JP2018062480A - カペシタビンを有効成分とするフィルムコート医薬製剤 - Google Patents
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Abstract
Description
[2] フィルムコート医薬製剤のコーティング層に20℃における2%水溶液粘度が5〜20mPa・sであるヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む、[1]に記載のフィルムコート医薬製剤。
[3] フィルムコート医薬製剤のコーティング層に含まれているヒドロキシプロピルメチルセルロースのフィルムコート医薬製剤全体における含有率が0.5質量%〜3.0質量%である、[2]に記載のフィルムコート医薬製剤。
[4] フィルムコート医薬製剤の内核部に、有効成分であるカペシタビンが30質量部〜90質量部、賦形剤が5質量部〜50質量部、崩壊剤が1質量部〜20質量部、結合剤が0.1質量部〜25質量部、滑沢剤が0.1質量部〜5質量部で含まれている、[1]〜[3]の何れか一項に記載のフィルムコート医薬製剤。
本発明は、20℃における2%水溶液粘度が5〜20mPa・sであるヒドロキシプロピルメチルセルロースであれば特に限定されずに適用することができる。20℃における2%水溶液粘度が5〜10mPa・sであるヒドロキシプロピルメチルセルロースを用いることがより好ましい。
20℃における2%水溶液粘度が5〜20mPa・sであるヒドロキシプロピルメチルセルロースは、市販品を用いても良い。例えば、商品名TC−5M、TC−5R、TC−5S(信越化学工業(株)製)等のヒドロキシプロピルメチルセルロース等を挙げることができ、TC−5Rが好ましい。
これらの添加剤は、医薬品製剤用途で許容される純度であれば特に制限されることなく用いることができる。これらの添加剤は1種のみを用いても良く、これらの混合物として用いても良い。当該医薬組成物又は医薬製剤を調製する際に、任意に使用される。
20℃における2%水溶液粘度が5〜20mPa・sであるヒドロキシプロピルメチルセルロースを含有する水溶液とは、20℃における2%水溶液粘度が5〜20mPa・sであるヒドロキシプロピルメチルセルロースの水又はエタノールやアセトン等の水と任意に混和する有機溶剤を含有する水性溶剤による溶液である。この水溶液には、隠蔽剤や着色剤、分散剤等の医薬製剤のコーティング剤に用いられる任意の添加剤が含まれていても良い。なお、隠蔽剤や着色剤等は当該水性溶液に溶解していても、懸濁状態で用いても良い。コーティング剤に用いる隠蔽剤や着色剤、分散剤は、前述と同義である。
前記コーティング層組成物は、水又は水と任意の割合で混合し得る有機溶剤を含む水性溶剤を20℃における2%水溶液粘度が5〜20mPa・sであるヒドロキシプロピルメチルセルロースが充分に溶解し得る濃度にて水性溶液を調製することで、コーティング層を設けるためのコーティング剤として用いることができる。
内核となる前記素錠は、カペシタビンとして30〜90質量部、結合剤を0.1〜25質量部、崩壊剤を1〜20質量部、滑沢剤を0.1〜5質量部、賦形剤を5〜50質量部で含有する処方による医薬組成物を混合し、任意に水、エタノール、メタノール等の有機溶媒及びこれらの混合溶媒を添加して造粒して顆粒体を調製し、これを圧縮成型することで内核となる素錠を調製することができる。好ましくは、カペシタビンとして50〜85質量部、結合剤を1〜15質量部、崩壊剤を1〜10質量部、滑沢剤を0.1〜5質量部、賦形剤を5〜40質量部を含有する処方による医薬組成物である。
この造粒物を、打錠成型等により錠剤形に成型することにより、内核である素錠を調製することができる。
また、試験溶液が水である時、試験開始10分から30分後の溶出率の低下率が5%以下であることを特徴とする。
前記のpH調整した試験溶液又は水900mLを用いて、日本薬局方溶出試験第2法(パドル法)による溶出試験法により、本発明のフィルムコート医薬製剤から有効成分であるカペシタビンを試験溶液中へ溶出させ、紫外可視吸光度計もしくは液体クロマトグラフィーを用いて試験液へのカペシタビンの溶出率を評価することで、本発明のフィルムコート医薬製剤の特徴であるフィルムコートによる溶出遅延を抑制する特性を有する医薬製剤であることを確認することができる。
カペシタビン900g、無水乳糖(DFEファルマ社製)76.5g、結晶セルロース(旭化成ケミカルズ株式会社製)45g、クロスカルメロース(DFEファルマ社製)45gを流動層造粒機(FL−LABO、フロイント産業株式会社製)で混合した後、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学工業株式会社製)22.5gを精製水750gに溶かした造粒液で造粒を行った.造粒後は,同機にて顆粒乾燥を行った。
