JP2018060036A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 感光体を長く使用することが求められていた。
【解決手段】 比較部を有する画像形成装置であって、
前記比較部は、記録材の幅に係わる情報と、感光体の駆動時間に係わる情報と、帯電部材に電圧が印加される帯電電圧の印加時間に係わる情報と、現像剤像を記録材に転写する際の転写に係わる情報と、をもとに、感光体の膜厚情報を予測し、予測された膜厚情報と閾値とを比較する画像形成装置を提供するものである。
【選択図】 図1
【解決手段】 比較部を有する画像形成装置であって、
前記比較部は、記録材の幅に係わる情報と、感光体の駆動時間に係わる情報と、帯電部材に電圧が印加される帯電電圧の印加時間に係わる情報と、現像剤像を記録材に転写する際の転写に係わる情報と、をもとに、感光体の膜厚情報を予測し、予測された膜厚情報と閾値とを比較する画像形成装置を提供するものである。
【選択図】 図1
Description
本発明は、感光層の膜厚を閾値と比較する比較部を有する画像形成装置に関する。ここで、画像形成装置とは、記録材に画像を形成する装置をいう。また、画像形成装置には、プロセスカートリッジなどのカートリッジが着脱可能な構成でもよい。ここで、プロセスカートリッジとは、少なくとも感光体などの像担持体を有するものをいう。
電子写真方式の画像形成装置では、像担持体として感光体が用いられている。この感光体は、低価格及び高生産性の観点から、光導電性物質(電荷発生物質や電荷輸送物質)に有機材料を用いた感光層を用いるものが普及している。感光層としては、高感度及び材料設計の多様性の観点から、電荷発生物質を含有する電荷発生層と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層と、を積層してなる積層型感光層が主流である。
また、感光体のメンテナンスをサービスマンによらずにユーザー自身で行うことが可能になるプロセスカートリッジ方式が知られている。プロセスカートリッジ方式とは、感光体とこの感光体に現像剤像を形成するためのプロセス手段とを一体化した方式である。この一体化したプロセスカートリッジを画像形成装置の装置本体に対してユーザー自身で着脱できる構成になっている。さらに、プロセスカートリッジだけでなく現像カートリッジやトナーカートリッジを画像形成装置の装置本体に対して着脱可能な構成にするカートリッジ方式もある。これら方式を採用することにより、例えば、トナーが無くなったときや、ドラムが寿命に達した時にユーザー自身でカートリッジを交換することで、再び画像形成することができる。
カートリッジ方式の画像形成装置では、例えば、感光体や現像剤など消耗品が寿命に達したことをユーザーに報知し、適当な時期にユーザーがカートリッジを交換できるようにする必要がある。感光体の寿命は、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層(CT層)が削れた後に残る膜厚量で決定する場合が多い。
画像形成プロセスにおいて、感光体には、帯電装置による放電、転写装置による放電、クリーニングブレードによる掻き取り等による電気的・機械的外力が加わっている。その結果、電荷輸送層(CT層)は摩耗し削れが発生する。
これまで、画像形成装置の装置本体に電荷輸送層(CT層)の削れ量を予測し、削れムラやカブリ等の影響で画像レベルが低下しない範囲で感光体の寿命を決定する種々の提案がなされている。
こうした提案の中で、特許文献1には、感光体への帯電手段の印加時間や現像手段の印加時間を積算した積算値から、寿命を判断する手段が開示されている。また、特許文献2には、ドラムの複数位置での膜厚を算出することで寿命を判定する手段が開示されている(特許文献2)。
しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載された構成においては、例えば、記録材の短手端部に対応した感光体の長手位置で発生する感光層の削れ量については考慮されていなかった。例えば、記録材Pを介して感光体と接触してトナー像を転写する転写装置を用いた場合、転写の際に記録材が感光体と転写装置との間の転写ニップ内に入る。転写ニップ内に記録材Pがある状態で転写電圧が印加されていると、記録材Pの短手端部に形成される微小なギャップで転写電圧による放電が発生する。この放電によって、記録材の短手端部と対応した感光体の長手位置で、多くの感光層の削れが発生する。このため、サイズが異なる記録材を印刷すると、感光層が多く削れる位置が感光体の長手位置で異なる。
よって、同一のサイズの記録材を印刷し続けた場合と、複数の異なるサイズの記録材を印刷した場合とでは、感光体の長手位置で最小の感光層の膜厚が異なる。複数の異なるサイズの記録材を印刷した場合の方が、転写装置による放電がドラムの長手位置で分散する。このため、感光体の長手位置で最小の感光層の膜厚は、同一サイズの記録材を印刷し続ける場合の最小膜厚と比べて厚さが厚い。従来の画像形成装置においては、同一のサイズの記録材を印刷し続けた場合を想定して感光体の寿命を判定していたため、複数の異なるサイズの記録材を印刷した場合には、感光体の寿命と判定した後も一定期間感光体が使用可能であることがあった。
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ユーザーが使用する記録材のサイズ(幅や種類など)を考慮して、感光層の膜厚をより精度よく予測することにある。これにより、より感光体を長く使用することができる画像形成装置を提供することができる。
記録材に画像を形成するための画像形成装置であって、
感光層を有する感光体と、
前記感光体の表面を帯電する帯電部材と、
前記感光体上の現像剤像を記録材に転写する転写部材と、
記録材の幅を検出する検出部と、
前記感光層の膜厚に係わる膜厚情報と感光層の膜厚に係わる閾値とを比較する比較部と、を有し、
前記比較部は、前記記録材の幅に係わる情報と、前記感光体の駆動時間に係わる情報と、前記帯電部材に電圧が印加される帯電電圧の印加時間に係わる情報と、現像剤像を前記記録材に転写する際の転写に係わる情報と、をもとに、前記膜厚情報を予測し、予測された前記膜厚情報と前記閾値とを比較する画像形成装置を提供するものである。
感光層を有する感光体と、
前記感光体の表面を帯電する帯電部材と、
前記感光体上の現像剤像を記録材に転写する転写部材と、
記録材の幅を検出する検出部と、
前記感光層の膜厚に係わる膜厚情報と感光層の膜厚に係わる閾値とを比較する比較部と、を有し、
前記比較部は、前記記録材の幅に係わる情報と、前記感光体の駆動時間に係わる情報と、前記帯電部材に電圧が印加される帯電電圧の印加時間に係わる情報と、現像剤像を前記記録材に転写する際の転写に係わる情報と、をもとに、前記膜厚情報を予測し、予測された前記膜厚情報と前記閾値とを比較する画像形成装置を提供するものである。
上記構成により、記録材のサイズ(幅や種類など)を考慮することにより、感光層の膜厚をより精度よく予測し、より感光体を長く使用することができる。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。すなわち、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
(画像形成装置の概略)
まず、画像形成装置の概略について、図面を用いて説明する。図2は、画像形成装置の断面図である。図3は、画像形成装置のブロック図である。
まず、画像形成装置の概略について、図面を用いて説明する。図2は、画像形成装置の断面図である。図3は、画像形成装置のブロック図である。
図2は、感光ドラム20などの像担持体の軸線、現像ローラ30などの現像剤担持体の軸線、帯電ローラ21などの帯電部材の軸線に交差(例えば、垂直)している断面になる。また、本明細書では、図2のカートリッジCRを取り出す開閉部材(ドア)が設けられている側を前方(またはドア側)といい、逆側を後方と言う。本発明に係わる紙やはがきなどの記録材の長手方向は、図2の図面に対して左右方向に配置される装置構成になっている。このため、記録材が感光体と対向する位置にある場合に、感光体の長手方向(軸線)と記録材の長手方向は交差する位置関係にある。具体的には垂直な関係にある。別の観点から見ると、感光体の長手方向(軸線)と記録材の短手方向は平行の関係になる。
本実施例では、感光体と記録材の配置は上述のような関係になっているが、これに限定されるものではない。例えば、記録材が感光体と対向する位置にある場合に、感光体の長手方向と記録材の短手方向が交差する位置関係でもよい。具体的には垂直な関係である。別の観点から見ると、感光体の長手方向と記録材の長手方向は平行の関係になる。
