JP2018064030A - マルチワイヤソー装置 - Google Patents

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武信 本田
貴行 近藤
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Abstract

【課題】ソーワイヤ同士が擦れて摩耗することを防止しつつ、スライス加工中におけるソーワイヤの破断を抑制できるマルチワイヤソー装置を提供する。
【解決手段】
マルチワイヤソー装置10は、半導体インゴット20とソーワイヤ列16Lを間に挟んで対向し、ソーワイヤ列16Lと所定の距離αだけ隔てて対向配置されたピアノ線列32L、ピアノ線列32Lが走行可能に張設されたローラ34A〜34Cを有し、ソーワイヤ列32Lが所定の距離αだけ撓んだときに、ソーワイヤ列32Lにより半導体インゴット20に形成される切削溝列22Lにソーワイヤ列16Lと同じ方向にピアノ線列32Lを走行させつつ各々嵌まり込ませてソーワイヤ列32Lを半導体インゴット20の方へ押圧させるスライス補助機構30を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、ソーワイヤを用いた被加工物のスライス加工、特に、半導体インゴットの切断に使用されるマルチワイヤソー装置に関する。
半導体インゴットをスライス加工してシリコン等からなるウェハを製作するためにマルチワイヤソー装置が用いられる。マルチワイヤソー装置では、ソーワイヤを複数のローラの間に繰り返し架け渡して張設することによって当該ローラの回転に伴い走行可能なソーワイヤ列を構成する。そして、このソーワイヤ列を所定方向に走行させつつ、半導体インゴットをソーワイヤ列に押し当てることでスライス加工を行う。
また、上記のようにソーワイヤ列が半導体インゴットに押し当てられることによって、当該ソーワイヤ列に撓みが生じる。この撓みが大きくなるとソーワイヤ列に生じる張力も大きくなる。このため、スライス加工中にソーワイヤが破断する等の問題が生じやすくなる。
特許文献1には、上記ソーワイヤ列を構成する各列のソーワイヤが各々2段重ねとなるようにローラ間に張設され、2段重ねとしたソーワイヤのうち半導体インゴットを切削する一方のソーワイヤを他方のソーワイヤが当該インゴットに押圧することによってスライス加工時におけるソーワイヤの撓みを抑制できるマルチワイヤソー装置が開示されている。
特開2011−79074号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載されたマルチワイヤソー装置では、ソーワイヤが2段に重なり合った状態で半導体インゴットのスライス加工が行われるため、ソーワイヤ同士が互いに擦れて摩耗し、スライス加工中にソーワイヤが破断し易いという問題がある。
本発明は、ソーワイヤ同士が擦れて摩耗することを防止しつつ、スライス加工中におけるソーワイヤの破断を抑制できるマルチワイヤソー装置を提供することを目的とする。
本発明に係るマルチワイヤソー装置は、列状をなすように複数のローラの間に繰り返し架け渡されて構成されたソーワイヤ列を複数のローラの回転に伴い走行させつつ、ソーワイヤ列に半導体インゴットを押し当ててスライスするマルチワイヤソー装置であり、半導体インゴットとソーワイヤ列を間に挟んで対向するとともに、ソーワイヤ列と所定距離だけ隔てて各々対向配置された線状押圧体と、線状押圧体が走行可能に張設された複数の張設ローラと、を有するスライス補助機構を備え、スライス補助機構は、ソーワイヤ列が所定距離だけ撓んだときに、ソーワイヤ列により半導体インゴットに形成される切削溝列にソーワイヤ列と同じ方向に線状押圧体を走行させつつ各々嵌まり込ませてソーワイヤ列を半導体インゴットの方へ押圧することを特徴とする。
本発明に係るマルチワイヤー装置において、線状押圧体は、線材の列によって構成されてもよい。
また、本発明に係るマルチワイヤソー装置において、張設ローラの回転駆動を制御する制御部を備え、制御部は、ソーワイヤの走行速度よりも速い速度で線状押圧体を走行させてもよい。
さらに、本発明に係るマルチワイヤソー装置において、線材は、弾性樹脂で被覆されるものでもよい。
