JP2018058949A - 加硫ブラダー用ゴム組成物及び加硫ブラダー - Google Patents

加硫ブラダー用ゴム組成物及び加硫ブラダー Download PDF

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Abstract

【課題】優れた耐久性及び加硫生産効率が得られる加硫ブラダー用ゴム組成物、及び該ゴム組成物を用いて作製した加硫ブラダーを提供する。
【解決手段】ゴム成分と、カーボンブラックを含むフィラーとを含有し、前記カーボンブラックが、導電性カーボン及びグラフェンからなる群より選択される少なくとも1種を含み、前記ゴム成分100質量部に対する前記フィラーの含有量が58〜125質量部であり、熱伝導率が0.40W/m・K以上であり、150℃下の300%伸張時応力が2.8MPa以上である加硫ブラダー用ゴム組成物に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、加硫ブラダー用ゴム組成物及び加硫ブラダーに関する。
加硫ブラダーはタイヤの加硫成型時に用いられるものであり、加硫ブラダーをグリーンタイヤの内側に配置し、加硫ブラダー内部に高圧加熱媒体を充填することでグリーンタイヤを内側から加硫金型に向けて押圧することにより、タイヤの加硫成型を行う。
加熱媒体としては、水蒸気、窒素ガス、空気などが使用される。これらの加熱媒体を高圧かつ180〜240℃の高温条件で加硫ブラダー内部に充填し、タイヤを金型と加硫ブラダーから取り外すことを繰り返し行うため、加硫ブラダーを構成するゴム組成物には、高温、伸縮、引張りに対して優れた耐久性が求められる。
さらに、近年では、タイヤ1本の加硫に要する時間を短縮して加硫生産効率を向上させる技術が提案されている。例えば、特許文献1には、熱伝導率に優れた炭素繊維を含有する加硫ブラダー用ゴム組成物により、加硫工程におけるタイヤへの熱伝導速度が速くなり、タイヤ1本の加硫に要する時間を短縮できることが記載されている。しかしながら、風船状の物体である加硫ブラダーにおいて、熱を伝えたい方向、すなわち厚み方向に、繊維などを配向させるのは困難であるため、加硫生産効率の向上効果を十分に享受できていないという点で改善の余地があった。
特開2012−224720号公報
本発明は、前記課題を解決し、優れた耐久性及び加硫生産効率が得られる加硫ブラダー用ゴム組成物、及び該ゴム組成物を用いて作製した加硫ブラダーを提供することを目的とする。
本発明は、ゴム成分と、カーボンブラックを含むフィラーとを含有し、前記カーボンブラックが、導電性カーボン及びグラフェンからなる群より選択される少なくとも1種を含み、前記ゴム成分100質量部に対する前記フィラーの含有量が58〜125質量部であり、熱伝導率が0.40W/m・K以上であり、150℃下の300%伸張時応力が2.8MPa以上である加硫ブラダー用ゴム組成物に関する。
前記カーボンブラックが、前記導電性カーボンを含み、前記導電性カーボンのジブチルフタレート吸油量が200cm/100g以上であり、前記ゴム成分100質量部に対する前記導電性カーボンの含有量が3質量部以上であることが好ましい。
前記導電性カーボンのヨウ素吸着量が300mg/g以上であることが好ましい。
前記カーボンブラックが、前記グラフェンを含み、前記グラフェンは、厚みが0.1μm以下、長さが1〜40μm、偏平率が100以上であることが好ましい。
前記ゴム成分100質量%中、ブチル系ゴムの含有量が40質量%以上であり、前記ブチル系ゴムが、イソブチレン単位及びp−メチルスチレン単位を有する共重合体を含むことが好ましい。
本発明はまた、前記ゴム組成物を用いて作製した加硫ブラダーに関する。
本発明によれば、ゴム成分と、所定量の特定フィラーとを含有し、熱伝導率及び150℃下の300%伸張時応力が特定の範囲内である加硫ブラダー用ゴム組成物であるため、耐久性及び加硫生産効率に優れた加硫ブラダーを提供できる。
本発明の加硫ブラダー用ゴム組成物は、ゴム成分と、カーボンブラックを含むフィラーとを含有し、前記カーボンブラックが、導電性カーボン及びグラフェンからなる群より選択される少なくとも1種を含み、前記ゴム成分100質量部に対する前記フィラーの含有量が58〜125質量部であり、熱伝導率が0.40W/m・K以上であり、150℃下の300%伸張時応力が2.8MPa以上であるため、耐久性及び加硫生産効率に優れた加硫ブラダーが得られる。
