JP2018061241A - 暗号化プロテクト動作システムおよびその動作制御方法,ならびにコンピュータ装置を暗号化プロテクト動作システムとして機能させるプログラムを記録した可搬型記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】コンテンツの保護(情報漏洩の防止)を達成するとともに,コンテンツ再生のスピードアップを図る。
【解決手段】暗号化プロテクトCD−ROM10を光ディスク・ドライブ5に装着することで,揮発性メモリ8にWebサーバ部11,復号エンジン14,クライアント部(専用ビュワー)12およびディスクチェック部13が一時的に構築される。クライアント部12からリクエストされるファイルは暗号化されてCD−ROM10に記録されている。CD−ROM10の暗号化ファイルは,復号エンジン14によって,暗号化ファイル全体の復号を待たずにブロック単位で復号される。復号によって生成された平文ブロックがWebサーバ部11によって順次クライアント部12に出力され,表示装置3にストリーミング再生される。
【選択図】図1
【解決手段】暗号化プロテクトCD−ROM10を光ディスク・ドライブ5に装着することで,揮発性メモリ8にWebサーバ部11,復号エンジン14,クライアント部(専用ビュワー)12およびディスクチェック部13が一時的に構築される。クライアント部12からリクエストされるファイルは暗号化されてCD−ROM10に記録されている。CD−ROM10の暗号化ファイルは,復号エンジン14によって,暗号化ファイル全体の復号を待たずにブロック単位で復号される。復号によって生成された平文ブロックがWebサーバ部11によって順次クライアント部12に出力され,表示装置3にストリーミング再生される。
【選択図】図1
Description
この発明は暗号化プロテクト動作システムおよびその動作制御方法,ならびにコンピュータ装置を暗号化プロテクト動作システムとして機能させるプログラムを記録した可搬型記録媒体に関する。
クライアント・コンピュータ(以下,クライアントという)にインストールされたWebブラウザを用いてWebサーバ・コンピュータ(以下,Webサーバという)と通信することで,様々なコンテンツ(リソース)を取得することができる。コンテンツには文章,画像(静止画像および動画像),音声等が含まれる。取得されたコンテンツはWebブラウザによってクライアントにおいて再生(表示)することができる。
クライアント(Webブラウザ)とWebサーバは,一般にネットワーク(典型的にはインターネット)によって接続される。ネットワークを通して送受信されるデータの漏洩や改ざんを防止するために,クライアントとWebサーバとの間で送受信されるデータが暗号化されることがある(たとえば,SSL通信)。しかしながら,暗号化通信はネットワーク上で送受信されるときのコンテンツを暗号化して保護するものであり,Webサーバからクライアントに送信され,クライアントにおいて取得されたコンテンツを保護するものではない。
特許文献1は,インターネットを介してダウンロードされたファイルを暗号化するものを記載する。ユーザが設定するパスワードを用いてファイルが暗号化される。暗号化ファイルはローカルサーバソフトウエアとともにパッケージファイルに含められ,このパッケージファイルも暗号化される。暗号化ファイルを復号する場合には,はじめにパスワードを入力してパッケージファイルが復号(展開)され,復号されたパッケージファイルに含まれるローカルサーバソフトウエアが実行される。ローカルサーバソフトウエアはブラウザと連携し,ブラウザによってファイルが閲覧されるときに暗号化ファイルがローカルサーバソフトウエアによって復号される。
ブラウザとローカルサーバソフトウエアとを連携させ,ブラウザを用いてファイル閲覧されるときにローカルサーバソフトウエアによって暗号化ファイルを復号することで,上記ファイルそれ自体が保護される。しかしながら,ブラウザをローカルサーバソフトウエアと連携させるにはコンピュータ(またはインターネットプロトコル)に関する相当の知識を必要とする。
また,特許文献1は,現在見ているコンテンツを復号し,たとえばハイパーリンクによって次ページに入ったときには,そのときにそのページを復号すること,すなわちページ単位の復号を記載する。ページ中に動画コンテンツが含まれていたり,データ容量の大きな画像コンテンツが含まれていたりすると,そのページの表示に時間がかかってしまう。
この発明は,記録媒体に記録されたコンテンツの保護(情報漏洩の防止)をより簡単に達成することを目的とする。
この発明はまた,暗号化された大容量の動画コンテンツや静止画コンテンツ等が含まれているとしても,その一部ずつを順次復号および再生することによってコンテンツ再生のスピードアップを図ることを目的とする。
この発明による暗号化プロテクト動作システムは,可搬型記録媒体と,上記可搬型記録媒体が装着されたときに揮発性メモリに一時的に構築されるサーバ部,復号エンジンおよびクライアント部とを備える。上記可搬型記録媒体に平文コンテンツを所定データ長の平文コンテンツ・ブロックごとに暗号化した暗号化コンテンツが記録されている。上記復号エンジンは,上記暗号化コンテンツをブロック単位で復号する復号手段,およびブロック単位で復号された平文コンテンツ・ブロックを,上記暗号化コンテンツ全体の復号を待たずに上記サーバ部に順次出力する第1の出力手段を備えている。上記サーバ部は,上記復号エンジンから出力された平文コンテンツ・ブロックを,ブロック単位で上記クライアント部に順次出力する第2の出力手段を備えている。上記クライアント部は,上記サーバ部から出力された平文コンテンツ・ブロックをストリーミング再生する再生手段を備えている。
この発明は,暗号化プロテクト動作システムの動作を制御する方法も提供する。この発明による方法は,可搬型記録媒体と,上記可搬型記録媒体が装着されたときに揮発性メモリに一時的に構築されるサーバ部,復号エンジンおよびクライアント部とを備える暗号化プロテクト動作システムの動作制御方法である。上記可搬型記録媒体には,平文コンテンツを所定データ長の平文コンテンツ・ブロックごとに暗号化した暗号化コンテンツが記録されている。上記復号エンジンが,上記暗号化コンテンツをブロック単位で復号し,ブロック単位で復号した平文コンテンツ・ブロックを,上記暗号化コンテンツ全体の復号を待たずに上記サーバ部に順次出力し,上記サーバ部が,上記復号エンジンから出力された平文コンテンツ・ブロックを,ブロック単位で上記クライアント部に順次出力し,上記クライアント部が,上記サーバ部から出力された平文コンテンツ・ブロックをストリーミング再生するように,上記暗号化プロテクト動作システムの動作が制御される。
