JP2018066028A - 水素製造装置および水素製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】装置を構成する部材の酸化を抑えつつ、熱効率を向上させることができる水素製造技術を提供する。【解決手段】水蒸気を水素ガスと酸素ガスとに電気分解する電解部2と、電解部2に水蒸気を供給する第1供給ライン18と、電解部2から水素ガスを含む第1ガスを排出する第1排出ライン19と、電解部2に所定のガスを供給する第2供給ライン23と、電解部2から酸素ガスを含む第2ガスを排出する第2排出ライン24と、第2ガスから酸素ガスを分離する酸素分離部25と、酸素ガスが分離された残りの残余ガスを第2供給ライン23に供給する残余ガス供給ライン27と、を備える。【選択図】 図1
Description
本発明の実施形態は、水蒸気を電気分解して水素ガスを製造する水素製造技術に関する。
近年、水素をエネルギー媒体とした水素エネルギー社会の実現が注目されており、いくつかの水素製造方法が考えられている。特に、高温の水蒸気を高温水蒸気電解装置で電気分解して水素ガスと酸素ガスを生成する高温水蒸気電解法がある。この高温水蒸気電解法では、高温で高純度の酸素ガスが高温水蒸気電解装置や配管に接触されるので、これらを構成する部材の酸化が促進されてしまう。そこで、空気供給ブロアにより高温水蒸気電解装置に空気を供給して酸素ガスの濃度を下げるようにしている(例えば、特許文献1参照)。
前述の高温水蒸気電解法では、高温水蒸気電解装置の高温状態を維持するために、空気供給ブロアで供給される空気を熱交換器で加熱してから高温水蒸気電解装置に供給するようにしている。この空気を加熱するための加熱源は、水蒸気を加熱するためにも用いられている。このように、水蒸気を加熱するための熱エネルギーの一部が空気を加熱するために用いられるので、熱効率が低減してしまうという課題がある。
本発明の実施形態はこのような事情を考慮してなされたもので、装置を構成する部材の酸化を抑えつつ、熱効率を向上させることができる水素製造技術を提供することを目的とする。
本発明の実施形態に係る水素製造装置は、水蒸気を水素ガスと酸素ガスとに電気分解する電解部と、前記電解部に前記水蒸気を供給する第1供給ラインと、前記電解部から前記水素ガスを含む第1ガスを排出する第1排出ラインと、前記電解部に所定のガスを供給する第2供給ラインと、前記電解部から前記酸素ガスを含む第2ガスを排出する第2排出ラインと、前記第2ガスから前記酸素ガスを分離する酸素分離部と、前記酸素ガスが分離された残りの残余ガスを前記第2供給ラインに供給する残余ガス供給ラインと、を備える。
本発明の実施形態に係る水素製造方法は、第1供給ラインを用いて電解部に水蒸気を供給する第1供給ステップと、前記電解部を用いて前記水蒸気を水素ガスと酸素ガスとに電気分解する電解ステップと、第1排出ラインを用いて前記電解部から前記水素ガスを含む第1ガスを排出する第1排出ステップと、第2排出ラインを用いて前記電解部から前記酸素ガスを含む第2ガスを排出する第2排出ステップと、酸素分離部を用いて前記第2ガスから前記酸素ガスを分離する酸素分離ステップと、前記電解部に所定のガスを供給する第2供給ラインに対し、前記酸素ガスが分離された残りの残余ガスを、残余ガス供給ラインを用いて供給する残余ガス供給ステップと、を含む。
本発明の実施形態により、装置を構成する部材の酸化を抑えつつ、熱効率を向上させることができる水素製造技術が提供される。
(第1実施形態)
以下、本実施形態を添付図面に基づいて説明する。図1の符号1は、第1実施形態の水素製造装置である。本実施形態では、600℃〜850℃程度の高温で水蒸気を電気分解して水素ガスおよび酸素ガスを得る高温水蒸気電解法を用いる。
以下、本実施形態を添付図面に基づいて説明する。図1の符号1は、第1実施形態の水素製造装置である。本実施形態では、600℃〜850℃程度の高温で水蒸気を電気分解して水素ガスおよび酸素ガスを得る高温水蒸気電解法を用いる。
水の電気分解に必要なエネルギー(ΔH)は、以下の(1)式で表される。ここで、ΔGは、ギブスエネルギー差である。また、TΔSは、可逆反応熱である。この(1)式において、ΔGは、電気エネルギーで与えられる。また、TΔSは、熱エネルギーで与えられる。