また、得られた加硫ブラダーは、熱伝導率が高いため、充填されるスチームの熱を速やかにグリーンタイヤ(生カバー)に伝達することができる。これにより、生カバーを薄くした場合と同様に、加硫律速部においても充分な加硫量をいち早く確保することができるため、加硫プレスの締め付け圧力を早くオフにしても、すなわち、短時間加硫でも、ポーラスの発生が抑制されるという効果が得られる。
<ゴム成分>
ゴム成分としては、良好なガスバリア性が得られるという理由から、ブチル系ゴムを用いることが好ましい。
ブチル系ゴムは、イソブチレン単位(イソブチレンに基づく構成単位)を含む共重合体であり、イソブチレン単位以外に、他の繰り返し単位を含んでいてもよい。他の繰り返し単位としては、イソプレン単位、芳香族ビニル化合物単位などが挙げられる。良好な耐久性及び加硫生産効率が得られるという理由から、ブチル系ゴムは、イソブチレン単位と、イソプレン単位及び/又は芳香族ビニル化合物単位とを有する共重合体であることが好ましく、イソブチレン単位とイソプレン単位とを有する共重合体、イソブチレン単位と芳香族ビニル化合物単位とを有する共重合体であることがより好ましい。
ブチル系ゴムに含まれる芳香族ビニル化合物単位としては、スチレン単位、p−メチルスチレン単位、o−メチルスチレン単位、m−メチルスチレン単位などが挙げられるが、加硫速度が速く、低温、短時間で加硫を簡潔できるという理由から、p−メチルスチレン単位が好ましい。
また、芳香族ビニル化合物単位は、ハロゲンが導入されていてもよく、該ハロゲンとしては、臭素が好ましい。
ゴム成分100質量%中、ブチル系ゴムの含有量は、ガスバリア性及び耐久性確保の観点から、好ましくは40質量%以上、より好ましくは80質量%以上、更に好ましくは90質量%以上であり、また、架橋密度、すなわち、硬さやM300を確保できれば、100質量%とすることが好ましい。
ブチル系ゴム以外に使用できるゴム成分としては、良好な耐久性及び加硫速度が得られるという理由から、クロロプレンゴムが好ましい。
本発明のゴム組成物にクロロプレンゴムを配合する場合、ゴム成分100質量%中、クロロプレンゴムの含有量は、良好な加硫速度が得られるという理由から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上であり、また、耐久性確保の観点から、好ましくは40質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは10質量%以下である。
<フィラー>
本発明で使用するフィラーは、カーボンブラックを含み、その含有量(全フィラーの合計含有量)は、ゴム成分100質量部に対して58〜125質量部である。良好な熱伝導率が得られるという理由から、フィラーの含有量は、好ましくは60質量部以上であり、また、良好なM300が得られるという理由から、好ましくは110質量部以下、より好ましくは95質量部以下である。
<カーボンブラック>
カーボンブラックとしては、導電性カーボン及びグラフェンからなる群より選択される少なくとも1種を使用できる。
導電性カーボンとしては、ケッチェンブラック、アセチレンブラックなどが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、良好な補強性、熱伝導率が得られるという理由から、中空構造を有し、かつストラクチャー(粒子の繋がり)が発達しているケッチェンブラックが好ましい。
導電性カーボンのジブチルフタレート(DBP)吸油量は、良好な補強性、熱伝導率が得られるという理由から、好ましくは200cm/100g以上、より好ましくは250cm/100g以上、更に好ましくは280cm/100g以上であり、また、ゴム組成物中での分散性が良好であるという理由から、好ましくは600cm/100g以下、より好ましくは400cm/100g以下、更に好ましくは350cm/100g以下である。
なお、DBP吸油量は、JIS K6217−4:2001に準拠して測定される。
導電性カーボンのヨウ素吸着量(IA)は、良好な補強性、熱伝導率が得られるという理由から、好ましくは300mg/g以上、より好ましくは350mg/g以上、更に好ましくは400mg/g以上であり、また、ゴム組成物中での分散性が良好であるという理由から、好ましくは1200mg/g以下、より好ましくは800mg/g以下、更に好ましくは500mg/g以下である。
なお、IAは、JIS K6217−1:2001に準拠して測定される。
