JP2018057671A - 野球用ヘルメット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】半球殻状のヘルメット本体1と庇部2及び左右一対の耳保護部3とが備えられ、両耳保護部3の縁部の各々が、庇部2との括れ部4に連続する前側縁部3Aと、ヘルメット本体1の後部の下側縁部1Aに連続する後方上がりの後側縁部3Bとから構成され、両耳保護部3の後側縁部3Bからヘルメット本体1の最後部の下側縁部1Aに至る領域の後半側開口縁が、ヘルメット本体1の内面の後半側開口縁における最大短径方向寸法よりも大なる最大短径方向寸法を備えた半楕円形状に構成され、この半楕円形状の後半側開口縁で形成される後半側開口が、ヘルメット本体1の上下方向中心線に対して交差する方向からの装脱着移動を許容する装脱着用空間10に構成されている。
【選択図】図1
Description
この従来の野球用ヘルメットでは、各耳保護部の前側縁部における前方下がりの上半前側縁部分と後方下がりの下半前側縁部分との境界部位が耳保護部の最前端位置に構成され、前側縁部の下半前側縁部分と後方上がりの後側縁部との境界部位が耳保護部の最下端位置に構成されている。
一対の耳保護部の最前端位置及び最下端位置での内面間の左右方向での開口幅が、一対の耳保護部の後側縁部での内面間の左右方向での開口幅よりも小に構成されている。特許文献1の図11に示すように、各耳保護部の内面には、前側縁部及び後側縁部に沿って「へ」の字状等の緩衝パッドが設けられている。
従来の野球用ヘルメットでは、ヘルメット本体の頂部中心位置を通る上下方向の中心線に沿った方向が着用者の頭部への装脱着方向に構成されている。
また、特許文献2に開示されている野球用ヘルメットでは、内層材の内面のうち、両耳保護部に対応する耳用内装材部の内面に、後側縁部から前側縁部及び括れ部を経由してヘルメット本体に対応する内層材本体側に延びる非発泡の樹脂で形成された補強シェルを一体的に積層している。
前記一対の耳保護部の前記後側縁部から前記ヘルメット本体の最後部の下側縁部に至る領域の後半側開口縁が、前記ヘルメット本体の内面の後半側開口縁における最大短径方向寸法よりも大なる最大短径方向寸法を備えた半楕円形状に構成され、この半楕円形状の後半側開口縁で形成される後半側開口が、前記ヘルメット本体の上下方向中心線に対して交差する方向からの装脱着移動を許容する装脱着用空間に構成されている点にある。
したがって、従来の野球用ヘルメットのように、一対の耳保護部を把持して左右方向に開くという操作が不要で、両耳保護部の付け根部への応力集中を抑制することができる。それに伴う補強対策の軽減によって野球用ヘルメットの軽量化、コストの低廉化、装着の容易化を図ることができる。
したがって、緩衝パッドを備えた野球用ヘルメットの装着の容易化を図りながらも、正規装着状態では使用者の頭部を的確に包み込むフィット感を得ることができる。
特に、上述の第2の特徴構成を備えている場合には、正規装着姿勢よりも庇部が上方側に向く状態にある野球用ヘルメットの装着案内面のうち、ヘルメット本体の後部の下側縁部に対応する装着案内面部分を装着者の後頭部に当接させたとき、一対の耳保護部の内面における前側部位に設けられている緩衝パッドが、装着者の耳に対して装着案内面の傾斜代の分だけ前方側に偏倚することになる。そのため、野球用ヘルメットをヘルメット本体の上下方向中心線に対して交差する方向から装着操作する際、緩衝パッドが装着者の耳と干渉することをより抑制することができ、野球用ヘルメットの装着の容易化を一層促進することができる。
図1は打者用の野球用ヘルメットHを示す。この野球用ヘルメットHには、装着者の頭部の上側を覆う半球殻状のヘルメット本体1と、当該ヘルメット本体1から前方側に延出される庇部2と、ヘルメット本体1から下方に延出される左右一対の耳保護部3とが主要構成として備えられている。
ヘルメット本体1には、図2〜図5に示すように、前後方向に沿って複数列で複数の通気孔8が貫通形成され、左右一対の耳保護部3の各々には、図1、図2に示すように、一つ又は複数(当該実施形態では前後の二個)の耳穴9が貫通形成されている。
各耳保護部3の前側縁部3Aにおける上半前側縁部分3Aaの下端部と下半前側縁部分3Abの上端部とがV字状に交差する第1境界部位P1が、野球用ヘルメットHが正規装着姿勢にある状態で耳保護部3の最前端位置に構成されている。また、前側縁部3Aの下半前側縁部分3Abの下端部と後側縁部3Bの前端部とがV字状に交差する第2境界部位P2が、野球用ヘルメットHが正規装着姿勢にある状態で耳保護部3の最下端位置に構成されている。
