以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明において、印字ラベル作成装置1について「上」、「下」、「前」、「後」、「幅」というときは、図1等の各図中に適宜示す矢印方向に各々対応する。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態を図1〜図5等により説明する。
<印字ラベル作成装置の全体構造>
本実施形態の粘着テープカートリッジが装着される印字ラベル作成装置の一例を図1及び図2に示す。図1及び図2において、印字ラベル作成装置1は、ユーザの手によって把持されるハンディ型の電子機器である。印字ラベル作成装置1は、装置本体2と、この装置本体2の後部面に着脱自在に取り付けられるカバー3とを備えている。
装置本体2は、薄厚で上下方向に長い扁平な略直方体形状の筐体2Aを有しており、筐体2Aの前面には、上部に印刷データや設定画面等を表示するための液晶表示部4が設けられ、液晶表示部4の下側に、ラベル作成装置1を操作するためのキーボード部5が設けられている。このキーボード部5には、文字や記号、数字等の文字キー、及び種々の機能キーを含むキー群が配置されている。また筐体2Aの幅方向一方側(図1中左側、図2中右側)の側壁部2aの上部には、印刷済みラベル用テープを切断するためのカット操作レバー6が設けられている。
<印字ラベル作成装置のラベル作成機構>
図2に示すように、上記装置本体2は、ラベル作成部10と、電池収納部30と、を備えている。ラベル作成部10と電池収納部30とは、図示しない制御基板やモータ等が収容された収容部8により区画されている。電池収納部30は、矩形状の凹部32を有し、凹部32の底部34に上下方向の浅い凹部36が幅方向に沿って複数個設けられている。電池収納部30内には、図示しない複数の乾電池が上下同数ずつ2段に収納される。
ラベル作成部10は、装置本体2の略上半分の大半を占めるように設けられた、粘着テープカートリッジ11(以下、適宜、単に「カートリッジ11」と言う)を着脱自在に装着するための凹状のカートリッジホルダ12と、カートリッジホルダ12の上記幅方向他方側(図2中左側)を含む領域に設けられた印刷・搬送機構13とを備えている。
カートリッジ11は、本実施形態ではいわゆるラミネートタイプと称されるものであり、図2に示すように、筐体11Aの内部に粘着テープロール14、被印字テープロール15(カバーフィルムロールに相当)、インクリボンロール16、インクリボン巻き取りローラ17、及び搬送ローラ18を備えている。粘着テープロール14は、スプール50の周囲に両面粘着テープ150を巻回して構成されている。両面粘着テープ150は、図2中の拡大図に示すように、径方向中心側(後述の図3における図示の上側に相当)に位置するスプール50から径方向外側(後述の図3における図示の下側に相当)に向けて、後述する光輝顔料が添加された粘着剤層161(第1粘着剤層に相当)、着色層180、フィルム層151(基材層に相当)、粘着剤層170(第2粘着剤層に相当)、及び、剥離材層152、が、この順に積層されて構成されている。被印字テープロール15は、図2に示すように、スプール60の周囲に透明又は半透明の被印字テープ110(カバーフィルムに相当)を巻回して構成されている。
印刷・搬送機構13は、上記粘着テープロール14の支持軸19と、上記被印字テープロール15の支持軸20と、上記インクリボンロール16の支持軸21と、上記インクリボン巻き取りローラ17の駆動軸22と、サーマルヘッド23と、プラテンローラ24と、上記搬送ローラ18の駆動軸25と、押圧ローラ26等を備えている。上記プラテンローラ24は押圧ローラ26とともにロールホルダ27に取り付けられ、当該ロールホルダ27の揺動によって、それぞれサーマルヘッド23及び搬送ローラ18に接触する印刷・搬送位置(図2に示す位置)と、サーマルヘッド23及び搬送ローラ18から離間する待機位置(図示せず)とに切り替え可能である。
印字ラベル作成時、プラテンローラ24及び押圧ローラ26が上記印刷・搬送位置に切り替えられる。印刷・搬送位置に切り替えられたプラテンローラ24は、装置本体2側の図示しない駆動軸による駆動で回転するとともに、被印字テープロール15から繰り出された被印字テープ110とインクリボンロール16から繰り出された図示しないインクリボンとをサーマルヘッド23に押圧する。これにより、サーマルヘッド23からの受熱によりインクリボンのインクが被印字テープ110に転写され、被印字テープ110に対し所望の印字R(後述の図3等参照)を形成するとともに、印字形成の終了した被印字テープ110とインクリボンとを、プラテンローラ24が搬送ローラ18に向けて搬送する。印字が終了したインクリボンは、その後、被印字テープ110から分離されてインクリボン巻き取りローラ17に巻き取られる。
一方、印刷・搬送位置に切り替えられた押圧ローラ26は、プラテンローラ24によって搬送された印字終了後の被印字テープ110と粘着テープロール14から繰り出された両面粘着テープ150とを、駆動軸25による駆動で回転する搬送ローラ18に押圧する。これにより、図2中の拡大図(後述の図3及び図4も参照)に示すように、上記印字Rが形成された被印字テープ110と両面粘着テープ150とを貼り合せて印字テープ100を形成しつつ、搬送ローラ18が印字テープ100を装置本体2の上端に設けられたラベル排出口29に向けて搬送する。そして、印字テープ100がラベル排出口29から排出された所定の時点でユーザがカット操作レバー6を手動操作することにより、ラベル排出口29の近傍に配設されたカッタ28が作動し、印字テープ100が切断されて所望の長さの印字テープ100(すなわち印字ラベル)が形成される。
図3は、上記被印字テープ110及び上記両面粘着テープ150の層構成を表す説明図である。
図3に示すように、両面粘着テープ150は、上記フィルム層151と、フィルム層151の図示上側(本実施形態における厚さ方向一方側)に接して設けられる上記着色層180と、この着色層180の図示上側(本実施形態における厚さ方向一方側)に接して設けられた、上記粘着剤層161と、上記フィルム層151の図示下側(本実施形態における厚さ方向他方側)に接して設けられた上記粘着剤層170と、粘着剤層170の図示下側(本実施形態における厚さ方向他方側)に接して設けられ、上記粘着剤層170を覆う上記剥離材層152と、を有する。
このとき、本実施形態では、その特徴として、上記粘着剤層161を構成する粘着剤中に光輝顔料が添加されている。その際、粘着剤層161中の光輝顔料の体積割合(層全体に対する割合。以下すべての実施形態及び変形例で同様)、及び、粘着剤層161の厚さtAは、
(a)光輝顔料の体積割合が1%以上5%未満、かつ
当該粘着剤層161の厚さtAが15μm以上100μm以下;
(b)光輝顔料の体積割合が5%以上10%未満、かつ当該粘着剤層161の厚さtAが20μm以上100μm以下;
(c)光輝顔料の体積割合が10%以上15%未満、かつ当該粘着剤層161の厚さtAが25μm以上100μm以下;
(d)光輝顔料の体積割合が15%以上20%未満、かつ当該粘着剤層161の厚さtAが30μm以上100μm以下;
(e)光輝顔料の体積割合が20%以上25%未満、かつ当該粘着剤層161の厚さtAが35μm以上100μm以下;
(f)光輝顔料の体積割合が25%以上30%未満、かつ当該粘着剤層161の厚さtAが40μm以上100μm以下;
の(a)〜(f)のいずれかの組合せとなっている。