ΔH = ΔG + TΔS (1)
ΔHは、温度による変化が小さいのに対し、ΔGは、高温になるに従って小さくなる。すなわち、水の電気分解に必要なエネルギーのうち、外部から供給する熱量を多くすることができる。そのため、高温水蒸気電解法では、室温での水の電気分解よりも少ない電力で同じ量の水素を得ることができ、エネルギー効率が高い水素製造法となっている。
図1に示すように、水素製造装置1は、水蒸気を水素ガスと酸素ガスとに電気分解する電解部2を備える。この電解部2では、水蒸気の電気分解が実行されることで、水素ガスと酸素ガスとが生成される。なお、この電解部2には、電気分解を行うための電解セル3が設けられている。
図2に示すように、電解セル3は、隔壁となる電解質膜4で隔てられた第1室5と第2室6とを有している。また、電解質膜4において、第1室5側には、負極7の電極が設けられ、第2室6側には、正極8の電極が設けられている。また、負極7および正極8の各電極に接続され、直流電流を出力する電源9が設けられている。なお、第1室5には、水蒸気が供給される。また、第2室6には、後述する残余ガスまたは補助ガスが供給される。
電源9により付与される電流は、負極7および正極8を介して電解質膜4に流れる。ここで、第1室5側に水蒸気が供給されると、この水蒸気が電気分解されて水素ガスと酸素イオン(O2−)が生成される。この酸素イオンは、電解質膜4を通過して正極8側に移動する。そして、酸素イオンが正極8側で電子を放出することで、第2室6側に酸素ガスが放出される。
また、生成された水素ガスを含む第1ガスで第1室5が満たされるとともに、この第1ガスが第1室5から排出される。さらに、生成された酸素ガスを含む第2ガスで第2室6が満たされるとともに、この第2ガスが第2室6から排出される。なお、第1ガスは、水素ガスや未だ電気分解されていない水蒸気などを含むガスである。また、第2ガスは、酸素ガスやその他の残余ガスを含むガスである。
図1に示すように、水素製造装置1は、電気分解に必要な水蒸気を発生させるための水を供給する水供給部10と、この水供給部10から水を輸送する水供給ライン11と、この水に基づいて水蒸気を発生させる水蒸気発生部12と、水蒸気発生部12を加熱する燃焼部13と、この燃焼部13に燃料を供給する燃料供給部14と、この燃料供給部14から燃料を輸送する燃料供給ライン15と、燃焼部13に外部から導入される空気を供給する空気供給部16と、この空気供給部16から空気を輸送する空気供給ライン17と、を備える。
また、水素製造装置1は、水蒸気発生部12で発生した水蒸気を電解部2(電解セル3)の第1室5に供給するための第1供給ライン18と、電解部2の第1室5から第1ガスを排出するための第1排出ライン19と、この排出された第1ガスから水素ガスを分離する水素分離部20と、分離された水素ガスを貯蔵する水素貯蔵部21と、この水素貯蔵部21に水素ガスを供給する水素供給ライン22と、を備える。
なお、水素分離部20では、気液分離器を用いて第1ガスに含まれる水蒸気を凝縮させて水素ガスと分離するようにしても良いし、その他の分離技術で水蒸気と水素ガスとを分離しても良い。この水素ガスが水素貯蔵部21に輸送されるので、純度の高い水素ガスを得ることができる。
また、水素製造装置1は、所定のガスを電解部2(電解セル3)の第2室6に供給するための第2供給ライン23と、電解部2の第2室6から第2ガスを排出するための第2排出ライン24と、この排出された第2ガスから酸素ガスを分離する酸素分離部25と、分離された酸素ガスを燃焼部13に供給する酸素ガス供給ライン26と、酸素ガスが分離された残りの残余ガスを第2供給ライン23に供給する残余ガス供給ライン27と、外部から導入される空気などの補助ガスを供給する補助供給部28と、この補助供給部28により供給される補助ガスを第2供給ライン23に供給する補助供給ライン29と、補助ガスの流量および残余ガスの流量を調節する調節部30と、電解部2の運転状態に基づいて調節部30を制御する流量制御部31と、電解部2および流量制御部31を互いに接続する流量制御線32と、を備える。
