JP2018060173A - コンタクトレンズ装着具 - Google Patents
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Abstract
Description
図1〜8を参照して、実施形態1のコンタクトレンズ装着具を説明する。図1〜3に示すように、実施形態1のコンタクトレンズ装着具10は、コンタクトレンズを載置する載置部11と、載置部11のコンタクトレンズ載置面23以外の部分に設けられた接続部としてのシャフト部材12と、シャフト部材12に接続された手の指で把持する把持部としての本体部材13を備えている。本体部材13は載置部11を側面側及び底面側から覆うような有底筒状の部材であり、コンタクトレンズ載置面23側に開口22有しており、底部18と、底部から開口22に向けて立ち上がった側部19と、側部19の開口22側に設けられたリップ部20を備えている。
本体部材13は透明または半透明の材料で形成されている。また、この材料は抗菌性を有することが望ましい。透明または半透明の材料としては樹脂材料が好ましく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、塩化ビニール、ポリスチレン、ABS樹脂、アクリル、ポリアミド、ポリカーボネート、四フッ化エチレン、ポリオレフィン、ポリウレタン、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、メラミン、不飽和ポリエステル、エポキシ等の樹脂材料が挙げられる。また、これらの樹脂に抗菌性を持たせるために、これらの樹脂に抗菌剤を添加することが望ましい。抗菌剤としては、銀錯体系抗菌剤(チオサルファイト銀錯体とシリカゲルから構成される抗菌剤)、無機系抗菌剤(銀ゼオライト、チオサルファイト銀錯体等)、有機系抗菌剤(ニトリル誘導体、イミダゾール誘導体、トリアジン誘導体、フェノールエーテル誘導体、ピロール誘導体等)等が挙げられる。シリコーン樹脂の中では例えばポリアミドシリコーン樹脂が抗菌剤の添加に適している。本体部材13は、公知の成型法、例えば、射出成型、真空成型、真空注型、圧空成型により作成することができる。
前記リップ部20は眼球の周りの顔の凹凸形状に合わせて成形されており、前記リップ部を眼球の周りの顔に宛がうと、前記リップ部20の滑らかな凹凸形状が顔の凹凸形状に一致するので、眼球の角膜に対して前記本体部材13を三次元的に位置合わせすることができる。また、前記リップ部20の材質は、前記本体部材13の他の部分よりも軟質な材質であることが望ましい。このような前記本体部材13を製造するためには、前記リップ部20を前記本体部材13の他の部分とは別に成形しておき、両者を接合させればよい。あるいは、前記リップ部20の部分だけを前記本体部材13の他の部分とは異なる材料とするように二色成形してもよい。このように軟質の材質で形成された前記リップ部は、眼球の周りの顔に密着するため、眼球の角膜の位置に対して前記本体部材13を正確に位置合わせすることができる。
また、コンタクトレンズ装着具10を右目に宛がうときには、図2〜3の向きからシャフト部材12を中心にして180°回転させた向きで使用する。
次に、本体部材13のリップ部以外の部位の形状について詳細に説明する。底部18は略円形である。底部から円筒状に側壁部が立ち上がり、開口22側では徐々にリップ部20の形状に一致するように外側に広がっている。図3に示すように、左側の広がりが一番大きく、次に右側の広がりが大きい、上側と下側では底部18の径と略同一の寸法となっている。また、この形状は一例であり、本体部材13の側部及び底部の形状は手で把持しやすいものであればどのような形状であってもかまわない。
底部18の中央部にはシャフト部材12を貫通するための貫通孔21が設けられている。貫通孔21の径はシャフト部材12をなめらかに摺動可能にする程度に設定されている。
次に、接続部としてのシャフト部材12の構造を説明する。シャフト部材12の開口22側の端部には載置部11が設けられ、他端にはつまみ16が設けられている。つまみ16はシャフト部材12よりも大径であり、後述するバネ部材17を受けるバネ受けとして作用する。つまみ16はシャフト部材12と一体に形成しても、別体としてもいずれでもかまわないが、後述のように、つまみ16のシャフト部材長さ方向の位置はシャフト部材のストロークを決定するので、つまみ16をシャフト部材12とは別体として、つまみ16のシャフト部材長さ方向の位置を調整できるようにしておくことが望ましい。
シャフト部材12の載置部11とつまみ16との間の部分は、本体部材13の底部18の貫通孔21と、スリーブ部材14とに貫通している。スリーブ部材14は円筒状の部材であり中心には貫通孔を有しており、この貫通孔にシャフト部材12を貫通した状態で、底部18よりも載置部11側、つまり、本体部材13の内部側に設けられている。このスリーブ部材14は、底部18に対して垂直に固定されており、シャフト部材12は底部18と垂直方向になめらかに摺動するように配置される。
また、スリーブ部材14は底部18の貫通孔21に嵌合するように固定されていてもよい。この場合には、シャフト部材12が直接貫通孔21に接触することがなく、スリーブ部材14のみに摺接することになり、シャフト部材12はスリーブ部材14に対して滑らかに可動できる。
また、図2では拡径部15の長さを比較的短い長さL1として示しているが、この長さを後述する初期状態におけるスリーブ部材14と載置部11との間の長さL2としてもよい。すなわち、拡径部15の長さは、L2以下の任意の長さとすることができる。
シャフト部材は図2では、つるまきバネであるバネ部材17の内側にシャフト部材12が配置されるものとして示されているが、必ずしも図2のとおりの配置でなくてもよく、例えば、シャフト部材の周囲にその内側にシャフト部材12が配置されるのではない態様でバネ部材17を配置してもかまわないし、バネ部材はつるまきバネ以外の弾性部材、例えば板バネ等でもかまわない。また、つまみ16側と本体部材13の底部18側の一方、または両方に適宜のバネ受けを設けてもよい。
L1:拡径部の長さ
L2:初期状態での載置部11とスリーブ部材との間の長さ
L3:初期状態での底部18とつまみ16との間の長さ
L4:載置部11に載置されたコンタクトレンズと眼球の角膜との初期状態での距離
ここで、「初期状態」とはつまみ16から手を離した状態をいう。初期状態ではバネ部材17によりシャフト部材12が載置部11とは反対方向に付勢されているので、載置部11が眼球の角膜から最も離れた状態となる。
L2':接触状態での載置部11とスリーブ部材との間の長さ
L3':接触状態での底部18とつまみ16との間の長さ
L5 :初期状態から接触状態までにつまみ16を押し込んだ距離
L6 :バネ部材17が最も縮まった時の長さ