本発明のマルチワイヤソー装置によれば、ソーワイヤ列によって半導体インゴットに切削溝列が各々形成されてから各切削溝に線状押圧体が嵌まり込み、ソーワイヤを各切削溝の底面側へ押圧する。これにより、半導体インゴットのスライス加工時におけるソーワイヤ列の撓みを抑制できるため、スライス加工中にソーワイヤに作用する張力の大きさが小さくなる。この結果、スライス加工時にソーワイヤが破断するのを抑制できる。
また、本発明のマルチワイヤソー装置によれば、線状押圧体がソーワイヤを各切削溝の底面側へ押圧するため、ソーワイヤ同士が各切削溝内で擦れて摩耗することも防止できる。
本発明の一実施形態に係るマルチワイヤソー装置の全体構成図である。 図1に示すマルチワイヤソー装置が半導体インゴットに対して行うスライス加工の初期段階の状態を示す図である。 図1に示すマルチワイヤソー装置が半導体インゴットに対して行うスライス加工の中期段階の状態を示す図である。 図1に示すマルチワイヤソー装置が半導体インゴットに対して行うスライス加工完了時の状態を示す図である。 図5(a)はスライス補助機構におけるピアノ線の第1変形例であるワイヤの構成を示す図であり、図5(b)はスライス補助機構におけるピアノ線の第2変形例である線状押圧体の構成を示す図であり、図5(c)はスライス補助機構におけるピアノ線の第3変形例である線状押圧体の構成を示す図である。 スライス補助機構の変形例を示す図である。
以下、本発明のマルチワイヤソー装置の実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下の説明において、図中に示す走行方向「Y」は、水平方向を示すものとする。
図1は、マルチワイヤソー装置の全体構成を示す概略構成図である。図1に示すように、マルチワイヤソー装置10は、回転軸心が平行な複数(本例では3つ)の溝付ローラ12A,12B,12C、スライス加工を補助するスライス補助機構30を備える。溝付ローラ12A,12B,12C各々の外周面には、それぞれ、ガイド溝(不図示)が等ピッチで多数設けられている。また、マルチワイヤソー装置10は、供給リール14Aと巻取リール14Bとを備える。
供給リール14Aには、ソーワイヤ16が巻回収容されている。そして、供給リール14Aから巻き出されたソーワイヤ16は、溝付ローラ12A,12B,12C各々のガイド溝に順に所定回数だけ繰り返し架け渡されている。これにより、溝付ローラ12A,12B,12Cの外周に沿って等ピッチでソーワイヤ16が並列張架されたソーワイヤ列16Lが形成される。さらに、溝付ローラ12Bから巻き出されたソーワイヤ16は、巻取リール14Bに巻回収容される。
ソーワイヤ16は、繊維または鋼線からなる芯線16Gの周囲に6本のワイヤ素線16A〜16Fを撚り合わせて構成されている。また、ソーワイヤ16の外周は、弾性ウレタン樹脂等からなる被膜(不図示)によって覆われている。この被膜には、外側に突き出す多数の砥粒(不図示)が固定されており、これらの砥粒によって半導体インゴット20が切削される。本実施形態では、ソーワイヤ16が芯線16Gの周囲に6本のワイヤ素線16A〜16Fを撚り合わせて構成されているが、撚り合わせるワイヤ素線は6本でなくともよく、また芯線のみからなる構成でもよい。
溝付ローラ12A、供給リール14A、及び巻取リール14Bは、それぞれ、対応するモータ(何れも不図示)等の動力によって回転駆動し、当該回転駆動に伴って、ソーワイヤ16が走行する。この際、ソーワイヤ16の走行速度が、例えば、1000m/min程度となるように溝付ローラ12A、供給リール14A、及び、巻取リール14Bはソーワイヤ16を回転駆動する。一方、溝付ローラ12B,12Cの各々は、走行するソーワイヤ16との間に生じる摩擦力によって従動回転する。
そして、マルチワイヤソー装置10は、ソーワイヤ16の走行距離が予め設定した距離に達するごとに、溝付ローラ12A等を逆回転させてソーワイヤ16の走行方向を走行方向Yまたはその反対方向に切り替えるよう構成されている。
マルチワイヤソー装置10は、さらに、冷却液であるクーラントの供給口(不図示)を有する一対の給液ノズル17A,17Bを備えている。給液ノズル17A,17Bの各々は、溝付ローラ12Aと溝付ローラ12Bとの間に張架されたソーワイヤ列16Lの中央部分上側に、水平方向に間隔をあけて設けられている。給液ノズル17Aと給液ノズル17Bとの間の直下方空間には、加工領域Pが設けられている。この加工領域Pに対向するように被加工物となる多結晶シリコンの半導体インゴット20がセットされる。半導体インゴット20は、その直下にあるソーワイヤ列16Lに対して相対的に上下動する可動ベース18に捨て板18Aを介して接着固定されている。