なお、酸素分離部25は、高温状態を維持しつつ、第2ガスを酸素ガスとその他の残余ガスとに分離する酸素分離膜33(分子篩、ろ過膜)を備える。この酸素分離膜33は、600℃以上の高温の耐えられる耐熱性を有する材料で構成される。例えば、セラミック材料で構成された膜であっても良いし、金属材料で構成された膜であっても良いし、高分子化合物で構成された膜であっても良い。このように、酸素分離膜33を用いることで、第2ガスの高温状態を維持しつつ、第2ガスから酸素ガスを分離することができるので、酸素分離による熱損失を低減することができる。
また、調節部30は、補助供給ライン29から第2供給ライン23に供給される補助ガスの流量と、残余ガス供給ライン27から第2供給ライン23に供給される残余ガスの流量と、を調節する。この調節部30は、電解部2の運転状態に応じて、この電解部2に供給されるガスの流量を調節することができる。例えば、残余ガスを充分に供給できない電解部2の起動期間には、補助ガスを第2供給ライン23に供給する。そして、残余ガスを充分に供給できる電解部2の運転期間には、残余ガスを第2供給ライン23に供給する。
また、調節部30は、第2供給ライン23に接続されるラインを、補助供給ライン29または残余ガス供給ライン27のいずれか一方に切り換えることができる。なお、調節部30は、第2供給ライン23に対して残余ガス供給ライン27を接続しているときに、補助供給ライン29から補助ガスの一部を第2供給ライン23に供給するようにしても良い。
なお、第1供給ライン18と第1排出ライン19と第2供給ライン23と第2排出ライン24と残余ガス供給ライン27とは、外部と断熱するための断熱部で覆われた配管となっている。特に、残余ガス供給ライン27および第2供給ライン23が断熱部を備えることで、酸素分離部25から電解部2まで残余ガスの温度を低下させずに、この残余ガスを輸送することができる。
本実施形態では、燃焼部13で燃料を燃焼させることで発生する熱エネルギーを用いて水を加熱して水蒸気を発生させる。なお、この水蒸気の温度は、1気圧の環境において600℃以上であれば良い。このような高温の水蒸気を用いることで、効率よく水素ガスを製造することができる。
なお、本実施例では、燃焼部13および水蒸気発生部12が、それぞれ1台ずつの構成としているが、その他の態様であっても良い。例えば、複数台の燃焼部13および水蒸気発生部12を直列に接続し、発生した水蒸気を複数回加熱して600℃以上の高温にしても良い。
図1および図2に示すように、電解部2に設けられた電解セル3の第1室5は、電気分解により生成された水素ガスと未だ電気分解されていない水蒸気とを含む第1ガスで満たされる。この第1室5の第1ガスは、第1排出ライン19を通じて水素分離部20に送られる。なお、水素分離部20で分離された水素ガスは、水素供給ライン22を通じて水素貯蔵部21に供給される。そして、水素ガスは、水素貯蔵部21にて一旦貯蔵された後に、製品として出荷される。
また、電解セル3の第2室6は、電気分解により生成された酸素ガスとその他の残余ガスとを含む第2ガスで満たされる。この第2室6の第2ガスは、第2排出ライン24を通じて酸素分離部25に送られる。この酸素分離部25では、酸素分離膜33を用いて、高温の第2ガスを、水素ガスと、その残りの残余ガスとに分離する。
また、分離された酸素ガスは、酸素ガス供給ライン26を通じて燃焼部13に送られ、燃料の燃焼に利用される。一方、第2ガスから酸素ガスが分離された残りの残余ガスは、残余ガス供給ライン27を通じて第2供給ライン23に供給される。そして、この残余ガスは、第2供給ライン23を通じて電解セル3の第2室6に供給される。
また、電解セル3の第2室6では、酸素ガスが生成されるので、この第2室6が高濃度の酸素ガスで満たされる。さらに、この酸素ガスは、高温である。このように第2室6を構成する部材や、第2排出ライン24を構成する配管などは、高温で高濃度の酸素ガスに触れることになる。そのため、これらを構成する部材の酸化が促進されてしまう。本実施形態では、残余ガスが残余ガス供給ライン27を通じて第2室6に供給されるので、第2室6の酸素ガスの濃度を低減させることができ、第2室6の過酷な環境を緩和することができる。つまり、第2室6を構成する部材の酸化を抑えることができる。また、高温の状態が維持された状態で残余ガスが第2室6に導入されるので、水素製造装置1の熱効率を向上させることができる。