シェル5は、ヘルメット本体1の外面側を構成するシェル本体5Aと、庇部2の上面側を構成する庇シェル部5Bと、両耳保護部3の外面側を構成する耳シェル部5Cとからなり、硬質の非発泡樹脂の一例であるポリカーボネート樹脂を用い、厚み寸法が0.5mm〜1.5mm程度の薄肉で真空成形にて一体成形されている。
内層材6は、ヘルメット本体1の内面側を構成するライナ本体6Aと、庇部2の下面側を構成する庇ライナ部6Bと、両耳保護部3の内面側を構成する耳ライナ部6Cとからなり、発泡樹脂の一例である発泡ポリスチレン樹脂を用い、厚み寸法が5mm〜20mm程度の厚肉で一体成形されている。
補強シェル7は、耳ライナ部6Cの内面のうち、後方側の耳穴9の周縁部及びそれに連続する後端部を除く大部分の領域を覆う内側補強シェル部7Aと、耳シェル部5Cの縁部に接合しない状態で耳ライナ部6Cの前側縁部3A及び後側縁部3Bの大部分を覆う縁補強シェル部7Bとを真空成形にて一体成形されている。
内側補強シェル部7Aの上側縁7aは、ヘルメット本体1のライナ本体6Aの内面における開口縁6aに沿ってライナ本体6A側に入り込まない状態で配置されている。
また、縁補強シェル部7Bの前端部には、図1、図2に示すように、括れ部4を経由して庇ライナ部6Bの下面における左右の後端部にまで延びる延長補強シェル部7Cが一体形成されている。
ライナ本体6Aの内面における開口縁6aでの最大左右開口幅W2は、ライナ本体6Aの内面における開口縁6aでの最大長径方向寸法である最大前後幅L3の前後中央位置を左右方向に横切る最大短径方向寸法である。
また、最大前後幅L3の前後中央位置からライナ本体6Aの内面における開口縁6aでの最後端位置までの後半側前後幅L4が、ライナ本体6Aの内面の後半側開口縁R2における最大長径方向寸法となる。
そのため、両耳保護部3の補強シェル7の内側補強シェル部7Aのうち、前側縁部3Aの下半前側縁部分3Abに対応する前側部分は、図5に示すように、野球用ヘルメットHの底面視(図2のV−V線矢視)において後方側ほど左右方向の外方側に位置する滑らかな後方広がりの曲面に構成されている。
この滑らかな後方広がりの曲面に構成された各内側補強シェル部7Aの前側部分には、前側縁部3Aの下半前側縁部分3Abに沿って細長い衝撃吸収用の緩衝パッド11が、接着剤や両面テープ等の適宜接着手段により貼設されている。
野球用ヘルメットHを装着者の頭部に装着した状態では、左右の緩衝パッド11が少し圧縮された状態で装着者の頬骨相当箇所の設定位置に当接し、野球用ヘルメットHの装着姿勢が安定する。
さらに、図2、図6に示すように、両耳保護部3の補強シェル7の内側補強シェル部7Aにおける後側縁部3Bの前端部同士を結ぶ線分L1の左右方向中央位置からヘルメット本体1のライナ本体6Aの内面における最後端位置までの最大長径方向寸法である前後方向長さL2は、ライナ本体6Aの内面の後半側開口縁R2における最大長径方向寸法である後半側前後幅L4よりも大なる寸法に構成されている。
そして、上述の半楕円形状の後半側開口縁R1をもって構成される後半側開口、つまり、一対の耳保護部3の後側縁部3Bからヘルメット本体1の最後部の下側縁部1Aに至る領域の後半側開口は、ヘルメット本体1の上下方向中心線Yに対して交差する方向からの装脱着移動を許容する装脱着用空間10に構成されている。換言すれば、正規装着姿勢よりも庇部2が上方側に向く状態でヘルメット本体1の後部側からライナ本体6Aの内面の前半側への装脱着移動を許容する装脱着用空間10に構成されている。
この装脱着用空間10を構成する後半側開口縁R1は、上述の如く、ヘルメット本体1のライナ本体6Aの内面の後半側開口縁R1よりも最大短径方向寸法及び最大長径方向寸法が大なる半楕円形状に構成されているため、野球用ヘルメットHをヘルメット本体1の上下方向中心線Yに対して交差する方向から無理なく容易に装着操作することができる。これにより、図7の一点鎖線に示すように、野球用ヘルメットHが正規装着姿勢よりも庇部2が上方側に向く状態で使用者の頭部に装着される。次に、図7の破線及び実線に示すように、庇部2が上方側に向く状態で使用者の頭部に装着されている野球用ヘルメットHを回動操作して正規装着姿勢に戻す。
したがって、一対の耳保護部3を把持して左右方向に開くという操作が不要で、両耳保護部3の付け根部である括れ部4への応力集中を抑制することができる。
それ故に、緩衝パッド11を備えた野球用ヘルメットHの装着の容易化を図りながらも、正規装着状態では使用者の頭部を的確に包み込むフィット感を得ることができる。
さらに、両耳保護部3の補強シェル7の内側補強シェル部7Aの内面のうち、後側縁部3Bに対応する後側部位で、且つ、装着案内面12における左右両側の耳通過相当箇所を含む部位には、当該装着案内面12の他の部位よりも大きな勾配(他の部位よりも急傾斜)を有し、更に、一対の耳保護部3の前側縁部3Aにおける後端部での内面よりも左右方向の外方側に偏倚した位置にまで滑らかな弧状に窪む耳通過案内面13が形成されている。
