JP2018054861A - 撮像装置及び移動体 - Google Patents
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Abstract
【課題】撮像素子から発生する熱によって、撮像光学系の温度が上昇するのを抑える。【解決手段】撮像光学系3と、撮像光学系3を収容する筺体2と、筺体2に収容され、撮像光学系3を介して結像される被写体像を撮像する撮像素子4と、筺体2に収容され、撮像光学系3と撮像素子4との間に配置される、可視光を透過し、遠赤外光を反射する第1光学素子と、を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、撮像装置及び移動体に関する。
従来、抵抗、コンデンサ等の回路素子と、撮像素子と、撮像素子及び回路素子を保持する基板とを有する電子回路ユニットを含む撮像装置が知られている。
このような撮像装置では、電子回路ユニットの性能を確保するために、電子回路ユニットの温度上昇を抑制することが望ましい。このため、例えば、特許文献1には、電子回路ユニットの外周面と、撮像装置のケースとの間に熱伝導部材を架け渡すことによって、電子回路ユニットが発生する熱を効率よく放出する撮像装置が記載されている。
しかしながら、電子回路ユニットに含まれる、主に撮像素子から発生する熱によって、撮像光学系の温度が上昇することがある。この場合、撮像光学系の屈折率が変化し、それによって光学性能が変化してしまうことがある。
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、撮像素子から発生する熱によって、撮像光学系の温度が上昇するのを抑えることを可能とする撮像装置、及び移動体を提供することを目的とする。
上記課題を解決する撮像装置は、撮像光学系と、前記撮像光学系を収容する筺体と、前記筺体に収容され、前記撮像光学系を介して結像される被写体像を撮像する撮像素子と、前記筺体に収容され、前記撮像光学系と前記撮像素子との間に配置される、可視光を透過し、遠赤外光を反射する第1光学素子と、を備える。
また、上記課題を解決する移動体は、撮像光学系と、前記撮像光学系を収容する筺体と、前記筺体に収容され、前記撮像光学系を介して結像される被写体像を撮像する撮像素子と、前記筺体に収容され、前記撮像光学系と前記撮像素子との間に配置される、可視光を透過し、遠赤外光を反射する第1光学素子と、を含む撮像装置を備える。
本発明の一実施形態によれば、撮像素子から発生する熱によって、撮像光学系の温度が上昇するのを抑えることを可能とする。
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明で用いられる図は模式的なものであり、図面上の寸法比率等は現実のものとは必ずしも一致していない。
撮像装置1は、図1に示すように、筺体2、撮像光学系3、撮像素子4、基板5、IR(Infrared)カットフィルター6、ホットミラー7、伝熱部材8等を含んで構成される。また、撮像装置1は、図2に示すよう移動体9に搭載される。移動体9に搭載された撮像装置1は、移動体9の、例えば前方を撮像する。撮像装置1の撮像方向は移動体9の前方に限られず、移動体9の側方、後方を撮像してもよいし、移動体9の内部を撮像してもよい。ここで、「移動体」は、例えば、乗用車、トラック、バスといった道路上を走行する車両等を意味する。
筺体2は、図1に示したように、鏡筒21、部品収容ケース22を含んで構成される。鏡筒21及び部品収容ケース22は、例えばゴム、樹脂等でできたパッキンPを介在させた状態で結合されている。パッキンPは密封シールとして機能し、筺体2は密閉構造をなす。
鏡筒21は、撮像時の被写体側に向けた開口を有し、当該開口において撮像光学系3を固定して収容する。鏡筒21は、撮像光学系3を構成するレンズ3a〜3fを、所定の位置関係を規定するように保持する。部品収容ケース22は、撮像素子4が撮像光学系3の結像位置に配置されるよう、撮像素子4及び基板5を固定して収容する。また、部品収容ケース22は、撮像光学系3と撮像素子4との間に第2光学素子であるIRカットフィルター6及び第1光学素子であるホットミラー7を固定して収容する。