この発明は,コンピュータ装置を暗号化プロテクト動作システムとして機能させるプログラムが記録された可搬型記録媒体も提供する。可搬型記録媒体は,CD−ROM,CD−R,CD−RW,半導体メモリ(たとえばUSBメモリ)等,非一時的な,有形の媒体(non-transitory tangible medium)を意味する。
可搬型記録媒体は暗号化プロテクト動作システムに装着されて用いられる。たとえば,可搬型記録媒体は光ディスクである。この場合には暗号化プロテクト動作システムは光ディスク・ドライブ(読取装置)を備え,光ディスク・ドライブに光ディスクが装填される。可搬型記録媒体がUSB(Universal Serial Bus)メモリであれば,暗号化プロテクト動作システムが備えるUSB接続端子にUSBメモリが接続される。
可搬型記録媒体が装着されると,暗号化プロテクト動作システムが備える揮発性メモリ(典型的にはRAM(Random Access Memory))に,サーバ部,復号エンジンおよびクライアント部が一時的に構築される。可搬型記録媒体には,好ましくは,上記サーバ部,復号エンジンおよびクライアント部を揮発性メモリに構築するためのプログラムが記録されており,可搬型記録媒体を装着することで,揮発性メモリに,サーバ部,復号エンジンおよびクライアント部が一時的に構築される。逆に言えば,可搬型記録媒体が取り外されると,揮発性メモリに構築されていたサーバ部,復号エンジンおよびクライアント部は揮発性メモリから消去される。暗号化プロテクト動作システムの電源を切った場合にも,サーバ部,復号エンジンおよびクライアント部は揮発性メモリから消去される。このように,暗号化プロテクト動作システムは,可搬型記録媒体の存在を前提とし,可搬型記録媒体と一体とされたときに機能するシステムである。
可搬型記録媒体には,平文コンテンツを所定データ長の平文コンテンツ・ブロックごとに暗号化した暗号化コンテンツが記録されている。データ長は任意に設定することができ,たとえば512バイトが1ブロックのデータ長とされる。
暗号化コンテンツは復号エンジンによってブロック単位で復号され,復号された平文コンテンツ・ブロックが,上記暗号化コンテンツ全体の復号を待たずにサーバ部に順次出力される。サーバ部は平文コンテンツ・ブロックをブロック単位でクライアント部に出力し,クライアント部は平文コンテンツ・ブロックをストリーミング再生する。暗号化コンテンツ全体の復号を待たずにクライアント部においてコンテンツの再生が開始されるので,コンテンツ(暗号化コンテンツ)のデータ容量(ファイルサイズ)が大きい場合に,クライアント部においてタイムラグを生じさせることなく即座に再生を開始することができる。いずれにしても復号処理においてテンポラリ・ファイルは作成されることはなく,復号と再生とが順次行われる。
可搬型記録媒体に記録されている暗号化コンテンツは復号しなければ再生(表示を含む)することができないのは言うまでもない。好ましくは,クライアント部は,上記揮発性メモリに一時的に構築される上記サーバ部のみに接続可能に構成されている。さらに好ましくは,上記サーバ部は,上記可搬型記録媒体に記録されているコンテンツのみをデータ読み出し可能に構成されている。すなわち,可搬型記録媒体が挿着されることで揮発性メモリに一時的に構築されるクライアント部およびサーバ部は,同じ可搬型記録媒体に記録されている暗号化コンテンツを再生するための専用部(専用装置)として用いられる。可搬型記録媒体から暗号化コンテンツのみがコピーされてしまうことを抑制することができる。
好ましくは,上記可搬型記録媒体が装着されたときに上記揮発性メモリに一時的に構築されるチェック部をさらに備え,上記チェック部は,装着された上記可搬型記録媒体があらかじめ定められた種類の可搬型記録媒体かどうかを判断する第1の判断手段を備えている。上記第1の判断手段によって,装着された上記可搬型記録媒体があらかじめ定められた種類のものであると判断された場合に,上記サーバ部,復号エンジンおよびクライアント部の上記揮発性メモリにおける構築が許容され,上記第1の判断手段によって,装着された上記可搬型記録媒体があらかじめ定められた種類のものではないと判断された場合に,上記サーバ部,復号エンジンおよびクライアント部の上記揮発性メモリにおける構築が中止される。可搬型記録媒体の内容が別の種類の媒体にコピーされたとしても,その別の種類のコピー先の媒体を用いることによっては,暗号化コンテンツを復号して再生するために必要な上記サーバ部,復号エンジンおよびクライアント部を構築することができず,したがって可搬型記録媒体に記録されている暗号化コンテンツを保護する(情報漏洩の防止を図る)ことができる。
上記第1判断手段によって装着された上記可搬型記録媒体があらかじめ定められた種類のものであると判断された場合に,オリジナルであることを示す情報が上記可搬型記録媒体に記録されているかどうかをさらに判断する第2の判断手段を備え,上記第2の判断手段によってオリジナルであること示す情報が記録されていると判断された場合に,上記サーバ部,復号エンジンおよびクライアント部の上記揮発性メモリにおける構築を許容してもよい。
上記可搬型記録媒体に,読取装置がエラーを発生するプロテクト信号を記録してもよい。オリジナルの可搬型記録媒体の内容がコピーされたとしても,オリジナルの可搬型記録媒体に記録されているプロテクト信号は読み出すことができない(読取装置がエラーを発生する)ので,コピー先の媒体にプロテクト信号は存在しない。プロテクト信号が存在しない媒体(すなわちコピー先の媒体)が用いられたときに処理を中止することで,オリジナルの可搬型記録媒体の内容を保護することができる。
図1は暗号化プロテクト動作システムの電気的構成を示すブロック図である。
