JP2018063186A - バッテリのパラメータ推定装置及びパラメータ推定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】パラメータの推定精度を向上させることができるバッテリのパラメータ推定装置及びパラメータ推定方法を提供する。【解決手段】バッテリ4の等価回路モデルのパラメータを推定するバッテリのパラメータ推定装置1において、バッテリ4の充電率が第1の充電率以上且つ第2の充電率以下である場合のバッテリ4の充電率と開回路電圧との関係における傾きに基づいて、バッテリ4の充電率が第1の充電率未満である又は第2の充電率を超える場合のバッテリ4の充電率と開回路電圧との関係を補外する制御部10を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、バッテリのパラメータ推定装置及びパラメータ推定方法に関する。
バッテリの内部状態又は等価回路モデルのパラメータを推定する装置として、例えば特許文献1〜3に記載のものが知られている。特許文献1、2は、非線形カルマンフィルタを用いた推定が行われている。特許文献3においては、連続時間システム同定を用いた推定が行われている。
特許文献1〜3のパラメータ推定においては、バッテリの充電率が0%以下又は100%以上である場合の充電率と開回路電圧との関係を用いて、パラメータ推定の精度が高められることがある。バッテリの充電率が0%以下又は100%以上となる場合は、バッテリが過放電又は過充電となることに対応する。よって、バッテリの充電率が0%以下又は100%以上となる場合における、充電率と開回路電圧との関係は、実測され難いことがある。
かかる事情に鑑みてなされた本発明の目的は、バッテリのパラメータの推定精度を向上させることができるバッテリのパラメータ推定装置及びパラメータ推定方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、第1の観点に係るバッテリのパラメータ推定装置は、
バッテリ等価回路モデルのパラメータを推定するバッテリのパラメータ推定装置において、
前記バッテリの充電率が第1の充電率以上且つ第2の充電率以下である場合の前記バッテリの充電率と開回路電圧との関係における傾きに基づいて、前記バッテリの充電率が前記第1の充電率未満である又は前記第2の充電率を超える場合の前記バッテリの充電率と開回路電圧との関係を補外する制御部を備える。
バッテリ等価回路モデルのパラメータを推定するバッテリのパラメータ推定装置において、
前記バッテリの充電率が第1の充電率以上且つ第2の充電率以下である場合の前記バッテリの充電率と開回路電圧との関係における傾きに基づいて、前記バッテリの充電率が前記第1の充電率未満である又は前記第2の充電率を超える場合の前記バッテリの充電率と開回路電圧との関係を補外する制御部を備える。
上記課題を解決するために、第2の観点に係るバッテリのパラメータ推定装置は、
第1の観点に係るバッテリのパラメータ推定装置において、
前記制御部は、前記バッテリの充電率と開回路電圧との関係における、前記バッテリの充電率が前記第2の充電率を超える場合の傾きが、前記バッテリの充電率が前記第2の充電率である場合の傾きとなるように、前記バッテリの充電率が前記第2の充電率を超える場合の前記バッテリの充電率と開回路電圧との関係を補外する。
第1の観点に係るバッテリのパラメータ推定装置において、
前記制御部は、前記バッテリの充電率と開回路電圧との関係における、前記バッテリの充電率が前記第2の充電率を超える場合の傾きが、前記バッテリの充電率が前記第2の充電率である場合の傾きとなるように、前記バッテリの充電率が前記第2の充電率を超える場合の前記バッテリの充電率と開回路電圧との関係を補外する。
上記課題を解決するために、第3の観点に係るバッテリのパラメータ推定装置は、
第1又は第2の観点に係るバッテリのパラメータ推定装置において、
前記制御部は、前記バッテリの充電率と開回路電圧との関係における、前記バッテリの充電率が前記第1の充電率未満である場合の傾きが、前記バッテリの充電率が前記第1の充電率である場合の傾きとなるように、前記バッテリの充電率が前記第1の充電率未満である場合の前記バッテリの充電率と開回路電圧との関係を補外する。