なお、上記の体積割合は、例えば、以下の手法で算出可能である。すなわち、体積、重量を計量した光輝顔料含有の粘着剤を溶剤に溶かし、遠心分離により光輝顔料を分離することで、光輝顔料の重量が求まり、光輝顔料粒子の真比重を計測することで光輝顔料の体積が求まる。光輝顔料含有粘着剤の体積から光輝顔料の体積を引くことで、粘着剤の体積を求めることができる。また、粘着層の断面を電子顕微鏡や光学顕微鏡で観察することにより、その断面に存在する顔料の面積及び割合を求めることが出来、測定する断面を連続的に増やすことで体積換算をし、体積割合を求めることが出来る。(以下、後述の変形例や他の実施形態も同様)。
また、上記粘着剤層161の光輝顔料は、20%以上の透過率を備えている。また、上記粘着剤層161の厚さtAは、粘着剤層170の厚さtBよりも大きい。また、上記粘着剤層161の粘着力は、3[N]/10[mm]以上となっている。なお、上記粘着力(接着力)は、JIS−Z0237に準拠して測定する。簡単に記述すると、測定面をSUS304ステンレス板に貼付け一定時間経過後、引っ張り試験機を用いて、300mm/minの速さで180°の角度に剥離させて測定を行う(以下、後述の変形例や他の実施形態も同様)。
また、上記粘着剤層161の光輝顔料として、特に、モース硬度が5以下のものを使用しても良い。その場合、粘着剤層161中の粘着剤と光輝顔料との体積割合、及び、粘着剤層161の厚さtAは、
(g)光輝顔料の体積割合が1%以上10%未満、かつ当該粘着剤層161の厚さtAが15μm以上30μm以下;
(h)光輝顔料の体積割合が10%以上20%未満、かつ当該粘着剤層161の厚さtAが20μm以上30μm以下;
の(g)〜(h)いずれかの組合せであることが好ましい。
一方、被印字テープ110は、両面粘着テープ150に対向する側(図示下側。本実施形態における厚さ方向他方側)の表面に、上述したように印字Rが施されている。被印字テープ110は、両面粘着テープ150に対し、上記粘着剤層161を介して貼り合わされる。
図4(a)に、上記被印字テープ110と上記両面粘着テープ150とが貼り合わせて形成される上記印字テープ100の層構成を示し、図4(b)に、上記印字テープ100から剥離材層152を引き剥がし、粘着剤層170により被着体Mへ貼着した状態を示す。上記貼り合わせの結果、図4(a)に示すように、印字テープ100は、図示上側(本実施形態における厚さ方向一方側)から図示下側(本実施形態における厚さ方向他方側)に向けて、被印字テープ110、(光輝顔料を添加した)上記粘着剤層161、着色層180、フィルム層151、粘着剤層170、及び、剥離材層152を、この順に積層して構成されている。
このとき、図5に示すように、上記粘着剤層161と上記フィルム層151との間に上記着色層180を設けずに、粘着剤層161が、フィルム層151の図示上側(本実施形態における厚さ方向一方側)に接して設けられる構成でもよい。
なお、上記剥離材層152は、例えば、基材に剥離剤をコーティングして形成されている。基材としては、紙、PETフィルム、OPPフィルム、ポリエチレンフィルム等が使用できる。剥離剤としては、シリコーン樹脂、ポリエチレン樹脂等が使用できる。
また、上記粘着剤層161、上記粘着剤層170の粘着剤としては、ウレタン樹脂系、シリコーン樹脂系、ビニル樹脂系、ポリエステル樹脂系、合成ゴム系、天然ゴム系、アクリル樹脂系等の粘着剤が使用できる。
また、上記粘着剤層161に添加する上記光輝顔料としては、鱗片上雲母、ガラス、アルミナ、金属等の芯材の表面に、酸化チタン、酸化鉄等の色材やソリッド顔料を色材としてコーティングしたものが使用できる。光輝顔料の色目によっては、芯材に色材をコーティングせず、芯材の反射光の干渉で色を醸し出すものも使用することができる。光輝顔料は上記のような光輝性を有する顔料の総称であり。例えば、パール顔料やメタリック顔料等が知られている。
そして、このときの上記ソリッド顔料には、酸化物等の無機顔料及び捺染系顔料等の有機顔料を使用することができる。無機顔料としては、例えば、二酸化チタン、亜鉛華等の酸化物;アルミナ白、酸化鉄黄等の水酸化物:硫化亜鉛、リトポン等の硫化物;黄鉛、モリブデートオレンジ等のクロム酸化物;ホワイトカーボン、クレー等のケイ酸塩;沈降性硫酸バリウム、バライト粉等の硫酸塩;炭酸カルシウム、鉛白等の炭酸塩;その他、フェロシアン化物(紺青)、炭素(カーボンブラック)等、が使用できる。有機顔料としては、例えば、ローダミンレーキ、メチルバイオレットレーキ等の塩基性染料、キノリンエローレーキ等の酸性染料、マラカイトグリーン等の建染染料、アリザリンレーキ等の媒染染料を含む捺染系顔料;カーミン6B等の溶性アゾ、ジスアゾエロー等の不溶性アゾ、クロモフアルエロー3G等の縮合アゾ、ニッケルアゾエロー等のアゾ錯塩、パーマネントオレンジHL等のベンズイダゾロンアゾを含むアゾ系顔料;フタロシアニンブルー等のフタロシアニン顔料;フラバンスロンエロー等の縮合多環顔料;ナフトールエローS等のニトロ系顔料;ピグロントグリーンB等のニトロソ系顔料;ルモゲンエロー等の昼夜蛍光顔料;その他、アルカリブルー等、が使用できる。
なお、上記した剥離材層152の材質、剥離剤、粘着剤、光輝顔料、ソリッド顔料に用いられる各材料・成分は、後述の変形例や他の実施形態にも共通に使用することができる。
次に、上記両面粘着テープ150の製造工程について、図6〜図7を用いて説明する。
図6に示すように、例えば公知の印刷手法により上記着色層180を形成済みの上記フィルム層151がフィルムロールFRから繰り出され、粘着塗工ヘッドAHへと供給される。粘着塗工ヘッドAHにおいて、上記フィルム層151のうち上記着色層180と反対側の面に前述した組成の粘着剤が塗布されて着色層180、フィルム層151、粘着剤層170の3層構造となった後、第1乾燥室D1、第2乾燥室、第3乾燥室D3、第4乾燥室D4、第5乾燥室D5の順に通過することで、5段階に乾燥処理が行われる。なお、乾燥室の数は5つに限られるものではない。
その後、上記3層構造のテープは、別途剥離材ロールSRから繰り出される上記剥離材層152が上記粘着剤層170へ貼り合わされることで、着色層180、フィルム層151、粘着剤層170、剥離材層152の4層構造のテープとなった後、第1テープロールTR1に巻回される。
その後、図7に示すように、上記した着色層180、フィルム層151、粘着剤層170、剥離材層152の4層構造のテープが、上記第1テープロールTR1から繰り出され、前述と同様、上記粘着塗工ヘッドAHへと供給される。粘着塗工ヘッドAHにおいて、上記着色層180のうち上記フィルム層151と反対側の面に前述した組成の粘着剤(但し光輝顔料を含む)が塗布されて、上記粘着剤層161(光輝顔料添加)、着色層180、フィルム層151、粘着剤層170、剥離材層152の5層構造となった後、上記同様、第1〜第5乾燥室D1〜D5を順に通過することで乾燥処理が行われて、上記両面粘着テープ150が完成する。こうして完成された両面粘着テープ150は、第2テープロールTR2に巻回される。
<第1実施形態の効果>
以上説明した第1実施形態によれば、粘着剤層161、フィルム層151、粘着剤層170、剥離剤層152を含む層構造において、粘着剤層161に光輝顔料を添加する。これにより、上記の層とは別に発色のための層を1層設ける手法に比べ、両面粘着テープ150全体の厚さを低減することができる。この結果、カートリッジ11内の限られたスペースであっても、両面粘着テープロール14に巻回できるテープ長さを長くすることができる。特に、粘着剤層161、フィルム層151、粘着剤層170、剥離剤層161の4層を含む従来構造中の粘着剤層161中に光輝顔料を添加するだけで、層数を増大させることなく実現可能である。
また、光輝顔料の添加による粘着性の低下を抑制しつつ、所望の光輝性を確実に実現することができる。このことを図8を用いて説明する。
