JP2018059732A - 蛋白質検出シートおよび蛋白質検出方法 - Google Patents

蛋白質検出シートおよび蛋白質検出方法 Download PDF

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尚之 西川
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Abstract

【課題】 使用者の皮膚に付着した蛋白質等による汚染等を防止でき、かつ、被検査部の蛋白質汚れを、二次元的に検出できる蛋白質検出シート、および、この蛋白質検出シートを用いる蛋白質検出方法の提供を課題とする。
【解決手段】 シート状の支持体と、支持体に支持される蛋白質の存在により色調を変化させる蛋白質検出層と、蛋白質検出層を覆う保護層と、を有する蛋白質検出シートによって、この課題を解決する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、被検体に存在する蛋白質を二次元的に検出できる蛋白質検出シート、および、この蛋白質検出シートを用いた蛋白質検出方法に関する。
衛生管理における汚れの主成分は、食中毒菌等の発生源となる蛋白質である。そのため、衛生管理を必要とする現場において、汚れの主成分となる蛋白質を迅速かつ簡便に検出できる方法が求められてきた。
このような要求に対応して、例えば、特許文献1には、蛋白質に接触すると着色する蛋白質検査用組成物が開示されている。すなわち、この蛋白質検査用組成物を被検査部となる汚れに接触させることで、被検査部となる汚れに蛋白質が存在する場合には、着色によって、汚れの何処に蛋白質が存在するかを知ることができる。
しかしながら、この蛋白質検査用組成物は、塗布、スプレーおよび浸漬等の方法によって、被検査部に、蛋白質検査用組成物を、直接、接触させる必要があるため、衛生管理が必要な現場で使う上で問題があった。また、感度が低く、より高い感度を得るためには判定の際に加温する必要があった。
これに対して、衛生管理が必要な現場において、被検査部への直接的な検出薬の接触を不用にする方法として、特許文献2、特許文献3および特許文献4に記載される蛋白質検出キット(および蛋白質検出方法)が知られている。
この蛋白質検出キットは、例えば、拭う、圧着する、および、吸い取る等の方法によって、綿棒などのスワブ、メンブランフィルターおよびテープ等の検出媒体に、被検査部に存在する蛋白質を移し取り、検出媒体に移し取った蛋白質と検出薬とを接触させることで、被検査部に蛋白質による汚れが有るか否かを検出する。
特開昭61−164158号公報 特開平8−21837号公報 特開平9−5330号公報 特開2000−221197号公報
特許文献2〜4に記載される蛋白質検出キットによれば、被検査部の表面にある蛋白質を綿棒等の検出媒体に移し取って検査を行うので、衛生管理が必要な現場において、直接、被検査部に検出薬等を接触させる必要はない。
その反面、この蛋白質検出キットは、汚れとなる蛋白質を、被検査部から綿棒等の検出媒体に移し取るが故に、実際に被検査部のどの位置に蛋白質による汚れが存在しているのかが分からないという問題がある。
本発明の目的は、このような従来技術の問題点を解決することにあり、衛生管理が必要な現場において、迅速かつ簡便に、蛋白質による汚れが被検査部の何処に存在するかを二次元的に検出できる蛋白質検出シート、および、この蛋白質検出シートを用いる蛋白質検出方法を提供することにある。
この目的を達成するために、本発明の蛋白質検出シートは、シート状の支持体と、支持体に支持される、蛋白質の存在により色調を変化させる蛋白質検出層と、蛋白質検出層を覆う保護層と、を有することを特徴とする蛋白質検出シートを提供する。
このような本発明の蛋白質検出シートにおいて、支持体と蛋白質検出層との間に、保護層を剥離可能に貼着する粘着層を有するのが好ましい。
また、粘着層が支持体の表面全面に対応して形成されるのが好ましい。
また、蛋白質検出層が、保護層と貼着および剥離可能な粘着性を有するのが好ましい。
また、粘着性を有する蛋白質検出層が、支持体の表面全面に対応して形成されるのが好ましい。
また、支持体と保護層との間に、保護層の一部が粘着性を有する部材に貼着することを防止する剥離層を有するのが好ましい。
また、蛋白質検出層が水溶性高分子および吸水性高分子の少なくとも一方を含むのが好ましい。
また、水溶性高分子および吸水性高分子が、ハイドロゲルであるのが好ましい。
また、ハイドロゲルが、ポリビニル系ハイドロゲル、アクリル系ハイドロゲル、シリコーン系ハイドロゲル、および、多糖系ハイドロゲルから選択される1以上であるのが好ましい。
さらに、蛋白質検出層の含水率が1〜99質量%であるのが好ましい。
また、本発明の蛋白質検出方法は、本発明の蛋白質検出シートの保護層を蛋白質検出層から除去して、蛋白質検出層と被検査部とを接触させて、蛋白質検出層の色調の変化から、被検査部に存在する蛋白質を検出する蛋白質検出方法を提供する。
このような本発明の蛋白質検出方法において、蛋白質検出層と被検体との接触を行った後、再度、保護層によって蛋白質検出層を覆うのが好ましい。