第1又は第2の観点に係るバッテリのパラメータ推定装置において、
前記制御部は、前記バッテリの充電率と開回路電圧との関係における、前記バッテリの充電率が前記第1の充電率未満である場合の傾きが、前記バッテリの充電率が前記第1の充電率である場合の傾きとなるように、前記バッテリの充電率が前記第1の充電率未満である場合の前記バッテリの充電率と開回路電圧との関係を補外する。
上記課題を解決するために、第4の観点に係るバッテリのパラメータ推定装置は、
第1の観点に係るバッテリのパラメータ推定装置において、
前記制御部は、スプライン補間によって、前記バッテリの充電率が前記第1の充電率未満である又は前記第2の充電率を超える場合の前記バッテリの充電率と開回路電圧との関係を補外する。
第1の観点に係るバッテリのパラメータ推定装置において、
前記制御部は、スプライン補間によって、前記バッテリの充電率が前記第1の充電率未満である又は前記第2の充電率を超える場合の前記バッテリの充電率と開回路電圧との関係を補外する。
上記課題を解決するために、第5の観点に係るバッテリのパラメータ推定方法は、
バッテリ等価回路モデルのパラメータを推定するバッテリのパラメータ推定方法において、
前記バッテリの充電率が第1の充電率以上且つ第2の充電率以下である場合の前記バッテリの充電率と開回路電圧との関係における傾きに基づいて、前記バッテリの充電率が前記第1の充電率未満である又は前記第2の充電率を超える場合の前記バッテリの充電率と開回路電圧との関係を補外するステップを含む。
バッテリ等価回路モデルのパラメータを推定するバッテリのパラメータ推定方法において、
前記バッテリの充電率が第1の充電率以上且つ第2の充電率以下である場合の前記バッテリの充電率と開回路電圧との関係における傾きに基づいて、前記バッテリの充電率が前記第1の充電率未満である又は前記第2の充電率を超える場合の前記バッテリの充電率と開回路電圧との関係を補外するステップを含む。
第1の観点に係るバッテリのパラメータ推定装置によれば、バッテリの充電率と開回路電圧との関係が定義されていない範囲にまで拡張してSOCの推定値を算出することができる。
第2の観点に係るバッテリのパラメータ推定装置によれば、充電率の推定値の誤差がより小さくされうる。
第3の観点に係るバッテリのパラメータ推定装置によれば、充電率の推定値の誤差がより小さくされうる。
第4の観点に係るバッテリのパラメータ推定装置によれば、充電率の推定値の誤差がより小さくされうる。
第5の観点に係るバッテリのパラメータ推定方法によれば、バッテリの充電率と開回路電圧との関係が定義されていない範囲にまで拡張してSOCの推定値を算出することができる。
以下、本開示の一実施形態に係るバッテリのパラメータ推定装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。本実施形態に係るバッテリのパラメータ推定装置は、電気自動車やハイブリッド電気自動車などの車両に用いられうる。このような車両には、車両を駆動する電気モータ、バッテリ、これらのコントローラなどが搭載される。バッテリは、放電して電気モータへ電力を供給したり、制動時に電気モータから回生充電したり、地上充電設備から充電したりする。バッテリに充放電電流が流れることによって、バッテリの内部状態は変化する。バッテリのパラメータ推定装置は、バッテリの内部状態を推定しながらモニタし、バッテリの残量など必要な情報を収集しうる。
[機能ブロック]
図1に示されるように、パラメータ推定装置1は、制御部10と、記憶部20とを備える。パラメータ推定装置1は、電流センサ2及び電圧センサ3を介してバッテリ4に接続される。パラメータ推定装置1は、電源装置5に接続され、電源装置5からバッテリ4に対して充放電電流を入力しうる。
図1に示されるように、パラメータ推定装置1は、制御部10と、記憶部20とを備える。パラメータ推定装置1は、電流センサ2及び電圧センサ3を介してバッテリ4に接続される。パラメータ推定装置1は、電源装置5に接続され、電源装置5からバッテリ4に対して充放電電流を入力しうる。
