JP2018056229A - Cmp用研磨材組成物、及び該cmp用研磨材組成物を使用した半導体デバイスの製造方法 - Google Patents

Cmp用研磨材組成物、及び該cmp用研磨材組成物を使用した半導体デバイスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】スクラッチを生じることなく、研磨終了後は、水及び有機溶媒で洗浄することにより容易に除去することができるCMP用研磨材組成物を提供する。【解決手段】次式RO−(C3H5O2R)n−R(式中、括弧内に示す繰り返し単位は、下記式で表される。Rは同一又は異なって、水素原子、炭素数1〜18の炭化水素基又は炭素数2〜24のアシル基を示す。但し、(n+2)個のRのうち、少なくとも2個は炭素数1〜18の炭化水素基及び/又は炭素数2〜24のアシル基である。nは、2〜60の整数である)で表されるポリグリセリン誘導体、研磨材及び水を含有する。【選択図】なし

Description

本発明は、半導体産業等におけるウェハや液晶ディスプレー用基板の表面平坦化加工に最適な化学的機械的研磨用研磨材組成物(以後、「CMP用研磨材組成物」と称する場合がある)、及び、該CMP用研磨材組成物を使用して研磨した半導体デバイスの製造方法に関するものである。尚、「CMP」とは、ウェハ等の表面を平坦化するための化学的研磨と機械的研磨とを組み合わせた化学的機械的研磨(Chemical Mechanical Planarization)の意味である。
現在、半導体デバイスは、高集積化、微細化の傾向にある。半導体デバイスは、例えば、インゴットを切断し、研磨して得られるウェハの表面に波長193nm程度の紫外光によりパターンを投影し、膜付け、エッチング等のプロセスによりトランジスタ等の素子を形成し、更にその上に、CVD(Chemical Vapor Deposition)等による膜形成、膜の凹凸の平坦化、光によるパターンの投影露光、エッチングによるパターンの除去という作業を繰り返して回路を形成し、配線層を積み重ねることにより製造される。ウェハ上面に形成されたトランジスタ等の素子は膨大な数になり、それらを接続するための配線は多層化するが、各層を設計通りに積み重ね、配線の段切れや局所的な抵抗値の増大を抑制して、断線や電流容量の低下等を防ぐためには、膜形成工程後に表面を平坦化し、凹凸をなくすことが重要である。
この平坦化技術として広く使用されているのがCMPであり、CMPに用いられる研磨材組成物には研磨後の表面精度の向上を目的として界面活性剤を添加することが知られている。特許文献1には、界面活性剤としてポリオキシアルキレン誘導体を添加することで、低スクラッチ性及び良好な洗浄性が得られ、ウェハ表面にスクラッチ(かき傷)の発生を抑制しつつ、被研磨物の表面を高精度に平坦化することができ、研磨後は水洗により研磨屑を除去できることが記載されている。しかし、スクラッチの抑制の点で未だ不十分であった。
特許文献2には、界面活性剤としてポリグリセリン又はポリグリセリンモノエーテルを使用することにより、低スクラッチ性を向上できることが記載されている。しかし、ポリグリセリンモノエーテルは水洗で除去することが困難であり、更に有機溶媒にも分散又は溶解し難いため、有機溶媒で洗浄しても容易に除去することができず、ウェハ表面にこれらが残存することにより、ウェハの欠陥を引き起こす恐れがある。配線の微細化が進行するに伴い、この問題が顕在化した。
特開2003−176479号公報 特開2009−99819号公報
従って、本発明の目的は、スクラッチを生じることなくウェハを研磨することができ、研磨終了後は、水及び有機溶媒で洗浄することにより容易にウェハ表面から除去することができるCMP用研磨材組成物を提供することにある。
本発明者は上記課題を解決するため鋭意検討した結果、特定のポリグリセリン誘導体を含有するCMP用研磨材組成物は、研磨材の凝集を抑制してウェハの表面に生じるスクラッチを低減することができること、水洗、及び有機溶媒を使用して洗浄することにより容易にウェハ表面から除去することができ、洗浄後、ウェハ表面に研磨材、研磨屑、添加剤等が残存することを抑制できることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成させたものである。
すなわち、本発明は、下記式(a)
RO−(C352R)n−R (a)
(式中、括弧内に示す繰り返し単位は、下記式(1)及び/又は(2)
Figure 2018056229
で表される。Rは同一又は異なって、水素原子、炭素数1〜18の炭化水素基、又は炭素数2〜24のアシル基を示す。但し、(n+2)個のRのうち、少なくとも2個は炭素数1〜18の炭化水素基及び/又は炭素数2〜24のアシル基である。nは前記繰り返し単位の数を示し、2〜60の整数である)
で表されるポリグリセリン誘導体(A)、研磨材(B)、及び水(C)を含有する化学的機械的研磨用研磨材組成物を提供する。
本発明は、また、ポリグリセリン誘導体(A)が式(a)で表され、式(a)中の(n+2)個のRのうち、25〜95%は炭素数1〜18の炭化水素基及び/又は炭素数2〜24のアシル基である化合物である、前記の化学的機械的研磨用研磨材組成物を提供する。
本発明は、また、ポリグリセリン誘導体(A)の含有量が、研磨材(B)1重量部に対して0.5〜10重量部である、前記の化学的機械的研磨用研磨材組成物を提供する。