ここで「接触状態」とは、つまみ16を押し込んで、眼球26にコンタクトレンズ27が触れた状態を示す。
一方、接触状態においては、バネ部材の付勢力に抗して手の指でつまみ16を載置部11側に押し込み、その押し込み距離がL5になったところで、載置部11に載置したコンタクトレンズ27が眼球26にちょうど接触する。したがって、接触状態とするためには、手の指でつまみ16を押し込む距離を調整すればよい。
接触状態からつまみ16をさらに押し込もうとすると、バネ部材17の長さがL6となったところで、バネ部材17が最も縮まった長さとなるので、それ以上つまみ16を押し込むことはできない。バネ部材17がリミッタの作用を持つ。この状態を「リミット状態」と呼び、この時の底部18とつまみ16との間の長さをL3''と定義する。したがって、載置部11に載置したコンタクトレンズのリミット状態での位置は、つまみ16のシャフト部材長さ方向の位置によって調整することができる。なお、ここではバネ部材17にリミッタの作用を持たせる例を説明したが、これに限らず、別途、シャフト部材が押し込まれすぎることを防ぐリミッタ部材を設けてもよい。
L3'':リミット状態での底部18とつまみ16との間の長さ
載置部11はシャフト部材12の開口22側に固定されており、コンタクトレンズ27はコンタクトレンズ載置面23に載置される。載置部11をシャフト部材の先端に固定する方法としては、ねじ留め、スナップ、凹凸嵌合、接着等が挙げられるところ、載置部11を交換できるように着脱自在に固定することが望ましい。載置部が着脱可能であると、載置部を取り外して洗浄することが可能である。また、載置部を交換することもできるので、新品への交換、コンタクトレンズの寸法に応じた交換等も可能であり、さらに、載置部を、コンタクトレンズを吸い付ける機能を有するものに交換すれば、コンタクトレンズの取外しや、コンタクトの装着と取外しの両方が可能である。コンタクトレンズを吸い付ける機能を有する載置部の構成の詳細については後述する。
そこで、載置部11の曲率半径を8.6mm〜8.7mm程度に設定しておけば、多くの使い捨てコンタクトレンズに対して、共通に使用することが可能である。
一方、ハードコンタクトレンズの場合には、BCの違いが使用者のフィット感に大きく影響する。そのため、ハードコンタクトレンズではBCの種類がきめ細かく用意されている。この場合、曲率半径が異なる載置部11を複数種類用意しておき、コンタクトレンズのBCに応じて載置部11を交換することができる。あるいは、後述のように載置部に設けられた突起群の高さにより、コンタクトレンズのBCに応じた調整をすることもでき、さらには、1つの載置部により複数種類のBCに対応することも可能である。
コンタクトレンズの直径であるDIAの値は、使い捨てソフトコンタクトレンズでは14mm前後、ハードコンタクトレンズでは9mm前後のものが多い。そこで、載置部11の直径は、使い捨てソフトコンタクトレンズ用としては5mm〜14mm程度とし、ハードコンタクトレンズ用としては5mm〜9mm程度が好ましい。
載置部11はコンタクトレンズを載置する部分であるので清潔に保つ必要がある。載置部11が抗菌性樹脂からなる場合には、日頃の手入れとしては、コンタクトレンズ装着具10を水洗いするだけでよい。
図6、7を参照して突起の配置の具体例について説明する。載置部11のコンタクトレンズ載置面23には、環状に配置された複数の突起からなる突起群が同心状に複数層設けられている。各突起は開口22側に凸となるように設けられている。ここで、「層」という用語は、コンタクトレンズ搭載面には環状に配置された複数の突起からなる突起群が同心円状に複数設けられているところ、各環状に配置された複数の突起からなる突起群のことをさす。図6では「2層」の突起群を有し、図7では「3層」の突起群を有する。
図6には外層突起群30の突起の個数が12個で、内層突起群31の突起の個数が8個であるものが例示されているが、突起の個数はこの例に限られず、16個と10個、10個と6個、8個と8個等、いろいろな組み合わせのものを採用することができる。外層の突起の数は3個以上であり、好ましくは8個以上であり、より好ましくは12個以上である。外層の突起の数が少ないと、コンタクトレンズが載置部11の外周の突起以外の部分に貼り付いて、コンタクトレンズ載置面からコンタクトレンズが離れにくくなってしまう。
最外層突起群32、中間層突起群33及び最内層突起群34は、載置部11の中心を中心とするは同心円上に設けられている。最外層突起群32は載置部11の外周に沿うように1つの円周上にその中心が等間隔に並ぶように設けられている。最内層突起群34は、載置部の最も内側に設けられた突起群であり、その中心が1つの円周上に等間隔に並ぶように設けられている。中間層突起群33は、最外層突起群32と最内層突起群34との間に設けられており、その中心が1つの円周上に等間隔に並ぶように設けられている。図7では、載置部11の中心と最内層突起群34が並ぶ円周との距離と、最内層突起群34が並ぶ円周と中間層突起群33が並ぶ円周との距離と、中間層突起群33が並ぶ円周と最外層突起群32が並ぶ円周との間の距離とは、いずれも等しいが、各円周の半径は適宜変更可能である。
コンタクトレンズ27は、載置部11のコンタクトレンズ載置面23に設けられた複数の突起群によって載置される。後述の半球状の突起部の頂点の部分にコンタクトレンズ27が載置される。前述のとおり載置部11の曲率半径はコンタクトレンズの曲率半径と略一致し、かつ、その曲率半径は眼球の角膜の曲率半径と略一致している。図4に示されている例では、各突起群の突起は略同一の形状、略同一の大きさを有しているので、各突起群の突起の頂点を結んだ曲面の曲率半径は、載置部11の曲率半径と略一致し、コンタクトレンズの曲率半径と略一致し、かつ、その曲率半径は眼球の角膜の曲率半径と略一致している。
特許文献1ではコンタクトレンズの凸部側の面が底部の凹形状の接触面に密着しているために、コンタクトレンズを眼球に装着しようとした時に、コンタクトレンズを底部から引き離しにくいという問題があったが、本発明では接触状態となった際には、コンタクトレンズが載置部11から簡単に離れて眼球に装着されるように調整することができる。
特許文献2では、コンタクトレンズの装着時に眼球が真下に向くように、顔の向きを真下に向けるという無理な姿勢を取る必要があったが、本発明では本体部材13を傾けてもコンタクトレンズが載置部11に確実に保持されているから、顔の向きを正面に向けたまま自然な体勢で、本体部材13側の角度を手で傾けることにより、コンタクトレンズを装着することができ、しかも、接触状態となった際には、コンタクトレンズが載置部11から簡単に離れて眼球に装着される。
特許文献3では、液体の表面張力によりコンタクトレンズを載置部に付着しているため、液体の量により表面張力が異なっていたが、本発明では突起の先端によりコンタクトレンズを保持しているため、載置部11がコンタクトレンズを保持する力を容易に調整することができる。
