JP2018055891A - 表面処理装置 - Google Patents

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昭平 中村
Shohei Nakamura
昭平 中村
茂 高辻
Shigeru Takatsuji
茂 高辻
章 堀越
Akira Horikoshi
章 堀越
河野 元宏
Motohiro Kono
元宏 河野
木瀬 一夫
Kazuo Kise
一夫 木瀬
敦 谷出
Atsushi Tanide
敦 谷出
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Abstract

【課題】大気中で広い面積を一括してプラズマ処理することが可能であり、装置構成が簡単で使いやすいプラズマ表面処理装置を提供する。【解決手段】導電性を有する処理対象物OBJの表面をプラズマにより処理する表面処理装置1である。第1導体113の表面が誘電体表面層114で覆われた当接面が処理対象物の被処理面に接触する第1電極体11と、第1電極体との距離を変更自在に構成され、露出した第2導体の表面が処理対象物に電気的に接触する第2電極体12と、第1導体と第2導体との間に、誘電体表面層の厚さに相当する空間ギャップにおける放電開始電圧よりも大きい電圧を印加して、第1電極体と処理対象物との間の気体をプラズマ化させる電源13とを備える。【選択図】図2

Description

この発明は、処理対象物の表面にプラズマを作用させてその表面処理を行う技術に関するものであり、特に大気中で処理可能な表面処理装置に関する。
処理対象物の表面加工や改質等を目的として、処理対象物の表面にプラズマを照射する技術が知られている。中でも、真空チャンバーを必要としない大気圧プラズマを利用するものでは、農作物や生体などを処理対象物とすることも検討されている。このような技術においては、プラズマ発生条件が実現された小室で発生させたプラズマを、処理対象物に向けて吹き付ける構成が一般的である(例えば、特許文献1参照)。
特開2016−154499号公報
このような技術を広く実用化するに当たっては、解決すべき課題が残されている。例えば、プラズマを処理対象物に吹き付ける構成では、同時にプラズマを照射することのできる領域が限定され、広い面を処理するためにはプラズマ照射位置を順次変化させてゆくことが必要になる。また、装置構成が複雑であり、装置からプラズマが吹き出されることから、専門知識を持たない一般ユーザが簡単に使用することのできるものとは言い難い。
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、大気中で広い面積を一括してプラズマ処理することが可能であり、装置構成が簡単で使いやすいプラズマ表面処理装置を提供することを目的とする。
この発明の一の態様は、導電性を有する処理対象物の表面をプラズマにより処理する表面処理装置であって、上記目的を達成するため、第1導体の表面を誘電体表面層で覆った当接面が、前記処理対象物の被処理面に接触する第1電極体と、前記第1電極体との距離を変更自在に構成され、露出した第2導体の表面が前記処理対象物に電気的に接触する第2電極体と、前記第1導体と前記第2導体との間に、前記誘電体表面層の厚さに相当する空間ギャップにおける放電開始電圧よりも大きい電圧を印加して、前記第1電極体と前記処理対象物との間の気体をプラズマ化させる電源とを備えている。
このように構成された発明では、導電性を有する処理対象物と第2導体とが電気的に接触して導通する一方、処理対象物の被処理面には、第1導体の表面を覆う誘電体表面層が接触する。このため、第1導体と処理対象物とは電気的には接触していない。したがって、第1導体と第2導体とが電源を介して接続されても閉回路は形成されない。
第1導体と処理対象物の被処理面とは誘電体表面層を挟んで対向した状態となっているが、特殊な状況を除き、両者の間には表面の凹凸に起因して部分的に隙間が生じている。例えば被処理面が凹凸を有するとき、その突出した部分が誘電体表面と接触するが、その周辺では被処理面と誘電体表面との間に隙間ができる。例えば大気中や低真空状態で被処理面と誘電体表面層との接触が行われるとき、この隙間には気体が入り込んでいる。