本発明によれば、使用者の皮膚に付着した蛋白質などによる汚染等を防止でき、さらに、衛生管理が必要な現場において、迅速かつ簡便に、蛋白質による汚れが被検査部の何処に存在するかを二次元的に検出できる。
本発明の蛋白質検出シートの一例を概念的に示す図である。 本発明の蛋白質検出シートの別の例を概念的に示す図である。 本発明の蛋白質検出シートの別の例を概念的に示す図である。 本発明の蛋白質検出シートの別の例を概念的に示す図である。 本発明の蛋白質検出シートの別の例を概念的に示す図である。 本発明の蛋白質検出シートの別の例を概念的に示す図である。
以下、本発明の蛋白質検出シートおよび蛋白質検出方法について、添付の図面に示される好適実施例を基に、詳細に説明する。
図1に、本発明の蛋白質検出シートの一例を概念的に示す。
なお、図1において、下段は平面図であり、上段は下段の平面図のI−I線断面図である。また、平面図とは、本発明の蛋白質検出シートを主面(最大面)と直交する方向から見た図である。
図1に示すように、蛋白質検出シート10は、支持体12と、粘着層14と、蛋白質検出層16と、保護層18とを有して構成される。
蛋白質検出シート10において、支持体12は、粘着層14、蛋白質検出層16および保護層18を支持するものである。図示例において、支持体12は長方形である。
支持体12は、粘着層14等を支持できるものであれば、公知の各種のシート状物(フィルム、板状物)が利用可能である。好ましくは、支持体12は、可撓性を有するシート状物が利用される。なお、支持体12は、透明でも、半透明でも、不透明でもよい。
一例として、支持体12としては、各種の樹脂フィルムが好適に利用される。
具体的には、セルロースフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリウレタンフィルム、ポリカーボネートフィルム、および、飽和脂環式構造含有重合体フィルム等の樹脂フィルムが支持体12として好適に例示される。中でも、セルロースフィルムである、トリアセチルセルロース(TAC(Triacetylcellulose))フィルム、セルロースアシレートフィルムおよびセロハンフィルム、ポリエステルフィルムであるポリエチレンテレフタレート(PET(Polyethylene terephthalate))フィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、および、ポリウレタンフィルムは、支持体12として特に好適に例示される。
また、支持体12としては、このような樹脂フィルム以外にも、紙および不織紙も好適に用いることができる。
支持体12の厚さには、特に限定はなく、形成材料等に応じて、粘着層14、蛋白質検出層16および保護層18を十分に支持でき、かつ、好ましくは十分な可撓性を確保できる厚さを、適宜、設定すればよい。
具体的には、支持体12の厚さは、5〜1000μmが好ましく、10〜200μmがより好ましい。
支持体12の厚さを、この範囲とすることにより、粘着層14、蛋白質検出層16および保護層18を確実に支持できる、良好な可撓性を有する蛋白質検出シートが得られる、保護層18を剥離した後の使用時に十分に蛋白質検出層16を保護できる等の点で好ましい。特に、支持体12の厚さを5μm以上とすることにより、保護層18を剥離した後の使用時に蛋白質検出シート10を被検査部に貼り易くなり、さらに、十分な支持体12の強度を確保できるという点で好ましい。また、支持体の厚さを1000μm以下とすることにより、保護層18を剥離した後の使用時の操作性を良好にできる等の点で好ましい。
なお、本発明の蛋白質検出シート10においては、被検査部における蛋白質の検出結果を、支持体12を介して蛋白質検出層16を目視して観察できるのが好ましい。従って、支持体12は、透明であるのが好ましく、あるいは、支持体12を介して蛋白質検出層16を目視観察できる程度の半透明であるのが好ましい。
図示例の蛋白質検出シート10において、支持体12は、長方形であるが、本発明は、これに限定はされず、支持体は、正方形、円形、および、楕円形等の各種の形状のシート状物が利用可能である。
支持体12の一方の表面(主面)には、全面に粘着層14が形成される。
粘着層14は、後述する蛋白質検出層16を貼着して所定の位置に保持すると共に、保護層18を剥離可能に貼着するものである。
粘着層14は、蛋白質検出層16の蛋白質検出薬と反応せず、かつ、蛋白質検出層16を保持する十分な粘着力を有し、さらに、保護層18を剥離可能に貼着(粘着)できるものであれば、一般的な粘着剤を利用できる。
粘着層14に利用される粘着剤としては、一例として、市販のセロハンテープ、ポリエチレンテープ、ポリプロピレンテープ等の粘着層テープに一般に採用されているゴム系粘着剤、および、アクリル系粘着剤が好適に例示される。
ゴム系粘着剤としては、天然ゴム、ポリイソプレンゴムおよびスチレン・イソプレンゴム等の合成ゴムが例示される。また、ゴム系粘着剤には、必要に応じて、軟化剤および粘着付与剤などの配合剤、酸化防止剤および架橋剤などの添加剤を配合してもよい。