電流センサ2は、バッテリ4に対する充放電電流を検出して、検出した充放電電流をパラメータ推定装置1に対して出力する。電圧センサ3は、バッテリ4の端子電圧を検出して、検出した端子電圧をパラメータ推定装置1に対して出力する。
バッテリ4は、例えば二次電池である。二次電池は、リチャージャブル・バッテリともいう。バッテリ4は、本実施の形態においてリチウム・イオン・バッテリであるものとして説明するが、他の種類のバッテリであってもよい。
制御部10は、パラメータ推定装置1の各構成部を制御する。制御部10は、例えばプロセッサ又はマイクロコンピュータ等で構成される。記憶部20は、例えば半導体メモリ又は磁気記憶装置等で構成されてよい。制御部10は、パラメータ推定装置1で取り扱われるデータ又は情報等を記憶部20に格納してよい。
バッテリ4の内部状態は、等価回路で近似されうる。バッテリ4の内部状態を近似した等価回路は、バッテリ等価回路モデルともいう。バッテリ等価回路モデルは、パラメータとして、バッテリ4の開回路電圧、並びに、バッテリ4の内部抵抗及び容量を有する。開回路電圧は、OCV(Open Circuit Voltage)ともいう。バッテリ4のOCVは、バッテリ4に充放電電流が流れない場合のバッテリ4の端子電圧に相当する。バッテリ4の内部抵抗及び容量は、例えば図2(A)に示されるような、抵抗(R1〜Rn)とコンデンサ(C1〜Cn)との並列回路が直列にn個接続されたn次フォスタ型回路として表されてよい。バッテリ4の内部抵抗及び容量は、例えば図2(B)に示されるような、並列に接続されたn個の抵抗(R1〜Rn)のそれぞれが、直列に接続されたn個のコンデンサ(C1〜Cn)の間に接続されたn次カウエル型回路として表されてよい。
制御部10は、バッテリ等価回路モデルのパラメータを推定することによって、バッテリ4の内部状態を推定する。バッテリ等価回路モデルのパラメータは、制御部10で保持されてよいし、記憶部20に格納されてよい。
バッテリ4の充電率は、バッテリ4の充電容量に対する充電量の比である。充電率は、SOC(State Of Charge)ともいう。制御部10は、バッテリ4のOCVとSOCとの関係と、推定したOCVとに基づいて、バッテリ4のSOCを推定しうる。パラメータ推定装置1で算出されるSOCは、バッテリ4のバッテリ・マネジメントに利用されうる。
バッテリ4のOCVとSOCとの関係は、SOC−OCV特性ともいう。SOC−OCV特性は、バッテリ4の温度又は劣化度合い等に影響されにくい。SOC−OCV特性は、予め実験等によって求められうる。SOC−OCV特性は、SOCが所定の範囲内である場合に定義されてよい。所定の範囲は、第1の充電率以上且つ第2の充電率以下と定義されてよい。SOCが0%未満となる場合、バッテリ4は、過放電の状態となる。SOCが100%超となる場合、バッテリ4は、過充電の状態となる。本実施形態においては、SOC−OCV特性は、SOCが0%以上且つ100%以下の範囲で定義される。この場合、第1の充電率及び第2の充電率はそれぞれ、0%及び100%と設定される。第1の充電率及び第2の充電率はそれぞれ、他の値に設定されてよい。
制御部10は、電流センサ2からバッテリ4の充放電電流値(i)を取得する。制御部10は、充放電電流値(i)を逐次積算していくことでバッテリ4に出入りする電荷量を算出しうる。制御部10は、充放電電流値(i)から算出した電荷量を、逐次積算演算を開始する前にバッテリ4に充電されている電荷量から減算することで、バッテリ4に現在充電されている電荷量を算出する。逐次積算演算を開始する前にバッテリ4に充電されている電荷量は、残存電荷量ともいう。バッテリ4に現在充電されている電荷量は、現存電荷量ともいう。