この状態で第1導体と第2導体との間に電圧が印加される。導電性を有する処理対象物と第2導体とは電気的に導通する一方、処理対象物と第1導体とは誘電体表面層により絶縁されているため、印加された電圧は処理対象物の被処理面と第1導体との間に電界を形成する。印加電圧は誘電体表面層の厚さに相当する空間ギャップにおける放電開始電圧よりも大きいから、被処理面と誘電体表面層との隙間の少なくとも一部においては放電限界を超える電界が形成されることになる。これにより隙間で放電が生じて気体がプラズマ化する。このようなプラズマは被処理面の各所で発生するので、被処理面の広い範囲に対し同時にプラズマ照射することが可能である。また、プラズマの発生範囲は被処理面と誘電体表面層との隙間に限定され、他の部分にプラズマが照射されたり装置外部へプラズマが漏出したりすることは回避される。
このような効果は、第1導体の表面の少なくとも一部を誘電体で覆った第1電極体と、第2導体を露出させた第2電極体と、電源とにより奏されるものであり、装置構成が極めて簡単である。
上記のように、本発明によれば、大気中で広い面積を一括してプラズマ処理することが可能であり、装置構成が簡単で使いやすい表面処理装置を構成することが可能である。
本発明にかかる表面処理装置の第1実施形態を示す図である。 この表面処理装置に処理対象物をセットした状態を例示する図である。 この表面処理装置の作用を示す図である。 本発明にかかる表面処理装置の第2実施形態を示す図である。 本発明にかかる表面処理装置の第3実施形態を示す図である。
図1は本発明にかかる表面処理装置の第1実施形態を示す図である。図1において、下向きの矢印Zは鉛直方向を示している。すなわち図1は表面処理装置1の側面図である。この表面処理装置1は、上部ユニット11と、下部ユニット12と、電源13と、電源スイッチ14とを備えている。
上部ユニット11は、ユニット本体111と、グリップハンドル112と、第1導体113と、誘電体表面層114と、スタンドピン115とを有している。ユニット本体111は、少なくともその表面が電気絶縁性を有する材料、例えばプラスチック樹脂で形成された箱型の部材であるが、第1導体113との絶縁が取れていれば、例えば表面が金属製であってもよい。
グリップハンドル112はU字を上下反対にした形状を有し、ユニット本体111の上面に設けられている。ユーザはグリップハンドル112を把持することで上部ユニット11を持ち上げて移動させることができる。すなわち、上部ユニット11の重さは、一般ユーザが片手で持ち上げることのできる程度であることが好ましい。
ユニット本体111の下面に、平板状の第1導体113が設けられる。第1導体113は例えば金属板である。第1導体113の下面は薄い誘電体表面層114により被覆されている。誘電体表面層114の材料としては例えばガラスを用いることができるが、吸湿性を持たず、擦過や衝撃に対する耐性を十分に有するものであれば、例えば樹脂材料やセラミック材料等であってもよい。また、複数種の材料が複合されたものであってもよい。誘電体表面層114は少なくとも第1導体113の下面を覆っていることが好ましく、第1導体113の側面まで覆って第1導体113を外部に露出させないことがより好ましい。後述するように、第1導体113の下面を覆う誘電体表面層114の下面が、処理対象物に接触する当接面となる。
上部ユニット11の下面端部付近には、誘電体表面層114の下面よりも下方に突出するスタンドピン115が設けられている。スタンドピン115は、上部ユニット11が後述する下部ユニット12の上面やその他の作業台等に載置される際に、誘電体表面層114の下面がこれらに接触するのを防止し、誘電体表面層114を保護するためのものである。また、第1導体112とこれに対向する他の物体との距離を確保して無用な放電が起こらないようにする機能も有する。
下部ユニット12は、第1ユニット11とは別体に構成されており、安定した作業台等に略水平姿勢に設置される。下部ユニット12は、平板状のベース部材121と、ベース部材部材121の上面に設けられた平板状の第2導体122とを有している。第2導体122は例えば金属板であり、その平坦な上面は被覆されず外部空間に露出している。後述するように、第2導体122の上面が、処理対象物を載置する載置面となる。
上部ユニット11の第1導体113と、下部ユニット12の第2導体122との間に、電源スイッチ14を介して電源13が導線131により接続される。上部ユニット11を下部ユニット12に対し移動自在とするため、導線131は柔軟な被覆電線であることが望ましい。電源13の出力端子のうち第2導体122と接続される側は、接地されることが望ましい。これにより、露出した第2導体122が高電位となることが回避される。電源スイッチ14は上部ユニット11、下部ユニット12または電源13と一体化されていてもよい。