本発明は、また、研磨材(B)が、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化セリウム、窒化ケイ素、及び酸化ジルコニウムからなる群より選択される少なくとも1種の化合物である、前記の化学的機械的研磨用研磨材組成物を提供する。
本発明は、また、前記の化学的機械的研磨用研磨材組成物を使用してウェハを研磨する工程を有する半導体デバイスの製造方法を提供する。
本発明のCMP用研磨材組成物は、ポリグリセリン誘導体(A)が、研磨材(B)の凝集性を緩和して、研磨材(B)が凝集して粒子径が大きい二次粒子を形成することを抑制することができ、ウェハ表面にスクラッチが発生することを抑制して、ウェハ表面を高精度に平坦化することができる。また、ポリグリセリン誘導体(A)は有機溶媒に対して優れた溶解性を示すため、研磨後は、水洗、及び有機溶媒を用いた洗浄を行うことにより、ウェハ表面から研磨材や研磨屑を容易に取り除くことができる。
本発明の半導体デバイスの製造方法において、ウェハの研磨に使用する研磨機の一例を示す概略側面図である。
[ポリグリセリン誘導体(A)]
本発明のポリグリセリン誘導体(A)は、下記式(a)で表される。
RO−(C352R)n−R (a)
式(a)中、括弧内に示す繰り返し単位は、下記式(1)及び/又は(2)
Figure 2018056229
で表される。前記[(C352R)n]が式(1)で表される繰り返し単位と式(2)で表される繰り返し単位を共に有する場合、これらの繰り返し単位の結合方法としては特に制限がなく、例えば、ブロック結合、ランダム結合、交互結合、グラフト結合等のいずれであってもよい。
式(a)中、Rは同一又は異なって、水素原子、炭素数1〜18の炭化水素基、又は炭素数2〜24のアシル基を示す。但し、式(a)中の全てのR、すなわち(n+2)個のRのうち、少なくとも2個は炭素数1〜18の炭化水素基及び/又は炭素数2〜24のアシル基である。
Rにおける炭素数1〜18の炭化水素基には、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、及び炭素数2〜18のアルカポリエニル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基、及びこれらの2以上が連結した基が含まれる。
前記炭素数1〜18のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、2−メチル−1−プロピル、n−ブチル、t−ブチル、3,3−ジメチル−2−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、t−アミル、n−ヘキシル、2−エチルヘキシル、n−オクチル、イソオクチル、n−デシル、4−デシル、イソデシル、ドデシル(n−ラウリル)、イソドデシル、n−ヘキシルデシル、2−ヘキシルデシル、テトラデシル、ミリスチル、イソミリスチル、セチル、イソセチル、ステアリル、イソステアリル基等の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。これらの中でも、炭素数8〜18の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が好ましい。
前記炭素数2〜18のアルケニル基としては、例えば、ビニル、アリル、2−ブテニル、プロペニル、ヘキセニル、2−エチルヘキセニル、オレイル基等の直鎖状又は分岐鎖状のアルケニル基が挙げられる。
前記炭素数2〜18のアルカポリエニル基としては、例えば、ブタジエニル、ペンタジエニル、ヘキサジエニル、ヘプタジエニル、オクタジエニル、リノレイル、リノリル基等のアルカジエニル基;1,2,3−ペンタトリエニル等のアルカトリエニル基;アルカテトラエニル基が挙げられる。
前記炭素数3〜18の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル、シクロドデシル、2−シクロヘプテニル、2−シクロヘキセニル基等の飽和又は不飽和脂環式炭化水素基(特に、シクロアルキル基、シクロアルケニル基)が挙げられる。
前記炭素数6〜18の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル、ナフチル基等が挙げられる。
前記基の2以上が連結した基としては、例えば、ベンジル、2−フェニルエテニル、1−シクロペンチルエチル、1−シクロヘキシルエチル、シクロヘキシルメチル、2−シクロヘキシルエチル、1−シクロヘキシル−1−メチルエチル基等が挙げられる。
前記炭素数2〜24のアシル基としては、脂肪族アシル基及び芳香族アシル基を挙げることができ、脂肪族アシル基としては、例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、ステアロイル、オレオイル基等の飽和又は不飽和脂肪族アシル基が挙げられる。芳香族アシル基としては、例えば、ベンゾイル、トルオイル、ナフトイル基等が挙げられる。
Rとしては、なかでも、水素原子、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基(中でも炭素数8〜18の分岐鎖状アルキル基、特に炭素数8〜15の分岐鎖状アルキル基)、又は脂肪族アシル基(特に、炭素数10〜18の飽和脂肪族アシル基)が好ましい。