前者の例としては、突起の高さを全ての突起群で同一とした載置部11を用いて異なるBCのコンタクトレンズに対応する場合について説明する。載置部11の曲率半径は、標準的なBCの値である8.6mm〜8.7mmに対応させる。これに対して、小さいBCのコンタクトレンズを載置部11に載置した場合には、当該コンタクトレンズは主に内層側の突起群の突起によって支持されると共に、外層側の突起群の中の一部の突起によって支持される。逆に、大きいBCのコンタクトレンズを載置部11に載置した場合には、当該コンタクトレンズは主に外層側の突起群の突起によって支持される。いずれの場合にも、コンタクトレンズは複数の突起により十分に保持されているので、コンタクトレンズ装着具を傾けてもコンタクトレンズを載置部11に保持することができる。なお、この場合には、コンタクトレンズのBCに応じて載置部11を交換する必要はない。例えば、使い捨てソフトコンタクトレンズを装着する場合である。使い捨てソフトコンタクトレンズは柔軟であるため、載置部11に配置された各突起の先端で形成される仮想曲面にその形状を一致させやすい。
同様に、4層以上の突起群を有する載置部11では、外層側の各突起群でBCの大きいコンタクトレンズを保持し、内層側の各突起群でBCの小さいコンタクトレンズを保持し、さらに、中間層の各突起群ではBCが中程度(8.6〜8.7程度)のコンタクトレンズを保持するように、各層の突起群の突起の高さを調整することができる。
しかしながら、両者の位置調整の手間を省くためには、両者のいずれか一方あるいは両者を固定としておいてもかまわない。この場合、予めさまざま寸法のものを用意しておき、その中から使用者に最適なものを選択することにより、両者の位置調整の手間を省き、かつ、使用者の使用態様に合わせることができる。
L2<L2'かつL6<L3'の場合
(1)図4のように初期状態において、左目用のコンタクトレンズが載置部に載置された状態で、本体部材13を手で持って、左目の眼球の周りの顔にリップ部20が密着する位置に、コンタクトレンズ装着具を宛がう。初期状態ではつまみから手の指を離した状態となっており、バネの反発力により、つまみは載置部11とは反対方向に押され、拡径部15がスリーブ部材14に当たる位置までシャフト部材12は載置部11とは反対方向に押し付けられる。この時、使用者が載置部11の中心方向を見ていれば、眼球の角膜に対して少し離れた距離(L4)でコンタクトレンズが正確に位置合わせされる。
使用者がつまみ16を押し込みすぎるとコンタクトレンズが眼球に強く押し付けられる恐れがあるが、リミット状態ではバネ部材にストッパの機能があるので安全である。バネ部材の最短長さL6は決まっているおり、リミット状態においてL3''=L6となったところで、シャフト部材12はそれ以上載置部11方向には移動しないため、バネ部材にはストッパの機能がある。
L2<L2'かつL3'=L6の場合
上記(実施例1−1)と同様の手順についての説明は省略する。上記(実施例1−1)とは手順(3)のリミット状態が相違している。上記手順(3)において、使用者はつまみ16を載置部11の方向に向かってリミット状態となるまで手の指で押し込んでいく。L3'=L6となるようにつまみ16の位置が調整されているので、リミット状態の時にちょうど接触状態となり、コンタクトレンズは眼球に装着されている。この状態でつまみ16から手の指を離せば、つまみ16はバネ部材17の反発力で載置部11とは反対方向に押し戻され、図4の初期状態に復帰する。
つまみ16の位置調整を適切にできれば、上記(実施例1−1)の場合よりも素早くつまみ16を押し込むことが可能になると共に、L3'=L6であるので、コンタクトレンズを眼球に強く押し当てる恐れがない。
L2=L2'の場合
図4のように初期状態において、左目用のコンタクトレンズが載置部に載置された状態で、本体部材13を手で持って、左目の眼球の周りの顔にリップ部20が密着する位置に、コンタクトレンズ装着具を宛がう。この時、L2=L2'であるので、接触状態となり、コンタクトレンズは眼球に装着されている。次に、コンタクトレンズ装着具10を顔から離せば、コンタクトレンズは載置部11から離れ、眼球に装着された状態となる。次に、右目用のコンタクトレンズの装着も同様に行うことができる。なお、左目から先にコンタクトレンズを装着する例で説明したが、右目から先にコンタクトレンズを装着してもかまわないし、片目だけにコンタクトレンズを装着する場合も同様の手順で可能である。
また、(実施例1−3)を実施するためには、可動機構が不要となるため、シャフト部材12が直接、本体部材13の底部に固定されている簡単な構造のコンタクトレンズ装着具を用いることもできる。この場合にはスリーブ部材14、拡径部15、つまみ16、バネ部材17等を省略することができるため、製造コストを低減することができる。
図9を参照して、実施形態2のコンタクトレンズ装着具を詳細に説明する。実施形態1と同一の部材には同一の番号を付し、その説明は省略する。実施形態2は、実施形態1のコンタクトレンズ装着具10を、携帯用のケースに収納したものである。
コンタクトレンズ装着具10を携帯する際には、本体部材13の開口22から異物が入ることを防いで、載置部11を清潔な状態に保つ必要がある。また、つまみ16やリップ部20は本体部材13から突出しているため、携帯時にはこれらの突出した部材が他のものに当たって邪魔になる恐れがある。そこで、図9のように、コンタクトレンズ装着具10を携帯する際には、コンタクトレンズ装着具10を収納ケース40に収納する。収納ケース40は、有底筒状の下部ケース41と、下部ケース41の開口側を塞ぐ有底筒状のキャップ42とからなる。図示されていないが、下部ケース41の内側には、本体部材13の形状に合うような内方突出壁を設けてもよい。これにより、本体部材13の外周形状と、下部ケース41の内周形状とが合致して、携帯時にがたつきを解消することができる。
(実施例2−1)
この実施例では、予め載置部11にコンタクトレンズを載置しておく場合の使い方を説明する。
(1)載置部11に左目用のコンタクトレンズを載置した状態で、コンタクトレンズ装着具10を収納ケース40に収納し、押さえ部材43によってコンタクトレンズを載置部11に保持しておく。予め載置部11にコンタクトレンズが載置された状態であるので、コンタクトレンズ装着具10を取り出したときに、すぐにコンタクトレンズを装着することができる。コンタクトレンズが乾燥することがない短時間の携帯であれば、載置部11にコンタクトレンズを載置したままで問題ない。
この実施例では外出先においてコンタクトレンズを載置部11に載置する場合を説明する。
(1)コンタクトレンズ装着具10は収納ケース40に収納した状態で携帯し、コンタクトレンズは別途コンタクトレンズ収納容器に入れて携帯する。コンタクトレンズの乾燥を防ぐために、長時間コンタクトレンズを携帯する場合には、載置部11に載置しておくのではなく、コンタクトレンズ収納容器に入れた状態で携帯する。