電源スイッチ14が閉じられた状態では、電源13が出力する電圧が第1導体113と第2導体122との間に印加される。電源13が出力する電圧は交流成分を含んだものであればよい。また直流電圧に交流電圧が重畳されたものであってもよく、その波形としては、正弦波、矩形波、パルス波、三角波など各種のものを用いることができる。出力電圧の大きさについては後述するが、電源13は出力電圧の大きさや波形を変更可能であることがより好ましい。
図2はこの表面処理装置に処理対象物をセットした状態を例示する図である。この表面処理装置1は、導電性を有し下部ユニット12の第2導体122の上面に載置される処理対象物OBJの上面を被処理面として、被処理面をプラズマ表面処理する装置である。処理対象物OBJとしては各種のものを適用可能であるが、ここではその一例として、食用キノコ等の菌類を栽培するための菌床を用いた例を説明する。
処理対象物OBJとしての菌床は、おがくずを圧縮成型して水分を含ませ、栽培される菌類の種菌を播種したものである。水分を多く含んでいるため、処理対象物OBJはある程度の導電性を有している。また、その構造上、弾性および塑性を有し、また表面は平坦ではなく不規則な凹凸を有している。
このような処理対象物OBJが第2導体122の上面に載置され、処理対象物OBJの上面に、上部ユニット11が載置される。この状態で、第1導体113と第2導体122との間に電源13から電圧Vが印加される。
図3はこの表面処理装置の作用を示す図である。処理対象物OBJは導電性を有し、第2導体122の露出した表面に接触して載置されている。したがって、処理対象物OBJと第2導体122とは電気的に導通している。一方、図3に示すように、処理対象物OBJと第1導体113との間には誘電体表面層114が介在しており、導通していない。このため、電源13から第1導体113、処理対象物OBJおよび第2導体122を経由して電源13に戻る閉回路は形成されない。したがって、電源13の出力電圧Vは実質的には第1導体113と処理対象物OBJとの間に印加され、これらの間に電界を形成する。
第1導体113の下面を覆う誘電体表面層114の厚さをTとしたとき、第1導体113と処理対象物OBJとの間の最小ギャップは誘電体表面層114の厚さTにより規定される。ただし、処理対象物OBJの上面が凹凸を有しているため、その一部が誘電体表面層114の下面に接触しているものの、他の大部分は誘電体表面層114から離間しており両者の間に多くの隙間ができている。したがって、この隙間部分では、第1導体113と処理対象物OBJとのギャップGは誘電体表面層114の厚さTよりも大きくなっている。また、大気中の作業においてはこの隙間に空気が入り込んでいる。
電源13からの出力電圧Vは、誘電体表面層114の厚さTに相当する空間ギャップにおける放電開始電圧よりも大きな電圧とされる。パッシェンの法則によれば、大気圧下でギャップが1mm程度であるとき、放電開始電圧は数kVである。なお、放電が開始されると処理対象物OBJでの電圧降下によりギャップ電界が弱くなるので、持続的に放電を発生させるためには電圧降下分を加味した電圧を印加する必要がある。
このような電圧Vが第1導体113と処理対象物OBJとのギャップに印加されるとき、当該電圧Vが放電開始電圧となるようなギャップの大きさGthは誘電体表面層114の厚さTよりも大きい。そのため、処理対象物OBJの表面のうち少なくとも一部においては、放電限界を超える強い電界が作用することになる。表面の凹凸に対して印加電圧Vが十分に大きければ、処理対象物OBJの上面全体がこの条件を満たすこともあり得る。
なお、上部ユニット11が処理対象物OBJを介さず下部ユニット12に直接載置された状態で電圧Vが印加されても放電が起こらないことが望ましい。このことを考慮して印加電圧Vが定められてもよく、また印加電圧Vの大きさに応じてスタンドピン115の長さが設定されてもよい。上部ユニット11が下部ユニット12に直接載置されるとき、第1導体113と第2導体122とのギャップを規定するのはスタンドピン115であるからである。
こうして形成される電界により処理対象物OBJの表面において放電(コロナ放電)が発生することで、誘電体表面層114との隙間の空気がプラズマ化する。そして、このような放電および空気のプラズマ化は処理対象物OBJの表面各部で起こり得るので、処理対象物OBJ表面の広い範囲がプラズマに曝されることになる。これにより、処理対象物OBJ上面の表面処理が実現される。
第1導体113の表面を誘電体層114で被覆した上部ユニット11を処理対象物OBJに接触させて処理を行うため、第1導体113と処理対象物OBJとの間の最小ギャップは誘電体表面層114の厚さによって規定することができる。表面に凹凸を有する処理対象物OBJと第1導体113とのギャップ各部の大きさは、精密なギャップ管理を行うまでもなく、誘電体表面層114の厚さTを最小値としてこれより大きい範囲に分布することとなる。このため、処理対象物OBJと第1導体113とが短絡することはなく、誘電体表面層114の厚さに応じた適度な電圧を印加することで確実に放電を生じさせてプラズマを発生させることが可能である。