アクリル系粘着剤としては、各種のアクリル酸エステル、および、メタクリル酸エステル等を主体としたアクリル系高分子が好適に例示される。これらのアクリル系高分子には、主モノマーとして、2−エチルヘキシルアクリレートあるいはブチルアクリレートが好適に用いられる。また、コモノマーとしては、酢酸ビニル、アクリロニトリル、アクリアミド、スチレン、メチルメタクリレート、および、メチルアクリレート等のモノマーが好適に用いられる。さらに、感応基含有モノマーとして、カルボキシル基および/またはグリシジル基を含有するモノマーを、主モノマー等と共に用いてもよい。また、アクリル系粘着剤には、必要に応じて、軟化剤および粘着付与剤などの配合剤、酸化防止剤および架橋剤等の添加剤を配合してもよい。
粘着層14の厚さには、特に限定はなく、粘着層を形成する粘着剤の種類等に応じて、必要な粘着力を発現する厚さを、適宜、設定すればよい。
具体的には、粘着層14の厚さは、1〜300μmが好ましく、5〜100μmがより好ましい。
粘着層14の厚さを、この範囲とすることにより、十分な粘着力を確保できる、粘着層14に起因して蛋白質検出シート10が不要に厚くなることを防止できる等の点で好ましい。粘着層14の厚さを1μm以上とすることで十分な粘着力を確保できる。その反面、粘着層14が厚すぎると、操作性を損なう可能性があるが、粘着層14の厚さを300μm以下とすることにより、良好な操作性を確保でき、好ましい。
粘着層14の粘着力には、特に限定はなく、保護層18の形成材料、想定される被測定部等に応じて、十分な粘着性および良好な剥離性を確保できる粘着力を、適宜、設定すればよい。
具体的には、粘着層14の粘着力は、180°引き剥がし試験法における粘着力が0.1〜10N/10mmであるのが好ましく、0.2〜5N/10mmであるのがより好ましい。粘着層14の粘着力を0.1N/10mm以上とすることにより、十分な粘着力を確保できる等の点で好ましい。また、粘着層14の粘着力を10N/10mm以下とすることにより、粘着力が強すぎることに起因する蛋白質の検出対象の損傷を防止できる等の点で好ましい。
なお、180°引き剥がし試験は、JIS(Japanese Industrial Standards) Z 0237に準拠して行えばよい。
なお、粘着層14は、粘着層14の形成材料に応じて、塗布法等の公知の方法で形成すればよい。
あるいは、両面テープ等の粘着性のシート状物を支持体12の形状に応じて切断して、支持体12に貼着することで、粘着層14を形成してもよい。
前述のように、粘着層14には、蛋白質検出層16が貼着され、保持される。
後述するが、蛋白質検出層16は、蛋白質を検出する蛋白質検出薬を高分子材料に分散してなるものであり、蛋白質と接触した部分のみ、色調が変化する層である。図示例において、蛋白質検出層16の平面形状は円形である。
従って、本発明の蛋白質検出シート10によれば、蛋白質検出層16を被検査部に接触することにより、被検査部において、汚れの原因となる蛋白質が存在する位置を、二次元的に検出できる。
このような蛋白質検出層16は、主に、蛋白質の存在量に応じて色調を変化させる蛋白質検出薬と、高分子材料とから構成される。また、蛋白質検出層16には、必要に応じて、pH調節剤、水、および、各種の添加剤を配合してもよい。
蛋白質検出層16において、蛋白質検出薬は、蛋白質の存在量に応じて色調を変化させるものであれば、公知の各種のものが利用可能である。中でも、蛋白質誤差指示薬は、好適に利用される。
蛋白質誤差指示薬としては、テトラブロモフェノールブルー(TBPB)、テトラブロモフェノールフタレーン、5′,5″−ジニトロ−3′,3″−ジヨード−3,4,5,6−テトラブロモフェノールスルフォフタレーン(DIDNTB)、クマシーブリリアントブルー、ファーストグリーンFCF、ライトグリーンSF等が好適に例示される。また、蛋白質誤差指示薬としては、米国特許第4,013,416号明細書に記載されている、尿中の蛋白質検出試薬も好適に利用可能である。
蛋白質検出層16において、蛋白質検出薬の含有量には、特に限定はなく、蛋白質検出薬の種類等に応じて、適正に蛋白質の検出ができる量を、適宜、設定すればよい。
具体的には、蛋白質検出層16における蛋白質検出薬の含有量は、0.0005〜0.2質量%が好ましく、0.001〜0.1質量%がより好ましい。
蛋白質検出層16における蛋白質検出薬の含有量を、上記範囲とすることにより、適正な蛋白質の検出が可能になる等の点で好ましい。
蛋白質検出層16において、このような蛋白質検出薬は、高分子材料(樹脂材料)に分散されて保持される。
本発明の蛋白質検出シート10において、蛋白質検出層16は、被検査部に付着した汚れである蛋白質を、蛋白質検出層16の表面、および/または、蛋白質検出層16の内部で蛋白質検出薬と反応させる必要がある。そのため、高分子材料としては、水溶性高分子、吸水性高分子、および、ハイドロゲルの1以上が好適に用いられる。
水溶性高分子としては、水溶性のポリビニル系高分子、水溶性のポリエーテル系高分子、水溶性のポリスチレン系高分子、水溶性のセルロース系高分子、および、水溶性のアクリル系高分子等が好適に例示される