本実施例では、記録材の搬送方向が記録材の長手方向にもなっているが、記録材の搬送方向が記録材の短手方向でもよい。
図2の画像形成装置は、電子写真プロセスを用いたカートリッジ方式のレーザビームプリンタである。図2のカートリッジは、像担持体であり感光体でもある感光ドラム(以下、ドラムという。)を有するプロセスカートリッジである。このプロセスカートリッジは、感光体であるドラムの他に、帯電部材である帯電ローラ20、現像剤担持体である現像ローラ30、クリーニング装置であるクリーニングブレード22と残トナーを収容する収容器とを有する。さらに、このプロセスカートリッジは、シート部材33aと回転軸33bとを有する現像剤搬送部材33と、ドラムの初期膜厚やカートリッジの製造番号などの情報を記憶した記憶部材Mを備えている。
本実施例では、このプロセスカートリッジを用いた画像形成装置について述べるが、この画像形成装置に限定されるものではない。例えば、カートリッジは、プロセスカートリッジでなく、トナーを収容するトナーカートリッジや、現像ローラなどの現像剤担持体を有する現像カートリッジでもよい。また、感光ドラムなどの感光体を有するドラムカートリッジでもよい。ドラムカートリッジと現像カートリッジとが装置本体にそれぞれ単独で着脱可能なカートリッジでもよい。
さらに、本明細書では、図2に示すように1個のプロセスカートリッジが画像形成装置の装置本体に着脱可能な構成について述べるが、複数のプロセスカートリッジが着脱可能な構成でもよい。例えば、フルカラーのレーザビームプリンタのように4つのプロセスカートリッジを備える画像形成装置にも本発明は応用可能である。
画像形成装置1は、パソコン、イメージリーダ等のホスト装置200とラン接続され、ホスト装置200からCPUなどの制御部101に入力する電気的な画像情報に基づいてシート状の記録材Pに対して画像形成動作を実行する。
CPUなどの制御部101は、ホスト装置200や表示部102との間で各種の電気的情報の授受をすると共に、画像形成動作を所定の制御プログラムや参照テーブルに従って統括的に制御する。
本実施例のカートリッジCRは、回転可能なドラム20、ドラム20に作用する電子写真プロセス手段を有する。プロセス手段としては、帯電部材である帯電ローラ21、クリーニング装置の一部であるクリーンングブレード22を有する。さらに、プロセス手段として、現像部材である現像スリーブ30、磁性体であるマグネットローラ31を有し、これらを一体的にカートリッジ化している。カートリッジCRは、装置本体1Aに対して開閉部材である本体ドア105を1点鎖線示のように開いて装置本体1Aの内部を大きく開放することで、装着及び取外し可能としている。
カートリッジCRを十分に挿入すると、カートリッジCRは所定の装着位置に保持されて、ドラム20は、露光装置100からのレーザーLが照射可能な位置に装着される。また、ドラム20の下面は、転写部材である転写ローラ4に対向する状態に設定される。そして、本体ドア105を閉じることで、カートリッジCRは装置本体1Aの内部に装着される。
装置本体1Aにはドアスイッチ107(安全スイッチ、キルスイッチ)が配設されている。ドアスイッチ107は、開閉部材である本体ドア105が開かれるとOFFし閉じられるとONする。
カートリッジCRが装置本体1Aの所定の位置に装着され、本体ドア105が閉じられた状態で、装置本体内部のカートリッジCRは装置本体側と機械的、電気的に結合した状態になる。すなわち、カートリッジCR側の被駆動部材(ドラム20、現像スリーブ30等)が装置本体1側の駆動機構とカートリッジCRのカップリングなどの駆動受け部を介して駆動可能状態になる。また、カートリッジCR側の記憶部材たる不揮発性メモリMが装置本体1側の制御部101と電気的に連絡状態になる。また、カートリッジCR側の帯電ローラ21や現像スリーブ30に対して装置本体1A側の電源トランスである帯電電圧印加部120、現像電圧印加部130から所定の電圧を印加することが可能となる。
装置本体1Aは、メイン電源スイッチ106が投入(電源ON)され、カートリッジCRが装着され、本体ドア105が閉じられドアスイッチ107がONである状態において、画像形成動作が可能な待機状態(スタンバイ状態)となる。
この待機状態において、ホスト装置200から制御回路部などの制御部101にプリントすべき電気的な画像情報(印刷ジョブの信号を含む)が入力されると、制御部101は、入力画像情報を制御部内の画像処理部101fで処理する。処理された信号は、画像形成開始信号(プリントスタート信号)後の画像形成プロセスで実行される。即ち、装置本体側の駆動モータが起動され、カートリッジCRの駆動受け部を介してドラム20が所定の速度(プロセススピード)にて回転駆動される。本実施例のドラム20のプロセススピードは150mm/sである。本実施例では、ドラムの駆動時間は、制御部101から駆動開始信号が送信された時間から駆動停止信号が送信された時間を駆動時間としている。
本実施例において、ドラム20は、回転ドラム型の電子写真感光体である。
ドラム20は導電性のシリンダの上に下引き層、中間層、電荷発生層、電荷輸送層(以下、CT層という。)を形成した積層型のドラム20を用いた。本実施例では、アルミシリンダ上に導電層約30μm、中間層と電荷発生層で約1μm、CT層20μmが積層されて構成されている。また、CT層としてはポリカーボネートを用いた。本明細書においては、このドラムを使用するため、CT層の初期膜厚は20μmに設定している。本実施例では、初期膜厚20μmを最初の感光層の膜厚に係わる膜厚情報として用いているが、これに限定されない。例えば、「20」というデータ値や「20×10−9」のデータ値など膜厚情報として用いてもよい。
ドラム20は導電性のシリンダの上に下引き層、中間層、電荷発生層、電荷輸送層(以下、CT層という。)を形成した積層型のドラム20を用いた。本実施例では、アルミシリンダ上に導電層約30μm、中間層と電荷発生層で約1μm、CT層20μmが積層されて構成されている。また、CT層としてはポリカーボネートを用いた。本明細書においては、このドラムを使用するため、CT層の初期膜厚は20μmに設定している。本実施例では、初期膜厚20μmを最初の感光層の膜厚に係わる膜厚情報として用いているが、これに限定されない。例えば、「20」というデータ値や「20×10−9」のデータ値など膜厚情報として用いてもよい。
回転駆動されたドラム20は、その表面が帯電部材である帯電ローラ21により所定の極性、電位に一様に帯電される。本実施例では、帯電ローラ21には、帯電電圧印加部120によって、所定のDC電圧である帯電バイアスが印加される。本実施例においては、DC:−1100Vの帯電電圧を印加し、ドラム20表面を−500Vに帯電した。帯電ローラ21に印加する帯電バイアスはDC電圧にAC電圧を重畳させた帯電電圧でもよい。また、帯電部材は、非接触帯電方式であるコロナ帯電器であっても良い。
ドラム20の帯電処理面に対して、露光装置100よりレーザー走査露光がなされる。レーザー走査露光がされると、レーザー光Lがドラム20に入光して、静電潜像(静電像)がドラム20表面に形成される。その感光体上の静電潜像(静電像)が現像スリーブ30上のトナーTによってトナー像として現像される。本実施例においては、トナーTが付着すべき画像部を露光するイメージ露光により静電潜像を形成している。そして、負帯電磁性1成分トナー(ネガトナー)を用いたジャンピング現像方式で露光により形成された静電潜像を反転現像している。本実施例では現像剤として負帯電磁性1成分トナーを用いているが、これに限定されず、構成によっては正帯電でも、非磁性でもよく、1成分でなく2成分でもよい。現像剤が2成分の場合は、現像剤にトナーとキャリアが含まれる。
現像スリーブ30はドラム20と所定の間隔をもって対向配置され、所定の速度で回転駆動される。マグネットローラ31は、現像スリーブ30に内包されて固定配置される。現像ブレード32は弾性部材であり、現像スリーブ82に対して弾性に抗して撓められ接触配置される。搬送部材33は現像スリーブ82の回転に連動して所定の速度で回転して、現像容器34内のトナーTを撹拌すると共に現像スリーブ30にトナーTを供給搬送する。
マグネットローラ31の磁力によりトナーTが磁気的に現像スリーブ30の表面に担持され、現像ブレード31によってトナーTにより形成される層が所定の層厚となりドラム20と対向する現像領域に搬送される。
現像スリーブ30には装置本体1Aに設けられた現像電圧印加部130によって所定の現像バイアスが印加されることにより、ドラム20上に形成された静電潜像を現像する。本実施例において、現像バイアスである現像電圧は、DC電圧にAC電圧を重畳させた電圧(DC:−350V、AC:1.6kV)を用いた。