本発明のゴム組成物に導電性カーボンを配合する場合、導電性カーボンの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、良好な補強性、熱伝導率が得られるという理由から、好ましくは3質量部以上、より好ましくは10質量部以上、更に好ましくは15質量部以上、特に好ましくは20質量部以上であり、また、ゴム組成物中での分散性が良好であるという理由から、好ましくは90質量部以下、より好ましくは70質量部以下、更に好ましくは60質量部以下である。
グラフェンは、層状物質であるグラファイトの1層を取り出した構造を有するもので、sp2混成軌道で結合した炭素で構成されたシート状の材料である。グラフェンを他のカーボンブラックとともに配合することで、特に良好な熱伝導率が得られる。この効果は、グラフェンが他のカーボンブラック間の熱伝導の橋渡しとなることでもたらされると推測される。
グラフェンの厚みは、好ましくは0.1μm以下、より好ましくは0.01μm以下であり、また、好ましくは0.005μm(=5nm)以上である。
グラフェンの長さは、好ましくは1μm以上、より好ましくは2μm以上であり、また、好ましくは40μm以下、より好ましくは30μm以下である。
グラフェンの偏平率(アスペクト比)は、好ましくは100以上、より好ましくは1000以上であり、また、好ましくは10000以下、より好ましくは5000以下である。
上記形状のグラフェンを使用することで、より良好な熱伝導率と混練り工程での形状安定性が得られる。
なお、グラフェンの厚み、長さは、透過型電子顕微鏡(TEM)で測定される。また、グラフェンの偏平率は、長さを厚みで除した値である。
本発明のゴム組成物にグラフェンを配合する場合、グラフェンの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは8質量部以上、更に好ましくは10質量部以上であり、また、好ましくは60質量部以下、より好ましくは50質量部以下である。上記範囲内であれば、より良好な耐久性及び加硫生産効率が得られる。
本発明のゴム組成物は、上述の導電性カーボン、グラフェンとともに、他のカーボンブラック(以下、「通常のカーボンブラック」ともいう)を配合することが好ましい。
通常のカーボンブラックのDBP吸油量は、良好な補強性、耐亀裂成長性が得られるという理由から、好ましくは50cm/100g以上、より好ましくは90cm/100g以上であり、また、ゴム組成物中での分散性が良好であるという理由から、好ましくは200cm/100g以下、より好ましくは150cm/100g以下である。
通常のカーボンブラックのIAは、良好な補強性、耐亀裂成長性が得られるという理由から、好ましくは20mg/g以上、より好ましくは40mg/g以上であり、また、ゴム組成物中での分散性が良好で、かつ、ゴム粘度が高くならず、良好なゴム流動性を確保できるという理由から、好ましくは150mg/g以下、より好ましくは100mg/g以下である。
通常のカーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、良好な補強性、耐亀裂成長性が得られるという理由から、好ましくは5質量部以上、より好ましくは8質量部以上であり、また、ゴム組成物中の熱伝導率が良好であるという理由から、好ましくは60質量部以下、より好ましくは50質量部以下、更に好ましくは40質量部以下である。
カーボンブラックの含有量(導電性カーボン、グラフェン、通常のカーボンブラックの合計含有量)は、ゴム成分100質量部に対して、良好な補強性、熱伝導率が得られるという理由から、好ましくは30質量部以上、より好ましくは45質量部以上であり、また、ゴム組成物中での分散性が良好であるという理由から、好ましくは100質量部以下、より好ましくは90質量部以下、更に好ましくは80質量部以下である。
<無機フィラー>
本発明では、フィラーとして、無機フィラーを使用してもよい。無機フィラーとしては、金属フィラーを使用することが好ましい。金属フィラーとしては、アルミニウム、マグネシウム、ジルコニウムや、これらの酸化物、水酸化物、窒化物などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なかでも、ゴム組成物中での分散性に優れ、かつ良好な補強性、熱伝導率が得られるという理由から、アルミニウムが好ましく、水酸化アルミニウムがより好ましい。水酸化アルミニウムは、板状で、表面積が大きいという特徴があり、また、他の金属フィラーと比較して、軽量で、資源量が豊富であり、加工が容易である。さらに、熱伝導率の向上効果にも優れている。そして、220℃付近で吸熱する特性があり、難燃剤としても使用されるため、燃焼のおそれを低減することができる。