暗号化プロテクト動作システム1(以下,プロテクトシステム1という)は,汎用のコンピュータ装置(たとえば,パーソナルコンピュータ)によって実現される。プロテクトシステム1の動作は制御装置4,たとえばCPU(Central Processing Unit )によって全体的に統轄される。制御装置4には,データバス9を介して,文字,数字等を入力するための入力装置2(たとえばキーボード,マウス),文字,数字,画像(動画像および静止画像)などを表示するための表示装置3,光ディスク(後述する暗号化プロテクトCD−ROM10を含む)が挿入され,光ディスクに記録されている情報を読み出す光ディスク・ドライブ5,オペレーティング・システム・プログラム,その他のプログラムおよびデータを記憶する記憶装置(たとえば,ハードディスク)6,音声を再生するスピーカ7,および揮発性メモリ(たとえば,DRAM(Dynamic Random Access Memory))8が接続されている。
揮発性メモリ8にはデータ処理のための作業領域(図示略)が設けられるとともに,Webサーバ部11,クライアント部(専用ビュワー)12,ディスクチェック部13および復号エンジン14が構築される。Webサーバ部11,クライアント部12,ディスクチェック部13および復号エンジン14は,いずれも暗号化プロテクトCD−ROM10に記録されているプログラム(後述する)が制御装置4によって実行されることで揮発性メモリ8に一時的に構築されるものである。たとえばプロテクトシステム1の電源がオフされると揮発性メモリ8の記憶内容は消去され,これによってWebサーバ部11,クライアント部12,ディスクチェック部13および復号エンジン14はいずれも揮発性メモリ8に存在しなくなる。電源オフされずとも,暗号化プロテクトCD−ROM10が光ディスク・ドライブ5から取り出されたときにも,揮発性メモリ8の記憶内容を消去し,Webサーバ部11,クライアント部12,ディスクチェック部13および復号エンジン14が揮発性メモリ8に存在しなくなるようにしてもよい。暗号化プロテクトCD−ROM10が光ディスク・ドライブ5から取り出されたこと(挿入されたことも同様)は,たとえばオペレーティング・システム・プログラム(OS)からのイベント通知によって検知される。
図2は暗号化プロテクトCD−ROM10の外観,ならびに暗号化プロテクトCD−ROM10に記録されている複数のファイルおよびその構造を示している。
暗号化プロテクトCD−ROM10には,リードイン,プリギャップ,PVD(Primary Volume Descriptor ),プロテクト信号(ディスクコピー防止信号),クライアント・プログラム(専用ビュワー・プログラム),Webサーバ・プログラム,復号エンジン・プログラム,ディスクチェック・プログラム,暗号化設定ファイル,暗号化ファイル(コンテンツ),およびリードアウトが記録されている。図2において暗号化されているファイルにはハッチングが示されている。クライアント・プログラム(専用ビュワー・プログラム),Webサーバ・プログラム,復号エンジン・プログラム,ディスクチェック・プログラムおよび暗号化設定ファイルを,包括的に「メインプログラム群」と呼ぶ。複数の暗号化ファイルを包括的に「コンテンツ群」と呼ぶ。コンテンツ群には暗号化されていない平文ファイルを含ませることもできる。暗号化プロテクトCD−ROM10に記録されたクライアント・プログラム,Webサーバ・プログラム,復号エンジン・プログラム,ディスクチェック・プログラムが制御装置4によって実行されることで,上述したように,プロテクトシステム1の揮発性メモリ8に,Webサーバ部11,クライアント部12,ディスクチェック部13および復号エンジン14(図1参照)が構築される。なお,復号エンジン・プログラムはWebサーバ・プログラムの一部としてもよく,ディスクチェック・プログラムはクライアント・プログラムの一部としてもよい。
CD−ROMの場合,リードインから始まりリードアウトで終わるセッション単位でデータが書き込まれる。リードインにはCD−ROMの内容の概要(目次)を表すTOC(Table Of Content)が記述される。リードアウトはセッションの終了を表し,特段の情報を含まない。プリギャップはセッションに含まれるトラック(図示略)の前に置かれる緩衝領域である。
PVD(Primary Volume Descriptor )はCD−ROMに関する規格にもとづいて再生時間00分02秒16フレーム(00:02.16)(1秒は75フレームに相当する)に相当する位置から記録が開始される。PVDにはCD−ROM10のボリューム名,総データ量,パス・テーブル,ルート・ディレクトリ等,CD−ROM10に記録されているデータやファイルに関する情報や,CD−ROMに記録されているプログラムやデータの概要に関する情報が格納されている。
プロテクト信号はCD−ROMの規格外の信号を意味し,オリジナル(正規)の暗号化プロテクトCD−ROM10の内容をコピーしたコピー先の記録媒体の使用を防止し,かつ暗号化プロテクトCD−ROM10が正規品であることを確認ないし証明するために用いることができる。プロテクト信号は,所定周波数の信号をエンコードすることにより得られるデータを表すピット,規定外の寸法を持つピット,もしくは規定外の連続した同一寸法のピットの形成によって,またはピットを形成しないことで実現される。いずれにしても,プロテクト信号は光ディスク・ドライブが読取る(読出す)ことができない信号であり,光ディスク・ドライブ5がエラーを出力する信号である。
暗号化プロテクトCD−ROM10の内容をそのままコピーする複製装置(たとえばISOイメージを用いた複製を行う複製装置)を用いて暗号化プロテクトCD−ROM10の内容をコピーしたとする。上記複製装置は暗号化プロテクトCD−ROM10に記録されている信号(デジタルデータ)を先頭からそのまま読み出してコピー先媒体にコピーするが,プロテクト信号は読み出すことができないので,複製装置はプロテクト信号のコピーをスキップする。このため,コピー先の記録媒体はプロテクト信号が存在しないものになる。
すなわち,オリジナル(正規)の暗号化プロテクトCD−ROM10はプロテクト信号を含み,コピー先の媒体はプロテクト信号を含まないものになる。たとえば,CD−ROM10を光ディスク・ドライブ5に装着した直後に上記プロテクト信号が読み出されるようにしておく。上述のようにプロテクト信号は読み出しできない信号であるので,光ディスク・ドライブ5はエラーを出力する。エラーが出力された場合に,正規の暗号化プロテクトCD−ROM10が装着されていると判断してその後の処理を続行し,逆にエラーが出力されなかった場合にその後の処理を中止することで,コピー先媒体の使用を制限することができる。