式(a)中、nは前記括弧内に示す繰り返し単位の数(重合度)を示す。nは2〜60の整数であり、好ましくは4〜40、特に好ましくは10〜30、最も好ましくは15〜25の整数である。nが2より小さいと、親水性が低くなりすぎ、水を用いて洗浄することが困難となる傾向がある。一方、nが60より大きいと、親油性が低くなりすぎ、有機溶媒を用いて洗浄することが困難となる傾向がある。
本発明におけるポリグリセリン誘導体(A)の重量平均分子量は、例えば200〜20000、好ましくは600〜15000、より好ましくは1000〜10000、特に好ましくは1500〜5000、最も好ましくは2000〜4500である。重量平均分子量が上記範囲の値を示す場合、界面活性及び作業性が向上する傾向がある。尚、本明細書中の重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により測定される標準ポリスチレン換算の分子量である。
本発明におけるポリグリセリン誘導体(A)としては、なかでも、上記式(a)で表され、式(a)中の(n+2)個のRのうち、少なくとも2個は炭素数1〜18の炭化水素基及び/又は炭素数2〜24のアシル基であり、且つ(n+2)個のRのうち、例えば25〜95%(好ましくは30〜90%、特に好ましくは40〜90%)のRは炭素数1〜18の炭化水素基及び/又は炭素数2〜24のアシル基である化合物が好ましく、とりわけ、式(a)中の(n+2)個のRのうち、25〜95%(好ましくは30〜90%、特に好ましくは40〜90%)が炭素数1〜18の炭化水素基である化合物、及び式(a)中の(n+2)個のRのうち、25〜60%(好ましくは30〜55%、特に好ましくは40〜55%)が炭素数2〜24のアシル基である化合物から選択される少なくとも1種の化合物が好ましい。
本発明におけるポリグリセリン誘導体(A)は様々な方法を用いて製造することができる。ポリグリセリン誘導体(A)の製造方法としては、例えば、下記方法等が挙げられる。
(1)(ポリ)グリセリンにグリシジルエーテル誘導体を付加する方法
(2)ポリグリセリンに、アルキルハライド、カルボン酸、又はカルボン酸誘導体(例えば、カルボン酸ハライド、酸無水物等)を縮合させる方法
上記方法(1)において、付加反応はアルカリ触媒の存在下で行うことが好ましい。アルカリ触媒としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、金属ナトリウム、水素化ナトリウム等が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記方法(1)及び(2)におけるポリグリセリンとしては、例えば、商品名「PGL 03P」(ポリ(3)グリセリン)、「PGL 06」(ポリ(6)グリセリン)、「PGL 10PSW」(ポリ(10)グリセリン)、「PGL 20PW」(ポリ(20)グリセリン)、「PGL XPW」(ポリ(40)グリセリン)(以上、(株)ダイセル製)等の市販品を好適に使用することができる。
本発明のCMP用研磨材組成物は、上記式(a)で表されるポリグリセリン誘導体(A)を2種類以上含有していても良い。
本発明のCMP用研磨材組成物中のポリグリセリン誘導体(A)の含有量(2種以上含有する場合はその総量)としては、研磨材(B)1重量部に対して、例えば0.5〜10重量部、好ましくは0.5〜8重量部、特に好ましくは0.5〜6重量部、最も好ましくは0.5〜3重量部である。また、ポリグリセリン誘導体(A)の含有量は、CMP用研磨材組成物全量の、例えば0.01〜20重量%程度、好ましくは0.05〜15重量%、より好ましくは0.1〜10重量%、特に好ましくは0.1〜5重量%である。
ポリグリセリン誘導体(A)の含有量が上記範囲を下回ると、研磨材(B)の凝集性を緩和することができず、研磨材(B)が凝集して粒子径が大きい二次粒子を形成し易くなり、CMP用研磨材組成物を使用してウェハ表面を研磨する際にウェハ表面にスクラッチが発生し易くなる傾向がある。一方、ポリグリセリン誘導体(A)を過剰に含有すると、CMP用研磨材組成物の粘度が高くなり過ぎ、ウェハ表面を研磨する作業に用いることが困難となる傾向がある。
[研磨材(B)]
研磨材(B)としては、公知慣用の研磨材を使用することができるが、なかでも、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化セリウム、窒化ケイ素、及び、酸化ジルコニウムの中から選択される少なくとも1種を使用することが好ましい。
二酸化ケイ素としては、特に限定されることなく、例えば、コロイダルシリカ、フュームドシリカ等を使用することができる。
酸化アルミニウムとしては、α−アルミナ、δ−アルミナ、θ−アルミナ、κ−アルミナ、及びその他の形態的に異なるものを使用することができる。また、製造法からフュームドアルミナと呼ばれるものも使用することができる。
酸化セリウムとしては、3価又は4価の六方晶酸化セリウム、等軸晶酸化セリウム、及び面心立方晶酸化セリウムを使用することができる。
窒化ケイ素としては、α−窒化ケイ素、β−窒化ケイ素、アモルファス窒化ケイ素、及びその他の形態的に異なるものを使用することができる。
酸化ジルコニウムとしては、単斜晶酸化ジルコニウム、正方晶酸化ジルコニウム、及び非晶質酸化ジルコニウム等を使用することができる。また、製造法からフュームドジルコニアと呼ばれるものも使用することができる。