具体的には、ポリビニル系高分子としては、ポリビニルアルコールおよびポリビニルピロリドン等が好適に例示される。ポリエーテル系高分子としては、ポリエチレングリコール等が好適に例示される。水溶性のセルロース系高分子としては、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、および、カルボキシメチルセルロース等が好適に例示される。水溶性のアクリル系高分子としては、ポリアクリル酸等が好適に例示される。
中でも、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、および、カルボキシメチルセルロース等は、より好適に例示される。
また、水溶性高分子としては、スチレン−無水マレイン酸共重合体および部分アセチル化ポリビニルアルコール等の共重合体、ならびに、部分修飾高分子も好適に例示される。
吸水性高分子は、一般的な吸水性高分子を用いることができる。
具体的には、吸水性高分子としては、アクリル系の吸水性高分子が例示される。より具体的には、アクリル酸系吸水性高分子、および、アクリルアミドターシャリーブチルスルホン酸(ATBS)系吸水性高分子等が好適に例示される。
ハイドロゲルとしては、ポリビニル系ハイドロゲル、アクリル系ハイドロゲル、シリコーン系ハイドロゲル、および、多糖類系ハイドロゲル等が好適に例示される。中でも、ポリビニル系ハイドロゲル、アクリル系ハイドロゲル、および、多糖類系ハイドロゲルは、より好適に例示される。
なお、本発明の蛋白質検出シート10において、蛋白質検出層16は、このような高分子材料を、複数種、用いてもよい。
本発明の蛋白質検出シート10において、蛋白質検出層16には、必要に応じて、pH調節剤を配合してもよい。
前述の蛋白質検出薬は、それぞれ、異なるpH領域で変色する。これらの蛋白質検出薬は、系中に蛋白質が存在するとpHの変化とは無関係に変色する。そこで、蛋白質検出層16を変色域より低いpH領域に保持するのが好ましい。そのため、蛋白質検出層16は、蛋白質検出薬の変色域より低いpH領域、通常pH6以下、好ましくはpH3以下とされるのが好ましい。
そのため、蛋白質検出層16を低いpHを保つために、塩酸、酢酸、および、クエン酸等の酸性薬剤をpH調節剤として配合してもよい。
前述のように、蛋白質検出層16は、被検査部に付着した汚れである蛋白質を、蛋白質検出層16の表面、および/または、蛋白質検出層16の内部で蛋白質検出薬と反応させる必要がある。そのため、蛋白質検出層16は、必要に応じて、水を含むのも好ましい。
蛋白質検出層16が水を含む場合、その最適な含有量は用いる高分子材料によって異なるが、含水率が1〜99質量%であるのが好ましい。また、蛋白質検出層16の含水率が少ないと、蛋白質の検出感度が低下する傾向があり、逆に、含水率が高いと、取り扱いが難しくなる。この点を考慮すると、蛋白質検出層16の含水率は5〜70質量%がより好ましく、10〜50質量%がさらに好ましい。
なお、蛋白質検出層16の含水率は、例えば、一般的なカールフィッシャー法で測定すればよい。
すなわち、本発明の蛋白質検出シート10から蛋白質検出層16のみを掻き取り、あるいは蛋白質検出層16のみを剥離し、カールフィシャー法によりその水分量を測定して含水率を算出すればよい。
蛋白質検出層16には、必要に応じて、様々な添加剤を配合してもよい。
一例として、蛋白質検出層16中における蛋白質検出薬の溶解性、または、分散性を高めるために、蛋白質検出層16に有機溶剤を配合してもよい。用いる有機溶剤としては、エチルアルコールおよびグリコールなどのアルコール系溶剤、アセトンなどのケトン系溶剤、テトラヒドロキシフランおよびメチルセルソルブなどのエーテル系溶剤等が、好適に例示される。
その他の添加剤としては、ハイドロゲルの作製に必要な各種の架橋剤、物性調整のための各種の塩、防腐剤、安定剤、および、粘度調整剤等が例示される。
このような蛋白質検出層16は、一例として、蛋白質検出薬および高分子材料、あるいはさらに、pH調節剤、水、および、添加剤の1以上を含有する塗布液を調製して、この塗布液を、塗布、乾燥することで形成すればよい。あるいはさらに、必要に応じて、乾燥した後に、紫外線照射、電子線照射等によって、高分子材料を架橋させてもよい。
蛋白質検出層16は、粘着層14に、直接、塗布液を塗布、乾燥して形成すればよい。あるいは、PETフィルム等の樹脂フィルムに塗布液を塗布、乾燥して、塗布液を乾燥した層を形成し、樹脂フィルムを円形に切断して、塗布液を乾燥した層を樹脂フィルムから粘着層14に転写することで、蛋白質検出層16を形成してもよい。
蛋白質検出層16の厚さには、特に限定はなく、蛋白質検出層16の形成材料等に応じて、被検査部の蛋白質が適正に検出できる厚さを、適宜、設定すればよい。
具体的には、蛋白質検出層16の厚さは、1〜3000μmが好ましく、10〜1000μmがより好ましい。
蛋白質検出層16の厚さを、この範囲とすることにより、適正な蛋白質の検出が可能になる、目視観察による蛋白質の検出が容易になる等の点で好ましい。
図1に示す蛋白質検出シート10において、蛋白質検出層16は円形の平面形状を有するが、本発明は、これに限定はされない。