一般に、粘着剤層中への顔料の添加が多くなるほど、当該粘着剤層の接着力(粘着力)は低下する。そのため、所望の接着力を得ようとする場合、粘着剤層中への顔料の添加が多くなるほど、粘着剤層自体の厚さを厚くする必要がある。図8に、上記粘着剤層161を構成する粘着剤について、本願発明者等が上記の傾向を検討して得た知見を示す。横軸には粘着剤層161の厚さ[μm]をとり、縦軸には粘着剤層161の接着力[N/10mm]をとって表している。
図8中には、粘着剤層161中の顔料の体積割合(体積率)が5%である場合、10%である場合、15%である場合、20%である場合、の4通りについての検討結果を示す。
まず、顔料の体積割合が5%である場合は、粘着剤層161の厚さ15[μm]で接着力3.2[N/10mm]、厚さ20[μm]で接着力4[N/10mm]、厚さ35[μm]で接着力5.1[N/10mm]、厚さ52[μm]で接着力6.8[N/10mm]となっている。
また、顔料の体積割合が10%である場合は、粘着剤層161の厚さ20[μm]で接着力3.6[N/10mm]、厚さ35[μm]で接着力4.5[N/10mm]、厚さ52[μm]で接着力5.7[N/10mm]となっている。
さらに、顔料の体積割合が15%である場合は、粘着剤層161の厚さ20[μm]で接着力2.8[N/10mm]、厚さ25[μm]で接着力3.2[N/10mm]、厚さ35[μm]で接着力3.6[N/10mm]、厚さ52[μm]で接着力4.4[N/10mm]となっている。
さらに、顔料の体積割合が20%である場合は、粘着剤層161の厚さ20[μm]で接着力2.5[N/10mm]、厚さ25[μm]で接着力2.7[N/10mm]、厚さ30[μm]で接着力3.1[N/10mm]、厚さ35[μm]で接着力3.2[N/10mm]、厚さ52[μm]で接着力3.7[N/10mm]となっている。
上記のように、上記3つの場合の特性線は厚さの増大と共に右上がりの挙動を示すが、全体の接着力の大きさは、「顔料体積割合5%の場合」>「顔料体積割合10%の場合」>「顔料体積割合15%の場合」>「顔料体積割合20%の場合となっており、粘着剤層中への顔料の添加が多くなるほど接着力が低下していることがわかる。この結果、例えば粘着剤層としての所望の接着力を得ようとする場合、顔料の添加が多くなるほど粘着剤層自体の厚さを厚くする必要が生じ、例えばこの例では通常の規格値の接着力である3[N/10mm]を得たい場合には、顔料体積割合5%の場合は粘着剤層161の厚さ15[μm]で足りるのに対し、顔料体積割合10%の場合は粘着剤層161の厚さ20[μm]程度が必要となり、さらに顔料体積割合15%の場合は粘着剤層161の厚さ25[μm]程度が必要となり、さらに顔料体積割合20%の場合は粘着剤層161の厚さ30[μm]程度が必要となることがわかる。
このような挙動に対応して、本実施形態では、
粘着剤層中の光輝顔料の体積割合が1%以上5%未満の場合には、粘着剤層161の厚さtAを15μm以上;
粘着剤層中の光輝顔料の体積割合が5%以上10%未満の場合には、粘着剤層161の厚さtAを20μm以上;
粘着剤層中の光輝顔料の体積割合が10%以上15%未満の場合には、粘着剤層161の厚さtAを25μm以上;
粘着剤層中の光輝顔料の体積割合が15%以上20%未満の場合には、粘着剤層161の厚さtAを30μm以上;
粘着剤層中の光輝顔料の体積割合が20%以上25%未満の場合には、粘着剤層161の厚さtAを35μm以上;
粘着剤層中の光輝顔料の体積割合が25%以上30%未満の場合には、粘着剤層161の厚さtAを40μm以上;
のように、粘着剤層161における粘着剤中の光輝顔料の体積割合が多くなるほど当該粘着剤層161の厚さを増大させる。これにより、光輝顔料の添加による粘着剤層161の接着性(粘着性)の低下を抑制しつつ、所望の光輝性を確実に実現することができる。
また、本実施形態では特に、フィルム層150と粘着剤層161との間に着色層180を設けている。これにより、粘着剤層161の光輝顔料による発色機能と、着色層180による発色機能とを、(両機能を1つの層に混在させる場合に比べて)十分に発揮させることができる。特に上記厚さ方向一方側(図3、図4等における上側)の粘着剤層161に光輝顔料による発色、上記厚さ方向他方側(図3、図4等における下側)に着色層180による発色、という機能配置とすることで、上記厚さ方向一方側から見たとき(図4(b)中破線矢印a参照)に、着色感と光輝感との両方を視認することができる。
なお、例えばフィルム層151自体に色が備わっている場合には、上記図5(a)に示したように、粘着剤層161とフィルム層151との間に着色層180を設けることなく上記着色感と光輝感との両方を視認することができる。
また、本実施形態では特に、粘着剤層161の厚さtAが粘着剤層170の厚さtBよりも大きいことにより、粘着剤層161における光輝顔料の添加による粘着性の低下を補い、確実な粘着性を得ることができる。
また、本実施形態では特に、粘着剤層170の粘着力が3[N]/10[mm]以上であることにより、粘着剤層170による被着体Mへの確実な粘着性を確保することができる。
また、本実施形態では特に、粘着剤層161の光輝顔料のモース硬度が5以下である。これにより、上記印字ラベル作成装置1で用いられてカッタ28で切断されるときにおいて、カッタ28に備えられるカッタ刃の摩耗を抑制することができる。
また、次のような技術的意義もある。光輝顔料では雲母を母材としたパール顔料や、アルミニウム等の金属を用いたメタリック顔料、アルミナを母材にしたものもある。母材により硬度が異なり、それに応じて、カッター刃への影響度も異なる。カッターの耐久性を考慮すると、雲母はモース硬度が2.5〜3程度と低く、非常に有利である。逆に、アルミナはモース硬度が非常に高いため、カッターへの負荷が大きく、刃の摩耗が起きるのが早いため、プリンターの耐久性を考えると好ましくない。
さらに、上記モース硬度の制限に加えて、粘着剤100に対する光輝顔料の体積割合が1%以上10%未満の場合は粘着剤層161の厚さtAが15μm以上、光輝顔料の体積割合が10%以上20%未満の場合は粘着剤層161の厚さtAを20μm以上、のように体積割合及び厚さの制限を加えることで、上記カッタ刃の摩耗を抑制しつつ、光輝感と粘着性を確保することができる。
<第1実施形態の変形例>
なお、上記第1実施形態は、上記の態様に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
(1−1)貼り付け側の粘着剤層にも顔料添加
上記第1実施形態の図3に相当する、この変形例における上記被印字テープ110及び上記両面粘着テープ150の層構成を図9(a)に示す。
図9(a)に示すように、本変形例における両面粘着テープ150は、透明又は半透明な(例えば20%以上の透過率を備えた)透明フィルム層151Aと、透明フィルム層151Aの図示上側(本変形例における厚さ方向一方側)に接して設けられた上記着色層180と、この着色層の図示上側(本変形例における厚さ方向一方側)に接して設けられ、上記第1実施形態と同様に光輝顔料が添加された上記粘着剤層161(第1粘着剤層に相当)と、上記透明フィルム層151Aの図示下側(本変形例における厚さ方向他方側)に接して設けられ、ソリッド顔料が添加された粘着剤層170A(第2粘着剤層に相当)と、この粘着剤層170Aの図示下側(本変形例における厚さ方向他方側)に接して設けられ、上記粘着剤層170を覆う上記剥離材層152と、を有する。
そして、本変形例では、その特徴として、上記第1実施形態と同様に、粘着剤層161中の粘着剤と光輝顔料との体積割合、及び、粘着剤層161の厚さtAは、
(a)光輝顔料の体積割合が1%以上5%未満、かつ
当該粘着剤層161の厚さtAが15μm以上100μm以下;
(b)光輝顔料の体積割合が5%以上10%未満、かつ当該粘着剤層161の厚さtAが20μm以上100μm以下;
(c)光輝顔料の体積割合が10%以上15%未満、かつ当該粘着剤層161の厚さtAが25μm以上100μm以下;