暗号化プロテクトCD−ROM10に記録されているファイルをファイル単位でコピーすることはできる。しかしながら,ファイル単位のコピーが行われたとしても,暗号化プロテクトCD−ROM10に記録されているコンテンツ群に含まれるファイルは基本的に暗号化されており(詳細は後述する),また暗号化ファイルの復号には,オリジナルの暗号化プロテクトCD−ROM10を光ディスク・ドライブ5に装着することで揮発性メモリ8に一時的に構築されるWebサーバ部11,クライアント部12,ディスクチェック部13および復号エンジン14が必要である。ファイル単位のコピーが行われても,暗号化プロテクトCD−ROM10の内容が漏洩することはない。
図3は復号エンジン14の処理(アルゴリズム)の一例を示すブロック図である。暗号化プロテクトCD−ROM10に記録されている復号エンジン・プログラムがコンピュータで実行されることで,復号エンジン14が揮発性メモリ8に一時的に構築される。
復号エンジン14は,暗号化ファイル20を復号して平文ファイル30を生成するものである。上述したように,暗号化プロテクトCD−ROM10には複数の暗号化ファイルが記録されており,複数の暗号化ファイルのそれぞれが図3に示すアルゴリムにしたがって復号される。なお,暗号化ファイル20は,もともとは平文ファイル30を暗号化することで生成されたものであり,図3に示す復号のアルゴリズムは,平文ファイル30から暗号化ファイル20を生成したとき(暗号化のとき)のアルゴリズムに対応するのは言うまでもない。
処理対象の暗号化ファイル20は先頭から512バイトずつ区切られ,512バイトずつ復号される。まず先頭の暗号化ブロック201が共通鍵(暗号化および復号に共通に用いられる鍵)24を用いて復号処理211において復号される。暗号化ブロック201を復号した復号ブロックは,次に所定のイニシャルベクトル(IV)23とともに演算子221に入力され,ここで復号ブロックとIV23との排他的論理和が求められることで,平文ブロック301が生成される。
次に先頭から2番目の暗号化ブロック202の復号処理に進む。はじめに暗号化ブロック202が共通鍵24を用いて復号処理212において復号される。暗号化ブロック202を復号した復号ブロックと,先頭の暗号化ブロック201との排他的論理和が演算子222において求められることで,平文ブロック302が生成される。先頭から3番目以降の暗号化ブロック203,204…20nについても,暗号化ブロック203,204,…,20nが共通鍵24を用いて復号されて復号ブロックが生成され,これと1つ前の暗号化ブロックとの排他的論理和が算出されることで,平文ブロック303,304,…,30nが生成される。
復号処理によって順次生成される平文ブロック301,302,303,…,30nは,暗号化ファイル20全体の復号を待たずに,順次Webサーバ部11に出力される。Webサーバ部11は,平文ファイル30を構成するすべての平文ブロック301〜30nが揃うのを待つことなく,復号を終えた平文ブロックを順次クライアント部(専用ビュワー)12に出力する。もっとも,平文ブロック301〜30nのうちの複数を一旦バッファさせておき,複数の平文ブロックをまとめてWebサーバ部11からクライアント部12に出力することはできる。いずれにしても,復号処理においてテンポラリ・ファイルは作成されず,クライアント部(専用ビュワー)12は平文ブロック301〜30nを順次ストリーミング再生する。なお,この明細書における「ストリーミング再生」とは,ファイル全体のダウンロードを待たずに再生を開始することを意味せず,暗号化ファイル全体の復号を待たずに再生を開始することを意味する。
暗号化ファイルの内容が静止画コンテンツであれば,静止画が一部ずつ順次表示される。暗号化ファイルの内容が動画コンテンツであれば,動画が一部ずつ順次再生される。暗号化ファイルの内容が音楽コンテンツであれば,音楽が一部ずつ順次再生される。もちろん一部ずつの表示または再生は,シームレスに行うことができるのは言うまでもない。暗号化ファイルがたとえば100MB〜200MB程度の大容量のコンテンツである場合,平文ファイルの完成(暗号化ファイルを構成するすべての暗号化ブロックの復号)を待つと,クライアント部(専用ビュワー)12への出力に時間がかかり,動画等の再生開始までにタイムラグが生じることがある。上述したように,暗号化ブロック単位で復号を行い,かつ平文ブロック単位でクライアント部12への出力を行い,これを繰り返すことで,タイムラグを生じさせることなく即座に動画等の再生を開始することができる。
図4は設定ファイルの一部を具体的に示している。上述したように,暗号化プロテクトCD−ROM10に暗号化設定ファイルが記録されており(図2参照),暗号化設定ファイルが復号されることによって,図4に示す設定ファイル(テキスト・ファイル)35が生成される。
設定ファイル35には,復号エンジン14における復号処理に用いられる上述したイニシャルベクトル(IV)23と共通鍵(暗号化鍵,復号鍵)24とが暗号化パラメータ(復号パラメータ)として記述されている。また,設定ファイル35には,暗号化プロテクトCD−ROM10に記録されているコンテンツ群に含まれる複数のファイルのそれぞれについて,暗号化モード,ファイルサイズ,ならびにファイル名を含む相対パス(URL(Uniform Resource Locator)またはURI(Uniform Resource Identifier )と呼ぶこともできる)が記述されている。設定ファイル中にファイルごとに記述される暗号化モード,ファイルサイズおよび相対パスの組を,包括して「ファイル情報」と呼ぶ。
暗号化モードは,相対パスによって特定されるファイルが暗号化されているか(暗号化ファイルであるか)または暗号化されていないか(平文ファイルであるか)を識別するための数字である。たとえば,暗号化モード「1」は暗号化されていない(平文)ファイルであることを,暗号化モード「2」は暗号化されている(暗号化)ファイルであることを,それぞれ意味する。暗号化(復号)に複数種類のアルゴリズムを用いる場合には,暗号化モード(数字)によって暗号化に用いられた(復号に用いられる)アルゴリズムの種類を特定することもできる。