一方、制御部101は、所定の制御タイミングにて給送ローラ61を回転駆動する。これにより給紙カセット6内に積載収容させてある記録材Pが給送される。分離ローラ62は、給紙ローラ61と対に配置され記録材Pを1枚分離する。1枚分離された記録材Pは記録材P端部センサ103を通って、ドラム20と転写ローラ4との当接部である転写ニップに導入される。
給紙カセット6には、給紙カセット6にセットされた記録材Pの短手幅を装置本体1Aに検出させるための短手幅被検出部材64が設けられている。給紙カセット6が装置本体1Aに装着されると、記録材の短手幅に合わせて規制部材が動き、その動きに合わせて短手幅被検出部材64が動く。この動きを装置本体1に設けられた短手幅検出部材65によって検出することにより記録材Pの短手方向の幅が検出される。この検出された幅が記録材の幅に係わる情報となる。この記録材の幅に係わる情報は、直接的な幅のデータでなくとも関連する情報であればよい。例えば、短手幅検出部材65で検出された信号をもとに、A4サイズやA5サイズなどの紙種の情報に変換された情報も記録材の幅に係わる情報として用いられる。
記録材P端部センサ103(以下、センサという)は、記録材Pが通過開始時にONされ、記録材Pが通過終了時にOFFされる。このトップセンサ103の信号は制御部101に送られて、帯電電圧、現像電圧、転写電圧のON/OFFのタイミングが制御される。また、センサ103のON時やOFF時は制御部101によって検出可能である。このため、このセンサ103のON時とOFF時の時間を記録材Pが転写ニップを通過した通過時間と同等な時間とすることができる。本実施例では、記録材Pがセンサ103を通過した時間は、記録材Pの長手方向の幅(長さ)に相当する。本実施例では、記録材Pの長手方向が記録材Pの搬送方向でもある。もちろん記録材Pの短手方向が記録材Pの搬送方向になるような画像形成装置にも応用可能である。
制御部101は、センサ103のON時間のみならず、帯電電圧、現像電圧、転写電圧のON時間が検出可能である。また、検出した時間はカートリッジCRの記憶部材に記憶させることが可能である。本実施例では、カートリッジCRに記録部材が設けてあり、カートリッジCRを装置本体から抜き出した場合に、カートリッジCRとともに装置本体から抜き出される。または、装置本体1AにカートリッジCRと別に記憶部材を設けている構成でもよい。
記録材Pはドラム20上の現像剤像であるトナー像と同期がとられて転写ニップに搬送される。記録材Pが転写ニップに入る時をセンサで検出している。検出された記録材Pが転写ニップで挟持搬送されていく過程において、転写電圧印加部140からトナーの帯電極性とは逆極性(本実施例では正極性)の所定電位の転写電圧が転写ローラに印加される。これにより、感光体上であるドラム20表面上のトナー像が記録材Pの表面に順次に静電転写されていく。本実施例における転写部材である転写ローラ4は、導電性の芯金に導電性のゴム部材を施したものを用いた。導電性のゴム部材を用いることで、ゴムの弾性によって、ドラム20の長手方向に均一な圧がかかるため、良好な転写性を得ることができる。また、転写電圧はDC電圧を用いた。本実施例における転写電圧の詳細は後述する。
転写ニップを出た記録材Pはドラム20の表面から分離されて搬送装置を通って定着装置5へ導入される。定着装置5へ導入された記録材Pは加熱、加圧されて、未定着のトナー像が固着画像として記録材の表面に定着される。そして、排紙ローラ106によって、装置外に排出される。
一方、記録材Pが分離された後のドラム20の表面は、クリーニングブレード22により転写残トナーや紙粉等の残留付着物が除去され、繰り返して作像(画像形成)に供される。
図4は、給紙カセット6の模式図である。
給紙カセット6には、種々の記録材Pがセット可能である。本実施例の画像形成装置においては、説明を簡易にするためA4サイズ、A5サイズ、はがきサイズの記録材がセット可能とした。当然3種類(A4、A5、はがき)に限定されるものではなく、4種類でも5種類以上でもよく複数あればよい。
図4(a)は、A4サイズの記録材Pを給紙カセット6にセットした状態である。図4(b)は、A5サイズの記録材Pを給紙カセット6にセットした状態である。図4(c)は、はがきサイズの記録材Pを給紙カセット6にセットした状態である。
記録材規制部材(横)(63a、63b)、記録材規制部材(縦)66は、ユーザーが記録材Pを給紙カセット6にセットする際に移動させる。短手幅被検出部材64は、記録材規制部材(横)63aと同期して移動する。そして、装置本体1Aに給紙カセット6が装着された際に、装置本体1Aに設けられた短手幅検出部材65によって短手幅被検出部材64の位置を検出して、対応する記録材Pの短手幅が検出される。本実施例では、記録材Pの長手方向の幅(長さ)が、ドラム駆動時間、帯電電圧印加時間、転写電圧印加時間などと関連がある。このため、記録材Pの短手方向の幅を検出した後に、それに対応した記録材Pの種類を特定し、記録材Pの長手方向の幅(長さ)に関連する情報に変換する。そして、記録材Pの長手方向の幅をもとに、各種時間を算出し、現在膜厚を算出し、比較部で閾値と比較を行い、寿命や余命の判断を行う。
ただし、これに限らず記録材Pの短手方向の幅をドラム駆動時間や帯電電圧印加時間に関連する情報に変換するテーブルを制御部(制御部内の記憶部101d)や記録部材が保有している構成でもよい。いずれにしても、記録材Pの短手方向の幅を感光体のCT層の削れに関連する情報に変換して、各種制御を行う。
また記録材Pは長手方向に中央基準でセットされる。
本明細書では、感光体の膜厚を精度よく検出するために、記録材の幅に係わる情報を考慮する。また、感光体の駆動時間に係わる情報、前記帯電部材に電圧が印加される帯電電圧の印加時間に係わる情報、現像剤像を前記記録材に転写する際の転写に係わる情報とも考慮する。
ここで、記録材の幅に係わる情報は、(i)記録材Pの実際の幅の長さの数値情報や(ii)A4、A5、はがきなどの記録材Pの種類に関する情報でもよい。感光体の駆動時間に係わる情報は、(i)感光体の駆動時間、(ii)制御部が感光体に駆動信号を送信した時から駆動停止信号を送信した時までの時間などがある。さらに、感光体の駆動時間に係わる情報としては、(iii)感光体の走行距離を用いてもよい。本実施例では、これらの時間を計測する時間計測部101bを制御部内に設けている。ただし、制御部外に時間計測部101bを設けてもよい。また、帯電部材に電圧が印加される帯電電圧の印加時間に係わる情報は、(i)帯電部材に電圧が印加されている時間、(ii)帯電電圧を印加するON・OFF信号(クロック信号)の送信タイミングなどがある。
現像剤像を記録材に転写する際の転写に係わる情報は、(i)後述するセンサでのONからOFFまでの時間、(ii)転写電圧の印加時間などがある。
現像剤像を記録材に転写する際の転写に係わる情報は、(i)後述するセンサでのONからOFFまでの時間、(ii)転写電圧の印加時間などがある。
ドラム20の寿命や余命(残寿命)を判断する実施例について、具体的に説明する。
まず、ドラム削れについて説明する。
ドラム20のCT層は、ドラム20の回転に伴うクリーニングブレード22との機械的な摺擦によって徐々に摩耗し削れていく。また、帯電ローラ21がドラム20を帯電する際の放電によっても摩耗する。さらに転写部材である転写ローラ4がドラム20上のトナー像を記録材Pに転写する際に発生する放電によっても摩耗する。
以下、転写ローラ4による放電について、図5を参照しながら説明する。
図5は、転写ニップの長手方向の断面模式図である。ドラムの長手方向でもあり、帯電ローラの長手方向でもあり、転写ローラの長手方向でもある。図5(a)はA4サイズの記録材Pが転写ニップを通過する際の断面模式図である。図5(b)はA5サイズの記録材Pが転写ニップを通過する際の断面模式図である。
本実施例の転写ローラの長手方向の長さは、A4サイズの短手方向の長さよりも長い。帯電ローラ21の長手方向の長さは、A4サイズの短手方向の長さよりも長い。そして、帯電ローラの長手方向の長さは、転写ローラの長手方向の長さより長く設定されている。帯電ローラ21の長手方向の長さは、クリーニングブレード22の長手方向の長さよりも短く設定されている。ドラム20の長手方向の長さはクリーニングブレードよりも長く設定されている。それぞれの部材の長手方向の関係はこれらに限らないが、転写ローラ4の長さは、セット可能な記録材Pの最大幅と等しいか、最大幅より長く設定するのが好適である。本実施例では、記録材Pの短手方向の最大幅より長く設定している。
記録材Pが転写ニップを通過する際、ドラム20と転写ローラ4との間には、微小なギャップGができる。また、転写ローラ4には所定の転写電圧が印加されている。