(d)光輝顔料の体積割合が15%以上20%未満、かつ当該粘着剤層161の厚さtAが30μm以上100μm以下;
(e)光輝顔料の体積割合が20%以上25%未満、かつ当該粘着剤層161の厚さtAが35μm以上100μm以下;
(f)光輝顔料の体積割合が25%以上30%未満、かつ当該粘着剤層161の厚さtAが40μm以上100μm以下;
の(a)〜(f)のいずれかの組合せとなっている。
また、上記粘着剤層161の光輝顔料は、20%以上の透過率を備えている。また、上記粘着剤層170の粘着力は、3[N]/10[mm]以上となっている。
一方、本変形例においても、上記第1実施形態と同様、被印字テープ110(図示省略)が、両面粘着テープ150に対向する側(図9中の下側。本変形例における厚さ方向他方側)の表面に上記印字Rが施され、両面粘着テープ150に対し、上記粘着剤層161を介して貼り合わされる。
なお、図9(b)に示すように、上記粘着剤層161と上記透明フィルム層151Aとの間に上記着色層180を設けずに、粘着剤層161が、透明フィルム層151Aの図示上側(本変形例における厚さ方向一方側)に接して設けられる構成でもよい。
次に、上記両面粘着テープ150の製造工程について、図10〜図11を用いて説明する。
図10に示すように、例えば公知の印刷手法により上記着色層180を形成済みの上記透明フィルム層151AがフィルムロールFRから繰り出され、粘着塗工ヘッドAHへと供給される。粘着塗工ヘッドAHにおいて、上記透明フィルム層151Aのうち上記着色層180と反対側の面に前述した組成の粘着剤(但しソリッド顔料を含む)が塗布されて着色層180、透明フィルム層151A、及び上記粘着剤層170A(ソリッド顔料添加)の3層構造となった後、第1乾燥室D1、第2乾燥室、第3乾燥室D3、第4乾燥室D4、第5乾燥室D5の順に通過することで、5段階に乾燥処理が行われる。なお、乾燥室の数は5つに限られるものではない。
その後、上記3層構造のテープは、別途剥離材ロールSRから繰り出される上記剥離材層152が上記粘着剤層170Aへ貼り合わされることで、上記着色層180、透明フィルム層151A、粘着剤層170A、剥離材層152の4層構造のテープとなった後、第1テープロールTR1に巻回される。
その後、図11に示すように、上記した着色層180、透明フィルム層151A、粘着剤層170A、剥離材層152の4層構造のテープが、上記第1テープロールTR1から繰り出され、前述と同様、上記粘着塗工ヘッドAHへと供給される。粘着塗工ヘッドAHにおいて、上記着色層180のうち上記透明フィルム層151Aと反対側の面に前述した組成の粘着剤(但し光輝顔料を含む)が塗布されて、上記粘着剤層161(光輝顔料添加)、着色層180、透明フィルム層151A、粘着剤層170A(ソリッド顔料添加)、剥離材層152の5層構造となった後、上記同様、第1〜第5乾燥室D1〜D5を順に通過することで乾燥処理が行われて、上記両面粘着テープ150が完成する。こうして完成された粘着テープ150は、第2テープロールTR2に巻回される。
本変形例においても、上記第1実施形態と同様の効果を得る。すなわち、粘着剤層161、透明フィルム層151A、粘着剤層170A、剥離剤層152を含む層構造において、粘着剤層161,170Aに顔料を添加する。これにより、上記とは別に発色のための層を1層設ける手法に比べ、両面粘着テープ150全体の厚さを低減することができる。この結果、カートリッジ11内の限られたスペースであっても、両面粘着テープロール14に巻回できるテープ長さを長くすることができる。
また、第1実施形態と同様、上記(a)〜(f)の条件として、粘着剤層161における粘着剤中の光輝顔料の体積割合が多くなるほど当該粘着剤層161の厚さを増大させる。これにより、光輝顔料の添加による粘着剤層161の接着性(粘着性)の低下を抑制しつつ、所望の光輝性を確実に実現することができる。
また、本変形例では特に、粘着剤層161と粘着剤層170Aとに2つの顔料(光輝顔料とソリッド顔料)を振り分けて配置する。これにより、これらを1つの層に混在させる場合に生じる両顔料の干渉を抑制し、各顔料の効果(特に光輝顔料の光輝感)を十分に発揮させることができる。特に上記厚さ方向一方側(図9(a)中の上側)に光輝顔料、上記厚さ方向他方側(図9(a)中の下側)にソリッド顔料、という配置とすることで、上記厚さ方向一方側から見たときに、着色感と光輝感との両方を視認することができる。
なお、図9(b)に示すように、粘着剤層161と透明フィルム層151Aとの間に着色層180を設けない構成、すなわち、粘着剤層161が、透明フィルム層151Aの図示上側(本変形例における厚さ方向一方側)に接して設けられる構成とすることもできる。この場合、透明フィルム層151Aが透明又は半透明な(例えば20%以上の透過率を備えた)層であることから、粘着剤層170Aの顔料の透過性が高ければ、(上記着色層を設けないことで)被着体M(前述の図4(b)、図5(b)参照)の素材の色を生かした外観性とすることもできる。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態を図12〜図15等により説明する。なお、上記第1実施形態、及びそれらの変形例と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略又は簡略化する。
本実施形態は、上記第1実施形態と同様、いわゆるラミネートタイプのカートリッジが使用される場合の実施形態である。上記第1実施形態の図2に相当する、この第2実施形態における印字ラベル作成装置の装置本体の後方側の内部構造を表す平面図を図12に示す。図12において、本実施形態のカートリッジ11の筐体11Aに備えられる粘着テープロール14に巻回される両面粘着テープ150は、図12中の拡大図に示すように、径方向中心側(後述の図13における図示の上側に相当)に位置するスプール50から径方向外側(後述の図13における図示の下側に相当)に向けて、顔料(この例では光輝顔料。以下同様)を添加した粘着剤層161、顔料(この例では光輝顔料及びソリッド顔料。以下同様)を添加した着色層190、フィルム層151、粘着剤層170、及び、剥離材層152が、この順に積層されて構成されている。被印字テープロール15は、前述と同様、図12に示すように、スプール60の周囲に例えば透明又は半透明の被印字テープ110(カバーフィルムに相当)を巻回して構成されている。また筐体11Aには、前述と同様のインクリボンロール16も備えられている。
<テープの層構成詳細>
図13は、上記被印字テープ110及び上記両面粘着テープ150の層構成を表す説明図である。
図13に示すように、両面粘着テープ150は、上記フィルム層151(基材層に相当)と、フィルム層151の図示上側(図12〜図15の構成における厚さ方向一方側)に接して設けられ、光輝顔料及びソリッド顔料が添加された上記着色層190と、この着色層190の図示上側(図12〜図15の構成における厚さ方向一方側)に接して設けられ、上記光輝顔料が添加された粘着剤層161(顔料含有粘着剤層に相当)と、上記フィルム層151の図示下側(図12〜図15の構成における厚さ方向他方側)に接して設けられた粘着剤層170(貼り付け粘着剤層に相当)と、この粘着剤層170の図示下側(図12〜図15の構成における厚さ方向他方側)に接して設けられ、上記粘着剤層170を覆う剥離材層152と、を有する。
このとき、本実施形態では、その特徴として、上記粘着剤層161の厚さtAは15[μm]以上50[μm]以下となっており、上記粘着剤層170の厚さtBや上記着色層190の厚さtCよりも大きくなっている。
また、上記粘着剤層161における上記光輝顔料の体積割合は1%以上40%以下となっており、上記着色層190における上記光輝顔料及び上記ソリッド顔料の体積割合よりも小さくなっている(体積割合の測定手法は前述と同様)。また上記粘着剤層161の上記光輝顔料は、20%以上の透過率を備えている。
