
    前記ファンの軸方向一方側に配置された吸気口と、
    前記ファンの軸方向他方側かつ前記モータの径方向外側に配置された排気口と、
    前記本体部と前記モータとの間において、前記吸気口と前記排気口とを繋ぐ空間である流路と、
    を有し、
    前記第1筐体と前記第2筐体とは、前記回転軸を通る第1平面において互いに接触する接触面を有し、
    前記排気口は、前記本体部を貫通する貫通孔であり、
    前記ブレード配置部は、前記流路内において前記排気口の上流側に配置される、モータモジュール。
  2. 請求項1に記載のモータモジュールであって、
    前記流路は、
    前記ファンが収容され、前記吸気口と直接連通するファン収容部と、
    周方向の一部の領域に配置され、前記ファン収容部と前記排気口との間に介在する排気流路と、
    を含み、
    前記排気流路の周方向の範囲と、前記ブレード配置部の周方向の範囲とは、少なくとも一部が重なる、モータモジュール。
  3. 請求項2に記載のモータモジュールであって、
    前記ブレード配置部の周方向の範囲は、前記排気流路の周方向の範囲内に配置される、モータモジュール。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のモータモジュールであって、
    前記静翼部材は、周方向に間隔を空けて配置される複数の前記ブレード配置部を有し、
    前記排気口の周方向の範囲と、前記ブレード配置部の周方向の範囲とが重なる、モータモジュール。
  5. 請求項3に記載のモータモジュールであって、
    前記排気口の周方向の範囲は、前記ブレード配置部の周方向の範囲内に配置される、モータモジュール。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のモータモジュールであって、
    前記ブレードは、前記ファンの径方向外側に配置され、
    前記ブレードの軸方向の位置と、前記ファンの軸方向の位置とは、少なくとも一部が重なる、モータモジュール。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のモータモジュールであって、
    前記静翼部材は、
    一体に成型された第1静翼部材と、
    一体に成型された第2静翼部材と、
    から構成され、
    前記第1静翼部材と前記第2静翼部材とは、前記回転軸を通る第2平面において互いに接触する接触面を有する、モータモジュール。
  8. 請求項7に記載のモータモジュールであって、
    前記第1静翼部材と前記第2静翼部材とは、同一形状である、モータモジュール。
  9. 請求項8に記載のモータモジュールであって、
    前記第1静翼部材および前記第2静翼部材はそれぞれ、
    前記第2平面から突出する突出部と、
    前記第2平面から凹む窪部と、
    を有し、
    前記第1静翼部材の前記突出部は、前記第2静翼部材の前記窪部に嵌め込まれるとともに、
    前記第2静翼部材の前記突出部は、前記第1静翼部材の前記窪部に嵌め込まれる、モータモジュール。
  10. 請求項7ないし請求項9のいずれかに記載のモータモジュールであって、
    前記第1平面と前記第2平面とは同一平面である、モータモジュール。
  11. 吸気ヘッドと、
    気流中に含まれる粉塵と前記気流とを分離する粉塵分離部と、
    請求項1ないし請求項10のいずれかに記載のモータモジュールと、
    を有し、
    前記筐体は、
    前記第1平面に対して略対称形状の取っ手
    を有し、
    前記モータモジュールは、前記吸気ヘッドおよび前記粉塵分離部を介して前記吸気口へと気体を吸引するとともに、前記気体を前記排気口から排出する、ハンディ型、アップライト型またはスティック型の掃除機。
  12. 吸気ヘッドと、
    気流中に含まれる粉塵と前記気流とを分離する粉塵分離部と、
    前記吸気ヘッドと前記粉塵分離部とを繋ぐホース部と、
    請求項1ないし請求項10のいずれかに記載のモータモジュールと、
    を有し、
    前記モータモジュールは、前記吸気ヘッド、前記ホース部および前記粉塵分離部を介して前記吸気口へと気体を吸引するとともに、前記気体を前記排気口から排出する、キャニスタ型の掃除機。
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