微小なギャップGに対する転写ローラ4の電圧が放電開始電圧をこえると、ギャップGで放電が発生する。このギャップGでの放電によって、図5(a)においてはA4サイズ(第1の記録材)の短手方向の端部に対応するドラム20の領域A(第1領域)が摩耗しやすい。同様に、図5(b)においてはA5サイズ(第2の記録材)の短手方向の端部に対応する位置にあるドラム20の領域B(第2領域)が摩耗しやすい。さらに、はがきサイズ(第3の記録材)であれば、はがき短手端部に対応する位置にあるドラム20の領域C(第3領域)が摩耗しやすい。
本実施例では、はがきサイズの記録材の短手方向の幅(長さ)は、A5サイズの記録材の短手方向の幅(長さ)よりも短く、A5サイズの記録材の短手方向の幅(長さ)は、A4サイズの記録材の短手方向の幅(長さ)より短い。
これに対応して、ドラムの長手方向の端部から中央に向かって、第1領域、第2領域、第3領域がドラムの対応した位置にくる。
つまり、記録材Pの短手幅の端部に対応したドラム20のCT層は、転写ローラ4による放電、帯電ローラ21による放電、クリーニングブレード22による摺擦をすべて受けるため摩耗が大きい。特に、転写ローラ4による放電による摩耗が加わる。
言い換えると、ドラム20のCT層の削れ量は、記録材Pの短手幅の端部に対応する領域が最も大きくなる。そして、その削れ量は、記録材Pが転写ニップを通過する時間の増加または距離の増加によって増大する。このため、単一のサイズ(種類)の記録材Pしか使用しない場合と、短手幅が異なるサイズ(異なる種類)の記録材Pを複数使用する場合とでは、特定の領域での最大削れ量が異なる。
つまり、ドラムの長手方向に対応した端部(位置)が異なる記録材Pを複数印刷する方が、ドラムの削れが進行しやすい領域をドラムの長手方向で複数に分散されることができる。このため、特定の領域のドラム最大削れ量を小さくすることが可能になる。
続いて、図6を参照しながら、画像形成のシーケンスについて説明する。図6は、A4サイズ紙4枚を連続プリントした動作時のシーケンスチャートを例示している。
t1で画像形成信号(印刷ジョブ)が入力されると、前回転動作(t1〜t2)、画像形成動作(t2〜t3)、後回転動作(t3〜t4)を連続的に行う。
前回転動作は、ドラム20の表面電位を一定とする準備動作を含む。画像形成信号が入力されると、まず、装置本体A1の駆動モータが起動されて、ドラム20が所定の速度(プロセススピード)にて回転駆動される。続いて、帯電電圧がONされ帯電ローラに帯電電圧が印加され、その後、転写電圧がVo電圧でONされ、転写ローラに転写電圧が印加される。ここでVo電圧とは、記録材Pが転写ニップにないときに印加する電圧であり、転写ローラ4に流れる電流値が所定の一定電流となるように印加する転写電圧である。記録材Pが転写ニップにあり、ドラム20上のトナー像を記録材Pに転写する電圧はVtとする。それぞれの電圧の大きさの関係は、|Vt|>|Vo|である。このように転写電圧を制御部(制御部内の電圧制御部)で制御することで装置本体1Aの置かれた環境(温度、湿度等)の変動や、転写ローラ4の抵抗値の変化に応じて、最適な転写電圧でドラム20上のトナー像を記録材Pに転写することができる。本実施例においては、転写ローラ4に流れる電流値が4μAとなるように、Vo電圧を制御した。このときVo電圧はDC:+0.8〜+1.2kV程度、Vt電圧:+1.5〜+4.0kV程度となる。
前回転動作に続いて画像形成動作を行う。図2において、記録材Pが給紙カセット6から搬送され記録材Pの先端がセンサ103に到達すると、センサ103がONされる。センサ103のONに連動して、現像電圧、転写電圧VtがONされる。それぞれの電圧は、センサ103と現像位置、転写位置との関係、また現像電源印加部130、転写電圧印加部140の立ち上り特性を考慮して適宜設定された所定のタイミングでONされる。記録材Pの後端がセンサ103を通過するとセンサがOFFされる。センサ103のOFFに連動して、現像電圧がOFF、転写電圧VtはVoになる。プリント信号で指定された枚数分これを繰り返す。図6は4枚連続プリントなので4回繰り返している。
また、センサ103のONからOFFまでの時間Lt1(=Lt2=Lt3=Lt4)は、A4サイズの縦方向(長手方向)の長さ(298mm)を所定のプロセススピードで印字する時間と同等の時間である。また、転写電圧VtがONされている時間であるTt1(=Tt2=Tt3=Tt4)は、転写電圧印加部140の立ち上り特性を考慮して設定されるため、Lt1よりもやや長い時間に設定されることが多い。本実施例においては、Tt1−Lt1=50msである。本実施例では、記録材に転写する際の転写に係わる情報として、転写電圧VtのON時間を用いているが、VoのON時間も考慮すればより精度がよくなる。ただし、VoのON時間の影響は、VtのON時間の影響よりは小さい。
プリント信号で指定された枚数分の画像形成を終えると、後回転動作に移行する。後回転動作において、転写電圧VoがOFFになり、続いて帯電電圧がOFFになる。続いて記録材Pが装置外に排出されると、駆動モータが停止されることでドラム20の駆動がOFFになり、スタンバイ状態となる。
ここでは、A4サイズ4枚の紙を連続プリントすることについて説明したが、異なる枚数(10枚、100枚など)のプリント時でも同様である。またA4サイズではなく、A5サイズ、或いははがきサイズをプリントした場合は、画像形成動作時のそれぞれのONからOFFまでの時間がそれぞれの紙サイズの長さに応じて短くなる。
続いて、ドラム寿命予測部101eについて説明する。本実施例のドラム寿命予測部101eは、制御部101内に内蔵されているが、これに限定されず、制御部とは別の場所に設けられていてもよい。ドラム寿命予測部101eは、記録材Pの短手端部に対応する位置にあるドラムCT層の領域の膜厚をそれぞれ算出し、ドラム寿命の予測をする。
ドラム20のCT層の削れは、ドラム20の駆動、帯電ローラ21による放電、そして記録材Pの短手端部のギャップGで発生する転写ローラ4による放電によって発生する。そのため、ドラム20の駆動時間、帯電ローラ21による放電時間、そして記録材Pの短手端部のギャップGで発生する転写ローラ4による放電時間の増大によって、CT層の削れは増大する。
本実施例では、それぞれの時間を積算することによって、CT層の削れ量を算出し、初期膜厚X(本実施例では20μm)を考慮して、プリント後に残ったCT膜厚である現在膜厚Yを算出する。本明細書では現在膜厚を感光層の膜厚に係わる膜厚情報になる。この膜厚情報は、(i)実際の膜厚の数値(例えば、12×10−9)、(ii)簡易的な膜厚の数値(12、12.000)などを用いることができる。
本実施例においては、時間を積算することで現在膜厚Yを算出するが、時間に相当するドラム20の走行距離を積算してもよい。また初期膜厚XはカートリッジCRの記憶部材である不揮発性メモリMに記憶されている。
図6の例において、A4サイズ4枚の連続プリントジョブにおけるそれぞれの積算時間は以下のようになる。
ここで、それぞれの記号を次のように定義しておく。
X:CT層の初期膜厚(実施例1では20μm)
Z:CT層の閾値膜厚、または、CT層の寿命膜厚(実施例1では8μm)
Dt:ドラム20の駆動時間
Pt:帯電電圧印加時間、または、帯電ローラ21による放電時間
Lt:センサ103のON時間、または、記録材Pの長手端部のギャップGで発生する転写ローラ4による放電時間
Tt:転写電圧Vtの印加時間
Ya:第1の記録材の短手端部に対応したドラム20の第1領域の現在膜厚
Yb:第2の記録材の短手端部に対応したドラム20の第2領域の現在膜厚
Yc:第3の記録材の短手端部に対応したドラム20の第3領域の現在膜厚
ここで、記録材Pの短手端部のギャップGで発生する転写ローラ4による放電時間Ltは、転写電圧Vtの印加時間と相関があるため、転写電圧Vtの印加時間Ttで代用、もしくは換算してもよい。
X:CT層の初期膜厚(実施例1では20μm)
Z:CT層の閾値膜厚、または、CT層の寿命膜厚(実施例1では8μm)
Dt:ドラム20の駆動時間
Pt:帯電電圧印加時間、または、帯電ローラ21による放電時間
Lt:センサ103のON時間、または、記録材Pの長手端部のギャップGで発生する転写ローラ4による放電時間
Tt:転写電圧Vtの印加時間
Ya:第1の記録材の短手端部に対応したドラム20の第1領域の現在膜厚
Yb:第2の記録材の短手端部に対応したドラム20の第2領域の現在膜厚
Yc:第3の記録材の短手端部に対応したドラム20の第3領域の現在膜厚
ここで、記録材Pの短手端部のギャップGで発生する転写ローラ4による放電時間Ltは、転写電圧Vtの印加時間と相関があるため、転写電圧Vtの印加時間Ttで代用、もしくは換算してもよい。
具体的な積算は、プリント動作に従って、各時間を積算していく。例えばA4サイズについて、n回のプリントジョブを終えた後の各時間は、以下のようになる。
(ドラム20の駆動時間)
Dt=Dt(1)+Dt(2)+・・・+Dt(n)