撮像光学系3は、入射した光を撮像素子4で結像させるように集光する。撮像光学系3は、1つ以上のレンズを有し、撮像装置1において要求される光学性能に応じて適宜構成される。図1に示す例では、撮像光学系3は、被写体側から順にレンズ3a、レンズ3b、レンズ3c、レンズ3d、レンズ3e、及びレンズ3fを有する。レンズ3a、レンズ3b、レンズ3c、レンズ3d、レンズ3e、及びレンズ3fは、プラスチック製又はガラス製とすることができる。また、1つ以上のレンズの一部はプラスチック製、残りの一部はガラス製とすることができる。例えば、レンズ3a、レンズ3b、レンズ3c、レンズ3d、レンズ3eはプラスチック製とし、レンズ3fはガラス製とすることができる。
撮像素子4は、撮像光学系3を透過する光が結像する位置に受光面41が位置するように基板5に固定される。撮像素子4は、撮像光学系3を介して結像される被写体像を撮像する。具体的には、撮像素子4は、受光面41で受光した光を電気信号に変換して出力する、例えばCCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等とことができる。
基板5は、撮像素子4及び電子部品の少なくとも1つを実装する。電子部品とは、例えば撮像素子4の駆動、電気信号の処理等を行うための部品であり、例えば、コンデンサ、抵抗等である。基板5は、該基板5の面の法線が撮像光学系3の光軸OXに略平行となるように、撮像光学系3に対して被写体と反対側に配置される。図1に示した例では1つの基板5が示されているが、撮像装置1は複数の基板5を備えてもよい。
IRカットフィルター6は、赤外光を透過させず、可視光を透過させるフィルターである。具体的には、本実施形態のIRカットフィルター6は、図3に示すように、波長が略0.4〜0.65μmの光を透過させ、0.65〜1.0μmの可視光に近い範囲の近赤外光を反射または吸収するという特性を有する。IRカットフィルター6は、撮像素子4で感度を有さない、例えば波長が1.4μm以上の光を透過させてもよい。IRカットフィルター6は、波長が0.4μm未満の紫外線を反射または吸収してもよい。さらに、IRカットフィルター6は、特に波長4μmから14μmの遠赤外線領域の光を反射させるとよりよい。
IRカットフィルター6は、撮像光学系3と撮像素子4との間、すなわち、撮像光学系3が有するレンズ群のうち最も像側にあるレンズ3fと、撮像素子4との間に配置される。IRカットフィルター6は、該IRカットフィルター6の面の法線が撮像光学系3の光軸OXに略平行となるように配置される。
ホットミラー7は、赤外光を反射させ、可視光を透過させる板状のミラーである。ホットミラー7は、図4に示すように、特に波長4μmから14μmの遠赤外線領域の光を少なくとも部分的に反射させる。ホットミラー7は、さらに、波長8μmから10μmの遠赤外線を効率よく反射してよい。ホットミラー7は、波長4μmから14μmの遠赤外線について、透過率よりも反射率の方が高い。ホットミラー7の波長4μmから14μmの遠赤外線の反射率は、50%より高く、より好ましくは80%より高く、さらに好ましくは90%より高い。ホットミラー7は、ガラス製又はプラスチック製とすることができる。また、ホットミラー7は、撮像素子4に対向する側の面に二酸化ケイ素(SiO2)、窒化ケイ素(Si3N4)、硫化亜鉛(ZnS)、酸化チタン(TiO2), 酸化アルミ(Al2O3)等の誘電体が成膜されたものとすることができる。ホットミラー7は、二酸化ケイ素(SiO2)、窒化ケイ素(Si3N4)、硫化亜鉛(ZnS)等の誘電体が二種以上、積層されて成膜されたものであってもよい。
ホットミラー7は、可視光を透過し、撮像素子4から放射される赤外光の少なくとも一部を反射する。具体的には、ホットミラー7は、IRカットフィルター6が透過させる可視光の波長範囲を含む波長範囲の光を透過させる。ホットミラー7は、IRカットフィルター6が透過する、撮像素子4が感度を有さない波長範囲の赤外光も反射する。本実施形態では、図4に示すように、ホットミラー7は、波長範囲が略0.38〜0.7μmの光を透過させ、波長が略0.38μm未満又は略0.7μm以上の光を反射させるという特性を有する。
ホットミラー7は、撮像光学系3と撮像素子4との間に配置される。すなわち、ホットミラー7は、撮像光学系3が有するレンズ群のうち最も像側にあるレンズ3fと、撮像素子4との間に配置される。具体的には、ホットミラー7は、IRカットフィルター6と撮像素子4との間に配置されてもよいし、撮像光学系3とIRカットフィルター6との間に配置されてもよい。ホットミラー7は、該ホットミラー7の法線が撮像光学系3の光軸OXに略平行となるように配置してよい。