キノコ類やある種の農作物では、電気刺激を与えることで成長が促進され、品質や収量が向上する場合があることが知られている。この表面処理装置1では、菌床を処理対象物OBJとしてその表面(上面)をプラズマ処理することにより、同様の効果が期待される。従来、この種の技術では、菌床に電極を差し込んで電圧を印加することで電気刺激を与えることが行われているが、刺激の及ぶ範囲が限定的であり、高い確率で効果を得るためには、電極の位置を変えて何度も通電作業を行う必要があった。
これに対し、上記実施形態の表面処理装置1では、処理対象物OBJの上面の広い範囲を一度にプラズマ処理することができるので、作業効率は大きく向上する。また、プラズマにより電気刺激が与えられる面積が大幅に増大するため、より高い確率で効果が見込める。
本願発明者らの実験では、誘電体表面層14の厚さTを0.7mm程度、周波数10kHzの交流電圧の大きさVを5kVないし10kVとしたとき、明確な成長促進効果が確認された。表面処理の前後で菌床の表面を観察すると、直鎖状に伸びた菌糸がプラズマ処理により寸断され、これが再生されたときには網目状に広がっていることが認められた。このことが成長促進効果に寄与しているものと考えられる。
この場合の放電は、第1導体113の表面を覆う誘電体表面層14を介して発生する誘電体バリア放電である。このため、第1導体113と処理対象物OBJとの短絡は起こらず、また放電により第1導体113の表面が損壊されて処理対象物OBJに付着することが回避される。このことは異物の混入防止や衛生管理の面で有利であり、特に食品や医療関連分野への応用が期待される。
また、高電圧が印加される第1導体113は誘電体によって表面を覆われている。そして、プラズマは、下部ユニット12の第2導体122と導通した導電性の処理対象物OBJに上部ユニット11が接触した状態で電圧が印加されたときに、上部ユニット11と処理対象物OBJとの隙間でのみ発生する。このため、プラズマ粒子の流出や異常放電等が起きにくくなっており、構造や操作が極めて簡単であることと併せて、専門知識を持たない一般ユーザでも容易に取り扱うことが可能である。
なお、ここでは菌床を処理対象物OBJとして、成長促進効果を得るためにプラズマによる表面処理を行っているが、この表面処理装置1の処理対象物OBJはこれに限定されるものではない。例えば、これまでにも種々の材料に対して、表面の粗面化、接着性や撥水性等の改善、表面積の拡大、清浄化、殺菌等を目的としてプラズマによる表面処理が実施されているが、これらのうち高電圧を印加されたときにある程度の電流が流れる導電性を有する材料であれば、この表面処理装置1の処理対象とすることが可能である。
特に、大気中で処理が可能であることから、真空状態に耐えない各種の材料、例えば水分などの液体や他の揮発性の成分を含むもの、内部に気泡を含むもの、動植物の組織等に対しても表面処理を実施することが可能である。
次に、本発明にかかる表面処理装置の他の実施形態について、図4および図5を参照して説明する。これらの実施形態は、一部の構成において形状が異なるのみで、基本的な構成および動作は上記した第1実施形態のものと同じである。以下では、第1実施形態とは異なる部分を主に説明する。なお、図4および図5においては電源13が省略されている。
図4は本発明にかかる表面処理装置の第2実施形態を示す図である。この実施形態の表面処理装置2では、第1実施形態と同様に第2導体222が設けられたベース部材221の端部から上方に向けて柱部材223が立設されている。柱部材223には昇降部材224が柱部材223に対し昇降自在に係合されている。そして、この昇降部材224に、上部ユニット21が取り付けられている。上部ユニット21は、第1実施形態と同様、第1導体213およびこれを被覆する誘電体表面層214を有している。
この実施形態では、昇降部材224が柱部材223に沿って昇降することにより、上部ユニット21が下部ユニット22に対し接近・離間する。昇降部材224の昇降はユーザにより手動でなされてもよく、また図示しない適宜の駆動機構により自動的に行われてもよい。なお、第1導体213と第2導体222とが接近しすぎるのを防止するために、第1実施形態と同様のスタンドピンまたは同様の機能を有するストッパーが設けられることが好ましい。