金属フィラーのモース硬度は、ゴム組成物中での分散性が良好で、かつ、設備を摩耗させ難いという理由から、好ましくは8以下、より好ましくは5以下である。下限は特に限定されないが、通常1以上である。
金属フィラーの平均粒子径(D50)は、ゴム組成物中での分散性が良好であるという理由から、好ましくは0.2μm以上、より好ましくは0.4μm以上、更に好ましくは1μm以上であり、また、金属フィラーが破壊核となりにくく、良好な耐久性が得られるという理由から、好ましくは20μm以下、より好ましくは10μm以下、更に好ましくは5μm以下である。
なお、平均粒子径(D50)は、粒子径分布測定装置により求めた粒子径分布曲線の積算質量値50%の粒子径である。
本発明のゴム組成物に無機フィラーを配合する場合、無機フィラーの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは3質量部以上、より好ましくは5質量部以上であり、また、好ましくは100質量部以下、より好ましくは60質量部以下、更に好ましくは50質量部以下である。上記範囲内であれば、より良好な耐久性及び加硫生産効率が得られる。
<その他の配合剤>
本発明のゴム組成物は、前記成分以外に、加硫ブラダー用ゴム組成物の製造に一般に使用される配合剤、例えば、酸化亜鉛、ステアリン酸、オイル、架橋剤、老化防止剤、離型剤などを適宜配合できる。
オイルとしては、揮発しにくいキャスターオイル(ひまし油)を用いることが好ましい。これにより、ポリマー(ゴム成分)とカーボンブラックとの間の微小な空隙が小さくなり、ゴム粘度が低減され、成型加硫時のゴム流動性が向上し、軽不良率を低減できる。これにより、より良好な耐久性及び加硫生産効率が得られる。
オイルの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上であり、また、好ましくは20質量部以下、より好ましくは12質量部以下である。上記範囲内であれば、より良好な耐久性及び加硫生産効率が得られる。
離型剤としては、ゴム成分と混練機との間で適度な滑り性を付与できる脂肪酸金属塩と脂肪酸アミドとの混合物を用いることが好ましい。これにより、成型加硫中、又は、成型加硫後の微小な空隙が少なくなり、より良好な耐久性及び加硫生産効率が得られる。
脂肪酸金属塩を構成する金属としては、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、ニッケル、モリブデンなどが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なかでも、カルシウム、亜鉛などのアルカリ土類金属が好ましく、カルシウムがより好ましい。
脂肪酸金属塩を構成する脂肪酸は、飽和脂肪酸であっても不飽和脂肪酸であってもよく、飽和脂肪酸としては、デカン酸、ドデカン酸、ステアリン酸などが挙げられ、不飽和脂肪酸としては、オレイン酸、エライジン酸などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なかでも、飽和脂肪酸が好ましく、ステアリン酸がより好ましい。
脂肪酸アミドは、飽和脂肪酸アミドであっても不飽和脂肪酸アミドであってもよく、飽和脂肪酸アミドとしては、ステアリン酸アミド、ベヘニン酸アミドなどが挙げられ、不飽和脂肪酸アミドとしては、オレイン酸アミド、エルカ酸アミドなどが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なかでも、不飽和脂肪酸アミドが好ましく、オレイン酸アミドがより好ましい。
離型剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上であり、また、好ましくは5質量部以下、より好ましくは3質量部以下である。上記範囲内であれば、より良好な耐久性及び加硫生産効率が得られる。
架橋剤としては、硫黄、架橋樹脂などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なかでも、ブチル系ゴムを効率よく架橋することができるという理由から、架橋樹脂が好ましい。
架橋樹脂としては、レゾルシノール樹脂、フェノール樹脂、アルキルフェノール樹脂、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なかでも、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂を用いることが好ましい。