この手順により、外出先において手を洗えないような状況であっても、コンタクトレンズに直接手を触れることなく、コンタクトレンズを収納容器から掬い上げて載置部11に載置することができるので、衛生上の問題がない。
ここでは、左目用のコンタクトレンズを先に装着する例で説明したが、右目用のコンタクトレンズを先に挿入する場合でも、片目だけにコンタクトレンズを挿入する場合でも、上記と同様の手順により実施できる。
図10を参照して、実施形態3のコンタクトレンズ装着具を説明する。実施形態1及び実施形態2と同じ部材については、同一の符号を用い、その説明は省略する。実施形態1及び実施形態2では、1つのコンタクトレンズ装着具を用いて片目ずつコンタクトレンズを装着する例を説明したが、実施形態3は、一度に両目にコンタクトレンズを装着できるものである。この実施形態では、実施形態1及び実施形態2で説明したコンタクトレンズ装着具10を2個使用する。
図10には、2個のコンタクトレンズ装着具をそれぞれのリムに装着するフレーム部材50が図示されている。フレーム部材50はメガネフレームと同様の構成となっており、それぞれコンタクトレンズ装着具10,10を挿入する一対のリム51,51、両方のリムを接合するブリッジ53、ブリッジ53またはリム51,51のブリッジ53側に設けられ、使用者の鼻に位置決めするための一対のノースパット54,54、各リムのブリッジ53と反対側から使用者の耳に向かって伸び、使用者の耳に位置決めするための一対のテンプル52,52が設けられている。
(1)フレーム部材50の一対のリム51,51に対し、テンプル52,52の方向から、底部18,18をリム51,51に向け、一対のコンタクトレンズ装着具10,10を挿入し、本体部材13,13のリップ部20,20側の側部19,19が、リム51,51に位置決め固定するまで押し込む。一対のコンタクトレンズ装着具10,10は左目用も右目用も同じものであるが、これらを左目用及び右目用のリム51,51に挿入する角度は、互いにシャフト部材12を中心として180度回転させた角度の関係となっている。
(3)使用者は一対のテンプル52,52を両手で持って、メガネを掛けるのと同じ要領で、一対のコンタクトレンズ装着具10,10を眼球に近づけていき、一対のテンプル52をそれぞれ左右の耳に位置決めすると共に、一対のノースパット54,54をそれぞれ使用者の鼻の左右に位置決めする。これと同時に、一対のコンタクトレンズ装着具10,10のリップ部20,20は、使用者の眼球の周りの顔に位置決めされる。コンタクトレンズは載置部11に安定して載置されているので、前記メガネを掛けるような動作により載置部11を傾けてもコンタクトレンズが載置部から落ちることはない。
図11を参照して、実施形態4のコンタクトレンズ装着具60について説明する。実施形態1と同じ部材については同一の符号を用い、その説明は省略する。
コンタクトレンズ装着具60は、載置部11と、載置部11のコンタクトレンズ載置面23以外の部分に設けられた接続部としての軸部62と、軸部62に接続された手の指で把持する把持部としてのグリップ部61とからなる。
(1)まず、使用者は、グリップ部61を片手で持ち、載置部11のコンタクトレンズ載置面が上方を向いた状態で、もう片方の手で左目用のコンタクトレンズを載置部11のコンタクトレンズ載置面に載置する。
なお、ここでは鏡を見ながら載置部11を眼球の角膜に対して位置合わせする例を説明したが、必ずしも鏡を見る必要はない。使用者が正面を向いた姿勢で、載置部11の中心を見つめながら、グリップ部61を操作して、載置部11に載置されたコンタクトレンズを眼球に近づけていき、眼球にコンタクトレンズが触れたときに載置部11を眼球から遠ざければ、コンタクトレンズは眼球に装着される。
図12〜17を参照して、実施形態5のコンタクトレンズ取外具の説明をする。実施形態1と同じ部材については同じ番号を用い、その説明は省略する。
実施形態1のコンタクトレンズ装着具10との違いは、載置部11に替えて吸盤部71を設けた点であり、実施形態5のその他の構成については、実施形態1と同一であるので説明を省略し、ここでは、吸盤部71の構成について詳しく説明する。
図13には吸盤部71の横断面が円弧状のものを示したが、この形状は円弧に限るものではなく、吸盤の機能を有するものであればどのような形状でも構わない。例えば、この形状はすり鉢状の形状や、曲率半径が変化するような形状でもよい。
また、曲率半径が異なる吸盤部71を複数種類用意しておけば、コンタクトレンズのBCに応じて載置部11を交換することができる。ここでは、吸盤部71の横断面が円弧状のものである場合についての曲率半径の例を説明したが、曲率半径が変化するものの場合にはコンタクトレンズ吸引面72の外周部の曲率半径を8.3mmよりも小さく設定する。また、その他、吸盤部71の横断面がすり鉢状等の場合には、コンタクトレンズ吸引面72の外周部が全周にわたってコンタクトレンズに接触し、コンタクトレンズ吸引面72の中央側はコンタクトレンズから離れており、コンタクトレンズとコンタクトレンズ吸引面72との間には密閉空間が構成されるように、吸盤部71の形状を設定する。
コンタクトレンズの直径であるDIAの値は、使い捨てソフトコンタクトレンズでは14mm前後、ハードコンタクトレンズでは9mm前後のものが多い。そこで、載置部11の直径は、使い捨てソフトコンタクトレンズ用としては5mm〜14mm程度とし、ハードコンタクトレンズ用としては5mm〜9mm程度が好ましい。
また、これらの樹脂に抗菌性を持たせるために、これらの樹脂に抗菌剤を添加することが望ましい。抗菌剤としては、銀錯体系抗菌剤(チオサルファイト銀錯体とシリカゲルから構成される抗菌剤)、無機系抗菌剤(銀ゼオライト、チオサルファイト銀錯体等)、有機系抗菌剤(ニトリル誘導体、イミダゾール誘導体、トリアジン誘導体、フェノールエーテル誘導体、ピロール誘導体等)等が挙げられる。シリコーン樹脂の中では例えばポリアミドシリコーン樹脂が抗菌剤の添加に適している。
吸盤部71はコンタクトレンズを吸い付ける部分であるので清潔に保つ必要がある。吸盤部71が抗菌性樹脂からなる場合には、日頃の手入れとしては、コンタクトレンズ取外具70を水洗いするだけでよい。
図15〜17を参照して、実施形態5のコンタクトレンズ取外具70を用いてコンタクトレンズを取り外す動作を説明する。実施形態1と同様に、拡径部15及びつまみ16のシャフト部材長さ方向の位置を調整することにより、下記の(実施例5−1)〜(実施例5−3)の場合があるので、以下詳細に説明する。拡径部15及びつまみ16の位置を調整できるようにしておくことは、使用者の眼球の角膜の寸法、眼球の周りの顔の形状に応じた位置合わせができるため好ましい。また、両者が調整できると下記の(実施例5−1)〜(実施例5−3)の場合のいずれにも対応することができるため好ましい。