制御部10は、バッテリ4の健全度を算出しうる。健全度は、SOH(State Of Health)ともいう。SOHは、バッテリ4の現在の満充電容量が、バッテリ4の新品時の満充電容量に対して何%であるかを示す。満充電容量は、FCC(Full Charge Capacity)ともいう。バッテリ4の新品時のFCCは、既知の値である。バッテリ4の新品時のFCCは、制御部10で保持されてよいし、記憶部20に格納されてよい。制御部10は、バッテリ4のSOCと現存電荷量とに基づいて、バッテリ4の現在のFCCを算出しうる。制御部10は、バッテリ4の新品時のFCCとバッテリ4の現在のFCCとに基づいて、バッテリ4のSOHを算出しうる。
制御部10は、バッテリ4のSOCと、バッテリ4の現存電荷量と、バッテリ4のOCVとの関係に基づいて、バッテリ4のSOHを算出してよい。制御部10は、例えば、所定幅で区分けしたSOHごとに現存電荷量とOCVとの関係を表わす特性表に基づいて、SOHを算出してよい。
制御部10は、例えば非線形カルマンフィルタによって、バッテリ等価回路モデルのパラメータを推定してよい。非線形カルマンフィルタは、例えば、拡張カルマンフィルタ又は無香料カルマンフィルタであってよい。拡張カルマンフィルタは、EKF(Extended Kalman Filter)ともいう。無香料カルマンフィルタは、UKF(Unscented Kalman Filter)ともいう。制御部10は、例えば連続時間システム同定によって、バッテリ等価回路モデルのパラメータを推定してよい。
制御部10は、バッテリ等価回路モデルのパラメータを推定する際、SOCとOCVとの変換を行う。バッテリ4のSOCが0%又は100%に近い場合、SOCが0%未満又は100%超の範囲で、OCVとの変換を行うことがありうる。この場合、制御部10は、SOC−OCV特性を、SOCが0%未満又は100%超の範囲にまで拡張する必要がある。
パラメータ推定にUKFのアルゴリズムが適用される場合、非線形システムは、正規分布で近似される。この場合、制御部10は、シグマポイントと呼ばれるサンプル点を生成して、システムを近似する。シグマポイントは、平均値と、標準偏差に対応する2n個の点とをあわせた2n+1個のサンプル点からなる。シグマポイントのサンプル点は、平均値を中心とした所定の範囲に分布する。
SOC−OCV特性が非線形システムとして表される場合、SOCをOCVに変換するために、図3及び図4に示されるように、SOCを示す数直線上にシグマポイントのサンプル点が生成されてよい。図3及び図4に示されるSOC−OCV特性のグラフの横軸及び縦軸はそれぞれ、SOC及びOCVを示す。以下の説明において新たに示されるSOC−OCV特性の横軸及び縦軸も同様である。図3及び図4において、一点鎖線は、SOCが100%であることを示している。
図3において、シグマポイントのサンプル点は、SOCが約50%の点を平均値として生成される。この場合、シグマポイントのサンプル点は、SOCが0%以上且つ100%以下の範囲内に分布する。SOCの各サンプル点は、0%以上且つ100%以下の範囲内で定義されるSOC−OCV特性に基づいて、OCVに変換されうる。各サンプル点とOCVとの対応関係は、破線によって示される。
図4において、シグマポイントのサンプル点は、SOCが100%に近い点を平均値として生成される。この場合、シグマポイントのサンプル点は、SOCが100%超の範囲にも分布することがある。SOCのサンプル点のうち、0%以上且つ100%以下の範囲内に分布するサンプル点は、OCVに変換されうる。0%以上且つ100%以下の範囲内に分布するサンプル点とOCVとの対応関係は、破線によって示される。SOCのサンプル点のうち、100%超の範囲に分布するサンプル点は、SOC−OCV特性において対応する点が定義されておらず、OCVに変換されない。100%超の範囲に分布するサンプル点から延びる破線は、OCVに対応しない。
制御部10は、SOCについて生成されたシグマポイントの各サンプル点を、SOC−OCV特性に基づいて、OCVに変換してよい。SOCが0%以上且つ100%以下の範囲でSOC−OCV特性が定義されている場合に、サンプル点の少なくとも一部が、SOCが100%超の範囲に分布することが起こりうる。この場合、制御部10は、SOC−OCV特性を、SOCが100%超の範囲にまで拡張する必要がある。サンプル点の少なくとも一部が、SOCが0%未満の範囲に分布することも起こりうる。この場合、制御部10は、SOC−OCV特性を、SOCが0%未満の範囲にまで拡張する必要がある。
