JP2018060387A - 予兆診断装置及びそれを有する発電装置制御システム - Google Patents
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Abstract
Description
一般的に再生可能エネルギーシステムは、屋外環境下での20年から30年の耐用年数を想定して設計される。しかし、立地条件によっては、想定以上の外乱因子、例えば風力発電システムでは、風乱流強度やウィンドファームによる風車間の相互干渉の影響などによって、設計荷重を超過する疲労荷重が発生する場合がある。これによって発電設備の耐用年数が減少し、結果として、発電事業者の事業性を損ねる可能性がある。また、落雷や風雪等の偶発事象によって、発電装置を構成する部品群が想定よりも早期に劣化が進む場合があり、結果として、偶発故障の増加の要因となる。
特許文献1では、風車の荷重データを用いて、所定期間における風車の疲労損傷度を評価するための疲労等価荷重を算出する疲労等価荷重算出部、及び、疲労等価荷重と風車の耐用年数に応じて決定される基準荷重とを比較し、その差分が所定の閾値を超えていた場合に、現在採用されている運転制限の条件設定値を該差分に応じて更新する設定値更新部を備える風車の運転制限調整装置が開示されている。そして、特許文献1では、上記疲労等価荷重算出部は、レインフローカウント法を用いて、疲労等価荷重を所定の期間(例えば、1年間)にわたって積分することで、年間における疲労等価荷重を風向毎に算出し、次に、風向毎に算出された年間の疲労等価荷重を風車の耐用年数で決定される基準荷重とそれぞれ比較し、これらの比較結果から事前検討において決定された初期条件設定値が適切であるか否かを判断し、適切でなかった場合には、上記初期条件設定値を更新する旨記載されている。
また、本発明に係る発電制御システムは、発電装置を構成する機器に設置されるセンサ、少なくとも前記センサからのセンサ信号に基づき縮退運転の要否を判定する予兆診断装置と、前記予兆診断装置から出力される制御変数に基づき前記発電装置を制御する発電装置制御器と、を備え、前記予兆診断装置は、前記発電装置を縮退運転させる縮退期限及び前記センサからのセンサ信号が入力される入力部と、前記発電装置を制御するための制御変数を出力する出力部と、演算部と、を有し、前記演算部は、少なくとも発電装置の運転状態を表す前記センサからのセンサ信号及び入力された縮退期限に基づき、前記発電装置を構成する機器の正常な運転状態からの乖離度及び当該乖離度の変化速度を求め、求めた前記乖離度及び前記乖離度の変化速度に基づき少なくとも縮退運転の要否を判定し、縮退運転が必要な場合に、前記乖離度及び乖離度の変化速度に基づき前記乖離度の変化が運転状況に応じて設定される縮退期間以内で所定の変化範囲内に抑制するよう前記発電装置の制御変数を更新することを特徴とする。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
なお、縮退期限は、常時入力される必要は無く、演算部12に過去に入力された情報に変更がなければ記憶部(図示せず)に継続して記憶保持しても良い。すなわち、縮退期限は、風力発電装置2aの定期保守計画に基づく日付群を風力発電装置2aの運転開始時に設定しても良いし、定期保守時に次回実施予定の日付を設定しても良い。また、後述する予兆診断機能によって、正常状態からの乖離を検出した機器の乖離状態を是正するための、保守作業員、保守作業に用いられるクレーン等の機材の準備可能日、交換機器或は機器を構成する部品の入手可能日、さらには、気候などの外部要因によって決定される日時のうち、少なくとも一つを考慮した日付、すなわち、正常状態からの乖離を検出した部品或は機器の保守が実施可能となる日付を、操作端末7を用いて随時設定しても良い。
風力発電装置2aが健全な状態と定義し得る状態において、本来得られるべき監視用センサ5より出力されるセンサ信号の特徴量を予兆診断機能によって予め学習などさせ、乖離度の基準を作成する。この基準に基づき、健全な状態から乖離していると判断すべき最小の乖離度をA、十分に乖離していると判断すべき乖離度をB、乖離が大きく直ちに風力発電装置2aを停止させなければ、他の機器の機能や寿命に影響を及ぼし得る乖離度をCと定義し、これら乖離度A〜乖離度Cを、それぞれ閾値A〜閾値Cとして、予め閾値記憶部14に格納する。運用上必要であれば上述の閾値A〜閾値Cに加え、さらに細分化して乖離度の閾値を定義しても良い。