架橋剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは3質量部以上、より好ましくは6質量部以上、更に好ましくは7質量部以上であり、また、好ましくは20質量部以下、より好ましくは15質量部以下である。上記範囲内であれば、より良好な耐久性及び加硫生産効率が得られる。
<ゴム組成物>
本発明のゴム組成物は、一般的な方法で製造される。すなわち、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどで前記成分を混練りし、その後架橋(加硫)する方法などにより製造できる。
本発明のゴム組成物は、熱伝導率が0.40W/m・K以上である。これにより、良好な加硫生産効率を確保することができる。上限は特に限定されないが、通常1.0W/m・K以下である。
なお、熱伝導率は、23℃における加硫ゴム組成物の熱伝導率であり、JIS R2616に規定の熱線法に準拠して測定される。熱伝導率は、主として、配合するフィラーの種類や量によって調整することができる。
本発明のゴム組成物は、150℃下の300%伸張時応力(M300)が2.8MPa以上であり、好ましくは3.0MPa以上である。これにより、良好な耐久性を確保することができる。上限は特に限定されないが、通常7.0MPa以下である。
なお、M300は、150℃における加硫ゴム組成物のM300であり、JIS K6251に準拠して測定される。 M300は、主として、配合するゴム成分、フィラーの種類や量によって調整することができる。
<加硫ブラダー>
本発明の加硫ブラダーは、一般的な方法で製造される。すなわち、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどで前記成分を混練りし、得られた未加硫ゴム組成物を加硫ブラダーの形状に成形した後、架橋(加硫)反応を行うなどの方法で製造することができる。
本発明の加硫ブラダーは、タイヤ製造時の加硫ブラダーとして好適に使用できる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
<ゴム成分>
ブチル系ゴム1:エクソン化学(株)製のExxon268(イソブチレン単位とイソプレン単位とを有する共重合体)
クロロプレンゴム:東ソー(株)製のスカイプレンB30
ブチル系ゴム2:エクソン化学(株)製のExxpro3035(イソブチレン単位と臭素が導入されたp−メチルスチレン単位とを有する共重合体)
<通常のカーボンブラック>
N330:キャボットジャパン(株)製のショウブラックN330(DBP給油量:104cm/100g、IA:70mg/g)
XC72:キャボットジャパン(株)製のVulcanXC72(DBP給油量:174cm/100g、IA:254mg/g)
<導電性カーボン>
デンカブラック:電気化学工業(株)製のデンカブラック(アセチレンブラック、DBP給油量:160cm/100g、IA:93mg/g)
EC−200L:ライオン(株)製のLionite EC−200L(DBP給油量:300cm/100g、IA:430mg/g)
EC300J:ライオン(株)製のケッチェンブラックEC300J(ケッチェンブラック、DBP給油量:365cm/100g、IA:790mg/g)
EC600JD:ライオン(株)製のケッチェンブラックEC600JD(ケッチェンブラック、DBP給油量:495cm/100g、IA:1050mg/g)
<グラフェン>
G0438:東京化成工業(株)製のG0438(厚み:6〜8nm、長さ:25μm、偏平率:約3125〜4167)
<水酸化アルミニウム>
C301N:住友化学(株)製のC301N(平均粒子径(D50):0.6μm、モース硬度:3)
Apyral200:Nabaltec製のApyral200(平均粒子径(D50):1.3μm、モース硬度:3)
<酸化亜鉛>
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華2種
<ステアリン酸>
ステアリン酸:日油(株)製の椿
<オイル>
キャスターオイル:伊藤製油(株)製のキャスターオイル
<架橋剤>
加硫促進剤MBTS:大内新興化学工業(株)製のノクセラーDM
硫黄:細井化学工業(株)製のHK−200(5%オイル含有粉末硫黄)
架橋樹脂:田岡化学工業(株)製のタッキロール201(アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂)