パラメータ推定にEKFのアルゴリズムが適用される場合、又は、連続時間システム同定のアルゴリズムが適用される場合も、SOC−OCV特性が定義されるSOCの範囲が拡張される必要が生じうる。
[SOC−OCV特性の補外]
本実施形態に係るパラメータ推定装置1は、バッテリ4のパラメータを推定するためにSOC−OCV特性が定義されるSOCの範囲が拡張される必要がある場合、SOC−OCV特性を表すグラフを補外する。補外は、外挿ともいう。
本実施形態に係るパラメータ推定装置1は、バッテリ4のパラメータを推定するためにSOC−OCV特性が定義されるSOCの範囲が拡張される必要がある場合、SOC−OCV特性を表すグラフを補外する。補外は、外挿ともいう。
制御部10は、SOCが0%のときのOCVに基づいて、SOCが0%未満の範囲にまで一定値で補外してよい。制御部10は、SOCが100%のときのOCVに基づいて、SOCが100%超の範囲にまで一定値で補外してよい。
制御部10は、SOCが0%のときのSOC−OCV特性の傾きに基づいて、SOCが0%未満の範囲にまで傾き一定の直線で補外してよい。制御部10は、SOCが100%のときのSOC−OCV特性の傾きに基づいて、SOCが100%超の範囲にまで傾き一定の直線で補外してよい。
制御部10は、SOCが0%の時のSOC−OCV特性の傾きに基づいて、SOCが0%未満の範囲においてOCVの制御点を設定し、スプライン補間によって補外してよい。制御部10は、SOCが100%の時のSOC−OCV特性の傾きに基づいて、SOCが100%超の範囲においてOCVの制御点を設定し、スプライン補間によって補外してよい。
スプライン補間は、設定された複数の制御点を、n次多項式によってなめらかにつないだ曲線を得る方法である。SOC−OCV特性における制御点は、SOCとOCVとの対応関係を一意に示す点として設定される。制御点は、SOCが0%以上且つ100%以下の範囲において、SOC−OCV特性を表す曲線又は直線若しくは線分上の点として設定されてよい。制御点は、SOCが0%又は100%のときのOCVを示す点として設定されてよい。SOCが0%又は100%のときのOCVを示す点として設定される制御点は、第1制御点ともいう。
制御点は、SOCが0%未満又は100%超の範囲において、所定のSOCとOCVとの対応関係を示す点として適宜設定されてよい。SOCが0%未満又は100%超の範囲において設定される制御点は、第2制御点ともいう。第2制御点は、第1制御点と第2制御点とを結ぶ線分の傾きが、SOCが100%のときのSOC−OCV特性の傾きと同じになるように設定されてよい。第2制御点は、第1制御点と第2制御点とを結ぶ線分の傾きが、SOCが100%のときのSOC−OCV特性の傾きよりも大きくなるように設定されてよい。第2制御点は、第1制御点と第2制御点とを結ぶ線分の傾きが、SOCが100%のときのSOC−OCV特性の傾きよりも小さくなるように設定されてよい。
バッテリ4のOCVは、通常、SOCが0%のときでも0V未満とならない。制御部10は、SOCが0%未満の範囲でSOC−OCV特性を補外する場合、OCVが0Vとなるまで補外してよい。
バッテリ4のOCVは、通常、SOCが100%のときでも、充電最大電圧としての4.2V以下となるように制御される。制御部10は、SOCが100%超の範囲でSOC−OCV特性を補外する場合、OCVが4.2Vとなるまで補外してよい。
制御部10は、SOCが100%超の範囲でSOC−OCV特性を補外する場合、OCVが4.2Vを超えるように補外してよい。制御部10は、OCVが4.2Vとなるまで補外した後、OCVが4.2Vで一定となるようにさらに補外を続けてよい。制御部10は、OCVが4.2Vとなるまで補外した後、OCVが4.2Vとなるまでの傾きよりも緩やかな傾きとなるように補外を続けてよい。
<SOCが100%のときのOCVが4.2Vに近い場合>
図5及び図6に示されるSOC−OCV特性は、SOCが100%のときのOCVが4.2Vに近い。SOC−OCV特性は、実線で示されており、SOCが0%以上且つ100%以下の範囲で定義されている。図5及び図6に示されるSOC−OCV特性は、4通りの方法で、0%未満及び100%超の範囲において補外されている。