演算部12は、閾値記憶部14に格納されている閾値と求めた乖離度とを比較し、比較結果に基づき以下の(1)〜(3)のうち何れかの動作を実行する。
(1)求めた乖離度が閾値Aに達していた場合、演算部12は、出力部13及び通信ネットワーク8を介して操作端末7の表示装置(図示せず)の画面上に軽乖離の警報を発し、風力発電装置2aの運用者に注意を喚起する。
(2)求めた乖離度が閾値Bに達していた場合、演算部12は、出力部13及び通信ネットワーク8を介して操作端末7の表示装置(図示せず)の画面上に中乖離の警報を発すると共に、縮退運転が必要と判定し縮退運転を開始する。
(3)求めた乖離度が閾値Cに達していた場合、演算部12は、出力部13及び通信ネットワーク8を介して操作端末7の表示装置(図示せず)の画面上に重乖離の警報を発すると共に、風力発電装置2aの運転を停止する。
(1)乖離度の基準変化速度(ΔD/ΔT)に対し乖離度の変化速度(Δd/Δt)が大きい場合は、縮退期限以前に重乖離レベルの閾値Cに到達する可能性があるため、縮退強弱要求を「強め」とする。
(2)一方、乖離度の基準変化速度(ΔD/ΔT)に対し乖離度の変化速度(Δd/Δt)が小さい場合には、縮退期限以降に重乖離レベルの閾値Cに到達すると見込まれるため、縮退強弱要求を「弱め」とする。
縮退強弱要求が「強め」の場合には、縮退運転の度合いを強める。すなわち、通常の発電運転における制御変数から遠ざかる方向に制御変数を変更し、風力発電装置2aを健全と見做し得る状態からの乖離の進展を遅くするようにする。具体的には、例えば、制御変数に含まれる制御ゲインを通常の発電運転時における制御ゲインから変更し、当該変更した制御ゲインによって得られた制御指令を発電装置制御器3へ出力する。これにより、所望の縮退期限まで風力発電装置2aを稼動し続けることが可能となる。
一方、縮退強弱要求が「弱め」の場合には、縮退運転の度合いを弱める。すなわち、通常の発電運転における制御変数に近づく方向に制御変数を変更し、風力発電装置2aを健全と見做し得る状態からの乖離の進展を早めるようにする。具体的には、例えば、制御変数に含まれる制御ゲインを通常の発電運転時における制御ゲインに近づけ、当該変更した制御ゲインによって得られた制御指令を発電装置制御器3へ出力する。これにより、所望の縮退期限まで風力発電装置2aを稼動し続けることが可能となると共に、不要な縮退運転を抑制することで、発電量を確保することが可能となる。
また、本実施例では、監視用センサ5より出力されるセンサ信号を、信号線を介して予兆診断装置10の入力部11へ出力する構成としたがこれに限られるものでは無い。例えば、発電装置制御器3としてSCADAを用い、SCADAが監視用センサ5より出力されるセンサ信号を収集し、収集されたセンサ信号を予兆診断装置10の入力部11へ出力する構成としても良い。
また、本実施例によれば、発電装置のセンサ信号を継続的に把握すれば良く、時系列データの累積は不要である。このため、センサ故障或は通信障害に対してロバストである。
また、縮退期限を定め、予兆診断装置より求める乖離度の変化速度から、縮退期限での乖離度の超過可否を判定し、適宜発電装置の制御を変更する縮退運転を実行することで、発電装置の状況に応じて最も控え目な縮退運転で所定の縮退期日まで運転を継続することができ、縮退運転による発電量の減少を最小とし、且つ、発電装置の稼働率を損なわない。これにより、故障停止に陥った場合に好風況が発生した場合の発電機会の損失を回避することが可能となる。
図4に示すように、本実施例に係る発電制御システム1では、予兆診断装置10を構成する入力部11には、風力発電装置2aに設置される制御用センサ4からのセンサ信号、及び風力発電装置2aの運用者により入力装置(図示せず)を介して操作端末7へ入力され通信ネットワーク8を介して縮退期限が入力される。入力部11は、入力されたセンサ信号に対して、各種フィルタリング処理又は包絡線処理によるノイズ除去、或はフーリエ変換に代表される周波数解析やウェブレット変換による時間―周波数解析などを実行し、風力発電装置2aの運転状態の特徴を示す物理量を抽出する。予兆診断装置10を構成する、演算部12、出力部13、及び閾値記憶部14は、上述の実施例1と同様であるため、ここでは説明を省略する。