また、上記粘着剤層161における上記光輝顔料の平均粒子径は5μm以上100μm以下となっており、上記着色層190における上記光輝顔料及び上記ソリッド顔料の平均粒子径よりも大きくなっている。
なお、上記平均粒子径は、公知のレーザー回折散乱法により測定することができる。例えば、堀場製作所製LA−960にて測定することができる。(以下、後述の変形例や他の実施形態も同様)
また、上記粘着剤層161の粘着力は、3[N]/10[mm]以上となっている(粘着力の測定手法は前述と同様)。
一方、被印字テープ110は、両面粘着テープ150に対向する側(図示下側。図12〜図15の構成における厚さ方向他方側)の表面に、上述したように印字Rが施されている。被印字テープ110は、両面粘着テープ150に対し、上記粘着剤層161を介して貼り合わされる。
図14(a)に、上記被印字テープ110と上記両面粘着テープ150とが貼り合わせて形成される上記印字テープ100の層構成を示し、図14(b)に、上記印字テープ100から剥離材層152を引き剥がし、粘着剤層170により被着体Mへ貼着した状態を示す。上記貼り合わせの結果、図14(a)に示すように、印字テープ100は、図示上側(図12〜図15の構成における厚さ方向一方側)から図示下側(図12〜図15の構成における厚さ方向他方側)に向けて、被印字テープ110、(光輝顔料が添加された)上記粘着剤層161、(光輝顔料及びソリッド顔料が添加された)上記着色層190、フィルム層151、粘着剤層170、及び、剥離材層152を、この順に積層して構成されている。
このとき、図15に示すように、光輝顔料及びソリッド顔料が添加された上記着色層190に代えて、(ソリッド顔料を省略し)上記光輝顔料のみを添加した着色層190Aを設ける構成でもよい。
次に、上記両面粘着テープ150の製造工程について、図16〜図17を用いて説明する。
図16において、例えば公知の印刷手法により上記着色層190を形成済みの上記フィルム層151がフィルムロールFRから繰り出され、粘着塗工ヘッドAHへと供給される。粘着塗工ヘッドAHにおいて、上記フィルム層151のうち上記着色層180と反対側の面に前述した組成の粘着剤が塗布されて着色層190、フィルム層151、粘着剤層170の3層構造となった後、第1乾燥室D1、第2乾燥室、第3乾燥室D3、第4乾燥室D4、第5乾燥室D5の順に通過することで、5段階に乾燥処理が行われる。なお、乾燥室の数は5つに限られるものではない。
その後、上記3層構造のテープは、別途剥離材ロールSRから繰り出される上記剥離材層152が上記粘着剤層170へ貼り合わされることで、着色層190、フィルム層151、粘着剤層170、剥離材層152の4層構造のテープとなった後、第1テープロールTR1に巻回される。
その後、図17に示すように、上記した着色層190、フィルム層151、粘着剤層170、剥離材層152の4層構造のテープが、上記第1テープロールR1から繰り出され、前述と同様、上記粘着塗工ヘッドAHへと供給される。粘着塗工ヘッドAHにおいて、上記着色層190のうち上記フィルム層151と反対側の面に前述した組成の粘着剤(光輝顔料を含む)が塗布されて、上記粘着剤層161(光輝顔料添加)、着色層190、フィルム層151、粘着剤層170、剥離材層152の5層構造となった後、上記同様、第1〜第5乾燥室D1〜D5を順に通過することで乾燥処理が行われて、上記両面粘着テープ150が完成する。こうして完成された両面粘着テープ150は、第2テープロールTR2に巻回される。
<第2実施形態の効果>
以上説明したように、第2実施形態においては、粘着剤層161、着色層190、フィルム層151を含む層構造に対し、上記粘着剤層161に光輝顔料を添加するとともに、着色層190にも光輝顔料を添加する。これには以下のような意義がある。
すなわち、例えば2種のパール感(光輝感)を発色させることを意図して2種類の光輝顔料を使用したい場合に、それらを1つの層に混在させると両顔料の干渉が生じ、各顔料の効果を十分に発揮させることができない。しかしながら、それら2つの光輝顔料を含む層をそれぞれ上記3層とは別に設けると粘着テープ150全体の厚さが著しく増大し、また製造工程も著しく増大する。
そこで、第2実施形態においては、まず粘着剤層161に1つの光輝顔料を配置するとともに、もう1つの光輝顔料は着色層190に配置する。このように2つの光輝顔料を別々の層に振り分けて配置することにより、前述の粘着テープ150全体の厚さや製造工程の増大を抑制しつつ、上記混在による両顔料の干渉を抑制し、各顔料の効果を十分に発揮させることができる。
また本実施形態では特に、上記粘着剤層161の厚さtAは、粘着剤層170の厚さtBよりも大きい。これにより、粘着剤層161における光輝顔料の添加による粘着性の低下を補い、確実な粘着性を得ることができる。このとき、粘着剤層161の厚さtAは15μm以上50μm以下である。粘着剤層161の厚さを少なくとも15μm以上とすることにより、光輝顔料の添加による粘着性の低下を抑制しつつ、所望の光輝性を確実に実現することができる。
また本実施形態では特に、上記粘着剤層161の厚さtAは、上記着色層190の厚さtCよりも大きい。これにより、粘着剤層161における、光輝顔料の添加による粘着性の低下を確実に抑制することができる。
また本実施形態では特に、粘着剤層161における光輝顔料の体積割合は、1%以上40%以下である。粘着剤層161における粘着剤中の光輝顔料の体積割合を最大40%に抑制することにより、光輝顔料の添加による粘着性の低下を抑制しつつ、所望の光輝性を確実に実現することができる。
また本実施形態では特に、粘着剤層161における光輝顔料の体積割合は、着色層190における光輝顔料及びソリッド顔料の体積割合よりも大きい。これにより、粘着剤層161における、光輝顔料の添加による粘着性の低下を確実に抑制することができる。また、図16を用いて前述したように着色層190が印刷工程により製造されている場合はあまり多く光輝顔料を添加することができないが、本実施形態では、着色層190における光輝顔料及びソリッド顔料の体積割合を粘着剤層161よりも小さくしている。これにより、着色層190を印刷工程によって円滑に製造することができる。
また本実施形態では特に、粘着剤層161における光輝顔料の平均粒子径は、5μm以上100μm以下であり、上記着色層190における光輝顔料及びソリッド顔料の平均粒子径よりも大きい。これには、以下のような意義がある。すなわち、前述したように着色層190を印刷工程により製造する場合はあまり粒子径の大きい光輝顔料及びソリッド顔料を使用することはできない。これに対応して、本実施形態では、着色層190における光輝顔料及びソリッド顔料の粒子径を粘着剤層161よりも小さくすることにより、着色層190を印刷工程によって円滑に製造することができる。また、上記粘着剤層170を備える上記5層構成の場合には、上記厚さ方向一方側(例えば図13、図14中の上側)から見たときに、手前側に粒子径の大きな顔料が位置し奥側に粒子径の小さな顔料が位置することになる(図14中の破線矢印a参照)ので、特に効果的な光輝感や深みを持たせることができる。
また、上記粘着剤層170の粘着力は、3[N]/10[mm]以上である。これにより、粘着剤層170による被着体Mへの確実な粘着性を確保することができる。
<第2実施形態の変形例>
なお、上記第2実施形態は、上記の態様に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下にその変形例について順次説明する。
(2−1)ノンラミネートタイプカートリッジへの適用