図5及び図6に示されるSOC−OCV特性は、SOCが100%のときのOCVが4.2Vに近い。SOC−OCV特性は、実線で示されており、SOCが0%以上且つ100%以下の範囲で定義されている。図5及び図6に示されるSOC−OCV特性は、4通りの方法で、0%未満及び100%超の範囲において補外されている。
補外例Aは、SOCが0%又は100%のときのOCVをそのまま一定値として補外したものである。補外例Aは、二点鎖線によって示される。補外例Bは、SOCが0%又は100%のときのSOC−OCV特性の傾きと同じ傾きの線で補外したものである。補外例Bは、破線によって示される。補外例C及びDは、スプライン補間によって補外したものである。補外例C及び補外例Dはそれぞれ、一点鎖線及び長破線で示される。補外例Dは、補外例Cよりも、補外されるSOC−OCV特性の傾きが急激である。言い換えれば、補外例Cは、補外例Dよりも、補外されるSOC−OCV特性の傾きが緩やかである。補外例C又はDにおけるSOC−OCV特性の傾きは、バッテリ等価回路モデルに応じて適宜定められてよい。補外例B〜Dは、SOCが0%以上且つ100%以下である場合のSOC−OCV特性の傾きに基づいて、SOC−OCV特性を補外しているともいえる。
制御部10は、図5及び図6のSOC−OCV特性を有するバッテリ4に対して、各補外例を適用することによって、SOCの推定値を算出する。これによって、図7に示される推定結果が得られる。図7のグラフの横軸及び縦軸はそれぞれ、時刻及びSOCを示す。図7における実線は、制御部10が算出した、バッテリ4のSOCの推定値の時間変化を示す。図7における破線は、バッテリ4のSOCの真値の時間変化を示す。図7(A)〜(D)はそれぞれ、補外例A〜Dに対応する。
バッテリ4のSOCの推定値と真値との間の誤差の大きさは、二乗平均誤差を算出することによって評価されてよい。二乗平均誤差は、RMSE(Root Mean Square Error)ともいう。バッテリ4のSOCの推定値と真値との間の誤差の大きさは、最大誤差を算出することによって評価されてよい。図8に示されるように、図5及び図6のSOC−OCV特性を有するバッテリ4に各補外例が適用された場合の誤差について、二乗平均誤差及び最大誤差が算出される。二乗平均誤差で比較した場合、補外例Dの誤差が最小となる。最大誤差で比較した場合、補外例Cの誤差が最小となる。補外例Bの誤差は、二乗平均誤差及び最大誤差のいずれについても、補外例Aの誤差よりも小さい。
<SOCが100%のときのOCVが4.2Vから遠い場合>
図9に示されるSOC−OCV特性は、SOCが100%のときのOCVが4.2Vから遠い。図9に示されるSOC−OCV特性は、図5及び図6に示されるSOC−OCV特性と同様の4通りの方法で、0%未満及び100%超の範囲において補外されている。
図9に示されるSOC−OCV特性は、SOCが100%のときのOCVが4.2Vから遠い。図9に示されるSOC−OCV特性は、図5及び図6に示されるSOC−OCV特性と同様の4通りの方法で、0%未満及び100%超の範囲において補外されている。
制御部10は、図9のSOC−OCV特性を有するバッテリ4に対して、図5及び図6と同様の補外例を適用することによって、SOCの推定値を算出する。これによって、図10に示される推定結果が得られる。図10のグラフの横軸及び縦軸、並びに、実線及び破線は、図7と同様のものを示す。図10(A)〜(D)はそれぞれ、補外例A〜Dに対応する。
バッテリ4のSOCの推定値と真値との間の誤差の大きさは、二乗平均誤差又は最大誤差を算出することによって評価されてよい。図11に示されるように、図9のSOC−OCV特性を有するバッテリ4に各補外例が適用された場合の誤差について、二乗平均誤差及び最大誤差が算出される。二乗平均誤差で比較した場合、補外例Dの誤差が最小となる。最大誤差で比較した場合、補外例Cの誤差が最小となる。補外例Aの誤差は、二乗平均誤差及び最大誤差のいずれについても、他の補外例と比較して極端に大きくなっている。