このような構成では、第1実施形態と同様の効果が期待される。また、上部ユニット21をユーザが持ち上げる必要がないので作業負担が軽減され、より大型の装置を構成することも可能である。例えば複数の処理対象物OBJを第2導体222上に並べて同時に処理を行うことも可能となる。
図5は本発明にかかる表面処理装置の第3実施形態を示す図である。この実施形態の表面処理装置3においては、第2導体322が処理対象物OBJに巻き付け可能な帯状部材として構成されている。また、上部ユニット31のユニット本体311下部に取り付けられた第1導体313および誘電体表面層314は、処理対象物OBJの上面形状に沿って湾曲した形状となっている。このように、導体の形状は平板状のものに限定されない。
第2導体322を帯状の部材とすることで、例えば円筒形の処理対象物OBJに巻き付けてより確実に導通を取ることができる。処理対象物OBJの底面が必ずしも平坦なものでない場合、このような形状が特に有効である。なお、第2導体322が可撓性を有する帯状部材として構成される場合、ベース部材に相当する構成は必ずしも必要ではない。ただし、漏電等を防止する観点から、処理対象物OBJは絶縁性の台に載置された状態で処理が行われることが好ましい。
また、第1導体313およびそれを覆う誘電体表面層314を処理対象物OBJの上面形状に合わせたものとすることにより、誘電体表面層314を介した第1導体313と処理対象物OBJとの対向面積を大きくすることができ、プラズマによる表面処理の効果をより高めることが可能である。形状が特定された処理対象物OBJを大量に処理することが必要な場合、このような構成が有効である。なお、第1導体313および誘電体表面層314の形状は図示に限定されるものではなく、処理対象物OBJの形状に合わせて適宜に設定することが可能である。
この目的のために、形状の異なる第1導体およびこれを覆う誘電体表面層が上部ユニットに対し交換可能に構成されてもよい。また、下部ユニットと対になる上部ユニットが、第1導体の形状を互いに異ならせて複数種用意され、処理対象物に応じた形状の第1導体を持つ上部ユニットが選択的に電源に接続される構成であってもよい。
なお、図5に示す第1導体313および第2導体322は、これらの組み合わせでの使用に限定されるものではなく、それぞれ第1実施形態の第2導体122および第1導体113と組み合わされてもよい。すなわち、図5に示す第3実施形態の第1導体313が図1の第2導体122と組み合わされてもよく、また図5に示す第3実施形態の第2導体322が図1の第1導体113と組み合わされてもよい。第2実施形態との組み合わせについても同様である。
以上説明したように、上記各実施形態においては、上部ユニット11,21,31等が本発明の「第1電極体」に相当しており、下部ユニット12,22等が本発明の「第2電極体」に相当している。また、図2に示す第2実施形態においては、柱部材223が本発明の「連結部材」としての機能を有している。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態では、第2導体が露出した本発明の「第2電極体」が下方に、第1導体が誘電体表面層で覆われた本発明の「第1電極体」が上方に配置される構成となっている。しかしながら、両者の位置関係はこれに限定されるものではなく任意である。例えば第1電極体と第2電極体とが水平方向から処理対象物を挟む態様であってもよい。
また例えば、上記実施形態では一の上部ユニットと一の下部ユニットとが対になっているがこれに限定されない。例えば、1つの下部ユニットに対し、複数の上部ユニットが組み合わされてもよい。この場合、複数の上部ユニットへの電圧供給は並列的に行われてもよく、また個別に行われてもよい。下部ユニットの第2導体を接地電位とした構成では、複数の上部ユニット間で印加電圧が異なっていてもよい。
また例えば、上記実施形態では、本発明の「第2電極体」として、露出した第2導体を有する下部ユニットが設けられている。これに代えて、例えば既存の金属製プレートや作業台等適宜の導電体を本発明の「第2電極体」として利用することも可能である。すなわち、上面がステンレス、アルミニウムなどの導電性材料で形成された作業台等に処理対象物を載置し、電源の接地側端子と作業台等とを導線などで電気的に接続することにより、作業台等を一時的に本発明の「第2電極体」として機能させることが可能になる。
また、上記実施形態の上部ユニットでは第1導体が誘電体内部に埋め込まれた構造となっているが、これに限定されず、例えば第1導体の表面に誘電体フィルムまたはシートが貼り付けられた構成であってもよい。