本変形例では、上記ラミネートタイプのカートリッジ11が用いられた上記第1実施形態及び上記第2実施形態と異なり、いわゆるノンラミネートタイプ(詳細にはレセプタタイプ)と称されるカートリッジが使用される。
上記第2実施形態の図12に相当する、この変形例における印字ラベル作成装置の装置本体の後方側の内部構造を表す平面図を、図18に示す。図18において、本変形例で使用されるカートリッジ11は、筐体11Aの内部に、粘着テープロール14(詳細層構成は後述)、上記インクリボンロール16、上記インクリボン巻き取りローラ17、及び上記搬送ローラ18を備えている。
上記粘着テープロール14は、上記スプール50の周囲に、本変形例に係わる粘着テープ150Nを巻回して構成されている。粘着テープ150Nは、図18中の拡大図に示すように、径方向中心側(後述の図19における図示の上側に相当)に位置するスプール50から径方向外側(後述の図19における図示の下側に相当)に向けて、受像層210、前述と同様の透明又は半透明の(例えば20%以下の透過率を備えた)透明フィルム層151A、光輝顔料が添加された着色層180A、前述と同様の光輝顔料が添加された粘着剤層161、及び、剥離材層152が、この順に積層されて構成されている。
<テープの層構成詳細>
図19(a)は、上記粘着テープ150N及び印字テープ100Nの層構成を表す説明図である。
図19(a)に示すように、上記粘着テープ150Nは、上記透明フィルム層151Aと、この透明フィルム層151Aの図示上側(本変形例における厚さ方向他方側)に接して設けられた上記受像層210と、上記透明フィルム層151Aの図示下側(本変形例における厚さ方向一方側)に接して設けられた、上記光輝顔料が添加された上記着色層180Aと、この着色層180Aの図示下側(本変形例における厚さ方向一方側)に接して設けられ、上記光輝顔料が添加された上記粘着剤層161(顔料含有粘着剤層に相当)と、この粘着剤層161の図示下側(本変形例における厚さ方向一方側)に接して設けられ、上記粘着剤層161を覆う剥離材層152と、を有する。
このとき、本変形例においても、上記第2実施形態と同様、上記粘着剤層161の厚さtAは15[μm]以上50[μm]以下となっており、上記着色層180Aの厚さtCよりも大きくなっている。
また、上記粘着剤層161における粘着剤100に対する上記光輝顔料の体積割合は1%以上40%以下となっており、上記着色層180Aにおける上記光輝顔料の体積割合よりも大きくなっている。
また、上記粘着剤層161における上記光輝顔料の平均粒子径は5μm以上100μm以下となっており、上記着色層180Aにおける上記光輝顔料の平均粒子径よりも大きくなっている。
また、上記粘着剤層161の粘着力は、3[N]/10[mm]以上となっている。
なお、本変形例では、上記受像層210も、20%以上の透過率を備えている。
図19(b)に、上記粘着テープ150Nの上記受像層210に印字Rが形成された上記印字テープ100Nの層構成を示す。
次に、上記粘着テープ150Nの製造工程について、図20を用いて説明する。
図20に示すように、例えば公知の印刷手法により上記受像層210及び上記着色層180Aを形成済みの上記透明フィルム層151AがフィルムロールFRから繰り出され、粘着塗工ヘッドAHへと供給される。粘着塗工ヘッドAHにおいて、上記着色層180Aのうち上記透明フィルム層151Aと反対側の面に前述した組成の粘着剤(但し上記光輝顔料を含む)が塗布されて受像層210、透明フィルム層151A、着色層180A、及び上記粘着剤層161(光輝顔料添加)の4層構造となった後、第1乾燥室D1、第2乾燥室、第3乾燥室D3、第4乾燥室D4、第5乾燥室D5の順に通過することで、5段階に乾燥処理が行われる。その後、上記4層構造のテープは、別途剥離材ロールSRから繰り出される上記剥離材層152が上記粘着剤層161へ貼り合わされることで、上記受像層210、透明フィルム層151A、着色層180A、粘着剤層161、剥離材層152の5層構造の上記粘着テープ150Nが完成する。こうして完成された粘着テープ150Nは、第1テープロールTR1に巻回される。
なお、図21に示すように、光輝顔料が添加された上記着色層180Aに代えて、光輝顔料層180AAを設ける構成でもよい。
また、図22(a)に示すように、図19(b)に示す構成から上記受像層210を省略してもよいし、さらに図22(b)に示すように、光輝顔料が添加された上記着色層180Aに代えて、光輝顔料層180AAを設ける構成でもよい。
本変形例においても、上記第2実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、粘着剤層161に1つの光輝顔料を配置するとともに、もう1つの光輝顔料は着色層180Aに配置する。このように2つの光輝顔料を別々の層に振り分けて配置することにより、粘着テープ150N全体の厚さや製造工程の増大を抑制しつつ、上記混在による両顔料の干渉を抑制し、各顔料の効果を十分に発揮させることができる。
また、上記粘着剤層161の厚さtAは15μm以上50μm以下である。粘着剤層161の厚さを少なくとも15μm以上とすることにより、光輝顔料の添加による粘着性の低下を抑制しつつ、所望の光輝性を確実に実現することができる。また、上記粘着剤層161の厚さtAは、上記着色層180Aの厚さtCよりも大きい。これにより、粘着剤層161における、光輝顔料の添加による粘着性の低下を確実に抑制することができる。
また、上記第2実施形態と同様、粘着剤層161における粘着剤100に対する光輝顔料の体積割合は、1%以上40%以下である。粘着剤層161における粘着剤中の光輝顔料の体積割合を最大40%に抑制することにより、光輝顔料の添加による粘着性の低下を抑制しつつ、所望の光輝性を確実に実現することができる。
また、粘着剤層161における光輝顔料の体積割合は、着色層180Aにおける光輝顔料の体積割合よりも大きい。これにより、粘着剤層161における、光輝顔料の添加による粘着性の低下を確実に抑制することができる。また、図20を用いて前述したように着色層180Aが印刷工程により製造されている場合はあまり多く光輝顔料を添加することができないが、本変形例では、着色層180Aにおける光輝顔料の体積割合を粘着剤層161よりも小さくしている。これにより、着色層180Aを印刷工程によって円滑に製造することができる。
また、粘着剤層161における光輝顔料の平均粒子径は、5μm以上100μm以下であり、上記着色層180Aにおける光輝顔料の平均粒子径よりも大きい。すなわち、着色層180Aにおける光輝顔料の粒子径を粘着剤層161よりも小さくすることにより、着色層180Aを印刷工程によって円滑に製造することができる。
また、上記粘着剤層161の粘着力は、3[N]/10[mm]以上である。これにより、粘着剤層161による被着体Mへの確実な粘着性を確保することができる。
(2−2)透明フィルム層と着色層の入れ替え
図23(a)に示すように、上記図19(a)に示した粘着テープ150Nの層構成において、透明フィルム層151Aと着色層180Aとを入れ替え、図示の上側(上記厚さ方向他方側)から図示の下側(上記厚さ方向一方側)に向けて、受像層210、着色層180A、透明フィルム層151A、粘着剤層161、及び、剥離材層152の順に積層してもよい。また図23(b)に示すように、上記図23(a)に示した粘着テープ150Nの層構成において、光輝顔料が添加された上記着色層180Aに代えて、光輝顔料層180AAを設ける構成でもよい。
また、図24(a)に示すように、図23(a)に示した構成から上記受像層210を省略してもよいし、さらに図24(b)に示すように、光輝顔料が添加された上記着色層180Aに代えて、光輝顔料層180AAを設ける構成でもよい。これらの場合も上記同様の効果を得る。