なお、本実施例では、縮退期限を操作端末7の図示しない入力装置より入力する構成としたがこれに限られるものでは無い。例えば、予兆診断装置10に入力装置を設け、当該入力装置より入力部11へ縮退期限を入力する構成としても良く、また、風力発電装置2aに入力装置を設け、当該入力装置より入力される縮退期限を、予兆診断装置10を構成する入力部11へ出力する構成としても良い。
また、本実施例では、制御用センサ4より出力されるセンサ信号を、信号線を介して予兆診断装置10の入力部11へ出力する構成としたがこれに限られるものでは無い。例えば、発電装置制御器3としてSCADAを用い、SCADAが制御用センサ4より出力されるセンサ信号を収集し、収集されたセンサ信号を予兆診断装置10の入力部11へ出力する構成としても良い。
一方で、例えば、風力発電装置2aの運転制御おいて制御対象としないセンサ項目として、ナセル22内の温度などがある。ナセル22内に配される風力発電装置2aを構成する機器の温度上昇(温度変化)は時定数の長い物理現象であることから、ナセル22内の温度など取得する監視用センサ5のセンサ信号の取得間隔、すなわち、サンプリング周期は長く設定される特徴がある。ナセル22内の温度変化は時定数が長い現象であるため、軽微な乖離による影響が累積して物性値、すなわち、ナセル22内の温度変化として現れる可能性がある。
また、本実施例では、制御用センサ4より出力されるセンサ信号を、信号線を介して予兆診断装置10の入力部11へ出力する構成としたがこれに限られるものでは無い。例えば、発電装置制御器3としてSCADAを用い、SCADAが制御用センサ4より出力されるセンサ信号を収集し、収集されたセンサ信号を予兆診断装置10の入力部11へ出力する構成としても良い。
一方で、例えば、風力発電装置2aの運転制御おいて制御対象としないセンサ項目として、ナセル22内の温度などがある。ナセル22内に配される風力発電装置2aを構成する機器の温度上昇(温度変化)は時定数の長い物理現象であることから、ナセル22内の温度など取得する監視用センサ5のセンサ信号の取得間隔、すなわち、サンプリング周期は長く設定される特徴がある。ナセル22内の温度変化は時定数が長い現象であるため、軽微な乖離による影響が累積して物性値、すなわち、ナセル22内の温度変化として現れる可能性がある。
図7に示すように、縮退運転方法記憶部15は、例えば、「損傷部位(事象)」欄及び「乖離度」欄よりなる第1領域16、及び、縮退運転方法(運転に関するパラメータ)の候補を示す、「発電機(ロータ)最大回転数[rpm]」欄、「発電機(ロータ)最大回転数変化速度[Δrpm]」欄、「発電機最大出力[W]」欄、及び「ピッチ角 最大ピッチ角変化速度[Δrad」欄を含む第2領域17からなるテーブル形式のデータ構造を有する。
出力=回転速度×トルク ・・・(1)
また、回転を伴う部品の寿命は、一般的に、以下の式(2)に示すようにトルクの累乗と回転数の累乗の積に比例する。
寿命∝(回転速度)x×(トルク)y ・・・(2)
例えば、軸受の寿命は、国際規格ISOなどによると、以下の式(3)で表現される。
寿命∝(回転速度)−1×(トルク)−3 ・・・(3)
図8は、風力発電装置2aにおける運転カーブを示す図である。横軸に回転速度(rpm)、縦軸にトルク(N・m)を取り曲線として運転カーブが示される。一般的に図8に示すように、風力発電装置2aは回転速度とトルクの関係を満たすように制御され、ハッチングにて示される運転領域(1)では、ブレード24の流体力学的な効率を最大化するような運転点で発電運転が実施され、風力発電装置2aの定格速度に到達した時点では、ブレード24の流体特性を犠牲にし、トルクを取ることで発電量を増加させるように発電運転が実施される。換言すれば、回転速度は定格速度で一定とし、トルクを増加させることで発電量を増加させる。ブレード24の流体力学的な最大効率点を逸脱した運転を採用する場合には、回転速度については、回転運動による構造体の遠心荷重による耐量や電力変換器30の対応最大周波数等が上限制約であり、トルクについては、同様にトルク荷重及び電力変換器30のトルクに比例して大きくなる電流量が上限制約となる。