ファイルサイズは,暗号化プロテクトCD−ROM10に記録されているファイルのサイズ(容量)であり,相対パスはそのファイルの暗号化プロテクトCD−ROM10における記録位置およびファイル名を表す。後述するように,クライアント部(専用ビュワー)12から特定ファイルのリクエストがあると,Webサーバ部11は,はじめに設定ファイル35を参照する。上述した暗号化モードの記述に基づいて,リクエストされた特定ファイルが暗号化ファイルであるか,平文ファイルであるかが判断される。暗号化ファイルであれば,Webサーバ部11は暗号化プロテクトCD−ROM10から読み出した特定ファイル(暗号化ファイル)を上述した復号エンジン14に出力し,復号エンジン14によって復号処理が行われることになる。平文ファイルであれば復号エンジン14ではなくクライアント部12に出力される。なお,リクエストされた特定ファイルがhtmlファイルであり,そのhtmlファイルに他のファイルの相対パス(URL)が記述されている場合には,Webサーバ部11によって,設定ファイル35が参照されて,htmlファイルに記述されている他のファイルの相対パスによって特定されるファイルが暗号化ファイルであるか平文ファイルであるかも判断される。
図5および図6は,プロテクトシステム1の処理の流れを示すフローチャートである。各ステップには,その処理を実行する実行主体(Webサーバ部11であるか,クライアント部(専用ビュアー)12であるか,ディスクチェック部13であるか,復号エンジン14であるか)が付記されている。
はじめにユーザによって光ディスク・ドライブ5に暗号化プロテクトCD−ROM10が装填される(ステップ41)。オートラン処理によって,またはユーザが入力装置2を用いて所定のアイコンをクリックすることによって,暗号化プロテクトCD−ROM10に記録されているクライアント・プログラム(専用ビュワー・プログラム)の起動が命令される(ステップ42)。揮発性メモリ8にクライアント部12が構築される。
クライアント・プログラムには,Webサーバ・プログラム,復号エンジン・プログラム,ディスクチェック・プログラムおよび暗号化設定ファイルが関連づけられており,クライアント・プログラムの起動処理が行われると,クライアント・プログラムのみならず,Webサーバ・プログラム,復号エンジン・プログラム,ディスクチェック・プログラムおよび暗号化設定ファイル(メインプログラム群)も揮発性メモリ8に格納される(ステップ43)。
揮発性メモリ8に格納されるメインプログラム群のうち,復号エンジン・プログラムはその処理実行の頻度が高く,このため揮発性メモリ8の常駐領域に格納され(ステップ44),これによって揮発性メモリ8に復号エンジン14が構築される。残りのクライアント・プログラム,Webサーバ・プログラム,ディスクチェック・プログラムおよび暗号化設定ファイルについては揮発性メモリ8の非常駐領域に格納される。もっとも,これらクライアント・プログラム,Webサーバ・プログラム,ディスクチェック・プログラムおよび暗号化設定ファイルのうちのいずれかまたはすべてを揮発性メモリ8の常駐領域に格納してもよい。
暗号化設定ファイルが復号される(ステップ45)。暗号化設定ファイルを復号するための共通鍵はクライアント・プログラム(専用ビュワー・プログラム)に記述されており,この記述(共通鍵)が用いられて暗号化設定ファイルが復号され,設定ファイル35(図4)が生成される。暗号化設定ファイルの復号には復号エンジン14を用いることができる。復号によって生成される設定ファイル35は揮発性メモリ8の常駐領域に格納してもよい。
次に,起動条件を満たすかどうか,換言すると,オリジナルの暗号化プロテクトCD−ROM10が光ディスク・ドライブ5に装填されたかどうかがディスクチェック・プログラムによって判断される(ステップ46)。ディスクチェック・プログラムが起動され,揮発性メモリ8にディスクチェック部13が構築される。
図7はディスクチェック部13の処理(ディスクチェック・プログラムの処理)の一例を示すフローチャートである。
ディスクチェック部13は,オリジナル(正規の)記録媒体が用いられているかどうかを判断し,オリジナル記録媒体が用いられていないことが判断されたときにエラーを出力する。エラーが出力された場合には,以降の処理(Webサーバ・プログラムの起動処理)は行われず,プロテクトシステム1は動作しないことになる(図5のステップ46でNO,ステップ47)。
図7に示すフローチャートは,オリジナル記録媒体がCD−ROMを含むプレス品(読み取り専用光ディスク)であるときのディスクチェック部13の処理を示している。
はじめにディスクチェック・プログラムが光ディスク・ドライブから実行されたかどうかが判断される(ステップ71)。ディスクチェック・プログラムが実行(起動,読み出し)されたドライブが光ディスク・ドライブであるかどうかは,たとえばオペレーティング・システムに用意されているドライブの種類を特定するためのコマンドによって調べることができる。
オリジナル記録媒体がCD−ROMであってオリジナル(正規)のCD−ROMが光ディスク・ドライブに装填されていれば,ディスクチェック・プログラムは光ディスク・ドライブから実行され,ディスクチェック・プログラムが実行(起動)されたドライブが光ディスク・ドライブであることが特定される。この場合には次の処理に進むことになる(ステップ71でYES )。他方,ディスクチェック・プログラムが光ディスク・ドライブではないドライブ(たとえば,ハードディスク・ドライブ,USBドライブなど)か,または不明なドライブ(少なくとも光ディスク・ドライブであることが確認できないドライブ)から実行された場合であれば,ディスクチェック部13はエラーを出力する(ステップ71でNO,ステップ73)。
ディスクチェック・プログラムが光ディスク・ドライブから実行されたことが判断されると,次にディスクチェック・プログラムが書込み不可能な光ディスクから実行されたかどうか,すなわち光ディスク・ドライブに装填された光ディスクがCD−ROM,DVD−ROM,BD−ROMといったプレス品であるかどうかが判断される。書込可能なディスク,たとえばCD−R,CD−RW,DVD−R,DVD−RW,DVD−RAM,DVD+R,DVD+RW,BD−R,BD−REなど(非プレス品の光ディスク)であれば,ディスク種類があらかじめディスクに書き込まれているので,これに基づいて書込み可能ディスクであることを判断することができる。書込可能な光ディスクであることが判断された場合にもエラーが出力される(ステップ72でNO,ステップ73)。書込み可能な光ディスクではない,すなわち書込み不可能な光ディスクであると判断されると,Webサーバ・プログラムの起動処理に進む(ステップ72でYES,ステップ46でYES,ステップ48)。コピー先媒体の使用を強力に制限することができる。