研磨材(B)の一次粒子の平均粒子径(DLS法による)は、例えば0.005〜0.5μm、好ましくは0.01〜0.3μm、特に好ましくは0.03〜0.3μmである。研磨材(B)の一次粒子の平均粒子径が上記範囲を超えると、被研磨物の表面にスクラッチが発生し易くなり、被研磨物の表面を高精度に平坦化することが困難となる傾向がある。一方、研磨材(B)の一次粒子の平均粒子径が上記範囲を下回ると、研磨速度が極端に遅くなる傾向がある。
本発明においては、平均粒子径の異なる研磨材(B)を組み合わせて使用することが好ましく、一次粒子の平均粒子径が、例えば0.05〜0.5μm(好ましくは、0.1〜0.3μm)の研磨材(b-1)と、一次粒子の平均粒子径が、例えば0.005以上、0.05μm未満(好ましくは0.01以上、0.05μm未満)の研磨材(b-2)とを組み合わせて使用することが、低スクラッチ性と適度な研磨速度とを兼ね備えることができる点で好ましい。前記研磨材(b-1)と研磨材(b-2)とを組み合わせて使用する場合、これらの使用割合としては、研磨材(b-1)1重量部に対して、研磨材(b−2)を0.1〜10重量部程度、好ましくは0.3〜5.0重量部、特に好ましくは0.5〜2.0重量部である。
研磨材(B)の含有量(2種以上含有する場合はその総量)としては、CMP用研磨材組成物全量の、例えば0.1〜50重量%程度であり、上限は、好ましくは40重量%、より好ましくは35重量%、更に好ましくは20重量%、特に好ましくは10重量%、最も好ましくは5重量%である。下限は、好ましくは0.5重量%、特に好ましくは1重量%である。CMP用研磨材組成物に研磨材(B)を上記範囲で添加すると、研磨に適した範囲に粘度を調整することができ、低スクラッチ性と適度な研磨速度とを兼ね備えることができる。
[水(C)]
水(C)としては、特に限定することなく、例えば、超純水、イオン交換水、蒸留水、水道水、工業用水等を使用することができる。水(C)の含有量は、適宜調整することができるが、CMP用研磨材組成物全量の、例えば40〜99重量%程度である。水(C)の含有量の下限は、好ましくは45重量%、さらに好ましくは55重量%、特に好ましくは70重量%、最も好ましくは80重量%である。水を上記範囲で含有することで、CMP用研磨材組成物の粘度を研磨に適した範囲に調整することができ、低スクラッチ性と適度な研磨速度とを兼ね備えることができる。
[CMP用研磨材組成物]
本発明のCMP用研磨材組成物は上記成分以外にも、必要に応じて他の成分を含有していてもよい。他の成分としては、例えば、さび止め剤、粘度調整剤、ポリグリセリン誘導体(A)以外の界面活性剤、キレート剤、pH調整剤、防腐剤、消泡剤等が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて含有することができる。他の成分の含有量(2種以上含有する場合はその総量)は、CMP用研磨材組成物全量の、例えば40重量%以下程度、好ましくは0.001〜10重量%、より好ましくは0.05〜5重量%、さらに好ましくは0.01〜2重量%である。従って、本発明のCMP用研磨材組成物全量における、上記ポリグリセリン誘導体(A)と研磨材(B)と水(C)の合計含有量の占める割合は、例えば60重量%以上、好ましくは80重量%以上、より好ましくは90重量%以上、特に好ましくは95重量%以上、最も好ましくは98重量%以上である。尚、上限は100重量%である。
さび止め剤としては、特に限定されることなく、例えば、石油製品添加剤(昭和49年8月10日幸書房発行)に記載のさび止め剤を使用することができ、例えば、オクチルアミン等のアルキルアミン、オレイルアミン等のアルケニルアミン、シクロヘキシルアミン等のシクロアルキルアミン等の炭素数2〜16の脂肪族又は脂環式アミン、又は前記炭素数2〜16の脂肪族又は脂環式アミンのエチレンオキシド(1〜2モル)付加物;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノプロパノールアミン等の炭素数2〜4のアルカノールアミン、又は、前記炭素数2〜4のアルカノールアミンのエチレンオキシド(1〜2モル)付加物;オレイン酸、ステアリン酸等の炭素数18〜20の脂肪族カルボン酸とアルカリ金属(Li、Na、K、Rb、Cs)又はアルカリ土類金属(Ca、Sr、Ba、Mg)との塩;石油スルホネート等のスルホン酸塩;ラウリルホスフェート等のリン酸エステル;ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カルシウム等のケイ酸塩;リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、ポリリン酸ナトリウム等のリン酸塩;亜硝酸ナトリウム等の亜硝酸塩;ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
上記さび止め剤の含有量(2種以上含有する場合はその総量)としては、CMP用研磨材組成物全量の、例えば0.01〜5重量%程度、好ましくは0.05〜3重量%、さらに好ましくは0.1〜2重量%である。
粘度調整剤は、本発明においてはCMP用研磨材組成物を希釈することを目的に使用されるものであり、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等の1価の水溶性アルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン、重合度2〜50のポリエチレングリコール等の2価以上の水溶性アルコール等が挙げられる。