特に、図7の二点鎖線に示すように、正規装着姿勢よりも庇部2が上方側に向く状態にある野球用ヘルメットHの装着案内面12のうち、ヘルメット本体1の最後部の下側縁部1Aに対応する装着案内面部分を装着者の後頭部に当接させたとき、両耳保護部3の内面における前側部位に設けられている緩衝パッド11が、装着者の耳に対して装着案内面12の傾斜代の分だけ前方側に偏倚することになる。そのため、図7の一点鎖線に示すように、野球用ヘルメットHをヘルメット本体1の上下方向中心線Yに対して交差する方向から装着操作する際、緩衝パッド11が装着者の耳と干渉することをより一層抑制することができ、野球用ヘルメットHの装着の容易化を一層促進することができる。
(1)上述の第1実施形態では、補強シェル7を備えた野球用ヘルメットHについて説明したが、補強シェル7が存在しない野球用ヘルメットHに本発明の技術を適用してもよい。
この実施形態の場合、両耳保護部3の補強シェル7の内側補強シェル部7Aにおける後側縁部3Bの前端部での左右開口幅W4は、両耳保護部3の耳ライナ部6Cにおける後側縁部3Bの前端部での左右開口幅W4となる。
また、両耳保護部3の補強シェル7の内側補強シェル部7Aにおける前側縁部3Aの後端部での左右開口幅W3は、両耳保護部3の耳ライナ部6Cにおける前側縁部3Aの後端部での左右開口幅W3となる。
さらに、両耳保護部3の補強シェル7の内側補強シェル部7Aにおける後側縁部3Bの前端部を結ぶ線分L1の中央位置からヘルメット本体1のライナ本体6Aの内面における最後端位置までの前後方向長さL2は、両耳保護部3の耳ライナ部6Cにおける後側縁部3Bの前端部を結ぶ線分L1の中央位置からヘルメット本体1のライナ本体6Aの内面における最後端位置までの前後方向長さとなる。
要するに、緩衝パッド11は、両耳保護部3の補強シェル7の内側補強シェル部7Aのうち、前側縁部3Aの下半前側縁部分3Abに対応する前側部分に配置するものであれば、円形状や三角形状等の他の形態に自由に構成することができる。
1A 下側縁部
2 庇部
3 耳保護部
3A 前側縁部
3B 後側縁部
4 括れ部
5 シェル
6 内層材
10 装脱着用空間
11 緩衝パッド
12 装着案内面
13 耳通過案内面
R1 後半側開口縁
R2 後半側開口縁
Y 上下方向中心線
Claims (6)
- 半球殻状のヘルメット本体と、当該ヘルメット本体から前方側に延出される庇部と、前記ヘルメット本体から下方に延出される左右一対の耳保護部とが備えられ、前記一対の耳保護部の縁部の各々が、前記庇部との括れ部に連続する前側縁部と、前記ヘルメット本体の後部の下側縁部に連続する後方上がり傾斜の後側縁部とから構成されている野球用ヘルメットであって、
前記一対の耳保護部の前記後側縁部から前記ヘルメット本体の最後部の下側縁部に至る領域の後半側開口縁が、前記ヘルメット本体の内面の後半側開口縁における最大短径方向寸法よりも大なる最大短径方向寸法を備えた半楕円形状に構成され、この半楕円形状の後半側開口縁で形成される後半側開口が、前記ヘルメット本体の上下方向中心線に対して交差する方向からの装脱着移動を許容する装脱着用空間に構成されている野球用ヘルメット。 - 前記一対の耳保護部の内面における前記前側縁部に対応する前側部位には、緩衝パッドが設けられ、前記一対の耳保護部の内面における前記後側縁部に対応する後側部位には、前記緩衝パッドが設けられていない請求項1記載の野球用ヘルメット。
- 前記後半側開口縁の内面側部位には、前記装脱着用空間の中央側ほど上方に位置する傾斜姿勢の装着案内面が形成されている請求項1又は2記載の野球用ヘルメット。
- 前記装着案内面の耳通過相当箇所には、当該装着案内面の他の部位よりも大きな勾配を有し、且つ、前記一対の耳保護部の前記前側縁部における後端部の内面よりも左右方向の外方側に偏倚した位置にまで窪む耳通過案内面が形成されている請求項3記載の野球用ヘルメット。
- 前記一対の耳保護部の前記後側縁部は、前記前側縁部の厚みよりも小なる厚みに構成されている請求項1又は2記載の野球用ヘルメット。
- 前記ヘルメット本体と前記庇部と前記一対の耳保護部は、非発泡の樹脂で形成されたシェルと、当該シェルの内側に積層され、且つ、前記シェルよりも厚肉の発泡樹脂で形成された内層材とを備えた積層構造で一体的に構成されている請求項1〜5のいずれか1項に記載の野球用ヘルメット。
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