マルチワイヤソー装置10は、各ローラ12A,14A、14Bの回転駆動および可動ベース18の上下動を統括的に制御する制御部26(図2参照)を備える。この制御部26は、後述するスライス補助機構30の運転制御を行う機能も有する。
続いて、スライス補助機構30の構成について説明する。図1に示すように、スライス補助機構30は、無端状をなすピアノ線列(線状押圧体,線材の列)32Lと、ピアノ線列32Lが各々架け渡された3つの張設ローラ34A,34B,34Cとを有する。各列を構成するピアノ線32A,32B,32Cは、張設ローラ34A,34B,34Cの外周に沿って略三角形状を呈するように架け渡される。
各ピアノ線32A,32B,32Cは、弾性ウレタン樹脂等からなる樹脂層R1,R2,R3によって外周を覆われている。この樹脂層R1,R2,R3は、ソーワイヤ16と接触するときの衝撃を緩和する緩衝材としての役割を有する。これにより、各ピアノ線32A,32B,32Cがソーワイヤ16と接触したときに、接触に伴う衝撃が緩和され、ソーワイヤ16から砥粒が脱落し難くなる。
なお、本実施形態では、線材の列がピアノ線列32Lで構成される例を挙げているが、他の高炭素鋼線やステンレス鋼線等の高張力鋼線材を用いてもよいし、高張力鋼線材以外の金属線や、炭素繊維などの繊維材を用いてもよい。
張設ローラ34A,34B,34Cのうち、張設ローラ34Aは駆動ローラであり、他の2つの張設ローラ34B,34Cは従動ローラである。張設ローラ34Aは、溝付ローラ12Aの正逆回転に連動して同じ方向に回転する。この際、張設ローラ34Aの回転速度は、ピアノ線列32Lの走行速度がソーワイヤ列16Lの走行速度と同じ速度となるように設定すればよい。これにより、ソーワイヤ列16Lとピアノ線列32Lとの走行速度の差異によってソーワイヤ列16Lがピアノ線列32Lに擦られるのを防止できる。
また、ピアノ線列32Lの走行速度をソーワイヤ列16Lの走行速度よりも例えば、0.5%〜1%程度高速となるように設定してもよい。この場合には、ソーワイヤ列16Lがピアノ線列32Lによって多少擦られるものの、ピアノ線列32Lによってソーワイヤ列16Lが引っ張られるため、ソーワイヤ16Lの切削速度を向上させることができる。
ピアノ線列32Lは、加工領域Pのソーワイヤ列32Lを間に挟んで半導体インゴット20と対向するように配置されている。ここで、加工領域Pに対向するピアノ線列32Lの領域を押圧領域Qと呼称する。この押圧領域Qにおけるピアノ線列32Lは、上記加工領域Pにおけるソーワイヤ列32Lと各々対向配置されている。また、加工領域Pにおけるピアノ線列32Lと押圧領域Qにおけるソーワイヤ列16Lとの間には所定の隙間αが設けられている。この所定の隙間αを設けることにより、ソーワイヤ列16Lによって下降する半導体インゴット20に切削溝列22Lが形成され、その後、これらの切削溝列22Lにピアノ線列32Lが各々嵌まり込むことができる。この隙間αの長さは、ピアノ線32の直径と同程度の長さに設定することが好ましい。
次に、図2〜図4を用いてマルチワイヤソー装置10による半導体インゴット20のスライス加工動作について説明する。
図2に示すように、制御部26は、ソーワイヤ列16Lを走行方向Yまたはその反対方向に走行させつつ、半導体インゴット20が固定された可動ベース18を所定速度で下降させる。そして、半導体インゴット20がソーワイヤ列16に接触するのに伴って半導体インゴット20に切削溝22A,22B,22Cを含む切削溝列22Lが形成される。この際、給液ノズル17Aと給液ノズル17Bとからクーラントがソーワイヤ列16Lに吐出され、半導体インゴット20およびソーワイヤ列16Lの冷却が行われる。
次に、図3に示すように、加工領域Pにおけるソーワイヤ列16Lは、所定速度で下降する半導体インゴット20に付勢されて徐々に撓む。一方、半導体インゴット20の下降に伴い押圧領域Qにおけるピアノ線列32Lが切削溝列22Lに嵌まり込む。その後、ソーワイヤ列16Lの加工領域Pにおける上下方向の撓み量が所定の隙間αの長さよりも長くなると、ソーワイヤ列16Lは押圧領域Qにおけるピアノ線列32Lに接触する。そして、ソーワイヤ列16Lは、ピアノ線列32Lによって上方へ押圧される。これにより、ソーワイヤ列16Lが半導体インゴット20に押されて下方に撓むのを抑制できる。