なお、「接触状態」の定義について、コンタクトレンズを装着する場合には、実施形態1のように、「接触状態」とは、つまみ16を押し込んで、眼球26にコンタクトレンズ27が触れた状態を示すと定義したが、実施形態5のように、コンタクトレンズを取り外す場合には、「接触状態」とは、つまみ16を押し込んで、吸盤部71が眼球26に装着されたコンタクトレンズ27に触れた状態を示す。
L2<L2'かつL6<L3'の場合
(1)図15のように初期状態において、本体部材13を手で持って、左目の眼球の周りの顔にリップ部20が密着する位置に、コンタクトレンズ装着具を宛がう。初期状態ではつまみ16から手の指を離した状態となっており、バネの反発力により、つまみ16は吸盤部71とは反対方向に押され、拡径部15がスリーブ部材14に当たる位置まで、シャフト部材12は吸盤部71とは反対方向に押し付けられる。この時、使用者が吸盤部71の中心方向を見ていれば、吸盤部71は眼球に装着されているコンタクトレンズに対して少し離れた距離(L4)でコンタクトレンズに正確に位置合わせされる。
使用者がつまみ16を押し込みすぎるとコンタクトレンズが眼球に強く押し付けられる恐れがあるが、リミット状態ではバネ部材にストッパの機能があるので安全である。バネ部材の最短長さL6は決まっているおり、リミット状態においてL3''=L6となったところで、シャフト部材12はそれ以上載置部11方向には移動しないため、バネ部材にはストッパの機能がある。
次に、図15〜17とはシャフト部材12を中心にコンタクトレンズ取外具70を180°回転させた状態で、右目の眼球の周りにコンタクトレンズ取外具70を宛がう。後は、左目からコンタクトレンズを取り外したのと同様に、上記(1)〜(3)と同様の手順で、右目からコンタクトレンズを取り外す。なお、左目のコンタクトレンズを先に取り外した例で説明したが、右目のコンタクトレンズを先に取り外してもかまわないし、片目のコンタクトレンズを取り外すような場合も上記(1)〜(3)と同様の手順で可能である。
L2<L2'かつL3'=L6の場合
上記(実施例5−1)と同様の手順についての説明は省略する。上記(実施例5−1)とは手順(3)のリミット状態が相違している。上記手順(3)において、使用者はつまみ16を吸盤部71の方向に向かってリミット状態となるまで手の指で押し込んでいく。L3'=L6となるようにつまみ16の位置が調整されているので、リミット状態の時にちょうど接触状態となり、吸盤部71が眼球に装着されたコンタクトレンズに触れて、コンタクトレンズは吸盤部71に吸い付く。この状態でつまみ16から手の指を離せば、つまみ16はバネ部材17の反発力で吸盤部71とは反対方向に押し戻され、図17の初期状態に復帰する。
つまみ16の位置調整を適切にできれば、上記(実施例5−1)の場合よりも素早くつまみ16を押し込むことが可能になると共に、L3'=L6であるので、コンタクトレンズを眼球に強く押し当てる恐れがない。
L2=L2'の場合
図15のように初期状態において、左目の眼球の周りの顔にリップ部20が密着する位置に、コンタクトレンズ取外具を宛がう。この時、L2=L2'であるので、接触状態となり、吸盤部71は、眼球に装着されたコンタクトレンズに触れ、コンタクトレンズは吸盤部71に吸い付く。次に、コンタクトレンズ取外具70を顔から離せば、コンタクトレンズは吸盤部71に吸い付いており、コンタクトレンズは眼球から取り外される。次に、右目からコンタクトレンズを取り外す際にも同様の手順で行うことができる。なお、コンタクトレンズを左目から先に取り外す例で説明したが、右目から先にコンタクトレンズを取り外してもかまわないし、片目からコンタクトレンズを取り外す際にも、同様の手順で可能である。
また、(実施例5−3)を実施するためには、可動機構が不要となるため、シャフト部材12が直接、本体部材13の底部に固定されている簡単な構造のコンタクトレンズ取外具を用いることもできる。この場合にはスリーブ部材14、拡径部15、つまみ16、バネ部材17等を省略することができるため、製造コストを低減することができる。
また、吸盤部71にコンタクトレンズを吸い付けた状況のままで収納ケース40にコンタクトレンズ取外具70を収納すれば、取り外されたコンタクトレンズは、吸盤部71と押さえ部材43との間で保持されるため、吸盤部から脱落することなく、コンタクトレンズを携帯することができる。コンタクトレンズが乾燥しない程度の短い時間の移動であれば、コンタクトレンズを吸盤部71に吸い付けたままの状態で携帯することもできる。なお、具体的な収納ケース40の使い方は、実施形態2と同様であるので、詳細な説明は省略する。
図18を参照して、実施形態6のコンタクトレンズ着脱具について説明する。実施形態1及び実施形態5と同じ部材には同一の符号を付し、その説明は省略する。
実施形態6のコンタクトレンズ着脱具73は、実施形態5のコンタクトレンズ取外具70に対して、さらにコンタクトレンズを装着する機能を持たせたものであり、通気孔74と空気室75が加えられている。
(コンタクトレンズを装着する方法)
コンタクトレンズを装着する方法は、実施形態1のコンタクトレンズ装着方法と共通するところが多いので、実施形態1のコンタクトレンズ装着方法と異なる部分である下記(1)及び(2)の方法について説明する。
実施形態1では、複数層の突起部が形成された載置部11のコンタクトレンズ載置面23にコンタクトレンズを載置することにより、コンタクトレンズを載置部11に安定して載置していたが、これに替えて、実施形態6では吸盤部71のコンタクトレンズ吸引面72にコンタクトレンズを吸い付かせることにより、コンタクトレンズを吸盤部71に安定して載置している。
吸盤部71は柔軟な素材でできているため、コンタクトレンズを吸盤部71のコンタクトレンズ載置面23に載置した際にわずかに変形し、コンタクトレンズは吸盤部71に吸い付く。
さらに、空気室75を手の指で若干押し縮めた状態で、コンタクトレンズを吸盤部71に載置してから、空気室75から手の指を離すと、コンタクトレンズと吸盤部71との間にできた空間、空気室75及び通気孔74内が負圧となるため、コンタクトレンズはより強力に吸盤部71に吸い付けられる。
実施形態1では、接触状態のときには、コンタクトレンズが眼球の表面との間の表面張力の方が、載置部11のコンタクトレンズ載置面23に設けられた突起群がコンタクトレンズを保持する力よりも大きいので、コンタクトレンズは眼球に装着されると共に、載置部11から離れる。これに対して、実施形態6では、吸盤部71がコンタクトレンズを吸引する力が強いので、接触状態の時に何も操作しないと、コンタクトレンズは吸盤部71に引き付けられたままとなってしまう。そこで、実施形態6では、接触状態となったときに、手の指で空気室75を押し縮めてから、吸盤部71を眼球から離す。接触状態において、手の指で空気室75を押し縮め、コンタクトレンズと吸盤部71との間にできた空間を加圧することによって、吸盤部71からコンタクトレンズから離れると共に、コンタクトレンズを眼球に装着することができる。