なお、残余ガスは、空気、窒素ガス、希ガスのうちの少なくともいずれか1つから成る。この残余ガスは、電解部2の起動期間中に、補助供給部28から供給された補助ガス(空気)などに基づいて生じるガスである。この残余ガスを用いることで、このようにすれば、装置を構成する部材を腐食させることなく、残余ガスの流量(第2室6を充満させる量)を確保することができるので、第2室6の酸素濃度を低減することができる。なお、本実施形態の残余ガスとしての空気は、第2ガスから酸素ガスを分離したときに残った酸素ガスを含んだガスを含み、大気としての空気と近似する成分のガスを含む。また、本実施形態の希ガスは、ヘリウムガスなどを含む。
次に、第1実施形態の水素製造装置1が実行する水素製造方法について図3を用いて説明する。なお、フローチャートの各ステップの説明にて、例えば「ステップS11」と記載する箇所を「S11」と略記する。
まず、水蒸気発生部12で発生した水蒸気を、第1供給ライン18を用いて電解部2(電解セル3)の第1室5に供給する(S11:第1供給ステップ)。次に、電解部2を用いて水蒸気を水素ガスと酸素ガスとに電気分解する(S12:電解ステップ)。次に、第1排出ライン19を用いて電解部2の第1室5から水素ガスを含む第1ガスを排出する(S13:第1排出ステップ)。
次に、第1排出ライン19を用いて水素分離部20に第1ガスが輸送される。そして、水素分離部20を用いて第1ガスから水素ガスを分離する(S14:水素分離ステップ)。次に、水素供給ライン22を用いて水素貯蔵部21に水素ガスが輸送される。この水素ガスが水素貯蔵部21に貯蔵される(S15:水素貯蔵ステップ)。
また、第2排出ライン24を用いて電解部2の第2室6から酸素ガスを含む第2ガスを排出する(S16:第2排出ステップ)。次に、第2排出ライン24を用いて酸素分離部25に第2ガスが輸送される。そして、酸素分離部25では、酸素分離膜33を用いて第2ガスから酸素ガスを分離する(S17:酸素分離ステップ)。次に、酸素ガス供給ライン26を用いて燃焼部13に酸素ガスが輸送される(S18:酸素供給ステップ)。この燃焼部13では、酸素ガスを用いて燃料が燃焼される。
また、酸素分離部25にて第2ガスから酸素ガスが分離された残りの残余ガスは、残余ガス供給ライン27を用いて第2供給ライン23に輸送される。そして、この第2供給ライン23を用いて電解部2の第2室6に残余ガスが供給される(S19:残余ガス供給ステップ)。
次に、流量制御部31が実行する流量制御処理について図4を用いて説明する。まず、水素製造装置1が起動して、電解部2の第1室5に水蒸気が供給されるとともに電源9から電力が供給される。このように電解部2が起動されると、流量制御線32を介して電解部2が起動したことを示す起動信号が流量制御部31に入力される(S21)。なお、電解部2は、起動期間中に起動信号を出力する。さらに、電解部2は、起動してから所定時間経過後に定常運転に切り換る。この運転期間中に電解部2は、運転信号を出力する。
次に、流量制御部31は、調節部30を制御して、第2供給ライン23と補助供給ライン29とを接続する。ここで、補助供給ライン29を用いて第2供給ライン23に補助ガス(空気)が供給される。この補助ガスは、電解部2の第2室6に供給される(S22)。
次に、流量制御部31は、流量制御線32から入力される運転信号に基づいて、電解部2が定常運転(運転期間)に移行したか否かを判定する(S23)。ここで、電解部2が定常運転に移行していない場合は、前述のS22に戻る。一方、電解部2が定常運転に移行した場合は、流量制御部31は、調節部30を制御して、第2供給ライン23と残余ガス供給ライン27とを接続する。ここで、残余ガス供給ライン27を用いて第2供給ライン23に残余ガスが供給される。この残余ガスは、電解部2の第2室6に供給される(S24)。
なお、本実施形態では、流量制御部31が電解部2から入力される信号に基づいて、電解部2の第2室6に供給するガスを、補助ガスまたは残余ガスに切り換えるようにしているが、その他の態様であっても良い。例えば、電解部2が起動してからカウントを開始するタイマを設けるようにし、起動後に経過した時間に基づいて、電解部2の第2室6に供給するガスを切り換えても良い。また、電解部2の第2室6に酸素濃度を検出するセンサを設けるようにし、この酸素濃度に基づいて、電解部2の第2室6に供給するガスを切り換えても良い。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態の水素製造装置1Aについて図5から図7を用いて説明する。なお、前述した実施形態に示される構成部分と同一構成部分については同一符号を付して重複する説明を省略する。