また、上記各実施形態の下部ユニットに設けられた第2導体は平板状または帯状のものであり、その表面が処理対象物に接触することで導通を図るものである。これに代えて、例えば導体の尖端を処理対象物に差し込むことで導通を取るように構成されてもよい。また、処理対象物が導電性の台座や容器等に保持されている場合、それらを本発明の「第2電極体」として機能させることも可能である。
また、上記実施形態では大気雰囲気中で処理が行われるため、誘電体表面層と処理対象物との隙間に存在する気体は空気である。しかしながら、より確実にプラズマを発生させるために、例えばこの隙間にヘリウムガスやアルゴンガスなどの不活性ガスが吹き込まれてもよい。この場合のガス供給源は表面処理装置に組み込まれてもよいが、本発明の表面処理装置とは別の供給源からガスが供給されてもよい。また、処理は大気圧下に限定されず、例えば軽度の減圧または加圧状態で上記処理が行われてもよい。
以上、具体的な実施形態を例示して説明してきたように、本発明の表面処理装置は、第1電極体が第2電極体および電源とは別体に構成され、第1電極体と電源とが可撓性を有する導線により電気的に接続される構成であってもよい。このような構成によれば、第1電極体を可搬性を有するものとすることができ、ユーザが第1電極体を保持して処理対象物に接触させることにより、処理対象物の表面処理を簡単に行うことが可能になる。
また、本発明の表面処理装置は、第1電極体と第2電極体とを、第1導体と第2導体との距離を変更自在に連結する連結部材を備える構成であってもよい。このような構成によれば、連結部材を介して第1電極体と第2電極体とが連結され一体化されるので、装置の取り扱いが容易になる。
また、第2導体の上面が平坦に形成されるとともに該上面が露出されて、処理対象物の載置面となっていてもよい。このような構成によれば、第2導体の上面に処理対象物を載置し、さらに処理対象物の上面に第1電極体を接触させるという簡単な作業で、処理対象物の表面処理を行うことが可能になる。
また、第2導体に接地電位が与えられてもよい。このような構成によれば、表面の露出した第2導体に他の部材やユーザが接触した場合の短絡や感電を防止することができる。
この発明は、各種の処理対象物の表面にプラズマにより処理する技術分野に好適に適用可能である。特に、簡単な構成で大気雰囲気中での処理が可能となっているので、農業、漁業、食品産業等の分野において一般ユーザが手軽に利用可能な装置を実現することが可能である。
1,2,3 表面処理装置
11,21,31 上部ユニット(第1電極体)
12,22 下部ユニット(第2電極体)
113,213,313 第1導体
114,214,314 誘電体表面層
122,222,322 第2導体
223 柱部材(連結部材)
OBJ 処理対象物

Claims (5)

  1. 導電性を有する処理対象物の表面をプラズマにより処理する表面処理装置であって、
    第1導体の表面を誘電体表面層で覆った当接面が、前記処理対象物の被処理面に接触する第1電極体と、
    前記第1電極体との距離を変更自在に構成され、露出した第2導体の表面が前記処理対象物に電気的に接触する第2電極体と、
    前記第1導体と前記第2導体との間に、前記誘電体表面層の厚さに相当する空間ギャップにおける放電開始電圧よりも大きい電圧を印加して、前記第1電極体と前記処理対象物との間の気体をプラズマ化させる電源と
    を備える表面処理装置。
  2. 前記第1電極体が前記第2電極体および前記電源とは別体に構成され、前記第1電極体と前記電源とが可撓性を有する導線により電気的に接続される請求項1に記載の表面処理装置。
  3. 前記第1電極体と前記第2電極体とを、前記第1導体と前記第2導体との距離を変更自在に連結する連結部材を備える請求項1に記載の表面処理装置。
  4. 前記第2導体の上面が平坦に形成されるとともに該上面が露出されて、前記処理対象物の載置面となる請求項1ないし3のいずれかに記載の表面処理装置。
  5. 前記第2導体に接地電位が与えられる請求項1ないし4のいずれかに記載の表面処理装置。
JP2016188639A 2016-09-27 2016-09-27 表面処理装置 Pending JP2018055891A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008041355A (ja) * 2006-08-03 2008-02-21 Matsushita Electric Ind Co Ltd プラズマ表面処理装置及び表面処理方法
JP2014505553A (ja) * 2012-01-09 2014-03-06 ムー・メディカル・デバイスズ・エルエルシー プラズマ補助皮膚処置

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