図8および図9はディスクチェック部13の他の例を示すフローチャートであり,オリジナル記録媒体がDVD−R,DVD−RW,BD−RまたはBD−RWであるときの処理を示している。
オリジナル記録媒体がDVD−R,DVD−RW,BD−RまたはBD−RWであれば,これらの記録媒体の規格に定められている所定領域にあらかじめオリジナル記録媒体であることを示す情報を記録しておき,これをオリジナル記録媒体が用いられているかどうかの判断に用いることもできる。
図8を参照して,図8はDVD−R,DVD−RW,BD−RおよびBD−RWが備えるプレ記録ブロック(pre-recorded block)を用いる場合のフローチャートである。オリジナル記録媒体がDVD−R,DVD−RW,BD−RまたはBD−RWであれば,これらはプレ記録ブロックをリードイン領域の先頭に備えている。プレ記録ブロックには記録媒体を製造したときに情報が記録され,たとえば記録媒体の製造会社(manufacture )を特定するためのIDを記録することができる。このプレ記録ブロックにあらかじめ所定の情報(たとえばオリジナル記録媒体であることを示す情報)が記録される。
プレ記録ブロックの読み込みができれば(存在すれば)次の処理に進み(ステップ73でYES ),できなれければエラーが出力される(ステップ73でNO,ステップ75)。さらに読み込まれたプレ記録ブロックにオリジナル記録媒体であることを示す情報が記録されていれば,Webサーバ・プログラムの起動処理に進み(ステップ74でYES,ステップ46でYES,ステップ48),記録されていなければエラーが出力される(ステップ74でNO,ステップ75)。エラーが出力された場合には,上述と同様に,以降の処理(Webサーバ・プログラムの起動処理)は行われず,プロテクトシステム1は動作しない。
ディスクチェック・プログラム中に,プレ記録ブロックに記録されるオリジナル記録媒体であることを示す情報と同じ情報または対応する情報を記述しておくことによって,プレ記録ブロックにオリジナル記録媒体であることを示す情報が記録されているかどうかの判断(ステップ74)を実現することができる。もっとも,プレ記録ブロックに上述したプロテクト信号を記録し,プロテクト信号をオリジナル記録媒体であることを示す情報として用いることもできる。プロテクト信号は光ディスク・ドライブ5がエラーを出力する信号であるから,エラーが出力されたとき(このとき出力されるエラーは,ステップ75で出力されるエラーと区別されるのは言うまでもない)にオリジナル記録媒体であることが判断される。
図9を参照して,図9はDVD−R,DVD−RW,BD−RおよびBD−RWが備えるRMA(Recording Management Area)を用いる場合のフローチャートである。
オリジナル記録媒体がDVD−R,DVD−RW,BD−RまたはBD−RWであれば,これらはRMAをリードイン領域の前方に備えている。RMAは典型的には光ディスク記録装置(レコーダ)のベンダーを特定するためのID等を記録するために用いられる。オリジナル記録媒体であることを示す情報は,光ディスク記録装置(レコーダ)を用いてオリジナル記録媒体(ここでは,DVD−R,DVD−RW,BD−RまたはBD−RW)に上述したメインプログラム群およびコンテンツ群を記録するときにRMAに記録することができる。
RMAの読み込みができれば(存在すれば)次の処理に進み(ステップ76でYES ),できなれければエラーが出力される(ステップ76でNO,ステップ78)。さらに読み込まれたRMAにオリジナル記録媒体であることを示す情報が記録されていれば,Webサーバ・プログラムの起動処理に進み(ステップ77でYES,ステップ46でYES,ステップ48),記録されていなければエラーが出力される(ステップ77でNO,ステップ78)。エラーが出力された場合には,上述と同様に,以降の処理(Webサーバ・プログラムの起動処理)は行われず,プロテクトシステム1は動作しない。
図5に戻って,オリジナル記録媒体と異なる媒体が用いられていることが判断されると,表示装置3の表示画面にダイヤログが表示されて以降の処理は行われない(ステップ46でNO,ステップ47)。たとえば,オリジナル記録媒体の種類がCD−ROMであるが,CD−ROMの内容がUSBメモリにコピーされ,USBメモリからディスクチェック・プログラムを含むメインプログラム群が読み出されたとする。この場合,ディスクチェック部13は,オリジナル記録媒体(CD−ROM)が用いられていないことを判断し,その後の処理が中止される。コピー先の記録媒体を用いた処理が中止されるので,オリジナル記録媒体に記録されている暗号化ファイルを強力に保護する(情報漏洩の防止を図る)ことができる。
上述したオリジナル記録媒体が用いられているかどうかの判断に加えて,パスワードなどを用いた起動条件の判断を行ってもよい。たとえば,ユーザにパスワードの入力を求め,これがディスクチェック・プログラムにあらかじめ記述されているパスワードと合致するときにその後の処理に進み,合致しないときにはその後の処理を禁止することもできる。
起動条件を満たすと(ステップ46でYES ),Webサーバ・プログラムが起動され,揮発性メモリ8にWebサーバ部11が構築される(ステップ48)。Webサーバ部11の構築のときに,クライアント部(専用ビュワー)12からの接続を受け付けるためのポート番号の設定等が行われる。
また,起動条件を満たすと,クライアント部(専用ビュワー)12によって,表示装置3にGUI(グラフィカル・ユーザ・インターフェース)(ブラウザ画面)が表示される(ステップ49)。
クライアント部(専用ビュワー)12からWebサーバ部11への接続処理が行われる(ステップ51)。クライアント・プログラムにはWebサーバ部11への接続に必要なデータ(たとえば上述したポート番号など)があらかじめ記述されており,クライアント部(専用ビュワー)12をWebサーバ部11に接続するためのユーザによる設定は必要とされない。クライアント部12はWebサーバ部11だけに接続され,たとえばインターネットに接続された他のWebサーバには接続されない。
さらに,クライアント・プログラムにはトップページを表すファイルを特定する相対パス(指定URL)が記述されており,この相対パス(典型的にはトップページのindex.htmlデータ)がWebサーバ部11にリクエストされる(ステップ52)。リクエストされる相対パスは,暗号化プロテクトCD−ROM10に記録されている暗号化ファイルのうちの一つを特定するものであるのは言うまでもない。