すなわち、蛋白質検出層16の平面形状は、楕円形、正方形、長方形および六角形等の、各種の形状が利用可能である。
また、図1に示す蛋白質検出シート10は、粘着層14の中央部に円形の蛋白質検出層16を有するが、本発明は、これに限定はされず、粘着層14の全面を覆って、蛋白質検出を形成した構成も、利用可能である。
蛋白質検出シート10は、蛋白質検出層16を覆って、保護層18を有する。図示例の蛋白質検出シート10は、好ましい態様として、保護層18は、蛋白質検出層16のみならず、粘着層14も全面的に覆うように、蛋白質検出層16および粘着層14の上に積層されている。
本発明の蛋白質検出シート10は、このような保護層18を有することにより、被検査部に付着した蛋白質の検査を行う前に、使用者の肌に付着した蛋白質、周辺環境の塵およびホコリ等によって、蛋白質検出層16が汚染されることを防止できる。また、被検査部に付着した蛋白質の検査を終了した後も、再度、保護層18によって蛋白質検出層16および粘着層14を覆うことにより、使用者の肌に付着した蛋白質、周辺環境の塵およびホコリ等によって、検査済の蛋白質検出層16が汚染されることを防止して、被検査部における蛋白質の検出結果を、適正に保存することができる。
蛋白質検出シート10において、保護層18は、可撓性を有し、粘着層14に貼着および剥離が可能で、かつ、蛋白質検出層の蛋白質検出薬と反応しないものであれば、公知の各種のシート状物が利用可能である。好ましくは、保護層18は、可撓性を有するシート状物である。
この点を考慮すると、保護層18としては、具体的には、前述の支持体12において例示した樹脂フィルム等が好適に例示される。
なお、本発明の蛋白質検出シート10においては、被検査部における蛋白質の検出を行った後に、蛋白質検出層16を覆って保護層18を積層した際に、保護層18を介して蛋白質検出層16を観察できるのが好ましい。従って、保護層18は、透明であるのが好ましく、あるいは、保護層18を介して蛋白質検出層16を目視観察できる程度の半透明であるのが好ましい。
保護層18の厚さには、特に限定はなく、保護層18の形成材料に応じて、十分に蛋白質検出層16を保護でき、好ましくは十分な可撓性を確保できる厚さを、適宜、設定すればよい。
具体的には、保護層18の厚さは、1〜1000μmが好ましく、10〜300μmがより好ましい。
保護層18の厚さを、この範囲とすることにより、好適に蛋白質検出層16を保護できる、蛋白質検出シートが良好な可撓性を確保できる等の点で好ましい。
また、図1に示す蛋白質検出シート10は、粘着層14に、直接、蛋白質検出層16を形成しているが、本発明は、これに限定はされない。
すなわち、本発明は、図2に示す蛋白質検出シート10aのように、基台24の表面に蛋白質検出層16を形成し、基台24を粘着層14に貼着することで、支持体12によって蛋白質検出層16を支持する構成でもよい。この構成は、例えば、粘着層14が蛋白質検出層16の蛋白質検出薬に影響を与える場合等に、好適に利用される。
なお、基台24としては、蛋白質検出層16の蛋白質検出薬と反応しないものであれば、紙、不織紙、布、不織布、樹脂フィルム等、各種のシート状物が利用可能である。
図1に示す蛋白質検出シート10は、粘着層14を有し、粘着層14に、蛋白質検出層16を貼着して保持、また、保護層18を貼着および剥離自在にしているが、本発明は、これに限定はされない。
すなわち、本発明の蛋白質検出シートは、粘着層14を有さず、蛋白質検出層16が粘着性を有して、支持体12に貼着され、かつ、保護層18を貼着および剥離自在にする構成も、好ましく利用される。
図3に、その一例を示す。
なお、図3に示す蛋白質検出シート26は、前述の蛋白質検出シート10と同じ部材を用いているので、同じ部材には同じ符号を付し、以下の説明は、異なる部位を主に行う。また、図1と同様、図3においても、下段は平面図であり、上段は平面図のIII−III線断面図である。
図3に示す蛋白質検出シート26は、支持体12の一方の表面を全面的に覆って蛋白質検出層28が形成され、さらに、この蛋白質検出層28の全面を覆って、保護層18が設けられる。
蛋白質検出層28は、粘着性を有するものであり、自身の粘着力によって支持体12の表面に貼着されて支持され、また、保護層18を剥離可能に貼着する。すなわち、図3に示す蛋白質検出層28は、図1に示す蛋白質検出シート10における粘着層14を兼ねている。
このような粘着性を有する蛋白質検出層28は、前述の蛋白質検出薬および高分子材料等を有する蛋白質検出層16において、高分子材料として、粘着性を有する親水性の高分子材料を用いることで、形成できる。
粘着性を有する親水性の高分子材料としては、ビニルアルコール系高分子、アクリル系高分子、ウレタン系高分子、および、シリコーン系高分子等が好適に例示される。中でも、ビニルアルコール系高分子、アクリル系高分子、および、ウレタン系高分子は、より好ましく例示され、特に、ビニルアルコール系高分子、および、アクリル系高分子は、さらに好ましく例示される。
また、蛋白質検出層28が、粘着性に加え、ハイドロゲル性を有する構成も、好ましい構成として例示される。