次に、第2実施形態の水素製造装置1Aについて図5から図7を用いて説明する。なお、前述した実施形態に示される構成部分と同一構成部分については同一符号を付して重複する説明を省略する。
図5に示すように、第2実施形態の水素分離部20は、高温状態を維持しつつ、第1ガスを水素ガスと水蒸気(リサイクルガス)とに分離する水素分離膜34(分子篩、ろ過膜)を備える。この水素分離部20では、水素分離膜34を用いて、高温の第1ガスを水素ガスと水蒸気とに分離する。
この水素分離膜34は、前述の第1ガスに含まれる水蒸気が気体である温度、好ましくは150℃以上、さらに好ましくは300℃以上の耐熱性、および水素分離性能を有する材料で構成される。例えば、パラジウムを含む金属材料で構成された膜であっても良いし、セラミック材料で構成された膜でも良いし、高分子化合物で構成された膜であっても良い。このように、水素分離膜34を用いることで、第1ガスの高温状態を維持しつつ、第1ガスから水素ガスを分離することができるので、水素分離による熱損失を低減することができる。
また、第2実施形態の水素製造装置1Aは、水素分離部20にて水素ガスが分離された残りのガスであって、未だ電気分解されていない水蒸気を含むリサイクルガスを、第1供給ライン18に供給するリサイクルライン35を備える。このリサイクルライン35を通じて第1供給ライン18に送られたリサイクルガスは、電解部2(電解セル3)の第1室5に供給され、再び電気分解に利用される。このようにすれば、電解部2から排出された水蒸気を含むリサイクルガスを再利用することができる。なお、既に加熱された水蒸気に基づいて電気分解を行うことができるので、熱効率を向上させることができる。また、リサイクルライン35は、外部と断熱するための断熱部で覆われた配管となっている。
また、第2実施形態の水素製造装置1Aは、第2供給ライン23を流れる残余ガスや補助ガスを加熱する加熱部36と、電解部2の運転状態に基づいて加熱部36を制御する加熱制御部37と、電解部2および加熱制御部37を互いに接続する加熱制御線38と、を備える。
なお、加熱部36は、電熱ヒータなどで構成される。また、第2供給ライン23の全体に亘って電熱ヒータを巻き付けて加熱部36を構成しても良い。また、加熱部36は、電解部2の運転状態に応じて、第2供給ライン23を流れるガスを加熱することができる。例えば、電解部2の起動期間には、加熱部36による加熱を行うことで、外部から取り込まれた補助ガス(空気)を加熱することができる。そして、電解部2の運転期間には、既に加熱された残余ガスが第2供給ライン23に供給されるので、加熱部36を停止することができる。
また、加熱制御部37は、電解部2の運転状態に応じて加熱部36を制御するため、第2供給ライン23を流れるガスの温度低下を事前に把握して、加熱部36の制御にフィードバックさせることができるので、低温のガスが電解部2に供給されることを防ぐことができる。例えば、電解部2が一時的に停止した場合には、この停止を加熱制御部37が事前に把握することで、残余ガスの温度が低下する前に、加熱部36による加熱を開始することができる。そのため電解部2の温度が低下されることがなく、電解部2を再起動したときに即座に電気分解を開始することができる。
次に、第2実施形態の水素製造装置1Aが実行する水素製造方法について図6を用いて説明する。なお、第2実施形態の水素製造方法は、S15Aのみが、前述した第1実施形態の水素製造方法(図3参照)と異なり、他のステップは同じである。
図6に示すように、第2実施形態では、水素分離部20を用いて第1ガスから水素ガスを分離する(S14)。そして、分離された水素ガスを水素貯蔵部21に貯蔵するとともに(S15)、分離されたリサイクルガスを、リサイクルライン35を通じて第1供給ライン18に供給する。そして、このリサイクルガスを、電解部2(電解セル3)の第1室5に供給する(S15A:リサイクルステップ)。このリサイクルガスは、電解部2で再び電気分解に利用される。以降のステップは、前述した第1実施形態の水素製造方法と同じステップである。