伝熱部材8は、例えば、酸化チタン(TiO2)、スズ酸化インジウム(ITO)、アンチモン酸化スズ(ATO)、六ホウ化ランタン(LaB6)、セシウム酸化タングステン(CWO)、シアニン化合物、フタロシアニン化合物、ジチオール金属錯体、ナフトキノン化合物、アゾ化合物等によって生成された、熱を吸収する部材である。
伝熱部材8は、部品収容ケース22の内壁のうち、基板5とホットミラー7との間の空間に接する部分に配置される。また、伝熱部材8は、撮像光学系3から離れる方向に延在する。さらに、伝熱部材8は、筺体2の外部にまで延在してもよい。
このような伝熱部材8は、撮像素子4が発した熱、及び撮像素子4が発してホットミラー7によって反射された熱を吸収する。そして、伝熱部材8は、吸収した熱を撮像光学系3から離れた方向へ伝導する。また、伝熱部材8が筺体2の外部にまで延在している場合、吸収した熱を外部に放出する。
以上のように、第1の実施形態によれば、撮像装置1は、撮像素子4と撮像光学系3との間に、可視光を透過し、撮像素子4から放射される赤外光の少なくとも一部を反射するホットミラー7を備える。そのため、撮像素子4から発生する熱によって、撮像光学系3の温度が上昇するのを抑えることできる。これにより、温度上昇による撮像光学系3の屈折率の変化を低減させ、撮像性能が低下するのを抑えることが可能となる。特に、撮像光学系3が、焦点距離の短い広角レンズで構成される場合、撮像素子4から発生する熱は撮像光学系3に伝達されやすく、このような撮像光学系3を有する撮像装置1においてはより効果的である。撮像素子4は、作動中に室温から100°C近くまで温度上昇することが想定される。一般に、赤外線の放射量は物体の温度と表面状態によって決まる。物体を全ての波長の放射を吸収する黒体と仮定したとき、分光放射輝度が最大となる波長は、ウィーンの変位則に従う。物体の温度が0°Cから100°Cの範囲では、最大放射を与える波長は約8μmから10μmである。したがって、ホットミラー7が、波長8μmから10μmを含む、波長4μmから14μmの遠赤外線を効率よく反射するとき、加熱された撮像素子4から放射される熱を効率よく反射して放熱することができる。これにより、撮像光学系3に放射によって伝わる撮像素子4からの熱を低減することができる。
また、第1の実施形態によれば、撮像装置1は、部品収容ケース22の内壁のうち、基板5とホットミラー7との間の空間に接する部分に配置され、撮像光学系3から離れる方向に延在する伝熱部材8を備える。そのため、伝熱部材8は、撮像素子4から放出された熱、及び撮像素子4が発してホットミラー7によって反射された熱を吸収して放熱する。これにより、撮像素子4とホットミラー7との間の空間の温度上昇を抑制し、撮像光学系3の方に伝達される熱を低減することができる。これにより、温度上昇による撮像光学系3の屈折率の変化を低減させ、撮像性能が低下するのを抑えることが可能となる。
また、第1の実施形態において、撮像装置1はIRカットフィルター6及びホットミラー7をそれぞれ備えるが、これに限られない。例えば、撮像装置1は、IRカットフィルター6及びホットミラー7を一体としたフィルター部材を備えてもよい。この場合、フィルター部材は、可視光を透過させ、撮像素子4が感度を有する近赤外の波長範囲の光を反射又は吸収するとともに、撮像素子4から放射される遠赤外光を含む波長範囲の遠赤外光を反射する。また、IRカットフィルター6は無くてもよい。その場合でも、撮像光学系3の温度の上昇を抑えることができるという効果が得られる。
以下、本発明の第2の実施形態について、図面を参照して説明する。
第2の実施形態に係る撮像装置1は、第1の実施形態に係る撮像装置1と同様に、筺体2、撮像光学系3、撮像素子4、基板5、IRカットフィルター6、ホットミラー7、伝熱部材8等を含んで構成される。
第1の実施形態のホットミラー7は、該ホットミラー7の面の法線が撮像光学系3の光軸OXに略平行となるように配置されるが、第2の実施形態のホットミラー7は、図5に示すように、該ホットミラー7の像側の面の法線N1が光軸OXの方向に対して所定の角度(第1の角度)θ1(0°<θ1<90°)、傾くように配置される。
第1の角度θ1とは、撮像素子4が熱を発することによって放出された赤外光が、伝熱部材8の方に反射されるような角度である。したがって、第1の角度θ1は、撮像素子4、ホットミラー7、及び伝熱部材8の位置関係に基づいて、適宜決定される。
第2の実施形態におけるその他の構成、作用は第1の実施形態と同様なので、同一または対応する構成要素には、同一参照符号を付して説明を省略する。