(帯電電圧印加時間)
Pt=Pt(1)+Pt(2)+・・・+Pt(n)
(トップセンサ103のON時間)
Lt=Lt(1)+Lt(2)+・・・+Lt(n)
(転写電圧Vtの印加時間)
Tt=Tt(1)+Tt(2)+・・・+Tt(n)
これらの積算時間から現在膜厚Yを算出する。
Dt=Dt(1)+Dt(2)+・・・+Dt(n)
(帯電電圧印加時間)
Pt=Pt(1)+Pt(2)+・・・+Pt(n)
(トップセンサ103のON時間)
Lt=Lt(1)+Lt(2)+・・・+Lt(n)
(転写電圧Vtの印加時間)
Tt=Tt(1)+Tt(2)+・・・+Tt(n)
これらの積算時間から現在膜厚Yを算出する。
本実施例では、A4サイズを4回プリントするので、次のようになる。
(ドラム20の駆動時間)
Dt=Dt(1)+Dt(2)+Dt(3)+Dt(4)
(帯電電圧印加時間)
Pt=Pt(1)+Pt(2)+Pt(3)+Pt(4)
(トップセンサ103のON時間)
Lt=Lt(1)+Lt(2)+Lt(3)+Lt(4)
Dt=Dt(1)+Dt(2)+Dt(3)+Dt(4)
(帯電電圧印加時間)
Pt=Pt(1)+Pt(2)+Pt(3)+Pt(4)
(トップセンサ103のON時間)
Lt=Lt(1)+Lt(2)+Lt(3)+Lt(4)
(転写電圧Vtの印加時間)
Tt=Tt(1)+Tt(2)+Tt(3)+Tt(4)
ただし、図6からも分かるように、DtとPtは、前回転動作から画像形成動作を経て後回転動作までON状態にあるので、LtやTtと積算の算出方法が異なる。
Tt=Tt(1)+Tt(2)+Tt(3)+Tt(4)
ただし、図6からも分かるように、DtとPtは、前回転動作から画像形成動作を経て後回転動作までON状態にあるので、LtやTtと積算の算出方法が異なる。
前述したように、記録材Pの短手端部のギャップGで発生する転写ローラ4による放電によるCT層の削れは、記録材PがA4サイズであった場合は、A4サイズ端でしか発生しない。言い換えると、ドラム20の長手方向でA4サイズの端部の領域でのみこの削れが発生する。他の記録材サイズの記録材Pを印刷する場合も同様である。
よって、ドラム20の長手方向で、記録材Pの端部に対応する複数のドラム位置での現在膜厚Yを別々に算出する。即ち、記録材Pの短手方向の幅を短手幅検出部材65によって検出し、検出した記録材Pの長手方向の幅に対応するドラム駆動時間や帯電電圧印加時間について、Dt、Ptに加える。さらに、紙ごとに、センサ103のONからOFFまで時間や転写電圧印加時間をLtやTtに積算する。
本実施例においては、ドラムの長手表面にA4サイズの端部位置A(第1領域)、A5サイズの端部位置B(第2領域)、はがきサイズの端部位置C(第3領域)を有する。そして、それぞれについて、A4サイズの端部位置の現在膜厚Ya、A5サイズの端部位置Bの現在膜厚Yb、はがきサイズの端部位置Cの現在膜厚Ycをそれぞれ算出する。
印刷される記録材Pのサイズによって、ドラム20の駆動、帯電ローラ21による放電、記録材Pの長手端部のギャップGで発生する転写ローラ4による放電、それぞれについて、CT層の削れに対する寄与度が異なる。
よって、それぞれについてCT層の削れの寄与度に合わせて係数をかけて現在CT膜厚Yを算出する。また、単位時間あたりのCT層の削れ量をFとする。具体的には、次のような式になる。
現在膜厚Y=初期膜厚X−F・(K1・Dt+K2・Pt+K3・Lt)
前述したように、プリントしている記録材Pの長手端部位置をセンサで検出してその時間をLtとして積算している。このため、上述の式では、現像剤像を記録材に転写する際の転写に係わる情報は、LtまたはK3・Ltになる。もちろん、現像剤像を記録材に転写する際の転写に係わる情報が、Ttでもよい。なお、感光体の駆動時間に係わる情報は、DtまたはK1・Dtであり、帯電電圧の印加時間に係わる情報は、PtまたはK2・Ptになる。
前述したように、プリントしている記録材Pの長手端部位置をセンサで検出してその時間をLtとして積算している。このため、上述の式では、現像剤像を記録材に転写する際の転写に係わる情報は、LtまたはK3・Ltになる。もちろん、現像剤像を記録材に転写する際の転写に係わる情報が、Ttでもよい。なお、感光体の駆動時間に係わる情報は、DtまたはK1・Dtであり、帯電電圧の印加時間に係わる情報は、PtまたはK2・Ptになる。
また、現在膜厚Ya、Yb、Ycを算出するための各係数は、以下のようにあらかじめ設定し、制御部101に記憶している。この係数の設定値は、CT層の材料やカートリッジCRの構成、装置本体の構成、シーケンスによって適宜決定される。本実施例では、各係数は次のように設定し検討した。
K1=0.25
K2=1.00
K3=1.25
F=0.0003μm/sec
K2=1.00
K3=1.25
F=0.0003μm/sec
現在CT膜厚Yが小さくなってくると、やがて印刷した記録材上にカブリ画像が発生する。これは暗減衰が大きくなり、現像位置においてドラム表面電位が小さくなり、トナーTが白地部に現像してしまうためである。この暗減衰が発生してしまう膜厚を寿命膜厚Zとし、ドラム20の現像スリーブに対向する位置で1カ所でも寿命膜厚Zに到達した際に、ドラム20の寿命として表示部102に表示しユーザーに報知する。即ち、Ya、Yb、Ycのいずれかが寿命膜厚Zと等しいか小さくなった際にドラム寿命として、ユーザーに報知し、カートリッジCRの交換を促す。本実施例では、寿命膜厚Zとしているが、あくまでカートリッジCRの交換を促す閾値を設定しているだけである。より良い印刷画像を提供できるように、上述の寿命膜厚Zよりも少し厚めに感光層の膜厚に係わる閾値を設定しても良い。また、本実施例では、Ya、Yb、Ycのいずれかが寿命膜厚Zに達すると交換を報知するが、これに限定されない。例えば、A4サイズに対応したドラムのYaは寿命膜厚Zに到達したが、A5サイズやはがきに対応した膜厚はまだ十分余命がある場合がある。その後の印刷がはがきだけである場合には、はがきに対応するドラム領域ではまだ画像形成できる。そのため、画像形成を継続させる判断ができるようにしてもよい。
ここで、寿命膜厚Zは、カートリッジCRの不揮発性メモリMに記憶されている。本実施例において、寿命膜厚Zは8μmに設定した。寿命膜厚Zは、ドラム20の材料や装置本体1、カートリッジCRの構成に合わせて適宜設定される。
また、現在膜厚Yからそれぞれの記録材Pのサイズに対し、ドラムの残寿命W(余命W)を適宜報知することも可能である。
この際、ドラムの残寿命W(余命W)は例えば以下のように設定する。
W(%)={1−(現在膜厚Y−寿命膜厚Z)/(初期膜厚X−寿命膜厚Z)}×100
本実施例については、A4サイズの残寿命Wa、A5サイズの残寿命Wb、はがきサイズの残寿命Wcを算出し、すべて表示部102に表示する。このようにすると、ユーザーが使用する記録材Pのサイズに対するドラム20の残寿命Wが認識できるため、ユーザビリティが向上する。
W(%)={1−(現在膜厚Y−寿命膜厚Z)/(初期膜厚X−寿命膜厚Z)}×100
本実施例については、A4サイズの残寿命Wa、A5サイズの残寿命Wb、はがきサイズの残寿命Wcを算出し、すべて表示部102に表示する。このようにすると、ユーザーが使用する記録材Pのサイズに対するドラム20の残寿命Wが認識できるため、ユーザビリティが向上する。
また、ユーザーが使用する頻度が高い記録材Pのサイズについてのみドラム20の残寿命Wを表示することも可能である。
続いて、ドラム寿命予測部101eのフローについて図1を参照しながら説明する。
図1は、ドラム寿命予測に関するフローチャートである。
step100にて、ホスト装置200から画像形成開始信号(印刷ジョブ信号)が入力されると、制御部のドラム寿命予想部でドラム寿命予測を開始する。
step101にて、カートリッジCRに記憶されているドラム20の第1領域の現在膜厚Ya、ドラム20の第2領域の現在膜厚Yb、ドラム20の第3領域の現在膜厚Ycを寿命膜厚Z(閾値)と比較する。この比較は、制御部101内の比較部101aで行われる。Ya、Yb、Ycの少なくとも1つがZより大きくない場合はstep109に進み、ドラム寿命であることを表示部102に表示し、ユーザーにカートリッジCRの交換を促す。Ya、Yb、YcがZより大きい場合はstep102に進む。
本実施例では、寿命膜厚Zは1つの閾値のみを用いているが、Ya、Yb、Ycのそれぞれに閾値を設定してもよい。例えば、Yaには第1閾値Za、Ybには第2閾値Zb、Ycには第3閾値Zcなどが考えられる。もちろん本実施例のように、第1閾値、第2閾値、第3閾値が同じ閾値(Z=Za=Zb=Zc)であってもよい。
ドラム寿命予測に関するフローチャートに説明を戻すと、次に、step102において、前回転動作を開始する。そして、step103において、短手幅検出部65で印刷する記録材Pの短手幅を検出する。本実施例では、短手方向の幅であるが、構成によっては長手方向の幅でもよい。