次に、加熱制御部37が実行する加熱制御処理について図7を用いて説明する。まず、水素製造装置1Aが起動して、電解部2の第1室5に水蒸気が供給されるとともに電源9から電力が供給される。このように電解部2が起動されると、加熱制御線38を介して電解部2が起動したことを示す起動信号が加熱制御部37に入力される(S31)。なお、電解部2は、起動期間中に起動信号を出力する。さらに、電解部2は、起動してから所定時間経過後に定常運転に切り換る。この運転期間中に電解部2は、運転信号を出力する
次に、加熱制御部37は、加熱部36の運転を実行して、第2供給ライン23を流れる所定のガスを加熱する(S32)。ここで、第2供給ライン23には、補助供給ライン29を用いて供給された補助ガス(空気)が流れている。この補助ガスは、外部から取り込んだガスであるので低温になっている。そして、加熱部36は、補助ガスを加熱して所定の温度にする。なお、この補助ガスは、電解部2の第2室6に供給される。
次に、加熱制御部37は、加熱制御線38から入力される運転信号に基づいて、電解部2が定常運転(運転期間)に移行したか否かを判定する(S33)。ここで、電解部2が定常運転に移行していない場合は、前述のS32に戻る。一方、電解部2が定常運転に移行した場合は、加熱制御部37は、加熱部36の運転を終了する(S34)。ここで、第2供給ライン23には、残余ガス供給ライン27を用いて供給された残余ガスが流れている。この残余ガスは、電解部2の第2室6から排出されたガスに基づいているので高温になっている。なお、この残余ガスは、電解部2の第2室6に供給される。このように、第2供給ライン23を流れるガスの加熱を電解部2の運転状態に応じて制御するので、加熱の必要がないときには、加熱部36を停止することができる。
なお、第2実施形態では、加熱制御部37が電解部2から入力される信号に基づいて、加熱部36を制御しているが、その他の態様であっても良い。例えば、電解部2が起動してからカウントを開始するタイマを設けるようにし、起動後に経過した時間に基づいて、加熱部36を制御しても良い。また、残余ガスの温度を検出するセンサを設けるようにし、この残余ガスの温度に基づいて、加熱部36を制御しても良い。
なお、第2実施形態では、電熱ヒータなどで構成される加熱部36を用いて第2供給ライン23を流れるガスを加熱しているが、その他の態様であっても良い。例えば、電解部2の起動期間中には、燃焼部13を熱源として第2供給ライン23を流れるガスを加熱しても良い。
本実施形態に係る水素製造装置を第1実施形態から第2実施形態に基づいて説明したが、いずれか1の実施形態において適用された構成を他の実施形態に適用しても良いし、各実施形態において適用された構成を組み合わせても良い。例えば、第2実施形態のリサイクルライン35の構成を第1実施形態に設けても良い。
以上説明した実施形態によれば、酸素ガスが分離された残りの残余ガスを第2供給ライン23に供給する残余ガス供給ライン27を持つことにより、装置を構成する部材の酸化を抑えつつ、熱効率を向上させることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1(1A)…水素製造装置、2…電解部、3…電解セル、4…電解質膜、5…第1室、6…第2室、7…負極、8…正極、9…電源、10…水供給部、11…水供給ライン、12…水蒸気発生部、13…燃焼部、14…燃料供給部、15…燃料供給ライン、16…空気供給部、17…空気供給ライン、18…第1供給ライン、19…第1排出ライン、20…水素分離部、21…水素貯蔵部、22…水素供給ライン、23…第2供給ライン、24…第2排出ライン、25…酸素分離部、26…酸素ガス供給ライン、27…残余ガス供給ライン、28…補助供給部、29…補助供給ライン、30…調節部、31…流量制御部、32…流量制御線、33…酸素分離膜、34…水素分離膜、35…リサイクルライン、36…加熱部、37…加熱制御部、38…加熱制御線。
Claims (11)
- 水蒸気を水素ガスと酸素ガスとに電気分解する電解部と、
前記電解部に前記水蒸気を供給する第1供給ラインと、
前記電解部から前記水素ガスを含む第1ガスを排出する第1排出ラインと、
前記電解部に所定のガスを供給する第2供給ラインと、