<老化防止剤>
ノクラックNS−6:大内新興化学工業(株)製
<離型剤>
離型剤1:日油(株)製(ステアリン酸カルシウム及びオレイン酸アミドの混合物)
離型剤2:ストラクトール社製のWB16(脂肪酸カルシウム及び脂肪酸アミドの混合物)
(実施例及び比較例)
表1〜2に示す配合処方に従い、配合材料の内、架橋剤以外の薬品を、2.0Lバンバリーミキサーを用いて、4分間、排出温度160℃で混練りし、混練り物を得た。
次に、得られた混練り物を3分間、排出温度140℃で混練りするリミルを2回行った。
次に、得られた混練り物に、架橋剤を添加し、2.0Lバンバリーミキサーを用いて、3分間、排出温度95℃で混練し、未加硫ゴム組成物を得た。
得られた未加硫ゴム組成物をプレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。また、得られた未加硫ゴム組成物を直方体に押出成型後、加硫ブラダー金型で加圧加温して加硫することで、乗用車タイヤ(タイヤサイズ:195/65R15)用加硫ブラダーを得た。
なお、加硫の条件は以下のとおりである。
ブチル系ゴム2(Exxpro3035)を配合した実施例9〜13:180℃、20分
その他:190℃、30分
得られた加硫ゴム組成物、加硫ブラダーにより、以下の各評価を行った。
(熱伝導率)
各加硫ゴム組成物の23℃における熱伝導率(W/mK)を、JIS R 2616に規定の熱線法に従って、迅速熱伝導率計(京都電子工業(株)製のkemtherm QTM−500)により測定した。熱伝導率が高いほど、加硫生産効率に優れることを示す。0.40以上であれば良好である。
(軽不良率)
各加硫ブラダーの目視外観検査を行い、ブリスター(発泡)、ベアー(ケロイド)、ゲージの不均一、極端な凹みが発生したものを軽不良とし、軽不良の発生率(軽不良率)を算出した。結果は、比較例1を100として指数表示した。指数が大きいほど、軽不良率が低いことを示す。90以上であれば良好である。
(EB、M300)
各加硫ゴム組成物からなる3号ダンベル型試験片を用いて、JIS K6251に準じて、150℃における破断時伸び(EB)、300%伸張時応力(M300)を測定した。EB、M300が高いほど、耐久性に優れることを示す。EBは400%以上、M300は2.8MPa以上であれば、亀裂成長がし難く、耐久性が良好である。
Figure 2018058949
Figure 2018058949
表1、2より、ゴム成分と、所定量の特定フィラーとを含有し、熱伝導率及び150℃下の300%伸張時応力が特定の範囲内である加硫ブラダー用ゴム組成物である実施例は、耐久性及び加硫生産効率を良好な範囲で確保することができ、また、軽不良率も良好であった。

Claims (6)

  1. ゴム成分と、カーボンブラックを含むフィラーとを含有し、
    前記カーボンブラックが、導電性カーボン及びグラフェンからなる群より選択される少なくとも1種を含み、
    前記ゴム成分100質量部に対する前記フィラーの含有量が58〜125質量部であり、
    熱伝導率が0.40W/m・K以上であり、
    150℃下の300%伸張時応力が2.8MPa以上である加硫ブラダー用ゴム組成物。
  2. 前記カーボンブラックが、前記導電性カーボンを含み、
    前記導電性カーボンのジブチルフタレート吸油量が200cm/100g以上であり、
    前記ゴム成分100質量部に対する前記導電性カーボンの含有量が3質量部以上である請求項1記載の加硫ブラダー用ゴム組成物。
  3. 前記導電性カーボンのヨウ素吸着量が300mg/g以上である請求項2記載の加硫ブラダー用ゴム組成物。
  4. 前記カーボンブラックが、前記グラフェンを含み、
    前記グラフェンは、厚みが0.1μm以下、長さが1〜40μm、偏平率が100以上である請求項1〜3のいずれかに記載の加硫ブラダー用ゴム組成物。
  5. 前記ゴム成分100質量%中、ブチル系ゴムの含有量が40質量%以上であり、
    前記ブチル系ゴムが、イソブチレン単位及びp−メチルスチレン単位を有する共重合体を含む請求項1〜4のいずれかに記載の加硫ブラダー用ゴム組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のゴム組成物を用いて作製した加硫ブラダー。
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