Webサーバ部11は,クライアント部(専用ビュワー)12からトップページのリクエストを受け付けると,リクエストされたファイルのファイル情報を,上述した設定ファイル35(図4)において参照する(ステップ53)。
設定ファイル35には,上述したように,暗号化プロテクトCD−ROM10に記録されているコンテンツ群に含まれるすべてのファイルのそれぞれについて,暗号化モード,ファイルサイズおよびファイル名を含む相対パス(URL)が記述されている。クライアント部(専用ビュワー)12からのリクエストに含まれる相対パスによって特定されるファイルについて,それが暗号化ファイルであるか,平文ファイルであるかが判断される(ステップ54)。
リクエストされた相対パスによって特定されるファイルが平文ファイルであれば,Webサーバ部11はリクエストされた平文ファイルを暗号化プロテクトCD−ROM10から読み出し,クライアント部(専用ビュワー)12にそのまま出力する(ステップ54で平文ファイル,ステップ55)。
他方,リクエストされた相対パスによって特定されるファイルが暗号化ファイルであれば,Webサーバ部11は,リクエストされた暗号化ファイルを暗号化プロテクトCD−ROM10から読み出し,クライアント部(専用ビュワー)12ではなく,復号エンジン14に出力する(ステップ54で暗号化ファイル,ステップ56)。
このようにWebサーバ部11は,設定ファイル35に記載の相対パスを用いてリクエストされたファイルにアクセスするので,設定ファイル35の記述によって,Webサーバ部11のアクセス先を暗号化プロテクトCD−ROM10に限定することができる。すなわち,Webサーバ部11を,暗号化プロテクトCD−ROM10に記憶されているファイルのみを読み出すものとして機能させることができる。
上述した復号処理が復号エンジン14において実行される(ステップ57,図3参照)。
復号エンジン14は,復号によって生成された平文ブロック(復号平文ブロック)を順次Webサーバ部11に出力する(ステップ58)。復号平文ブロックを受け取ったWebサーバ部11がそれを順次クライアント部12に出力する(ステップ59)。クライアント部12においてレンダリング処理されることで,復号平文ブロックに基づくコンテンツがストリーミング再生される(ステップ60)。
復号された平文ブロックのブロック数に 512を乗算した値が,リクエストされた暗号化ファイルのファイルサイズを超えたかどうかが判断される(ステップ61)。ファイルサイズを超えていない場合,まだ復号処理を終えていない暗号化ブロックが存在することを意味する。暗号化ブロックの復号が継続される(ステップ61でNO,ステップ57〜60)。
復号された平文ブロックのブロック数に 512を乗算した値がファイルサイズを超えた場合,リクエストされた暗号化ファイルを構成するすべての暗号化ブロックの復号処理を終えたことを意味する(ステップ61でYES)。
たとえばhtmlファイルの場合,htmlファイルには,htmlファイルによって表されるページを構成する複数の他のファイルの相対パス(URL)が一般には記述されている。それらの他のファイルについての処理が終えたかどうかがWebサーバ部11によって判断される(ステップ62)。htmlファイル中に記述された相対パスによって特定されるファイルについても,上述と同じ処理が行われる(ステップ62でNO,ステップ53)。htmlファイル中に記述された相対パスによって特定されるファイルも,暗号化プロテクトCD−ROM10に記録されているのは言うまでもない。すべてファイルについての復号処理(およびレンダリング処理)を終えることで,クライアント部(専用ビュワー)12によってhtmlファイルによって表されるページ全体が表示装置3に表示されることになる。リクエストされたファイル(ここではhtmlファイル)によって表されるページの表示に関するプロテクトシステム1の処理が終了する(ステップ62でYES)。
図10は,クライアント部(専用ビュワー)12によって表示装置3に表示されるグラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)画面(ブラウザ画面)80の一例を示している。たとえばGUI画面80に含まれる画像84が,上述のブロック単位の復号処理を経ることによって一部ずつ順次復号されかつ表示される。なお,ファイルサイズが小さければ,ブロック単位の復号および再生が行われていることにはほとんど気付くことができない速度で再生処理(表示処理)は行われる。
上述したように,クライアント部(専用ビュワー)12はWebサーバ部11だけに接続されて用いられ,たとえばインターネットに接続された他のWebサーバには接続されない。このため,GUI画面80は一般的なブラウザに設けられるURL入力欄(アドレス表示欄)を持たない。また,GUI画面80には一つ前のページに戻るためのバックボタン81,画面表示されている画像をプリンタからプリントするためのプリントボタン82,およびトップページに戻るためのホームボタン83の3つのボタンのみが設けられ,一般的なブラウザに設けられるその他のボタンやメニューも持たない。なお,プリントボタン82もGUI画面80に表示されないようにし,画面表示される暗号化ファイルの内容をクライアント部(専用ビュワー)12を用いてプリントアウトできないようにしてもよい。
表示されるページにハイパーリンクが設けられている場合,そのリンクがクリックされることで,新たな相対パス(URL)を含むリクエストがクライアント部12からWebサーバ部11に送られる。新たな相対パスによって特定されるファイルが暗号化ファイルであれば,その暗号化ファイルについても,上述した復号エンジン14による復号処理が行われることになる。
上述した実施例では,オリジナルの記録媒体がCD−ROMであるとして説明したが,DVD−ROM,BD−ROMであってもよく,CD−R,CD−RW,DVD−R,DVD−RW,BR−R,USBメモリ等の書込み可能な記録媒体であってもよい。
1 暗号化プロテクト動作システム
4 制御装置
5 光ディスク・ドライブ
8 揮発性メモリ
10 暗号化プロテクトCD−ROM
11 Webサーバ部
12 クライアント部(専用ビュワー)
13 ディスクチェック部
14 復号エンジン