上記粘度調整剤の含有量(2種以上含有する場合はその総量)は、CMP用研磨材組成物全量の、例えば0.1〜30重量%程度、好ましくは0.5〜20重量%、さらに好ましくは1〜10重量%である。
上記ポリグリセリン誘導体(A)以外の界面活性剤には、ポリグリセリン誘導体(A)以外のノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤が含まれる。
ポリグリセリン誘導体(A)以外のノニオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪族アルコール(炭素数8〜24)アルキレンオキシド(アルキレンの炭素数2〜8)付加物(重合度2〜100);モノステアリン酸ポリエチレングリコール(重合度20)、ジステアリン酸ポリエチレングリコール(重合度30)等のポリオキシアルキレン(アルキレンの炭素数2〜8、重合度2〜100)高級脂肪酸(炭素数8〜24)エステル;モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸エチレングリコール、モノラウリン酸ソルビタン、ジオレイン酸ソルビタン等の多価(2〜10価、又はそれ以上)アルコール(炭素数2〜10)高級脂肪酸(炭素数8〜24)エステル;モノラウリン酸ポリオキシエチレン(重合度10)ソルビタン、ポリオキシエチレン(重合度50)ジオレイン酸メチルグルコシド等のポリオキシアルキレン(アルキレンの炭素数2〜8、重合度2〜100)多価(2〜10価又はそれ以上)アルコール(炭素数2〜10)高級脂肪酸(炭素数8〜24)エステル;ポリオキシアルキレン(アルキレンの炭素数2〜8、重合度2〜100)アルキル(炭素数1〜22)フェニルエーテル;ポリオキシアルキレン(アルキレンの炭素数2〜8、重合度1〜100)アルキル(炭素数8〜24)アミノエーテル;ラウリルジメチルアミンオキシド等のアルキル(炭素数8〜24)ジアルキル(炭素数1〜6)アミンオキシド等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン(重合度2〜100)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム等の炭素数8〜24の炭化水素(エーテル)カルボン酸又はその塩;ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(重合度2〜100)ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(重合度2〜100)ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレン(重合度2〜100)ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド硫酸ナトリウム等の炭素数8〜24の炭化水素(エーテル)硫酸エステル塩;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(重合度2〜100)ラウリルスルホコハク酸−2−ナトリウム等の炭素数8〜24の炭化水素(エーテル)スルホン酸塩;スルホコハク酸ポリオキシエチレン(重合度2〜100)ラウロイルエタノールアミド−2−ナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸サルコシンナトリウム、ヤシ油脂肪酸サルコシントリエタノールアミン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸ナトリウム、ラウロイルメチル−β−アラニンナトリウム等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム等の第4級アンモニウム塩型カチオン性界面活性剤;ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド乳酸塩、ジラウリルアミン塩酸塩、オレイルアミン乳酸塩等のアミン塩型カチオン性界面活性剤等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン、ラウロイルアミドエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルベタインヒドロキシプロピル等のベタイン型両性界面活性剤;β−ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム等のアミノ酸型両性界面活性剤等が挙げられる。
上記ポリグリセリン誘導体(A)以外の界面活性剤の含有量(2種以上含有する場合はその総量)は、用途等に応じて適宜調整することができるが、CMP用研磨材組成物全量の、例えば5重量%以下、好ましくは3重量%以下、特に好ましくは1重量%以下、最も好ましくは0.1重量%未満である。
キレート剤としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸ナトリウム等が挙げられる。
pH調整剤としては、例えば、酢酸、ホウ酸、クエン酸、シュウ酸、リン酸、塩酸等の酸;アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリが挙げられる。
防腐剤としては、例えば、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン等が挙げられる。