また、風力発電装置2aを構成するブレード24については、算出された乖離度が閾値C未満であることを示す「<C」と対応する縮退運転方法の候補として、「発電機(ロータ)最大回転数[rpm]」欄には通常の運転状態(定格運転状態)に対する縮退運転度合いを示す「×0.25」、「発電機(ロータ)最大回転数変化速度[Δrpm]」欄には通常の運転状態(定格運転状態)に対する縮退運転度合いを示す「×0.5」、「発電機最大出力[W]」欄には通常の運転状態(定格運転状態)に対する縮退運転度合いを示す「×0.25」、及び「ピッチ角 最大ピッチ角変化速度[Δrad」欄には、通常の運転状態(定格運転状態)に対する縮退運転度合いを示す「×0.25」がハッチング表示されている。
本実施例では、縮退期限を操作端末7の図示しない入力装置より入力する構成としたがこれに限られるものでは無い。例えば、予兆診断装置10に入力装置を設け、当該入力装置より入力部11へ縮退期限を入力する構成としても良く、また、風力発電装置2aに入力装置を設け、当該入力装置より入力される縮退期限を、予兆診断装置10を構成する入力部11へ出力する構成としても良い。
また、本実施例では、制御用センサ4より出力されるセンサ信号を、信号線を介して予兆診断装置10の入力部11へ出力する構成としたがこれに限られるものでは無い。例えば、発電装置制御器3としてSCADAを用い、SCADAが制御用センサ4より出力されるセンサ信号を収集し、収集されたセンサ信号を予兆診断装置10の入力部11へ出力する構成としても良い。
また、本実施例では、図7に示したように、縮退運転方法記憶部15がテーブル形式のデータ構造を有する場合を示したが、これに代えて、関数として格納する構成としても良い。
また、本実施例によれば、風力発電装置2aの運用者による縮退運転方法の選択が可能となることから、風力発電装置2aの運用者の意図に応じた縮退運転を実施することが可能となる。
2・・・発電装置
2a・・・風力発電装置
3・・・発電装置制御器
4・・・制御用センサ
5・・・監視用センサ
6・・・動作履歴記憶部
7・・・操作端末
8・・・通信ネットワーク
10・・・予兆診断装置
11・・・入力部
12・・・演算部
13・・・出力部
14・・・閾値記憶部
15・・・縮退運転方法記憶部
16・・・第1領域
17・・・第2領域
21・・・タワー
22・・・ナセル
23・・・ハブ
24・・・ブレード
25・・・主軸
26・・・シュリンクディスク
27・・・増速機
28・・・発電機
29・・・メインフレーム
30・・・電力変換器
31・・・表示画面
32・・・第1表示領域
33・・・第2表示領域
Claims (15)
- 発電装置の運転状態を取得するセンサ信号及び発電装置を縮退運転させる縮退期限が入力される入力部と、前記発電装置を制御するための制御変数を出力する出力部と、演算部と、を備え、
前記演算部は、少なくとも発電装置の運転状態を表すセンサ信号及び入力された縮退期限に基づき、前記発電装置を構成する機器の正常な運転状態からの乖離度及び当該乖離度の変化速度を求め、求めた前記乖離度及び前記乖離度の変化速度に基づき少なくとも縮退運転の要否を判定し、縮退運転が必要な場合に、前記乖離度及び乖離度の変化速度に基づき前記乖離度の変化が運転状況に応じて設定される縮退期間以内で所定の変化範囲内に抑制するよう前記発電装置の制御変数を更新することを特徴とする予兆診断装置。 - 請求項1に記載の予兆診断装置において、
前記演算部は、前記発電装置が運転される所定期間における前記乖離度の増減量を、前記所定期間で除して前記乖離度の変化速度を求めることを特徴とする予兆診断装置。 - 請求項2に記載の予兆診断装置において、
前記演算部は、前記算出された前記乖離度及び前記乖離度の変化速度と、所望の値若しくはその組合せで設定される一つ以上の閾値とを比較し、比較結果に基づき縮退運転の要否を判定することを特徴とする予兆診断装置。 - 請求項2に記載の予兆診断装置において、
前記演算部は、前記算出された前記乖離度及び前記乖離度の変化速度と、所望の値若しくはその組合せで設定される一つ以上の閾値とを比較し、比較結果に基づき縮退強弱要求を判定することを特徴とする予兆診断装置。 - 請求項3又は請求項4に記載の予兆診断装置において、
前記センサ信号は、前記発電装置の制御に用いる制御用センサ信号及び/又は前記発電装置を構成する機器の状態を監視する監視用センサ信号であることを特徴とする予兆診断装置。 - 請求項5に記載の予兆診断装置において、
前記発電装置を構成する機器毎に、前記算出された乖離度と前記閾値との比較結果、及び複数の縮退運転方法の候補を対応付けて格納する縮退運転方法記憶部を備え、