粘着性とハイドロゲル性とを有する蛋白質検出層28としては、高分子材料が親水性架橋ポリマーであるものが例示される。具体的には、ポリアクリル酸の部分中和物、架橋型ポリアクリル酸の部分中和物などを主体にした高分子組成物、ポリビニルアルコールに、ポリビニルピロリドン、メチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体およびイソブチレン無水マレイン酸共重合体から選ばれる重合体を含む高分子組成物の架橋体等が好適に例示される。
粘着性とハイドロゲル性を重ね持つ蛋白質検出層28は、これらの高分子組成物以外に、必要に応じて、疎水性ポリマー、多価アルコールなどの保湿剤、可塑剤などを含んでもよい。
粘着性を有する蛋白質検出層28の厚さには、特に限定はなく、蛋白質検出層28の形成材料等に応じて、被検査部の蛋白質が適正に検出でき、かつ、必要な粘着性を確保できる厚さを、適宜、設定すればよい。
具体的には、粘着性を有する蛋白質検出層28の厚さは、1〜3000μmが好ましく、20〜1000μmがより好ましい。
粘着性を有する蛋白質検出層28の厚さを、この範囲とすることにより、適正な蛋白質の検出が可能になると共に、十分な粘着性を確保できる等の点で好ましい。
粘着性を有する蛋白質検出層28の粘着力には、特に限定はなく、保護層18の形成材料、想定される被測定部等に応じて、十分な粘着性および良好な剥離性を確保できる粘着力を、適宜、設定すればよい。
具体的には、粘着性を有する蛋白質検出層28の粘着力は、180°引き剥がし試験法における粘着力が0.1〜5N/10mmであるのが好ましく、0.2〜5N/10mmであるのがより好ましい。粘着性を有する蛋白質検出層28の粘着力を0.1N/10mm以上とすることにより、十分な粘着力を確保できる等の点で好ましい。また、粘着性を有する蛋白質検出層28の粘着力を5N/10mm以下とすることにより、粘着力が強すぎることに起因する蛋白質の検出対象の損傷を防止できる等の点で好ましい。
また、蛋白質検出層28が粘着性とハイドロゲル性とを有する場合には、蛋白質検出層28の粘着力は、180°引き剥がし試験法における粘着力が0.1〜3N/10mmであるのが好ましく、0.2〜2N/10mmであるのがより好ましい。蛋白質検出層28が粘着性とハイドロゲル性とを有する場合に、蛋白質検出層28の粘着力を0.1N/10mm以上とすることにより、十分な粘着力を確保できる等の点で好ましい。また、蛋白質検出層28が粘着性とハイドロゲル性とを有する場合に、蛋白質検出層28の粘着力を3N/10mm以下とすることにより、粘着力が強すぎることに起因する蛋白質検出層28の損傷を防止できる等の点で好ましい。
粘着性を有する蛋白質検出層28を用いる蛋白質検出シートでは、支持体は平面状に限定はされない。
例えば、図4に断面図を概念的に示す蛋白質検出シート26aように、最大面の一面が開放する直方体状の支持体12aを用い、この直方体の内部に、粘着性を有する蛋白質検出層28を充填した構成も利用可能である。言い換えれば、平面状の支持体12の中央部に凹部を設けた支持体12aを用い、この凹部に粘着性を有する蛋白質検出層28を充填した構成も利用可能である。
この構成においては、支持体12aの端部の上面が、後述する剥離層と同様の作用を有する。
なお、粘着性を有する蛋白質検出層は、図1に示すような、支持体12の中央に円形等の蛋白質検出層を有する構成でも、利用可能である。
本発明の蛋白質検出シートは、必要に応じて、保護層18の剥離を容易にするための剥離層を有してもよい。
図5に、図1と同様の構成を有する蛋白質検出シートを示して、その一例を例示する。ただし、剥離層を有する構成は、図3に示すような、粘着性を有する蛋白質検出層28を用いる蛋白質検出シート26でも利用可能である。
また、図1と同様、図5においても、下段は平面図であり、上段は平面図のV−V線断面図である。
図5に示す蛋白質検出シート30は、粘着層14と保護層18との間に剥離層32を有する。
剥離層32は、保護層18の一部が粘着性を有する部材すなわち粘着層14に貼着することを防止することにより、保護層18の剥離を容易にするための部材である。図示例の蛋白質検出シート30において、剥離層32は、長方形状の蛋白質検出シート30の長手方向の一方の端部に、短手方向の全域に渡って設けられる。このような剥離層32を有することにより、保護層18の剥離を容易にして、本発明の蛋白質検出シート30の使い勝手を向上できる。
剥離層32の形成材料には、特に限定はなく、保護層18と貼着せず、かつ、保護層18と粘着層14との貼着を防止でき、好ましくは蛋白質検出層16の蛋白質検出薬と反応しない材料であれば、各種のものが利用可能である。
一例として、一般的な紙および樹脂フィルム等が例示される。
また、剥離層32の厚さは、保護層18と粘着層14との貼着を防止できる厚さを、適宜、設定すればよい。
本発明の蛋白質検出シートにおいて、剥離層の位置は、図示例のような長手方向の一方の端部に限定はされず、各種の位置が利用可能である。例えば、図示例のような長方形状の蛋白質検出シートであれば、剥離層の位置は、長手方向の両方の端部、短手方向の一方あるいは両方の端部、長方形の角部の一カ所以上等、各種の位置が利用可能である。