消泡剤としては、例えば、シリコーン、炭素数4〜16の長鎖アルコール、炭素数4〜16の脂肪酸エステル、金属石鹸等が挙げられる。
本発明のCMP用研磨材組成物は、上記成分を周知慣用の混合装置を使用して混合することにより製造することができる。尚、分散性が悪い研磨材を使用する場合は、強い剪断力を有するプラネタリーミキサー等を使用してもよい。原料の配合順序としては、特に限定されない。研磨材(B)として、二酸化ケイ素を使用する場合は、pHが8以上で安定な分散状態を得られるので、アルカリ等のpH調整剤を用いてpHを調整することが好ましい。このようにして得られる本発明のCMP用研磨材組成物は、スラリー状を呈していてもよい。
本発明のCMP用研磨材組成物は、ポリグリセリン誘導体(A)が、研磨材(B)と相互作用することにより、研磨材(B)の凝集を緩和することができ、研磨材(B)が凝集して平均粒子径が大きい二次粒子を形成することを抑制することができる。そのため、本発明のCMP用研磨材組成物をウェハや液晶ディスプレー用基板表面の研磨に使用すると、ウェハや液晶ディスプレー用基板表面を効率よく、且つ、滑らかに研磨することができ、ウェハや液晶ディスプレー用基板表面にスクラッチが生じるのを抑制することができる。また、ポリグリセリン誘導体(A)は水及び後述の有機溶媒に対する溶解性に優れるため、研磨後は、水洗し、更に有機溶媒で洗浄することにより、ウェハや液晶ディスプレー用基板表面から研磨材や研磨屑を容易に取り除くことができる。
洗浄に利用可能な有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−エトキシメタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、3−メトキシ−1−プロパノール,1−メトキシ−2−プロパノール等のアルコール系溶媒;アセトン、アセチルアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸ペンチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸イソブチル、1−メトキシ−2−プロピルアセテ−ト、乳酸メチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン等のエステル系溶媒;ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、エチルプロピルエーテル、アニソール、フェネトール、ベラトロール等のエーテル系溶媒;メシチレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、プロピルベンゼン、t−ブチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒;N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒等を挙げることができる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。本発明においては、なかでも、ポリグリセリン誘導体(A)の溶解性の点で、エステル系溶媒を好適に使用することができる。
[半導体デバイスの製造方法]
本発明の半導体デバイスの製造方法は、上述のCMP用研磨材組成物を使用してウェハの表面の凹凸を研磨して平坦化する工程を有する。
ウェハとしては、例えば、シリコンウェハ、ガリウムヒ素ウェハ、ゲルマニウムウェハ、サファイアウェハ、リン化ガリウムウェハ、ヒ化ガリウムウェハ、リン化インジウムウェハ、窒化ガリウムウェハ等を使用することができる。
本発明の半導体デバイスの製造方法において使用する研磨機としては、特に限定されず、例えば、ロータリー型、ベルト型等を使用することができる。代表的な研磨機の一例を図1に挙げる。研磨機を使用した研磨方法としては、例えば、定盤(1)、研磨ヘッド(5)を回転させ、CMP用研磨材組成物(4)をCMP用研磨材組成物供給用配管(3)から研磨ヘッド(5)付近に供給しながら、定盤(1)上に設けた研磨パッド(2)表面にウェハ(6)表面を押圧することにより研磨する方法が挙げられる。
CMP用研磨材組成物(4)の供給量としては、50〜1000mL/分程度である。研磨ヘッド(5)及び定盤(2)の回転数としては、10〜100rpm程度である。
研磨パッド(2)としては、通常のポリウレタン樹脂等の発泡体を好適に使用することができる。
研磨は、室温(1〜30℃)下、圧力1〜10psi(約6.90〜69.0kPa)の条件で行うことが好ましい。また、研磨時間としては、10秒〜5分程度である。
研磨終了後は、ウェハ表面を水洗し、更に上述の有機溶媒を用いて洗浄することが好ましい。本発明では上記CMP用研磨材組成物を使用するため、水、及び有機溶媒を用いた洗浄により、研磨屑、研磨材、添加剤等を速やかに除去することができ、研磨屑等が残存することを抑制できる。尚、水洗と有機溶媒を用いた洗浄は、いずれを先に行ってもよい。
本発明の半導体デバイスの製造方法によれば、ウェハ表面にスクラッチを発生させることなく高精度に平坦化することができ、トランジスタ等の素子の配線を設計通りに積み重ね、多層からなる配線層を形成することができる。更に、表面における凹凸の存在は配線の段切れ、局所的な抵抗値の増大等を招き、断線や電流容量の低下等をもたらすが、本発明の半導体デバイスの製造方法によれば、より信頼性の高い半導体デバイスを提供することができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例及び比較例で使用した材料は下記の通りである。