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態を図25等により説明する。上記第1及び第2実施形態及びそれらの変形例と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略又は簡略化する。
本実施形態は、上記第1実施形態と同様、いわゆるラミネートタイプのカートリッジが使用される場合の実施形態である。すなわち、図示を省略するが、本実施形態で使用されるカートリッジ11は、上記図2と同様に、筐体11Aの内部に、粘着テープロール14、被印字テープロール15(カバーフィルムロールに相当)、インクリボンロール16、インクリボン巻き取りローラ17、及び搬送ローラ18を備えている。上記粘着テープロール14は、上記スプール50の周囲に、本実施形態に係わる両面粘着テープ150を巻回して構成されている。
そして、本実施形態の両面粘着テープ150は、カートリッジ11内において、径方向中心側(後述の図25における図示の上側に相当)に位置するスプール50から径方向外側(後述の図25における図示の下側に相当)に向けて、光輝顔料を添加した上記粘着剤層161、上記フィルム層151、上記粘着剤層170、及び、上記剥離材層152が、この順に積層されて構成されている。被印字テープロール15は、前述と同様、スプール60の周囲に例えば透明又は半透明の被印字テープ110(カバーフィルムに相当)を巻回して構成されている。また筐体11Aには、前述と同様のインクリボンロール16も備えられている。
そして、本実施形態の要部は、上記両面粘着テープ150の層構造における、粘着剤層に接するフィルム層の表面形状にある。まず、前述の図5に示した構成のフィルム層151に適用した例を図25に示す。
図25において、本実施形態の両面粘着テープ150は、図5を用いて上述したように上記フィルム層151(基材層に相当)と、フィルム層151の図示上側(図25に示す構成における厚さ方向他方側)に接して設けられた、光輝顔料が添加された上記粘着剤層161(第1粘着剤層に相当)と、上記フィルム層151の図示下側(図25に示す構成における厚さ方向一方側)に接して設けられた上記粘着剤層170(第2粘着剤層に相当)と、粘着剤層170の図示下側(図25に示す構成における厚さ方向一方側)に接して設けられ、上記粘着剤層170を覆う上記剥離材層152と、を有する。
そして、本実施形態では、その特徴として、上記フィルム層151のうち、光輝顔料が添加されている粘着剤層161に接する表面151aに、複数の凸部151sが設けられている(図25中の拡大図参照)。
すなわち、図26(a)に模式的に示すように、顔料が添加されている上記粘着剤層161は、そのままでは、フィルム層151の表面151aに接する部分においてフィルム層151との密着力が低下する場合がある。特に、光輝感・パール感を発色するための光輝顔料粒子Pは、図26(a)に示すように、通常、鱗片状の形状を備えているものが多い。そのような、比較的大きな光輝顔料粒子Pが、フィルム層151に接する側の上記粘着剤層161の(図26(a)中の下側の)表面に位置し、フィルム層151の表面151aに接した場合(例えば、図26(a)中に示す光輝顔料粒子Pa参照)には、その部位において粘着剤層161とフィルム層151との間の接着力が著しく低下する。この結果、粘着剤層161全体の密着力が低下してしまう。
そこで、本実施形態では、図26(b)に示すように、フィルム層151のうち、上記のように粘着材層161に接する側の表面151aに複数の上記凸部151sが設けられる。このとき、フィルム層151の表面151aにおける、隣接する2つの凸部151s,151s間どうしの距離(間隔)Lが、当該表面151aに接する粘着剤層161に含まれる1個の光輝顔料粒子Pの平面距離Lpよりも小さくなっている。
これにより、上記のように粘着剤層161中の光輝顔料粒子Pがフィルム層151に接する側に存在したとしても、フィルム層151の上記凸部151sと凸部151sとの間の短い間隔に阻まれてそれらの間に入り込めない(図26(b)中に示す光輝顔料粒子Pb参照)。この結果、フィルム層151と光輝顔料粒子Pとが面で接することがなくなり、接着力が0となる接触面積を減少させることができる。さらに、上記凸部151sと凸部151sとの間の空間に粘着剤が入り込むことにより、フィルム層151と粘着剤層161との接触面積を増加させることができる。この結果、粘着剤層161とフィルム層151との密着力を向上することができる。
なお、表面を加工していない一般的なPPフィルムの表面粗さは0.1[μm]より小さいが、この程度では上記効果が十分には得られないことから、本実施形態では、凸部151s,151s間どうしの上記距離Lは、0.1[μm]より大きくなっている。この結果、フィルム層151の上記表面151aにおける輪郭曲線要素の平均長さ(Rsm)が、上記平面距離Lpよりも小さく、かつ、0.1[μm]より大きくなっている。
上記両面粘着テープ150の製造工程について、図27〜図28を用いて説明する。
図27に示すように、まず、上記表面151aに凸部151sを形成済みの上記フィルム層151が、フィルムロールFRから繰り出され、粘着塗工ヘッドAHへと供給される。なお、凸部151sは、例えば通常のフィルム層に151に対し、一般的なサンドマット加工やヘアライン加工によって事前に上記条件(0.1[μm]<L<Lp)を満たすように形成すれば足りる。あるいは、公知のコーティングマットフィルム、練り込みマットフィルム、エンボスマットフィルム等、もともと凹凸が形成されているフィルムの中から、上記条件を満たす表面粗さを備えているものを選択して用いても良い。
供給された上記フィルム層151は、粘着塗工ヘッドAHにおいて、上記凸部151sが形成された表面151aと反対側の面に前述した組成の粘着剤が塗布されてフィルム層151、粘着剤層170の2層構造となった後、第1乾燥室D1、第2乾燥室、第3乾燥室D3、第4乾燥室D4、第5乾燥室D5の順に通過することで、5段階に乾燥処理が行われる。なお、乾燥室の数は5つに限られるものではない。
その後、上記2層構造のテープは、別途剥離材ロールSRから繰り出される上記剥離材層152が上記粘着剤層170へ貼り合わされることで、フィルム層151、粘着剤層170、剥離材層152の3層構造のテープとなった後、第1テープロールTR1に巻回される。
その後、図28に示すように、上記したフィルム層151、粘着剤層170、剥離材層152の3層構造のテープが、上記第1テープロールTR1から繰り出され、前述と同様、上記粘着塗工ヘッドAHへと供給される。粘着塗工ヘッドAHにおいて、上記フィルム層151のうち上記粘着剤層170と反対側の面に前述した組成の粘着剤(但し光輝顔料を含む)が塗布されて、上記粘着剤層161(光輝顔料添加)、フィルム層151、粘着剤層170、剥離材層152の4層構造となった後、上記同様、第1〜第5乾燥室D1〜D5を順に通過することで乾燥処理が行われて、上記両面粘着テープ150が完成する。こうして完成された両面粘着テープ150は、第2テープロールTR2に巻回される。
<第3実施形態の変形例>
なお、上記第3実施形態は、上記の態様に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
(3−1)貼り付け側の粘着剤層にも顔料添加
本変形例は、前述の図9(a)の層構成に適用した例である。上記図9(a)に相当する、本変形例の両面粘着テープ150の層構成を図29(a)に示す。