造粒した顆粒にステアリン酸マグネシウム(日本薬局方 ステアリン酸マグネシウム)21.0gを混和し、打錠用顆粒を得た。
この打錠用顆粒を打錠機にて錠剤長径13.3mm、錠剤短径7.0mm、厚み約4.70mm、質量約370mg、硬度60N以上のカペシタビンの素錠(内核錠剤)を製造した。
表1に内核錠剤の調製の処方をまとめた。
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC−5R、信越化学工業株式会社製)160g、タルク(小堺製薬株式会社製)20g、酸化チタン(高純度酸化チタン、東邦チタニウム株式会社製)20gを精製水約1800mLに分散させ、コーティング液とした。
表2にコーティング液の処方をまとめた。
このコーティング液を、コーティング機(フロイント産業株式会社:HCT−30N)を用いて先に調製した素錠(内核錠剤)へ噴霧し、噴霧後の錠剤質量が約380mgとなるようにコーティングを行い、フィルムコーティング錠剤を調製した。
得られたフィルムコーティング錠剤は、有効成分としてカペシタビン300mg、賦形剤として無水乳糖25.5mg、結晶セルロース15.0mg、崩壊剤としてクロスカルメロース15.0mg、結合剤としてヒドロキシプロピルメチルセルロース7.5mg、滑沢剤としてステアリン酸マグネシウム7.0mg、コーティング剤としてヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC−5R)8mg含有する総質量380mgのフィルムコーティング錠であった。
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC−5E、信越化学工業株式会社製)160g、タルク(小堺製薬株式会社製)20g、酸化チタン(高純度酸化チタン、東邦チタニウム株式会社製)20gを精製水約1800mLに分散させ、コーティング液とした。
表3にコーティング剤の処方をまとめた。
このコーティング液を用いて、コーティング機(フロイント産業株式会社:HCT−30N)を用いて先に調製した素錠(内核錠剤)へ噴霧し、噴霧後の錠剤質量が約380mgとなるようにコーティングを行い、フィルムコーティング錠剤を調製した。コーティング剤としてヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC−5E)8mg含有する総質量380mgのフィルムコーティング錠を得た。
製造例1で得られた内核錠剤及び実施例1、比較例1で得られたフィルムコーティング錠剤を、日本薬局方に記載される方法で調製した水とpH6.8の試験溶液を用いて、日本薬局方溶出試験第2法(パドル法)により溶出率を評価した。
溶出試験条件詳細は以下のように設定した。
・溶出試験器 :NTR−6200A、富山産業株式会社製
・試験液量 :900mL
・試験液温 :37±0.5℃
・パドル回転数:50rpm
・分析機器 :紫外可視分光度計(UV−1700、島津製作所製)
・測定波長 :300nm
定量分析用の標準溶液試料として、各試験溶液を使用してカペシタビン溶液を任意の濃度で調製し、波長300nmでの吸光度を測定、これを各試験溶液における標準値とした。溶出試験においては、各経時点の溶液の吸光度を測定することで、各経時点における溶液中のカペシタビン濃度を計算し溶出率を算出した。水での結果を表4に、pH6.8の試験溶液での結果を表5に示す。
このことより本発明によって、フィルムコーティングによる溶出遅延を抑制した溶出特性を有するフィルムコート医薬製剤を提供できることが示された。
Claims (4)
- カペシタビンを有効成分とするフィルムコート医薬製剤であって、20℃における2%水溶液粘度が5〜20mPa・sであるヒドロキシプロピルメチルセルロースを含むフィルムコート医薬製剤。
- フィルムコート医薬製剤のコーティング層に20℃における2%水溶液粘度が5〜20mPa・sであるヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む、請求項1に記載のフィルムコート医薬製剤。
- フィルムコート医薬製剤のコーティング層に含まれているヒドロキシプロピルメチルセルロースのフィルムコート医薬製剤全体における含有率が0.5質量%〜3.0質量%である、請求項2に記載のフィルムコート医薬製剤。
- フィルムコート医薬製剤の内核部に、有効成分であるカペシタビンが30質量部〜90質量部、賦形剤が5質量部〜50質量部、崩壊剤が1質量部〜20質量部、結合剤が0.1質量部〜25質量部、滑沢剤が0.1質量部〜5質量部で含まれている、請求項1〜請求項3の何れか一項に記載のフィルムコート医薬製剤。
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