但し、蛋白質検出シートの形状によらず、保護層18の剥離を容易にするために、剥離層は、蛋白質検出シートの端部に設けるのが好ましい。
また、例えば、支持体12の面方向の端部近傍の一部に粘着層14を設けないことにより、この粘着層14を設けない部分を、剥離層として作用させてもよい。
以上の例は、粘着層14および粘着性を有する蛋白質検出層28を、支持体12の全面に設けているが、本発明は、蛋白質検出層16を覆った状態で保護層18を設けることができれば、各種の構成が利用可能である。
例えば、図6に平面図および断面図を示す蛋白質検出シート36のように、支持体12の端部に、枠状の粘着層38を有する構成も利用可能である。
また、以上の蛋白質検出シートは、いずれも、支持体12の全面に対応して、保護層18を有するが、本発明は、これに限定はされない。すなわち、保護層が、蛋白質検出層のみを覆う構成であってもよい。
しかしながら、本発明においては、粘着層14、および、粘着性を有する蛋白質検出層28など、粘着性を有する部位は、保護層18によって全面を覆うのが好ましい。
以下、本発明の蛋白質検出シートを用いる本発明の蛋白質検出方法を、図1に示す蛋白質検出シート10を用いた場合を例に説明する。なお、他の蛋白質検出シートも、同様に使用すればよい。
蛋白質検出シート10を使用する際には、最初に、保護層18を粘着層14から剥離する。
次いで、蛋白質検出層16を、被検査部に密着させる。この際において、被検査部が乾燥している場合には、被検査部の表面を水あるいはアルコールで湿らせるのが好ましい。
被検査部に蛋白質による汚れが存在する場合には、蛋白質検出層16の蛋白質と接触した部分が、変色する。例えば、蛋白質検出層16が、蛋白質検出薬にテトラブロモフェノールブルー(TBPB)を用いた場合、蛋白質検出層16の色調が黄色から緑、および/または、青に変色する。
検査が終了したら、蛋白質検出層16を被検査部から離し、好ましくは、最初と同様に、蛋白質検出層16の全面を覆うように、粘着層14に保護層18を貼着する。
以上のように、本発明の蛋白質検出シート10は、面状の蛋白質検出層16を有し、この蛋白質検出層16を、被検査部に直接、密着させることができるので、被検査部における蛋白質汚れの位置を、二次元的に検出できる。
しかも、蛋白質検出層16を覆う保護層18を有するため、被検査部に付着した蛋白質の検査を行う前に、使用者の肌に付着した蛋白質、周辺環境の塵およびホコリ等によって、蛋白質検出層16が汚染されることを防止できる。また、被検査部に付着した蛋白質の検査を終了した後も、再度、保護層18によって蛋白質検出層16を覆うことにより、使用者の肌に付着した蛋白質、周辺環境の塵およびホコリ等によって、検査済の蛋白質検出層16が汚染されることを防止して、被検査部における蛋白質の検出結果を、適正に保存できる。
以上、本発明の蛋白質検出シートおよび蛋白質検出方法について詳細に説明したが、本発明は、上記実施例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更等を行なってもよいのは、もちろんである。
以下、本発明の具体的実施例を挙げ、本発明を、より詳細に説明する。ただし、本発明の実施態様はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
36gの2質量%のアガロース水溶液を加熱して溶解して、溶解液を調製した。
この溶解液に、4gの0.1質量/体積%のテトラブロモフェノールブルーのエタノール/水(50/50(体積比))溶液(和光純薬社製、商品名0.1w/v%ブロモフェノールブルー・エタノール(50)溶液)、および、0.1gの1N塩酸を加えて、調製液を作製した。
得られた調製液を、TACフィルムで作製した、主面の一面が開放する直方体状の支持体(型)に流し込み、5℃で半日間冷却した。
次に、調製液の硬化によって得られた、粘着性を有する蛋白質検出層(ゲル層)にポリエチレンフィルムを保護層として貼着して、図4(図3参照)に示すような蛋白質検出シートを作製した。
作製した蛋白質検出シートの蛋白質検出層の含水率を、蛋白質検出層を支持体上から剥離して、カールフィッシャー法によって測定した。その結果、蛋白質検出層の含水率は49.4%であった。
[実施例2]
20gの20質量%のポリビニルアルコール水溶液に、1gの0.1質量/体積%のテトラブロモフェノールブルーのエタノール/水(50/50(体積比))溶液(和光純薬社製、商品名0.1w/v%ブロモフェノールブルー・エタノール(50)溶液)、および、0.7gの1N塩酸を加えて塗布液を調製した。
0.5mm用バーコーターを用いて、調製した塗布液をPETフィルム上に塗布し、100℃で乾燥して、蛋白質検出層を形成した。このPETフィルムは、保護層として作用する。
次に、室温25℃、湿度65%の条件下で24時間平衡化した後、得られたフィルムの蛋白質検出層側と、ゴム系の粘着層を有するセロハン製の支持体の粘着層側とを貼り合わせた。これにより、図1に示す蛋白質検出シートにおいて、粘着層の全面を蛋白質検出層で覆った構成の蛋白質検出シートを作製した。
作製した蛋白質検出シートの蛋白質検出層の含水率を、実施例1と同様に測定した。その結果、含水率は22.5%であった。