ここで、制御部26は、ソーワイヤ列16Lの走行速度をピアノ線列32Lとソーワイヤ列16Lが接触する前は低速とし、ピアノ線列32Lと接触後に高速で走行させるようにしてもよい。より具体的には、例えば、張設ローラ34Bにピアノ線列32Lに作用する張力を測定するセンサを内蔵させ、当該センサの検知する張力値の変化に基づいてソーワイヤ列16Lがピアノ線列32Lに接触したことを制御部26が検知することが考えられる。この場合には、ソーワイヤ列16Lがピアノ線列32Lと接触するまでは低速走行しているため、接触時の衝撃や摩擦が少なく、ソーワイヤ16に固定されている固定砥粒の脱落をさらに低減できる。
そして、図4に示すように、半導体インゴット20の上面に接着されている捨て板18Aにソーワイヤ列16Lが切り込む位置まで半導体インゴット20が下降することによってスライス加工が完了する。
本実施形態のマルチワイヤソー装置10によれば、ソーワイヤ列16Lによって半導体インゴット20に切削溝列22Lが形成され、切削溝列22Lにピアノ線列32Lが嵌まり込み、ソーワイヤ列16Lを切削溝列22Lの底面側へ押圧する。これにより、半導体インゴット20のスライス加工時におけるソーワイヤ列16Lの撓みを抑制できる。この結果、スライス加工中にソーワイヤ列16Lに作用する張力を小さくでき、ソーワイヤ16がスライス加工中に破断するのを抑制できる。
また、本実施形態のマルチワイヤソー装置10によれば、ピアノ線列32Lがソーワイヤ列16Lを切削溝列22Lの底面側へ各々押圧するため、ソーワイヤ16同士が各切削溝22内で擦れて摩耗することも防止できる。
さらに、マルチワイヤソー装置10によれば、ピアノ線列32Lによってソーワイヤ列16が半導体インゴット20の方に押圧されるため、半導体インゴット20に対するソーワイヤ列16Lの押圧力が増加する。これにより、ソーワイヤ列16Lが半導体インゴット20を切削する切削速度が速くなる。このため、ソーワイヤ16の走行速度を従来よりも低速としても充分な切削速度を得ることができる。また、切削速度を従来よりも低速とすることで、スライス加工中におけるソーワイヤ16の破断を抑制できる。
上記実施形態では、マルチワイヤソー装置10は、ソーワイヤ列16Lを設置するために3つの溝付ローラ12A〜12Cを用いているが、2つ、または、4つ以上の溝付きローラを用いるようにしてもよい。
続いて、図5〜図6を参照しつつ、本実施形態の変形例について説明する。以下の説明において、本実施形態と構成が共通する部分については適宜説明を省略し、構成の異なる部分についてのみ説明するものとする。
<変形例1>
図5(a)は、スライス補助機構30におけるピアノ線32の代わりに用いるワイヤ42の構成を示す図である。図5(a)に示すように、ワイヤ42は、複数のワイヤ素線42A〜42Fを芯線42Gの周囲に撚り合わせて構成される。
ここで、ワイヤ42の撚り数、ワイヤ素線の数、芯線の有無は、ソーワイヤ16と同様とすることが好ましい。これにより、ソーワイヤ16の外周部の凹凸の大きさとワイヤ42の外周部の凹凸の大きさがほぼ同じ大きさとなる。このため、ソーワイヤ16およびワイヤ42双方の凹凸形状が互いに嵌り込みやすく、接触状態が安定しやすくなる。
また、ワイヤ42の走行速度をソーワイヤ16よりも高速とすることにより、ワイヤ42を介して走行方向に引っ張る力がソーワイヤ16に作用し、ソーワイヤ16の切削速度を向上させることもできる。
<変形例2>
図5(b)は、スライス補助機構30において、ピアノ線32の代わりに用いる線状押圧体52の構成を示す図である。
図5(b)に示すように、線状押圧体52は、ソーワイヤ16と対向する上側半円部52Aが弾性樹脂によって形成されており、下側半円部52Bがピアノ線等の高炭素鋼によって形成されている。この構成によれば、線状押圧体52がソーワイヤ16に接触すると上側半円部52Aが弾性変形してソーワイヤ16にフィットする。このため、線状押圧体52は、ソーワイヤ16との接触状態を安定的に保持することができる。
<変形例3>
図5(c)は、スライス補助機構30におけるピアノ線32の代わりに用いる線状押圧体62の構成を示す図である。