図29(a)に示すように、本変形例における両面粘着テープ150は、図9(a)と同様、透明又は半透明な(例えば20%以上の透過率を備えた)透明フィルム層151A(基材層に相当)と、透明フィルム層151Aの図示上側(図29(a)に示す構成における厚さ方向他方側)に接して設けられた着色層180と、この着色層の図示上側(図29(a)に示す構成における厚さ方向他方側)に接して設けられ、光輝顔料が添加された粘着剤層161と、上記透明フィルム層151Aの図示下側(図29(a)に示す構成における厚さ方向一方側)に接して設けられ、上記図9のソリッド顔料に代えて光輝顔料が添加された粘着剤層170B(本変形例における第1粘着剤層に相当)と、この粘着剤層170Bの図示下側(図29(a)に示す構成における厚さ方向一方側)に接して設けられ、上記粘着剤層170Bを覆う上記剥離材層152と、を有する。
本変形例においても、上記第3実施形態と同様、上記透明フィルム層151Aのうち、光輝顔料が添加されている上記粘着剤層170Bに接する表面に、複数の凸部151sが設けられている。なお、詳細な図示を省略するが、本変形例においても凸部151sは前述の条件(0.1[μm]<L<Lp)を満たしている。
なお、図29(b)に示すように、上記図29(a)に示す構成において、粘着剤層161と透明フィルム層151Aとの間の着色層180を省略してもよい。この場合、透明フィルム層151Aのうち、光輝顔料を添加した上記粘着剤層161に接する図示上方側の表面、及び、光輝顔料を添加した上記粘着剤層170Bに接する図示下方側の表面、の両方に、上記凸部151sが設けられる。
本変形例においても、上記第3実施形態と同様の効果を得る。
(3−2)ノンラミネートタイプカートリッジへの適用
本変形例では、上記ラミネートタイプのカートリッジ11が用いられた上記第3実施形態及び(3−1)の変形例と異なり、上記(2−1)の変形例と同様のいわゆるノンラミネートタイプ(詳細にはレセプタタイプ)と称されるカートリッジが使用される。
すなわち、図示を省略するが、本変形例で使用されるカートリッジ11は、上記図18と同様に、筐体11Aの内部に、粘着テープロール14、上記インクリボンロール16、上記インクリボン巻き取りローラ17、及び上記搬送ローラ18を備えている。上記粘着テープロール14は、上記スプール50の周囲に、本変形例に係わる粘着テープ150Nを巻回して構成されている。
そして、本変形例の粘着テープ150Nは、カートリッジ11内において、径方向中心側(後述の図30における図示の上側に相当)に位置するスプール50から径方向外側(後述の図30における図示の下側に相当)に向けて、受像層210、光輝顔料が添加された着色層180A、透明又は半透明の(例えば20%以下の透過率を備えた)透明フィルム層151A、前述と同様の光輝顔料が添加された粘着剤層161B、及び、剥離材層152が、この順に積層されて構成されている。また筐体11Aには、前述と同様のインクリボンロール16も備えられている。
そして、本変形例は、前述の図23(a)の層構成に適用した例である。上記図23(a)に相当する、本変形例の粘着テープ150Nの層構成を図30に示す。
図30に示すように、本変形例における粘着テープ150Nは、上記透明フィルム層151Aと、この透明フィルム層151Aの図示上側(本変形例における厚さ方向他方側)に接して設けられた、上記光輝顔料が添加された上記着色層180Aと、この着色層180Aの図示上側(本変形例における厚さ方向他方側)に接して設けられた上記受像層210と、上記透明フィルム層151Aの図示下側(本変形例における厚さ方向一方側)に接して設けられ、上記光輝顔料が添加された上記粘着剤層161B(本変形例における第1粘着剤層に相当)と、この粘着剤層161の図示下側(本変形例における厚さ方向一方側)に接して設けられ、上記粘着剤層161Bを覆う剥離材層152と、を有する。
本変形例においても、上記と同様、上記透明フィルム層151Aのうち、光輝顔料が添加されている上記粘着剤層161Bに接する表面に、複数の凸部151sが設けられている。なお、詳細な図示を省略するが、本変形例においても凸部151sは前述の条件(0.1[μm]<L<Lp)を満たしている。
上記粘着テープ150Nの製造工程について、図31を用いて説明する。
図31に示すように、例えば公知の印刷手法により上記受像層210及び上記着色層180Aが形成されるとともに、上記第3実施形態と同様の手法で上記表面151aに凸部151sを形成済みの、上記透明フィルム層151Aが、フィルムロールFRから繰り出され、粘着塗工ヘッドAHへと供給される。粘着塗工ヘッドAHにおいて、透明フィルム層151Aのうち上記着色層180Aと反対側の面に前述した組成の粘着剤(但し上記光輝顔料を含む)が塗布されて受像層210、着色層180A、透明フィルム層151A、及び上記粘着剤層161B(光輝顔料添加)の4層構造となった後、第1乾燥室D1、第2乾燥室、第3乾燥室D3、第4乾燥室D4、第5乾燥室D5の順に通過することで、5段階に乾燥処理が行われる。その後、上記4層構造のテープは、別途剥離材ロールSRから繰り出される上記剥離材層152が上記粘着剤層161へ貼り合わされることで、上記受像層210、着色層180A、透明フィルム層151A、粘着剤層161B、剥離材層152の5層構造の上記粘着テープ150Nが完成する。こうして完成された粘着テープ150Nは、第1テープロールTR1に巻回される。
本変形例においても、上記第3実施形態と同様の効果を得る。
(3−3)着色層に凸部を設けた場合
すなわち、上記図29(a)に示した構成において、着色層180の上記粘着剤層161側の表面に、上記フィルム層151の凸部151sと同様の形状の凸部を設けても良い。そのような変形例を図32に示す。
この場合、図32に示すように、両面粘着テープ150は、例えば20%以上の透過率を備え、かつ前述の凸部151sを備えた上記透明フィルム層151Aと、透明フィルム層151Aの図示上側(本変形例における厚さ方向他方側)に接して設けられた上記着色層180と、この着色層の図示上側(本変形例における厚さ方向他方側)に接して設けられ、光輝顔料が添加された上記粘着剤層161(本変形例における第1粘着剤層に相当)と、上記透明フィルム層151Aの図示下側(本変形例における厚さ方向一方側)に接して設けられ、光輝顔料が添加された上記粘着剤層170Bと、この粘着剤層170Bの図示下側(本変形例における厚さ方向一方側)に接して設けられ、上記粘着剤層170Bを覆う上記剥離材層152と、を有する。
そして、本変形例においては、上記着色層180のうち、光輝顔料が添加されている上記粘着剤層161に接する表面180aに、複数の凸部180sが設けられている。そして、前述の凸部151sと同様、隣接する2つの凸部180s,180s間どうしの距離Lが、当該表面180aに接する粘着剤層161に含まれる1個の光輝顔料粒子Pの上記平面距離Lpよりも小さくなっており、かつ、0.1[μm]より大きくなっている。この結果、着色層180の上記表面180aにおける輪郭曲線要素の平均長さ(Rsm)が、上記平面距離Lpよりも小さく、かつ、0.1[μm]より大きくなっている。
本変形例の着色層180の凸部180sにおいても、前述の凸部151sと同様、粘着剤層161中の光輝顔料粒子Pが着色層180に接する側に存在したとしても、着色層180の上記凸部180sと凸部151sとの間の短い間隔に阻まれてそれらの間に入り込めない。この結果、着色層180と光輝顔料粒子Pとが面で接することがなくなり、接着力が0となる接触面積を減少させることができる。さらに、上記凸部180sと凸部180sとの間の空間に粘着剤が入り込むことにより、着色層180と粘着剤層161との接触面積を増加させることができる。この結果、粘着剤層161と着色層180との密着力を向上することができる。
(4)その他
なお、以上説明したすべての実施形態及び各変形例において、テープに係わる各種パラメータの数値(上記体積割合、平均粒子径、粘着力、及びその他すべて)を測定する際は、当該テープを10mm×10mm以上切り取って測定する。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。