図5〜図11に示されるように、本実施形態に係るパラメータ推定装置1は、パラメータ推定の際に、SOCが第1の充電率未満である又は第2の充電率を超える場合のSOC−OCV特性を補外する。このようにすることで、パラメータ推定装置1は、SOC−OCV特性が定義されていない範囲にまで拡張してSOCの推定値を算出することができる。
SOCが第1の充電率又は第2の充電率である場合のOCVをそのまま一定値として補外するよりも、SOC−OCV特性の傾きに基づいて補外する方が、SOCの推定値と真値との誤差が小さくされうる。SOC−OCV特性は、SOCが第1の充電率又は第2の充電率である場合のSOC−OCV特性の傾きと同じ傾きの線で補外されてよい。このようにすることで、SOCの推定値の誤差が小さくされうる。SOC−OCV特性は、スプライン補間で補外されてよい。このようにすることで、SOCの推定値の誤差がより小さくされうる。
[パラメータ推定方法]
本実施形態に係るパラメータ推定装置1は、図12に示されるパラメータ推定方法によって、バッテリ4のパラメータを推定してよい。
本実施形態に係るパラメータ推定装置1は、図12に示されるパラメータ推定方法によって、バッテリ4のパラメータを推定してよい。
制御部10は、バッテリ4のSOC−OCV特性を取得する(ステップS1)。制御部10は、予め記憶部20に格納されたSOC−OCV特性を取得してよい。制御部10は、外部装置からSOC−OCV特性を取得してよい。SOC−OCV特性は、SOCが0%以上且つ100%以下の範囲である場合に定義されているものであってよい。SOC−OCV特性は、SOCが上記以外の所定の範囲である場合に定義されているものであってよい。
制御部10は、SOCが所定の範囲で定義されているSOC−OCV特性を補外する。(ステップS2)。制御部10は、補外によって、SOCが所定の範囲外である場合にまでSOC−OCV特性の定義を拡張する。制御部10は、上述の補外例A〜Dのいずれかを適用することによって、SOC−OCV特性を補外してよい。制御部10は、補外例A〜Dを組み合わせて、SOC−OCV特性を補外してよい。制御部10は、SOCの範囲を区分して、各区分において異なる補外例を適用してよい。制御部10は、他の方法によってSOC−OCV特性を補外してよい。
制御部10は、バッテリ4のパラメータを推定する(ステップS3)。制御部10は、補外されたSOC−OCV特性に基づいてバッテリ4のパラメータを推定することによって、SOC−OCV特性が定義されていない範囲にまで拡張してSOCの推定値を算出することができる。SOCは、より高い精度で推定されうる。
本開示に係る実施形態について、諸図面および実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形または修正をおこなうことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形または修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部、各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部およびステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
1 パラメータ推定装置
2 電流センサ
3 電圧センサ
4 バッテリ
5 電源装置
10 制御部
20 記憶部
2 電流センサ
3 電圧センサ
4 バッテリ
5 電源装置
10 制御部
20 記憶部
Claims (5)
- バッテリ等価回路モデルのパラメータを推定するバッテリのパラメータ推定装置において、
前記バッテリの充電率が第1の充電率以上且つ第2の充電率以下である場合の前記バッテリの充電率と開回路電圧との関係における傾きに基づいて、前記バッテリの充電率が前記第1の充電率未満である又は前記第2の充電率を超える場合の前記バッテリの充電率と開回路電圧との関係を補外する制御部を備える