以上のように、第2の実施形態によれば、撮像装置1は、撮像素子4と撮像光学系3との間に、可視光を透過し、撮像素子4から放射される赤外光の少なくとも一部を反射するホットミラー7を備える。そのため、撮像素子4から発生する熱によって、撮像光学系3の温度が上昇するのを抑えることできる。これにより、撮像光学系3の温度上昇による屈折率の変化を低減させ、撮像性能が低下するのを抑えることが可能となるという第1の実施形態と同様の効果を奏する。
また、第2の実施形態によれば、ホットミラー7は、像側の面の法線N1が光軸OXの方向に対して傾くように配置される。このため、撮像素子4から光軸OX方向に放射された赤外光は、ホットミラー7によって反射され、ホットミラー7と撮像光学系3との間の空間から伝熱部材8に向かって放出される。これにより、撮像素子4から撮像光学系3の方へ放射される熱は低減するため、撮像光学系3の温度が上昇するのを抑えることできる。したがって、温度上昇による撮像光学系3の屈折率の変化を一層低減させ、撮像性能が低下するのをより抑えることが可能となる。
以下、本発明の第3の実施形態について、図面を参照して説明する。
第3の実施形態に係る撮像装置1は、第2の実施形態に係る撮像装置1と同様に、図6に示すように、筺体2、撮像光学系3、撮像素子4、基板5、IRカットフィルター6、ホットミラー7、伝熱部材8等を含んで構成される。また、第3の実施形態のホットミラー7は、第2の実施形態のホットミラー7と同様に、該ホットミラー7の像側の面の法線N1が光軸OXの方向に対して第1の角度θ1、傾くように配置される。
撮像光学系3及びIRカットフィルター6を透過してホットミラー7に入射する可視光は、ホットミラー7の入射面及び出射面にてそれぞれ屈折する。具体的には、ホットミラー7の像側の面の法線N1が光軸OXに平行である場合、可視光は、図7(a)の実線に示すように進行し、撮像素子4の受光面41における第1の位置P1に到達する。また、ホットミラー7の像側の面の法線N1が光軸OXに対して傾いている場合、可視光は、図7(a)の破線に示すように進行し、第1の位置P1とは異なる第2の位置P2に到達する。すなわち、ホットミラー7の法線N1が光軸OXに対して傾いている場合、ホットミラー7を透過した後の可視光は、ホットミラー7の像側の面の法線N1が光軸OX方向に平行な場合とは、撮像素子4の受光面41における異なる位置に到達する。このように、受光面41において当初の設計とは異なる位置に可視光が到達することが、非点収差が発生する要因となる。
そこで、IRカットフィルター6は、図6に示すように、光軸OX上において撮像光学系3から撮像素子4に向かう方向(第1方向)の成分を有する法線N2(像側の面の法線N2)の、光軸OXに対して垂直な成分が、ホットミラー7の第1方向の成分を有する法線N1(像側の面の法線N1)の、光軸OXに対して垂直な成分と反対方向の成分を有するように傾けて配置される。
言いかえれば、ホットミラー7の、光軸OXと交差する面に対する、第1方向の成分を有する単位法線ベクトルを第1単位法線ベクトルとし、IRカットフィルター6の、光軸OXと交差する面に対する、第1方向の成分を有する単位法線ベクトルを第2単位法線ベクトルとしたとき、第1単位法線ベクトルと第2単位法線ベクトルとを加算したベクトルの光軸OXに直交する第2方向の成分が、第1単位法線ベクトルの第2方向の成分及び第2単位法線ベクトルの第2方向の成分のうち大きい方より小さいように、ホットミラー7及びIRカットフィルター6はそれぞれ配置される。
図6に示す例を用いて説明すると、IRカットフィルター6は、該IRカットフィルター6の像側の面の法線N2が光軸OX方向に対して、第1の角度θ1とは反対の所定の角度(第2の角度)θ2(0°<θ2<90°)、傾くように配置される。
この場合、撮像光学系3を透過した光は、IRカットフィルター6に入射すると、図7(b)の一点破線に示すように光路が変更され、その後、さらにホットミラー7を透過すると、IRカットフィルター6及びホットミラー7の像側の面の法線N1及びN2がともに光軸OXに対して傾いていない場合の光路に近い光路に変更される。したがって、撮像光学系3を透過した光が、その後、それぞれ光軸OXに対して像側の面の法線N1及びN2が互いに逆向きに傾いたIRカットフィルター6及びホットミラー7を透過して、撮像素子4の受光面41に到達する位置は、第2の位置P2より第1の位置P1に近い位置に到達する。このように、ホットミラー7を上述のように傾けることによって放熱が促進され、さらに、IRカットフィルター6の法線N2を傾けることによって非点収差が減少する。