また、実施形態6では拡径部15及びつまみ16のシャフト部材12長さ方向の位置を調整することにより、実施形態1で説明した(実施例1−1)〜(実施例1−3)と同様の操作ができる。
コンタクトレンズを取り外す方法は、実施形態5のコンタクトレンズ取外方法と共通するところが多いので、実施形態5のコンタクトレンズ取外方法と異なる部分である下記(1)及び(2)について説明する。なお、吸盤部71を用いる実施形態では、吸盤部71によるコンタクトレンズを吸い付ける力が強いため、必ずしも下記(1)及び(2)の操作を行わなくとも、コンタクトレンズを眼球から取り外すことが可能である。
吸盤部71を眼球に近づけていくときに、空気室を手の指で押し縮めておき、接触状態となった時に空気室を押し縮めていた指を離す。この場合、接触状態において、吸盤部71のコンタクトレンズ吸引面72とコンタクトレンズとの間、通気孔74、空気室75が負圧となるため、コンタクトレンズは吸盤部71に強力に吸い付けられる。
上記(1)において、接触状態となった時に空気室を押し縮めていた指を離した状態のまま、吸盤部71を眼球から遠ざけていく。吸盤部71がコンタクトレンズを吸い付ける力が、コンタクトレンズと眼球との間の表面張力よりも大きいので、コンタクトレンズは眼球から離れると共に、吸盤部71に吸い付けられる。
また、実施形態6では、拡径部15及びつまみ16のシャフト部材12長さ方向の位置を調整することにより、実施形態5で説明した(実施例5−1)〜(実施例5−3)と同様の操作ができる。
図19を参照して、実施形態7のコンタクトレンズ着脱具について説明する。実施形態1、実施形態5及び実施形態6と同じ部材には同一の符号を付し、その説明は省略する。
実施形態7のコンタクトレンズ着脱具77は、実施形態5のコンタクトレンズ取外具70に対して、さらにコンタクトレンズを装着する機能を持たせたものであり、通気孔74が加えられている。なお、実施形態6と比較すると、実施形態7では、空気室75が無い点で相違している。
(コンタクトレンズを装着する方法)
コンタクトレンズを装着する方法は、実施形態1のコンタクトレンズ装着方法と共通するところが多いので、実施形態1のコンタクトレンズ装着方法と異なる部分である下記(1)及び(2)の方法について説明する。
実施形態1では、複数層の突起部が形成された載置部11のコンタクトレンズ載置面23にコンタクトレンズを載置することにより、コンタクトレンズを載置部11に安定して載置していたが、これに替えて、実施形態7では吸盤部71のコンタクトレンズ吸引面72にコンタクトレンズを吸い付かせることにより、コンタクトレンズを吸盤部71に安定して載置する。
吸盤部71は柔軟な素材でできているため、コンタクトレンズを吸盤部71のコンタクトレンズ載置面23に載置した際にわずかに変形する。この状態で通気孔74の開口76を指で塞ぐと、コンタクトレンズは吸盤部71に吸い付く。
実施形態1では、接触状態のときには、コンタクトレンズが眼球の表面との間の表面張力の方が、載置部11のコンタクトレンズ載置面23に設けられた突起群がコンタクトレンズを保持する力よりも大きいので、コンタクトレンズは眼球に装着されると共に、載置部11から離れる。これに対して、実施形態7では、通気孔74の開口76を指で塞いだ状態では、吸盤部71がコンタクトレンズを吸引する力が強いので、接触状態の時に何も操作しないと、コンタクトレンズは吸盤部71に引き付けられたままとなってしまう。そこで、実施形態7では、接触状態となったときに、通気孔74の開口76を塞いでいた指を離してから、吸盤部71を眼球から離す。通気孔74の開口76を塞いでいた指を離すと、吸盤部71のコンタクトレンズ吸引面72とコンタクトレンズとの間の空間に外気を導入することで、当該空間の負圧を解除することによって、吸盤の吸着力を低下させることができるので、吸盤部71からコンタクトレンズから離れると共に、コンタクトレンズを眼球に装着することができる。
また、実施形態7では拡径部15及びつまみ16のシャフト部材12長さ方向の位置を調整することにより、実施形態1で説明した(実施例1−1)〜(実施例1−3)と同様の操作ができる。
コンタクトレンズを取り外す方法は、実施形態5のコンタクトレンズ取外方法と共通するところが多いので、実施形態5のコンタクトレンズ取外方法と異なる部分である下記(1)及び(2)について説明する。
(1)吸盤部71を眼球に近づけるときの操作
吸盤部71を眼球に近づけていくときに、通気孔74の開口76を開放しておき、接触状態となった時に、通気孔74の開口76を指で塞ぐ。吸盤部71は、柔軟な素材で構成されているため、接触状態となった際にわずかに変形する。この場合、接触状態において、吸盤部71のコンタクトレンズ吸引面72とコンタクトレンズとの間の空間、及び、通気孔74内が負圧となるため、コンタクトレンズは吸盤部71に強力に吸い付けられる。
上記(1)において、接触状態となった時に、通気孔74の開口76を指で塞いだまま、吸盤部71を眼球から遠ざけていく。吸盤部71がコンタクトレンズを吸い付ける力が、コンタクトレンズと眼球との間の表面張力よりも大きいので、コンタクトレンズは眼球から離れると共に、吸盤部71に吸い付けられる。
また、実施形態7では拡径部15及びつまみ16のシャフト部材12長さ方向の位置を調整することにより、実施形態5で説明した(実施例5−1)〜(実施例5−3)と同様の操作ができる。
図20を参照して、実施形態8のコンタクトレンズ取外具80について説明する。実施形態4及び実施形態5と同じ部材には同一の符号を付し、その説明は省略する。
コンタクトレンズ取外具80は、吸盤部71と、吸盤部71のコンタクトレンズ吸引面72以外の部分に設けられた接続部としての軸部62と、軸部62に接続された手の指で把持する把持部としてのグリップ部61とからなる。実施形態8のコンタクトレンズ取外具80は、実施形態4のコンタクトレンズ装着具60と対比すると、載置部11に替えて吸盤部71を用いている点で相違している。
吸盤部71を軸部62の一端に固定する態様、軸部62の態様、グリップ部61の態様は、実施形態4と同様であり、また、吸盤部71の態様は、実施形態5で説明した吸盤部71と同様であるため、詳細な説明は省略する。
(1)まず、使用者は鏡を見ながらグリップ部61を片手で持って、吸盤部71をコンタクトレンズが装着されている左目の眼球に近づけいく。この際、吸盤部71は透明または半透明な素材から構成されており、また、グリップ部61を手で持っており、吸盤部71を眼球に近づけていくときに視界を遮ることがないため、使用者が条件反射で瞼を閉じてしまうことを防ぐことができる。