バッテリのパラメータ推定装置。 - 請求項1に記載のバッテリのパラメータ推定装置において、
前記制御部は、前記バッテリの充電率と開回路電圧との関係における、前記バッテリの充電率が前記第2の充電率を超える場合の傾きが、前記バッテリの充電率が前記第2の充電率である場合の傾きとなるように、前記バッテリの充電率が前記第2の充電率を超える場合の前記バッテリの充電率と開回路電圧との関係を補外する、パラメータ推定装置。 - 請求項1又は2に記載のバッテリのパラメータ推定装置において、
前記制御部は、前記バッテリの充電率と開回路電圧との関係における、前記バッテリの充電率が前記第1の充電率未満である場合の傾きが、前記バッテリの充電率が前記第1の充電率である場合の傾きとなるように、前記バッテリの充電率が前記第1の充電率未満である場合の前記バッテリの充電率と開回路電圧との関係を補外する、パラメータ推定装置。 - 請求項1に記載のバッテリのパラメータ推定装置において、
前記制御部は、スプライン補間によって、前記バッテリの充電率が前記第1の充電率未満である又は前記第2の充電率を超える場合の前記バッテリの充電率と開回路電圧との関係を補外する、パラメータ推定装置。 - バッテリ等価回路モデルのパラメータを推定するバッテリのパラメータ推定方法において、
前記バッテリの充電率が第1の充電率以上且つ第2の充電率以下である場合の前記バッテリの充電率と開回路電圧との関係における傾きに基づいて、前記バッテリの充電率が前記第1の充電率未満である又は前記第2の充電率を超える場合の前記バッテリの充電率と開回路電圧との関係を補外するステップを含む、バッテリのパラメータ推定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016201890A JP2018063186A (ja) | 2016-10-13 | 2016-10-13 | バッテリのパラメータ推定装置及びパラメータ推定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2016201890A JP2018063186A (ja) | 2016-10-13 | 2016-10-13 | バッテリのパラメータ推定装置及びパラメータ推定方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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Family Applications (1)
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JP2016201890A Pending JP2018063186A (ja) | 2016-10-13 | 2016-10-13 | バッテリのパラメータ推定装置及びパラメータ推定方法 |
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JP (1) | JP2018063186A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020255794A1 (ja) * | 2019-06-20 | 2020-12-24 | 株式会社Gsユアサ | 開発支援装置、開発支援方法、および状態検知方法 |
WO2023181589A1 (ja) * | 2022-03-23 | 2023-09-28 | 株式会社日立製作所 | 電池状態検出装置および電池状態検出方法 |
-
2016
- 2016-10-13 JP JP2016201890A patent/JP2018063186A/ja active Pending
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WO2023181589A1 (ja) * | 2022-03-23 | 2023-09-28 | 株式会社日立製作所 | 電池状態検出装置および電池状態検出方法 |
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