記録材Pの幅を検出したあとは、それに対応した記録材Pのサイズ(種類)に関連する情報を元に画像形成動作がstep104で行われる。情報の変換は、装置本体内の演算部101cで算出する方式でも、検出した情報と対応させたテーブルを装置本体内に記憶させておく形式でもよい。また、印刷ジョブの信号の中に記録材Pのサイズ(種類)の情報を含めてもよい。
そして、検出した短手幅の情報をもとに、step105において、ドラム駆動時間Dt、帯電電圧印加時間Pt、センサのON時間(転写関連時間)Ltを積算する。本実施例では装置本体内の制御部で演算を行い積算しているが、予めテーブルを作成し、装置本体内に記憶させ、検出した信号に対応した情報を取得する形でもよい。
その後、その積算した情報をもとに、step106において、Ya、Yb、Ycを算出する。センサのON時間(転写関連時間)Ltはstep103において検出した短手幅に応じて、対応するドラムの長手方向のYa、Yb、Ycのいずれかに加算する。
例えば、step103においてA4サイズの短手幅を検出した際は、次のようにYa、Yb、Ycを算出する。そして、A4サイズに対応した第1領域の膜厚に、Ltの値を考慮して現在膜厚を算出する。算出のための式は、以下のようになる。
Ya=X−F・(K1・Dt+K2・Pt+K3・Lt)
Yb=X−F・(K1・Dt+K2・Pt)
Yc=X−F・(K1・Dt+K2・Pt)
Ya=X−F・(K1・Dt+K2・Pt+K3・Lt)
Yb=X−F・(K1・Dt+K2・Pt)
Yc=X−F・(K1・Dt+K2・Pt)
続いて、step107にて、step106で算出したYa、Yb、Ycと寿命膜厚Z(閾値)とを制御部内にある比較部101aで比較する。Ya、Yb、Ycの少なくとも1つが寿命膜厚Z以下の場合には、後回転動作(step108)の後に、ドラム寿命であることを表示部102に表示するstep109に進む。そして、ユーザーにカートリッジCRの交換を促し、step110にて、算出したYa、Yb、Ycを不揮発性メモリMに記憶し、step111に進みスタンバイ状態となる。
step105において、Ya、Yb、YcがZより大きい場合は、step112に進む。step112にて、ホスト装置200によって指示された印刷ジョブが終了したかどうかを制御部で判断する。印刷ジョブが終了していない場合は、step103に進み印刷を続行する。step112にて、ホスト装置200によって指示された印刷ジョブが終了したと制御部が判断した場合には、後回転動作(step113)に進む。後回転動作後にstep114にて、ドラム20の残寿命(余命)Wを制御部で算出し、表示部102に表示しユーザーに報知する。残寿命Wは、本実施例の装置本体1において、使用可能な記録材PであるA4サイズ、A5サイズ、はがきサイズの残寿命Wについてすべてを報知する。それぞれの残寿命Wの算出は以下のように行う。
Wa(%)={1−(Ya−Z)/(X−Z)}×100
Wb(%)={1−(Yb−Z)/(X−Z)}×100
Wc(%)={1−(Yc−Z)/(X−Z)}×100
Wa(%)={1−(Ya−Z)/(X−Z)}×100
Wb(%)={1−(Yb−Z)/(X−Z)}×100
Wc(%)={1−(Yc−Z)/(X−Z)}×100
続いてstep110にて、算出したYa、Yb、Ycを不揮発性メモリMに記憶し、step111に進みスタンバイ状態となる。
続いて、図7を用いて実際のドラムのCT膜厚の推移について説明する。図7は、以下の実験条件で印刷を繰り返した際の現在膜厚Ya、Yb、Ycの推移である。実線がYa、一点鎖線がYb、二点鎖線がYcの推移である。
(実験条件)
新品カートリッジCRを使用
(1)A4サイズの記録材PをQ1時間印刷
(2)A5サイズの記録材Pを(Q2−Q1)時間印刷
(3)A4サイズの記録材Pを(Q3−Q2)時間印刷
Ya、Yb、Ycとも、新品状態では初期膜厚X(本実施例では、20μm)は等しい。
新品カートリッジCRを使用
(1)A4サイズの記録材PをQ1時間印刷
(2)A5サイズの記録材Pを(Q2−Q1)時間印刷
(3)A4サイズの記録材Pを(Q3−Q2)時間印刷
Ya、Yb、Ycとも、新品状態では初期膜厚X(本実施例では、20μm)は等しい。
印刷時間がO〜Q1の区間においては、A4サイズの記録材のみを印刷しているため、Yaの傾きが大きく、Yb、Ycの傾きは等しくYaの傾きよりも小さい。これは、感光層のYa領域では、現像剤を記録材に転写する際に微小ギャップ間で生じる放電により感光層であるCT層が削られているためである。
印刷時間がQ1〜Q2の区間においては、A5サイズのみを印刷しているため、Ybの傾きが大きく、Ya、Ycの傾きは等しくYbの傾きよりも小さい。上述と同様の理由で、Ybにおいて微小ギャップ間で生じる放電により感光層が削れているために傾きが大きくなっている。
印刷時間がQ2〜Q3の区間においては、再びA4サイズのみを印刷しているため、Yaの傾きが大きく、Yb、Ycの傾きは等しくYaの傾きよりも小さい。
Q3時間印刷した時点でYaが所定の寿命膜厚Zと等しくなり、ドラム20は寿命に到達し、ドラム寿命が報知されている。Yb、Ycは所定の寿命膜厚Zよりも大きい。
例えば、O〜Q3において単一のサイズの記録材Pのみを印刷していた際は、Q4の時点でドラム寿命を報知することになる。
従来、記録材Pの短手端部のギャップGで発生する転写ローラ4による放電を考慮しない場合には、ユーザーの使用する記録材Pのサイズによらず、Q4でドラム寿命を報知していた。
このように記録材Pの長手端部のギャップGで発生する転写ローラ4による放電によるドラム20のCT層の削れを考慮することによって、よりドラム寿命検知精度を向上させ、よりドラムを適切な寿命まで有効に使用することができる。
以下、実施例2について図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施例1と同様の構成は、実施例1と同様の符号を付してその説明は省略する。
本実施例では、実施例1の構成に対して、記録材Pの厚み、抵抗の情報を考慮することによって、ドラム寿命予測部で行うドラム寿命予測をより詳細に行う。
これによって、更にドラム寿命検知精度を向上させることが可能である。
ユーザーによって使用される記録材Pは種々用いられる。具体的にはサイズの他に、厚みや抵抗が異なる記録材Pが用いられる。
まず、記録材Pの厚みがドラム寿命に与える影響について説明する。
記録材Pの厚みが異なると、図5で説明したギャップGの大きさが異なる。より厚い記録材Pの場合にはギャップGが大きくなり、より薄い記録材Pの場合にはギャップGが小さくなる。このギャップGの大きさによって、転写ローラ4からドラム20への放電量が異なる。放電量はギャップGが大きくなるほど増大する。よって、ギャップGが大きくなる厚い記録材Pを用いた際には、より薄い記録材Pを用いた際に比べて、記録材Pの長手端部位置でのCT層の削れが増大する。
続いて、記録材Pの抵抗がドラム寿命に与える影響について説明する。
記録材Pの抵抗が異なる場合、転写電圧Vtの電圧を変える。これは同じ転写バイアスVtを印加すると、記録材Pの抵抗によって、記録材Pを介してドラム20上のトナー像にかかる電圧が異なるためである。そこで記録材Pの抵抗が高い場合には転写電圧Vtを大きく設定し、記録材Pの抵抗が低い場合には転写電圧Vtを小さく設定すると良好な転写性が得られる。
一方、ギャップGで発生する放電量は、転写ローラPとドラム20の間に記録材Pを介さないため、転写電圧Vtの大きさによって異なる。放電量は転写電圧Vtが大きくなるほど増大する。よって、転写電圧Vtを大きく設定する高抵抗の記録材Pを用いた際は、転写電圧Vtを小さく設定する低抵抗の記録材Pを用いた際に比べて、記録材Pの長手端部位置でのCT層の削れが増大する。本実施例において、低抵抗の記録材Pを用いた際のVtは+1.5kV程度、高抵抗の記録材Pを用いた際のVtは+4.0kV程度である。
そこで、本実施例においては記録材Pの厚み・抵抗の情報に応じて、現在膜厚Yを算出する際の係数の値を変える。本実施例の係数は、係数K4とする。
具体的には係数K4に関するテーブルを以下にように制御部101に記憶させておき、ユーザーが指定した記録材Pの情報(ホストコンピュータ200で指定された画像情報)に基づいて、係数K4を選択する。そして現在膜厚Yを算出する。
続いて、ドラム寿命予測部101eのフローについて図8を参照しながら説明する。
図8は、本実施例におけるドラム寿命部に関するフローチャートである。
step200にて、ホスト装置200から画像形成開始信号が入力されると、ドラム寿命予測を開始する。画像形成開始信号には、記録材Pの厚み・抵抗の情報が含まれる。