第2の角度θ2は、第1の角度θ1と、ホットミラー7の厚さd1及び屈折率n1と、IRカットフィルター6の厚さd2及び屈折率n2とによって決定することができる。例えば、d1=d2、かつn1=n2である場合、IRカットフィルター6及びホットミラー7の法線N1及びN2が同一平面内にあり、θ2とθ1との向きが反対方向で、絶対値が同じである場合に最も非点収差を最小化することができる。また、例えば、n1=n2且つ、d2>d1とである場合、θ2とθ1との向きを反対方向とし、θ2の絶対値がθ1の絶対値より大きくすることによって、非点収差を小さくすることができる。
また、図6に示す例では、法線N1と法線N2とが同一面内にあるように、IRカットフィルター6とホットミラー7とは互いに傾くが、法線N2が法線N1を含む面から、僅かにずれてもよい。この場合、法線N1と光軸OXとを含む面内における法線N2の成分が、光軸OXに対して法線N1と反対方向となるように、IRカットフィルター6及びホットミラー7はそれぞれ配置される。
第3の実施形態におけるその他の構成、作用は第1の実施形態と同様なので、同一または対応する構成要素には、同一参照符号を付して説明を省略する。
以上のように、第3の実施形態によれば、撮像装置1は、撮像素子4と撮像光学系3との間に、可視光を透過し、撮像素子4から放射される赤外光の少なくとも一部を反射するホットミラー7を備える。そのため、撮像素子4から発生する熱によって、撮像光学系3の温度が上昇するのを抑えることできる。これにより、温度上昇による撮像光学系3の屈折率の変化を低減させ、撮像性能が低下するのを抑えることが可能となるという第1の実施形態と同様の効果を奏する。
また、第3の実施形態によれば、ホットミラー7は、該ホットミラー7の像側の面の法線N1が光軸OXの方向に対して傾くように配置される。このため、撮像素子4から放射され、ホットミラー7によって反射された赤外光は、ホットミラー7と撮像光学系3との間の空間から放出される。これにより、撮像素子4から撮像光学系3の方へ放射される熱は低減し、撮像光学系3の温度が上昇するのを抑えることできる。したがって、温度上昇による撮像光学系3の屈折率の変化を一層低減させ、撮像性能が低下するのをより抑えることが可能となるという第2の実施形態と同様の効果を奏する。
また、第3の実施形態においては、ホットミラー7は、該ホットミラー7の像側の面の法線N1が光軸OXの方向に対して傾くように配置され、さらに、IRカットフィルター6は、該IRカットフィルター6の像側の面の法線N2が光軸OXの方向に対して、ホットミラー7とは逆の方向に傾くように配置される。このため、撮像光学系3を透過した光は、IRカットフィルター6を透過することによって光路が変更され、さらに、ホットミラー7を透過することによって逆方向に光路が変更される。これにより、光は、IRカットフィルター6とホットミラー7とを透過した後、元の光路に近い光路を進行して、IRカットフィルター6とホットミラー7とが傾いていない場合に到達する位置に近い、撮像素子4の受光面41上の位置に到達する。したがって、ホットミラー7の像側の面の法線N1のみが光軸方向に対して傾く場合に比べて、非点収差を点源することができる。
また、第3の実施形態において、撮像装置1はIRカットフィルター6を備えるとしたが、これに限られない。例えば、撮像装置1は、IRカットフィルター6の代わりに、可視光を透過させる任意のフィルター10を備えてもよい。この場合、フィルター10は、像側の面の法線N3が光軸OXに対して第3の角度θ3、傾くように配置される。
また、第3の実施形態において、撮像装置1は、図8に示すように、IRカットフィルター6に加え、さらに可視光の光路を変更させる任意のフィルター10を備えてもよい。この場合、例えば、IRカットフィルター6は、像側の面の法線N2が光軸OXと平行に配置され、フィルター10は、ホットミラー7の傾きが像に与える影響を少なくとも部分的に補償するように、法線N3を光軸OXに対して第3の角度θ3、傾けて配置される。この場合、第3の角度θ3は、第1の角度θ1と、光軸に対して反対の向きである。
また、第3の角度θ3は、第3の実施形態における第2の角度θ2と同様に、第1の角度θ1と、ホットミラー7の厚さd1及び屈折率n1と、フィルター10の厚さd3及び屈折率n3とによって決定することができる。例えば、d1=d3、かつn1=n3である場合、フィルター10及びホットミラー7の像側の面の法線N3及びN1が同一平面内にあり、θ3とθ1との向きが反対方向で、絶対値が同じである場合に最も非点収差を最小化することができる。