[実施例3]
実施例2で作製した、24時間平衡化した後のPETフィルムと蛋白質検出層との積層体を、直径5cmの円形状に押し出しカッターで切り出した。
次に、アクリル系の粘着層を持つポリプロピレン製の支持体の一部に、PETフィルム上の蛋白質検出層を転写した。続いて、ポリプロピレン製の支持体上の粘着層の一部に剥離層として色紙を配し、蛋白質検出層、粘着層および剥離層を全面的に覆って、保護層としてPETフィルムを貼着して、図5に示すような蛋白質検出シートを作製した。
[実施例4]
1gの0.1質量/体積%のテトラブロモフェノールブルーのエタノール/水(50/50(体積比))溶液(和光純薬社製、商品名0.1w/v%ブロモフェノールブルー・エタノール(50)溶液)に、1gの10mMクエン酸−クエン酸ナトリウム水溶液(pH3)、および、0.1gの0.01N塩酸を加えた調製液を調製した。
得られた調製液に1gの架橋ポリアクリル酸部分中和物にアルミニウム化合物が配合されたハイドロゲル粘着剤を加え、半日間浸漬させて、膨潤した固形物を得た。
得られた膨潤した固形物を、支持体となるポリエステル製の不織紙と、保護層となるポリプロピレン製のフィルムの間に置き、ローラーで展延し、1日間室温で乾燥させて、図3に示すような蛋白質検出シートを作製した。
作製した蛋白質検出シートの蛋白質検出層の含水率を、実施例1と同様に測定した。その結果、含水率は34.6%であった。
[比較例1]
保護層となるポリエチレンフィルムを有さない以外は、実施例1と同様に蛋白質検出シートを作製した。
[性能評価]
50mgの卵アルブミンを、1mL(リットル)の純水に溶解した水溶液を濾紙に滴下して、蛋白質による汚れの検査対象となる被検査部を、模擬的に作製した。
実施例1〜4で作製した蛋白質検出シートの保護層を剥離して、蛋白質検出層を、作製した被検査部に密着させた。その結果、いずれも、被検査部の蛋白質滴下部分において、蛋白質検出層が黄色から緑色、あるいは青色に変化し、蛋白質の存在、およびその場所を二次元的に目視で迅速かつ簡便に検出することができた。
また、比較例1で作製した蛋白質検出シートの蛋白質検出層にも、同様に、作製した被検査部を密着させた。その結果、実施例と同様に、被検査部の蛋白質滴下部分において、蛋白質検出層色の変化が生じたが、皮膚に付着した蛋白質による蛋白質検出層の汚染に起因して、蛋白質滴下部分以外の場所でも、同様に、蛋白質検出層の色の変化が生じた。
以上の結果より、本発明の効果は明らかである。
病院、食品工場等において、蛋白質による汚れの検出に利用される。
10,10a,26,26a,30,36 蛋白質検出シート
12,12a 支持体
14,38 粘着層
16,28 蛋白質検出層
18 保護層
24 基台
32 剥離層

Claims (12)

  1. シート状の支持体と、前記支持体に支持される、蛋白質の存在により色調を変化させる蛋白質検出層と、前記蛋白質検出層を覆う保護層と、を有することを特徴とする蛋白質検出シート。
  2. 前記支持体と蛋白質検出層との間に、前記保護層を剥離可能に貼着する粘着層を有する請求項1に記載の蛋白質検出シート。
  3. 前記粘着層が前記支持体の表面全面に対応して形成される請求項2に記載の蛋白質検出シート。
  4. 前記蛋白質検出層が、前記保護層と貼着および剥離可能な粘着性を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の蛋白質検出シート。
  5. 前記粘着性を有する蛋白質検出層が、前記支持体の表面全面に対応して形成される請求項4に記載の蛋白質検出シート。
  6. 前記支持体と前記保護層との間に、前記保護層の一部が粘着性を有する部材に貼着することを防止する剥離層を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の蛋白質検出シート。
  7. 前記蛋白質検出層が水溶性高分子および吸水性高分子の少なくとも一方を含む請求項1〜6のいずれか1項に記載の蛋白質検出シート。
  8. 前記水溶性高分子および前記吸水性高分子が、ハイドロゲルである請求項7に記載の蛋白質検出シート。
  9. 前記ハイドロゲルが、ポリビニル系ハイドロゲル、アクリル系ハイドロゲル、シリコーン系ハイドロゲル、および、多糖系ハイドロゲルから選択される1以上である請求項8に記載の蛋白質検出シート。
  10. 前記蛋白質検出層の含水率が1〜99質量%である請求項1〜9のいずれか1項に記載の蛋白質検出シート。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の蛋白質検出シートの前記保護層を前記蛋白質検出層から除去して、前記蛋白質検出層と被検査部とを接触させて、前記蛋白質検出層の色調の変化から、前記被検査部に存在する蛋白質を検出する蛋白質検出方法。
  12. 前記蛋白質検出層と被検体との接触を行った後、再度、前記保護層によって前記蛋白質検出層を覆う請求項11に記載の蛋白質検出方法。
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