step200にて、ホスト装置200から画像形成開始信号が入力されると、ドラム寿命予測を開始する。画像形成開始信号には、記録材Pの厚み・抵抗の情報が含まれる。
step201にて、カートリッジCRに記憶されているYa、Yb、YcをZと比較する。Ya、Yb、Ycの少なくとも1つがZより大きくない場合はstep206に進み、ドラム寿命であることを表示部102に表示し、ユーザーにカートリッジCRの交換を促す。Ya、Yb、YcがZより大きい場合はstep202に進む。
step202において、短手幅検出部材65で検知している記録材Pの長手幅を検出する。
続いてstep212において、記録材Pの厚み・抵抗の情報に基づいて、制御部101に記憶された係数K4のテーブルから係数K4の値を決定する。
step203において、Dt、Pt、Ttを積算する。本実施例においては、LtではなくTtを使用した。
step204において、Ya、Yb、Ycを算出する。Ttはstep202において検出した短手幅に応じてYa、Yb、Ycのいずれかに加算する。
例えば、step202においてA4サイズの短手幅を検出した際は、下記のようにYa、Yb、Ycを算出する。K4はstep212において決定したK4の値を用いる。
例えば、step202においてA4サイズの短手幅を検出した際は、下記のようにYa、Yb、Ycを算出する。K4はstep212において決定したK4の値を用いる。
Ya=X−F・(K1・Dt+K2・Pt+K4・Tt)
Yb=X−F・(K1・Dt+K2・Pt)
Yc=X−F・(K1・Dt+K2・Pt)
続いて、step205にて、step204で算出したYa、Yb、YcをZと比較部101aで比較する。Ya、Yb、Ycの少なくとも1つがZ以下の場合には、step206に進み、ドラム寿命であることを表示部102に表示し、ユーザーにカートリッジCRの交換を促す。続いて、step207において、ドラム寿命を迎えたカートリッジCRでの印刷を中断するかをユーザーに選択を促す。印刷を中断する場合は、step208にて、算出したYa、Yb、Ycを不揮発性メモリMに記憶し、step211に進みスタンバイ状態となる。
Yb=X−F・(K1・Dt+K2・Pt)
Yc=X−F・(K1・Dt+K2・Pt)
続いて、step205にて、step204で算出したYa、Yb、YcをZと比較部101aで比較する。Ya、Yb、Ycの少なくとも1つがZ以下の場合には、step206に進み、ドラム寿命であることを表示部102に表示し、ユーザーにカートリッジCRの交換を促す。続いて、step207において、ドラム寿命を迎えたカートリッジCRでの印刷を中断するかをユーザーに選択を促す。印刷を中断する場合は、step208にて、算出したYa、Yb、Ycを不揮発性メモリMに記憶し、step211に進みスタンバイ状態となる。
step207において、印刷の中断を選択しない場合は、step202に進み印刷を続行する。例えば、A4サイズの印刷を連続して行っており、Yaが寿命膜厚Zに到達したときに、A5サイズの端部に対応したYbやはがきサイズの端部に対応したYcがまだ余命がある場合がある。この場合に、はがきサイズの記録材Pを印刷すると、ドラムのYaの膜厚は画像に影響を与える可能性がかなり低いため、これまでの画像品質と同じ画像の印刷が可能である。そのため、まだドラムを使用することが可能である。そこで、ユーザーに交換するか印刷を継続させるかの判断をさせるシーケンスを追加することで、実施例1よりもより長くドラムを使用することが可能になる場合がある。
step205において、Ya、Yb、Ycの少なくとも1つがZ以下でない場合は、step209に進む。step209にて、ホスト装置200によって指示された印刷ジョブが終了したかどうかを判断する。印刷ジョブが終了していない場合は、step202に進み印刷を続行する。step209にて、ホスト装置200によって指示された印刷ジョブが終了したと判断した場合には、step210にて、ドラム20の残寿命Wを算出し、表示部102に表示し報知する。残寿命Wは、本実施例の装置本体1において、使用可能な記録材PであるA4サイズ、A5サイズ、はがきサイズの残寿命Wについてすべてを計算し、Wa、Wb、Wcのうち、最も使用頻度が多い記録材サイズの値を報知する。それぞれの残寿命Wの算出は以下のように行う。
Wa(%)={1−(Ya−Z)/(X−Z)}×100
Wb(%)={1−(Yb−Z)/(X−Z)}×100
Wc(%)={1−(Yc−Z)/(X−Z)}×100
続いてstep208にて、算出したYa、Yb、Ycを不揮発性メモリMに記憶し、step211に進みスタンバイ状態となる。
Wa(%)={1−(Ya−Z)/(X−Z)}×100
Wb(%)={1−(Yb−Z)/(X−Z)}×100
Wc(%)={1−(Yc−Z)/(X−Z)}×100
続いてstep208にて、算出したYa、Yb、Ycを不揮発性メモリMに記憶し、step211に進みスタンバイ状態となる。
以上説明したように、記録材Pの厚み、抵抗の情報を基に、ドラム寿命予測手段で行うドラム寿命予測をより詳細に行うことによって、更にドラム寿命検知精度を向上させることが可能である。
以下、実施例3について図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施例1、或いは2と同様の構成は、実施例1、或いは2と同様の符号を付してその説明は省略する。
本実施例では、記録材Pにドラム20上のトナー像を転写する際に、転写ローラ4に印加する電圧Vtの電圧を検出する転写電圧検出部を転写電圧印加部104に備える。実施例1の構成に対して、この転写電圧検出部が検出する電圧の大きさを考慮することによって、ドラム寿命予測部101eで行うドラム寿命予測をより詳細に行う。
これによって、更にドラム寿命検出精度を向上させることが可能である。
前述したように、転写電圧Vtの大きさによって、ギャップGでの放電量が異なる。放電量は転写電圧Vtが大きくなるほど増大する。そこで、本実施例においては電圧検出手段によって検出した転写電圧Vtの大きさに応じて、現在膜厚Yを算出する際の係数K4の値を変える。
具体的には、K4を以下の計算式で算出する。計算式は制御部101に記憶されている。K4の計算式は、装置本体1、カートリッジCRの構成によって適宜決定されるものであり、この限りではない。
K4=1.15+0.20(Vt/4kV)
K4=1.15+0.20(Vt/4kV)
続いて、ドラム寿命予測のフローについて図9を参照しながら説明する。図9は、本実施例におけるドラム寿命予測に関するフローチャートである。
step300にて、ホスト装置200から画像形成開始信号が入力されると、ドラム寿命予測を開始する。
step300にて、ホスト装置200から画像形成開始信号が入力されると、ドラム寿命予測を開始する。
step301にて、カートリッジCRに記憶されているYa、Yb、YcをZと比較する。Ya、Yb、Ycの少なくとも1つがZより大きくない場合はstep306に進み、ドラム寿命であることを表示部102に表示し、ユーザーにカートリッジCRの交換を促す。Ya、Yb、YcがZより大きい場合はstep302に進む。
step302において、短手幅検出部材65で記録材Pの短手幅を検出する。
続いてstep312において、電圧検出手段で転写電圧Vtを検出する。そしてstep313において、step312で検知した転写電圧Vtを用いて係数K4の値を、制御部101に記憶してある計算式を用いて算出し、決定する。
step303において、Dt、Pt、Ltを積算する。
step304において、Ya、Yb、Ycを算出する。Ltはstep302において検出した短手幅に応じてYa、Yb、Ycのいずれかに加算する。
例えば、step302においてA4サイズの短手幅を検知した際は、下記のようにYa、Yb、Ycを算出する。K4はstep313において決定したK4の値を用いる。
Ya=X−F・(K1・Dt+K2・Pt+K4・Lt)
Yb=X−F・(K1・Dt+K2・Pt)
Yc=X−F・(K1・Dt+K2・Pt)
例えば、step302においてA4サイズの短手幅を検知した際は、下記のようにYa、Yb、Ycを算出する。K4はstep313において決定したK4の値を用いる。
Ya=X−F・(K1・Dt+K2・Pt+K4・Lt)
Yb=X−F・(K1・Dt+K2・Pt)
Yc=X−F・(K1・Dt+K2・Pt)
続いて、step305にて、step304で算出したYa、Yb、YcをZと比較部101aで比較する。Ya、Yb、Ycの少なくとも1つがZ以下の場合には、step306に進み、ドラム寿命であることを表示部102に表示し、ユーザーにカートリッジCRの交換を促す。続いて、step307において、ドラム寿命を迎えたカートリッジCRでの印刷を中断するかをユーザーに選択を促す。印刷を中断する場合は、step308にて、算出したYa、Yb、Ycを不揮発性メモリMに記憶し、step311に進みスタンバイ状態となる。