<界面活性剤>
・ポリグリセリン誘導体(A−1):グリセリン1molに2−エチルヘキシルグリシジルエーテルを19mol付加したもの、重量平均分子量:3800、調製例1により製造したものを使用した
・ポリグリセリン誘導体(A−2):デカグリセリン1molに2−エチルヘキシルグリシジルエーテルを10mol付加したもの、重量平均分子量:2700、調製例2により製造したものを使用した
・ポリグリセリン誘導体(A−3):ポリ(20)グリセリン1molにラウリン酸10molを付加したもの、重量平均分子量:3500、調製例3により製造したものを使用した
・ポリグリセリン誘導体(A−4):ポリ(20)グリセリン1molにイソステアリン酸を10mol付加したもの、重量平均分子量:4200、調製例4により製造したものを使用した
・ポリグリセリン誘導体(PG−1):ラウリルアルコール1molに2,3−エポキシ−1−プロパノールを4mol付加したもの、重量平均分子量:480、商品名「PGLAL ML04」、(株)ダイセル製
・ポリグリセリン誘導体(PG−2):ラウリルアルコール1molに2,3−エポキシ−1−プロパノールを10mol付加したもの、重量平均分子量:927
・ポリグリセリン誘導体(PG−3):ラウリルアルコール1molに2,3−エポキシ−1−プロパノールを6mol付加したもの、重量平均分子量:630
・ポリグリセリン誘導体(PG−4):イソステアリルアルコール1molに2,3−エポキシ−1−プロパノールを10mol付加したもの、重量平均分子量:1020
・ポリグリセリン誘導体(PG−5):グリセリン1molに2,3−エポキシ−1−プロパノールを9mol付加したもの、重量平均分子量:760、商品名「PGL 10PS」、(株)ダイセル製
・ポリグリセリン誘導体(PG−6):グリセリン1molに2,3−エポキシ−1−プロパノールを19mol付加したもの、重量平均分子量:1500、商品名「PGL 20P」、(株)ダイセル製
・ポリオキシアルキレン誘導体(POA−1):エチレングリコール1molにエチレンオキシドを48mol付加した後、プロピレンオキシドを38mol付加したもの、重量平均分子量:4400
・ポリオキシアルキレン誘導体(POA−2):エチレングリコール1molにエチレンオキシドを32mol付加した後、プロピレンオキシドを20mol付加したもの、重量平均分子量:2600
・ポリオキシアルキレン誘導体(POA−3):ラウリルアルコール1molにエチレンオキシドを10mol付加したもの、重量平均分子量:630、商品名「EMALEX 710」、日本エマルジョン(株)製
・ポリオキシアルキレン誘導体(POA−4):ラウリルアルコール1molにエチレンオキシドを20mol付加したもの、重量平均分子量:1100、商品名「EMALEX 720」、日本エマルジョン(株)製
調製例1(ポリグリセリン誘導体(A−1)の調製)
反応容器にグリセリン90重量部、及びアルカリ触媒として48%NaOH水溶液を仕込み、そこへ2−エチルヘキシルグリシジルエーテル3540重量部(グリセリン1molに対して19molとなる量)を、100℃を維持しつつ、12時間かけて滴下し、1時間の熟成を経て、85%リン酸水溶液を加えて反応を停止して、付加物を得た。
調製例2(ポリグリセリン誘導体(A−2)の調製)
グリセリンに代えてデカグリセリンを使用し、2−エチルヘキシルグリシジルエーテルの使用量をデカグリセリン1molに対して10molとなる量に変更した以外は調製例1と同様にして、付加物を得た。
調製例3(ポリグリセリン誘導体(A−3)の調製)
反応容器に、ポリ(20)グリセリン1500重量部、ラウリン酸2000重量部(ポリ(20)グリセリン1molに対して10molとなる量)、及び48%水酸化ナトリウム水溶液とを仕込んだ。窒素気流下、常圧で、内温を200℃に昇温し10時間反応させた。反応終了後、常温まで冷却して、付加物を得た。
調製例4(ポリグリセリン誘導体(A−4)の調製)
ラウリン酸に代えてイソステアリン酸を使用した以外は調製例3と同様にして、付加物を得た。
調製例5(研磨材スラリーの調製)
コロイダルシリカ(一次粒子平均粒子径:0.035μm)10重量部、及び酸化セリウム(一次粒子平均粒子径:0.2μm)10重量部を、撹拌機(商品名「T.K.ホモミクサー」、プライミクス(株)社製)を使用して水に分散させて、研磨材濃度20重量%の研磨材スラリーを調製した。
実施例1
界面活性剤として調製例1で得られたポリグリセリン誘導体(A−1)4.0重量部、調製例5で得られた研磨材スラリー20重量部、pH調整剤としてアンモニア水0.2重量部、及びイオン交換水200mLを撹拌機(商品名「T.K.ホモミクサー」、プライミクス(株)社製)を使用して混合して組成物1(pH:8.3)を得た。
実施例2〜4、比較例1〜10
下記表1に記載の処方に変更した以外は実施例1と同様にして組成物を得た。
Figure 2018056229
[評価試験]
実施例及び比較例で得られた組成物1〜14について下記方法により低スクラッチ性、分散性試験、及び洗浄性を評価した。
[低スクラッチ性試験]
被研磨物として、熱酸化法により表面に酸化ケイ素膜を1μmの厚みで成膜した直径8インチシリコンウェハを使用した。研磨機は、片面研磨機(商品名「EPO113」、荏原製作所(株)社製)を使用し、研磨パッドは、商品名「IC1000」(ロデール社製)を使用した。