図5(c)に示すように、線状押圧体62は、上側に略C字状の窪み62Bが軸方向に沿って設けられており、外周部を弾性樹脂の被膜62Aによって被覆されている。この構成によれば、線状押圧体62がソーワイヤ16に接触すると、線状押圧体62の窪み62Bにソーワイヤ16の下側外周部が嵌まり込む。このため、線状押圧体62とソーワイヤ16との接触状態を安定的に保持することができる。なお、線状押圧体62の窪み62Bの断面形状は、より谷の深いV字断面等でもよい。
<変形例4>
図6は、スライス補助機構30の変形例である帯状フィルムを有するスライス補助機構80を示す図である。スライス補助機構80は、帯状フィルムの列(線状押圧体)84Lと、帯状フィルムの列84Lを巻回収容する第1ローラ群(張設ローラ)86と、第1ローラ群86から各々引き出された帯状フィルムの列84Lの一端を巻回収容する第2ローラ群(張設ローラ)88とを有する。帯状フィルムの列84Lは、立設状態で配置されており、各帯状フィルム84A,84B,84Cの幅方向における上端部がソーワイヤ列16Lに各々対向するよう配置されている。各帯状フィルム84A〜84Cは、樹脂フィルムまたは金属フィルムによって構成される。
第1ローラ群86および第2ローラ群88は、立設状態で各々溝付きローラ12B,12Aに隣接配置されている。第1ローラ群86および第2ローラ群88は、いずれか一方が帯状フィルムの列84Lを送り出すとともに、他方が送り出された帯状フィルムの列84Lを巻き取るように構成されている。各ローラ群86,88における送り出し速度と巻取速度は帯状フィルムの列84Lに張力が作用するように巻取速度の方が速くなるように設定されている。これにより、帯状フィルムの列84Lが弛まないようにしている。そして、帯状フィルムの列84Lは、ソーワイヤ列16Lが半導体インゴット20に押圧されて下方に所定の隙間αだけ撓むとソーワイヤ列16Lを上方に押圧する。これにより、上記実施形態におけるスライス補助機構30と同様の効果を得ることができる。
本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づいて種々なる改良、修正、又は変形を加えた態様でも実施できる。また、同一の作用又は効果が生じる範囲内で、何れかの発明特定事項を他の技術に置換した形態で実施しても良い。
10 マルチワイヤソー装置
12A,12B,12C 溝付ローラ
16 ソーワイヤ
16L ソーワイヤ列
20 半導体インゴット
22L 切削溝列
26 制御部
30,80 スライス補助機構
32 ピアノ線
32A 樹脂層
32L ピアノ線列(線状押圧体,線材の列)
34A,34B,34C 張設ローラ
42 ワイヤ(線状押圧体,線材の列)
52,62 線状押圧体
84A,84B,84C 帯状フィルム
84L 帯状フィルムの列(線状押圧体)
86 第1ローラ群(張設ローラ)
88 第2ローラ群(張設ローラ)
P 加工領域
Q 押圧領域
R1,R2,R3 樹脂層
Y 走行方向
α 所定の隙間

Claims (4)

  1. 列状をなすように複数のローラの間に繰り返し架け渡されて構成されたソーワイヤ列を前記複数のローラの回転に伴い走行させつつ、当該ソーワイヤ列に半導体インゴットを押し当ててスライスするマルチワイヤソー装置であって、
    前記半導体インゴットと前記ソーワイヤ列を間に挟んで対向するとともに、前記ソーワイヤ列と所定距離だけ隔てて各々対向配置された線状押圧体と、前記線状押圧体が走行可能に張設された複数の張設ローラと、を有するスライス補助機構を備え、
    前記スライス補助機構は、前記ソーワイヤ列が前記所定距離だけ撓んだときに、前記ソーワイヤ列により前記半導体インゴットに形成される切削溝列に前記ソーワイヤ列と同じ方向に前記線状押圧体を走行させつつ各々嵌まり込ませて前記ソーワイヤ列を前記半導体インゴットの方へ押圧することを特徴とする、
    マルチワイヤソー装置。
  2. 前記線状押圧体は、線材の列によって構成される、
    請求項1に記載のマルチワイヤソー装置。
  3. 前記張設ローラの回転駆動を制御する制御部を備え、
    前記制御部は、前記ソーワイヤの走行速度よりも速い速度で前記線状押圧体を走行させる、
    請求項1または2に記載のマルチワイヤソー装置。
  4. 前記線材は、弾性樹脂で被覆される、
    請求項2に記載のマルチワイヤソー装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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