step307において、印刷の中断を選択しない場合は、step302に進み印刷を続行する。
step305において、Ya、Yb、Ycの少なくとも1つがZ以下でない場合は、step309に進む。step309にて、ホスト装置200によって指示された印刷ジョブが終了したかどうかを判断する。印刷ジョブが終了していない場合は、step302に進み印刷を続行する。step309にて、ホスト装置200によって指示された印刷ジョブが終了したと判断した場合には、step310にて、ドラム20の残寿命Wを算出し、表示部102に表示し報知する。残寿命Wの算出方法は、実施例1や2と同様である。
続いてstep308にて、算出したYa、Yb、Ycを不揮発性メモリMに記憶し、step311に進みスタンバイ状態となる。
以上説明したように、転写ローラ4に印加する電圧Vtの電圧を検出する電圧検出手段を転写電圧印加部104に設ける。この電圧検出手段が検出する電圧によって、ドラム寿命予測部101eで行うドラム寿命予測をより詳細に行うことによって、更にドラム寿命検知精度を向上させることが可能である。
1 画像形成装置
1A 画像形成装置の装置本体
65 短手幅検出部材
101 制御部
101A 比較部
CR カートリッジ
G ギャップ
L レーザー
M 記録部材
P 記録材
T トナー
1A 画像形成装置の装置本体
65 短手幅検出部材
101 制御部
101A 比較部
CR カートリッジ
G ギャップ
L レーザー
M 記録部材
P 記録材
T トナー
Claims (17)
- 記録材に画像を形成するための画像形成装置であって、
感光層を有する感光体と、
前記感光体の表面を帯電する帯電部材と、
前記感光体上の現像剤像を記録材に転写する転写部材と、
記録材の幅を検出する検出部と、
前記感光層の膜厚に係わる膜厚情報と感光層の膜厚に係わる閾値とを比較する比較部と、を有し、
前記比較部は、前記記録材の幅に係わる情報と、前記感光体の駆動時間に係わる情報と、前記帯電部材に電圧が印加される帯電電圧の印加時間に係わる情報と、現像剤像を前記記録材に転写する際の転写に係わる情報と、をもとに、前記膜厚情報を予測し、予測された前記膜厚情報と前記閾値とを比較することを特徴とする画像形成装置。 - 前記記録材には、第1の記録材や、前記第1の記録材の短手方向の幅よりも短い第2の記録材があり、
前記感光体は、前記第1の記録材の短手方向の端部に対応した前記感光体の長手方向の第1位置と、前記第2の記録材の短手方向の端部に対応した前記感光体の長手方向の第2位置と、を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記第1位置に対応した前記膜厚情報を第1膜厚情報とし、前記第2位置に対応した前記膜厚情報を第2膜厚情報とし、前記第1膜厚情報に対応した閾値を第1閾値とし、前記第2膜厚情報に対応した閾値を第2閾値と、した場合に、
前記比較部は、記録材の短手方向における幅に係わる情報をもとに、前記第1膜厚情報と前記第2膜厚情報とを算出し、前記第1膜厚情報と前記第1閾値とを比較し、前記第2膜厚情報と前記第2閾値とを比較することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。 - 前記記録材には、第1の記録材や、前記第1の記録材の長手方向の幅よりも短い第2の記録材があり、
前記感光体は、前記第1の記録材の長手方向の端部に対応した前記感光体の長手方向の第1位置と、前記第2の記録材の長手方向の端部に対応した前記感光体の長手方向の第2位置と、を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記第1位置に対応した前記膜厚情報を第1膜厚情報とし、前記第2位置に対応した前記膜厚情報を第2膜厚情報とし、前記第1膜厚情報に対応した閾値を第1閾値とし、前記第2膜厚情報に対応した閾値を第2閾値と、した場合に、
前記比較部は、記録材の長手方向における幅に係わる情報をもとに、前記第1膜厚情報と前記第2膜厚情報とを算出し、前記第1膜厚情報と前記第1閾値とを比較し、前記第2膜厚情報と前記第2閾値とを比較することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。 - 前記転写に係わる情報とは、前記転写部材に電圧が印加される転写電圧の印加時間に係わる情報または前記転写部材と前記感光体とのニップを前記記録材が通過する通過時間に係わる情報であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記第2の記録材の短手方向の幅よりも短い第3の記録材があり、
前記感光体は、前記第3の記録材の短手方向の端部に対応した前記感光体の短手方向の第3位置を有することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。 - 前記第3位置に対応した前記膜厚情報を第3膜厚情報とし、前記第3膜厚情報に対応した閾値を第3閾値とした場合に、
前記第1膜厚情報と前記第1閾値とを比較し、前記第2膜厚情報と前記第2閾値とを比較し、前記第3膜厚情報と前記第3閾値とを比較することを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。 - 前記膜厚情報と前記感光層の膜厚に係わる閾値とを比較し、前記感光体の寿命を予測するドラム寿命予測部を有することを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 比較部は、前記膜厚情報を予測するために、前記記録材の厚みに係わる情報または前記記録材の抵抗に係わる情報と、を用いることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記転写部材に印加される転写電圧を検出する転写電圧の検出部と、
前記記録材の厚みに係わる情報または前記記録材の抵抗に係わる情報を、前記転写電圧の検出部が検出した転写電圧の大きさに基づいて決定する演算部と、を有することを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。 - 前記ニップに記録材が入る時を検出するセンサを有し、
前記センサで、前記通過時間を検出することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。 - 前記帯電部材に電圧を印加する帯電電圧の印加部と、前記転写部材に電圧を印加する転写電圧の印加部と、を有し、
前記転写電圧の印加部は、前記転写部材に現像剤像を転写するための電圧を印加する時間を計測する時間計測部であることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記感光体の駆動時間を計測する第2の時間計測部と、前記帯電部材に電圧を印加する時間を計測する第3の時間計測部と、を有することを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記閾値を記憶する記憶部材を有することを特徴とする1から14のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 感光体を有するカートリッジが着脱可能であり、前記カートリッジが記憶部材を有することを特徴とする請求項15に記載の画像形成装置。
- 前記感光体の寿命を報知する表示部を有し、
前記比較部は、前記感光体が寿命に達したと判断した場合には、感光体が寿命であることを前記表示部に報知し、
前記感光体が寿命に達していないと判断した場合には、前記感光体の残りの余命を報知することを特徴とする請求項1から16のいずれか1項に記載の画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2016196758A JP2018060036A (ja) | 2016-10-04 | 2016-10-04 | 画像形成装置 |
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JP2020079816A (ja) * | 2018-11-12 | 2020-05-28 | コニカミノルタ株式会社 | 画像形成装置、画像形成方法及びプログラム |
-
2016
- 2016-10-04 JP JP2016196758A patent/JP2018060036A/ja active Pending
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