上述の実施形態及び実施例は代表的な例として説明したが、本発明の趣旨及び範囲内で、多くの変更及び置換ができることは当業者に明らかである。したがって、本発明は、上述の実施形態及び実施例によって制限するものと解するべきではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
上述の実施形態においては、ホットミラー7と、IRカットフィルター6を含む可視光を透過させるフィルター10を光軸OXに対して傾けるとしたがこの限りではない。例えば、図9に示すように、IRカットフィルター6が傾かず、ホットミラー7と撮像素子4とが光軸OXに対して、互いに反対の方向へ傾いてもよい。同様にして、ホットミラー7が傾かずに、IRカットフィルター6と撮像素子4とが光軸OXに対して、互いに反対の方向へ傾いてもよい。
上述の実施形態及び変形例においては、撮像素子4、IRカットフィルター6、ホットミラー7、及びフィルター10のうちいずれか2つが、光軸OXに対して法線が互いに逆の方向に傾いて配置されるとしたが、この限りではない。撮像素子4、IRカットフィルター6、ホットミラー7、1つ以上のフィルター10のうち、いずれか3つ以上が傾いて配置されてもよい。
1 撮像装置
2 筺体
3 撮像光学系
3a,3b,3c,3d,3e,3f レンズ
4 撮像素子
5 基板
6 IRカットフィルター
7 ホットミラー
8 伝熱部材
9 移動体
10 フィルター
21 鏡筒
22 部品収容ケース
41 受光面
2 筺体
3 撮像光学系
3a,3b,3c,3d,3e,3f レンズ
4 撮像素子
5 基板
6 IRカットフィルター
7 ホットミラー
8 伝熱部材
9 移動体
10 フィルター
21 鏡筒
22 部品収容ケース
41 受光面
Claims (5)
- 撮像光学系と、
前記撮像光学系を収容する筺体と、
前記筺体に収容され、前記撮像光学系を介して結像される被写体像を撮像する撮像素子と、
前記筺体に収容され、前記撮像光学系と前記撮像素子との間に配置される、可視光を透過し、遠赤外光を反射する第1光学素子と、
を備える撮像装置。 - 前記第1光学素子は、該第1光学素子の像側の面の法線が前記撮像光学系の光軸に対して傾いている請求項1に記載の撮像装置。
- 可視光を透過させ、前記撮像素子が感度を有する波長範囲の近赤外光を反射または吸収する第2光学素子をさらに備え、前記第2光学素子の像側の面の法線は前記光軸に対して傾いており、
前記第2光学素子の法線の、前記光軸上の成分が、前記第1光学素子の前記光軸上の成分に対して同一方向であり、前記第2光学素子の法線の、前記第1光学素子の法線の前記光軸に対して垂直となる成分が、前記第1光学素子の前記光軸に対して垂直な成分に対して反対方向の成分を有する請求項2に記載の撮像装置。 - 第1光学素子は、4μm〜14μmの波長範囲の遠赤外光を50%以上反射させる請求項1から3のいずれか一項に記載の撮像装置。
- 撮像光学系と、
前記撮像光学系を収容する筺体と、
前記筺体に収容され、前記撮像光学系を介して結像される被写体像を撮像する撮像素子と、
前記筺体に収容され、前記撮像光学系と前記撮像素子との間に配置される、可視光を透過し、遠赤外光を反射する第1光学素子と、
を含む撮像装置を備える移動体。
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JP (1) | JP2018054861A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN114455087A (zh) * | 2022-03-04 | 2022-05-10 | 湖南谱峰光电有限公司 | 一种小型非扫描复合吊舱和安装方法 |
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2016
- 2016-09-28 JP JP2016190443A patent/JP2018054861A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN114455087A (zh) * | 2022-03-04 | 2022-05-10 | 湖南谱峰光电有限公司 | 一种小型非扫描复合吊舱和安装方法 |
CN114455087B (zh) * | 2022-03-04 | 2024-04-19 | 湖南耀测科技有限公司 | 一种小型非扫描复合吊舱和安装方法 |
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