前記電解部から前記酸素ガスを含む第2ガスを排出する第2排出ラインと、
前記第2ガスから前記酸素ガスを分離する酸素分離部と、
前記酸素ガスが分離された残りの残余ガスを前記第2供給ラインに供給する残余ガス供給ラインと、
を備える水素製造装置。 - 前記第1ガスで満たされる第1室と前記第2ガスで満たされる第2室とが前記電解部に設けられ、前記残余ガスが前記第2室に供給される請求項1に記載の水素製造装置。
- 前記酸素分離部は、酸素分離膜を用いて前記酸素ガスを分離する請求項1または請求項2に記載の水素製造装置。
- 前記残余ガス以外のガスを前記第2供給ラインに供給する補助供給ラインと、
前記補助供給ラインから前記第2供給ラインに供給されるガスの流量と前記残余ガス供給ラインから前記第2供給ラインに供給されるガスの流量とを調節する調節部と、
前記電解部の運転状態に基づいて前記調節部を制御する流量制御部と、
を備える請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の水素製造装置。 - 前記第2供給ラインを用いて前記電解部に供給される前記所定のガスを加熱する加熱部と、
前記電解部の運転状態に基づいて前記加熱部を制御する加熱制御部と、
を備える請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の水素製造装置。 - 前記第1ガスから前記水素ガスを分離する水素分離部を備える請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の水素製造装置。
- 前記第1ガスから前記水素ガスが分離された残りのガスであって、未だ電気分解されていない前記水蒸気を含むリサイクルガスを前記第1供給ラインに供給するリサイクルラインを備える請求項6に記載の水素製造装置。
- 前記残余ガスは、空気、窒素ガス、希ガスのうちの少なくともいずれか1つから成る請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の水素製造装置。
- 燃料を燃焼する燃焼部と、
前記分離された前記酸素ガスを前記燃焼部に供給する酸素ガス供給ラインと、
前記燃焼部を用いて水を加熱して前記水蒸気を発生させて前記第1供給ラインに供給する水蒸気発生部と、
を備える請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の水素製造装置。 - 前記水蒸気の温度は、600℃以上である請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の水素製造装置。
- 第1供給ラインを用いて電解部に水蒸気を供給する第1供給ステップと、
前記電解部を用いて前記水蒸気を水素ガスと酸素ガスとに電気分解する電解ステップと、
第1排出ラインを用いて前記電解部から前記水素ガスを含む第1ガスを排出する第1排出ステップと、
第2排出ラインを用いて前記電解部から前記酸素ガスを含む第2ガスを排出する第2排出ステップと、
酸素分離部を用いて前記第2ガスから前記酸素ガスを分離する酸素分離ステップと、
前記電解部に所定のガスを供給する第2供給ラインに対し、前記酸素ガスが分離された残りの残余ガスを、残余ガス供給ラインを用いて供給する残余ガス供給ステップと、
を含む水素製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016203343A JP2018066028A (ja) | 2016-10-17 | 2016-10-17 | 水素製造装置および水素製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2019187756A1 (ja) | 2018-03-29 | 2019-10-03 | サトーホールディングス株式会社 | 位置特定システム、位置特定方法、及びプログラム |
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2016
- 2016-10-17 JP JP2016203343A patent/JP2018066028A/ja active Pending
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