4 制御装置
5 光ディスク・ドライブ
8 揮発性メモリ
10 暗号化プロテクトCD−ROM
11 Webサーバ部
12 クライアント部(専用ビュワー)
13 ディスクチェック部
14 復号エンジン
Claims (9)
- 可搬型記録媒体と,上記可搬型記録媒体が装着されたときに揮発性メモリに一時的に構築されるサーバ部,復号エンジンおよびクライアント部とを備え,
上記可搬型記録媒体に,平文コンテンツを所定データ長の平文コンテンツ・ブロックごとに暗号化した暗号化コンテンツが記録されており,
上記復号エンジンは,
上記暗号化コンテンツをブロック単位で復号する復号手段,および
ブロック単位で復号された平文コンテンツ・ブロックを,上記暗号化コンテンツ全体の復号を待たずに上記サーバ部に順次出力する第1の出力手段を備え,
上記サーバ部は,
上記復号エンジンから出力された平文コンテンツ・ブロックを,ブロック単位で上記クライアント部に順次出力する第2の出力手段を備え,
上記クライアント部は,
上記サーバ部から出力された平文コンテンツ・ブロックをストリーミング再生する再生手段を備えている,
暗号化プロテクト動作システム。 - 上記可搬型記録媒体に,上記サーバ部,復号エンジンおよびクライアント部を揮発性メモリに構築するためのプログラムが記録されている,
請求項1に記載の暗号化プロテクト動作システム。 - 上記クライアント部は,上記揮発性メモリに一時的に構築される上記サーバ部のみに接続可能に構成されている,
請求項1に記載の暗号化プロテクト動作システム。 - 上記サーバ部は,上記可搬型記録媒体に記録されているコンテンツのみを読み出し可能に構成されている,
請求項1に記載の暗号化プロテクト動作システム。 - 上記可搬型記録媒体が装着されたときに上記揮発性メモリに一時的に構築されるチェック部をさらに備え,
上記チェック部は,
装着された上記可搬型記録媒体があらかじめ定められた種類の可搬型記録媒体かどうかを判断する第1の判断手段を備え,
上記第1の判断手段によって,装着された上記可搬型記録媒体があらかじめ定められた種類のものであると判断された場合に,上記サーバ部,復号エンジンおよびクライアント部の上記揮発性メモリにおける構築が許容され,上記判断手段によって,装着された上記可搬型記録媒体があらかじめ定められた種類のものではないと判断された場合に,上記サーバ部,復号エンジンおよびクライアント部の上記揮発性メモリにおける構築が中止される,
請求項1に記載の暗号化プロテクト動作システム。 - 上記第1判断手段によって装着された上記可搬型記録媒体があらかじめ定められた種類のものであると判断された場合に,オリジナルであることを示す情報が上記可搬型記録媒体に記録されているかどうかをさらに判断する第2の判断手段を備え,
上記第2の判断手段によってオリジナルであること示す情報が記録されていると判断された場合に,上記サーバ部,復号エンジンおよびクライアント部の上記揮発性メモリにおける構築が許容される,
請求項5に記載の暗号化プロテクト動作システム。 - 上記可搬型記録媒体に,読取装置がエラーを発生するプロテクト信号が記録されている,
請求項1に記載の暗号化プロテクト動作システム。 - 可搬型記録媒体と,上記可搬型記録媒体が装着されたときに揮発性メモリに一時的に構築されるサーバ部,復号エンジンおよびクライアント部とを備える,暗号化プロテクト動作システムの動作制御方法であって,
上記可搬型記録媒体に,平文コンテンツを所定データ長の平文コンテンツ・ブロックごとに暗号化した暗号化コンテンツが記録されており,
上記復号エンジンが,上記暗号化コンテンツをブロック単位で復号し,ブロック単位で復号した平文コンテンツ・ブロックを,上記暗号化コンテンツ全体の復号を待たずに上記サーバ部に順次出力し,
上記サーバ部が,上記復号エンジンから出力された平文コンテンツ・ブロックを,ブロック単位で上記クライアント部に順次出力し,
上記クライアント部が,上記サーバ部から出力された平文コンテンツ・ブロックをストリーミング再生する,
暗号化プロテクト動作システムの動作制御方法。 - 暗号化コンテンツと,コンピュータ装置に装着されたときに揮発性メモリにサーバ部,復号エンジンおよびクライアント部を一時的に構築するプログラムとが記録されており,
上記暗号化コンテンツが,平文コンテンツを所定データ長の平文コンテンツ・ブロックごとに暗号化したものであり,
上記復号エンジンが,
上記暗号化コンテンツをブロック単位で復号する復号手段,および
ブロック単位で復号された平文コンテンツ・ブロックを,上記暗号化コンテンツ全体の復号を待たずに上記サーバ部に順次出力する第1の出力手段としてコンピュータ装置を機能させるものであり,
上記サーバ部が,
上記復号エンジンから出力された平文コンテンツ・ブロックを,ブロック単位で上記クライアント部に順次出力する第2の出力手段としてコンピュータ装置を機能させるものであり,
上記クライアント部が,
上記サーバ部から出力された平文コンテンツ・ブロックをストリーミング再生する再生手段としてコンピュータ装置を機能させるものである,
コンピュータ装置を暗号化プロテクト動作システムとして機能させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016197941 | 2016-10-06 | ||
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ID=61907832
Family Applications (1)
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JP2017170959A Pending JP2018061241A (ja) | 2016-10-06 | 2017-09-06 | 暗号化プロテクト動作システムおよびその動作制御方法,ならびにコンピュータ装置を暗号化プロテクト動作システムとして機能させるプログラムを記録した可搬型記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2018061241A (ja) |
-
2017
- 2017-09-06 JP JP2017170959A patent/JP2018061241A/ja active Pending
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