前記出力部は、前記演算部による乖離度と閾値との比較結果に対応する縮退運転方法を前記縮退運転方法記憶部より読み出し、当該読み出された縮退運転方法に基づき前記発電装置の制御変数を更新することを特徴とする予兆診断装置。 - 発電装置を構成する機器に設置されるセンサ、少なくとも前記センサからのセンサ信号に基づき縮退運転の要否を判定する予兆診断装置と、前記予兆診断装置から出力される制御変数に基づき前記発電装置を制御する発電装置制御器と、を備え、
前記予兆診断装置は、前記発電装置を縮退運転させる縮退期限及び前記センサからのセンサ信号が入力される入力部と、前記発電装置を制御するための制御変数を出力する出力部と、演算部と、を有し、
前記演算部は、少なくとも発電装置の運転状態を表す前記センサからのセンサ信号及び入力された縮退期限に基づき、前記発電装置を構成する機器の正常な運転状態からの乖離度及び当該乖離度の変化速度を求め、求めた前記乖離度及び前記乖離度の変化速度に基づき少なくとも縮退運転の要否を判定し、縮退運転が必要な場合に、前記乖離度及び乖離度の変化速度に基づき前記乖離度の変化が運転状況に応じて設定される縮退期間以内で所定の変化範囲内に抑制するよう前記発電装置の制御変数を更新することを特徴とする発電制御システム。 - 請求項7に記載の発電制御システムにおいて、
前記演算部は、前記発電装置が運転される所定期間における前記乖離度の増減量を、前記所定期間で除して前記乖離度の変化速度を求めることを特徴とする発電制御システム。 - 請求項8に記載の発電制御システムにおいて、
前記演算部は、前記算出された前記乖離度及び前記乖離度の変化速度と、所望の値若しくはその組合せで設定される一つ以上の閾値とを比較し、比較結果に基づき縮退運転の要否を判定することを特徴とする発電制御システム。 - 請求項8に記載の発電制御システムにおいて、
前記演算部は、前記算出された前記乖離度及び前記乖離度の変化速度と、所望の値若しくはその組合せで設定される一つ以上の閾値とを比較し、比較結果に基づき縮退強弱要求を判定することを特徴とする発電制御システム。 - 請求項9又は請求項10に記載の発電制御システムにおいて、
前記センサ信号は、前記発電装置の制御に用いる制御用センサ信号及び/又は前記発電装置を構成する機器の状態を監視する監視用センサ信号であることを特徴とする発電制御システム。 - 請求項11に記載の発電制御システムにおいて、
前記予兆診断装置は、
前記発電装置を構成する機器毎に、前記算出された乖離度と前記閾値との比較結果、及び複数の縮退運転方法の候補を対応付けて格納する縮退運転方法記憶部を備え、
前記出力部は、前記演算部による乖離度と閾値との比較結果に対応する縮退運転方法を前記縮退運転方法記憶部より読み出し、当該読み出された縮退運転方法に基づき前記発電装置の制御変数を更新し、前記発電装置制御器へ出力することを特徴とする発電制御システム。 - 請求項12に記載の発電制御システムにおいて、
表示装置を備え、
前記表示装置の表示画面は、前記発電装置の出力曲線又は風速の時系列データに対する発電予測値を表示する第1表示領域と、前記発電装置を構成する機器毎に前記算出された乖離度と前記閾値との比較結果及び複数の縮退運転方法の候補を対応付けて表示する第2表示領域を有することを特徴とする発電制御システム。 - 請求項12に記載の発電制御システムにおいて、
前記予兆診断装置から出力される制御変数は、制御指令値への追従特性を決定付ける制御ゲイン、前記発電装置制御器内の内部変数若しくは内部変数の変化速度が特定の値の範囲に収まるように制限を課すための制限値又は特定の値の範囲になることを抑制するための制限値、及び、急峻な時間的変動或は特定周波数の変動を抑制するフィルタ特性を決定付けるフィルタ定数のうち、少なくとも一つを含むことを特徴とする発電制御システム。 - 請求項14に記載の発電制御システムにおいて、
前記運転状況に応じて設定される縮退期間は、前記予兆診断装置の演算部による演算時点の日時を始点日とし、予め定められた前記発電装置の定期保守計画のうち前記始点日以降であって前記入力された縮退期限に対応する日時を終点日としたとき、前記始点日から前記終点日までの期間であることを特徴とする発電制御システム。
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