(2)吸盤部71が左目のコンタクトレンズに接触したのを感じたら、使用者は吸盤部71を眼球から離していく方向にグリップ部61を操作する。吸盤部71がコンタクトレンズに触れると、柔軟な素材でできた吸盤部71はわずかに変形し、コンタクトレンズを強力に吸引する。この時、吸盤部71がコンタクトレンズを吸引する力は、コンタクトレンズと眼球との間の表面張力よりも大きいので、コンタクトレンズは吸盤部71に吸い付いて、眼球から離れる。
なお、ここでは鏡を見ながら吸盤部71を眼球の角膜に対して位置合わせする例を説明したが、必ずしも鏡を見る必要はない。使用者が正面を向いた姿勢で、吸盤部71の中心を見つめながら、グリップ部61を操作して、吸盤部71をコンタクトレンズが装着された眼球に近づけていき、眼球にコンタクトレンズに接触したのを感じた時に、吸盤部71を眼球から遠ざければ、コンタクトレンズは吸盤部71に吸い付き、眼球から取り外される。
図21を参照して、実施形態9のコンタクトレンズ着脱具81について説明する。実施形態4、実施形態5及び実施形態8と同じ部材には同一の符号を付し、その説明は省略する。
コンタクトレンズ着脱具81は、吸盤部71と、吸盤部71のコンタクトレンズ吸引面72以外の部分に設けられた接続部としての軸部62と、軸部62に接続された手の指で把持する把持部としてのグリップ部61とからなる。実施形態9のコンタクトレンズ着脱具81は、実施形態8のコンタクトレンズ取外具80に近い構成であるが、両者を対比すると、実施形態9のコンタクトレンズ着脱具81は、通気孔82と空気室83を有する点で、実施形態8のコンタクトレンズ取外具80と相違しており、この構成の相違により、実施形態9のコンタクトレンズ着脱具81は、コンタクトレンズの取外しに加え、コンタクトレンズの装着も可能である。
吸盤部71を軸部62の一端に固定する態様、軸部62の態様、グリップ部61の態様について、実施形態4と共通する部分の説明は省略する。また、吸盤部71の態様は、実施形態5で説明した吸盤部71と同様であるため、共通する部分の説明は省略する。
(コンタクトレンズを装着する方法)
(1)まず、使用者は、グリップ部61を片手で持ち、吸盤部71のコンタクトレンズ吸引面72が上方を向いた状態で、グリップ部を手の指で少し握り、この状態でもう片方の手で左目用のコンタクトレンズを吸盤部71のコンタクトレンズ吸引面72に載置した後に、グリップ部を握っていた手の指の握力を緩める。これにより、コンタクトレンズ吸引面72とコンタクトレンズとの間の空間、通気孔82及び空気室83には負圧が発生しているので、コンタクトレンズはコンタクトレンズ吸引面72に強力に吸い付く。
なお、ここではコンタクトレンズを吸盤部71に載置する前に、グリップ部を手の指で少し握っておく例を説明したが、吸盤部71は柔軟な素材で構成されているから、コンタクトレンズを吸盤部71に載置するだけでも、負圧が発生し、コンタクトレンズを吸盤部71のコンタクトレンズ吸引面に吸い付けることができる。
なお、ここでは鏡を見ながら吸盤部71を眼球の角膜に対して位置合わせする例を説明したが、必ずしも鏡を見る必要はない。使用者が正面を向いた姿勢で、吸盤部71の中心を見つめながら、グリップ部61を操作して、吸盤部71に吸い付けられたコンタクトレンズを眼球に近づけていき、コンタクトレンズが眼球に接触したことを感じたら、使用者はグリップ部を持っている手の指でグリップ部61に握力を加えた後に、吸盤部71を眼球から遠ざけることにより、コンタクトレンズは眼球に装着される。この時、吸盤部71は透明な素材で構成されおり、また、グリップ部61を手で持っており、吸盤部71を眼球に近づけていくときに視界を遮ることがないため、使用者が条件反射で瞼を閉じてしまうことを防ぐことができる。
(1)まず、使用者は鏡を見ながらグリップ部61を片手で持って、グリップ部61を持っている手の指でグリップ部61を軽く握った状態で、吸盤部71をコンタクトレンズが装着されている左目の眼球に近づけいく。この際、吸盤部71は透明な素材で構成されおり、また、グリップ部61を手で持っており、吸盤部71を眼球に近づけていくときに視界を遮ることがないため、使用者が条件反射で瞼を閉じてしまうことを防ぐことができる。
なお、ここでは鏡を見ながら吸盤部71を眼球の角膜に対して位置合わせする例を説明したが、必ずしも鏡を見る必要はない。使用者が正面を向いた姿勢で、吸盤部71の中心を見つめながら、グリップ部61を持っている手の指でグリップ部61を軽く握った状態で、吸盤部71をコンタクトレンズが装着された眼球に近づけていき、眼球にコンタクトレンズに接触したのを感じた時に、使用者はグリップ部61を握っている手の握力を弱めた後に、吸盤部71を眼球から遠ざければ、コンタクトレンズは吸盤部71に吸い付き、眼球から取り外される。
図22を参照して、実施形態10のコンタクトレンズ着脱具85について説明する。実施形態4、実施形態5、実施形態8及び実施形態9と同じ部材には同一の符号を付し、その説明は省略する。
コンタクトレンズ着脱具85は、吸盤部71と、吸盤部71のコンタクトレンズ吸引面72以外の部分に設けられた接続部としての軸部62と、軸部62に接続された手の指で把持する把持部としてのグリップ部61とからなる。実施形態10のコンタクトレンズ着脱具85は、実施形態9のコンタクトレンズ取外具80に近い構成であるが、両者を対比すると、実施形態10のコンタクトレンズ着脱具85は、空気室83を有しない点、及び、通気孔82に連通する押さえ孔86を有する点で、実施形態9のコンタクトレンズ着脱具81と相違している。
吸盤部71を軸部62の一端に固定する態様、軸部62の態様、グリップ部61の態様について、実施形態4と共通する部分の説明は省略する。また、吸盤部71の態様は、実施形態5で説明した吸盤部71と同様であるため、共通する部分の説明は省略する。
(コンタクトレンズを装着する方法)
(1)まず、使用者は、グリップ部61を片手で持ち、吸盤部71のコンタクトレンズ吸引面72が上方を向いた状態で、もう片方の手で左目用のコンタクトレンズを吸盤部71のコンタクトレンズ吸引面72に載置した後に、グリップ部を握っている手の指で押さえ孔86を塞ぐ。これにより、コンタクトレンズ吸引面72とコンタクトレンズとの間の空間に負圧が発生し、コンタクトレンズはコンタクトレンズ吸引面72に吸い付く。
なお、ここでは鏡を見ながら吸盤部71を眼球の角膜に対して位置合わせする例を説明したが、必ずしも鏡を見る必要はない。使用者が正面を向いた姿勢で、吸盤部71の中心を見つめながら、手の指で押さえ孔86を塞いだままの状態で吸盤部71に吸い付けられたコンタクトレンズを眼球に近づけていき、コンタクトレンズが眼球に接触したことを感じたら、使用者は押さえ孔86から手の指を離して押さえ孔86を開放した後に、吸盤部71を眼球から遠ざけることにより、コンタクトレンズは眼球に装着される。この時、吸盤部71は透明な素材で構成されおり、また、グリップ部61を手で持っており、吸盤部71を眼球に近づけていくときに視界を遮ることがないため、使用者が条件反射で瞼を閉じてしまうことを防ぐことができる。