研磨条件
加工圧力:5psi
定盤回転数:60rpm
ウェハ回転数:50rpm
組成物供給量:150mL/分
研磨時間:2分間
上記研磨条件でシリコンウェハを研磨し、研磨終了後、シリコンウェハを純水で洗浄、乾燥し、研磨によるシリコンウェハ表面の長さ0.2μm以上のスクラッチ(かき傷)を観測し、下記基準で低スクラッチ性を評価した。尚、スクラッチの観測には、商品名「サーフスキャンSP−1」(ケーエルエー・テンコール社製)を使用した。
低スクラッチ性評価基準
スクラッチの数が5個未満:極めて良好(◎)
スクラッチの数が5個以上、20個未満:良好(○)
スクラッチの数が20個以上、30個未満:やや不良(△)
スクラッチの数が30個以上:不良(×)
[分散性試験]
研磨終了後、回収した組成物1Lを孔径1μmのメンブランフィルター(直径:47mm)を使用して、一次側圧力(フィルターの原液側:p1)を2kg/cm2として濾過を行い、二次側圧力(フィルターのろ液側:p2)を測定し、下記式により圧力損失を算出し、下記基準で分散性を評価した。尚、圧力測定には、商品名「マノスターゲージWO81FN100」、((株)山本電機製作所製)を使用した。
圧力損失(%)={(p1−p2)/p1}×100
分散性評価基準
10%未満:極めて良好(◎)
10%以上、50%未満:良好(○)
50%以上、70%未満:やや不良(△)
70%以上、又は途中で目詰まりして濾過不能:不良(×)
[洗浄性試験]
研磨終了後、回収した組成物1gに、25℃条件下で、メトキシプロパノール7gと1−メトキシ−2−プロピルアセテート3gを混合して得られた混合液について、外観を目視で観察し、下記基準で洗浄性を評価した。
洗浄性評価基準
溶解:極めて良好(◎)
白濁分散:良好(○)
完全分離:不良(×)
上記評価結果を下記表2にまとめて示す。
Figure 2018056229
表2の低スクラッチ性及び分散性評価結果より、界面活性剤としてポリグリセリン誘導体(A)を含有する組成物1〜4は、分散性に優れ、メンブランフィルターを通過することによる圧力損失を50%未満に抑制することができた。そして、組成物1〜4を使用してシリコンウェハ表面を研磨した場合、スクラッチの発生を極めて低く抑制することができた。
一方、ポリグリセリン誘導体(A)に代えてポリオキシアルキレン誘導体を使用した組成物11〜14は、研磨材(B)の凝集を抑制できず、研磨材(B)の二次粒子の平均粒子径が大きくなった結果、メンブランフィルターを通過することによる圧力損失が50%以上であった。そして、組成物11〜14を使用した場合は、20個以上のスクラッチが発生した。
また、上記洗浄性評価結果より、界面活性剤としてポリグリセリン誘導体(A)を含有する組成物1〜4は有機溶媒に対する分散・溶解性に優れ、一方、ポリグリセリン誘導体(A)に代えてポリグリセリン誘導体(PG)を使用した組成物5〜10は、有機溶媒に対して分散、溶解することはなかった。
以上の結果から、本発明のCMP用研磨材組成物は、ポリグリセリン誘導体(A)により研磨材(B)の凝集を防いで、平均粒子径を小さく維持することができ、研磨材の凝集により引き起こされるスクラッチの発生を抑制することができることがわかる。また、本発明のCMP用研磨材組成物は洗浄性に優れ、研磨終了後に有機溶媒を用いて洗浄することにより、研磨材や研磨屑をきれいに除去できることがわかる。
1 定盤
2 研磨パッド
3 CMP用研磨材組成物供給用配管
4 CMP用研磨材組成物
5 研磨ヘッド
6 ウェハ

Claims (5)

  1. 下記式(a)
    RO−(C352R)n−R (a)
    (式中、括弧内に示す繰り返し単位は、下記式(1)及び/又は(2)
    Figure 2018056229
    で表される。Rは同一又は異なって、水素原子、炭素数1〜18の炭化水素基、又は炭素数2〜24のアシル基を示す。但し、(n+2)個のRのうち、少なくとも2個は炭素数1〜18の炭化水素基及び/又は炭素数2〜24のアシル基である。nは前記繰り返し単位の数を示し、2〜60の整数である)
    で表されるポリグリセリン誘導体(A)、研磨材(B)、及び水(C)を含有する化学的機械的研磨用研磨材組成物。
  2. ポリグリセリン誘導体(A)が式(a)で表され、式(a)中の(n+2)個のRのうち、25〜95%は炭素数1〜18の炭化水素基及び/又は炭素数2〜24のアシル基である化合物である、請求項1に記載の化学的機械的研磨用研磨材組成物。
  3. ポリグリセリン誘導体(A)の含有量が、研磨材(B)1重量部に対して0.5〜10重量部である、請求項1又は2に記載の化学的機械的研磨用研磨材組成物。
  4. 研磨材(B)が、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化セリウム、窒化ケイ素、及び酸化ジルコニウムからなる群より選択される少なくとも1種の化合物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化学的機械的研磨用研磨材組成物。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載の化学的機械的研磨用研磨材組成物を使用してウェハを研磨する工程を有する半導体デバイスの製造方法。
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