(1)まず、使用者は鏡を見ながらグリップ部61を片手で持って、押さえ孔86から手の指を離して押さえ孔86を開放した状態で、吸盤部71をコンタクトレンズが装着されている左目の眼球に近づけいく。この際、吸盤部71は透明な素材で構成されおり、また、グリップ部61を手で持っており、吸盤部71を眼球に近づけていくときに視界を遮ることがないため、使用者が条件反射で瞼を閉じてしまうことを防ぐことができる。
なお、ここでは鏡を見ながら吸盤部71を眼球の角膜に対して位置合わせする例を説明したが、必ずしも鏡を見る必要はない。使用者が正面を向いた姿勢で、吸盤部71の中心を見つめながら、押さえ孔86から手の指を離して押さえ孔86を開放した状態で、吸盤部71をコンタクトレンズが装着された眼球に近づけていき、眼球にコンタクトレンズが接触したのを感じた時に、使用者はグリップ部61を握っている手の指で押さえ孔86を塞いだ状態として、押さえ孔86を塞いだまま吸盤部71を眼球から遠ざければ、コンタクトレンズは吸盤部71に吸い付き、眼球から取り外される。
11:載置部
12:シャフト部材
13:本体部材
14:スリーブ部材
15:拡径部
16:つまみ
17:ばね部材
18:底部
19:側部
20:リップ部
21:貫通孔
22:開口
23:コンタクトレンズ載置面
26:眼球
27:コンタクトレンズ
30:外層突起群
31:内層突起群
32:最外層突起群
33:中間層突起群
34:最内層突起群
40:収納ケース
41:下部ケース
42:キャップ
43:押さえ部材
50:フレーム部材
51:リム
52:テンプル
53:ブリッジ
54:ノースパット
60:コンタクトレンズ載置具
61:グリップ部
62:軸部
70:コンタクトレンズ取外具
71:吸盤部
72:コンタクトレンズ吸引面
73:コンタクトレンズ着脱具
74:通気孔
75:空気室
76:開口
77:コンタクトレンズ着脱具
80:コンタクトレンズ取外具
81:コンタクトレンズ着脱具
82:通気孔
83:空気室
85:コンタクトレンズ着脱具
86:押さえ孔
87:グリップ側通気孔
Claims (16)
- コンタクトレンズを載置する搭載部と、前記搭載部のコンタクトレンズ搭載面以外の部分に設けられた接続部と、前記接続部に接続された手の指で把持する把持部とからなるコンタクトレンズ用器具であって、
前記搭載部にはコンタクトレンズを搭載可能なコンタクトレンズ搭載面が設けられ、
前記把持部は前記搭載部を包み込む有底筒状の本体部材からなり、
前記接続部は一端に前記搭載部が係合されたシャフト部材からなり、かつ、
前記本体部材の内側には、前記シャフト部材が前記本体部材の底部と交差する方向に摺動自在に接続される手段が設けられていることにより、
コンタクトレンズを装着すること、取外すこと、または、着脱することが可能であり、
ることを特徴とするコンタクトレンズ用器具。 - 前記搭載部は前記コンタクトレンズ搭載面側が前記本体部材の開口側を向くように、前記シャフト部材の先端部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のコンタクトレンズ用器具。
- 前記本体部材の開口側の形状は、眼球の周りの顔の凹凸形状に沿う形状であることを特徴とする請求項1又は2に記載のコンタクトレンズ用器具。
- 前記シャフト部材は前記本体部材の底部を貫通して接続されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のコンタクトレンズ用器具。
- 前記シャフト部材の他端にはつまみが設けられ、前記つまみと前記本体部材の底部との間には、前記シャフト部材を前記一端側とは反対の方向に付勢するバネ部材が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のコンタクトレンズ用器具。
- 前記つまみの前記シャフト部材における位置は、前記シャフト部材の延在方向に調整可能であることを特徴とする請求項5に記載のコンタクトレンズ用器具。
- 前記シャフト部材は前記本体部材の内側においてスリーブ部材を介して前記シャフト部材の延在方向に移動可能に係合されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のコンタクトレンズ用器具。
- 前記シャフトには前記シャフトの一端側からスリーブ部材に係合する拡径部が設けられていることを特徴とする請求項7に記載のコンタクトレンズ用器具。
- 前記拡径部の前記シャフト部材における位置は、前記シャフト部材の延在方向に調整可能であることを特徴とする請求項8に記載のコンタクトレンズ用器具。
- 前記本体部材は透明または半透明の材料からなることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のコンタクトレンズ用器具。
- 前記搭載部は半透明の材料からなることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のコンタクトレンズ用器具。
- 前記搭載部は前記接続部に対して着脱自在に装着されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のコンタクトレンズ用器具。
- 前記コンタクトレンズ用器具はコンタクトレンズ装着具であって、
前記搭載部は前記コンタクトレンズ搭載面側に凹となる曲面状であり、
前記搭載部の前記コンタクトレンズ搭載面側には、複数の突起が設けられており、
前記複数の突起はコンタクトレンズ搭載面側に凸となるように設けられており、
前記複数の突起がコンタクトレンズを支持することを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載のコンタクトレンズ用器具。 - 前記コンタクトレンズ用器具はコンタクトレンズ取外し具であって、
前記搭載部は前記コンタクトレンズ載置面側に凹となる吸盤部であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載のコンタクトレンズ用器具。 - 前記コンタクトレンズ用器具はコンタクトレンズ着脱具であって、
前記搭載部は前記コンタクトレンズ載置面側に凹となる吸盤部であり、
前記吸盤部のコンタクトレンズ搭載面には通気孔の一端が開口していることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載のコンタクトレンズ用器具。 - 前記通気孔の他端は外部に連通しているか、あるいは、空気室に連通していることを特徴とする請求項15に記載のコンタクトレンズ用器具。
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